中央環境審議会 自然環境部会 第2回外来生物対策のあり方検討小委員会 議事要旨

日時

平成25年12月9日(月)10:30~12:00

場所

環境省第1会議室

出席者

(小委員長) 石井 信夫
(委員・臨時委員) 石井  実        尾崎 清明
五箇 公一       
(専門委員) 磯部  力        太田 英利
大矢 秀臣        北田 修一
関  智子        細谷 和海
(環境省) 奥主審議官
江口総務課長
岡本調査官
中島野生生物課長
堀内企画官
関根外来生物対策室長
東岡外来生物対策室長補佐
森川移入生物対策係長
谷垣外来生物対策係長
(農林水産省) 作田地球環境対策室長

議事

(1)特定外来生物被害防止基本方針の変更について

◇事務局から[資料1-1][資料1-2][資料2]について説明。

◇委員意見

 ○1ページ、30行目の「防除」については、害虫管理学としては「予防」と「駆除」という。このようにしてはどうか。

  →この「防除」は概念として重要な箇所である。ここはmitigationでよいのか。駆除eradicationや予防preventionといった概念を含むのではないか。

  →生物多様性条約の指針原則によっている。条約ではcontrolとしている。基本方針の後ろで出てくる「防除」と誤解が招かないよう、検討したい。

  →現在の表記では「防除=影響緩和」と見えてしまうので、中身がはっきりするような書き方を。

○4ページ、5行目の「概ね明治元年以降…」について。このようにあると「明治以前に導入の記録があるので選定の対象としない」と使われるとよくない。昔からぽつりぽつりと導入の記録があって、明治以降まとまって導入されたという場合には必要に応じて対応できるようにするべきではないか。例えば「原則として」という言葉を入れてはどうか。

 →明治以前に導入されたものはある程度生態系の一部として安定しているという考え方があるのかもしれない。しかし、クサガメは長く野外にいたにも関わらず、交雑の影響などは今も続いている。法律の用語によって対策が妨げられないようにするべき。

○5ページ、20~23行目。侵入初期の場合に、「更なる海外からの導入や野外への逸出等」とあるが、逸出とは、囲われた状態のものが外に出て行くということ。野外で確認されたものに対しては、「拡散」「分布拡大」を付け加えた方がよいのではないか。

 →分布拡大も含めて想定しているので、そのように修正する。

 →エマージェンシーコントロールをイメージしていると思うが、エマージェンシーコントロールとしては特に非意図的導入に対する対処が中心となってくる。その場合は野外への逸出というよりも発見された場所でからの分布拡大を抑えるということが重要。

○侵入初期の外来生物の緊急的な指定について「判定に要する期間を極力短くする」とあるが「できるだけ速やかに」とできないか。

 →特定外来生物等専門家会合、WTO-SPS通報、政令改正などの手続きを踏まえると6ヶ月程度は要するという認識。

○諸外国で外来生物法についてどのような反応を持っているのか。外来生物法を持っているのは日本くらいではないか。そうすると、非意図的に入ってきてしまった場合には、クレームの対象となると思われるが、対外的に大丈夫なのか。

 →諸外国では植物検疫に関する法律でやっているなどしており、それに関してはWTO-SPS協定が適用される。非意図的な導入に対しても同様と考えている。

 →諸外国にも同じような法律が作られるように働きかけをしていただきたい。

○「逸出」について。水産では生け簀で養殖しているものが逃げ出す、例えばアトランティックサーモンなどが問題になっているが、そうしたものについては英語では、escapement、日本語では今のところ「流出」と言う言葉を使っている。

 →動物では「逸走」

○15から16ページ。消毒等の命令の手順及び基準の設定に係る意見聴取は事前に行われると言う理解でよいか。

 →そのとおり。植防法に準じたかたちでの対応を想定しており、専門家、関係者との意見交換の場を持ちたいと考えている。

○17ページ、2から4行目。未判定外来生物の選定の前提のうち、ア。過去、何の記録もないものをなぜ未判定外来生物の対象とするのか。

 →生態系等に被害を及ぼす疑いが否定できないものを指定するということ。既に導入されているものについては被害の知見があるが、記録がないが特定外来生物と同属であるなど疑いがあるものを対象にするということ。後段の(2)で記載している。

 →「(1)選定の前提」はスクリーニングの意味であろう。「(2)」が「選定の対象」となっており、分かりづらい。選定の流れが分かるように記述すべき。

 ○20ページ、非意図的導入についての記述。バラスト水については本法の対象ではない、としているが、水系官の水路開発はどのような扱いになるのか。スエズ運河やセントローレンス運河など、水路開発による導入が大きな影響を及ぼしている事例は多い。方向性を確認したい。

  →物理的な環境改変による生物相のかく乱は、温暖化での生物の移動という議論と似ている。生物多様性条約でもこの点の議論は十分でない。条約においても外来生物の定義は「人為」移送ということしか言及されていない。したがって、この改正の中で、ここまで踏み込むことはできず、有識者会議などでその定義を決め手から出ないと対応できないのではないか。

  →例えば、琉球の島嶼間で橋が架けられる。こうしたことについてもどのように議論するか、同様の問題と思われる。

  →環境アセスメントなどでも、開発に伴う外来生物の影響や導入についてはこれまで項目として一般的に認識されていなかった面もある。こうした中で議論されていくものではないか。

  →温暖化と人為による環境改変の問題は違うものと考える。線引きとしては難しいが、バラスト水というのはあまりにも具体的ではないか。それであれば将来的な課題として、水路開発や架橋についても事例を紹介してはどうか。

  →水路などがパスウェイになるということはあると思うが、そのパスウェイそのものが非意図的導入にあたるかとなると違うのでは。そうした場合、どう防御するかとなると検疫の問題ではないか。

  →バラスト水について言及しているのは、バラスト水条約があり、その発効に向けて別途海防法の改正準備を行っており、そちらで対応するということを明確にすることから。この点を記載する。

○18ページ。「入手国」という表現があるが、防疫の観点からは「入手地と輸出国」とすることが適当。アフリカなど、輸出国と取得地域が違う場合が多い。

 →施行規則にならった書き方としているが検討する。

○16ページ、4行目。消毒できない場合には、廃棄を命ずるとある。陸に揚げられて放棄されては困るということだと思うが、廃棄とは概念としてどういうことか。また植防法では廃棄の他に持ち帰れというのもあったと思うが。

 →植防法では植防官が焼却されるところまで同行し確認している。こうしたことを検討したいと考えている。シップバックを希望する場合には輸入にあたらないので、希望があれば積み戻すことを想定。

 →廃棄については、「滅却」ということではないか。

○議論を踏まえての修正については、事務局と委員長で確認し、そのうえで委員に回覧し、12月24日の自然環境部会にかけることとする。

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