第30回環境省独立行政法人評価委員会会議録

1.日時

平成25年7月1日(月)13:00~14:30

2.場所

航空会館第501・502会議室(5F)

3.議題

  1.   (1)委員長の選任について
  2.   (2)独立行政法人環境再生保全機構の次期中期目標・中期計画の検討等について
  3.   (3)その他

4.配付資料

  •    資料1   平成25年度環境省独立行政法人評価委員会の開催予定について
  •    資料2   独立行政法人環境再生保全機構の次期中期目標・中期計画の検討等について
  •    参考資料1 環境省独立行政法人評価委員会名簿
  •    参考資料2 関連法規等

5.出席者

   委員: 西間三馨委員長、泉淳一委員、大久保規子委員

           小池勲夫委員、中村紀子委員、花木啓祐委員

           有田芳子委員、萩原なつ子委員

   環境省 大臣官房      鎌形審議官

        総合環境政策局  白石総合環境政策局長、米谷総務課長、吉川環境研究技術室長、坂口調査官、林総務課課長補佐

        環境再生保全機構 福井理事長、武川理事

         国立環境研究所  住理事長

6.議事

【坂口調査官】 定刻になりましたので、ただいまより第30回環境省独立行政法人評価委員会を開催いたします。

 会議に先立ちまして、総合環境政策局長の白石よりご挨拶申し上げます。

【白石総合環境政策局長】 本日は、ご多用の中、皆さんご出席いただきまして厚く御礼申し上げます。第30回になりますが、環境省独立行政法人評価委員会を開催させていただきます。

 まずは、委員の皆様方、今回、改選の時期でございまして、引き続きあるいは新たにご就任をいただきましたことに深く御礼、感謝を申し上げます。お気づきのことと思いますが、例年よりも人数が少なく、いつもだと委員の先生方のほうがこちら側より多い13名の構成をしておりましたが、今回、9名ということでスリム化させていただきました。これはこの評価委員会に限らず、全省庁におきまして審議会をより簡素化して、一人2分しかしゃべれないとか、そういうことのないように、人数を絞ってというふうなことが政府全体の中であった動きに当省としても合わせたものでございます。

 本評価委員会、もうお気づきの方も多うございますけれども、独立行政法人制度に関する大変重要な機関でございまして、業務の実績の評価をいただくということのほかに、中期目標・中期計画など、独立行政法人の業務運営全般にわたりまして、ご意見、ご指導いただくということが任務でございます。国立環境研究所、今日は所長が参っておりますが、それと環境再生保全機構の2法人ございます。

 この国立環境研究所、国環研というふうに略させていただいておりますけれども、平成23年度からスタートした第3期の中期目標期間の2年目ということで、その中間的なご評価をいただくことになっております。中期目標達成に向けて、前向きなご意見もいただければと考えております。

 それから、環境再生保全機構のほうでございます。本年度末で第2期の中期目標期間が終了いたします。したがいまして、今日、この機会以降、昨年の年度評価に加えまして、次の中期計画の策定に向け、見直しの検討を行っていただくということになります。多くのご意見をいただくことになり、またご苦労、お時間を頂戴することになりますが、ぜひ、ご審議のほうをよろしくお願いいたします。

 最後に、私事ではございますけれども、私は明日付で異動いたしまして、地球環境審議官を拝命いたします。早速、明日からシンガポールに出張ということで、あまりご挨拶に回ったりすることができないものですから、この場をかりましてご挨拶をさせていただきます。後任の清水が引き続きやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

【坂口調査官】 続きまして、お配りしております資料につきまして、ご確認をお願いいたします。

 まず、最初に、1枚目の表紙ですけれども、議事次第でございます。1枚めくっていただきまして、資料1、平成25年度環境省独立行政法人評価委員会の開催予定についてでございます。次に、資料2、独立行政法人環境再生保全機構の次期中期目標・中期計画の検討等についてでございます。それから、参考資料1としまして、環境省独立行政法人評価委員会の名簿、参考資料2としまして、関連法規等でございます。

 それでは、委員の方々をご紹介させていただきます。お手元に座席表をお配りしております。また、参考資料1に名簿がございますので、この名簿に沿いまして、50音順に本日ご出席の方々のご紹介をさせていただきます。

 まず、泉先生でございます。

【泉委員】 太陽ASG監査法人の泉と申します。よろしくお願いいたします。

【大久保委員】 大阪大学の大久保でございます。よろしくお願いいたします。

【小池委員】 琉球大学の小池です。よろしくお願いいたします。

【中村委員】 ポピンズの中村と申します。よろしくお願いいたします。

【花木委員】 東京大学の花木でございます。よろしくお願いいたします。

【西間委員】 福岡女学院の西間と申します。よろしくお願いいたします。

【坂口調査官】 委員の有田先生と萩原先生は少し遅れているようでございますが、ご出席の予定になってございます。

 引き続き、環境省の出席者をご紹介いたしたいと思います。私のほうの右手ですけれども、白石総合環境政策局長でございます。

 鎌形審議官でございます。

 米谷総務課長でございます。

 吉川環境研究技術室長です。

 また、本日、国立環境研究所の住理事長と環境再生保全機構の福井理事長にもご出席いただいてございます。住理事長におかれましては、議題1までのご出席でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、両理事長、一言ご挨拶をお願いできればと思います。

【住国立環境研究所理事長】 国立環境研究所理事長をこの4月からやっております、住でございます。この度は評価委員会の役員をお引き受けいただきまして誠にありがとうございます。なかなか大変なお仕事だと思います。

 国環研について、簡単に一言、僕自身はどう思っているかといいますと、やはり非常に大きな時代の変わり目に来ているなという感じがしております。それはどういうことかといいますと、環境省もそうですが、そもそも前からといっては悪いのですが、発足時はやっぱり環境を守れとか、要するにメーンストリームではないというような位置づけであろうと思っていましたけども、昨今の場合は、環境基本法の中に放射性物質が入ってくる。福島の問題があってからそういう点では、社会的にも大きな問題を扱うようになってきたのだなという感じがしております。また、温暖化対策もそうですが、現実の問題として、適応問題等、いろいろなことが非常に重要になってきておりますので、より具体的な、要するにエネルギーから経済から、いろいろなことに関与するような場面に、環境省としてもそうでしょうし、国環研としても立たざるを得なくなってきているんだなというふうに思っております。

 それは逆に言うと、具体的な課題に対して答えをどう出すかということでありまして、残念ながら、100%答えが出せると言えるような問題ではない問題を非常に多く扱っていかねばならないわけですし、それだけ非常に難しい時代になってきているのではないかなと思っております。逆に言えば、今、どこでもそうですけれども、新しいタイプの学問が求められていると言われております。それはどういうことかというと、今起きている難しい問題を何とか解決してほしいというのが国民の願いですので、その問題が解決できるかどうかというのは難しいところもあるのですが、できる限りその解決に資するような立ち位置でこれからやっていく必要があるだろうなと思っております。

