中央環境審議会自然環境部会 温泉小委員会(第3回)会議録

開催日時

平成17年2月10日(木)10:00~10:50

開催場所

境省第一会議室

出席委員

(委員長) 熊谷 洋一    
(委員) 石川 理夫 大野 英市 岡島 成行
  川名 英子 甘露寺泰雄 桑野 和泉
  近藤  勉 佐藤友美子 津上 俊治
  中村  昭 原田 純孝  森戸  哲
(環境省) 小野寺自然環境局長
  福井大臣官房審議官
  伊藤総務課長
  平岩総務課課長補佐
  江原自然環境整備課長
  横山自然環境整備課課長補佐
  吉川自然環境整備課課長補佐

議題

  1. パブリック・コメントの結果について
  2. 「温泉事業者による表示の在り方等について」報告(案)について
  3. その他

配布資料

資料1 「温泉事業者による表示の在り方等について(案)」に対する意見募集の結果について
資料2 「温泉事業者による表示の在り方等について」(案)
参考資料1 温泉小委員会の設置について(自然環境部会決定)
参考資料2 温泉法施行規則改正案
 

議事

【自然環境整備課長】 おはようございます。予定の時間となりましたので、第3回温泉小委員会を始めさせていただきます。
 本日は、所属委員14名中、13名の委員の方々が出席されております。
 中央環境審議会令に従いまして、委員の過半数という定足数を満たしておりますので、本委員会は成立いたしております。
 前回、前々回欠席でございました中村委員がご出席されておりますので、ご紹介します。

【中村委員】 中村でございます。よろしくお願いします。

【自然環境整備課長】 なお、今回は小原委員が欠席の予定でございます。
 まず、配付資料の確認をさせていただきます。議事次第。資料1、「温泉事業者による表示の在り方について(案)」に対する意見募集の結果について。資料2、温泉事業者による表示の在り方等について(案)。参考資料としまして、1、温泉小委員会の設置について。参考資料2、温泉法施行規則改正案を配付しています。なお、委員限りの資料といたしまして、パブリック・コメントとして提出のありました意見を配付しております。
 以上でございます。不備等がございましたならば、事務局にお申し出ください。
 それでは、熊谷委員長、以降の進行方、よろしくお願い申し上げます。

【熊谷委員長】 かしこまりました。今回は前回に引き続きまして、環境大臣から中央環境審議会に対しまして諮問のありました「温泉事業者による表示の在り方等について」の審議を行います。
 前回の小委員会では、「温泉事業者による表示の在り方について(案)」を取りまとめ、その後その案について広く国民に対し意見を求めるために、パブリック・コメントを実施いたしました。本日はパブリック・コメントに寄せられました意見と、それに対します当小委員会としての考え方、それらを踏まえて、温泉事業者による表示の在り方等についての報告(案)の審議をお願いしたいと思っております。なお、パブリック・コメント結果についても了解が得られれば公表をすることになります。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

