第3回環境省独立行政法人評価委員会会議録 その2

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■議事録一覧■


【松野委員長】 それでは、時間の制約もありますので、次のテーマに移らせていただきたいと思います。
 次は独立行政法人国立環境研究所の業務中間報告についてということで、文字通り、これは報告ということでお願いします。

【浜田国環研理事】 それでは、私の方から、まだ半年間という期間でありますけれども、この間の当研究所の業務の進行状況につきまして、中間報告をさせていただきたいと思います。座ったままでお許しを願いたいと思います。
 資料7をお開きいただければと思いますが。これに沿いまして、与えられた時間も限られておりますので、ごく要点のみということになりますことも御了承いただければと思います。
 まず、御案内のとおり1にございますように、ことしの4月1日に当研究所が独立行政法人として発足をいたしました。諸手続を、ここにありますように、慌ただしく済ませてスタートしたということでございます。
 それで、当然スタートに当たりまして、新しい任務、この研究所に与えられた任務を想定した組織を、あらかじめ検討してつくったわけでございますので、4月1日から新しい体制でスタートいたしました。それを示しますのが18ページ、行ったり来たりで申しわけありませんが、18ページの図でございます。時間もございませんので、詳細は省かせていただきますけれども、旧来の組織を踏襲しつつも、新しい業務を遂行する体制ということでございます。理事長、理事、監事、参与のもとに、こうした組織をつくっておりますが、上の方に社会環境システム研究領域から生物圏環境研究領域までの6つにつきましては、いわゆる基盤的研究を推進するための研究ユニットということになります。
 それに対しまして、その下に6つ、プロジェクトグループと書きましたグループを設けて推進することにしております。これは午後に具体的な研究内容のご紹介をいたしますけれども、中期計画等で重点特別研究プロジェクトというものを掲げておりますが、これを遂行するためのプロジェクト形式の研究ユニットでございます。
 それからずっと下の方に行っていただきまして、循環型社会形成推進・廃棄物研究センターと、その下にあります化学物質環境リスク研究センターというのが、政策対応型研究組織といっておりまして、いわば上の研究領域とプロジェクトを一緒にしたような組織でございます。この2つは当面非常に社会問題化している廃棄物循環型社会というもの、あるいは環境ホルモン等の化学物質、あるいはPRTRといったような行政的対応に則して、この研究所が政策と密着して推進していこうというための研究組織でございます。
 下の方にあります環境情報センター、それから環境研究基盤技術ラボラトリー。ここは、知的基盤なり、あるいは情報発信なりをしていくための基盤的組織でございます。
 一番下にございます地球環境研究センター、これも歴史は古うございますけれども、外部に開かれた研究の組織体ということで、ユニークな活動をしていこうということで、地球環境研究をもっぱら進めていくための組織でございます。
 こうしたことでお戻りいただきまして、15ページでございますが、組織を整備いたしました。
 それで3でございますけれども、人員の状況は、先ほどの図でもごらんいただきましたような配置になっておりまして、総勢254名の常勤職員の体制でございます。そのうち研究者が191名ということでございますが、中期計画で予定しておりました人員には達していない部分が20名ほどございます。そうしたことで、現在、18名、これは研究者でございますけれども、選考または募集ということで、予定人員を充足していきたいということでございます。
 なお、その下に書いておりますように、新しく任期付き研究員を少し多く採用するということにいたしておりますが、そのうち約半分程度は今年度、もう採用済みでございます。あと12名を採用していきたいと。 
 なお、この数字は、上の職員数の内数でございます。
 それから、流動研究員制度も充実をしていこうという計画を立てております。表1、19ページにございますが、ここにあります4種類の流動研究員を確保し、研究の体制の充実に資していこうという考えでございまして、現在、一番多いのはNIESポスドクフェローでございます。35名を含めまして、45名の流動研究員ということで、推進体制の強化を図るということも考えて進めております。
 それから、3の(3)、15ページにありますけれども、こうした研究職員を含めます行政職員についてもでございますが、これも中期目標・中期計画にも掲げられておりますように、効率的な業務遂行のために、職務業績評価という制度を導入いたしました。いろいろな方式があろうかと思いますけれども、私どもでは各人が目標を設定し、その目標をどれだけ達成していけるかということを評価していこうという目標管理方式ということでございまして、事前・事後という面接をしながら職務業績評価を行い、給与等に反映させ、効率的な職務執行に努めようということでございます。
 それから、次は4でございます。資金面の状況でございますけれども、御案内のとおり、大きく運営費交付金とその他、競争的資金等の収入が当研究所の収入資金でございます。表2をごらんいただきたいと思いますけれども、予算を立てましたときの数字とほぼ同じでございます。運営費交付金、その下の施設整備費補助金につきましては、これは環境省から交付される資金でございまして、これは予算どおりのお金が収入として入ってくるということは間違いないところでありますが、流動的なのは、それ以下の受託、あるいは寄附等のお金でございます。現時点での見込額をこの表2に掲げております。政府等から受託される収入、その中には競争的資金と業務受託という形、両方ございますけれども、合わせまして31億円ぐらい。それから、それ以外には、下の方にあります特別研究員等受入経費、民間受託等々ございまして、合わせますと127億円余ということが収入見込み額でございまして、予算で計上しております127億5,000万円にほぼ近い収入が得られる見通しでございます。
 またもとに戻っていただきまして、16ページでございます。今申し上げたとおりでございますが、特に(3)にございますように、その他の資金ということで、私どもはこういう資金の受け入れなりをこれから努力していきたいと。あるいは(2)にあわせて書いています、民間企業からの受託といったことも目指したいというふうに思っておりますが、そうしたものも少しは実績が上がってきているということでございます。
 それから5に移らせていただきますけれども、施設の状況ということでございますが、独立行政法人発足に当たりまして、国から現物出資ということで、表3につけておりますが、331億円余の評価に相当する現物出資を受けてスタートいたしました。やはり土地が一番価格としては大きいわけですが、あとは工作物、建物といったものが主体の現物出資でございます。
 なお、午後にごらんいただく予定になっております地球温暖化研究棟、環境ホルモン総合研究棟が、このうち一番新しい施設でございまして、3月末に竣工し、今年度当初から稼働、供用開始を始めております。また、一部ごらんいただけるかなと思いますけれども、3つ新しい施設棟を建設中でございまして、これも政府からの追加現物出資ということで、循環・廃棄物研究棟あるいは分解微生物棟、バイオ・エコエンジニアリング研究棟。最後のは霞ヶ浦湖畔に建設中でございますけれども、これが今年度末には完成し、来年度から供用していけるかなというふうに思っております。
 それから、施設の利用の関係では、5の(2)にございますように、スペース課金制度というものを、今年度既に導入いたしまして、研究業務を推進するに当たって、各研究者にスペースの専有面積に応じまして、所内的に課金的なお金を研究費から拠出していただくというような制度を導入いたしました。これは研究所内のスペースを合理的に利用するということを目的に導入したわけでございまして、結果、空きスペースがやはり相当出てまいりました。それを新しいスペースを必要とする研究者に再配分するというようなことも既に実施をして、効率的な研究・推進に努めているところでございます。
 次に6番でございますけれども、研究に関する業務、先ほど評価の点についてはご議論があったところでございまして、内容については、午後研究部門からお話しいたしますが、そのためのいろいろな制度の整備、あるいは普及成果の公表等を行ってきております。その点を御紹介いたしますと、お手元に大変分厚い、一番厚い資料を配付させていただいておりますが、これが13年度の研究計画を、所内で実施します研究を網羅したものでございます。これは、まだ、これから研究するものでございますので、その結果が評価されるということでありますけれども、これは本にいたしますとともに、ホームページでも公開しております。
 それから、先ほど御議論がありました研究成果の評価でございますけれども、表4に簡単な仕組みを書いておりますけれども、大きく概略を申し上げれば、内部研究評価と外部研究評価ということを、両方当然併用して実施していこうと。それによって適正な研究評価を個々の研究について行いながら、研究者の活性、ひいては、この研究所の研究活動の活性化に努めていこうということでございます。研究の種類が表4でごらんいただけますように、経常、奨励、特別、重点特別研究というようなことになっておりまして、このうち特別研究と重点特別研究につきましては、先ほど御議論もありました外部研究評価委員会に、事前・事後、あるいは中間の評価を年一、二回していただくということで、私どもの研究運営を適切に進めていくということにいたしております。
 それから、次に17ページに移っていただきたいと思いますけれども、(4)が研究成果の普及でございます。これはいい研究を実施するということはもちろん中心的な課題ではありますけれども、それをいかに普及していくかということも重要だということは、この当評価委員会でも、かつて御指摘を受けたというふうに伺っております。その点につきましては、(4)に書いてありますが、まず研究所につきましての広報・普及活動について、研究所としての基本方針を定め、あるいは年度ごとの業務計画を策定するということをまず基本といたしまして、例えば、[2]にあります、新しい取り組みを中心にここは書いておりますけれども、まだ届いていないんですかね、午前中には届くということになっておりますが、新しく研究情報誌というものを研究所で刊行することにいたしまして、創刊号は既に7月に発刊しておりまして、これは研究でやりました環境ホルモンの研究成果をわかりやすく取りまとめたものとして出しました。第2号が、きょうでき上がる予定でありまして、温暖化をテーマにしたものでございます。わかりやすくということではありますけれども、まだ、わかりにくいという御指摘も受けていまして、随時いいものにしていく努力をしたいと思っております。
 その他、年報、研究報告書、今日も年報の方はお配りしておりますけれども、そういうものをホームページでも見れる、あるいはPDFファイルにして提供できるようにするというような努力をいたしております。
 それから、御案内の委員もいらっしゃると思いますけれども、公開シンポジウム、あるいはセミナーというようなことで、外部の方々に直接我々の成果を聞いていただく、あるいはビジュアルに見ていただくというような取り組みもしておりまして、ことし7月19日でございましたが、東京国際フォーラムで、「環境の世紀の幕開け」と題した公開シンポジウムをいたしました。おかげさまで1,200名という多数の方のご出席をいただきました。というような活動も開始しております。
それから、(5)に書いてありますのは、いわゆる特許、研究所として研究発明したものを特許として世の中に売り出すというんでしょうか、そういう努力もしていこうと思っておりますが、過去の数字がここには載っておりますが、今年度に入りましても3件、新しい職務発明と認定いたしまして、今、特許等の手続中に入っているものもございます。
 それから、7、最後でございますけれども、研究活動全般につきまして、これもお手元に今日お配りしております、独立行政法人になりましたこともありまして新しいパンフレットをつくりましたし、「国環研ニュース」、「地球環境研究センターニュース」といったようなものを引き続き発刊していきたいということもございます。ホームページも新しいものに刷新をいたしました。外部からのお客様への対応も引き続きやっていきたいということでございます。
 それから、もっとも新しい活動といたしましては、一番下に書かれております、先ほど理事長からもお話がありましたように、「国立環境研究所友の会」、これは会長は元当研究所の所長をしておられた市川惇信先生ですが、組織をしていただきました。これは一般の方々、この研究所に関心を持つ一般の方々と当研究所が交流する場として、会費、1年間3,000円ということで、ちょうど先ほど申し上げました公開シンポジウムの日に旗上げをしていただきました。その結果、10月24日現在、きのう現在ですね、会員の方が368名ということでございまして、個人会員、団体会員というのがございまして、それらを合わせて368名。これは多い少ないという、いろいろな評価があると思っていますが、我々としては、これだけ関心を持ってくれる人がいるのかなということを持って、この友の会を通じて研究所と一般の方々との、いろいろな意味での交流を図り、環境研究所に対する関心を、あるいは広く環境研究に対する関心を持っていただくために活動したいというふうに考えているところでございます。
 大変時間が限られておりまして、はしょった説明になって恐縮でございますけれども、とりあえず私の説明とさせていただきまして、あと、御質問があれば、補足させていただきたいと思います。

