第25回環境省独立行政法人評価委員会会議録

日時

平成21年8月28日(金)14:00~15:45

場所

経済産業省別館第1020号会議室

議題

(1)
独立行政法人環境再生保全機構の第一期中期目標期間における業務実績評価について

配付資料

資料1 独立行政法人環境再生保全機構の第一期中期目標期間における業務実績に係る各委員の評価結果一覧
資料2 独立行政法人環境再生保全機構の第一期中期目標期間における業務実績評価書(案)
参考資料1 第一期中期目標期間業務報告書
参考資料2 独立行政法人環境再生保全機構の各年度業務実績の評価書(平成16年度~平成19年度)
参考資料3 平成20年度独立行政法人環境再生保全機構業務実績の評価書
参考資料4 関連法規

出席者

委員: 松尾友矩委員長 有田芳子委員 磯部 力委員 小池勲夫委員
佐野角夫委員 佐和隆光委員 西間三馨委員 萩原なつ子委員
三橋規宏委員      
環境省: 総合環境政策局 白石局長
大臣官房 三好審議官
総合環境政策局 川上総務課長
橋本調査官
環境保健部 弥元企画課長
環境再生保全機構 湊理事長
冨岡理事

議事

【松尾委員長】 それでは定刻になりましたので、ただいまから第25回環境省独立行政法人評価委員会を開催させていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
 本日は、委員14名のうち9名が既にご出席になっていただいておりまして、環境省独立行政法人評価委員会令第6条1項の規定によって定足数を満たしているということであります。それではよろしくお願いします。
 まず議事に入ります前に、事務局から事務的な内容についてご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【橋本調査官】 お手元の資料のご確認をお願いいたします。資料山積みになっておりますが、まずは1枚目に議事次第、次に座席表がございます。資料1、資料2はA3版になっていますので、ちょっと下の方でございますけれども、資料1、資料2がございます。またA4版になりまして、参考資料1として冊子、環境再生保全機構の第一期中期目標期間業務報告書。それから参考資料2、またA3版ですので一番下になりますけれども、各年度の業務実績の評価書。また戻っていただきまして、A4版の一番下のところに参考資料3で平成20年度の環境再生保全機構の業務実績の評価書がございまして、あと資料ナンバーが付いておりませんけれども、ファイルにおきまして関係法規の配付をさせていただいてございます。配付漏れ等ございませんでしょうか。もしございましたらお申しつけください。よろしくお願いいたします。

【松尾委員長】 よろしいでしょうか、全部ありますでしょうか。
 それでは議題に入りたいと思います。本日の議題は1件でありますが、環境再生保全機構の第一期中期目標期間における業務実績評価についてということであります。これにつきましては各委員から既に評価書の案、それぞれ個人の案を事務局の方に提出いただいていまして、それを事務局で今取りまとめているところであります。これについて各委員からのご意見を伺いながら、最終的な評価書にまとめさせていただきたいと思います。
 それでは事務局からあと資料1、2についてでしょうか、関連づけながら各段落というのか、項目についてご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【橋本調査官】 それではまず資料1をご覧ください。独立行政法人環境再生保全機構の第一期中期目標期間における業務実績に係る各委員の評価結果一覧でございます。短期間でご作業いただきましてありがとうございました。各委員からご提出いただきました評価書を一覧の形で取りまとめさせていただいたものでございます。この資料1につきましては、転記による誤謬等がないかどうかご確認いただきまして、もしございましたら事務局にご連絡いただきましたら、訂正等をさせていただいた上で確定させたいと考えております。なお、一番最後のページ、ちょっとひっくり返していただきますと、各委員の評価につき、機構の業務実績評価に係る基本方針に基づき、その総合評価における評価比率により算出したものを整理させていただいております。評価につきましては、この一覧を見ていただくのが簡便かと思っております。
 引き続きまして資料2でございますけれども、これが本日ご審議いただく中心となるものでございまして、左側から環境省が定めました中期目標、それから機構が定めました中期計画、それから評価項目、評価の方法、視点等とありまして、その隣に各年度の評価結果、今日ご審議いただくところの「中期目標の評価」と、太い囲みで書いてございます。それからその中期目標の達成に向けた状況等ということで、この欄は文章につきましてご審議いただくということでございます。
 したがいまして、この欄についてご審議いただくということでございますので、まず冒頭私の方から中期目標の達成に向けた状況等について読み上げさせていただきたいと考えております。項目ごとにご審議いただければ簡便かと思いますので、まず1.業務運営の効率化に関する事項につきまして、読み上げさせていただきます。
 業務運営の効率化に関する事項。「各項目の評価を踏まえると、5カ年を通じ、全体として適切な業務運営を行い、中期目標を十分達成している」と、これ以下の各項目を踏まえた総合的な評価の評語でございます。
 (1)組織運営の効率化でありますが、「職員の役割と課題を明確にした業務計画を作成することにより、職員が主体的に業務を遂行できるように意識の向上に努めた。また、監査室やコンプライアンス推進委員会を設置するなど、内部統制機能の強化を図った。しかしながら、効率的な業務遂行のための組織体制の整備が十分とは言えず、管理部門等の縮減や管理職員の削減など、組織全体の見直しを行い、組織運営の一層の効率化に取り組む必要がある。」中期目標評価といたしましてはBということになっております。
 続きまして(2)基本運営の効率化でございますが、「業務運営の自己点検・自己評価を行い、競争契約の推進等の課題に取り組むとともに、外部有識者からなる「業務点検・助言委員会」からの助言・提言を受けて、業務運営に反映した。」「情報システムの統合等により、情報の共有化を図り、業務における事務処理の簡素化・迅速化を図った。また、資金管理委員会を定期に開催し、各基金の運用方針、運用計画等について情報の共有化を図った。」「サービサー委託を活用した債権回収の実施により、効率的に回収を図ることが出来た。」「契約に関しては、原則として、競争に付すこととし、競争性のある契約が、件数で平成17年度に30%であったものが、平成20年度には83.7%に増加した。また、契約に係る情報の公開、監事による監査を適切に実施している。」
 「汚染負荷量賦課金の申告・納付に係る徴収システムについて、オンライン等の電子申告が増加し、業務運営の効率化が図られている。また、独立行政法人会計基準に対応した会計システムについては、平成16年度に構築し、17年度、18年度とその運用の充実を図り、全ての勘定において運用可能となった。なお、汚染負荷量賦課金のオンライン申請については、更に推進することを期待する。」「これらにより中期目標を十分達成している。」評価といたしましてはAとなっております。
 (3)経費の効率化・削減でございます。「一般管理費、事業費及び運営費交付金を充当する事業費の削減は、競争性のある契約の推進による調達コストの削減効果等により、中期目標を十分達成している。」評価Aでございます。
 (4)業務における環境配慮です。「「環境物品等の調達の推進を図るための方針」を策定し、内部での周知を図り、特定調達品目等の購入について目標を達成した。また、「環境配慮のための実行計画」に基づく用紙類や電気の使用料を削減するとともに、環境報告書の作成・公表やボランティア活動の推進等、業務全般にわたり環境配慮が進み、中期目標を十分達成している。」で、評価Aでございます。
 以上、ここまでで1.業務運営の効率化に関する事項のご説明でございました。

【松尾委員長】 ありがとうございました。それではこの網掛けのところでありましたが、1.と書いてある業務運営の効率化に関する事項について今、ご説明をいただきました。何か委員の先生からご意見ございましょうか。どうぞ。

【佐和委員】 組織運営の一層の効率化に取り組む必要があるということで、「効率化」という言葉が、ものすごく頻繁に登場するわけですが、どういう意味で使っているかはケース・バイ・ケースです。経済学で言うところの効率的というのは非常に特殊な意味なんですが、ここで言う効率化とは、要するに、費用対効果において優れているという意味だと理解してよろしいんでしょうか。

【松尾委員長】 どうなんですかね。

【佐和委員】 世間一般では何となくそんなふうな意味に使われているのかなという感じがするんですが。

【松尾委員長】 どうでしょうか。ここの場合は特にどういう意味合いになりますかね。

【橋本調査官】 きちんとした形でそう定義しているということでは、あるいはないのかもしれませんけれども、この評価に当たって、かつて定めていただいたこの評価の項目及び評価の方法・視点等ということでありますれば、各業務の進捗状況に応じた組織運営の効率化の推進状況ということになっておりますので、業務の進捗に応じた効率化ということですから、基本的に今佐和委員がおっしゃったような考え方に基づいているものなのではないかというふうに考えるところでございます。

