中央環境審議会 自然環境部会 自然公園等小委員会(第32回)議事録

1.開催日時

平成28年7月6日(水)10:00~12:00

2.開催場所

環境省 第一会議室(22階)

3.議題

1.開会

2.議事

(1)国立公園事業の決定、廃止及び変更について【諮問】

・十和田八幡平国立公園 ・三陸復興国立公園 ・尾瀬国立公園   ・秩父多摩甲斐国立公園

・富士箱根伊豆国立公園 ・吉野熊野国立公園 ・大山隠岐国立公園 ・足摺宇和海国立公園

・やんばる国立公園   ・西表石垣国立公園  

(2)その他
・国立公園満喫プロジェクトについて

3.閉会

4.議事録

午前10時00分 開会

○司会:それでは、大変お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会を開催いたします。

 会議に先立ちまして、本日の出席委員数をご報告させていただきます。本日は、所属の臨時委員9名のうち5名のご出席をいただいておりますので、本委員会が成立いたしておりますことをご報告申し上げます。

 次に、本日お手元にお配りしております資料についてでございますが、配付資料一覧のとおりとなっております。配付漏れ、落丁等ございましたら、いつの時点でも結構でございますので、事務局のほうにお申しつけいただければと存じます。

 続きまして、6月17日及び7月1日付で自然環境局幹部の異動がございましたので、ここでご紹介させていただきたいと存じます。

 まず、自然環境局長の亀澤でございます。

 続きまして、大臣官房審議官の正田でございます。

 それから、自然環境局の総務課長の上田でございます。以上でございます。

 それでは、会議に先立ちまして、自然環境局長の亀澤よりご挨拶を申し上げます。

○自然環境局長:本日は、お忙しい中、自然公園等小委員会にご出席をいただきまして、大変ありがとうございます。

 本日、議事は二つ用意してあります。一つは、諮問案件であります国立公園事業の決定、廃止及び変更について、ご審議をいただきたいと思っております。昨年度に再検討を行いました十和田八幡平国立公園のほか、4月15日に大規模拡張された西表石垣国立公園や、先月の自然環境部会において新規指定が適当との答申をいただきましたやんばる国立公園など、10の国立公園に関する案件について、ご説明をしたいと思います。また、その他といたしましては、3月30日に政府として取りまとめました明日の日本を支える観光ビジョンに基づき、現在環境省が取り組んでおります国立公園満喫プロジェクト、これにつきましてもご報告をさせていただきたいと思います。限られた時間でございますけども、本日は忌憚のないご意見をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○司会:それでは、報道関係の方がおられます場合には、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 それでは、これからの議事進行につきましては、下村小委員長にお願いしたいと存じます。

 下村小委員長、よろしくお願いいたします。

○下村小委員長:皆様、おはようございます。いささか不安定な天気が続いておりますけれども、お暑い中お集まりいただきまして、ありがとうございました。

 今日は、前回の小委員会に引き続きまして、公園計画の見直しに伴う事業の決定や廃止ですとか、あるいは、今ご紹介がありました新しい国立公園もまた承認されつつありますので、それらに関連しての事業の決定等でございます。できるだけスムーズに進めてまいりたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 それでは、議事次第に従いまして、進めさせていただきます。

 本日の小委員会は公開で行いますので、報道関係者ですとか、傍聴の方も同席しておられます。また、会議録につきましては、後ほど事務局で作成いたしまして、ご出席の委員の了承をいただいた上で公開することになります。一方、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを、私、小委員長が了承した上で公開いたしますので、ご了承願います。また、会議資料につきましても公開となります。

 それでは、最初の議題ですけれども、諮問案件の国立公園事業の決定、廃止及び変更についてになりますが、今回も件数が多いので、前半部分と後半部分の2部に分けてご説明をいただきまして、前半の説明が終わった時点で、一旦質疑に入らせていただきたいと思います。

 それでは、事務局からご説明をお願いいたします。

○生態系事業係長:国立公園課の松木と申します。それでは、座って説明させていただきます。

 今回お諮りするのは、国立公園事業の決定書、廃止書及び変更書でございます。これらはお手元の資料1-1にまとめられておりまして、白い冊子がそれです。しかしながら、この冊子の中身について全てご説明する時間はございませんので、事務局にて説明用にその内容を取りまとめました資料1-2と資料1-3に沿ってご説明してまいります。

 それでは、まず、お手元の資料1-2をご覧いただけますでしょうか。資料1-2、第32回自然公園等小委員会の諮問案件の概要をご覧ください。今回、公園事業の決定、廃止及び変更を行うのは十和田八幡平国立公園など10の国立公園で、合計66件となっております。なお、公園事業の決定といいますのは、公園計画に基づき施行される公園事業に関し、整備すべき施設のおおよその位置及び規模などを定めるものです。

 1の十和田八幡平国立公園については、公園計画の再検討に伴い事業の決定等を行います。公園計画につきましては、事業決定に先立ち昨年12月の第31回自然公園等小委員会にお諮りし、適当である旨の答申をいただき、平成28年2月22日付で計画変更の官報告示を行っております。十和田八幡平国立公園の公園事業の決定については決定が7件となっており、施設の種類ごとに名称を示した一覧表にして、(1)に示してございます。

 以下、同様に、廃止については10件、次、2ページ目めくっていただきまして、公園事業の変更が31件となっております。

 続きまして、2のやんばる国立公園の新規指定に伴う公園事業の決定については7件ございます。やんばる国立公園につきましても、今年6月20日に開催されました第31回中央環境審議会自然環境部会におきまして、公園の新規指定及び公園計画の決定について諮問し、諮問のとおりとして差し支えない旨の答申をいただいております。今回は、その新規指定及び計画決定に基づく事業決定となります。

 3の西表石垣国立公園につきましては、今年2月23日に中央環境審議会の答申を受け、区域及び計画を変更し、4月15日付で大規模拡張を行っております。この大規模拡張に伴う公園事業の決定が2件ございます。

 以上、1から3までについては、公園計画の変更に伴い、決定等を行うものです。

 4の三陸復興国立公園以降については、公園計画の変更に伴うものではなく、個別の案件となっております。三陸復興国立公園は変更が1件です。

 次のページに参りまして、5の尾瀬国立公園が事業決定1件、変更1件、6の秩父多摩甲斐国立公園の公園事業の決定が1件、7の富士箱根伊豆国立公園は公園事業の変更が1件、8の吉野熊野国立公園は変更が1件、9の大山隠岐国立公園は公園事業の変更が1件、最後のページですけれども、10の足摺宇和海国立公園は決定及び変更が1件ずつというふうになっております。

 以上で資料1-2の概要の説明について終わります。

 それでは、続きまして、各案件につきまして、公園事業の位置、その周辺の現況、整備すべき公園施設の内容、環境影響について、内容の詳細をご説明してまいります。以降の説明に関しましては、国立公園事業の決定、廃止、変更案件に関する説明資料という資料1-3のカラー刷りのパワーポイント資料に基づいて行っていきたいと思います。ただし、時間の都合上、類似の案件についてはまとめてご説明していきたいと思います。適宜順番を入れかえながらスクリーンに示して参りますので、お手元にお配りしております資料1-3のカラー刷りのものは、一旦横に置いておいて適宜ご参照ください。そして、資料1-3の別紙1-1、横長の表があるかと思いますけれども、この表をお手元にご用意いただいて、前のスライドと見比べながらご検討、ご審議をいただきますようにお願いいたします。なお、別紙1-2は決定または変更する施設の位置図となっておりまして、赤文字で示している施設が今回決定するもので、オレンジ色で示しているのが変更するものとなっておりますので、適宜ご参照いただければと思います。

 それでは、別紙1-1の表の説明に移ります。この表の見方でございますが、左の列から決定、廃止、変更の内容となっておりまして、施設の種類ごとにその内容を示しております。次の列は諮問の順番となっておりまして、通し番号が振ってございます。この通し番号というのは先ほどの白い冊子、お諮りする諮問内容の番号と一致しております。そして、その隣が事業名になっておりまして、今回、決定または変更するものについては、その規模がさらに隣に示してあります。最後に、データがあるものについては、その施設の利用する人の数を示しております。また、表の欄外、一番上の十和田八幡平国立公園の横に注釈がございますけれども、規模の列において、白抜きの上向き三角が書いてあるものは、今回の変更により当初の規模が増加または拡大するもの、黒色の下向き三角印は規模が縮小するものを示しており、事業名の横に(集)とあるのは、集団施設地区の事業を示しております。

 それでは表に沿って、十和田八幡平国立公園からご説明してまいります。

 今回の十和田八幡平国立公園の公園事業の決定及び変更、廃止について、基本的な考え方を前にお示ししております。公園計画の再検討にあわせた事業の整理ということで、今回、公園指定(昭和32年)後初めての再検討となっております。利用施設計画の大幅な変更案件や決定規模、区域が未決定の案件について、新たな計画にあわせた名称の変更、未決定の事業については事業決定、規模・区域が未決定の事業について決定を行います。現地調査によって利用状況、執行状況を精査して、路線については距離を再計測したりなどしております。収容力が、過大、過小な利用施設はなかったことから、現状の執行規模をベースとして規模を決定しております。今回は岩手県側のみの事業決定となっておりまして、秋田県側については前回の秋の審議会で諮問済みとなっております。