【松野委員長】 どうもありがとうございました。
 前の議題がちょっと押してしまったもので、大変短い時間になってしまいましたが、何か御質問等がございましたら。

【遠藤委員】 細かいことで申しわけないんですが、このスペース課金制度というのは大変おもしろく拝見しまして、有効に機能しておられるようなんですが、もう少し具体的に、どういうふうにおやりになったかを教えていただけると大変参考になるんですが。

【浜田国環研理事】 研究所で、研究スペースをもちろん、中心であります事務スペースは除いておりますけれども、研究スペース、これは研究者の居室があります、それから実験場所も含めてですが、面積当たり、1平方メートル当たり2万円、1年間、研究者がそこを専有する場合、出していただくと。研究費全体としては、研究費として配分した中から、またペイバックスでやっているんですけれども、管理部門にお返しいただくというような格好になりますけれども。それで、ただ、居室の場合は2万円ですけれども、実験室とか施設のスペースは少し割り引きをして、係数を掛けておりますので、必ずしも全部2万円ということではないんですが、そうしたことでやりましたところが、やはり不要なスペースは遠慮しますということで、今、800平米だったかな、何百平米か出てまいりまして、それに対して、研究者で新しい研究のため、新しいスペースが要ると。特に、例えば廃棄物に関する研究部門、また新しくここにまいりまして、そうした新しい事業にあいたスペースを配分して、もちろんその研究者からまたスペース課金でいただくんですけれども、そういうようなことでやっております。そんなことでよろしいですか。

