中央環境審議会動物愛護部会(第17回) 議事録

日時

   平成18年5月29日(月)午前10時00分~午後12時00分

場所

   日本自転車会館大会議室(3号館9階)

出席者

        林  良博 部会長

        青木 人志 委員    今泉 忠明 委員

        大槻 幸一郎 委員   大矢 秀臣 委員

        奥澤 康司 委員    清水  弟 委員

        菅谷   博 委員   中川 志郎 委員

        中川 李枝子 委員   信國 卓史 委員

        兵藤 哲夫 委員    前島 一淑 委員

        丸山   務 委員

        

        泉   総務課長    東海林 動物愛護管理室長

        黒田 審議官

議題

  1.   (1)「動物愛護管理基本指針(仮称)」の骨子案について
  2.   (2)その他

配付資料

 資料
動物愛護管理基本指針(仮称)の骨子案
 参考資料
検討スケジュール

議事

【事務局】 それでは、定刻になりましたので、第17回中央環境審議会動物愛護部会を始めたいと思います。

 まず、本日の委員の皆様のご出欠についてご報告いたします。

 本日は、委員16名のうち14名の方が出席しておりますので、規定により部会は成立しております。欠席しておりますのは、藏内委員、松下委員です。前島先生につきましてはちょっと遅れてくるということでございます。
 それでは、林部会長、よろしくお願いいたします。

【林部会長】 それでは、ただいまから第17回の動物愛護部会を開催いたします。

 初めに事務局から配付資料について確認をいただきます。

【事務局】 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。

 お手元にいっておりますこのちょっと厚めの資料でございますが、この1枚目をめくっていただきますと、動物愛護管理基本指針(仮称)の骨子案というものがございます。これが資料でございます。

 それから、この厚手の資料の一番最後の1枚をごらんください。一番最後の1枚で参考資料、検討スケジュールということになっております。ページ数が69ページということになっております。

 もし資料に不備がございましたら事務局まで申しつけください。

 よろしゅうございますか。じゃあ林先生、よろしくお願いします。

【林部会長】 ただいま事務局からご説明いただきました一番最後の69ページをごらんいただきたいと思います。議事に入る前に今後の検討スケジュールについて、あらかじめ確認させていただきたいと思います。

 この最後にあります検討スケジュールは、これは第15回の会議でご了解を既にいただいているものでありますけれども、きょうはここの5月29日、骨子案の検討ということで、前回のヒアリングで関係団体から出された意見等を踏まえて、動物愛護管理基本指針の骨子案について論議いただくということでございます。この後、素案を作成して、6月下旬、6月29日ですね。第18回の会議でご論議いただくという予定でございます。再確認ですけど、よろしいでしょうか、こういう予定で。

(異議なし)

【林部会長】 それでは議事に入りたいと思います。

 まず大きく二つに分けて、今日は論議していただきたいと思います。一つは全体の構成、それからⅠ番目、動物の愛護及び管理基本的考え方、この二つを一緒に。またそのあとに、Ⅱ番目の今後の施策展開の方向及びⅢ番目の動物愛護管理推進計画の策定に関する事項。こういうふうに大きく二つに分けて進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 では最初に全体の構成及びⅠ番目、動物の愛護及び管理の基本的考えについて、事務局より説明をお願いいたします。

【東海林動物愛護室長】 それでは、お手元の資料に沿いましてご説明させていただきたいと思います。

 まず、説明に入らせていただく前に、机の方に動物愛護管理業務規定という青っぽい本。それから特定動物と動物取扱業者、この二つの三つ折のリーフレットを用意させていただいております。ご案内のとおり改正動物愛護管理法、この6月1日から施行されるということで、改正法の趣旨が徹底されますように、こういった資料を環境省、あるいは環境省関係者で作成させていただいているというところになっております。

 三つ折のパンフレットの方は各15万部ほど作成しまして、各自治体、愛護団体、業界団体を通じて、関係者の方々に配付するということでやっております。

 それから業務規定の方は、今までこの審議会のご意見を聞きながらまとめさせていただいた各種基準、これを取りそろえたものということでございます。改正法の趣旨解説も頭の方に書いてございますので、ご参照いただければと思います。

 今日お持ち帰りいただいても結構ですし、お荷物になるようでしたらば机の上に置いておいていただければ今日郵送したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、お手元の資料の3ページ目からということで、動物愛護管理基本指針の骨子案について説明をさせていただきます。

 今までのご議論を踏まえまして、骨子案ということで、今日まとめさせていただきました。

 まず、この資料なんですけれども、69ページにわたるちょっと長いものになっているんですが、実はほとんどが参考資料でして、骨子案自体は少のうございます。3ページ目から12ページ目までが、これが骨子案ということになっておりまして、13ページ目から開いていただきますと参考資料ということになっております。これはどういうことかといいますと、骨子案を各事項別に分けまして、その事項ごとに関連資料、あるいはデータというものも、きょうのご討議の参考していただくために添付させていただいたというところになっております。

 全体をご覧いただく場合は、3ページ目から12ページ目をごらんいただきたいと思いますし、内容についてご協議いただく場合、あるいは私どもの説明の方はいろいろデータをつけており、13ページ目からということでやらせていただきたいと思います。

 まずは3ページをお開きいただきたいと思いますが、全体の構成の目次という形でお示ししてございます。

 大きく三つに分けて構成しております。Ⅰ、動物の愛護及び管理の基本的考え方。Ⅱ、今後の施策展開の方向。それから、Ⅲ、推進計画の策定に関する事項ということになっております。

 Ⅰは、愛護ですとか管理の意味、哲学、それを改めて再整備させていただいたというものになっておりまして、Ⅱの施策展開の方向は、今後この計画は10カ年計画ということで考えておりますけれども、10年後どういう形に動物愛護管理施策を持っていくのだというところの現状課題認識と目標。それを考えてさせていただいております。それからⅢの方は、各自治体がこの基本指針ができましたら、この基本指針に基づいて各自治体の推進計画を作ることになるんですが、それの枠組みを基本指針の中で定めることになっておりますので、各自治体の計画がどういう枠組みでつくられるべきなのかというところを盛り込ませていただいたものということになっております。

 今日の資料なんですが、基本的考え方については、素案に近いものを出させていただきました。これはもう一度パブリックコメントに出す前に6月29日がございますけれども、非常に重要なところというご指摘を受けておりましたので、素案の形で慎重にご議論いただいた方がよかろうということで、きょう素案の形で示させていただいております。それから施策展開の方向と推進計画の策定に関する事項は箇条書きのスケルトンという形でアウトラインを示させていただいております。

 それでは、13ページをお開きいただきたいと思います。13ページからご説明をさせていただきたいと思います。

 まず、事前にお送りさせていただいているのですが、ちょっと読み上げさせていただきたいと思います。

 この基本的考え方は、大きく三つに分割して構成してございます。動物の愛護、それから動物の管理、動物による人への害ですとか、迷惑の防止ですね。それから三つ目としましては、合意形成、愛護と管理を国民皆さんの意見としてどうまとめていくかという視点で書き上げたものですけれども、この愛護とは何、管理とは何、それから合意形成とは何、というところで、三つに分割して基本的考え方を構成しています。

 まず、最初の動物の愛護ですが、動物の愛護の基本は、人においてその命が大切なように、動物の命についてもその尊厳を守るということにある。動物の愛護とは、動物をみだりに殺し、傷つけ、苦しめることのないよう取り扱うことや、その習性を考慮して適正に取り扱うようにすることのみにとどまるものではなく、古くから広く我が国に根付いている「山川草木悉有仏性」という考え方に象徴されるように、動物の命というものに対して感謝と畏敬の念を払うとともに、人と動物との生命的に平等な存在であるとする意識に根ざしたこの気持ちを命あるものである動物の取扱いに反映させることが欠かせないものである。

 人は他の生物を利用し、ときとしてその命を犠牲にしなければ生きていけない存在である。動物の利用や殺処分を自然の摂理や社会の条理として直視し、厳粛に受け止める態度が必要となる場合もある。

 しかし、だからといって、人を動物の圧倒的な優位者として捉え、動物の命を軽視したり、やみくもに動物を利用したりすることは誤りである。命あるものである動物に対してやさしい眼差しを向けることができるような態度なくして、社会における生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養を測ることは困難であると考えられる。

 基本的なポイントは、動物をものとして適切に取り扱うこと、所有物として、これだけでなくて、命あるものとしての取扱い、その精神を加味したというところにございます。

 次、動物の管理です。

 人と動物とが共生する社会を形成するためには、動物の命を尊重する考え方及び態度を確立することにあわせて、動物の鳴き声や糞尿等による迷惑の防止を含め、動物が人の生命、身体又は財産を害することのないようにする必要がある。

 動物は、その管理が不適切であった場合には、人の生命、身体又は財産に対する害を引き起こすことがある。害を引き起こさないように適切に管理するためには、係留・室内飼い、みだりな繁殖の防止等の措置を講じる等により動物の行動等に一定程度の制約を課すことが必要となる場合がある。また、所有者がいない動物に対する恣意的な餌やり等の行為のように、その行為がもたらす結果についての管理が適切に行われない場合には、動物による害の増加やみだりな繁殖等の動物の愛護及び管理上好ましくない事態を引き起こす場合があることについても十分に留意する必要がある。

 動物が人と一緒に生活する存在として万人に快く受け入れられるためには、動物と社会との関わりについても十分に考慮したうえで、その飼養等を行うことが求められている。動物の飼養者は、自分が加害者になり得ることについての認識が希薄な傾向にあるが、すべての飼養者は加害者になり得るとともに、すべての国民が被害者になり得るものであるという認識の下に、飼い主は、動物の所有等をする者としての社会的責任を十分に自覚して、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。

 こちらのポイントは、動物の飼養というものが個人の全くの自由ということではなくて、公共の福祉を損なわない範囲内で行わなければならないものであるというところをポイントとしてございます。

 合意形成。人々が動物に対して抱く意識や感情は、千差万別である。例えば、家庭動物等の不妊去勢、ねこの屋内飼養、動物実験や畜産等における動物の資源利用、様々な動物を食材として利用する食習慣、狩猟や釣り等の動物の捕獲行為、動物を利用した祭礼儀式、外来生物の駆除や個体数調整、安楽殺処分等については、それらが正当な理由をもって適切に行われるものである限り、動物の愛護及び管理に関する法律に抵触するものではないが、現実には、賛否両論が国内外において見受けられている。