 1の網張温泉道路、車道ですが、これは網張集団施設地区へのアクセス道路となっている既存の道路です。網張集団施設地区の利用者数は、その表の一番右端にも記載がありますが、おおよそ毎年約20万人とされています。網張地域というのは主要な湯治場となっておりまして、そこに向かう人が利用するということです。本件は既存の施設を把握するものです。

 続きまして、焼走り線道路。これは歩道ですが、岩手山の山麓に位置します。このあたりに溶岩流が流れた跡がありまして、そこを探勝できるルートです。既にこのような起終点を含めしっかりとした歩道が整備されています。(この溶岩流は)国の特別天然記念物に指定されています。今回はこの歩道の把握を行うものです。

 続いて、表の避難小屋ですが、3(八幡沼避難小屋)と6(岩手山八合目避難小屋)は内容が同じですので、まとめてご説明いたします。いずれも既存の施設の把握と宿舎事業の振りかえです。この避難小屋は、今まで宿舎事業として計画されていたのですが、結局その避難小屋は、実態としては避難小屋としてしか使われていないというのがあり、今回、宿舎事業を廃止して、避難小屋として再度把握するものです。

 続きまして、4(平笠不動避難小屋)、5(不動平避難小屋)です。これらについては、今まで公園事業施設として把握されていなかったものの事業決定となります。先ほど規模について申し上げ忘れましたけれども、箇所数を1カ所として決定します。

 最後に八幡平頂上展望施設です。区域面積0.02ヘクタールで環境省が執行致します。八幡平の頂上付近の既存の展望施設を把握するものです。

 続いて、表8から17です。こちらは全て廃止する案件となります。廃止案件については時間の都合上、簡単に説明いたしますが、8番から12番は大体この辺りに位置するものです。車道と歩道について全く使われていないもの、今後整備の見込みがないもの、そもそも施設がないもの、これらについて廃止するというものです。不動平園地につきましては、小規模なものですので、歩道の附帯施設として振り替えます。13の八幡平避難小屋以降についても現存の事業執行された形跡がなく、現存の施設もありません。今後の必要性もないものですので、同様に廃止致します。

 続いて、表の2ページ目をめくってください。表の2ページ目からが3分の2となっているものです。これらが変更の案件になりまして、最後まで続いております。まず、道路のうち歩道ですけれども、歩道のうち18(松川温泉線大深岳線道路)、19(松川温泉姥倉山線道路)と23(御神坂岩手山線道路)、24(松川温泉滝ノ上温泉線道路)、25(滝ノ上温泉乳頭山線道路)につきましては、これらは、市町村合併等により名称が変更されるもので、地名を変更したり、それに伴って起点、終点の名前が変わったり、また、不適切な終点名を記載しておったものなどがありましたので、それらを変えるもので、実際にその中身が、歩道をつけかえるですとか、そういったことはございません。

 20(上坊岩手山線道路)から22(馬返岩手山線道路)は、既存の施設の把握もありますが、利用実態にあわせて複数路線の統合・分割・整理を行っております。例えば、上坊岩手山線道路は、今までその起点から終点が岩手山までになっておったのですけれども、次に示しております焼走り岩手山線道路、これが同じように岩手山まで続いております。要するに、これらの路線の区間が重複するものですから、ここで区切るというような形で整理を行っております。規模、路線距離が変わっておりまして、三角の印を表に示しておりますが、合計すると数値が違いますが、これは、精査することによって距離が正確にわかったということと、あとは、重複区間を取り除いたことによって、距離が変わっております。

 続きまして、園地についてご説明します。番号で言いますと26(蓬莱峡園地)から30(ヒヤ潟園地)までです。蓬莱卿園地は、藤七温泉周辺の園地でございまして、周辺はブナ、オオシラビソ、ダケカンバの針広混交林になっておりますが、これは、今まで、こちらは集団施設地区という扱いだったのですが、これが廃止されておりまして、それに伴って単独施設へ振りかえるということと、また、今まで未決定であった区域面積を決定するというものです。

 続いて、網張園地は区域面積を精査した結果、14ヘクタールから12ヘクタールとなり、環境省で執行するものです。

 続いて、28番の滝ノ上園地ですが、これも、区域面積が未決定だったものについて、区域面積を決定して執行するというものです。

 西側にある国見園地につきましては、事業名称を変更するというものです。名称のみの変更で既存の施設と全く変わりはございません。

 国見園地の真南に位置するヒヤ潟園地については、区域面積が未決定だったものを決定するというものです。

 以上で園地は終わりまして、続いて、31番(藤七温泉宿舎)からの宿舎ですが、31と32(松川温泉宿舎)、これらは、それぞれ藤七温泉集団施設地区と、松川温泉集団施設地区という二つの集団施設地区が廃止されたことによって単独施設として把握し直すもので、事業規模も、今回精査しております。藤七温泉宿舎事業については、区域面積を2ヘクタール、宿泊者数も、当初250人だったものを1日当たり100人にするということになっております。松川温泉宿舎についても、全く未決定だったものを、利用実態等に照らして、このように決定しております。

 次の33番、網張宿舎は、事業名称の変更と事業規模の精査を行っております。宿泊者数について、500人から300人にするということになっております。民間が執行しております。

 34番の滝ノ上温泉宿舎については、未決定だったものを決定するものです。

 表の3ページ目をご覧ください。国見温泉宿舎についても、未決定のものを決定するものです。

 続いて、36から38の避難小屋についてまとめてご説明しますが、これらについては、全て市町村合併に伴う地名の変更と事業規模の決定でございます。未決定だったものを1カ所設置するということで決定するということと、市町村名が変わっておりますので、そちらを変更しているというものです。

 次、野営場ですが、松川野営場は、先ほどから申し上げていますように、松川温泉集団施設地区の廃止に伴う変更です。事業名称を変更し、事業規模を精査した結果、これは150人から250人に増やすのですけども、このように決定するというものです。

 網張野営場は環境省で執行してまいります。これは事業名称の変更に伴うものです。

 滝ノ上野営場は、未決定だったものを決定するというものです。

 続いて、網張スキー場ですが、これも、事業規模を精査したところ、面積を縮小しております。

 続いて、松川駐車場です。駐車場が2件、43(松川駐車場)と44(網張駐車場)でございますが、未決定だったものを0.5ヘクタールにした上で、単独施設へと振りかえております。

 網張駐車場につきましても、事業名称の変更と精査を行っております。

 続いて、給水施設は源太清水給水施設と松川給水施設、網張給水施設の三つがございまして、いずれも、規模が未決定であったりしたものについて精査して、規模を決定しております。

 最後に、網張博物展示施設でございますけれども、これも、区域面積を精査した結果、0.2ヘクタールから0.3ヘクタールとしております。

 いずれの決定も公園計画に適合したものでございまして、風致景観保護上の支障はないと考えられます。また、決定案件については、執行者も明確に決まっておりまして、事業決定をして差し支えないものと考えております。

 以上で十和田八幡平国立公園に関する全ての説明を終わります。

 ここまでで前半とさせていただきたいと思います。

○下村小委員長:どうもありがとうございました。

 十和田八幡平の見直しは60年ぶりぐらいとのことです。計画の見直しに伴って、現状にあわせて事業の決定、廃止、変更を行うという内容になっています。幾つかパターンがありまして、入り組んではおりますけれども、まとめてご説明をいただいたと思います。今まで事業決定していなかったものを新たに決定する、あるいは廃止する、この辺りはわかりやすかったと思うのですが、実際に、既に事業決定しているものでも、この間に市町村合併があり名称を変更されたものや、事業規模や範囲を決めていなかったもの、あるいは精査をすると違っていたというものがあったようです。また、松川温泉集団施設地区と藤七温泉集団施設地区を単独施設に振り替えるという事業の変更があったということですが、何かお気づきの点や気になる点がありましたら、ご質問、ご意見をいただきたいと思います。

それでは、桜井委員お願いします。

○桜井委員:資料1-3、別紙1-1の31番、32番について、これは1日当たりの利用者数かと思いますが、藤七温泉は1日の利用者が100人に対し、平成25年の年間利用者数は54万人とすごく桁が大きいです。ところが、松川温泉は、1日の利用者数が500人、平成25年の年間利用者数は約5万人とはるかに小さいですが、数字はこれで合っているのでしょうか。