【松野委員長】 すみません、おもしろかったもので、そのもとの配分のときは、それはどうなんですか。そのスペース課金を払うべきもとの予算を、いろいろ各研究部門が。

【浜田国環研理事】 それは研究の、例えば人頭的な研究費、それからあとは、先ほどいろいろな研究の種類を……。

【斉藤国環研総務部長】 研究室により重点プロジェクト研究費とか、特別研究費等いろいろなものがあると思いますが。

【浜田国環研理事】 表4に研究をいろいろ書いておりますが、こうした研究に応じまして、評価をしながら配分していくわけですね。そのときには課金というのは全く考えないで配分していますので、その結果、配分された研究費から課金部分を。

【斉藤国環研総務部長】 考え方としましては、個別の研究者ごとに使っている面積が何平米というところで2万円で掛けますと、いろいろ、お金がない人もおり、若手なんか特にそうなんですが、一方では、もう実力があってたくさんお金をもらってこれる人と、アンバランスが出ますので、一応ユニットごとにプールしまして、そのユニット単位で課金は幾ら必要としましてユニット内で、お互いに配分します。若手は斟酌していただくとか、そういうのをユニット長さんで調整をして、その中で、やはりユニットとしてはあのお金は痛いから、少しあいているスペースは返そうとか、大学を出た先生で、機械だけ残っていると、こういうところは返却をしようとかというのを調整していだたいて、それで新しいところにそのスペースを、理事長以下、検討していだたいて配分するという形でやらせていただいています。

【松野委員長】 ちょっと1つ。我々、先ほどの評価に関して、外部評価もやっていらっしゃるということですが、タイミングですが、この研究に関する業務の状況、16ページの下のところで、4月25日、26日云々で、その次に10月10日、もうこれは終わったわけですか。平成12年度の主要課題の内部評価を実施した。なお、これらの研究課題の外部評価は12月4日に実施する予定であるということで、間もなく12年度終了研究課題の外部評価の結果が出てくると思うんですが、今度我々が、来年の5月ごろにやるのは、13年度の進捗状況に関して何か報告をしなければいけないと思うんですが、それに対しての進行状況の外部評価というのはいつ行われるんですか。

【高木国環研主任研究企画官】 重点特別プロジェクトと政策型、対応型調査研究につきましては、2年後の中間評価と、それから最後に終了時評価という2回の評価をする予定にしていますが、そのほかに毎年4月に、外部評価委員会を開いて、そこで前年度の成果について御説明をして、助言という形で御意見をいただくということにしております。それで助言をいただいたものについて、研究としてはこう対応をしますよということを含めて公表するということにしておりますので、その部分を評価委員会の方に御報告できるのではないかと思います。

【松野委員長】 この4月25日、26日に外部評価委員会を開催し、平成11年度終了特別と書いてありましたけれども、このほかに、ずっと継続課題についてのいろいろな評価をここでやっているんですね。

【高木国環研主任研究企画官】 重点プロジェクトは大きなもので構えましたけれども、ほかにかつての予算の関係で続いている小さなプロジェクトが幾つかございまして、それも終了した時点で外部評価委員会にかけて、その結果を公表するというふうにしてございます。

【松野委員長】 この4月25日、26日に行われたものでは、平成12年度の、つまり平成13年3月までに行ってきた研究の状況の評価が外部委員によってなされたものが。

【高木国環研主任研究企画官】 それと、あと、重点特別プロジェクトと政策対応型調査研究につきましては、一応まず全体像を御説明しなくてはいけませんので、それを御説明して、それについての御意見をいただいているというような形になっております。

【松野委員長】 今度の14年4月には、13年度の進捗状況を外部評価が。

【高木国環研主任研究企画官】 はい。成果に基づいて評価するということに。

【松野委員長】 わかりました。

【坂本委員】 15ページの人員の状況のところで、職務業績評価の導入と、こういうことが書いてあるんですが、この部分で、例えば各人の目標とプロジェクトなり研究室の目標の一致性みたいなものと、それから、非常にベーシックな研究をやっているところとの、その2つで相当違う。
 それからもう一つは、かなり複数の分野に併任で、これは今過渡期だからそうなっているのか、今後それはどうなるのかも含めた形で、それは評価の仕方なり何かも考えるときにどういうくくりをされているのか。
 それからもう一つは、先ほど理事長の合志先生が、中国の方はもっと厳しいいろいろな管理をやっていると。私なんか、大分前に伺った話としては、極端なことを言うと、研究所の中に清算事業団みたいなものをつくって、何年間か、ある意味ではフリーに研究していいよと。だけれども、その後、自分で目標を考えてあれしなさいとか、非常に極端なことを言うと、そんなことまでやって、ある時期に相当な荒療治をやって、特に基礎研究的なものをやらなければいけないところと、それから、目的研究もしくは政策対応型研究をやらければいけないところというのは、相当いろいろこの後あるのかなというふうに思うんですが。かなり産総研の方とこことでは、まだ基礎研究のウエートが高いから、ある意味では緩やかにできるのかと。今後の流動性を増す意味でも、先ほど職員の、常勤職員が何人何人と書いてあるんだけれども、実はそれよりは、この中で何人が出て入ってというのがあってどうなったかというようなことの方が、今後のいろいろなあれを考えていった場合、重要な情報になるのかなという気がいたしました。これは全くお答えいただく必要もありません。ちょっとそういうことを。

【清水委員】 職務業績評価というのは、年度末にやるわけでしょうか。そうすると、まだこれを導入した功罪は出てこないわけですね。

【斉藤国環研総務部長】 年度当初に目標の面接をし目標を設定しまして、その年度を通して、結果をまた評価面接をすることとしています。そこで御本人の評価と、上司や面接員の評価をあわせて最終的に理事長が決めて、それをボーナス等に反映させるという形になっています。まだ途中でございます。

【西岡国環研理事】 今の説明でいいけれども、私ども研究員というのは、領域という広いそれぞれの分野で配置されておりまして、そこでユニットといいますか、プロジェクトといったものに出て行きます。ですから、この面接自身も、1人の領域長が研究員と面接するのではなくて、ユニット長、プロジェクトの長であったり責任者であったり、それと領域長、その三者とか四者で面談するようにしております。ですから、それぞれ一人一人、ことしはプロジェクトで頑張ってくださいよというのと、ことしはちょっと休んで、基礎でひとついいものを見つけてくれよと、そういう個別の判断は、その領域長とプロジェクトのチームのリーダーとの判断に任せております。すべて面接したカードにつきましては、やりとりがあった後、理事長の方に上がるようになっておりまして、全体としてどういうことが行えるかについては、それで把握ができるといった感じで進めさせていただいています。

【斉藤国環研総務部長】 もう一つご質問がありました組織の関係ですが、専任と併任ということでありますが、基本的には4月1日付で独法になります前に、こういうプロジェクトとか組織の形にするけれども、どこへ行って研究をやりたいかの希望を職員にすべてアンケートをとりました。その希望は専任でベスト1、2、3、それから併任で、1、2、3を聞きまして、大体第一順位で専任を全部張りつけました。併任も、ここでおもしろいテーマなので、キャリアとしてやりたいと。専任はここだけれどもというところの希望を踏まえまして、全員希望どおりに辞令を出すことができたということで、非常にうまく動いているのではないかと思っています。

