第28回環境省独立行政法人評価委員会会議録

日時

平成23年8月5日(金)15:29~17:40

場所

環境省第1会議室 合同庁舎第5号館22階

議題

  1. (1)独立行政法人国立環境研究所の第2期中期目標期間における業務実績の評価について
  2. (2)その他

配付資料

資料1 中期目標に係る事業報告書(平成18年度~平成22年度)
資料1-2 中期目標に係る事業報告書(平成18年度~平成22年度)別添資料
資料2 独立行政法人国立環境研究所の中期目標期間における業務実績評価書(仮案)
資料3 今後の予定
参考資料1 平成18年度~平成21年度独立行政法人国立環境研究所業務実績評価書
参考資料2 平成22年度独立行政法人国立環境研究所業務実績評価書(案)
参考資料3 国立環境研究所パンフレット
参考資料4 (独)国立環境研究所の復旧・復興貢献

出席者

委員:
松尾友矩委員長、有田芳子臨時委員、泉 淳一臨時委員、
沖 陽子委員、桑野園子委員、小池勲夫委員、
佐和隆光委員、高橋 滋臨時委員、中村紀子委員、
西間三馨委員、花木啓祐臨時委員
環境省:
総合環境政策局
白石総合環境政策局長
長坂環境研究技術室長
大臣官房
加藤審議官
国立環境研究所
大垣理事長
鏑木理事
德田企画部長
笠井総務部長
岸部情報部長

議事

【長坂環境研究技術室長】 定刻よりほんの少し早い時間ではございますが、今日、出席予定の委員の先生の皆様、全員おそろいになりましたので、これより第28回の環境省独立行政法人評価委員会を開催させていただきたいと思います。
 本日は、委員13名のうち11名がご出席になっておられますので、環境省独立行政法人評価委員会令第6条第1項の規定によりまして、定足数を満たしておりますことをご報告申し上げます。
 また、本日の会議は公開で開催させていただいておりますことを申し添えます。
 議事に入ります前に、総合環境政策局長の白石よりごあいさつを申し上げます。

【白石総合環境政策局長】 総合環境政策局長の白石でございます。本日はご多忙の中、また暑い中、ご参集いただきまして本当にありがとうございます。
 第28回になりますが、環境省の独立行政法人評価委員会開催ということでございますけれども、本当に日ごろから国立環境研究所、国環研と私ども略称しておりますけど、この業務に関しまして皆様方から、再任の先生方、特に貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。また、新任の先生方もぜひこれからもよろしくお願いいたします。
 ご案内のとおり国環研はこの4月から第3期に入っております。我が国の環境研究の中核的機関として、政策貢献を担うということでスタートしておりますけれども、このたびもそれを社会に実際に役立たせるということで、東日本大震災からの復旧・復興に当たりましても、例えば災害廃棄物の処理のやり方とか、今まで前例のなかったような、大量の冷凍庫に保管していた魚介類をどのようにして処理するかという方法とか、いろいろなことで、技術的助言・情報提供ということをさせていただいております。一番、資料の後ろに参考資料4としてご参考につけさせていただいておりますが、そういうことも含めまして、いろいろと情報提供・政策貢献にも尽力していっておるところでございます。
 本日は、昨年度までの第2期の中期目標が終了しまして、その評価のご審議をいただくということで、先生方から既にいろいろな意見を集約させていただいているところでございます。ぜひ、この場におきましても、よく意見をちょうだいいたしまして、3期をよりよくするためにも2期の目標の評価を賜りたいと存じます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

【長坂環境研究技術室長】 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
(配付資料確認)
(出席者紹介)
 それでは、これ以降の議事進行につきましては、松尾委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【松尾委員長】 それでは、皆さん、どうぞよろしくご協力いただきたいと思います。5時半までということになっておりますけれども、なるべく簡潔に、要領よく進めさせていただきたいと思いますので、ご協力いただきたいと思います。
 それでは、議題は二つ予定されています。一つが独立行政法人国立環境研究所の第2期中期目標期間における業務実績の評価についてと、それから、その他となっております。そういう意味では大きな議題は一つということになろうかと思います。この議題につきまして、まず事務局から、その趣旨についてご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【長坂環境研究技術室長】 それでは、本日の進め方も含めまして、ご説明させていただきます。
 先ほど、国立環境研究所部会を開催いたしまして、第2期中期目標期間最終年度になります平成22年度の業務実績評価をご審議いただきまして、(案)がとれて、評価が確定してございます。こちらが参考資料の2になりまして、この資料をご覧いただきたいのですが、本日は今、(案)のついている形のものをご審議いただきまして、一部、1語句だけ修正をいただいて確定してございます。その一つが、3ページになりますけれども、3ページの業務運営の後段、「一方で、人材活用や契約関係の面では課題もあり、常勤人件費の削減など一研究機関のみでは解決が難しいものもあることから、社会への働きかけ等も含めた対応が必要である」、こちらの文章の「社会への働きかけ」の「社会」というのがぼやけていて、どこに言っていいのかわからないということで、こちらを「国」という形に変えてございます。環境省を含めた国に対してという、そういったご意見をいただきまして、そこを1カ所変えた形で、この(案)がとれて評価書が確定してございますことをご報告申し上げます。
 それから、さらに過年度分の評価につきましては、参考資料1として、一通り、一覧としてつけてございます。これらの資料につきましては、後ほど、国環研から説明がございます資料の1、中期目標に係る事業報告書の参考資料としていただければと存じます。
 そして、これから国環研から説明をしていただき、質疑応答をしていただきまして、その後、資料2の独立行政法人国立環境研究所の中期目標期間における業務実績評価書(仮案)につきまして、ご審議いただきたいと考えております。
 以上です。

【松尾委員長】 ありがとうございました。ご理解いただいていると思いますが、あえてもう一度申し上げますと、5年間の第2期が終わったと。それの実績といいますか、業務報告を評価しなければいけない、実績結果について評価委員の先生方に評価をしてほしいと。そういう意味で、この5年間にどういうことをやったかということを、これから環境研のほうからご説明いただくことにしたいと思います。
 しかし、過去の評価委員会はどういう評価をしてきたかというのは、さっきの参考資料の1でありまして、22年度の分についてが参考資料2ということになります。そこに5年分の、そういう意味では評価委員会の評価書が出ているという形になっておりますので、そういう事情といいますか、状況をご理解の上、5年間の事業報告について、環境研のほうから説明をお願いしたいというふうに思います。

【大垣国環研理事長】 大垣でございます。
 最初にまず、国環研の概況を先にご説明させていただきます。資料としましては、参考資料3が書類の一番下のほうにあるかと思いますが、これは現在の第3期、この4月からの中期計画に関連するパンフレット、新しいものでございます。これと、あとスライドを使って説明をさせていただきます。
 まず、この参考資料3を、ページが打っていないのでご説明しにくいのですが、先に表紙をご覧いただきますと、これは人が財産であるという意味で人が表紙に写っておりますけれども、全職員はパーマネントが250名、契約職員、アシスタント等を入れて900名ぐらいの規模で運営しております。
 開いていただきますと、真ん中の左から二つ目のページが研究組織、それから三つ目もそうでありまして、八つのセンターで現在、動いております。さらに、その右側に重点研究プログラム、それから先導研究プログラムということで、横断的なプログラムで運営していると。これをご覧いただくと、環境研の現在の業務状況がわかるということになっております。  研究内容に関しましては、このような形で、概略、概況でございますが、さらに、現在の環境研の置かれている状況を少し、スライドで追加的に説明させていただきます。スライドのプリントしたものは、このパワーポイントの、緑色の字で国立環境研究所の概要と書いたものがございます。
 環境研部会等で、国際的な展開を図るべきであるというご指摘等もございましたので、もう一昨年になりますけれども、国際ベンチマークの調査を行いまして、環境に関連する16の研究機関を比較いたしました。その結果、下のほうに緑色の字で書いてございますが、研究者数で言うと6位ですが、一応、順位をつけてみたものであります。一人当たりの5年間の論文数は、数字にしますと4.48/人でございまして、これはこのグループの中では3位になるということでございます。
 これをやってわかりましたのは、例えば政策論をやっている研究所は論文数が少ないわけで、ハードな理学的な研究をしているところは論文数が多いというようなことで、我々の研究所は、ハード面が相対的に多い形で、多分この論文数が多いという形になっていると、それぞれの特徴がわかるということをやっております。こういう展開をしているということでございます。
 これは、今後へのポンチ絵でございますが、国際的な中核研究拠点に各分野のレベルを上げようということであります。もちろん我々の自負もございまして、既に国際的レベルを超えているものが何本もあるんではないかという議論はしております。
 それで、現在の状況の最も重要なものである、東日本大震災に関連するお話に移らせていただきます。環境研の被害の状況でございますが、ここにご覧いただけますように、図書室の棚が倒れたり、それから、右側はレーザーで大気を観測する棟のドームでありますが、これが開いたままになって動かなくなっている状況でございます。これを直すには相当の予算が必要という状況です。
 これは、建物と建物をつなぐ通路、あるいは壁の角のところ等が被害を受けている状況でございます。
 これも同じような状況で、右側は実験室で、かなり破壊をされている実験室もあったということでございます。
 これはエネルギーセンターと言いまして、中央管理で熱管理をしているところでございますが、蒸気が当時吹いて、この完全改修に1カ月、研究所全体を改修するのに1カ月かかりました。こんな状況でございます。
 その一方、東日本大震災の復旧・復興貢献もしておりました。この対応への1番目が、1)「東日本大震災対策本部」をつくり、2)が放射性物質のモニタリングを高エネ研とともに3月15日より続けております。それから、3)で復興貢献本部を所内につくりまして、特に災害廃棄物対策、地元の環境研究所との協働、それから、主にホームページを使った研究ネットワークの情報提供というような活動を続けてきております。
 4)で、今申し上げました「大震災関連ページ」を緊急に設置しまして、さまざまな科学技術情報をそこに載せて、災害廃棄物対策等の支援を行っております。次に、5)で災害廃棄物に関する緊急研究プログラムを上げまして、現地調査に引き続き、連続的に職員を派遣するようなことをしております。
 これは「震災対応型提案研究」を所内で公募・採択いたしまして、ここに掲げてございます5件のものでございます。例えば、一番上の放射性物質の多媒体モデリングと長期モニタリングに関する研究等は、既にさまざまな、NHKや新聞媒体に出ておりますシミュレーション等に関するもので、いわゆるホットスポットの予測に成功したりしているものでございます。そのほか、いろんなテーマを立ち上げて、動かしております。
 これは「災害・放射能と環境に関する研究」という形で、所全体でこの推進のための研究体制強化を現在、検討中ということでございます。第3期が始まったところでございますが、3月11日を受けて、ある意味、環境研究の新しい地平を開かざるを得ない状況にあるということでございます。
 以上が環境研の現況に関するご説明でございます。
 引き続き、よろしいでしょうか。実は、研究担当の佐藤理事が岳父に当たられる方の葬儀が本日、重なっておりまして欠席しておりますので、研究業務に関して、今まであまりご説明していなかったポイントに関して、私のほうからご説明をさせていただきます。資料はもちろん先ほどの厚い資料がございますが、このもう一つのパワーポイントで。青い字で書いてある「第二期中期目標に係る事業報告(研究業務について)」でございます。
 1枚目に示しておりますのは、先ほどの第2期の中期計画では、このような重点研究プログラム、基盤的調査・研究、知的研究基盤の整備という形で、重点研究プログラムは、その右にあります地球温暖化研究プログラム以下四つのもので進めてきたものでございます。これに関してご評価をいただいたという形でございます。
 この研究に関する評価に関しましては、外部研究評価委員会を所内に設けまして、部会のほうにご報告申し上げたところでございますが、位置づけはこのチャートにあるような形でございまして、赤い字が外部研究評価委員会でございますが、研究評価に関する、この評価委員会へのご報告という形をとったわけであります。
 その外部研究評価委員会の成績というものはどういう形で出てきているかということをちょっとご紹介いたしますと、外部研究評価委員会の委員名簿の、これは1枚目、半分の方々です。ここにいらっしゃるような方々にお集まりいただき、環境に関する評価をいただきました。
 次、ここにもう半分の方々ですが、上から2番目の鈴木基之先生に委員長をお願いして、評価をいただいたわけであります。ちなみに下から3番目の安井先生は、この4月からの第3期の評価委員長をお願いしております。
 繰り返しになりますが、評価の対象は重点研究プログラム等でございます。
 5段階評価を第2期ではお願いを申し上げておりまして、5点が「大変優れている」、4点が「優れている」、3が「普通」という成績をそれぞれの研究に関してつけていただき、それを平均化して成績といたしました。
 その結果が次を見ていただきますと、これは例えば平成20年度の評価と平成21年度の評価、それから、5年間全体にわたる評価の点の一例をちょっと出してございますが、これでご説明したいのは、例えば平成20年度に環境リスク研究分野と、それからアジア自然共生研究分野がやや低い点でありましたけれども、例えば環境リスク研究分野はプロジェクトが幾つか走っていたんですが、やや連携が悪いということでご指摘がありましたので、あるプロジェクトに集中することによって、翌年、高い評価をいただいておりますし、アジア自然共生研究は、実は第2期になって新たに融合的に始めたものですので、20年度の3年目ではまだ十分成熟していなくて、その後、続けることによって平成21年には4.4という数字になったということで、5年間で4.2から4.6の成績をつけていただいたということでございます。
 こういうことで外部研究評価結果といたしましては、重点研究プログラムの四つに関しましてはそこに書いてあるとおりでございまして、基盤的調査・研究は一括の評価で4.3、それから、知的研究基盤の整備事業に関しましては4.1と4.7という形で評価をいただいて、これを部会にご報告したわけでございます。研究業務の個別の件に関しましては部会のほうでご説明をしてきましたし、今ここで申し上げたのは研究評価に関する業務についての、第2期における内容でございます。
 簡単ではございますが、研究業務のご報告とさせていただきます。

