中央環境審議会 自然環境部会 遺伝子組換え生物等専門委員会(平成27年度 第1回) 議事禄

1.開催日時

  平成27119日(月)13:0015:00

2.開催場所

  経済産業省別館1115会議室(19階)

3.議題

(1)検討の枠組みについて

(2)法施行後5年の検討以降のカルタヘナ法の施行状況の検討について

(3)カルタヘナ法を取り巻く国内外の動向について

(4)その他

4.議事禄

○曽宮室長 予定時刻となりましたので、中央環境審議会自然環境部会遺伝子組換え生物等専門委員会を開催させていただきます。

 本日の審議に先立ちまして、奥主自然環境局長より一言ご挨拶申し上げます。

○奥主局長 自然環境局長の奥主でございます。

 委員の先生方におかれましては、お忙しい中、本委員会にご出席していただき、ありがとうございます。開催に当たりまして一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

 皆様ご存じのとおり、平成15年に、いわゆるカルタヘナ法が成立いたしまして、平成16年に施行されてから既に10年以上が経過したところでございます。この間、例えば、環境中で使用する第一種使用につきましては、300件を超える案件が審査、承認されてきておりまして、この法律による手続の事例は着実に増えてきております。一方で、遺伝子組換え技術が新たな生物種に応用されたりするなど、内容には多様化が見られるところでございます。

 このような中、カルタヘナ法が適切に運用されているかということなどを確認するための施行状況の検討につきましては、法の附則に基づきます法施行後5年後の施行状況の検討を一度、平成21年度に実施しておりまして、当時の結果といたしましては、運用などの改善に努めるべき点はあるものの、法改正等の措置は必要ないとの結論を得てきました。

 この度、前回の検討から5年以上が経過していること、また、カルタヘナ議定書に関する国際的な動きなどもございますことから、前回の検討以降の施行状況の検討などを行うことを目的として、今年8月に、中央環境審議会自然環境部会におきまして、本専門委員会の設置をご了承いただいたところでございます。今回が第1回の専門委員会の開催となりますが、本委員会では、関係各省の審議会や検討会などで個別案件の審査という形で法律の運用に関わっていただいている皆様に専門委員としてご参加いただいております。委員の皆様方には、日ごろよりカルタヘナ法の運用につきまして、お忙しい中ご協力いただき、ありがとうございます。この場をかりて御礼を申し上げたいと思います。

 本委員会は、今後、何回かの検討を行うことを考えております。その検討結果は、自然環境部会に報告されまして、同部会におけます審議を経て、必要に応じてカルタヘナ法の関係法令や運用の改善などに反映される予定です。委員の皆様方には、これまでの間、個別案件の審査を行ってきた中でお気づきの点を含めまして、カルタヘナ法の運用について幅広いご意見をいただき、今後の法律の円滑な運用に向けましてご議論いただければと考えております。

 限られた時間ではありますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○曽宮室長 まず初めに、事務局のほうより、本日ご出席の先生方をご紹介させていただきたいと思います。

 私のほうからお名前を読み上げさせていただきますので、私から右手の明石先生のほうからご紹介させていただきますが、明石博臣委員でございます。文科省に関わる第二種使用について個別案件の審査にもご協力をいただいているところでございます。

 続きまして、穴澤秀治委員でございます。産業界を代表して参画をいただいております。

 続きまして、磯崎博司委員でございます。本委員会の委員長もお願いをいたしております。

 続きまして、伊藤元己委員でございます。農水省及び当省に関わる第一種使用について個別案件の審査にもご協力をいただいております。

 続きまして、大澤 良委員でございます。文科省及び環境省に関わる第一種使用並びに農水省、それから環境省に関わる第一種使用についても個別案件の審査にご協力をいただいております。

 それから、佐藤 忍委員でございます。農水省及び環境省に関わる第一種使用について個別案件の審査にご協力をいただいてございます。

 続きまして、柴田明穂委員でございます。環境省の自然環境部会の臨時委員でもあり、国際法をご専門とされております。

 続きまして、最後に山口照英委員でございます。厚労省及び当省に係る第一種使用について個別案件の審査にご協力をいただいております。

 皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

 なお、大塚 直委員、それから鎌形洋一委員、五箇公一委員につきましては、本日、ご都合によりご欠席でございます。

 続きまして、資料の確認をさせていただきたいと思います。

 この一番表紙に「議題関係資料」ということで資料の数が多くなってございますけれども、議題1関連の資料といたしましては、検討の枠組みについてということで、議題1については資料1-1、遺伝子組換え生物等専門委員会の設置についてというものと資料1-2、遺伝子組換え生物等専門委員会専門委員リスト、資料1-3といたしまして、カルタヘナ法の施行状況の検討についてというものが議題1関連の資料でございます。

 議題2の関連といたしまして、資料2-1として、カルタヘナ法制定まで及び制定後の経緯、資料2-2、カルタヘナ法の概要、資料2-3、関係法令全体図、資料3-1から3-3まで第一種使用規程の承認の流れ、承認の状況、それから承認にあたってのパブリックコメント実施結果、資料3-4といたしまして、承認されていない遺伝子組換え生物等の第一種使用事例ということで、資料4-1、4-2といたしまして、第二種使用等に係る拡散防止措置の実施の流れ、それから不適切な使用事例、資料5、審査等に係る法の運用改善や情報提供等の実績の事例、資料6として、日本版バイオセーフティクリアリングハウスについて。

 議題3関連といたしまして、資料7、前回検討以降のCOP・MOPの議題等について、それから資料8、名古屋・クアラルンプール補足議定書についてといったものということであります。

 あと、参考資料といたしまして、参考1から3で、カルタヘナ議定書の概要、カルタヘナ法条文、それから前回検討時の報告書がついてございます。

 不備がございましたら、事務局にお申し出いただければと思います。

 それでは、議題のほうに入っていかせていただきたいと思いますけれども、これからの進行は磯崎委員長、よろしくお願いいたします。

○磯崎委員長 このたびこの委員会での委員長を仰せつかっております。先ほど紹介もありましたが、5年ほど前、前回の検討時に携わっていたということだったり、あるいは個人的にですが、90年代後半から2000年のころ、このカルタヘナ議定書の交渉・採択時にちょっとフォローしていたこともあったりしまして、そのような関係から委員長ということを仰せつかっております。

 この委員会では時間的な制約等もありまして、短い期間にかなりたくさんの事柄を委員の方々にはお願いすることになるかもしれませんが、ぜひよろしくお願いいたします。

 そうしましたら、本日の議題ですが、まず、議題1で、この検討会のベース、それから具体的に何をどのようにというような枠組みや方針に関してです。

 それでは、事務局、資料1に基づいてお願いいたします。

○曽宮室長 資料1につきましてご説明をいたします。

 まず、1枚おめくりいただきまして、この資料は全部通し番号になっておりますけど、1ページでございます。資料1-1、遺伝子組換え生物等専門委員会の設置についてということで、これは本年8月24日に、自然環境部会でこのように決定をされてございます。

 審議会の運営規則第9条第1項の規程に基づきまして、次のとおり決定するということで、1.といたしまして、自然環境部会に、専門委員会として、遺伝子組換え生物等専門委員会を置くということが規定されてございます。

 2.といたしまして、専門委員会は、遺伝子組換え生物等に係る国内外の動向を踏まえつつ、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律の施行状況等に関する事項について調査及び検討を行う。

 3番目といたしまして、専門委員会に属すべき委員、臨時委員又は専門委員は部会長が指名する。

 最後に、専門委員会に委員長を置き、部会長の指名によりこれを定める。というふうになってございます。

 次のページをお願いいたします。

 これも同様に、自然環境部会長の決定といたしまして、運営方針が定められてございます。

 1から3までございますけれども、1は会議の公開でございます。

 会議の公開・非公開で、専門委員会は、原則として公開するものとする。ただし、公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、特定の者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合には、委員長は、専門委員会を非公開とすることができる。というふうにされてございます。

 それから、公開する場合の必要な制限ですが、委員長は、会議の公開に当たり、会議の円滑かつ静穏な進行を確保する観点から、入室人数の制限その他必要な制限を課することができる。

 2.出席者で、代理出席は認めないということでございます。欠席した委員、臨時委員等については、事務局から資料送付等によって、会議の状況をお伝えいたします。

 3.会議録についてでございますけれども、(1)会議録の作成、配付ということで、会議録は、正確に記載する。それから、②として、会議に出席した委員の了承を得るということと、③としては、会議録は、専門委員会に属する委員等に配付するということが決まってございます。

 (2)会議録及び議事要旨の公開ということで、公開した会議の会議録は、公開するものといたします。それから、②といたしまして、専門委員会の会議について、記事要旨を作成し、公開するものとする。③としては、会議録及び議事要旨の公開は、環境省ホームページへの掲載及び環境省閲覧窓口への備え付けにより行うものとする。ということでございます。

 3ページのほうに、今ご紹介させていただいた専門委員のリスト、役職、専門分野等を記載してございますので、ご覧いただければと思います。

 続きまして、4ページは白紙でございますので、資料1-3、5ページでございますが、この委員会で特に何を検討していくのかといったところのイメージを資料1-3でお示ししています。