【坂本委員】 たまたま私、ちょっと早く来ましたので、組織がどうなって、どういう人間がどこに張りついたか、ちょっと電話帳を見ていたら、かなり併任というのがわっと出てきていたので、どうかなと思ってお聞きしたんですけれども。

【斉藤国環研総務部長】 あくまでも無理に併任というよりは、本人の希望を尊重し、しかも本人がパワーで、3つやれる人と2つやれる人と、3つをやっても十分できる人と、やはり1つぐらいの方がいいとか、この辺も御本人と十分御相談をした上でやらせていただいて。

【松野委員長】 そうすると、今のこの表で、現員と併任と書いてありますけれども、意味がむしろ違う。現員には違いはないですけれども、現員というものの見方と……。

【浜田国環研理事】 そこに書いておりますのが、効率的というのは変ですけれども、籍を置いているところですね。それに対して、併任と書いてある数字が、そこの部署にほかの部門から参加している研究員の数です。

【松野委員長】 この考え方は、もとの基盤研究というか、それの何とか指数になって、プロジェクトのチームというところも、これは全部、そこに本籍があるという人も結構いると。

【西岡国環研理事】 はい。一部それだけ専任していると。

【斉藤国環研総務部長】 プロジェクトを中心にやっている人と、基盤的な研究をやりながらプロジェクトも参加する人と、そこはあくまでも御本人の御意向を踏まえています。

【松野委員長】 ちょっとお伺いしたいんですが、競争的資金のことですけれども、これは大体予定どおり、全体では予定どおりということですが、こういう外部のいろいろなやつをとるのが1つは大事なことだと思いますが、何か扱いというんですか、今までのと違って、そういうものが込み入っているという話を聞いたんですが、ちょっと説明していただけますか。

【浜田国環研理事】 事務的な話ですけれども……。

【松野委員長】 実際に研究を実行していく上で、手順が意外にも独立行政法人になって、本当に自由にいろいろなところから出てきて、それを早い段階から使えるというふうになるかと思ったら、必ずしもそうではないという話を聞いたことがあるんですが。

【斉藤国環研総務部長】 実は、クライアントになる方、本省でございますが、そちらと受託契約というのをしました後、執行できることとなります。これが本省が、今、大体百数十本あるんです、全体で。三十何億ですが、百数十本。これをやるところが、本省は国会とか何かで忙しくて、なかなか契約が早く進まないことが悩みです。

【松野委員長】 それはどことどこが契約するんですか。

【斉藤国環研総務部長】 国環研と環境省です。

【松井環境研究技術室長】 今まで移しがえだったものですから、例えば科学技術振興調整費では科技庁から環境庁に移しがえになりまして、それがそのまま国環研に行ったわけなのですが、今回は文部科学省から環境省に移しがえになって、環境省から国環研に委託をするという手続が出まして、その際に委託契約でありますとか、実施要領でありますとか、そういうものをつくって、通常の委託と同じようなことをやらなければいけないので、その業務がふえたことは間違いないです。

【松野委員長】 何で文部省がダイレクトにこないのですか。独立行政法人、いろいろなところから。

【松井環境研究技術室長】 一応そういう方式でやるということが決まっておりまして。

【松野委員長】 何のため、何か独立行政法人の一つの……。

【松井環境研究技術室長】 私どもも実は業務が物すごいふえているんです。

【松野委員長】 何か変ですよね。何で環境省と……。独立行政法人なんだから。

【高木国環研主任研究企画官】 文部科学省の科学技術振興調整費でも、あるものは環境省に移しがえをして環境省との間で委託ということと、文部科学省から直接の委託と2種類ございまして、それは向こうの方針のようです。

【松野委員長】 そういう問題なんですか。

【斉藤国環研総務部長】 それで、全体で100数十本もあるのですが、今度は委託費でございますので、それごとに費目の執行管理をして、清算報告をしなければいけないのです。今、清算報告をする全体で150人ぐらいの方を毎週トレーニングしています。

【松野委員長】 それは地球環境研究総合推進費なんかを大学で受けるときには、受けられる。

【高木国環研主任研究企画官】 大学の場合は、例えば国環研と一緒にやる場合には、国環研に一度お金をいただいて、そこから大学に出すという形しかまだとれない。

【浜田国環研理事】 その辺は混乱状態のところもありまして、総合科学技術会議でこういった資金の流れをどうするかということを御議論いただいている。

【松野委員長】 具体的にここと契約してやるということはできないんですか。

【浜田国環研理事】 できます。既に2件。日立さんとか……。

【西岡国環研理事】 それは独立行政法人になったことのいい面ではあると思います。

【松野委員長】 それはどれに入るんですか。ここの19ページの……。

【浜田国環研理事】 民間受託収入という。

【松野委員長】 受託ですね。

【浜田国環研理事】 はい。19ページの下から4つ目に、民間受託収入というのがございますが、1,735万円。

【松野委員長】 何か随分そういうのがありますよね。大学の研究だからという、名前はいろいろありますけれども。

【浜田国環研理事】 民間寄附金というので250万円ありますけれども。

【松野委員長】 大学でも奨学寄附金とかありますね。

【浜田国環研理事】 似たようなものでもあるんですが。始めたばかりですので……。

【松野委員長】 もっとどんどん、これだけ大きな進んだ研究所なんだからと思いますけれども。
 ほかに。

【浜田国環研理事】 ちょうど環境儀が届きまして、これが先ほど申し上げました第2号になりますけれども、こういうものを研究所で、一般の方々にわかりやすくということでつくってみました。まだちょっと難しいなということを聞いておりますが、研究の成果ということがある程度正確性もなければ、その辺は余りいい加減なことも書けないという、その辺のはざまでいろいろ悩んでいる面もありますけれども。

【清水委員】 これはどの範囲に回っているか。

【浜田国環研理事】 私ども、一応環境研の……。先生方を含めてですが、日ごろおつき合いのある範囲にお配りしています。

【清水委員】 全体で何部ぐらい。

【高木国環研主任研究企画官】 1号は広くまかなくていけないので5,000部刷りましたけれども、通常でしたら3,000ぐらいという感じで、そのうち、図書館であるとか、いろいろな公共機関とか、そういうところにはお送りをするということで、あと、先ほどの友の会、一応向こうで送料負担ということになりますので、そちらの方は友の会を通じてお送りするとか。

【浜田国環研理事】 一般の方々も御要望があれば、送料負担で送ることにはしております。ホームページにも載せてありますが。友の会の方には、送料もなしというか、会費で賄っているということにはなりますけれども。定期的に、自動的に送られる、友の会だから、ぜひ先生方にも友の会に入っていただいて。自動的に送られて、年会費3,000円。

