第6回環境省独立行政法人評価委員会会議録
日時
平成14年6月12日(水)10:00~12:14
場所
経済産業省別館9階第944号会議室
議題
- (1)開会
- (2)平成13年度独立行政法人国立環境研究所業務実績報告書について
- (3)平成13年度独立行政法人国立環境研究所財務諸表について
- (4)その他
資料
資料1 | 平成13年度業務実績の要点 |
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資料2 | 平成13年度業務実績報告書 |
資料3 | 平成13年度業務実績報告書資料編 |
資料4 | 平成13年度財務諸表 |
資料5 | 今後の予定(案) |
参考資料1 | 環境省独立行政法人評価委員会委員名簿 |
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参考資料2 | 平成13年度国立環境研究所年報 |
参考資料3 | 平成14年度研究計画 |
参考資料4 | 独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針 |
参考資料5 | 評価シート |
出席者
委員 : | 松野太郎 | 委員長 | ||
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遠藤實 | 委員 | 佐野角夫 | 委員 | |
柘植綾夫 | 委員 | 森下郁子 | 委員 | |
角田禮子 | 臨時委員 | 北野大 | 臨時委員 | |
坂本和彦 | 臨時委員 | 清水誠 | 臨時委員 | |
鈴木継美 | 臨時委員 | 高木勇三 | 臨時委員 | |
高月鉱 | 臨時委員 | 土屋隆夫 | 臨時委員 |
環境省 : | 炭谷 | 総合環境政策局長 |
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青山 | 総合環境政策局総務課長 | |
德田 | 総合環境政策局総務課環境研究技術室長 | |
石塚 | 総合環境政策局総務課環境研究技術室長補佐 |
独立行政法人国立環境研究所 : | 合志理事長 |
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西岡理事 | |
浜田理事 | |
高木主任研究企画官 | |
斉藤総務部長 |
議事
【德田環境研究技術室長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第6回環境省独立行政法人評価委員会を開催いたします。
議事に入ります前に、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。第6回環境省独立行政法人評価委員会と書いてございます議事次第が一番上にございます。次に、資料1として、平成13年度業務実績の要点。資料2、業務実績報告書。資料3、業務実績報告書資料編。資料4、財務諸表。資料5、今後の予定。参考資料の1、環境省独立行政法人評価委員会委員名簿。参考資料2、国立環境研究所年報。参考資料3、国立環境研究所研究計画。参考資料4、独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針。参考資料5、評価シート。
以上でございます。配付資料に不備はございませんでしょうか。もし配付漏れ等ございましたら、事務局にお申しつけください。
なお、参考資料4の環境省独立行政法人国立環境研究所の業務実績に係る基本方針でございますけれども、これにつきましては、既にご報告申し上げているところでございますけれども、これの別紙3枚目以降でございますが、別紙の評価の方法、視点等に記載してある事項につきましては、先般の会議におきます委員のご意見を踏まえまして、委員長のご了承のもと、一部追加、修正をさせていただいております。また、この追加修正に伴って、参考資料5の評価シートも追加修正をさせていただいていますことをご報告申し上げます。なお、本日は委員18名のうち、13名が出席しておられますので、環境省独立行政法人評価委員会で第5条第1項の規定により定足数を満たしておりますことをご報告申し上げます。
それでは、これ以降の議事進行につきましては、松野委員長にお願いいたします。
【松野委員長】 それでは、きょうの委員会を始めたいと思います。早くからお集まりいただいて、どうもありがとうございました。いよいよ、我々の主な任務である評価ということに入ることになります。前回、評価の基準についてディスカッションしまして、今、事務局の方からご説明がありましたように、多少の変更をしてもらいました。特にきょうの参考資料4の別紙のところでのいろいろな項目がありますが、そこで前回ご意見が出た分について追加してあったり、それから、言葉の表現なんかも直したりしたのがあったように思います。人材の育成というようなことをちゃんと考えなさいというので、それはたしか運営の何かのところで人事に関する計画の、3ページの人事に関する計画の一番最後に若手研究者の養成というようなところに入っています。これは、あのときの議論では、むしろ研究そのものにおける人材の効率的な活用ですか、1ページの辺の議論で出てきたように思いますが、もともとの中期計画において、そういったことが若手の養成みたいなことがある程度含まれていて、それが項目的には、ちょっとここかなと思うようなところですけれども、3ページにある業務運営に関する重要事項の人事と、そういう観点で書いてあるらしいのです。人事というのは、多分まさに具体的な評価、個人研究者のパフォーマンスの評価に基づいて、人事をどうするかというような、そういう観点で入ってくる場所なのかなというふうに思いますが、あるいは、制度的な問題として入ってくるようなところだと、そういうところにともかく入っています。そのほか、そういった種類でご意見があったものが対応されていると思います。後は、言葉遣いだったと思いますけれども、私の記憶が正しければ1ページの5番の業務における環境配慮の中の環境管理委員会の設置とか、ただそういう感じの言葉の設置運営状況と。これ以外にもそういうのがあったかと思いますけれども、明らかにずっとコンティニアスに状況を見ていくというふうになっていなかったところが、単に言葉の使い方の問題としてあった、それを直されたりというようなところかと思います。そういうわけで、前回の私たちの意見は反映していただけたように思います。というわけで、きょうは本番の評価ということにこれからいきたいと思いますが、全体のスケジュールとして、きょうはまず報告を資料としていただいている業務報告ですか、業務実績報告、それを国立環境研究所の方から説明していただいて、次回にこれだけでも膨大な量で、事前に皆さんのお手元にいっていてごらんいただいていると思いますが、大変な量ですので、もう一回ここで説明をしていただくと。この次は7月11日ですか、次の会が予定されております。そのときに報告書をつくるというか、我々がディスカッションをする。その前にきょうの報告を聞いて、いろいろな疑問点とかコメントがあれば、それを事前に事務局の方に、たしか7月1日が目安だったかと思いますが送っておいて、それをもとにして11日にディスカッションをして評価報告書を求めると、そういう手順にしていきたいと思います。
それでは、きょうは実績報告と財務報告と二つあるわけでございますけれども、財務の方は比較的短いかと思いますので、かなりの部分が実績報告だと思いますが、国立環境研究所の方からご説明をよろしくお願いいたします。
【合志国環研理事長】 私は、国立環境研究所の理事長の合志でございます。きょう評価をいただくためのご説明をするわけでありますけれども、中期計画に沿っていたしますと、大変細かくブレークダウンをしておりまして、やや見通しがつけにくかろうと感じました。それで要点というものを簡単にまとめさせていただきまして、最初にご説明をいたし、その後、各担当の方からそれぞれの部分について詳しく説明をさせていただきたいと思います。全体の状況、これを一言で申し上げますと、独立行政法人に新しく移り変わるということで、そのための組織、制度、研究プロジェクト、各分野の研究等の立ち上げにほとんどのエネルギーを費やしたと言っても過言ではないと思うのであります。しかしながら、研究の方はそれなりにきちんと進めることができたというふうに考えております。様々の変更に費やすエネルギーが多かったわけでありますけれども、プロジェクトの中では、順調なものについては非常によく進んだという評価を受けたものが幾つかございます。ただし、外部的な状況、例えばロケットが上がらなかったことによって思うように進み得なかったというような部分もございます。新しい組織、研究等の立ち上げ、これについては全員が大変努力いたしまして、着実に実施できたと思っております。ただ、所内のいろいろな新しい制度、システムについては、これは従前とはすっかり変わった部分がございますので、幾つか試行段階にとどまるということで課題が残っておりますけれども、基本的には中期目標に向かっての基盤固めができたというふうに考えております。業務の運営の状況でありますけれども、運営方針として記入してございますように、五つほどのことを重点において研究の運営を行いました。基盤固めと新たな研究への挑戦ということが第一でございます。それから、国際的な協力、国際貢献ということでの研究の推進、さらに、大学、地方研究所、あるいは企業等との連携推進を行いました。また、研究資源の効率的な利用、これはスペース、研究資金、その他広くわたっておりますけれども、これを重点に行いました。そしてさらに得られた研究成果を社会へ還元していくという面で多くの努力を行おうということでやってまいりました。
研究の全体の組み立てといたしましては、重点研究分野というものを七つほど設定をいたしております。これは温暖化というところから始まりまして、最後にはモニタリングの充実というようなことに至るわけであります。この重点研究分野をベースにしつつも、社会的に要請が強いものについては、重点特別研究プロジェクトというものをつくりました。これは6件ほどございます。まさに温暖化の問題については、そのトップに位しているものでありますけれども、ディーゼル排気のような問題もやはり組み込まれております。さらに、行政へのレスポンスということもまた非常に大事でありますので、政策対応型の調査、研究といたしまして、二つほど進めております。さらに、さまざまな研究、これはいわば基盤的な部分でありますけれども、それについて萌芽的、基礎的なものを含めながら行っております。それから、これは常に重視されることでありますけれども、基盤となる部分、観測網の充実、その他についても進めております。行政とか、産業界の新たなニーズに関しましては、これは研究の受託、あるいは所内公募研究といった制度を活用しながら、随時対応しているというところでございます。このほかに特に重視をしておりますのは、まだスタートしたばかりでございますけれども、遠い将来に向けての研究所全体の戦略でございます。これについては、専門分野ごとにいろいろと検討を重ねるとともに、タスクフォースをつくりまして、研究担当理事のもとに、その戦略を検討しているところであります。
研究資源の確保・配分では研究者の確保が最も重要であります。これについては、常勤の研究者を積極的に採用しておりますけれども、同時に研究費で雇用できる流動研究員の制度もつくり上げまして活用をしております。このほかに、客員研究員、客員研究官、その他さまざまな形で協力していただける研究員の方々の制度を引き続き充実、継続をしているということであります。
研究者の確保の次には配置が問題になります。若い方たちについては、本人の希望を聞きながら配置することを行っております。また、研究費の配分、これもいろいろな努力を行っております。重点特別研究プロジェクトは重点配分ということで力を入れてやっております。このほかに所内の競争的な環境というものをつくっていく必要があるということで、所内公募研究を進めております。これは従前からも我々は既に実施してきたものでありますけれども、それをさらに進めているということであります。次は研究のスペース、部屋の広さということに結局なるわけであります。私どもの研究所は創立後まもなく29年ほどになりますけれども、その間、いろいろなことが重なりまして、スペースの配分がなかなか難しくなってきておりました。この配分を合理化しなければならない。その問題をスペース課金という制度を入れまして、解消を図っております。研究支援についても、外部の専門業者等を活用しながら、充実に努めてきたわけであります。