【総務課長】 自然環境局の総務課長の伊藤でございます。座って説明させていただきます。

【熊谷委員長】 はい、どうぞ。

【総務課長】 まず最初に資料の件で1点ご確認・ご説明を申し上げておきますけれども、参考資料2で施行規則の案ということで一応加えていますが、これは今日ご審議をいただいて答申を得た後、事務局案としてお示ししているわけでございます。答申を踏まえてちゃんと案を考えるという、そういう整理でございますので、一応念のため申し上げておきます。
 それでは、資料1をごらんいただきたいと思います。資料1は、パブリック・コメントに対する意見の概要と、それについての当委員会の考え方の案をまとめたものでございます。パブリック・コメントにつきましては、12月21日から1月20日までの間、意見募集を行いました。意見の提出件数は全部で9件、個人が3件、団体が6件でございます。意見総数としては52件ございました。この意見の概要及び当小委員会の考え方につきましては、パブリック・コメントの順番に沿って整理をしたものでございます。
 内容について簡略にご説明申し上げたいと思います。1番から3番につきましては、これは水を加えた場合の記述についてですけれども、この加水の程度を表示すべきだという、こういったご意見でございます。この意見につきましては、その加水の程度というのはいろいろ変動する可能性があるので、一律に掲示義務を課すのは適切ではないというふうに考えますが、事業者の自主的な情報提供として意義があるということをさらに書き加えたいということでまとめております。
 それから、4、5は、加水後の分析も書くべきではないかということでございますが、これは変動しますので、掲示義務を課すのは適切ではないのではないだろうかというふうに整理しております。
 それから、6、7、これは消毒剤の添加場所などについても掲示すべきではないかということでございますけれども、これにつきましては、それほど影響は大きくないのではないかということで、掲示義務を課すことまでは必要ないのではないだろうかということでまとめております。
 次のページでございますが、8番目、人工温泉について表示はどうするんだということでございます。これにつきましては、温泉ではない湯に人工温泉のみを利用しているという場合には、なおかつ温泉法の温泉であるかのようにした場合については景品表示法に違反する可能性が挙げられるということ、それから温泉に人工温泉を入れた場合については一種の入浴剤としての取り扱いができるのではないかと。こういったことでまとめております。
 それから、9番目、入浴剤と消毒剤に限定する必要はないのではないかということでございますけれども、基本的には入浴剤と消毒剤、すべてお湯に入れるものは含まれるということでいいのではないかということで整理しております。
 それから次に、循環ろ過に関するものでございますが、10、11は、これは11にありますように、同一施設内に温泉を利用していない浴槽がある場合、誤解を避けるようにする必要があるのではないかということでございます。これにつきましては、同一施設内に温泉を利用している施設とそれ以外の施設を有している場合には、その温泉利用の浴槽と掲示の対応関係がしっかりわかるようにすべきだということで、その旨も報告書に盛り込むこととしたいということでございます。
 それから、12番目につきましては、これはろ過につきまして実施の有無ということで、ろ過をやっていない場合も無と書けというふうなことは、若干他とのバランスがおかしいのではないかと、こういう指摘かと思いますので、それにつきましてはこれを踏まえて修文をし、該当無しの場合は必ずしも書く必要はないということで、他との並びを整理したいと考えております。
 それから、13、14につきましては、ろ過装置の形式あるいはその所有についても掲示すべきではないかということでございますけれども、それについてはそこまで義務を課す必要はないのではないかということで整理しております。
 それから、15番から21番まででございますが、これは掲示の内容を見やすくする必要がある、あるいはモデル的な掲示の例を行政として示す必要があるのではないかと、こういったご指摘でございまして、これについてはまさにそういった趣旨で、特に利用者の通年の状況がわかるような正確なわかりやすい表現が必要である。それから行政機関としても当然具体例を示す必要があるということを環境省に要請するということでまとめてございます。
 それから、22、23の問題につきましては、これは普及啓発をしっかりやるべきということでございまして、これもまさにおっしゃるとおりだということで、ちゃんと周知徹底を図る必要があると。それから循環ろ過方式か源泉かけ流し方式かについても、どちらの方式が一義的に他より優れているという性格のものではないということで、この点については報告書にしっかり書き込もうということで整理をしております。
 それから、24番は、義務的なもの以外を追加的にいろいろ事業者が自主的に表示をする余地を認めていただきたいということで、これはもう当然のことでございまして、さまざまな主体で取り組んでいくのが望ましいといったことを明記したいと。
 それから、25番は、その猶予期間を6カ月ぐらい設けてほしいという、こういったご意見でございますけれども、一定の準備期間が必要なことは当然でございまして、その旨は報告書にも書いておるわけでございますが、一方で、早急に掲示をしてほしいと、そういった要求をも踏まえながら、適切に判断することが必要ではないかということでまとめてございます。
 それから次のページ、26から30番につきましては、これは成分の再分析、更新期間についてどうするのかといったご指摘、それから31番、32番につきましては、温泉法をめぐる他の問題についてのご指摘でございます。温泉をめぐって、今回審議した、当面する問題と、中長期的な取り組みをする問題があるということは当然でございまして、中長期的問題についても引き続き検討することが重要と考えるといった旨を報告書に明記をしたいということでございます。
 それから、32、33につきましては、浴槽ごとの表示をすべきではないかということでございますが、これにつきましては浴槽の成分と掲示との対応関係がしっかりわかるようにしておく必要があるわけでございますが、仮に全く同じ成分であれば、一々必ずしも掲示をする必要はないのではないか、対応関係がわかればいいのではないかということで、整理しております。
 それから、35から37につきましては、掲示の責任者等についても掲示すべきだということでございますけれども、これは法律の14条1項で掲示の責任者についての規定の定めもございますので、改めてそれを定める必要はないのではないかということでございます。
 それから、38番から41番のご指摘でございますが、これは今回義務的に掲示項目とした以降のいろいろな事項についても掲示すべきではないかと、こういったご議論でございます。これにつきましては、事業者の自主的な情報提供として意義があるということで報告書の中で明記するといったことにしたいということでございます。
