中央環境審議会 自然環境部会 野生生物小委員会 第6回会議録

日時  

平成27年3月23日(月) 10:00~12:02

場所  

環境省第2、3会議室(中央合同庁舎5号館19階)

出席者

委員長

石井  実

委員       

新美 育文    

臨時委員     

尾崎 清明   

小泉  透    

小菅 正夫

白山 義久    

宮本 旬子

専門委員     

石井 信夫    

磯崎 博司    

桜井 泰憲

高橋 佳孝    

マリ・クリスティーヌ    

福田 珠子

環境省

塚本自然環境局長

小川大臣官房審議官

江口総務課長

中島野生生物課長

安田希少種保全推進室長

堀内鳥獣保護管理企画官

議事録

【事務局】 おはようございます。予定の時刻になりましたので、中央環境審議会自然環境部会野生生物小委員会を開催させていただきます。

 定足数の確認でございますが、本日、小委員会所属の委員、臨時委員9名のうち7名のご出席をいただいておりますので、中央環境審議会議事運営規則第8条第5項による定足数を満たしており、本委員会は成立しております。

 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。お手元にお配りしております資料ですが、議事次第の裏に、配付資料一覧ということで、議事(1)に関する資料として、資料1-1から資料1-3及び参考資料1、国指定鳥獣保護区関係の資料でございます。議事(2)の資料といたしまして、希少種の追加指定の関係でございますが、資料2-1から資料2-3までございます。議事(3)の保護増殖事業計画の変更に関するものでございますが、資料3-1から資料3-3、及び参考資料3-1から参考資料3-3まで。最後の議事でございますが、「ヤエヤマイシガメの輸出に係る助言について」ということで資料4、1種類でございます。

 資料に不備等がございましたら、事務局までお申し出願います。

 それでは、自然環境局長の塚本よりご挨拶申し上げます。

【塚本自然環境局長】 皆様、おはようございます。自然環境局長の塚本でございます。本日はお忙しい中、また、月曜日の午前中ということですけれども、ご出席いただきまして、本当にどうもありがとうございます。

 今回は先月行われました中央環境審議会の改選後初めての委員会でございまして、メンバーはお手元の資料のとおりでございますけれども、今回新たに新美委員に所属していただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日、議題を四つ用意しておりまして、議題(1)の国指定鳥獣保護区の指定は、ツシマヤマネコが住んでいます対馬の舟志ノ内地区の新たな国指定鳥獣保護区の指定と、特別保護地区の指定に係るものでございます。

 2番目の議題の希少種の追加につきましては、2020年までに300種指定という目標がありますので、それを着実に達成していくためのものですけれども、小笠原、琉球、奄美に関する41種類についての追加の諮問でございます。

 3番目の保護増殖計画の変更につきましては、現在49種、計画をつくっていますが、少し古くなったものがありますので、必要な見直しをしていただきたいということでございます。

 四つ目のヤエヤマイシガメにつきましては、附属書Ⅱですけれども、今、中国でかなりの数が食用にされているらしく、大変なことになっていますので、この輸出をとめようということでございます。

 最後になりますけども、佐渡のトキでございますが、今シーズンも順調にいっておりまして、既に報道されておりますが、3月15日に最初の営巣が確認されました。きのうですけども、22日に、二つのペアの抱卵を確認しております。順調にいっていると思いますので、ことしもたくさん野生の中で繁殖してもらえれば、ありがたいなと思っています。

 本日も、ぜひ、審議のほどよろしくお願いいたします。

【事務局】 それでは、この後の議事進行につきましては、委員長の石井(実)先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【石井(実)委員長】 では、皆さん、おはようございます。 それでは、早速ですけれども、議事に入らせていただきます。

 先ほど塚本局長からもお話がありましたように、本日の委員会からは、新たに新美委員に加わっていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の議題は先ほどありましたように諮問事項が3件、審議事項1件ということですね。その他を入れて、合わせて5件ということになっております。

 それでは、1番目の国指定鳥獣保護区及び同特別保護地区の指定について。事務局からご説明をお願いいたします。

【事務局】 環境省野生生物課の計画係長の桝と申します。よろしくお願いいたします。本件を担当しております。すみません、座って、失礼いたします。

 資料1-1をまずはごらんください。国指定舟志ノ内鳥獣保護区と舟志ノ内特別保護地区の指定についてという形で諮問をさせていただきます。諮問の内容それ自体は、資料1-2と資料1-3の指定計画書の案になりますが、説明に関しては、その後につけております参考資料1、あわせて、こちらに映写をしておりますパワーポイントによって説明させていただきます。

 まず、鳥獣保護区と特別保護地区とは、そもそもどのようなものかというところですが、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律に基づきまして、国指定鳥獣保護区については、国際的または全国的な鳥獣の保護の見地から、その保護を図るため重要と認められる区域を指定しておりまして、ここでは狩猟は認められないということになります。特別保護地区は、この鳥獣保護区に加えまして、さらに生息地の保護を図るという区域でして、その具体的な手法としてさまざまな行為規制があります。建築物その他工作物を新築し、改築し、増築すること。水面の埋め立てや干拓、木竹の伐採などが規制をされております。

 この国指定鳥獣保護区ですが、指定区分というものを設けておりまして、それぞれその保護を図るための鳥獣の状況に応じまして、大規模生息地、集団渡来地、集団繁殖地、希少鳥獣の生息地というような形で、それぞれ区分を設けて指定をしております。

 指定状況ですが、現在82カ所の国指定鳥獣保護区がございまして、うち67カ所に特別保護地区の指定がございます。

 指定までの手順ですが、まず、利害関係人や自治体の方との、地元の方との調整をまずは行います。指定案を広告縦覧して、公聴会、パブリックコメントを実施して、そういったさまざまな事前調整を経まして、今、この中央環境審議会の諮問というような状況にございます。

 諮問は、国鳥獣保護区の特別保護地区、それぞれ新規指定など、そういった区域の拡張といった、今まで鳥獣保護区や特別保護地区でなかった場所を新たに指定する場合に諮問させていただいております。これをお認めいただいた後に官報告示がなされて、効力を生じるという状況です。

 今回は、舟志ノ内鳥獣保護区及び舟志ノ内特別保護地区の340ヘクタールの新規指定ということになります。もし、お認めいただいた場合、鳥獣保護区の数は83カ所で、特別保護地区の数は68カ所、面積に関してはそちらに記載のとおりというような形になります。

 それでは、今回の案件に関してご説明をさせていただきます。この舟志ノ内鳥獣保護区と舟志ノ内特別保護地区は、これは対馬の島の北側の上島というところのさらに北部のこの位置に位置をしております。

 現場の状況ですけれども、山間部にちょうど中心に渓流が流れておりまして、周辺は河畔林が生えています。さらに上から、これが鳥獣保護区、今回の全体の俯瞰した写真ですけれども、集水域になっているような状況です。これは昨年3月の写真ですが、葉っぱが落ちているのは落葉樹で、葉っぱがついているのは常緑樹、そのほか人工林などがあって、多様な植生がこの中にあるというような状況になっています。

 鳥獣保護区の面積は340ヘクタールで、その全域を全て特別保護地区に指定するというものです。存続期間の予定は平成27年3月24日、平成46年10月31日までです。希少鳥獣の生息地として、ツシマヤマネコの生息地としての保護を図るということを目的としております。

 すみません。1点、訂正がありますが、面積が340ヘクタールとあるんですけれども、これは、実は今までの指定準備作業の中では323ヘクタールとして行ってきたんですが、私有地の部分がありまして、先週末ちょうど実測値が明らかになったため、森林簿ではなく実測値を採用しています。同じ私有地の面積が、実測値を採用したためふえているという状況で、これらの資料をいろいろ修正したんですけれども、資料1-2、1-3の図面の部分に書いてある面積だけ修正が間に合わず、323のままになっておりますが、すみません、ここで訂正させていただいて、審議会後、至急その対処をさせていただくという予定でございます。

 ツシマヤマネコとは、大陸に広く分布するベンガルヤマネコの亜種でございまして、対馬のみに生息しております。推定の生息数は100頭または70頭と言われています。エサとなる生物として、ネズミやモグラなどの小型哺乳類、鳥類、あとカエルやヘビなどの両性爬虫類、バッタなどの昆虫類があります。なわばりを持ち単独で行動し、広範囲に安定的な生息地が必要というような状況です。位置づけとしては、天然記念物にも指定されておりまして、国内希少野生動植物種で、環境省第4次レッドリストでは絶滅危惧ⅠA類という形になっております。

 ヤマネコを含め、鳥類に関しては23科52種、獣類に関しては6科12種ありまして、ヤマネコのほか、ミサゴ、ハイタカ、ツシマテン、チョウセンイタチなどが生息をしております。

 この場所の自然環境の概要ですけれども、先ほど写真でごらんいただいてイメージを把握していただいたかと思いますが、標高50から200メートル程度の山間地で、中央部に佐護川が流れています。川の中央に渓畔林、スギ・ヒノキなどの人工林、シイ・カシ林、ノグルミ・コナラ林が広がっております。こうした多様な自然がパッチ状に入り組みまして、山間部におけるツシマヤマネコの生息好適地を形成しております。ツシマヤマネコの餌となるネズミ類のほか、今これは問題になっているんですが、ツシマジカとニホンイノシシも生息をしているという状況です。

 この場所の位置づけですけれども、ツシマヤマネコの今まで主要な生息地ということで位置づけられております伊奈の方面、あと佐護とか舟志などが、沿岸で、その中のちょうど中間地点に位置する山間部でございます。今後、ツシマヤマネコの生息状況を対馬の島全体に面的に回復をするためには、これらの主要な生息地間の移動経路になるような場所、山の中での拠点になるような場所というのが非常に重要になると考えておりまして、ここはツシマヤマネコの生息地を確実に面的に拡大していく上で、非常に重要な地域であるというふうに考えております。