【佐和委員】 もう1点お尋ねしたい。同じページの最後のパラグラフに、競争に付することが多くなったからということで、高い評価の根拠になっているわけですが、競争的であるからよくなったとは必ずしも言えなくて、競争的だろうが随意であろうが、出てきた成果の良し悪しが、評価の対象になるべきではないかと私自身は思います。何でも公募すればいいんだとか、あるいは競争入札すればいいというのは、誤った考え方ではないかと考えます。これは全くの参考意見です。

【松尾委員長】 その辺はなかなか際どくて、これは世の中でどういうふうに評価されるのか、また全く別の意見もあると思うんです。

【佐野委員】 評価をしてきた委員の代表として言いますと、詳細に各契約を資料から抽出して検討しまして、コストは競争契約の導入により下がっているということが明らかになっております。
 それから競争契約、後で出てくるかと思いますけれども、私自身不思議に思ったのは、国の方針が複数年という長期契約をやるようにとのガイドラインでありまして、今のようなデフレの中においては我々企業のサイドでは、そういう購買契約を含めて、すべて非常に短期的な契約により、少しでも安いコストで生産性を上げようという状況には反するんじゃないかという意見を出しましたけれども、そういうガイドラインが国から出ているということで、一部の契約については契約のやり方そのものが、今の経済状況を反映していないという面はありました。この機構に関してはトータルなコストが削減されているということがあったんで、これはこれでこの中期に関しては成果が非常に上がっているということになったと判断をしております。

【松尾委員長】 今の問題はちょっと評価とかかわらないで、意見ということでよろしいですね、佐和先生のご意見は。

【佐和委員】 単なる意見ということで。

【松尾委員長】 これは世の中でいろいろ立場の違いもあって、議論が分かれるところですが、しかし随意契約をよしとするというのも、世の中は余り今、評価していないというか、競争的な契約をやれというのは一つの流れになっておりますから、それがおかしいと言われると、そこはちょっとまた別の議論になりそうなので、ここでは一応この計画どおり随意契約を減らしていくということについては達成しているということで、Aの評価でいいんじゃないかと思いますけれども。
 ほかにはどうでしょうか。どうぞ。

【小池委員】 よろしいですか。1に関してはBが1で、残りは全部Aで、それで最終的なまとめが全体に中期目標を十分達成していると書かれてあります。Bがついたところに関して、何も一言も反映されていないと、これだけ見ていると全部いいというふうに見えてしまうんですけれども、これはこういう書き方でよろしいのでしょうか。

【松尾委員長】 どうでしょうか、その点について。さっき資料1の裏を見ていただくと、今のようなご意見が明確になってくるわけでありますが、Aが12でBが1の場合に、これをAとしておいて、なおかつBのコメントを載せるかどうかという、そういうことでございますね。それはどうでしょうか。

【橋本調査官】 委員長とご相談させていただきながら、原案を作成したわけですけれども、基本的には委員の皆様方から頂戴した意見をまとめた形で書かせていただいたということでありまして、もちろんこの場でご審議いただく中で、そこについてそのような、委員ご指摘のような文言をさらに付加すべきということであれば、それはそのようにしていただいてよろしいのかなというふうに思いますけれども、事務方としてそこについて何か特定の意見があるというようなことでは、もちろんございませんので。

【松尾委員長】 今の問題は形式論ですけれども、この欄のところにあるコメントがあれば、それを拾うというのが事務的な作業の見解だという趣旨ではあるんですね。ですから事務局が勝手に削減して新しいものをつけ加えるわけにはいかないと、こういう趣旨もあるものですから、これ例えばBの方が高木委員ですけども、ブランクになっちゃうと、入れるコメントがなくなっちゃうと、こういうことでなんですよね。どこか下の方から引っ張ってくればそれはまたあるのかもしれませんが、そういう意味でちょっと非常に形式論での多分お答えになるのかもしれませんけれども、そこは皆さんの意見からこれこの項目、少なくともどなたかの意見を入れたらどうかという話は受けつけられることだと思いますから、もし具体的にあれば、言っていただければありがたいということだと思います。

【小池委員】 私の考えとしては、全体の評価がAというのはよろしいと思います。ただ文書で書かれている部分が、これなんかもう全部すべて問題がないという書き方になっているので、少し違和感がある。

【松尾委員長】 そうですね。例えば具体的にどういうコメントを付せば、その違和感は解消されましょうか。

【小池委員】 このBのついているコメントの最後の1行ぐらいまで拾ってあげればいいかと思いますけれども。

【橋本調査官】 もしご参考になれば、ちょっと順番逆になるんですけれども、最後の21ページのところで、これは1.だけでなく、さらに2.3.4.もあわせた全体の評価ということになって、最後にご審議をいただくということではあったんですけれども、ここのところも評価としては全体をあわせてAということでございましたが、ここについては、例えば「さらに、業務運営の効率化やその他業務の運営に関する重要事項については、今後、組織の見直しや給与水準など見直す必要のある事項もあるが」という形で、幾つかあったB項目の中でご指摘いただいたことを、こういう形で盛り込まさせていただいて、ただ、最終的には評価がAでしたので、「全体として成果を上げているものと評価はできる。」と、こんなようなまとめ方にさせていただいておりまして、あるいはこのような書き方で、今ご指摘いただいた1.のまとめのところもさせていただくとか、そのようなことではいかがでしょうか。

【小池委員】 これが最終的にどういうふうに使われるかで、それでそれぞれAとかBとかという、その書かれていることがそのまま全部生きるのでしたら、それを踏まえてのAだということでわかります。しかし、この大項目のAのコメントだけが出ていくと、やはり少し問題があるということなので、そこはどうなんでしょうか。これは全部が出るわけですか。

【橋本調査官】 評価書自体は、これ全体、この1ページから21ページまでの全体のものとして、評価として出ていくということではありますが、今申し上げたような修正をするというようなことでも差し支えないかとも思いますし、そこは委員の皆様のご意見で決めていただければ。

【佐和委員】 全部で十数名の委員がいらっしゃるわけですね。それぞれの委員が項目別にAかBかの評点をつける。総合点をつける際には、何らかのウエイト付けをするのでしょうか。それとも多数決でしょうか。過半数がAならばAといった具合に。

【松尾委員長】 そこは最後の表を見ていただきますと、さっき資料1の後ろの表を見ていただくと、S・A・B、Cはゼロだからいいんですが、かなり割れるところと、やっぱりみんなが一緒というのは必ずしも多くないんですよね。13人全員がAというのももちろんありますが、Sの人がいたり、Aがあったり、それからAがあってBがあったりとか、Bも多いのもあります。今回は非常にある意味ではっきり分かれていまして、そういう意味ではAとかBとかというものの定め方については、そんなに議論の余地がないんではないかというふうに思うんです。ですから、そこは今回よくて、あと後ろのコメントでその辺の今配慮をどうしたらいいかということで、ご意見が出ているというふうに思えるんですが、それでBがあるのにもかかわらずAだけでいいのかという点ですね。今度Sがあったら、じゃあSがあるときの表現をどうするかですね、若干テクニカルにはその辺が少し難しくなってくるんですが、12対1の1の部分をどうこの中で取り上げなきゃいけないかという点は、これちょっと皆さん方のご意見次第ですが、Bがあったから必ずBの要素を残さなきゃいけないというものでもないようにも思えるところはありますね。その辺どんなもんでしょうか。やっぱりこれは残した方がいいというご主張があれば、残すというのは適切だとは思うんですけども、必ず何かに残さなければいけないというものでもないというふうにも、私はちょっと思うところはあります。

【小池委員】 さっきご説明ありましたように、一番最後のところに、似たようなことが入っていますよね。ですからここに入れば、ただここにぽんと入ってきて、途中に入らないのも、これも整合性がないという気もするので、それはどういうふうに判断されるのか。

【松尾委員長】 ですからこの1の(1)にBがありますので、ここには今さっきちょっと議論があったような組織全体の見直し、組織運営の一層の効率化に取り組む必要があると、こういうコメントがついている。これを後ろで引っ張ったということだと思うんです。ですからこの1.の全体の上の部分のところでそれが入っていなくても、逆に言うと各項目の中にはそういうものが入ってきますので、それをもう一遍最後で総括のところで、もう一度引っ張っているということになりますから、それはそれなりに何らかの痕跡は残して、あとまとめているというふうには言えるというふうに思うんですけれども。

【小池委員】 そういう理解なら、私も結構ですけれども。

【松尾委員長】 それでは、じゃあそういうことでよろしいでしょうか。特にご異論なければ、そういうことで進めたいと思いますけども。 

(な し)

【松尾委員長】 ありがとうございました。ほかの問題でこの1.というので、第2と書きながら1.というのはどうもわかりにくいんですが、中期目標としては第2の業務運営の効率化の事項の中の、業務運営の効率化に関する事項が1.ということになっているわけでございます。ほかにはいかがでしょうか。

