中央環境審議会 自然環境部会 野生生物小委員会 第7回会議録

日時

平成27年4月22日(木) 10:00~11:40

場所

環境省第2、3会議室(中央合同庁舎5号館19階)

出席者

(委員長)

石井  実

(委員)

新実 育文  山極 壽一

(臨時委員)

尾崎 清明  小泉  透  小菅 正夫  白山 義久  宮本 旬子

(専門委員)

石井 信夫  磯崎 博司  桜井 泰憲  マリ・クリスティーヌ  広田 純一  福田 珠子

(環境省)

塚本自然環境局長  小川大臣官房審議官  江口総務課長  中島野生生物課長

堀内鳥獣保護管理企画官

議事

【事務局】 おはようございます。予定の時刻になりましたので、中央環境審議会自然環境部会野生生物小委員会を開催させていただきます。

 本日は、所属の委員・臨時委員、9名のうち、8名の先生方のご出席をいただいておりますので、中央環境審議会議事運営規則第8条第5項による定足数を満たしており、本委員会は成立しております。

 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。お手元にお配りしております資料ですが、まず、議事1の関係で、資料1-1から資料1-5及び参考資料1、国指定鳥獣保護区に関する資料でございます。次に議事2の関係で、資料2、これはラムサール条約湿地の関係の資料でございます。続きまして議事3の関係で、資料3として、ヤエヤマイシガメの輸出に係る助言に関するパブリックコメントの結果という資料が一つついております。次に議事4の関係で、「絶滅のおそれのある野生動植物の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令」の閣議決定についてという資料がございます。また、資料番号を付しておりませんが、前回の委員会で議論がございました野生復帰に関する用語の定義について最後にその他ということでご報告させていただきます。

 資料に不備等がございましたら、事務局にお申し出願います。

 それでは、自然環境局長の塚本より、ご挨拶申し上げます。

【塚本局長】 皆さん、おはようございます。お忙しい中、ご出席いただきまして、どうもありがとうございます。

 日ごろから野生生物行政にご理解とご協力を賜っておりますことを、改めてお礼申し上げます。本当に、どうもありがとうございます。

 今、司会のほうから資料のご説明がありましたけれども、本日、諮問事項が二つございまして、東よか干潟と肥前鹿島の干潟、いずれも有明海の湾奥の干潟で、シギとチドリがたくさん来る、集団渡来してございます。報告事項にも関係するんですけれども、ラムサール条約の登録湿地にしようということで、地元でも大変盛り上がっておりまして、地元の協議会も立ち上がっております。ご協力もいただいて、それの担保措置としての、国指定の特別保護地区にしていこうということでのご審議をお願いする次第です。

 それと、第12回のラムサール条約締約国会議が、ことしは6月にウルグアイのプンタ・デル・エステというところで開催されますが、それに向けましてご審議いただきます「東よか干潟」と「肥前鹿島干潟」、それと前回茨城県の涸沼を国指定鳥獣保護区にしていただきましたが、その「涸沼」、もう一つは、担保措置が国立公園の特別地域になっていますけれども、群馬県の中之条町の「芳ヶ平湿地群」の登録、それから「慶良間の海域公園地区」を大幅な拡大、全部で五つになりますけれども、それのご報告でございます。

 それから、前回、小委員会だったんですけれども、ヤエヤマイシガメの輸出に関する助言のパブリックコメント、それと国内希少野生動植物の種の指定に関するパブリックコメントについてご報告しているんですが、これについての結果のご報告でございます。いずれのパブリックコメントも、たくさんは来ていなくて、こちら側の方針を、そのまま進めていこうということになろうかと思います。本日、以上の議題についてご審議、それからご報告がございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 申しわけございません。資料の訂正がございます。配付資料一覧の議事1の関係で、参考資料1、国指定舟志ノ内鳥獣保護区とございますが、これは間違いで、正確には国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定についてという資料でございます。訂正させていただきます。

 それでは、この後の議事進行につきましては、石井委員長にお願いしたいと思います。

【石井委員長】 それでは皆さん、おはようございます。

 早速ですけれども、議事に入らせていただきたいと思います。

 先ほど局長からご説明ございましたように、今回は諮問事項が1件、2地区の鳥獣保護区の指定について。それから報告事項が3件となっております。

 それでは、諮問事項の国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定について、事務局からご説明をお願いいたします。

【事務局】 おはようございます。環境省の野生生物課計画係長の桝と申します。国指定鳥獣保護区の指定の件に関しまして、ご説明をさせていただきます。座って失礼いたします。

 まず資料1-1を最初にご確認ください。諮問書でございます。

 国指定東よか干潟鳥獣保護区及び同東よか干潟特別保護地区、国指定肥前鹿島干潟鳥獣保護区及び同肥前鹿島干潟特別保護地区、これらの件について、環境大臣から中央環境審議会に諮問をさせていただいております。

 具体の諮問の中身に関しては、資料1-2、1-3、1-4、1-5の指定計画書をもって諮問させていただいておりますけれども、ご説明は、この指定計画書の中身をパワーポイントで示した参考資料1によってさせていただきたいと思います。

 それでは、お手元の参考資料1及び、こちらのスクリーンのほうをごらんください。最初に、簡単に国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の概要をご説明をさせていただきます。

 国指定鳥獣保護区は、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律に基づいて、国際的または全国的な鳥獣の保護の見地から重要と認める区域を指定するというもので、規制内容としては、狩猟が認められておりません。特別保護地区に関しては、鳥獣の保護だけでなく、鳥獣の生息地の保護を図るという観点がございます。この生息地の保護を図るという意味で、法29条第7項に基づきまして、工作物の新築、水面の埋め立てや干拓、木竹の伐採というような行為の規制がございます。これによって、生息地の保護を図るという中身になっております。

 鳥獣保護区の種類に関しましては、記載ございますとおり、大規模生息地、集団渡来地、集団繁殖地、希少鳥獣の生息地という分類で指定しています。

 現在の指定状況ですが、83カ所が、鳥獣保護区として指定をされています。全国の配置図は、スクリーンの図でごらんいただいているとおりでございます。

 指定までの手順ですけれども、現場のほうで自治体、依頼関係者人との調整を行いまして、指定案を公告縦覧やパブリックコメントをしまして広く意見を聞いて、さらに現地の利害関係者を中心とした公聴会を開催させていただきまして、今回、中央環境審議会への諮問という最終的な段階に来ております。この諮問案件は、鳥獣保護区、特別保護地区の新規指定や、その拡張といった場合を対象にしております。

 今回諮問させていただく鳥獣保護区、特別保護地区は、それぞれ、いずれも新規指定でございまして、東よか干潟鳥獣保護区、東よか干潟特別保護地区、肥前鹿島干潟鳥獣保護区、肥前鹿島干潟特別保護地区です。

 今回の諮問で、もしお認めいただければ、鳥獣保護区の指定箇所数が83カ所から85カ所、うち特別保護地区が68カ所から70カ所、面積にしまして、指定後になりますが、約58万5,000ヘクタール。特別保護地区に関しては16万307ヘクタールという形になります。

 それでは、これらの案件について、すみませんが通しで説明をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、国指定東よか干潟鳥獣保護区及び東よか干潟特別保護地区でございます。

 場所は、佐賀県になります。こちらが有明海でございまして、一番北側に流れる六角川とか嘉瀬川といった河口域の先に広がる、この部分の干潟でございます。

 こちら、上空から見た写真です。干拓地が広がる先の有明海のところに干潟が広がって、シギ・チドリ類が非常に多く飛来しているという状況でございます。

 自治体としては、佐賀県の佐賀市に全域が位置することになります。面積は、鳥獣保護区に関しては239ヘクタール、この鳥獣保護区は、外側の赤い線の部分でございます。特別保護地区218ヘクタールは、この斜線を引いた部分です。ここからが鳥獣保護区、また、特別保護地区の始まりの線は、沖合から50m離れた線という形になっております。存続期間は、ことしの5月1日から平成46年10月31日までを予定をしています。指定区分は集団渡来地ということで、非常に多くのシギ・チドリ類が渡来しているということ。さらに、ズグロカモメが東アジア地域個体群の1%以上飛来しているというような点が、指定理由の核になるところです。