 このように、個々の人における動物の愛護及び管理の考え方は、いつの時代にあっても多様であり続けるものであり、また、多様であって然るべきものであろう。しかし、万人に共通して適用されるべき社会的規範としての動物の愛護及び管理の考え方は、国民全体の総意に基づき形成されるべき普遍性・客観性の高いものでなければならないと考えられる。また、動物愛護の精神を国民に広く普及し、国民1人1人の身に付いた習わしとして定着させるためには、我が国の風土や国民性を踏まえた動物の愛護及び管理の考え方を、国民的な合意のもとに形成していくことが必要であると考えられる。

 こちらのポイントは、動物愛護に対するどうしても偏ったイメージがあるように思っているのですけれども、これが逆に動物愛護の普及を妨げているという嫌いがあろうかと思います。これからは多くの国民の参加と共感を呼ぶようにしていく必要があるというふうに考えております。

 簡単に参考資料の方をご説明したいと思いますが、14ページ目の下の方は、動愛法の目的は愛護と管理の二つの点です。ただ、この愛護の方は動物の個体そのものの方というよりは、それを通じた社会秩序の平和と情操の涵養というところが目的ということになっております。

 それから15ページの上でございますけれども、いろいろな愛護の考え方がありますけれども、行政が行うべき動物愛護の考え方はある意味限定的であるというように考えられようかと思います。それから動物観というのが国によって違っております。特に欧米の場合にはキリスト教的な世界観に基づくものだと思いますけれども、動物は人間のために存在するというところで、逆に操作的、合理的な取扱いには慣れているというところがあるのですが、日本の場合には情緒的、放任的な性格の方が強いというところが言えようかと思います。

 そのあらわれとして16ページ目になりますけれども、ちょっと古いアンケート調査なのですが、日英の獣医師さんに対するアンケート調査。中ほどの安楽死の2行目、2段目を見ていただきますと、イギリスでは健康な動物でも安楽死させますかという問いに対して、はいと答える人が7割以上いるのに対して、逆に日本はいいえと答える人が7割以上いるということになっております。

 それから、動物愛護、あるいは管理の考え方というのは十人十色でございますけれども、それをあらわしたのが17、18、19ページの「ニワトリを食べる授業」、それから「飼養放棄等された犬・ねこの実験動物への転用」、「ノラねこへの餌やり」まだまだいろいろ事例がございますけれども、象徴的な事例を三つほど挙げさせていただきました。

 「ニワトリを食べる授業」は、小学校で命の尊さを教えるために授業で育てたニワトリを食べるということをやったのですが、途中で教育委員会をはじめとしていろいろな方々から残酷だというところで中止に至ったというふうな事例でございます。それから事例の2は「実験動物への犬・ねこの転用」でございますけれども、これにしてもパーパスブレッド、実験動物として繁殖された犬・ねこの実験動物は基本的に利用が許容されて、それ以外の犬・ねこは許容されないというのがどういう考え方によるものかというところがなかなか難しいところであろうかと思います。それから3点目の「ノラねこへの餌やり」は、これはノラねこが繁殖すると地域住民が糞尿、泣き声などで迷惑をするわけですけれども、かといって好きでノラになったわけではない犬やねこ、これをお腹が空いている、こういったものを目の前にして痛みを感じない、餌をやりたくなるというのも、また自然な人間の摂理であるというところの兼ね合いかなというふうに考えております。

 20ページ目は、環境倫理学というものの大まかな流れがある本に載っていましたので転載させていただいております。基本的には環境倫理学、全体主義的な環境倫理学と、それから個体の保護といいますか、個人主義的な生命倫理みたいなものがあろうかと思いますけれども、まさに動物愛護というのはこの狭間にあって、どちらをどういうふうに融合させてその考え方を整理していくのかというところが課題になっているんじゃないかなというふうに考えられます。

 22ページ以降はこういった動物に対する意識、動物観の違いに関する主な調査研究や著述から、今回の議論に関係ありそうなところを抜粋させていただいております。委員の中川志郎先生、青木先生、それから林先生の著述からも、ちょっとまとめ方が意に沿わないかもしれませんけれども抜粋させていただいております。

 以上でございます。

【林部会長】 はい、ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明に何かご意見、ご質問はございますか。どうぞ、青木委員。

【青木委員】 動物の愛護及び管理の基本的考え方の素案についての、私が一読したときの問題点の指摘という形の発言でよろしいでしょうか。

 私が感じましたのは、動物の愛護という項目で述べられている、非常に哲学的あるいは思想的な内容と、管理という項目で述べられている非常に具体的なルールの述べ方に、やや抽象度のレベルが違い過ぎやしないかという、内容とは関係なく、そういう考え方を一つ持ちました。それはそれで一つの考え方だと思うのですね。愛護というものはそもそも哲学の問題なのだということで、これは検討の結果これでいいということも十分あり得るという意味で、こういうふうに感じたということです。

 それから、哲学的な問題としての愛護の問題で前回、前々回でしたか、中川先生のご発言をきっかけに委員の間でも議論があって、大変重要な問題だと思うんですが、今回の素案を拝読すると、かなり生命ということを強調して、前回非常に評判の悪かったワイズユースというようなことは一切言わない。こういうことになったと思うのですね。それはそれで一つの選択なんですが、生命があるかないかという非常に絶対的な問題と、例えば外国の法律には動物は感覚のある存在であるという、感覚という相対的なレベルがつけるものとの関係というのを整理しないと、なかなか難しいものがあるわけで、生命は命あるものとしての動物という基本的なキーワードは法律の中に既に入っておりますし、これ自体はもちろん使うことに何ら問題はないのですが、それとそれを制約する原理としての苦痛であるとか、それから相対性のある概念、制約原理との関係をどう考えるかというのがまさに今困っている問題なので、そういった悩みをもうちょっと前面に出しても、こっちも大事だけれども、こっちも大事だというよりも、悩んでいる現状というのをもっと書いてもいいような気がします。この部会でも兵藤先生が何度もそういう問題を提起されていらっしゃいますが、合意形成ということとの関係ではもうちょっとここが問題なのだということを言ってもいいような感じを持ちました。

 それからもう一つだけ言わせていただきたいのですが、私自身の著作からも引用していただいたのですが、僕の考え方は、過去の文化というものが確固としたものがあって、それに合う形で日本の法をつくっていくべきだというものではないのですね。法というものの資料だけからみるとこういう解釈が成り立つという、一つの解釈を述べただけで、実態的にそういう文化が存在するからこうあるべきだという議論をしているのではないです。むしろこの問題は、将来どういう文化を我々が形成していくのかという未来を語るべき問題としてとらえた方がいいと思うので、その過去の仏教の教えというものだけではなくて、もっと未来に向かって我々が難しい時代の中どうするのか、あるいはどう取り結んでいくべきかという、そういう展望的な記述があるといいのではないかと思います。

 それからもう一個だけ、ついでに。最後のワーニングとして、一番最後から3行目あたりにある「身に付いた習わし」というのは、私はちょっと語感的に変な感じを持ちますので、ここは文筆に関してはご専門の方もいらっしゃいますので、指摘だけします。

 どうも長くなりましたが。

【林部会長】 ありがとうございました。ほかにご意見、ご質問ありますでしょうか。中川委員、どうぞ。

【中川(志)委員】 今、青木先生からのご発言を受けまして最もだと思うところもあるのですけれども、基本的には、構成として愛護、管理、合意の形成という三つのジャンルに分けて述べたというのは、一般の人にとっては極めてわかりやすい内容というか、分け方だと思うし、やっぱりこういうことが必要だと思うのですね。僕は動物愛護管理法という法律については、やはり非常に優れた法律だという認識を持っています。それはやはり生命があるという、命あるものであることに鑑みという基本形をうたい上げている法律というのは、これは非常に少ないのです。これは日本的といえば日本的なのだけれども、しかし極めて重要だと思うのです。この法律自体も基本原則と、具体的な例えば適正飼養とか届出制度とか、いろいろ細かな具体的な問題については、より具体的な形が書かれていると。しかし、発想しているところというのは、この法律の平和的情操を涵養するというのが象徴されるように、極めてある意味で高邁なところにある。基本原則のところで命あるものであることに鑑みというところに焦点を絞ってみると、これはやはりかなり現代的な色彩を帯びているのではないかという気がするのですね。

 既に皆さんお読みになったと思うのですが、2003年にノーベル文学賞をとった「動物のいのち」というクッツェーの著作があります。それを読んでみると、文学賞ではあるのですけれども、あの本がノーベル賞をとるというのは、やっぱり世界的な合意があそこにはあるのではないかという気がするのですけれども、この本に出ている内容というのは一言では言えないですけれども、基本的にはデカルトから始まって、あるいは実験動物の序説から始まって現在に至る近代医学、あるいは科学というものに対しての動物の取扱いというものに対しての痛烈な批判があるのですよね。それは基本的にやはり今我々がどう動物と対峙するのかという、これは人間の命題、古くて新しい。そのクッツェー自身は、この動物に対する考え方というのを、今までデカルトをはじめとするそういう哲学や、あるいは実験医学序説にあるような具体的な科学性というものでは割り切れないものは、もう1回原点に返る必要があるだろう。そのためにはどうしても、哲学者がだめで科学者がだめなら、我々文学者がそれをしなければいけないのだという、そういうある意味での主張だと僕は思うのですよね。

 そういう意味で、この考え方は基本的に私は非常に日本の自然に対するもののあわれという、そういうもののところに深いところでつながっているのではないかという気がすごくするのですよ。そういう意味では、もともと命あるものに鑑みという、そのこと自体は法に極めてなじみ難いけれども、ここの見出しのものとしてはやはりこれは尊重すべきものがあるし、そこのところが今この社会で最も失われつつあるものじゃないかなというふうに思うので、表現上の問題は若干あるなと思いながら読んでいるのですけれども、しかし書きぶりそのものというものはこういうものでよろしいのじゃないかなというふうに僕は思うのですね。

【林部会長】 ありがとうございました。ほかにいかがでしょう。はい、兵藤委員。

【兵藤委員】 二つの側面が実は考えられるのですが、一つは動物愛護ということから言えば、日本的な本当に情緒的な放任主義的なものがこれは表に出ている部分で、非常に私たちもボランティアのちまたの中でも、この部分では非常に強調される表の部分で、今問題になっているのは裏の部分の管理、あるいは駆除、あるいは殺処分というところの合意形成が不十分であるということで、動物愛護の方は非常に髄分変わってきまして、番犬から本当のこと言って家族の一員だということで、ちまたの動物病院はあふれるほどのいい治療に入っておりますし、クライアントも大変あふれるほど患者さんが来ております。その面ではもうそのあたりで、愛護については本当のこと言ってかなり進んでいるのではないかというような社会的な現象がなだれを打って出てきていることは明白です。

