中央環境審議会 自然環境部会 自然公園等小委員会(第29回) 議事録

1.開催日時

平成26年12月24日(水)13:00~16:00

2.開催場所

環境省第二・三会議室(19階)

3.議題

1.開会

2.議事

(1)自然公園等小委員会の設置について

(2)国立及び国定公園の公園区域及び公園計画の変更について

  • ・明治の森高尾国定公園
  • ・富士箱根伊豆国立公園(箱根地域)
  • ・鈴鹿国定公園

(3)生態系維持回復事業計画の策定について

  • ・知床国立公園
  • ・白山国立公園

(4)国立公園事業の決定、廃止及び変更について

  • ・大雪山国立公園
  • ・磐梯朝日国立公園
  • ・上信越高原国立公園
  • ・秩父多摩甲斐国立公園
  • ・富士箱根伊豆国立公園
  • ・中部山岳国立公園
  • ・山陰海岸国立公園
  • ・雲仙天草国立公園
  • ・霧島錦江湾国立公園
  • ・慶良間諸島国立公園

(5)尾瀬国立公園(大清水口)における「尾瀬らしい自動車利用社会実験」を踏まえた今後の低公害車運行について

(6)崎山湾自然環境保全地域の区域の拡張及び保全計画の変更について>

3.閉会

4.議事録

午後1時00分 開会

○司会:お待たせしました。それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然公園等小委員会を始めます。

 開催に先立ちまして、本日の出席委員のご報告をさせていただきます。本日は、所属の委員、臨時委員19名のうち14名のご出席をいただいておりますので、本委員会は成立しております。

 続きまして、本日の審議のためにお手元にお配りしております資料について、配付一覧どおりとなっておりますが、ご確認させていただきます。

 議事(1)関係でございますが、資料1-1として、一枚紙、両面のものがございます。続きまして、議事(2)関係といたしまして、こちらの一覧表には掲載しておりませんが、カラーの一枚紙で、公園計画と公園事業の決定についてという一枚紙がございます。その下に、資料2-1、これはちょっと厚いですが、別添として別添1、別添2、別添3とございます。その後、資料2から資料8まで。これが議事(2)の関係になります。続きまして、資料3、議事(3)の関係でございます。資料3-1から資料3-4。別添が知床国立公園、別添1と別添2。別添と別添2という記載になっております。あと、白山国立公園のほうも、別添と別添2がございます。続きまして、議事(4)関係でございますが、資料4-1、その別添。あと、資料4-2、4-3とございます。続きまして、議事(5)関係でございますが、資料5-1。議事(6)関係でございますが、資料6-1、その別添と資料6-2になります。もし配付漏れ等がございましたら、事務局のほうにお申し出ください。

 それでは、まず初めに、自然環境局長の塚本よりご挨拶申し上げます。

○自然環境局長:皆さん、こんにちは。自然環境局長、塚本でございます。今日は年末のお忙しい中、またとても寒くなりましたが、お寒い中をご出席いただきまして、本当にどうもありがとうございます。

 後で担当のほうから詳しく内容は説明がありますけども、今日は、大きくは報告が二つと諮問が四つございます。報告は、諮問の一つに、崎山湾の自然環境保全地域の区域に変更がありまして、これをこの委員会で決定していただくということの決定を部会で決めていただきましたので、その報告でございます。崎山湾については、自然環境保全地域の諮問が20年ぶりぐらいなものだそうですので、これを結構じっくり見ていただいてもいいかもしれません。

 それから、あと三つの諮問は、国立公園と国定公園の区域と公園計画の変更の件、それから、事業に関することが二つありまして、生態系回復事業と、それから利用に関します国立公園の事業という、これに関する諮問でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○司会:それでは、これよりの議事進行につきましては、下村小委員長のほうにお願いいたします。委員長、よろしくお願いいたします。

○下村小委員長:はい。どうも、暮れのお忙しい折にお集まりいただきまして、ありがとうございました。今、塚本局長からご説明していただきましたとおり、今回は、多様な案件で、かなり数が多うございます。暮れの、しかも今日はクリスマスイブでございまして、ご予定をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。段取りよく進めて、できるだけ早く終わらせていただきたいというふうに思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 本日の委員会は公開で行いますので、傍聴の方も同席されています。それで、会議録は後ほど事務局で作成いたしまして、本日ご出席の委員の了解をいただいた上で公開することになります。また、議事の要旨のほうにつきましては、事務局で作成いたしましたものを、私が、小委員長が了承した上で公開するということになりますので、この点はご了解を願いたいと思います。また、会議資料につきましても公開となっております。

 それでは、早速議事に入ってまいりたいと思います。

 最初の議題であります自然公園等小委員会の設置についてということで、事務局からご説明をお願いいたします。

○国立公園課課長補佐:事務局の長田でございます。早速ですが、資料1-1、一枚紙でございますが、これに基づきまして報告をさせていただきたいと思います。

 この会議は、これまで「自然公園小委員会」として開催をさせていただいて、ご審議いただいてきましたけれども、本日から「自然公園等小委員会」として、検討事項に一部を加えましてご審議をいただきたいということのご報告でございます。

 去る10月27日に、この上の部会に当たります自然環境部会において自然公園小委員会の役割についてご審議をいただきまして、新たに自然公園法に基づく案件に加えまして、自然環境保全法に基づきます事項についてもご審議をいただくということで、決定させていただきました。

 資料では、下線を引いてある部分について今回変更をさせていただいております。特に、ニ、ホ、ヘというふうに書いてある3項目が追加をされているわけでございますが、冒頭局長のご挨拶にもありましたように、約20年ぶりの自然環境保全地域の区域の変更の諮問が本日ございますけれども、これに先立ちまして、部会から小委員会に、検討する事項として、これらの地域の区域の変更、保全計画の変更等を加えております。あわせて、生態系維持回復事業計画の策定等についても、自然環境保全地域等についてはこの小委員会でご審議いただくということになっております。原生自然環境保全地域、自然環境保全地域につきましても、国立公園と同様に新規指定、その他の重要な案件については部会で引き続き直接ご審議をいただくということになっております。

 説明は以上でございます。

○下村小委員長:はい。どうもありがとうございました。自然環境保全法に関して、指定の後そんなに動いていなかったということで、審議する明確な位置づけが今まで十分でなかったということで、部会とそれからこの小委員会とでそれぞれ役割分担をするということで、後ほど、ですから議題の後ろのほうで、ひとつそれに関連する議題が出てまいりますけれども、「自然公園等小委員会」ということで、設置をこのような形にするということです。

 何かご質問、ご意見はございますでしょうか。よろしゅうございますか。

(了承)

○下村小委員長:はい。それでは、これはご報告でしたので、先に進めてまいりたいというふうに思います。

 それでは、次の、今度は諮問事項ですね。国立公園及び国定公園の公園区域及び公園計画の変更についてということで、これも事務局から説明をお願いいたします。

○国立公園課公園計画専門官:国立公園課の浪花と申します。私のほうから、国立公園の計画の変更についてご説明させていただきたいと思います。

 まずは資料2-1をご覧ください。こちらが大臣から中央環境審議会宛ての諮問文書になっておりまして、本日は三つの国立・国定公園の公園計画の変更、並びに明治の森高尾につきましては、公園区域の変更についても諮問させていただいております。

 説明の順番ですが、明治の森高尾国定公園から先に説明させていただきまして、その後、富士箱根伊豆、鈴鹿と説明させていただきたいと思います。また、資料番号はついておりませんが、こちらのカラーの一枚紙が入っているかと思います。こちらは前回7月の小委員会のときに公園計画と公園事業の決定のスキームについてご説明させていただいた資料になっておりますので、本日は時間の関係上、説明を割愛させていただきますが、参考としていただければと思います。

 それでは、資料2-3のスライドの資料を使いまして、高説明させていただきたいと思います。座って、失礼いたします。

 明治の森高尾国定公園ということで、皆さんご存じの方も多いかと思いますが、新宿から大体西へ1時間ほど電車に乗っていただきますと、八王子市の高尾山に到着します。この周辺を今、明治の森高尾国定公園として指定をしていますが、もともとは東京都立の高尾陣馬自然公園がもっと広い範囲で指定をされていたんですけども、こちらに書いてありますとおり、昭和42年、明治百年記念事業の一環ということで、この高尾山周辺区域をいわゆる分離独立させまして、国定公園として指定したのが始まりになっております。

 国定公園の面積要件は、通知上は1万ヘクタール以上となっておりますすが、この国定公園は、770ヘクタールという、極めて小さい国定公園というのが特徴になっております。

 これまで公園計画は大きな見直しはしておらず、昭和57年、平成4年に首都圏自然歩道、あるいは東海自然歩道の整備の関係で歩道計画の変更をしているという状況でして、大きな見直しは今回が初めてという状況になっています。

 自然環境の状況です。高尾山は標高599メートルで、構造山地です。火山ではございません。植生についても特徴的な植生を有していまして、暖温帯、暖かい気候のものと冷たい気候のものの中間に位置する場所でして、両方の植生が重なり合うという特徴があります。特に、稜線を挟んで北側に常緑広葉樹のウラジロガシであるとかアラカシなどが生育しており、南側にイヌブナ等落葉樹、広葉樹が生息するといった、まさに稜線を挟んで、気候帯が違う植物が見られるという特徴を持っております。

 かなり大きな部分は人工林が占めていますが、部分的に天然林も生育する環境になっております。また、先ほどご説明しましたとおり、両方の気候帯の中間に位置するということで、豊かな植物相があり、大体1600種と言われております。それに伴って昆虫相も豊かで、大体5,000種から6,000種が確認されており、京都の貴船と大阪の箕面、そしてここ高尾がいわゆる昆虫の三大生息地とも言われている場所になっております。

 また、文化的な景観ということで、今から1200年以上前に高尾山に薬王院というものが開山していまして、それ以来、古くから山岳信仰としての文化も栄えておりまして、それに伴って、社寺林という形で周辺の自然環境が守られてきた歴史もございます。

 こちらが高尾山の一番メーンのケーブルカーの入り口から山頂までの歩道の状況を表しているものですが、見ていただければわかるとおり、複数の歩道が密度濃く配置されているというのが特徴になっており、それぞれのコースで違った見どころを設けて楽しんでいただくために当時多くの歩道を整備したという状況になっています。