 次に、生息する鳥獣ですが、獣類の確認されておらず、鳥類に関しては18科100種類が確認されております。自然環境の概要ですが、国内でも有数の規模の大きい有明海の干潟の一部でございまして、東与賀海岸と、及びその沖合で、有明海北部に流入する六角川、嘉瀬川、もう一つ本庄江川という川もありますが、その河口に発達する単一干潟です。シチメンソウという、国内では有明海沿岸だけに生息する塩生植物、環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に位置づけられておりますが、その最大の群落が存在しております。

 ちなみに、法32条に基づく補償ということの規定ということで、この条項に基づいて損失を受けた者に対しては、通常生ずべき損失を補償することになるということも指定計画書に書かせていただいております。

 飛来状況ですが、シギ・チドリ類が秋から春にかけて約9,000羽渡来しております。これは、飛来数としては、我が国最大規模でございます。グラフを見ていただくと毎年の飛来状況がわかると思いますが、環境省の調査では、シギ・チドリ類のうち11種類が、ここ2008年から2012年までに増加傾向にあるというような調査結果が出ております。それに、さらに21年から25年の実際の数値を見てみますと、このように、平均すると約9,000羽というような形になりますが、やや増加している傾向にあります。

 国内最大規模ということを申し上げましたが、平成25年度の渡来を見てみますと、この東よか干潟は、春に関しては約6,900、約7,000。秋に関しては、3,718という、冬に関しては1万605というようなシギ・チドリ類の渡来状況の数字が出ておりまして、このように、全国でも最も多く渡来するという場所であるということがおわかりいただけるかと思います。

 シギ・チドリ類の渡来が多いということでございますけれども、具体的には、どういったものが、例えばいるのかという話ですが、こちらの写真にございますような、例えばハマシギですと、平成22年から平成26年の平均が、約6,300羽。あとダイゼンというのが約1,100羽、オオソリハシシギが、約570羽、トウネンが約510羽というような形で確認をされております。

 希少な鳥類も渡来しておりまして、特にズグロカモメに関しては、東アジア地域個体群の1%以上を大幅に上回る数が渡来しております。平均すると870羽ということですが、東アジア地域個体群の1%というのは85羽ですので、約1割が、この場所を、渡来して中継地として利用しているという形になっております。このほか、貴重なものとしては、クロツラヘラサギとかツクシガモといったものが観測をされております。

 管理の状況ですが、今まで、この場所は、特に自然環境保全を目的とした法令や条例に基づく地域指定というのはございませんでした。なお、この区域の沿岸、沖合で漁業者がノリ養殖を行っております。こうした状況を踏まえまして、今後、国指定鳥獣保護区を指定した後には、地域で協議会が設置をされて、参加型保全活動や環境教育の実施、漁業や農業の振興と鳥獣保護区の共存、食を初めとした文化の活用ということを目的として、地方公共団体や地元住民、農業者、漁業者等による協議会が設置される予定です。正確に申し上げますと、東よか海岸には地元の自治会を中心に既に協議会があるんですけれども、それを佐賀市全域を対象とした団体に拡充をすることとし、それを今年度いっぱいで立ち上げていきたいという予定でございます。そうした地元の動きと環境省も連携をいたしまして、この鳥獣保護区をしっかりと管理していきたいというふうに考えております。ほかの鳥獣保護区と同様、案内板・制札の整理とか、巡視・普及啓発とかモニタリングといったところをしっかりとしていきたいと。さらに、先ほどシチメンソウの群落というものもありましたけれども、それも、実は地域にとって重要な観光資源の一つになっておりまして、干潟の特色づける塩生植物ということで、そちらに関しても、地域と一緒に適切な管理に努めてまいりたいと考えております。

 公聴会は、3月25日木曜日に実施させていただきました。いずれも賛成のご意見をいただいております。賛否以外のご要望として、環境省が行うモニタリング結果をしっかりと共有してほしいということや、鳥類によるノリや農作物の被害が発生した場合とか、航空機の衝突対策を行う場合などで、関係者から有害鳥獣捕獲の許可の申請があった場合は速やかに対応してほしいというような話もございました。あと、鳥類への餌づけがないようにしてほしいと。あと、鳥インフルエンザの監視をしっかり行うとともに、感染が確認された場合の対応について体制整備をしてほしいといったご意見がございまして、これに関しては、そのとおりしっかりと対応していきたいと思います。

 なお、この航空機の衝突という点についてですが、鳥獣保護区の位置が、この場所ですけれども、こちらの干潟とは離れた場所に佐賀空港という空港がありまして、こちらに言及されたものでございます。

 引き続きまして、肥前鹿島干潟鳥獣保護区、肥前鹿島干潟特別保護地区のほうの説明に移らせていただきます。

 こちらは、有明海の北部ではありますが、その中の西側になります。先ほどの東よかの鳥獣保護区がこちらになりまして、肥前鹿島はちょっとこちらのほうになります。これも、塩田川と鹿島川という二つの川から出てくる河口部に位置する同様の干潟になります。

 航空写真から見ると、このような状況でございます。干拓地の先に干潟が広がっているという状況です。

 こちらも、シギ・チドリ類が多く渡来するという状況です。

 自治体としては、佐賀県の鹿島市というところになります。面積は、鳥獣保護区が67ヘクタール、こちらも同様で、鳥獣保護区は、この外側のラインで、特別保護地区が、この斜線を引いたラインでございます。特別保護地区は57ヘクタール。存続期間は、この5月1日から平成46年10月31日までを予定をしております。こちらも集団渡来地ということで、ズグロカモメやチュウシャクシギが東アジア地域個体群の個体数の1%以上渡来するということで、指定をさせていただきたいというものです。

 生息する鳥獣に関しては、こちらも獣類は特に確認をされておりません。鳥類は11科77種。自然環境の概要ですが、こちらも有明海の規模の大きい干潟の一部で、先ほど申しましたとおり、有明海西岸に位置しまして、塩田川、鹿島川の河口及びその周辺に発達する泥質の干潟でございます。

 ちなみに、水鳥の重要生息地として、東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップという国際的な枠組みがあるんですけれども、その渡り性水鳥重要生息地ネットワークのシギ・チドリ類に関するものに、鹿島市gは自治体として参加しているという状況でございます。

 シギ・チドリ類の中でも、チュウシャクシギですが、こちらが東アジア地域個体群1%以上を上回ると申しておりますが、具体的には平均して1,000羽程度、東アジア地域個体群の数が550羽ということで、これを大きく上回るというような状況で、重要な湿地であるというふうに考えております。

 同じく、先ほどもちょっと出てきましたが、ズグロカモメ、これも貴重な鳥類ですが、そして東アジア地域個体群の1%を上回る数が飛来しているという状況です。飛来に関しては370羽という、東アジア地域個体群が85羽というような状況になっております。

 こちらのほうは、管理の状況ですが、これまでは佐賀県の指定の鳥獣保護区として、県雇用の鳥獣保護員が複数の鳥獣保護区を見ながら、そのうちの一つとして管理をしているというような状況でございました。こちらも、今後、鳥獣保護区を指定した後ですが、地域で、こちらも協議会をつくるというのが進んでまして、有明海に生息する生物の生息地、水辺環境保全を行うことを目的として関係団体により設置される協議会と協力をして、利用者と地域住民に対する環境学習などを進めていくという考えでございます。環境省としても、この協議会や地方公共団体、地元の鹿島市と密に連携を図りながら管理を進めていきたいというふうに考えております。

 こちらも、先ほどの東よか干潟鳥獣保護区と同じ日に、公聴会を3月25日に開催をさせていただきました。15名の方々から全員賛成をいただきました。ご要望についても、先ほどと中身は同じですが、それに対して積極的に対応させていただく考えです。

 説明は、以上でございます。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 それでは、東よか干潟と肥前鹿島干潟について、鳥獣保護区と特別保護地区の指定に関する説明を一括してご説明いただきました。それでは、ご意見、ご質問を受けたいと思います。

 では、尾崎委員どうぞ。

【尾崎委員】 質問が一、二点ありますが、一つは、鳥獣保護区と特別鳥獣保護区の面積が、陸から50メートル離れてあるという、その違いがなぜあるかということを確認したいと思います。

 もう1点は、なぜそんなことを言うかといいますと、皆さんご承知だと思いますが、シギ・チドリ類の重要な生息地としては、当然餌をとる場所として干潟が重要ですが、それとほとんど同じぐらい、満潮時の休息場所が必要なんですね。それは、多くの場合、この50mのところになるはずなんです。ですから、その部分が改変されるということは、当然マイナスになるということが考えられます。