研究者の育成に関しましては、基本的には研究領域にその責任をゆだねているということになります。そのほか、職務業績評価、研究評価、そういうところで評価の最終結果ではなくて、助言コメントというものを重視していくことによって育成を図っていこうとしております。
研究の評価についても、これは整備を進めております。研究者の評価について毎年の業績の評価を行っております。目標設定方式によっていろいろな評価を行いまして、ボーナス、特別昇給等に反映をしております。これは既に第1回目を実施したところであります。また、毎年昇格の審査を行いますけれども、研究業績の蓄積については、その折に反映するということになっております。さらに、すぐれた貢献をした研究者に関して表彰していくということが大事だということで、NIES賞というものをつくらせていただきました。具体的にこの評価をどのように行ったかお話しいたします。外部評価、内部評価で非常に高い成果を得た研究者、あるいは研究代表者、これに対してこの賞を授与します。同時に、研究の奨励金を出すということにしております。奨励金よりは、サバティカルが欲しいとおっしゃった研究者もありまして、研究の負荷が非常に強くなっているなということを実感させられたわけですけれども、そういうようなことで奨励をしております。それから、研究評価については、最終的にどう評価されたかということも大事でございますけれども、先ほども申しあげたとおり、どういうふうな視点で評価されたか、そのコメントの部分というのを重視することにしておりまして、これはいろいろと役に立っているのではないかと考えております。
研究成果の社会の還元については、学会等での口頭発表、学術誌での論文発表ということが基本ではございますけれども、そのほかにいろいろなシンポジウムを開くとか、それから、小冊子でありますけれども、環境儀というものをつくりましてそれを配付するということ、あるいは友の会というようなものをつくりまして、市民との交流を図るというようなことで努めておりますし、また、企業との共同研究も進めていきたいというふうに思っております。今後の課題でございますけれども、この1年で適正な運営ということについては、かなり努力をいたしまして、それなりに行えたというふうに感じでおります。しかし、適正ということと、適切、あるいは最適ということの間にはかなり大きな開きがございまして、ルールから外れないという意味では十分にできたと思っておりますが、例えば、非常に事務量が増大している、これをどうやって解決するかというような問題については、今なお大きな宿題になっております。また、管理部門の調整機能もさらに拡充をしたいと思っております。研究者が管理部門に対して、管理部門が助けてくれているという意識が十分に強まるような管理が必要でありますけれども、それについてはまだ一工夫も二工夫も必要ではないかと思っております。さらに、私どもは米国の、例えばEPAなどに比べますと、10分の1ほどの規模でやっておりますので、私どもの内部だけではとても足りないわけでございます。外部の専門家によるアドバイサリーの機能、制度を強化したいと思っております。現在もある意味では、評価委員会を通じていただいているわけですけれども、さらに深くコミットをしていただくような制度が必要ではないかと考えます。これらは今後の課題でございます。少し長くなってしまいましたけれども、以上が概要でございます。
【松野委員長】 どうもありがとうございます。概要の範囲は特にないと思いますので、次の説明をお願いしたいと思います。
【浜田国環研理事】 それでは、引き続きましてお手元の資料2に沿いまして、業務実績の細部にわたる部分につきまして、説明をさせていただきます。
資料を開いていただきますと、目次がございますけれども、この目次の構成は、13年度業務計画の構成に沿ったものでございます。つまり、ほぼ中期計画に沿った構成になっております。私、浜田の方からは、このうち第1と第2の2以降について説明させていただき、核となります第2の1につきまして、西岡理事の方から説明させていただくということでございます。それから、次頁を見ていただきますと、この報告書の記載の仕方ということで書かせていただいております。一番上の四角が13年度の私どもの年度計画そのものをつけておりまして、その下に中期計画における年度計画の位置づけ、それから、業務実績、関連資料、自己評価と今後の対応というふうに記載させていただいております。きょうは大変時間が限られていることもございますので、主として業務の実績というところを中心に説明をさせていただくことをお許しいただきたいと思います。
それでは、具体的な説明に入りますが、まず第1の業務運営の効率化に関する目標を達成するためとるべき措置ということで、業務の実績のところに書いております組織体制の整備でございます。先ほどの理事長の説明にもありましたので、重複の点は割愛させていただきますが、資料が別冊で少し分厚いのを用意させていただいておりますので、この資料を参照していただきながらごらんいただければと思います。資料のページは下に打っておりますが、資料ナンバーと同じページを振っておりますので、よろしくお願いいたします。資料1に書いてありますとおりの組織でございます。研究推進の根幹となる部分といたしまして、6つの研究領域と、それから6つの重点特別研究プロジェクトグループ、それに2つの政策対応型調査・研究センターというものを置きまして、そのほか、知的研究基盤のための組織といたしまして、地球環境研究センター、それから、試料の分析等を行います環境研究基盤技術ラボラトリー、それから、研究業務と合わせて実施することになっております環境情報に関する業務を実施いたします環境情報センター、管理部門といたしましての主任研究企画官室、総務部ということでございますが、なお、監査室というものを総務部に置いたというのも、組織的には独立行政法人になって非常に新しいことでございます。
次に、組織の運営でございます。後ほどいろいろ詳しく出てまいりますので、ここでは簡単に申し上げますが、まず理事会が組織運営の中心であることは言うまでもないことでございますが、そこでの基本方針、経営方針を踏まえまして、各ユニットはそれに基づいて動いてもらうというものです。ユニットと申しておりますのは、先ほどご紹介しました各研究部門の単位、領域ですとかプロジェクトグループ。それから、行政部門の各単位を総称した言い方でございます。そういったユニット単位の経営を理事会が指導するという形をとっております。それから、プロジェクトグループと領域との関係は、それぞれミッションが違うわけでございますけれども、特にプロジェクトグループのリーダーが、重点プロジェクトを進めるうえで、非常に重要な位置づけになるということから、この中期計画におきましては、主に研究領域長がその任務をあわせて担当しているというような配置をしております。それから、研究領域間の流動性確保のためには、後ほど出てきますけれども、原籍というものを設けまして、その領域に原籍を置きながら、希望に応じてやりたいプロジェクトを実施してもらうというような人事を行っているということでございます。
それから、3ページの人材の効率的な活用でございます。1は先ほど申し上げましたので、2のところにありますように、新しく研究者の採用ということにも努めました。13年度におきましては、常勤研究者20名、うち任期付研究員16名ということで、任期付研究員が大半でありますけれども、新しい研究者の確保に努めているということでございます。それから、研究者の適切な配置、流動性の向上につきましては、先ほど申し上げましたように、職員の配属希望調査ということをもとに、プロジェクトへの配置をするということで、適材適所の配置に努めたということでございます。
任期付研究員の採用に合わせまして、流動研究員制度というものを新たに導入をいたした部分がございます。4番になりますけれども、具体的には資料の3をごらんをいただければ、その制度の概要をごらんいただけますが、NIESフェロー、あるいはNIESポスドクフェローと言っていますような制度を導入いたしまして、優秀な研究者を流動的に確保する仕組み、それを研究費によって確保できるような仕組みを整備したということでございます。それから、外部との連携といたしましては、共同研究員でありますとか、研究生、あるいは客員研究員の招へいという形で、外部の方々に随時研究に加わっていただく、あるいは助言をいただくというようなことに努めたわけでありまして、その結果は、資料4にごらんいただけるとおりでございます。
それから、職務業績評価制度の導入につきましてでございますが、前回もご説明いたしましたが、当研究所では、面接による目標設定・業績評価というものを行う方法を取り入れました。これにつきましては、資料5に詳しくその辺の、例えば面接カードのフォーマットでありますとか、そういうものを記載しております。それによりまして、面接員と研究者が対話をしながら業績を評価していくという制度を導入いたしたわけでございます。その結果ついて、5の二つ目のところに書いておりますように、14年度の業績手当、つまりボーナスへの反映、それから、特別昇給への反映ということをやるべく、現在評価をして反映させる作業に移っているというところでございます。
そのほか、安全管理の点でありますけれども、衛生委員会でありますとか、安全管理委員会というものを設けて、職員の健康管理、安全管理等に努めてきております。
それから、5ページの財務の効率化でございますけれども、まず、自己収入の確保につきましては、自己収入の目標が32億円ということでございましたけれども、総計31億9,000万円ということでございまして、ほぼ目標を達成いたしました。その内訳は、下に書いておりますように、政府機関等からの資金であります競争的資金、あるいは一括計上と言われる予算から20億6,000万円。それから、ずっと下の方に書いておりますが、環境省等の行政機関、あるいは場合によりましては民間からというものもございますが、業務委託、あるいは請負という形での収入が10億6,000万円ございます。ほかに、独法としての全く新しい収入源となりました研究奨励寄付金というものも民間企業から受け入れております。それから、科学研究費補助金等、個人的に研究費補助金を受けるような仕組みもございますけれども、これにつきましては、2億7,000万円ありますけれども、研究所の収入としては間接経費分のみということになっております。
それから、6ページの知的・物的な所外貢献でございますが、基盤ラボラトリーというところが行っております環境標準試料とか微生物保存株の対外頒布というようなことを引き続き行っていますとともに、大型施設を貸与できるような、そういう制度も整備いたしました。
また、各研究者が対外的な貢献を個人的にすることができるようなシステムということで、研究関連休暇、あるいはフレックスタイムというものを大幅に取り入れまして、研究者の自由度を増すということも実施いたしました。
それから、業務費の削減でございます。これは中期計画でも非常に重要なポイントとして掲げているわけでございます。そういうこともありまして、物品等の一括購入に努めまして、あるいは営繕工事を自主的に行うことでコスト圧縮に努めるといったことを実施いたしました。業務費の1%削減という目標がございます。これはいろいろな係数がかかった結果としての業務費になりますので、実質、業務費か減ったということではありませんけれども、削減係数の部分は達成できたというふうに私どもは評価しております。