 例えば、写真にありますとおり、1号路、右側の写真の真ん中になりますが、こちらは舗装がされている道路であったり、稲荷山コースのほうは自然歩道となっておりまして、路体、あるいは周りの自然環境もさまざまという状況になっております。また、山頂からは富士山も見られるということで、大変人気のある場所になっております。

 それによって、最近の利用状況が大きく変化してきております。特に、平成19年にミシュラン社が発行した「ミシュランガイド」で三つ星評価を受けたということは、報道関係でよく報道されていることだと思いますが、これに伴って大きく利用者が増加してきております。大体平成14年までは200万人前後で推移していましたが、徐々に増え始め、平成19年をきっかけにさらに増えて、この10年で利用者が2.5倍と急激に増えているという状況にあります。また、それに伴って利用者のニーズも多様化しておりまして、ここに書いてあるように、さまざまな関心を持たれている人々が高尾山を訪れているという状況にあります。

 それに伴って、今、自然環境上、特に利用者の増加に伴って植生への影響というのが見られております。左側の写真が園地の写真ですが、こちらも無尽蔵に踏み固められていて、下層植生がなくなっている状況になっています。また、右側のほうは、登山道の脇をこのような形で歩くことによって、裸地化が進んでおります。これに公園計画として対応していく必要があるということで、今回見直しを行っております。

 ここからは公園計画の話になります。

 まずは歩道ですけども、これまで歩道計画に位置づけられていない歩道というのがございました。それについては、きっちりと歩道計画に位置づけることによって、その植生を守るためのロープの設置であるとか歩道の整備を行って、裸地化を防いでいくということで、既存の歩道を公園計画に位置づけるという方針でございます。

 また、現在使用されていない歩道もあります。それは安全面の問題であるとか、あるいは利用者が、道が細いため入っていかなかったりなど等して、現在、どこにあるかわからないといった状態の道もございます。計画上だけ残っているという状況もあります。ここを再整備するという可能性もありますが今の利用の状態を推進する方向で進めることで、使用されていない歩道等への人の入り込みを防ぎ、裸地化を防ぎたいということで、現在使用されていない歩道、あるいは道の形のない歩道計画は削除しております。赤色が今回新しく追加する歩道、黄色が削除する歩道になっていまして、この一番上の点線の黄色と一番下の黄色の点線の歩道、ここはもともと歩道がなかったところに計画が落ちていまして、今回改めて東京都のほうで現地を調査したところ、安全面に問題があり、現在も使用されていないことから削除をした歩道です。

 実際、既にもうロープを張って植生回復を図っているところもあります。見ていただければわかるとおり、この赤い丸のところですね。もともとは裸地化していたところですが、ロープを張ることによって大分植生が戻ってきているという状況です。こういったことを歩道計画と位置づけることによって、公園に必要な施設、工作物としてロープを張って、植生の復元を図っていきたいというふうに考えております。

 また、こちらは歩道を木道として整備しているところで、このような整備によっても、周りに入らずにここを利用者が歩いてくれることで、回復を図れますので、このような歩道の整備を行っていきたいと考えております。

 以上の状況から、ロープを張ったりとか歩道を整備することで、利用者が増えている中、植生が回復してきていますので、新規の歩道をつくること、あるいは今歩道計画あってこれから新たに整備をすることは、現状は不要だと考えておりまして、今回、歩道の削除もすることといたしております。

 また、急激に利用者が増えた場合、登山道以外にも踏み入る可能性がありますので、そういったことに対して公園計画で対応していくために、植生復元施設を公園区域全域に計画をしております。これによって、歩道以外においても立ち入りロープや植生復元ロープを張って、植生の復元を図ることが可能になります。

 こちらはやや公園計画から外れますが、施設のみではなく、やはりソフトの面も重要というふうに考えております。高尾は東京都のビジターセンターがあって、東京都のレンジャーが毎日のように巡視をしていたり、あるいはボランティアの方に、自然解説や利用指導を行っていただいていますので、こういった方々の協力を得て、植生の復元もあわせて図っていきたいと考えております。

 利用施設計画になります。こちらは、赤で丸をつけているものは、既存の公園事業施設について、今まで公園事業として位置づけていなかったけれども新たに公園事業として位置づけたものです。利用者が増えてきた、あるいは利用者のニーズが多様化してきたといったときに、行為許可では規模等制限がございますので、公園に真に必要な施設として整備が可能になるように、新たに公園計画として既存の施設を位置づけるものになります。

 二つ、青い丸があります。こちらは既存の施設がないもので新たに位置づけたもので、一つはこの真ん中より左側にあります園地です。ここは富士山等の眺望の大変いいところですが、メーンの歩道がこの周りの中心からこちら側に向かってずっと歩道があるのですが、そちらとは少し離れたところに歩道が並行して走っており、そちらを通る方々の展望を確保するために、ここに園地を整備しました。よい風景が見られるということが利用者に認識されれば、利用の分散等に寄与するのではないかと考えております。

 また、一番東側の山麓に、こちらも園地を整備しております。こちらは展望園地ではなくて、主にパークボランティアの方が、自然ふれあい活動の拠点として利用者にメニューを提供できる場として園地を計画させていただいております。特に、こちらの右側が高尾山の駅になっており、特に利用者等のアクセスがよいことから、この山麓部分に、新しく環境学習ができる園地という形で整備をさせていただいております。

 最後になりますが、保護規制計画です。こちらについては、大きな変更はございません。例えば第1種特別地域につきましては、先ほど申しました暖温帯の植生と冷温帯の植生が比較的原生的な状態で見られるということで第1種特別地域になっておりまして、第3種特別地域は人工林あるいは雑木林といった林業の対象になっている地域です。第2種はその中間的な自然を有している地域ということで、こちらの部分については大きな変化はないということで、変更をかけておりません。

 ただ、1カ所だけ、こちらの公園の北側ですが、東京都の植生調査の中で、東京都のレッドリスト種が数種固まって見られるということで、こちらの部分につきましては第3種から第1種に今回、格上げをさせていただきました。

 また、最後になりますが、公園区域も今回諮問の対象となっておりまして、ちょっと見た目ではわからない程度ですけども、公園区域を修正しております。例えば、この地形(変換)界といって、地形が斜めから横に走っているようなところを地形(変換)界という形で捉えていましたが、そういったものが時代とともにわからなくなってきている部分がありましたので、明確にわかりやすい境界に変更しております。若干の面積の増加になっておりますが、大きな変更はございません。

 高尾山の説明については以上です。

 続きまして、富士箱根伊豆の説明をさせていただきます。

○国立公園課計画係長:公園課の尾﨑と申します。富士箱根国立公園(箱根地域)の公園計画の変更について説明いたします。

 富士箱根伊豆国立公園は、最初、昭和11年に富士山と箱根山の地域が富士箱根国立公園として指定されました。その後、昭和30年、伊豆半島地域を編入し、このときに富士箱根伊豆国立公園に名称を変更しております。その後、昭和39年、伊豆七島国定公園でありました伊豆諸島の地域を編入しております。面積は全体で約12万ヘクタール、うち箱根地域は約1万1,000ヘクタールです。

 富士箱根伊豆国立公園の概要といたしまして、皆さんもご存じのとおり、富士山を頂点といたしまして、そこに続く火山列島の景観、火山カルデラや半島、そのような火山の景観を構成した国立公園となっております。

 富士箱根伊豆国立公園の箱根地域の経緯ですけれども、指定以降、昭和50年に全般的な見直しを行い、その後、4回の公園計画の変更を行っております。今回は第5回目の点検となります。

 第5回の点検に当たって見直しを行ったところ、公園区域の変更はございません。公園計画の変更がありまして、ポイントは今お示ししている2点です。1点目が特別保護地区に隣接する特別地域の格上げです。仙石原という特別保護地区に隣接しております場所で、その場所と一体として風致景観が維持されているススキ草原と天然林の保護を図るために、特別地域の格上げを行うものです。2点目が集団施設地区の拡張です。特に利用者が多い湖尻集団施設地区というのがございまして、その利用者の利便性の向上を図るために、既存の宿舎敷地と隣接したエリアにおいて一体的な整備ができるように、この集団施設地区の拡張を行うものです。

 具体的な説明です。1点目にご説明いたしました地種区分の格上げについてです。この黄色い区域が特別保護地区でして、網掛けになっているところが、今回、第2種特別地域から特別保護地区に格上げする場所で、紫色がもともと第2種特別地域だった場所を第1種特別地域に格上げする場所です。黄色い第2種特別地域から特別保護地区に格上げする場所につきましては、もともとこの特別保護地区がススキ草原でして、このススキ草原と一体的な景観を維持する地域として、この13ヘクタールを第2種特別地域から特別保護地区に格上げするというものです。紫色の第1種特別地域に格上げするほうですが、こちらがこの紫の区域の南側に台ヶ岳がございまして、その北東斜面に位置するブナを中心とした落葉広葉樹の天然林が広がっている場所を、この台ヶ岳が第1種特別地域ですので、そこに隣接する場所を第1種特別地域として格上げするものです。

 それぞれの場所の写真です。今申しましたように、特別保護地区に格上げする場所がススキ草原と一体的な景観の場所で、第1種特別地域がブナを中心とした落葉広葉樹の天然林が広がる場所となっています。

 変更のもう1点目ですけれども、湖尻集団施設地区の区域の拡張です。湖尻集団施設地区は箱根地域において、特に利用者の多い場所となっております。この画面に示しております枠で囲った0.4ヘクタールを、利用者の利便性の向上を図るために、既存の宿舎敷地と隣接したエリアについて一体的な整備ができるように拡張するというものでございます。

 以上で富士箱根伊豆国立公園(箱根地域)の公園計画の変更についての説明は終わりまして、最後、鈴鹿国定公園の公園計画の変更についてご説明いたします。

 鈴鹿国定公園は昭和43年に指定され、三重県と滋賀県からなる国定公園です。面積は約3万ヘクタールとなっています。伊勢湾水系と琵琶湖水系を東西に分ける鈴鹿山脈の主稜線に位置しております。御池岳、藤原岳、御在所岳等から成る非火山性連峰です。また、この場所は本州で陸地幅が最も狭い部分に位置しております。この地形によって、日本海側からの冬の季節風、また太平洋や伊勢湾からの温暖な気候の影響を受ける等、それによって植物相が変化に富んだものとなっております。