 それから、この二つの地域を、私もそれなりに見ております。有明海では、ご承知のように、諫早湾が一番最大のシギ・チドリの渡来地でしたが、なぜそこが一番多かったかということの一つの理由は、干潟の大きさとともに満潮時、高潮時の休息場所が隣接してあったという、そういうつながりがあったということです。そこがなくなった今は、東よかが、その次の環境としては選択されているんだと思います。数もふえてきています。ただ、あの場所も、残念ながら大潮の満潮時には完全に水没してしまいます。そうすると、その大潮満潮時の水没したときの休息場所をどこに求めるかということです。このことを検討されているかどうか、ちょっと確認したいんですね。私が観察した限りでは、かつては、あの地域の水田に水が張ってあったりして、そういうときには水田に入るということもありました。それから、隣接する公園があって、その公園の建設中は、利用者がいなかったので、そこを大潮満潮時の休息場所にしていたということもあります。今、どうしているか。もしかすると、飛行場に行っているかもしれません。こういう保護区、特にシギ・チドリの保護区をつくるときには、そのことをぜひ念頭に入れていただきたいんですね。今言いましたけれども、羽田などもそうなんですが、どうしても開けた、飛行場にシギ・チドリが集まってしまう。特に満潮時に集まる。そこで、飛行機が来るとぶつかってしまうということが起こります。ですから、保護区と一体になった、そういう休息場所の確保と管理が、私は非常に重要だと思います。この二つの今の保護区の指定の状況を見ると、余りそのことは検討されたとは思えない。されたかもしれませんけど、図面上ではなさそうです。今の時点で、もうこれは難しいことだと思うんですが、今後保護区を管理されるときに、そのことを、ぜひ留意していただきたい。満潮時の休息場所を今どこで求めているかということと、もしなかったら、それをどうやったら供給できるか。例えば、一部高い場所をつくってやるということが可能であれば、それも島状になったような休息場所をつくってやるといったこと。これまた埋め立ての問題があって特別保護区の中にできないみたいな話になってしまうと困るんですが、そういう管理上の、工夫をぜひしていただきたいと思います。

 重複になりますけれども、大潮の満潮時に休息場所がないとシギ・チドリはどうするかというと、例えば、北九州の曽根干潟では、その時間、飛び回ってます。2時間、3時間、ダイシャクシギなどはずっと飛び回って、おりる場所がなくて、それだけエネルギーをロスしているわけですね。例えば鹿島の場合は、もしかすると東よかのほうに満潮時は飛んできているかもしれません。有明海のほとんどの干潟は、満潮時に休める場所が干潟の中にはない状況なんですね。ですから、東よかが、そういう意味では、ぎりぎり残っているものの、そこも大潮満潮時にはなくなるということを、ぜひ念頭に、保護に当たっていただきたいと思います。

【石井委員長】 はい、ありがとうございます。コメント的でもありますけれども、事務局からご意見をお願いします。

【事務局】 いろいろご指摘をありがとうございます。

 まず、最初に区域の設定のほうの話からさせていただきたいと思いますが、特別保護地区は、干潟になっている区域を設定しております。この沿岸50メートルというのは、実は、堤防の法尻のところから始まっておりまして、堤防の石積みとか護岸とか、そういうところも含めて鳥獣保護区になっております。そこの人工的な部分というところに関しては、生息地というよりも狩猟のほうを、まず規制をするということによって生息環境を守っていくというようなところで、実際50メートル先の干潟の部分に入ったところから特別保護地区にさせていただいているというようなことの設定の仕方になっております。

 満潮時、大潮のときの状況、そして満潮時の休憩場の確保ということですが、これは確かに、今後管理をしながら、シギ・チドリが、鳥獣保護区の場所以外も含めてどうなっているのかという全体を見ながら、今後どのように保全していくのかということを課題にさせていただくという形になるかなと思います。

 実は、最終的に、この区域を指定するということで地域の皆さんのご理解をいただいたという状況ではあるんですけれども、この区域を含む泥干潟に加え、河口部も入れたかなり広い区域が一体的な区域であるとして考えておりました。地元の方にも、本来的には、こういう広い範囲の指定について、調整、打診をいろいろしてたんですけれども、農業や漁業といった生業との関係で懸念する声というのもありまして、現時点では、こちらの区域を指定するという案にさせていただきました。しかし、これだけで終わりというわけではなくて、将来的には広い一体的な区域全体の指定を目指しつつ、まずは今回指定させていただく区域の管理をしっかり行い、鳥獣保護区に関する地域の理解をしっかりと得ていく中で、拡張についても考えていきたいと思っております。そのため、鳥獣保護区の管理も広い視野で行う予定でおりますので、そうした中で満潮時の休息場が具体的にどうなっているのかとか、生息環境に改善できることがないのかとかいうことを考えていきたいと思います。また、地域の協議会は鳥獣保護区に限らず広い範囲で活動できますので、そういうところにお願いして、現状把握や問題点の改善を考えていきたいというふうに思います。

【石井委員長】 尾崎委員、よろしいでしょうか。

 今、満潮時の休息場所については、課題として認識したということでよろしいでしょうか。

 それでは、宮本委員、お願いします。

【宮本委員】 質問が二つございます。

 一つは、19ページにある鳥インフルエンザの感染についてなんですけれども、体制整備をしてほしいと書いてございますが、現状の体制というのは、どうなっているのかということをお教えいただきたいと思います。特に、渡りのルートを考えますと、九州全域のような、かなり広域での情報共有等が必要だと思うんですけども、どういうところで、その情報を集約されているのかというような点についてお教えいただければありがたいです。

 それと二つ目は、これは、ここに限らずということ、全体的なお話になるかと思うんですけれども、鳥獣保護区でも、水質とか土壌とか、あるいは水生の生物とか、その餌となるような生き物の定期的なモニタリングのような調査をされているのかというようなことについてお教えいただきたいと思います。

【石井委員長】 それでは、事務局よろしいですか。

【堀内鳥獣保護管理企画官】 1点目の取り組みのほうの話からお答えさせていただきます。

 鳥フルのほうは、主に、カモ類等が運んでくると言われておりまして、渡りのシーズン、10月から大体4月から5月ぐらいまでにかけてなんですけれども、これについては、カモ類が集団で渡来するところについて、糞便をとって、それで鳥フルがあるかどうかという検査をするというのがございます。そのほかに、周年を通じてなんですけれども、死亡野鳥があった場合、種類によって、何羽ぐらいからサンプリングするかというのを決めていますが、死亡野鳥についても別途、調べていて、それでモニタリングをするという体制をとって進めているところです。

【事務局】 次のご質問で、水質や土壌に関する定期的なモニタリングという話ですが、実は、有明海と八代海に関しては、有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律という枠組みがありまして、この法律に基づいて、有明海が抱えている問題、つまり、閉鎖性が高いこと、潮流差が大きいこと、広大に干潟が広がるというゆえに生じている底生生物や魚の減少、底質の悪化、底質中の有機物の増加といった問題に対して、国のいろいろな機関、地方自治体のいろいろな機関が有明海の環境悪化の原因などを解明するための調査やモニタリングを実施しています。むしろ、これらの調査結果を鳥獣保護区の管理のためにも情報共有させていただきながら役立てていきたいと考えております。そのため、鳥獣保護区の管理そのものとしては、鳥類の飛来状況の把握といったところが中心となってくると考えております。これらの取組全体を活用して管理を考えていく体制でやっていきたいというふうに考えております。

【石井委員長】 ということですけれども、宮本委員、よろしいですか。

 ほかはよろしいでしょうか。では、クリスティーヌ委員。

【クリスティーヌ委員】 私は日本全国を、保護地域にすべきだと思うのですが、、、ただ、ちょっとよくわからないのは、今まで、ここをどういう方々が守ってこられて、国が、このように指定することによって守りやすくなるのか。また、今現在被害があって、鳥をとっている方々とか、殺したりとか、守ってない人たちが多いんでしょうか。もし、そういう保護地域にするのならば、鳥にとってみれば、この枠の中にいなさいねと言われても、鳥はどんどん広がっていくわけですから、もうちょっと広域的に、もっと輪を大きく指定したり、またそこには、自然保護に対する教育を周辺地域の学校ですることが大切だと思います。見たときに、さわってはいけないとか、卵があれば触れないようにしましょうとか、そういう活動も含めてセットになってるならば、私は非常にいいことだと思うんですけれども、ただ線を書いて、ここからここまで保護地域ですよということで指定することによって周りの周辺が意識が変わるかというと、それは違うと思うので、どうやってハンド・イン・ハンドで計画をされているのかということを、地元の方々が考えているかということを教えていただきたい。