○下村小委員長:それでは、広田委員お願いします。

○広田委員:今回のご提案そのものは、これで結構だと思います。これ自身は必要なことであるし、望ましいことだと思います。むしろ遅過ぎたぐらいです。地元ですので、よく知った場所がたくさん出てきて、今になってようやくかというような案件が結構たくさんあり、特に8番の網張、松川温泉線の道路というのは、一時期自然保護でも大きな問題になったところで、ようやく正式な廃止なんだなというのが正直な感想です。ですから、今回のこういった決定、廃止、変更について異議はありませんが、ただ、結果として現状追認的なものになっているわけで、これでいいのかと思うような場所がないわけではないです。例えば、7番の八幡平頂上展望施設がありますけれども、現地に行けばかなり違和感のある木製の巨大なデッキで、今のセンスで言えば、八幡平頂上にあれはないだろうと思えるようなものです。それから、2番の焼走り線の歩道の道路、よく学生を連れて見学に行くのですが、焼走りの溶岩流のど真ん中を突っ切っているんですよね。今、配置するなら、絶対に脇を歩かせると思います。ですから、現状としてそこに道路があって、それを追認するというのはやむを得ないと思いますが、本来の計画のあり方からすれば、今の時点で望ましい姿というのをやはり関係者で議論して決めて、それにあわせて事業の決定や廃止、変更をすべきであって、今回の案件について異議はありませんが、こういった進め方自身も少し考えるべきではないかと感じました。

○下村小委員長:それでは、江﨑委員お願いします。

○江﨑委員:ありがとうございます。集団施設地区を単独施設へ振り替えるということで、宿舎などが単独施設になっているかと思いますが、見直しを行うまでの60年の間に民間事業者の経営主体が変わってきたとか、集団施設地区ではなく単独施設になったということで、町などのビジョンにも関わるのかなという気がします。今後、この地域が集団施設地区ではなく単独施設になったことで全体として地域がどのように考えていらっしゃるのか聞かせていただきたいなと思います。というのは、今回の見直しがあって、次回の見直しまでかなりスパンが長いものになるとすると、どのように地域が変化されて良い方向に進んでいくのか知りたいなと思いました。以上です。

○下村小委員長:それでは、中村委員お願いします。

○中村委員:私は何を議論するかがいま一つよくわかっていないような気がします。「決定」というのがどのような意味なのか理解しづらかったので教えてください。

そのほか気になるのは、「廃止」に関する説明が少なかった点です。国立公園の中で施設等が廃止されたため野営場が廃止されたとか、休憩所が廃止された場合に、その後はどのような形で自然の状態に戻るのかということを説明していただかないと、ただ無くなったから廃止という議論だけでいいのかなという疑問が湧きました。

 それから変更についてですけども、事業規模が書いてある案件について、この事業の主体は誰なのか私にはよくわからなくて、環境省であるケースもあるのか、民間であるケースもあるのか、事業を実施される主体は誰なのか教えてください。以上です。

○下村小委員長:大黒委員お願いします。

○大黒委員:ただいまの中村先生と全く同意見ですけれども、廃止の件で、特に14、15、16の辺りです。随分前に使われなくなっていますが、現状はどのような状態になっていて、問題なく自然が復帰しているのかを確認させていただきたいと思います。

○下村小委員長:ほかに何かございませんか。それでは佐々木委員、お願いします。

○佐々木委員:気になったことが何点かあります。全体として趣旨は理解できるので、現状にあわせて事業計画を変更するというのはもう理解できるのですが、3点ほど質問があります。

 一つは、先ほど広田先生がおっしゃったとおり、2番目の焼走り線の道路です。この溶岩の中を突っ切る道路が既にあるから現状追認として、今回決定するという説明でしたが、こうしたものは、大体、雨水によって土壌がひどくなり、どんどんえぐれていく。長野県の霧ヶ峰、あるいは、北アルプスの尾根線の登山道はみんなそうです。ですので、今、現状追認で決定しても良いのですが、ど真ん中を突っ切ったものというのは、幾ら何でも傷まないように、将来は付け替えを考えなきゃならないのではないかというのが、まず1点目の意見です。

 2点目は、歩道についてです。20番、21番、22番の複数路線の分割整理、これは見てみると、利用者数によって優先道路を決めて、重複などを無くしていったのでしょうか。特に異議はないのですが、昔から利用されていたものを優先するのかと思っていたので、この考え方を教えてください。

 3点目は、給水施設です。単独の建物とその周辺だけかと思っていましたが、例えば46番の松川給水施設は35ヘクタールとなっています。これは取水面積を表しているのでしょうか。このことの確認です。以上です。

○下村小委員長:宮本委員お願いします。

○宮本委員:教えていただきたいのですけれども、国立公園事業上は、宿舎と避難小屋というのはどのように定義されているのでしょうか。ユーザー側からですと、無人で無料のものが避難小屋で、それ以外の有料で管理人がいるところが宿舎なのかなと思っていたのですけれども、宿舎から避難小屋に変わるというのは、例えば、管理人さんがいなくなって避難小屋としての利用になってきた時に、実態が避難小屋です、という説明になるのかどうか確認させていただきたいと思います。

○下村小委員長:ほかはよろしいでしょうか。それでは順次事務局からご回答をお願いします。

○生態系事業係長:それでは、最初から順番にお答えさせていただきたいと思います。

 まず、松川の宿舎の数値です。これについては、要するに、収容量をもとに決めております。あと、その表の数値が間違っているのではないかというご指摘があったのですけれども、これは地元の地方環境事務所に問い合わせて得た数値でありますが、平成23年、24年、25年と、この地域全体の利用者数というのは落ち込んでおります。特に、25年度が非常に深く落ち込んでおりますが、これは、1番の網張温泉道路に示しております網張の集団施設地区の利用者数がかなり落ち込んでいることからも読み取れるかと思います。この原因について、まず地域全体としては、やはり東日本大震災の影響を少なからず受けていると思われます。平成23年度から25年度の間、この落ち込みについては、雫石町が入り込み者数調査を行っておりまして、それを見ますと、その年に集中豪雨が相次いでおりまして、盛岡から延びている県道が閉鎖されていたというのがあって、8月、9月にそういった状態が続いていたのでかなり減っているようです。網張の長山地区においては5万人弱ぐらい減っています。使っているデータが違うので、単純に比べることはできないですけれども、そういったことがあって、恐らく利用者数が急激に落ち込んでいるのではないかと考えております。

 続きまして、広田先生のご意見につきましては、全くそのとおりだと思っております。また、佐々木先生からも、その焼走り線についてどうなのかというご指摘があったと思いますが、現状、自然観察路としての利用は、特段洗掘等はあまり起こっていなくて、麓において溶岩流を極めて観察しやすい道路ということで扱われているようです。その道が先にあって、後から追認ということにはなるのですけれども、現状の利用については、その洗掘が進んで全部崩壊してしまうと、そういったことにはなっていないと認識しております。

 展望施設についてのご指摘については、公園事業施設として把握することによって、今回はその執行者が環境省となるのですが、これはもともと、県の施設を環境省が建て直したという形になっています。これについては今後適正に執行していくようにしていきたいと考えております。

 続きまして、集団施設地区から単独の施設への振りかえについて江崎委員からご指摘がありました。経営主体ですとか、町づくりのビジョンについてはどうなるのかということがあったかと思いますが、これらの集団施設地区については、当初、そこに施設がある程度集中しているという理由で、決定されたというのが実情でございます。その後、全く人口は増えず、施設もその当時のまま、むしろ無くなっていってしまったということで、今後もそういった見込みがないだろうということで今回廃止しております。

 中村先生から、「振りかえ」だとか「決定」だとか、独特の言い回しについてご指摘を頂いておりますが、公園事業については、まず、自然公園法に基づいて公園事業計画を立てるというところから始まって、それで(公園の)区域を決めたり地種区分を決めたりといったことがあって、さらに、公園事業として実施するものについては、事業決定をして進めていくと。さらに、その決定したものについても、今回お示ししていますように、あくまで位置と規模等が大ざっぱに決まったものにすぎませんので、これらについて、執行者はその都度、申請をして、それに対して認可がおりれば事業ができるということになっています。いずれも、公園を適正に利用するという観点から作られた仕組みでございます。

 今回決定するものについては、一応計画上で決まっているということもありまして、今後適正な執行が見込めることから決定しております。あと、先ほどの江崎委員の話ともやや重複するのですが、廃止の野営場とか、こういったものについて影響が大きいのではないかということがご指摘としてあったかと思います。廃止施設につきましては、説明が簡単で申し訳なかったですけれども、いずれも施設がほとんどないものばかりです。当時、整備予定だったものについてもその後、結局整備されておらず、宿舎を振りかえたというケースはありますが、その後も一切手をつけられていない状況です。一つ、16番の岩手山麓運動場については廃止届が出されていたのですけれども、跡地の一部については野営場事業として利用転換が図られているものです。その利用者に対してはそれほど不便が発生しているものではないということになります。