【松尾委員長】 ありがとうございました。それでは、今の説明についてご質問等がありましたら、委員の先生方からご発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。はい、どうぞ。

【有田委員】 今の報告の中に直接あったわけではないですけれど、国立環境研究所がエコチル調査の中心として動いていると思いますので、地震後の影響など何かありましたら教えていただきたいと思います。

【大垣国環研理事長】 鏑木理事から。

【鏑木国環研理事】 エコチル調査につきましては、地震後ももちろん進めているわけでございますけれど。ただ残念ながら、福島地域のリクルートといいますか、お母さんと子どもに協力していただくための働きかけにつきまして、遅れております。それを何とか挽回をしようということを考えつつ、しかし、それもなかなか難しいもしれないということで、そこの部分の計画につきましては、環境省とご相談しながら見直しをせざるを得ないだろうというようなことでありますが、ほかの部分は予定どおりに進んでいるという感じでございます。

【佐和委員】 まず、1カ所、かなり目立つミスプリがありますので、それをご指摘させていただきます。このブルーのほうの2ページ、「[4]アジア自然強制」。
 それはさておき、この最初の資料のほうの最後のページに、「災害・放射能と環境に関する研究の推進のための研究体制強化について(検討中)」というのがございますね。これは昨今の新聞紙上等で紹介されている、経済産業省の原子力安全・保安院を環境省の外局にするというような話が出ておりますね。そういうことを受けてのことなのか、それともそれとは無関係に。
 と申しますのは、これまで要するに放射性物質が漏れるということはあっても、あくまでも敷地内だと言っていましたよね。敷地内のことについて環境省がどうこう言うのは、これは筋論としてはおかしいわけですね。ところが、今回、東海村のJCOはまあ、あれは規模が非常に小さかったということで、あれを例外とすると、今回初めて敷地外に大量の放射性物質が漏えいしたといいますか。そういう事態からすると、敷地外に出たということは、これは明らかに、そのこと自体がもう環境問題ですよね。そういうことで、こういうテーマをあれされたのか、あるいは喫緊のそういう政府内での動きを受けて、こういうことの検討を開始されたのか、そのあたりを教えていただきたいと思います。

【大垣国環研理事長】 非常に単純にお答えしてしまいますと、現在の省庁の庁設置等の話とは全く独立でございます。これは環境の研究をする上で、今ご指摘のように通常の環境の場に放射能が出てきたという状況の中で、どうそれを把握し、環境で人々の安全と健康を守るかという立場ですと、測らざるを得ませんし、測る能力も、台数は少ないんですが、持っております。それから、もっと行政的には災害廃棄物の処理に当たって、燃やしますと灰のほうに濃縮しますので、それを技術的にどう対応するか、あるいは作業員の安全、それから周辺の人々の安全を守るにはどうしたらいいかというのは、もう災害廃棄物の範疇に入ってきますので、やらざるを得ないというのが現在の状況でございます。

【佐和委員】 一言、追加的な質問なんですけども、今の研究スタッフの中に、こういうテーマに取り組めるような方はいらっしゃるんですか。

【大垣国環研理事長】 放射能の件ですか。ええ、測定の経験もありますし、ゲルマニウム検出器も昔から持っております。

【鏑木国環研理事】 人数は少ないですね。

【大垣国環研理事長】 人数は少ないです、もちろん。それから、その詳しい件に関しましては、参考資料の4の中に復興計画で、4ページ目の上の(4)に放射性物質に汚染されたおそれのある災害廃棄物等の処理等に関する検討と、それから、その4ページの下のほうにありますが、放射性物質のモニタリングを現在もやっております。それから、5ページ目にありますが、(3)で、これは行政上は厚生労働省でございますが、水道水の放射能対策に関する検討会に我々の研究所の者が入って対応していると、そういう状況でございます。

【白石総合環境政策局長】 佐和委員のご質問に行政のほうからお答えいたしますと、これから先の、要するに振興と規制、規制と利用の部分が一緒の組織の中にあっていいのかという問題意識のもとで、今、細野原発担当大臣のもとで、まずはそこの分離を目指そうということで幾つかの検討がなされています。恐らくは今、ちょうどこの時間に細野試案ということで発表をされるというふうに承知しておりますが、それはまた、逆に言えば私どもからすれば、まないたの上の鯉の話でございまして、それとは別にもう各省庁、各研究機関がこういう、それこそ今まで考えていなかったようなことについて、現実のものに対応するのにどうしたらよいかということで、それぞれの持っているノウハウから何かできることはないかということで、いろいろ動いていることの一環でございます。

【小池委員】 今のに関連したご質問なんですけれども、環境研は今までほとんど、こういう放射能関係の仕事ってやられていなかったと思うんですね。それで、先ほど理事長が言われていましたように、人員的にはかなり手薄ですけれども、こういう新しいのをやるときに、どういう形でそれに対応していくのか、やはり人の問題というのは大きいと思うんですけれども、それはどういうふうにお考えですか。

【大垣国環研理事長】 二つございますが、一つは現在の状況のスタッフの中でどういうふうに対応するかということと、もう一つは人の手当てをするということですが、現在の中では、例えば放射能を測定するということはある種、機械とそのスタッフがいればできます。あとは金属が濃縮するのと同じように、元素の濃縮をどう調べるかとかいうことになりますので、放射能の専門家という形ではなくて、環境の専門家、廃棄物の専門家、処理の専門家がこなせる部分がかなりございます。そういう形で処理ができると、対応ができると思います。
 それから、本格的にこのテーマをやろうとしますと、やはり人の手当てが必要で、もしも新たに人がつかない場合には関連研究機関、あるいは大学と連携をとっていくという体制をつくりたいと思っております。連携の仕掛けを現在検討しておりまして、今までよりも、より強力に他研究機関と研究者の交流、あるいは指導をいただくような体制をつくれないかと、今、検討中でございます。

【松尾委員長】 新しい研究テーマについてのご議論はいいのですが、今日は過去の研究成果を評価していただくというのがメーンの仕事なものですから、ちょっとそのこともお考えいただきながら、過去の問題についてご質問いただけるとありがたいと思います。もちろんこれからのテーマもあわせて議論していただいていいのですが。どうぞ。

【高橋委員】 新任の委員でございますので、ちょっと教えていただきたいことがありまして。この研究についての青いほうのパワーポイントですが、3ページのほうで外部評価委員会の位置づけという話があるわけですが、我々、実は国立大学法人の場合は、研究については学位授与評価機構がやって、いわゆる文科省が評価するのは業務の運営の部分だけという明確な役割分担があるわけですが、この場合、外部研究評価委員会の位置づけは、研究型独法の場合は基本的にはこういう形でやるという、ある種の制度的な仕切りというのがあるんでしょうか。それが第1点と、その場合に、それを踏まえて、じゃあ我々の評価は外部研究評価委員会の評価をどう受けとめるべきなのかというところについて、ちょっと教えていただければありがたいんですが。