 その一方で管理をするところで、殺処分、駆除のところでは、かわいそうだというのは非常にそちらに向けましてどうしても行政批判、殺している人たちが悪くて、自分たちが殺している殺していると言いながら、自分たちがそういうものを目から外してしまっているということで、どうしてもここのところをきちっと合意形成の中で、管理の部分ということで、もう一歩進んでいただいて、どうして殺処分をしなければいけないのか。どうして駆除しなきゃいけないか。それの仕事に携わっている人をどうやって理解して救わなきゃいけないのかという、そのところをひとつもう少し出してほしいなと。動物愛護的に言えば動物福祉の五つの自由がありますので、飢えとか、痛みとか、苦痛とか、習性とか、あるいは治療しなさいとか、そのあたりを具体的に書いていただいた方がもう少しわかりがいいのかなというふうに、もう総論ではなくて各論で一つ一つ教えていった方が具体的ではないかというふうに、僕はそんなふうに思っております。

【林部会長】 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。はい、前島委員、どうぞ。

【前島委員】 電車が遅れて私が遅れて、それでちょっと別の用事があって、あと15分くらいでここを失礼するのでちょっと意見だけ言います。

 もう結論から言えば私はこの方針といいますか、この骨子案は私は何の問題もないと思うのです。もう少しつけ加えれば、私は動物実験の立場におりましたから、いろいろな人と議論しましたけれども、動物実験に批判的な人に対して、科学者の方が説得できたか。なぜ我々が動物実験するか。私はそういうふうに説得に失敗したと思っているのです。しかし、逆にじゃあ動物愛護団体の方が研究者に対して動物実験をやめるべきだ。控えるべきだといっても、それについても私は最終的な説得は成功してないと思うのです。つまり青木先生が非常に悩ましいことを言っておられるのですが、いつまでも議論しても始まらないと思うんです。じゃあ何もしなくていいかというと、私はこういうものについていろいろ議論して、日本の法律、あるいは行政も悩んでいるのだというこういうことが出てくることが私は世の中の変化だと。少し前だったら行政はこんなこと考えなかったのではないかと思っております。そういうことが出てきたということで、非常にそこでやはり情緒的といいましょうか、哲学的といいましょうか、そういう問題では動物実験する立場だって動物をあえて殺そうと、苦しめようと思っているわけではないのですけれども、現実問題として動物実験をせざるを得ない立場にあるわけです。それから兵藤先生なんかも言われるよう、行政の立場でやらなきゃいけない、こんな立場なのです。そうすると私は兵藤先生が言われたように、むしろ行政側に立つ人たちに、少しでもこの問題を考えてもらうと同時に、少しでも気持ちが和らぐような、そういう方向のものが国として出てくれば、それで私は十分だと思っております。

 どうも、途中で失礼しますが、以上です。

【林部会長】 ありがとうございました。いろいろなご意見いただきましたが、先ほど中川委員がおっしゃったように、デカルトの「動物機械論」そしてクロード・ベルナールの「実験医学序説」こういった近代合理主義的なもとになるものからずっと来て、今欧米ではそれに対する批判というのがあるわけですが、私は、確かに非常に日本的なよさ、動物観、自然観というのを持ってきたわけですけれども、必ず、それが動物に対して優しく働いているかどうかというと、つい最近見れば、むしろ逆の方向にいっている面もあるわけで、この間ご指摘いただいて、ワイズユースという言葉はここでは使わないような方向で、ただ、しかし内容的にはある程度入っているというふうに私は理解しているのですが、つまり日本のよさはよさとして、これは守ると同時に、これは最近、藤原さんが「国家の品格」という本をお書きになられて、そこでも髄分強調されていることですけれども、それはそのとおりなのですが、ここで私たちが本当にある近代合理主義の悪さというのを、今グローバルリズムにしろ、何にしろ目立つんですけど、しかし、一方で近代合理主義のよさといいますか、このことについて日本が十分に学び取ってないところは、やっぱり何らかの形でこの指針に生かしたらいいんのではないかなと思っていまして、そこは例えば管理というところの中に生かされているのではないかというふうには思いますけれども。

 この基本的考え方というのは、2ページにも満たない短いところですけど、これこそやはり日本の国家の品格があらわれるところで、全体としては私よく事務局として作成いただいたなという、ただ青木先生のおっしゃっていた愛護のところが抽象的で、管理が具体的になるのは、これはやむを得ないところがありまして、愛護というのは、極端に言えば、そもそも国がとやかく言うことでもないのかもしれないという感じがするのです。管理については国が責任持ってやることなのですけれども、そういう意味では、愛護というのはこういう書きぶりにならざるを得ないのかなという、前回に比べてより日本のよさを先に出していただいて、なおかつ、動物を利用しなければならないという現実を後の方においていただいた面で、流れが非常によくなったかなという感じがするのですが、まだ細かいところはこれから時間がありますから、日本という国家の品格がますます高まるような方向に修辞していただければいいと思うんですけれども、いかがでしょうか、ご意見。

 どうぞ。

【中川(志)委員】 今の部会長のお話とある意味で同様なのですけれども、動物の愛護という部分が抽象的というのは確かにそのとおりだと思うんですね。ただ、基本的にこの動物愛護管理法そのものが第1条、第2条、特に第2条ですけれども、第1条もそうかな。非常にやっぱり抽象的なのですね。動物愛護という、こういう法律に、平和の情操涵養をうたっているところはどの法律見てもないんですよね。この基本的なやっぱり考え方というのは、この法律が動物愛護という具体的な事実を通してこの法律が求めているものというのは何かということを一つ示しているのではないかなという気がするのですね。

 それからもう一つ、抽象的にならざるを得ないという部分なのですけれども、先ほどご紹介したクッツェーの「動物のいのち」でも、哲学者もだめ、科学者もだめなら、今、本当に動物と対峙した基本的な摂理を示せるのは文学者じゃないか、詩人ではないかとか言っているのですけれども、要するにそのこと事態が、やはり西洋文明が今まで持ってきた合理主義的な、西洋文明の陥っている、現在の欠陥の中で噴出してきた一つの大きな結果だろうと思うのですけれども、それを是正するためにはどうしたらいいかってあっちいったりこっちいったりすると思うんですけれども、動物に対する私たちの考え方、あるいは対峙の仕方というのもおそらくその一つのあらわれなので、僕は具体的に兵藤先生や前島先生がおっしゃった、具体的でなければ実際には行政あるいは自治体の運動の中で展開できないというはそのとおりだと思うのですね。その意味で冒頭に申し上げたように、動物の管理というものと、合意形成という二つのことをここに一緒に置くという作業をされたのは非常に賢明で、これはこの法律に非常に合致した構成になっているのではないかなというふうに私は思っております。

【林部会長】 はいどうぞ、信國委員。

【信國委員】 私自身、余り動物の愛護というようなことについて深いバックグラウンドのないまま申し上げるのもあれなのですけれども、表現の中でちょっと混乱しているので、あるいは私自身が間違っているのかもしれませんけれども、動物の愛護の下から二つ目の段落のところで、時としてその命を犠牲にしなければ生きていけない存在である云々ということで、語尾が最後のところが「厳粛に受け止める対応が必要となる場合もある」と入っているのですけれども、むしろ場合じゃなくて、常にそれはそういう考え方が必要なのではないかと。したがって、その次の段落のつなぎが、厳粛に受け止める態度が必要といえば、ここはむしろ「だからといって」じゃなくて、したがって、だからこそ、その人を動物の圧倒的な優位者として捉えたり、動物の命を軽視したりしてはいけないのだとつないだ方が何かわかりやすいのではないか。

 それからもう一つは、ここで「やみくもに動物を利用したり」というのはちょっとイメージとしてどういうものなのかわからないので、あるいはこれは既に全体としてそういうふうに厳粛に受けとめるというようなことを言えば、やみくもに動物を利用したりという話は必ずしもここは入れなくていいのでないかな。私の見方と理解はその方がわかりやすいなと思ったところでございます。

【林部会長】 ありがとうございます。いいご意見をいただきましたので、ぜひこれは次会までにこの文章を磨き上げるということも、改善が必要でありますので、ぜひご意見をいただければというふうに思います。これはいろいろな形で事務局の方にいただければいいですね。

【東海林動物愛護管理室長】 ご指摘を踏まえまして精査、フラッシュアップをしていきたいと思います。あと実はご説明の中でもちょっと触れさせていただいたのですが、愛護の中で「山川草木悉有仏性」というキーワードを使わせていただきました。ちょっと実は時間切れもありまして、この言葉で追い出すのがご理解いただくのが一番早いのではないかなとちょっと思って使わせていただいたのですけれども、ある一方ではちょっと日本的な伝統に固執し過ぎるところがあるのではないか。あるいは場合によってはアニミズムにまで戻って、ちょっと回顧主義的なところが強くなり過ぎじゃないかというご批判もいろいろな論議でございます。そういった意味では、例えば生命共同体というようなものの考え方ですとか、それは例えば環境倫理学の世界で言えばガイヤ仮説にもつながり、宇宙船地球号という考え方にもまた相通じるものがあるというところかなと思っているのですけれども、ある意味仏教用語ですので、これを使うことによるちょっとまた間違ったイメージの流布というものも考えられますので、この辺も含めてもう少し精査をさせていただきたいなというふうに考えております。

【林部会長】 それでは、ここの分はもう終わりにして次に進んでもよろしいでしょうか。

 それでは、残りの二つであります。Ⅱの今後の施策展開の方向及びⅢの動物愛護管理推進計画の策定に関する事項について、事務局より説明いただきます。

【事務局】 それでは続きましてⅡ、今後の施策展開の方向、Ⅲ、動物愛護管理推進計画の策定に関する事項を続いて説明をさせていただきます。

 6ページをお開けください。6ページから8ページまで項目を述べさせていただいております。ここについては項目を簡単に述べることにいたしまして、26ページ以降の参考資料の方の説明に移らせていただきます。

 まずⅡの今後の施策展開の方向でございますが、1、基本的視点としまして、(4)までお示ししてございます。(1)国民的な動物愛護管理活動の盛り上げ。(2)長期的視点からの総合的・体系的アプローチ。(3)関係者間の協働関係の構築。(4)施策の実行を支える基盤の整備でございます。詳しくはまた後ほど参考資料を見ていただきながらご説明をさせていただきます。