 佐々木委員からご指摘のあった焼走り線について道路の利用者数をきちんと考慮しているのかというご指摘があったかと思いますが、これについては利用者の数を反映しているかといったら、なかなかそういうわけにはいかないのが実情です。実際、登山地図などを見ていただければわかると思いますが、公園事業の名称と一般的に使われている名称が全然違うというのがございます。これは、管理の視点からその路線の区間ですとか、そういったものを決めていく現状がございまして、例えばここからここまでは○○県でやります、ここからここは環境省でやりますと、そういったことが整理されて、管理者が決まっているものについて事業決定していくということになりますので、一般的な利用のイメージと少し乖離があるのではないかと思います。

 給水施設の面積ですが、これは要するに、給水管が通っている区域全体を含む、最外郭を囲ったものと捉えていただければと思います。

 最後、宮本先生からご指摘のあった宿舎と避難小屋の関係ですが、宿舎については定義がございまして、公園利用者の宿泊の用に供される施設を指します。避難小屋については、公園利用者が山岳等において一時難を避けるために設けられる施設となっております。宿舎については宿泊の予約をして、ご飯も出ますといったような使われ方ですけれども、現状その避難小屋として使っているところというのは収容人数も少ないですし、予約等なしでいつでも入れるというような形になっておりまして、利用の実態は避難小屋に近いものということで使い分けております。以上です。

○下村小委員長:いかがでしょうか。補足のご説明はございますでしょうか。

○国立公園課長:前段の説明が少し省略されていたので、補足をさせていただきます。

 公園計画そのものはこの小委員会の以前に公園計画の変更ということで60年ぶりの見直しという話が最初にございましたが、図面を見ていただきますと、例えば、ここに色を付けておりますが、緑色やピンク色の線で囲まれている部分は、その区域の規制の強弱を示しておりまして、どのように地域を保護するかという保護規制計画になります。それから、ここに緑色の線や赤い線がありますが、歩道や車道、避難小屋など、こうした利用のための施設をどこに位置付けるかということを示しています。これらは、前回の委員会で、約60年ぶりの見直しということで、一度整理をさせていただいております。今日のこの小委員会では、例えば、この歩道の幅であるとか、それから、避難小屋の規模が何人程度であるかといったことを必要に応じて決めていただくというものであります。特に、今回、60年ぶりの見直しでありますので、当初はここに宿舎を建てようと計画をしていたけれども、その後、数十年たっても建設には至らなかったので、公園計画から削除したものがあり、規模等を決める事業決定も意味が無くなるので廃止すると、そういうものもあります。先ほどの宿舎から避難小屋に変わったということにつきましては、数十年前には営業を伴う山小屋を多分想定して宿舎計画を立てていたが、採算がとれるかどうかなど、そういった状況も踏まえて、営業を伴う山小屋を建てることは困難となり、公共事業として、一時的に避難をする小屋を建てたという経緯があります。そのため、避難小屋については、一時的に管理人がいる場所もありますけれども、基本的には無人小屋であります。こうした理由により宿舎は現実的ではなく、実際には避難小屋が建てられているので、その実情にあわせて公園計画を避難小屋に変更し、今回はその規模等が適切であるかということを決定させていただくことになります。

 また、中村委員から実際に廃止された場所はどのような状況になっているのかというご質問をいただきましたが、一つは、数十年前にキャンプ場をつくろうという計画があったが、実際にはつくられなかったので、何も変わっていませんというのが先ほどの説明で、ただし、14番や15番の松川休憩所や藤七温泉野営場は、平成14年や昭和63年に廃止届が出されておりますが、一度施設がつくられておりますので、その場所の現状については現場の保護官から報告させていただきます。

○自然保護官:松川休憩所の廃止については、平成14年の廃止届けの際に、実情、場所も既にわからなくなるような状態であり、これに関しては既に現場に施設はない状況を確認しております。

 藤七温泉野営場の廃止については、当時、野営場があったであろう時期は、八幡平山頂につながる樹海ラインという車道がまだできる前の小さな歩道があった時期の野営場で、その後、大きな改変が行われて、現在、周辺の野営場はなくなっており、現場は自然の回復が見られる状況ではあります。

○国立公園課長:実際にはもうかなり昔に施設がなくなっており、現在見てもどこかがわからないぐらいに自然が回復していると、そういう状況だということでございます。以上でございます。

○下村小委員長:中村委員お願いします。

○中村委員:事業といった場合の事業規模と事業の主体は誰なのかを教えてください。

 また、今の話ですけど、確認する義務はないのでしょうか。いわゆる廃止届が出た段階で原状復帰したということを確認する義務というのは管理者である環境省側にないのですか。そうした記録か何かはしっかりと残ると思うのですが、その辺はどうですか。

○国立公園課長補佐:通常でありましたら、当然、公園管理者として確認させていただくことにしております。今回の場合は、かなり廃止された時代が古いということもありまして、もう既に現状として自然に戻ってしまっており、元あった場所もよくわからない、そういった状況になっているということでございます。

○中村委員:今後のことですけど、自然に戻っているかどうかを議論するなら理解するのですが、廃止と決めたことを追認してくださいという議論はあまり意味がないと思います。本当に廃止されたものが今おっしゃっているように元に戻っているというエビデンスをしっかり示してくれないと議論はできないと思うので、その辺を今後ご考慮ください。

○国立公園課長補佐:今後はそのような形で対応させていただきたいと思っております。

○下村小委員長:追加のご確認はよろしいでしょうか。辻本委員お願いします。

○辻本委員:お話を聞いていて、今日の議論について、この前の小委員会において計画変更されていて、そこではしっかりと哲学、フィロソフィでこういうものを決めるんだということが議論されている。それに基づき廃止や変更を決めて、ここでそれを認めるというようなご説明でしたけれども、それでよろしいですか。もしそうなら、前回の小委員会と今回の小委員会がうまく連動するように、今日の小委員会で、前の小委員会ではこういうことで、前回の決定に基づいてどんな考え方がその廃止や変更につながっているということを説明してもらわないと、先ほどからの質問にもあるように、何で廃止になった、あるいは決定するんだということが何の基準で我々判断したら良いかがわからないので、今度はぜひその前に先立つ委員会の内容についておっしゃっていただかないと、先ほどから話が出ていますが、何を基準に判断したらいいのか。廃止と決定されたことに関して、それはそうなんだということは何ら異議を唱えること、もう無くなっているものに対して廃止と言われたら、それはそうなんだなと思うのですが、その辺をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国立公園課長:ご指摘のとおりかと思います。今後工夫させていただきたいと思います。

 今回のこの計画変更につきましては、非常に年数が経っていて、通常は5年に一度の見直しを行います。ですので、先ほどのご質問にもありましたけれども、今後、この十和田八幡平につきましても数年ごとに見直しをしていくということになりますので、今回は異例の見直しといいますか、そのため、計画の見直しを行った前回の小委員会でも基本的にはもう現状追認といいますか、そのような形の整理、あるいは、区域が不明確であったところをしっかりと明確にさせていただきたいなど、そのような形でこの計画の見直しというのは一度整理をしております。ただし、今後につきましては、これからある課題について、どういう点を改善していくかということを数年ごとに見直していきますので、その議論につきましては、今おっしゃっていただいたような単に追認ということではなくて、これからの整備方針ですとか、見直し方針というものをもう少ししっかりとお示しさせていただきながらご議論いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○下村小委員長:よろしゅうございますか。

 資料作成についてご要望がありましたので、その点、次回以降反映していただければと思います。

 それでは、引き続き、後半部分を進めてまいりたいと思います。

 事務局から説明をお願いいたします。

○生態系事業係長:お待たせいたしました。それでは、後半部分についてご説明してまいります。30分弱ほどお時間をいただきたいと思います。

 やんばる国立公園について、先ほどと同じように、資料1-3(別紙2-1)と書いてある表をお手元に見ていただきながら、前のパワーポイントを見ていただければと思います。

 まず、58番の奥宜名真線道路ですけれども、これについては車道の決定となっておりまして、やんばるといいますと、明確な定義はないそうですけれども、沖縄県の北部になりますが、そのさらに北端ということになっております。ここが起点ですけれども、終点がこのところを走る道路です。道路からは海域景観ですとか、国立公園の景観資源を眺望することができます。この周辺の森は照葉樹林帯となっておりまして、貴重な野生動物のコリドー(回廊)、野生動物の行き来する場所として重要であります。これについても既存の施設を追認するという形になります。現在、辺戸岬の利用者数は44万人となっておりまして、非常に多くの方が利用されているという状況です。現状、ヤンバルクイナをはじめとする希少野生生物の交通事故等の対策はとられております。

 今回は何を整備するかといいますと、国立公園の境界付近に標識を設置することによって、国立公園の誘導や公園区域の明示、周知、地名等の情報提供を行いたいと考えております。これは、やんばる国立公園が今回新規指定されるということで、利用者にここは国立公園ですよということをきちんと周知していくことが急務であると考えております。

 続いて、59番の東海岸線道路も幹線道路でございまして、国立公園の景観資源を眺望でき、同じように、ヤンバルクイナ等の希少な野生動物が生息しているところです。このように、路上にヤンバルクイナが飛び出してきたりする道路です。先ほどと同様に、交通事故等の対策がとられているところですが、やはり国立公園であることを周知していかなければいけないということで、標識の整備をしたいと考えております。