【長坂環境研究技術室長】 制度的な部分につきましては、これは独法の国の研究開発評価に関する大綱的指針で定められたものがございまして、制度的にこういったやり方をしております。

【大垣国環研理事長】 もう少し加えますと、独法は外部の評価者を入れた形で研究業務を評価しなさいという指示が書いてございまして、それは独法自身がやる形になっております。そこで、私どもが研究評価委員会を組織して、その結果を、ただし、外部の人間に――先ほどリストを挙げましたように全員外部の方ですが――入っていただいて、その結果を部会に上げるという形になっていると理解しております。

【高橋委員】 そうすると、研究面については、その評価を基本的に信じて評価すればよろしいと、こういうことですか。

【松尾委員長】 それはですね、実は前半のほうの会議でも議論になっていたんですが、とにかく環境研の外部評価委員会があると。そういう意味じゃ、そこのメンバーが適切かとか、恐らくいろんな意味での、また評価はあり得るんだとは思うんですね。ですから、それは場合によっては定期的にローテーションしてかわっていって、メンバーが固定化しないような配慮は、環境研側としても当然されるべきだと思うし、それから、いろんな分野の人をうまく評価に入れていくというようなことは、恐らく必要なんだろうというふうには思うんですけれども、制度としては外部の人に見てもらうという形になっているということですよね。

【大垣国環研理事長】 今のローテーションの件ですが、新しい年度のことでいいますと、この4月からはメンバーが半分入れかわって新しいメンバーで、委員長も安井委員長にお願いしていると、そういう体制でございます。

【桑野委員】 すみません、先ほどのご説明で、三つの大きな枠がございますね。これ、ラフな数字で結構ですので、それぞれ携わっている研究員の数とか、それから予算とか、大体この三つがどれぐらいのウエートになっているのか。本当にラフな数字で結構ですので、お教えいただけましたら。

【大垣国環研理事長】 この2期の体制のお話ですね。

【桑野委員】 いえ、重点研究プログラムと基盤的な調査・研究に対して。

【大垣国環研理事長】 はい。実は、重点研究プログラムは四つ立てておりまして、それから、基盤的調査・研究というのは組織的には研究領域というものを設けて、ここには七つの分野がございます。水・土壌とかですね。それで、人員的には重点研究プログラムと基盤的調査・研究は半々ぐらいでございます。ですから、パーマネントで言うと百何十名。予算的には、重点研究プログラムが大ざっぱに言って、ちょっとばらばらなのであれなんですが、3分の2ぐらいを占めるかと思います。

【松尾委員長】 それは、次にこれで説明していただけるのかな。

【大垣国環研理事長】 そうですね、はい。では、鏑木理事のところで。

【松尾委員長】 ほかにはよろしいですか。
 私から。この評価の点数の、さっき出ていた、大きな外部評価の表の一番上は4.4、4.4とずっと変わらないと。2番目のものが、5年間の平均が4.6で、20、21が4.1、4.4だから、最初のほうがよくて、だんだん悪くなっているという評価なのか。下の二つはよくなったという右上がりの評価になっているんですけども、何かその辺の評価の方法が異なるようにも見えるのですが、でも2番目だけは右下がりの評価と思えるのですが、それは何か理由があるのでしょうか。

【大垣国環研理事長】 はい、ご説明いたします。一番右の5年間というのは、3月に5年間を通した評価を直接していただいておりますので、4年分の平均値ではございません。そういう形で、ある意味、独立でございます。この表をちょっとお見せしましたのは、平成20年度から21年度に悪かったものをどう改善したかという、その外部研究評価を内部でどう運用しているかということをご説明したくて、この表をちょっとお出ししたわけです。もちろん平成19年度のデータもありますけれども、そういうものでございます。

【松尾委員長】 わかりました。ということは、平均値ではないということですね。

【大垣国環研理事長】 そうですね、わかりにくくて申し訳ございません。

【佐和委員】 20年から21年にかけて、すべて得点が上がっているわけですね、評点が。これは、要するに年度計画の立て方がうまかったということじゃないんですか。つまり20年はかなり欲張った計画を立てていたので達成度が低いと。21年度は非常に慎重になられて、きちんとそれを達成されたということですよね。

【大垣国環研理事長】 簡略して申し上げますと、環境リスク研究に関してはそういう傾向にあるかと思います。下のアジア自然共生研究は先ほど申し上げましたが、これは新しい分野を、ある意味、表現は悪いんですが、いろんな分野が集まってつくり上げたものですので、成熟するのに時間がかかって、20年度から21年度にかけて研究が十分進行したと、そういう理解でございます。

【佐和委員】 5年間というのは、要するに中期目標の達成度ということで、この20年あたりの年度計画の達成度が低い部門もあったけれども、最終年度で見れば、中期目標は達成されたということですね。

【小池委員】 これは評価の点で、先ほどの部会のほうのときにもお話が出たんですけれども、メンバーが全部日本人で、海外の人が入っていないと。先ほど、理事長のほうから国際的なベンチマークの話も出ましたけれども、もし5年目に最後の取りまとめの全体評価をやられているんでしたら、非常に大事な、大きなところだけでも海外の人も入れた国際的な評価を今後やられていくようなことは可能でしょうか。

【大垣国環研理事長】 それに関しましては、現在動いているシステムとしては、各センターの専門分野のプログラムの中で、当然、外部と共同研究したり、国際的なプロジェクトを動かしたりしていますので、それはある意味、ある種の評価を受けているのではないかと思っています。例えばIPCCに関すること等がございます。ただ、それでは先ほどのご指摘のように外部から、海外からの評価を受けてないんではないかということにもなりますので、この第3期からは外部のアドバイザリーボードをつくりまして、その方々に研究所全体を見ていただくというような形をとろうと、今、内部で企画して検討しているところでございます。
 個別の研究に関して、個別に海外の方というのは、ピアレビュー的には既にやっているという理解で、その中間的なことをやろうとすると非常にコストが大きくなりますので、全体を見る場をつくろうかと考えております。

【小池委員】 確かに海外との共同研究でそこに入っている場合は、大体仲間ですから悪いことは言わないですよね。普通、外部の評価というのは独立に、そういう利害関係のない人に頼むのが普通なので、やはり今言われたように、研究所全体を見てもらう中で、非常に環境研の特徴あるプロジェクトに関しては、一緒に見てもらうような形をとられればいいと思うんですけれども。ぜひその方向で検討していただければと思います。

【大垣国環研理事長】 わかりました。

【松尾委員長】 よろしいでしょうか。  それでは、少し時間が経過しておりますので、次の説明に移らせていただきたいと思います。資料1について、主としてご説明いただきます。では、鏑木理事、よろしくお願いします。