【松野委員長】 これは何かプロというか、こういう専門の方の助けを借りているんですか。

【浜田国環研理事】 研究者とリライター、環境関係の雑誌をつくっているところの記者、長くそういうことをやっている人ですので、そういう人にリライトしてもらいまして、また研究所にフィードバックしながら。

【松野委員長】 編集とか企画とか。

【浜田国環研理事】 そういうところにお願いをして。

【松野委員長】 ある意味、そういうことは自由にできるんですよね。そういうところにお金を使うということは独立行政法人になって。

【浜田国環研理事】 はい、効率的だと思える範囲で、できるだけこういうことも広めていきたいというつもりでやっているものですので、ぜひまた今度の評価の際には御配慮いただければ。

【松野委員長】 それでは、12時半になりましたので。

【松井環境研究技術室長】 それでは、別室に昼食を用意してございますので、当初は1時からと予定しておりましたが、30分ほど遅れましたので、午後の部は1時15分をめどに再開したいと考えておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
                  (休憩)

【松野委員長】 それでは、引き続き環境研の活動状況の報告をお願いしたいと思います。
 では、西岡理事、どうかよろしくお願いいたします。

【西岡国環研理事】 それでは、午後招集いただきまして、私どもの研究の内容についてお話をしたいと思います。個別の研究については、非常に短い時間、1人7分当たりと聞いておりますけれども、さっと説明いたしますので、私はその全体の構成等々についてお話をしたいと思っております。多分こちらを見ていただければ十分だと思いますが、このパンフレットの方にそういう組織だとか、研究の体制について書いてございます。
 国立環境研究所の使命・機能・組織等につきましては、ここに書かれたとおりかと思います。私ども、特に環境面で、「安心・安全」というようなキーワード、それから、もちろん先ほど議論がありましたように、それを科学技術の面からどう取り組んでいくかというのが私どもの使命でございます。
 これは、この研究所の新しく発足したときにも使わせていただいたスライドでございますが、私ども、先ほどの議論にありましたように、うちの研究所は必ずしもサイエンティックな話ではない。社会的な要請もある。あるいはじっくり構えてやらなければいけないものもあれば、すぐに即応してやってもらいたいという要望もあると。いろいろな研究といいますか、仕事がスペクトラムにございます。それをどう配置したかというのは、この絵で示されてあるわけでありまして、このボクサーがおりますけれども、領域と書いてあるところが研究者がみんなおりまして、そこからそれぞれの手足に人を送り込んで、プロジェクトをやっている、あるいは政策対応型の研究をやっているという絵でございます。
 そこで、その領域という中に研究者がみんなおりまして、それぞれのことをやっているわけでございますけれども、私どもの一番まず研究として重要な課題に、チームを上げて、チームを組んで取り組んでいこうということで、この重点特別研究プロジェクトというものをつくっておるわけです。これがこれから、非常に短い時間でございますけれども、各担当者の方からお話をさせていただきます。
 ですから、私は簡単にほかのことについてさっとお話を申し上げますけれども、もう一つ発表がありますのは、この政策対応型研究センター、現在、例えばごみ問題にしても、環境ホルモンの問題にしても、いろいろとすぐにでも対応してもらいたいという話が、余りじっくりと研究するよりも、まず目の前に何があって、それをどう処理していくかということを求められるものもあるかと思いますので、こういうセンターという形でそれに対応していこうというのがあります。
 それから先ほどお話し申しましたように、長い時間をかけて、我々のある情報をずっと持っていなければいけないとか、ある計測の方法をずっと保っておかなければいけない。こういった長期を要するものがございますが、これについては知的研究基盤のセンターをつくっておりますし、それから、あるいは地球環境問題のように、これは例えば国際的な枠組みの中で人々をオーガナイズしてやっていかなければいけないものもある。これもちょっといろいろなところと性格が違うということもございまして、足腰ですね、これは2本足がございますけれども、この2つのセンターを配置しております。
 それから、これから環境の問題は、特にそうですけれども、社会と接点が要るだろうということがございますので、環境情報センター、これは言ってみれば、口だとか耳だとか目に相当するものだと思いますけれども、これを配置しております。あと、企画総務といったところがそれをカバーするという形で、これが全体の、言ってみれば環境問題の研究的側面のスペクトラムに対応して、全体の体制だということでございます。これがうまく機能していく、あるいはこういう分け方が本当にいいのかといったことについて評価いただくことになるのではないかと思っております。
 先ほどのちょうどボディーに当たりますところでございますけれども、7つの研究領域、これは環境問題の複雑さを反映いたしまして、それぞれの環境の圏ですね、大気圏であるとか、水土壌であるとか、そういう圏に分かれているのもありますし、人間と自然という分け方もできるかもしれませんし、フローと基盤という形になるかもしれませんが、このような領域がございまして、それからこの重点研究等々へ人が行っているということでございます。これにつきましては、後ほどお話をいたしますので、省略いたします。これがその右こぶしに、左だったかな、当たるところでございますが、それから、これが政策対応型、これについては後ほどお話しします。そのほか、知的研究基盤あるいは地球環境研究センター、そして情報があるというお話でございます。
 それでは、きょう、後から話がないところでございますが、知的研究基盤ということで、ここでは、さっさとまいりますけれども、例えばスペシメンバンキング、これは環境の表示にしろ、今現在である試料は、また後ほど、次の時代には、昔はどうだったんだろうかなんていうことを見るための試料であるとか、あるいは長期的な遺伝子を保存しておくとか、そういうことをやる機能がございます。
 それから、環境測定に関する標準機関、私ども、日本の国におきまして、うちがきちんとした環境の測定をするということが基本的に非常に重要だと考えておりますが、こういうようなプロジェクトではなくて、非常に長期に保っていかなければいけない、1つ、伝承すべき技術といいましょうか、そういうものがあると思います。
 それから、有用な微生物。新聞にも最近載りましたけれども、絶滅に瀕している品種の遺伝子を保存しておくとか、そういうことをやっております。これは後ほど。
 これが、今申し上げましたレファレンスラボラトリーの機能でございまして、種々の環境技術の標準試料を持っていたり、あるいは共通機器のきちんとした管理をするといったことをやっているわけです。もう一つの基盤といたしましては、地球環境研究センター、このセンターは3つの柱といっていますけれども、例えば地球環境モニタリング、台湾の近くですけれども、波照間島という、日本で一番南に人が住んでいる島がございまして、そこでCO2 をはかっております。だんだんと上がっているとか、季節ごとに変化しているということがおわかりになるかと思いますが、この落石といって、日本列島の北の方でもはかっております。こちらの方は少々町に近いものですから、ちょっと季節的な揺れが多いというようなこともわかります。
 それから、これはスーパーコンピューターを用いまして温暖化の予測をした絵でございますが、そういったモデルを使った研究、これはスーパーコンピューターをいろいろな研究者、大学の研究者、ほかの機関の研究者に使っていただきまして、そこで1つの道具をベースにした研究のリードをやっているということでございます。
 それから、これは研究の総合化といっておりますけれども、いろいろなネットワークだとかワークショップだとかを開いて、今の地球環境の状況について調べたり、あるいは先導したりするという機能があります。それから、これは先ほど、口とか耳とかに当たるという情報の部分でございますけれども、ここでは、もちろん我々の研究の成果を発信したり、先ほど環境儀というのを編集して出すとかということもやっておりますし、中の方では、もちろん研究の支援をしなければならない、図書室を充実したりすることもございます。あるいは、環境情報を提供システム、EICネットといいますけれども、やっておりまして、環境情報資料の収集整理をして、それをみんなにわかるようにWebで提供する。これは関東地方の大気汚染の状況ですが、「そらまめくん」なんていう情報システムがここから発信されるといったことがございます。
 以上が、大体私どもの重点特別研究以外のものですが、重点特別研究といいますのは、これから説明がございますけれども、いずれも社会的要請が強いわけですね。それから、研究の観点からも大きな課題を有している。この研究所の目的であります「安心・安全」ということを科学的に裏打ちするというところから幾つかの研究を取り上げまして、それに対しては5年間を継続期間として、目標をきちんと設定して、重点的に予算を配分するということをやっております。この内容につきましては、これから話がございます。内容については、例えばこういったものを我々は今重要な問題であるというぐあいに認識しているわけでございます。
 もう一つが、即応型ですね。政策即応型・対応型調査研究といっておりますが、これは重点研究分野の、特に環境行政の新たなニーズに対応して、きょうお話がございましたけれども、新たなニーズに対応して、すぐに対応できるような研究ということ、同じようなことでございますけれども、別な体制をつくっております。ここには2つのセンターを設置しておりますが、1つは、言ってみればごみだとかものの流れといった、今一番、目の前に問題になっているもの。それから化学物質、この2つを新しいセンターでつくっているということでございます。もう一度整理いたしますが、非常に重要な研究につきましては特別研究でやっておりますし、それから即効性が必要なものにつきましては、左でジャブを出すんですが、やっておりますし、それから国民とのインタフェースといたしましては情報センターがございます。それを支えるものとして2つのセンターをつくっていると。これが全体の構成でございますけれども、これには、皆さんのような専門家の方々の助言が多分要るだろうし、特に、環境の問題につきましては、国民の応援を得たいということ。それから、これは働くので、ちょっと水もたまには入れてくださいというような絵が書いてございますけれども、皆さんの御支援を得て研究を進めていきたいというぐあいに考えておるわけでございます。
 以上、全体のスペクトラムにつきましては、環境問題の性格に応じた組織づくりをしていっているということです。中身につきましては、これから話をさせていただきます。

