中央環境審議会自然環境部会 自然公園のあり方検討小委員会(第6回)議事要旨

開催日時

平成20年10月21日(火)

開催場所

経済産業省別館10階会議室(東京都千代田区霞が関1-3-1)

議題

  1. 自然公園法の施行状況等を踏まえた課題について
  2. 検討の進め方について

議事経過

  • 事務局から自然公園法の施行状況等について報告がなされ、これに基づき必要な措置等に関する議論がなされた。
  • 事務局から今後の検討の進め方について説明がなされ、了承された。

 なお、主要な発言は以下のとおりである。

1 自然公園法の施行状況等を踏まえた課題について

委員:

○生物多様性の保護、あるいは生態系の管理については、規制的な手法で解決できない。自然をモニタリングした上、ターゲットとする特定の種について、自然再生であるとか保護の仕方であるとかを具体的に考えていくステップが必要。これまでの管理は、後追いで基本的な生態系管理の視点が欠落していたのではないか、規制と保護、保護と利用というやり方で足りているのか、を見直しの視点とすべき。

○国立公園の特に保護すべき地域、あるいは周辺の地域も含めて、どういうものが外来種で、どういうものをなくしたいのか、。外来種のコントロールの方針を、一般に分かるようにすべき。その上で、ボランタリーな活動も導入して対策を徹底すべき。

○国立公園内のシカ対策は、区域外にある民間の林業地や農業地についてもしっかり理解した上、考える必要がある。

○利用者の満足度を捉えることは、国立公園等の施策を考える上で重要であり、そのための仕組みが必要。

○法改正の施行状況で、物の集積以外はほとんど実績がなく、特に、指定動物は、指定植物に比べると殆どないに等しいが、その評価を適切に行うべき。

○生物多様性保全を目標にするならば、第1の危機に関してはそれなりにうまくいっているが、第2、第3の危機に対応した生態系管理をきちんと位置付けることが必要。

○温暖化の問題については、生態系として脆弱なところの評価、良質なコリドーの整備等、長期的に考えていくことが必要。

○西日本の湧水湿地は、森林化による減少の危機にある。保護と規制だけではなく、生物多様性は守るためには、新たな生態系管理の枠組みが必要。

○日本の国立公園を全体的に捉えて議論すべきこと、各公園別に議論すべき問題とは分けて議論すべき。

○公園の利用者の増加に対して、どう対応すべきかも留意すべき。

○事務局の問題意識を3点に整理。1つは海域保全の問題、海域の保護と利用との調整をどうするか、ここでは漁業権との調整が現実問題としては一番大きな問題であろう。2つ目はシカとか、外来種とか、動植物の問題にどう対応すべきなのか。3つ目は直轄の公園施設の管理形態が限られており、地方公共団体等にある管理委託や指定管理者制度をどのように適用するのか。これらについては、法律を改正するものや、法律改正にわたらないような話、また、中長期的に議論するものもあろう。

○利用の問題は、どこに到着してどこに帰るかという、一連の連続性の中で、国立公園の中でどこまで解決できるのか、整理していくべき。

事務局:

○生物多様性の保全の観点から、国立・国定公園を見てきたときに、まずは、海域の保全が課題であり、さらに、シカや移入種の問題等、これまでの規制的な手法だけでは足らない能動的順応的な対応が必要であり、これらについて、制度的な検討が必要ではないかというのが事務局の問題意識。また、国立公園の自然ふれあいの中で重要な役割を持つ、直轄自然公園施設のサービスを永続的に、工夫をした上で提供するために必要な管理運営の仕組みが大きな課題。これらが、今回方向性を見出したいポイント。

○生物多様性に係る法律、戦略、計画の制定という大きな背景があり、地球温暖化という大きな流れがある。中長期的なものも含めて、それをどういう形で制度として、あるいは別の形で今後つなげることにするのか、検討していきたい。

○国立公園の全体的の議論と個別の議論に分けて、今後検討すべきとのご指摘については考慮したい。

○モラルに頼るのではなく、利用者の増加による影響については、利用者の数の調整とか、適正な数の確保という点も課題として頭に置いていきたい。

○平成14年の法改正以降の実施状況、特に指定動物について指定が少ないとのご指摘については、指定に必要な十分な情報が得らないことがその大きな理由であるが、さらなる指定向け、引き続き情報収集に努めているところ。今後、準備ができたものから順次追加指定していく考え。なお、既指定の種については、規制の効果のみならず、指定により地域での保護の連携が深まり保全に必要な情報が集積するなどの効果もあるなど、機能してきている。

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