 これまでの管理状況ですけれども、実は長崎県の指定の鳥獣保護区として、県雇用の鳥獣保護員2名によりまして、この鳥獣保護区を含めて5つの鳥獣保護区を巡視していただいて、その五つで年間40日程度、管理しておりました。しかし、国指定鳥獣保護区指定後は、現在の国指定伊奈鳥獣保護区の管理人が兼務をする形で、その他自然保護官やアクティブレンジャーによる管理も実施します。今までよりも管理は充実させていきたいというふうに考えています。

 ツシマヤマネコなどの鳥獣のモニタリングを通じて、区域内の鳥獣の生息状況の把握に努めると。そして、鳥獣の生息状況、環境を脅かすような人の不用意な行動を防止するため、巡視、普及啓発に取り組みます。さらに、ツシマジカ、ニホンイノシシなどが高密度に生息する地域において、ツシマヤマネコの生息地の保護及び整備を図る保全事業というのを実施したいというふうに考えております。

 保全事業は、鳥獣の生息環境が悪化している場合、指定目的の鳥獣及び鳥獣の生息状況に照らして、鳥獣の生息環境の改善を図るという必要が認められるときに、鳥獣保護法の28条の2に基づいて行われる事業です。鳥獣の繁殖施設、採餌施設などの設置を含めて、こちらに記載されているようなことを実施することができます。

 この鳥獣保護区の場所も含めて、対馬全体でツシマジカとニホンイノシシによる、今、下層植生の衰退がすごい深刻化しております。対馬全体でツシマジカの推定頭数は約3万3,000頭というふうに言われていまして、この鳥獣保護区の中の一部でも、やはり下層植生の衰退や、その下層植生が衰退するとツシマヤマネコのえさとなるネズミ類や小動物が減少いたしまして、そういうような生息環境の悪化が懸念されているということです。そこで、ツシマジカ対策を実施することによって、一部損なわれているツシマヤマネコの生息環境を改善していこうというものでございます。

 保全事業自体は公共事業として実施するということが念頭に置かれておりまして、これにより、防鹿柵の設置、大型囲いわなの設置などを行います。そして植生を回復していきたいと考えています。

 そのほか、公共事業以外ですけれども、さらに管理のための予算を投じまして、ヤマネコの生息調査と影響調査や、効果的な捕獲手法の開発、それらに関して地元対馬市も含めて協議会を設置して、運営をして、この地区の管理を図っていこうというものです。あわせて、対馬市も環境省と連携をいたしまして、対馬市としては、対馬市森づくり基本計画というのを策定しまして、区域内の所有地の人工林の適正な整備や管理、住民への普及啓発を実施していくということとしております。

 最後の参考資料を見ていただきたいのですが、実はこの鳥獣保護区に関しては、対馬市の所有している土地が、この赤枠で囲んだうちの色が塗られていない部分ですが、大部分は対馬市が所有しております。そうした中、対馬市としても積極的にこの鳥獣保護区の管理に貢献していきたいというような状況でございます。

 これは保全事業の中のいろいろなイメージですけれども、これがイノシシをとかシカを捕まえるためのわなとか、これは簡易な防鹿柵の例ですけれども、これは別の地区の例ですけれども、こういったものを効果的に配置して防除する手法を保全事業の中で検討していきたいと考えています。

 最後に公聴会の実施結果をご説明いたします。平成27年2月12日に実施をいたしました。公述人、利害関係者7名おりまして、そのうち賛成が6名、反対が1名でした。この反対ですけれども、結局、折衝の結果、賛成ということでご理解をいただきましたが、この特別保護地区の指定によって、その森林の間伐や作業道の整備などが滞るのではないかということを心配されていました。

 2月18日にこの反対されている方と調整して、当然、森林の整備、人工林の整備を行うことは、ツシマヤマネコの生息環境にとっても非常によいことですので、そこは森林を管理していく上で、森林施業が大事であるということは我々も認識しているということ、特別保護地区に指定されたことにより、間伐を行うための作業道の設置や間伐が滞らないようにしてほしいということですけれども、そのご要望に関しては適切に対処するということをしっかりと説明をさせていただいた上で、ご納得いただいたというような状況でございます。

 実際、本数において20%以上の間伐をするというところまでは、特別保護地区においては不要許可ですが、それ以上の木竹を伐採するというところは許可を要するというところでございますが、そこは必要な森林整備ということであれば、こちらとしてはしっかりと、適切に迅速に許可を出して整備を行っていただくということが必要であるというふうに我々としても考えております。

 最後に、ツシマヤマネコの保全の取組に関する全体像の紹介です。鳥獣保護区に関しては、特に重要な生息地を守るため、既に伊奈鳥獣保護区が指定されているほか、今回ここで新しく舟志ノ内鳥獣保護区を指定するものです。そのほか、対馬の自然保護官事務所に野生生物センターがあり、また、厳原のほうにも事務室と順化ステーションがあります。そこで保護増殖事業の取り組み、交通事故対策、イエネコ対策、野生復帰技術開発も含めて行っているという状況でございます。今回、ここに新たな重要な生息地として見出された舟志ノ内の鳥獣保護区、特別保護地区を指定させていただきたいというものです。

 ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

【石井(実)委員長】 ご説明、ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問等があったらお願いいたします。いかがでしょうか。

 それでは、尾崎委員、お願いします。

【尾崎委員】 この地域がヤマネコにとって重要ということはよくわかりましたが、例えば具体的に何ペアというか何頭ぐらいが生息できるか、獏としたもので結構ですが、教えていただきたいと思います。

 といいますのは、もう1カ所の保護区、伊奈の保護区と合わせて、これで保護区が二つできたということで、担保として、その面積で、どのくらいヤマネコを保護できるかなということを知りたいということです。

 それからもう一点確認ですが、参考資料1の4ページだと、伊那の「那」というのは奈良の「奈」になっていますが、どっちが正しいんでしょうか。

【事務局】 すみません。字に関しては奈良の「奈」のほうが正しくて、最後についている資料が間違いです。 鳥獣保護区の中にどのくらいの数が生息しているかという数までは把握しておりませんで、密度に関して申し上げますと、この鳥獣保護区がある場所では、今回指定しようとする場所などが比較的密度が高いという調査結果はございます。

 今回の鳥獣保護区の指定に当たって、この生息環境を改善するという中で、詳しく生息状況を調べていきますので、その中にどのぐらいという状況も、今以上にわかってくるのではないかというふうに思っています。

【事務局】 補足させていただきます。ツシマヤマネコの行動範囲といいますか、1頭当たりどのぐらいの範囲を使っているかという面積で申し上げますと、大体100ヘクタールぐらいを使っているということで、もし、今回の鳥獣保護区をちゃんと使うとすると、二、三頭ぐらいが保護できる範囲というような面積になっております。

【石井(実)委員長】 よろしいですか。

【尾崎委員】 はい。

【石井(実)委員長】 ありがとうございます。

 それでは、石井(信)委員。

【石井(信)委員】 この保護区の指定については特に異議はありません。賛成したいと思います。

 それで、資料1-2とか3に、生息している鳥獣のリストがありますね。いつも気になるんですけれども、外来種と在来種の区別がついていないので、外来種の場合、特にそれを備考に明記してもらいたいと思います。例えば、ハツカネズミ、ドブネズミ。

 それから、それに関連して、説明の中では言及がありませんでしたけども、今いるイノシシは外来のイノシシで、もともと対馬にいたものではありません。江戸時代に絶滅していますので。これについてはできたら根絶を考えていくような、そういう存在であるということをわかるように、いろんなところに書き込んでおいていただきたいんですね。文章中に外来と明記するとか、お願いしたいと思います。

 それから、このリストには載っていないコウモリも何種類かいると思いますので、国指定鳥獣保護区になるわけですから、基礎的な調査というのをぜひやっていただいて、あとはもちろんネコの保護ということが目的ですから、それについては重点的な事業をしていくということになると思いますが、基礎的な調査もぜひお願いしたいと思います。

 以上です。

【石井(実)委員長】 ありがとうございました。そうしますと、資料1-2と資料1-3のリストの最後のほうに出ている、ウシ目イノシシ科のニホンイノシシという書き方は誤っているということですか。

【石井(信)委員】 ニホンイノシシであることはたぶん間違いじゃないんですけれども、対馬にもともとどんなのがいたか、わかっていないんですね。なので、これは本来いるべきではない外来の個体です。もちろんイノシシが昔いたから再導入ということもあり得ないことではないですが、今いるのをそれにするというのは全く間違っていると思いますので、そういうことがわかるような注意をいろんなところでしていただきたいということです。

【石井(実)委員長】 ちょっとしつこいですが、種としてはニホンイノシシで間違っていないけれど、個体群としては外来の個体群であるという認識ですか。

【石井(信)委員】 いまいるのはニホンイノシシですが、こから来たかがわからないし、対馬にニホンイノシシがいたかどうかもわからないということです。

【石井(実)委員長】 わかりました。では事務局、どうですか。

【事務局】 ニホンイノシシは国内由来の外来種として認識しております。注のほうに、今ご指摘いただいた外来種、特に注意すべきものを、工夫して注の中に記載をさせていただければと思います。