(な し)

【松尾委員長】 それでは、一応この原案のとおりということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【松尾委員長】 ありがとうございます。それでは、次は2.ということになるんでしょうか。何ページになりますか。

【橋本調査官】 4ページです。

【松尾委員長】 4ページですか。じゃあ、そこをよろしくお願いします。

【橋本調査官】 2.の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項で、4ページからでございます。ここは業務の中核部分になりますので、やや大部でありまして、4ページから15ページまでということになっておりますが、まとめて読み上げさせていただきます。
 2.国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項。「各項目の評価を踏まえると、5カ年を通じ全体として適切な業務及びサービスの質の向上を図り、中期目標を十分達成している。」で、Aとしております。
 公害健康被害の補償及び予防業務、5ページでございますが、「当該業務に係る各項目の評価を踏まえると、5カ年を通じて順調な成果を上げ、中期目標を十分に達成している。」
 (1)汚染負荷量賦課金の徴収。「納付義務者への説明会を効果的に開催するとともに、問い合わせへの的確な対応に努め、中期目標期間を通じ、徴収率・収納率ともに平成15年度実績の水準を維持した。また、説明会資料や専用ホームページの改善により、納付義務者へのサービスの向上を図るとともに、名称・住所変更届書について、平成17年度から電子申請による受付を開始し、納付義務者の利便性の向上を図ったことなど、中期目標を十分達成している。」
 次のページへまいりまして(2)都道府県等に対する納付金の納付。「オンライン申請の稼働や納付システムの改修などにより、効率的な業務の推進に努め、事務処理日数の25%削減を達成し、中期目標を十分達成している。なお、オンライン申請については、引き続き拡充を図り、一層の効率化を進めることを期待する。」
 次のページ(3)公害健康被害予防事業でございます。「公害健康被害予防基金の運用を安全かつ有利に行うとともに、平成20年度からは、自立支援型公害健康被害予防事業補助金を受け入れ、収入の安定化を図った。また、予防基金の運用収入の減少に対応し、助成事業について、地域住民の健康確保につながる健康相談、健康診査、機能訓練事業の分野への重点化を図った。さらに、事業参加者の満足度やニーズの把握に努め、事業内容の改善を図るなど、中期目標を十分達成している。」評価はAであります。
 今の引き続きです。「調査研究課題については、研究課題の重点化を推進し、研究費を20%以上削減した。また、ホームページアクセス件数は、平成15年度比で約47%増加し、研修事業の受講者アンケートの調査結果は、回答者のうち80%以上の者から、5段階評価で上から2段階までの評価を得た。さらに調査研究課題については、外部有識者による評価がなされ、調査研究の成果を事業内容に反映させるとともに、研究成果をホームページで公開したことなど、中期目標を十分達成している。」
 ちょっとページ飛びますけれども、11ページでございます。地球環境基金業務であります。まとめの評語から読まさせていただきますが、「当該業務に係る各項目の評価を踏まえると、5カ年を通じて順調な成果を上げており、中期目標を十分達成している。」で、評価Aでございます。
 (1)助成事業に係る事項。「助成事業については、継続年数が3年を超えないよう適切な運用に努め、事業の固定化を回避するともに、対象分野及び対象地域の重点化を推進した。また第三者による事後評価を行い、評価結果を対象団体に伝えるとともに、ホームページでも公表し、適切に実施した。さらに、処理期間の短縮化、募集期間の早期化、ホームページの充実化等により、利用者の利便性の向上を図ったことなど、中期目標を十分達成している。」評価はAでございます。
 次のページにまいりまして、(2)振興事業に係る事項でございます。「国の政策目標や民間団体のニーズに沿った調査研究事業の重点化を図った。また、研修事業については、研修ニーズの把握に努め、一部講座の廃止や、研修内容に反映させるなど質の向上を図り、受講者アンケートの結果、全ての研修において有効回答者の70%以上から「有意義であった」との評価を得ており、中期目標を十分達成している。なお、平成20年度の研修事業の全てにおいて、競争性のある契約を行い、透明性、公平性を確保した。」評価はAです。
 (3)地球環境基金の運用等についてでございます。「民間寄付金の受け入れを促進するため、ホームページや広報誌等の充実を図り、募金活動を強力に展開した結果、平成16年度からの累計額が2億2,619万2千円となり、中期目標を十分達成している。また、地球環境基金の運用については、運用方針に基づき、安全かつ有利に行った。」それで評価はAであります。
 ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金による助成業務。「助成事業を円滑に遂行し、助成対象事業の実施状況をホームページで公表するなど、業務の透明性に努めた。」評価Bであります。
 維持管理積立金の管理業務。「積立金管理に関する規程類の整備を図り、積立者に積立金の払込手続き等について通知を行うなど、適切に運用管理を行った。」評価Bであります。
 石綿健康被害救済業務。まとめの項目でありますが、「当該業務に係る各項目の評価を踏まえると、5カ年を通じて順調な成果を上げており、中期目標を十分達成している。」評価Aであります。
 (1)制度に関する情報提供。「多種多様な広告媒体を通じ、救済制度について幅広く広報活動を実施するとともに、法律改正に伴い、更にきめ細やかな広報に努めた。また、この法律改正に際し、被害者及び遺族等が速やかに手続きを行えるように、パンフレットやホームページの更新、フリーダイヤルの回線増設、説明会の開催等、情報提供の拡充に努めた。さらに、制度の運用状況について、逐次ホームページで公表するなど、中期目標を十分達成している。」評価Aであります。
 次のページへまいりまして(2)石綿健康被害者の認定。「執務マニュアルの作成・見直しを行い、適正かつ迅速に処理を行い、平成18年度からの累計認定申請7,424件に対し、認定等が終了したものは6,406件となり、9割弱の処理がなされ、中期目標を十分達成している。」評価Aでございます。
 (3)救済給付の支給。「救済給付金の支給は、適正かつ迅速に行われた。また、被認定患者等に対して認定申請等のアンケート調査を実施し、この結果を事務処理に反映させるなど、中期目標を十分達成している。」評価Aであります。
 次のページへまいりまして(4)申請者、請求情報の管理であります。「個人情報の管理については、十分留意し適正な管理をしており、中期目標を十分達成している。」評価Aであります。
 (5)救済給付費用の徴収。「拠出金については、適正かつ円滑に徴収・収納しており、中期目標を十分達成している。」評価Aでございます。
 以上長くなりましたが、ここまでが2.のご説明でございます。

【松尾委員長】 以上が2.の説明といいますか、こちらの評価(案)ということになりますが、いかがでしょうか。見ていただいてご意見あれば、言っていただきたいと思います。どうぞ。

【三橋委員】 一つだけお願いします。13ページの一番上、地球環境基金の運用等について、この2億2,600万円程度の中で、いわゆる純粋の寄付金額というのはどのぐらいを占めているんですか、全額なんですか。

【橋本調査官】 ちょっとお調べして、後ほどご説明させていただきます。

【松尾委員長】 この中には書いてないのかな。22ページの辺ですか。

【佐和委員】 参考までにお伺いしたいんですが、13ページの第1行目ですが、そこに「地球環境基金の運用については、安全かつ有利に行うこと」という表現がありますが、「運用方針に基づき」ということは、例えばハイリスクなものを避けるべきだとか、そういった明文化されたものがあるわけですね。国債とかそういうようなものでやりなさいといった具合に。今のような低金利下においても、安全なものに限るというのが前提条件になっているわけですね。安全性を保ちつつ、その組の成績が非常によかったというふうに解釈してよろしいわけですか。

【橋本調査官】 もちろん運用方針というのは、安全に行うというのが基本でありまして、その範囲の中で。

【佐和委員】 海外に投資したりしてはいけないとか。

【橋本調査官】 はい。

【佐和委員】 株式もいけないと。   

【橋本調査官】 基本的にはそうだと思います。運用方針を確認いたしますと、次の有価証券等による運用をするということになっておりまして、1.国債、2.地方債、3.政府保証債、4.金融債、5.銀行その他環境大臣の指定する金融機関への預金、5.財政融資資金への預託となっております。

【松尾委員長】 よろしいですか。それ以上のことは無理だと、こういうことのようですね。もっと本当は大学もいろいろ失敗しているところを見ても、もっと稼ごうと思ったら、稼げたのかもしれないということはあるんですけどね。それは今の規程によってやられていると、こういうことですね。さっきの22ページの、この文書の業務報告書の22ページ、出えん金と書いてありますよね、各年度の。これは寄付を受けた金額ということではないんですか。