それから、事務処理、これは膨大な事務が独立行政法人になってふえたわけでございます。従来、環境省でやっていただいていた部分を独立機関としてやらなくてはならなくなったということでありますとか、先ほど理事長が触れました委託業務についていろいろふえたと、そういう業務を円滑に行うために、総務部とユニットとの関係を電子的なネットワークによってつなぎまして、会計システムを整備したということでございます。そうしたシステム、あるいは業務の円滑な実施体制を整備することによりまして、何とか13年度の膨大な業務をこなし得たというふうに思っております。
次の4の効率的な施設運用に移りますが、先ほど理事長も触れました、まず所内のスペースにつきまして、これを効率的・合理的に利用することを進めようということで、スペース課金という制度を実施をいたしました。その結果、不要なスペースが明らかになり、その利用を求めている研究分野、部門に配分するということができまして、そのスペースは1,366m2という数字に上っております。
それから、我が研究所の特色であります大型施設につきまして、これをできるだけ効率的に利用する、つまり他機関にも私どもの研究に支障がない範囲で使っていただくということを進めようと考えておりますが、当面、共同利用、あるいは受託業務という中でそうした拡大を図りますとともに、有償貸与できるような規程の整備をしたことは先ほど申し上げたとおりでございます。
また、分析機器の大型で高価なものにつきましては、所内の共同管理ということを進めておりまして、それに応じまして、所内料金制というものを導入することで、さらに効率的利用ができるような体制も整備いたしました。
それから、大型施設の保守管理の問題でありますけれども、できるだけ人をふやさないで適正な管理をするために、外部の専門業者を活用して効率的な実施に努めましたのと、もう一つの課題であります施設の改修、あるいは場合によっては一部作り替えというようなことも含めまして、今後どうしていくかという検討にも着手しているところでございます。
次に、10ページの業務におけます環境配慮でございます。環境を研究する機関として、業務に伴うさまざまな環境問題が生じないように配慮していこうということでございます。そのための組織といたしまして、環境管理委員会のもとに二つの小委員会を設けました。そういう体制で実施いたしましたが、まず、その取り組みの基本となります方針を環境憲章ということで、資料16に添付しておりますような内容の基本理念を制定いたしました。
それに基づきまして、グリーン調達の推進でありますとか、それから、次の省エネルギーとか、そういったことを進めているわけでございます。省エネルギーにつきましては、特に数値目標を掲げているということであります。12年度比でおおむね90%以下という目標を掲げて進めておりますが、昨年度の13年度は、エネルギー等計画を定めてこれを実施に移そうという、これからというところでやや時間が足りなかった面もございます。そういうこともございまして、この表にございますように、エネルギー消費量はほぼ12年度比同水準という結果に終わっております。ただ、上水、つまり水道水の利用量につきましては、11%の減少ということで、この部分については目標達成ができたということでございます。研究所から出ます廃棄物につきましても、きちんとした処理をしようということで、方針を定めまして、12ページの表にありますような分類で数量を把握しながら、排出量の抑制、リサイクル、あるいは適正処理といったことを進めていこうという体制が整いました。
6番目の化学物質の適正処理につきましては、いろいろな薬品等を使用しているということがございますので、最近できましたPRTR法に基づきまして、いろいろな排出量を算定をいたしまして、量によらず、その対象物質についてはホームページ上で公表していこうという方針で進めております。
それから、そうした業務全体の進行管理の体制の面でございますが、13ページでございます。お手元にありますような、これは14年度の計画を配付しておりますが、13年度につきましても、研究計画というものを作成いたしまして、対外的な公表もいたしました。
それから、重点研究分野ごとのリーダーを指名して、研究管理をやっていただくというようなことでございますが、この点につきましては、後ほど西岡理事から詳しく申し上げます。
それから、4番目にございます、研究所全体の運営の仕組みといたしましては、理事会に加えまして研究所運営の重要事項を審議するためのユニット長会議、あるいは研究業務を、全体としてどういうふうに円滑に進めていくかということを議論する研究推進委員会等々、必要な組織を整備いたしまして、資料22にありますような体制で進めてきております。
私の説明のとりあえずの最後でございますが、14ページの5にあります内部監査でございます。監査室を設けまして、監事によります監査というものと共同いたしまして、期中内部監査というものを各ユニットごとに実施をいたしまして、特に受託業務、あるいは委託業務といった新しい業務についての取引サイクルを中心に監査を実施したというところでございます。
【西岡国環研理事】 それでは、今の資料2の15ページからの第2というところについての説明をいたしたいと思います。私どもの成果は何かといいますと、研究の内容でございます。ここで国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上とございますが、要するに研究でいい成果を出したのか、研究成果をうまく利用しているのか、あるいはいい成果物がさらに出るような工夫を十分しているかといったところが評価される対象ではないかと思われます。幾つかの項目がございますが、全体といたしまして、研究がどういう成果を見い出したかということにつきましては、あとにお話しします。その前に、この研究を支える幾つかの仕掛けがどういう具合につくられたかということについて、最初にお話します。一番最後に、その研究成果がどのように利用されたか、あるいは普及されたかということについてお話をしたいと思っております。
15ページでございますけれども、業務の実績というところで、1、総合的な研究の推進ということでございます。これは研究の中身の話でございますので、後ほどお話をしたいと思っております。
2のところ、基盤的研究・先行先導的な研究の推進をしているかということでございます。全体的に研究のサイクルというのを踏まえまして、今やっているプロジェクト研究だけでは後が続きませんから、その後を継ぐような基盤的研究、あるいは先行先導的な研究を育てるために、特に若手研究者の育成をそれぞれ領域で図っています。そのほか、所内で公募研究制度というのも活用しております。奨励研究、あるいはもう少し大型の特別研究という名前で後ほどご紹介いたしますけれども、そのような制度を設けて研究を推進する、あるいは、さらに将来大きくどっちの方向に向いて研究を進めていくかということにつきましては、研究担当理事のもとで研究推進タスクフォースということを設けまして検討しているところであります。
私どもの検討、今、3のところに入りますけれども、国内の研究機関との連携についてです。環境の研究というのはとても一つの研究所でできるものではございません。企業、あるいは国立研究所、地方の環境研究所、あるいは大学等々のネットワークを強めていきたいということで、そのあたりを強化いたしました。次のページにいきますけれども、まだ余り数は多くございませんけれども、企業3社と、情報交換、意見交換を行いまして、産業との連携も図っているところです。大学等の方はどうかといいますと、お手元の資料の25というところを見ていただきますと、私どもは、比較的大学との縁が近うございまして、幾つかの大学と、例えばインターンシップ、あるいは連携大学院と言いまして、研究員が教授としてそこに教えに行き、また私どもの現場で学生を指導するということで、情報の交換、あるいは研究資源の融通をしているということでございます。
さらに、次の項目に移りますけれども、環境関係の種々の国立研究所、あるいは独立行政法人との間での環境研究機関連絡会というのを設けまして、これで2、3回会議を開きました。そこでは、今、どういう方向にそれぞれ向かっているのだろうかといった意見の交換会をやっております。地方環境連絡協議会とも連携をいたしまして、資料でいいますと、26の1、2とございますが、幾つか研究があるなと見ていただけるかと思いますが、そのような連携もやっております。
国際的な活動への参画につきましては、UNEP、IPCC等への国際機関への活動へ積極的に参加して、いろいろな会議に出席するだけでなく、レポートへの執筆等々やっておりますし、最近では、ミレニアム・アセスメント、これは世界で生態系の変化を見てみようという大きなプログラムでございますけれども、それにも参加しております。あるいは、2国間、それからJICAの受け入れ等々に関しましては、資料でいいますと27ページ、28ページといったところを見ていただきますと、かなり多くの共同研究等が走っている、あるいはJICAの受け入れをやっているということを見ていただけるかと思います。
私どものなすべきもう一つの仕事といたしましては、5とありますが、環境行政、あるいは科学技術行政との連携ということが非常に重要でございます。その面につきましては、各種委員会・検討会へ非常にたくさん参加しております。ちょっと忙し過ぎるぐらいかと思いますけれども、今の情勢だとやむを得ないと考えております。さらに、総合科学技術会議事務局へ研究所から参事官等を出向させていますし、国全体の環境研究の方向づけも研究イニシアティブのプログラム作成等で積極的に参画しています。
私どもは、環境の問題が、いわゆる分析から対策の方に大きく移りつつあるということで、環境技術についても進めていかなければならないと考えておりますが、中で検討いたしまして、私どもどこにそういったシーズがあるか、力があるかということを検討いたしました。今の状況だと、すぐに環境技術をぱっと広げるというわけにはいかないとは思っておりますけれども、幾つかの芽が出てきたということが17ページの上のところに書いてございます。環境技術の評価といったところはできるのですけれども、さらに、シーズといたしましては、ナノテク利用、あるいはバイオレメディエーション等の技術を生かしていこうということで考えております。
以上のことで、そこに自己評価ということを書いてございますけれども、私どもは周辺の状況に対して適切な手を打ち、あるいは国際的な連携等々仕事を進めてきたと考えております。
さて、18ページに移りまして、これからが研究の内容ということでございますが、研究、それぞれに対するよくやったか、どうだったかということにつきましては、別途研究の評価委員会というのを設けておりまして、大きな研究につきましては、そこで評価をしていただいています。また、所内でやっております研究につきましても、所内での評価制度を活用いたしまして、それぞれに評価しております。お手元で資料の方で31というところをぜひ開いていただきたいのですが、今幾つか重点研究などいろいろなものが出てきましたけれども、ここに研究のマッピングがしてございます。この中期計画における書き方というのは、非常にややこしく書いてございますが、余り面倒くさいことを考えずに、この絵でもって説明いたしますと、ここにございますように、資料31でございますが、横長の中期計画における研究の全体構成とあります。環境研究というのは、何かはおのずから決まるだろう。その中で我々が主としてやらねばならない分野というのを重点研究分野ということに名前をつけております。この資料に重点研究分野が出てきて、また、重点特別研究プロジェクトが出てきて、どっちがどっちになるかわかりにくいかもしれません。我々は、我々が5年間カバーすべき場というのをこの研究分野ということで定めているわけです。それがたまたま幾つか地球温暖化等々、プロジェクトの名前と一緒になっているのもありますし、そうでないのもございます。どんな分野があるかにつきましては、資料編の30の方が大体それをカバーするようになっていまして、我々はこの5年間にこの分野で研究するんだというのをここで定めたわけであります。それに基づきまして、ではどんな研究を実際するのかというと、この31の絵にありますように、重点的に特別力を入れてやろうというところが重点特別研究プロジェクトでして、プロジェクトでやって必ず解決しようという課題とその目標を定めています。一方、それほど目標をきちっと設定できない政策対応型調査研究がございます。これはどちらかというと緊急に出てくるようなものに対して、もっと機動的に扱っていきたいということで、この研究が組織で言いますと二つの組織がこれに対応しています。それだけでは後が続かない。また我々の研究所の一つの役目としては、知的研究基盤を整備する、環境に関するモニタリング、あるいは計測手法等々を整備する必要があるだろう。知的研究基盤整備という項目を設けております。さらに、そういうプロジェクト等々では、今後研究分野が広がっていった、あるいは将来状況が変わったときにどうするんだということで、基盤的研究として経常研究、あるいは奨励研究、あるいは特別研究という形で、さらに将来を見据えたものをやっていこうという全体の構成になっています。
