中央環境審議会動物愛護部会(第13回)議事録

日時   平成17年10月13日(火)午前10時00分~午後12時05分

場所   環境省第一会議室(中央合同庁舎5号館22階)

出席者

        林   良博 部会長

        青木 人志 委員    今泉 忠明 委員

   大矢 秀臣 委員    奥澤 康司 委員

   藏内 勇夫 委員    清水   弟 委員

   菅谷   博 委員    中川 志郎 委員

   中川 李枝子 委員    信國 卓史 委員

   兵藤 哲夫 委員    丸山   務 委員

        

        南川 自然環境局長   総務課長

        東海林 動物愛護管理室長   審議官

議題

  1.   (1)動物取扱業、特定動物等に係る改正法の施行の在り方(素案)について
  2.   (2)その他

配付資料

  •   資料1 動物取扱業に関する基準等(素案)
  •   資料2 特定動物に関する基準等(素案)
  •   資料 3 動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置要領(素案)
  •   資料 4 家庭動物等の飼養及び保管に関する基準の改定素案(新旧対照表)
  •   資料 5 展示動物の飼養及び保管に関する基準の改定素案(新旧対照表)
  •   資料 6 犬及びねこの引取り並びに負傷動物の収容に関する措置要領の改定素案(新旧対照表)
  •   資料 7 委員意見等の概要

  •   参考資料1 検討スケジュール
  •   参考資料2 外来生物の適正な飼育に係る「環境大臣談話」

(平成17年9月30日)

議事

【事務局】 それでは定刻となりましたので、中央環境審議会動物愛護部会を始めたいと思います。

 まず、本日の委員の皆様のご出欠についてご報告をいたします。

 本日は、委員16名のうち12名の方が現在出席しておりまして、規定により部会は成立しております。なお、奥澤委員につきましては、交通機関の事故の関係で遅れているということでご連絡をいただいております。また、欠席されていますのは、大槻委員、前島委員、松下委員の3名の方でいらっしゃいます。
 それでは、林部会長、よろしくお願いいたします。

【林部会長】 それでは、議事に入る前に、事務局から配付資料について確認いただけますか。

【事務局】 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 まず、両面刷り全59ページの厚い冊子1部お届けしております。そのほかに資料7としまして、全8ページの薄い冊子、こちらの方2点でございます。なお、そのほかに机上に前回の資料を含む資料を基礎資料としまして用意してございますので、不足がございましたら事務局までお申しつけいただければと思います。

【林部会長】 よろしいでしょうか。それでは、議事に入ります。
 まず、議事の1、動物取扱業、特定動物等に係る改正法の施行等の在り方(素案)についてであります。資料の1から6をご覧ください。今回は、先日ご審議いただいた骨子案に沿って、事務局において6本の素案を取りまとめてもらったものでございます。この素案には、これまでのこの部会のご議論とヒアリングで関係団体から出されたご意見等を盛り込んでもらっております。ここで、今後の検討スケジュールについて改めて確認したいと思いますが、本日は素案についてご審議をいただきます。その後、国民の皆さんからの意見聴取を行います。パブリックコメントの手続きに入ります。その後、次回の部会までに、本日のご審議、またその後のパブリックコメント等を踏まえて最終案の取りまとめということになります。よろしいでしょうか。

さて、本日の議事の進め方ですけれども、検討すべき事項がたくさんありますので、大きく3つに分けてそれぞれ順番に検討を進めていきたいと思います。この3つとは、1番目が資料1、動物取扱業に関する基準等、これが一番目です。それから、2番目が資料2、特定動物に関する基準等、そして3番目が、資料3から6までを一括して、動物が自己の所有であることを明らかにするための措置要領、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準の改定、展示動物の飼養及び保管に関する基準の改定、犬及びねこの引取り並びに負傷動物の収容に関する措置要領の改定、その他の基準というふうに、大きく3つに分けてご審議いただきたいと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、最初に資料1、動物取扱業に関する基準等の素案について、事務局より説明をお願いいたします。

【動物愛護管理課長】 それでは、資料の説明をさせていただきます。

まず、資料1、動物取扱業に関する基準等ということで、3ページからごらんいただきたいと思います。それと同時に別刷りで、資料7、委員意見等の概要というものをつけてございます。こちらの方もごらんいただければというように思っております。きょうは、素案でございますので、申し訳ないのですが、ご説明の時間が多少長くなることをご容赦いただきたいと思います。

まず、最初に、これまでのご議論でどんな意見が出されたかというのを簡単に資料7でご説明させていただきまして、その後、そのご意見を踏まえて、どんな素案を事務局の方でまとめさせていただいたかという説明を順次させていただきたいというように考えてございます。

まず資料7、委員意見等の概要の方でございますけれども、ちょっと簡単に読み上げさせていただきますが、動物取扱業に関しましては、全国一律に混乱なく運用できるよう、具体性を持たせる等の配慮が必要。あるいは、基準は必要最小限の内容とすべき。また、既存の業者がかなりのコストをかけないと事業を継続できないようなものは非現実的という全般的なご意見。

それから、幼齢個体の販売につきましては、「買う側」の意識改革が必要。あるいは、文鳥などについても配慮すべき。それから、犬、ねこの幼齢個体の販売については、「8週齢」といった具体的な基準を設けるべきという意見から、「45日程度」とするべきという意見、それから、時間をかけて段階的に行うべきと、という意見が出されております。ここで△で書いてございますのは、今回の素案に盛り込むことが困難であったご意見というようにご理解いただきたいと思います。対して○をつけておりますのが、全部ではないのですが、全部から一部この素案に盛り込ませていただいたご意見ということになっております。

それから、販売時の説明ですが、販売に当たっては、何を食べるのかといったことですとか、大きさについての説明が重要、特に爬虫類については徹底させるべき。それから、動物取扱責任者に関しましては、能力要件の評価に当たっては、民間資格等も積極的に活用すべき。あるいは、研修内容には販売時の説明方法等も含めた項目も必要。それから、研修には民間によって行われている研修等の活用も検討すべきというご意見いただいております。民間の研修の活用につきましては、行政の方でこれらの内容について関与しておらないものですから、活用は難しかろうと判断させていただいております。

それから、輸送については、不適切な業者が一部にありますので、これの適正化が図られるような基準が必要です。

それから、次のページに移りますけれども、その他といたしまして、業の実施に必要な権原の所持、施設とか土地の所有権、それから、それについては慎重な検討が必要です。それから、無登録(無届出)で行っているブリーダーを排除できるような仕組みを考えるべきというご意見いただいております。それから、親の許可がないと子供が買えないような措置についても検討すべきというご意見をいただいておりますが、これは省令といいますか、基準と言うよりも、もう法令レベルの段階で考えるべき話かと思われますので、今回の素案には入れてございません。

それから、2ページ目の以下は参考としまして、ヒアリングにおきまして関係団体から寄せられた意見をリストアップしてございます。反映が困難だった意見だけ簡単にご説明させていただきますと、幼齢個体の販売につきまして、先ほどの「8週齢」ですとか具体的な基準の話がございます。それから3ページ目にいきまして、両生類、魚類、昆虫等に関しても、遺棄の禁止を顧客に伝えることを義務づけるべきとありますが、動物取扱業者の規制対象は哺乳類、鳥類、爬虫類ということが法律で決まっておりますので、これは困難であろうというふうに思われます。

それから、責任者の関係につきましては、研修の回数を1年に1回以上ではなくて、弾力的に、あるいは減らすとか、そういった運用をできるようにすべきというご意見がありましたけれども、立法過程で国会の方でご議論聞いていますと、1年に1回以上ということを想定されておりましたので、基本的には1年に1回ということにしたらどうかと考えております。それから、研修に筆記試験等を取り入れるべきというご意見もありましたけれども、今回の責任者というのは、資格制度というよりは窓口担当者という性格が強い仕組みでございますので、筆記試験等はなじまないのではないかというように考えております。

それから、登録の取消し等につきましては、類似の他法令違反、種の保存法ですとか鳥獣法ですとか、あるいは感染症を発生させた業者については登録を取り消すというようなご意見がございましたけれども、これは観点ですとか目的が違う他法令のことでございますので、基本的にはそちらの法体系の中で措置していただくべきことというように考えてございます。

それから、飼養保管方法でございますが、清掃の実施状況に関する記録保管の義務付けは不要とございますけれども、これはきちんと基準を遵守しているかどうかわかるように、こういった記録はつけていただくということが重要ではないかなというように思ってございます。

それから4ページ目、最後になりますけれども、ワシントン条約対象種等についての該当の有無を申請書に記載させるべきとございますが、これも他法令のことでございますので、そちらの方できちんとやっていただくべきことではないかなというふうに考えております。それから、「業の実施に必要な権原の所持」については削除すべきというご意見がありましたけれども、施設あるいは権原がないのに業を行うというのはいかがなものかなと思いますし、登録というように規制が強化されたわけですから、やっぱり厳格に審査すべきではないかなというふうに考えてございます。それから、乗馬業等の施設基準については、独立した基準を設けるべきという意見もございましたけれども、大分類似した内容で基本的には対応できようかなと思いますので、特に乗馬業について固有の部分については固有の基準をつくると、それを基準の中に埋め込むということで対応できるのではないかなというように考えてございます。

以上でございます。

では、資料1に戻りまして、素案の枢要な部分を、全部読み上げますとかなりの時間になりますので、ポイントを言ってもちょっと分量が多くなってしまうのですが、読み上げさせていただきたいと思います。

【事務局】 それでは3ページ、資料1、動物取扱業に関する基準等(素案)。

 第1 登録の拒否基準。

 1 動物の健康及び安全の保持その他動物の適正な取扱い関係。

  1.  (1)業の実施に係る土地及び施設に関して、業の実施に必要な権原を有していること。
  2. (2)提出された事業計画書が、第2 登録の遵守基準中に規定する基準(以下に掲げる事項に限る。)に適合していること。
     以下の参考につきましては、後ほどまた読み上げさせていただきます。
     次のページに移りまして、4ページ目、中ほどからまた読み上げをさせていただきます。
  3.  (3)事業所ごとに、1名以上の常勤の職員を当該事業所の専属の動物取扱責任者として配置するものであること。
  4.  (4)顧客と接する職員は、次に掲げる要件のいずれかに該当する者であること。ただし、いずれにも該当しない職員が、次の要件を満たす職員の立会いの下で顧客と接することを妨げない。
  1.  ①当該業に係る半年以上の実務経験があること。
  2.  ②当該業に係る知識及び技術を1年間以上教育する学校等を卒業していること。
  3.  ③公的団体又はこれに準ずる合議制の団体が試験等により客観的に審査する仕組みを設けて実施する当該業に係る知識及び技術の習得の証明を得ていること。

 2 飼養施設の構造、規模及び管理関係。

 (1)業の実施に必要な次の機能を備えた場所を確保しているものであること。

  1.  ①動物の保管。
  2.  ②動物及び器具の洗浄。
  3.  ③汚物、残さ等の廃棄物の集積。
  4.  ④動物の死体の一時的保管。
  5.  ⑤飼料の保管。
  6.  ⑥清掃用具の保管。
  7.  ⑦訓練(訓練業者に限る。)。

 (2)業の実施に必要な次の設備を備えるものであること。

  1.  ①個別保管設備。
  2.  ②必要に応じた照明設備。
  3.  ③給水設備。
  4.  ④洗浄設備。
  5.  ⑤消毒設備。
  6.  ⑥排水設備。
  7.  ⑦汚物処理設備。
  8.  ⑧飼料保管設備。
  9.  ⑨空調設備(屋外施設を除く。)。
  10.  ⑩遮光及び防風雨設備。

 (3)ケージ等の個別保管設備は、次のとおりであること。

  1.  ①人工物を使用する場合は、金属、プラスチック、コンクリート、木材等の洗浄が可能な耐水性の材質とすること。
  2.  ②床面が人工物である場合にあっては、その材質及び形状は、糞尿等の漏洩を遮断できるものとすること。
  3.  ③側面及び天井面の全部又は一部については、常時、採光及び通気が確保される構造とすること。ただし、傷病動物である等の特別な事情がある場合にあっては、この限りではない。
  4.  ④床等に確実に固定する等により、衝撃による転倒を防止するための措置が講じられているものであること。