【石井委員長】 指定することの意味とか、また指定した場合に、環境教育なども含めて、どんなことを考えているのかということですね。では事務局、よろしくお願いします。

【事務局】 はい、ありがとうございます。

 今まで、東よか干潟も肥前鹿島干潟も、地域の自然保護団体の方がごみ拾いとか清掃とか、そういうことはやっておられました。特に東よか干潟の場合は、例えばシチメンソウが観光資源になっているで、地域を愛する方々が自分の観光資源を守るという観点からの取組が盛んでした。しかし、やはりここに来てシギ・チドリ類の最大の渡来地であるというような観点などから、国指定鳥獣保護区の資質が、さらには後でご説明させていただきますラムサール条約湿地としての資質があるということで、地元と話し合いをしまして、渡り鳥の渡来地として守っていこうということを、地域の人たちとも再認識し、我々と連携していこうということで今回の指定に至ったものでございます。

 さて、鳥をとっている方がいるのかという話ですが、狩猟の記録を見てみますとそんなに狩猟が活発というわけではなくて、佐賀県の狩猟記録を示す東よか干潟を含むメッシュで、例えば平成25年に300羽ぐらいですね、カモをとっている。ただし、猟師さんは周辺の水田やその周りにおり、鳥獣保護区のところでたくさんとっているというような状況ではないように思われます。地域の方々が大切にしている場所として地域の共通認識があるのではないかなと思ってます。

 さらに、指定の輪を広げていくという話についてですが、我々としても、ぜひ今後、有明海全般を見回した中で鳥獣保護区として資質のあるところで、地域の方々のご理解を得る、合意が得らる場所、地域の盛り上がりがある場所に関しては、積極的に指定をしていきたいと考えております。

 今回、この鳥獣保護区の二つの鳥獣保護区の指定作業を通じて、特色があると感じたのは、地域での環境教育の活動が地域でしっかりなされている、あるいはそういう芽があるという点です。指定に関する説明については、どうしても区域の線引きが説明の中心になってしまうんですけれども、例えば、肥前鹿島干潟鳥獣保護区については、その南のほうに、環境教育とか環境学習をする施設が道の駅とともに併設されておりまして、その中で、いろいろ干潟の泥遊びの体験やっております。鳥獣保護区とは位置は離れていますが、鳥獣保護区も含めて情報発信や環境教育のプログラム等も、指定をきっかけとして充実させていきたいというお話を、じかに、先週金曜日に現場で伺ってきましたので、そこはしっかりとやっていただけると、期待できると思いますし、我々も一緒にやっていきたいというふうに思ってます。

【石井委員長】 よろしいでしょうか。

 それでは、小泉委員。

【小泉委員】 公聴会の主な意見というところで、同じ指摘が繰り返されてますけれども、被害と事故に関しては、これは懸念が表明されたということなのか、実数が上がっているのか教えていただけますか。

【事務局】 どちらも、佐賀県庁からのご意見ですが、こちらに書いている意見の内容について懸念されているというようなところでございます。実数があるのかというところですが、つまびらかに申しますと、空港のバードストライクに関しては、国土交通省のほうで、全国、この佐賀空港も含めてバードストライクの件数を把握、公表しておりまして、佐賀空港に関しては、離着陸、1万回当たり、平成21年から25年度まで平均47回というような数字が取りまとめられて、インターネットで国交省のホームページに公表されています。

【石井委員長】 よろしいでしょうか。

 広田委員、お願いします。

【広田委員】 一つ質問なんですけれども、先ほどから、地域、地域という言葉がよく出るんですけれども、地域という人がいるわけではないと思うんで、自然保護団体というような言葉もありましたけれども、固有名詞まで出す必要はないかと思うんですが、もう何年ぐらい活動されてて、会員が何人ぐらいいるような、専従者も置いているような、そういう団体があるとか、それから、農業者、漁業者についても、これも一枚岩では必ずしも、いろんな地域はそうではないと思うんですよね。農協とか漁協と、それから一般の農業者あるいは、そこで、営農とか漁業をやっている方というのも、また利害がいろいろ違うんで、こういう場では地域というふうにひとくくりで説明されるのもやむを得ないと思うんですけれども、特に強い反対がないような地域らしいからいいようなものですが、もうちょっと具体的に、地域というふうにくくらないで、こういう農業者、農業団体も賛同しているとかというような説明があるほうが、ちょっとわかりやすいかなというふうに思いました。

【石井委員長】 コメントでよろしいですか。

 それでは、大体出尽くしたでしょうか。他に、ご意見がないようでしたら、この議題についてお諮りしたいと思います。

 本件、2地区の指定ということですけれども、事務局案のとおり適当と認めてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【石井委員長】 では、異議なしと認めたいと思います。

 本日の諮問事項につきましては、本件のみでございます。今後、事務局において、自然環境部会長、私ですけれども、にご説明し、中央環境審議会会長に報告することとしたいと思います。

 それでは、報告事項に移りたいと思います。

 まず、ラムサール条約湿地の新規登録候補地についてということで、これも桝係長からお願いします。

【事務局】 それでは、引き続きラムサール条約湿地の新規登録候補地、拡張候補地についてご説明をさせていただきます。

 まず、ラムサール条約とはというところから説明をさせていただきます。

 正式名称は、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約ということで、1971年にイランのラムサールという場所で採択され、この場所が条約の通称になっております。契約国数は168、日本は1980年に加盟をしております。国際的に重要な湿地を登録するという仕組みがこの条約の中にあり、現時点で、世界全体で2,186カ所、総面積約2億900万ヘクタール、そのうち日本国内では46カ所、面積が13万7,968ヘクタールが登録されている状況です。

 条約の目的ですが、湿地の保全ということだけではなくて、賢明な利用、ワイズユース、つまり、湿地の生態系から受けることができる利益、これは、農業からの収穫とか、漁業からの恵みとか、そういった利益を持続的に享受することを目指す条約になっております。

 日本の湿地の46カ所の具体的な配置は、こちらのようになっております。北はクッチャロ湖、サロベツ原野から、南は沖縄の名蔵アンパルまで、幅広く登録をされております。

 湿地というと、通常は湿原というようなことをイメージされる場合が多いかなと思うんですが、湿原だけではなくて、幅広い水環境、水域のある場所を湿地として捉えております。河口干潟とか水田、マングローブ林、サンゴ礁群といったところも湿地という概念に含めて、このラムサール条約では対応しているところです。

 日本からの登録に当たっては、こちらに書かせていただいている基準をクリアしている必要があります。基準は九つあります。今回、登録や拡張に関係する基準は、基準の1、2、3、4、6といったところになります。あと、後ほど各案件ごとに説明をさせていただきます。

 さらに、我が国が責任を持って条約に登録できると判断して、条約事務局に登録を依頼する際の要件として、我が国としては3つあります。一つは、国際的に重要な湿地であること。これは、今し方申し上げた基準に該当することということです。また、国の法律によって将来にわたって自然環境保全が図られることということです。これは、自然公園法、鳥獣保護法によって、しっかりと地域の開発に対しての保全が担保されているかどうかということになります。3番目、地元自治体等からの登録への賛意が得られていることという、この三つを我が国の登録の要件としております。

 今回、ご報告させていただく内容に関してですが、涸沼、芳ヶ平湿地群、東よか干潟、肥前鹿島干潟と、こっちの四つの湿地の新規登録、慶良間諸島海域に関しての拡張という案件でございます。

 それでは個別にご説明をさせていただきます。

 最初は、涸沼です。

茨城県鉾田市、茨城町、大洗町に位置する沼でございまして、天然の汽水湖です。面積は935haです。昨年の平成26年の秋の審議会で諮問をさせていただき、国指定鳥獣保護区特別保護地区に指定をされている場所でございます。

 こちらに関しては、基準2、国際的に絶滅のおそれのある種がいるということで、オオセッカとかオオワシが確認されているということ。

 基準4、生活環の重要な段階を支える上で重要な湿地ということで、スズガモの中継地になっているという点が基準に該当するというふうに考えています。

 さらに基準6、地域個体群の1%以上を定期的に支える湿地ということで、こちらもスズガモが東アジア地域個体群の1%を超える5,000羽程度が渡来しているというような状況です。