そういうことでこういう研究対象分野を設定いたしましたが、私どもはおおむね現在の問題を十分カバーした領域設定ではないかと考えております。
19ページに、それでは一つ一つの研究をどうやってやっているんだ、一体どんな成果を上げたんだということでございますけれども、これにつきましては、資料で見ますと32のところに書いてございます。全体に今資料2の19ページにございますように、6つの重点分野がございます。資料の方の32で、今後評価していただくときの資料の読み方ということもございまして、お話を申し上げます。今、32の1の資料の方を見ていただきますと、一つのプロジェクトの内容がここに書かれております。これは地球温暖化の影響評価と対策効果ということでございますが、まず最初に、研究計画というのを立てまして、排出ベースライン・シナリオをつくって、変化したときにどういう影響があるかといったシナリオをつくる。あるいは炭素循環のための研究をするということで内容を設定いたします。研究期間は5年間、研究予算は13年度で3億7,400万円ということをここに書いてございます。
次のページに移りまして、その提案を研究の評価委員会にかけまして、この計画はいい計画かどうかというのを評価していただいております。評価結果を見ますと、4人の方がAということで、Bの方が6人。そのときに評価者の意見をいただきまして、それに対して意見を反映した形で研究計画をつくっていくというプロセスをとっております。この研究評価委員の委員会の方を単に点数をつけておしまいということではなくて、皆さんの意見をいただいて、よりよい研究をしていこうという場にしたいということでやっております。
次の32の3に移ります。今度は1年やって研究が出て、それの発表をいたします。その結果が、研究成果に対する評価及び助言でございます。14年の4月といいますのは、これで1年目でございますけれども、正式な評価といいますのは、中間評価、次の年にやられることになっておりますので、ここでの評価は、むしろ助言といった感じかと思います。私どもは、例えば炭素循環研究だと、CO2の吸収策として海洋鉄散布をやって、それほど海の中へはもぐり込んでいかないなとか、いろいろなモデルを適用して、将来世界の温室効果ガスはどうなるといったものを出しましたと、そういう報告をいたしまして、32の4の方へ移りますと、その報告を聞いて評価をいただいているわけです。ここに評価結果、32の4でございますけれども、評価結果が書いてございます。Aが4点、Aがいいのですけれども、Bが9人ということで評価をいただき、またここでも意見をいただいておりましてその反映をするということでございます。そういうことで、研究サイクル、評価のサイクルができていること、あるいは研究の内容についてはここに上げてあるとおりでございます。
成層圏オゾンという次の重点プロジェクトについても同じでして、最初の計画についての報告あり、それから、32の7のところでその成果がございます。私どもは、衛星はもうとまったのですけれども、その衛星データを利用して、例えば97年の春に北極圏におけるオゾン破壊量がどのぐらいかということを定量的に導出したことを報告し、評価はまたいただいています。
それから、ダイオキシン、これは内分泌かく乱化学物質、環境ホルモンの関係ですが、同様にいっておりまして、最終的な評価結果は32の12のところに、評価結果、計画のときは余り評価はよくなかったのかもしれませんが、成果の方は非常にいい成果ということで、Aが5、Bが8点というぐあいにいただいております。このようにいたしまして、生物多様性、それからアジアの流域圏の生態系の研究もあります。さらには大気中微小粒子、いわゆるPM2.5と言われているものでございますけれども、PM2.5の微小粒子を吸うことによって、大分心電図の動きが変わってきたということもわかってきました。
以上が、この重点研究の重点プロジェクトの結果でございます。
それから、次が政策対応型ということで二つございます。一つは循環型社会と廃棄物、もう一つは化学物質の環境リスクということで、政策対応型研究組織を設けております。これにつきましても、33の1のところで、どういう研究をやったかを示しています。全体のものの流れの研究、あるいは処分技術の研究、あるいはそれをどういうぐあいに評価するかの研究、あるいは水に関する廃棄物の取り扱いといった研究をやっております。これにつきましても、プロジェクトの評価ということで、33の7ページのところに評価結果が示され、3、5、4とございまして、手を広げ過ぎて焦点が不明瞭ではないだろうかというのがご意見でございます。化学物質環境リスクに関する研究につきましても、同じく33の11にございますが、これにつきましても、B、C、D、特にBが多いということで、これも課題が広がり過ぎていないかということがあります。この二つにつきましては、ともかく世間の状況があれもこれもということで、なかなかこっちも体系的に対応しにくいということがまだ続いているということでございます。
以上のようなことで、プロジェクト的な研究につきましては進めてまいったわけでございますけれども、その次がさらに基盤的研究ということで、所内で行っております奨励研究、これから将来に向かって伸びるような研究、こういうものをピックアップしたり、あるいは世間的に問題になりそうだから今のうちにやっておこうという研究が特別研究でございます。それらについて34ページですが、幾つかの奨励研究を取り上げまして、これに資金を与え、一連の評価をするという形で育てようといたしております。特別研究、やや大型でございますけれども、それにつきましては、34の2のところで6本ございますけれども、研究を進めているという状況であります。やや資源を使っている特別研究につきましては、同様に外部の委員会の方で評価をしていただいておりまして、非常にいい評価をいただいております。
37ページに評価委員の名簿がございますけれども、非常に広がった分野で専門家を必要とするものですから、それぞれの研究ごとに専門家の方が来られる日に評価をしていただくという努力をいたしております。
それから、最後に知的研究基盤というのがございます。もろもろの分析であるとか、あるいはモニタリングであるとか、あるいは研究成果の情報中心になるとか、そういった仕事につきましては、二つのセンター、環境研究基盤技術ラボラトリー及び地球環境研究センターで進めております。これにつきましても、ほぼ順調に進んでいるというぐあいに考えております。今のは研究の中身でございます。
資料2の23ページの方を見ていただきますが、これは研究の外部評価の仕組みをどうつくっているかということでございます。これにつきましては、もう既にお話をいたしましたように、表にまとめてございますけれども、中で育てて大きくするようないわゆる基盤的研究につきましては、大体研究所の中で、グループ内、あるいは研究所としての評価を一日、二日かけてやります。特別研究、あるいは重点特別研究といった大きなものにつきましては、外部の研究評価委員会にお願いしています。その状況につきましては、24ページに書かれております。その評価はどういうぐあいに研究の活性化に役立てるのかということで、25ページに先ほどから話が出ておりますように、NIES賞、あるいは研究奨励金といった形で研究のインセンティブになるように考えております。
26ページに移らせていただきます。26ページは、研究をしたのはいいけれども、それをちゃんと研究成果として発表しているかということでございます。研究の実績というところにございますように、13年度の研究成果の誌上発表数は537件、口頭発表が941件、研究者約200人でございますが、数だけが問題ではないのですけれども、数から言いますと、これまでの従来からの平均よりも1.12倍とか、1.23倍ということで、中期目標を数で書いてありますが、かなり近づいてきています。
それから、研究成果をどのように普及していくかということにつきましては、「環境儀」であるとか、あるいはお手元にあるような大きな報告書等々で広く知らしめるということをやってます。あと、27ページにAnnual Report、あるいはニュースレター、あるいは毎年1回、1,200人ぐらい集まるシンポジウムで、成果を普及させています。
28ページに移りまして、研究成果の活用促進ということです。これは研究成果をもう少し付加価値をつけて外へ出せないかということで、特許とか、いわゆる共同研究とかといった知的財産をさらにふやす工夫を何かやっているかということです。それにつきましては、まず余り私どもは発明特許ということにはそれほど力を入れていなかったわけですが、それをひとつもっとプロモートしようということで、制度をつくりましたし、13年度は8件の発明を職務発明に認定しております。まだまだ数が少ないということで、このあたりはさらに力を入れる必要があるのではないかと考えております。
最後になりますが、29ページ、これは研究活動に対する広報。税金を使って仕事をしているけれども、その形が国民に見えるような形になっているだろうかという問いかけにつきましては、まず幾つかのパンフレットをつくったり、それから、ニュースレターを2,000部、3,000部発行いたしております。私ども非常に施設の見学が多いものですから、今ちょっとそれに対応できないほどの状況でございますけれども、学会、あるいは大学、あるいは企業等々から多くの見学、あるいは視察を受けておりますし、またホームページ上に研究施設のバーチャル見学コースというものをつくったりしております。友の会についてはお話があったとおりでございます。それから、マスコミへの対応ということですが、新聞報道は年間100件余りということで、三日に一遍、国立環境研究所が載るということですが。この普及活動についてもまだ不十分でございますけれども、相当仕組みができ上がったというぐあいに考えてございます。
【浜田国環研理事】 では、再び私から以下の部分につきまして説明申し上げます。
31ページでございますが、環境情報の収集、整理及び提供に関する業務でございます。これは、ご案内のとおり、独立行政法人国立環境研究所法に業務の範囲の第2号として、研究の推進とあわせて載っている業務でございます。それほど社会的に重要な業務と認識して推進をしなければならないということでやっております。その具体的な内容につきましては、まず31ページの2にありますが、EICネットのホームページというものがございます。これはエンバイロンメンタル・インフォメーションアンドコミュニケーション・ネットワークの略で、環境省の附属研究機関であった時代から継続している業務でありますけれども、ただ、やはり独立行政法人になったということで、その内容についても少しそれらしいものに変えていかなければならないというふうに思って、13年度幾つかの努力をいたしました。具体的には32ページにいろいろ書いておりますが、特に強調したいのは、「環境Q&A」でありますとか、フォーラムでありますとか、それから、子ども向けの「このゆびとまれ!エコキッズ」です。このEICネットのトップページの様子は、資料の46に示しておりますが、そこをクリックするとこういうコーナーが出てくるわけでございますけれども、今、申し上げた「環境Q&A」等々の参加型というのでしょうか、いろいろ質問をしてそれに答えが返ってくるとか、あるいはみんなでテーマを設けてそのパソコン上で議論をし合うというような場を設けたということが特色的だろうと思います。その他の部分についても、ここに記載しておりますように、いろいろな努力をいたしました。その結果、このグラフにございますように、ヒット数が平均で月161万件ということでございます。環境省の機関であったときには、環境省のホームページもここにありましたので、これの2、3倍のヒット数であったわけであります。それよりダウンしたのはやむを得ないということでありますけれども、総計1,937万ヒットというのは、それなりに広く認知されているということだろうと評価しておりますが、さらに努力を続けていき、関心を持っていただけるホームページ、ネットワークにしていきたいということでございます。