 そういう意味で、国環研としては、昨年度の終わりに中期計画と中期目標を変えました。それは、福島の問題がありまして、いわゆる放射性物質に関わる部分が従来はなかったのですが、現在は環境中に放射性物質があるのだというような状態になっておりますので、そういう環境中の放射性物質をどうするかという大きな問題を研究ということでそういう体制にしました。また、福島にも今年度予算で定員がある程度認められましたので、福島に支部をつくることになりました。そういう点では、地元ともタイアップしながら積極的にやっていこうと思っております。いずれにせよ、評価の先生方にはいろいろとご指導、ご鞭撻を願わなければなりませんので、これからもよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

【福井環境再生保全機構理事長】 環境再生保全機構の福井でございます。本日は、大変お忙しい中、評価委員の先生方お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。また、新しく就任されました先生方には、ぜひ、機構の役割をご理解いただきまして、今後ともご助言いただければと思っております。

 ご承知のように、当機構は環境政策の執行機関ということでございまして、公害健康被害の補償の業務、予防の業務、地球環境基金の業務、さらにはアスベストの健康被害救済の業務ということで、非常に幅広い、かつ多様な業務を150名弱の人間で執行している機関でございます。

 ちょうど本年が第2期中期計画の最終年度ということで進めてまいっておりますが、計画に基づいてほぼ順調に推移してきているのではないかと自負しております。最終年度ということもございますし、それから、次期第3期中期計画の作成年度という大事な節目の年でございますので、役職員一丸となりまして、心をなお一層引き締めまして執行に当たっていきたいなというふうに考えております。

 後ほど、第2期中期計画の21年度から25年度までのうちの24年度までの4カ年分については、理事のほうから報告、ご審議いただく予定でございます。ぜひ、今後ともより一層、ご指導、ご鞭撻いただければ幸いに存じます。よろしくお願いいたします。

【坂口調査官】 本日は、委員9名のうち6名、現在ご出席いただいておりますので、環境省独立行政評価委員会令第6条第1項の規定により、過半数以上ということで定足数を満たしていますことを報告申し上げます。

 それでは、議事に入らせていただきます。本日は、委員の新たな任命後、最初の委員会ということでございますので、委員長が選任されるまでの間、僭越ではございますが、事務局において議事を進めさせていただきます。

 それでは、早速ですが、委員長の選任に移りたいと思います。環境省独立行政法人委員会令第4条第1項の規定で、委員長は委員の互選により選任することとされております。つきましては、委員長の候補者について、ご意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。

【小池委員】 国立環境研究所部会、それから、環境再生保全機構部会の両会に所属されていて、両法人の業務内容に精通されている、西間委員にぜひ委員長を引き受けていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

【坂口調査官】 ありがとうございます。ほかにご意見は、ございますでしょうか。

 それでは、西間委員にお願いすることでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【坂口調査官】ご異議がございませんようですので、西間委員に委員長席にご移動をお願いいたします。

 ちょうど、今、萩原委員のご到着ですけれども、これ以降の議事進行につきましては、西間委員長にお願いいたします。

【西間委員長】 委員長に指名していただきました、西間でございます。いよいよ私も最長老になったなと感無量であります。また、私どもはこの委員会がスリム化したことで、多くの方々を相手に今までの1.5倍ぐらいしゃべらなければならないことになったようでございますが、ぜひ、委員の皆様方のご協力をいただいて、しっかりとやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 それでは環境省独立行政法人評価委員会令第4条第3項に、委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員がその職務を代理すると規定されております。したがいまして、委員長代理につきましては、私を指名していただいた小池委員に逆指名をしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 続きまして、各部会への所属についてですけれども、環境省の独立行政法人評価委員会令第5条第2項の規定により、所属委員の委員長が指名することとされております。これから事務局がお配りします所属部会名簿をもって指名とさせていただきたいと存じます。

 それでは、事務局のほうで各部会名簿の配付をよろしくお願いします。 それでは、本年度の委員会及び部会の開催予定について、事務局のほうから説明をお願いします。

【坂口調査官】 お配りしています資料1をご覧いただきたいと思います。平成25年度環境省独立行政法人評価委員会の開催予定についてでございます。

 まず、日程ですが、本日、7月1日から、年を越えまして、来年3月までの日程を、今開いてございます評価委員会、環境再生保全機構部会、国立環境研究所部会、それぞれ三つに分けて説明してございます。

 まず、本日、7月1日、評価委員会と、2時半から環境再生保全機構部会がございます。まず、評価委員会につきましては、本日と、8月21日の13時から14時半まで中期目標期間終了時の検討ということを予定してございます。それから、少しまた時期があきますけど、12月に中期目標期間終了時の検討ということで、見直し案の審議をいただく予定にしてございます。

 右にいきまして、環境再生保全機構部会でございますけれども、本日14時半から、部会長の選任及び24年度の業務実績報告を行いまして、8月21日に平成24年度業務実績評価を行う予定にしてございます。それから、年を越えまして、1月、2月、3月に第3期の中期目標の審議、それから、2月、3月に中期計画の審議、取りまとめ等を行う予定にしてございます。

 それから、もう一つ右側ですけれども、国立環境研究所部会でございますけれども、7月5日に部会長の選任、平成24年度業務実績報告を行うとともに、8月21日に24年度の実績評価を行うといったスケジュールになってございます。

 以上でございます。

【西間委員長】 ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、何か委員の間でご意見ありますでしょうか。ここは都合が悪いとか。よろしいですか。

(なし)

【西間委員長】それでは、これで進めさせていただきますので、委員会としては、これにつきましては特に意見がないということにさせていただきます。

 では、事務局、続けてお願いします。

 【坂口調査官】 続いて、資料2でございまして、独立行政法人環境再生保全機構の次期中期目標・中期計画の検討等についての内容でございます。

 今年度、平成25年度が環境再生保全機構の第2期の中期計画の最終年度に当たる年でございまして、来年、平成26年度以降につきまして、次期中期目標・中期計画の検討を進める必要があるということでございます。独立行政法人制度上ですと、独立行政法人通則法の規定に基づきまして、「主務大臣は、独立行政法人の中期目標の期間の終了時において、当該独立行政法人の業務を継続させる必要性、組織の在り方その他その組織及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、所要の措置を講ずるもの」とされてございます。その上で、機構に引き続き業務を継続させる場合におきましては、独立行政法人が達成すべき業務運営に関する目標、いわゆる中期目標を策定するとともに、機構のほうが同目標に基づき中期計画をつくりまして、その認可を主務大臣が行うといった形になってございます。

 こういったものを、評価委員会で検討していただくことになりますけれども、別紙1のほうで具体的なスケジュールを書かせていただいてございます。右の欄のほうが環境省及び評価委員会の動きでございまして、左側が総務省、それから、総務省の下に設置されております総務省政策評価・独立行政法人評価委員会等の動きを示してございます。

 まず、右側の部分、本日、7月1日に環境省独立行政法人評価委員会を開催する予定になってございまして、第2期中期計画の実施状況等の点検報告を行う段取りになってございます。それから、同じ時期に環境省のほうで見直しの当初案等の検討を開始しまして、8月21日に評価委員会を開催しまして、中期目標期間終了時の組織業務全般の見直し、いわゆる当初案についてご審議いただくことになっておりまして、8月末に環境省及び共管省を取りまとめて見直し当初案を提出するという段取りになってございます。