 まず、本専門委員会の設置に係る経緯でございますけれども、今、局長がご挨拶したとおり、平成21年にカルタヘナ法の施行条件の検討を一回しております。その結果、法改正の所要の措置は必要ないと結論が示されてございます。

 そのときの答申につきましては、参考資料3、一番最後の資料についてございます。

 その後、前回の検討は、カルタヘナ法の附則で、5年経過した時点で、法律の施行状況について検討せよということに基づきまして検討いたしましたけれども、今回につきましては、そのような明記した規定は必ずしもございませんけれども、カルタヘナ法の前回の施行状況の検討からも5年以上が経過しているということ、また法律の見直し規定も通常5年であるということから、カルタヘナ法の施行状況について二度目の検討をするということになってございます。

 それから、6ページ目でございますけれども、会議の検討の進め方のイメージでございます。

 先ほどご紹介しておりますように、今年8月24日に中央環境審議会自然環境部会におきまして、この委員会の設置及び専門委員会での検討を了承されております。

 それで、次が本日ということでございますが、本日につきましては、「法施行後5年の検討以降のカルタヘナ法の施行状況の検討について」ということと「カルタヘナ法を取り巻く国内外の動向について」を基本的な議題とさせていただいております。

 その後の流れといたしましては、2回ないし3回を予定しておりますけれども、次の大きな黒く塗ったところでございますけれども、遺伝子組換え生物等専門委員会におきまして、施行状況の検討に係る専門委員会報告書の素案の議論、了承などを行いたいというふうに思っております。これにつきましては、その素案の、この委員会での了承後、パブリックコメントを経まして、遺伝子組換え生物等専門委員会を必要に応じて開催して、その結果を自然環境部会に報告をする予定となっております。

 中央環境審議会自然環境部会は、専門委員会報告の内容について審議をいたしまして、何がしかの答申をする。

 その次は点線で書いておりますけれども、指摘事項に関しまして、必要な対応措置の検討がなされるという流れになる予定でございます。

 事務局からのご説明としては以上でございます。

○磯崎委員長 ありがとうございました。

 委員会の根拠に関する事項、それからこの委員会で具体的に何をするかで、特に最後に説明いただいた6ページの真ん中の太い枠で囲ってある中ですね、この委員会がというイメージになります。

 この委員会の設置、それからその枠組み、そしてスケジュールや構成員、その関連で何かご質問、ご意見などございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 6ページの枠の中で、先ほどもちょっと触れられていたんですが、とりあえず全体で3回程度予定しているんですが、それ以降のことを書いていないんですが、現在進行形のこと等もありまして、その辺は次回以降の中でまたはっきりしてくるかと思うんですが、ちょっとスケジュールが何かはっきりしていない面がありますけれども、そういう意味でご了承いただければと思います。

 それでは、よろしければ、次の議題で……どうぞ。

○曽宮室長 すみません、自然環境局長が所用により退席させていただきます。申し訳ございません。

○磯崎委員長 はい。

 それでは、議題の2つ目ですが、中心的な議題で、前回の検討から5年近くが経過しているということなので、それ以降のカルタヘナ法の施行状況ということで、資料2から資料6を使いますが、では、それに基づいて事務局からお願いいたします。

○曽宮室長 資料2から資料6までをご説明いたします。

 恐らくここにお集まりの先生は、資料2、3、4あたりはもう大分先刻ご承知のことも多いかと思いますので、そのあたりは適宜割愛をさせていただきながらご説明させていただきたいと思います。

 まず、7ページでございます。

 資料2-1、カルタヘナ法制定まで及び制定後の経緯というところで、下段の部分でございます。2000年に生物多様性条約と一緒にバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書が採択をされてございます。

 それを受けまして、2003年に、いわゆるカルタヘナ法、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律が制定をされてございます。

 2009年が全体の施行状況の検討、その後、2010年に、いわゆる生物多様性条約のCOP10が名古屋でございまして、バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書、カルタヘナ議定書の補足議定書が採択をされております。

 2012年でございますけれども、この補足議定書について日本として署名をしているということでございます。

 資料2-2でございます。

 これも基本的なところでございますけれども、カルタヘナ法の概要ということで、目的としては、遺伝子組換え生物等の使用等の規制に関する措置を講ずることによって、生物多様性を図る。それから、カルタヘナ議定書の的確かつ円滑な実施を確保するというところでございます。

 法律としては、基本的事項がございまして、3段目の大きな括弧としては、使用等に係る措置として、第一種使用と第二種使用と2つに大きく分かれていて、主務大臣が、そこに書いてあるそれぞれの省庁になっている。

 このほかに、LMOの輸入の有無を検査する仕組みだとか、輸出の際の相手国への情報提供等々が規定をされてございます。

 資料2-3で11ページでございますけれども、さらにもう少し詳しく関係法令の全体図を書いてございます。

 ページの左手のほうが第一種使用についての規程、右のほうが第二種使用についての規程ということでございますけれども、法律があって政令が主務大臣、生物検査の手数料の額を定める政令というのがありまして、さらにその下に省令、あるいは省庁が共同で出している施行規則とかいろいろな省令がございます。

 さらに、その下に告示ということで、基本的事項の告示、関係する6省の共同の告示があったり、それから第一種使用等による生物多様性影響評価実施要領などが決められてございます。

 12ページに行きまして、さらに実務上はもう少し細かくいろいろな通知、医薬品分野、それから酒類製造、農林水産、研究開発といろいろな分野ごとにさまざまな通知類がございます。

 さらに12ページの下のほうとしては、解説類として、法律の解説だとかいろいろな実際の実務上の手引だとかそういったものがあるというところでございます。

 13ページでございますけど、資料3-1になります。

 これも実際に審査に関わっている先生方が多数でございますので、承認の流れは概ねおわかりだとは思いますけれども、基本的には、申請書ということで生物多様性影響評価書を添付いたしまして、それぞれの担当省庁が違っておりますので、それぞれの省庁で研究開発分野、農林水産分野、医薬品分野でそこに書かれているような流れで審査が行われる。

 研究開発につきましては、学識経験者の意見聴取というところでございますけれども、農林水産、医薬品につきましては、基本的には各種の検討会あるいは委員会等で審議をしていただいた上で、その案を原則としてパブリックコメントを実施しております。

 その後、承認の可否の決定をするということで、これは後でまた数字が出てきますけれども、2014年9月末現在といたしまして、研究開発は46件、農産物は241件、昆虫2件、動物医薬品等が3件、医薬品等が34件という承認がなされているという状況でございます。

 続きまして、実際の承認時状況でございますけど、資料3-2、15ページでございます。

 これは、前回の検討が平成21年7月現在までの状況についてサマライズをしておりますので、平成21年8月以降平成27年9月末現在という間の承認状況でございます。

 まず、全体といたしまして、農作物が74件ですね、それから農作物の隔離ほ場が34件、動物の隔離飼育区画の案件が4件、動物用医薬品が1件、研究開発40件、医薬品等17件、医薬品の治験が4件、計147件でございました。

 その間に新たに承認された主な生物種というのがございまして、タバコ、これは研究開発で2014年4月に承認をされておりまし、スギ、これは研究開発といたしまして2014年11月、カイコ、動物の隔離飼育区画、これが2014年5月に新たに承認をされております。それから、平成21年2月以前に承認が得られていた生物種についても、新たな形質として、農作物の一般紙用、トウモロコシの乾燥耐性、雄性不稔だとかダイズ、低飽和脂肪酸、害虫抵抗性、ステアリドン酸産生、それから研究開発としてイネの複合病害抵抗性、スギ花粉症治療などがございました。

 なお、農作物の一般使用については、現在、国内で商業栽培は行われているというのは花きのみでございます。食用・飼料用作物の商業栽培は行われていないという状況でございます。

 15ページの下段のほうから具体的な各分野ごとの承認案件というものがございますが、まずは、農作物に関しましては74件です。ちなみに、前回の検討、平成21年までの中では77件でございました。

 それから、農作物の隔離ほ場が38件等々、動物の隔離、カイコ2件、それから次の動物用医薬品で鶏大腸菌の生ワクチンが1件、研究開発に係る第一種使用規程の承認として、そこに書いてある種について40件、それから16ページの一番下、遺伝子治療臨床研究に係る第一種使用規程の承認ということで、17ページに移りまして17件、医薬品の治験に係る承認ということで4件でございます。

 それから、資料3-3でございますが、第一種使用規程の承認にあたってのパブリックコメントを実施してございますけれども、19ページになります。

 このパブリックコメントについては、法それから基本的事項の規定に基づきまして、基本的には全て実施をしておりますけれども、具体的には、農作物・動物用医薬品の産業利用分野、研究開発分野等で実施をしております。

 開始日につきましては、各省においてプレスリリースを行っておりまして、あとは各省のホームページ、電子政府の総合窓口及び日本版バイオセーフティクリアリングハウスに関係資料を掲載して情報提供に努めながら実施をしてきております。

 平成21年8月から27年9月末まで、産業利用分野の農作物で30回、動物用医薬品で1回、研究開発分野で8回実施をしております。これは回数と件数が合わないのは、それぞれの回でまとめてやっていたりいたしますので、パブリックコメントの回数としては30回ということでございます。