それから、33ページでございますけれども、もう一つの情報センターの仕事として、環境GISの整備ということも重要な柱として実施しております。業務の実績のところにございますように、いわゆるGISに規制図データでありますとか、環境質測定データでありますとか、そういうものをデータベース化して、地図上に重ね合わせ表示ができるというようなものを開発をいたしました。一般にそれを公開してということをもくろんだわけでございますけれども、ちょっといろいろな難しい面もございまして、地方公共団体向けの試験運転の開始というところまで何とかこぎつけております。そのトップページの画面だけですけれども、47ページにイメージを示しております。それから、環境省からの受託事業なども幾つかあったわけでございますけれども、これも適切に実施をされたというふうに評価をしております。
それから、35ページの研究情報の提供業務につきましては、先ほど西岡が説明いたしましたので、省略させていただきますが、1点だけ申し上げれば、お手元の年報でありますとか、報告でありますとか、こういったような資料を広く目に触れやすくしようということで、全文をインターネットに掲載をし、そこから見れる、あるいは印刷もできるというような努力をいたしました。これは環境儀、先ほど言いました研究広報誌でありますが、環境儀についても同様に、インターネット上で見れるという努力をいたしたところでございます。
36ページに移ります。これは第3という大きな柱があるところでございますけれども、予算の収支、それから資金計画でございますが、後ほど第2番目の議題で、財務諸表等の説明を申し上げますので、それでもってかえさせていただきたいと思います。
それから、37ページ、第4でございます。その他業務運営に関する事項、まず施設整備の問題がございます。先ほどもちょっと触れましたように、リフレッシュ改修ということをやってまいっております。運営費交付金のほかに施設整備費補助金というものを環境省からいただいておりまして、それに基づいた計画的な整備を行っておりますが、ただ、昨年度、ちょっと下に書かせていただいたように、受電設備に突然の事故が発生いたしました。基幹の部分でございましたので、これは放っておけないと、内部財源を何とか捻出して対処するというようなことがありましたが、私ども、こうした問題が起こらないように、今後整備方針をきちんと立ててやっていきたいということで、計画的にさらに基幹インフラ部分の改修を進めてまいりたいと考えております。
それから、38ページの人事に関する計画でございます。今までご説明したこととおおむねダブっておりますので、詳しくは省略させていただきますが、業務の実績の1にあります弾力的な研究者の配置というところに書いておりますように、重点特別研究プロジェクトにおいては、現在、専任47名、併任53名ということで研究を推進しておりますが、計画期間の中間で再度希望調査を行いまして、研究の推進のあり方を含めて体制を見直そうということを考えております。
一つ飛ばしまして3でございます。任期付研究員のことは先ほど申し上げてきたとおりでございますが、中期計画の目標に13%まで任期付研究員の率を高めるということがございます。13年度で割合が8.8%ということになりましたので、着々とそれに向けた人事運用ができているというふうに評価をしております。
それから、管理支援部門の問題でございます。管理部門につきましては、先ほど申し上げましたように、大変業務がふえたわけです。研究部門ももちろんそうなんですが、事務的業務は膨大にふえました。しかし、常勤職員はふやしておりませんで、それの部分を非常勤職員、あるいは派遣職員ということでカバーして何とか乗り切ったということでございます。
また、施設・設備の運営管理につきましても、このために新たに人を確保するということはいたしませんで、基本的に外部への管理契約でもって、エンジニア等の支援、体制を確保するということで、100名の技術職員等を確保して、管理運営を何とか円滑に行ったということでございます。
それから、若手研究者の養成、これは内部におけるというよりは、社会的役割としての若手研究者の養成ということでありますが、新しくNIESリサーチアシスタント制度ということで、大学院に在籍しておられる研究者を非常勤として受け入れられる制度を設けました。この制度は、昨年度半ばで設けられたということもありまして、いまだ1名でございますけれども、今年度以降、こうした制度を使って、若手研究者の養成に努めたいということでございます。なお、研究生という形では、先ほどと重複しますけれども、大学院生81名が当研究所に来て研究を行っておられます。もちろん、この方々は無給です。 以上でございます。基本的体制、あるいは制度の整備のためにいろいろなことがあった中で、初年度としては何とかやることができたかなというのが総括的な私どもの評価でございます。
以上でございます。
【松野委員長】 どうもありがとうございました。おかげさまで、送っていただいたときには、必ずしもよくわからないというか、膨大だったのですけれども、系統立ててお話いただいたので、かなりわかってきたような気がします。
では、きょうの予定で、あと財務諸表がありますので、時間を15分みておくとして、今から25分ぐらいですか、30分弱、今のご説明に対して質問等がありましたら、お願いしたいと思います。
最初にお話ししましたように、本当の評価というか、我々としてのディスカッションはこの次ということになりますので、わからなかったこととか、そういうことに関して伺いたいと思います。順序があると思いますので、初めに業務実績報告書の第1ですか、業務運営の効率化に関する目標云々という部分に関してというか、その前に全体に関して、この報告書でわかりにくかったところとか、あるいはこういうところが欠けているのではないかとか、我々が評価するに当たってこういうことも言ってほしかったとか、もしそういうことがあったら、まずそれをお願いしたいと思います。
【佐野委員】 単純なことですけれども、我々の独立行政法人評価はSからBとなっていますね。研究評価についてはAからEとなっていますね。この関連性はどういうふうにいったらよろしいのでしょうか。
【西岡国環研理事】 関連性は特にありません。研究に対する評価は、AからEという評点でやっています。独法評価委員会と全く別な形で研究評価委員会を設けておりまして、両者のリンクは特に考えていない。研究そのものの評価については、こういうやり方でやってもらったということです。
【土屋委員】 資料の3ページの下の方に、流動研究員制度というのがあるのですけれども、これは独法になってから来られるような制度なんですか。従来の国環研としてはなかったのですか。
【西岡国環研理事】 そのとおりです。
【松野委員長】 それでは、私自身から質問がありますので。今、流動研究員と、それから先ほどの任期付を何%という二つありましたが、任期付と流動研究員と、どこがどう違うか、それから、流動研究員の中の種類が、NIESフェローとかポスドクフェローとか、アシスタントとかそういうのはわかりますが、それについて教えていただきたいと思います。
【浜田国環研理事】 任期付研究員と流動研究員の違いでございますが、一番根本的には、任期付研究員は、常勤職員として人件費でもってカウントされる、そういう要員でございます。つまり、パーマネントか任期付かという違いだけでございまして、一般職員として扱いますが、流動研究員につきましては、研究費に応じて1年契約の非常勤というのでしょうか、一般職員ではない形の採用契約でやっております。したがいまして、一年ごとに契約更新していきながら、最長でも、これは運用の問題ですけれども、5年ということで運用しております。そういう意味では、身分的に違うということになろうかと思います。同じ職員ではありますけれども、そういう違いが出てくるということでございます。
【松野委員長】 任期付の職員の場合、公務員型の独立行政法人ですね、その場合に、任期付の方というのは、そういう意味ではほかの方と同じで、ただ任期があるということですか。
【浜田国環研理事】 そうです。全く、国家公務員として、同じ扱いを受けるということです。
【松野委員長】 しかしながら、任期をつけることはできるのですね。
【斉藤国環研総務部長】 一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律で、国家公務員法の特例が認められておりまして……。
【松野委員長】 それで、さっきの目標十何%というのはこれからだんだんふやすというのは、新規採用のときにふやしていくわけですか。
【斉藤国環研総務部長】 はい、これから切りかえていくことは考えておりませんで、新しく採用した際に任期付でということになろうかと思います。
【松野委員長】 わかりました。
【坂本委員】 効率的な組織、それから、人材の効率的な活用という形でお話しいただいたのですが、あるそういう効率的にやろうという部分と、もう一方では非常に能力の高い方に業務が集中してしまうことが実は効率を妨げるという部分もあると思うのですが、その辺については、何か余り配慮がされているような感じは、今回の報告では見なかったのですが、それはどんな形でお考えになっているのでしょうか。
【合志国環研理事長】 先ほど申し上げましたように、非常に高い業績を上げたので、NIES賞を差し上げて研究奨励金を出しましたところ、むしろサバティカルがほしいといわれて、まさにそこにある種の矛盾が集中していると思うのであります。研究奨励金は非常に自由に使える研究費でございますので、そういう研究費で解決できる部分があれば、少しでも解決を図りたいと思っておりますが、ほかにすばらしい知恵というのはなかなか浮かびません。能力のある人はますます忙しくなる傾向はなかなか解消できないというのが現実だと思います。
【松野委員長】 どうぞ。
【柘植委員】 まず、ほとんど非常に私は充実したことをされているということで、そういうことをベースに受け取っていただきたいのですけれども、最後の39ページのところでも、管理支援部門の件なんですけれども、私ども民間の研究機関の場合、管理間接部門は、大体研究員の10%を目標にかつて多かったのですけれども、絞っていきましてやっておりまして、大体今そのレベルに達してきています。この場合、研究員の場合、大体300名規模です。ですから、ちょっとこれは多いかなということと、それから、いわゆるアウトソーシングしなければいけないわけで、大体これは外注率半分と、これは大体私どもと合っておりまして、外注率半分というのは大体いいかなと。管理間接が10%というのは、ちょっとやはり独立行政法人としては究極の数字と、それから、現状これだけのことでやり始めたら、相当な確かに管理間接部門の人はいるということ、テンポラリーというのと、何かそのあたりのどうあるべきかというような活動は継続された方がいいかなというふうな気がするのですけれども、ちょっとそこは民間と完全にエクイバレントではないもので、私どもも自信がないところがあります。
【松野委員長】 今ある意味では、評価の中身みたいなことですが、これの中身というか、質問事項としては、これが実態がどうかと。何かどういうことをやっているかとか……。
【柘植委員】 というか、いわゆる現状がこれでいいのかとか、あるいは懸案であるとか、その辺の記述がないとというのが僕……。
【松野委員長】 そうですね、わかりました。