【鏑木国環研理事】 それでは、ご説明をさせていただきたいと思います。資料1の11ページ以降ということになります。資料1の11ページでございますが、環境情報の収集・整理・提供に関する業務でございまして、これにつきましては11ページで、いわゆる全体的なホームページの利用件数を増やしましょうということと、それから、14ページでございますが、環境研究・環境技術に関する情報の提供ということと、16ページの環境の状況等に関する情報の提供という三つのポイントがございます。
 それで、ちょっとわかりにくい格好になっておりますのが、その11ページ、12ページ、13ページでございます。これは中期計画の目標は11ページの一番下にございますように、四角に囲ってある中でございますが、第2期中期目標期間終了年度における関連ホームページの利用件数が、第1期の終了年度に比べ5割以上の増加を目指すということになっておりました。
 これにつきましては、別紙で1枚紙の、こういう赤い棒の書いてある環境に関する総合的な情報の提供(利用件数の推移)というグラフ、これをまずご説明をさせていただかなければならないと思っております。と申しますのは、実はこの第2期の中期計画をつくりますときには、EICネットというのを国環研の事業として運用しておりました。これは環境省と、それから財団法人の環境情報センターと一緒になってやっていくということですが、事業主体は、実は国環研でございました。
 平成19年度、ここの赤い線の一番終わりのところなんですが、独立行政法人整理合理化計画が閣議決定されまして、ここで民間でかなり環境情報の交流事業といいますか、提供事業が育ってきているから、その部分は民間の多様な取組にゆだねたらいいじゃないかということで、この閣議決定上、もう明確に19年度中にEICネットについて国環研としての情報提供業務を廃止しろと、こういうことになりました。それで一遍ここはなくなったといいますか、うちは撤退をいたしました。
 そんなことで、実は前期の第2期の計画の中で書かれております一番最初の出だしの、このEICネットの1.5倍とするという、EICネットそのものがなくなってしまったというような事情がございまして、うちとは違うものになってしまいました。それで、うちはどうしているかというと、先ほどのグラフの平成19年のところから青い線で書いてございます、環境研究技術ポータルサイトというのを始めました。その名前をその後、お手元にもう一つ、環境展望台という緑のパンフレットがございますが、この名前に変えまして、今、この環境展望台を発展させようと努力をしていると、こういう状況にございます。
 したがいまして、資料1の12ページの一番下にございます表をご覧いただきますと、自己評価のところで、17年度の方法、22年度の方法、それで何か17年度はたくさん利用件数があったのに、22年度について何か76万件ぐらいに急に落ちているような、数字だけ見るとすごく落ち込んでいるという数字になっておりますけれど、これは実は比較の対象がなくなっちゃったというようなことが、まずございまして。そうは言いながらも、平成19年度25万件の利用件数のものを76万件まで22年度まで伸ばしてきたと、だけど、まだまだ少ないので、これから環境展望台を売り込んでいこうという努力をしている最中であると、これが真相でございます。
 なお、環境展望台の中で、それではEICネットから環境展望台のほうに移ってきたメーンの業務は、14ページの環境研究・環境技術に関する情報の提供でございまして、こちらのほうは14ページの下の表にございますが、17年度の利用件数22万件のものが22年度には49万2,000件となりまして、2.23倍に伸ばしました。
 それから、もう一つは、GISと環境情報を一つにしますという、GISを使って大気汚染とか水質汚濁等の環境の状況をわかりやすく示そうという事業、これは16ページでございますが、これにつきましては、やはり伸びまして、17年度に利用していた件数の1.5倍を22年度には確保しているということで、それぞれの私どもがEICネットから引き継いだといいますか、EICネットのうち、私どもがやることにした部分についてはそのように目標を達成していると。これが全体像でございます。  ちょっと何か、いろいろ表がある割には、17年度の方法だ、22年度の方法だとかいろいろ書いてあって、何だこれはというわかりにくい感じでございますけど、ちなみに17年度の方法といいますのは、12ページも14ページも同じなんでございますが、これは検索のエンジンが、機械が自動的にサーチをしている件数を全部拾い上げるとこうなりますというような件数になります。意図的に私どもの情報に入ろうとして入ってくださったという件数以外のものも、機械が自動的に検索しているやつも拾っちゃっているのですが、22年度の方法というのは、こちらは意図的にこの国環研の情報をとりたいという方、これだけに絞ってやっております。17年度の1,679万件はEICネットに入りたいといって入った人の件数なので、これ比較するのはちょっと違うんですが、14ページで言いますと、22年度の方法というところで、これは国環研の環境研究・環境技術に関する情報の提供のところに入ろうと思った方が22万件から49万2,000件というふうに増えていると、かような次第でございます。
 それから、その次に参りまして、18ページですが、研究成果の積極的な発信と社会貢献の推進ということでございます。研究成果の発信、社会貢献の推進、これはまずは23ページの発表論文、誌上発表・口頭発表という研究成果の発表の質の高いもの、これがどうなっているかということでありますが、23ページの表の上のところの4行ほどのところに集約しております。査読付の発表論文数ですと25%増ですし、誌上発表件数は9.35%増で、口頭発表件数19.2%増なものですから、上の四角の中にございます目標は達成しております。目標は何かと申しますと、1期よりも多くすると、こういうことでございまして、それはもうはるかに達成しているということでございました。  それで、その前のページに戻らせていただきますが、19ページでありまして、マスメディアやインターネットを通じた情報の提供でございます。これも目標達成には至らなかったものの、21ページの上の2行でございますが、第1期中期目標期間終了年度に比べて3割増加ということでございました。残念ながら5割以上増加させるという目標には達成しなかったものの、かなり研究所の内容につきましては、外に向けて発信ができたというふうに考えております。
 ちなみに、22ページは刊行物等を通じた研究成果の普及ということでございまして、これはいつまで紙でやっているのかと、電子情報でやるべきではないかということで、この5年間の第2期中期計画期間の途中で、電子化をどんどん進めていくべきではないかというようなことを内部的に検討いたしました。それで、5年間の業務実績というところのなお書きのところなんですが、刊行物については国環研のホームページに掲載して、閲覧・ダウンロードできるようにするというようなことで、電子化を進めるというようなことを今、進めつつあると。しかしながら、その刊行物につきましては、当初の計画どおりのものをちゃんと出しておるというようなことでございます。
 それから、25ページでありますが、研究成果の活用促進でございます。これにつきましては、まず、その研究成果について社会に移転させる取組をするということでございまして、中身としては産学官の連携、それから、国の政策決定とか政策分野での研究成果の活用ということであります。これも審議会への参画とか、委員会への参画とか、基準づくりへの参画とか。それと、25ページの自己評価というところの上の3行のところなんですが、国内だけではなくて、IPCCとかOECDなどの国際的プログラムや機関につきましても、私どもの参画あるいは貢献ということで進めております。
 それから、27ページはアウトリーチといいますか、社会貢献を立派に進めていくということなんですが、社会貢献の推進の、まず[1]が環境成果の国民への普及・還元ということでございます。27ページの四角の中、(3)の計画のほうですが、ア・イ・ウと大きく三つありまして、公開シンポジウム、研究施設の公開の実施、イベント、プログラムへの参画、視察者・見学者への対応ということでございます。どうであったかというと、28ページでありますが、自己評価のところをご説明をさせていただきます。公開シンポジウムは、毎年、東京と京都の2カ所で開催をしまして、毎年平均800名程度のご参加をいただいております。それから、研究施設公開につきましては、自己評価のところの5行目でありますが、4月と7月、年に2回やるということをやってまいりました。ただ、23年度、今年度は震災の関係がありまして、4月は開催ができなかったということでありますが、それは今期の話でございまして、前期は4月、7月にやってきたと。
 それから、私どもの開き方の中では、28ページの一番下なんですが、無料送迎バスとか公共交通機関を利用してもらうということについての訴えをしていまして、無料送迎バス、これは産総研と一緒に夏の公開のときには回すということで協力をしながら、車ではなくてバスで来ていただくというようなことをやっております。ある程度、成功していると思っておりますが、見学者の皆さんには自家用車ではなくて、そういう公共交通機関とか無料バスを利用していただくというようなことをやっております。
 それから、29ページの5行目ですが、一般の見学者の方、結構たくさん来てくださいまして、毎年2,000人ぐらいの方がおいでくださいます。平成22年度には126組のお客様がございまして、その中には、実は名誉なことに天皇・皇后両陛下の行幸啓もございました。  それから、30ページでございますが、環境教育・環境保全の取組の推進ということでございまして、こちらのほうは高校生を対象としたサイエンスキャンプとか、いろんなことをやってございます。
 31ページ、環境政策立案への貢献でございます。こちらは、目標そのものは数値目標が各種審議会等に委員として参加する職員について、2期中の延べ人数を1期中の延べ人数より増加させるというのが、実は数値目標でございまして、それは達成をさせていただきました。ただ、数があればいいんじゃなくて中身が大事であるということは、毎年度ご指摘をいただき続けております。そこで、32ページの自己評価のところでございますけれども、こういう中身も大事であるので、政策貢献型の研究機関として、研究成果と政策貢献の関係を把握・評価しつつ、国内外の環境政策の立案や実施、見直し等に貢献するよう積極的に取り組むというのを、第3期中期計画期間に向けての自己評価として書かせていただいております。なお、震災につきましては、先ほど理事長からご説明申し上げましたように、かなり復旧・復興の貢献も含めていろいろやってございます。
 それから、33ページでありますが、業務運営の効率化に関する事項ということであります。これは34ページ、35ページにございますが、まず、重点研究プログラムというのをつくったということであります。重点研究プログラムの数字でございますが、平成22年度でございますけれども、重点研究プログラムに20億円、それから、基盤的な調査・研究に8億円、知的研究基盤整備に8億円の運営費交付金を配分をいたしております。したがいまして、先ほど理事長からご説明申し上げましたように、半分以上のお金を重点研究プログラムに使っていると。それから、人員でございますが、重点研究プログラムを担当いたしますセンターとグループが四つございました。これも平成22年度末の人員でございます。常勤職員でございますが、四つのセンターで93人、それ以外の6研究領域と基盤ラボ、これが合計七つですが、ここで合わせて104人ということで、ほぼ半分が四つのセンター、つまり重点研究プログラムに集中的に投下をしていた人数でございます。
 それから、先ほどの資料の1に戻らせていただきますけれども、34ページでございます。22年度までの前期の計画期間中には、重点研究プログラムを進めるためにいろいろ18年度から、17年度末の67室・チームあったものを52室体制にしたとか、あるいは(4)番ですが、主任研究企画官室を企画部に改組をして、さらに進めていける体制を強化したとか。あるいは35ページの自己評価のところになりますが、コンプライアンスに関して、35ページの一番最後の2行でありますけれども、基本方針を、これは22年度に作成をいたしまして、コンプライアンス委員会を早速設置いたしまして、開催をしているということでございます。
 それから、36ページに参りまして、人材の効率的な活用ということであります。人材の効率的な活用という中では、37ページの真ん中あたりの(4)でありますが、若年者、女性、外国人の能力活用等により研究活動等の基盤の強化を図るということで、22年度に研究開発力強化法に基づく人材活用方針を策定いたしました。それから、若手につきましては、できるだけの支援といいますか、しようということで、例えば女性の、お母さん、まだ子どもが小さいという方が搾乳できるようなお部屋を研究所の中に新たにつくったりして、女性の若手の研究者を育成していくようなことも、施設的なことでできることもあわせてやっております。  それと、二日前に研究所をご視察いただきましたときに、国環研のフェローというのはどういうような人であるのかというのを今日、説明をするようにというお話があったかと思うんですけれども。それは39ページの表の中で、NIES特別研究員、NIESフェロー、NIESポスドクフェローと並んでおりまして、NIESフェローというのが結構人数がたくさんいて、これはどうも、何となくNIESフェローという人たちがこんなにたくさんいるのは違和感があるということだったんだろうというふうに想像させていただいております。
 確かにこのときのNIESフェローといいますのは、ポスドクの方々よりもちょっと格の高いような人も入っていまして、いわゆる大学とかで言われるフェローとは若干違っていまして、それがこの25人というような人数の多さになっている。ただ、それは非常に誤解を与えてしまうなということで、23年度、今度の第3期からは、このNIESフェローというふうに呼ばれていた方々のうち、本当にフェローにふさわしいといいますか、業績等によって、その分野において非常にすぐれた研究者として認められた方で、研究所の目的を達成するために、ぜひうちの中で仕事をしていただきたいという方を、人事委員会という研究者の委員会でその業績を評価させていただいて、理事長がフェローとして採用させていただくというような、手続をちょっと高度化しまして、今、23年度はこのフェローが5人ということになってございまして、普通のといいますか、格の高いフェローになっております。これはうちの現地にお見えになったときのご質問のお答えでございます。
 それから、41ページでございますが、人材活用につきましては、41ページの自己評価のところでございますが、研究系職員の採用に関しましては、公募によって幅広い層から優秀な人材を登用するんだということでやっております。それから、任期付研究員の採用を増やして、人材の流動性を高めるというようなことを進めてきております。
 次が42ページでございますが、財務の効率化であります。財務の効率化は、これは中期計画のほうでございます。一重の四角の中ですが、3行目でございます。業務費のうち、毎年度業務経費については1%以上、一般管理費については3%以上の削減を目指すと。それから、その次の行ですが、第2期中期目標期間において人件費を5%以上削減するという数値目標をいただいております。これを達成したということであります。
 それから、契約に関しても随意契約見直し方針ということで、そのチェックをちゃんとして、問題ない随意契約内容にしろということが閣議決定されておりますので、それは44ページの上のほうの契約の適正化、(5)のところでありますが、競争性のある契約への移行等の取組を進めろということでございますので、それをやっておりまして、自己評価の終わりの2行でありますが、「随意契約等見直し計画」あるいは各種閣議決定等に基づく取組を進めてきております。具体的には、契約監視委員会という外部の専門家の先生に入っていただいた委員会でのチェックを最終的にはいただいております。それ以前に、所の内部でこのような「随意契約等見直し計画」とか閣議決定等に合っているかどうかというチェックをさせていただいております。
 それから、45ページでありますが、効率的な施設運用ということで、これは他機関との施設の共同利用あるいは受託業務での利用を含めて、大型研究施設を効率的かつ計画的に利用するのだということと、研究施設の重点的な改修を含めて計画的な保守管理を行うのだということとか、研究施設のスペースの再配分をして、効率的に使うということでございます。これにつきましても、46ページでありますが、そのようにやってきております。ただ、若干苦しいのは、自己評価のところの5行目なんですが、古いもので整備後30年以上経過した建物もあったりいたしますものですから、これの改修を進めていくのも結構、大変お金もかかるようになってきておりまして、計画的な改修を進めてきておりますけれども、なお、頑張ってやっていかないといけないという状況にあります。
 それから、47ページの情報技術等を活用した業務の効率化ということでございます。これも所内のネットワークシステム、あるいはコンピューターの最適化計画というようなことで進めてきているんですが、48ページの自己評価のところでございますけれども、所内のネットワークシステムの管理・運用をしていく中で、情報セキュリティ対策というのは非常に重要であるということで、情報セキュリティ対策をしっかりするためのCIO補佐とか、普通、多分あちこちで置かれているITに強い、情報セキュリティに強い人を招いてセキュリティの対策を講じていただいたり、あるいは所内で研究員だけに限らず、職員をみんな集めて講習会をしたり、研修会をしたりというようなことをやっております。
 それから、49ページですが、業務における環境配慮ということでありまして、この環境配慮につきましては、それぞれ目標を立てて実行してきているということで、その実行している様子は51ページ、52ページ、53ページに表で示させていただいております。51ページのCO2の排出量の推移というところでご覧いただきますと、いずれにしても、すべて目標を達成している格好になってございますけども、CO2排出量は平成13年度のものと比べまして、30.2%の減でございますし、床面積は若干増えたので、それを勘案いたしますと、37.9%の減になります。あるいは廃棄物が53ページにございますけれども、53ページの表の一番下のところに1人一日当たりの発生量が書いてございまして、平成16年度が0.49kg/人・日というものであったのが、0.327ということで、かなり減らせているというようなことで、発生量の削減目標、いずれも達成しておるということを自己評価のところに書かせていただいております。
 それから、54ページがその業務運営の進行管理ということでございます。業務運営の進行管理につきましては、年度ごとの研究計画を立てる、それから、毎年度自己点検・評価をする、年度計画に反映する、業務運営の改善を促進するということだとか、監査結果を一層適切に活用するとか、それが計画の中身でございました。これも外部研究評価委員会による評価、それから、監査につきましては55ページの(3)番でございますけども、毎年度、監査計画に基づいて、所内業務の実施状況等について監査室が監査をして、監事に報告をして監事監査もしていただいているというような格好でございます。それから、コンプライアンスの徹底につきましては、先ほども申しましたが、基本方針、それから、委員会をつくってやってございます。
 東日本大震災への対応につきましてでございますが、これは積み上げよりも、理事長が命ずるところによって上意下達的に動くほうが震災のときには、例えば逃げろというときにうまく逃げられるとか、あるいは出勤をしなければいけないかどうかみたいなことをさっと決められるというようなことがありまして、迅速に対応するための対策本部を3月14日に設置をして、それから、復旧・復興貢献本部、これをつくってやっておると。この辺、理事長からご紹介を申し上げたとおりでございます。
 56ページで、そのようなことも含めて自己評価でございますが、非常に22年度、それから第2期中期目標期間につきまして、外部研究評価についてはいい点数をいただきました。また、それ以外の活動についても、コンプライアンス委員会を設置・開催しているとか、東日本大震災の本部で機動的な対応したとかというようなことを書かせていただいております。
 57ページの財務内容の改善に関する事項でございます。これは非常にあっけないというか、そっけないといいますか、59ページの自己評価のところでございますけれども、中期計画に従い、適切に執行できたと、ほんの1行だけ書かせていただいておりますが、いただいた運営費交付金、これをちゃんと定められたとおりに法律に反していることなく執行しておるということでございます。
 60ページの業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置の財務の効率化、これは財務の効率化のところに書かせていただいているとおりと。
 それから、61ページのところの施設・設備に関する計画で、老朽化対策を進めるというようなことなのですが、これは施設整備の補助金をいただいております。何をしているかといいますと、62ページのところに何とか工事という工事の名称を並べてございますが、老朽化した建物の改修を主としてやっております。
 一方、62ページの自己評価の三つ上の行のあたりで撤去等というのがございますが、奥日光の観測タワーと取水施設を撤去すると、これはそうすることを決めておりましたので予定どおりやったということであります。合理化したということでございます。
 それから、63ページの人事に関する計画でありますが、これはなかなか難しい。65ページの自己評価のところの3行目でございますが、先ほどご議論がありましたように、総人件費について、第2期中期目標期間において5%を超える削減をするということで取り組んでまいりまして、それを達成できてはいるんでございますけれども、その分、先ほどもご指摘がございましたけれども、契約研究者の皆さんに依存する部分が大きいような感じになってございます。また、その任期付の方に依存する部分も結構あるというような状況になってございますが、限られた人数で最大の効果を上げるということでやっていると。これが人事に関しては重要なことだということで、理事長を委員長とする人事委員会というのをつくってありまして、その人事委員会で研究者の皆さんの人事を審議するということによって適正な人事をするということで進めています。
 以上でございます。全体的にご説明をさせていただきました。