 (4)規模及び構造が取り扱う動物の種類及び最大取扱数にかんがみ著しく適切を欠くものでないこと。

 第2 登録の遵守規準。

 1、飼養施設の規模、構造等。飼養施設の規模、構造等は次に掲げるとおりとする。

  1. (1)ケージ等の個別保管設備には、給餌給水設備を備えるとともに、糞尿処理設備を備えるか又は床敷き等の糞尿対策の措置が講じられていること。ただし、一時的に飼養又は保管をする場合等の特別な事情がある場合はこの限りではない。
  2. (2)ケージ等の個別保管設備には、動物の生態及び習性並びに飼養期間の長短に応じて、遊具、止まり木、砂場及び水浴び、休息等ができる設備を備えること。
  3. (3)動物の鳴き声等により周辺の生活環境を著しく損なう事態が発生するおそれがある場合にあっては、鳴き声が外部に伝播しにくくするための設備を備えること。
  4. (4)臭気又は動物の毛等の飛散により、飼養設備の環境又はその周辺の生活環境を著しく損なう事態が発生するおそれがある場合にあっては、臭気又は動物の毛等の飛散を軽減する空気清浄機等の設備、汚物の臭気を軽減する脱臭装置、汚物を処理する密閉容器等の設備等を備えること。
  5. (5)ねずみ、はえ、のみその他の衛生動物が発生し、又は侵入するおそれがある場合にあっては、その発生及び侵入の防止又は駆除を行うための設備を備えること。
  6. (6)業の実施に必要な各種機能を備えた場所の床面積は、業の実施に必要とされる日常的な動作を容易に行うための十分な広さ及び空間を有した規模とすること。
  7. (7)ケージ等の個別保管設備は、個々の動物が自然な姿勢で立ち上がり、横たわり、羽ばたく等の日常的な動作を容易に行うための十分な広さ及び空間を有した規模とすること。また、飼養期間が長時間にわたる場合にあっては、必要に応じて、走る、登る、泳ぐ、飛ぶなどの運動ができるように、より一層の広さ及び空間を有した規模とすること。ただし、傷病動物を飼養又は保管をする場合、一時的に保管する場合等の特別な事情がある場合にあってはこの限りではない。
  8. (8)飼養施設は、突起物、穴、くぼみ、斜面等によって、飼養する動物が傷害等を受けるおそれがないような安全な構造及び材質であること。
  9. (9)飼養施設の底面、床面、内壁、天井及び附属設備は、清掃が容易である等衛生状態の維持及び管理がしやすい構造及び材質であること。
  10. (10)飼養する動物の種類、習性、運動能力、数等に応じて、動物の逸走を防止できる構造及び強度とし、必要に応じて施錠設備を備えること。
  11. (11)異種又は複数の動物を飼養する場合には、ケージ等の個別保管設備の構造若しくは配置又は同一の個別保管設備内に入れる動物の組合せを考慮し、過度な動物間の闘争の発生を避けること。

2 飼養施設の管理。

飼養施設の管理方法は、次に掲げるとおりとする。

  1. (1)飼養施設は、定期的に清掃及び消毒を行い、衛生管理上の支障及び周辺の生活環境の保全上の支障が生じないように清潔を保つこと。
  2. (2)ケージ等の個別保管設備については、一日一回以上の清掃を行い、残さ、糞尿等は適切に処理すること。ただし、広大な自然草地等を利用した保管設備である等の特別な事情がある場合にあってはこの限りではない。
  3. (3)保管業者及び訓練業者にあっては、前号に掲げるほか、飼養する動物を搬出するたびに当該飼養施設の清掃及び消毒を行うこと。
  4. (4)飼養施設については、一日一回以上の巡回を行い、日常的な管理及び保守点検を行うこと。
  5. (5)施設の清掃、消毒及び保守点検の実施状況について記録した台帳を備え付け、5年間保管すること。

3 動物の管理。

動物の管理の方法は、次に掲げるとおりとする。

(1)動物を顧客、取引きの場所を提供する者等(以下「顧客等」という。)と接触させ、又は顧客等に譲り渡す場合にあっては、次に掲げる方法により行うこと。

  1. ①販売業者にあっては、離乳等を終えて当該動物種と同じ種類の餌を自力で食べることができるようになった個体を販売に供するものであること(哺乳類に限る。)。
  2. ②販売業者及び貸出し業者にあっては、飼養環境の変化及び輸送に対して十分な耐性が備わった個体を販売又は貸出しに供するものであること。
  3. ③販売業者及び貸出し業者にあっては、二日間以上にわたって動物の状態(下痢、嘔吐、四肢の麻痺等外見上判断できるものに限る。)を観察し、動物の健康及び安全上の問題がないことを目視によって確認できた動物を販売又は貸出しに供するものであること。
  4. ④販売業者、貸出し業者及び展示業者にあっては、顧客等が動物に接触する場合には、動物に過度なストレスがかからないよう、顧客等は危害を受けないよう、又は動物若しくは顧客等が人と動物の共通感染症にかからないよう、顧客等に対して当該動物への接触方法について指導するとともに、動物に適度な休息を与えること。
  5. ⑤販売業者にあっては、当該飼養施設における飼養中(取次ぎ又は代理を行っている場合を含む。)にワクチン接種が行われ、又は疾病等に係る獣医療が行われた動物を販売する場合には、獣医師が発行した証明書類を添付すること。また、動物の仕入先から受け取った当該証明書類がある場合には、それらも併せて添付すること。
  6. ⑥販売業者、展示業者及び貸出し業者にあっては、飼養する動物の健康を保持するため、顧客が業の実施に供する動物にみだりに食べ物を与えることができないよう必要な措置を講ずること。顧客が当該動物に食べ物を与えることを認める場合には、認められた食べ物以外のものが与えられることのないようにすること。

(2)飼養施設における飼養又は保管は、次に掲げる方法により行うこと。

  1. ①飼養施設及びケージ等の個別保管設備の外で飼養又は保管をしないこと。ただし、管理の徹底策を講じた上で一時的に当該施設等の外で飼養又は保管をする場合はこの限りでない。
  2. ②飼養又は保管をする動物の種類及び数は、施設の構造及び規模並びに職員数に見合ったものとすること。
  3. ③ケージ等の個別保管設備に入れる動物の種類及び数は、その構造及び規模に見合ったものとすること。
  4. ④動物の生理、生態等に適した温度、照明、音、通風、湿度等が確保されるように飼養環境の管理を行うこと。
  5. ⑤飼養する動物の種類、数、発育状況、健康状態及び飼養環境に応じ、適切な種類、量、回数等により給餌給水を行うこと。
  6. ⑥展示業者及び販売業者にあっては、長時間の連続展示を行う場合には、動物のストレスを軽減するため、必要に応じて展示を行わない時間を設けること。
  7. ⑦走る、登る、泳ぐ、飛ぶ等の運動が困難な個別保管設備において動物の飼養又は保管をする場合には、そのことによる動物のストレスを軽減するために、必要に応じて運動の時間を設けること。
  8. ⑧幼齢な犬、猫等の社会化期を必要とする動物については、その健全な育成及び社会化を推進するために、必要に応じて親子又は同胎動物とともに飼養すること。
  9. ⑨保管業者及び訓練業者にあっては、飼養する動物間での感染症や闘争の発生を防止するため、顧客の動物を個々に収容すること。
  10. ⑩汚物、残さ等の廃棄物及び動物の死体は、速やかに適正に処理すること。
  11. ⑪動物の鳴き声、臭気等の発生、動物の毛又は羽毛の飛散及びねずみ、はえ、のみその他の衛生動物の発生により、周辺の生活環境を著しく損なわないようにすること。特に、住宅地内に立地する場合にあっては、長時間にわたる鳴き声、深夜における鳴き声等による生活環境への影響が生じないよう、動物、飼養施設の開口部等の管理に万全を期すこと。
  12. ⑫動物が逸走しないように動物及び飼養施設の管理に必要な措置を講じるとともに、必要に応じて捕獲体制の整備、個体識別の実施等の措置を講じること。
  13. ⑬展示業者及び訓練業者にあっては、動物に演芸又は訓練をさせる場合には、動物の生理、生態、習性等に配慮し、演芸及び訓練が過酷なものとならないようにすること。
  14. ⑭貸出し業者にあっては、貸し出した動物が撮影に使用される場合には、動物本来の生態及び習性に関して一般人に誤解を与えるおそれのある形態による撮影が行われないようにすること。また、撮影等の貸出し先における利用の時間、環境等を適切なものとし、動物に過度の苦痛を与えないようにすること。
  15. ⑮一日一回以上の巡回を行い、飼養又は保管する動物の数及び状態を確認するとともに、その実施状況について記録した台帳を備え付け、5年間保管すること。
  16. ⑯販売業者、展示業者及び貸出し業者にあっては、野生動物又はこれに類した動物を業の実施に供する場合には、その飼養可能性にかんがみ、適切な種を選択すること。また、その整理、生態及び習性を踏まえて、導入に当たっては、必要に応じた馴化措置を講じること。

(3)動物の適正な飼養又は保管の方法等についての説明は、次に掲げる方法により行うこと。

①販売業者にあっては、契約に当たって、あらかじめ、生理、生態及び習性に合致した適正な飼養又は保管を行うために必要な次に掲げる当該個体の状態及び特性に関する情報を、顧客に対して文書(電子的記録を含む。)をもって説明するとともに、当該説明書を受領したことについて顧客に署名等による確認を行わせるものであること。
  • イ、動物の種類。
  • ロ、性成熟時の標準体重及び標準体長。
  • ハ、標準寿命。
  • ニ、飼養施設の構造及び規模。
  • ホ、給餌給水方法。
  • ヘ、運動及び休息方法。
  • ト、当該動物種に起因する主な感染性の疾病の種類及びその予防方法。
  • チ、不妊又は去勢の方法及び費用その他の適正な飼養又は保管の方法(哺乳類に限る。)。
  • リ、当該動物に係る遺棄の禁止その他の関係法令の規定による規制。
  • ヌ、性別(判別が可能なものに限る。)
  • ル、生年月日。
  • ヲ、不妊又は去勢措置の実施状況(哺乳類に限る。)。
  • ワ、生産地等の生産情報(取次ぎ又は代理販売の場合は所有者の氏名を併記すること。)。
  • カ、当該個体の病歴並びにワクチン接種状況。
  • ヨ、当該個体の親及び同胎動物に係る遺伝性疾患の発生状況。
②貸出し業者にあっては、契約に当たって、生理、生態及び習性に合致した適正な飼養又は保管を行うために必要な次に掲げる当該個体の状態及び特性に関する情報を提供するものであること。
  • イ、給餌給水方法。
  • ロ、飼養施設の構造及び規模。
  • ハ、運動及び休息方法。
  • ニ、当該動物種に起因する主な感染性の疾病の種類及びその予防方法。
  • ホ、その他の適正な飼養又は保管の方法。
  • ヘ、性別。
  • ト、避妊又は去勢措置の実施状況。
  • チ、当該個体のワクチンの接種状況。
③販売業者にあっては、販売に供している動物を顧客が目視により確認できるようにするものであること。また、各動物ごとに、次に掲げる情報を顧客から見やすい位置に文書(電子的な記録を含む。)により表示するものであること。
  • イ、動物の種類。
  • ロ、性成熟時の標準体重及び標準体長。
  • ハ、性別。
  • ニ、生年月日。
  • ホ、生産地等の生産情報(取次ぎ又は代理販売の場合は所有者の氏名を併記すること。)。
④①及び②に掲げる販売時の説明及び確認並びに貸出し時の情報提供の実施状況について記録した台帳を備え付け、5年間保管するものであること。

(4)飼養施設における動物の疾病等に係る措置は、次に掲げる方法により行うこと。

  1. ①新たな動物を飼養施設に導入するに当たっては、当該動物が健康であることを外見による目視又は顧客からの聞き取りにより確認することとし、それまでの間、必要に応じて他の飼養中の動物と接触させないようにすること。
  2. ②飼養する動物の疾病及びけがの予防、寄生虫の防除等日常的な健康管理に務めること。
  3. ③疾病の予防等のために、必要に応じてワクチン接種を行うこと。
  4. ④動物が疾病にかかり、又は負傷した場合には、速やかに必要な措置を行うとともに、必要に応じて獣医師による診療を受けさせること。⑤ねずみ、はえ、のみその他の衛生動物により飼養する動物が健康被害を受けないよう、発生及び侵入の防止又は駆除を行うこと。