【浜田国研環理事】 民間研究機関がどういうことになっているのかよく存じ上げて申し上げるわけではないのですが、特に独立行政法人になってからそうなんですけれども、やはり、独立的にいろいろすべての事務・業務をやらなければならない。給与を幾らにするかとか、支払いをどうするかとかから始まりまして、施設をどうやって管理するか、その契約をだれとどうするかとか、そういうもろもろの組織体としての業務が、すべて管理部門の負担になった。もちろんユニットの協力体制があってできたことでもありますけれども、そういうことからすると、私どももっと人員がほしいなと思ったぐらいなんです。と申しますのは、ほかの独立行政法人研究機関に比べまして、管理部門の事務系の職員の割合が少ないのです。ほかの研究機関がいいということでは決してないので、数だけで評価するつもりはないのですが、ちょっとご指摘を受けて意外な感じがしたので、むしろ我々は割合スリムな管理部門でやっているために、逆に研究部門にそういった業務の負担が少し回ってしまった部分もございました。先ほど余り詳しく申し上げられませんでしたが、そうした部分は研究遂行にかなり支障になった面がなきにしもあらずなんです。事務的な業務を、かなり研究部門にもこなしてもらわないとうまくいかなかった部分がございます。恐らく一番大きかったのは、これは民間では余りないのかもしれませんが、政府から受けるお金について、一件一件受託契約というものを全部競争的資金についてもしなければならなかったという問題がございます。したがって、120件ぐらいの新しい契約業務をすべてやらなくてはならなくなって、会計課の職員もほとんど徹夜に近い状態が続いたこともございます。ですけれども、だからといって人をふやしたらいいとは考えておりませんで、もう少しそれを合理的にこなすような仕組みを、また役所の関係でも考えなければならないし、それから、研究所の中でもアウトソーシングできるものはもっとあるのではないかという視点で少し考えてみたいとも思います。それもお金という意味での研究資源の配分の問題につながりますので、そこは課題としては重々受けとめてやっていきたいと思っております。
【斉藤国環研総務部長】 ちょっと補足をさせていただきますと、これは国家公務員型をとっておりまして、一応予算定員というのがありまして、270何名という定員なんですが、実際それでは十分アクティビティを確保できないということで、客員研究員の方などを約500人弱受け入れて、いろいろご協力をいただいて進めています。それからポスドク、先ほど流動研究員とありましたが、今70名ぐらいになっていますが、その方とか、それから、研究補助をしていただく方を含めて300人ぐらいの方に非常勤という形で手伝っていただいています。さらに、施設管理の関係で、100名ほどということで、大体総人員が1,000名を超えるぐらいとなっております。実際、先生がおっしゃるように、300名ぐらいの予算定員に比べると管理部門の40数名は多く見えるのですが、実際には多様な契約なり、多様な関係でアクティビティを補完していますので、サポートする人員はもっと多いのです。この辺に公務員制度とのギャップが出ているというのが現実です。
【佐野委員】 それなら、わかりやすく資料を作成するべきですね。
【松野委員長】 一番大事な……。
【佐野委員】 企業は管理部門を極力縮小しています。そうでないと競争に勝てない。企業の場合ですと研究所も同じなんです、今おっしゃったような事情があるのならば、こういうことで1,000名体制ですよと、内訳はこうだと、だからサポート体制にこういう人員が必要だということを、きちんと資料で明確にすべきなんです。そうでないと、今おっしゃったように、とんでもなく多いということになると思うのです。やはり独立行政法人になる以上は、そういう情報公開を我々にきちんとすべきだと思います。
【斉藤国環研総務部長】 ぱらぱらと資料には載っているのです。
【佐野委員】 いや、もっとわかりやすく出さなければだめですよ。
【松野委員長】 本当にできると思いますので、ぜひ報告書として。
【佐野委員】 あともう一つ業績給は、給与に対する比率はどのぐらいなんですか。いろいろなインセンティブを与えるというご説明がありましたが、具体的な数値で言いますと。業績に応じた配分ということで、業績給的なものは、給与総額でどのぐらいの比率になっていますか。
【斉藤国環研総務部長】 業績手当という割合でございますけれども、ボーナスの中の生活費比例分以外の部分でございますが、これは国家公務員法と同じですが、年収のオーダーで恐らく数%程度かと思います。
【佐野委員】 では、別に業績給ではないですね。
【高木委員】 柘植委員がご指摘された点ですが、今1,000名というお話がありましたが、ざっと資料を見る限り、私は常勤は、恐らく常勤ベースに直すと4~500名ぐらいなのではないかなというふうに、大体推定しているのですけれども、管理の人数の割合につきまして、私は柘植委員と全く同じ感覚を持っておりまして、おおむね1割ぐらいがあるべきではないのですけれども、まあ並の数字だろうというふうに思っているわけです。 今、恐らく忙しいというのはわかるのですけれども、それはかなりむだなことがやられているということから忙しいはずだと思うのです。ただ、これはむだと言いましても、行政の中においてはむだではないと。しかし、外から見ますと、むだという部分が行われているはずなんです。今、中にいらっしゃるとそれは見えないと思うのです。ということから、柘植委員がおっしゃいましたように、今後その点につきまして、やはり注意点として置かれて、改善に向かっていろいろ施策をしておかれるということが適切ではないかというふうに思います。
【斉藤国環研総務部長】 おっしゃるとおりでございまして、例えばこれまで会計検査院に膨大な証拠書類を整理して備えるという国の方式をまだ継承しているところがございます。この辺は今年夏に初めて独法後の会計検査院の検査が入りますので、この辺の状況を見ながらどこまで簡易化できるのか検討し、業務プロセスの改善で簡略化できるところはどんどん改善していきたいと思っています。今のところ、一応国の検査システムでも通るようなパーフェクトなところで対応していますが、そこは少し重荷になっているというのがご指摘のとおりでございます。
【角田委員】 すみません、新たな組織を立ち上げてのご苦労でございますから、大変だと思います。何度も書き込んでいただいておりますのは、わかりやすく情報を知らせるんだと、国民に啓発するんだということで私たちも環境儀なんかを拝見したりしておりまして、非常に参考にさせていただいております。暮らしの情報ということで、いち早くそういう情報の中から市民向きの啓発もさせていただいているわけですけれども、お仕事とは大変だというふうに理解しているのですが、一般公開とか、それから見学とか、そういうふうな関係では、やはりどんどんやっていただいて、いい期待を大きく国民はもっている意味からも、やはりそういう機会をどんどんつくっていただきたい。私はむしろ、ビデオかなんかおつくりいただいて、それをこまめに回していただくというような事柄にしますと、またこれはこれで見学なんかとあわせて利用できると思いますので、工夫をぜひしていただきたいと思います。
【松野委員長】 どうもありがとうございました。森下委員、どうぞ。
【森下委員】 研究の現場の話からすると、管理をする人がふえればふえるほど、研究者は仕事ができなくなります。これがもう絶対的な条件なんです。だから、管理の人が少ないと、そこは落ちこぼれの部分で研究者が研究がスムーズにいくというのが実態なんです。そういうことを考えてくると、独立行政法人になられたら、研究者の業績を評価すると同時に、管理の部門の人間の評価もしなければ、これは独立行政法人組織として成り立たないのではないかと思うのです。その上に、さらに経営をされる経営者の理事の方の評価もあわせてするということが大事なやはり独立行政法人としてのシステムとしてうまく機能しているかどうかということで、我々はよそから研究者の評価をしたりするようなことではなくて、例えば中で研究者から事務管理部門の評価をするとか、新しい方法をとっていかないとうまくないのではないですか。
【松野委員長】 今、かなりそういう点が問題になってきましたが、一つ、それは次回、不十分な点で、資料編の資料4に、資料3が流動研究員で、これは先ほど来ご説明いただきまして、これはテンポラリーベースで1年契約も、そのかわりフルタイム研究員だというお話ですが、資料4に客員研究員、共同研究員、研究生と、これがトータルで469とかなりの数になっていますが、これがどのぐらい、どう役割を果たして、どんなタイプのものであるかということを、できたらもし次回でもいいのですけれども、随分、これはカテゴリーによっ違うと思いますので、教えていただきたい。そのために事務量がふえるというお話でしたので、どういう役割を果たしているのかというような点も教えていただきたいと思います。さっきの469に雇用の人が250でしたか、環境研……。
【斉藤国環研総務部長】 74。
【松野委員長】 270ですか。それを足してもまだ1,000人いかないですね。あと、これに流動を足して300幾らで320ですか、800ぐらいにいきますが、あとの200は。さっきの派遣で施設の人が100名いましたね。
それはこの表にはどこにも出てこないのですか。
【西岡国環研理事】 常勤職員、流動研究員、非常勤職員というので各ユニット別にあります。それを合わせますと、全体で595人と1の2ページのところに書かれています。
【松野委員長】 ここですね。1の右下が。ここの中、一部はこっちにも入っているのです。国でないところはこっちに入っていて……。
この595は常時研究所に……、それはいろいろな格好でが混じっていると、これはプロジェクトとか基盤の領域とかに分けて計算しているのがこれですか。これは性格というかカテゴリー別にするとまた別になるのですね。
【西岡国環研理事】 カテゴリー別には、客員研究員はこれに入っております。
【鈴木委員】 ちょっと私が気になっているのは、向きが今までの話と逆になるかもしれませんけれども、いろいろなカテゴリーで人が働いているわけですね。まともにプロの採用とかなんとか、アルバイトとか。問題点は、そういう人々に対する健康管理がどうなるか、例えば社会保障的な手当のシステムがどうなるか、その辺がぎくしゃくしてくる危険性というのがかなりあるだろうと思うのです。とりわけ気になってきますのは、これは仕方がない話なんですけれども、世の中が高度化して複雑化して、しかも老齢化しているというのが構造のこの中で、精神衛生的なケアを要する人口の割合は着実にふえているのです。これはなぜかというと、直らなくてもそのままたまっていくからです。新しい発病が起これば、必ずふえるという状況下に今我々はいるわけですから、これは研究所の場合には、かなり深刻な問題をどの研究所でも、どの大学でも同じように実は提起しているはずなんですが、みんな余り表に出してこない。ただ、この研究所で健康管理をやるときに、いろいろなカテゴリー別に面倒くさく雇われてくるような行動にあるときに、そういう精神保健といいますか、管理をどうサポートしていくかというのは、かなり工夫がいると思うのです。
【松野委員長】 今の点で、報告書の中には話もないようなことなんですが。
【浜田国環研理事】 一応言葉としては記載しています。鈴木先生がご指摘のような十分なものかどうかは別にいたしまして。
【斉藤国環研総務部長】 資料編の6ページに、資料6の、そこに安全衛生管理ということがありますので、健康診断、診療室の開設、それから、メンタルヘルス制度ということで、アルバイトさんも問わず、診療内科の専門の方にカウンセリングを受けられるような制度も、この13年につくりまして、大変重要な問題だと。そこはできるだけ秘密を守りながら受けやすくするようにというような工夫をさせるなどしています。
【合志国環研理事長】 これは大事な問題だと思っております。組合の方でも気にしておりまして、充実せよというような要望もありまして、スタートさせていただいたわけであります。当人だけではなくて、周囲が十分に気を使う必要がありまして、周囲の人が相談にいけるような配慮も一応してございまして、比較的アクセスしやすいように努力はしております。どのぐらいの人数がどのぐらい行ってという状況までは、私自身として把握してはおりませんけれども。