 特に多く寄せられている意見といたしましては、遺伝子組換え生物の承認にそもそも反対だとか、非組換え系統と遺伝子組換え系統が実質的に同等であるという「実質的同等性」の観点についての慎重な判断が必要であるというご意見。それから、開発企業ではなく、第三者機関がテストした結果に基づき判断すべき等、そこに書かれているようなコメントが出ております。

 個別の生物多様性影響評価の内容への意見というよりも、遺伝子組換え生物そのものや評価方法等全般に関するご意見が多かったということでございます。

 具体的には、20ページ以降に、それぞれ分野ごと、年度ごとに書いてございます。提出意見数、整理した意見数等々、そこに書いてあるとおりでございます。

 続きまして、資料3-4でございます。

 これは、承認されていない遺伝子組換え生物等の第一種使用事例ということで、今度は法によって承認を取っていなければいけなかった事例ということで、農作物分野について3件ございました。農作物①から③とありますけれども、①アマ、民間企業が使っていた事例、それからパパイヤ、ワタ、それぞれ民間企業において承認を得ていない遺伝子組換え生物が使用されていた事例がございました。

 ただし、この3件ともですが、生物多様性影響に及ぼす例というのは確認をされてございません。

 続きまして、25ページのほうでございますが、資料4-1といたしまして、これから第二種使用に係るものでございます。

 拡散防止措置の実施の流れということで、これも研究開発、それから産業上の使用ということで2つ大きなカテゴリー区分がございますけれども、それぞれ省令で定められた拡散防止措置をとって使用を行って、そのあらかじめ定められている拡散防止措置であれば、それに沿って実施をしていただいておりますけれども、定められていない場合につきましては、主務官庁で確認をとって使用するという枠組みになってございますが、確認件数といたしましては、2015年9月末現在、法施行以降、総計として研究開発が2,250件、農林水産169件、医薬品等が239件、鉱工業が1,975件となってございます。

 資料4-2、27ページでございますけれども、これにつきましては、第一種使用と同じように不適切な使用事例ということでございますが、前回の点検のときに30件ございました。今回については、大体同じような数になっているかと思いますけど、不適切な使用事例の内容といたしましては、不活化処理をせずに組換え生物を廃棄してしまったとか、遺伝子組換えマウスを逸出した、あるいはそういった適切な拡散防止措置をとらずに使用した事例が最も多かったということでございます。それは、円グラフのところに内容別というところで示してございます。

 実施主体としては、同様に右側の円グラフのほうを見ていただけると思いますけれども、民間企業が最も事例としては多かったということですが、生物といたしましては、遺伝子組換え微生物が最も多く、次いで動物(マウス、ラット)と植物の順に多かったということでございます。

 発生年度別では、平成22年の9件が最も多かったわけですが、年度別の件数の推移に特段の傾向は見受けられないかなというふうには思っております。

 続きまして、資料5でございます。

 これは、審査等に係る法の運用改善や情報提供の実績の事例でございますけれども、これは前回の平成21年の答申を受けまして、それぞれ省庁別にどのような対策をとったのかといったことでございます。

 これにつきましては、まず、参考資料の参考3の前回検討時の報告書を少しめくっていただければと思いますけれども、本当に最後の、裏返していただいてめくっていただきますと29ページのところに、施行状況の検討ということで、これが前回の答申の核心部分ということになりますけれども、4.施行状況の検討ということで、法の施行状況、これについては、第一種使用に関しては事例も増えて審査も軌道に乗ってきたということと、法律の枠組みの修正は必要ありませんけれども、運用方法、情報提供に関して、下記に示すような改善の検討が必要だというご指摘でございます。それに対応する事例ということで資料5がございます。

 資料5につきましては、これは年度別に並んでおりますので、少し見にくい場合もあるかもしれませんけれども、まず、答申の中で、第一種使用に係る生物多様性影響評価に関するご意見の中で、1つ目の○としては、産業利用を目的として申請されるものと比較して、学術研究を目的として申請される第一種使用規程の承認件数が少ないということで、研究の妨げになっているのではないかとの懸念があるということ。

 それから2番目の○としては、一定条件の管理下で行う研究開発目的の第一種使用、それから一般栽培などの産業利用における第一種使用、例えば手法だとか使用スケール等々が違って、結果的に生物多様性影響評価が生じた場合の影響の程度が異なるのではないかというご指摘です。

 また3番目、ここが主に改善に係る話となりますけれども、今後、遺伝子組換え技術に関する研究開発は、地球環境問題などへの対応方策の1つとしても、重要性が高まっていくということで、研究開発として行う第一種使用に関しまして一般栽培等の産業利用における第一種使用との使用の態様の違いを踏まえた評価を行っていく必要があるというご指摘がございました。

 これにつきましては、例示をいたしますと、資料5の中では、番号が一番左についているかと思いますけれども、3番、16番、17番あたりがそれに対応した措置ということで、文科省の承認使用申請と手引きの作成だとか、16番、スタック系統については統合的な審査を行っていく。それから18番、国内の隔離ほ場での情報収集を不要とする遺伝子組換え農作物の明確化をしていく、そういった改善がなされていたところでございます。

 それから、また参考資料に戻っていただきますと、遺伝子組換え生物の新たな使用形態等への対応ということで、2番目の○のところですけれども、今まで申請のなかった用途での遺伝子組換え微生物の第一種使用が具体化した場合など、各評価項目に対してどのくらいの内容を示せばいいか、既存の知見と得られる範囲内の情報による評価を行うことは可能と考える。可能と考えるというか、具体的に何をせよというふうに書かれているわけではありませんけれども、それにつきまして、資料5の6番、農水省の承認申請に関する通知の策定だとか10番、遺伝子組換え醸造微生物に関する情報収集などか対応したものとしてなされてきたところでございます。

 それから、資料行ったり来たりで申し訳ありませんけれども、答申のほうの一番最後のほうのページになりますが、情報提供につきましては、一番下の○としては、今後、一般向けのコミュニケーション活動を引き続き実施するということと、法に基づく申請をしようとするものだとか、一般へのより有効な情報提供が行われるよう、J-BCHですね、日本版バイオセーフティクリアリングハウスなどを活用していくことなどの取組が必要ということで、これについては、事例としては非常にたくさんありまして、例えば、1番の農水省の標準手順書の公表だとか、7番、第二種使用の手続きマニュアルの公表だとか、あとは番号しか言いませんけれども、11番、13番、14番、17、19、23といったあたりが情報提供に関する対応事例と、対応実績ということになります。

 それから、答申のほうの科学的知見の集積ということで、これにつきましては、これまでの研究事業について知見の集積が行われていますが、それらを随時生物多様性影響評価に今反映をしてきてはいるところですが、引き続き知見の充実を行う必要があるといったことに対応するものでございます。これについては、資料5のほうでは、13番の農水省のトウモロコシの宿主情報の公表だとか、18番だとか25番当たりが対応するものでございます。

 すみません、ご説明が長くなっておりますけれども、最後、資料6でございます。

 31ページでございますが、日本版バイオセーフティクリアリングハウスについてということで、J-BCHは、カルタヘナ議定書に基づく国際的な情報源であるバイオセーフティクリアリングハウスの国内版にとして、遺伝子組換え生物のリストだとか承認された生物多様性影響評価書、パブコメ等の情報が掲載をされ、随時更新をされております。英語版のホームページも準備されておりまして、同様の中身となっているところでございます。

 これにつきましては、ホームページの月間のアクセス数、大体1万2,000件、32ページの上のほうの図によりますけれども、月によっても若干の変動はありますけれども、累積のアクセス数で堅調に増加をしてきているということかなと思います。

 33ページのほうに飛んでいただきまして、どういったところからアクセスかが多いかといったところが表2に示してございます。

 一番上が、5と書いてある一般のプロバイダ経由というところが大体多うございますけれども、あとは、2と書いてある民間企業、バイオ、食品、医療、化学なんかの民間企業。それから1の官公庁、4の大学・研究機関、3としてその他の民間企業という、大体そういう多さの順番になってございますが、海外からも8,000とか1万とかそういった数字でかなり多くのアクセスがございます。

 図3は、それを表にしたものでございます。

 資料6については以上でございますので、事務局からの説明をこれで終わらせていただきます。

○磯崎委員長 ありがとうございます。カルタヘナ法の枠組みや手続で、それの上に最近の5年間で承認された新しい動きですね、それからその際のパブリックコメントの内容の整理と、あとが適切でない違反的な事例について、そして最後のところで、前回の検討見直しで要請されていた事柄にどのように各省庁が応えてきているかというところもまとめていただきました。

 この今の説明あるいは最近の5年程度の間の運用との係わりで何かご質問、ご意見等ございますでしょうか。

 どうぞ、柴田委員。

○柴田委員 どうもありがとうございました。私は国際法が専門ですので、比較的そういう観点から少しコメント及び、更なる情報提供がもし可能であればお願いしたいと思います。

 カルタヘナ法第1条を見ていただきますと、この法律が国際条約であるカルタヘナ議定書の的確かつ円滑な実施を確保するためにできているということでありまして、常にこの法律の施行状況を確認及び検討する際には、比較的国内だけの事情を見がちですけれども、常に国際的な状況を見ながら、この法律の施行状況を検討していく必要があるというふうに私は考えております。