【石井(実)委員長】 ありがとうございます。

 そうしましたら、磯崎委員、お願いします。

【磯崎委員】 資料1-2と1-3で、今回は指定区域が全域、特別保護地区と重なっているので、この2枚が全く同じ書き方になっているんですけれども、ページがないですが、2枚目の表側のページです。ほかの場所は現況の説明であったり、自然、生態学的なデータですので、そこは全く同じになってもいいと思うんですけれど、この2枚目の表のところは、特に片方は28条で、もう一つは29条ですので、法、指針や事業、それから目的のところで、違いが出てこないのかなというのがちょっと気になったんですが。

 というのは、もし、普通の特別保護地区にならない区域の拡大があったりした場合に、1-2の資料のほうは変わってきちゃうのかなと思います。もし28条に基づく事業計画とか指針というのが考えられるんだったら、そこが最初から違っていてもいいのかなという気がします。

 それから、これは前回も指摘したところなんですが、今の28条に基づいてというとき、あるいは29条に基づいてというとき、29条はスライドの3番のところで、特別保護地区についての要件と指針というのが挙がっています。これも1-3の29条で、それに関連する指針で、今回の場合はスライドの3番の一番下の(4)に該当しているんだろうと思います。それに該当するので、指定の基準とかに合致しているという、そこまで説明として入っていたほうがわかりやすいと思います。

 同じように、28条に基づく鳥獣保護区指定のときにも、それと同じような説明があって、これに該当しているということがあるとわかりやすいのかと思いました。

 以上です。

【石井(実)委員長】 ありがとうございます。

 今の点、いかがでしょうか。それぞれ2ページのところの書きぶりは少し変わってくるはずということですね。

【事務局】 鳥獣保護区に関しては28条第1項に基づき、鳥獣の保護を図ると。特別保護地区に関しては29条第1項に基づき、鳥獣とその生息地の保護を図るというところに大きな違いがございます。鳥獣保護区の指定の状況によって、鳥獣だけを守る鳥獣保護区とする場合と、生息地もあわせて守る特別保護地区を指定する際に、指針上ちょっと違いが出てくる場合もあるかと思いますけれども、今回の場所に関しましては、鳥獣保護区も特別保護地区も同じ区域を指定するので、結果的にその二つが同じ書きぶりという形にさせていただきました。

【石井(実)委員長】 よろしいですか。

 それでは、高橋委員、お願いします。

【高橋委員】 指定の要件については先ほどのことでよろしいので、もう一つ。私も猫のことはよくわからないのですが、ツシマヤマネコは里猫的な色合いもかなり濃いというふうにお聞きしたことが以前にある。例えば、伊奈のところではいわば里地の保全という形でやられています。今回のところは、いわゆる林分のパッチは非常に複雑ですけども、農地とかあるいはその周辺地とのつながりというのは余りよくわからない場所があって、今回、ここを指定することで、ヤマネコの保全に対するどこの部分がとてもよくなるのかということと、ほかの指定地域とうまくつながりを持たせて、里地、里山と、森林の中の生息場所も一緒に整備するという意味づけなのかどうかということですね。それをお聞きできたらと。

【石井(実)委員長】 事務局、いかがですか。

【事務局】 おっしゃるとおりでございます。今まで里猫みたいなイメージというのは、こちらの佐護とかこちらの舟志地区とか、そういったところで、水田の周りといった里地、里山、人が暮らしている場所に生息している個体が注目されてきましたけれども、ヤマネコはもともと、山も含めてもともとは全体に濃く分布していたものというふうに考えられます。この山の中で繁殖した実績もあったりするんですけれども、そうした状況を見てみると、山の中であっても林床の植生が豊かでネズミなどのえさ生物がいる場合、先ほど行動圏も広いという話を別の者からさせていただきましたけれども、こちらと行き来したりして暮らしているというような状況もあるかと思います。

 そうした中で、こうした里の場所と島全体の生息状況を面的に回復していくために、山の中でも良好な生息環境を努めることで、面的に全体を回復していきたいと。さらに一言申し上げますと、先ほど対馬市の森づくりの計画の取り組みもあると触れましたが、森林整備などをしっかりとしていくことで、さらに生息環境をよくしていくというようなことも、対馬市としては考えているというところです。

 ですので、山と里をつなぐような拠点になる場所というような位置づけになるのかなというふうに考えています。

【石井(実)委員長】 よろしいでしょうか。

 それでは、小泉委員、お願いします。

【小泉委員】 計画書を見せていただきますと、随所にニホンイノシシとツシマジカの捕獲を行うと書いてあるんですが、意義は認めるとして、捕獲の妥当性というのをどういうふうに検証していくか。ツシマヤマネコには有利だけれども、ニホンイノシシとシカは打撃を与えられるような捕獲方法ですね。具体的な方法は今出てこなくてもいいんですが、その検証をどういうような体制で行っていくか。もし考えていることがありましたら教えていただけますか。

【事務局】 特にヤマネコの重要な生息地として認識しておりますので、その捕獲の方法とか手法も慎重に検討していかないといけないというふうに考えています。

 まず、ヤマネコがどういう状況にあるのか調査もしまして、どういうふうな捕獲が効率的で効果があるのか。かつヤマネコの生息に影響を与えない手法で行えるのかどうか。そこはしっかりと有識者のご意見を聞きながら、あと地元の方のご意見も聞きながら、合意形成を図りつつやっていきたいというふうに思っています。

【石井(実)委員長】 よろしいですか。

 それでは、幾つかコメントもいただきました。この点についてご配慮をいただくということを条件にいたしまして、この議題についてお諮りしたいと思います。事務局のご提案どおり、指定するということで、よろしいでしょうか。

( 異議なし )

【石井(実)委員長】 ありがとうございます。

 それでは、二つ目の議題に行きたいと思います。国内希少野生動植物種の追加等についてということで、ご説明をお願いいたします。

【事務局】 それでは、二つ目の議題の国内希少野生動植物種の追加等についてということで、野生生物課希少種保全推進室の徳田より説明をさせていただきます。

 今回、国内希少野生動植物の指定候補種として追加をするということで、後に細かくご説明をしますが、奄美、琉球に分布する種のうち、愛好家による採取圧がある種を中心に候補種を選定しました。それがまず一つ目です。

 それから、小笠原に分布する種のうち、急激な生息あるいは生育環境の悪化、グリーンアノールとかニューギニアヤリガタリクウズムシという特定外来生物の侵入増加がきっかけとなって、生息状況、生息環境が悪化をしているという種を中心に選定をしたという、大きくこの二つについて選定を進めてまいりました。

 具体的には、その愛好家による採取圧があると言われている爬虫類のクロイワトカゲモドキの仲間のクロイワトカゲモドキ、マダラトカゲモドキ、オビトカゲモドキ、イヘヤトカゲモドキ、クメトカゲモドキという、これは5亜種になりますが、この5亜種について全て一斉に指定したいと考えています。それから、植物についてですが、愛好家等による採取が認められるナガミカズラ、ヒメヨウラクヒバ、タカオオオスズムシラン、イリオモテトンボソウ、ミソボシラン、リュウキュウキジノオという6種について指定の検討を進めてまいりました。

 それから、小笠原につきましては、小笠原の父島のすぐ北側に兄島というところがございますが、そこにグリーンアノールの侵入が直近で認められました。レッドリスト改定のときはまだそういう情報はなかったわけですが、そこには希少な昆虫も生息し、乾性低木林という特異な植生もあります。そういうところに生息している昆虫が、直近のレッドリストでの評価は、絶滅のおそれのランクがそんなに高くなくてもグリーンアノールが入っているということで、かなり危ない状態になっているんじゃないかということで、タマムシの仲間、それからカミキリムシの仲間、それからハナノミの仲間という16種の昆虫を取り上げました。

 それから、これは父島と母島になりますが、先ほど申し上げましたニューギニアヤリガタリクウズムシというプラナリアが陸生貝類を食べてしまうということで、特にカタマイマイというような貴重なもの、小笠原が世界遺産、自然遺産になったときの指定要件の、種の分化と適応放散の一つの例として挙げられております。

 また、先ほどご説明しましたタマムシ、それからカミキリムシ、ハナノミの種類も、固有種率が高いという、適応放散の顕著な例が見られるということで、国としてもそういうものをきっちり担保していかなきゃいけないという観点からも、今回の指定を検討した次第でございます。

 それから、この国内希少野生動植物種というのは、本邦に生息し生育する、絶滅のおそれのある野生動植物の種であって、政令で定めるもの。その政令の制定、改廃に当たっては、その立案をするときはこの中央審議会の意見を聞かなければならないというものに基づいて、今回、諮問ということでお諮りをしている次第でございます。

 それから、種の保存法に国内希少種として指定をされますと、まず、個体等の取扱の規制ということで、捕獲、採取の禁止、譲り渡しの禁止が規制されます。そのほか、生息地等保護区というものが指定されているところであれば、生息地の保護ということで、立ち入り制限とか工作物の設置の許可、届け出が必要ということになります。

 それから、後ほど説明をしますが、保護増殖事業計画というものがつくられておりまして、生息域外保全や調査等を計画に基づき実施することで保全を進めるという、この三つの指定の効果が法律の中でされております。

 現在、国内希少野生動植物種89種ということで、一番多いのは鳥類の37種、それから植物の26種、それから昆虫の15種、それからあとそこに書いてございますような数になっていて、現在、89種が国内希少野生動植物種として指定をされております。

 この国内希少野生動植物の選定要件といたしましては、人為の影響により存続に支障を来す事情が生じていると判断される種ということで、個体数が著しく少ないか、または著しく減少。それから、全国の分布域の相当部分で生息地及び生育地が消滅しつつある。それから、生息地等の生息、生息環境の悪化によって、存続に支障を来す事情がある。それから分布域が限定されており、過度の捕獲または採取によりその存続に支障を来す事情がある種という、この大きく4つが基本方針として選定要件に挙げられているところでございます。