 一旦、ちょっと左側に移っていただきますと、総務省及び総務省の下に設置しております政策評価・独立行政法人評価委員会、ここは各省が行う独法評価に関して意見を述べること及び中期目標期間終了時に主要な事務・事業の改廃に関して主務大臣に対して勧告を行うことができる、そういった組織でございますが、次期中期目標・中期計画をつくる環境再生保全機構以外の法人についても中身の検討を既に開始してございまして、7月上旬には環境省に対してヒアリングを行う予定であるとか、7月から8月にかけて法人の視察を行うといったことを予定してございます。

 先ほどの25年8月末に見直し当初案を環境省のほうから総務省に提出した後は、9月以降に、先ほどもご説明しました政独委といったところで中身を検討することになっておりまして、25年11月ごろに総務省から環境省に対して組織見直し内容の提出の依頼を正式にする段取りでございます。それを受けまして、25年12月上旬に環境省の評価委員会を開催して、業務全般の見直し案についてご審議をいただくことになってございます。その後、12月以降、中期目標の作成、中期計画等の作成の議論を進めていくといった形になってございます。

 もう一枚めくっていただきまして、別紙2でございますけれども、こちらは先ほどの資料1でご説明した内容とほぼダブりますけれども、中期目標の検討及び機構の業務実績、各年度の評価、国環研の年度評価についても、7月から8月にかけてどういったスケジュールで進めていくかということを示している資料でございまして、それぞれ意見と評価等を委員の先生に作成していただく時期、それから、事務局が取りまとめを行って、それを調整していく時期をそれぞれ書き示してございます。具体的なスケジュール等については、また細かく事務局のほうから先生方にお知らせしようと思ってございます。

 以上でございます。

【西間委員長】 ここまでのところで、委員の先生方、何かご質問等ございますでしょうか。よろしいですか。

(なし)

【西間委員長】それでは、続けて、事務局、お願いします。

【坂口調査官】 先ほどご説明したとおり、本委員会につきましては、今後、8月末と12月ごろの2回に分けまして、通則法35条に基づく機構の組織のあり方及び業務全般にわたる検討を行っていただく予定でございます。本日は、その検討の基礎資料としていただくため、機構の第2期中期計画期間の業務実績につきまして、平成21年度から昨年度までの4年間の実施状況を、機構の武川理事にご説明をお願いしたいと思ってございます。

【武川環境再生保全機構理事】 機構の総務担当、武川でございます。ひとつよろしくお願いします。申し訳ないですが、座ってご説明させていただきます。

 今、冊子をお配りいただけていると思いますけれども、よろしいでしょうか。

 それでは、私のほうからご説明させていただきます。

 中期目標と計画の概要につきましては、これまでも出ておりますので、時間の関係上、4カ年の業務実績を中心に、目標・事後評価を含めて、ご説明させていただきます。

 まず、目次の次、補償業務でございます。では、1ページをお開きください。こちらにつきましては、目標と計画の概要ですが、時間の関係上、2ページ目の業務実績から説明させていただきます。

 それでは、2ページをお開きください。まず、(1)賦課金の徴収でございますが、1番上の表の賦課金の収納状況にありますように、各年度目標である99%以上を維持しております。その下の(2)実地調査につきましても、表のとおり、24年度63件ということで、20年度比50%以上の65.8%増を達成しております。その下の(3)でございますが、徴収経費につきましては、民間競争入札によって日本商工会議所と委託契約を行いまして、表のように、目標である7%以上の8.9%の削減ができております。また、人員につきましても、(4)に記載のとおり、申告書と点検事務に係る人員が1名削減できております。次に、大きな課題であります、(5)のオンライン申告の促進でございますけども、直接働きかけたり、説明会などを行ってきた結果、21年度対比で20%増の50%弱となっております。となりのページの一番上の表を見ていただきますとわかりますように、一番上のところでオンライン申告というところでございますが、金額ベースでは60%以上になっております。

 さらに下の表、2ポツの都道府県のオンライン申請率につきましては、(1)の表のように、平成23年度で100%移行が実現できております。

 4ページ目に移っていただきまして、事後評価でございますけれども、そこに書いてあるのは今申し上げたとおりでございますので、省略させていただきます。

 続きまして、予防業務でございますが、7ページをお開きください。まず、一番上の基金の運用収入でございますけども、表のとおりでございます。運用収入の推移でございますが、市場金利が低下しておりまして、21年度対比で1億5,000万円程度減少しております。今後も減少は避けられない状況でございますが、事業の重点化につきましては、地域住民のぜん息等の発症予防と健康回復に直接つながる効果が見込める、いわゆるソフト3事業、具体的に申し上げますと、健康相談、健康診査及び機能訓練事業を優先的に採択しております。

 また、下に表がございますけども、独法の見直し・基本方針を踏まえまして、措置として、下の表のように見直しを行っております。具体的には、表の中の(1)の二つ目でございますけれども、22年度エコカーフェアなどを廃止し、その下にあるように、最新規制適合車代替促進事業とぜん息等に係る施設の整備に対する助成も廃止しております。

 続きまして、8ページ目に移らせていただきます。まず、ここでございますけども、ニーズの把握と事業内容の改善につきましては、アンケートを実施し、得られた意見を収集し、下の表のとおり、七つのニーズを把握し、その右にニーズに対応する事業として、講座、研修等を開催した結果を記載しております。

 次に、3ポツの調査研究でございます。環境保健分野は、ぜん息等発症予防、健康回復に直接つながる知見の確立及び効果の把握に係る課題を重点化しております。大気環境の改善分野では、局地的な汚染地域の汚染改善に関わる課題2例を重点化し、ホームページや学会を活用して周知を図り、採択につきましては、外部有識者による評価を行い、採択しております。

 その下の4ポツの知識の普及と情報提供につきましてですが、右のページに移っていただきまして、上の表でございます。事業への参加者の推移につきましては、その表にあるように、下に※印がございますが、そこに記載の講座、フォーラムを開催し、表のように、参加者につきましては着実に増加しております。上位2段階までの評価でございますけども、92.3%ということで良好な状況でございます。

 その下の5ポツ、研修の実施でございますが、予防事業に従事する地方公共団体の職員を対象に、延べ1,761人に対し研修を実施しております。こちらにつきましては、表のとおり、アンケート評価は上位2段階までで96.7%ということで良好なものになっております。

 その下の6ポツ、助成事業でございます。調査研究と同じ観点で重点化を行っておりまして、下の表のとおり、いずれの年度もソフト3事業の割合を80%以上確保しており、24年度は81.6%になっております。

 次のページでございますけども、事後評価でございます。これは記載のとおりでございますけども、特にソフト3事業を主体とした事業の重点化とニーズの把握、その結果を適切に事業に反映することができたのではないかと考えております。