 それから、42番から46番につきましては、これは非常に技術的に細部にわたる事項でございます。特に個々にご説明はしませんが、それぞれ委員会の考え方というふうなことで整理をしたらいかがかというふうに考えております。
 それから次のページ、47番につきましては、これは施行規則の書き方の法技術的な問題でございますので、これは参考意見として環境省に伝えることにしたいと。
 それから、48番から52番、これはその他、ちょっと分類がなかなかできなかったのですけれども、温泉をめぐるさまざまなご指摘でございます。こういったことについても参考に今後の温泉行政が施行されるように環境省に伝えることにしたい、こういった格好でパブリック・コメントの概要及びその意見、考え方ということでまとめてはいかがかというふうに考えております。
 次に、資料2をごらんいただきたいと思います。資料2の下線部を引いた部分は、パブリック・コメントに付した文章に、新たに書き加えた事項あるいは修正した箇所です。下線部を中心にご説明申し上げたいと思います。資料2の全体の構成は、最初に「はじめに」、それから「小委員会における温泉表示問題等についての考え方」、「事業者の意識と取組の現状」、「事業者の情報提供の充実」、この4番の部分が制度改正に直接つながる部分でございます。そして「おわりに」、こういった全体の構成になっております。
 1ページ目をごらんいただきたいと思います。まず「はじめに」というところで、下線部を読み上げますが、「我が国は世界屈指の温泉国であり、全国各地にある温泉は人々の保健休養に貢献し、また観光の観点からも重要な役割を果たす我が国の貴重な自然資源である。温泉を保護し、その適正な利用を確保することは重要な課題である。昨年半ばより、表示なく入浴剤を添加する事例、水道水や井戸水等を沸かしたものを温泉であるかのように誤認させる事例、温泉であるにもかかわらず温泉法の許可を受けないで利用している事例などが発生した。」ということで、こういった状況の中で、「当小委員会での検討、パブリックコメントの結果等を踏まえ、ここに報告を行う。」。こういうふうに整理してございます。
 「2.当小委員会における温泉表示問題等についての考え方」ということで、次の4点が重要な基本的な視点であるというふうに述べております。第1でございますけれども、これは的確で正確な情報提供であるという部分でございます。もともとこの問題、うそをついたということが問題の発端であったということで、特に的確で正確なということを強調してございます。「利用者の、事業者による情報提供のニーズに応じ、温泉に関する的確で正確な情報提供をしていくことが重要である。情報提供は利用者が温泉を選ぶためのものであるが、一方で、誤った先入観に基づく短絡的な選択とならないよう利用者の理解の増進が同時に必要である。」ということでございます。
 「第2は、表示内容をわかりやすく、また、表示の仕方について工夫する必要性である。的確で正確な情報提供を確保しながら、表示の内容が一般の利用者にとってなるべくわかりやすく、かつ煩わしくないよう工夫していくことが重要である。」。
 次のページでございます。「第3は、情報提供において、国と国以外の多様な主体が多角的に取り組んでいくことの重要性である。制度上の表示の義務づけに加えて、個々の温泉の特徴や周辺環境等に応じて地方自治体、地域、温泉事業者等、多様な主体が自主的に取り組んでいくことが望ましいと考える。」
 「第4に、第3の視点と密接に関連する視点として、温泉に関する利用者の理解を得る努力の重要性である。温泉に対して利用者が期待する事項は、温泉そのもの、周辺の自然環境、食事やサービス等多様であり、利用者はそれらを総合的に評価して、利用する温泉を選択している。その意味で今回議論した表示の問題は、その際のひとつの要素としての位置づけであり、これを含めた多様な主体による創意工夫をこらした情報提供が重要である。」と。
 (2)として、「以上のような基本的視点に立って、小委員会として、現在必要な追加的な掲示項目事項について検討を行った。以下に記す追加的掲示により、昨年夏以降に発生した温泉をめぐる問題事例の一部である、表示なく入浴剤等を使用する問題については、温泉法に基づく規律の設定を提案することになるが、水道水や井戸水を沸かしたものを温泉であるかのように誤認させる事例などについては、不当景品類及び不当表示防止法による規制があり、昨年夏以来、公正取引委員会において警告及び19府県においての公表等の措置が公表されています。このような問題については、公正取引委員会と関係省庁、都道府県の緊密な連携により、事例の発生を防止し、また、措置を講じていくことが重要である。なお、温泉であるにもかかわらず、温泉の許可を得ないで利用した事例も発生し、これについては温泉法違反として処罰されたところである。」と。
 (3)として、「小委員会において、温泉をめぐって、今回審議した当面している問題と中長期的な取組を要する問題があるということが共通の認識であった。今回の審議のなかで、例えば、温泉成分分析の有効期間の設定、温泉利用許可の更新性、温泉資源の保護対策、温泉の魅力を高める総合的な方策、温泉を核としたまちづくり、清掃・衛生管理等についても検討する必要があるとの意見があった。これらの事項のうち、いくつかについては、関係省庁との密接な連携が必要であるとの意見があった。これらについて引き続き検討することが重要と考える。」
 次のページでございますが、「3.表示をめぐる事業者の意識と取り組みの現状」ということで、これは昨年環境省が全国2万軒の温泉利用施設に行った実態調査についての記述でございます。これについては、6割を超える利用施設からの回答があったこと、それから加水・加温・循環ろ過を行っている浴槽を有する施設の割合、それからそれぞれ表示している割合、表示していないものについて今後表示する予定についての割合についての例、いずれにしても温泉利用施設における表示に対する意識の高まりが示されているのではないかということ。それから、昨年夏の温泉をめぐる問題事例発生以降、温泉表示に関して、温泉地単位でも自主的な取り組みが始まっている。また、業界団体においても、独自の表示看板制度の普及に努めたり、パンフレット等の表示に関する指針を作成し、利用者の誤解を招かないような表示方法等についての取り組みが開始されているということを述べております。
 4がその骨格でございます、「事業者による情報提供の充実について」ということでございますけれども、ここの最初の制度の説明、現行の制度の説明のところについては基本的に変えてございません。