 続きまして、2、施策別の取組としまして、括弧としましては10までお示ししてございます。まず(1)普及啓発。続いて7ページにお移りいただきまして、(2)適正飼養の推進による動物の健康と安全の確保。(3)動物による咬傷事故や迷惑問題の防止。続いて8ページをお開けいただきまして、(4)所有者明示(固体識別)措置の推進でございます。続きまして、(5)動物取扱業の適正化。(6)実験動物の取扱いの適正化。(7)産業動物の取扱いの適正化。続いて9ページをお開けいただきまして、(8)災害時対策。(9)人材育成。(10)調査研究の推進。それぞれ今までのところ現状と課題及び構ずべき施策として整理をさせていただいてございます。これもまた後ほどご説明をさせていただきます。

 続いて10ページをお開けください。3でございますが、点検及び見直しとしまして、毎年度の基本の点検と、おおむね5年目に当たる24年度を目途として見直しをするということをお示ししております。

 続きましてⅢ、11ページをお開けください。

 Ⅲ、動物愛護管理推進計画の策定に関する事項。これにつきましては5項目で、括弧としましてはさらに枝葉でつけておりますけれども、1、計画策定の目的。2、計画期間。3、対象地域。4、計画の記載項目。5、策定及び実行。策定及び実行としまして5項目を挙げさせていただいております。(1)多様な意見の集約及び合意形成の確保。(2)関係地方公共団体との協議。続いて12ページをお開けください。(3)計画の公表等。(4)実施計画の作成。(5)点検及び見直しでございます。

 では詳細につきましてご説明をさせていただきます。25ページをお開けください。

 Ⅱ、今後の施策展開の方向でございますが、1、基本的視点としまして、(1)国民的な動物愛護管理活動の盛り上げ。この四角の中は今読み上げました内容と同じでございまして、さらにその後にご参考となるべき資料をおつけしてございますので、参考資料についても若干説明を加えていきたいと思います。

 (1)国民的な動物愛護管理活動の盛り上げ。国民の共通理解の形成が重要。しかし、これまでは共通理解が不十分で参加者層が限定的であった嫌いがございます。そこで今後は多くの国民の共感を呼び、自主的な参加を幅広く促すことが必要ということでございます。

 続いて(2)でございますが、長期的視点からの総合的・体系的なアプローチでございます。対象動物や分野が広く、様々な実施主体が施策を実施又は関与しております。そのため、ライフスタイルや価値観等のあり方に深く関わるものでありまして、因果関係が複雑で施策の効果等もすぐには現れにくい問題が非常に多くなっております。このため、長期的視点に立って、総合的・体系的に各種施策が取り込まれるようにしていくことが必要でございます。

 (3)関係者間の協働関係の構築としまして、施策を円滑かつ効果的に進めるためには、関係行政機関、獣医師会、業界団体、愛護団体、調査研究機関等の協働体制、協力をして働くという意味の協働関係の構築が肝要でございます。なお、関係者間の共通認識の形成を容易にするため、できる限り定量的・客観的な目標等を設定することも必要と考えてございます。

 (4)施策の実行を支える基盤の整備。主として次の措置が必要と考えております。まず、関係行政機関の予算措置と組織体制の充実。動物愛護管理センター等、自治体の組織の拡充。動物愛護推進員の委嘱の推進。動物愛護団体及び業界団体等の育成支援。調査研究の推進等による知見の拡充でございます。

 続きまして、参考として資料をお付けしてございます。

 まずこれらの参考資料につきましては、動物愛護管理のあり方検討会でもお示しした資料でございますが、あとで説明をさせていただきます。

 動物愛護管理行政の概要でございますが、26ページをお開けください。動物愛護管理行政を担っておりますのは、国と地方公共団体になります。国の方は、私ども環境省自然環境局総務課動物愛護管理室でございまして、基本的には施策の策定、各種ガイドライン、基準の策定、普及啓発の実施。あとは地方公共団体への取り組みへの支援を主な仕事としていまして、予算規模は平成18年度で約1億2,000万円をお認めいただいております。

 また、地方公共団体としましては、組織としましては、都道府県・政令指定都市、中核市の95自治体等でございます。ただ担当部局のほとんどは公衆衛生部局となっておりまして、担当部課の動物愛護部局というところはほとんどございません。

 業務の内容としましては、普及啓発事業の実施、動物取扱業規制の実施、特定動物の飼養に係る規制の実施、多頭飼育に関する迷惑問題等の勧告。あとは先ほどもお話が出ておりましたけれども、犬及びねこの引き取り業務、愛護推進員の委嘱としまして、ちょっと古い資料になりますが、平成15年度予算規模として1自治体当たり平均4,200万円でございます。

 続きまして次のページをお開けください。施策別の取組としまして、(1)普及啓発の分野でございます。

 ①現状と課題でございますが、関係行政機関等によって普及啓発事業が行われてきておりますけれども、動物の愛護管理に関する国民の理解は十分とはいえない状況が続いております。今後は、関係者の連携協力の下、さまざまな機会をとらえた教育活動や広報活動に取り組むことが必要と考えられます。なお、特に子どもが心豊かに育っていくうえにおいて、動物との触れ合いや動物の適正な飼養の経験が必要ではないかということでございます。

 講ずべき施策としましては、関係行政機関による普及啓発事業の実施ですとか、学校、地域、家庭等における教育活動、広報活動の実施が必要かと考えております。

 続きまして参考の資料でございますが、これは平成15年7月の世論調査の報告でございますが、動物愛護管理の法律自体、そういう法律があることを知らなかったという方が46.8%、約半数の方が法律自体の存在を知らないという状況でございました。

 続いて28ページをお開けください。動物愛護週間行事でございます。中央行事、毎年行っております。また地方行事につきましても、全国98自治体中90%、88の自治体が動物愛護管理の週間行事を実施していただいております。また、行政機関による普及啓発事業としましては、国の方が先ほど申し上げましたマニュアルの策定ですとか、講習会の実施。地方公共団体の例としましては、適正飼養、繁殖制限に関する地域における指導や、しつけ方教室、マナーキャンペーン、あるいは学校における動物愛護教育、高齢者宅を訪問する動物ふれあい活動事業や出張ミニ講習会、そういったもので各種普及啓発を図っていたただいているところでございます。

 続いて29ページをお開けください。(2)適正飼養の推進による動物の健康と安全の確保でございます。

 ①現状と課題でございますが、国民の3分の1が動物の飼養をし、また犬やねこの飼養数は約2,500万頭に増加しております。ただ一部では動物の遺棄や虐待等の問題が引き続き発生してございます。犬やねこの引取りに関しましては、従前に比べまして大幅に減少しておりますが、絶対数は年間約42万匹にのぼっておりまして、さらなる改善が必要ではないかということでございます。

 構ずべき施策としましては、やはり基本となります終生飼養の推進。引取り数の減少。これは一方では殺処分の減少にもなりますけれども、このようなこと、あるいは遺棄、虐待の防止、みだりな繁殖を防止するための不妊去勢措置の推進が必要でないかということでございます。

 29ページの下の表は家庭動物の飼養状況をお示しした表でございまして、やはり犬が62.4%で非常に高くなってございます。ただ一方、鳥類の飼育の人数は83年以降減少傾向にございます。家庭動物の飼養の有無としまして、先ほど申し上げました約3分の1ずつ、好きで飼っている32%、好きだが飼っていない33%、嫌いで飼っていない28%という構造になってございます。

 続いて30ページをお開けください。30ページ、これは推計値でございますが、我が国における動物の飼養数をお示ししたものでございます。また、遺棄、虐待の数が減っていないということでございますが、動物愛護管理法の違反件数等、検察統計年報の方で示されている数字としましては、平成16年で通常受理が27件、そのうち起訴されたのが8件、不起訴になりましたのが21件でございます。

 続いて31ページをお開けください。犬及びねこの引取り数の現状でございます。

 平成16年度の引取り数約42万頭でございますが、殺処分率は約94%でございます。上の方のグラフを見ていただければと思いますが、犬の引取り数は昭和49年から比べますと非常に落ちてきておりますが、ねこの引取り数というのはそんなに横ばい、または若干減少傾向ではありますが、横ばいの傾向が続いてございます。殺処分率、下の方の表でございますが、これは49年から着実に減少してきてございます。これは各自治体の再飼養の推進、次の飼い主さんにお渡しするというような取り組みが功を奏してきているものと考えております。

 続いて32ページをお開けください。前回の会議でも話題になってございましたけれども、引き取られた犬とねこの年齢の構成が違うというお話でございます。東京都、愛媛県、青森県、これは地域差があるということをお示しするためにお示ししている部分でございますが、東京都においては、犬の場合は成犬が97%でございますが、ねこの場合は子ねこが93%と逆転をしております。愛媛県の方は成犬が77%、子ねこが76%、それぞれの傾向が若干和らいでいるというか、そんなに激しい傾向ではなくなってきつつあります。また青森県にいたりましては成犬が53%、子犬が47%、ねこにいたりましては成ねこが44%、子ねこが56%、およそ半々の引取りということになってございます。

 33ページには、こちらは平成14年度の東京都の調査の結果でございます。ご注目いただきたいのは、計のところのねこのところの子ねこ、ねこの一番下の子ねこを見ていただければと思いますが、引取りの中、拾得者から来た子ねこというものが8,436、つまり拾ってきたよということで小さな子ねこが引き取られるということが多くなったとされます。

 続いて34ページをお開けください。34ページは不妊・去勢手術の実施状況についてお示ししたものでございます。これは15年の世論調査の結果でございます。犬につきましては70.2%と非常に高くなっておりますが、ねこについては25.3%ということで、伸びてはおりますけれども、まだよくないという形でございます。失礼しました、犬が25.3%、ねこが70.2%でございます。失礼いたしました。犬の場合、係留をしているということで、下の方を見ていただければと思いますけれども、去勢・不妊手術をしていない理由の中に、手術する必要がないと考えるから、これが犬が69.1%、ねこが43.2%でございますが、このように考える方が多いためと考えられます。

 続きまして35ページをお開けください。こちらの方には不妊、去勢措置のメリットとデメリット、犬の場合でございますが、このようにお示ししてございます。

 続きまして下の方ですけれども、地方公共団体による支援措置がなされている自治体さんがおありです。犬の場合、ねこの場合、不妊手術と去勢手術それぞれ金額が違いますけれども、最低1,050円から最高2万円まで助成ということが行われている自治体さんがおありでございます。