【橋本調査官】 はい。2億2,600万というのは、民間からの受入金でございます。 

【松尾委員長】 そうしたら、三橋先生よろしいですか。

【三橋委員】 はい。

【松尾委員長】 それではほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

【小池委員】 8ページのところですけれども、これは中期目標の図を書かれているので、これはそう書かざるを得ないと思いますが、研究課題の重点化を推進して研究費を10%以上削減したと書かれていますね。それで確かに中期目標も中期計画にはそう書いてあるので良いのですが、研究者の方から見ると研究費を削減して達成されたと言われると、え、どうしてなのかなと思うので、私はこのところの独法のことを余りよく知らないのでどうしてこういう目標になっているのか、教えていただければありがたいのですが。

【松尾委員長】 それは最初の計画を立てるときの問題になるんでしょうけどね。

【小池委員】 私の聞いた感じでは。

【松尾委員長】 いや、そのとおりですね。私はどこかメモで何度も書いているんですけどもね、10%研究費削減すればいいものじゃないんじゃないかということは、コメントとしてはつけているんですけども、でもそれが計画である。計画を達成したかどうかを見なさいということになると、こういうような表現というような形になってしまうというところなんですね。これは最初の中期目標、中期計画を立てるときに、こういうことをうたったということなんですね。

【橋本調査官】 はい。委員長のご指摘のとおりでありまして、中期目標においてその係数を付して定められておりますので、平成15年度において定めるときにそのようなことが定められ、それに従って実施をしてきたということでございます。

【松尾委員長】 先ほども同じように、研究の質については余り問わないで、金額だけで見ているという辺が非常に問題と言えば問題だと僕なんかも思うんですね。

【小池委員】 普通、重点化するとか、そういうことはよく書かれて、重点化して同じ予算でも非常によくなったとかというようなことですけれども、全体の額を減らして効率化して減らす、重点化して減らしたというのが、ちょっと理解しにくいところなので。しかし、最初に中期目標でそう立てたんだから仕方がないと思いますが。

【佐和委員】 要するに、無駄な今まで研究をやっていたのをやめるようにしたという意味ですか。だから人員も削減されたし、かといって成果自体がトータルに見て劣化したわけではないと、そういう理解でよろしいんですか。

【三好審議官】 目標、計画の際の論議に関わったわけではないので、一般的なことでしか申し上げられませんが、という意味で想像にわたる部分が多いのでございますが、私どもの独立行政法人は、ご案内のとおり、国立環境研究所と、この機構というのがございます。このうち機構は、比較的、行政事務の代行型という性格でございますので、そういう機構全体の役割の中で、この調査研究というのが一体どういう位置づけにあるのか、ここに書いてあるとおりでございますので、一々読み上げませんが、業務に密接にかかわるようなものに重点化する、その結果として、できるだけ数値的な目標を掲げるということが当初の議論であったのかなと思います。それでは、じゃあそのような部分は無駄であったのかというと、それはなかなか評価が難しいところではないかと思いますが、少なくともこの中期目標、中期計画の議論のときには、そういう観点を特に重視して、こういう目標が立てられたのではないかというふうに考えております。

【松尾委員長】 よろしいでしょうか。ほかにはどうでしょうか。ちょっと私から疑問ですが、13ページのこのBの評価のところなんですけれども、ここに書いてあるコメントは、どちらかというと業務の透明性に努めたというんで、いいんですよね。それから下の下の方も適切に運用管理を行ったということで、決して普通のところ適切にやった場合はAになっているケースがあって、適切に十分だとかなんかって、「十分」がつくかつかないかだけなんですが、「おおむね」だとBで、「適切で十分」だとAというような感じだと思うんですが、このコメントだけだとBにする明確な指摘が不十分な感じもちょっとするんですが、その辺は皆さんどう感じられますかね。なぜこれBなのかってなんかちょっともう一息、理由が明確じゃないような感じがするんですけど。もう少しうまく拾う先生方の意見を、これだけBの多いところなので、もっと別にBらしいというとおかしいんですが、この問題点をもう少し具体的に提示されてもいいんじゃないかという感じを受けるんですけども。

【橋本調査官】 そういたしますと、この各委員からのご意見をまとめさせていただいた資料1で拝見しますと、今委員長からご指摘があった項目、25ページのところであるわけですけれども、ちょっと私がコメントを申し上げるのは、やや僭越かもしれませんけれども、例えば委員長のご意見の中では、「さらなる努力を求めたい」ですとか、高月委員からも「助成業務をさらに加速する必要がある」などといったようなコメントもございますから、こういった内容について、この本文の方に記載するとか、あるいはそういったことも考えられるかとも思いますけれども、いかがでしょうか。

【松尾委員長】 その辺どうでしょうか。私が言った趣旨は、それなりに計画どおりやっているというか、助成はしているというんだけど、本来だったらもっと早くそういう種類の問題は解決する方向へ動いていないといけないのではないかという印象があって、そういう意味でもっと努力してほしいという趣旨をここには書いたんですけども、その辺皆さんどう、協賛していただけるかどうかというのが一つのポイントなんですが、いかがでしょうか。

【橋本調査官】 ただ、PCBの処理業務自体を加速する、しないというのは機構ではなかなか難しい。機構自体は助成の業務をしているだけですので、処理自体が進まないとその助成金も出ていかないという関係にあるので、機構の努力に求めるのがいいのかどうかというところ、ご判断いただけたらと思います。

【佐野委員】 PCBの処理事業の方は、日本で初めてのというか、類を見ないような非常に高度な技術を使った処理方法を導入してやっているということで、なかなか予定どおり進んでいない状況なんです。
 私ども家電業界でも、早期登録制度で早い処理を期待して、前払い的に登録して早期な処理ができたらいいと思ったんですが、技術的な問題でなかなか進んでいないというのが実情でして、むしろ非常に計画より遅れている。そういう極めて厳しい状況になっておりまして、この基金の支援だけをやっていましても、なかなか高い評価をするのは極めて難しいという状況だと判断して、部会の方ではBという判断をして、コメントもこの程度でいいんじゃないんでしょうかという合意を得て作成した文章であります。

【佐和委員】 そもそものSABCの言葉による説明を見ますと、結局「適切に成果を上げている」というのがAに対して、「おおむね適切に」というのがBなんですね。「おおむね」とはどういう意味なのかというのはよくわからないですね。部分的にという意味なんでしょうかね。全体として見ればまあまあ適切なんだけれども、実は落ち度も幾つかあるということなんでしょうかね。

【松尾委員長】 そうですね。

【佐和委員】 英語で言えば何なんでしょうか。この「おおむね」というのは。

【松尾委員長】 これは政独委に聞かないと。評価する側が自分たちで決めたことですからね、これは。

【橋本調査官】 前回の会合でもご説明しましたとおり、政独委の方でもその評語があいまいであるというような認識を持っておられるようで、今その評価方法の統一といいますか、そういったものに取り組んでおるようでありますので、またその結果フィードバックがあるのではないかなと思っているところでございます。

【松尾委員長】 そうですね、それではこのままで行きましょうか。でも、おおむね透明性が保たれたなんていうと、意味が狂っちゃうんですよね。ですからそれはまずいので、どのようにおおむねをつけるかというのは非常に難しいところだとは思うんだけど、どうぞ。

【小池委員】 いや、やはり言葉と評価が余りニュアンスが違うのは、やっぱりまずいと思うんです。ですから、今言ったおおむねとか、Bだということが、言葉の上でもわかるようには書かないと、これだとAで何でいけないのかと、言葉はAなのに評価はBなんで、先ほどのご説明にもあったように、実際その基金だけじゃどうしようもない、裏があるのでという。でも、結局こういう評価というのは、次にこうしたら良いのではないですかというような一つの提言とか、こちらとして課題を投げかけるような意味があるわけですよね。ですから、昨日の環境研の部会でも出ましたけれども、余りみんなほんのちょっとだけでずっと書いていると、一体何をやっているかわからなくなるという話がありました。やはり何かコメントをすると、少しこういうことは問題があるんじゃないかというのは、Bの場合には書いた方がいいとは思うんですけれども、如何でしょうか。

【松尾委員長】 そうですね。私も若干そういう印象をこれ思っていたんですけども、例えば高月先生のコメントにある助成事業をさらに加速する必要があるというようなことを、後ろの方に透明性に努めた、だけどもさらにそうする必要があるというような言い方をするのはいかがでしょうか。

【佐和委員】 加速できないものは仕方がないでしょう。

【佐野委員】 これは支援というのは、中小企業に対する支援だけでして、大企業の方は膨大な在庫といいましょうか、廃棄物を抱えて処理に困っていると思うんです。という状況で、毎決算期に引当金を計上し、処理を前提にしてきたのですが、根本的なところが進んでいない状況です。ここでそういう言葉を言うのは簡単ですけど、実現性は極めて難しいと思います。しかもこれは中小企業の支援のための補助金なんです。