(5)動物の繁殖は、次に掲げる方法により行うこと。

  1. ①販売業者、展示業者及び貸出し業者にあっては、販売、展示又は貸出しのために動物を繁殖させる場合には、遺伝性疾患等の問題が生じるおそれのある動物(組合せを含む。)幼齢な動物又は高齢な動物を繁殖の用に供さないこと。
  2. ②販売業者、展示業者及び貸出し業者にあっては、販売、展示又は貸出しのために動物を繁殖させる場合には、みだりに繁殖させることにより母体に過度な負担がかかることを避け、その繁殖の回数を適切なものとすること。
  3. ③販売業者、展示業者及び貸出し業者にあっては、施設の構造及び規模、職員数等を踏まえ、計画的な繁殖を行うようにすること。また、必要に応じて、繁殖を制限するための措置を講じること。
  4. ④販売業者、展示業者及び貸出し業者にあっては、販売、展示又は貸出しのために動物を繁殖させる場合には、動物の繁殖の実施状況について記録した台帳を備え付け、5年間保管すること。

(6)動物の輸送は、次に掲げる方法により行うこと。輸送業者に委託する場合にあっても同様とする。

  1. ①ケージ等の個別保管設備は、床等に確実に固定する等により、衝撃による転倒を防止するための措置が講じられていること。
  2. ②輸送中は、常時、動物の状態を目視により確認できる設備や体制が確保されていること。ただし、航空輸送中についてはこの限りではない。
  3. ③輸送する動物の種類及び数は、輸送施設の構造及び規模並びに職員数に見合ったものであること。
  4. ④ケージ等の個別保管設備は、個々の動物が自然な姿勢で立ち上がり、横たわり、羽ばたく等日常的な動作を容易に行うための十分な広さ及び空間を有したものであること。ただし、動物の健康及び安全を守るための特別な事情がある場合は、この限りでない。
  5. ⑤輸送施設は、定期的な清掃及び消毒の実施により、清潔が保たれていること。
  6. ⑥空調設備の配備等により、動物の生理、生態等に適した温度、照明、音、通風、湿度等が確保されるように環境管理が行われること。ただし、動物の生理、生態及び習性により、温度調整、換気等を行う必要がない場合並びに動物の健康及び安全を守るための特別な事情がある場合は、この限りではない。
  7. ⑦飼養する動物の種類、数、発育状況及び健康状態に応じ、適切な種類、量及び回数により給餌給水が行われること。ただし、動物の健康及び安全を守るための特別な事情がある場合は、この限りでない。
  8. ⑧動物の疲労又は苦痛を軽減するために、輸送時間はできる限り少なくするとともに、輸送中は、必要に応じて休息又は運動のための時間を確保すること。
  9. ⑨輸送中の衛生管理、事故及び逸走の防止並びに周辺の生活環境の保全に必要な措置が講じられること。

(7)業の実施に係る広告については、次に掲げる方法により行うこと。取次ぎ又は代理販売に係る広告を行う場合にあっても同様とする。

  1. ①当該業に係る事業者の氏名又は名称、事業所の名称及び所在地、動物取扱業の種別、登録番号及び登録年月日(有効期限)並びに動物取扱責任者の氏名を掲載すること。
  2. ②安易な飼養の助長を防止するため、事実に反した飼養の容易さ、幼齢時の一過性の愛らしさ、生態及び習性に反した行動等を誇張すること等により、顧客等に動物に関して誤った理解を与えることのない内容とすること。

(8)飼養又は保管に係る職員の体制は、次に掲げるとおりとすること。

  1. ①取り扱う動物の種類及び数並びに飼養施設の構造及び規模に見合った職員数を確保すること。
  2. ②都道府県知事が実施する研修会において動物取扱責任者が得た知識を、他の職員全員に伝達し習得させるための措置を講じること。

(9)その他、動物の管理は次の方法によること。

  1. ①動物の仕入れ、販売等の動物の取引状況(動物の種類、数、生年月日、取引年月日、病歴、相手方の氏名及び連絡先、動物取扱業登録の有無等)について記録した台帳を備え付け、5年間保管すること。
  2. ②業の廃止等により、業の実施の用に供することが困難な動物が生じた場合は、動物が命あるものであることにかんがみ、譲渡し等によって生存の機会を与える努力をすること。殺処分しなければならない場合等にあっては、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によること。
  3. ③疾病の回復の見込みがない場合等やむを得ず動物を殺処分しなければならない場合は、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によること。
  4. ④毒へび等の有毒動物の飼養及び保管をする場合には、抗毒素血清等の救急医薬品を備え、又は、医師による迅速な救急処置が行える体制を整備し、人の生命又は身体に対する侵害の防止に努めること。
  5. ⑤動物を飼養又は保管する場合にあっては、災害時における動物の健康及び安全の確保並びに人の生命、身体又は財産に対する侵害の防止を図るために、平時より、連絡体制及び動物の逸走時の捕獲体制の整備、避難方法の確立、非常食の準備等の対策を講じること。
  6. ⑥業の実施に当たり、動物の仕入れ、販売等動物の取引を行うに当たっては、その相手方が関係法令に違反していないこと及び違反するおそれがないことを聴取するよう努め、違反が確認された場合にあっては動物の取引を行わないこと。

12ページに移りまして、第3、標識の掲示、第4-1、動物取扱責任者の選任、第4-2、動物取扱責任者研修、参考につきましては、読み上げを省略させていただきます。

以上でございます。

【林部会長】 ありがとうございました。それでは、ご意見、ご質問等お願いいたします。はい、中川委員。

【中川(志)委員】 事務局、大変ご苦労さまでございました。非常に短期間でよくまとめていただいたと思います。それで一つ先ほどの△とも関連があるのですが、この8ページの⑧のところで、犬、猫等の社会化期を要する動物については、その健全な育成及び社会化を推進するために、その次のフレーズがちょっとよく意味がわからないのですけども、必要に応じて親子又は同胎動物とともに飼養すると、ほかにも必要に応じてというのが6カ所あるのですけども、それはそれぞれ意味があるのですね。例えば病気になった場合に獣医さんに見てもらうと。これ必要に応じてなのですよね。病気にならなければ見てもらう必要がない。それから、ワクチンを打つというのがあるのですけども、これもワクチンが最近流行していなければ、その必要はないということがあると思うのですね。しかし、社会化というのは生物減少であって、環境には関係ないですよね。これでいくと、必要に応じてということは必要がなければ、親子一緒にしなくてもいい、同胎のものと一緒にしなくてもいいというふうに読めてしまうのですけども、事務局はどういう判断でつくったものでしょうか。

【東海林動物愛護管理室長】 幼齢動物の販売制限、特に犬、猫については前回も前々会もいろいろご議論になったことじゃないかなというふうに思っております。それで、今回のこの素案で検討させていただきましたのは、ご指摘がありました8ページの⑧、それから1ページ戻りまして、7ページの一番上の段になりますけども①と②、これとあわせてちょっとお考えいただきたいと思っているのですけれども、基本的には離乳が終えていないような、あるいは環境の変化ですとか輸送に耐えられないような幼齢動物の販売制限をかしましょうという基本的考え方の下に、さらにプラスアルファをして、社会化を必要とする動物についてはと同胎動物とともに飼養するというのを⑧の方で設けさせていただいたという構造になってございます。

それで、この必要に応じての意味なのですけれども、なかなか社会化の概念、考え方も難しいといいますか、私どもで勉強させていただきました限りにおいては二つ意味がありまして、動物になれるといいますか、自分が犬、猫であるということの素養を身につけるといったような社会化と、それからもう一つ、家庭動物として人になれる、あるいは音ですとかそういった環境になれるというところの、この二つが社会化というところで言われているようでございまして、ただ問題になっているのは、犬、猫としての素養を身につけるという方の社会化ではなかろうかと思っておりますけれども、この社会化ひとつとりましても、ある時点から、10週齢ですとか8週齢ですとか、そこからまったくいらなくなるというものでなくて、社会化の重要性の程度が漸減していくといいますか、そういうようなものであるというように伺っております。ということで、この社会化の必要性というのは、そのある時点からすっぱりゼロか一かのように、いる、いらないというものではなくて、その都度問題が変わっていくというものというようにお聞きしておりますので、この辺はその都度問題をかんがみて同胎動物、親子共に飼養するというところをご理解いただけるように、必要に応じてというふうに表現させていただいたというところになっております。

【林部会長】 では続けて、中川委員。

【中川(志)委員】 必要に応じての、その意味は読み手があって読むのが条例、こういう法文なので、その人が正しく理解できないとあっては余り意味がないということもなると思うのですね。そういう意味では必要に応じてというふうに、ここだけを読むと先ほどのような、じゃあ必要がない場合もあるかというふうに考えられてしまう可能性というのは、非常に高いと思うのです。この社会化という言葉の意味についても、これはここ十数年の間に非常に発達した行動科学の中で位置づけられていると。それで今、室長がおっしゃったように、人になれるということも社会化の一つだということに言われていますから、こういう家庭動物については、当然両方が両立して必要というふうに考えるのが至当だと思うのです。それを前提として、諸外国の幼齢動物の販売、禁止とか飼育とかそういうものについては、その週齢とか日齢が決められているというふうに私は仄聞しております。そういうふうに考えると、これはやはりこれからの都市社会の中で、ペットとして家庭動物を飼っていく以上は、やはり動物がハッピーでなければそれを飼う人間もハッピーになれないというのは当然のことですから、そういうふうに考えていくと、ここあたりはかなり重要なものとして取り上げた方がいいと。今回、先ほどの冒頭の室長の説明にもありましたように、委員の方や参考に出られた委員方々の発言があって、社会的な状況と、それから、生物学的な原則というかそういうものと両方あって、両方とも発言がありました。しかし、基本的にはそういう論議は各先進の4か国が決めているようですけども、そういうところが決めた経緯というのは、当然こういう社会学的な環境と生物学的な状況を勘案して決めていると思うのです。ですから、僕は、これは日にちをやっぱり明示した方がいいと思うのですけども、そして、それはやはり両方を勘案した上で考えるというようなことをやった方がいいのではないかというふうに思うので、今回△になっているのですけれども、できればこれも廃止、会長にお願いしたいけれども、ぜひこの点は今後動物たちがハッピーにこの都市社会の中で飼っていかれるような、そういう方向づけで今後の検討を進めていただきたいなというふうに思います。

 以上です。

【林部会長】 はい、承知いたしました。今度、藏内委員どうぞ。

【藏内委員】 ボリュームがありますね。まず、事務局に大変ご苦労だったろうと敬意を表しておきたいと思います。登録の基準のところ8ページの(3)のところ等なのですけども、結構多岐にわたる説明を顧客に対してしなきゃならない、また取扱業者自身がかなり専門的なことも習得しなきゃならないということが明確になってきたわけでありますが、取扱業者の人によって説明が違うと、あるいは説明する場所が違ってくるとか、内容が違うということが起こらないように、簡単なパンフレットでもいいのですが、例えば我々が自動車免許試験を取得する、あるいは更新を受けるときに、簡単な注意事項だとか基本的な説明というものをわかりやすいパンフレットをいただいて、それを見て熟知することはあるのですけども、この説明等については、取扱業者さんが顧客に対して説明すること等についての簡潔な基本的なパンフレットとか、何かそういったものがつくれないものなのか。欲を言えば、この動物愛護管理法というのは、その法律の中に動物愛護推進団体を地域につくるとこういうことになっているわけでありますので、それがまだ完全に広まっていません。こういったものが設置されているところは、動物愛護推進協議会名でそういったパンフレットをつくって、取扱業が販売をされるときに顧客に対して添えて渡すと、そういったものができないかどうか、検討をお願いしたいと思います。

【林部会長】 ほかに。大矢委員。

【大矢委員】 拝見していますと、どうしても犬を対象にした感じが強いのかなというような感じがいたしますけれども、例えば今、藏内委員がおっしゃいました8ページ(3)の1のこの説明責任の問題ですけども、例えば輸入品のペットの場合はどうするのかとか、それから、私は動物園に動物を買っていただいていますけども、動物園の方はプロでいらっしゃいますから、そんな給餌給水方法やなんかはあえて説明する必要もない。そういった場合に、ここに列記されているものがすべて明記されなければいけないのかどうかという問題もあります。それから11ページのところに、動物の取引に関しての動物の種類とか数量、生年月日等がございますけども、この記録保管台帳をしておければ、専門家同士の間の取引に関しては契約の人と8ページ(3)が適用しなくてもいいのかどうか、その辺のところをちょっとお伺いしたい。

それともう1点、生年月日の問題なのですけども、はっきりわかるものはいいのですけども、例えば輸入品なんか、輸入年月日で対応するとかそのような弾力性を持たせておいた方がいいのではないかなという、現状に合っているのではないかと思います。

【東海林動物愛護管理室長】 確かにご指摘のとおり、業者間の取引きの場合には、少しこの辺の説明事項は工夫した方がよいかと思われますので、検討させていただきたいと思います。