 続いて36ページをお開けください。(3)動物による咬傷事故や迷惑問題の防止でございますが、①現状と課題でございます。動物の不適切な飼養に起因して、危害及び迷惑問題が依然として発生してございます。この問題は、感情的対立を誘発しやすい相隣関係的紛争としての性格を有していることもあるので、行政主導による何らかのルールづくり等が期待されているところでございます。また特定動物につきましては、危害等が生じるおそれが高いということから、ことし6月1日より全国一律の飼養許可制度とされております。

 講ずべき施策としましては、集合住宅でのペットの飼養、地域ねこの適正管理等に係るガイドライン整備。また犬の場合は係留飼い。ねこの場合、犬の場合、室内飼いの推進。また、みだりな繁殖を防止するための不妊去勢手術の推進。あとは特定動物の飼養許可制度の周知徹底ですとか、あるいは特定動物の選定基準自体のあり方の検討が必要ではないかということでございます。

 あと下の部分には犬による咬傷事故の発生件数をお示ししてございます。平成6年から咬傷事故数については横ばいが続いてございます。

 続いて37ページをお開けください。こちらの方には東京都・横浜市・大阪市・神戸市のそれぞれの自治体に寄せられた苦情等を分析していただいた結果でございます。最も多いのが放し飼い等に関する苦情で26.8%、続いてふん尿等の苦情20.8%、鳴き声等の苦情5%という形になってございます。

 また、近所への苦情の経験でございます。犬でございますが、苦情、迷惑を考えているけれども、苦情を言ったことはないが言いたいという方が81%ということになりまして、そういった苦情がないからといって問題が起こっていないということではないということをお示ししているかと思います。

 続いて38ページをお開けください。犬及びねこの室内飼いの割合でございますが、室内飼い、かなりちょっとずつですが、平成13年から15年に至りまして増えてきております。それに関連して、ほとんど外で飼われているというものがだんだん減ってきております。特にその傾向として大きいのは、ねこの室内飼いというのが65%に増えてきてございます。

 室内飼いのメリットとしましては、交通事故に遭わない。ほかの動物との喧嘩をしないということをはじめまして、このようなことが挙げられております。

 続いて39ページをお開けください。いわゆる地域ねこ活動をご紹介した部分でございます。いわゆるノラねこ、特定の飼い主がなく、公園や市街地等に住みつき、人から餌をもらったり、ごみをあさるなどして生活をしているねこを適正に飼養管理するために、地域の人の合意と協力のもとで共同飼養する活動のことと言われております。非常に有名なところとしましては、磯子区における地域ねこの活動が有名でございますので、こちらの方にお示ししてございます。

 こちらの方は次の40ページをお開けいただければと思いますけれども、基本的にはそれぞれのルールが完備をされているようでございますが、行政、磯子区のかかわり方としましては、コーディネーターとしての役割を果たすということで、ガイドラインを作成して提示したり、あるいは何らかの助言をしたりということでお聞きしております。ただ、金銭的な支援の措置はなされてないようでございます。

 続きまして41ページをお開けください。特定動物の飼養許可数をお示ししたものでございます。こちら平成16年の数字でございますが、哺乳類が9,000頭、鳥類が86羽、爬虫類としまして3万1,222でございますが、このうち2万8,000匹がマムシへの食料等の許可になってございます。

 特定動物のリストをこちらの方にお付けしてございますが、今年の6月1日以降、特定動物の中から特定外来生物、タイワンザル、カニクイザル、アカゲザル、かみつきガメ、タイワンハブについては除外されることになります。

 続いて42ページをお開けください。所有者明示(固体識別)措置の推進でございます。

 ①現状と課題。犬又はねこの所有者明示の措置率、約25%にとどまっております。また、その必要性に対する理解も高いとは言えない状況でございます。

 講ずべき施策としましては、所有者明示措置の必要性に関する意識啓発。また、マイクロチップ等の所有明示手段の普及のための基盤整備、例えばリーダーの配備、行政機関におけるリーダーの配備ですとか、埋め込み技術の普及、これは主に開業の獣医さん、あるいは動物病院の獣医さんになろうかと思いますが、また公的機関によるデータの一元的検索体制の整備などが考えられております。

 参考資料でございますけれども、所有者明示措置の実施状況としまして、犬については明示していないが66%、ねこについては明示していない81%ということで、措置率約25%というような状況でございます。いずれも15年の世論調査でございます。

 次の43ページをお開けください。所有者明示の方法としましては、今も15年当初もやはり主体が首輪になってございます。所有者明示をしていない理由としましては、明示する必要がないと考えるからと考えられる方が7割を超えていらっしゃいました。そんなわけで今回、動物の所有者明示につきましては、環境大臣によるガイドラインを考えているわけでございます。

 44ページをお開けください。こちらの方には首輪からDNA鑑定まで、主な所有者明示措置をお示ししてございます。

 45ページには具体的なマイクロチップの説明をさせていただいております。既に皆様ご承知かと思いますが、大きさは直径2ミリ、全長11から13ミリの円筒形、生体適合ガラスで覆われているアンテナとICチップを内蔵する小さなものでございます。仕組みとしましては、中に電池を持っているわけではございませんで、読み取り機から発信される電波を受けてマイクロチップ内のコイルに電力を発生させ、15桁の番号をリーダーで読み取るというものでございます。方法としましては埋め込み型のものでございます。規格でございます、これはいろいろな方からお問い合わせをいただくのですけれども、ISO準拠であれば、ISO準拠のマイクロチップとリーダーであれば、生産メーカーが異なっていても共通に使用することが可能となっておりまして、特定動物のマイクロチップとして、このISO準拠のものというふうに指定させていただいております。

 続きまして46ページをお開けください。

 これは一例でございますが、マイクロチップを埋めた犬の固体登録のシステムがどのような流れなのかというものを模式的にお示ししたものでございます。

 ご家庭で飼われている犬またはねこの場合、これは犬の場合でございますが、ペット病院でマイクロチップを埋め込んでいただき、なおかつ一定程度のところにマイクロチップの番号を登録していただきますと、例えば迷子になったりした場合に、その動物を動物愛護センターやペット病院等でマイクロチップの番号を読み取りまして、データベース検索をすることによりまして飼い主が速やかに判明するものというものでございます。判明した場合にはもちろん飼い主さんのもとに戻りますし、飼い主さんが不明なものについては新たなもらい手の再譲渡をされるか、あるいは安楽死させる処分という形になります。

 続いて47ページをお開けください。(5)動物取扱業の適正化でございます。

 ①現状と課題でございますが、ことし6月から施行されるもの、改正法によりまして、届出制から登録制に移行いたします。動物取扱業のより一層の適正化を図るために、この登録措置の着実な運用を図る必要がございます。そのために講ずべき施策としましては、登録措置の周知徹底。優良業者の育成策の推進。また、幼齢な犬及びねこの販売制限のあり方の検討、審議会でもご審議いただいてご意見をちょうだいしておりますが、このようなことが今後講ずべき施策と考えております。

 次の資料でございますけれども、動物取扱業の届出数、平成16年で施設総数1万7,671でございます。そのうち販売業が1万3,279と半分以上になってございます。

 続いて48ページをお開けください。

 48ページにはご審議をいただきました法改正等により盛り込まれた動物取扱業の適正化措置について、簡単ですが項目をお挙げしてございます。

 まず(1)としましては、「登録制」の導入。(2)としまして、「動物取扱責任者」の選任と研修の義務付け。(3)としまして、動物取扱業の範囲の見直し。(4)としまして、生活環境の保全上の支障の防止としまして、動物取扱業の遵守基準の中にこのような内容が盛り込まれております。(5)販売時における事前の説明、あるいは動物の状態確認措置の導入。(6)としまして、幼齢動物の販売制限。(7)としまして、これは確実に実施していただくための仕入れ・販売記録台帳の保管、あるいは違法な取引きの制限の措置が記述されております。

 続いて49ページをお開けください。実験動物の取扱いの適正化でございます。

 現状と課題でございますが、今回の法改正で「3Rの原則」が明確に位置づけられ、また先般、4月28日付で「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」が策定されましたから、こちらの周知徹底が必要でございます。そのため講ずべき施策としましては、各研究機関における委員会等の設置。あるいは詳細な指針策定等による基準の周知徹底が必要でございます。また関係団体等との連携によります周知の効果的かつ効率的な周知体制の整備でございます。また、基準の遵守状況の定期的把握も必要かと考えております。

 日本学術会議のご提言の資料をお示ししてございますが、日本学術会議から16年の7月に出された提言でございますが、実験をする当事者自身による基準の遵守、セルフコントロールの徹底を図る方策が必要として、統一ガイドラインの策定、あるいは第3者評価システムの構築等の必要性が言及されておりまして、これに向けて動いているという状況になってございます。

 また50ページをお開けください。こちらの方はこの会議の方でも何度も見ていただいていた資料でございますが、動物実験の関係行政、左側、右側の動物愛護管理行政、実験動物の福祉の向上を図るというのが動物愛護管理行政でございまして、これについては直接動物実験の下の方にあります動物実験の施設に直接関与するというよりも、飼養保管基準の遵守等の協力依頼を動物実験の関係行政を担当される部局の方に依頼をいたしまして、動物実験の適正化とあわせて遵守していただくというような施策の模式図でございます。

 続きまして51ページには、実験動物の販売数。また各研究分野で主に飼養される実験動物をお示ししてございます。

 続きまして52ページをお開けください。これは平成17年8月に、私どもの方が文部科学省さんのご協力をいただきながら行ったアンケートの結果でございますが、ガイドラインの策定、あるいは動物倫理委員会の設置につきましては、いいえと答えているところが19.1%、14.2%、それぞれ存在しておりました。

 53ページをお開けください。そもそも動物愛護管理法、あるいは基準または指針についてご存じですかというお話ですが、全員知っているという施設が約半数にとどまってございます。ですので、この周知の度合いを進めていくことが必要かと考えてございます。

 続きまして54ページ、(7)産業動物の取扱いの適正化でございます。

 ①現状と課題。生産者及び消費者の双方の側において、関心や理解が全般に低い状況が見受けられます。欧米諸国の動きを見つつも、我が国固有の歴史文化や国民性等を踏まえた産業動物の愛護のあり方を検討し、その普及啓発を進めていく必要があるのではないかというところでございます。