 続きまして、11ページ以降の地球環境基金に移らせていただきます。目標・計画につきましては、業務実績の中で説明していただきますので、12ページをお開きください。

 まず、1ポツでございます。助成事業でございますけども、(1)にあるように、同一活動に対しての3年超の助成は0でございます。また、24年度につきましては、特別助成として、震災及びリオ+20に対しても助成を行っております。(2)の助成対象でございますが、温暖化防止等政策目標分野に70%以上、(3)の海外の対象地域につきましては、アジア太平洋地域の活動に80%以上重点化しております。その下の助成金の支払までの処理期間につきましては、(4)の表で、平成20年度27.03日が平成24年度25.25日というように、日数の短縮化が図られております。次に、(7)でございます。募集に係る内定決定の通知でございますが、表のとおり、計画どおり実施しております。右に移っていただきまして、(8)助成団体の事務効率化のため、機構のほうでエクセルマクロファイルを開発したところ、80%以上の利用率となっておりまして、助成団体の事務効率化に寄与できたのではないかと考えております。その下の(10)でございます。助成金の募集の説明会につきましては、助成実績の少ない地域を中心に開催させていただきまして、こちらには記載はございませんけども、減少傾向であった応募実績に歯どめがかかっておりまして、25年度の応募は増加に転じることができております。なお、この4年間の助成実績は、下の表の右下の計でございますけど、881件で27億6,400万円でございました。

 次に、その下、2ポツ、振興事業でございますけども、調査研究は環境NGO総覧の作成調査に重点化しております。これに加えまして、東日本大震災に伴う洋上漂流物に係る日米NGO連携推進、調査及び国内への情報発信事業について実施し、情報提供を行っております。

 次に、14ページ、3ポツの基金の運用でございます。これはいわゆる基金の実績でございますけれども、下のインターネットバンク(楽天銀行)の募集受け入れを追加のほか、下の五つのポツを実行しておりまして、順調に積み上がってきております。各年度の出えん金の額の表のとおり、計画達成の2億2,619万2,000円まで、あと600万円弱というところまで来ております。ただし、ちょっと24年度を見ていただくとわかるんですけども、大口寄附者の方針変更によりまして、件数は増えたものの、金額については大幅に減ってきております。

 その下の自己評価でございますが、助成につきましては、各分野とも重点化でき、助成団体につきましては、エクセルマクロファイルが大きく役に立ったと考えております。

 次に行かせていただきます。右のページでございます。PCB等維持管理につきましてです。業務実績の1ポツ、PCBについては、下の表のとおり、助成実績は徐々に加速してきております。また、2ポツの振興事業、いわゆる調査研究でございますけども、下の表のとおり、着実に助成ができております。

 16ページに移らせていただきます。こちらは維持管理積立金でございますけれども、こちらにつきましては、下の自己評価をご覧ください。安全確実な管理と運営を要請されているものでありまして、システムを充実させ、一層の管理の適正化を図り、適正な運用ができておると考えております。

 次に、石綿健康被害救済業務に入らせていただきます。18ページをご覧ください。こちらも実績中心にご説明させていただきます。まず、(1)でございます。広報につきましては、一般向け①でございます。真ん中でございますが、表のように、いろいろな媒体を使いまして、制度の周知徹底を行っております。②から19ページの④までは対象を絞った広報でございます。いわゆるお医者さんとか患者さんとかということでございます。次ですが、まず、広報につきましては、これ以外にホスピタルチャンネル等、いわゆるお医者さんの待合室などで見られるテレビですけど、こちらのほうが結構効果が出ておると考えております。それから、(2)です。ホームページによる周知でございます。表のように、アクセス数は順調に増加してきております。その下の(3)相談対応につきましてでございますが、一番上の無料電話相談につきましても着実に増加しております。また、一番下の住民相談会につきましても、毎年職員が各地域に出向き、開催しております。

 20ページでございます。3ポツの認定・支給の適正な実施でございます。まず、(1)申請の受付状況でございますけれども、表のとおり、年間約1,200件程度の申請を受け付けております。この4年間で、一番下の合計欄のとおり、4,816件の申請を受け付けております。一方、右のページでございますけども、認定の状況でございますが、4年間で4,000件以上の認定を行っております。認定の比率としては約8割でございます。次に、(3)でございます。事務処理日数でございますけども、申請者に対するサービスの向上を目指して、短縮に力を入れてきた結果でございますが、下の表のとおり、特に一番迅速化すべき療養中の方に対しては、21年度178日が24年度130日と、48日減と大きく短縮を図ることができております。

 次ページ、(4)でございます。医療費等の支給でございますが、表のとおりでございます。年度ごとに支給金額について、例えば、特別遺族弔慰金ですと、21年度でしたら54億円、その翌年は28億円というように増減がございます。この原因は、21年度と24年度につきましては、厚生労働省、環境省、当機構が協業いたしまして、中皮腫により死亡された方々の再調査を行ったことにより、支給件数が大きく増加したことによるものでございます。その下の鍵括弧、支給までの処理期間でございますが、各項目、着実に短縮されております。

 その下の(5)認定の更新でございますが、右のページの表をご覧いただきたいと思います。法施行後5年の23年1月より認定更新等の決定を開始し、197名の方がこれまで更新しておられます。更新していない方が9名でございますけども、こちらにつきましては主治医のほうから治癒したという判断が下ったものでございます。

 それでは、ページを開いていただきまして、24ページ、自己評価でございます。まず、広報につきましては効果的に行われたのではないかなというふうに考えております。また、患者サービスの観点から、事務処理日数も大幅に短縮ができております。この要因は特に記載していないのですが、蓋然性の高い案件をいわゆる二重丸案件という格好で審議プロセスを簡略化したことも大きく寄与していると思っております。

 それでは、右のページの組織運営について、ご説明させていただきます。こちらも実績から入らせていただきますので、26ページをお開きください。まず、(1)の人員でございます。24年度末までに管理職員を4名削減しております。中期計画の最終の今年度末につきましては、6月末に大阪支部を廃止したことによって2名は既に削減できておりますので、目標は達成できる見込みでございます。②の組織体制でございますが、記載のとおりで、23年度、23あった課や室でございますけども、24年度末では19、今年度末は大阪支部がなくなりますので18となりまして、五つの課が統廃合により削減できております。③の業務一元化につきましては、資金の運用管理について行っております。続いて、(2)内部統制の強化でございますけども、①のコンプライアンスの強化につきましては、マニュアルを作成し、毎年、全役職員を対象に研修を実施し、周知徹底を図っております。②のガバナンスの強化につきましては、理事長が毎年、全職員に対し、年3回の訓示を行うとともに、全職員と業務の取組状況、各自の抱える課題や提言を中心に意見交換会を実施しております。その次、③のリスク管理につきましては、リスク管理委員会を設置し、全業務を対象にリスクの洗い出しと軽重づけを行い、自己点検を行うという風土を醸成いたしました。④の情報セキュリティにつきましては、イにありますように、重要なバックアップデータにつきまして、外部保管運用に切り換え、ネットワーク機器につきましては二重化を実施するなど、対策の強化を図るとともに、ウにあるように、情報取扱い、情報セキュリティ、実施手順書を作成し、全職員に研修を行っております。