 次の山原横断線道路も全く同じ内容となっております。

 続いて、61番の辺戸園地です。先ほども出ましたが、ここの園地の利用者数が平成25年で約44万人と、非常にたくさんの人が訪れております。このような海食崖が発達し、風衝地植生が見えるところです。ザトウクジラの観察のためにも多くの利用者が訪れるということです。これについては、沖縄県が設置している既存の駐車場やトイレ、園路があり、これらの既存施設を把握します。また、国立公園を訪れる人に国立公園であることを宣伝していくために、このような看板標識を設置していくということを考えております。

 安波園地は、カヌー利用やガイド同伴の生き物観察、ガイドウオークやエコツアー等が行われているところで、国頭村と環境省で執行する予定となっております。

 六田原園地は大宜味村と環境省で執行いたします。

 慶佐次園地はマングローブ群落が形成されているところで、ミナミトビハゼ等の水生生物を観察することができます。カヌーによるエコツアー等も行われておりまして、年間利用者数が5.7万人。同じように新規指定に伴って、標識等を整備したいと考えております。

 やんばる国立公園で新規に決定する案件は以上です。申し訳ありません。先ほど資料の説明を忘れておりまして、資料1-3(別紙2-2)と書いておりまして、先ほどの十和田八幡平と同じように、地図をつけてございます。これを見ていただければ、大体どのような位置関係にあってということがおわかりいただけるかと思います。この色が塗られている部分です。紫、オレンジ、緑とピンクに塗り分けられているのですけれども、そこが国立公園のエリアとなります。

 続きまして、西表石垣国立公園について、ご説明いたします。

 これも、計画の見直しに伴う事業決定です。

 まず、65番の白浜南風見線道路、車道54.4キロ、これも既存の道路で、大規模拡張に伴って、今回決定するものです。今まで国立公園のエリアの中にこの道路が含まれておりませんでした。国立公園のエリアが大規模拡張されたことで、この施設を把握する必要が出てきたものです。

 続いて、平久保園地です。この場所はちょうど石垣島の最北端の辺りになります。このようにサガリバナという植物が生えておりまして、地元の方が保全活動を行ったりしていて、新たな観光名所となっています。これについても既設の園路ですとか広場等がございますので、それらの施設を把握しまして、国立公園であることを示す看板等を整備していく予定です。

 以上で西表石垣について説明を終わります。

 これで、十和田八幡平、やんばる、西表石垣の三つの公園、これらは全て公園計画の変更に伴う決定ということになっております。

○公園計画専門官:国立公園課の小林です。先ほど、今回の公園事業の決定、変更、廃止と公園計画の決定・見直しとの関係についてご意見がございました。

 今、当課の松木からご説明させていただきましたやんばる国立公園と西表石垣国立公園の件につきまして、やんばる国立公園については、先月の6月の部会で、西表石垣国立公園は2月の部会で、公園計画についてご審議いただきました。その際、どのような議論があって、どのような考えで公園計画を決定、変更したかについて、補足で説明させていただきます。

 やんばる国立公園ですが、資料1-3の別紙2-2をご覧いただければと思います。

 こちらに記載しておりますのは、やんばる国立公園の利用の施設計画と保護規制計画です。今回は公園事業、特に利用の観点からですので、利用計画についてどのような考え方で位置づけているかということでございます。

 まず車道でございますが、国立公園を訪れる方がどの道を利用するか考えたときに、新たに道をつくって整備していくというよりは、既にある道で国立公園の利用のために利用者が使う道を、今回、国立公園の事業道路として計画に位置付けようというものでございます。

 そこで今回計画に位置づけたのは、赤く太い線のところでございます。実際は、多くの利用者の方は西側の国道58号線で周遊していくような形で訪れています。そして、そのまま辺戸岬まで行って戻ってしまう方もいれば、周遊して県道70号線や真ん中の県道2号線のやんばる横断道路を利用する方が多い状況です。こうした利用が多い道路で国立公園の中を通るものについては、公園計画に位置付けて、国立公園の利用のための施設としています。

 このほか、地図を見ていただきますと、国立公園の区域内に茶色い道がたくさんあるかと思います。実際、やんばるの森の中には林道が走っております。こうした林道について、公園の利用の計画に位置付け、公園事業道路にするのかということについて部会でご議論いただきました。

 林道は林業のための道路であり、この道をこれから使っていくことが、やんばるに住む生き物たちにどのような影響があるのか。例えば、ロードキルの問題がどんどん増えるのではないか、そうした議論や課題がございます。

 そこで、林道については、今後国立公園になって、さらに世界自然遺産を見据え場合にどのように利用をさせていくか、現在地元で検討が始まったところでございまして、その扱いは今後の課題ということで、今回は利用計画には位置付けておりません。

 施設計画については計画だけを位置付けたものもあるのですが、多くは既にある施設を、公園利用のための施設として計画に位置付けたものになります。今回、計画に位置付けるということはどういうことかといいますと、以前からある施設を国立公園のための施設に位置付けることによって、整備がしやすくなるというメリットがあります。自然の風景地を保全するために、要らない工作物を排除するというのが国立公園の考え方ですので、利用施設に位置付けないと、国立公園としては不要なものということになります。

 一方で、見え方や規模など自然に配慮したものにする必要はありますが、国立公園の利用に必要なものについてはしっかりと整備しますと。ただし、しっかりと色や形状は環境に配慮していこうというのが、利用施設計画となっております。

 今回、その中でも早急に整備を進めていく必要があるものについて、特に今回、看板案件が多かったですが、事業決定をして整備を進めていきたいというものであります。国立公園に指定され、お客さんが訪れたときに、ここがやんばる国立公園ですよとわかるような、そうした標識を整備するような必要がある場所については、早急に事業決定をさせていただきたいというのが、このやんばる国立公園の関係でございます。

 もう一方、西表石垣国立公園でございますが、資料1-3の別紙3-2をご覧いただければと思います。こちらについては、2月の部会で大規模拡張についてご説明させていただきました。西表島については、島の中央部の一部、島全体の3分の1ほどが国立公園の区域でした。

 西表島にはイリオモテヤマネコが多く生息していて、近年の調査結果から、イリオモテヤマネコの生息環境は、西表島全島にわたっているということがわかりました。こうしたことも踏まえまして、この西表島全域の保全強化ということで、ほぼ西表島全域を国立公園化しました。それに伴いまして、西表島の主要な幹線道路である白浜南風見線も国立公園の区域に入りましたので、これを国立公園の利用のための道路として公園計画に位置付けました。公園計画に位置付けましたので、今回、その計画に基づいて、事業の規模や車道の幅や路線の長さをどうするかなど具体的な規模を決める事業決定を今回させていただいたところでございます。

 また、石垣島の変更につきましては、平久保という場所に、先ほど松木からもご説明させていただきましたとおり、サガリバナの大群落が近年発見されました。今後、このサガリバナの大群落の保全を図るということで国立公園の区域に編入しております。また、地域の観光資源としても活かしていこうということで、利用のための施設を公園計画に位置付けております。既に、地元の方が作った園路などもあるのですが、しっかりと自然環境に配慮しながら国立公園の利用のための施設として整備していこうということで園地計画を位置付けさせていただいたところです。

 このように、公園計画に基づいて、具体的にどのような規模の整備を行っていくのかということが事業決定になります。公園計画と事業決定の関係についてのご説明は以上になります。

○生態系事業係長:では、個別案件に移りたいと思いますので、前のパワーポイントをご覧ください。お手元の資料で言いますと、資料のカラー刷りのものです。

 最初は、三陸復興国立公園の竹浦・出島線道路(車道)でございます。これは、女川湾に出島という島がありまして、ここの車道です。荒々しい海食崖ですとか周辺島嶼が鑑賞でき、ダイビングやシーカヤックなどの利用が行われているところでして、ここの部分について、車道事業を変更するというものです。変更するのは、路線距離は1.5キロで変わりないですけれども、有効幅員を、2.5から4.0メートルだったものを、5.5メートルに拡幅するものです。

 この拡幅の意味合いですけれども、今のところ、出島に拠点施設といったものはないのですけれども、海域ではシーカヤックなどを目的に年間200人程度利用されております。道路開通後、観光客が増加することが予想されております。そのため、今現在、地元の行政機関ですとか観光協会、事業者が参画する管理運営計画の検討会を行っておりまして、その中でここをこうした形で利用していきたいということがございます。

 また、津波の際の避難をするための道路としても、やはり、有効幅員を確保することが極めて重要でございます。公園利用者がもしここに行ったときに、避難経路として使うという意味合いもございます。

 続いて、尾瀬国立公園の御池大杉線道路は檜枝岐村のものになりますが、会津駒ヶ岳から燧ケ岳の縦走ルートとして利用されているものです。ご覧いただければわかると思いますが、普通の一般的な登山道です。これは、国立公園の指定以前から檜枝岐村が標識を設置し管理していたのですが、公園事業としては把握しておりませんでした。なおかつ施設が老朽化して、このように倒れた看板ですとか、そういったものが多い状況であることから、今回、事業決定をし、把握するものであります。