 そのため講ずべき施策としましては、産業動物の愛護のあり方の検討や、産業動物に係る愛護の必要性に対する普及啓発、こちらは消費者、生産者双方でございますが、必要なのではないかということでございます。

 この54ページには家畜福祉に関する意識のアンケートの調査をお付けしてございます。

 また55ページには産業動物の飼養状況について概数をお示ししてございます。

 続きまして56ページをお開けください。こちらはすみません、項目が下になっておりますが、災害時対策でございます。現状と課題。地震等の緊急災害の発生時には、被災動物の救護及び動物による人への危害防止措置が実施されてきているところでございます。今後とも引き続き、これらの措置が関係機関等の連携協力の下に迅速に行われるようにするための体制を、平時から確保しておく必要があると考えております。そのため講ずべき措置としましては、地域防災計画における動物の災害時の対策についての位置づけの明確化と、また飼い主に対する普及啓発が必要ではないかと考えております。

 この下の方に災害時の動物救護活動の事例としまして、阪神淡路大震災、有珠山噴火災害、三宅島噴火災害、新潟の中越地震のときの状況、対応についてお示ししてございます。

 続きまして57ページをお開けください。上の図示は、災害時等における動物救護に関する各連携体制を模式図的にお示ししたものでございます。

 今後の課題としましては、まず救護体制、同行避難、固体識別、不妊去勢手術やワクチン接種等の問題が課題等として挙げられてございます。

 続いて58ページをお開けください。こちらについては(9)の人材育成についてお示ししたものでございます。

 現状と課題としまして、課題によっては、民間の有識者等の協力が効果的な場合もございます。このため、動物愛護管理推進員等の人材の育成等を推進していく必要があると考えております。

 ②としまして、講ずべき措置でございますが、全自治体における協議会の設置、あるいは動物愛護推進員の委嘱が必要ではないかと考えております。また、官民の連携事業の実施が望まれるところでございます。

 以下のところ、動物愛護推進員の委嘱状況についてお示ししてございます。

 ちょっと古いのですけれども、15年度末現在で95自治体中21の自治体で委嘱されている現状でございました。委嘱が進まない理由としましては、行政と推進員の役割分担がよくわからないと、あるいは行政における人員確保が困難ということが挙げられてございました。

 続いて59ページには、動物愛護団体等の概要としまして、16年の5月にアンケートを行った結果をお示ししてございます。有効回答数78%ですが、活動内容としましては、適正な飼養・保管の普及や不妊去勢について取り組まれている愛護団体の方が多ございました。

 続いて60ページをお開けください。主に連携している主体・組織をお示ししておりますけれども、自治体と何らかの連携を求めている団体が8割弱。今後も連携したいというものも含めますと8割弱になっております。また、下の方には、自治体における動物愛護管理行政を担当する職員の数をお示ししてございますが、いずれにしましても、動物愛護管理法、狂犬病予防法、あるいはその他の法令を兼務している方が非常に多うございまして、ほとんどの方がそうでございます。獣医師を主体とした動物関係学校を卒業した方が担当職員として各自治体で実際の業務を行っていらっしゃいます。

 続いて61ページをお開けください。(10)調査研究の推進でございます。

 現状と課題。学際的で多数の学会等にまたがっているため、知見等が体系的に整備されていない現状がございます。多くの国民の共感を呼び、自主的な参加を幅広く促すことができる動物愛護管理施策を進めるためには、科学的な知見等に基づいた施策展開も重要と考えております。そのため講ずべき施策としましては、行政機関と調査研究機関との連携体制の整備、あるいはインベントリー、目録の作成が必要ではないかと考えております。

 続いて62ページ、点検及び見直しでございますが、動物愛護管理基本指針でございますが、毎年度指針の達成状況を点検し、その結果を施策に反映する必要があると考えてございます。また、施策の概ね5年目に当たる平成24年を目途として見直しをするということを考えてございます。目標年次は10年計画ということで平成29年度になります。

 続いて63ページをお開けください。Ⅲ、動物愛護管理基本計画の策定に関する事項でございます。

 1、計画策定の目的。中長期的な目標設定等による計画的かつ統一的な施策の遂行が必要でございます。

 2、計画期間としましては、原則として平成20年4月1日から平成30年3月31日までの10カ年計画です。ただ、その前に計画を策定し、計画を開始することも考えられると考えております。

 3、対象地域でございますが、これは当該都道府県の地域。

 4、計画の記載の項目でございますが、法定されている項目の他、地域の実情に応じた記載事項の追加、それらの構成のあり方等の検討が必要かと考えております。

 法定されている項目は下の方にお示ししてございます。

 5、策定及び実行としまして、(1)多様な意見の集約及び合意形成の確保。検討会の設置等による、多様な意見、情報、専門的知識を把握することが必要でございます。またパブリックコメント等の実施によりまして、透明性も向上し、また合意形成を確保するという点がございます。

 (2)関係地方公共団体との協議が必要ではないかと考えております。関係市町村の意見聴取でございます。

 続きまして64ページをお開けください。(3)計画の公表等としまして、公報等によります公表や、あるいは環境大臣への報告を内容としたいと考えております。

 また(4)実施計画の作成としまして、必要に応じて年間計画の策定も必要ではないかと考えております。

 (5)点検及び見直し。計画につきましても毎年度達成状況を点検し、その結果を施策に反映する必要があると考えてございます。また、基本指針の改定等にあわせまして、計画につきましても必要な見直しを実施していただくというものでございます。

 この動物愛護管理推進計画の策定に関する事項につきましては、この骨子案については具体的な数値目標については言及してございません。ただ明記できるところは明記していきたいというふうに考えてございまして、現在事務局の方でまとめをしているところでございます。本日は数値目標を策定すべき項目ですとか、数値設定の考え方につきましてもご意見をちょうだいできればと考えております。

 以上でございます。

【林部会長】 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に何かご意見、ご質問ありませんか。かなり膨大な内容ですので、どこからでも。

【丸山委員】 よろしいですか。

【林部会長】 どうぞ、丸山委員。

【丸山委員】 動物管理行政の概要のところ、25ページから26ページのところなのですが、先ほどからお話がありましたように、今後その管理のところというのが非常に大事になってきます。具体的にどう進めていくかというところで、その各地方公共団体がどういうふうにこれをしていくかという部分が非常に大きなポイントになってくるというふうに私は認識しております。

 そこで、この26ページにある地方公共団体の組織というのが書いてある施策ですが、実際に地方公共団体ではどういう組織がこれを担って、これは動物管理センターとかそういうところが中心にはなってくるし、それを統括する本局のところにそういう係があるのでしょうけれども、こういう組織というものが実際にどういうふうに充実されてきているのか。その現状をちょっとお知らせいただきたい。ここに地方公共団体の公衆衛生部局となっておりますが、いろいろな組織の名前の改正ということで、だんだん公衆衛生というそのものの部局がなくなってきているのですが、そのあたりちょっと組織の改定とか、改変とかというと、この動物愛護行政、管理行政がどのように実際展開して、将来どういうふうな見通しがあるのかというあたり、わかる範囲内で教えていただきたいんですが。

【東海林動物愛護管理室長】 実はこの調査の以前に網羅的に調べたものがなかなかない状況でして、形骸的な変化というのはちょっと見にくいというような状況にございます。ただし、現在どういう組織が動物愛護管理行政を自治体において担当しているかと言いますと、お手元にございますこちらの業務規定の399ページに一覧がございますけれども、基本的に食肉衛生ですとか、狂犬病予防法を行政で行っているところとほぼ100%といいますか、99%と言っていいほどのところが重なっているというところでございます。ただ、一つだけ違うところがございまして、北海道庁さんは自然保護課、つまり自然公園行政、あるいは野生動物行政をやる課の中で一元的に動物行政の一元化ということで、動物愛護管理行政もやっているというふうに聞いております。あと大阪府の方でもそういう方向性を模索しているというように聞いているところでございます。

 今日の資料の60ページに自治体における行政担当者の職員の数が書いてございますけれども、都道府県で言いますと大体平均して39名ぐらいでうち半分が獣医師さん、あるいは畜産関係を卒業された方というようになっております。どちらかというと人数的には、これ感覚的なものなのですが、決して増えているというようなところは余りないようなところもあるようでして、昔と比べて狂犬病関係、あるいは食肉衛生関係の需要が、昨今のBSEとか突発的な事故はありますけれども、全体的な流れから言えば、そちらの方の行政需要というのは少し低下、あるいは様変わりを見せている中で、その人員を動物愛護管理の方に振り分けていただいているという流れになっております。

【林部会長】 よろしいでしょうか。ほかにございますでしょうか。はい、どうぞ。

【奥澤委員】 今回、要点だけ示されて次回に素案をということで、素案作成に向けて2点ほどちょっとお願いがございます。

 一つは、今もちょっとお話が出ていましたが、関係行政機関、あるいは関係行政機関等ということが随所に盛り込まれているのですが、前回のヒアリングの中でも、いわゆる都道府県、中核市が一義的には想定されるのですが、それ以上にというか、それとともに、いわゆる基礎的自治体、区市町村等の役割が非常に大きいのだというお話もあったと思います。推進計画を立てる中でも、この11ページのところにありますように、関係地方公共団体との協議ということで、市町村等の意見聴取という、こういうことも掲げられております。それから先ほど磯子区の事例も紹介されておりました。それから災害防止のところでの地域防災計画等で同行避難みたいな考え方が出ていますが、そうするとやはり一番地域に密着した避難所へ避難するに当たって、じゃあ一緒に連れていったときに、そこでかかわってくるのがやっぱり基礎的な自治体ということになってきます。法律の中では都道府県等というところと、地方公共団体と使い分けはしているのですが、どうしてもこの資料の中でも98自治体というのが都道府県を前提にとらえられていると思うのです。その部分が忘れがちになりかねない。これから動物愛護行政を進めていくためには、やはり区市町村等の協力・連携ということがどうしても不可欠ですので、この辺の関係行政機関という形でくくるのではなくて、その中に若干そのような要素も盛り込んでいただけるとありがたいなと思っております。