 その観点から及びちょっと違う観点からも含みますけれども、3つコメント、ほとんど質問ですかね、3つ質問をさせていただければと思います。

 1つは、カルタヘナ議定書の7条4項の履行状況、これは議定書の7条4項は何が書いてあるかといいますと、LMOのうち生物多様性への悪影響がないものとして認定されたものについては、越境移動に関する手続をもはや適用しなくてもいいという規定であります。これを担保しているのがカルタヘナ法の4条の後半ただし書きのところに規定がありまして、ただし、その性状等から見て、第一種使用等による生物多様性影響が生じないことが明らかな生物として主務大臣が指定する遺伝子組換え生物等については、この法律の定める手続をしなくてもいいという規定が書かれている部分であります。

 国際的に締約国会議、COPで影響がないというふうに決定されたものを恐らく4条ただし書きで施行するかと思いますので、まずご質問したいのは、締約国会議等において、もはや生物多様性に対する悪影響がないものとして決定されたようなLMOがこれまで認定されているのかどうか。そういう議論がなかった理由はどういうふうにお考えなのか。日本でも恐らくもう悪影響がないとほぼ確定できるようなものもあるかと思いますが、そういうものを日本として締約国会議に付託をして、もはやこのLMOについては越境移動に関する手続等をとらなくてもいいんじゃないかというような提案をするような、これまで検討がなされたかどうか、このあたりの検討状況をお伺いしたいというのがまず第1点であります。

 第2点目は、カルタヘナ議定書というのは、実は越境移動したLMOだけを対象にしておりまして、国内で開発されたものそのものについては、国際条約は何ら規定をしておりません。ただし、日本の国内法は、外から入ってきたLMOも、それから国内で開発されたLMOも同じように生物多様性リスク評価をされて承認をされるという手続をとっておられるわけでありますが、第一種使用につきましては、カルタヘナ議定書に基づく越境移動の際にAIA、アドバンスト・インフォームド・アグリーメント、事前にこのLMOを輸出していいかという通報が輸出国ないしは輸出者のほうからありますので、どのLMOが外国から来たものであるかということは、第一種に関する申請書を見ていただければわかるようになっております。

 しかし、これはカルタヘナ議定書の6条2項だと思いますが、日本でいう第二種使用、カルタヘナ議定書でいいます隔離された利用ですね、コンテンドユーズにつきましては、事前の通報をしなくてもいいということになっております。したがいまして、先ほど第二種使用のほうがすごく確認の件数がたくさんあるんですが、これらのうち、おおよそで結構なんですけれども、どれぐらいが外国から来たものを日本で使っているのか、それから日本で開発されたLMOを日本で使っているのか、このあたりの情報が実は、これは議定書上もそれが要求されておりませんし、したがって、国内法上も恐らくそれは施行実施されていないと思うんですけれども、第3点で述べることと少し関係してくるんですが、今後この状態はもしかしたら問題を起こすかもしれない。外国から入ってきたLMOでコンテンドユーズしているのか第二種使用しているのか、国内で開発されたものを第二種使用しているのか、この違いがもしかしたらわかるようになっておく必要が出てくる可能性があるかと思いますが、いかんせん二種の確認の書類等について私あまり知見がありませんので、二種承認の際の情報提供の中に、このLMOはどこから来たのか、外国から来たのか、もしくは開発者が外国の会社であるのかというような情報が入っているかどうか、このあたりをお聞きしたいと思います。

 第3番目は、資料3-4になるわけですが、未承認の事例が3件挙がっております。これらについてのもう少し詳しい情報をできれば次回にでもご提供いただければなというふうに思うわけであります。

 生物多様性への影響がなかったということについては、私も漏れ聞く情報で、その結論自体には問題ないと思っておりますけれども、なぜ、そういう未承認使用の事態になったのかというところがまだこの資料だけでは見えないところがありまして、私も公表されている文章はそれなりに調べたつもりです。特にパパイヤについては調べたつもりなんですが、なかなかまとまった形で出てこないわけであります。どういう経緯でこのパパイヤが日本に入ってきたのか。恐らくこういう人であろうということは推測はされているようですけれども、実際どのあたりまで調査が進んで、どういう判断をされて、どういう処理をされたのか、このあたりの可能な範囲で構いませんけれども、もう少し全体像がわかるような情報をご提供いただければと思います。

 この点、パパイヤがそうなのかどうかわかりませんけれども、先ほどの第2番目の質問と実は少しかかわっていまして、輸出者が外国で開発されたLMOを輸出者がコンテンドユーズ、第二種使用であるとして日本に送ってくると、もうそれは事前の通報にはかかってきませんので、日本に入ってきたかどうかということが、実はその入ってきたこと自体わかりません。そういう形で日本に入ってきたものが何らかの理由で、本来ならば二種使用、コンテンドユーズにされていなければいけないものが、何かの理由で外に出てしまって第一種使用されていたということも十分あり得るわけでありまして、そういうLMOの流れがどういうふうになっているかというのをもう少しわかりやすく把握できるような方法での施行もあり得るのかもしれないということとも関係するわけですけれども、この未承認事例のもう少し詳しい情報をご提供いただければ。本日でなくても結構ですので、次回以降に文章でご提供いただければと思います。

 以上です。ありがとうございました。

○磯崎委員長 今3点ですが。

○曽宮室長 必ずしも全部環境省から答え切れない部分が相当あると思うんですけれども、①番目のLMOが手続不要とするそういった検討がなされたのかということについては、私が承知している限りないというふうに思います。各省から補足があれば。多分ないと思います。いずれにしろ、そこは調べさせていただきたいと思います。

 ②も、環境省的にはかなり答えづらいというかお答えするデータを持っていないんですけれども、そのデータについては、実際の審査の中でどういったものがどのくらい出てくるのかという、その辺がわかっている各省から何かコメントをいただければと思うんですけど、どうですか。

○文部科学省(伊藤専門官) お答えいたします。文科省の伊藤と申します。

 ご紹介にあった、外国から来たものが、例えば文科省の研究開発のうち2,000件、どのくらいあるかということは、これは把握は可能でございます。というのは、文科省の大臣確認の申請書には、概要であるとか入手方法を書く欄がございます。ですので、例えば海外のこの研究機関からもらった組換え生物を扱うであるとか、そういったことは申請書にございますので、把握は可能です。ただ、過去の2,000件全てについて個別に分けて記録はしていないので、件数が幾つかというふうに伺うとすぐには全体をお答えするのは難しいのですが、把握は可能ということになっております。

 以上でございます。

○柴田委員 公開されている情報でそれは確認できますでしょうか。

○文部科学省(伊藤専門官) いえ、公開情報にはそこまでの詳細なところは、やはりどうしても研究の申請書ですので、内容の詳細まで全て公表するというふうにはしておりませんので、その入手方法についても、公表情報ではございません。

○曽宮室長 3番目の承認されていない遺伝子組換え生物の使用事例につきましては、農水省からよろしいですか。

○農林水産省(吉尾補佐) これは全て農水省の案件だと思います。

 後者の2つについては、特に種子の検査で見つかったものですので、その概要等がプレスリリースでもうご覧になっておられるかもしれないものです。農林水産省で把握した情報というのは、全てプレスリリースで公表しているというような状況でございます。

 1点目のアマですけれども、これは、食品衛生法に基づく検査で、食用として輸入されたアマの種子の中に我が国で安全性審査を経ていない、あるいはカルタヘナ法に基づく第一種使用の承認を得ていないアマが含まれていたというものでございます。これに関しましては、密封状態で不活化処理が進むことをこちらのほうで確認をしているというところでございます。②、③については、先生ももう既にご覧になっておられる我が省のホームページの情報等は出せるかなとは思いますが、そのような形でよろしいでしょうか。

○柴田委員 まず出していただけるものが、ぜひ次回の会合において公式な資料として出していだいて、また、ごめんなさい、それを見つつ更なる検討が必要であれば、またそのときにコメントさせていただきます。

○磯崎委員長 そうですね、3点それぞれ細かいところがあったとは思うんですが、とりあえず今ので3点、特に2点目は、文科省の場合だけではなくて、ほかの場合も同様に原産のデータというのが書類自体には入っているということですか。

○経済産業省(鳴瀬補佐) 経済産業省ですが、当省の関係も文部科学省と一緒で、申請内容から輸入されたものなのか、日本で開発されたものなのかということはわかります。ただ、その件数に関しては、個別企業の申請書の内容になりますので公表をしていませんし、今後も公表するような予定はございません。

○農林水産省(吉尾補佐) 農林水産省のほうも同様の状況です。

○厚生労働省(荒川係長) 厚生労働省も同様でございます。

○国税庁(米澤専門官) 同様です。

○磯崎委員長 そうすると、書類自体にあるということなので、問題となるようなときのデータを行政的に対応しようとすれば可能ではあるということですので、これ以上何かをする必要があるかも含めて、それは委員の皆さんでちょっと考えてもらえればいいかなと思います。