 続いて、同じく尾瀬国立公園の燧ケ岳登山線道路は路線距離を変更するものです。御池及び尾瀬ヶ原から燧ケ岳に登る登山道ですが、平成25年9月の集中豪雨の影響で土石流が発生しまして、1.7キロにわたって被災しました。安定した地盤である尾根沿いへルートを変更するということで、今回、公園計画の変更を行いたいと考えております。前の道路がブルーの点線で示している部分で、このように被災してしまっております。このルートは谷を登っていくルートですが、それを、この南側の尾根を伝うルートに変えるというものです。

 続きまして、秩父多摩甲斐国立公園の三ツ沢日の出山線道路です。これは東京都の日の出町のところですが、近年、年間利用者数が増大しておりまして、登山道の整備が必要になってきています。今後、適正な管理の上でもこういったものをつくる必要があるということで、ベンチや木製階段の新設を予定しております。

 続いて、富士箱根伊豆国立公園の紅葉ヶ丘宿舎事業です。場所は強羅からも近い場所ですけども、箱根町における大きな集落である千石原と宮城野の中間に位置しており、アクセスが良好な場所です。なお、箱根の観光客数は平成26年度で2,000万人を超えているという状況でございます。

 今回変更する内容は、宿舎の再整備で、決定規模を今まで最大宿泊者数が355人だったものを705人に増やすものです。既存の施設がここにございまして、こちらの最大宿泊者数、要するに、収容人数の限界が355人なのですが、こちらに新たに宿泊施設を計画しています。ただし、ここの場所というのは既に施設がございまして、その整備箇所に宿泊施設を増築するものになります。今まで使われずに置かれていたもので、新たな造成を行わないことから、風致上の支障や自然環境への影響は少ないと考えられます。箱根を訪れる観光客数がどんどん増大していく中で、公園の適正利用に資すると考えております。

 続きまして、吉野熊野国立公園、和歌山の夏山園地の変更です。これは、津波から避難できる高台がなく、利用が限定的となっておりまして、学習の場などに利用できなくなっていたので、区域面積を2ヘクタールから4ヘクタールに増やすものです。周辺にはタブノキの巨木群落や昆虫等が生息する湿地があり、このような非常にすばらしい景観が広がっています。既存の執行区域では津波等の緊急避難時に利用できるよう、かさ上げ、芝生広場等の園地整備が進んでおります。今回は、隣接する区域においてもそういった豊かな自然環境に触れ合える環境整備を行うということで、自然観察路の整備、保護ゾーンの確保を図りたいと考えております。

 続いて、大山隠岐国立公園の大山寺スキー場の変更でございます。これは、スキー場のアクセス道路に課題がございまして、そのアクセス道路を改善するものです。スキー場間の谷の部分を公園事業区域に加えて既存の連絡通路を位置づけるとともに、新たに連絡通路を整備することによってアクセス環境を改善するというものです。今、どのような状況になっているかといいますと、二つのスキー場がありますが、ここがつながっておりません。これらをつなぐ通路をこの破線部分につくるというものです。樹木が生えているところは極力避けるようにして整備するものですので、自然環境への影響はほとんどないものです。

 最後に、56、57で、竜串の野営場と園地です。野営場の決定と園地の変更を行うものです。今まで、これは集団施設地区になっているのですが、この黒で囲ったエリアが園地のエリアになっており、この緑に塗ってある部分を今回、野営場として新たに決定するものです。周辺海岸での海水浴やダイビング、グラスボート等でサンゴ景観を楽しむことができるような利用の拠点になっておりまして、滞在型の利用を増加させるために再整備するものです。

 現状、利用者数が伸び悩んできており、宿泊施設もほとんどありません。そういった状況の中で滞在型の施設を増やし、公園の利用者数増加が期待できるものです。規模も、適正に定められており、図にお示ししたような整備計画が立っております。以上で説明を終わります。

○下村小委員長:ありがとうございました。

 やんばる国立公園と西表石垣国立公園については補足の説明もしていただきました。

 後半の説明に対してご質問、ご意見はございますでしょうか。それでは、敷田委員お願いします。

○敷田委員:説明ありがとうございました。

 まず、59番のやんばる国立公園の海岸線を走っている道路ですけども、理由のところに、「道路から自然海岸等の国立公園の景観資源を眺望できる」となっていますが、本体資料の163ページの地図を見ると、海岸線を走っているところは、ほとんど道路が海岸線上を走っており、自然海岸ではないので、理由としては非常に大げさではないでしょうか。海岸景観が見えるというのはわかるのですが、環境省の視点からいくと、海岸線に並行して道路が走っている場合は自然海岸と考えていないはずなので、理由としてあまり適切ではないと思います。現地の状況を教えていただけますか。それが1点目です。

 次に、55番の大山隠岐国立公園のスキー場ですが、利用者がアクセスを改善してくれと言っているとの根拠は27年の利用者アンケートと書いてあるのですが、19万人のうちの、ちょうど100人を抜き取ったアンケートというのは非常に不思議な気がします。また、55人というのは、45人は別に気にしていないのではないかという見方もできると思います。これはどういうアンケートであって、具体的に意見と書いてありますが、どのような改善を望んでいるのでしょうか。むしろ事業者側がこういうことに気が付いていて、確認のためのアンケートということなら理解ができるのですが、これを根拠にというのは非常に奇異な感じがいたします。

 それから3点目、細かいところですけども、足摺宇和海国立公園のキャンプ場の整備ですが、航空写真を見ますと宿泊棟がありますが、本体冊子を見ますと、宿泊者数は変わっていないので、既存施設と考えてよろしいですか。追加になるのは完全に野営場であり、駐車場の野営場への振り替えと考えてよろしいですか。以上3点、よろしくお願いします。

○下村小委員長:それでは、関委員お願いします

○関委員:ご説明ありがとうございました。

 本筋から少し逸れている質問かもしれませんが、私は、ハードや資源の管理ですとか維持に関するものについてお聞きしたいことがあります。どの国立公園の説明の中でも、ソフトに関する情報というのはすごく気になるところで、ソフトプログラムですとかエコツアーが訪問される方の訪問の質にかなり影響するのではないかと思っているので、ぜひ情報が欲しいところなのですが、その中でも、やんばる国立公園で利用者数が多いというお話があり、エコツアーで約6万人というお話がありました。これらは、近年増加傾向にあるのかどうか、あるいはエコツアーを行っているのは地元の方々でしょうか、または東京から流入されている方々、あるいは、東京と地元の方が組んで拡充しているような状況があるのでしょうか。

 おそらく外国人のお客さんが増えているかと思うのですが、それらの対応で何か主立ったことがありましたら、ぜひ教えてください。以上です。

○下村小委員長:続いて、辻本委員お願いします。

○辻本委員:大山隠岐国立公園のスキー場について、区域を拡張されたと言われたのだけど、国立公園区域の中で公園事業を行う区域を拡大されたのか、または国立公園の区域でなかったところを新たに国立公園の区域に入れて、なおかつ事業区域として設定されたのかということの質問です。

 うがった見方ですが、国立公園区域の中でこうした事業区域を指定しなければ、バイパスしか道路ができなかったからそうされたのか。それとも、道路とうまく組み合わせて国立公園の区域を拡大されたのか、どのような戦略で議論されたのかを教えていただきたいということが1点です。

 もう一つは尾瀬国立公園で土石流が発生し、被害を受けた道路を付け替えるということですけども、公園の道路とかは、個別に災害復旧という形をとらないで、このように、ある程度時間が経った後、ほかの整備事業と一緒に災害復旧として実施されるのでしょうか。どのような問題が起きて事業決定されるのかという話に、計画に基づいて事業決定していくという話と、災害があったときに災害復旧と、普通の公共事業なら災害復旧で実施できるようなものがこの場に上がってくるということは、災害復旧という仕組みがないのでしょうか。それと関連して、維持管理をどのように考えてきたのでしょうか。先ほども、非常に長い間の中に劣化しているものがあるという話がありましたが、こうした事業を実施したときの維持管理や経年的な劣化に対する維持管理とともに、災害復旧しなければならないものも含めての維持管理ということで、お伺いしたいと思います。

○下村小委員長:それでは、江﨑委員、中村委員、宮本委員の順番でお願いします。

○江﨑委員:私からはお願いですけれども、看板の整備の件が結構あったかと思いますが、最近、海外の方々がたくさんお越しになるということで、多言語表記をされるかと思います。そのときに、地域の中で観光の視点から統一されている表記と、環境省で表記されるものがたまに違う場合があります。前にもお話をしたかなと思うのですが、できるだけ同じような表記になるようにお願いしたいと思います。国立公園の表記の中で、どうしても国の統一性というものと、その地域の中での統一のルールが違ってくる場合があるので、そちらをどのように調整するのかというのは、難しいところとは思うのですが、利用者の観点から言うと、パンフレットによって表記が違うというようなことが出てくるので、その辺を注意していただけたらと思います。以上です。