 今回の公園計画の変更といたしましては、公園計画の一部変更として、生態系維持回復計画を追加するというものです。2000年代初頭ごろから、ニホンジカの採食圧により、貴重な植物やササ原の衰退等が見られまして、生態系への影響に対応するために今回の変更を行うものです。

 その背景としまして、幾つかご説明いたします。

 シカの生息域の拡大がございます。滋賀県・三重県においてそれぞれ調査されている結果、昭和56年や53年、昭和のときと比べて、平成22年度におきまして、それぞれほぼ全域にシカが分布しているというようなデータが出ております。

 また、シカの個体数の増加につきまして、滋賀県と三重県それぞれにおいて調査しておりますけれども、平成16年と平成22年度と比べると、ここ数年で2倍近く、また2倍以上に増加しているというような結果が出ております。

 また、植生への影響としまして一例を挙げますと、滋賀県においては、平成24年度に森林衰退度の調査を実施しております。鈴鹿山脈のほとんどの地域において下層植生が衰退しておりまして、表土の流出や土壌の侵食といったものも見られる状況になっています。また、ササが消滅し、シカが嫌う植物に遷移していたり、また、シカの剥皮被害等も見られています。

 また、外来種の侵入ということも背景にございます。シマリスが野生化していることや、またハルザキヤマガラシという、要注意外来生物に登録されているものが野生化し、繁茂しているような状況も見られています。

 以上のことから、今回、鈴鹿国定公園全域におきまして、鈴鹿生態系維持回復事業を追加するというものです。公園計画におきましては、名称、位置、方針を決めるものでして、この場所におきましても、今後、現状の調査や検討、シカの防除や外来種駆除、踏み荒らしの防止や表土の安定といった対策、モニタリング調査、実証実験等を行っていく予定でおります。

 以上で説明を終わります。

○下村小委員長:はい。どうもありがとうございました。三つの公園ですね、国立公園一つと国定公園二つ。しかもそれぞれちょっと、それぞれの事情でかなり変更等のポイントが違っており、ややこしいかと思います。

 まず、ご質問、ご意見等を受けて、それで事務局に答えていただくというスタイルをとりますけれども、ですから、まず委員の方から、ご質問のある方はこの名札を立てていただいて、一応全部ご質問を受けてから事務局に答えていただくというような形をとりたいというふうに思います。

 いかがでしょうか。それぞれ性格が違っておりますけど、何かご質問等はございますでしょうか。

 ほかはよろしいですか。じゃあ、まず、小泉(武)委員。

○小泉(武)委員:箱根の仙石原のところでちょっと教えてください。資料の一番最後のページで、仙石原のササとススキのところです。写真の右上のところ、仙石原が2特から特保になっているのですが、ここは最近火入れをしているように見えます。景観として目立つのですが、あの火入れというのは、これを踏まえてやっているのでしょうか。

○下村小委員長:それじゃ、続いて、大黒委員。

○大黒委員:すみません。明治の森高尾国定公園の公園施設計画の歩道の利用施設計画ですけども、植生の影響の軽減を図るための踏み入れ防止ロープという策の紹介がありましたけども、これは利用を禁止するだけで植生の回復が図れるのか、ここで何らかの修復のための手だてが必要なのかというところを教えていただきたいのと。あと、もう一点は小泉(武)委員と全く同じで、このススキ草原の維持ですね。何らかの管理がなされてこういう景観が保たれていて、この指定の変更によって、それが影響を受けないのかどうかということをお聞きしたいんです。

○下村小委員長:では、ともかく一旦ここで事務局のほうからお答え願えますでしょうか。

○国立公園課公園計画専門官:では、すみません。高尾のほうですけども、今のところは、利用は、ロープを張るだけで、今、回復してきているという状況ですので、新たに何か植栽とか、そういうことは考えておりません。

○国立公園課計画係長:仙石原のほうにつきましては、この今回拡張する区域も含めて、野焼きを行っている場所でございます。

○下村小委員長:ということですが、よろしゅうございますか。ほかに何か。

○小泉(透)委員:高尾のほうについてお伺いしたいのですが。ご存じのように東京都内のシカの分布は、かつての奥多摩から、現在、八王子方面に急速に拡大してきています。この高尾にも、もう入って定着するのではないかということが危惧されますが、この点について、植生の回復に関連して何か調査を行っているということはありますでしょうか。

○下村小委員長:あとはよろしいですか。じゃあ、中村委員。

○中村委員:すみません。委員会にちゃんと出てきていないからわからないのかもしれないんですけど、後で知床のほうでも出てくるんですけど、この鈴鹿のほうで生態系維持回復事業という事業が書かれているんですけど、これはいわゆる自然再生推進法みたいな、国立公園内でやられているものもありますよね。そういうのとこういう事業の仕分けというのは、どういう形でなっているのか。つながりなんかもあるのか、その辺も教えていただけたら。

○下村小委員長:よろしいですか。じゃあ、ちょっとレベルの違う質問ですけれども。

○国立公園課公園計画専門官:はい。シカのほうですけども、まだ入ってきていないという状況と聞いております。ただ、おっしゃるとおり、だんだんと来ているという状況で、まず公園計画上は自然再生施設計画を今回つくらせていただいたので、まずはその範囲の中で対応していきたいというふうに考えております。もしどんどん入ってくるという形になってくると、先ほどの鈴鹿のように生態系維持回復事業計画を策定するということも考えられると思います。

 それと、高尾は東京都レンジャーが毎日のように巡視しておりまして、毎年、年度報告をしていただいております。その中で植生の状況についても報告が入っていますので、引き続きそういった形でモニタリングしながら、シカの対応をしていきたいというふうに考えております。

 自然再生事業と生態系維持回復事業計画の違いなんですけども、確かになかなかわかりにくいところがあるんですが、位置づけとしては、自然再生事業は、過去にもう損なわれてしまったものをどうやって戻していくかというものが自然再生事業ということになっております。生態系維持回復事業計画は、まだ全部は壊れていませんと。まだ今壊れつつあるというところを、その生態系の壊れつつあるというものを、その途中段階からというか、被害の影響を軽減する形で何かしらの対策をするという、要は壊れたところをもとから戻すのかと、壊れていないまだ途中の段階、あるいは予防的な段階で対策を打つのかというのが大きな違いというふうになっております。

○下村小委員長:今の辺りのところ、どうですか。もう少し、自然再生事業もありますし、生態系維持回復事業もあるし、自然再生施設計画なんかもありますし、これを用意していただいていますよね。これは後で説明ですか。

○国立公園課公園計画専門官:いや、それはもう、今回は。

○下村小委員長:今回は説明しない。

○国立公園課公園計画専門官:はい。

○下村小委員長:もう少し簡単で結構ですけれども、ここの枠組みをご説明いただいたほうがわかりやすいかなとは思うんですけど。

○国立公園課公園計画専門官:自然再生の枠組みということですか。

○下村小委員長:計画と再生との関係とか、あるいは計画の中での施設計画もありますし、維持回復事業計画もありますし。

○国立公園課公園計画専門官:公園計画上はこちらの資料になっておりまして、例えば自然再生施設ということで、保護施設計画のほうの中に入っています。これが計画されると、要は自然再生に必要な施設というものを公園事業として位置づけるので、許可でできないような施設というものが実施できるようになります。

 例えば、最近で言うと、慶良間でサンゴ礁の保全のために自然再生施設というものを計画しているんですが、こちらにつきましては、サンゴを増殖するためのサンゴ礁の人工礁の施設の設置が可能になるというものになっております。

 生態系維持回復計画、こちらは施設ということではなくて、この計画を立てることによって、例えばシカの捕獲とかそういったものが不要許可になったりとか、まさにこの回復計画を、今回、今、鈴鹿のほうで位置づけた後、事業計画を今回初めて国定公園、県のほうで策定するという形になるんですが、その項につきまして、自然公園法の許可が一律不要になるという位置づけの整理になっております。

○下村小委員長:よろしいですか。要するに、自然再生はいろんなチャンネルでやることができるんですけれども、今のところは公園計画の中での。

○中村委員:ええ。ちょっと、多分これは本題とは違うので、また勉強させていただきたいんですけども、さっきのご説明だと反論しちゃいたくなるんです。完全に壊れてしまった場所を、じゃあ、釧路湿原は全部壊れたのかと言われると、決してそうじゃないでしょうというお話になるので。もう少し社会に対してわかりやすく説明されるほうがいいのかなという。この、わかっている仲間同士の議論じゃなくて、社会に説明するときに、自然再生推進法というのは、例えば協議会をつくって、そういうステークホルダーが集まって協議会の中で決めていくとかですね。

 今回の場合は、ちょっと気になるのは、モニタリングだとかそういうのは全て環境省主体でやっていて、何か委員会みたいなものをつくるのか、または協議会みたいなのをつくるのか、ちょっと、地元の要求もどうやって取り入れるのかとか、その辺の仕組みもよくわからないので、後でまた教えていただければと思います。

○下村小委員長:はい。後で生態系維持回復事業のほうは説明も出てまいりますので、その辺りのところでも、結局幾つかチャンネルがありますので、行政としてどこのチャンネルを使って再生していくかというところだとは思うんですけれども。

○小泉(武)委員:今回の主題に関係のある高尾山のことなのですが、実は1号路と6号路の里に近いところに、今、イノシシが入って、山を相当に荒らしています。道路沿いの山裾で水が染み出してきていて、タカオスミレとかいろいろな貴重種が生えているところが、ひどく壊されています。今回の話とは直接関係はないのですが、早目に手を打たないと、高尾山の大事な部分が壊されてなくなってしまうかもしれないのです。その辺りをご検討いただいて、早めに対策を立てていただければと思います。

○国立公園課公園計画専門官:これから東京都が管理していくかと思いますので、はい、いただいた情報をもとに対応していきたいと思います。

○下村小委員長:どうでしょうか。じゃあ、江崎委員とそれから辻本委員の順番ですね。ほかはよろしゅうございますか。そろそろ切ろうかとは思いますが。じゃあ、江崎委員、それから辻本委員。

○江崎委員:すみません、ありがとうございます。高尾の国定公園の件なんですけど、スライドの5番につけていただいているお写真の、混雑しているところは山頂ということでご紹介いただいているんですけれども、その次の6の下にある、この高尾山頂からの、こちらと同じところの写真なのかというところと、植生が裸地化したというのは、いろんな原因があって、混雑だけではないと思うんですが、明らかにここは多分混雑だと思うんですけれども、ロープを張って復元したところということで、スライドがある。どこですかね、8番目ですかね。この8番は山頂のところのことなのか、もう少し違うところなのかというところで、例えばこの山頂のところに本当にロープを張って、これだけの混雑をどう回避するのかというのが、展望の場所をちょっと変えただけで本当に大丈夫なのかなというのが少し心配になったんですけど、よろしいですか。