 右のページ、(3)でございます。大阪支部につきましては、予定よりも9カ月早めまして、6月28日付で廃止しております。

 その下の2ポツの業務運営の効率化でございます。一般管理費につきましては、中ほどの表のとおり、着実に削減を行いまして、20年度比15%以上の削減目標を設定しておりまして、各年度の表のとおり、計画を上回る実績になっております。なお、24年度につきましては、単年度、1年限りの事務所面積の縮小経費が4,100万円含まれておりまして、実質20%以上の削減が図られております。②の事業費でございます。20年度比5%以上の削減目標につきましては、表のとおり、大幅な超過達成をしております。なお、表の上のなお書きにもございますが、区分の上から3番目基金勘定の削減比率が3%となっております。24年度につきましては、東日本大震災とリオ+20の関連経費9,800万円を含んでおりますので、これを除くと15.7%の減となっております。

 次に(2)随意契約の見直しでございます。開いていただきまして、28ページの契約状況でございますが、表のとおり、合計欄の一つ上でございますが、競争性のない随意契約というところで、24年度5件ということで大幅に減少しております。割合につきましても、下の二つの表のとおり、良好な水準ではないかなと思っております。それから、その下の一者応札・応募の件数でございますが、これも表の一番下の計のとおり、大幅に削減をしております。かつ一者応札・応募になった案件につきましては、表の上の記載がございますけれども、仕様書等配付を行ったものの応札を行わなかった業者に対し、理由を聴取し、理事会に報告するなど、事後点検を行い、一層の競争性の確保に努めております。

 続きまして、右のページの②でございます。契約に係る審査体制でございますが、アの契約監視委員会の事後評価を受けるとともに、総務省からの指示の周知を図り、新規の随意契約につきましては、事前に委員会の意見を聴取し、2年連続一者応札・応募案件につきましては、要因分析を行い、報告し、点検を受けております。次に、イ、機構内における審査体制でございます。一番上のポツにありますように、随意契約は事前に経理部で審査し、1,000万円以上の案件につきましては、経理担当理事の審査を実施中でございます。また、四つ目のポツでございますけれども、100万円以上の契約につきましては、ホームページで公表するとともに、毎月、理事会で報告・点検を行っております。さらに、下のウでございますが、25年度から機構内に契約手続審査委員会を設置し、契約手続の事前審査基準を強化いたしております。

 その下でございます。資金運用の一元化の推進でございますが、次のページを開いていただきまして、そこの一番下に増減という欄がございますけれども、この増減表の普通預金の平均残高でございますが、一番下のとおり、マイナス2.15%というように減少するなど、効率化が実現できております。

 続きまして、右のページ、(6)人件費給与水準の適正化でございます。ラスパイレス指数でございますが、23年度までに112程度、地域・学歴勘案を109程度にするという目標に対しまして、本文4行目にございますが、国家公務員の引き下げ率を上回る引き下げを行いまして、その結果、それぞれ108.3と107.6と達成できております。

 その下の3.環境配慮につきましてでございますが、(1)の環境報告書につきましては、毎年9月にホームページで公表させていただいております。(2)の電気使用量につきましても、温室効果ガスとともに、下の表のように大幅な削減が図られております。

 続きまして、ページを開いていただきまして、32ページの自己評価でございます。人員の合理化につきましては着実に実現できておりまして、また、特に力を入れてきました内部統制の強化につきましても、記載のとおり、大きく進展したと考えております。また、2.の業務運営の効率化については、一般管理費、業務経費ともに削減が中期計画を大きく上回り、右のページの契約につきましても、随意契約が5件まで絞れるなど、成果が出ておると考えております。

 続いて、予算でございます。35ページをお開きください。こちらの係数につきましては、4年分の総計でございます。このうち、まず、収入支出の計画と実績で、差額の大きいものにつきまして、ご説明させていただきます。まず、収入の上から5行目、長期借入金でございますが、これは承継勘定において回収状況が良好でございましたので、176億円の借り入れがセーブできております。支出の部の上から2行目、113億2,300万円につきましては、患者さんの減少によるものでございまして、一つ飛んで、マイナスの262億2,900万円につきましては、これは石綿健康被害の申請者数が予定までいっていないということのマイナスでございます。

 では、36ページ以降は各勘定でございますので飛ばさせていただきまして、46ページをお開きいただけますでしょうか。各勘定の利益でございますけれども、一番上のところでございますが、合計勘定では第二種経理の特定賦課金が少なくて、不足分を予防経理の運用収入で財源カバーしております。4年間ではこれがほぼスクエアという感じになっております。二つ飛びまして、承継勘定につきましては、利息の収支差と不良債権の回収が順調だったことから、貸倒引当金の戻し入れもできて、計画を大幅に上回る利益になっております。なお、真ん中の石綿勘定と基金勘定につきましては、損益が発生しない構造になっております。これを受けまして、(2)の利益剰余金でございますが、表の合計欄のように約159億円弱になっております。その下の(3)でございますが、運営費交付金債務につきましては、各部の効率化と経費縮減により着実に積み上げまして、24年度も2億5,000万円弱積み上がりまして、18億8,500万円になっております。(4)基金の運用につきましては、過去の高利回りの運用が満期を迎えてきておりまして、運用利息自体は減少しておりますが、引き続き安全を重視して、効率化により運用益の縮小を最小限にとどめていきたいと考えております。

 次に、右のページでございます。2.の承継業務でございますが、いわゆる不良債権と呼ばれるものにつきましては、24年度末でございますが、表の一番上の債権残高Aの25年度期首見込みの268億1,000万円という形になり、中期目標の300億円以下を達成しております。ただし、これにつきましては、新たな不良債権が発生すれば、未達成となる可能性もございますので、引き続き正常債権を含めた管理を強化していきたいと考えております。

 その下の3.のサービサーへの委託でございますが、24年度に3件で5億円の委託を行っております。これによりまして、28億円の委託を行うという数値目標につきましては達成できております。

 4.の不良債権の処理に係る補助金でございますが、24年度では大幅に削減ができておりまして、6,700万円と大きく減っております。

 それから、その二つ下の6.の戸塚宿舎でございますが、これは25年度9月を目途に国庫納付をする予定になっております。

 開いていただきまして、48ページ、人員に関する計画でございます。人員につきましては、業務実績(1)の表にありますように、24年度期末までに142名まで削減できております。6月末の大阪支部の廃止により2名減員になるために、140名につきましては現時点で達成できております。それから、下の(2)職員の研修につきましても、次ページの一番上でございますが、この表のとおり積極的に行っておりまして、単純平均では、一人当たり4講座の受講ができております。また、(3)人事評価につきましては、記載がございませんけれども、評価者と被評価者の対話を特に重視して、最低30分の対話を基準として、目標の共有化と評価の納得性を高めております。

 最後に、自己評価でございますけれども、人員につきましては、先ほど申し上げましたとおり、今年度末の目標である140名は達成の見込みでございます。研修につきましても、階層別バリエーションを整え、実施いたしております。また、研修報告会等、本人のレビューを兼ねた勉強会を開催するなど、フィードバックと情報の共有化を図ってまいりました。