 4ページをごらんいただきたいと思います。4つの項目を追加すべき事項ということで書いておるわけでございますけれども、まず(1)の[1]としまして、「温泉に水を加えて利用する場合は、その旨及びその理由」というふうにしております。この部分につきましては、パブリック・コメントの段階では、甘露寺先生のご指摘を受けまして、加水している水の水道水・井戸水等の別ということも書くべきだというふうなことでパブリック・コメントにしたわけでございますけれども、ここにつきましては、甘露寺先生ともいろいろご相談を申し上げたわけでございますけれども、利用者の関心はそれほどこの点については高くないのではないかということと、それの別がどのような意味があるかについて、必ずしも利用者にとって明確ではないということもございまして、義務的な記載事項ではなくて、むしろ事業者の自主的な掲示項目とすべきではないかと、こういったことが適当と考え、その部分は変更してございます。その他は変更はございません。[2]の加温の部分については変更はございません。
 それから[3]番目、循環あるいは循環ろ過を実施している場合の記述でございますけれども、これはパブリック・コメントで従前の案ではろ過の実施の有無というふうに書いてあって、ない場合も「なし」と書けということだったんですけれども、これは他との整合性を考え合わせるということで、「ろ過を実施している場合はその旨を含む。」ということで整理してございます。
 それから、本文につきましては、なるべく丁寧に説明をした方がいいだろうということで、下線部分について加えております。
 それから[4]番目、入浴剤あるいは消毒の点でございますが、ここも[4]の最後の方に下線部を引いてございます。「温泉と同等の成分を含む人為的に製造された液体を添加して利用する場合も対象に含める」ということで、これはパブリック・コメントがありまして、人工温泉のご指摘も踏まえてこういうふうに修正しております。
 そして、さらに「なお」書き以降のところを追加いたしました。「加水、加温、循環及び入浴剤の添加や消毒処理の程度を表示することは、温泉利用者への情報提供を進める観点から望ましい事項であるが、これらの程度については、気温の変化や利用者の多寡により変動する可能性があること、また、測定や検証が困難であることなどから、掲示項目に加えることは適当でないと考える」と。しかしながら、次のページの[2]でも再度言っていますけれども、これらについては自主的に掲示すべき項目ということで明記をしたいということでございます。
 それから、次の「(2)制度改正に当たっての留意すべき事項」でございますが、ここの点についてはなるべく丁寧にわかりやすく書こうということで、下線の部分を修正しております。アにつきましては、「4項目については、法37条の罰則が適用され得るということ、また、現在の掲示内容を修正する必要があるということで、適切な周知期間が必要であるのではないか」と。イにつきましては、ここも丁寧に述べるということで、「気温の変化や利用者の多寡等により」変動する可能性がある項目であるということ、それから「年間を通じた状況が分かるような掲示の仕方を工夫する必要がある」ということを加えております。ウにつきましては、温泉分析書、現在の施行規則第6条第4号の温泉分析書のところについて若干補足をしてございます。そのすべてについて掲示することが適当であり、また、同号の掲示は温泉分析書をそのまま用いることも、一つの方法であると考えられるということで整理してございます。エにつきましては、パブリック・コメントを踏まえて追加した部分でございますが、「同一施設内に、温泉利用の浴槽とそれ以外の浴槽を有している施設、とりわけそれらが同一浴室内に混在する施設にあっては、温泉利用の浴槽と掲示の対応関係が明らかになるよう、また、同一施設内に異なる泉質の浴槽を有している施設にあっては、それぞれの泉質の浴槽と掲示との対応関係が明らかになるような掲示を行うこと」ということをつけ加えてございます。
 [2]につきましても、新規につけ加えた部分でございますが、「上記のほか、温泉事業者の自主的な情報提供として意義があると考えられる事項としては以下のようなものがある」ということで、アは加水、加温等についての程度。イは加水する場合の水道水、井戸水、沢水等の別。ウは源泉の状況、具体的なゆう出量、揚湯方法、?値等、これらについては温泉分析書に記載されていることを再度念のため書いております。それから温泉から利用の場までの供給方法・供給量。それからエとして温泉利用施設の清掃の状況及び湯の入替頻度等でございます。
 また[3]として、「温泉利用者が、温泉に関して理解を深めることに役立つ多様な主体による情報の提供活動、普及啓発活動が重要と考える。その際、以下のような点が配慮されることが望ましいと考える。」ということで、アとしまして、「温泉地を訪れる利用者の目的は、泉質、湯量などの温泉そのもの、周辺の自然環境、食事やサービス等多様である。これら多様な目的で訪れる利用者が理解しやすいような情報提供は重要である。更に温泉資源の保護に対する理解の向上や入浴マナーの向上に資する普及啓発活動も望まれる。」イとしまして例えば、「循環ろ過方式」か「源泉かけ流し方式」かについても、利用者の正しい理解を得る必要がある。個々の温泉の入浴時の状況は、温泉の注入量、利用者数や浴槽の衛生管理状況などによって異なるものであり、どちらの方式が一義的に他より優れているというような性格のものではない。更に、適切な維持管理に基づく循環ろ過装置の使用は、温泉資源の保護、衛生的な入浴状態の確保の観点から重要な手段であることへの理解も重要と考える。」ということで、この部分は特記して書いてございます。
 最後に「5.おわりに」ということで、「本報告は環境大臣から諮問された、温泉事業者による表示の在り方など温泉に関する喫緊の課題への対応についての考え方を取りまとめたものである。今後、今回報告書に盛り込んだ新たな掲示項目について、温泉利用者に対する情報提供が進むことを期待する。」と。それから「当小委員会としては、温泉に関する情報提供を充実していくに当たっては、今回とりあげた温泉法に基づく掲示に加えて、地方公共団体、地域、事業者など多様な主体による創意工夫がなされることにより、より多角的な情報提供が進むことを同時に期待するものである。」と。
「更に、今回の小委員会の審議の中で、表示問題以外に指摘があった諸課題について、引き続き検討を行っていくことが重要と考える。」以上としてはいかがかということを考えてございます。
 参考資料といたしまして、審議経過、それから名簿、それから諮問文等々、それから温泉法の(抄)といったものをつけてございます。
 以上でございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 パブリック・コメントに対する当小委員会の考え方並びに報告書案につきましては、前回の小委員会において、私から事務局に対しまして、あらかじめ事務局案を作成して次回の会合前に、次回というのは今回でございますが、今回の委員会前に各委員のお手元に届くようにとお願いしたところであります。事務局から事前に各委員に届けられていると思います。報告書案については、これまで当小委員会で出されましたさまざまな委員の方々のご意見を十分反映しているとは思いますが、ただいまの事務局からの説明にご質問・ご意見がおありでしたら、お願いをいたします。
 いかがでしょうか。ご発言をお願いしたいと思いますが。
 石川委員、お願いいたします。