 それからもう1点ですが、7ページの、動物による咬傷事故や迷惑問題の防止のところに、まさに掲げられておりますが、いわゆる先ほど冒頭の基本的考え方の中で、愛護という理念とそれから動物の管理ということ、そして最後に合意形成ということを掲げられて、非常にわかりやすく基本的な考え方を述べられているのですが、ここの考え方は全般にわたってかかわる話ですが、特にこの迷惑防止のところにおきましては、ここにもありますように、感情的対立とか、相隣関係云々のところで、行政主導によるルールづくり、いわゆるルールがあれば達成できるという話ではなくて、ここの部分にもまさに特にこの分野においては合意形成というこの考え方が非常に大事なのです。これがないと幾らルールがあってもやはり根本的な改正に至っていかないというようなことも非常に現場の担当者は実感しているところだと思います。そういうことで、今日のところはこれでよく整理されたと思うのですが、次回の素案づくりの中にその辺を反映していただけたらと思っております。

【林部会長】 ありがとうございました。ほかにご意見、中川志郎委員。

【中川(志)委員】 今のご発言とも関連するのですけれども、やはり最初に議論になった愛護と管理と合意というこの三つは、今度の施策の中でどうやって基本指針をまとめて理解するかという、そういう意味では非常に重要な部分なのですね。国民の共通理解の形成が重要だと。それから共通理解が不十分で参加者層が限定的だと。まさにそのとおりなのですよね。それで今後は多くの国民に共感及び自主的な参加を幅広く促すことが重要だ。これもまさにそのとおりだと思うのですね。これがやっぱり先ほど青木先生がご指摘になったとおりなのですけれども、やはり今後の基本的な考え方、スタンスを理解していく中で、やはり愛護と管理と合意というそのつなぎというか、そういうものをやはりもう一度記載する必要があるだろうなという気がしますので、その辺については文章的にも内容的にも少し理解されることがいいのではないかというふうに思います。

 それからもう一つ、今度の法改正の中で非常に基本的なというか、改正の中で普及教育ということが非常に重視されて、その対象を学校、地域、家庭というふうに明示されているのですね。それが今度のこの内容を見る限り、特にそのことについて強調されていないのですけれども、これについてはやはり学校、地域、家庭というこの三つのものを明らかに法的に前に出した。その背景、あるいはこの法が求めているもの、そういうものをやはり指針として示すことが今後の具体的な施策をやる上では極めて重要ではないかという気がしますので、その辺にもご配慮をいただきたいなというふうに思います。

 以上二つです。

【林部会長】 はい、清水委員、どうぞ。

【清水委員】 ちょっと教えていただきたいのですが、この中で動物取扱業の適正化の中にまた例の幼齢な犬・ねこのお話が出てきますけれども、これはこの間見送られた数値目標みたいなのをもう一度考えるということができるということなのでしょうか。

【東海林動物愛護管理室長】 先般、ご答申、この審議会でいただいたわけなのですけれども、そのときの附帯意見として、引き続きその数値問題についてはこの審議会のご意見も踏まえながら検討していくということになっておりますので、今は検討を開始する時期、あるいはどういうふうに検討スケジュール、あるいは検討内容ついてはまだ検討中で、ここでつまびらかにできないのですけれども、この基本指針の策定作業のめどがつき次第、その辺についてもまたご相談させていただきたいというふうに思っております。

【清水委員】 わかりました。もう一つ、非常に小さな問題なのですけれども、「みだりな繁殖」という言葉が何回も出てくるんですが、僕の感じでは「みだらな」じゃないかという感じがするのですけれども、みだりなというので、これは法律用語になっているのですかね。みだりにだと何か動詞につく場合、みだりに何々するというのは出てくると思うのですけれども、名詞につくときはみだらなという感じがするのですけれども、何かあったら教えてください。

【林部会長】 その二つは意味が違うのでしょうね。恐らく動物の場合にはみだらなじゃなくて、みだりに、つまり繁殖家が動物に過剰な負担をかけるような繁殖行為というか、繁殖業務といいますか、これを指しているのでしょうね、恐らく。そういうことですね。ですからちょっと言葉を変えた方がいいのかもしれませんね。今、清水委員がおっしゃったように、ちょっと誤解を招くところがありますので。

 兵藤委員、どうぞ。

【兵藤委員】 幾つか感じたことを述べさせていただきます。

 ぜひ動物愛護とか福祉とかのボランティアさんの育成にどうしてもスレートがほしいということ、ここはどこでやればいいかというと、動物愛護推進員の中の教育がありますから、あるいは動物取扱業務の中にもありますし、できれば全国に事例集ということで、何で事件になったのかなんて内容が比較的わかりませんので、事例集の発表会等を環境省でやっていただくなり、どこかでボランティアさんの教育をぜひひとつ盛り込んでほしいなと。

 それから非常によくなって引取りの件数も減った、不妊手術もした、地域ねこという制度もできた、だけど苦情は減ってない、これは何なのだろうという、苦情の件数が減ってないのですね。周りの人たちの権利意識とかそういうものが強くなっているのか知らないけれども、比較的一生懸命やっている割にしては苦情件数が減ってこないという、苦情が減ってくることが一番の動物愛護に通ずるものだと思っております。

 それから、ねこの引取りの各自治体の扱いが違うということがよく感じられるのですけれども、東京都のねこの引取り、ほかの自治体のねこの引取り、ねこの引取りの所有権というのは非常にあいまいなものですから、捕獲箱をかけて、それで持ってこられると、それは所有権の問題で窃盗に当てはまるとかということで、いろいろごちゃごちゃ長い間の議論がありまして、そういうものには手をつけない方がいいだろうと。子ねこだったらそういうこともないだろうと子ねこだけ引き取るという自治体も出てきています。このあたりのしっかりした線引きをしてあげないと、自治体の中でそういう問題があったとき、どれが所有権かというので、どういうような所有権がないのかということで、ねこ全体のことを考えてあげれば、みんな放任主義でのびのびと地域で暮らさせてあげたいと実は思っているのですけれども、苦情の減らないところをみますと、虐待に通じることも当然考えられますので、そのあたりをひとつよろしくお願いします。

 それから、この間、厚木で集合住宅のあるところで、女性が家賃を払えなくて出されたあと、ねこの死体が150匹とか、ちょっと頭数ははっきりしないのですが、大変大きなものが衣装箱等に収められていたということで、これ実は動物愛護法違反なのですよね。習性もわきまえずにどんどん密室でもって産ませてしまっては殺してしまっては、冷蔵庫とかあるいは衣装ケースの中に入れているということで、新聞等報道を見ますと、これは動物愛護法に違反してないという、そういうような報道がなされているのですが、これは立派な違反の実例なのですね。このあたりがしっかりしなければ、警察も自治体も動物愛護団体も迷いに迷っている、こんな答えでいいのかというようなことで、非常にちまたでは迷った、どうなのだということで、どうもはっきりしにないというようなことがあります。

 それから、公園の管理者が非常に仏教的に動物愛護的で情緒的で非常に優しい方ですと、ねこを十分公園で餌やりのおばさんたちと仲良くしてやるのですけれども、いつまでも行政官というのはそこにとどまるわけにもいかないので、新しい行政官が来て苦情があったら当然このねこたちは移動させられますし、追っ払われますし、捕獲箱もかける例も実はあるのですけど、こういう公園のねこをきちっと守ってあげるためのルールというのでしょうか、ガイドライン等出ているところもたくさん出てきたのですけれども、まだまだあいまいなところがあります。このあたりの管理者とは何だろうかと、いつも言わせていただいているのですけれども、きちっと管理者が決まってそれが所有者だというようなところがはっきりすれば、その人にも管理責任が出ますし、あるいは管理責任ができれば地域でもってこのねこたちを生き延びさせることができるのですけれども、こんなことを実は考えていますので、これからの施策を盛り込むときに、ぜひひとつ解決の糸口になっていただければいいなということを思って発言させていただきました。

 以上です。

【林部会長】 はい、どうぞ。

【大矢委員】 実はきのう、ある県の食品衛生課の課長さんといろいろなお話をさせていただく機会がありました。この動物愛護の指針についても話になりました。現場の方では食品衛生、先ほど丸山委員からもお話がございましたように、食品衛生という立場の中で動物愛護を兼ねているということで、どこかで食中毒でもあれば全員そっちへ行ってしまって、動物愛護の仕事をやるのがおざなりになってしまうというようなことをおっしゃってらっしゃいました。それと同時に、どんなものがどういうふうに出てくるのかということがまだ全然わかってないのでということで、現場はかなり混乱しているというようなこともおっしゃってらっしゃいました。これから環境省の方でこういうものが出ていくときに、まず一番大事なのは、実際にやっていただく各地方自治体のご担当の方にどれだけご理解いただけるかということがまず一つだろうなということ。それからもう一つ、今立場上いろいろな県のそういう動物愛護のご担当の方とお話をさせていただく機会があるのですが、やはり専門職の方がなかなかいらっしゃらないということが多い。ですからできるだけ各地方自治体にお1人でもお2人でも結構ですから専門職の方をおいていただけるような方策ができないか。そのことを盛り込んでいただければなと思います。

【林部会長】 はい、どうぞ。

【菅谷委員】 何か言わなきゃ役割を果たせないのですけれども、今おっしゃったことは非常に重要なことで、いつも僕がさんざん会議で言っていましたのは、非常にいいこういった法律をつくっても先端から乖離しているのではないかということで、獣医さんも非常に少なくなりました。また市町村合併で非常に効率的な運動をしなければならないということで、機能性が要求されて、動物愛護センターが主体となってやっていると。犬の引取りだとか、そういう業務が主体となって、機能性を持ちながら愛護指導というのはかなり苦しいのではないかと思うのですね。それに上司は2、3年で動いちゃったら犬のことは任すよというような、半分放任されてしまうという、こういった実態をどうやって改善するのか。東京都みたいに、奥澤部長みたいな方がいると多いに推進できるのだけれども、どうも全体の傾向として、例えば動物愛護推進員という方からどちらかわからないというような回答が出てくるようだと非常に心配される。ですから今のご発言と同じように、もう少し自治体が一番大事なのですが、国の方ももう少し目を向けて、獣医さんがいなくなる、専門家がいない、事務員さんが担当して、事務員さんがいる状態であればいいのですけれども、そういうような自治体実体がどこの県でも減っちゃいました。ですから先端のそういう機関が非常に少なくなっている。こういう行政をやらなきゃならないなというような実態を踏まえて、どのようなPRが効果的なのかと。こういう骨子案ができなければいけないと思います。