 これらの基準が合致しているということで、地元自治体の賛意も得られて、国指定鳥獣保護区としてしっかりと守られているということで、登録をしたいということで考えております。

 次に、芳ケ平湿地群でございます。

 こちらは、群馬県の中之条町及び草津町にあります。面積は887haでございまして、火山活動で形成された溶岩台地にある湿地群ということで、こちらは上信越高原国立公園の第1種特別地域と第2種特別地域の区域を登録候補地としております。

基準は、各生物地理区内で、代表的、希少又は固有な湿地タイプを含む湿地ということで、この場合、火山性の特異な特徴を有する湿地群ということで、草津白根山の火山活動によって形成された難透水性土壌、凹地や火口に発達した中間湿原、淡水湖及び火口湖ということが特徴となっております。火山によって形成されたところをベースにした湿地というようなところが非常に大きな特徴です。

そのほか、基準4、生活環を支える上で重要な湿地ということで、日本固有のモリアオガエルの最高標高の繁殖地としても、基準に該当するのではないかと考えております。

3番目は、東よか干潟です。

こちらも、先ほど中身はご説明させていただいたとおりでございます。

基準等の関係では、国際的に絶滅のおそれがある種ということで、ズグロカモメ、クロツラヘラサギなど、生活環を支える上で重要な湿地として、秋から春にかけて約9,000羽のシギ・チドリ類が渡来しているということ。基準6に関しては、地域個体群の1%以上を定期的に支えているということで、ここで先ほど紹介しましたズグロカモメを含めて、多く飛来しているというところです。

さらに、肥前鹿島干潟になります。

こちらも、先ほどご説明させていただいたとおりでございます。

こちらも基準2、議旬4、基準6に、それぞれ該当しているというふうに考えているところでございます。

最後に、慶良間諸島海域ですが、こちらは拡張の案件でございます。

場所は、沖縄県の本島の西部に位置している島々でございまして、渡嘉敷村と座間味村地先の海域という形になります。

拡張前の区域は、この区域、もともと国定公園の海域公園地区という場所でしたが、昨年の3月5日に国立公園に指定をされ、その中で指定区域も広まり、海域公園地区も大幅に広まりました。その広まった海域公園地区の区域にあわせるような形で、ラムサール条約の登録区域も拡張をするというものでございます。

こちらは、基準1、各生物地理区内で、代表的な湿地ということで、日本で確認される造礁サンゴの、種数で62%が生息する代表的なサンゴ礁域であるということ。

そして、絶滅のおそれのある種ということに関しては、タイマイとかアオウミガメ、アカウミガメ、オニイトマキエイ、マッコウクジラといった、国際的にも希少種が生息しているという状況です。

基準3、各生物地理区の生物多様性を維持するのに重要と考えられる湿地ということで、こちらもサンゴに関して非常に種数が多いということ、魚類に関して熱帯魚、スズメダイとかチョウチョウウオ類とか、ベラ類とか、そういったものが約360種生息していると。こういった種数の多さは、日本を含む生物地理区内で最も多い海域の一つであるというところで、基準3に該当するのではないかというふうに考えております。

こちらにご報告させていただいた候補地についてですが、今後の予定としては、5月中旬ぐらいに、ラムサール条約湿地として指定するという官報告示や外務省を通じたラムサール条約事務局に対する通報をいたします。5月末に条約事務局で正式に、これらの湿地が登録されるという見込みでございます。

6月1日から、第12回のラムサール条約の締国会議が行われます。その締約国会議の期間中に、認定書の授与式が行われることになります。こちらは、今ご紹介させていただいた新規の登録をされる湿地の自治体の方々も参加をして登録証が授与されるというような段取りで、今後のスケジュールを考えているところでございます。

ご報告は以上になります。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 4地区の新規指定と、それから1地区に関して、慶良間については拡張ということでございます。

それでは、ご意見、ご質問等あったら受けたいと思います。

 桜井委員、お願いします。

【桜井委員】 ありがとうございました。ちょっとラムサールの基準のところで、先ほど国際基準で1、2、3、4、5、6というお話をされていましたけども。7、8でされているところが、あるのかないのかということですね。

実は、これあえて聞くかと言いますと、涸沼というのは、これ昔から有名な、日本の湖沼ニシンの場所なんですね。ここで産卵している珍しいニシンがいるんです。これは、今どうなっているかわからないんですけども、下北にも尾駮沼というところがありまして、これも湖沼ニシンです。

 ですから、鳥のほうと、植生のほうから見るのもよろしいんですけれども。もう少し水の中のほうも、湿地ですから、見ていただければ、この7、8の基準がうまく使えるのではないか。そうすると、日本の中でラムサールの地域を増やすために、上の部分だけでやろうというと、もう相当苦しいと思うんですね。そういうところをちょっと御検討願えないかということです。

以上です。

【石井委員長】 先にお聞きしましょうか。尾崎委員。

【尾崎委員】 慶良間諸島海域ですが、一番東端のほうにある慶伊瀬島、チービシというところなんですけども。実は、ここは10年ほど前までは、ベニアジサシの国内での最大な繁殖地だったんですね。国内の繁殖数は2~3,000で、そのうちの1,000を超える繁殖をしていた場所です。残念ながら、この10年くらいは、地元で観光業が盛んになったために、数かかなり激減しています。

基準がたくさんあったほうがいいのかどうか、ちょっとわかりませんが、基準6に、10年前であれば、間違いなく入っていた。できれば、今後それを回復して、基準6に、ベニアジサシをここで入れられるようなというようなことを、どこかに附帯していただくと、プロポーザルのことがプラスに働くのかなと、期待をしております。

以上です。

【石井委員長】 ほかはいかがですか。

 それでは、小菅委員、お願いします。

【小菅委員】 質問です。涸沼のところなんですけども、オオワシが越冬しているということなんですけども、何羽くらい越冬しているのか、教えてください。

【石井委員長】 ほかはどうでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 では、ないようでしたら、一括して、事務局のほうでご回答があるものはお願いします。

【事務局】 湿地保全専門官の辻田と申します。私のほうからお答えさせていただきます。

 まず最初、桜井先生からのご質問、基準7、8、魚の基準で入っている湿地があるかどうかということなんですが、三方五湖が、基準7、8で登録されております。また、最近幾つかの湿地について、ラムサール条約事務局のほうに提出している、その湿地の特徴について記載するシートの更新作業を行っているんですが、その中で情報が得られた湿地について、例えば、名蔵アンパルでは、基準7に該当するということで、更新前までは基準7は入れてなかったんですが、更新の際に基準7にも該当するというような整理を行っている例もございます。

 名蔵アンパルのように、今回の登録のときには、情報がちゃんと整理されていなくて基準7、8が使えなかったところについても、今後、ラムサール条約登録後、また国指定鳥獣保護区指定後に調査・研究を続けまして、情報が整理されれば、基準7、8を適用することも可能かと思っております。

 また、一部の湿地については、今回の登録までには間に合わなかったけれども、そうした調査をしていきたいと、地元の方から言われている湿地もございます。

 尾崎委員からのご質問に関してですけれども、ベニアジサシについては、今、確かに、条約事務局に提出するシートのほうには書いてはいないんですが、基準の適用根拠にはならなくとも、その他重要な動・植物種について書く欄がございますので、その中でベニアジサシのことについて触れるように工夫をしたいと思っております。

 最後に、小菅委員からのご質問ですけれども、継続的に越冬しているオオワシは1羽でございます。

 以上でございます。

【石井委員長】 ということでご質問いただいた委員の皆さん、よろしいでしょうか。

 では、クリスティーヌ委員、お願いします。

【マリ・クリスティーヌ委員】 一つ提案なんですがいろんな地域の状況を英文で、インターネットに上げると、外国の、やっぱり審査される方々とか、鑑定に興味のある方々は見ると思いますので、一応、立候補としてというか、提案されていることに対して、出していればいいんですが、出してなかったら、もっと積極的に出されるといいんじゃないでしょうか。

【石井委員長】 英文情報も出していましたよね、確か。どうでしたっけ。

【事務局】 はい。まず、ラムサール条約に登録する際に、ラムサールインフォメーションシートという、その湿地の特徴を全般的に記載するシートを完成させなければなりませんで、それは、全て英語で作成しておりまして、インターネット上でも公開されています。