【松尾委員長】 はい、わかりました。

【磯部委員】 この議論は部会でも随分やりました。その点は先ほど先生からご紹介があったとおりで、だから繰り返しになりますけれど、この機構として、この課題に関して積極的な工夫をして、掲げた目標を十分に達成したということならば、Aをつけようということですよね。ところが、必ずしもそういうわけでもなくて、機構がさぼっているというわけでは決してないのだけれど、粛々、淡々とやってきたという場合ですね。それはまさにB評価ということだろうということで、この平成19年から毎年B、Bと続いて来ているわけですね。
 そういうことですので、ここは評価としてはBになったけれども、それをどのように文書で表現すればいいのかというと、要するに粛々とやっていますということですよね。特にこことここが足りないからAではなくBになったと書かなければならないというものでもないと了解しないと、こちらも大変難しくなるのではないでしょうか。Bといっても決して悪い評価ではないわけなんだから、必ず何かちょっとけちをつけなければいけないと考える必要はないんではないかと、私としては無理やり了解したつもりなんです。

【佐和委員】 その件に関してですが、確かに何か適切に運用管理が行われているけれども、かくかくしかじかの問題点があるというようなことを書くと、Cになっちゃうんですよね。

【小池委員】 一番下、何でしたっけ。

【松尾委員長】 この機構の基本的な役割を超えてまでそれを要求するのはまずいというのは、それはもうそのとおりだろうと思うんですが、そうするともうこれに粛々とやっていればおおむねなのか、十分なのかというだけになるとすると、じゃあおおむねってどこか何かおおむね順調に業務を遂行しているとつけますか。透明性は、これで業務の透明性に努めたということはいいけども、全体的な運用についてもおおむね予定どおり進めていると。

【磯部委員】 それがいいかもしれないですね、このBのところは、中期目標の達成に向け、おおむね適切に成果を上げた、とすれば、文句ないわけですね。

【松尾委員長】 よろしいですか。ちょっと今の文言もう一遍確認してもらって。

【磯部委員】 ただちょっとAのところが、言いすぎであることは確かなんですよね。本当はA評価というのは、目標、課題を十分に達成しているか。

【松尾委員長】 十分にいいというところがね。

【磯部委員】 そうですね。

【松尾委員長】 ちょっと今、磯部先生の言われた文言、どこか事務的に確認してもらえますかね。じゃあ最後にちょっとお願いしましょうかね。
 その次のもBなんですが、これを適切に運用って、おおむね適切に運用管理を行ったんで、これはいいですか。それはちょっと違います。通知を行うなど、おおむね適切に運用管理って、おおむねがもしかしたらおかしなのがあったかもしれないとこういう話になると、ちょっとまずいですか。ここはおおむねを入れるとまたちょっと妙な、違う印象になるかもしれませんね。
 そうするとまあ適切にやったけどもBであるということなんですかね。わかりました。それじゃあここはよろしいですか、皆さん。じゃあそういうことで原案どおりということにしましょう。前段についてはどうですか。

【橋本調査官】 ちょっと検討してみます。

【松尾委員長】 それでは後でじゃあお願いします。2.についてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【松尾委員長】 それでは3の方へ移ろうと思います。よろしくお願いします。それでは3をお願いします。

【橋本調査官】 それでは3について読まさせていただきます。15ページ中ほどのところ、3.財務内容の改善に関する事項でございますが、「各項目の評価を踏まえると、5カ年を通じ、いずれの項目においても成果を上げていることから、中期目標を十分達成している。」で、Aであります。
 次のページにまいりまして、財務の状況でございますが、「第一期中期目標期間末となる、平成20年度末における総利益は、103億4,800万円であり、運営費交付金の精算収益化、貸付金と借入金の利息収支差や業務の効率化等によるものであった。また、利益剰余金は総利益に設立時に承継した4億9,900万円を加えた、108億4,700万円となり、その一部については、第二期中期目標期間へ繰り越し、これとの差額については、国庫納付している。」「資金運用については、内部規程を定め、資金管理委員会を定期的に開催し、各基金の運用方針や運用計画について情報の共有化を図るとともに、安全かつ効率的な運用を行っている。また、資金運用をしている債券の時価情報については、財務諸表の注記事項において開示している。」「剰余金の使途については、該当がない。」評価はAです。
 (3)承継業務に係る債権・債務の適切な処理でございます。「破産更生債権等の償却処理を迅速に実行するとともに、正常債権以外の債権から200億円を上回る回収を図るとの中期目標を十分に達成し、449億円の回収を行った。なお、貸倒引当率について、細分化するとともに、引き上げる必要がある。」評価はAであります。  
 次のページにまいりまして(4)短期借入金の限度額でございます。「資金管理を適切に行い、短期借入金を限度内に抑え、財投借入金の償還を円滑に実施し、中期目標を十分に達成している。」評価はAでございます。
 次のページにまいりまして(5)剰余金の使途、該当なし。(6)保有資産の見直し、該当なしですので、評価はバーとなっております。
 以上であります。

【松尾委員長】 ありがとうございました。3の項目についてはいかがでしょうか。財務内容の改善に関する事項であります。一応は皆さん13の0で、皆さんAで一致しておりますから、特に問題ないかと思いますけども。よろしければ次へ行こうと思いますけども、よろしいでしょうか。

【佐和委員】 珍しく16ページの下の方の段のところで、評価はAなんですが、なお書きがついていますね。このなお書きを付するということは、適切な成果を上げているということに反さないんですか。

【松尾委員長】 さらによくやっていると、こういうことじゃないんですか。

【佐和委員】 そういうことなんですかね。なお引当率について細分化するとともに、引き上げる必要があるという意味じゃないでしょうか。

【松尾委員長】 ああそうですね。

【佐和委員】 なぜこういうなお書きがわざわざつくのかと。

【松尾委員長】 引き当てについて、さらに細分化するとともに引き上げる必要があると。貸倒引当金をもっと上げろと、こういうことですか。部分的には。悪いものといいものを仕分けして、悪いものについては引当金は率は上げなさいと、こういう指摘だということですかね。いかがでしょうか。

【有田委員】 なお書きがあったとしても、私の理解ですけれども、これが実行できれば、S評価になるというようなこともあるのではないかという見方もあるというふうに理解しています。

【松尾委員長】 なお書きについてはね。

【有田委員】 ええ。

【佐和委員】 もちろんそれで結構だと思います。

【松尾委員長】 よろしいでしょうか。そういう意味では。そうですね、両方に議論しますよね。

【佐野委員】 そういう意味だと思います。高木委員がいないものですから。

【松尾委員長】 高木先生の。

【佐野委員】 このコメントは高木委員だったからだと思いますけれども、委員の意図は今有田委員が言ったようなことも含めて、なお今後に期待したいという意味でここに入っているというふうに理解をしております。

【松尾委員長】 しかしその政独委、ほかの人が読んだときにどういうふうに理解するかでちょっと問題になる部分かもしれませんけどね。しかしもしなんか聞かれたときはそういうふうに答えるという、この委員会としてはそういうポジションで行きたいというふうに思います。よろしいでしょうか。

(な し)

【松尾委員長】 それでは4.の方へ入っていきたいと思います。よろしくお願いします。

【橋本調査官】 最後の項目4.その他業務運営に関する重要事項でございます。まず全体のところ、18ページ中ほどからでございますが、まず全体の評価。「各項目の評価を踏まえると、5カ年を通じ、全体として適切に成果を上げており、中期目標を十分達成している。」で、評価はAでございます。
 (1)人事に関する計画。「職員の意向調査や人事評価制度による評価、管理職とのヒアリング等により、適材適所の人員配置と職員の意識向上に努め、業績評価を賞与や昇級に反映させるとともに、研修を積極的に実施し、職員の能力開発に努めた。また、常勤職員数について、計画通りの削減を実施したことなど、中期目標を十分達成している。」
 1ページ、さらにもう1枚おめくりいただきまして、20ページ(2)役職員の給与水準等でございます。「国家公務員と比較して、給与水準が高くなっている。職員の学歴構成と管理職割合が高いこと、及び国の要請により事務局を都内から川崎市に移転したことが要因とのことであるが、管理部門等の縮減、管理職員の削減、給与体系の見直しなどに積極的に取り組み、給与水準の適正化を図る必要がある。また、福利厚生費については、引き続き、法定外福利費の支出について見直しが必要である。」で、評価はBであります。
 (3)その他中期目標を達成するために必要な事項。「旧環境事業団から承継した緑地整備関係建設譲渡事業については、平成18年度中に全ての工事を完成させ、譲渡した。また、東京大気汚染訴訟の和解条項に基づき、東京都に対し、公害健康被害予防基金から、東京都公害健康被害予防基金の造成に必要な基金として、平成20年度に60億円を助成した。これらの実績については、中期目標を十分達成している。」評価はAでございます。
 以上でご説明終わります。