 それから、本年度4月に、この審議会の中でも以前に紹介をさせていただいたと思いますが、我が国に生息する絶滅危惧種の保全を全国的に推進することを目的に、基本的な考え方と早急に取り組むべき施策の展開ということで、4月に絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略というものを立てまして、その中でも保全の優先度をきっちり考えた上で、種の存続の困難さと対策、効果の視点で保全に取り組むということ。あるいはその種の状況を踏まえた効果的な保全的対策の考え方として、種の特性や減少要因を踏まえた対策を選定ということで、いろいろ知見の収集とか技術の収集、それから制度をうまく効果的に活用する。それから保全体制を整備するということも含めまして、一番下に書いてございますが、国内希少野生動植物種については、2020年までに300種の新規の指定を目指すということも、この中に書かせていただいているところでございます。

 今回、この考え方により、先般の26年9月3日の野生生物小委で報告させていただいた方針の中で、本年度26年度は特に緊急的に保護する必要がある種の指定を検討します。来年度以降は年間40から50ずつ、1年ごとに取り組む分類群などをある程度限定して検討をするということを報告させていただいておるところでございます。

 やはり種の存続の困難さというのは、レッドリストのカテゴリーが基本になってきます。それから対策効果による視点としましては、生態学的重要度、認知度や生息地の重要性など、それから採取圧、捕獲、当初の重要生態系の分布等々について考えていかなければいけないというようなことで、爬虫類、両生類がマニアによって捕獲、流通をされている種があるということとか、昆虫は急激な生息状況の悪化により、絶滅のおそれが増大しているというようなこと。あるいは維管束植物は絶滅危惧種の約5割を占めていると。哺乳類と鳥類は鳥獣法で捕獲が禁止されているため、特に指定の必要性が高い種について検討するというような方針をご説明させていただいたところでございます。

 今回追加する種の選定方法として、絶滅危惧種ⅠA類のうち、保全措置がなされていない、または指定の効果が見込まれる種。それからⅠB類やⅠ類(CR+EN)を含めて、捕獲採取圧のある種や個体数の増加の困難な種。それから小笠原諸島や奄美、琉球といった保全上の必要がある絶滅危惧種。固有種が多い地域ということで。それから、レッドリストのカテゴリーにかかわらず、急激な生息、生息環境の悪化などによって、減少要因が増大していると考えられる種ということで、先ほどご説明したような小笠原、奄美の分布種、それから奄美、琉球については、採取圧のある種を中心に、それから小笠原については急激な生育環境の悪化をもたらしているような種を中心に候補種を選定しました。

 この審議会の前に専門家の方にお集まりいただいて、今回、指定をする種についていろいろご意見をいただいて、この種を指定候補にするということで決めさせていただいたところでございます。石井信夫委員、石井実委員、それから尾崎委員と、あと鷲谷委員はこの小委員会のメンバーでございます。それ以外の方は、今回の指定種にかかわる専門家の方ということで、この方々で非公開の検討会を設置して進めてきました。

 お手元に、資料2-3に写真が、資料2-2にその説明が、ちょっと細かいですが、お手元にありますので、それを見ながらご説明をしたいと思います。

 先ほども申し上げましたように、クロイワトカゲモドキが今回指定をしたいということで、ここに候補に挙げているところでございます。クロイワトカゲモドキ、マダラトカゲモドキ、これは全部トカゲモドキの同じ亜種でありまして、ヤモリの仲間で、体長が20センチ程度のものです。ただ、ヤモリのように吸盤がないので、木に登って歩いたりすることはほとんどできないということで、ちょっと特殊なタイプのヤモリの仲間でございます。

 ランクはそれぞれ少しずつ違いまして、クロイワトカゲモドキ自体は少し広めに生息をしている。それから、やっぱりイヘヤトカゲモドキ、クメトカゲモドキというのはかなり局所的であります。ということで、生息場所や食べる物についてはほとんど同じでございます。写真を見ていただくと、帯が体にあって、この仲間はアフリカとかヨーロッパにもいますが、今回挙げた5種については日本固有種ということになります。

 愛好家による違法採取もそうなんですが、沖縄や奄美では、マングースがかなり増殖をしていますので、マングースによる捕食というものも生息を脅かす要因となっているところでございます。

 それから、これは、インターネット上で取引している例があります。下がクロイワトカゲモドキで、上がオビトカゲモドキになりますが、125ドル、それから150ドルというような値段で、インターネット上で取引をされているというような例もあります。これ自体、沖縄県の天然記念物になっておりまして、沖縄県内では捕獲は基本的にできないようになっておりますが、なぜか海外のインターネット上で取引例が確認されているということで、全国的な流通の規制ということで、種の保存法で取り上げて規制したほうがいということで、今回、指定候補種とさせていただきます。

 それから、琉球、奄美の植物ですが、ナガミカズラ、これはナガミカズラ、ヒメヨウラクヒバ、タカオオオスズムシランという三つがCRということで、かなり生息地も限定されておりますし、株数も少ないということになっております。

 あと、イリオモテトンボソウ、ミソボシラン、これは蘭の仲間ですね。それから、次、リュウキュウキジノオ、キジノオシダ科のもので、シダの仲間でございます。これも産地極限ということで、かなり場所が少なくなっているということと、それからこれもインターネット上で取引がありますが、このように3,600円というような入札がされているということで、人気があるということでございます。

 この植物につきましては、イリオモテトンボソウ以外は、台湾、中国、フィリピンとかでも、違う名前で生育は確認されています。日本ではこの南西諸島だけということになります。

 これがヒメヨウラクヒバの値段ですが、こういうふうにいろいろインターネット上でも取引をされているということで、今回、指定候補種とさせていただいたところです。

 それから、小笠原に移りますが、タマムシの仲間、ここに書いてあるオガサワラナガタマムシ、シラフオガサワラナガタマムシ、オガサワラムツボシタマムシ父島列島亜種、オガサワラムツボシタマムシ母島亜種、ツヤヒメマルタマムシ、ツマベニタマムシ父島・母島列島亜種ということで、タマムシ自体は、先ほども言いましたように、世界遺産の登録の要件に、個々の島の生態系の中で種の適応放散ということで、かなり細かく固有種が分化して、島の中の固有種ということの一つとしてタマムシの科は取り上げられておるということでございます。

 それからカミキリムシですが、カミキリムシもオガサワラトビイロカミキリ、オガサワラトラカミキリ、オガサワラキイロトラカミキリ、オガサワラモモブトコバネカミキリ、フタモンアメイロカミキリ父島列島亜種、オガサワライカリモントラカミキリということで、このカミキリムシにつきましては、レッドリストのランクはそれほど直近のものは高くありませんが、先ほど申し上げましたように、兄島にグリーンアノールが侵入したということで、今回指定をしたいということでして、それ以外の生息地である父島とか母島では、既にもうグリーンアノールが侵入はしていて、ほとんど確認されていないということがレッドリストにも記載されておりますので、多分ランクは現在もう少し高くなってしまうんじゃないかというふうに考えられるところでございます。

 それからもう一つ、ハナノミでございますが、これは小さい甲虫で、そこに写真がございます。ちょっと見ていただければと思いますが、きれいなもので、これも生態系の種の適応放散ということで、かなり細かい固有種に分かれているということで、今回、昆虫類に関しましては、グリーンアノールが昼行性ということで、昼間活動をして、グリーンアノールに食べられる可能性のあるサイズのものを中心に選定をいたしまして、夜行性のもの等々については今回は選定しておりません。クスイキボシハナノミ、キムネキボシハナノミ、オガサワラキボシハナノミ、オガサワラモンハナノミという、ハナノミ4種になります。

 これも、そこの標本写真を見ていただきますと、グリーンアノールのほかに、外来植物のアカギやモクマオウというものが、いろいろ生息環境を悪化させる要因になっているということで、その伐採とかも今やっているわけですが、やはり世界遺産として、国の担保ということできっちりこういうものを国内希少種に位置づけて、それを保障していこうということで、今回指定の種として検討させていただいているというところでございます。

 それから、昆虫16種については、グリーンアノールの侵入によって、先ほども言いましたように、父島と母島という大きな小笠原の島では昼行性の昆虫がほとんどいなくなって、近年確認できていないという状況と、それからその父島の北の兄島に2013年にグリーンアノールが侵入したという報告を受けていまして、今、電気柵等々の対策を実施いるところでございます。既にグリーンアノールの胃内容からタマムシ科、ハナノミ科、カミキリムシ科の昆虫は確認しているところでございます。

 これが兄島ですが、今、グリーンアノールが確認されているのがこの場所いですね。捕獲を始めて2年ぐらいたちますが、1万5,000匹ぐらい既に捕獲をしている状況ですが、少しは捕獲率が下がっているので、個体数が少しは減っているかもしれませんが、すぐに効果が出ているような状況ではないので、きっちり国内希少種に位置づけて保全をしていきたいということでございます。

 これが兄島の状況ですが、このあたりがグリーンアノールが多く捕獲されたところですが、今、環境省でこの実線で区切られた、Aエリア、Bエリアを保全するように柵をつくって、これに登れないようなシートを設置した上で、ただ、そのままだとごみがたまってグリーンアノールが登れるようになるためシートを拭かないといけませんので、上に電気柵をつけて二重にして、反対側に行かないように、まずこのエリアまででとめるということで作業をしているところでございます。