○辻本委員:続けて質問したらよろしいですか。

○下村小委員長:はい、どうぞ。

○辻本委員:私も、今回の計画の策定とか改定とかというときに、先ほど少し、例えば野焼きをしているとか、結局、その国立公園、国定公園が、どんなふうな担い手というんですかね、先ほど協議会という話があったり、都のレンジャーであったりとか、いろんな方々が関与されていて、そういうものの中から活動しやすい状況というのが見えてきたときに、それができるように計画を変更するのかと思いました。何を変更すれば何ができるようになるのかとかというふうなことなんじゃないかなと思うのです。私も専門でないからよくわからないのですが、計画の変更というのは何かができるようにうまく規定をアレンジするということで、その後、具体的に何をするかというのは、まだまだこれから次のステップに入っていくということなのでしょう。その辺、どういうところから、どういうふうな担い手から意見が上がってきて、こういうふうな問題点があるときに、例えば計画の変更というのはどのレベルのところの議論をしているのかというのがわかりにくいなという気がしました。

 それが上がってきたらすぐに、例えばロープを張るとか、具体的なオペレーションまで話をされているのですが、実はそのときに、もう一つ、先ほどから話が出ているように、ロープを張るだけでよいのかとか、道のつけかえというのはそれでよいのとかいうのは、計画によってすぐに決めてしますことなのかなというのが疑問に感じます。あるいは、もう少し次のステップのあることなのかなという気がします。その辺の仕組みについてもこういう場で説明していただくと、その計画を議論するときに、我々はどんなスタンスでおつき合いすればいいのかがわかると思います。ちょっと、その辺を説明いただけたらと思いました。

○下村小委員長:じゃあ、2件お願いします。

○国立公園課公園計画専門官:まずはこのピークの写真なんですけども、まず一つ、ちょっとこういう写真を使っていると誤解を与えているところがあるかと思うんですが、毎日こういう状況ではなく、一番多いのはゴールデンウイークと秋の紅葉シーズンがこういった山頂の状況になります。

 山頂は、大体皆さん通るのは、やはり先ほどご説明のあった1号路と言われている舗装道路を一番使っていて、山頂自体も舗装されていますので、ある程度の空間は確保されているのかなと思います。

 それ以上の、例えば昔は、ちょっとこの写真を見ていただければわかるんですけども、全然柵が何もなく自由に歩けている状態で、かなり植生が破壊されておりましたが、今はもう、大分石垣とかをつくって、ある程度、山頂はこのエリアですよという形で整備されているので、今のところ、そういった入らないロープという形で対応は可能なのかなというふうには思っております。

 先ほどのこの地図ですが、これは、山頂から、ここに山頂がありまして、こちらからこの城山という、この赤い歩道になります。大きな流れとしてはこの1号路を行って帰ってくるというのが多いんですけども、やはりちょっと歩きたいという方はこちらの城山方面に歩いていく方も結構いらっしゃると。その歩道がまさにこういう状況になっていたんですね。その歩道付近を今年撮った写真なんです。例えば、そういった踏み荒らしであるとか、あるいはお弁当を食べるときに歩道から外れて敷いたりとか、そういったものが恐らく影響して、こういった状況になっていました。こういった状況になったときには、ロープが張っていなくて自由に入れる状態だったので、東京都のほうでこういったロープを張って植生の回復状況を見ていたところ、自然とこのような状況になってきているので、ある程度利用者が、ロープを張って、またいで中に入っていくということは、今の状況から考えるとあまりないのかなというふうには思っています。

 実は、高尾山はこれだけ人が入っているんですけども、歩いてみればわかるんですが、あまりごみが落ちていない。やっぱり、それなりに、高尾山に来られる方は高尾山のルールというものを、東京都のほうで周知をこういう形でしていますので、ご理解があるのかなと思っていますので、今かなり人数が増えてきていますけども、現状の対策をまず進めていくことで状況を把握していきたいと思います。

 また、点検を適切にやっていますので、もしそれで足りないという場合には、例えば新規の歩道を設置しなければいけないとか、あるいはもう少し利用分散をつくる上で、何か施設で誘導するとか、そういったもう少し計画論的な議論が今後出てくるのかなというふうには思っております。

 もう一つ、国立公園の計画の位置の話ですが、まずはこちらの資料に書いてあるところですね。公園計画というのは一番公園の土台になるもので、まさにその計画がないと施設整備もできないですし、公園の事業を進めていくことができないということで、こちらが、今回、今日我々が今ご説明しているところが一番の土台になります。

 その後、その施設の規模をどうするんだとか、どこを歩道として具体的にどうすべきかというのは、この後、この次の次ですかね、説明する事業決定というところで議論することになります。それが裏側のペーパーの下側の部分になります。具体的に、例えばこれは園地のイメージですが、園地のマークしか今計画では落としておりません。我々も今そこの部分しか説明をしておりません。その後に、どこの区域をじゃあ園地として定めて、どういった施設を規模でつくっていくのかというのを、事業決定という形で審議会にお諮りして決定するというステップがございます。

 その後、どのように管理していくかという話になりますが、そちらはまた管理計画というのを地域の方々と、協議会というか検討会という形で検討して、その管理のあり方、管理の方針というものをその管理計画に記載して進めていくと。そういった、大きく分けるとその三つのステップで国立公園の体系ができているというふうにお考えいただければと思います。

○下村小委員長:はい。どうもありがとうございました。

 いつもこの辺りは整理がなかなか難しくて、迷われることが多いと思うんですけれども、今回、ともかく高尾のほうは平成4年以来ですから20年以上たっているという。これは国定公園ということで、かなり大幅な計画の変更、それから区域ですね。計画も、既成の計画もありますし、利用のほうの施設の計画もあるということで、その計画レベルの話と。

 それから、富士箱根伊豆に関して言えば、割とポイント的ですけれども、仙石原近辺の規制の計画と、それから湖尻の集団施設地区の区域の問題。

 鈴鹿の国定公園に関しては、生態系維持回復計画ということで、少しずつ種類が違っているものではありますけれども、行政的な手続の中で、こういう、まずは公園計画の国立及び国定公園の区域及び公園計画の変更ということでお諮りをした次第です。

○辻本委員:ちょっといいですか。今、説明していただいてよくわかりました。よくわかったって言うものの、そのことは実は前からもう承知していたところです。計画があって、事業が決定されて、管理の段階にある。これは一方向の流れですね。計画を決めていくときには多分そういうふうな話になっているというのはこれまでの話でよくわかったのですが、今回のように計画されていたものが変更していくというときには、多分計画があって事業がされて、管理していく中でいろんな問題がわかってきて、それでもう一回フィードバックされる形で計画が変更されたり、拡大されたりする。そういうフィードバックの流れがどんなふうに担保されて、すなわち事業が決定されて管理されている段階のものから、その管理している担い手がどんなプロセスを経て今回の計画の変更というふうな話になってきたのかというところが少しわかりにくかったので質問したところでした。

 ストレートな流れのほうはよくわかったんだけども、変更が必要になってくるようなフィードバックの流れがちょっと見えなかったので、質問させていただきました。

○国立公園課長 よろしいですか。ありがとうございます。おっしゃるとおりでございまして、さまざまな方々に関わっていただきながら、国立公園の管理をしております。ですので、例えば、野焼きですとか火入れ行為は地元の方々の伝統的な流れの中で協力をいただきながら、あるいはそういった行為をこちらが許可するという形で対応させていただいたりしておりますけれども、現場のほうで、国立公園の、先ほどの管理計画を定めるというふうに言っておりましたけれども、そういう中で、検討会の中でいろいろ意見を伺ったり、あるいは国立公園ごとにいろんな、協議会というのはたくさんございます。そういう中で、現場のレンジャーなり所長なりが地域のいろいろな方々のご意見を伺って、何が改定に必要なことなのかということを酌み上げさせていただきながら、フィードバックしていくと。なので、このフィードバックの仕組み自体は、一つのやり方というよりもさまざまなやり方でフィードバックさせていただいているというのが実態でございます。

 今回、特に国定公園の高尾の場合は、東京都のほうで、今後、公共事業として、そういう回復事業を進めていく――ロープを張るにもいろいろ予算もかかってきますし、そういったことをちゃんと正式に位置づけた上で予算をとって進めていく第一歩だというふうに伺っておりますので。また、実際に進めていく中で、東京都さんの中でも同じような形でそのフィードバックが、都レンジャーであったりとか利用者の方々から酌み上げながら見直していくというふうになっていくと思います。

 ご質問ありがとうございます。

○下村小委員長:はい。じゃあ、国立公園と国定公園が両方まざってもおりましたので、これ、何か説明していただく順番もかなり工夫はしていただいたんだとは思うんですけども、また質問のやりとりの中で理解を深めていただければありがたいというふうに思います。

 それでは、もう時間でもありますので、第1番目の諮問、議題2の諮問事項ですが、国立公園及び国定公園の公園区域及び公園計画の変更についてということで、変更書のとおり承認することに異議はございませんでしょうか。

(異議なし)

○下村小委員長:はい。それでは、お認めいただいたものとしたいというふうに思います。

 それでは、続きまして、三つ目の議題ですね。生態系維持回復事業計画の策定についてということで、これも事務局からご説明をお願いいたします。

○国立公園課生態系事業係長:はい。国立公園課の吉田と申します。よろしくお願いします。先ほど生態系維持回復事業計画についてご質問が幾つかありましたので、制度の説明のほうからさせていただきます。

 すみません、この資料はお配りしていないので、スライドをご覧になっていただければと思いますが、先ほど鈴鹿のほうで出てきた公園計画の中の生態系維持回復計画というのがまずございます。その下に通常の公園事業の計画を事業決定するのと同じように、生態系維持回復事業計画の策定というステップがございます。これからご説明させていただくのはこの生態系維持回復事業計画の策定の部分です。その前の段階の公園計画に入ってくる生態系維持回復計画については、もう、知床と白山については、既に計画上落ちておりますので、その下の部分のもっと具体的な事業計画について、これからご説明させていただきます。