 それから、先ほど藏内先生からご指摘のありましたパンフレット類につきましては、ペット販売店が多分中心になろうかと思いますけれども、いろんな全国ペット交流協会ですとか、日本鳥獣小組合連合会ですとか、ペットショップ関係の団体もございますので、そちらの関係団体の方とも相談しながら、何か適切な方法を検討してまいりたいというふうに思っております

【林部会長】 兵藤委員。

【兵藤委員】 犬の幼若の、あるいは幼齢と表現するのでしょうか、今までもこのような表現できたのですけど、なかなか直らない。これが幼若である、あるいは幼齢であるかどうかもわからない。それで買う人がいて売る人がいて、売る人がいて買う人がいるということで、国民の間にも少し直さなきゃいけないというところもあるのですけど、比較的具体的な数字を入れないと、これは非常にわかりにくい。今までの流れに従って、またこのまま何年間か、5年後の見直しまでまたいって、ここで議論が出ると思いますので、どう答えが出ようともここで思い切った議論を、非常にここでは皆さんの意見が多様に出ていたはずなのです。で動物愛護とか福祉とかをやっていて、動物側に立って非常によく考えてくださっている国民のたくさんの多くの方々が、このあたりは大変注目をしているところだと思うのです。ここではよく審議していただいて、議論していただいて、どう答えが出ようとも皆さんの意見をもう一回一つとっていただいてやっていただきたいなと、私の要望です。

【林部会長】 ほかにいかがでしょうか。今泉委員。

【今泉委員】 中川先生の数値を具体的に入れるというその方向を、私もちろん賛成なのですが、ここに「8週齢」と「45日程度」というのと今は並んでいますね。ここに「12週齢」というのを追加して、そこも検討範囲に含めていただきたいということです。

 以上です。

【林部会長】 ほかにご意見。青木委員。

【青木委員】 意見というより確認なのですが、4ページの真ん中あたりに(3)、(4)という形で、動物取扱責任者のことと顧客と接する職員というものの条件が書かれております。そして、これはどこに位置づけられているかというと、登録の拒否基準の中の適正取扱い関係の中にあるということです。そして、まず一つ目の確認は、動物取扱責任者になるためには特別の自主的条件はいらないわけですね。自分が動物取扱責任者であると言えば、そのだれかであるかがわかっていれば、登録を認めるかどうかの段階では、実質的な顧客に接する職員と同じような条件はないということで理解よろしいでしょうか。

【東海林動物愛護管理室長】 動物取扱責任者ですが、12ページをごらんいただきたいのですけど、第4-1で後段になります。基本的に窓口担当者として、自治体の指導を受けられる能力を有している、あるいはその受けてきた研修それをきちんと理解して、事業者職員に周知徹底する能力を有している者ということで、やはり先ほどご指摘ありました職員と同等以上の能力を有する者という要件を課す方向で素案はまとめてございます。

【青木委員】 では、ここを私が見てなかった、不注意でした。どうもありがとうございました。

 もう一つなのですが、それじゃあ次の顧客と接する職員というのも、これは要するに登録申請の段階で、だれが顧客に接するのかということを取扱責任者とダブることがあると思うのですけど、その段階で申請してということになるわけですね。

【東海林動物愛護管理室長】 個人名を列記していただくというよりは、職員の流動性も多分あろうかと思いますので、5年間の有効期間の中で、基本的には自己申告制でやっていただこうというように思っております。列記はしていただかずに、自己申告制でそれを保証していただくということで考えています。実は、こういう基準を設けました背景は、ご存じのとおり何も知識がない者が動物取扱業を行うものはいかがなものだろうかというご意見がありましたことを踏まえたと同時に、今回たった一人で動物取扱業をやられる業種、業態、例えばペットシッターですとか犬の出張訓練ですとか、そういうものも登録の対象になってございます。そういう方は、基本的にやはりそれ相当の能力を有していただかないといけないと、動物取扱責任者でなくてもという方で、職員にまで資格要件といいますか能力要件を課したものでございます。ただ、ここは但し書きがちょっと読みにくいのかもしれないのですけど、ペットショップのように複数の職員で対応する場合には、グループで顧客に対応しているわけですから、その中の職員のうちだれか一人がそういった能力を有していればいいというような資格要件といいますか能力要件という基準にしてございます。

【青木委員】 私が確認しましたのは、基準として明確に全国一律にいくのかどうかという、とても重要な基準の段階だと思うのですが、この顧客に接する職員ということについての基準がここで素案に示されたものが拒否基準として働く場面というのは、具体的にどういう場面になるのでしょうか。あり得るでしょうか。拒否基準の中に入っているわけですよね。

【東海林動物愛護管理室長】 現実的には、各事業所に1名取扱責任者を必ず置かないことには、これも拒否基準になってございますので、拒否基準に近いものになってございますので、基本的に1名は確保されるのですけど、先ほど申しました出張訓練ですとかペットシッターですとか、例えば4人ぐらい職員がおられて、それでばらばらに活動されるわけですよね、そのばらばらに活動される方がそういった能力要件を有していないといった場合にはこういったことが問題になろうかと思われますので、そういう場合にはこの拒否要件が有効に機能してくるじゃないかなというふうに考えております。

【青木委員】 ちょっと私自身完全に理解したかどうか微妙なのですけども、いずれにしても拒否基準という中に入れるのであれば、どういう場合拒否できるのか、拒否基準なのかというのが明確になるような形で決めていただきたいという、趣旨はそういうことです。

 以上です。

【東海林動物愛護管理室長】 すみません。説明が舌足らずで申しわけございませんけれども、この4ページ目の(4)の下に、①、②、③とございますけれども、その能力要件に関しましては3つの観点で評価したいというふうに思っております。実務経験と学歴とそれから資格でございます。実務経験に関しましては半年以上、それから学歴に関しましてはこういった動物関係の学校、大学で言えば畜産関係の学部から獣医関係の学科学部、それから各種専門学校ですね。それから資格に関しましては、例えば愛玩動物飼養管理士ですとか、あるいは家庭動物販売士ですとか、あるいは国家資格としましては、それこそ獣医師という資格もございますけれども、こういった資格を有している方をもって、その能力があるというように判断したいというように考えております。

【林部会長】 私の理解では、この顧客と接する職員、これはもう自己申告制ですから、申告しない場合もあり得るわけですけど、それはわかるまでは拒否できないわけです。それで、そういう顧客と接する職員の中では、こういうことで資格を満たしてなく、しかもそういう資格を持っている職員の立会いの下で顧客と接したという事実が判明すれば、これは拒否の対象になるだろうということですね。ということで、この3つの条件をここに掲げてあるのだと思うのですが、ただ……。

【青木委員】 登録段階の申請条件ではないということなのですか、後からそういうことがこれに違反しているということがわかったら、その時点で後から登録を取り消す条件という意味なのですか。

【東海林動物愛護管理室長】 登録の時も拒否要件として、こういった資格を持っていない職員だけでしたらば拒否、登録をしないということになりますし、登録を受け付けた後、職員の移動あるいは虚偽の申請で、だれもこういった職員がいないと判明した場合には登録の取消しに至るということになります。

【青木委員】 技術的な問題をこんなに細かくやっても、時間が限られているので、いずれにせよ少し整理していただきたいと。以上です。どうもすみません。

【林部会長】 ほかに。菅谷委員。

【菅谷委員】 10ページの(5)の①に、遺伝性疾患等の問題が生じるおそれがある動物、希少動物等なのでしょうけども、繁殖の用に供さないことということですと、野生希少動物が非常に遺伝する多様性が望まれるのですけど、非常にそういう状況の、例えばトキだとか、そういったおそれという言葉で規制すると、遺伝学者によっては非常におそれがあるという方も多いので、この辺はどういうふうに考えたらいいのかということなのですが。

【林部会長】 ちょっとお考えいただきましょう。ほかにご意見。はい、清水委員。

【清水委員】 先ほども出ていたその幼齢動物ですけども、やっぱり私は数値目標をちゃんと掲げるべきだという感じはします。今回せっかく法令を改正して、新しくスタートするというか仕切り直すわけですから、そういう意味では、この間のヒアリングでも出たように、日本人の特殊性というかペット観みたいなのが出ているわけですから、45日でないと守れないという意見が出ましたけども、あの人たちの話でも、8週になってもやむを得ないかもしれないけど、その経過措置がほしいという形で、世界的な、欧米でやっている8週というのが一つの基準だというのは、何となく皆さん考えていらっしゃると思うのですね。だから、それをつけたからって、一気にもちろん守れるとは思わないし、部会長が心配されているような自己性ということになると、確かにそれは問題があると思うのですけど、それをつくって日本人とペットの関係というか、それをもう一度考え直すという意味では非常に効果があると思うのです。PR効果と言ったらちょっとあれかもしれませんが、ショック療法と言ったらいけないのかもしれませんが。それも含めると、これでそこを丸めてやれば簡単なのだけれど、あえて問題提起をするということを僕はやるべきだと思います。それで、45日よりはやはり8週がいいと思うのですけど、12週というのはびっくりしたのですが、それ長い方がいいのかもしれませんけれども、その国際的な基準というのは、一応やっぱり打ち出すべきだろうというのが、私の意見です。

【林部会長】 ほかにご意見ありますか。よろしいでしょうか。

 ちょっと青木委員にお聞きしたいのですが、先ほど中川志郎委員からお話があったこの8ページの必要に応じてという、8ページの上から2、4、5行目のこれの解釈は、適切な期間というふうに読めますか。つまり、これ必要に応じてというのは、必要がないと判断したらもうそれはやらなくてもいいことになるという中川志郎委員のご質問があったのですが、ここの必要に応じてという言葉は、おそらく意味としては、適切な期間、親子又は同胎動物とともに飼養する、これは市販するために適切な期間が必要ですから、そういうふうに読めるかどうか。

【青木委員】 それを読めるかどうかというのは、別に法律学的に決まっているわけではなくて、どう判断するかということだと思いますけれども。ストレートにすぐそう読めるかといったら読めないように私には思えます。飼養してもいいし、飼養しなくてもいいと読むのが一番素直な読み方だろうと。中川先生のご発言はおそらく必要に応じてという問題ではそもそも質的にないというご趣旨だったように私は伺いました。

【林部会長】 私は、これは中川先生のご意見も考えると必要に応じてというのはちょっとまずいかなという感じはしますね。適切な期間これを載せれば、意味としてはきっちりこう通じるような気はするのですけど。よろしいですか。

それでは、本日いただいたご意見を踏まえて必要な修正を行って、答申のための基準等の案を次の部会で提示するようにしていただきたいというふうに思います。

それでは続きまして、資料2、特定動物に関する基準等の素案について、事務局より説明をお願いいたします。

【東海林動物愛護管理室長】 それではまず最初に、また資料7の方をごらんいただきたいと思います。資料7の5ページ目になります。2、特定動物に関する基準等の関係のご意見でございますけれども、簡単に読み上げさせていただきます。指定種につきましては、同定が難しい動物については、欧米でやっているように、属単位等で大きな網を被せる方法が現実的。それから、基準等の関係では、全国一律に混乱なく運用できるよう、できるだけ具体性を持たせる等の配慮が必要。マイクロチップ等による個体識別の強化が必要。特定外来生物である特定動物に関する情報については、申請者又は許可主体である国から、自治体に情報提供されるようにすべき。遺棄された特定動物の一時保管など、ペット病院において「診療」以外の目的で引き受ける場合についても適用除外されるようにすべき。逸走した場合の通報義務等についても基準等に盛り込むべき。ゾウなどの飼い主が容易に判明する動物については、マイクロチップの埋め込みを義務化する必要はないのではないかといったご意見、前回前々回でいただいております。

 それから、先のヒアリングでは関係団体から多数の意見をいただいておりますけれども、反映が困難な意見だけご紹介させていただきますと、愛護動物と勘違い等がされるおそれがあることから、くも属4科は削除すべき。特定外来生物に指定されている種は削除すべきということでございます。これは、動物愛護管理法の特定動物の規制は、特定動物の規制の目的があってやっていることでございますので、基本的にはそれに従がって指定をするというところが基本ではないかというふうに考えております。それから基準の関係でございますけれども、感染症法に基づき、許可を受けた飼養保管施設で飼養する場合には手続を簡略化すべき。これは、他法令の関係でございますので、なかなか相互乗入れは難しいという条件がございます。

 それから次のページにいきますけれども、条例による上乗せ基準ができないように指導すべき。基準の運用に当たっては、動物愛護の観点も加味すべきということでございますけれども、これも基本的に地方のその権限といいますか、地方自治の趣旨に照らしまして、憲法に違反しない限り上乗せ基準は条例でできるようになってございますし、これを妨げることはできないのじゃないかというように思います。