 それと、3点目も同じなんですが、要するに、今後も同じような事例を防止するという意味で、どのような形でできるだけ早い段階で情報や怪しい事例とかに気づくことができるかということですので、今のレベルで問題がないのか、それとももっと早い段階で、あるいは別の形で考える必要があるのかどうかですが、これもやはり皆さんに考えてもらえばいいのかなと思いますので、ちょっと記憶にとどめておいてください。

 そのほか、この議題2、これまでの運用状況に関して何か質問やご意見ございませんか。

○佐藤委員 先ほどの文科省に聞きたいんですけど、第二種使用で、例えば機関承認とかってたくさんありますよね。そういうのは今の話に入っていないんですか。

○文部科学省(伊藤専門官) 今のものには入っていません。

○佐藤委員 入っていないですよね。だから、いわゆる例えば大学なんかの研究で使っているやつは、機関の中で承認されているので、入っていないですね、その数字には。その数というのはすごく膨大な量が実はあると思いますね。

○柴田委員 もう少し機関承認というのを説明というか、この表ではどこに出てくることなのか教えてください。

○文部科学省(伊藤専門官) 文科省から機関内承認についてご説明させていただきます。

 お手元の資料4-1、25ページをご覧いただけたらと思います。

 この25ページ、大きく上と2つに図が分かれておりまして、上に、あらかじめ定められた拡散防止措置をとる場合ございまして、下が拡散防止措置を定められていない場合というふうにございます。つまり、文科省の研究開発分野であれば、既に文科省の省令に特別な規定があるもの、例えば、こういった微生物に対してこうした遺伝子を導入したものであるとかについては、P1であるとかそうした基準を守って行えば、例えば文科省に対する申請であるとかそうしたものは不要になります。それは、今おっしゃっていただいたような機関内承認というふうに整理しておりまして、機関承認、大臣確認というふうに分けてはおります。この機関承認というのは、非常に膨大な数ではございますし、これについて確かに文科省が個別に把握してはいないのですが、ただ、これについては各大学であるとか各研究機関において機関の安全委員会等によって管理されているという状況ではございます。

 以上でございます。

○明石委員 大臣確認申請に携わっている者なのですが、海外から来たLMOが直接主要目的とされることというのはかなり少ないんです。海外から来たLMO、組換体を使って別のものに置き換えるであるとか、国内で改変をする作業が主に一般的です。したがって、直接海外から来たものが実際にその研究そのものに使われるという例というのは非常に少ないというふうに考えていただいて結構だと思います。ただ、件数というのは僕も把握していないので、後で事務局のほうが調べると思いますけれども、一般的にはそういうことだと考えていただければいいと思います。

○佐藤委員 植物の場合ですと、我々が基礎研究で使っているのをそのまま使っているものも多いですね。例えば、シロイヌナズナの種子をタグラインという遺伝子が入ったものを輸入して、それを実験室の中で使うことが多いんですけれども、その場合にはそのまま使って、全て交配したりなんかするんですけれども、基本的にはそのまま使っている場合も多いです、植物の場合ですね。

○磯崎委員長 関連して幾つかの説明をしていただきましたが、そのほかの点でもどうでしょうか。

 これまで各省庁の評価に携わっていらっしゃる方も委員の中にいらっしゃいますが、これまでの経験と、それから今日の説明された運用状況との係わりで何かご意見がありましたらどうでしょうか。

 これまでの運用状況との係わりでは特によろしいですか。どうぞ。

○大澤委員 ちょっと1つだけ。文科省のGMの審査で、1個体1イベントではなくて一括審査という方法があったと思うんですけど、これなんかは大きな変化だと思うんですよね。

○文部科学省(伊藤専門官) 第一種申請ということでよろしいですか。

○大澤委員 はい、第一種で。それがこれだとどこに入るんですかね、実績の事例でいうと。

○文部科学省(伊藤専門官) 恐らく資料5の中には特段そういったものは入っていないかと。あくまで発出している文書等であるとか公表している文書等ベースで掲載してあるもので、そういった考え方はここには入っていないかというふうには。

○磯崎委員長 そのほかよろしいですか。

○大澤委員 今の点ですと、例えば農水省ですと1イベントの申請になります。ところが、文科省は研究ベースで、それをやっていると研究がそもそも進めないということもあるんですけれども、農水省でも同じように、実はその前のスクリーニングであるとかそういうものについては同じような状況は起き得るんですけれども、今のところは全てできあがったラインを1件ずつイベントとしてやっている。そこら辺の省庁間の考え方というのはどうなんですかね。何か従来の考え方と結構大きな変更だと思うんですね、この5年間の間に大きく変わった。良い、悪いじゃなく、まずひとつ記すべきではないだろうか。

○農林水産省(吉尾補佐) 農林水産省です。

 私の理解では、植物等新しい品種を開発するときにいろいろなラインが出てきて、その中でどれが使いやすいかと見ていくのが非常に重要な過程だと思います。今、そういった過程に関しては、研究の分野ということで文科省のほうでやっていただいて、そこで系統としてある程度確立したものを産業利用したいというときに、農林水産省のほうに申請をいただくというような形で現時点では整理しているというふうに考えております。

○大澤委員 ある程度産業化というのはかなり目処がついた時点で農水省に行くので、1イベントずつでも大丈夫と、そういう理解でよろしいですか。

○農林水産省(吉尾補佐) はい。

○磯崎委員長 そうですね、資料5の中には含まれていないけれども、この間の運用という点では、それをとられた対策というところで書いておいてもいいのではないかという意見ですので、その辺含まれてもいいかなと思います。

○曽宮室長 ご指摘について、もし追加できるようなものがあれば、また事務局のほうで検討はしてみたいとは思います。

○佐藤委員 今の事例なんですけど、文科省のほうは研究開発ということで、初めから産業利用を考えたときのは、実は農水省のほうでもやるべきだということで、今あったイベントを特定しないでやるような、そういうのも今後あり得る話なのではないかなというふうに、ここで言うべきかどうかわからないんですけど、なのかなというふうに思うんですね。だから、今のお話だと、スクリーニングするまでは文科省で、その後は農水省というわけではないのかなというふうにも思うんですが。

○大澤委員 本来ならば、農水省でも産業として育種という事業としてはあってもいいかなと思うんですね。ただ、そういうすみ分け的なものでいいのか、もしくは同時にイベントを審査することで品種改良、結局、それは使うか使わないかは次のステップなので、具体的な品種として何かどうかは別としても、農水省のほうでそのイベントを特定しないものできちっと環境影響を評価する。それの中から実用化されるかどうかは次のステップ。でも、それが申請がきちっとされていて、できることのほうが重要かなと私自身は思うんですけどね。全然違う次元でいろいろなことをやらなきゃいけなくなるので。

○伊藤委員 今のは、基本的には農水のほうに上がってきていないだけで、可能性はありますよね、上がってくるのが、それが。

○大澤委員 一応、でもすみ分けのような形に理解はしているんですがね。

○佐藤委員 でも、今はそういう形では隔離ほ場の審査をできる状態にはなっていないですよね。

○大澤委員 なっていないですね。

○佐藤委員 なっていないです。ですから、そういうことをするためには、農水省のほうの決まり事を変えないといけない。

○山口委員 厚労省のほうは、医薬品になるというか医薬品の基礎段階は多分文科省のほうでやってもらうようなつもりではおるんですね。というのは、やはり医薬品になったときに、その医薬品の製造に使うときの組換えというのはやはり第二種使用でしょうけど、ただ、研究開発のときの目的は最終的には医薬品ですけれども、そのときの組換え技術というのは研究レベルであろうということで厚労省は関与しない。

○大澤委員 多分、お薬の場合とか医薬品の場合と植物の場合はそこが違う。フィールドで出さないと本当の能力がわからないということで、そこをもう少し農水省のほうで、そこまで一貫した隔離ほ場試験の申請とかができるともっとスムーズかなという気がひとつします。そうしたほうが多分スムーズで、実験で終わってしまうものもものすごく多いので、それは文科省は研究開発の段階で今までどおり受け付けるべきであるし、それでいいと思いますし、入れた形質においては明らかに研究ベースでやったほうがいいというものもありますし、かなり歴史があるケースを幾つか組み合わせるとか、また新規に申請するにしても、新しいものに育種をしようという場合は少し分けて、審査は同じなんですけれども、審査する場所も考えていったほうがいいのかなという気はします。

○佐藤委員 そうですね、その組換え体をつくるメカニズムというか機構、機能としてはわかっていても、実際いい品種というかいいイベントを選ぶというステップはやはり大量にやってみていいやつを選ぶというのが必要なので、植物の育種の場合、特にそういうのが必要ということだと思うんですけど。