【松尾委員長】 ありがとうございました。それでは、委員の先生方、いかがでしょうか。何かご質問、ご意見があれば、どうぞお願いします。

【桑野委員】 すみません、二つお尋ねしたいんですけれども。23ページに発表された論文件数が示されておりまして、大変たくさん業績を上げていらっしゃることはよくわかります。ただ、これらにつきましては、インパクトファクターは出されているんでしょうか。もしそれがわかりましたら教えていただきたいということが1点と。それから、もう一つ、今の中にはご説明がなかったんですけれども、動物を使った実験とか、あるいは人を使った実験・調査等もされているかと思いますけれども、倫理規定はどのようになっているんでしょうか、お教えください。

【鏑木国環研理事】 最初のインパクトファクターでございますが、これは資料としてはまとめてございません。
 それから、2番目の倫理規程でございますけども、これはつくっておりまして、医学研究倫理規程というので、例えばエコチル調査のような、人の情報を直接扱う場合の倫理上の問題について、外部の方に入っていただいて審査をしていただくようなことを最終的にやると。その前に、専門的に見てどうかということをチェックすると、そういう多層構造でチェックをしております。

【松尾委員長】 よろしいですか。それでは、花木先生。

【花木委員】 花木でございます。アウトリーチの、ウェブのところで、EICネットからは撤退して、環境展望台のほうを新たに始めたということで、アクセス数の上では非常に減ってしまったということですね。この環境展望台の中身を拝見すると、かなりコンテンツが充実しているように、パンフレットからは少なくとも思えるんです。このコンテンツの評価は研究評価委員会でされているのか、あるいはそこの評価はされていないのか。もし研究評価委員会でされているとすると、その内容についてはどんなような評価であったのか、もしわかればお教えいただきたいんですが。

【岸部国環研情報部長】 環境情報部長の岸部でございます。今回の環境展望台で提供しているコンテンツについては、外部研究評価委員会では評価はいただいておりません。

【花木委員】 ここの中身を外の人がフィードバックする仕組みというのはあるんでしょうか。

【岸部国環研情報部長】 一応、ウェブでの問い合わせの仕組みはつくってはおりますけれども、国環研部会ででも、そういった利用者のニーズとかも把握して、それを踏まえて改善していくようにというご指摘がございまして、例えばウェブアンケートの仕組みをつくるとか、そういった形で利用者ニーズの把握について、今、鋭意検討を進めているところでございます。

【花木委員】 それに関して言うと、いわゆる一般の利用の方も大事なんですけれども、このGISを使ったマップなどは専門家の方もかなり使われるということだと思うんですね。そういった評価が何らかの形で、特にプラスの評価が反映できるような仕組みがあればいいのかなと思います。これはコメントですが、ちょっとこれは将来のことになりますね。  以上です。

【佐和委員】 一つは単なる感想で、もう一点が質問なんですけど。一つは、19ページなんですが、ここに5年間の業務実績というところで表が出ておりますね。これ、19年度というのは2007年度なんですよね。2007年というと、ちょうど京都議定書10周年で、ブルントラント委員会の「Our Common Future」20周年で、リオサミット15周年ということでですね。それで、この年に実はアル・ゴアが「An Inconvenient Truth」という本と映画を出して、それから、IPCCの第4次報告書が出て、ゴアとIPCCがノーベル賞をもらったということで、この年、19年度というのはまさに気候変動の年だったんですね。だから、飛躍的に増えていますよね。その後、欲張って、22年度に今度はがくっと落ちていますね。これは確かに温暖化問題といいますか、気候変動問題に対する関心というのが近似、また低下の傾向をたどっているということが顕著にここに出ているという、これは感想です。
 それから、その次はフェローに関してですけど、フェローの雇用条件ですね。任期は何年で、そして給与水準はどのようにして決めて、そして再任は許すのかどうかと、そういうことについて教えていただきたいと思います。

【鏑木国環研理事】 フェローの方につきましては、基本的に再任をされることもあり得るのですけれど、とりあえず、これは始めたばかりなものですから、再任が実際あるかどうかは、動かしてみないとわからない面がございます。制度的にはもちろんございますんですけど。
 なぜそのようなことを申し上げているかと申しますと、人事委員会で業績を評価させていただいて、次にまたフェローになっていただくかどうかを判断するということになりますので、私どものところにフェローとして来ていただいて、それから、また成果を上げていただいて、それをまた評価させていただいてというようなことになるものですから、絶対いけるという、そういう格好にはなっていないというような格好でございます。

【佐和委員】 毎年、毎年ですか。

【鏑木国環研理事】 はい、毎年、評価をさせていただくような格好になってございます。
 それから、待遇でございますが、待遇は私どもの契約職員の中で、もちろん最もいいランクなんですけども、特にほかの人たちと、いわゆる給与表をかえまして、一つだけ高いランクの給与表をつくらせていただいているというような格好でございます。ただ、これもフルタイムの方のほかに、パートタイムで研究をしていただけるというような仕組みもつくっておりまして、そういうようなことで私どものところで働きやすいというか、やってくださりやすい、そういうような条件をつくる工夫をしております。