 生態系維持回復事業計画そのものの制度ですけれども、先ほど少し浪花のほうからご説明したように、生態系に関する脅威に対して、シカですとか外来種ですとかの脅威に対して、よりスムーズに、かつ総合的な手法で対応するために、平成21年に新しくできた制度でございます。自然再生よりも新しい制度でございます。自然再生のほうは、行政的には公共事業という予算しか入れられないのですけれども、生態系維持回復事業計画のほうは公共事業と非公共事業と両方入れて、例えばシカ対策ですと、シカの柵の設置もできるし、シカの捕獲もできるというようなスキームになっております。

 それでは、具体的な生態系維持回復事業計画の策定についてご説明させていただきたいと思います。資料は、お手元の資料3-1からのものです。3-1が諮問の表紙でございまして、その次に資料3-1別添、これは計画案そのものです。資料3-1の別添2というのも計画案そのものですが、実は今回の知床と白山については、既に平成22年及び23年にそれぞれ計画を策定しておりまして、その計画の期限が今年度末で切れることから、再策定するというものです。ですので、現行計画からの変更箇所を赤字にしているものが、「資料3-1 別添2」と右上にあるものでございます。その後に資料3-2としてパワーポイントの資料で、資料3-3が白山についての諮問書と3-3別添が計画案本体。3-3別添2が現行計画からの変更点を赤字にした計画案で、3-4というのがパワーポイントの説明資料でございます。これからはパワーポイントの説明の資料でご説明させていただきたいと思います。

 まず、知床国立公園生態系維持回復事業計画の策定に関する説明をいたします。

 北海道の北東部の知床半島に位置する国立公園でございまして、皆様ご存じのとおり、平成17年7月には世界自然遺産に登録されている地域でもございます。知床については、平成22年10月から今年度末までの期間で生態系維持回復事業計画を策定しておりますが、エゾシカ対策を対象にしております。今年度末で計画期間が終了になりますが、引き続き対策が必要と考えて、再策定を諮問させていただくものです。

 知床国立公園のシカによる被害状況ですが、エゾシカの食害及び踏圧等によって深刻な変化が生じております。知床岬――この写真は知床岬の状況ですが、の草原では、1980年には人の胸ぐらいの草本群落だったものが、現在ではシカが食べないハンゴンソウですとかイネ科牧草等が繁茂しています。また、高山帯では知床の固有種であるシレトコスミレの食害や、樹皮剥ぎによる特定の樹皮の激減や、道路法面の裸地化が発生し、土砂崩落や雪崩の原因にもなっている状況です。このため、生態系維持回復事業計画を策定したいと考えており、この下線の部分が現行の計画からの変更箇所でございます。

 まず、変更箇所の一つ目で、事業の期間でございますが「下記の目標が達成されるまで」と、具体的な年限は切らないように書かさせていただいております。これにあわせて、計画本文の、資料3-1の別添2という、すみません、計画案の見え消しで出したものに戻っていただきたいんですけれども。それの4ページ目に7「生態系維持回復事業が適正かつ効果的に実施されるために必要な事項」というところがありますが、この(1)の「生態系維持回復事業計画の評価及び見直しに関する事項」というところに「5年を目途に」という具体的な年限を付けて、「5年を目途に事業の効果、内容等の検証・評価を行い、見直しを行うこととする」という具体的な文言を記入させていただいております。このような変更にした理由でございますが、この生態系維持回復事業計画が目標とするのは、シカの生息密度の低減ではなくて、生態系の回復でして、当面の生息密度の目標値等は既に立てているのですが、そのシカ密度の低下が植生や生態系の回復にどのような時間スケールで寄与するということが明らかでなくて、その生息密度の目標が、これはとりあえず当面の目標も立てて1キロ平米当たり5頭というのを立てているんですけれども、これが適切な密度かどうかというのはまだ判断がつかないということで、具体的な目標の年限を定めることも現時点では難しいと判断しまして、このような形にさせていただいています。

 また、事業の目標についてですが、現行計画、目標の欄に現行計画の期間での成果を記載するとともに、「エゾシカの急激な増加が起こる前の1980年代の初頭の植生を回復させることを当面の目標とする」と、当面の目標を少し具体的に書き込むということをしております。最終的な目標は引き続き変わらず、「近代的な開拓が始まる前の生態系の回復」というふうに書いておりますが、1980年代の初頭は生息頭数と植生調査の記録がありますので、その時期の生態系の状況を一つの指標として、当面はそこを目指すということについて地域で合意することができましたので、このように書き込んでおります。

 事業の具体的な内容ですが、内容について変更した箇所をこのスライドに挙げております。まず生態系の情報把握及び監視ですが、やる項目は変わっていないのですけれども、生態系の状況把握・監視を実施する観点を明記させていただいております。また、動植物の防除ですが、捕獲したエゾシカの有効活用を記載しております。また、「外来植物の防除」を「外来生物の防除」に修正しております。(3)と(4)はかわりがなくて、(5)について植生指標の作成を追記しております。

 これから、この変更箇所の具体的な説明にもつながりますので、これまでの現行計画でやってきた事業の内容と成果をご説明します。

 まずエゾシカの捕獲の状況ですが、平成22年10月に現行計画を策定された翌年から、大幅に捕獲数を伸ばしまして、7年で合計2,425頭を捕獲しています。知床では科学的データに基づく効果的な捕獲手法の開発にも力を入れておりまして、主な越冬地である知床岬、ルサ-相泊地区、幌別-岩尾別地区において、さまざまな手法を試して、試行錯誤して捕獲を続けております。

 このような捕獲によって生息密度も低下が見られてきておりまして、知床岬地区、赤線が知床岬地区ですが、これは2007年から捕獲していますので、2011年には既に減少しています。ルサ-相泊地区や幌別-岩尾別地区には2003年から2011年にかけて増加していますが、その後、捕獲を入れることによって減少してきています。公園全体が黒の線ですが、公園全体では2003年比で半減、2011年比で3分の1に減少させることに成功しています。

 このような生息密度を減らすことができた影響で、植生の生育状況についても変化が見られ始めています。このグラフは知床岬の地区の植生保護柵内外の植生の比較です。イネ科の草本群落とササ群落の調査結果で、左が植生保護柵内、右が柵外です。赤枠に囲ってありますとおり、昨年度の調査では柵外でもクサフジやエゾイラクサの顕著な増加が見られました。ササの高さも年々増加しています。植生保護柵内と比較すると、柵設置から4年目程度の回復状況と考えられます。

 また、青枠のほうですが、忌避植物の、シカが食べにくいというか、ほかの植物を優先的に食べて割と残すような植物であったため、繁茂していたハンゴンソウやアメリカオニアザミについても、植生回復が進むと減少するということがわかってきました。このため、今まで「外来植物の防除」という項目を立てていたものを、アメリカオニアザミという明記を外して、「外来生物の防除」という記述に直しております。

 また、このような植生モニタリングの結果から、植生の回復状況を評価するための植生指標というものを作成して、その植生指標と生息密度との関係を評価していくことで、適正な生息密度の検討に活用していく予定でございます。その旨を新計画の6の(5)に書き込んでいます。

 また、普及啓発については、ウェブサイトでの情報提供ですとかニュースレターの発行を行っております。斜里町さんですとか、共同策定者でもあるでもある農林水産省の林野庁さんにおかれても、調査や防鹿柵の設置等を行われてきております。

 今後の予定ですが、当面は主要越冬地の生息密度をキロ平米当たり5頭にするということを目標に、捕獲を推進してまいりたいと思います。植生指標の開発によって、植生の回復状況から適切な生息密度を検討していきたいと考えています。また、低密度を維持するための捕獲手法の検討、低密度化した後に、低密度後の捕獲がなかなかまた難しくなりますので、その手法の検討も行ってまいりたいと思っております。

 続きまして、すみません、「資料3-4」と右上にある白山の生態系維持回復事業計画についてもご説明したいと思います。

 白山は、富山、石川、福井、岐阜の4県にまたがる火山性孤峰である白山を中心とした国立公園でございます。白山での植物研究の歴史は古く、和名に「ハクサン」を冠する高山植物がとても多いという状況でございます。ただ、一方で外来植物が広がってきているという状況がありまして、白山生態系維持回復事業計画は、平成23年1月から今年度末までの期間で、外来植物対策を対象に策定してきております。こちらも今年度で期限が来ますが、引き続き対策が必要と考え、再策定を諮問するものでございます。

 白山国立公園の外来植物による被害状況ですが、登山者の近年の増加等に伴いまして、外国産植物ですとか、あとは、国内種ですけれども、低地性の植物等、従来は国立公園内に生育していなかった植物の分布が拡大してきているという状況がありました。外来植物による影響は、景観上の問題ですとか、在来種の生育場所との競合ですとか、交雑することによる遺伝的なかく乱を考えております。

 新たに再策定をしたいと考えている生態系維持回復事業計画の内容ですが、変更箇所は下線のとおりで、計画期間について先ほど知床でご説明したのと同じ、「目標が達成されるまで」という部分を書き込んであります。これも同様に、項目7、(1)の見直しに関する事項の中に「5年を目途に」という具体的な年限を書き込んでおります。

 事業の内容につきましては、「生態系の状況把握及び監視」というところで、遺伝的攪乱を受けるおそれをある植物にミヤマアワガエリを追記しております。また、動植物の防除というところに優先的に防除を実施する地域を明記し、あわせて施設の整備について目的を明記し、事例を追記しております。

 これまでの実施状況、現行計画での実施状況と成果についてもご説明します。

 これは外来植物の分布状況ですが、平成22年から26年の変化で、大きな分布の変化は見られませんでした。

 交雑の状況ですけれども、交雑のおそれのある植物の隣接状況を調査し、遺伝子解析をしたところ、オオバコとハクサンオオバコについては自然下での交雑を確認しております。オオアワガエリとミヤマアワガエリについては確認されておりませんが、交雑する可能性があるということで、今回、計画の中に明記させていただいております。

 また、外来植物の除去ですが、平成23年からかなり多くの参加者を得て、多くの地点で実施してきております。その結果ですが、これまでのところ分布域自体については大きな変化は見られていないんですけれども、一つの区域について経年変化を見ていくと、現存量の減少が確認されております。このグラフは、南竜ヶ馬場という、オオバコと在来のハクサンオオバコの交雑が確認されている場所ですけれども、継続的な除去作業の結果、かなり生育個体の現存量が減少したということを確認しております。