【松尾委員長】 4.のところでありますが、いかがでしょうか。どうぞ。

【西間委員】 ただいまの説明の最後のところですけれども、これは60億の助成は前にも議論にもあったと思いますが、平成19年のこのときですから、当然この中期計画を立てるときには、こういうことが途中で起きるということは予測されていなかった。それをこの文章の中ではいかにも予測されていて、助成したという。これは拠出させられたということではないとなりますね。結局この運用益で研究費そのほかを賄っていたのに、研究費自体も20%削減するというような状況で、いかにも60億を進んで出したという表現はいかがなものかと思います。納得できない表現です。

【橋本調査官】 もちろん中期目標は、平成16年4月1日に定められておるんですけれども、その後2回ばかり変更させていただいておりまして、この中期目標の欄のところに書いてございますとおり、この60億円拠出するものとするというのも途中から中期目標の内容になってございまして、それに基づいた評価ということと承知しております。

【西間委員】 ですから、20ページの中期目標の達成に向けた状況等の中では、ほとんどの文章をこれに使っているわけですね、説明を。そういうものでは決してなくて、途中で降って沸いた結果としてこれが起きたというふうに理解すべきです。これから次の訴訟が起きたときにまた助成するという、この基金が常にそれの埋蔵金的なものとして利用されるというリスクを非常に負ったことです。ここは書くべきではないんじゃないかと思います。確実に運用益は50億分か60億分減っているわけですから、それは認識しておかなければならないと思います。もちろん機構の責任ではないですね。全く機構の責任ではないんですけど、もう少しここは淡々と記述するとか、実績のみを書くとか。成果を上げたような書き方ではまずいのではないかと思います。

【松尾委員長】 「これらの」の「これら」の中に、上に書いてある緑地の整備とかいろんなのがあるから、二つになっちゃうんだけど、そこだけを実績というわけではないということはあるんですけども、この実績については中期目標で「十分達成している」という、この何文字かを外しちゃうというのはどうなんですか、そうなると。それぞれ事実だけを淡々と書いておくということですよね。

【西間委員】 もう一度確認しますけど、助成と拠出金はどう違うのですか。助成というのは戻ってくるのが助成ですか。拠出というと出しっぱなしですか。つまりこの「助成」という表現はどういうことを意味しているのですか。

【松尾委員長】 目標の方では拠出するものとすると書いてあるが、拠出するのが目標なんだから、本当は結果も拠出したと、予定どおり拠出したと書くべきなんですね。助成したというのはおかしい。

【佐和委員】 この計画のところには助成になっているんですね。

【松尾委員長】 拠出することが目標だったけれども、実際は助成になった。計画の段階では助成になったと、こういうことですか。日本語は難しいですね、どうもね。事務当局はどういう見解を持たれますか。この中期目標・中期計画はこの19年のときにつけたんですか。環境省の方が認めてこういう目標をつけなさいといったわけですよね。

【橋本調査官】 目標は環境大臣が定めていますので、環境大臣が変更をしたということです。

【松尾委員長】 そうすると計画の方は。

【橋本調査官】 計画はそれに基づいて機構の方で作成するということになっていますので、変更に伴って計画も変更したと。目標の変更に伴い、計画も変更したということです。

【松尾委員長】 機構の方から見れば助成だと。自分たちのやる仕事が、拠出するような仕事はやっていないと、助成する仕事しか大体やっていないんだと、こういう考え方ですかね。

【磯部委員】 拠出と助成というのは、そういうふうに同じ次元で区別できる財源ではなくて、助成という場合は、目的の要素が入ってくるのではないですか。拠出というだけでは、いわば支出という客観的な、価値的にはニュートラルな行為なのであって、多分目標としては拠出することが決まったのではあるが、機構としては、それを助成という目的で拠出したということになると思うんですけどね。だから目標の達成をされたということですから、それは拠出させられたにせよ、結果的に目標の達成をしたということではあるんだろうと。

【松尾委員長】 そうしたらこれ、機構から言えば助成したんですね、この言葉から言えば。

【磯部委員】 計画で「助成」という言葉を使っているので。

【松尾委員長】 うん、使ってますからね。

【磯部委員】 それを今から変えるべきなのかどうか。

【松尾委員長】 そうそう、助成することを計画しているんで、そのとおり実施したと。

【西間委員】 いやしかし、たしか私の記憶では、東京のこの和解をするときの金額としては、どこからその金を出すのかは明確でなかったのが割り振られて、予防基金が割愛されたというような形でしょう。とにかくこの「助成」、心にもない言葉だと思いますが、これいかがでしょう。

【磯部委員】 そうですね、おっしゃる意味はよくわかります。

【三好審議官】 文言のことだけ申し上げます。これは、公害健康被害の補償等に関する法律の附則の第10条に基づいた措置でございまして、その中に、拠出金の一部を、条文を引きますと、「第68条に規定する業務に要する費用に充てることができる」ということになっておりまして、その法律第68条第2項に、ちょっと細かいところは省きますが、「地方公共団体に対する助成金を交付すること」というのが機構の業務になっております。それで「助成金を交付する」と書いてもよかったのかもしれませんが、「助成する」ということを、機構としてはこの法律の規定に基づいてやったということであろうかと思います。

【松尾委員長】 いきさつはともかく、機構としてはそういう法律に基づいて助成をしましたと。それは適切な業務でしたという評価なわけですよね。

【佐和委員】 よく読むとそれなりに上手に使い分けているような感じがします。目標の方は予防事業の実施に充てるために拠出するとある。予防事業の実施という、具体性に乏しいことが書いてある。それで拠出すると。それに対して中期計画の方は東京都公害健康被害予防基金の造成に必要な資金としてということで、極めて具体的表現になっています。

【松尾委員長】 先生のおっしゃったような、そういうことですね。

【磯部委員】 しかし60億もの金をとられたんだから。

【松尾委員長】 少しは何か言いたい。

【磯部委員】 最後の2行ですね。あえて不快感を示そうというのではないのですが、先ほどおっしゃったような形で淡々と事実だけ述べるというのでもよろしいだろうと思います。あるいは「緑地整備で工事を完成譲渡した」の後に、「中期目標を十分達成した」を入れて、その「また」以下は、単にやらされたからやったというだけにすると、かなりはっきりしますけれど、ちょっといやみが出てくるかもしれません。

【佐野委員】 中期目標それに沿った中期計画ができて、機構はこういうものをやったということは事実なんで、それでもう一つは政独委がいろいろ細かい点を含めて、今度こそはかなり厳しくいろんな指摘をしてくるということも想定しますと、私はこの原案どおりでもいいと思うんです。これらの功績について中期目標を十分達成していると、堂々と言ってもいいんではないかという思いを強く持っています。また選挙が近いんですが、いろんな面で大幅な見直しをするということが新聞等で報道されておりますので、実績についてはこういう表現を残してもいいんではないかという感じを持っております。

【松尾委員長】 ありがとうございます。いかがでございましょうかね。とにかく機構としては言われているとおりというか、計画どおりやったんだということでいいんじゃないかということでありますが、よろしいですか。西間先生、ご了解いただけますか。

【西間委員】 結論は、大勢に従います。

【松尾委員長】 もしそういうことならば、この原案で行かせていただきたいと思いますけども、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【松尾委員長】 ありがとうございます。それでは最後の総括のページ、21ページですか。

【白石総政局長】 全体に入る前にさっきのところをやらないと。ちょっと簡単に説明してください。

【橋本調査官】 先ほどポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金の助成業務のところについて、この「おおむね」という言葉を入れてということでというご指摘があって。資料2の方で申しますと13ページ、あと資料1の各委員のご意見の方で申し上げますと25ページでございます。
 ちょっと大変申し訳ないんですけど、「おおむね」と入れるのがうまく考えつかなかったものですから、ちょっと私なりに考えた案文で一旦ご審議いただいたらというふうに思っております。この委員からいただいたご意見の中でPCBの処理についてさらに進めるというようなご意見があったかというふうに思いますので、このところを踏まえますと、文言の冒頭のところに「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理については、さらに進捗させる必要があるが」としまして、ただ機構としてはその助成事業を円滑に遂行し、助成対象事業の実施状況をホームページで公表するなど、その業務の透明性に努めたと。業務全体としては進捗していないと、それについてはさらに進めなければいけない。ただ、今までご審議いただいていたとおり、機構はあくまでその助成業務をしているに過ぎない、PCB処理全体について進捗させるというところについての役割というところに限りもあるという点も踏まえますと、機構としてはやれることはやったというような内容ではいかがかと。