 それから、次ですが、陸産貝類の14種でございます。これ乾性低木林という、先ほど言いましたように、シイ、カシの群落を森林の中からなくなしたような、特異な森林が小笠原にありまして、それが世界遺産の指定要件にもなっているわけですが、そういう乾燥した落葉とか林内とか、樹木の上とか、そういうところに生息をするマイマイの仲間でございます。アニジマカタマイマイ、コガネカタマイマイ、チチジマカタマイマイ、ヒシカタマイマイ、ヒメカタマイマイ、フタオビカタマイマイ、それからアナカタマイマイということで、ランクは全てCR+ENになります。

 先程の種は乾燥した林に生息するものですが、こっちは乾燥したものも含まれますが、湿生の林もかなり含まれているところに生息する。ちょっと生息地が違うということになります。

 それから、これがオトメカタマイマイ、カタマイマイ、アケボノカタマイマイ、ヌノメカタマイマイ、キノボリカタマイマイ、コハクアナカタマイマイ、ミスジカタマイマイということで、これもランクは全てCR+ENということになります。

 ニューギニアヤリガタリクウズムシが侵入しまして、それによって補食されてしまうということと、クマネズミとかドブネズミによっても捕食をされてしまう。それから野ヤギがまだ残っていますので、野ヤギによって植性が破壊されてしまう等々によって、あと開発に伴うものは今ほとんどないですが、母島で駐車場を整備するときに林をちょっと切ってしまいまして、そこにかなりマイマイがいたんですが、それが一気になくなってしまったということがございます。これは、真ん中がニューギニアヤリガタリクウズムシでございますが、左側が1990年代、赤が陸生プラナリアが最初にいたところですが、見ていただくように、小さい丸、大きな丸もありますが、青い点線のほうが多かったわけです。それが、2010年代の右側を見ていただきますと、赤と青の面積が逆転してしまっているような形で、貝類が攻められていって半島部の小さなところしか残っていないというようなことになっているところでございます。

 貝類の保護につきましては、今、環境省で域外保全を進めていまして、後に、さっき言いました保護増殖事業計画等々も含めまして検討できるということで、今回指定したいということと、きっちりニューギニアヤリガタリクウズムシの駆除とか、クマネズミの駆除というものを進めたいということが今回の指定の主なところでございます。

 それから指定後の保全の基本的な考え方ですが、今後このように指定種を増やしていきますので、環境省だけじゃなくて関係省庁とか地方自治体とか、NPOとか民間企業と連携をして保全を推進していきたいということが一つ。

 それから、先ほども言いましたように、保護増殖事業計画を効果が大きい種については作成すると。例えば、小面積な保護地区を生息地等保護区として指定したら、かなり効果が高いということになれば、それも進めていきたいということでございます。

 それから指定種に関しましては、本年度から国民からの提案を受け付けておりまして、本年度は、来年度の検討となる38件について提案がございました。また、来年度につきましては、27年度の小委員会において提案募集の結果も含めて指定候補種の検討をしていただくということで考えているところでございます。

 以上でございます。

【石井(実)委員長】 はい、ご説明ありがとうございました。

 ということで、種の保存法の改正時についた国会附帯決議では2020年までに300種、国内希少野生動植物種を追加することになっており、平成26年度は、先ほどご説明があった41種のご提案があったわけです。

 それでは、ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問があったらお願いいたします。

【石井(信)委員】 私は、この指定について検討した別の委員会のメンバーとしてさっき紹介されてしまったので、反対するというオプションはないので、もちろん異議はないのですけれども。

 気になるのは、琉球奄美の種については、指定することによって捕獲とか譲渡がはっきり違法行為になりますので、そうした行為が生息状況にインパクトを与えているというのが専門家の評価ですから、効果が期待できると思うんですね。それに対して小笠原の種の指定理由と減少要因を見てみると、捕獲・採取圧は書いてありません。だから捕獲・採取が生息状況の悪化に影響を及ぼしているのではないということですが、こうやって国が指定しますと、取ったりすることが違法行為になって罰則を伴うわけで、国民の、虫の好きな人が採取したいという権利を制限することになります。そういう権利を制限するけれども、申しわけないけれども協力してもらって、そのかわり国は、この場合だったら具体的にはアノールですとかウズムシの対策というのをきっちりやって、これが絶滅しないようにちゃんと手を打ってきますという宣言になると思うので、ぜひきちっとそっちの対策を進めていただきたいと思います。それがないと、ただ単に指定しただけで、結局いなくなってしまったということになってしまいますので、これは指定が決まれば、プレスリリースがあると思うんですが、琉球、奄美のものについては捕獲・採取が問題で、小笠原については捕獲・採取が問題でないけれども、ということをはっきり説明していただきたいと思います。というのは、こういう指定を単純に考えると、昆虫採集がいけないことみたいな感じを一般の人たちに広げることになる。頼まれてもないのに一生懸命いろんなところで昆虫を採集したりして調べてくれた人たちがいるから、私たちは今こういういろんな知識があるわけで、そういう行為自体を否定するようなことではないということを、どこかで強調していただくということもお願いしたいと思います。

 以上です。

【石井(実)委員長】 ありがとうございます。事務局、何かございますか。

【事務局】 わかりました。先ほどから申し上げているように、保護増殖事業的なことを例えば貝類とかで進めています。それをきっちり保護増殖事業計画に位置づけるとか、あるいは母島の一部は国立公園にもなっていない地域がございます。そこにもカタマイマイが生息をしていますので、そういうところの生息地等保護区の指定も検討するとか、そういうことも含めて、小笠原の今回の指定種については採取が問題になっているという観点よりも、国として、先ほど言われたような保全対策をきっちり進めていくために指定をするということを、東京都や関係機関、林野庁等も含めて、一緒に今後進めていきたいというふうに考えています。

【石井(実)委員長】 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。磯崎委員、お願いします。

【磯崎委員】 中身に直結するところではないんですが、今、話の途中で出てきた小笠原での外来種対策との関係です。陸産貝類の表の中では、必ずしもはっきり出ていないんですが、小笠原の外来種に関する別の会議で、これまでちょっと見過ごされていたアリによる陸産貝類に対するリスクというのが指摘されています。これまではまだ入っていない侵略的な外来アリについての事前防除を主に考えていたのですが、実際には父島の港周辺で、既に外来種のアリが何種類か入っていて、それによる陸産貝類へのリスクがほかの島、生態系の中では、起きる場合と起きない場合があって、そのリスクについて考える必要があると現在指摘がされています。特にモニタリングで、どこにどの程度既に入っていて、それが母島を含めてほかの島へどんなふうに移っているのか、いないのかという実際のデータはこれまでとっていなかったのです。それは科学者も含めてなんですが、そこに重点を置いて、モニタリング体制をしっかりしようという方向で動いていますので、アリについてもぜひ関心を高めてほしいと、現在言われているところです。

 それと、小笠原の場合ですが、農民とか農業を実際にやっている人たちの理解というか認識の促進が大事です。国あるいは審議会、検討会で決まって、それが決まった段階で、あるいはある程度決まってから村民に知らされるというような形ではなく、情報公開であるとか、参加であったり、それからさまざまな分野の間での情報の交流をもっと密接にしてというような形で現在対策がとられようとしています。参加と情報公開、フィードバックしながらやっているのでちょっと時間がかかるような面も見られるんですが、国や東京都、小笠原村、あるいは農業団体、林野庁などで、それぞれできる範囲で現在体制をとっているというのが現状だと思います。情報提供です。

【石井(実)委員長】 ありがとうございました。

【事務局】 ありがとうございます。

 アリについて、私も少し聞いているんですけど、具体的にどこでどうという話にはなっていませんので、関東事務所も含めまして、いろいろ外来ワーキング等ありますので、その辺の情報も収集しながら、保全については、こちらの指定とも連携をして進めさせていただきたいというふうに思います。

【石井(実)委員長】 磯崎委員、それはアルゼンチンアリのことですか。

【磯崎委員】 いや、アルゼンチンアリとアカカミアリは事前防除で対策をとろうということになっていたんですが、常に入っているアリが幾つかあって、その中でアフリカ原産のツヤオオヅアリ、それとツヤオオヅアリだけではなくてそのほかにも何種かあって、それらを、今モニタリングでリスクの状況と拡散状況を正確に把握しようという段階です。

【石井(実)委員長】 どうもありがとうございました。

 では、福田委員、お願いします。

【福田委員】 今さらと言われるかもしれないのですが、こういう国内希少野生生物がいるとか、国の指定があるとか、私もこの委員会に出させていただいて、わからないながらも少しずつわかってきました。それが一般的の人たち、特に子供たちに対して、学校教育の中でこういうものがきちんとあるということをどこかの段階で環境教育としてあったほうがいいのかなと。そうすれば、そういうことにもっと多くの子どもたちが興味を持って自分たちで調べるということにつながっていくのではないかと思うのです。それで、それが必要なのかしらと思いましたけど。

【石井(実)委員長】 事務局、この辺はどうでしょうか。教育現場にこういう情報が伝わっているのかということですが。

【事務局】 ポスターやホームページ等々ではお知らせはしているんですが、先ほど福田委員が言われたように、全国的に国民の方にきっちり周知ができているかというと、なかなか難しいとこちらとしても認識しているところでございます。この指定に当たりましても、都道府県の方に皆さんお集まりいただいて、一部希望の方には市町村の方にもお集まりいただいて、今後こういうことを進めていくという前提で、法律で種の保存法はこういうものがあって、これだけ指定をされているということでチラシ等々もお配りして、必要ならお知らせくださいということで、行政レベルではある程度周知はしながら進めさせていただいているところでございますが、まだまだ足りないと認識していますので、一層そういうことについても普及啓発を進めてまいりたいと思います。