 また日本では、これは日本語のパンフレットになりますけれども、同じものを英語でつくっております。1ページにつき1湿地の説明を記載したものでして、これを、次の締約国会議、6月にございますけれども、それまでに新しく登録する湿地も含めて改定する作業を、現在行っておりまして、改定したパンフレットは締約国会議の場でも配布することにしております。

 私どもとしても、海外の方が日本のラムサール条約湿地に関心を持ってくださって、日本を訪問されるきっかけになったり、もしくは日本を訪問されたときに、ラムサール条約湿地にお立ち寄りいただけるといいなと考えております。

【石井委員長】 よろしいですか。

 白山委員、お願いします。

【白山委員】 ありがとうございます。慶良間諸島の基準2でいろいろな種類が上がっているのですが、慶良間諸島では、一般的にはザトウクジラが非常に有名だったような記憶がございまして、ホエールウオッチングも、確か行われていると思います。ただ水深30m以内水域にいるかどうか、ちょっとよくわからないのです。

 ラムサール条約の湿地に登録する種類は多いほうがいいかもしれないのと、それが外れていることが、この慶良間諸島の海域全体の保全に、特にザトウクジラの保全にマイナスの影響が出るといけないので、きちんと調べて、可能なら掲載していただければと思います。

【石井委員長】 ということは、コメントでよろしいですかね。

 では、ほかにないようでしたら、ちょっと時間も遅れ込んでしまったので、次に行かせてください。

 次は、「ヤエヤマイシガメの輸出に係る助言に関するパブリックコメントの結果」についてということで、それでは、事務局のほうからご説明ください。寺田専門官ですね、お願いします。

【事務局】 よろしくお願いいたします。野生生物課の寺田と申します。

 本件、前回3月22日の本委員会で審議いただきました、ヤエヤマイシガメの輸出に係る助言についてというもののパブリックコメントを行いましたので、その結果報告となります。

 前回いらっしゃった方も多いかと存じますが、簡単に背景を申し上げます。

 この、亜種ヤエヤマイシガメを含む種ミナミイシガメは、ワシントン条約の附属書Ⅱの掲載種となっております。この附属書Ⅱの掲載種の輸出におきましては、輸出国の輸出許可が必要でございます。この輸出許可自体は、ワシントン条約における管理当局であります経済産業省が交付するものでございますが、交付に当たりましては、あらかじめ科学当局である環境省による「当該輸出が当該動植物の存続を脅かすものではない」という旨の助言が必要となっております。

そこで、今回の対象種、亜種ヤエヤマイシガメを含む、種ミナミイシガメにつきましては、これまでこの序言を行ってきていたのですが、この度、2013年以降、輸出個体数が大変多く、増加していることが確認されました。また、昨年度の当省調査により、推定生息個体数が、これまで考えられてきたよりも少ないということが判明いたしました。

これらの状況を受けましては、この度、こちらの資料の四角の枠の中にございますが、当該対象種につきましては、「種の存続を脅かすものではない」という助言を、当分の間、一律に行わないことを検討し、前回の審議にお諮り致しました。この件につきまして、パブリックコメントの結果の報告となります。

内訳につきましては、資料の1番にございますとおりです。

概要ですけれども、反対意見はなく、一方で、助言停止への賛成が2件、そのほか飼育繁殖個体について、輸出を求めるべきではないか、また、捕獲及び国内流通の規制、違法輸出取締強化等求める意見がございました。

また、今後の体制につきまして、より科学的・順応的な助言実施体制の構築を求める声がございました。

資料の「NDF」というのは、この「当該種の存続を脅かすものではないという助言」の略称表記となります。失礼致しました。以上を受けまして、今後の方針としましては、案のとおり、ミナミイシガメ(亜種ヤエヤマイシガメを含む)につきまして、輸出申請に対する助言を当分の間停止したいと考えております。また、違法輸出の取締強化に向けまして税関等の関係各所に周知を行うとともに、今後は継続的な個体数モニタリングの実施及び将来的に個体数が回復した際の対応について検討したいと考えております。

各パブリックコメントの概要と当方の考え方につきましては、裏面に記載がございます。

以上、簡単ではございますが、報告といたします。

【石井委員長】 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの件ですけれども、何かご意見等があったらお願いいたします。

 小菅委員、お願いします。

【小菅委員】 飼育繁殖個体についての輸出許可が1件あったということなんですけども。実際、飼育繁殖されている個体というのは、かなりいるんでしょうか。

【事務局】 実際、これまでの輸出は全て野外採りの個体となっておりまして、飼育につきましても、趣味で行っていらっしゃる方がいないとは言えませんが、基本的には、大きな飼育施設等の報告はございません。

【小菅委員】 個体数が回復したら認めるというようなことを、最後おっしゃっていましたけども。私は、野生の個体数が回復しても、輸出するんであれば、やはりきちんと飼育をして、人工繁殖して、その上で、繁殖した個体に繁殖証明をつけて輸出すべきだと思います。これをきちんとやらないと、結局また密漁の原因になってしまうと思いますので、その辺は十分慎重にやられたらいいというふうに思います。

【中島野生生物課長】 今回、環境省の助言を行う方針につきまして報道された後、今、輸出をしている事業者の方から連絡がございまして、今まで採ったものがあるので、これが出せないとなると、では、ここから繁殖をさせて、繁殖した個体だったら、将来、輸出ができるようにしてほしいという要望を受けております。それについては、今後検討いたしますというようなことを申し上げております。

【石井委員長】 よろしいですか。

 それでは、石井委員、お願いいたします。

【石井(信)委員】 前回も申し上げたことの繰り返しになりますけど。これは、そもそもちょっと順番が逆で、今まで輸出を認める助言をしていたということなんですが、本来であれば、条約4条では、その輸出が生息を脅かさないということを科学当局が確認をして、その上で認めるということです。

 今まではデータがなくて、特にレッドリストに載っていないから認めていたというような感じだったんですが、それは条約が求めていることとは違うので、これまで許可を出していたときの科学当局の役割というのは十分でなかったと思います。

 今後この事例を踏まえて、附属書Ⅱの場合は、原則として、一定程度の利用が認められる種であるということですから、それを踏まえて、データをもとにして、そういう判断をするというふうにしていくべきだと思います。

 特にワシントン条約の附属書のⅠとⅡというのは、Ⅰは、もう全く商業利用が認められないようなもので、Ⅱは、注意して取引をコントロールしないと絶滅のおそれが高まる可能性があるというものですから、その時点でレッドリストに載っていないという可能性はもう十分あるわけですね。だから、レッドリストに載っていないので、そういう判断をしましたというのは、ちょっと違うということです。

 ですから、あと、ニホンイシガメも附属書のⅡですかね。同じようなことが起きる可能性がありますので、どこまでのデータがあればというのは難しいですけれども、あらかじめデータを一定程度持っていて、それに基づいて判断をするのが、科学当局のすべきことだと思います。

 あと、やっぱり一定程度は将来認めてほしいという意見があるんだなあと思って見ていたんですけども、ヤエヤマイシガメを取引したいという要望は、一定程度、尊重されるようなものかなと思います。

 それで、さっき小菅委員から御意見ありましたけれども、飼育繁殖に限って認めるとか、いろいろ工夫はあると思います。輸出禁止にしてしまうというのは、要するに、附属書Ⅰと同じことですから、それは少し乱暴な気もしますので、状況を踏まえて、適当な取引を認めるとか認めないとかという判断をしていったらいいと思いました。

 以上です。

【中島野生生物課長】 今回、ミナミイシガメだけでなくニホンイシガメについても、相当数の輸出が、実際に行われているというデータが、今集まってきておりまして、これに関しても、将来この助言を続けていっていいのかどうかということを、問題意識として現在持ちましたので、これにつきまして、今現在は助言を続けているんですけれども。それをどうすべきかという体につきまして、指針の意見に基づいてちょっと検討したいというふうに考えているところでございます。