○大澤委員 あと、この5年ぐらいの大きな流れの中で、ちょっと難しいのでここで出すべきなのかどうか、どこで出すなのかわからない、忘れないようにしておきたいと思ったのは、環境影響評価をしましょうと言ったときに、野生の既品種との雑種をもしつくって、それのトレートを見たい、形質を見たいというようなときに、それをまた新しい品種かのように申請しなければいけないという事態が生じます。今はしようがないという理解もしているんですけれども、簡単に言いますと、例えばダイズの遺伝子組換えがあります。それの近縁のソラマメというのが存在します。その雑種をどうするんだろうというようなときに、現在のものは、今ある証拠で全て多分理解できるという判断で承認されています。でも、いろいろなものが出てきたときに、そういう法律上全て、特に文科になると思うんですけれども、そういう雑種のようなものをどういうふうに扱っていいかどうかを考えていかないと、結局、Non-GMでやるいろいろな実験がされていますけれども、それで大丈夫なのというところでまたものすごく労力がかかる。そのまま雑種のトレートが見られれば簡単かなと、そこまで実際に隔離ほ場を出さなくてもこれは判断できてしまう部分も多々あるんですけれども、どうしても少し見たいというようなときのハードルがというか、どういうふうに取り扱っていいかの整備がされていないのかなと思うんですね。野生に対する……雑種をつくったりしているのでねそのイベントがダイズでは認められていたとしても、その雑種をつくって、今度はその近縁種にその遺伝子を導入した時点で別イベントで申請すべきなんですよね、たしか。そこら辺は今後重要な問題になるかなと思うんですけれども。それはハードルをもっともっと厳しくせいということではなくて、知りたいことをもうちょっと簡単に知るようにできないだろうか。知りたいことというのは、いろいろな懸念があるし、我々も安穏なことが多いので、そういうこともひとつ。

○文部科学省(伊藤専門官) 例えば、今おっしゃったようなことは、当初からの第一種使用規程の中に雑種も含めていただくことでは対応不可ということになるのでしょうか。

○大澤委員 そうですね、それを含めちゃうと、またものすごく膨大に実験が必要なので、言っておきながら答えがないんですけども。

○磯崎委員長 それは無理だよね。

○大澤委員 ええ、それは無理です。そうしたら……

○伊藤委員 通らないよね、普通。

○大澤委員 通らないです。だから、本当に環境影響を見ていこうという場合に、今のままでいろいろな情報を加味して判断する、これも一つのリーズナブルな判断だろうというふうに理解しています。そういうふうに私も思っています。

 ただ、もう一方で雑種というものをつくらないとわからないねというものも出てくるだろう。そういう時代にこの5年ぐらいでぐっと進んでいる。入れるケースが変わってきていますから。そうすると、この5年での見直しというところなんかは、もう少しそういう事例が増えてきて次のステップなのかわかりませんけれども、そういうのは考えて、考えることをスタートするだけでもいいのかなと思いますけど。

○農林水産省(吉尾補佐) 確認させていただきたいんですけれども、先ほど農作物のいろいろなイベントのもの、実用化を踏まえるにしても、少しイベントのスペシフィックな、1対1みたいなことではなくというお話は、隔離ほ場のことをおっしゃっていらっしゃるんですよね。

○大澤委員 そうです、まず隔離ほ場ですね。

○農林水産省(吉尾補佐) そうすると、今ですと、例えば第一種使用、食用なり飼料用として使用する際のデータとして不足している場合には隔離ほ場をしましょうというような形なので、そこの流れから1対1のスペシフィックな申請となっているんですが、要は、それとはまた異なる隔離ほ場の考え方をということを……

○大澤委員 文科省での考え方は、そういういろいろなイベントが同時に起きる状況というのは研究開発段階では生じますと。ですから、それは今言われた農水省の考え方と少し違いますね。その先は同じなんですけれども、食用又はということは念頭にはあるんだけれども、それでやると1対1のイベントになってしまうので、それをどう広げるかという考え方で整理して。

○佐藤委員 そうですね、小さなことでいうと、トレートベースになると思うんですけれども、入れるベクターは1つだけどということですね。それで、入れたものの側と組換え体ができてみて、それはゲノムのどこに入ったかは違うけれども、同じものが入っている、そういうようなものを一括でほ場で栽培できるようにする、そういう考え方ですね。ですよね。

○大澤委員 そうですね。

○農林水産省(吉尾補佐) 今、文部科学省の研究では、そういうことを、そういうものをまさに見られるような形で読んでいらっしゃるのかと思っていたのですが、そういうことではないのでしょうか。

○文部科学省(伊藤専門官) 少なくとも今、大澤先生からおっしゃっていただいたとおり、文科省に対して出された第一種申請の中には、特定のラインを特定しないで、ただ、この遺伝子とこの植物の組み合わせであれば、どのラインであっても、この範囲内で問題ないだろうというような見方をしているものは幾つかございます。

○磯崎委員長 今のところで、最後に話題にしていたような一続きの研究のほうから見ると一続きでの段階が切れている。そこがつなげられるようなことを考える必要があるかどうかという点が一つと、それから雑種がつくられるような場合、そのときについてやはり一連の手続的なものが考えられるのではないかということですので、その2点、そういうこれまでの経験との関連でそのような意見があるということを確認しておきたいと思います。必要があれば、もう少し、今もだからといってどうしたらというのが必ずしもはっきりしていないということですので、具体的な行動や行為との関係でもう少し絞られた手続だったり評価方法だったり何かそういうのが考えられたら、この委員会でもまとめられると思うんですが、ぜひその辺は考えておいていただきたいと思います。

 そのほか、これまでの運用との係わりでよろしいでしょうか。

○佐藤委員 ちょっと違う話になっちゃうのかもしれないんですけど、パブコメの中で、資料3-3で19ページですかね、ポツの4つ目のところで、交雑を防ぐ対象として、栽培種、外来種も含めた評価も必要というのがあって、現在、我々の考え方では、栽培種は野生生物ではないので考えていないんですが、今もそれでやっていてそれでいいんですけれども、今後、今日本では国内で栽培というのはあまりないのですが、もしかして、だんだん今後、国内栽培というのが増えてきたときには、こういうのも一般の方から見れば問題に感じるのかなと思っていて、この辺の位置づけが現在はこれは対象となっていないという考え方かと思うんですけど、長期的に見てどうなのかなというのを思いました。

○磯崎委員長 これはもう少し、これでいくと1行程度ですが、コメントはもっと詳しいんですか。

○曽宮室長 いろいろなパターンの言い方をされています。まとめるとこういうことになります。栽培種でも昔から日本でもあるものもあるのでという、そういうことをおっしゃったり、多分言い方はいろいろあるかなとは思いますね。

○磯崎委員長 LMOではなくて、通常の、要するに、生態系とかに、畑の作物が影響を与えちゃうとか外来種が影響を与えちゃうとかであって、LMOが影響を与えるという話ではないということですか。

○伊藤委員 違います、これは。対象としている生物多様性というのが、そういう栽培種と外来種は含まないという定義になっていまして、だから、栽培のイネに交雑しても、別に何も生物多様性には関係ないというので、我々の今の判断から除外されているんです。ですから、イネは野生種はありませんので、野生種に生物多様性影響を与えない限り承認されることになります。だけど、いっぱい栽培していますから、それに交雑するというのは当然栽培したら起こり得るわけです。それをやはり消費者の人とか生産者の人がすごく懸念を抱いていて、栽培したら自分のところのイネにそういうのが影響を受けるんじゃないかという、そういうような懸念です。

○磯崎委員長 生物多様性に対する悪影響という、その生物多様性という範囲をどこまで広げるかという。

○曽宮室長 そうですね、これはかなりある意味、根幹に関わる部分ですので、ここを動かすというのは相当の理由が必要かなというふうには思います。基本的にやはり日本の在来の動植物に関する生物多様性影響を防止するというのがまず必要なのかなということ、そこから広げていくというのは多分別の議論を相当しないと、なかなかそこまでは進んでいかないところではないかなというふうには考えています。

○伊藤委員 今のに加えて、栽培種に関してはまだいいんですけど、外来種の定義ですよね、これが非常にあいまいで、だから、どこまでを外来種とするか、外来種でも非常に広く生態系を占めてしまうものに影響があって、それがなくなってしまうと生態系そのものが影響を受けるということは十分考えられますけど、そこをどうするかというのがまだあまり審査している中でもきちっと決められないというのがありますので、そこはいずれ何か線引きはする必要がありますよね。

○柴田委員 委員のご発言、そのとおりだと思うんですが、他方で、この生物多様性という概念のあやふやさからくる種々いろいろな困難を抱えた、そもそも生物多様性条約自体がそういう条約でありまして、それを受け継いだカルタヘナ議定書も、生物多様性の中身、実態的な中身については、各国のある程度定義に任せるという運用がこれまでされてきて、日本のような定義づけをした上での生物多様性への影響を評価している国もありますし、もう少し広い、もしくはもっと狭い形で国内実施している国もありますので、ここは結構慎重に議論したほうが私はいいと思います。国際的な動向があるかというと、多分ないというふうに私は思いますので、基本的には生物多様性条約の枠内にある形で日本の生物多様性に適合するような形での定義をされて、そしてそれを実施していくというのが望ましい形だと私は思っておりまして、先ほど室長からもお話があったとおり、ですから、法律でいきますと第4条の第5項だと思うんですけれども、野生動植物の種又は個体群の維持に支障を及ぼすおそれのある影響、ここがまさに日本でいう生物多様性の定義の部分ですけれども、ここはパンドラのボックスを開けないためにも、とりあえず維持した上でも、具体的に何かその問題が出てきているのであれば、それはまた検討してもいいかと思いますけれども、抽象論でこれをやり始めると、かなり大きな問題になると思いますので、具体的にどういう問題があるかということがあれば、ぜひお聞きしたいと思いますけれども、あまり将来を見据えてここを広げると大きな問題になる。