【小池委員】 2点ほどお伺いしたいんですけど、一つは40ページの職務業績評価のところで、これは18年から22年度までの5年間が出ているんですけど、それぞれの評価が最初の2年と後の3年で非常に大きく違ってきていますね。それから、下の昇給のところも比率が大分大きくそこで変わっているんですけど、これは何を反映しているのかということが一つですね。
 それから、もう一つは、34ページなんですけれども。国環研の場合は、いわゆる研究センターのほうとそれぞれの研究者の人は二重籍というふうに伺っていて、ここに67室あったのを52室にしたと書いてありますけど、それぞれの室に属していて、それから、センターのほうに出向しているというような制度をとられていると、たしか前に伺ったことはあるんですけども。そうすると、例えばそれが52室ぐらいになっても、センターのほうに半分以上出ていると、一つの部屋には1人とか2人になってしまうような計算になるんですけど、実際にどういう形でそれが運営されているのか、ちょっとイメージがはっきりしないんですけど。それに関してはどうなのか、その2点を教えてください。

【大垣国環研理事長】 手当ての整理の仕方を変えるということで、ルールを変えたという理解でおりますが、ちょっと。

【小池委員】 ルールを変えられた。

【石塚国環研総務課長】 かわってご説明いたします。業績手当の関係でございますが、19年度と20年度で大きく変わっておりますが、19年度まではA・B・Cの3評価になっていたようでございます。それが20年度から5段階評価に変わったと、こういうことでございます。

【小池委員】 これ、表のつくり方が、そうするとおかしいですね。

【鏑木国環研理事】 はい、おっしゃるとおりでございます。

【大垣国環研理事長】 それから、よろしいでしょうか、後半のご質問ですが、34ページをご覧ください。実は新年度から体制を新しくしたわけでありますが、昨年度までは三つのセンターと一つのグループ、それから、研究領域というのが別に、組織がありまして六つありました。その10プラスもう一個ラボというのがあったんですが、そこに室が張りついていたわけでありまして。それを今おっしゃるように、センターにも室がありますし、領域という基盤をやるところにも室があると、そういう構造でございます。ですから、室が基盤のほうだけにあって、センターのほうに室がないというわけではございません。センターという名称の組織、それからラボという組織、それからグループという組織、それから研究領域という組織があったというふうに考えていただければいいかと思います。

【小池委員】 そうすると、例えばある5年間で重点化してというときには、どういう形になるんですか。人をそれぞれのところに動かすんですか。それとも、今のお話ですと、室は室としてずっとあるんですか。

【大垣国環研理事長】 例えばこれですと、地球温暖化研究プログラムという重点化したプログラムを推進するために、その地球環境研究センターをつくっていたわけです。そこには人がいまして、さらに、それとは別に、例えば水環境ですとか大気環境とかいう研究領域がございまして、エフォートに応じて仕事をしています。室の所属としては研究領域にいて、重点プログラムのほうに行くというか、研究を兼務するというふうに考えていただければいいかと思います。

【小池委員】 その場合は、実際には100%、そちらのほうにその間は行っていると。

【大垣国環研理事長】 研究領域に所属している研究者は、例えば半分、重点プログラムの仕事をして、半分は自分の基礎的な研究をする、そういう形で、本人は研究領域に所属をしていると。

【小池委員】 ただ、その研究領域だけに所属している研究員もいるわけですね。

【大垣国環研理事長】 はい、そうです。

【小池委員】 そうすると、センターとか、そういう重点領域に行かれている人も、エフォートみたいな感じになるわけですか。

【大垣国環研理事長】 重点プログラムを進めるセンターだけに所属している研究者もたくさんいます。

【小池委員】 いると。

【大垣国環研理事長】 はい。そこに、実は先ほど数字を申し上げましたが、半分ぐらいがいたんです。

【小池委員】 かなり複雑な組織ですね。

【大垣国環研理事長】 はい。実は政府の方針で重点化をしろと、重点化分野を決めろと、それに応じて組織も、プログラムをまずつくって、それに対する組織をつくったといういきさつがありまして、複雑になったのだと理解しています。

【小池委員】 第3期は、それは大分解消されたんですか。

【大垣国環研理事長】 はい。それを直すのを目的に組織改正して、八つのセンターにしました。そこに全員所属していて、平均、パーマネントが25名になりますが、最大31名で、一番小さいのは12名ぐらいですが。そこに今度、横断的なプログラムを重点研究プログラムとしてあるいは先導研究プログラムとして設定し、緊急のプログラムはそこに人を投入すると。ですから、長期的なことはセンターでやりますし、短期・中期的なことはプログラムでやると、単純化してしまうとそういう構造にしております。

【沖委員】 ちょっとお聞きしたいのですが。今、一番頭を悩ましております環境配慮のところでございますが、51ページでしょうか、ここのところでエネルギー消費量ですね。次の52ページの上側になりますけれども、かなり削減していらっしゃる、すばらしいと思って、この数値を見せていただいていたのですが、よくよく見ますと、電気ではなくてガスの削減なんですね。このガスをどのように工夫なさったかというのを教えていただきたいのと、それから、上水の使用ですね。これもやはり研究する者にとっては非常に重要なところで、どういうからくりで上手にこれだけ削減なさっているのかをお教えいただきたいということがまず1点です。
 もう一点だけ。22ページですが、刊行物の件ですけれども、この5年間の業務実績、非常に「環境儀」とかニュースレターですね、コンテンツのいいものを配布していただきまして、私も読ませていただいているのですが、かなり経費としましてはかかりますね。5年間は、要するにこれプラス、ホームページというところを徐々に動かせつつ、お見せになったと思っているのですが、今後はどういう方向でお考えになっていらっしゃるのか、お教えいただければと思います。

【鏑木国環研理事】 恐れ入ります。お褒めいただきましてありがとうございます。お手元に「環境報告書2011」という別冊の資料を配らせていただいております。
 失礼しました、これは部会のほうの資料だったようでございまして、大変失礼を申し上げました。そうすると、本日の資料の1の51ページのところでご説明をさせていただきますと、このガスにつきましてはエネルギーセンターにございました冷凍機で、ガスを使用するタイプのものがありましたのを、電気を使用するタイプのものにかえたということが非常に大きいことでございます。それでかなり減らすことができました。
 それから、上水利用につきましては、循環利用を進めるということで、実験排水の循環利用ができるように、排水処理施設のグレードを上げて回すようにしたというようなことがございます。

【沖委員】 イニシャルコストはそうかけずにということなんですか。

【笠井国環研総務部長】 ガス冷房を電気にかえるときはESCOをやっていまして、5年間ぐらいで払っていますが、今年もちょっと払っています。循環式にかえるときも、施設をかえるのと、地下水を使えるようにしたりして上水使用を減らしているので、そこもコストはかけています。もちろん、ESCOはそのような施設改修費をかけても電力の削減によりおつりが来るという契約になっています。

【鏑木国環研理事】 上水の使用量は、12年度との比較で、最初のほうがかなり減っているように見えるのでございますけども、その後、循環させるようなものを入れてしまった後は、そう大して、実際減らないというような格好であります。

【沖委員】 ありがとうございました。

【大垣国環研理事長】 すみません。22ページの外部へのいろんな情報誌等に関するご質問ですが、おっしゃるとおり経費がかかりますので、今までは各センターというか組織ごとにいろんな活動をしておりますので、それを外に出したいということでそれぞれやっておりましたけれども、場合によっては重複するものもないわけではないと。それから、送り先をどこにするかということの整理を今していて、それから、やはりホームページ等のITを使った形に移して、印刷経費を減らす方向で今、検討しております。

【沖委員】 減らす方向ですね。はい、わかりました。

【中村委員】 ちょっとご質問をさせていただきたいと思います。42ページですけれども、財務の効率化というところですけれども。まず、交付金で大半は動いていらっしゃると。そこに、さらに今度、受託収入というのが入ってまいりますね。その受託収入の中に競争的な外部研究資金、これを取り入れてやっていらっしゃると。ところが、この外部研究資金、これを受託をする予算に対しまして、これは59ページで、要するに予算額を下回ってはいないんですが、前年よりもかなり減らしているというふうな数字が出ているんですね、受託経費が。21年度は342億ですか、それが314億ということですよね。

【大垣国環研理事長】 31億です。

【中村委員】 そうですね、31億。これで、ちょっとお尋ねしたいのは、その競争的な外部研究資金を、国環研がそれを失注しているんですか。要するに、国環研自体の競争力が、普通の民間とやったときに落っこちてきているのが原因なのか、もしくは、例えば目的とか使命に合った研究に特化して受注していこうということが書かれていますが、そういった意図があって受託金額が下がっているのか、どちらでしょうか。

【鏑木国環研理事】 これは、私どもの努力もあるのかもしれませんが、大きなお話としては、全体として外部研究資金のパイが、ちょっと縮小傾向にあるということが大きいのではないかというふうに考えております。国環研が行っております環境の研究の、必要性とか重要性とかいうのは損なわれていないというふうに思っております。

【中村委員】 随契はもう徹底的に、最近はだめですよと言われているんですが、ここで書かれている随契をなるべくしないということは、国環研が外出しするところの随契をやめるという意味ですか。

【鏑木国環研理事】 そうです。

【中村委員】 じゃあ、そこでも若干の資金が、余剰金が出てくるというふうに考えてよろしいんでしょうか。随契から、この競争にさせたということに対して。

【鏑木国環研理事】 実は、そこには難しい問題がございます。研究開発を行う法人でございますので、例えば、ある研究をするのに特有の、非常に珍しい機械というようなものになりますと、随意契約で相手方を探さざるを得ないということがございます。その機械をつくった人でないとメンテができないとか、そういうケースがございます。したがいまして、随契の割合が増えれば、それだけお金がどんどん減るというような、競争、つまり誰でも入ってこられるというものではない世界がございます。ただ、そうではない、競争にどんどん出せるようなところについては、競争してコストを下げるというようなことをやっております。

【中村委員】 はい、わかりました。ありがとうございました。

【松尾委員長】 ほかには。はい、どうぞ。

【泉委員】 58ページ、59ページの予算の状況と、その執行状況のところなんですけれども。幾つかあるんですけれども、まず、衛星観測経費につきまして、18年度から横軸で見ますと、いずれの年度も予算とその執行状況の乖離幅がちょっと大きいのではないかというところがまず1点で。
 なおかつ、22年度予算額6億9,600万に対して8億4,400万と、やや超過幅が大きいというところがございます。その辺について、それが2点目。それから、内訳のその他につきまして、22年度予算額が49億3,000万に対して、実際、執行されているのが60億4,000万と、これも10億以上超過しているというところが3点目。それから、一般管理費につきまして、22年度予算額が4億8,800万円に対して、執行額が5億700万と、これは若干ですけど、予算超過になっているということで、その辺の要因ですね。
 あと、施設整備につきまして、19年度予算額から22年度予算額まで横軸で見ますと、19年度予算額が11億1,100万円に対して、執行額が8億2,500万ですね。そこから始まりまして、22年度まで予算に対して執行額が大幅に下回っているというところ。その辺の数字の要因につきまして、ちょっとご説明をいただければと思います。