○中村委員:先ほど補足で説明していただいた際の林道が気になって、今のところ、施設としては位置付けないということがわかったのですが、入れてしまえば、それはどんどん入っていくというのが普通だと思いますので、それまでの管理はどのように考えておられるのかを教えていただきたい。

 あとは、やんばる国立公園も含めて、国立公園内に民間の施設が結構あると思います。先ほどの温泉などもそうだったと思うのですけが、それを事業として国立公園内で実施する際に、そういった民間の施設について、どのような形で公園事業として捉えていくのか、役割分担的なものがわからなかったので、その辺を教えていただければと思います。以上です。

○宮本委員:49ページの石垣島の園地のお話ですけれども、二つ質問があります。

 一つは、ここは野営場としての利用はされていないのだろうかということです。もう1点は、夜間照明がどのようになっているのか。それが動植物に何らかの影響をしないのだろうかということが気になりましたので、教えていただきたいと思います。その理由は、サガリバナは夜中から明け方にかけて開花しますので、それを観察しようと思うと、おそらく利用がオーバーナイトになると思いました。それで、野営場としての利用があるのかどうか、それから照明がどうなっているのかということが気になった次第です。もし情報があれば教えてください。

○下村小委員長:よろしゅうございますか。それでは事務局からお答えをお願いします。

○公園計画専門官:ご質問がございましたやんばる国立公園の関係について、ご回答をさせていただきます。

 東海岸線道路について「自然海岸を観賞するため」というのは、少し書き過ぎではないかというようなご指摘だったと思います。お手元の資料に写真を幾つか載せさせていただいております。実際は、このようにやんばるの森の中を通るような場所や、一部開けた場所から海が眺められる形になっております。この海岸道路は海岸沿いを通っておりますが、護岸整備をされたような、いわゆる改良されたような海岸が続いているというわけではなくて、砂浜や崖のような海岸が続いておりますので、「自然海岸を観賞」と書かせて頂きました。そうした場所をこの道路の合間から見ることができる状況になっております。次にエコツアーですが、利用者はどうなっているのか、増加しているのか、また、誰がその事業を行っているのかというご指摘だったと思います。慶佐次の園地のお話だと思いますが、マングローブが広がっているような場所については、NPO法人の東村の観光推進協議会が管理を行っているところでございます。エコツアーなどの利用も、そのNPOなど地元の団体が中心となって行っているということでございます。利用者の推移については、沖縄県としては観光客の利用者数が近年増加傾向にございまして、やんばる地域についても、あわせて訪れているお客さんも増えている傾向にはございます。利用者については徐々に増えてきていると認識しております。

 次に中村先生からいただきました、やんばるの林道についてでございます。

 ご指摘のとおり、現状、やんばるの林道については誰もが自由に入れてしまうような状況です。この現状については、地元もこのままでいいのかどうかを検討しているところで、どのようにするかはまだ決まっておりませんが、林道の通行を許可制にすることや、エコツアーだけ通行させる、そういう利用もあるのではないかという意見も出ていると聞いております。まさに今、地元で検討が始まったところでございます。

 続きまして、石垣島の園地について、現状、野営場としての利用はされているのかというご質問でございました。野営場的な利用は、ここの場所ではされてはおりません。今あるのは、地元の方がつくった歩道があるような状況でございまして、そこで泊まる、キャンプをするというような形では利用されておりません。

 夜間照明については、おそらくなかったと思いますが、この点につきましては、現地に確認をさせていただいて、後ほど、ご回答させていただくというような形で対応させていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(平久保のサガリバナでは夜間のライトアップは実施していない。(後日確認済))

○生態系事業係長:残りのご指摘の件ですけれども、大山寺のスキー場について、理由が不明確であるというご指摘を敷田先生からいただきました。利用者アンケートの詳細については、現地に問い合わせたいと考えております。それが理由として適切なのかどうか確認したいと思います。

(鳥取県が今後の大山スキー場の活性化を図る基礎資料を得るために実施。ランダムサンプリングでスキー利用に関する詳細な対面アンケートを行う中で、半数以上がアクセス改善を望んでいたもの。(後日確認済))

 大山寺については、辻本委員からも拡張とはどういうことなのかということでご指摘をいただきました。拡張とここに書いてしまっているのですけれども、これは、国立公園の区域からはみ出すものではなくて、国立公園の区域内、集団施設地区内での面積が増えるという意味で拡張と書かせて頂いております。もともとこういった利用施設として使われているというのがございまして、バイパスの整備ということで、利用者の利便に資するということになります。支障木の伐採等はほとんど行いませんので、先ほどの敷田先生からのご指摘のとおり、ちょっとその理由としてどうなのかというご指摘がございました。(利用者が)19万人いるうちの(抽出した数が)55人だったら、意味がないだろうというご指摘は誠にそのとおりだと思います。そういったこともあるのですけども、もともと利用施設であるということ、スキー利用も自然を楽しむということかと思いますので、そういった意味で、このバイパスの整備については問題ないと考えております。

 最後の竜串の野営場の件ですが、敷田先生からご指摘のあったとおり、これは全て既設のものになっており、それを再整備することになっております。

 なお、私が既設と申し上げたのは、あくまで敷地の件になります。コテージ等は新設するものです。

 尾瀬については、災害が起こった際にどのようにするのかというご指摘がありましたが、災害が生じた場合は、その都度対応しているというのが現状です。そこが崩れたのであれば応急処置をして、何とか歩けるようにするというような形で対応をしているのが大体のケースだと思います。ただ、今回のように1.7キロにわたって崩壊してしまうと、これはもう動線を変えるということになります。新たに設計をし直して、かなりの工事を行って、道としてきちんと維持していくということが必要になります。

 維持管理については、事業執行者としては歩道の安全確保をきちんと行っていかなければなりませんので、その都度対応しながら壊れた部分については応急的に使えるようにしつつも、線形に関わるということを踏まえて、公園事業としてきちんと把握し直すという手続となっております。

○国立公園課長補佐:続きまして、江﨑委員からインバウンド関係ということでご質問がございました。この後の報告でも1点ございますけれども、国立公園におけるインバウンド対応は大変重要なことと認識をしておりまして、今、まさに取組を進めているところでございます。特に、表記につきましては大変重要な問題だと思っておりますので、そこは環境省、出先の事務所も含めて、よく地元でも相談をしていただいて、よりわかりやすい表現になるように工夫をしていく必要があると思っております。よろしくお願いします。

○国立公園課長:1点だけ補足説明ですけど、先ほどの大山隠岐国立公園のスキー場ですが、近年、スキー客が全国的に減少しておりまして、スキー場の閉鎖が相次いでおります。このスキー場につきましても、二つのスキー場の連携をよくするということは、おそらく事業者からも要請があり、これは経営の安定化ということもあります。このアンケートをとったのは、おそらく、事業者の言い分だけではないということを利用者の側からも確認したということで、約50%の利用者から、そういう連絡性があったほうが良いということを念のために確認したというものだと捉えております。ですので、利用者側と経営者側の両者から見て、小規模な行為でもありますし、認めていきたい。そういったことでご理解いただければと思います。

○下村小委員長:広田委員お願いします。

○広田委員:質問が一つと、意見、感想ですけども、やんばるの林道の件は私も非常に気になったのですが、先ほどのご回答で少し安心しています。地元でのそういう意見、合意形成に、環境省として自然保護、それから、利用促進の観点から関わる術があるのかというのが質問です。せっかく地元でそういう議論があるのであれば、非常に好ましい議論だと思うので、環境省なり本日の委員会などが後押しするようなことができるのかという質問です。

 もう1点は感想、意見ですけども、先ほどから出ているように、この小委員会の役割に関わることでして、地元や関係機関の合意形成が整った案件が出てきているわけですから、我々が短い時間で限られた情報の中で、基本的にはそれを認めるしかないと思うのですが、ただ、こういう資料を見せられると、具体的な整備の方法や内容とかで気になるところも出てきてしまいます。

 例えば、54番の吉野熊野国立公園の夏山園地です。広場をかさ上げして観賞路をつくろうという話ですが、これはイメージ写真だと思うのですけど、こういう巨大なタブノキがある中でどう見せるかというのは、まさに自然公園の価値に関わる部分だと思います。私が知っているほかの国立公園も、一種の過剰整備というか、木道をつくり過ぎたり、こんな良い場所にこんなものをつくる必要ないとか、そうしたものはよく目にします。例えば、整備すること自体は悪いわけではないし、良いのですけども、その場所の価値を高めるような整備をする必要があると思います。そうなると、本日の会議の場だけでは議論指摘はできないわけです。改めて、こういう場での我々の役割は何だろうかということを少し感じたので、感想を述べさせていただきました。以上です。