 以上です。

【林部会長】 ありがとうございました。はい、どうぞ、大槻委員。

【大槻委員】 今まで行政のお話がいろいろ東京都の方からも出て、皆さんもいろいろご心配いただいてまさに、実態はそのとおりではないかと私も聞きながら思いながら、本当に第一線で日夜この問題を処理している人たちにとってのこの指針、いろいろ整理されている中で、あるべき論のものの見方と実態、ねこ、犬を飼っている方々のいろいろな層がいらっしゃると思うのでございますが、多分トラブルの接点というのはもっとなまやさしい現実ではなくて、これをどう始末するんだという住民の皆さんの苦情と保護、管理、きょう議論なさっているいわばものの見方を冷静に考えていらっしゃる方とのはざまに立っているのが多分第一線のうちの職員たちではないかと思っております。そんな意味で、実務者の悩み、苦情というのを、きょういろいろ理論的にずっと整理いただいておりますけれども、できるだけ早い機会にそういう会合も環境省さんでも企画いただくと思うのでございますが、とりわけ合意形成の、さっき愛護、管理、合意形成のあの最後の部分が、多分私ども千葉、いろいろな健康福祉サイドのいろいろなプランをつくるときには、ここ数年各地区にタウンミーティング方式で髄分県内を循環していろいろな意見を吸い上げた中で具体的な実施計画をつくるのが一般的になってきておりますが、千葉でも統括地区、非常に600万の県民の皆さんの約3分の2が住んでいらっしゃる地区のものの見方、考え方と、南の方の房総の皆さんとで、多分この動物愛護に対する見方も違うと思うのですね。ペット的感覚と家畜的な感覚、当然違うというのと同じように、非常にそういう意識の違いがある。そしてそれをどう今起きている日常社会との問題の中で管理という視点から整理をすると住みやすくなるのかという、いわばこれ、まちづくりの問題に底辺当然行くわけですね。議論はここでは動物の愛護管理という視点で当然専門家の皆さんに議論いただいておりますが、行政から見ると、やっぱり都市、市町村、そのまちをどういうあり方をよりいい形でつくっていくかの一こまだと思うのですね。非常に生物、生き物を愛するという根底では理念、哲学は非常に重要なことではありますが、多くの住民の皆さんが住んでいる中でどう合意形成するか。そこにやはり一番悩みが大きい問題かなと思いながら、この文章では我が国の風土、国民性という言葉で収れんしていますが、振り返ってみると、ここにいらっしゃる多くの諸先輩、日本のやはりよき風土、国民性というのを理解、私もその1人としているつもりですが、多分これから日本を築いていこうとする若い人にとって、こういう風土、国民性というのをどうとらえるか、ここでこういう言葉を使っていますが、多分ちょっと相当認識の違う意識がこの価値観の中に入っていくのではないかと思いますので、言葉で整理した後、実態をどうしていくか、私どもとしては現場の管理論をどう打ち立てていくかというのは、どちらかと言えば行政では非常に意識しますけれども、その前段である愛護の問題もひっくるめて、この合意形成のところにかなり現実的な悩みが降ってくるのではないかということを危惧しつつ、しかし総論としてはやはりこういうことをやらにゃいかんだろうと思いながら、お話をより具体的なものに今後も進めていきたいと思っております。

【林部会長】 ありがとうございました。ほかに。どうぞ、今泉委員。

【今泉委員】 私は一つ感想です。ペットを飼っている人というのは非常に勝手な人が多いのですね。自分を主張するというところが非常に多いのですね。中川先生がおっしゃられたように、まず教育が非常に大事だと思います。もうおんぶに抱っこ、管理しようとすればそっちへみんなしりを持ってくると。そういう人が大変多いですから、飼い主責任とか、それから子どもたちの教育、動物学的な教育ですね。かわいいかわいいじゃなくて、もっと科学的な動物学、生態学の教育を小さいころから与えないと、自分でたくさん飼っていて飼えなくなったと言って持ってくるわけですね。ですからその辺の基本的なところをやらないと、幾ら管理したって間に合わないだろうなという気がするのです。ですから僕は教育をもっと重要視した方がいいかなと思います。

 以上です。

【林部会長】 ありがとうございました。ほかに、どうぞ、中川委員。

【中川(季)委員】 私も今泉先生のご意見に全く賛成でして、これは本当に飼い主や動物にかかわっている人たちに、徹底的に責任を持ってもらいたいと思うのですね。ねこのミイラをいっぱいためていた女性のニュースは私も見ましたけれども、ああいう人たちが見逃されているというのは本当におかしな世の中だなと思って、またどこかへ引っ越していってやるだろうと書いてあるのですね、その週刊誌の最後のところの結論としては。それでは困るので、やっぱり一人一人がもっと厳しく、自分に対しても人に対してもそうしていただきたいと思います。

【林部会長】 ありがとうございました。大体委員の皆様からご意見いただいたんですが、どうぞ、信國委員。

【信國委員】 施策の実行を支える基盤の整備というような形で、端的に言うと関係行政機関の予算措置及び組織体制の充実。組織体制も広い意味で予算だと思うので、そういうものが今後の地方自治体のあり方の中でどのくらい期待できるのか。むしろそこはかなり対応できないものがいっぱい出てくるのではないかと。そうするとそれをでは現実にいろいろなここで盛られたことをやろうとしたときに、それをだれに頼るのかというのですが、どうしてもこういう話ですと、行政の計画ですから行政がそれなりの責任を問わなきゃいけないのだけれども、片一方で、育成すべき動物愛護団体等々と書いてあるのですけれども、ではそういうところに一定のいろいろな活動、役割を期待したときに、端的に言えば費用のかかるようなことも多々出てくる。それを社会全体としてどう支えるかというのも合意形成にもつながるのだろうと思うのですけれども、何かそういう仕組みといいましょうか、直接的な予算という形、必ずしもそういうものでない何らかの措置というのは醸成するようなものにつながるというのが必要なんじゃないか。テレビ等を見ていますと、アメリカの例では動物警察みたいなものが、あれ一体だれがどういうふうに支えているのだろうかなと、相当装備等もあるし、人も直接的に抱えているというようなことなので、何かそういう第一線で悩んでおられる人たちをどういう形で基盤を与えていくかというような視点、必ずしも盛り込めないかもしれませんけれども、かといってそれを何か予算というような形だけでぽんと片づけてしまうのも片手落ちかなという感じがいたしますが。

【林部会長】 ありがとうございます。その辺は各地方自治体といいますか、中で、先進的なところでは動物愛護推進員の活用を非常に大きく考えてもらっているところがあるのですが、今例えば東京都なんかを見ても、だれが動物愛護推進員なのかというのは結構任命されているのですけど、それすら横のつながりがないというので、早速それを取っていこうと。何か動物愛護推進員を今度は本当に指導する人たち、核になるものを将来はつくっていこうという具体的にはそういう動きなのですが、私の知る限り、ことこの問題に関しては地方自治体の差が大きいのです。やっているところはやっているのだけれど、やってないところはほとんどやってないといいますか、ただ今回のこのすぐれているところはいかなるところでも推進計画をつくらなければいけないのですが、これはもう絶対につくらなかったら法律違反になるのでしょう。だからここから変わっていくのだろうと。ただそれをつくっても全く魂のない計画をつくって、ただしかしここに書いてありますように、毎年点検すると書いてありますね。何ページかどこかにこの計画が達成されたかどうかというのを、そういう形でやっぱり行かざるを得ない。そのときに相当やっぱり専門家が必要だとかというさっきのお話もありましたけれども、そういう話なんかも絡みながら、必ずしも全体としてスムーズにはいかないでしょうけれども、おそらく日本全体で見たときにはかなりのところ底辺、底上げになるのだろうという期待はまず持っていいんじゃないかという、そのために何がしとなるかということをもっと明確にしておいた方がいいかもしれないということです。

 どうぞ。

【丸山委員】 ただいまの座長のご意見に関連してなんですが、先ほど私が組織のところをご質問したのはまさにそういうところで、ここでは非常に立派な考え方というものを出す。それはそれでこの役割ですからいいのですが、それが隅々まで行き渡らなければ何もならない。やはりそれを実際にやるのが、先ほど私も質問した管理の部分では、地方自治体の担当のところが担っていかざるを得ない。そうすると、私この63ページにある推進計画の策定に関する事項というところ、これはまだドラフトでこれから論議をしていくのだと思うんですが、やっぱりこういうところでもう少し親切に、あるいは踏み込んで、こういうふうにした方がいいとか、こういうガイドラインをつくるべきだとかということを、国の方から地方自治体の方になかなか踏み込めないというところもあるかもしれませんが、この考え方を行き渡せるということが最大の目標ですから、そうしたことをもう少し具体的に示していくということが今後必要なのではないのかなというふうに思うのです。国は国で立派なものをつくって、あとは地方自治体にやりなさいよというだけでは、ここに書いてあるだけでは何か非常に魂が入ってないような感じが、私先ほどからしてしょうがないので、そのあたりも今後十分論議をし、具体的な提案に持っていっていただきたいなというふうに思っております。

【林部会長】 ありがとうございました。

 それでは、大体今回は時間も来たようですので、この辺の論議で終わらせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、議事の2、その他というのは何かございますか。特にありませんか。

(なし)

【林部会長】 それでは、きょうの議事を終了いたしまして、次回の日程等を再度ご説明いただきたいと思います。

【東海林動物愛護管理室長】 今日はご審議いただきましてどうもありがとうございました。なかなか宿題がいっぱいのところもありまして、これ以降どうやって悩んでいけばいいのか非常に難しいところもあるのですけれども、ちょっと話が長くなって恐縮なのですが、動物愛護管理法が昭和48年に制定されて以来30数年間たちますけれども、私ども環境省としての正直な感想としましては、ようやくと最近いろいろな意味で国、あるいは自治体の中でも、あるいは愛護団体の中でも、業界団体の中でも、動物愛護管理法の精神というものが少しずつ普及し始めてきているのかなというふうに考えております。今回の法改正も契機として、またさらに環境省としても関係自治体と、あるいは愛護団体、業界団体と手を携えながら動物愛護管理の推進に向けて尽力していきたいというふうに思っている次第です。一気にというよりは、なかなか30数年もできてまだこれほどかというようなご批判を多分に受けるのですけれども、気長にというと怒られそうなのですけれども、じっくりとやらせていただきたいなというふうに考えている次第です。

 次回の日程なのですが、今日のご議論を踏まえまして素案という形でまとめさせていただきたいというふうに思っております。1カ月後になりますけれども、6月29日木曜日、また午前中で恐縮なのですが、10時から12時ということで、場所が経産省の別館の9階の会議室になってございます。そちらの方で次回の会議を開催させていただきたいと思います。

 きょうはどうもありがとうございました。

【林部会長】 それでは、本日の動物愛護部会を終了いたします。

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