○大澤委員 私の理解では、例えば、ナタネが一番いい例で、現在いろいろな、ナタネというのは現時点では外来種として取り扱っています。ただ、やはり国民からもいろいろな懸念もあるし、その重要なナタネも入ってきているということで、モニタリングはずっと農水省、環境省を含めてやって、その報告もされていて、その限りにおいては著しい拡大が見られない。だから、皆さん安心してくださいということだという理解だと思うんですけれども、とりあえずは私もそういう方法でいいのかなと思います。先生がおっしゃるように、何でもかんでもとやってしまうと、これ、とてもじゃないけど、全てがストップしてしまいますので、一番国民が懸念しているような事例については、十数年モニタリングして、その成果をきちっと出しているということで担保されているかなと思います。なぜ広がらないかというのは、別の意味では不思議だなと思ったんですね。ただ、そういう事実を積み重ねておけばいいのかなという気がします。おっしゃるとおり、パンドラも懸念すべきことではある。でも、そういうふうに心配がある、あるいはこういう事例があるというときには、また外国からこういう事例が報告されましたというときには、やはり一度必ず検討するということで、GMを認可する時点で、その野生生物を外来種を含めて検討するというのはありかもしれません。そういう理解でいいと思うんですけどね。

○磯崎委員長 具体事例との係わりで考えていこうということ。

 そのほかはよろしいでしょうか。

 そうしましたら、議題3ですが、カルタヘナ法あるいは議定書とも関連してですが、国内外での動向について、資料7と8でお願いいたします。

○曽宮室長 資料7と8でございます。

 資料7、35ページになります。

 これは先ほど簡単に触れましたけれども、前回検討以降、平成21年以降の動向について書いてございます。

 まず、大きな動きとしては、2010年のカルタヘナ議定書第5回締約国会議というものがございました。ここで、「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済についての名古屋・クアラルンプール補足議定書」が全会一致で採択をされております。

 その概要が資料8に書いてございます。

 これも、皆様方、先刻ご承知の話かと思いますけれども、一応ご説明をさせていただきますけれども、補足議定書ということで、カルタヘナ議定書の補足議定書。カルタヘナ議定書を補足する議定書ということになります。

 これにつきましては、2番目の矢印のところですけれども、国境を越えて移動する遺伝子組換え生物によって損害(生物多様性への著しい悪影響)が実際に生じた場合に、管理者(遺伝子組換え生物の使用者等々)に対応措置、具体的には生物多様性の復元まで含めて、そういう措置をとることを要求する旨を規定している、そういう議定書でございます。

 これは現在のところ未発効ということですけれども、40カ国の締結が発効の条件でございますけれども、今までのところ32カ国、それからEUが締結をしております。近い将来には発効する可能性はあるという状況でございます。

 これにつきましては、我が国では締結に必要な国内措置を関係省庁間で検討中でございますけれども、署名自体が平成24年3月に署名済みでございます。

 下のポンチ絵がA国からB国と国境を越える移動で実際損害が発生したときに対応措置を要求、それがポンチ絵になってございます。

 それで、また資料7に戻っていただきますと、その後、生物多様性条約第10回締約国会議の中での議論として、若干この分野に関係ある話として、合成生物学とバイオ燃料に関する情報提供を行うことなどが決定されたりしております。

 その後、次の○の2012年の部分でございますが、カルタヘナ議定書第6回締約国会議が、ハイデラバードで2012年にございました。

 ここは、それほど大きく特筆すべきものはなかったと思いますけれども、能力開発の現行の行動計画に代わるものの新たな採択だとか、いろいろな議論がされてきています。

 続けて同じ場所で、生物多様性条約第11回締約国会議がございますけれども、ここにおいても、やはり合成生物学というのが話題になり始めております。

 事務局に対して、合成生物学による影響の情報だとかについて、まだ関係者からの意見の収集、取りまとめの状況でございますけれども、そういう動きがございました。

 続きまして、36ページ、2014年に、やはりカルタヘナ議定書第7回締約国会議が韓国でございました。

 ここの中も、締約国が議定書の義務を確実に履行できるようになるため、LMOの生物多様性の保全への影響に関するリスク評価を効果的に実施するためのガイダンス文書の作成の進め方だとかそういったことが議論をされております。

 同様に、生物多様性の締約国会議におきまして、やはり合成生物学についてですけれども、合成生物学によりつくり出した際のその生物、構成要素及び製品等の生態系へのリスク評価についても議論がされたということですけれども、ただ、条約の新規事項として取り扱うためにはまだ十分な知見がないという結論が出ておりますが、一方で、各締約国に対して、予防原則の観点からの実施についても決定がされているようでございます。その他、専門家会合を設立して、その定義、生物多様性への影響、遺伝子組換え制度との違いと共通点だとか対策の状況等について検討することを決定がされている、そういう状況でございます。

 以上で説明を終わります。

○磯崎委員長 大きく2点、補足議定書が採択されて、それへの日本国内でも準備をという、そういう状況であるということと、それからもう一つ、合成生物学をどうするんだという議論が始まっているということです。

 これら2つとの関係で何かご質問やご意見等、どうでしょうか。

○穴澤委員 今の課題の2番目のところの合成生物学の件ですけれども、この中には明確に書いてあるんですが、その定義ですね、合成生物学という新しそうな技術を、新しそうな言葉で使っているわけですが、実は大部分が、いわゆる従来行われてきた遺伝子組換え技術の延長線上にある技術だと理解しています。1980年代の後半あるいは90年代の初頭には、いわゆる一種の遺伝子の組み合わせによって生合成経路を改変した微生物だったり動物だったりというようなものの研究が進んでおりまして、実際にもう実用化されているものも数多い。そういう中で新しい合成生物学という言葉が入ってきて、もう既に遺伝子組換えの技術の適用であるという中でのルールで、製造承認その他が得られているものについて、新しく後出しじゃんけんで規制が入ってくるということだけは避けていただきたいというのが私たち産業界の立場です。したがって、この合成生物学の定義というのをはっきりさせていただきたいというのが非常に重要なポイントであります。つまり、ここからは合成生物学の成果であると考える。これ以前は、もう従来やってきた遺伝子組換えの範疇であるということは、その境目はぜひ明確にしていただかないと、特に法律の適用になりました場合には非常に大きな違いになりますので、新しいルールはつけないでくださいというのが大きなポイントでございます。

○伊藤委員 その関連で、合成生物の定義というのが非常に問題なんですけど、それ以外にもいろいろなテクノロジーが出てきまして、遺伝子編集とかそういうものがここの範囲に入るのか入らないのか、これはかなりここ数年でいろいろな国で議論されて結果も出てきていると思うんですけど、それが一言もここには触れられていないので、ちょっとそれも入れたほうがいいんじゃないかというふうに。日本でも一応農水のほうではやったんですかね、一応の報告が出ていますので。

○曽宮室長 基本的な、まず合成生物学のほうですけれども、日本で具体的にどうしていくのかということについては、まだまだ国際的な議論が始まって、まだまだ議論の余地がたくさんあるということで、基本的な動向を見ながら検討していく必要があるのかなというふうには思っているところです。

 あと、実際の伊藤先生のご指摘について、ご指摘のとおりだと思いますが、基本的には、今のところ個別にこの技術がカルタヘナ法の射程の範囲内なのかどうかというところについてはまた個別具体的に検討していかないといけないとは思いますが、一方で、おっしゃるとおり、いろいろと新たな議論もございますので、それをどういうふうに整理をしていくべきかということについては、事務局、関係省庁を含めて少し考えさせていただければというふうにおもっているところです。

○大澤委員 今ので結構なんですけれども、COP・MOPの会議において、合成生物学というのはどう定義されて議論されたのか、実際事実として、そこをまず明確にして情報としていただいて、その後、日本はどう考えるべきなのかは、それを受けた、COP・MOPの報告、レポートあるいはそういう決議いっていないですよね、まだ全然提案されただけなんですけれども、そこがもう既にあいまいになるかどうかということも知りたいわけです。つまりCOP・MOPで議論されているんですけど、その定義もあいまいで議論が進んじゃっているということなのか、そこがすごく大事なことで、世界的にはもうこれで決まっているんですと、それを我々はもう一回ここで議論しなきゃいけないのか、そこを資料を出していただければ、まず第一段階は済むのかなと思いますけど。

○佐藤委員 後ろに遺伝子工学等と括弧でついているんですけど、遺伝子工学というのは、今やっている既存の技術が遺伝子工学と言われていると思うんですよ。だから、これがついてしまうと何のことやら私には理解できないとなっちゃっているんですけれども。