○公園計画専門官:広田先生からいただきました、やんばるの関係で環境省が関わることがあるかどうかというご質問ですが、国立公園には環境省の自然保護官という者がおりまして、やんばる地域についても自然保護官2名がおります。一人は野生生物、もう一人は国立公園関係を担当しております。その現地の保護官が利用のあり方をどうするか、エコツアーをどうするか、地元の会議にもメンバーとして参加して、また、そうした仕事だけでなく、日ごろから地元の中で一緒に考えさせていただいておりますので、当然そこは関わらせていただいているというところでございます。

○下村小委員長:よろしゅうございますか。

 やはり、いつもここでの議論をいかにすべきかということが話題になって、なかなか難しいのですが、いずれにしても、なぜそういう事業をここで決定、変更しなければいけないのかということと、その変更、決定により周辺にどのような影響が出てくるかというところにご関心が高いようですので、短い時間なのでなかなか難しいのですけれども、端的に資料作成をお願いしていきたいと思います。

 議事(1)について、一通りご説明をいただきました。諮問を受けた「国立公園事業の決定、廃止及び変更」について、このとおり承認をさせていただきましてよろしゅうございますか、異議はございませんでしょうか。

(異議なし)

 それでは、適当と認めたいと思います。

 時間が参ってはおりますけれども、その他ということで、事務局からご報告をお願いいたします。

○国立公園課長補佐:国立公園課の水﨑と申します。資料2の国立公園満喫プロジェクトにつきまして、ご説明させていただきます。

 現在、環境省では、2020年までに全国の国立公園の外国人利用者数を430万人から1,000万人に増やそうというプロジェクトを進めております。この中では、今回ご指摘いただいた過剰整備などにもしっかり気をつけた上でということで考えております。

 位置付けについて、資料2でございますが、こちらは、政府全体で「明日の日本を支える観光ビジョン」というものを決定して、今年の3月30日に策定してございます。この中で、「国立公園を世界水準のナショナルパークへ」と書いておりますとおり、観光ビジョンの中の一つとして、冒頭の1,000万人を目指すというプロジェクトを位置付けております。

 めくっていただきまして、先ほどとほぼ同じ内容でございますけれども、こちらについても観光ビジョンの施策の一つとして、国立公園のインバウンドについての対策があるということでございます。

 資料の3枚目は、観光ビジョンで掲げられている目標ですけれども、まず、訪日外国人旅行者数ですが、日本全体で申し上げますと、現在、およそ2,000万人来ていただいております。オレンジ色の訪日外国人旅行者数のところでございますけれども、今、2,000万人のものを2020年までには4,000万人に増やそうというのが日本全体の方針でございます。この中で、国立公園においては、現在430万人というものを、2020年に1,000万人にしようという目標でございます。

 4枚目、最後の資料は、国立公園の満喫プロジェクトの概要でございます。左に背景が書いてございますけれども、アメリカと比べますと、ご承知のとおり、アメリカの国立公園は全て国有地となっております。一方で、日本は私有地等に規制をかけているという大きな違いがございます。そうした中で、アメリカの良いところは参考にしつつ、日本につきましては人の暮らしと文化、こうしたもののよさもあるということで、こうしたところを日本の国立公園のブランドとして打ち出していきたいと考えております。

 一方で、アメリカなどと比べまして、ナショナルパークと言ったときに、ヨセミテやイエローストーンほどの認知度といいますか、ブランドというものが、今、日本の国立公園には不足していると考えておりますので、こうしたブランド力を高めていきたいということでございます。

 右側がプロジェクトの具体の取組でございますが、まずは5カ所程度の国立公園を選定させていただきまして、集中的に取組を実施していきたいと考えてございます。具体の取組につきましては、様々書いてございますけれども、例えば、海外への情報発信の強化ですとか、あるいは、上質感の創出、まちなみ景観の形成のところに書いておりますように、観光ビジョンにぶら下がる施策でございますので、観光庁や国交省など、他省庁ともよく連携をした上で取組を進めていきたいと考えております。

 また、右下の青いところに書いてございますけれども、公園ごとに地元の関係者も含めた地域協議会というものをつくりまして、こちらで地元の方と一緒に議論しながら、どういうことを行っていくか、5カ所程度の公園を選定した後に進めて行きたいと考えております。さらには5カ所程度での成果を全国の国立公園に展開をしていくということを考えてございます。こちらは、どうしても数値目標が目についてしまいますけれども、決してマスツーリズムを推進するというような方向性ではなくて、個人旅行者向けの質の高い国立公園の体験といったもの、そういった磨き上げをしていきたいと考えております。当然、オーバーユースにも十分に配慮した形で進めたいと考えております。

 現在の状況でございますけれども、別途、有識者会議を設けておりまして、5月、6月に既に会議を開催しております。最後、夏頃に第3回目の会議を開催しまして、5カ所程度の公園を夏頃までに選定したいと考えております。その後、地域協議会を公園ごとにつくりまして、具体的な取組を推進していくことで考えております。説明は以上になります。

○下村小委員長:どうもありがとうございました。

 ただいまのご報告につきまして、何かご質問、ご意見はございますでしょうか。

 堀内委員お願いします。

○堀内委員:今後の満喫プロジェクトの5カ所の選定の件ですが、国立公園に指定されている自治体協議会の会長という立場で発言しますが、32カ所ある国立公園の中で、ある意味では、世界から見たら日本の狭いエリアにたくさんの国立公園や世界遺産、ジオパークがそれぞれたくさんあり過ぎ、わからないというような意見があります。少し地域ごとにグループ分けしながら発信していくことが大変重要ではないかと思っておりますので、国立公園5カ所を国立公園の単位で選ぶのか、あるいは、もう少しグループ分けしながら発信をしていくのかということは、十分検討していただきたいと思います。

 もう1点、全体として今、我々自治体では29年度予算に対する国への様々な要望をしておりますが、非常に厳しいです。財政規律をしっかりと堅持するという政府の姿勢が浸透しております。すなわち、環境省においても予算を確保するということが最も大事で、そのための働きかけをもう少し組織的にやっていかなければ、大変厳しい状況になるのではないかと思っておりますので、我々協議会においても十分相談させていただきますが、もう少し政府なり、財務省なりに働きかけを強くしていかなければならないのではないかと思っておりますので、その点は十分頑張っていただきたいと思います。

○下村小委員長:広田委員お願いします。

○広田委員:手短に、2点あります。

 1点は、資料の現状とポテンシャルのところで、日本と北米の国立公園を比較されていますが、ヨーロッパの国立公園と比較すべきだと思います。同じ地域性ですし、いわゆる民有地をたくさん抱えて共同型の国立公園を持っているのはヨーロッパで、日本がお手本になるような非常にすばらしいマネジメントを行っているので、北米と日本を比べてしまうと、方向性が間違ってしまうのではないかということが気になりました。

 もう1点は、保護すべき区域と観光に活用する区域の明確化、これはすごく重要だと思いまして、ツーリズムや過剰整備は注意するということでしたけれども、そもそもの国立公園の価値を守るべく、原生的な自然風景を楽しむところは、やっぱりそれなりの整備というか保護が必要なわけですから、ぜひこういったゾーニングは意識して取り組んでいただければと思います。以上です。

○下村小委員長:よろしゅうございますか。何かございますか。

○国立公園課長:ご指摘ありがとうございます。今いただいたご意見を参考にさせていただきたいと思います。

 また、堀内委員からのご指摘でございますけれども、またぜひいろいろとお力添え、ご協力をいただきながらと思っております。少し地域をまとめてPRしていくべきではないかということにつきましては、例えば、今回の政府全体のこのビジョンにつきましても、例えば、広域観光圏ルートとの連携であるとか、政府全体で連携をしっかりと図れということを言われておりますので、そうした視点からも、ある程度広域な範囲をまとめて打ち出していくということは、今、委員ご指摘のとおりかと思います。

 5カ所程度と申し上げましたが、最終的には全国の国立公園にこうした先導的な取組を拡げていくことが目的でございますので、決してこの5カ所だけを対象に行うということはないと考えております。以上でございます。

○下村小委員長:どうもありがとうございました。よろしゅうございますか。

 少し議論が延びてしまいました。ただ、議論していただくことはとても重要かと思います。先ほど広田委員がおっしゃったように、議事録にとどめていただくということはとても重要で、ここで事業の詳細までは検討できませんけども、どういう留意点をお願いするかということはぜひご発言をいただいて、議事録に書かれていれば事務局にご対応いただけるかと思いますので、そうした役割も含めて今後もご議論をお願いしたいと思います。

 以上で予定しておりました案件の審議は終了いたしました。

 審議へのご協力、ありがとうございました。

 それでは、事務局に進行をお戻しします。

○司会:ありがとうございました。

 委員の皆様、長時間にわたりご審議いただきまして、ありがとうございました。本日配付の資料につきまして、郵送をご希望の場合には、お手元の用紙にご記入の上、置いていただければ、後ほど事務局のから郵送させていただきます。

 以上で本日の議題は終了でございます。本日はどうもありがとうございました。

午後0時13分 閉会

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