 それから、今回のこの特定動物の規制については、あくまでも危険な防止という観点に限られて、動物の愛護の観点はございませんので、こういった愛護の観点、給餌給水をしっかりやれみたいなそういう基準を入れるのは、非常に困難であるというように考えてございます。

 それでは、前回と動物取扱業と同じように素案をまとめさせていただきましたので、読み上げさせていただきたいと思います。取扱業の基準よりは少しページ数が少なくなっておりますので、時間の方はちょっと短縮して読み上げさせていただけるのではないかと思いますけれども、できるだけ短縮する方向で核心部分といいますか、そこのところに限って読み上げさせていただきたいと思います。

【事務局】 それでは、14ページ資料の2特定動物に関する基準等(素案)読み上げさせていただきます。第1 指定種、次に掲げる種類を追加する。

  1.  (1)ねこ属のうちスナドリネコ及びジャガランディ(哺乳綱食肉目ねこ科)。
  2.  (2)きょくとうさそり科全種(くも綱さそり目)。
  3.  (3)ひめぐも科のうちジュウサンボシゴケグモ、セアカゴケグモ、クロゴケグモ、ハイロゴケグモ(くも綱くも目)。

次に、ページを進めていただきまして、17ページの第2 特定動物の飼養又は保管の許可の適用除外ここについては省略をさせていただきます。

続きまして、19ページをお開けください。

第3許可及び取扱基準(識別措置を含む)。

1 許可基準。

  1. (1)特定飼養施設は、特定動物の種類に応じ、その逸走を防止できる構造及び強度であること。
  2. (2)特定飼養施設は、当該特定動物に係る取扱者以外の者が容易に当該特定動物に触れるおそれがない構造及び規模であること。
  3. (3)前各号に定めるもののほか、別添の特定飼養施設の構造及び規模に関する細目を満たしていること。
  4. (4)特定動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害の防止のために、その飼養又は保管をしようとする特定動物の以下に掲げる飼養又は保管の方法が不適当と認められないこと。
  5. ①特定飼養施設の点検方法。
  6. ②許可後に特定動物の飼養又は保管が困難となった場合の対処方法。
  7. ③特定動物を運搬する場合にあっては、その運搬の際の当該特定動物の逸走防止措置。

次のページをお開けください。

特定動物飼養施設の構造及び規模に関する細目こちらの一部を読み上げさせていただきます。

1 次の各号に掲げる用語の定義は、特別の定めがある場合を除き、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1)「おり型施設等」とは、おり型又は網室型の施設であって、次に掲げる要件を満たすものをいう。
  1. ①土地その他の不動産に固定されているものであること。ただし、屋外から隔離することができる室内に常置する場合にあっては、この限りではない。
  2. ②特定動物の体力及び習性に応じた堅牢な構造であり、かつ、振動、転倒、落下等による外部からの衝撃により容易に損壊しないものであること。
  3. ③おり型の施設にあっては、おりの格子の間隔が、網室型の施設にあっては金網の目の大きさが、特定動物が通り抜けることのできないものであること。
  4. ④外部との出入口の戸は、二重以上となっていること。ただし、当該施設を屋外から隔離することができる室内に常置する場合にあっては、この限りでない。
  5. ⑤前号の出入口の戸については、飼養又は保管をする特定動物の体が触れない場所に施錠設備が設けられていること。
  6. ⑥給排水設備を通じて特定動物が外部に逸走しないよう当該設備に逸走防止措置が講じられていること。
  7. ⑦申請者が当該施設を維持管理する権原を有していること。

以下、「擁壁式施設等」、「移動用施設」、「水槽型施設等」が提示されておりますが、ここについては読み上げを省略させていただきます。

続きまして、21ページ下の方を読み上げさせていただきます。

2 特定飼養施設は、特定動物の種類ごとに次のとおりであること。

  1. (1)哺乳綱に係る動物、おり型施設等、擁壁式施設等又は移動用施設(1の(3)⑤に掲げる要件を満たさない施設を含む。)のいずれかであること。
  2. (2)鳥綱に係る動物、おり型施設等、擁壁式施設等(だちょう目に限る。)又は移動用施設のいずれかであること。
  3. (3)爬虫綱に係る動物、おり型施設等、擁壁式施設等、移動用施設又は水槽型施設等のいずれかであること。
  4. (4)くも綱に係る動物、移動用施設(1の(3)③に掲げる要件を満たさない施設を含む。)又は水槽型施設等(1の(4)④に掲げる要件を満たさない施設を含む。)のいずれかであること。

次のページをお開けください。

2 飼養又は保管の方法。

  1. (1)許可に係る特定動物の飼養又は保管の状況の確認及び特定飼養施設の保守点検を定期的に行うこと。
  2. (2)特定動物の飼養又は保管を開始したときは、特定動物の種類ごとに、当該特定動物について、法第26条第1項の許可を受けていることを明らかにするための措置を講じ、当該措置内容を都道府県知事に届け出ること(既に当該措置が講じられている場合を除く。)ただし、動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第68号)附則第5条第1項の規定等により引き続き特定動物の飼養又は保管を行うことができる場合においては、同法附則第5条第3項の規定にかかわらず、この限りでない。
  3. (3)申請書に記載した特定動物の飼養又は保管の方法を遵守すること。
  4. (4)前各号に掲げるもののほか、別添の飼養又は保管の方法に関する細目によること。

次のページに移ります。

特定動物の飼養又は保管の方法の細目、これについても一部読み上げさせていただきます。

1 許可を受けていることを明らかにするための措置(以下「識別措置」という。)の内容を届け出なければならない期間、当該識別措置の内容及び当該届出の方法は次に定めるとおりとする。

(1)哺乳綱に係る動物、特定動物の種類ごとに環境大臣が定める場所にマイクロチップ(国際標準化機構が定めた規格第11784号及び第11785号に適合するものに限る。)の埋め込みを行い、当該マイクロチップの埋め込みの事実及びその識別番号を証する獣医師の発行した証明書を届出書に添付し、当該個体の飼養又は保管を開始したときから30日以内(環境大臣が定める幼齢な個体に該当する場合にあっては、幼齢な期間が過ぎてから30日以内。ただし、飼養又は保管を開始してから、譲渡し又は引渡しをする場合はそのときまでとする。)に都道府県知事に提出すること。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない(環境大臣が定める幼齢な個体に該当する場合にあっては、幼齢な期間内に限る。)。

  1. ①入れ墨等による識別措置を講じている場合であって、当該措置の個体の体の実施部位及び識別番号の管理方法について記載した書類を飼養又は保管の許可申請書に添付し、かつ、当該措置内容を4の台帳に記録している場合(特定動物を実験の用に供する場合に限る。)。
  2. ②飼養又は保管の許可を受ける際、現に飼養又は保管をしている個体について、既にマイクロチップ(国際標準化機構が定めた規格11784号及び11785号に適合しないものを含む。以下この項目及び譲受け又は引受けの際、既にマイクロチップが埋め込まれている場合において同じ。)が埋め込まれている場合であって、当該マイクロチップの識別番号を証する獣医師又は行政機関の発行した証明書を届出書に添付し、当該許可を受けたときから30日以内に都道府県知事に提出する場合。
  3. ③特定動物の種類ごとに環境大臣が定める幼齢な個体(霊長目及び食肉目に限る。)又はマイクロチップの埋め込みに耐えられる体力を有しない老齢、疾病等の個体であって、当該個体を収容する特定飼養施設に飼養又は保管の許可を受けたことを示す標識を掲出し、かつ、当該標識の掲出状況を撮影した写真及び老齢、疾病等によりマイクロチップの埋め込みに耐えられる体力を有しない個体にあっては当該事実を証する獣医師が発行した証明書を届出書に添付し、当該個体の飼養又は保管を開始したときから30日以内に都道府県知事に提出する場合。
  4. ④飼養又は保管の許可を受けた者その他の者からの譲受け又は引受けの際、当該個体について、既にマイクロチップが埋め込まれている場合であって、当該マイクロチップの識別番号を証する獣医師又は行政機関の発行した証明書を届出書に添付し、当該個体の飼養又は保管を開始したときから30日以内に都道府県知事に提出する場合。
  5. ⑤学校教育法(昭和22年法律第26号)第58条に規定する教授、助教授、助手若しくは講師又はこれらと同等と認められる研究者が自己の研究の用に供するために飼養又は保管をする個体について、特定動物の種類ごとに環境大臣が定める場所にマイクロチップの埋め込みを行い、当該マイクロチップの埋め込みの事実及びその識別番号を記載した書類を届出書に添付し、当該個体の飼養又は保管を開始したときから30日以内に都道府県知事に提出する場合。
  6. ⑥逸走した場合等にあっても所有者の確認が容易であるとして都道府県知事が定める動物の飼養又は保管であって、かつ、当該標識の掲出状況を撮影した写真を届出書に添付し、当該個体の飼養又は保管を開始したときから30日以内に都道府県知事に提出する場合。
  7. ⑦マイクロチップを使用した識別措置を当面講ずることができない事由があると都道府県知事が認める場合であって、当該個体を収容する特定飼養施設に飼養又は保管の許可を受けたことを示す標識を掲出し、かつ、当該標識の掲出状況を撮影した写真を届出書に添付し、当該個体の飼養又は保管を開始したときから30日以内に都道府県知事に提出する場合。

以下、鳥綱、爬虫綱、くも綱に係る動物について規定してございますが、こちらについては読み上げを省略させていただきます。

続きまして、26ページお開けください。

26ページ下から3行目、ここについてまた読み上げさせていただきます。

2 特定飼養施設の外で飼養又は保管をしてはならない。ただし、特定飼養施設の清掃、修繕等、同じ敷地内に位置するほかの特定飼養施設への移動、業として展示、他の場所への移動に用いる特定飼養施設への収容その他一時的に特定動物の飼養又は保管を特定飼養施設の外ですることとなる場合であって、以下の要件を満たしている場合は、この限りでない。

  1. (1)特定飼養施設の外で飼養又は保管をする間、取扱者が立ち会うとともに、十分な強度を有する首輪、引き網等による個体の係留等の適切な逸走防止措置を講じていること。ただし、飼養又は保管に係る動物の利用目的の達成のためやむを得ない場合であって、あらかじめその区域を管轄する都道府県知事に通知している場合にあっては、この限りでない。
  2. (2)特定飼養施設の外で行う飼養又は保管に係る時間が、1時間未満(飼養又は保管の目的の達成のためやむを得ない場合であって、あらかじめその区域を管轄する都道府県知事に通知している場合にあっては、6時間未満)であること。

3 第3者が容易に特定動物に接触できないよう措置を講ずるとともに、当該動物が人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物であり、第3者の接触等を禁止する旨の告知を、特定飼養施設又はその周辺に所定の標識を掲出することにより実施しなければならない。

4 輸入、譲受け、引受け、繁殖その他の事由により飼養又は保管をする特定動物の個体の数量が増加し、又は譲渡し、引渡し、死亡、殺処分その他の事由により飼養又は保管をする特定動物の個体の数量が減少した場合にあっては、当該事由が発生した日から30日以内に識別措置に係る情報と併せて都道府県知事に届け出なければならない。ただし、学術研究又は畜産業等の正業の維持を目的とした飼養又は保管をするものであって、かつ、当該特定動物を実験の用若しくは畜産の用に供する場合又は展示を目的とする場合であって、次に掲げることを条件として付する場合は、この限りでない。

(1)飼養又は保管に係る特定動物について次に掲げる情報を記載した台帳を備え付け、5年間保管すること。

  1. ①個体ごとの飼養又は保管の開始年月日及び開始の事由並びに終了年月日及び終了の事由。
  2. ②飼養又は保管をした個体の識別措置の内容(現に実施している識別措置の内容が、飼養又は保管の開始前に付されていた識別措置と異なる内容である場合は、開始前の内容と開始後の内容の対照関係について明らかであること。)。
  3. ③個体の譲渡し若しくは譲受け又は引渡し若しくは引取り(以下「譲渡し等」という。)を行った場合は、個体ごとに記載した譲渡し等の相手方の氏名又は名称及び飼養又は保管の許可番号。

(2)飼養又は保管の許可を受けた日から一年ごとに、毎年、その許可を受けた日の属する月の翌月末までに、当該一年間に飼養又は保管をした個体に係る次に掲げる事項を記載した報告書を都道府県知事に提出すること。

  1. ①特定動物の種類。
  2. ②一年間に飼養又は保管をした個体の総数量、増減した数量及び現存量。
  3. ③数量の増減に係る個体についての条件である(1)①から③までに掲げる事項。