【松野委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは、今のお話ですと、この中の個別のお話はこれからある予定ですが、最初にお話ししましたように、きょうは定足数ぎりぎりで、ちょうど今、先ほど加藤委員がおいでになりまして、成立するようになりました。それで、議題として、本日決めなければいけないものがありますので、ほかの委員の、場合によっては早くお帰りになる方もおられるかと思いますので、ちょっとお話を中断させていただいて、ここで決めるべきことを先にやらせていだたきたいと思います。すみませんが、中身の報告は少し後でよろしくお願いいたします。
 それでは、きょうの議題の、報告の次にありました4番目の独立行政法人国立環境研究所役員退職手当支給基準についてと。これを決めなければいけないというところです。ということで、今、成立した段階で、これは議事として進めていきたいと思います。
 では、この議題について事務局の方から御説明いただければと思いますが。

【斉藤国環研総務部長】 それでは、役員退職手当支給基準につきまして、これは研究所の方でつくりまして、大臣に届け出る、そのときに大臣が評価委員会の御意見を聞いて、何か余りにも高い低いということであれば御意見を言うような仕組みになっておりまして、3月の評価委員会のときに、まず役員さんの給与について御報告をいたしまして、その後、退職金につきましてはもうちょっと検討させていただくということでおくれておりましたが、今回御報告させていただきたいと存じます。
 それでは、お手元の資料の資料9でございますが、お手元の資料21ページでございます。
 まず、役員退職手当支給基準の基本的考え方でございます。国環研の常勤の役員が退職した場合における退職手当でございます。これまでの国研の場合と違いまして、理事長及び理事、常勤役員は独法の組織の業績に全面的に責任を負うということになりますので、大変重い責任を負うということでございます。したがいまして、類似した性格の民間企業の役員退職慰労金、これが参考になるのかなと。この辺を勘案しながら、独法も競争時代に入っておりますので、やはりいい方役員に来ていただきたいということで、他の独立行政法人の役員の退職手当の支給基準と比べて相応のところを目指したいというところがございます。そこに準拠いたしまして、また、環境省独立行政法人評価委員会、この委員会の業績評価、先ほど業績評価の基準のお話を御審議いだたいたわけでございますが、あれが全体でAになるのかBになるのかCになるのかDになるのかなどの在任期間中の業績評価がどうであったかというところも勘案しながら決定するというのがいいのではなかろうかと考えております。
 そこで、まずキーになります他の独立行政法人の退職手当の支給基準がどうなっているかというのが22ページでございます。まだ決まっていないところも一部ございますが、大方のところ、大体決まっておりまして、こういう形になっております。
 まず、ごらんいだたきますとわかりますように、大宗としましては、俸給月額に100分の36を掛けまして、これに在職月数を掛けることを基本とし、これに職務実績として右の備考に増減要素とございますが、評価委員会の業績評価を勘案いたしまして、増加したり減額したりということをやりますというものでございます。このパターンがほぼ主流でございます。
 ちょっと異なるパターンといたしまして、文部科学省でございますが、国立特殊教育総合研究所などでございますが、備考の欄で100分の10以内で職務実績を参考にするということで、これは勘案の仕方についても、ゼロから何百%というのではなくて、10%の範囲で増減をするというふうな幅を決めているものでございます。
 それから、その下に物質・材料研究機構以下、9科学技術庁系列の独立行政法人がございますけれども、こちらにつきましては100分の25から36の範囲内で職務実績を見ますという形で、この範囲内で、100分の10というのがございましたけれども、この範囲内で業績を勘案して、上げるか下げるかというのを決めるという形のものになっております。100分の25とか27というのは、100分の36をベースにしまして、3分の1下げると大体25ぐらいになりますが、4分の1だと27ぐらいということであります。
 それから、農林水産省の系列でございますが、旧畜産局関係のところが一部100分の12.5というところがございます。
 ただ、下の方にございます農業環境技術研究所、我が方と近い環境の仕事をしているわけでございますが、100分の36というような規定でずっとやっております。大方としましては、俸給月額に100分の36を掛けると。それに在職月数を掛けるという決め方になっております。
 21ページの方でございますが、これにならいまして、本研究所の退職手当の額でございますが、退職期間1カ月につき、退職時におけるその者の俸給月額に100分の36を乗じて得た額とするという考え方で基本を置かせていただいております。役員報酬手当を3月に御報告させていただいて御了承いただいたわけでございますが、これで計算しますと、理事長さんのベースで4年間といいますと、大体1,700万円程度でございます。それから、理事さんが2年間の任期でございますので、2年間ということで想定しますと、約800万円程度ということでございます。1年間当たりでみますと、これを800万円を2で割ると400万円。理事長でございますと、440万円程度となるわけでございますが、これは民間企業の役員退職慰労金等と比べますと、役員退職慰労金は勤続年数によって随分、1億近くから数千万と幅があるわけでございますが、大体常務さんクラスの退職金の平均で、大体440万円ぐらいでございますので、理事長の給与が大体常務さんクラスと大体見合うところかちょっと下というところで3月に御報告を申し上げたんでございますが、それとレベルとしては合っているのかなというふうに考えているところでございます。
 ただし、環境省独立行政法人評価委員会の研究所に対する業績評価の結果を勘案し、その者の職務実績に応じ、これを増減し、または減額することができるということにさせていただいておりまして、毎年の、在任中の業績評価がどうであったかということを勘案して増減をすることができるといたしております。これも他の大方の独法もこういう規定ぶりになっているところでございます。
 それから、在職期間の計算でございますが、任命の日から起算して、暦に従って計算するということで、一月未満の端数は一月と計算すると。
 それから4番目でございますが、再任等の場合の取扱いということございます。任期満了の日、またはその翌日において、再び同日の役職の役員に任命されたとき、理事さんがもう一回再任されたというような場合には、通算をするということで、引き続き在職した者とみなすという規定ぶりにさせていただいております。
 まだ最初の業績評価も出ておりませんが、各法人ともこれを決めておりまして、内閣府の方からも早く報告しろと言われておりますので、残っておりましたこの退職手当支給基準、これをとりあえず決めさせていただきまして、今後、状況に応じながら運営の中で御意見を伺いつつ見直すということでございますけれども、まずは他の法人と同等のレベルのところでとりあえずはスタートをさせていただくという形でお願いできればと思っている次第でございます。
 以上でございます。