【石井委員長】 ほかはよろしいでしょうか。

 それでは、続きまして、「国内希少野生動植物種の指定に関するパブリックコメントの結果」についてということで、御説明お願いします。

【事務局】 それでは、野生生物課の徳田でございますが、資料4に基づきまして、パブリックコメントの結果の報告をさせていただきます。

 前の小委員会で現在89種の国内希少種を41種追加指定をするという案件について御説明をさせていただいたところでございます。

 簡単に申し上げますと、琉球奄美の爬虫類5種、これはトカゲモドキの種類ですが、それから、植物6種、これはラン等を含む種類ですが、これはマニア等による採取圧があるという種類を中心に、候補として選定をさせていただきました。それらの琉球奄美の種が、あわせて11種類。それから、小笠原の兄島というところにグリーンアノールが侵入したということが、世界遺産の指定後に明らかになりましたので、指定要件を担保する意味で、国できっちりその対策をやっていくという意味で、昆虫類16種、タマムシとか、カミキリとか、ハナノミ。それから、陸産貝類は、父島に、ニューギニアヤリガタウズムシというものが侵入して、希少な陸産貝類の絶滅危惧種がいなくなっているということで、あわせて30種を指定させていただきました。

 これにつきまして、野生生物小委員会の当日から4月2日まで、パブリックコメントを行いました。その結果が、一番最後の添付資料③というところに書かせていただいております。

電子メールで9通の意見をいただいております。意見は、いずれもオキナワトゲネズミ、トクノシマトゲネズミ、アマミトゲネズミ、それから、ケナガネズミを、今回の指定に追加すべきという、いずれも同じ意見でございました。

 これにつきましては、いただいた御意見を参考として、今後も2020年までに300種を指定するという目標を掲げておりますので、その中で検討をさせていただきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

【石井委員長】 ありがとうございます。

 ただいまの件に関しましてはいかがでしょうか。

 特にないでしょうか。

【マリ・クリスティーヌ委員】 これは、もう出されたものですよね。ヒット数ってどれぐらいあったんですか。

【事務局】 ヒット数というのは、インターネットで。

【マリ・クリスティーヌ委員】 ここに来てくれた人数というのが出てくるんですけれども。

【事務局】 すみません。ちょっと今、持ち合わせてないんで、申し訳ないですけど。

【マリ・クリスティーヌ委員】 それをちょっと見ていただいてというのは、効果的なのかどうかということが一番重要なので、パブリックコメントを出したときに、どれだけのところに目が触れているかがすごい重要であるわけですから、数字とかも出されるといいんじゃないかと思いました。

【事務局】 わかりました。ありがとうございます。

【石井委員長】 この電子メールが9通、これとは違うんですか。

【事務局】 今言われたのは、多分ホームページを見た人の数ということですよね。

 それはどこまできっちりわかるかどうかわかりませんけど、ちょっとこちらのほうで、また確認をさせていただきます。

【石井委員長】 では、できる範囲でということですね。

 ほかに何かございますでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 では、この件もよろしいでしょうか。

 ほかにないようでしたら、その他が1件ありまして、前回ここで課題になっていたことですね。では、ご説明をお願いします。

【事務局】 希少種室の笹渕と申します。その他として、私のほうから、前回、保護動植物事業計画の変更ということで、13種の動植物事業計画の変更について諮問をし、答申をいただきましたが、昨日21日付で告示をされて、変更されたところです。

 前回御説明をした際に、「再導入」と使われていた語句を「野生復帰」というふうに修正をしましたということで御説明をしたんですけれども。説明のときに、平成23年に環境省が作成をした「絶滅のおそれのある野生動植物種の野生復帰に関する基本的な考え方」に基づいて、そこで用語が提議をされたので、そういうふうに修正をしましたという御説明だけだったんですけれども。その基本的な考え方で、どのように用語が整理をされて「野生復帰」というふうにしたのか、もう少し詳しく説明をしたほうがいいということと。

 あと、石井委員長のほうからは、「再導入」と「野生復帰」は、両方とも英語にしたら「Re-introduction」ではないかというような御指摘もありまして、その辺の「再導入」と「野生復帰」といった用語がどのように整理して使っているのかということをちょっと御説明をさせていただきたいということで、資料を御用意させていただきました。

「野生復帰に関する用語の定義について」という資料でございますけれども。まず最初に、再導入を野生復帰に修正しましたということなんですけれども。基本的な考え方では、過去に生息していた地域に、今いなくて、過去に生息していた地域に、新たに生き物を定着させようと試みることを「再導入」と。それから、今、生息しているところに、同じ種を野生復帰とか、放鳥したりとか、放獣したりするようなことを「補強」というふうに定義をしておりまして、このうち生息域外保全の個体を再導入又は補強することを「野生復帰」というふうに定義をされています。

生息域外保全の個体をというのは、例えば野外で捕まえたものを、また別の地域に移動させるということも想定されますので、そういうものは野生復帰とは言わずに整理をしているということです。

 全体の整理としては、そういうことなんですけども。資料の2番以降に、野生復帰の基本的な考え方で具体的にどういうふうに整理がされているのかというのを、少し図とかも使って説明をしている資料をつけているんですけれども。今御説明したようなことを、図で示しております。

これは、1998年に作成されたIUCNの再導入のガイドラインというものを参考に作成をしているんですけれども。1枚めくっていただいて、その裏側に、IUCNの再導入ガイドラインでどういうふうに定義をされているかということが書いてあります。

①、②、③、④ということで、四つの言葉が定義をされています。今御説明をしまし「再導入」が①、それから、③に「補強」という言葉がありますけれども。それ以外に④のところが「保全的導入」ということで、過去に生息していた場所じゃないところに保全を目的として導入するということも一応想定をされていまして、それを「保全的導入」という言葉で定義をされているということでございます。

 もう一つは「移植」という言葉が定義をされているんですけれども。これは、先ほど申し上げた生息区域外保全の飼育個体ではなくて、野外から別の地域に持っていくというようなことを「移植」というふうに定義をしております。

この辺の定義なんかも参考にして整理をしているんですけども、実は、このIUCNの再導入のガイドラインには、野生復帰というものは定義はされていません。いないんですけれども、基本的な考え方を整理するときに、生息域外保全の個体を再導入、あるいは補強することを野生復帰というふうに、環境省では整理をして、用語を使っているということでございます。

 実は、IUCNの再導入ガイドラインというものが野生復帰の考え方をまとめたときには、1998年に作成をしたものを参考にしていたんですけども、その後、新しいガイドラインというものが2013年にできまして、それが3番以降で少し御説明させていただいています。

あまり大きくは変わってはいないんですが、用語の定義のところで、最後のページに参考2として、新しいガイドラインでどういうふうに定義をされているとかということを整理をしています。

補強と再導入、それから、保全的導入という言葉は使われているんですけれども、補強と再導入というのは、本来の生息地への移動だということで、それをPopulation Restorationというので、一つまとめているということ。

 保全的導入のほうには、二つ、中で分かれているんですけれども。これは保全的導入をする目的で、二つ分かれているということです。それらを全てひっくるめて、種の保全を目的とした人為的に行われる生物の移動とか放出をConservation translocationということで用語を定義をしているというのが、今の新しいガイドラインでございます。

 Translocationという言葉がここで出てきて、1998年のガイドラインではTranslocationというのは、野生の個体を移動させることをTranslocationと言っていたんですけども。新しいガイドラインでは、Conservation translocationとなっているんですけども、これは生息域外保全の個体を移動させることと野外から持っていくこと、両方含めてTranslocationというふうな言葉になっているので、その辺で少し混乱が生じやすいかなというふうに思っています。

 新しいガイドラインのほうで考えますと、Conservation translocationには、野生起源の生物をtranslocationする場合と、飼育起源の生物をtranslocationする場合がありますというふうに文章中で書いておりまして、今回野生復帰の定義を、新しいガイドラインに沿って考えるとすると、飼育起源の生物を補強、または再導入するということが、環境省のほうで整理している野生復帰に当たるということで、2ページ目のところで表として整理をさせていただいているところです。

 すみません。1点ちょっと資料の訂正です。飼育起源の生物のところで、英語で、capitive originsと書いてあるんですけども。capitiveでpの後ろのiが、すみません。要らない。

いろいろとすみません。英語のミスがございまして、今のcaptiveのところと、すみません。先ほどの参考2のIUCNの新再導入ガイドラインの補強のところで、infocementのfoceのrが抜けていました。すみません。

 あと、それから、(2)の保全的導入のConservation Introductionのvationのvがbになっていました。vに訂正いただければと思います。すみません。