【石川委員】 今改めて表示のあり方等についてを拝読いたしまして、かなり細かくここでの論議も含めて意見が反映されていると感じました。やはり今回の論議と、こういう表示のあり方が、今までの日本の温泉の情報提供に対するあり方を、もう一度信頼のおける、第1回目に申し上げたような形で、原点に立ち返るという、そういう意味では一歩そこに向かって大きく進んでいくのではないかなというふうに思いました。それから、これも申し上げたことでしたけれども、国はやはりひとつの罰則つきのスタンダードですので、やはり今既に取り組みが始まっている各温泉地や都道府県団体でのさまざまな取り組みというもの、それをもっと、いわばプッシュしていくような形にこれがつながっていければいいのではないかなというふうに感じています。
 それで、改めて思うのですけれども、やはり今さまざまな利用者の保護、温泉に対する楽しみ方についての要望が出てきているわけですね。ただ、同時に、ここにも踏まえられてるように、その利用の仕方は多様なわけですから、それをどれが一つというふうに絞らないで、まず信頼の原則に立って、温泉の現場での情報をきちんと提示することで利用者が正しく使い分けをしていくということへの一歩だというふうに考えています。ただ、やはり温泉の原点というのは、常々言うのですが、やはり源泉そのものと温泉地そのものだと思いますので、もっとそういう形にこの表示を通して、ただ情報さえ出せばいいのではなく、温泉地や事業者の方も温泉を、やはりもっと源泉を慈しんで、それをどのように、利用者にさまざまな形で楽しんでいただく。最近は、また一方では、湯治も見直されていますので、その場合はなおさら源泉の利用現場における正しい情報提供というのは欠かせないと思いますので、そういう一歩になればいいのではないかと思っています。
 それから、これは書かれてあるので私はほっとしたのですが、やはり本来分析の場所を、どこでやるかというのが、今こういう不信の中から浴槽の入り口でやれというご意見もあるし、ただし、これは私はオプショナルな考え方だと思っています。やはり温泉は地上に湧出してきた源泉の原点においてきちんと分析する、そしてこれを同時に掲げていくということが温泉の情報提供表示のやはり基本線だと思いますので、そういう意味でも、温泉分析書をもっと温泉事業者の方々が、今までのように金庫にしまわずに、大事に利用者の前に出していただく。それから今回の表示やさまざまな温泉地の取り組みと同じような浴槽の情報についても提供していくという、そういう二本の基本線が大事かというふうに思いました。以上です。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 ほかにご意見はございますでしょうか。あるいはご質問でも結構でございます。
 では原田委員からどうぞお願いいたします。

