中央環境審議会自然環境部会 自然公園のあり方検討小委員会(第9回)議事要旨

開催日時

平成20年12月16日(火)

開催場所

三田共用会議所 会議室

議題

  1. 自然公園法の施行状況等を踏まえた今後講ずべき必要な措置について
  2. その他

議事経過

  • これまでの小委員会での検討を踏まえた必要な措置の整理及び報告書案の検討を行った。

 なお、主要な発言は以下のとおりである。

委員 生態系の維持・回復が必要なところに、必要な事業の内容を定めた計画を策定する等は、公園の視点からは非常によいことであると思う。大台ヶ原でもシカによる原生林の被害がひどい状況にある。しかし、昨年できた、市町村が野生鳥獣を柔軟に管理することができる制度とは別に、国立公園の中に別途計画が出来ると整合が図りにくく、軒を重ねるようなことになり、国立公園に対する批判が強くなる可能性がある。白神山地であった樹木に文字を彫り込んでしまうような行為に対しては、地域の中で意識を向上させることは間違いない話だが、必要な措置として法律を考えているようならば、樹木を根こそぎ持っていくのとは少し違う。別のやり方があるだろう。

委員 生態系管理の事業を計画に位置付け、いろいろな人の参加を得て、計画を検討し、対策を講じていくことは大変によいことと思う。しかし、既にある保護計画や施設計画についてもこうした取り組みを進めていく必要がある。白神の件、枝を折ったりすることについては、目的があってすることと、全く無目的にするような行為とでは異なるので、「みだりに」という表現は難しいとしても工夫して考えて欲しい。

事務局 生態系管理の枠組みについては、公園計画に位置付けることで検討している。
幅広い参画を得ながら計画策定を進めること等について、制度的にどこまでできるのかは検討課題。鳥獣関係の既存の制度との重複感等については、鳥獣法等に基づく手続きとは別にある現行の自然公園法の手続きについて、生態系の維持・回復等の目的から必要な場合については自然公園法の規制を外していこうと考えており、これにより対策が円滑に進むようにとの考え方。鳥獣関係の制度に影響を与えるものではなく、地域的に隣接する場合には国立公園の中の生態系被害と農林業被害の対策が一体的に進められるとの考え。また、樹木の幹への損傷への対応については、世界遺産であるような貴重な自然環境の地域で起きているような悪質な行為を念頭に置いており、通常の森林内での作業や必要な管理行為は念頭にない。こうした重要な地域では、国民の保全に対する考え方は非常に高いとの指摘もあり、意識の高揚も重要であり、また、その他できることについても総合的に検討していこうというもの。

委員 野生鳥獣の管理の問題は、特定鳥獣保護管理計画もあるし、鳥獣被害特措法もある中で、被害を受けている人たちが適切に動けるような状況を意識する必要がある。良いと思った制度でも、結果的に地域の人がうまく使えないものでは、国立公園がいらないという話になる。世界遺産白神の問題については、法で規制することを極力避けて、地域の人たちがみんなで守る意識をどのように作っていくのかが大事である。しっかり検討していただきたい。

委員 海域の問題は、海中公園地区に指定されているところ以外でも、陸域との連続性で必要なところは積極的に取り組むと言うことか。また、風致上支障を来しているような廃屋等の対策に環境省を中心に取り組んでいくと言うことか。

委員 漁業者や地域住民が自主的なルールを作って海域保全に取り組んでおり、こうした自主管理についても位置付けるべき。また、浅海域の生物のソースとシンクの意味が不明確なので確認する必要がある。

事務局 海中公園地区以外でも陸域との関係で保全を図っていく考え、また、海中だけに着目せずに、海全体に着目した保護区の設定を考えていきたい。廃屋等の対策については、強制的な措置を法的に担保する必要があると考えており、これを踏まえて全体的に考える必要。漁業者の自主的なルールの取扱は、これを明確にするように考えたい、さらにソースとシンクについては適切な表現を確認したい。

委員 三位一体改革以降、都道府県との連携が進まないところがあり、そう言った場合に環境省と市町村が直接連携するようなことはあるのか。

委員 国、都道府県、市町村、地域住民及び関連する団体等の連携についても位置付けるべきではないか。

事務局 市町村や地域の関係団体との連携は、これまでも努めてきており今後もその考え。都道府県もパートナーとして取り組みを進めたい。国、都道府県、市町村、地域住民及び関連する団体等の連携は、国立公園がその前提に立っている制度であり、今後ともそのように対応していく考え。

委員長 これまでの審議の中で、自然公園の持つ生物多様性保全上の役割があらためて認識され、生物多様性保全施策について、今後制度の拡充を図る方向で審議が進められてきた。自然公園が生物多様性保全に大きく寄与すると言うことを国民に明示する必要があるのではないか。

委員 自然公園法には、責務として生物多様性保全が位置付けられている。もう一歩進めて、目的に位置付けることですっきりするのではないか。

委員 包括的な生物多様性保全体系については、次の射程ではないか。

委員 自然公園等事業を進めていくことは、生物多様性保全に繋がる要素が多分にあり、これを念頭に置いて事業を実施する必要がある。生物多様性保全は目的ではないが、国立・国定公園の事業を進めることは大きな目的にかなうものであり、また、そのことについて法律に位置付けた方がよい。この報告書案は、これまでの意見が大体取り入れられており、結構だと思う。これを個別に具体化していく作業は、この場で各委員からのご意見も踏まえて実現して欲しい。

事務局 自然公園が生物多様性保全に寄与する制度であることに間違いはないので、これを踏まえて、制度的にどのように国民に明示できるか検討したい。

委員長 本日の意見を踏まえて、報告書案を修正したものを持ってパブリックコメントを行いたい。本案の修正は委員長にご一任願いたい。(異議なしの声)

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