 また、侵入防止対策ですが、種子除去マットを16箇所に設置したほか、共同策定者である国交省さん、農水省さんにおかれては、工事車両のタイヤの洗浄水槽等も設置されております。

 普及啓発についてですが、ボランティアによる一斉除去活動ですとか、企業CSR活動向けインストラクターの派遣、オオバコ茶の配布等を行ってきております。

 その他、事業に必要な調査等というところで、対策優先度の検討、植生管理目標の設定及びゾーニング、外来植物の効果的な除去手法の検討ということをやってきております。先ほど対策を優先する地域を書き込んだと書いておりますが、この具体的な文言としましては、「特に、より原生的な生態系が存在する高山・亜高山帯における除去対策を優先的に実施する」という旨を計画の中に書かせていただいております。

 今後はこれらの三つの対策の検討を進め、より戦略的に事業を実施していく予定でございます。

 以上です。

○下村小委員長:ありがとうございました。知床と白山の国立公園で、今年度末で第1期の生態系維持回復事業計画が終わるということで、再策定をするということで、別添資料でついているものがその計画書になりますけれども、これについてご審議をお願いするということです。

 同じような進め方をしたいと思います。ご質問のある方は立てていただいて、それで、まず質問を幾つかいただいてから、事務局に答えていただくということにしたいと思います。いかがでしょうか。

 それでは、小泉(透)委員、それから敷田委員、中村委員という順番で質問をお願いいたします。

○小泉(透)委員:すみません。先ほどからちょっと議論になっています回復ということについて質問させていただきます。知床のほうがわかりやすいので、知床を例にしてお話をさせていただきます。

 回復ですから、当然、事業計画を立てて、どのぐらい回復したかという目安を決めて進められるものだと思いますけれども、知床の回復計画を見ますと、その目的が、「1980年代初頭の植生を回復することを当面の目標とする」というふうに書いてありまして、1980年代の知床をご存じの方はイメージできるかもしれませんけれども、その他の方には一体どういう状態になったら回復になるのかということがちょっとイメージできない。

 これはグランドプランですからこういうふうに書いてあって構わないと思うんですけども、実際に行う事業計画の中では、もっと具体的な達成目標ないしは指標というものを示していますか、いますよね、という質問です。

○下村小委員長:はい。敷田委員。

○敷田委員:1点、質問というよりコメントとしてお願いします。

 白山国立公園の資料の中なんですが、例えば原因となっている利用者の問題について、「近年の登山者の増加等に伴い、」というふうに表現していらっしゃいますが、既にもう増えてしまって、近年はそんなに増えてはいない。増加したのは恐らく昭和50年代で随分前の時期なので、状況が変わって、原因者がほぼ登山者だと特定ができる状態での対策のはずなんですが、その点をどういうふうに認識していらっしゃるかということです。

 登山者というふうに特定ができれば、例えばこの2ページにある普及啓発の対象者が「国立公園利用者等」と広範囲になるのではなしに、ターゲットを確実に「登山者」としなければいけないというロジックになるはずなので、そこら辺の認識を整理していただきたいなと思います。

 あと、直接この案件には関係ないのですが、先ほどの公園計画の件でも、利用者や利用圧、利用の形態によって、その対策が非常に左右されるというのは明白なことなので、ご説明の中で利用の形態や利用の内容について詳しく説明していただけるように時間配分をしていただければ、各委員の皆様もどういう原因があるからどういう対策をとるというのがロジカルに診断ができるのではないかと思います。以上です。

○下村小委員長:はい。じゃあ、中村委員、続いて。

○中村委員:先ほどの議論と重なるのかもしれないんですけど、これは、例えば白山もそうなんですけど、例えば知床もそうで、知床生態系維持回復事業計画と大上段に構えられて、すっとエゾシカに絞られてしまうと、ここに科学委員会の座長が3人、今出ているんですけども、ちょっと、僕にはちょっと納得しがたい。つまり、例えばエゾシカだけの問題じゃないはずだという気持ちになっちゃうんですよね。

 ということで、こういう言葉をつけてやらざるを得ないのかもしれないんだけど、それは、でも環境省側の、事業を策定する、財務省と話をするときの議論であって。でも、我々からすると、明らかにこれはエゾシカの管理のための、エゾシカによる問題の回復計画であって、ほかのさまざまな問題はこの中に含まれていないというふうに解釈されるんですね。そうすると、やっぱりこういうタイトルをつけられると、全体の問題が何で、今回の回復事業計画についてはこの問題に焦点を当てて回復事業をやるんですよという位置づけをしていただかないと、これ全部が知床の問題かと言われると、それは違うだろうというふうに言いたくなってしまうので、そこら辺の、これは多分そちら側の事業の仕組みの問題だとは思うんですけど、ぱっと私が聞いたら、非常にエゾシカに問題に絞られる段階で、もう少し何かの前置きがあるんじゃないのかなという感じがしました。

 それと、あと質問なんですけど、植生指標という。これは僕も大事だと思うので、今どんなことを考えておられるのか。先ほど特定の種について、例えばシカが食べないような種類が増えるとか、そういう説明もあったと思うんですけど、森林についてもいろんな問題を当然持っていますよね。何かその辺で今考えておられるこの植生指標というのがあったら、もう少し教えてください、具体的に。以上です。

○下村小委員長:ほかはよろしゅうございますか。じゃあ、事務局、お願いいたします。

○国立公園課生態系事業係長:はい。一番初めのご質問で、知床の1980年代初頭を目指すと書いてありますが、それは具体的にイメージするものが必要ではないかというご意見ですが、それと一番最後に質問いただいた植生指標の問題がちょっとリンクするので、あわせてご説明させていただきたいと思います。

 実はその1980年代初頭の植生を回復させるというところに持っていくために、わかりやすいものとして植生指標を開発しております。実は植生指標の知床岬の地区については、こういう形で――これは資料には、すみません、入れていないんですけれども、つくり始めておりまして、この縦の1、2、3、4とあるのが植生の回復している段階ということで、まず初めに草原現存量が増加してくると。その後に嗜好性植物が回復してくる。その後、希少種等の回復が見られる。最終的には、植生としての回復が見られるという流れです。この参考の経過年というのは、柵で囲ってシカの影響をゼロにしたときにどのくらいの年数が必要だったかというのを目安に、経過年というのを参考で出しつつ、それぞれの段階においてどんなものを見るかというのを幾つか考えております。

 例えば、植生現存量の増加については、イネ科草本の高さですとか総量、あとクマイザサの高さ、高茎草本草原の植生高ですとか、場所によって、風衝草原であればガンコウランの面積ですとか、そういう幾つか指標となるような種類を抽出して、それのどういう数値に着目するかということを書いた上で、植生指標にできないかということを検討しているところでございます。このような形で、最終的にはその1980年代の植生にどのくらい近づいているかということを示すような指標にしていけたらというふうに考えております。

 あと、白山について対策を戦略的に考えるためにも、何の原因で外来種が広がってきているのかと、何の原因で外来種が入ってきているのかということをもう少し考えなければいけないというご指摘をいただきました。頂いたコメントの観点で考え、現地で取り組むようにしていきたいと思っております。

○国立公園課課長補佐:すみません。加えまして、中村委員からお話のありました生態系維持回復事業計画という名称と、シカをターゲットにしているというこの実態との関係でございますが、ちょっと説明が不十分であったかなと反省しております。

 生態系維持回復事業計画自体は、法改正で法律の中に、明確に法律の文言として盛り込まれたものでございますが、その法改正の背景として一番大きかったのが、国立公園内でのシカの増加による植生被害の深刻化というものと、外来種問題が各地の国立公園内でも出てきているという、その2点でございました。

 おっしゃるように、今回の知床生態系維持回復事業計画はエゾシカをターゲットとした計画になっていますけれども、それ以外の生態系の維持回復の重要性が低いということではないんですが、この事業スキームを使うことで、特に対策を実施する上で効果的なものとしてシカをターゲットにしているということでございまして、例えば別の例で挙げますと、知床であれば、河川工作物の改修を必ずしも自然再生事業としてのスキームじゃない方法でやっておりますけれども、さまざまな法律上のツールですとか事業上のツールを使いながら、全体として効果的に回していくという中で、知床ではこの生態系維持回復事業計画をエゾシカ対策のツールとして、当面の間、活用していきたいということでございます。

 今後の説明は、もう少しその辺のめり張りをつけてご説明できるように注意したいと思います

○中村委員:ありがとうございます。多分そうだろうなと、そちらがどうやって使うかというツールだと言うふうに今おっしゃったので、そのとおりだろうなと思うんですけど。ただ、実際には、この言葉の意味するものを社会に伝えたときに、エゾシカの対策のツールとは誰も思わないと思うんですよね。例えば、今、温暖化の適応策の議論をやられていますよね。実際にそういうのが具体化したときには、さらにこういうのを使いながら、温暖化対策に対してもやっていかなくちゃいけないという可能性だってありますよね。であるならば、やっぱり社会が受けたときに、ここの委員会だけで閉じているわけじゃなくて、これも公開の場ですので、基本的にやっぱり社会がわかるような形で言葉もきちんと使っていったほうが、多分その後もスムーズに、ほかのものに取り組むときもやりやすいんじゃないかなという感じがしました。

 先ほどのことで、先ほど岬の話として指標をつくられる。ただ、森林も多分いろんな大きな問題を持っていると思うので、今後については、じゃあ、個々の場所においてその指標をつくっていくというスタンスなんでしょうか。

○国立公園課生態系事業係長:はい。そういうふうに考えております。

○国立公園課長:ありがとうございます。今、中村委員がおっしゃられた、社会に向けて発信するときに、あまりにも大上段過ぎてツールとしての意味が伝わらないということにつきましては、法律上はこういう言い方をこの計画書ではせざるを得ないんですけれども、例えばシンポジウムであるとか、いろいろPRをしていくときに、サブタイトルとして、今回のこの知床の生態系維持回復事業というのは、エゾシカの増加に伴う何々をターゲットとしてとか、そういうふうにわかりやすく、何を目的とした計画なのかということはいろいろ工夫ができると思いますので、誤解を招かないようにしていきたいと思いますし、木本類についての影響というのも、ハルニレであるとか、非常にもう、昔から影響は非常に出ておりますので、そういったことは地域ごとにまた検討していくということでございますので、今日のご意見も参考にしながら進めていきたいと思います。ありがとうございます。