【笹野地球環境研究センター長】 衛星関係を担当しております、地球環境センター長の笹野でございます。ちょっと細かいところまでは承知していないところがあるんですが、衛星関係に関しましては、毎年、毎年、同じ額でその物事が動くというのではなくて、フェーズがございます、開発の段階で。それで、予算的にはいただいていたけれども、衛星の打ち上げ等の遅れにあわせて繰り越しをさせていただいたりということで、当初の予算額と、それから執行額とが異なっているということはあり得ると思います。

【鏑木国環研理事】 総論的なお話で恐縮なんですけど、独立行政法人の会計なものですから、中期計画期間中で一つのターム、要するに毎年度の単年度予算の格好になっていないのでございます。5年間でこれだけの仕事をするということでの中期目標をいただいて、それについての中期計画を立てて、したがいまして、その57ページの第3のところに予算、収支計画・資金計画というので、5年間分まとめて出すような格好になってございまして。
 つまりは58、59ページに、単年度で予算をがちがちと決めているかのような表になっておりますけれど、これは5年まとめて幾らだというぐらいの形でございます。22年度で第2期中期計画が終わったものですから、第2期中期計画としていただいたお金で、最終段階で22年度の終わったときに余ったものにつきましては、国庫にまたお返しをするというような格好で、5年で一つの固まりでやっております。総論的にはそんな……。

【泉委員】 そうしましたら、5年でまとめてということですと、この予算額と執行額の表のそれぞれ一番右に、5年間の合計金額を、次回以降ちょっと入れていただくようにお願いしたいと思います。

【鏑木国環研理事】 ごもっともでございます。

【佐和委員】 38ページを拝見して、私は非常にいい印象を持ったんですけど。どういうことかといいますと、「パーマネント採用者(17人)の前職」ってありますね。このうち12人が任期付研究員ということは、いわゆるテニュアトラックのようなことをやっていらっしゃるということで。先ほどの部会で私は、何かそういう、任期付の研究者の採用の比率が上がるのは問題ではないかというふうに言いましたけども、かなりの高い率でこのパーマネントのほうに昇格しているということで、むしろそれは大変結構なことだというふうに思いました。

【鏑木国環研理事】 ありがとうございます。

【小池委員】 すみません。先ほど、受託経費についてのお答えで、いわゆる外部資金の国の全体のパイが少なくなっているというのは、それは私は間違いだと思っています。今、国の場合は、いわゆるデュアルサプライで外部資金のほうを増やして、運営交付金を減らす方向で施策をやっていますので、全体とすると明らかにそういう研究に対する外部資金は増えています。

【中村委員】 ということは、競争力をなくして、外部の人が取っているという感じなんですか。

【小池委員】 それは幾つか解釈はできますけれども、これは国環研の人に答えていただいたほうがいいと思います。

【鏑木国環研理事】 すみません、今、数字を持っていないので的確なお答えになるかどうかわかりませんけど。政府全体で見たときに、外部競争資金が増えているというお話だというふうに理解しておりますが、私どもの国環研が自分たちの分野というふうに考えている競争資金のパイは、あまりそうでもないような傾向があるように思っているんですが、違いますか。

【小池委員】 そうじゃない、増えていますよ。

【鏑木国環研理事】 さようでございますか。それは失礼をいたしました。競争力が落ちているということはないつもりではございましたが、そこは少し反省をして、また、中で議論をしてみたいと思います。ありがとうございます。

【大垣国環研理事長】 一つだけ、ちょっと念のため申し上げますと、受託経費等という中に、いわゆる科研費のような 競争的資金も入りますし、それから、環境省が受託契約として出す予算のものもまざっておりまして、この項目に区分がいろいろございまして、その辺がわかりにくくなっているところかと思います。

【小池委員】 科研費は増えていましたよ。

【大垣国環研理事長】 はい。全体の科学技術予算自体は増えていることは、確かにそのとおりです。

【笠井国環研総務部長】 ものすごくラフな、国環研が関係している主な競争的資金ということで予算の状況を見てみますと、五つぐらいをピックアップしたのですが、環境研究総合推進費が、例えば21年度だと51億1,500万円、22年度は52億6,800万円なので103%。
 すみません、ちょっと数字を言っていくと長くなるので、比率をいいます。環境研究総合推進費は、全体の枠が21年度に比べて22年度が103%になっていますが、地球環境保全等試験研究費が80.77%。科学技術振興調整費、これは22年度は296億4300万円と大きいのですけれど、これが21年度比で81.57%、科学技術振興費が88.28%。地球温暖化技術開発等事業費は131.9%と増えていますけれど、1けた多い科学技術振興調整費の減り方が大きいので、この五つを足し算してみますと、枠としては21年度比88%ということで、22年度は21年度に比べて12%ぐらい総額が減っています。

【松尾委員長】 今までの、単年度の受託費が減っているということに関しては、努力をもう少ししてほしいということはコメントとしてこれまでもつけ加えてきていますのでね。そういう意味では、基本的には、なるべくそういうところで、外部資金で稼いでくることは、今後とも努力してほしいという趣旨だというふうにご理解いただいたらいいと思いますけれどもね。
 よろしいですか。委員の方、よろしいですかね。
 私も一つだけ、この図面、EICネット、これとその環境展望台って何か趣旨が違うようにさっき聞いたんですが。だから、数だけを比べても多分違うんですよ、ユーザーが違うし、情報も何か違う種類のものが出ているんじゃないかと思うんで、どういう比べ方をするのがいいのかは要検討かもしれませんね。さっきの説明の中でも大分目的や用途が違っているのではないかと思うので。

【高橋委員】 それに関連して、一言。その点について、どこかで言おうと思ってたんですが、12ページの書き方は明らかに。ちょっと目標を達成していないという書き方は、政策目標を変えたので、そういう意味では、変えた目標に照らしてどうかというのをやっぱりはかっていただくのがいいのかなというふうに。ちょっとこれは表現が短過ぎて、よく評価者に伝わらないんじゃないかと思いますので、お考えいただければと思います。

【鏑木国環研理事】 はい、わかりました。

【松尾委員長】 よろしいですかね。ありがとうございました。
 それでは、一応、環境研のほうからのご説明は、5年分についての実績についての業務報告をいただいたということで終わらせていただきたいと思いますけれども、委員の方はよろしいでしょうか。
 それで、実は予定の時間が少し迫ってはきているんでありますが、この段階で実は環境研の方々にお帰りをいただくという趣旨になっていまして、質問するのは今のうちだと、こういうことになっておりますが、何か今までのことでよろしいですか。ありがとうございました。
 はい、どうぞ、いいですよ。

【中村委員】 それじゃあ、よろしいですか。女性の活用、研究者が占める割合が15.8%ということで、今後、その改善を図っていきたいというふうに自己評価で書いてあるんですが、具体的に女性の研究者を増やしていく改善策というのは、どんなことを考えてらっしゃるんですか。

【鏑木国環研理事】 実は、つい最近、今期になってからになりますけれども、女性の職員に女性支援専門職という名称で仕事をしてもらうことにしまして。それも女性の職員だけの部屋に、女性が相談事があった場合は来やすいようにとか、そういうようなことをいたしまして、まずは何を困っていらっしゃるかとか、いろんなご意見を受け入れやすいというか、吸い上げやすいような体制を組みました。

【中村委員】 恐らく、企業の大手さんで女性を活用しているところがたくさんありますから、そういったところの人事にアドバイスをいただいて、よりスピーディーにその辺の課題を解決する方向があるといいんじゃないかなというふうに思います。

【鏑木国環研理事】 ありがとうございます。

【松尾委員長】 わかりました。それでは、いろいろ今日、コメントが出ましたから、今後の運営に生かしていただければありがたいと思います。
 それでは、国環研の役員の方々、どうも今日はご苦労さまでございました。これで退席していただいて結構であります。本日はこのまま皆さん方を入れる審議は終了しますので、そのままお帰りください。本当にどうも今日はご苦労さまでございました。ありがとうございました。
(退 席)

【松尾委員長】 どうもありがとうございます。
 それでは、時間が押しておりますけれども、非常に大事な、本題のほうへ入らせていただきたいと思います。事務局から資料の関係、その他、ご説明いただきたいと思います。