【石井(実)委員長】 ありがとうございます。

 ほかにご意見がないようでしたら、この議題についてお諮りいたしたいと思います。

 本件につきまして事務局案のとおり適当と認めてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【石井(実)委員長】 では、異議なしと認めたいと思います。ありがとうございます。

 それでは、3番目の審議事項ですけれども、保護増殖事業計画の変更についてということで、まず事務局からご説明お願いします。

【事務局】 それでは、希少種保全推進室の笹渕より説明をさせていただきます。資料3のシリーズをごらんください。まず、3-1ですけれども、これは諮問の文書の写しですが、種の保存第45条第1項と第4項に基づいて、保護増殖事業計画の策定と変更について規定をされております。その中で策定及びまたは変更する場合には、中央環境審議会の意見を聞くと定められておりますので、それに基づいて今回は諮問をさせていただくということでございます。

 資料3-2、これは今回変更する保護増殖事業計画13種を対象としておりますけれども、それらの概要を示しております。後ほどご説明しますけれども、資料全体について先にちょっとご説明をしたいと思います。資料3-3が、実際にその今回変更する保護増殖事業計画の案でございまして、赤字で現在の計画と新しい計画の変更点を示させていただいております。それがちょっと分厚いですけれども58ページまでありまして、その後、各種の概要をそれぞれ参考資料としてお示ししています。その種の概要の後ろには、参考資料としまして、現在指定をされている国内希少野生動植物種の89種の一覧と、それ1枚めくっていただきますと参考資料3-3としまして、保護増殖事業計画を策定している49種の一覧というものを添付しているところです。

 資料3-2に戻っていただきまして、今回のその変更の内容についてご説明をさせていただきたいと思います。今回、現在49種保護増殖事業計画策定している種についてで、策定後から時間が経過をしているものもございまして、新たな分布が確認されたり、保護増殖事業が進展したりといったこともありまして、計画内容を一部見直す必要が生じているということで、全体を見直して13種について見直しの必要性がございましたので、まとめて変更するというものです。これらの変更については、基本的に大きな変更というよりは実態に合わせて軽微な変更するというものということでご理解いただければと思います。

 その後、変更点をそれぞれの種ごとに簡単に概要を示しておりますけれども、アマミノクロウサギについては、一つは飼育下繁殖の技術確立について、既存の計画にも技術確立に努めるというようなことが書いてありますけれども、それについて必要性を検討した上で、具体的な計画を作成する必要があると、現状に沿って記載を変更しているところでございます。

 それからもう一点、傷病個体の救護の記述を追加しております。これについては、実際には野生動植物保護センターで、これまでも現場にある事務所で実施してきておりますけれども、保護増殖事業計画にきちんと位置づけがなかったということから、傷病個体の救護というものを追加しております。この傷病個体の救護については、後に続きますノグチゲラ、オオトラツグミ、アマミヤマシギ、ヤンバルクイナ、それから(9)のヤンバルテナガコガネ、奄美琉球の希少種ですけれども、これらについて、傷病個体の救護の位置づけがなかったものを実際にはどの事務所でもやっているということで、項目を新たに追加しております。

 (2)のノグチゲラですけれども、ノグチゲラは国の特別天然記念物に指定をされていますが、これまで策定省庁が環境庁と農林水産省の2省ということで、その文部科学省が入っていませんでした。天然記念物ということもあって、その天然記念物行政との連携を強化するという観点から策定省庁に文部科学省を追加しております。

 それから、オオトラツグミも同様で、特別天然記念物ということで文部科学省を追加する変更を行いたいと考えております。それからオオトラツグミについては、生息域について、これまで計画の中に奄美大島加計呂麻島に分布するというふうにされていましたが、最新の知見では、加計呂麻島での自然分布は確認されていないとされているので、分布域の修正をしています。

 それから、その監視の重点化というところですけれども、本種への接近等を防止するための監視を島全体でというような記述になっていたところを、営巣地など重要なところでしっかりとやるというような書き方に直しています。

 アマミヤマシギについては、傷病個体と今の監視の重点化という2点は同様な記述でございます。

 それからヤンバルクイナですけれども、先ほどの傷病個体の救護に加えまして、野生復帰に関する記述というものを若干追加しております。これについては、平成21年度から飼育繁殖を実施していて、それによってその必要な対策というものをやっていますので、それについて記述を追加しております。これについては、現場でも実際に実施計画というものをつくって実施しておりまして、それを踏まえて追加しています。

 それから、6番がアベサンショウウオですけれども、こちらは平成8年に最初の保護増殖事業計画を策定しましたけれども、その後、平成12年に石川県、平成14年に福井県で新たに分布が確認をされたため、その事業の目標と事業区域の記述のところに新たに追加をしております。それから近年、外来種による捕食などが問題となっていますので、その外来種対策というものを計画の中に追加をしています。

 続いてイタセンパラですけれども、これは、飼育下繁殖をして個体を増やしたものを野生復帰するという取組を平成21年度から試行的に実施されているところです。これについても、これまで保護増殖事業計画としての位置づけがきちんとされていなかった部分もありますので、新たに項目を追加させていただくということです。

 それから続いてアユモドキですけれども、これについては最新の調査などでその湧水、湧き水が出るような環境が越冬場所として重要ということがわかってきたので、そういった場所を確保するということを保護増殖事業計画の中に項目として位置づけるという変更を行っています。

 ヤンバルテナガコガネは、こちらは傷病個体と同様ですけども、昆虫ということで、傷病個体という言葉が適当でないので緊急保護という形にしていますけれども、保護された個体の取り扱いというのを追加しています。

 それから(10)については、4種まとめて記述させていただいていますけれども、小笠原の昆虫類4種について、先ほどの徳田からの説明にもございましたが、平成25年に兄島にグリーアノールの侵入が確認されたため、その兄島でグリーアノールの防除というものを事業内容に追加をしています。また、その一方で弟島では、ノブタ、ウシガエルといった外来種が分布をしていましたが、それらについては根絶を達成したため、事業内容からその部分については削除をしています。

 以上が、今回変更とする対象種のそれぞれの変更の概要でございまして、最後もう1枚めくっていただきますと、若干語句の統一も図っているところもあります。これまで再導入という言葉が使われていましたが、平成23年に野生復帰に関する基本的な考え方を環境省として取りまとめまして、その中で野生復帰というものの定義、あるいは再導入もその中で定義されているんですが、今回、計画に出ている言葉としては、野生復帰のほうが適当だろうということで、そういうものは野生復帰に統一をしています。それから、移入種という言葉が使われていたところもありますが、最近は基本的には外来種という言葉を環境省としては使用していますので、これも用語を統一しています。

 以上、概要だけで恐縮ですけれども、保護増殖事業計画の変更について説明をさせていただきました。

【石井(実)委員長】 ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明につきましてご意見、ご質問あったらお願いいたします。

 小菅委員、お願いします。

【小菅委員】 小菅です。

 保護増殖事業の中に、傷病個体が明記されるというのは、現場でやっている人たちにとっては非常に意味のあることだというふうに思います。ただ、保護増殖事業計画の中で非常に大きな位置づけとすべきなのが、飼育繁殖個体群をしっかりと維持するのかどうかというところにあると思うんですよね。要するに野生の自然界の個体群だけでやっていくと、当たり前のことなんだけど、自然環境の急変だとか、さまざまなことがこれから見込まれる中で、しっかりと飼育下で繁殖させて、飼育下個体群というものをきちんと維持していくことが、将来の野生動物の保全について極めて重要な意味があると僕は思っています。そういうことに関して、それぞれの各論のところを読んだんですけども、傷病個体群の救護のところで、可能であればそれを野生復帰させるんだと。それができない場合に、それを繁殖のほうへ振り向けるんだというような記載が至るところにあるんですけども、実際問題、軽傷であれば野生復帰へ回りますよね。それができない個体というのは生きていることがやっとの個体、生きていくことがやっとの個体をもとにして飼育下個体群を構築するということは、ものすごい時間と手間がかかることだと思うんですよね。飼育下個体群はしっかりと維持するという計画をしっかり立てて、その種については、どのぐらいの数の個体群が維持できていれば、万が一のときの野生の個体群消滅に対して、例えば再導入に至る前に、要するに補強だとか補充だとか、そういうことのできる段階で野生復帰させていくということを可能にするためにも、それぞれの保護増殖事業種については、飼育下繁殖個体群をどのぐらいの数、維持するのかということをきちんと定めたほうがいいんじゃないかと思うんですけれども、その辺はどのような考えになっているのかお聞きしたいんですけども。

【安田希少種保全推進室長】 保護増殖事業計画の中で、飼育繁殖に触れているものが幾つかあります。さらに、それに基づいてより具体的な実施計画的なものをつくって飼育繁殖に取り組んでいるのがあります。一方で、昨年、環境省と日動水の間で、特に希少種の域外保全について相互に連携してやっていこうという協定を交わしたところです。もちろん環境省だけではできないですし、それから動物園でもキャパシティや予算等いろんな問題があって、全部が全部やっていけるというわけじゃないので、その中で今、具体的にどの種について重点的に取り組んでいくかということを相談しているところです。今、先行しているのが、ツシマヤマネコとそれにライチョウが加わったところで、それに続いて、どれをやっていこうかということを日動水と相談しているところです。おっしゃるように、かなり戦略的にやっていかないといけないと思っていますので、そこは具体的に詰めていきたいと思っています。

【石井(実)委員長】 よろしいですか。

 宮本委員、お願いします。

【宮本委員】 まず、最初に、きのうまで開かれていた学会で、特にマングースの数の減少について、幾つかの分科会で非常に効果が上がっているということに驚きの声が上がりまして、環境省のご努力に対する評価の声がございましたことをお伝えしたいと思います。