【原田委員】 この報告書はこれまでの意見がちゃんと盛り込まれていてよくまとめられていると思います。ただ、細かい点で気がついたことがあるので、一、二点だけ。念のためということですが、一つには、基本的な視点のところです。第1から第4がありまして、2ページ目の上から第2段落第4がありますけれども、その冒頭に「第4に、第3の視点と密接に関連する視点として、温泉に関する利用者の理解を得る努力の重要性である。」とあるんですが、実はこの本文のところの記述が、第1点の最後にあるのですね。「一方で、誤った先入観に基づく短絡的な選択とならないよう利用者の理解の増進が同時に必要である。」と。ですから、文章表現の問題だと思うんですが、第4の最後のところに「第4に、第1、第3の視点」と補ったらどうかと思うのです。ダブっていますが、これは重要なことですから、このまま文章を残した上で、第1の視点にもリヴァースしておくほうがよいと思いました。
 それから、これは全く細かいことです。6ページ目の一番下、[3]というのがありまして、情報の提供なのですが、この情報の提供に関して、ほかのところでは「多様な主体による多角的な」というのが大体出ていますので、これも「多角的な」を補って平仄を合わせておくということでいかがでしょうかということです。
 あともう1点、よろしいでしょうか。

【熊谷委員長】 はい、どうぞお願いいたします。

【原田委員】 念のため確認ですけれども、もう一度視点のところに戻ります。「第1は」の後に、「的確で正確な情報提供」ということがありまして、先ほどのご説明でも、この「正確な」の意味のご説明があったと思います。要するに的確な情報を、しかも先ほどもありましたが、正しく伝える必要があるということを我々も確認した上でこの第1点が入っているという趣旨だと思っておりますが、それでよろしいですね。

【総務課長】 はい。

【原田委員】 以上でございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。非常に適切でかつ貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、佐藤委員、お願いいたします。

【佐藤委員】 いろいろな意見を入れていただきましてありがとうございます。ただ、最近の報道とか、報告書案を読ませていただいて思ったのは、環境省が温泉を所管するということの意味というのでしょうか、そこのところを考える必要を感じました。今温泉が商品になっている部分というのはすごくあるのではないかと思うのです。例えば東京の中でもたくさん天然温泉というのができていて、それは1,000メートル以上も掘っているわけです。例えば何メートルで掘っているとか、それからポンプアップしているような……。もちろん分析書には出ていますけれども、今後はそういうことをきっちり情報化していくことが啓発につながっていくのではないかと思います。逆に言えば、今回の事件が起こったのも、自然の資源だからこそ変化していくわけです。その変化の中で、従来のイメージどおりいかなかったという、もちろん許されることではありませんが、消費者の期待が圧力になっている部分があります。温泉資源は自然のものであって、限りある資源だということがわかるような情報提供というのも考える必要があるように思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 何か事務局の方からご意見は。

【総務課長】 今の点と若干関連すると思うのですけれど、温泉資源の保護対策といったことも同時に今後の課題としてちゃんとやっていかなければいけないということはそのとおりだと思いまして、今後の課題の一つにも、この2ページの(3)のところに入れさせていただいておりますけれども、それが表示とどう関係していくのかということも含めて、今後の研究課題かなというふうに思っております。

【熊谷委員長】 どうもありがとうございました。今後の課題として十分検討させていただきたいと思いますが、ほかにご意見はございますでしょうか。
 それでは、森戸委員、お願いいたします。