○下村小委員長:はい。どうもありがとうございました。ご意見、コメント等という形でも受け止めていただいて、必要な社会発信については、あるいはまた実態として検討を進めていただきたいというふうに思います。どうもありがとうございました。

 では、今回の生態系維持回復事業計画の策定ということで、計画書の策定に関しまして、異議ございませんでしょうか。

(異議なし)

○下村小委員長:はい。それでは、承認をしていただいたものといたします。

 それでは、続きまして、四つ目の議題ですね。国立公園事業の決定、廃止及び変更についてということで、これも数がかなりありますけれども、事務局からご説明をお願いしたいというふうに思います。

○国立公園課事業係長:国立公園課の小谷です。よろしくお願いします。

 私のほうから、国立公園事業の決定、廃止、変更案件について説明させていただきます。今回は決定が13件、廃止が1件、変更が9件の計23件となります。件数が多いですので、テンポよくお話しさせていただきたいと思います。資料番号は4-3です。ご覧ください。

 まず、大雪山国立公園の糠平園地・糠平宿舎の変更についてです。

 糠平地域は東大雪地域の最大の利用拠点であって、地区の東部には糠平湖がございます。糠平園地は、現在、北海道と上士幌町によって事業執行されております。年間の利用者数は約7万人となっております。糠平宿舎については民間が事業執行しておりまして、糠平園地と隣接して、現在は9件の宿舎が事業執行されているという状態ですが、この右下の写真にございます1件の宿舎は、先日、事業執行の効力を失ったところです。今、廃墟となっております。

 糠平地域の利用については、この15年間で宿泊者数が約4分の1に減少してしまうという実態にあります。先ほどお見せしました9件のうちの1件が廃墟となって、園地内の眺望を阻害しておりまして、利用上の支障となっております。そこで、今年8月に上士幌町が景観整備構想を策定したところです。今回の変更では、糠平宿舎の一部を廃止して、糠平園地の事業に追加、さらに同園地事業を大幅に拡張することによって、環境省が景観再生事業というものでこの廃墟を撤去して、跡地を園地整備いたします。上士幌町は、廃屋の跡地の隣接地等において一体的な園地再整備を行います。これによって集団施設地区の風致景観の改善や利用者にとっての魅力向上をさせていきます。

 変更内容としては、園地事業が、区域面積3.2ヘクタールから11ヘクタールに広がります。園地事業の変更前がこの図のピンクで塗られている部分で、変更後がこのピンクの太線で囲まれている部分になります。次に、糠平宿舎の区域面積は15ヘクタールから3ヘクタールに縮小いたしまして、最大宿泊者数は3,000人から900人に減らします。糠平宿舎の変更前の宿舎区域は図の青で塗られている部分ですけれども、今回、大幅に縮小しまして、変更後は青の太線で囲まれている部分となります。

 次に、磐梯朝日国立公園の五色沼東駐車場の変更についてです。

 五色沼は裏磐梯を代表する景勝地でありまして、年間の利用者数は約270万人となっております。現在はこの駐車場を環境省が事業執行しております。ここは五色沼の入り口に位置して、裏磐梯のエントランス施設となっておりますが、夏や秋の利用最盛期には収容台数不足が原因の交通渋滞が発生し、問題となっております。そこで、環境省が事業執行しているところの隣接地に、村が、廃業した宿舎の跡地に渋滞緩和のためのエントランス機能の強化を図る駐車場を新たに整備するものです。変更内容は区域面積が0.5ヘクタールから1.4ヘクタールとなります。

 次に上信越高原国立公園の小瀬野営場の変更と小瀬園地の廃止についてです。

 小瀬地域は浅間山地域にございまして、白糸の滝が北西にございます。小瀬野営場は、周辺のトレッキング等の利用拠点となっておりまして、年間利用者数は3,000人弱となっております。小瀬園地については、現在は事業決定はなされていますが、事業としては未執行の状態です。ただし、この区域内に四阿等は配置されておりまして、現在もトレッキング利用の経由地として利用されているところです。

 近年のアウトドアブームのニーズに合わせた利用の見直しがなされまして、地域でこの野営場の執行に関して中期マスタープランが承認されたところです。今まで事業決定だけされていた小瀬園地事業を廃止しまして、全てを一体的に取り込んで、小瀬野営場事業として大幅に拡張して執行したいというものです。

 図の青色で示されている部分が園地区域だった部分です。図のピンク色で塗りつぶされている部分が今までの野営場区域だった部分です。この周りも含めて一体的に野営場を整備することによって、より多くの一般公園利用者に深い自然体験を提供するために、今回の変更を行います。小瀬園地は廃止となりまして、小瀬野営場は1ヘクタールから30ヘクタールと大幅に拡張いたします。最大宿泊者数も300人から3,000人へと変わります。事業執行者は民間を予定しています。

 次に、秩父多摩甲斐国立公園の歩道について、4件続けてお話しいたします。

 まず、大岳山地域の軍道大岳山線道路(歩道)の決定についてです。この地域はアウトドアブームや圏央道の開通に伴って、利用者に対して果たす役割が大きくなっているところです。今までこの道は事業決定されておりませんでしたが、新たに事業決定することによって、一体的に整備を行うものです。それにより、より快適で安全な利用の確保を図ります。決定内容は路線距離8.4キロ、事業執行者は東京都を予定しております。

 次に、宮ヶ谷戸御前山線道路(歩道)の決定についてです。こちらも新たに決定いたします。これも同じようにアウトドアブーム等の背景により役割が大きくなっているところから、新たに事業決定することによって、一体的に整備を行うものです。決定内容は路線距離6.7キロ、事業執行者は同じく東京都を予定しています。

 次に、川苔谷線道路(歩道)の決定についてです。川苔谷線道路は、川苔山に登る歩道となっております。年間利用者数は約1万人です。こちらも、アウトドアブームに伴い、新たに事業決定することによって、一体的に整備を行うものです。決定内容は路線距離9.2キロ、事業執行者は東京都を予定しています。

 4件目の川苔山線道路(歩道)については変更となります。こちらは川苔山の下山道となっております。年間利用者数は約1.6万人です。この川苔山線道路は既に東京都が事業執行しておりますが、右下の図にございます黄色のバツが描かれている部分で斜面の崩落が発生したことから、ピンク色の部分を今回追加するものです。路線距離は17キロから18キロに延長いたします。事業執行者は変わらず東京都です。

 次に、富士箱根伊豆国立公園の精進湖線道路(車道)の変更についてお話しします。

 この車道は精進湖に向かって走る車道ですが、この写真のとおり、曲がる部分が見通しの悪い状況となっております。現在、山梨県が執行してる道路の危険箇所をフォーカスしますと緑色の部分になりますが、この緑色の県道から青色で示した国道に入る際に角度が急であることから見通しが悪いため、黄色の部分に車道をつけ替えるというものです。この地域は交通事故が非常に多く発生しておりまして、国交省によって山梨県事故ゼロプランの対象となり、整備が優先されている箇所でもあります。変更内容としましては、路線距離6キロから6.2キロに延長するもので、事業執行者は変わらず山梨県となります。

 次に、富士箱根伊豆国立公園湖尻宿舎の変更についてです。

 湖尻集団施設地区は、先ほど計画係のほうからもお話しさせていただきましたとおり、区域を少し拡張いたします。この右の地図の赤色で示した部分が現在の集団施設地区となっておりまして、その右下、斜線で示した部分が、今回、集団施設地区を拡張する部分です。それに伴いまして、この一番端にあります宿舎と一体的に整備することによって、よりよい利用の提供ができるよう、この湖尻宿舎事業についても拡張を行うものです。区域面積は15ヘクタールから15.4ヘクタールに拡張します。最大宿泊者数は、地域全体としては2,500人のまま変わりません。

 次に、同じく富士箱根伊豆国立公園の精進口五合目宿舎の変更についてです。

 精進口五合目宿舎は現在民間が事業執行をしておりますが、富士吉田口ルートは5合目より上の山小屋はピーク時にとても予約が困難であることが、弾丸登山の一因となっていると言われております。弾丸登山とは、富士山の日の出を見るために、宿泊を伴わない利用者が夜通し寝ずに登山をすることです。そこで、ここにあります二つの宿舎の、現在休憩スペースとなっている部分も宿泊スペースとして使うことによって、最大宿泊者数を増やすというものです。変更内容としましては、区域面積は0.3ヘクタールから変えずに、最大宿泊者数のみを110人から190人に増やします。

 次に、中部山岳国立公園のババ平野営場の決定についてです。

 ここは槍ヶ岳槍沢地域であり、登山ブームによって利用者は平成22年度は1,966人だったものが、平成25年度には2,390人と大幅に増加しております。こちらは昭和34年に移転した民間の山小屋跡地を野営場として利用しているものです。近隣には一つの宿舎しかなく、槍ヶ岳の登山の中継地点として必要とされている役割は大きいです。しかし、現在は敷地外の河原にもテントが張られる等、植生保護や利用者の安全確保の面で問題となっております。また、既存のトイレが1穴しかないため、混雑しており、老朽化も著しい状況です。今回の事業決定においてテントサイトを明確化することによって、無秩序なテント利用を防いで、植生保護等を図るものです。また、民間事業者がこの地域でトイレを再整備する予定もございます。決定内容としましては、区域面積が0.5ヘクタール、最大宿泊者数は200人となります。事業執行者は民間を予定しております。

 次に山陰海岸国立公園の箱石湊宮線道路(歩道)の決定についてです。

 この区域には、木津川河口から久美浜湾口の約6.5キロに及ぶ丹後砂丘がございまして、豊富な海浜植生を有しております。貴重な植物もたくさんございます。この地域は海水浴や温泉の利用が多く、年間の利用者数は約90万人となっております。また、この地域には京都縦貫自動車道が全線開通する予定があり、利用者は増加する見込みです。現在の利用は夏の利用に偏っているため、丹後砂丘の自然景観を活かした歩く利用を推進したいとの地域からの要望により、今回事業決定するものです。現在、地域では春や秋に歩くイベント等を行って、夏以外の利用推進を実施しているところです。そこで、今回、京丹後市が歩道整備を行い、海岸の景観や海浜植生へのふれあい、植生への踏み込み防止、植生保護の普及啓発等を実施するために事業決定を行います。決定内容は、路線距離5キロ、事業執行者は京丹後市となる予定です。