 以上でございますが、参考までに、その裏面でございますが、中期計画の数値目標達成状況につきまして、一覧表にしておきました。

 以上でございます。

【西間委員長】 どうもご説明ありがとうございました。

 今後、これを踏まえて、事務局では8月末の提出に向けて、機構の組織のあり方、その他業務全般にわたる見直し当初案を作成した上で、次回の委員会でご審議いただくことになっております。

 今までの説明で何かご意見、ご質問がありましたら、どうぞ委員の先生方、お願いします。膨大な量だから、なかなか全部を把握するのは難しいでしょうけれども、部会でまたもむことがあるでしょうけれども、今のうちに言っておいた方がいいこともあるでしょうから。どうぞ。

【中村委員】 まず、自己評価のところを拝見していて、前回もちょっと感じたのですが、理事長が非常に積極的に、全職員に向かって年3回、機構のミッションや、色々なメッセージを出しておられますが、本当にすばらしいと思います。組織をまとめていくには、やはりその長がおざなりで座っているだけではなくて、具体的に全職員に対して生の声で向かっていくという姿勢が非常に重要です。この機構はそれが感じられて、こういった報告書を拝見させていただいていても、一つ一つやることとその結果ということがきちっとついてきているような印象を受けました。

 それから、もう一つお聞きしたいのは、この報告書の中で、石綿について、毎年、相談の人数が増えてきているんですね。申請のところの相談が増えていらっしゃると。増えているということは、石綿の患者がそのPRに対して申請してきているのか、あるいは新たに、今、全国でいろんな古い建物が壊されることによって、新たな患者が生み出されてきているのか、いかがでしょうか。加えて、例えば、最後の方の金額のところで、業務経費支出の公害健康被害補償予防業務経費が減っているという報告がございましたね。計画値に対して、実績値が。それはいわゆる患者が減少しているからだということだったのですが、実際はその申請の数が増えて、認定の数も増えているのに、患者数が減っていて、お金が減っているということの整合性がちょっとよくわかりませんでした。

【武川環境再生保全機構理事】 まず、公害健康被害につきましては、石綿とは別の勘定でございまして、既に新規認定は行っておらず、どんどん減っていくという状況でございますので、公害健康被害につきましては減っていくと。石綿につきましては、実はこれは予測がございまして、こちらへの石綿の輸入の数が徐々に増えてきて、石綿の被害は、ピークから10年たったら発症するとか、20年たったら発症するということで、現時点でピークからまだ10年、20年たっていないものですから、これはもう委員長はよくご存じの世界なのですけれども、これからさらに増えていくのではないかなという部分が1点と。

 それと、相談などが増えてきている部分は、先ほど申し上げましたように、今まで、石綿は発足して5年、今年で6年になるのですけれども、いろいろ試行錯誤して広告媒体を考えて行ってきまして、先ほど申し上げましたように、ホスピタルチャンネル、お医者さんの待合室のテレビでこれが出てくるような、こういった格好とか、特に尼崎の方に通る電車のところにテレビに映るような公告を行ったりということで、徐々に広告媒体がうまく機能してきているのではないかなという思いもしております。それから、少しずつですが、地方に出向いて、保健所で相談会を開いたり、新聞でやりますよということを入れてやっている効果も出ているのではないかなと思っているところです。

【中村委員】 理事長はどのような内容をお話しされているのですか。

【福井環境再生保全機構理事長】 座らせて失礼させていただきますけれども、私は民間から参りまして、1年3カ月たちまして、当機構は割とよくきちっとマネジメントできているのではないかなとは思っているのですが、さらによくするために、もう少し下からボトムアップで意見がぐっと出てくるような組織が必要だなと。それから、もう一つは、やはり縦割りの部分がありますから、横で連携したり、整合性を保っていくというのが必要だなと思っていまして、そのためには一番大事なのは、当機構の場合は課長・課長代理クラスかなと思っています。それで、昨年度は若手の方を8人一組にしまして、15回ぐらいですか、2時間ぐらいずつ、意見交換会をしまして、若い人たちからの意見を整理して、今度は課長と打ち合わせをして、課長に個別具体的に、こういうふうにしていったらどうかというような話し合いをしています。やはり一番大事なのは職場のコミュニケーション、課長としてどう若い人の意見を引き出してくるのか、それに対してどう具体的な指示を与えているのかということが大切だよというお話をしまして、今年度は、課長の教育をしようということで、具体的には、それぞれ一つずつですけれども、課の中での最重要課題というテーマを設定していただいて、それを理事の前で発表を年に3回してもらおうというようなことです。ここにありましたように個別具体的な形で教育指導していきたいなと思ってやっているところでございます。

【中村委員】 ありがとうございました。以上でございます。

【大久保委員】 すみません、個別の話はまた部会になるのかもしれないのですけれども、一つは、この資料についてです。先ほど、委員長がおっしゃられたように、結構膨大で、かなり種類が多いものですから、私は今日、これは事前に送られてくるのかなと思っておりました。ちょっとこの場で聞いただけではなかなかすっと頭に入ってこないので、スケジュール的にのりしろがあまりないのかもしれないのですが、例えば、今日始まる前にこのテーブルに置いてあれば、少し目を通すこともできたと思いますので、せめてそれはお願いします。それから、中期目標も、そういうわけで、全部を参照しながらというのは無理で、わざわざ概要にまとめていただいているのですが、全体をざっくり見るときに、やっぱりぱらぱら見たいときもあるので、そのものは参照用に置いておいていただくということは可能なんですかね。もし可能であれば、それをお願いできないかなというのが、全般に関わる1点目です。

 それから、あと、すごく気になる全体に関わることだけ、ちょっと申し上げます。中身の話なんですけれども、例えば、このお話を全般で聞いていまして、環境省の独立行政法人としての特徴が、管理運営に関しては、この中では見えてこないかなというふうに思える部分がございます。ちょっとここはご質問、あるいはコメントになるんですけれども、例えば、27ページを見ていただきますと、2番の業務運営の効率化の(1)の経費の削減で、経費の削減、効率化というのは、これは一般的にはいいことというか、そういうふうに中期目標で位置づけられているんでしょうけれども、その②で、地球環境基金の勘定で見ますと、これが削減できたということで、しかも、これは東日本大震災関連対応費とリオ+20を除くと15.7%も削減がちゃんとできていますよという文脈のみでの書き方になっております。これはむしろ、東日本大震災を受けて、積極的にこれだけ増やして、ここに手当をしましたというふうに本来は書くべきものなのではないかと。削減しただけでいいではなくて、むしろ、こういうところは即応してやりましたということなのではないかというふうに感じました。

 それから、随契の見直しは、これは一般行政的に言えば、確かにそのとおりなんですけれども、環境政策的に言えば、わざわざ環境教育等促進法が改正されて、単に金額だけではない、協働の視点を取り入れた契約ということがうたわれていて、基金のように市民との協働の分野も持っているわけですから、そういう側面での契約内容にふさわしいものがあるのかどうかを含めて検討をしたか、という面については全然なくて、随契をなくして総合評価等に切り換えていくというだけのコメントだと、ちょっと寂しいかなという気がいたしました。