【長坂環境研究技術室長】 時間が大分押しておりますので、先に資料3の今後の予定をご覧ください。
 今日、ご審議いただくのは資料2でございまして、これは委員の皆様、初見のものでございますが、あまり詳しく説明する時間がございませんので、先に予定を説明しますと、この資料2に対するご意見を8月11日までにということで、一旦お持ち返りいただいて、意見をいただくという期間を設けてございます。実際には19日に案をもう一度、委員にご覧いただきまして、次回の23日の本委員会の場で確定をするという、こういう順番になってございます。ということで、資料2のほうの説明は、相当簡略化させていただきたいと思いますので、本日お気づきの点をご意見としていただければと思います。
 それでは、資料2のほうをご覧ください。こちらは独立行政法人国環研第2期中期目標期間における業務実績評価書の仮案としてございまして、5年間の年度評価を踏まえまして、委員長案として、もう既に案文を作成させていただきました。それが一番右の欄になってございます。一応、この全体の構成は、一番左側に中期目標、それを踏まえた国環研の立てた中期計画。そして、評価項目とその視点等が細かくなってございまして、各年度、5年分の評価というのがあって。そして、その中期目標評価というのが二重四角でありますが、一番上にA・A・Aと、平成22年の横にAとなっていますが、ここも議論をしていただく場所でございます。その中期目標評価のところと、あと、その次の欄、中期目標の達成に向けた状況等の欄の記述ぶり、ここをご議論いただきたいと思います。
 上から簡単にご説明しますと、中期目標の第1というのは期間のことでございますので、第2から始まっています。国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項につきましては、各年度評価が全部Aでございますので、中期目標評価もAであろうということでAを入れておりまして、これ全体の話ですので記述は簡単になっております。中期目標を十分達成していると。
 そして、次の1.環境研究に関する業務の部分につきましても、これは下に細目がございますので、評価としてはAで、記述としても中期目標を十分達成しているという評価、書きぶりになっています。
 それから、そのさらに下の(1)環境研究の戦略的推進というので、細目が分かれておりまして、[1]から[4]の項目がございますので、おのおのについて記述をしてございまして、[1]の学際的かつ総合的な研究の推進については、着実に進展が図られていると。[2]先導的・基盤的研究等の推進についても、積極的に進められていると。[3]意欲及び能力を向上させる研究環境の充実については、所内公募研究精度を活用する、あるいは若手育成のための所内公募を行っているなどをしていると。[4]の環境分野の研究機関との連携・協力状態につきましては、国内外との連携、あるいは国際的な活動への参加・協力が積極的に進められていると。以上のことから、中期目標を十分達成しているということでA評価にしてございます。
 めくりまして、2枚目の下のほう、(2)研究の構成ですが、これも全体の話ですのでAとして中期目標を十分達成しているという記述をしています。[1]の重点プログラムにつきましても、これは大くくりな評価として、Aとして、四つの重点プログラムについては、外部評価においても高い評価を受けており、適切に進められていると評価できるとしております。ページがまた飛びまして、4ページでございますが、[2]の基盤的な調査・研究活動につきまして、こちらも、ここでAが並んでおりますのでA評価で、中期目標を十分に達成していると。[3]の知的研究基盤の整備につきましても、同じくA評価で十分達成している。
 5ページに参りまして、研究の評価につきまして、こちらも全部Aでございまして、中期目標評価はAで、中期目標を十分達成している。
 6ページに参りまして、今までのところは研究の内容系ですが、こちらについてはほとんどもうみんなAということになってございますが、次からがちょっといろいろございまして。環境情報の収集・整理・提供に関する業務、6ページの一番上ですが、ここは一番最後、平成22年だけ、今までも議論に出てきましたが、ホームページ、環境展望台絡みのところで平成22年がBとなっておりますが、中期目標全体としてはAとしてございます。そのホームページの利用件数については目標達成できなかったものの、環境保全に関する、及び技術開発に関するホームページ利用数等々について中期目標を十分達成しているということで、全体はAという評価にしてございます。ただし、その細目で(1)(2)(3)とありますが、(1)の環境に関する総合的な情報の提供の部分についてはBということで、これは第2期中期目標期間中にサイトの見直しが行われたことにより認知度が下がったため、目標達成できなかったということを踏まえてBでございます。(2)の環境研究・環境技術に関する情報の提供につきましては、5年間の評価がばらけておりますが、これは全体としてはA評価として、このホームページの利用件数については第1期間、中期目標終了年度に比べて5割以上となっているということからAとしてございます。
 7ページに参りまして、(3)の環境の状況等に関する情報の提供につきましては、環境国勢データ地理情報システムの利用件数が、やはり1期に比べ5割以上ということで、中期目標を達成しているということからA。
 次に、3.の研究成果の積極的な発信と社会貢献の推進につきましては、こちらは5年間Aで評価、中期目標を十分に達成している。それから、(1)研究評価の提供等につきましては、マスメディアやインターネットを通じた情報の提供をまず[1]としていると。次のページに行って、[2]として、刊行物「環境儀」を発行して研究の普及に努めている。[3]発表論文、誌上発表及び口頭発表が13年度から17年度までの年間平均値を上回っているということで、中期目標を十分達成しているという評価でAでございます。
 9ページに参りまして、(2)研究成果の活用促進でございますが、これは5年間Aでございまして、全体としてもA評価。企業・大学等の連携を継続的に実施していることが評価できると。一方、知的所有権については活用されてこそ意義があるものなので、これらの適切な管理が必要であると。ここは記述としてはややネガティブな表現にはなっておりますが、全体としてはAとなってございます。
 (3)社会貢献の推進ですが、こちらも中期目標評価はA。[1]の研究成果の国民への普及・還元については、シンポジウム、各種イベントを積極的に活動していると。[2]環境教育等につきましては、サイエンスキャンプ等を実施していると。このようなことから中期目標を十分達成していると評価しております。
 10ページに参りまして、環境政策立案への貢献でございますが、こちらは審議会への職員の参画人数が目標数になってございまして、こちらが増えているということから十分達成しているということで、Aとしております。
 第3の大きな項目になりまして、業務運営の効率化に関する事項は、全体としてA、5年間を通じて業務運営の効率化を図っているということ。そして、その1個下の1.戦略的かつ機動的な組織の編成につきましては、四つの重点プログラムについては責任ある推進体制が構築されていると。コンプライアンスに関しては、そのチェック体制が整備・確認されており、中期目標を十分達成しているという評価です。
 それから、2.人材の効率的な活用ですが、こちらは5年間としてAでございまして、非公務員型の独立行政法人のメリットを生かした柔軟な採用が行われている。それから、人材の流動性を高めているということでA、十分達成しているという評価でございます。
 それから、3.財務の効率化につきましては、全体としてはB評価としてございます。人件費の削減については、5%を超えた削減を達成しているということで、こちらはできているという評価でございますが、[2]事務所への迅速化・効率化、こちらについてもしっかりやっているという内容。[3]受託収入につきましては、こちらは受託収入等の自己収入はいずれも減少しているということで、ここがちょっとマイナス要因だということになろうかと思います。[4]契約規定の整備・適正化については、適正化に努めているということで、[3]の部分がきいて全体の評価はBということにしてございます。
 4.効率的な施設運用につきましては、計画的に大型研究装置等の整備・充実を図っているということで、十分達成している、Aという評価でございます。
 5番、情報技術等を活用した業務の効率化につきましては、所内ネットワークシステム、コンピューターシステム最適化計画等を実施しているということでA。
 次のページ、6.業務における環境配慮につきましては、全体としてA評価、CO2削減、省エネ、電気、ガスが要りませんから電気・ガス・上水使用量等が着実に減少しているということでございます。
 14ページに参りまして、業務運営の進行管理につきましては、研究業務について高い評価を得られておりますし、また、それは適切な研究業務の運営がなされた結果と思われるということで、特に東日本大震災について速やかな対応をとったということも評価できるということで、全体としてAという評価でございます。
 それで、第5、その他業務に関する重要事項ということで15ページですが、これは全体としてはAの十分達成していると。その細目の1.施設及び設備に関する計画につきましては、中期計画に基づいて計画的に行われているということでA。人事に関する計画につきましては、人件費の一律削減に伴って契約職員等の増大に頼らざるを得ない現状という何度も出ている議論でございますが、そういったことをかんがみて、全体評価Bとしております。
 最後ページは総合評価ということでございまして、業務運営の改善に関する事項の検討ということで、ここに問題点を少し書かせていただいております。そして、総合評価といたしましては、各年度の総合評価は全部Aでございまして、中期目標期間としても総合評価はAということで、全般的によくできましたに近いかなという評価をつくらせていただきました。
 すみません、非常に足早で申し訳ございません。説明は以上でございます。

【松尾委員長】 ありがとうございました。いかがでございましょうか。これが、とりあえずの原案ということで、先ほど環境研のほうから5年間分の、いろいろご説明がありましたが、それらを踏まえて、あるいは今までの評価書という格好で出されたものの内容を踏まえた上で、このような、総括的なものをつくってみたという趣旨であります。何かご質問、ご意見あれば、よろしくお願いします。

【佐和委員】 1時からの最初の部会でもちょっと話題になりました、いわゆる非正規雇用といいますか、任期付の研究員の比率が上がっているというふうなことで、確かにそれは問題だというふうに私も申し上げたような気がするんですが、これを見ますと、実は任期付研究員のかなりの割合の人が、パーマネントで採用されているんですね。そういう意味では、テニュアトラックを入れているんです、やっているんですよと言えば、むしろいい評価を……。ちょっとこういう数字を見せてもらえなかったのでね。ですから、総合評価というのはAにしてもいいんじゃないかなという気がするんですけどね。A・A・A・A・Bでしょう。だから、何もBである必要はないと。

【松尾委員長】 わかりました。今のは非常に貴重なご意見ですが。そういう意味で、8月11日までに今のようなご意見をいただければ、またそれを勘案させていただいて、19日に皆様にお返しするときに、少し修正させたものを送りますから、ぜひ、今のは記録にもちろんとどめますけれども、そういう積極的なご意見をいただければ有難いと思います。
 なるべく具体的に根拠を示しながら評価をするという趣旨でやりたいと思いますので、今のような形でちゃんと、変わってきたけれども、パーマネントのほうにもかなり移っているということを書けば、Aにしても構わないというふうに思うんですね。それがないと、何かちょっと単によくやっているというだけじゃまずいかなという気もしましてね。ぜひ、今のようなご意見、そういう指摘はありがたいというふうに思います。そういう意味で、ご意見いただければありがたいと思います。

【桑野委員】 すみません、ちょっと意見じゃなくてお尋ねしたいんですけど。11日までにお出しする意見というのは、この評価報告書素案と書いていますが、今、ご説明いただいたのは、実績評価書の仮の案ということで、どれに対する意見をお出しすればよろしいんでしょうか。

【長坂環境研究技術室長】 表記を統一していなくて申し訳ございません。この資料2でございます。この資料2の右のほうの、中期目標評価の右の二つの欄ですね。左のほうはもう形式的に整理したものですので、その評価としてS・A・B・C・Dのどれがいいか。そして、そこの対するコメントの内容がこれでいいのかどうかということについて、意見をいただきたいということです。

【松尾委員長】 ほかには何か、内容についてのご意見、ご質問ございましょうか。よろしいですか。
 それでは、第2期中期目標期間における業務実績の評価については、次回の8月23日の委員会において取りまとめをしたいと思いますので、先ほどもありましたけども、本日お配りした資料2につきまして、二重括弧で囲ったところの評価に関わること、あるいは一番最後の欄のコメントに関わることについてご意見があればメールでですね、お書き込みいただいて、11日までにお願いしたいということであります。どうぞよろしく。それで、書き込まれるときは何か色でも変えて、赤か青かで入れていただくと、恐らく事務局はわかりやすいだろうと思いますので、ちょっとそういうのをお気遣いいただければありがたいと思います。
 それでは、8月11日までにお願いしたいと。それで、23日が次回の委員会であるということを再度お伝えしたいと思います。
 以上で議事は終了しますけれども、特に事務局からは何かございますか。いいですか。
 それでは、本日はこれで終了させていただきたいと思います。
 どうも皆さん、遅い時間まで。少し長くなりましたが、ありがとうございました。よろしくお願いいたします。