○大澤委員 ちょっとこのまとめ方が少し短くしようとし過ぎているんですね。

○奥田課長 この夏まで生物多様性条約本体のほうの対応をしていましたものですから、COP12もまさに私も参加させていただいてこの議論を、直接いろいろ細かい交渉そのものは経産省の方とかにお任せしていたんですけれども、頭の中に入っている範囲で簡単にご説明させていただくと、まだ実はカルタヘナ議定書のMOPのほうに何かこれを議論が委ねられているということはありません。生物多様性条約の締約国会議の中で、ニューアンドイマージングイシューという新規事項として、今後いろいろ議論をしていかなきゃいけない。例えば、チェックする問題なのかどうか、そうじゃないのかというところの一つの課題として取り上げるべきかどうかというのがCOP12で議論になったんです。それで、実は、日本の政府の対処方針の立場とすれば、そこまでもまだそんなところで議論すべきレベルにも行っていないだろうということで、そんなことは議論しなくていいというような、まだ情報もないんだし、そこまで生物多様性条約のいろいろな議題がある中では、そこを議論すべきではないんじゃないかという、そういった対処方針も持っていったんですけれども、結果としては、やはりよくわからない。よくわからないから、その辺はモニタリングをしながら、何が今問題なのか、もしくはカルタヘナ議定書というものがある中で、そっちのほうで今のは十分対応できているんじゃないかとか、そういったものを含めて今の全体をレビューしましょうと、今のことを検討していきましょうというのがCOP12の基本的な結論だったというふうに理解しております。今手元に資料と最終的な決議案がないものですから、先生方のご懸念はまさに理解できるものがありますので、次回のときにはその辺COP12での議論、また、実は先週ですか、COP12以降の最初の科学技術諮問委員会、SBSTTAという会議がちょうどモントリオールで開かれていたところなので、その辺の議論も含めて整理して次回のときにはお示しをさせていただきたいとおもっております。ですから、今直接に何かカルタヘナ議定書の議論に及んでいるということではないということだけはご理解いただけたらと思います。

○磯崎委員長 今、説明の幾つかの中にも出てきましたが、この委員会でどうするかということとつなげて考えれば、先ほどの影響の対象を生物多様性という、そこをもう少し広げるのかどうかと同じようなことで、根幹に関わるんですけれども、このカルタヘナ法が対象にしているものをさらにもうちょっと広げるかというような話ですので、そこまでというのが今回のところでまとまって議論されるのは難しいと思うんですが、ただ、一方で、こういう主張が国際的には、特に生物多様性条約の場ではされているという、そこがわかれば。その関連の中で、もし遺伝子組換えということとつながった形で何か合成生物学と呼ばれているような新しい状況があるのかどうかですね。あれば、この法律のもとにも入ってくるんですが、それが何か新しい状況を後ろに引っ張ってきていて、その引っ張ってきているものに対応するためには何かこの法律のもとで考えないといけないという、これもそういう具体的事例、ケースがあれば検討する必要がありますので、そういう趣旨で捉えていただければいいかなと思います。

 今2点目のほうの話ですが、最初のほうの補足議定書関連ではいかがでしょうか。

○柴田委員 柴田ですが、冒頭、私申し上げたとおり、この法律のそもそもの目的が、カルタヘナ議定書を踏まえて、その実施を確保することを目的とするというふうに書かれている観点からすると、今提示された2つの問題のうち、やはり真剣に検討すべきなのは前者、つまり補足議定書の履行に向けた検討というふうに私は思っております。

 先ほどの合成生物学については、まさにカルタヘナ議定書の中にまだ入ってきていないものですので、そういう意味では、そこを議論するよりも、もう既に条約として成立をした名古屋・クアラルンプール補足議定書。でも、これはまさに室長から説明があったとおり、議定書を補足するという形で書かれていますので、先生方もご存じのとおり、議定書そのものにも実は27条という規定がありまして、責任と救済という規定があります。これは委員長がよくご存じのプロセスでありますけれども、2000年に生物多様性の損害がLMOから生じた際の責任と救済に関する規定が2000年のときにできていてもおかしくなかったわけですけれども、そのときは、いろいろもめて合意ができずに、引き続きカルタヘナ議定書のもとで交渉が行われ、そしてようやく2010年に、私の私見からすれば、日本にとっても望ましい形で補足議定書が成立したというふうに理解しておりまして、たしかに発効はしておりませんので、条約上の義務はまだ生じておりませんし、カルタヘナ法そのものの補足議定書の実施という概念には当たらないわけですけれども、他方で、このレビューが5年に1回だとしますと、明らかに5年以内にはこの補足議定書は発効します。ここは少し事務局のほうからご説明いただきたいんですが、日本として採択に大変貢献をし、私の理解では、日本も国内実施できる形で採択がされたというふうに理解しております。かつ署名をしておりまして、条約法条約上は仮にこの補足議定書が発効しますと、署名をした国というのは、仮に締結していなくても、その条約の趣旨、目的に反するような行為はしてはいけないという国際法がありますので、署名をすることだけである一定の義務を負うことになります。そういう事態になる前に、恐らく次回のCOP・MOPですか、2016年の段階では、発効している状態で締約国会議が開かれる可能性が多分高いと思いますので、それに向けた検討を、少なくとも検討状況がどういうふうになっているのかという情報はここに出していただいて、それを踏まえてここでどういうふうに議論していくかというのをぜひ積極的に前向きに議論していく課題であるかなというふうに私は思っております。

○曽宮室長 検討状況ですけれども、資料8に書いてあるとおり、国内措置をどうしていくのかということについては、現在関係省庁間で検討中という状況でございます。これ以上はなかなか言い難い部分があるんですけれども、そういう状況でございますが、ただ、一方で、最後に実はちょっと触れさせていただこうというふうに思っておりましたが、実は明後日、中央環境審議会自然環境部会が開催をされます。これは既にプレス発表がなされているものでありますけれども、その議題の予定といたしまして、バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書に対応した国内措置のあり方についてということで諮問というのが議題に上がっているという状況でございます。

 次の会議は、11月11日、明後日にある部会の議論を踏まえた形になることもあり得るかな、あるというふうに考えているということでございます。ここはもう参考までにご説明をさせていただきました。

○磯崎委員長 確かにまだ将来といって、すぐ2日後のことなんですが、そこに予断を与えるわけにはいかないことなんですが、2日後が過ぎるとある程度はっきりしますということです。今、柴田委員も触れていましたように、そうした要素を考えないといけないということはわかりますので、ただし、まだ確定、行政的に審議会での決定がされていないので、予断を持って話すわけにはいかないという、そういう趣旨で理解していただければいいかなと思います。

 先ほどの議題2のところでなんですが、日本の生物多様性に対する悪影響との係わりでは、幾つかの、3件の適切でなかったという承認を得なかった事例との係わりでちょっと意見があったんですが、今日欠席された方の中で何か。というのは、評価の手続などを、あるいは学術研究とか研究開発と商業的な利用等の区別を、これは前回の検討報告でも指摘されていたことですが、そちらに関する意見はかなり出たんですが、現状のこの法律で生物多様性に関する被害の防止という点で問題があったかどうかという意見はあまりなかったんですが、欠席されている方の中からは、何か事前にどうでしょうか。

○曽宮室長 説明資料についてはお送りさせていただいておりますけれども、欠席されたお3方の先生から特にこの件に関してはご意見はありません。

○磯崎委員長 皆さんの中でもそこは特にこのやり方で、実際被害が起きているという事例が少ないですけれども、これでは被害防止に不十分というような意見は特にないということでよろしいでしょうか。はい、わかりました。

 それでは、議題2と議題3で少し内容的な点に入っているんですが、今日、議論の中で、今の時点では発言ができなかったけれども、気がついたことなどがあると思うんですが、その場合は、18日水曜日までに追加の質問であったり意見だったりというのがございましたら出していただければと思います。

 それでは、最後の議題ですが、4番のその他については、事務局からはどうですか。

○曽宮室長 本日は熱心にご議論いただきまして大変ありがとうございました。

 委員長からも今ご発言がありましたけれども、お気づきの点がございましたら、11月18日、来週の水曜日ぐらいを目処に事務局までメールなど、あるいは何でも構いませんけれども、お知らせいただければというふうに思います。それは、次回以降の専門委員会の資料あるいは議論に反映させていきたいというふうに思ってございます。

 次回の専門委員会の日程につきましては、実はあらかじめある程度は、申し訳ございませんけれども、事前に日程を押さえさせていただいている日付があるかと思いますけれども、少し調整中の部分がございまして、決まり次第ご連絡を正式に発出をさせていただきたいと思っております。

 事務局からは以上ですけれども、よろしいでしょうか。以上でございます。

○大澤委員 次回いつごろか大体はわかりますか。

○平山係長 11月末を、11月27日の金曜日を一応考えてはいたんですが、ほかの調整がありまして、そこで必ず開くというわけではございませんので、一応皆様にはご案内をさせていただいておりますけれども。

○大澤委員 ではないと。

○柴田委員 変わる可能性が高いんでしょうか。飛行機とかも場合によっては取っている可能性があるんですけど。

○平山係長 ちょっと今は何とも言えない状況で、申し訳ございません。

○曽宮室長 できるだけ早急に整理したいと思います。大変申し訳ございません。

○磯崎委員長 という形で、次回の日にちが流動的なところがありますが、早急に日程の確定をしていただくようにお願いして、それでは、今日第1回目ですが、ご参集いただいてありがとうございました。

 これで閉会いたします。

以上

ページ先頭へ