【松尾委員長】 いや、先ほど磯部先生のおっしゃったのを1行つけ加えるのが、私は一番適切かなと思っておりましたけれども、そこまで戻っちゃうとまた議論が戻るからね。

【磯部委員】 私の提案の文章を読みますならば、助成事業、ここ3行同じですけれども、語尾を「業務の透明性に努め、中期目標の達成に向けて、おおむね適切に成果を上げた。」という文章です。「中期目標の達成に向けて」というのは余計かもしれませんけれども、入れられれば「業務の透明性に努め、中期目標の達成に向けておおむね適切に成果を上げた。」そういう形式的なBの文言ならば、次の維持管理積立金の方も「適切に運用管理を行い、中期目標の達成に向けておおむね適切に成果を上げた。」とそろえることもできるかとは思います。ほかのAのところは「中期目標を十分達成している。」という一種の決まり文句表現を多用しているのにあわせるという感じになるわけですけれども、それがご提案です。

【佐和委員】 中期目標や中期計画を見直してふと気がついたんですが、「透明性・公平性」という言葉を書いていますね。透明性には努めたけれども公平性には努めなかったのかというふうにも読めなくもありません。それと国語的に言って、「透明性・公平性」の後に「の確保」という言葉が要ると思います。「透明性・公平性の確保に努めた」と。

【松尾委員長】 そうですね。それはその方がいいですね。そうするともう一つ追加して修正するとですね、「透明性・公平性の確保に努め、中期目標の達成に向けておおむね適切に成果を上げた。」でどうですか。非常によくなったような、中身が具体的になったような気がしますけども。

【白石総政局長】 先生方がよろしいように。

【松尾委員長】 いやいや、私がいいように思うと言っているのは、それで委員の先生方に申し上げているつもりではなくて、事務局と交渉しているつもりなんです。

【橋本調査官】 1点だけ事務的に申し上げさせていただきますと、「中期目標の達成に向け」という文言は、委員会で定めていただきました基本方針の中で各年度の個別の年度について評価するときの評語として定めていだたいたものですので、これは中期目標の評価でございますので、「中期目標の達成に向け」というお言葉だけは、必要ないのではないかというふうに思います。今回は中期目標をおおむね達成したかしていないかということであります。

【磯部委員】 そうすると、A評価のところの中期目標を十分達成しているというの、これは。

【有田委員】 一番下でしょう。

【磯部委員】 例えばそのページの一番下にもありますね。それは中期目標は。

【橋本調査官】 ですから「中期目標を」ということであります。「中期目標の達成に向けて」ということでなくて、「中期目標を」ということ。

【有田委員】 「向けて」を外すというわけ。

【橋本調査官】 「向けて」でないというだけであります。

【有田委員】 中期目標は言えるんですね。

【橋本調査官】 中期目標をおおむね達成。

【松尾委員長】 「透明性・公平性の確保に努め、中期目標をおおむね達成した」でいいですか。

【磯部委員】 決まり文句としては「おおむね適切に成果を上げた」とありますね。それを。

【有田委員】 それだけ外す。中期目標を

【磯部委員】 中期目標をおおむね適切に。

【橋本調査官】 おおむね達成していると。

【磯部委員】 おおむね達成した。

【有田委員】 これが要らない。

【松尾委員長】 「中期目標をおおむね達成している」「十分に達成している」じゃなくて、「おおむね達成している」と。上の行の。

【弥元企画課長】 磯部先生がご覧になっているところは、評語が実は2種類ありまして、中期目標の達成に向けて年々近づいていっていますねという単年度の結果を、実績を評価する方をご覧になっていらっしゃると思うのですが、我々今回は中期目標を5年間どうだったということですから、そのもうちょっと後ろに4ページなので、「中期目標を」というか、「中期目標の達成に向け」という形、ちょっとニュアンスが違うと思います。

【磯部委員】 「中期目標をおおむね達成している。」それならそれで。

【松尾委員長】 ですから、今ので議論したやつ、Aのところに「何千円となり、中期目標を十分達成している」と。だからAなんですが、十分じゃなくてこれおおむね達成しているとするのが今回の案であります。もう一遍読みますよ。「業務の透明性・公平性の確保に努め、中期目標をおおむね達成している。」下の方はもうこのままで原案どおりということでさっき確認させていただいたので、それについては触らないで行くのがいいんじゃないかと思いますが、ここの部分だけを「中期目標をおおむね達成している」ことにしますが、その間に「透明性・公平性の確保に努める」一つの文言を入れるということであります。趣旨としては変わらないと思いますので、それを受けた形ということで、じゃあ最後のページの検討事項等についてのご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【橋本調査官】 21ページをお開きいただく前に、22ページのところに最後まとめの表がありますので、ざっとこちらからご説明させていただきます。これまでの評価に基づきまして総合評価の仕組み、機構部会の方で決めていただきました評価比率に基づきまして小項目で設定して、それを積み上げたものということで計算させていただいたものでありまして、細かく計算、そこは省略させていただきますけど、合計の評価3.81となっておりまして、評価はAという形となっております。
 21ページに戻っていただきまして、上段には第一期中期目標期間の業務実績評価に当たりまして、業務運営の改善に関することについて各委員からいただきましたご意見をもとに、特に記載しておくべき内容につきまして記載したものでございます。読み上げさせていただきます。
 「独立行政法人環境再生保全機構(以下「機構」という。)の第一期中期目標期間における業務運営について、事業内容のレベルは中期目標を十分達成している。しかしながら、「効率化」への取り組みは十分とは言えず、管理部門等の縮減や管理職員の削減など組織全体の見直しを行い、効率的な組織に改めるとともに、給与体系の見直しを行うなど、給与水準の適正化を図る必要がある。また、内部統制体制の強化に向けた取り組みを強力に推進する必要がある。機構の事業内容は国民にとって重要であるが、認知度は十分ではない。この点については、今後改善する必要がある。「随意契約見直し計画」において複数年契約の拡大を検討することとなっているが、その必要性や理由につき、十分な説明責任を果たすべきである。」
 さらに後段をごらんください。先ほどいただきました評価数値に基づく評語、総合評価はAとご説明いたしましたが、この評価に係るその達成状況について記載したものでございます。読み上げさせていただきますと、「機構は、公害健康被害の補償及び予防業務や石綿健康被害救済業務等については、順調に成果を上げている。また、財務の状況については、108億4,700万円の利益剰余金が生じているなど適切である。さらに、業務運営の効率化やその他業務の運営に関する重要事項については、今後、組織の見直しや給与水準など見直す必要のある事項もあるが、全体として成果を上げているものと評価できる。これらのことから総合的に判断すれば、中期目標を十分達成している。」

【松尾委員長】 ありがとうございます。いかがでしょうか。

【三橋委員】 一つ。総合評価のところですね、この108億4,700万円の利益剰余金、これはなぜここに書く必要があるんでしょうかね、ここの108億4,700万円の利益剰余金、これが多いほどいいということを言いたいんですか。あるいは何か基準があって、それよりもこの108億という、余計に出たんで評価できるという意味なんですかね。ここにここの数字を挙げる意味をちょっと私は理解できないんですけど、財務の状況について適切であるということならわかるんだけど、この数字を挙げた意味ですよね。どういう意味なんでしょうかね。

【橋本調査官】 原案を作成した人間の気持ちとしては、各項目について一つずつトピック的なものを書いた方が文章として良いのかと思って、冒頭のところはその業務の内容について書かせていただいて、財務の状況としては利益剰余金の内容が一番代表的なものかと思い、それを掲げさせていただき、あと効率化やその業務運営の重要事項については見直しの事項があったので、一つずつ内容を付記させていただいたということでございまして、もちろん委員の方々のご判断によって、そこは適宜変えていただくということかと思います。

【松尾委員長】 三橋先生のおっしゃりたいことは、もうちょっと私のように直接な言葉で申し上げると、こんな金額なんかはいいんじゃないかと、こういうご趣旨でございましょうかね。

【三橋委員】 そうですね。挙げるならそのなんか基準があって、それを上回る剰余金が出たんで結構なことではないのというようなことならわかりますよ。

【松尾委員長】 これはその中期目標で幾らって剰余金を残すというようなことは挙げていたんでしたっけ。それをはるかに超えているのは特記してもいいかもしれませんけどね。そういう剰余金についての計画はどういうふうになっていたものなんですかね。