次のページには、特定動物の種類ごとに環境大臣が定めるマイクロチップの埋め込み場所及びマイクロチップ埋め込みを免除する幼齢な個体又は小型の個体について、を示しております。読み上げは省略させていただきます。また、29ページ参考としまして、法第30条に基づく環境省令への委任事項などお示ししてございます。読み上げは省略させていただきます。

以上でございます。

【林部会長】 ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に、ご意見、ご質問はありませんでしょうか。はい、奥澤委員。

【奥澤委員】 すみません、2点ほど確認といいますか、教えていただきたいのですが、まず1点目が、24ページにあります⑦の部分でございますが、当面講ずることができない事由があると都道府県知事が認める場合というのは、例えば例示として、どんなことを想定されているのかということ。

 それから2点目が、27ページの(1)と(2)の中に、いわゆる施設外での飼養、いわゆる本来の利用目的のための施設替えの配慮した措置が書かれているのですが、その場合のその区域を管轄する都道府県知事に通知という項目が(1)と(2)にあるのですが、この場合のその区域とは、要するにもとの許可を有しているその施設とは、その自治体とは全く無関係に、要するに自治体を超えて当然こういう利用目的の行為があることもあるわけで、そこまでを想定されているのか。その場合は、当然その前提となる許可というものが前提となるわけですが、その前提となる許可をどのように確認したらいいのかというその辺ちょっと教えていただければと思います。

【東海林動物愛護管理室長】まず24ページ目のマイクロチップを講ずることができない事由でございますけれども、現在想定されておりますのは、例えば特定動物にマイクロチップを打てるような体制が例えば整っていないこと、こういったことが想定されております。といいますか、現実的な問題として今現在ございまして、たしかにペット病院等で、犬、猫についてはマイクロチップを打てる体制が全国津々浦々整備されておりますけれども、危険な動物、カミツキガメですとかこういった特殊なものについては、なかなかペット病院等で全国津々浦々マイクロチップを打てるような体制が現在整っていない、あるいは不十分な状況にございます。ということで、そういったことが想定されるわけなのですけれども、今並行しまして、こういった事態が解消されますように獣医師会のお力を借りながら、各ペット病院開業獣医師さんに対して技術研修というものを今年度末から開始しようというところで準備を進めているところでございます。

 それからもう一つ、27ページのあらかじめその区域を管轄する都道府県知事でございますけれども、ご指摘のとおり許可にかかわる知事と、それから出かけていった先の知事と両方の意を含んでございます。ですから例えばの話、ある県で許可をとられたタカ狩りに使うタカですとか、サル回しに使うサルですとか、それはほかの県で何か施設替え使用する場合には、そのほかの県の知事にあらかじめ通知をしなければいけないということになってございます。

【奥澤委員】 その場合に、その前提となる許可を持っているというのは、通知の中の情報として把握するのか、あるいはその自治体間のそういう何かシステムの中で公的に確認するようなことを想定されているのか。

【東海林動物愛護管理室長】 通知の様式につきましても、技術的助言として、省令の策定後私どもの方で検討させていただこうと思っております。その中で、許可を受けた都道府県知事名あるいは許可番号というものも記すようにして、確認が容易にできるような内容にしたいというふうに考えております。

【林部会長】 ほかに。信國委員。

【信國委員】 用語の問題なのですが、マイクロチップの埋込みについて環境大臣が定める場所と、部位とかの方が適切じゃないかなという感じがするのですけど、いかがでしょうか。

【東海林動物愛護管理室長】 検討させていただきます。

【林部会長】 そうですね。ほかに、清水委員。

【清水委員】 ちょっと教えていただきたいのですけど、特定動物で、この間埼玉で見つかったビルマニシキヘビというのは、新聞の記事によれば4メートルとかと、届出がなかったということが問題になっているのですけども、この中の特定動物に入ってなくて、保健所にも届けがないというのはあれですか、そうするとあれは全く何のあれもなく飼っていたということなのでしょうか。もしそういうようなことであれば、多少網を広げるという意味では、そういう実際に問題があったようなものは盛り込んだ方がいいような気がしますけれども。

【東海林動物愛護管理室長】 埼玉県の上尾で逃げ出したヘビについては、実は特定動物に現在でも指定されておりまして、埼玉県では条例もつくっておりますので、一応、許可の対象動物ということになってございます。事実関係はいろいろ埼玉県の方でも調べているところでございますけれども、基本的には飼い主が名乗り出まして、調べた結果、条例による許可をとってないということが判明しましたので、今、警察の方と相談しながら、その後の対応をいろいろ考えていると。基本的には遺棄あるいは無許可飼養ということで書類送検するかどうかというところを、上尾警察署の方と対応を協議中というふうに聞いております。

【林部会長】 どうぞ、局長の方から。

【南川自然環境局長】 すみません、この件なのですが、実はきょうもチラシを置かせていただいて、裏に大臣談話も入れておりますけれども、ペット、それから一部外来生物の危険な動物についても大変投棄がふえておりますし、またテレビ写りがいいせいというか、テレビ向きなのだと思うのですけど、非常におもしろおかしく報道されております。大変困っております。それで私どもとしては、今回そういったこともありますものですから、特定動物の問題について言えば、条例がなくても、全国一律にきちんと規制をかけるということで法改正があったわけでございます。

 それから、もう一つはそもそも哺乳類、鳥類、それから爬虫類については愛護動物ということで、これについては故意に遺棄すればこれは罰則がかかるということで規制があるわけでございますから、当然やってはいけないと。それから特定動物についても法令上は、要するに特定動物ということは危険動物でございますけども、これについても今回も追加指定を、今後は全国一律で条例と関係なく必要な保管等の規制がかかり、またそれを守らなければ罰則がかかるということで規制が行われるわけでございます。まず、こういったことについて、私どもいろんな機会をとらえて、ぜひその広報をしっかりやっていきたいというふうに思っております。

 それから、今回の先ほどご議題いただきました販売業者の義務の中にも、こういった規制があることはきちんと説明をしてほしいということで入れました。さっきパンフレットの方にございました、今はホームページということもございますから、プリントアウトしていただければすぐ使えるようなことも、わかりやすい説明書も含めて、ぜひ何とか工夫をして、こういった遺棄なのか、あるいは寝ていて逃げたのかわかりませんけれども、こういった非常に不幸な投棄がないように、ぜひしていきたいというふうに思っております。

【林部会長】 ありがとうございました。ほかにご意見、ご質問ありますか。よろしいでしょうか。

 それでは、ただいまいただきました論議を踏まえて、必要な修正を行っていただきたいというふうに思います。

続きまして、これは資料の3、動物が自己の所有であることを明らかにするための措置要領、資料4、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準の改定、資料5、展示動物の飼養及び保管に関する基準の改定、資料6、犬及びねこの引き取り並びに負傷動物の収容に関する措置要領の改定、この4つについて事務局よりご説明をお願いいたします。

【東海林動物愛護管理室長】 すみません、その前に、先ほど清水先生の方からちょっとご指摘がありましたけれども、16ページをごらんいただきたいと思うのですが、ここに今現在政令で指定されております約650種の特定動物種が掲げてございます。15ページ、16ページ、ここの16ページのボア科になるのですけど、中ほどにインドニシキヘビとございますけれども、一応こちらの整理では、このインドニシキヘビの中にビルマヘビが入るというところで整理されているという状況でございます。なかなか爬虫類の分類が難しくて、中川先生にご苦労いただいてこの指定種をつくっていただいたのですけれども、種の分類が多少ものによって変わっている、あるいは入れ子関係にあるというものがございますので、ビルマニシキヘビと言われていますけれども、これはとりあえずここの整理では、インドニシキヘビの一種であると整理されているというふうにお考えいただきたいと思います。

 それでは、資料の説明に入らせていただきます。

 まず資料7の方、委員の意見の概要でございますけれども、7ページをごらんいただきたいと思います。いただきました委員の意見だけ簡単に読み上げさせていただきます。

 まず所有者の明示の要領ですが、識別は動物の愛護及び管理の双方にとって重要なことを積極的に推進すべき。それから、識別データの管理が全国的に行われることが重要というご意見をいただいております。

 それから、家庭動物の飼養及び保管に関する基準関係では、動物愛護管理の教育等は、幼児期から行うことが重要。人も動物も同じだということを学べるようにすべき。炎天下で、犬を散歩させているなど、常識がない飼い主が多い。普及啓発に力を入れるべき。学校飼育動物については、休日等の取扱いが問題。推進員等の協力を得ながら、適切な管理が行われるようにすべきという意見をいただいております。

 それから、犬、ねこの引取り要領の関係では、犬、ねこの引取りを民間団体に丸投げすることは不適切、あるいは連れてくる人、捨てた人の責任を問われるべきであるにもかかわらず、動物愛護管理センター、行政に批判が集中しがち。センターにおける、アライグマ等の外来生物の処分の可能性についても検討すべき。

 それから、8ページになりますけれども、保管動物を新しい飼い主に譲渡する際には、マイクロチップの埋め込み等が措置されるようにすべきというようなご意見をいただいております。

 それから、中ほどになりますけども、その他としまして、市民の力をどう取り込んでいくのかの視点が大切である、あるいは行政担当職員の対する研修を行うべき。愛護団体に呼びかけて、マイクロチップの埋込みを推進すべき。マイクロチップについては、獣医師等に対して、技術習得指導を行うべき。推進を図るために、モデル事業等を行うべき。それから、ペットショップ等の販売業者も教育的活動を行うようにすべき、というご意見をいただいております。これにつきましては基準に反映する、あるいは基準の運用に当たって、私どもの施策に反映させていただくという形で取り組んでいきたいというように思ってございます。

 それでは、時間もちょっと押しているのですが、資料3以降のご説明に入らせていただきます。

【事務局】 それでは資料3、動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置要領(素案)、こちらの方を読み上げさせていただきます。

  •  第1 所有明示の意義及び役割。動物の所有者が、その所有する動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置を講ずることは、動物の盗難及び迷子動物の発生の防止に資するものであるとともに、飼い主責任の所在の明確化による責任意識の向上等を通じて、動物の遺棄及び逸走の未然防止に資するものであること。また、関係地方公共団体等により行われている迷子動物の所有者発見業務等の動物の飼養及び保管の適正化に関する措置が、適時適確に行われることを容易にするものであること。
  •  第2 定義。こちらについては省略をさせていただきます。
  •  第3 本要領の適用対象動物。本要領の適用対象動物は、家庭動物及び展示動物並びに特定動物とする。
  •  第4 装着すべき識別措置。

 1、基本的考え方、次の要件を満たすものの中から、動物の特性、飼養及び保管の目的等に応じて、適切と考えられる種類の識別器具を選択すること。また、非常災害時等における動物の予期せぬ逸走等に備え、識別器具は、可能な限り常時装着するように務めること。

  1.  (1)動物によって外されにくいものであること。
  2.  (2)老朽化等により、容易に脱落し、又は消失するおそれの少ないものであること。
  3.  (3)所有者の特定が直接又は間接的にできる氏名及び電話番号等の情報が付されているものであること。また、その特定が、迅速かつ低廉な費用で行うことが可能なものであること。
  4.  (4)付されている情報が記号である場合には、その記号の様式は、統一的かつ一意性が確保されたものであること。また、関係行政機関等からの照会に対し、的確に所有情報を連絡できる体制が、公的な性格を有する団体等によって全国規模で整備されているものであること。

 2 識別器具の種類。

  1.  (1)家庭動物等、展示動物。氏名及び連絡先を記した首輪又は名札、所有情報を特定できる情報等が付されたマイクロチップ、入れ墨、脚環等によること。以下、省略させていただきます。
  2.  (2)特定動物。人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれの高いことから、厳格な個体の管理が必要である特定動物については、原則としてマイクロチップ(鳥綱についてはマイクロチップ又は脚環)によることとし、その細目は環境大臣が定める特定動物の飼養又は保管の方法の細目に規定するところによること。以下、省略をさせていただきます。

 装着する時期。飼養及び保管の開始以降、速やかに装着を行うこと(ただし、幼齢な個体又は識別器具の装着に耐えられる体力を有しない老齢、疾病等の個体である等の特別な事情がある場合はこの限りではない。)また、発育段階に応じ、より適切と考えられる種類の識別器具への転換又は併用を必要に応じて行うこと。

 第4 動物の健康及び安全の保持。識別器具の装着に当たっては、動物に過度の負担がかからないような方法で行うこと。特にマイクロチップ等のように、その装着に当たって外科的な措置が必要な識別器具に関しては、できるだけ獣医師等の専門家の施術によって装着されるようにすること。また、識別器具の装着状態については定期的に観察し、動物の健康及び安全の保持上支障が生じないようにすること。