 それから、33ページ等で業務における環境配慮というのが出てきているんですけれども、大学もいろいろエネルギーを無駄遣いしてまして、大阪大学で言えばなかなかそこまでできていない状況なんですが、ここの作業というのは、ほかのところと比べると、どれくらい違うのかなということが見えてこないような感じがするので、もしもっと特徴的な取組をされているのであれば、そういうこともちゃんと書き込んだ方がよいかというふうに思います。あるいは、そういう特徴的な取組がないのであれば、むしろ率先行動につながるようなものを何か考えていただけるとありがたいかなというふうに感じました。

 以上です。

【西間委員長】 答えられる範囲で、どうぞ。

【武川環境再生保全機構理事】 先生の指摘、全くそのとおりではないかなと思っております。ただ、一つ二つ言い訳だけさせていただきますが、本件のご報告につきましては、いわゆる経費の削減という観点でご報告しましたが、いわゆる地球環境基金につきましては、現場もそうですけれども、今の助成額を守るんだというのが第一番でやっております。したがいまして、いろいろな部分の経費を削減して、事業費は減っておりますけれども、また後日、違う場でご報告しますが、助成額につきましては決して減っているわけではございません。簡単な話ですと、出張するにも、行ってこいじゃなくて、ぐるっと一筆書きに行って、ぐるっと回ってこいとかという、ちょっとくだらない部分ですが、そういった努力もしていることも事実でございます。

 それから、2番目の随契の件でございますが、全くおっしゃるとおりの認識でありまして、とにかく公平な競争は心がけておりますし、そういった競争に付するところもありますが、ポイントになるところにつきましては、総合評価という部分を随所に入れてやらせてもらっているつもりでございます。

 それから、3番目の環境配慮につきましては、私ども、借ビルにおるものですから、なかなか簡単には、いろんなことができないので、とにかく愚直に蛍光灯を減らしたり、電気を一生懸命消したり、健康的にいいかどうかは別として、パソコンの明るさをちょっと暗くしたりという、本当にできることからという格好でやって、このぐらい減っているものですから、今までに幾らかぜいたくしてきたかなということで、若干反省しております。

 以上です。

【福井環境再生保全機構理事長】 ありがとうございます。

 全くそのとおりだと思っていまして、単に経費節減だけやっていけばいいとは全く思っていませんし、そういう姿勢だけではいけないと思っております。例えば、いろいろな、もちろん不必要な経費は削り、不必要な事業は削って、スクラップ・アンド・ビルドをしていく必要は当然あると思いますが、そうする中で、できるだけ全体を抑えつつ、例えば、地球環境基金でも、新しいNGOをどう支援していくのかという視点で、やはり次の中期計画、今後の議論になると思いますが、新しいプログラムとか新しいメニューとかというのを、我々はやっぱり考えてやっていかなきゃいけないなと。予防についてもそう思っておりますし、先生のおっしゃるとおりだと思っています。

【西間委員長】 ほかの委員の先生、ご意見、ご質問はございますか。

【中村委員】 すみません、今のところでちょっとご質問していいですか。

 今の随契の話なのですが、恐らく今まで随契をされていたというのは、長年のつき合いというところも一つにあるかもしれませんが、もう一つは、その企業でなくてはできないものというものがその企業にあって、それで、随契の形になっていたと思うのですね。それを、今後、とにかく競争入札にしていくというふうな話になっていったときに、私が懸念するのは、やはり企業は、非常に努力をしながら、その技術を高めていったり、あるいは独自性、優位性というものをつくってきたわけですよね。それが、一見、公明正大な競争にかかったときに、そのノウハウや企画力というものがある一方、1円でも安いところに落とすという、もう一つの競争の考え方がございますよね。そうすると、機構の方では、その企画力、これはすばらしいと、新しい技術であると、これは新開発につながるというようなところと、価格についてのところと、どのくらいのパーセンテージで最終的に決定をされていくのか。何かそのルールみたいなものはございますか。

【武川環境再生保全機構理事】 大変厳しいご質問で、全くそのとおりだと思っております。私は実は民間から来ておるものですから、そういう部分では、本当にこんなことまで競争入札しなきゃいけないのかなと。例えば、私は銀行出身なんですが、基幹のシステムについて入札するというのはあまり考えられない部分があって、そういう部分を今後もどういうふうにしていけばいいのかなというのは、非常に今、ジレンマに陥っております。ですから、そういう部分でいうと、ただ、そうはいっても我々の原資というのは国民からいただいた税金でありますので、びた一文無駄にしてはいけないという思いでやっておるもんですから、その辺のバランスをどうとるかということにつきましては、今、本当に、機構の中で、正直言ってお答えがないぐらい困っていることは事実でございます。ただし、そういう中で、ある程度、これはポイントなんで、総合評価も入れていかなきゃいけないなということでやらせてもらっていまして、そういう部分で、もう一つは根幹に関わる部分については、なるべくハードルを高くというのですかね、我々の思いが通じるような条件をつけさせてもらっているところがあることは事実でございます。ただ、今のいろいろな部分の世間様の目からすると、なかなかやりにくいなという思いで現実はおる状況でございます。ただ、そうはいっても公正な競争というのは維持しなければいけないなという、この辺のジレンマは、もうこれからまだまだ考えていかなければならないなという部分があります。そういう意味で、契約手続審査委員会を立ち上げて、今年から、そういった部分も議論していこうということになっております。

【中村委員】 要するに、企画書の段階では、企業は幾らでも書けるという場合があるんですよね。恐らくこれについては非常に悩ましいと思いますけれども、やはり日本の企業を育てるという観点からも、本当に独自性で頑張ってきた企業は、随契であっても、その判断は正しいと私は思います。

【林総合環境政策局総務課課長補佐】 補足だけさせていただいてもよろしいでしょうか。

 先ほどの件なんですけれども、資料の28ページに、企画競争と、それから、単純な随契、それから、最低価格の落札によるものの内訳がございます。実際、24年度の実績を見ましても、3割は、先ほど、中村委員がお話をされました、企画競争とか、公募的な、そういう技術を提案するような形での業務形態になっておりまして、ここに書いております、24年度でいえば113件、これは細かい、鉛筆とか、そういった購入も含めての契約全体になりますので、恐らく中村委員がご指摘の専門性のあるようなものというのは、この中の中段のうち、企画競争、公募というところで括弧書きで34件、24年度でいきますと3億1,200万円、この辺に入ってくるんではないかなと思っております。また、これは独法だけでなくて、政府全体でもそうなんですけれども、競争性重視という話がある一方で、中村先生のお話にありましたような、知見のある会社さんを選ぶ方法として、企画競争、それから、総合落札方式という、価格と、それから、提案等を加味したような競争というのも導入させていただいておりまして、そういった中で、政府も、また、この独法も、適切な業務発注を行っているという、適切な業務発注に向けて努力していると、そういうところかと思っております。