【橋本調査官】 特に中期目標、中期計画のところで数値目標を定めているということにはなってございません。ただ評価の項目の中ではそういった剰余金、当期剰余金云々の検証というようなことはございます。

【松尾委員長】 これは金額が十分な、なんていうと、またなんかえらい埋蔵金があるような、余剰金がもっとあるように見えちゃうという印象にもなるから、これは具体的な数字を出すのも私はそう悪くはないんじゃないかというふうに思いますけど、どうでしょうね。余剰金は出したこと自体は評価していいわけですよね。パフォーマンスとしては。佐野先生、何かご意見ございますか。

【佐野委員】 たしか赤字、剰余金ではなく赤字になって問題視されているところもかなりあるはずなんですね。そういう点を含めると、剰余金を出して財政状況を改善してきたというのは、一つの評価すべき点であると思います。それから埋蔵金の話になりますと、財務諸表が絡みますから、これは見れば一目瞭然見えるわけなんで、ここの表現が直接そういうのに影響を及ぼすということではないと思うという気がします。

【松尾委員長】 いかがでしょうか。佐和先生どうぞ。

【佐和委員】 随意契約見直し計画において、複数年契約の拡大を検討することとなっていますが、その必要性や理由について十分な説明責任を果たすべきであるとされています。複数年ということは、たまたま競争的な手続きによって決まったところに3年とか5年とか中長期でやるということの必要性とか理由がないわけでもないけれども、逆に長過ぎると、不利益になるんじゃないかという意見もあり得ます。これはどこに書いてあるのですか。随意契約見直し計画における複数年化ということは。

【松尾委員長】 これは政府のある種の方針の中に、随意契約を見直すと同時に、その複数年契約もしてもいいと、こう書いてあるということなんですね。ここではそれに対して拡大していくようなことについては、よく理由を説明しないとおかしいんではないかという趣旨で、この十分な説明責任を果たすべきであるという趣旨だと私は理解するんですけども。

【佐野委員】 全くそのとおりでして、個人的には複数年、全く反対ですけども、政府の方針としてそういうガイドラインが決まっているものですから、そうであればきちっとした説明責任を果たすべきであるという趣旨で、ここの文章が入っております。

【松尾委員長】 よろしいですかね。三橋先生、その金額を明示することの、種々の多少の美学の問題があるかもしれませんが、いかがでしょうか。

【三橋委員】 特にこだわりませんけど、唐突感があるなという感じは持ったんですよね。

【松尾委員長】 そうね。しかしまあまあでも一生懸命努力して、いろいろ縮減してこれだけ増やしてきたということではあるので、金額書かないと十分とか、多額とか言ったっておかしいですけどね。

【佐和委員】 何となく多額というのも俗っぽく感じると。

【佐野委員】 やっぱり財務のことに関しては、今おっしゃったような抽象的な表現だと、理解する側の幅が物すごく広がりますから、財務的な状況については金額を私は入れた方がいいと思います。

【松尾委員長】 じゃあそういうことで三橋先生、よろしいでしょうか。

【三橋委員】 はい。

【松尾委員長】 ありがとうございます。
 先ほど誤字の問題も含めてでありますが、誤字は直すということでありますが、上の検討すべき事項として三つ挙げている。それから総合評価についてのAは点数から出てくるAになりますが、それに向けた状況のが評価としての中身ですね、それについての今ちょっとその数字についてのご意見ありましたが、それは残すとして、全体的にいかがでしょうか。

【佐和委員】 給与体系がなぜこんなに高いんですか。歴史的にそうなのか、それとも何か特別の理由があってのことなのでしょうか。独立行政法人になるまでは、ここはどういう組織だったのですか。いわゆる人事院勧告の対象だったのですか。

【松尾委員長】 もともとはどういう組織だったわけですかね。ラスパイレス指数を計算すること自体は、どういう組織であっても計算できるわけですよね。ですからそれが東京であれば100に近くなると。川崎に行ったがために川崎の周辺の給与は安いので、相対的に高くなったというのも一つだという、理由としては説明されていますよね。

【佐和委員】 管理職が多いといっても、それを調整してもやっぱり高かったですよね、たしか。

【松尾委員長】 ですからそういう意味では管理職が多くて、相対的に年齢が高くて、高学歴の者がいるので、そうやって給与表を当てはめていくとどうしても高くなってしまう。しかしそういった役職者がそれだけ大勢要るか、要らないのかということはもう少し検討すべきじゃないかと。ここで言う給与体系の見直しというようなことは、そういうことも含めた給与水準の見直しというのは、そういうことになるんですか。

【佐和委員】 役職者が多いというのが、一番大きな理由なんですかね。

【佐野委員】 機構の役職者は全職員の3割なんですね。これは多分独法の中ではずば抜けて多い数字ではないでしょうか。したがって、給与水準そのものが高まっているということになると、私は理解しております。

【松尾委員長】 大学卒の比率も非常に高い。ほかのいわゆる国の行政機関に比べてですね。

【佐和委員】 確か前回見せていただいた表によると、そういうことを調整してもなおかつ高い、10%ほど高いということではなかったでしょうか。

【松尾委員長】 ですから川崎市に移ったということもより高くなる、指数としては高くなる方向へ働いていると。だから東京都内であれば大きな大資本の大会社があって、給与水準自体は高くなる。それに比べると、川崎市へ行くとそういう意味じゃ大企業がないので、中小企業が相手の数字、あるいは自治体の方が本当は国よりも高いんじゃないかと思うから、川崎市へ行った方が粘れるんじゃあ、それはちょっとよくわからないんですが、この間の説明では川崎に行ったことによって相対的に高くなる方向へシフトしているというようなこともありましたけど、しかしそうは言ってもやっぱりもう少し効率的なものに見直していくべきだということは、これはもう間違いないんじゃないかというふうには思いますけどね。

【佐和委員】 国立大学法人を見習っていただければ、管理職は極端に少ない。何十分の一ですね。つまり研究所長とか研究科長は、何十人に一人の割合ですから。

【松尾委員長】 まあまあそれはちょっと比較にならない気がするので。それでは時間も大分過ぎておりますが、よろしいでしょうか。ほぼ先ほどの1箇所、13ページでしたか、ここの上では文言修正させていただきましたが、それをもって最終的な評価書ということにさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【松尾委員長】 ありがとうございました。それではこれで一応評価書の審議は終わりということでよろしいですかね。

(な し)

【松尾委員長】 ありがとうございます。それでは先ほどの部分の文言の修正を含めて確定させていただきたいと思います。本日審議いただきました評価結果につきましては、評価を確定し、独立行政法人通則法第34条第3項に基づいて、独立行政法人環境再生保全機構及び総務省に置かれている政策評価独立行政法人評価委員会に対して通知することとされておりますので、評価確定後事務局に必要な手続を行わせたいと思います。どうぞよろしくご理解いただきたいと思います。皆さんどうもありがとうございました。
 それではここで機構の理事長には入室をしていただいて、結果についてお伝えするということになるわけであります。

(機構入室)

【松尾委員長】 それではよろしいでしょうか。座ったままで失礼しますが、それでは私の方から第一期中期目標期間の評価結果について、お知らせをしたいと思います。
 総合評価としてA評価ということになりました。総合的には第一期中期目標を十分に達成しているというもので判断されますが、個々に見ていきますと見直しが必要なものや、さらに積極的に取り組む必要があるようなものもございます。そういう意味では、この評価書の最後の方に「検討すべき事項」ということで幾つかの点が明記されております。そういうこともぜひ、今後の活動の判断の一つの根拠として、検討すべき事項として検討していただければありがたいと思っています。
 具体的な内容につきましてはこの間、20年の評価のときに佐野部会長から申し上げたこととほぼ共通しておりますので、それはここでは省略させていただきますけれども、そういうことを勘案して、今後の機構の運営に努めていただければありがたいと考えるところであります。どうもご苦労さんでございました。どうもありがとうございました。委員の方々、何か特にご発言があれば、この際理事長の方にお伝えしておくことができると思いますが、いかがでしょうか。

(な し)

【松尾委員長】 それではそういうことで、じゃあ理事長の方から一言ごあいさついただきたいと思います。

【湊機構理事長】 大変ありがとうございます。今日のいただきました評価、それから評価の過程の中でさまざまなご指摘事項があったかと思います。これにつきましてはしっかりと受けとめまして、本年度からもう既に始まっています第二期の中期計画業務運営の上に反映するということを、我々役職員一丸となって取り組んでいきたいというふうに思います。委員の皆様にはぜひこれからも当機構、ご指導よろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。

【松尾委員長】 どうもご苦労さまです。それではこれで評価委員会を散会したいと思います。
 長い時間ありがとうございました。