 第5 識別器具及び所有情報の点検。省略させていただきます。

 第6 関係行政機関等の責務。関係行政機関にあっては、所有明示に関する普及啓発を行うとともに、マイクロチップのリーダーを動物愛護管理センター等に配備する等により、識別器具に付された所有情報を読み取るための体制の整備を図ること。また、識別器具に付された所有情報の管理者は、所有情報の検索が全国規模で効率的に行われるように、情報源情報の整備等について、連携して協力を行うこと。

 続きまして、33ページ、資料4、「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準の改定素案」。改定された部分、追加事項についての主だった部分のみ読み上げさせていただきます。改正案の箱のところをごらんいただければと思います。34ページをお開けください。1、健康及び安全の保持。中間省略させていただきます。下から4行目、読み上げさせていただきます。また、傷病のみだりな放置は、動物の虐待を招きかねないことについて十分認識すること。家庭動物の訓練及びしつけ等は、その種類、生態、習性及び整理を考慮した適切な方法で行うこととし、みだりに殴打し、酷使する等の虐待を招きかねない過酷なものとならないようにすること。以下、中略をさせていただきます。

 続きまして、38ページをお開けください。38ページ中ほどでございます。読み上げさせていただきます。

  1.  3、犬の所有者等は、頻繁な鳴き声等の騒音又は糞尿の放置等により周辺地域の住民の日常生活に著しい支障を及ぼすことのないようにすること。
  2.  4については省略させていただきます。
  3.  5、これも5の8行目から読み上げさせていただきます。特に、大きさ及び闘争本能にかんがみ人に危害を加えるおそれが高いと認められる犬(以下「危険な犬」という。)を運動させる場合には、人の多い場所及び時刻を避けるよう務めること。
  4.  6、危険な犬の飼養者は、当該犬の突発的な行動により当該犬を抑制できなくなった場合に重大な事故を起こさないよう、道路等野外で運動させる場合には、必要に応じて口輪の装着等に務めること。以下、中略となります。

 次、40ページをお開けください。第7、学校、福祉施設等における飼養及び保管。

  1.  1、管理者は、学校、福祉施設等の利用者がその適切な飼養及び保管について正しい理解を得ることができるように務めること。
  2.  2、管理者は、動物の飼養及び保管の目的、施設の立地及び整備の状況、飼養又は保管に携わる者の飼養能力等の条件を考慮して、飼養及び保管する動物の種類を選定すること。
  3.  3、異種又は複数の動物を同一施設内で飼養及び保管する場合には、その組合せを考慮した収容を行うこと。
  4.  4、省略させていただきます。飛びまして5、管理者は、施設の閉館日においても、動物の飼養及び保管が適切に行われるよう配慮すること。

 家庭動物については、以上でございます。

 続きまして、42ページの「展示動物の飼養及び保管に関する基準の改定素案」でございますが、こちらについては、家庭動物等と同様の改定としておりますので、読み上げについては省略させていただきます。

 続きまして、53ページをお開けください。

53ページ、資料6、「犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置要領の改定素案」、こちらも新旧対照の形にしておりますが、右半分改正案の追加事項について、主要な追加事項について一部を読み上げさせていただきます。

53ページ、第1 犬及びねこの引取り。

  1. 1 都道府県知事及び指定都市の長、地方自治法第252条の22第1項の中核市の長その他政令で定める市の長(以下「都道府県知事等」という。)は、犬又はねこを引取るべき場所、日時及び費用の指定に当たっては、住民の便宜を考慮するように務めるとともに、犬及びねこの引取り措置は、終生飼養及びみだりな繁殖防止等の飼い主責任の徹底につれて減少していくべき緊急避難的措置として位置づけられたものであることについても配慮すること。また、引取りの場所、日時及び費用については、住民に周知徹底すること。
  2. 2 所有者から引取りを求められたときは、終生飼養及びみだりな繁殖防止等の飼い主責任の徹底を図る観点から、その事由、頻度及び頭数に応じて、飼養の継続及び生殖を不能にする不妊又は去勢その他の措置に関する必要な助言を行うこと。3、4については、省略をさせていただきます。
  3. 続きまして、54ページをお開けください。引き続き、読み上げさせていただきます。
  4. 5 都道府県知事等は、法第35条第2項の規定により引取った犬又はねこについて、マイクロチップ等の識別器具の装着状況について確認すること。ただし、当該識別器具の装着ができないと考えられる幼齢な犬又はねこについては、この限りではない。

第2 負傷動物等の収容。

  1. 1 法第36条第2項に規定する動物の種類は、犬及びねこのほか法第27条に規定する愛護動物のうち都道府県知事等が指定する動物の種類とすること。なお、この都道府県知事等が指定する種類の動物については、施設の収容力、構造及び人員の配置状況並びに当該地域における疾病にかかり、又は負傷した動物の発生状況等を踏まえて、必要に応じて選定すること。
  2. 2 省略させていただきます。
  3. 3 収容した負傷動物については、治療を行う等により、できるだけ生存の機会を与えるように努めること。ただし、治療を加えても生存することができず、また治療することがかえって苦痛を与える結果になる場合等死期を早めることが適当であると獣医師又は都道府県知事等が判断した場合は、この限りではない。
  4. 4 省略させていただきます。

第3 保管。

  1. 1 省略させていただきます。
  2. 2 都道府県知事等は、施設に保管する犬、ねこ等の動物(以下「保管動物」という。)のうち、所有者がいると認められる保管動物については広報、インターネット等による情報の提供を行う等により、また、標識番号等が明らかな保管動物については登録団体等へ照会する等により、当該保管動物の所有者の発見に努めること。
  3. 3 所有者がいないと認められる保管動物、所有者から引取りを求められた保管動物及び所有者の発見ができない保管動物については、家庭動物又は展示動物としての適性評価を実施し、適性があると認められる性状のものについては、飼養することを希望する者の発見に努める等により、できるだけ生存の機会を与えるようにすること。
  4. 4 飼養することを希望する者の発見は、近隣の都道府県知事等との連携を図りつつ、できる限り広域的に行うように努めること。この際、保管動物に関する情報の提供については、インターネット等を活用する等により広域的かつ迅速に行われるようにすること。
  5. 5 保管動物の譲渡に当たっては、飼養することを希望する者に対して、事前に飼養及び保管方法等に関する講習等を行うとともに、マイクロチップの装着及び不妊又は去勢措置が確保されるようにするための措置を講じること。
  6. 6 施設における保管の期間は、できる限り保管動物の所有者、飼養することを希望する者等の便宜を考慮して定めること。
  7. 7 保管動物を飼養することを希望する者の発見及び譲渡後の飼養及び保管状況を確認するための調査等の業務については、必要に応じて動物愛護推進員、動物の愛護を目的とする団体等との連携を図りつつ行うように努めること。

第4 処分、第5 死体の処理、第6 報告については省略をさせていただきます。

以上でございます。

【林部会長】 ありがとうございました。それではただいまのご説明に、ご意見、ご質問ありますでしょうか。よろしいでしょうか。はいどうぞ、兵藤委員。

【兵藤委員】 33ページの1番、いつも現場でやっていまして、はっきりしない問題があります。それは、所有者又は占有者という言葉が、これ法律的な言葉なのですけど、占有者という言葉の答えがはっきり出てきていませんでして、敷地外でねこを飼って、不妊手術代を出して、不妊手術を及ぼして、継続的に餌をあげている者は、これ占有者とみなしていい。そうすると、占有者イコール所有者になりますから、いわゆる所有者表示が出てきます。自己責任も出てきますし、所有者ですので、そのところ外で飼われているねこたちについては、家庭動物でもないし愛玩動物でもなく、生活補助動物かなといろいろ考えるのですけど、ここのところが一番実は現実的に非常に問題になっているところなのですけど、これはその占有者というものはどういうものであるかということを教えていただくと、このあたりの解決がかなり早く導いて、教育的にいわゆる指導ができるといつも思っているのですけど、いかがでしょうか。

【東海林動物愛護管理室長】 実は明確なお答えができなくてちょっと困っているのですが、ケースバイケースの判断になりまして、たしかに野良猫のような外飼い猫の状態でも、餌をやる、面倒を見るその程度、その状況に応じて、占有状態にあるのか、それともたまたま餌ですとかそういうものをやってケアしている状態にあるのかというのを、それぞれの事例ごとに判断しているという状況に現在のところあるようです。ですからお答えとしましては、綿密にケアしている場合には占有者に非常に近くなりますし、たまたま餌をやったり面倒見てるというとなかなか占有者とはいえない状況であると、というお答えをせざるを得ない状況です。

【兵藤委員】 比較的外猫と表したい、あるいは地域猫と表していますけども、比較的このあたりは全国的に広がっている飼育の方法のひとつなのですけども、このあたりが非常にあいまいなために地域でトラブルが出てくる。ここのところはっきりした見解を示しませんと、いろいろな意見がそこで錯綜するものです。私ども現場で動いていまして、動物愛護推進員がこれから出てくるのに、そのあたりのきちっとした整理ができていません。敷地外で継続的に餌をやっている方は、大変動物福祉的な気持ちでやっているのですけど、そのあたりに関し動物愛護推進員たちの指導をこれからどういうふうにしていくのかなということはいつも気になっているのですけど、よろしいです。また多分だめでしょう、今度も。

【林部会長】 どうぞ、大矢委員。

【大矢委員】 中身じゃないのですけれども、これだけマイクロチップというものが表に出てきている。31ページにも、公的な性格を有する団体等によって全国規模で整備されるものであるというような書きぶりがあるのですけれども、マイクロチップの一元化をどういうふうにお考えになってらっしゃるのか。私個人的には、これは獣医さんが入れ込むということになっているわけですから、獣医師会が中心になって動いていかざるを得ないのじゃないかというふうに思っておるのですけども、いかがなものでしょうか。

【東海林動物愛護管理室長】 一元化に関しましては、まずマイクロチップのハードとしての規格統一でございますけれども、これはISOの方でその構造と電波の読取りの情報のコードについて規格がございまして、現在のところ世界規模で統一をされているというように聞いております。

 それから、もう一つのハード以外のデータの方の一元的管理といいますか、統一の方なのですけれども、例えば今回の特定動物については、各都道府県知事と政令市の許可になりますので、その許可主体ごと、各自治体ごとに、許可情報といいますか、マイクロチップに関するデータベースというものが結果として整備されるということになろうかと思われます。そこについてはあくまでも許可情報で、個人情報も含まれてございますので、それをすべてどこかの機関で吸い上げて一元的に管理をするというのが、ちょっと仕組み的に難しかろうと思われますので、その代替措置として、情報源情報のようなものを環境省動物管理室主導で整備していってはどうかということで、今、関係団体あるいは関係省庁さんと調整を進めているところでございます。情報源情報と申しますのは、先日もちょっと申し上げたかもしれないのですが、このマイクロチップというのは15けたの番号が出てくるのですけど、どこのデータベースに個人情報が入っているかということがわかるような情報源情報を整備するというふうなイメージで考えてございます。

【林部会長】 よろしいでしょうか。ほかにございますか。青木委員。

【青木委員】 先ほどの兵藤委員のご発言について補足で申し上げておきますと、民法典の中に動物占有者責任という条文がございまして、占有というのは基準以前に民法典の法律用語としてあって、一般的抽象的な定義は述べようと思えば述べられますけど、それは余り現場には役に立たないのです。おそらく動物占有者責任が問われた事例の範例を調べますと、多少猫について少しはあると思いますので、こういう場合は法律上の責任を問われましたというようなことを何とか啓発するというか、そういった手段は講じられていないのではないかと思います。裁判になってみないと、結局のところ限界がどこにあるのかというのは事前にはなかなか言えないと、ただ現在なった関係では、事例では、ここまでは占有者の中に入れられたという参考例は多少あろうかと思います。

 以上です。

【林部会長】 ありがとうございました。貴重なご意見。ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、これで1から3まで全部ご説明いただき、ご意見、ご質問等いただいたわけですが、一つだけ、菅谷委員からいただいたご質問にちょっとまだお答えしていない。これは10ページにあります遺伝性疾患、10ページの(5)の①ですが、遺伝性疾患等の問題が生じるおそれのある動物を繁殖の用に供さないということ。これは例えばズーストック計画のようなもので、動物園で非常に数が少ない、しかし種の保存を図らなきゃいけないようなもの、トキもそうでしたし、それからひょっとすると、これもペットでもあり得るかなと思いますのは、日本犬の中で非常に少数になってしまっている何々犬と言われているものも、同じような、もうポピュレーションが非常に小さくなっている場合、これは繁殖障害、遺伝的な近交系になりすぎているということが起こり得るのですが、それでもうあえて品種あるいは種の保存を図らなければいけないという場合は、私の理解ではこれはここには入らないのじゃないかと、つまりこれは販売、展示又は貸出しのために動物を繁殖させる場合と言っていますので、そういうズースットクのような計画の目的の場合とはこれは異なりますので、やはりそういう意味ではこれにはひっかからないのじゃないかというふうに個人的には思うのですが、どうですか。