【松野委員長】 どうもありがとうございました。
 前に給与についての議論がありましたが、これも評価委員会、研究所の運営の根幹のところはここで決めるということになっていて、こういうことが議題になっているわけです。
 ということで、今、御説明がありましたように、ほかのところと基本的には同じ考え方でというか、ほかのところを説明していただいたということなんでしょうが、原案としてはほかと同じようにというのが一番自然な考え方ではないかということなんですが、いかがでしょうか。

【佐野委員】 すみません、報酬額が幾らでしたか。私は半年に1回で忘れちゃって。ラフでいいですよ。でないと、この基準がわからないですよ、妥当性が。

【斉藤国環研総務部長】 そうですね。報酬額につきましては、基本的には国立研究所のときの所長さんと副所長さんの額をそのまま引き継いでおりまして、大体理事長が109万円ほどでございまして、それで理事が92、3万円でございます。

【森下委員】 これだけの責任で理事の数が少ないですね。それで責任を果たすのに常勤と来られるのはちょっと少ないような気がするんだけれど。こういう前に出ていますね。ここへ書いてあるのは、役所が責任を持ってやっていたときの報酬ですよね、これ。だから……。

【松野委員長】 給与の話ではなくて、退職手当の話になっているんですけれども。そっちと別に考えてと。今のは役所の時代の所長というのと給与的に同じにしたのは果たしてどうだったかという問題提起だったと思うんですが。

【森下委員】 責任が全然違うのに、ちょっと大変かなという気はするけれども。

【佐野委員】 報酬の方は各独立行政法人によって違うの。

【斉藤国環研総務部長】 基本的には、大体前の、国研のときのそのままをスライドさせておりますので、指定職の7とか、大体そういうところでの決が多うございます。これからだんだん業績に応じて少し上がっていくところと、まさに業績評価がAとかなるところとCとか何かで続いていくところで少し差が出てくる。当面は、とにかくスタートはスライドでという感じで決めているという状況でございます。

【坂本委員】 しかし、役所らしいですよね。みんな横並びで、業態も全く違うのに。

【斉藤国環研総務部長】 何せ移行したばかりでございますので、先生方に業績報告できる状況ではありません。

【坂本委員】 今の報酬の方はもう決まっているから、成功報酬に近いような形で、最後の100分の1というようなところをもう少し幅を持たせておくという考え方もあるのかなと。前回のときにも、私、責任が重くなるから、上げた方がということを申し上げたんですけれども、まだ始まったばかりだからわからないと。一方、その後、今回のようなそういう評価機構が入っていって、中間評価がされて、業績を評価なされる状況になったら、後の増減要素についてはある程度のものを見た形でできるわけで、先ほどSAとかAAをつけるとか、そういう話もございましたですね。それと同じような形で考えれば、そういう幅を持たせてやった方がよろしいのではないかなというのが私の申し上げたいところです。

【松野委員長】 いずれも、そもそもこれは退職手当の話ですが、給与そのものについての御意見かと思います。

【坂本委員】 それは、でも前のときに決まってしまっているから、今、それは変えられなでしょう。

【松野委員長】 それはいつ変えられるのですか。給与そのものは今後どういうふうにして決めていくのか。あれは5年間を決めちゃったんですか。

【斉藤国環研総務部長】 一応規程で決めておりますのが、これを改定することは可能でございますので、そこはまた。

【松野委員長】 今のような御意見は……。

【坂本委員】 5年間固定じゃないわけでしょう。

【松野委員長】 では、先ほどの評価が事業年度ごとにパフォーマンスを見ていくというお話だったので、かつそれは、毎回その見直しというか、議題になるんですか。

【斉藤国環研総務部長】 そこは今後よく検討し、必要に応じまた御提案をさせていただきたいと考えております。

【松野委員長】 もともとのベースになる給与そのものが1年ごとにここで決めることができるというか、決めるようになるというふうに考えてよろしいですか。

【坂本委員】 中期目標からしたら、そんなにころころ変えられるものではないのかなと思います。

【斉藤国環研総務部長】 ですので、給与規程で決めさせていただいておりますが、この改定につきまして、また業績評価の結果、もしくは他の法人の状況とか、こういうのを見ながらしっかり検討し、また御提案を改めてさせていただくということになろうかと。

【坂本委員】 考え方としてはリスキーな部分があるわけですよね、増減ですから。増減の幅が広がる。

【松野委員長】 こちら、今の退職手当の話で、もとの給与の話と分けて、今はどちらかというと、給与は、この前はもう国立研究機関時代のをそのまま引き継いだと。特にわかることもないかなということだったので、それに対して責任が違うのだしというお話が出てきて、今後そういうことの評価もちゃんとなされるようになるからということが出てきたので、もしそれが今のように、そっちのベースそのものの方は、本来的に検討するものであるという考え方に立つとするならば、それはここでそういうことを一度確認をしておいた方がいいと思うんですが。