 すごく複雑な説明で少しわかりづらかった部分もあるかと思いますけれども。環境省としては、野生復帰という言葉は、この範囲に使っていきたいと考えています。新ガイドラインも2013年にできたんですけれども、それに対応して、環境省の野生復帰の考え方をどうしていくかというのは、また今後検討していきたいと思っております。

 以上です。

【石井委員長】 はい。どうもありがとうございました。

 クリスティーヌ委員、ほかに英語のミスありますか。

【マリ・クリスティーヌ委員】 大丈夫です。

 一つ質問なんですけど。最近、野生動物のいろんな問題がある中で、私、専門家ではないので聞きたいんですが、例えばイノシシとか、シカとか、サルとか、捕らえたときに修正して、それで野生に返すというわけにはいかないんですか。繁殖し過ぎちゃったものを。

【中島野生生物課長】 現在問題になっております、シカとかイノシシの増え過ぎで、さまざまな被害を出している問題ですけれども。これについては、性質が野生の性質を持っているはずのものが、ちょっと人間のものに頼り過ぎてしまって性質が変わったから、その性質を是正すれば、そのまま個体としては戻していいんではないかというふうにお考えになる方もいらっしゃるんですけども。シカとイノシシに関しては、なかなかそういう考え方に基づいては、今、我々はいない。

 サルに関しては、これは、ちょっと痛い思いをさせて防獣するというようなことをすれば、ある程度近寄ってこないというようなことがあって、被害を出しにくくなるというようなことがあるので、そういったことをする場合があったり、あるいは、クマについても、そういったことをやる場合があるんですけれども。シカとイノシシについては、これは被害の出方も大量にいることがイコール被害に結びついていることなので、個体数そのものを減らさない限り、被害の軽減につながらないということで、なかなか同じようには扱えないなというふうに考えているところであります。

【石井委員長】 よろしいですか。

【マリ・クリスティーヌ委員】 修正って、野生というか、もう、飼い主がいない猫とか犬とかを去勢して、それで子どもができないようにするわけですから、それは野生動物にとってはできないんでしょうか。

【中島野生生物課長】 それはできなくはないと思いますけれども、恐らく莫大な予算がかかりますので、行政上、財政上できないということになるのと。あとは、被害は生きている限り、食べるという意味では出し続けることになりますので、去勢をして放した後に被害が全くおさまるかというと、そうでもないので、そこはコストと効果の兼ね合いということになろうかと思います。

【石井委員長】 よろしいですか。それでは、桜井委員、お願いします。

【桜井委員】 実は、この野生という言葉について、サケ・マスのほうで、非常に議論をしていまして、サケ・マスでも、日本の場合、自然産卵している魚が少なくて、ほとんど人工産卵なんですね。それでできるだけ自然産卵させようということで、今度放して、産卵させていますけども。これ、野生魚なのかという議論をしているんですね。

 そのときに、野生魚は使えないという。つまり、それはあくまでも人間が放したものが川に行って自然産卵しているだけだと。だから、これは自然産卵魚であると。野生魚ではないという議論をしているわけです。実は。

 それで、ここで今お聞きしたかったのは、野生復帰の中で、ただ放しただけじゃなくて、今の話とは逆なんですが、要するに、人工繁殖したものにしても、そこから移したものでも、最終的には、そこで自然繁殖して、種が増えるわけですね。そこのところを定義というのは、ここにあまり見えてこない。放すだけというところですよね。その辺のところまで踏み込まなくていいのかなという気がするんですけど。

【石井委員長】 ちょっと考えますか。じゃあ、山極委員、先に。

【山極委員】 このIntroductionという考えは、個体を持っていった先の問題を中心に考えている概念だと思いますね。要するに、導入する個体を域外か域内かということで定義した場合と、それから、導入する先の話を考えた場合に分類ができる。四つの象限があるわけですよね。

 野生復帰という考え方は、すごく曖昧なんですよね。どこが焦点になっているか、よくわからない。全部含んでいるのかもしれないんだけれども。普通IUCNにしても、国際的なガイドラインについては、基本的にやっぱり場所の問題、個体群のことを中心に考えているわけですね。

 つまり導入の個体を出したときに、そこに既に、昔その種が暮らしていたのかどうか、それから、既にそこにいて、補強ということになるのかどうかという、実際に導入する個体群や場所のことを中心に考えているわけです。

 環境省の考えた野生復帰というのは、どちらが主なのかということがはっきりしないのというのと。もう一つ、やっぱり、これ、英語で、何ていうんですかね。それがすごく気になる。英語は苦手だと言われると、ちょっと英語を教えて、考えていただきたいなと。

【石井委員長】 前回からの課題なんですけれど。

 では、尾崎委員、お願いします。

【尾崎委員】 今まさに言われたことですが、私どもが今関わっている、アホウドリのヒナを鳥島から智島に移動し飼育して放す。智島には、昔、アホウドリがいました。これがどこに入るのか。多分この図でいうと、移入・移植による再導入の青いところに、左下のほうですね、入るのかなと思います。

 ただ、我々の今までのこの事業のタイトルは「再導入」だったので、今回、再導入から野生復帰にするときに、飼育個体じゃないのは除くということになってくると、野生由来を除くとなると、それが除かれてしまう。具体的な例で申し訳ないんですけど、アホウドリに関してどう整理するのかが、私の中ではっきりわからない状況なので、もしよろしかったら教えていただければありがたい。

【石井委員長】 まず質問だけ受けたいと思うんですけれども。ほかは。じゃあ、福田委員、お願いいたします。

【福田委員】 ここでこのことをお話しするものかどうかわからないのですが。保護するものとか、指定されることというのはいろいろと議論されていますけれども、前にもお話しさせていただいたように知らない人が多いんです。そのために、図鑑のところに小さく、これは絶滅危惧種ですとか入れるとか、また、表のところに、国定鳥獣保護区というものがあるとか、そういう言葉を入れてみていただけたら、もっと大勢の人たちが感じたり、興味を持ったりしてくれるのではないかと思うんですけれども。

【石井委員長】 それは環境省より、出版社に言ったほうがいいのかもしれませんが。

ほかはいかがでしょう。

まとめて、答えられるんでしょうか。また宿題にして、また次回……。どうしましょう。

【中島野生生物課長】 申し訳ありません。また宿題にさせていただきたいと思います。英語の力も磨いて、出直して参ります。申し訳ありません。

【石井委員長】 それでは質問を受けましたので、また持ち越しの宿題ということにさせていただきたいと思います。

 全体通して、いかがでしょうか。よろしいですか。

(なし)

【石井委員長】 ないようでしたら、最後に、中島課長、一言お願いいたします。

【中島野生生物課長】 本日は、年度初めのお忙しい中、委員の皆様方には熱心に御討議をいただきまして、誠にありがとうございます。

 今回主な議題でありました、鳥獣保護区の指定と、それから、関連してラムサール条約の登録湿地についてでございますけれども。6月に、先ほど局長から申し上げましたとおり、締約国会議、3年に1回の締約国会議かございまして、これに大橋審議官以下で、日本政府も参加をするということにしております。

 あちらのほうで、今回新しく4カ所の新しいラムサール湿地が誕生するということで、これで日本としては50カ所の登録湿地ということになりまして、ちょっとした節目の年になります。

今までラムサール条約の登録につきまして、2020年までに、あと10。今回四つ登録をすると、あと、6個か7個、そのぐらい残っているわけなんですけど。それに向けても、さらに弾みをつけていきたいというふうに考えております。

 最近、一番我々が心を砕いておりますのは、先ほども少し議題に取り上げられましたけれども、地域の方々の理解を深めるということでありまして、これについては、今、荒尾干潟が、前回の締約国会議で登録をされた荒尾干潟が、有明海で初めてラムサール湿地になって、ここが漁業を営んでいる方々も含めて、非常に前向きに取り組んでくださっており、関係協力にも非常に力を入れてやっていきたいというふうな市の意向もありまして、現在、建物をちょっとつくって、それを環境教育の拠点にしていこうというような考えで進めているところでもあります。

 地域の方々に理解をしていただいて、さらに、今、日本全国全て保護区とはいきませんけれども、なるべくたくさんの保護区をつくっていきたいなというふうに考えておりますので、今後とも御支援をいただきたいという考えでおります。今日はどうもありがとうございました。

【石井委員長】 それでは、以上をもちまして、本日の委員会は閉会といたします。

 皆さん、お疲れさまでした。

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