【森戸委員】 表示に絡んで、今の都市における温泉表示みたいな話になるんですけれども、今、天然温泉を都市でも掘って、それが商品になるという話が出まして、それも温泉は温泉というわけですけれども、昔から公衆浴場も大阪市内の市街地なんかの場合には温泉と言っても、だれもそれは通常の温泉だと思っていないで、公衆浴場だと、銭湯だと思っているわけですけれども、こういうのはそのうちあれになるのですかね、混同してこないですかね、利用者が「あれは温泉なのか、従来型の公衆浴場の銭湯なのか」と。でも、表向きはみんな温泉、温泉と書いてあるわけですよね。まあそれはローカルな問題なのかもしれないですけれども、何といいますか、そういう所管別の整理みたいなのは、そのうち出てくるのでしょうか。

【総務課長】 東京でも、東京温泉と書いて、だれも温泉だと思っていないけれども、そういうふうに掲示していて、これまでそれ自身が特に問題であったかということではなかったということだったと思います。今後はいろいろまた検討していく必要があるかもしれませんが、ただ、今問題となっていますのは、天然温泉とかという形で、温泉法の温泉ではないにもかかわらず、あたかも温泉法に基づく温泉だというふうに誤解させるような、そういった表示につきましては、この報告書の中でも書かせていただいておりますけれども、公正取引委員会での取り組み、関係省庁と連携した取り組みというものを今やっているところでございます。当面は景品表示法に基づく取り組みということでやっていくことだと思いますけれども、また今後どうしていくかということはいろいろ検討していかなければいけないことかなという気もしております。

【熊谷委員長】 それでは、ほかにご意見がおありの委員の方はいらっしゃいますでしょうか。

【近藤委員】 よろしいでしょうか。

【熊谷委員長】 はい、どうぞ。近藤委員、お願いいたします。

【近藤委員】 今回のこのパブリック・コメントの中に、この法律の施行の猶予期間を6カ月とかなんか、こうあったんですけれども、私ども行政を預かっている都道府県といたしまして、これにつきましては、まず1点目としては、私どもがやる場合、この温泉のための、この資料にもございますとおり、温泉法がございまして、第14条で県知事に掲示の内容を届け出なさいと。それからこの資料の一番最後の方にもございますけれども、温泉法の施行規則というのがございまして、ここの第7条で、今回掲げた事項について、新たに追加した届け出が必要になってくるというふうなのがございます。私どもの方といたしましては、今回この法が施行されるようになった場合でございますけれども、この様式を、まず届け出の様式を変えていかなくてはだめだというふうなことで、これについてはちょっと改正のためには時間が若干かかるということがございます。さらには、届によってはこれを条例で定めておきまして、議会でもって承認しなければならない……、あるかどうかわかりませんけれども、万が一あった場合だと、若干時間がかかるということがございます。
 それから一方、温泉の事業者の方におかれましても、ここにもございましたけれども、行政による雛型というか掲示の内容のモデル的なものをつくって示すというふうなことが書いてございます。これらをつくって、さらに事業者の方が自分のところで温泉の掲示のものをつくって、それを消費者の方にお見せするというふうな段階においても、結構時間がかかるのではないかというふうに私どもは危惧しております。その辺については、関係者の方で性急に当たって、私らももう早急に適用されるのが本当に望ましいと思いますし、今回こういう形で私どもの方で提案させていただけるということは大変ありがたいと思っておりますが、実態の方もあるということを勘案いたしまして、この適用する期間について、関係団体等にご紹介する前に、ある程度もう混乱が起きないような形でやっていただければありがたいと思っております。以上でございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。いかがでしょうか、何か。

【総務課長】 この報告書の中でも、あるいはパブリック・コメントへの意見の中でも、行政がちゃんとその例示を示せということで、これはこの答申をまとめていただけましたら、直ちに関係都道府県にも集まっていただいて、我々もいろいろ今案を考えていますけれども、そういったものでいいのかどうかといったことを早急に詰めて、できるだけ早く利用者の皆さんに例えばこういう表記はどうかといったことをお示しをしたいというふうに考えております。当然事業者は、この報告書にもありますけれども、事業者の周知期間を適切にとらなければならないということは当然だと思いますが、また、一方で、ずっとこれまで、昨年夏から問題が生じて、なるべく早くその制度を施行して、温泉の品を高めていくといったことも重要かと思いますので、そういったバランスの中で考えさせていただければというふうに考えております。