 私は、この10年ぐらい奄美群島の調査現場にかなり入っていますが、その立場から要望が1点と質問が1点ございます。

 要望は、いろいろなこのところの社会的な状況の変化を鑑みながら、ぜひ実際的な効果が上がるような事業となることを切に希望します。社会的状況の変化といいますのは、特に奄美、琉球の世界自然遺産候補地化と、それから昨年の中央環境審議会の奄美群島の国立公園化に向けた視察以降、観光客の数がすごく増えたことと、それから観光客の質の変化が急激に起こっていること。これは地元の経済的な効果という意味では非常に歓迎すべきことだという声もございますが、自然環境に関しては、特に格安航空会社の参入とか、クルーズ船の寄港が急激にふえたことで、自然の中に、特に核心地域で、これまで観光客がいなかったようなところで、いわゆる弾丸ツアーのようなかなりの人数のグループに出くわすということが、実際に私もここ1年くらいの間に経験しているところです。

 それからもう一つは、こういう言葉が適切かどうかわからないですが、駆け込み盗採とでもいうべきような、つまり保護区になる前に希少種をいただこうというような、そういう動きが加速しているように思います。奄美群島はハブがおりますので、冬場が入山の適期ですけれども、この半年ぐらい現場に入っておりまして、至るところで生々しい盗採の後を過去にも増して見るようになりました。それから海外の愛好家プラス研究者ですが、「保護区になる前に何とか入手できないか」というような問い合わせが、私のところにまで直接来るようになりました。もちろん応じてはおりませんけれども、そういうような事例もございますので、ちょっと驚くべき急激な変化というのを肌で感じております。ぜひそれなども念頭に置いて実効力のある事業となることを期待しております。

 それと質問は、飼育展示による普及啓発と書いてございます。これは基本的な方針としては、現場により近い場所で行う、特に、離島の場合、島内でそういうことをするということが基本なのか。それとも施設の充実した大型の動物園、特に本州とか大都市圏の大型の動物園等で行うことが基本なのか、もし、方針がございましたらご教示いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【石井(実)委員長】 それでは、最初のほうはコメントということで、後半は質問ですね。いかがでしょう。

【事務局】後半の飼育展示のところは、恐らくそのアマミノクロウサギの記述のことだと思いますけれども、そちらについては今まだ具体的な、どこでどういう個体を飼育するという計画があるわけではございませんけれども、傷病個体とか野外に戻せないようなものをそのまま飼育下で飼育しておくだけじゃなくて、その普及啓発の効果もあるだろうということで、そういった個体を基本的には、最初は現地でと考えていますけれども、場合によっては展示に活用してもいいのではないかということを考えておりまして、そういった記述をしています。

【石井(実)委員長】 よろしいですか、今のお答えで。

 尾崎委員、お願いします。

【尾崎委員】 語句の統一ということで、再導入と野生復帰を一本化されたということですが、今回のこの全体の変更をどういうふうに維持されるかわかりませんが、できましたらそのときに、ただ語句が変わりましたというのでなくて、その中身をもうちょっと詳しく説明いただいたほうがいいと思います。というのは、再導入というと、どうしてもIUCNのガイドラインとかそういうのが頭にあって、野生復帰という言葉だけを一般の人が聞いたときに、例えば傷病鳥獣を野生に戻すみたいなレベルになったのかなというイメージを持たれるのではないでしょうか。私も実はちょっと思ったんですけども、言葉からだけでいうと、再導入は個体群ベースで、野生復帰は個体ベースみたいな、印象を受けます。多分、そうじゃないという定義をされたわけなので、そこのところはよくわかるように、今回リリースされるときには少し説明を加えられたほうがいいのかなと思いました。

【石井(実)委員長】 これはコメントということでいいですか。

 私からもお聞きしたいんですけれど、再導入というのはよくリイントロダクションという英語を使っていますが、野生復帰も英語では同じなんですか。英語であらわしたほうがわかりやすいこともある思ったので、再導入と野生復帰の違いをもう少しどこかで説明するとか、お願いしたいと思います。

 ほかはいかがでしょうか。

 それでは、ただいまの件ですけれども、事務局のご提案どおり適当と認めてよろしいでしょうか。

(はい)

【石井(実)委員長】 ありがとうございます。

 今まで三つの諮問事項がございましたけれども、今後、事務局において、部会長にご説明し、中央環境審議会会長に報告することとしたいと思います。ただし、部会長は私なんですね。ということで、その手間は省けるかと思います。

 それでは、最後の審議事項ですけれども、資料4、ヤエヤマイシガメの輸出に係る助言についてということで、事務局からご説明をお願いします。

【事務局】 野生生物課の尼子と申します。

 こちらは、パワーポイント資料はございませんので、この紙の資料に基づいて説明してまいります。まず、概要が記載されておりますけれども、亜種ヤエヤマイシガメを含む種ミナミイシガメは、ワシントン条約の附属書Ⅱに掲載されております。このワシントン条約附属書Ⅱの種類の輸出に関しましては、輸出国の許可が必要でございます。ヤエヤマイシガメは環境省レッドリストに位置づけられておらず、輸出承認申請があった際に、我が国のワシントン条約の科学当局である環境省は、管理当局である経済産業省に対しまして、今までは「輸出が種の存続を脅かすことにならない」という助言を行ってきました。ただし、輸出個体数が多く、今年度行った調査によって、生息個体数もこれまで思われてきたよりも少ないことが判明しましたので、今後、当分の間はこの助言を行わないことを検討中ということでございます。

 まず、1ページに、ヤエヤマイシガメの基本的情報が記載されております。この模式図を見ていただきたいんですけれども、このヤエヤマイシガメというのは、種ミナミイシガメの日本における固有亜種でございます。中国大陸や台湾、ベトナムのほうには、また別の亜種でありますミナミイシガメというものが生息しております。この種ミナミイシガメのほうは、IUCNのレッドリストでEN、絶滅危惧ⅠB類に指定されておりまして、ワシントン条約の附属書Ⅱにも2002年に掲載されまして、2003年からその規制が発効しているということでございます。ただし、このヤエヤマイシガメに関しましては、環境省レッドリストでは未掲載でございました。

 ワシントン条約の附属書Ⅱに掲載されますと、その後の輸出に関しましては記録がとられますので、日本からの輸出個体数の把握が可能となりました。

 次の2ページに進みますけれども、ワシントン条約附属書Ⅱの掲載種の輸出手続きというところで、この囲みの中にワシントン条約の条文が一部抜粋されております。輸出許可を行う際の要件がa、b、cと書かれておりますが、このaとして、輸出国の科学当局が、標本の輸出が当該標本に係る種の存続を脅かすことにならないと助言したことと書いてあります。この科学当局というのは、日本においては、陸生の動物に関しては環境省となります。管理当局というのは経済産業省でございます。この下に模式図が書いてありますけども、矢印が何個かありますが、この③の管理当局への助言を環境省が行うということでございます。この亜種ヤエヤマイシガメを含むミナミイシガメの輸出申請はワシントン条約附属書掲載以降、2011年に1件あったんですが、2013年8月以降、急にふえまして、約6,000個体に対して申請がございまして、いずれもヤエヤマイシガメの自然分布域で捕獲された野生個体でございました。科学当局として環境省は今まで、環境省のレッドリストに指定がなかったので、上記の助言を行ってまいりました。

 次のページにまいります。ただし、この6,000個体というのがとても数が大きいのではなかろうかと懸念いたしまして、2014年度の環境省事業で、ヤエヤマイシガメの自然分布域における個体数の推定を行いました。その結果、自然分布域における個体数は約3万3,000個体と推定されたのですけれども、この推定値も実際にかかわった専門家などによって、過大評価かもしれないという可能性が指摘されております。

 4番のヤエヤマイシガメの個体数の将来予測でございます。この3万3,000個体に対して6,000個体の輸出というのは、明らかに過剰とは思われるんですけども、モデルにあてはめまして推定を行おうとしたものでございます。ただし、このヤエヤマイシガメの生活史のパラメータ、それから産卵数、性比、寿命、齢別の生存率などが限定的にしか明らかになっておりませんので、非常に単純な仮定とシナリオに基づき予測を行いました。年に4,000個体または12%の、12%というのは3万3,000個体に対する年4,000個体という割合でございます。これで、シナリオをア・イとa・b・cという組み合わせの種類がございますが、これに基づいて推定をしたところ次のページの上のほうにグラフがございますけれども、やはり増加率を過大に見積もったとしても、現在の捕獲圧が継続すると、ヤエヤマイシガメは減少し続け、やがて絶滅が危惧される状況、または絶滅に至ると推測されます。そのヤエヤマイシガメというのは、今年度の調査によると、大体は水田に生息しているということでございまして、この水田そのものの面積が近年減少しているということから、自然増加率も1.1とか1.0とかよりも低いというふうに推測されますので、実際にはこの捕獲圧がずっとかかり続けると、急激に危険な状態になると推察されます。上記を踏まえまして、当分の間、亜種ヤエヤマイシガメを含むミナミイシガメの我が国からの輸出に対しては、当該輸出が当該動植物の種の存続を脅かすものでないという助言を行わないこととしたいと考えております。ただし、本亜種の自然分布域における野生個体への影響がないことが明らかな場合は、この限りではございません。この助言を行わないことによって事実上、このヤエヤマイシガメの輸出は不可能となります。以上でございます。

【石井(実)委員長】 ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明に対しましてご意見、ご質問をお願いいたします。