 以上です。

【中村委員】 ありがとうございました。

【小池委員】 先ほど、地球環境基金助成の話がありましたけれど、これはこの独法の中では助成をやっておりまして、13ページの表で見ますと、4年間で大体880団体。そして、平均数百万円出されております。この場合、先ほどお話になったのは、いかに透明性で非常に効率よく助成の業務を行っているかということだったんですけれど、その助成した成果がどうなっているかということに関して、ここには実績報告集や事後評価結果をホームページで公表していると書かれているんですが、やはり、これだけのお金を出されていて、一体、それがどういう環境省の政策に役立っているかという観点から、どういうふうに考えられているのか。例えば、研究助成とかそういうものですと、論文ですとかそういうことで評価しやすいんですけれども、こういうNGOとか、そういうところに出されているものの場合、一体どうやって評価するのか、ちょっと細かい話になりますけれども、その辺を教えていただければと思います。

【武川環境再生保全機構理事】 私ども、まず、助成のお申し込みをいただくときに、助成専門委員会というのを開いておりまして、これは委員10名ぐらいの専門の有識者の方に集まっていただいて、これが政策に合致するかとか、環境に対していい案件なのかということで、まず、入り口で、そういった部分で評価をさせていただいております。それから、途中におきましては、年間5件しかできないんですけれども、評価委員会という、また別組織がありまして、評価委員の先生に、海外2件、国内3件という格好でぐるぐる回っていただいて、その辺の指導と役に立つ部分を評価していただく。そうして、これを参考にして翌年募集要項を書き換えて、今年はこういう言葉に注意してください、目標をしっかりしてくださいよという格好で募集しております。

 それと、もう一つ、助成団体につきましては、2年目の時点で全部集まっていただいて、現時点でどういうことをやっているかというのを、いろんな委員の先生に、一般の方まで集まっていただいて、報告会をして、発表してもらっております。そういう部分で、我々の助成については、それなりに政策に合致した部分で助成をするということと、そのフォローもそれなりにやらせてもらっております。ただ、小池先生のおっしゃった部分でいうと、それをきれいにまとめたやつがあるんでしょうかと言われたときに痛いところを突かれたなという思いをしておりますけれども、実は今年で20周年になるものですから、その辺で、このあり方について、もう一回、理事長のご指示で、どういった格好にしていけばいいかというのをこの1年間で議論して、次の中期計画に生かして、今の小池先生のご指摘についてもきちっとできるようにしていきたいという考えでおります。

【大久保委員】 すみません、今のことと、それから、先ほどの中村委員のご指摘にも関連することなんですが、私が先ほど申し上げた契約に関する話は、通常の法律の会計法の枠内でのスキームで総合評価をどういうふうに入れていくかというのみならず、環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律の21条の3に「民間団体がその専門的な知見または地域の特性を生かすことができる分野において参入の機会の増大を図るよう努めるものとする」という努力義務規定が入って、いわば会計法に環境保全取組促進の観点から風穴を一つ開けたという状況の法制度の中で、環境活動を促進化するという業務も担っている独法がどういうふうにそういうもののモデルを積極的に示していくことができるのか、あるいはそういうものの活用を図っているのかという観点でお聞きしたわけで、通常の総合評価の枠のみでお聞きしたわけではありません。そのことと、基金については、さまざまな意味で多くの環境NPOの活動促進につながっていると思いますけれども、それを今後、20周年に向けてより発展させていくときに、そういうNPOなどの声をどういうふうに反映させて次の計画を考えていくのかという観点も含めて、こういう新しい法律のスキームをきちんと使っていった方がいいのではないですかという意味で申し上げました。以上でございます。

【西間委員長】 ありがとうございました。

 ほかの委員の方は。どうぞ。

【萩原委員】 2点あります。

 今のに関係するところで、恐らくそれは共同委託というところをどういうふうに進めていくのかという話になっていくかと思います。恐らくその競争入札のところにNPOもアリーナの中に入ってきていると思いますが、なかなか競争力がないというところで、恐らく外れてしまっているんだろうというふうに思います。ですけれども、共同委託という新しい概念を用いて、今、委員もおっしゃったような形で進めていくことは、今後の課題としてあるのではないかなというふうに思います。

 もう1点は、先ほど、中村委員の方からもありました、ガバナンスのところですが、理事長さんからもお話がありましたが、ここは非常に重要だと思うんですが、ここには「各自の抱える課題や提言等を把握した」にとどまっておりますので、これがどのように実際のところに反映されているのかについて、もしお答えいただければと思います。

【福井環境再生保全機構理事長】 では、後半の方のお答えをさせていただきます。

 先ほどお話ししましたように、若手8人一組ということで、どういう仕事をしているのか、悩みは何なのか、当機構への意見・提言、課長への意見・提言というのを出していただいて、それを対話する中で、全部、一応、整理いたしました。共通事項と各部に関わることがありましたので、理事と部長には全部見ていただいて、各部に関わることは各部で、共通に関わる部分については総務部と担当理事で、業務的な部分は改善を図るように指示をしたところでございます。一番多かったのが、やはり課長とのコミュニケーションのとり方、それから、管理職として、リーダーとしてのあり方みたいな部分が、これは制度とかではなかなか直せませんので、そこを課長クラスと打ち合わせをして、リーダー、課長としてのあり方みたいなものの教育を私からやらせていただきました。

 それから、それだけでは足りないと思いますので、今年度の施策に入ったんですけれども、具体的に各課で重要事項を一つ選んでいただいて、課長がみんなを集めて、PDCAの手法を使って、その業務の課題を遂行していくと。その中で、課員を巻き込んでやっていくやり方というのを所定の用紙をつくって出していただいて、それを5月と10月と2月に、理事長、理事の前で発表してもらうという試みを今やっております。これは一つの仕事の進め方とか、若い人とのコミュニケーションのとり方のやり方をOJTで、研修兼仕事の中で教えさせていただいているということでございます。

 具体的に言うと、そういうやり方でやらせていただきました。

【西間委員長】 ありがとうございました。

 次の会が半過ぎからあるので、あと一、二ぐらいしか、意見はいただけないと思いますが、まだ発言されてない委員の方で、ぜひ、見直し当初案の中に反映してもらいたいとかの意見がありましたらお願いしたいんですけれど、よろしいですか。いずれにしろ、その案が出たところで審議ということになりますから、まだ述べられると思いますけれども。よろしいでしょうか。

(なし)

【西間委員長】それでは、多くの意見が出ましたので、その意見を反映できるところは見直し、当初案の方に反映していただいて、よりいい案を提出していただきたいと思います。

 最後に、事務局の方から連絡事項をお願いします。

【坂口総合環境政策局総務課調査官】 本日はこの後、引き続いて環境再生保全機構部会を開催いたします。時間は14時半からになっていますけれども、所属委員の方々はこのままお待ちいただければと思います。

 また、次回の評価委員会は、8月21日、水曜日、13時からとなってございます。今日いただいた意見で少し改善できるようなところがあれば、事務の進め方等も改善したいと思いますので、どうぞまたよろしくお願いいたします。

【西間委員長】 それでは、本日の委員会はこれにて終了いたします。お疲れさまでした.