【熊谷委員長】 よろしいですか。

【熊谷委員長】 ありがとうござりました。中村委員、お願いいたします。

【中村委員】 私、報告書としてはこれで結構だと思っているのですけれども、もうちょっと総括的な問題として、いわゆる天然温泉という呼び方がありますが、天然温泉とは何かということがはっきりしていない。この報告書でもそういうことはもちろん問題にしていませんし、一般に天然温泉という言葉はありますけれども、何が天然温泉かということはあいまいなままで推移しているわけですね。皆様方はそれをどう考えているのかわかりませんが、本当の天然温泉は湧いたばかりの、こんこんと湧いているところの温泉が天然温泉だと思うのですけれど、それがその湧いた以後は自然に変質もしてくるし、いろいろな、ここに問題になっているような加工をすれば天然でなくなる。どのぐらい変化したりどのぐらい加工したら天然でなくなるかということは、まあ程度問題であって、はっきりした問題ではないと思うのですね。それで今度加水した問題、加温の問題、あるいは添加剤を加えるなんかはもちろんよくないことは当然だと思いますけれども、どの程度変化したら天然から離れていくのかということがはっきりしておりません。それでどういう変化をしたら、どういう加工をしたら天然としての価値が失われていくのかということは、この報告書ではそこまで踏み込んで言っていないので結構だと思うのですけれど、これがそういう価値判断であるかのような印象を与えることもあるかもしれませんので、私はこれは価値判断でないということは強調される方がいいと思うのですね。とかくこういうのは価値判断、格付のように思われますけれども、その辺の問題が将来にまた出てくるのではないかと思います。
 私は医者でございまして、医学的な立場から言いますと、天然温泉だからその医療効果が高いとか、ある程度加工したからそれの価値が劣るとかということはまだ余りはっきり証明はされていない。その温泉の含有成分によって、どういう医療効果があるか、それでどう変化すると効果がなくなるかということは、必ずしも明らかになってはいませんので、そういう情報を提供するのはいいのですけれども、それがその価値判断にならないように気をつけられねばならないと思っております。以上でございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。ただいまのご意見は貴重なご意見として承っておいて、大変重要なご指摘だと思いますので。ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、ご意見も出尽くしたようでございますので、パブリック・コメントに対する当小委員会の考え方と、報告書案につきましては、事務局案のとおり、若干の語句の訂正等がございますが、それは事務局の方で修正を加えたいということをお断りいたしまして、このパブリック・コメント案に対する当小委員会の考え方と報告書案についてご了承をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
(異議なし)

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 それでは、ご異議がないようでございますので、本案は了承されました。
 温泉小委員会の設置を決めました際の自然環境部会決定によりまして、温泉小委員会の決議は、部会長の同意を得て、自然環境部会の決議とすることができると決めております。たまたま私が自然環境部会長も兼ねておりますので、この報告をもって、自然環境部会の決議とさせていただきたいと思います。さらに、本日付で審議会会長に報告することといたします。また、パブリック・コメントの結果につきましては、後日環境省のホームページで公表をさせていただきます。
 これをもちまして、審議事項にかかわる議事を終えることといたします。
 ほかに事務局から何かありましたらお願いをいたします。

【自然環境整備課長】 小野寺自然環境局長より一言ごあいさつをさせていただきます。

【自然環境局長】 小野寺でございます。ご答申ありがとうございました。昨年の7月に白骨温泉で問題が起きまして、その後温泉法に係る2万施設の調査をいたしました。11月以来、大変厳しいスケジュールの中でご答申を出していただきまして、私は温泉の施設というか現場で提供している側と利用している側の情報のミスマッチというのが昨年の夏以来の問題の根本にあったのではないかというふうに思います。そういう意味で、きょうのご答申によってかなりの部分は、昨年来の混乱のかなりの部分に対応することができるのではないかというふうに思っております。この答申を受けて、施行規則の改正というのを今月中に着手して、できるだけ早い時期に前倒しで施行に入りたいというふうに思っておりますし、また、関係自治体・事業者も含めて、いろいろな機会をつくって説明会その他によってこの議論が徹底していく、この答申が徹底するということを心がけたいというふうに思っております。
 また、あわせて、これまでのこの委員会の議論の中でいろいろなご指摘をいただきました。温泉小委員会はとりあえずの方針を出していただきましたけれども、温泉にかかわる課題については継続的にやってまいりたいというふうに思っております。いろいろなデータを整理したり、また、今回の施行規則の改正にかかわる浸透度合いのフォローアップみたいなものもあるでしょうし、場合によってはこの小委員会に現地に行っていただくということも含めて、少し時間をいただいて、事務局の方でまたご提案をしたいというふうに思っております。いずれにしましても、本日この答申をいただいて、温泉について非常に大きな、とりあえずの方針でありますけれども、出たということを感謝して、御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

【熊谷委員長】 それでは、本日の会議はこれで終了とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。
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