【斉藤国環研総務部長】 役員給与のうちボーナスにつきましては、同じようにこの業績評価の結果を勘案して、増減できるということになっています。

【松野委員長】 それは、前のときはそういう情報はありましたか。決めたときには。3月に。

【斉藤国環研総務部長】 はい、3月の段階で。

【松野委員長】 今のような、そういう部分がある、評価に従って増減する部分があるというのは、ありました。

【斉藤国環研総務部長】 はい。

【松野委員長】 ちょっとうっかりしておりましたが。とすれば、そこにはこういう100分の何の範囲とか、そういうことは何か決めました。決めたら記憶があると思うんで。

【斉藤国環研総務部長】 ボーナスにつきましては、公務員給与法準拠を基本としまして、それを増減できるという形になっておりまして、先ほど職員の業績評価のお話をさせていただいておりますが、職員の場合もそれと同じような仕組み。

【松野委員長】 それはまた聞きたいと思いますが、今は、ここで決めることに関してですが、それはそういうふうにこの前決めたんでしたか。そういう部分に関しては、職務の実績に応じて、給与そのものがこういう形で変えられるというか、あるいは基本のものを変えることもできるし、それから年々の職務の実績ですか、部分というのがあるんだということで決めたんですね。

【斉藤国環研総務部長】 はい。

【松野委員長】 ということだから、それでよろしいですか。そういうふうになっていたと。それを前提にして、今度はこの退職の方に。

【加藤委員】 どうも遅くなって、スリリングな状態に、先生方にお願いしちゃった結果になりまして、大変恐縮でございます。
 今、議論になっていることにつきましては、私も森下先生を初め、皆さん方が非常にこの理事さん方の責任の大きさ、重大さから見てという問題はもちろん私も極めてよく理解できますが、今、御提案になっているこの件につきましては、とりあえずスターティングポイントとしてはこういうところで始めるのが妥当じゃないかなというふうに思って、それで、将来、この独立行政法人の真価が問われる何年か後に、さらに含めて見直したらいいのかなと。今は確かに横並びではありますけれども、この辺でスタートするのが適当かなというふうに私は思っております。

【松野委員長】 そうすると、ポイントの1つは、これだけそろっているとなかなか、よほど特別の理由がない限り変えられなくなりまして、あとは、1つは俸給月額というところに相当するところの部分が我々の、今さっきの議論で、それ自身が変わり得る、その実績を見て変えられ得るということが1つで。
 次に今度は退職手当そのもののところの、これは備考という欄に入ってありますが、増減要素というのがありますが、ここ自身も、ほかのところはただ職務実績と書いてありますが、これは何も書いておかなければ、ここはどこかで決めることになるんですね。それにある程度の枠をはめているのが上の文部科学省のところ。

【斉藤国環研総務部長】 ここは枠は設けない形で考えております。

【松野委員長】 ということなんですか。だとすると、ここで何も、そのとおり

【清水委員】 ちょっと確認をさせていただきたいことがあるのですけれども、俸給月額というのは賞与とは関係ないんですね。

【斉藤国環研総務部長】 俸給というのは毎月の給与です。

【清水委員】 ですから、賞与は賞与であって、俸給月額というのは固定されているものですね。それが1つ。
 それから、増減を具体的に決めるのは理事会ですか。

【斉藤国環研総務部長】 その件につきましては、理事長が決める形になろうかと思います。業績評価を勘案しながら。そこは御報告をさせていただくことになると。

【松野委員長】 何の話ですか。

【斉藤国環研総務部長】 増減でございますね。

【清水委員】 増減の額をどこで決めるのかというのを伺ったらならば、それは理事長であるというお答えでした。

【松野委員長】 だれの。ここで何か前に決めましたよね。あれは。

【清水委員】 今、議論をしている、その退職手当の増額、または減額することができるという、これを具体的にだれが決めるのかというのは、理事長が決めるというお話。

【松野委員長】 だれのあれですか。

【斉藤国環研総務部長】 役員の退職手当の増減です。この増減につきましては、その在職期間の理事さんの期間に、評価委員会の業績評価でAになっているのか、Bになっているのかと、こういうところを見ながら、最終的には理事長が決めさせていただいて、そこにつきましては、また評価委員会にも御報告するという形となります。

【松野委員長】 そうですか。

【遠藤委員】 理事長御自身の退職金についても、理事長が決めると。

【斉藤国環研総務部長】 そこはそういうことになろうかと。ここは大臣にお決めいただくのかと思ったのですが、それは少し内閣府の方から、そこで大臣が出てくると独法の自主性を損なう、またそれをコントロールにして、いろいろお節介をするようなことになるから、大臣が言うのはだめだという御指摘をいただいております。

【松野委員長】 ここが決めたのは結局どこになったか。既に決めた給与と賞与でないところを決めたのと、それから、このルールを決めて、ここのところに職務実績と書くことだけ書いて、だから、中身は毎回の評価のときにそれをつけておけば、当然それを常識に判断されるであろうという期待をするということですね。わかりました。ということで、その範囲でもし、皆さんの御意見を吸収できれば、皆さんと、周りと一緒のをそのままにして、最後の備考のところは職務実績と、括弧の中には何も書かないと。

【松井環境研究技術室長】 一応確認の意味で、26ページのところでございますけれども、役員退職手当支給基準関係ということで、これはここのところの2項でございますが、「独立行政法人はその役員に対する報酬等の支給の基準を定め、これを主務大臣に届け出るとともに、公表しなければならない」と。次に意見の申し出ということで、53条でございますが、「前条第2項の規定による届け出があったときは、その届け出に係る報酬等の支給の基準を評価委員会に通知し、2項として評価委員会は前項の規定による通知を受けたときは、その通知に係る報酬等の支給の基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、主務大臣に対し、意見を申し出ることができる」と。したがいまして、正式に言えば、通知は受けてからということでございますが、一応この場でもって、この2項に当たる部分を本日、特に社会一般の情勢に適合したものであるということをお認めいただくと、そういうことでございます。

【松野委員長】 なるほど。

【清水委員】 この支給基準についてというのは、どういう位置づけの文書になるんですか。単なる、ここで今、申し合わせみたいな感じのものですか。きょう、定足数を満たして決めなければいけないと言われた。

【松井環境研究技術室長】 ですから、意見を申し出ることができるということでございますが、特に今回のこの案に対しては、これで妥当であると、この場でお認めいただくということでございます。

【松野委員長】 そういうことですので……。では、よろしいでしょうか。今、いろいろな実態、我々の役目は何で、周りの状況はどうかということを理解したのが一番の中身かと思いますので、原案どおり、これを通知いただいたものに対して、意見としては結構だという意見を述べると、そういうことでよろしいのでしょうか。ということに決めさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。
             〔「異議なし」との声あり〕


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