【鈴木委員】 いや、それは理事長はわからない方がいいのです。この仕事は理事長がそういうことを細かくわかってしまうようでは仕事としてうまくいくはずがないのです。
【森下委員】 全然別なことですが、これの資料の42というところ、資料3の42ですが、そこのところに書いてある題が題なので、問題が違うと思うのですが、各種会議への委員としての参画の状況が書いてあるのです。そのところで私が少し不思議に思うのは、研究者というのは、各大学に非常勤でいくことが目的ではないですから、こういうことを書かれるよりは、どちらかというと、どういう学会の責任者、例えば学会の会長だとか、その理事だとか、そういうようなことの方が、もう少し環境省としての独立行政法人の意味があるのではないかなというふうに思います。だから、そういう視点、今まで多分、国環研のときだったらないような視点が独立行政法人にしてあるような気がするので、ご検討いただければと思います。
【松野委員長】 今のはあれですか、いわゆるコミュニティサービスというようなことは、みんなで一緒にやる以上は必要なことですが、ところがその……。
【森下委員】 環境というのは一人の人の教えるものではなくて、要するにグループの中で形づくっていくものだということの認識にのれば、個人が大学に行って非常勤で教えることよりも、学会という団体の中でどういう役割をしているかということが大事ではないかなと。
【松野委員長】 ということで、コミュニティサービスの中に、もっと学会における活動ですか、それを含めるべきであろうというお話で、たしかにそのとおりだと思います。普通、個人の履歴でも、こういう委員会活動のほかに学会における、学会集の編集委員をしているとか、そういうことをよくかきますが、その部分は今ないのですね。
【西岡国環研理事】 今、カテゴリーには書いてございませんけれども、例えば国際活動の中心になっているとか、中途半端な言い方なんですけれども、そういうのは私は非常に重要に思っておりまして、特に環境の横のつながりというものを中心にどうやって何をしてくかということは評価しているつもりなんですけれども、残念ながらちょっとここに書いていないのです。
【松野委員長】 今回、そういうことを今後、個人データベースをつくって、そこにそういう項目をつくっておけば、後は集計ができろだろうと思うのですが、よろしくお願いいたします。
それでは、きょうの予定のもう一つ項目がありますので、よろしいでしょうか。佐野委員、柘植委員のさっきの人数の問題です。これはこの範囲の中で読んでコメントできますか。
【佐野委員】 今回はそうですね。
【松野委員長】 何かわかりやすく整理したものですね、さっき以来のカテゴリー別の見方がすっとできるような、それがどんなものかというのが簡単でもいいから追加的に言っていただければ。
【斉藤国環研総務部長】 もう少し全体の人の様子がわかるように工夫したいと思います。
【松野委員長】 少なくともアルバイトの人が何時間の人とか、客員とか、大学の併任でどういう形で入ってきているんだとか、その辺がないとわからないのです。余り無理を言いませんので、よろしくお願いいたします。
では、次に財務諸表の方に移りたいと思います。
【斉藤国環研総務部長】 それでは、財務諸表につきまして、お手元の資料4でございますが、簡単にご説明させていただきます。財務諸表としては五つの表がございます。まず、貸借対照表が1ページでございますが、この貸借対照表は、独立行政法人の財政状態を明らかにするために、3月31日に現在のすべての資産、負債、資本を記載をいたしまして、正しく国民に表示するというものでございます。資産の部を見ていただきますと、研究所の主な資産は固定資産でございまして、固定資産の合計が345億円でございます。流動資産がその上の38億円でございます。この主たるものは現金、預金でございますが、常陽銀行に預けてあります普通預金口座でございます。これが貸方で負債と資本に分かれるわけでございますが、かなりの部分が資本でございまして、その大宗が研究所の発足に当たりまして、政府から現物出資されました土地、建物である政府出資金の331億円でございます。上の方が流動負債でございますが、このうち、未払金が29億円ございます。これは4月に支払いをする分ということで、国の場合ですと出納整理機関でこれを13年度分として整理した部分が今回未払金として立ってきたものでございますが、29億9,500万円でございます。
それから、流動負債の一番上にございます運営費交付金債務、ここに5億5,000万円とございますが、これは翌年度に繰り越していく交付金でございます。契約はしたけれども、まだ工事が行われていないものとか、H2ロケットの打ち上げがおくれて、見合いの研究費もそれにあわせて繰り越されていくもの等でございます。この合計が流動負債としまして、38億8,000万円。それから、固定負債としまして、資産見返負債、リース債務、合計63億円ということでございます。
それから、その下に資産と負債・資本金との差額でございますが、今期の利益といたしまして、2億9,900万円と出ております。このうち、一番大きいものが左側の資産の部の流動資産の中にございます未収還付消費税でございます。未収還付消費税ということで、私ども受託事業を受けておりますので、それに消費税がかかるわけでございますけれども、現物出資を今回受けたということで、これが課税仕入の控除に該当するということで、この分が還付されてくるというものが1億7,000万円の見通しでございます。これは6月30日までに税務署に確定申告をすると戻ってくるということで、今、税務署とご相談をいたしておりまして、大体全1億7,000万円ぐらいだろうということでございます。ここについては今まさに詰めているところであり、少し数字がふえるかもしれませんが、大体1億7,000万円でございます。2億9,000万円のうち、残りの1億3,000万円が国の受託事業で購入した固定資産物品の償却差額でございます。この物品についての減価償却費が1億円ぐらい。2億3,000万円ぐらいで物品を買ったのでございますが、1億円ぐらいをことし減価償却しまして、次年度以降の減価償却予定の分が1億3,000万円ございます。この1億3,000万円は、将来に対する含み損みたいなものでございまして、会計上、今回の利益として出てきてしまうというものでございます。これが合わせて2億9,900万円でございますので、形上、利益剰余金として出ておりますが、損益とんとんというのが実態のところでございます。
次が、損益計算書でございます。2ページでございますが、こちらは独立行政法人の運営状況、13年度の運営状況を明らかにするために、すべての費用と、これに対応する収益を示すというものでございます。ここの一番下の欄で、経常利益、それから当期総利益2億9,900万円、これがバランスシートの利益と合致をいたしております。それから、キャッシュ・フロー計算書でございます。3ページでございますが、13年度におけるキャッシュ・フローの状況を一定の活動区分ごとに、業務活動、投資活動、財務活動別に、フローのインとアウトを表示しております。ここで、業務活動は、38億円の黒字、投資活動は、3億6,000万円の赤字、キャッシュアウトですね。それから、財務活動が1億8,000万円、これはリースの債務等でございますが、1億8,000万円のキャッシュアウトでございまして、合計32億6,700万円がキャッシュとしてインになっているものでございます。この数字が、バランスシートの流動資産の現金及び預金ということで、期末現在、常陽銀行にある残高と一致をしているものでございます。
それから、4ページでございますが、利益処分に関する書類でございます。3億円弱の利益でございますが、これの内容につきましては、先ほどご説明を申し上げましたとおり、未収還付消費税、それから、国受託で買いました物品の会計上の処理で出てきています償却差額1億3,000万円という数字でございますので、どちらも業務上、自己努力として上げたものとなかなか言いがたいものでございますので、ここについては目的積立金ではなくて、一般の積立金という形で利益処分をさせていただきまして、この分については将来の中期計画期間中の損益計算で赤字が出たときのバッファー分、そして、中期計画清算時に国庫に返納するということに恐らくなるであろうという積立金とさせていただいております。
5ページでございますが、行政サービス実施コスト計算書でございます。行政サービス実施コスト計算書は、研究所のアクティビティに対しまして、国民の負担に期するものがどのぐらいか、これは損益計算書上、出てこないような費用というのもありますので、それも含めてどのぐらいのコストが国民にかかっているかというものを示すものでございます。これを見ていただきますと、合計122億6,900万円、これが研究所の13年度における国民の負担ということでございます。内容としましては、業務費用として、損益計算上の費用から研究所が自己努力で自己収入として上げたものを引きまして、それに損益外の減価償却相当額、それから、引当外退職手当増加見積額、それから、国有財産の無償使用や、政府出資の機会費用というような、機会費用でございます。これは10年もの国債の利率1.4%で、出資金に掛けて計算をいたしはておりますが、こういうような金額が合計いたしまして、122億円ということでございます。
それから、7ページ以降は、以上のバランスシート等をつくるに当たりましての重要な会計方針及び注記でございます。これは独法の会計基準でどういう考えでこれをつくったかというものを開示することになっておりまして、これをお示しいたしております。
それから、9ページでございます。これが附属明細書でございまして、バランスシート等を補足する書類でございまして、公認会計士の方とか、より専門的に見ていただくときに役立つような明細書ということで、1番目が固定資産の取得処分並びに減価償却費明細でございます。
それから、10ページでございますが、2番がたな卸資産の明細、3番目が資本金及び資本剰余金の明細及び増減、4番目が運営費交付金債務の明細、5番が役員及び職員の給与費の明細でございます。先ほどもちょっとお話がございましたけれども、ここで役員、職員、これが国家公務員法上の定員でありますけれども、この他に非常勤職員、それから、派遣の方がその他でございますが、ここにその支給人員と支給金額とを開示させていただいているところでございます。なお、以上につきましては、6月30日までに監査法人の監査証明書と、それから、監事さんの監査意見書をつけまして、大臣にご報告をすることになっております。若干わかりにくい表現がございますので、もうちょっと工夫をいたしまして、国民によくわかりやすく間違いのないような表記を心がけたいと思います。
以上でございます。
【松野委員長】 どうもありがとうございました。何かありましたら、あるいはこういうことをつけ加えてもらいたいということがありましたら。
【佐野委員】 監査法人はどこなんですか。
【斉藤国環研総務部長】 新日本監査法人です。
【松野委員長】 ちょっと私からですが、独立行政法人としてのそういう財務的な意味では、これが大事なんだと思いますが、研究所の運営という観点で、決してわかりやすいものではなくて、これはこれで絶対必要なものだというのはよくわかります、規則上。ほかに実際に、運営に当たる理事長なんかはこういうもので見ていらっしゃるわけではないと思いますので、先ほど来ありましたように、我々は大学の中の科研費の概念が割とありますが、本来のさっきの常勤職員の人件費というのがあると思いますが、要するに約90億円の運営交付金ですか、20億円の受託と書いてあるのは、これは競争的資金がみんな受託になってしまうのですね。とにかくそれだけのお金が入ってきて、定員の人件費がどれぐらいで、今の他の人件費ですね、アルバイトとそれから今の流動研究員とカテゴリーが大分違うみたいですが、それぞれどんなふうに使われていて、後は施設の維持管理、あるいは新しい施設とか設備を購入するのにどのぐらいお金がかかって、何と何を買ったかとか、それから、後は今のランニングコストでいろいろな実験設備、野外観測とか何かの消耗品とか旅費とか、それから本当のアルバイトですね。アルバイトはどこに入れるかわかりませんけれども、何かそういう見方を多分運営に当たってはしていらゃしゃるだろうと思うのですが、そういうものというのはどこかにあるのですか。