 それでは、小泉委員、お願いします。

【小泉委員】 ちょっと法制度のところを確認させていただきたいんですが、助言しないことによって輸出できなくなるんですが、捕獲は可能なんですか。

【事務局】 さようでございます。

【小泉委員】 後はコメントです。この事例に限らず、野生動物に関して一度商品価値がついたものについては、存続性が低くなったからといって捕獲を制限するという措置がとられた後も、実は水面下の捕獲が公然と行われるというようなことに結びついている事例もありまして、この事例でいきますと、6,000という商品価値がついたものに関して少しモニタリングをしていく必要があるのではないかなという感じがしております。これはコメントです。

【石井(実)委員長】 ありがとうございました。

 ほかはいかがでしょう。

 石井信夫委員、お願いします。

【石井(信)委員】 私は、2002年に附属書に掲載が決まったときの会議にもいたので、うっかりしていたなと思うんですけど、今まで科学当局の環境省が、存続を脅かすことにならないと助言していたというのが、まずかったと思います。日本は余り原産国という経験が、環境省がかかわるものについてはないので、仕方がないことがあったのかなと思いますけれども、それは厳密にいうと条約第4条違反です。実際に輸出申請があったのは2011年ということなので、少し油断したところもあるかもしれませんけども、本当はレッドリストに載っていようがいまいが、附属書に載っているので、こういう事態に備えて、ミナミイシガメ全般、ヤエヤマイシガメの生息状況を調査しておいて、輸出申請が出たときに、この数だったらいいけれども、こんなにたくさんはだめですというようなことをあらかじめ周知しておいて、輸出を認めるか認めないかの判断をする。もし、一頭も輸出してはいけないレベルであれば輸出を許可しないということが本当は筋だったと思います。ですから、最初に輸出申請が出てきたときに、そういうことがきちっと判断できないのに輸出許可を出してしまった。許可証を出したのは経産省ですけれども、それがよくなかったなと思います。

 今後、結論として当面輸出は認めないということになるかもしれませんけども、3ページのところで一つ質問したいんですけど、かなり国内利用があると書いてありますよね。これは何の目的なのか後で教えていただきたい。国内利用もある、つまりこのカメは経済価値を持っているということです。ということは、野生動物をとるなという単純なことでなくて、これは漁業で魚をとって、それを需要のあるところに持っていくということと行為としては変わりがないわけです。カメだからだめで魚だったらいいという話ではないので、利用価値があるというときに、どのレベルの利用だったら許容できるのか。どういう人かわからないですが、地元の人でこれを少しとって仕事の一部にしているみたいなことがもしあるとすると、単純にこれからは認めませんよというのは少し乱暴じゃないかという気もします。実態がわからないので、そこはきちっと調べてほしい。この種については別かもしれませんけれども、利用すること自体がまずいということではないので、これを捕まえて食べたいのか、ペットにしたいのかわかりませんが、利用者ときちっと協議をして決めていく。利用レベルゼロという結論になるかもしれませんが、科学当局として一段階ステップアップした対応を今後期待したいと思います。調査されたのは少し遅いのですけれども、非常によかったと思いますので、データに基づいて今後のあり方を決めていただきたいということと、ほかにも環境省が科学当局の附属書Ⅱのものがありますので、こういう問題について検討する場を臨時でもいいからつくっていただきたい。今回いきなりこういう話になってしまい、少し間を飛ばしているなという印象を受けましたので、いい機会だと思いますので、今回は少し稚拙な対応だったと思いますから、今後もう少しきちっとした検討ができるような仕組みを考えていただきたいと思います。

 ほかの国だと、調査に基づいて輸出枠を決めて、これ以上は輸出できません、あるいは野外でとることも認めませんということにして、種の存続を図っているところもあるわけで、そういうふうになっていくのが筋じゃないかなと私は思います。時間もありますけれども、今、国内利用では何をしているのか教えていただければありがたいです。

【事務局】 専門家のヒアリングによると、国内利用はペットでございまして、食用は聞いていないということでございます。今回の措置では、輸出しか止まらないといいますか、国内利用に関しましては、特に規制がかからないというところでございます。今まで我が国がこういう野生動植物の輸出国となった経験が余りありませんので、対応が遅れたということは認識しております。

【石井(信)委員】 例えば植物だと、ソテツなんかは随分日本は輸出しているんです。それは農水省の管轄なので、科学当局がいろいろ判断してやっているんだと思いますけれども、環境省の場合、ほとんど初めてのケースですかね。ですから、今後きちっとした対応ができるような仕組みを考えていただければと思います。

【石井(実)委員長】 それでは、桜井委員、お願いします。

【桜井委員】 今の石井委員の意見と同じなんですが、恐らくこれが初めての経験だと思いますけれども、この方法で行ったらとんでもないことになりますね。ですから、やり方としては関係省庁と地元、それから業者との話し合いの中で、やはり適正な数ですね、これは商品として売れるわけですから、抑えれば抑えるだけ価格が上がるわけですから、そういった方法も考慮しながら、持続的に利用するという観点で、発想を変えたほうがいいと思います。そうしないと一気に絶滅のほうにいっちゃいますので、それこそ、まさにこれが一番いい重要な例だと思いますので、今後こういうことが起こり得る可能性がありますから、ぜひこれを例として、持続的に利用するという観点で発想を変えていただきたいと思います。

 以上です。

【石井(実)委員長】 磯崎委員も同じ観点でしょうか。お願いします。

【磯崎委員】 先ほど石井委員から、条約の4条に違反するという言い方でしたけれども、ここに引用されていないんですが、ちょっとうろ覚えですが、4条の3項だったと思います。その種の存続で、今、桜井さんからも指摘がされたように、年間の枠設定など、生態系に果たす役割を考慮して、附属書Ⅱの種の輸出に関して、そうした検討をするという条項があります。恐らく環境省だけではなくて、4条は管理当局も含めての義務設定ですが、やらなければならないという厳格な義務ではなくて、このような場合にはこういうことを考慮するという比較的弱い義務です。ぜひその条文、条項に基づいて、政府内でそうした検討と、それから調査で、最終的な輸出決定へ結びつけるという枠組みをつくっていただければと思います。

【石井(実)委員長】 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。

 幾つかご指摘がありました。この資料4ですけれども、一番最後の部分に何か書いていただいたほうがいいかもしれませんね。今後の方針というあたりですけれども。これは助言についてのことしか書いていないと思うんですが、事務局いかがでしょう。

【事務局】 ここには当分の間と書いておりますけれども、今は結構、減少が激しいと思いますので、当面の間、輸出は止めたいと思っているんですが、モニタリングといいますか、定期的に個体数を調査いたしまして、十分に回復したと専門家が認めるようなことになれば、この措置を改めまして、例えば枠を決めるとか、そういったことも考えていきたいと思います。

【石井(実)委員長】 そういうことでよろしいでしょうか。もうちょっと踏み込んで検討の場を設けるとか、調査についてしっかり書き込む必要はいかがでしょうか。ご検討いただくということにしてよろしいですか。

【中島野生生物課長】 今回、我々として初めての経験で、どういうふうにすればよいのかという前例がなくて、ちょっとばたばたした感じになっているんですけれども、今、実際に輸出が多い種としては、このミナミイシガメとニホンイシガメ、この二つがございます。ニホンイシガメについては、もともとの母数が相当ミナミイシガメに比べれば大きいだろうと予測されますので、当然その輸出に関してどうこうということは現状では考えていないんですが、いずれにしても、どこまでならよいのか、輸出の割当枠を検討しなければならないということは我々も認識しております。

 今回、ミナミイシガメの存続可能性について、当面の検討材料として資料をつくって、現段階で当面は輸出を禁止しますという措置だけをとりあえず決めたということでございますので、全体の施策としてどうあるべきかというのは、きょうの審議会の皆さんのご意見も踏まえて、これからしっかり検討していきたい。その中に検討会なり、あるいは実態調査なりということも入ってくるだろうというふうに考えております。これからもご指導よろしくお願いいたします。

【石井(実)委員長】 はい、わかりました。そういうことでよろしいでしょうか。

 そうしましたら、本件資料4に関するヤエヤマイシガメの輸出に関する助言ですけれども、ただいまのように、少し検討事項もございますけれども、現時点ではこの内容、事務局のご提案のとおり承認してよろしいでしょうか。

(異議なし)

【石井(実)委員長】 どうもありがとうございます。

 それでは、ちょうど12時になってしまいました。その他のところなんですけれども、事務局から何かございますか。

【安田希少種保全推進室長】 レッドデータブックの発行についてでございます。平成24年に第四次のレッドリストを公表しました。それを解説するレッドデータブック、今月、維管束植物のレッドデータブックが出たんですけども、これで全ての分類群のレッドデータブックを発行することができました。ご協力いただいた方々、本当にありがとうございました。

 それからもう一点、国内希少種の今回の諮問事項にありました41種の指定ですけれども、今後のスケジュールは、できればきょうにでもパブリックコメント始めて、なるべくその期間を短くしなければいけませんので、早々に5月初めぐらいまでには政令として施行していきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

【石井(実)委員長】 ありがとうございました。

 その他、ほかに委員のほうからございますか。特にないようでしたら、最後に小川審議官からご挨拶いただきたいと思います。

【小川審議官】 審議官の小川でございます。きょうは、大変たくさんの諮問事項についてご審議をいただきまして、ありがとうございました。野生生物の個別の計画ですとか、個別の種についてもご相談するという仕組みになっているところございますので、今後また300種の指定を中心に、さまざまご相談することになろうかと思いますけれども、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

【石井(実)委員長】 それでは、以上をもちまして本日の委員会は閉会といたします。皆さん、お疲れさまでした。