【東海林動物愛護管理室長】 ご指摘のとおりでございます。その意味がより明確になりますように、この表現ぶりあるいは解釈通達等で適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

【林部会長】 ほかは、きょういただいたご意見で、もうすぐパブリックコメントに移りますので、字句等大体合意に達していると思いますが、修正させていただきたいのですが、1点だけ、一番おそらくきょうの論議の大きなところですが、8週齢という8という字、12という数字もいただきましたが、あるいは45日という数字もありました。おそらく多くの委員の方は、8というふうにお考えになっている方が一番多いのかなと思うのですが、私は座長として、入れないで、パブリックコメントには出したいというふうに思っているのです。それはなぜかと言いますと、やはりヒアリング等をやりました中で、一番ここのところが実効性において心配されるところでありますし、またパブリックコメントで一番出てくるところでは、ここのところの論議は出てくる内容ではないかなという気がいたしますので、パブリックコメントまたそれを見ながら、おそらく事務局、ものすごい数のこのことに関してのコメントが出てくる可能性がある、きょうの委員の方々のご意見、これはきっちり私たちの頭の中にも、それから議事録にも残りますので、これで次回の12月の部会で、そこで改めてきっちり論議したいというふうな進め方でよろしいかどうかお伺いして、きょうは終わりたいと思うのですが、いかがでしょうか。

【清水委員】 基本的にはそれでいいのですけど、前の環境省のやったアンケートで見ると、45日未満で販売されているのは2割とか1割でしたっけ、そんなに決して多くないと。それからもう一つ、ヒアリング出た数字では大体3割だという数字が出ました。そうすると、45日以下でやっている人たちというのは少数派であるということであって、今より高い目標を掲げないと改正した意味がないと思うのですよ。それは十分踏まえていただきたいと思います。

【林部会長】 政府のパーセンテージはもうちょっと高くなかったかな。

【東海林動物愛護管理室長】 はい、60日で切ってアンケートにしておるのですが、つまり8週齢56日でちょっと4日ばかり多いのですけども、60日未満で犬を仕入れているペットショップというのが、サンプリング調査なのですけれども、昨年度の結果では約61%、6割を占めているという状況になってございます。ですから、8週齢60日でちょっと数字は違うのですが、約8週齢という基準を入れますと、今実態としては6割のペットショップがそれにそぐわない状況にあるという実態であろうかと思われます。

【清水委員】 45日が多いの………。

【東海林動物愛護管理室長】 45日未満は9%なのですけれども、逆に前回のヒアリングでも、あるいは前回のここの審議会でも、その45日というのはまた短すぎていかがなものかというご意見もあったものですから、とりあえず8週齢というのを念頭において、今ちょっとご説明をさせていただきました。

【藏内委員】 今兵藤委員がおっしゃったこととか、例えばこの8週齢がどのような既決になるのかわかりませんが、マイクロチップの問題だとか、いわゆる非常に大切な部分で、法律で明記ができない、努力義務みたいな形になっているのがありますね。私はこの部分では非常に大事なところだと思いますので、こういったものを自発的に国民が受け入れてくれるような啓蒙、これが大事だろうと思うのです。だから、先ほど申し上げましたパンフレット等をもし作ることができるのならば、そういった努力義務みたいなものも必ず一緒に明記もいただければと思いますので、お願いしておきたいと思います。

【丸山委員】 その8週齢という数字ですけれども、私は先ほどからずっとお伺いしていて、大体そういう数値を入れた方がいいのではないかというご意見が多いような気がする。それから清水委員がご指摘されたように、業界の方もある程度そういうものを受け入れざるを得ないという、そういうアンケートのような、あるいはご意見のようなものも考えると、そうすると、ある程度こちらからその数値をお示ししてその意見を聞くという方が、あとの私たちの判断の方がいいように私自身は感じるのですが、座長の林先生はちょっとそれとは違うのですが、そのあたりについて僕は座長がそういうふうにお進めになるというのだったらそれでもいいですけども、私個人的にはむしろそういうある程度のコンセンサスがあるのであれば、数値をお示ししてパブリックコメントを出すのはいかがでしょうかというのが私の意見なのですけど。

【林部会長】 先生のおっしゃることは、まさに1つの意見として、すぐにパブリックコメントは、これ自身が一つの、先ほど藏内委員がおっしゃっているような啓蒙活動にあたるのですよね。そういう意味では、ある程度具体的な数字があった方がいいと意見と、もう一つは現状が60パーセント、6割を超えるようなところで取引をされている、これは実際には業者側の問題もありますが、一番の大きな問題はそれを求めたいという、そういう若い犬、あるいは猫もそうですけども、求めたいという国民の側の方の要求があるわけですね。ここにいらしている委員というのは非常に高いレベルにおられますし、また傍聴されている方々もそういう方でしょうが、国民の中の状況はまだ残念ながら、その具体的な8という意味についての理解が、これは出し方によるのか、丁寧に説明しながらではいいのですけども、その8だの12だの45というのは、これはここにおられるような方はわかるのですけども、そうじゃない状況の中で、どの程度その意味を持つか、むしろ具体的にここに書かれているような内容の幾つかをかなりしつこく、例えば先ほどもご説明いただいたときに、7ページの(1)上から3行目、それから5行目の②、それから、③もそれに若干絡んでいますし、さらに今度は8ページの上から5行目の⑧といったところ、これ全部そういうところに絡んでいる内容の具体的な例を、具体的な内容をここまでは配慮しなさいという内容なのですが、いかがでしょう。やはりそれでもやっぱり数字を、8なら8というものを入れた方がよろしいでしょうか。

【青木委員】 私自身は、この問題一切発言しておりませんでした。それはなぜかというと、8週がいいのか45日がいいのかというのは、私には全然わからないからです。ですから、何かそのパブリックコメントのやり方がどのようになるのか、私詳しくは存じ上げませんが、もし何か示すのであれば、その根拠は何なのかという、これはおそらく自然科学的動物学的な、客観的なデータで示すべき根拠だと思うのです。それをつけて、あるいは現在は実際の行として成り立つためには、もう100%の方がそれではやっていけないというようなことを基準つくるのはやっぱりどう考えてもおかしいという、これまたコンセンサスのあるところなので、そういった参考になる数字をつけた上での8週なら8週というのを示す、あるいは根拠はこれこれこういうドキュメンテーションができるような形でやるというものも選択肢としてはあろうかと思います。

 以上です。

【林部会長】 そうすると、例えばこのパブリックコメントにかけますのは、この素案をかけるわけです。と同時にもう一つ何か用意して、この3の中にはそういうことはとても書けませんので、ここの委員会で出た意見について、8とか12とか、45も入れるのか、幾つかそういうこれまでの外国の例で、動物行動学的な言われ方等を非常に簡単にまとめたものを添付した、そういうパブリックコメントの書き方というのはできるのですか。つまりそっけなくこの3だけぽんと出すのですか。それについてこういう論議があった、この論議を踏まえて今こういう素案を出しますけどもというときの内容に、8という数字は、僕は当然入り得るのだと思うのですけどね。

【南川自然環境局長】 具体的には、その一つの数字でなくて、座長おっしゃったとおりこれはこれで吸い入れないという形と、それからもう一つは、これについて特に何かあればということで聞くことは可能だと思います。その場合当然ながら、その45と8週ですか、それについて幾つか当然現状とか、わかりやすいコメントをつけないとかえって誤解を生むというように思います。

【林部会長】 それは、そういうことでつけるという扱いでこの今の8問題は解決できますでしょうか。つまりこの素案のこの中にどこかに、第何条の第何項に入れるということじゃなくて。

【丸山委員】 先ほど私申し上げた、舌足らずだったのですが、その8なら8というのは動物学的にきちっと根拠があるのだということをしっかりこの委員会の中で承知しているのであれば、それを示しながら、そのパブリックコメントをいただく方がより具体的なご意見がいただけるのではないかと、それをもとに私たちはまたその論議をすればいいのではないかというのが趣旨でございます。

【林部会長】 どうぞ、中川委員。

【中川(志)委員】 今丸山さんがおっしゃったことも非常に一理あると思うのです。ただ、これはこういう初めての素案をパブコメにかけるということですので、当然先ほど座長がおっしゃったように、その3カ所についても皆さんがこれを見てこれではいかんと、したがって、これは45日にすべき、あるいは8週齢にすべき、あるいは12週にすべきというコメントは当然ひっかかる内容になっているのですよね。ここで今まで議論をしてきたわけですから、ここについてだけここでものすごい大きな議論になっているわけではなくて、一つの方向性として日にちは示した方がいいだろうと、それからそれをいつにするかというのを、ここでひとつの結論が出ているのであれば僕はそれ出した方がいいと思うのですね。しかし、ここでも必ずしもそこでまとまっているわけではない、それは座長が言うように、この素案を定義して、その素案について挙がってきたパブコメの中でこれに関連したものは十分に我々が受けとめるという形で次回に我々が案を出すというのが一番妥当であるような気がいたすのですけど、いかがでしょうか。

【丸山委員】 座長におまかせいたします。

【今泉委員】 12週齢が大分不利になってきたのでちょっと、というのはですね、ここでは社会化の問題を取り上げていますので、12週齢と言ったのです。8週齢というのは離乳が必ず終わると、離乳するというのが8週齢ですね。6週齢ぐらいから始まるものもいますけども、大体ほとんどが終わるのが8週齢。ですから、45日というと、早いやつは離乳をしていると、だけど半分ぐらいだと思います。ですから、その社会化を進めるには離乳の後親が犬、猫ですけどね、子に教えるという意味で12週齢ということを言っただけです。あとは………。

【兵藤委員】 一つよろしいですか。社会化でもう一つですね、母乳を飲んで、おかあさんからもらう抗体が切れてくるのが大体2カ月ぐらいということで、ワクチンが有効に効いてくるのが大体8週齢ぐらいという意味も、実はこのあたりの科学的なものには社会化だけではなくて、感染予防という中で、それの幼若のものを守ってあげようという、そういう中でのワクチン接種移行抗体と言っているのですけど、そのあたりが切れてはじめてワクチンが効いてくる。45日では、ほとんど親の免疫がある限りはワクチン打っても無効に働いてしまう。でも無効かどうかわからないから、今の業としている方たちはもう30日、35日、40日ぐらいで打ってくるというようなのは現状なのですけども、このあたりも感染予防のためにはということです。

【林部会長】 それから、今泉委員のおっしゃったことで言いますと、その意見はおそらく分かれると思うのですね。8週は間違いないけども、そのあと8週から12週ぐらいの間は人間との社会化もありますから、それを新しくこれから一生をともに過ごす飼い主のところでの人間との社会化をやっぱりやった方がいいという意見もかなり強い意見としてありますから、8週以降になるとここはいろいろ意見が分かれるところではないかと思いますが、ここのところはうまくこれまでわかっていることを正確に簡単に示しながら、大体きょういただいたご議論を生かす方向で、私ども事務局におまかせいただくということでよろしいでしょうか。

 それでは、どうもありがとうございました。

 それでは、次回の予定をお願いいたします。

【東海林動物愛護管理室長】 きょうは長時間にわたりご審議いただきまして、ありがとうございました。お示ししました素案につきましては、パブリックコメント等を踏まえまして、ご意見を踏まえて最終案として取りまとめていきたいというように考えてございます。

 次回の部会になりますけれども、12月21日午後2時からということで、場所はここと同じ環境省第1会議室で予定してお願いしたいというように考えてございます。次回の部会では、関係性省令の基準案についてご議論いただきまして、できればご答申をいただければありがたいというように考えてございます。

 それから、来週早ければ来週からパブリックコメントに入るわけなのですが、なかなかこの資料を示しただけでは一般の方におわかりいただきにくいというところもあろうかと思いますので、全国2カ所ぐらい、東京と大阪ぐらいになろうかと思いますけれども、説明会のようなものをちょっと私の方でできれば開催させていただいて、ちょっと丁寧な形でパブリックコメントをさせていただきたいと思います。その説明の中では、きょうご議論ありました8週齢の問題ですとかいろんな問題を含めてポイントになったところをつまびらかにしていきたいというように考えてございます。

 本日は、どうもありがとうございました。

【林部会長】 それでは、終わらせていただきます。