【斉藤国環研総務部長】 ここでは、すべての会計伝票を会計基準の勘定科目別に整理しましたが、これはご要望に沿いまして再整理はできます。
【松野委員長】 むしろ、理事長、理事の方々なんかそういうものを見ないと全体をつかめないと思うのですが。
【合志国環研理事長】 予算の執行が可能となりますと、実行予算というものをつくります。そのときにおっしゃったものに近い形の分類の数値が出てきておりますので、それは把握しながら進めているわけです。それには、旅費としてどのぐらいというようなこととか、各研究テーマにどのぐらい科研費がどうだったかというようなことが記載されているわけです。
【松野委員長】 多分、我々の仕事はそういうのが適切かどうかというのをやることも一つだと思うので、どのぐらいオープンにできるものかどうかわからないのですが、可能な範囲でそれも資料として教えていただければありがたいと思うのですけれども、どうなんでしょうか。ちゃんとなっていなくてもいいと思うのですけれども、大まかに概念が得られるように。
【浜田国環研理事】 ガラス張りであるんですが……、どういうものを出したらいいのかということを検討させていただいて、恐らく収支計算書というものがその対象となるものだと思います。
【松野委員長】 実行予算とおっしゃったのですが、多分それが正しいのだろうと思います。実行予算を。
【浜田国環研理事】 そういうイメージかなというふうに思っております。これは複式になっておりますので、私自身もなかなか理解しにくい部分もあったりするのですが、単純に収入がどこからどれぐらいあって、それに対して支出をどういうふうにしたかというような収支計算書のようなものをお出ししたいと思っておりますが、それでよろしゅうございますか。
【松野委員長】 実際、研究所の運営に当たっていると思えば、どうしてもそうなるわけですね。運営はこういうふうにこうで、みんなもうちょっと頑張ってクレストなんかをとってこなければだめだとか、これはちょっと人件費がかかり過ぎていてもっとフィールドの仕事がどうだとかというそういうふうな見方を当然していると思うので、それのもとになる、あるいはそういう資料があればという……。
【森下委員】 国環研だけではないのですけれども、どこの独立行政法人もそうなんですけれども、要するに、経営者がいなくて経営をしていこうという会社みたいなものですね。経営責任をとらないでいい人たちがそこにいて、そしてそこにいる兵隊さんばかり一生懸命働かせようというような、そんな感じがするのです。だから、もう少し何か今の時代に合うというか、そういう組織にならないと、せっかく独立行政法人になった意味がないし、それから、研究者が働くためには、やはり自分たちのしていることを警察官みたいに摘発する事務員ばかりがたくさんいることではないということをわかってください、本当に。それで、人が足りなければ合理化すればいいのです、やり方を。今、インターネットの時代に事務室まで一々持って行かないといけないような書類は廃止されたらいいのです。そういうことで組織の中を変えて、やはり研究費を研究のために使っていただくようにしないと。
【松野委員長】 おっしゃることはわかるのですが、内部的な問題でいたずらに仕事をつくっているのであれば、これはぜひやめてもらわなければいけない。しかし、そういうことはやっておられると思うのですが、多分、この受託というのを伺ったところ、もともと環境研究推進費ですか、環境省でいろいろな省庁を超えて環境研究のために出していた二十数億のお金がここにもきているけれども、それが前と違って、委託、受託とこれは民間の機関になってしまったから、こういうことはやたらに作業がふえていると聞いていますが、そういうことは多分、全独立行政法人化した研究所に共通の問題だと思いますし、やり方自体がおかしいので、それは多分中からもそういう声があるのだろうと思いますし、我々はこういう評価の立場のときに、そのことをちゃんとまずそういうことを伺っておいて、こういうことで大変なんだと、困るということを伺っておいて、我々がそれを評価のときに報告書にこういうやり方は変ではないかということを書くことに……、もし皆さんがそれでご賛成ならばそういうふうにしたいと思いますので、その辺の具体的にどんなふうに大変かということを教えていただければと思います。
あと、内部の問題に関してはどうでしょうか。それを内部の事務の関係は……。
【浜田国環研理事】 森下先生のおっしゃることは心してやりたいと思っております。ただ1点だけ言わせていただきたいのは、さっきの職務業績評価というのは、一般行政職員についても全部やっております。どういう目標でどこまでやれたかということに応じて業績手当と特別昇給の対象にしていこうというのは、研究員と同じに、行政系の職員も対象にしておりますので、そういう中でできるだけ業務の効率化などを目標に掲げてもらって、それでどこまで達成したかということに心がけていくことによって、先生がおっしゃるようなことを少しずつ達成していきたいと思います。
【森下委員】 それはわかりますけれども、要するに、120本の契約が大変だとおっしゃるけれども、競争入札するわけでもないし、単に契約をするだけですから、そんなふうに人が要るはずがないのです。
【浜田国環研理事】 実は、契約する際に、これは政府のシステムの問題なんですけれども、すべて積算書というのをつくらなければなりません。そこに例えば、備品は何を買うかということも書かなければなりません。全部見積もりをとって書いて、もし途中で変更があれば変更申請を出さなければならないというような仕組みの中で、我々はやらざるを得ないというそこのところが急に変わってしまったのです。
今までは政府の機関でしたので、移し替えということで、我々の本来の予算とプールして使っても、あとは会計検査院にわかるようにしておけばいいということだったのですが、それに代わりまして、一本一本の課題が契約になって、契約の中身を大きく変えるたびに協議をしなければならない。一番困ったのは、一万円の……。
【森下委員】 それでそれは、使うプロジェクトごとに研究者が打ち込めばいいというシステムに変えればいいのです。
【浜田国環研理事】 はい、それは政府のご理解もいることでございますので、努力していきたいと思います。
【松野委員長】 それでは、今までの何かうまく、果たして本当にうまくいくかどうかわからないですけれども、もう一つのサジェスチョンとして、あと報告書の中にそういうようなことも個別のいろいろなアイデアみたいなものも多分あればお役に立てていただけると思うので、そのときに何か、加えたいと思います。
【佐野委員】 今のような生の苦労といいましょうか、それを私なんかは知りたいです。皆さんは言いにくいでしょうから、このコメントの中に入れてしまえばいいと思うのですね。
【松野委員長】 ぜひ、そういうのをまずわからないので、出していただいて、それはこちらからそういう点を改良の余地があると、改良するべきというようなことで出したいと思いますので、どういう形で出していただくのかわかりませんが、そういうことを教えていただければと思います。
【合志国環研理事長】 独立行政法人はたくさんありますけれども、その中で受託という形の研究費の比率が高いところは同じような悩みを抱えておりま。そういう独立行政法人の連合体という立場で要望を出したいと思っておりますが、法律の根幹に触れる部分があるらしく、なかなか思うようにはいかないかもしれません。しかし、当事者が悲鳴を上げるのは当たり前だというふうに片付けられると困るわけであります。やはり、外部から見ても、国民の目から見ても不合理な制度であるということを指摘していただかないといけないと思いますので、むしろ問題点として厳しく指摘していただいた方が、我々としても改善の要望を主張しやすいと思います。よろしくお願いいたします。
【高木委員】 今のについて提案なんですけれども、私は委員会として、今の問題点を指摘した方がよろしいのではないかということで、と申しますのも、この委員会で指摘するということは、結果的に、今総務省の方の政策評価・独法評価委員会の方で包括的に取りまとめられますので、政策の方に反映させられる可能性がより大きくなるというふうに言えますので、そのような形をぜひ。
【松野委員長】 ぜひ委員会で取り上げたいと思います。それで、具体的にものを言うのに、実情がこうこうだと、こんなに手間がかかっている、これはばかげているのではないかというので、その実情がどうかということを申し出ていただくと。漠然と話は聞いていますけれども、そういうつもりでいますし、先ほど理事長もそういうお考えを別個に独立行政法人の連合体でもこう言っているし、一方、こういうところで教えてもらって、我々もそれを指摘するというような立場が、ちょっと違った立場ですね、国民の研究の立場からばかげているというのと、さっきおっしゃった悲鳴を上げるということ、二つ。ということでよろしいですね。
それでは、時間が既に10分ほど超過しておりますので……。
【高木委員】 今後の作業ということで、提案と申しますか、要望させていただきたいのですが、評価表がありますね、参考資料5ですか。あれに私すべて評価できるかというと自信がないのです。特に、私は研究者ではないもので、研究関係のところについて評価するのがいいのかどうかというところが、非常に躊躇されるところがありますので、お許しいただけましたら、一部の項目につきまして、必ずしも最終評価をしないということをお許しいただければと思います。
【松野委員長】 一つは、先ほど佐野委員からご指摘のありました外部評価委員は、研究プロジェクトに関しては既にしていますので、それを参考にしてひとつ判断をするということがありますし、その上でなおかつこれは判断が難しいからやめますということであれば、それはそういうふうにしていただきたいと思います。このことをちゃんと記入していただければ。基本的には、附属資料としてはいくかもしれませんが、最終的には我々のレポートはディテールではなくて、全体になると思いますから、その点は……。
手順ですが、すみません、事務局の方で言った手順、それから次回のこと……。
【德田環境研究技術室長】 資料5をごらんいただけますでしょうか。今お話に出ました評価シートは参考資料5でございますけれども、これにS・A・B・C・Dという評価を項目ごとにおつけいただいて、その理由、根拠等を書いていただいたものを7月1日ごろまでに私どもの方にご提出をいただければと思います。私どもの方でそれを整理いたしまして、7月11日の次回の評価委員会のところで評価委員会にお出しをするということにしたいと思います。その場で7月11日、次回の評価委員会の場で委員会としての評価をお決めいただく、こういうスケジュールでございます。その後は、10月ごろに第8回の評価委員会を開催し、14年度の研究所の業務の中間報告をする、こういう予定でございます。なお、本日お配りいたしました会議資料、非常に大部でございますので、委員の皆様におかれましては、退出の際にテーブルの上にそのまま残しておいていただければ後日郵送させていただきます。それから、参考資料5の評価シートをお送りいただく際の封筒につきましても、その際にあわせてお送りをしたいと思っております。
【松野委員長】 それでは、具体的な作業のS・A・B・Cのほかに、いろいろ先ほど来のコメントなんかがありましたら、それも送っていただいて、ここに書かれるコメントもあるし、きょうのお話の中身のコメントもあるし、質問、それも送っていただいて、7月1日までにだと、11日の前に多分整理して、もう一回委員のところに、メンバーにお互いにだれがこんなコメントをしたかわかるように送っておいていただければ、11日の会が効率よく進むのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、きょうは大分長くなってしまいましたけれども、きょうの会議はこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。