 次に、雲仙天草国立公園の前島園地の変更についてです。

 前島は天草の上島北東に位置し、日本三大松島と称されております。現在は、前島園地は上天草市と民間が事業執行しております。年間の周辺の入込者数は109万人です。国民宿舎の閉館を契機に、上天草市がこの地域の開発検討委員会を設置し、海の玄関口として整備することを決定しました。現在執行されている園地の区域が青色で示した部分ですが、今回、この隣接地の赤色で示した部分を拡張するものです。ここはもともとヨットハーバーの跡地となっており、隣に市有地もございます。ここで市が駐車場や休憩施設、案内所等を一体的に整備するものです。変更内容は、区域面積2.7ヘクタールから3.7ヘクタール、事業執行者は変わらず上天草市と民間となります。

 次に、霧島錦江湾国立公園の夢が丘高千穂峰道路(歩道)の決定についてです。

 この地域では、高千穂峰登山や御池でのキャンプ・釣り、神宮参拝等が主な利用となっております。新燃岳の噴火前は霧島地域全体で利用者が3万人だったものが、噴火後1年半の登山禁止期間を経て、現在は2万人となっております。今回決定するこの歩道については、都城市から高千穂峰に至る唯一の登山道となっております。新燃岳の噴火によって利用できない登山道が霧島地域で複数発生していることから、地域としての利用者を少しでも増やそうと、市がこの道の維持管理、安全管理をしていくために事業決定するものです。決定内容は、路線距離2.8キロ、事業執行者は都城市の予定です。

 次に、慶良間諸島国立公園についてです。慶良間諸島国立公園は今年3月に指定されたばかりですので、その指定に伴う事業決定について説明いたします。まず、渡嘉敷自然再生施設と座間味自然再生施設の決定について説明します。

 慶良間海域の造礁サンゴは日本の造礁サンゴのうちの約6割と大半を占めております。また、この地域はザトウクジラの繁殖地域でもあります。スキューバダイビングやシュノーケリング等のマリンレジャーの利用者がとても多くなっております。また、指定されてから、利用者は増加傾向にあります。

 ところが、オニヒトデの影響や海水温の上昇による白化現象等によって、サンゴ礁の衰退が見られている状況であり、公園の指定以前からサンゴ礁の保全活動は続けられてきております。今回は水深30メートルより浅い、この公園の海域公園地区全てを事業の対象とします。自然再生施設という名前ですが、この公園事業の内容としては保全活動がメーンとなりますので、何か施設を建てるというようなものではございません。

 渡嘉敷自然再生施設の決定内容は渡嘉敷地域の海域公園地区全体の4,873ヘクタール、事業執行者は、環境省、沖縄県、渡嘉敷村となる予定です。座間味自然再生施設の決定内容は、座間味地域の海域公園地区全体の3,417ヘクタール、事業執行者は、環境省、沖縄県、座間味村となる予定です。それぞれ役割分担をしており、例えば沖縄県はサンゴ種苗の育成や移植等をこの海域内で行います。また、環境省は今年度自然環境調査を行っており、来年度からは箇所選定や手法検討、基礎調査を行います。その他、地元ダイビング協会はサンゴの移植体験の活動の提供等を行います。

 次に、公園区域外部の事業決定を行うものが3件続きますので、まず、その考え方について説明したいと思います。

 国立公園の公園計画をする際にその見直し要領というものがあるのですが、見直し要領の中の施設計画の基本的な方針として、次のような記述がございます。「計画に当たっては、自然再生施設、博物展示施設、マイカー規制用駐車場等であって、自然公園内の損なわれた自然環境について、当該自然環境への負荷を低減し良好な自然環境を創出するためと認められ、又は計画施設の利用者の大部分が公園利用者であると認められ、その機能を発揮させる上で、公園の区域外に整備することが必要不可欠な場合を除き、公園区域内に計画するものとする」という記述がございます。

 今回はこの後半部分、公園施設の利用者の大部分が公園利用者であると認められ、その機能を発揮させる上で公園外に整備することが必要不可欠という判断のもと、国立公園の外において事業決定を行うというものです。

 3件続けて説明させていただきます。まず、渡嘉敷博物展示施設の決定についてです。

 この地域では国立公園指定を機に利用者が急増しておりまして、年間約10万人が来島しております。新たに事業決定する博物展示施設では、慶良間諸島全体を紹介するような総合案内機能を持った博物展示施設を整備する予定です。決定内容は、区域面積1.7ヘクタール、事業執行者は環境省となります。

 次に、座間味博物展示施設の決定についてです。この地域でもダイビングやシュノーケリング等の利用者が急増している状況です。利用者は年間約4万6,000人となっております。この博物展示施設では、海域の適正利用をテーマにして、それを促す機能を有する博物展示施設を整備する予定です。決定内容は、区域面積2.1ヘクタール、事業執行者は環境省となる予定です。

 次に、阿嘉園地の決定についてです。事業予定地の近くにある阿嘉港は、阿嘉島の玄関口となっている場所であり、年間利用者は約3万人です。また、サンゴの保全等に対する住民の意識がとても高い地域でもあります。この園地では、附帯施設として、自然再生事業の紹介や環境教育等について紹介したり、活動の拠点となるミニビジターセンターを整備する予定です。決定内容は、区域面積3.6ヘクタール、事業執行者は環境省となります。

 最後に、歩道の2件の決定について説明します。一つ目は見花-大見座線道路についてです。場所は渡嘉敷島です。現在、渡嘉敷島には徒歩で陸域を散策できるルートが少ないので、陸域の貴重な自然を歩いて体験できるよう、今回、新たに歩道事業の決定を行うものです。林道は近くに通っていますが、レンタカーやバイクによる利用ばかりで、歩く人は少ない状況です。決定内容は、路線距離1.5キロ、事業執行者は環境省です。

 次に、慶留間御岳線道路(歩道)の決定についてです。場所は慶留間島です。慶留間島は阿嘉島の南側にございます。過去には台風の避難道として利用され、現在は廃道となった二次林に覆われた道路があります。これを、座間味村が歩道を復元し、四阿等も整備し、魅力の向上を図るものです。路線距離は1.3キロ、事業執行者は座間味村となる予定です。

 以上で、23件の事業決定、廃止、変更について、ご説明を終わらせていただきます。

○下村小委員長:はい。どうもありがとうございました。10国立公園、23件の事業が決定・廃止・変更されるというものです。特に、最後の慶良間につきましては、この3月に公園指定されたものですので、利用の事業も、あるいは保護に関する事業も含んでおりますし、それから先ほどご説明があった公園区域外の事業決定も含まれております。非常に多様な内容で恐縮ですけれども、ご審議をお願いしたいと思います。

 ご質問、ご意見がございましたら、先ほどと同様、立てていただいて、お願いいたします。どこからでも結構でございます。
 それでは、まず敷田委員、それから深町委員、小泉(透)委員という順番に参りましょう。敷田委員、お願いします。

○敷田委員:はい。ご説明ありがとうございました。3点お願いします。

 1点目は上信越高原国立公園の野営場の問題について、利用者人数が2,896人と、非常に正確に記載されていますが、説明文を見ますと野営行為そのもの。これはキャンプだと思いますが、それに対してより深い自然体験を提供するというのは非常に違和感があるので、これはキャンプ場の一般利用者が使っているところの後追いではないかと思いますが、実態を教えていただけませんか。深い自然体験と単純なキャンプ行為というのはどう見てもつながらないと思うので、よろしくお願いします。現状を教えていただければ結構です。

 それから、2点目は山陰海岸国立公園5キロの京丹後市の海岸遊歩道について、現在の利用者は海水浴や温泉利用で90万人と非常に大ざっぱで、海岸で温泉を浴びている訳ではないと思うので、海岸の利用実態を教えていただけませんか。また、目的として書いてある海浜植生のふれあいとか踏み込み防止、普及啓発、これを実現するために5キロを全部整備しなければいけないということは、非常に必然性が説明しにくいと思いますが、その点をどう判断したのか根拠を教えてください。

 それから、3点目、沖縄の慶良間諸島国立公園について、これも利用者データがはっきりしないので何とも判断ができないのですが、それぞれの施設の利用者の50%が、新しく整備する施設を利用するというふうに算定をしています。この50%の根拠を教えてください。条件が違うはずですし、本島からの利用が多いはずで、これは非常に理解ができない数字なので、よろしくお願いします。

○下村小委員長:はい。次に、深町委員、お願いします。

○深町委員:私のほうからは、山陰海岸国立公園について質問、あるいはコメントしたいと思います。

 これは事業主体が京丹後市ということなので、地元の意向というのは尊重しなければならないとは思いますが、私自身、この近くに研究フィールドがあることもあって、現状を見ている中で、この歩道の計画には大変懸念を持っています。

 その理由は二つありまして、一つは先ほど敷田委員からもご質問がありましたが、5キロを全部歩道でつなぐというのが基本的な考え方だと思うんですが、実際、現地に行ってみますと、仮に歩道であっても非常に設置しにくいような海浜植生の広がりがあるところがあります。また、この海浜植生そのものが、確かに貴重とは書いてありますが、日本全体で見ても大変貴重な海浜植生があるところです。植物学者の村田源先生の書いた書物の中には、この場所は日本の植物相とかあるいは海岸植物のルーツを考察する上でとても貴重で歴史が古く、1990年代の報告書の時点でこの植物群落が残るかどうかを非常に危惧されており、分布の現状や管理に対する問題を挙げておられます。そんな中で、こういった歩道を事業決定することは非常に問題があるのではないかというのが一つの理由です。

 それからもう一つは、現在この国立公園の中にもアスファルトの歩道がありますが、管理状態がとても悪く、歩道があることによって不良土砂が入ってしまったり、そこを中心に、本来海岸にはあるべきものではない、いろんな樹木の植栽がされたりと、現在の時点できちんと歩道が管理できていない状態、あるいは守るべき植物群落の保全がきちんとできていない上に歩道をつくるというプロセスが適切かどうかという点で危惧を抱いております。特に、箱石浜の周辺というのはとても大事な場所なので、そういう部分に対する検討や調査について、京丹後市自体がそういう点を含んで、きちんと考えているかというところも含めてご確認したいのと、地元からの懸念の声も出ていますので、その部分でご承知のことを教えてください。以上です。

○小泉(透)委員:国立公園の利用者の増加というのは大変好ましいことだと思いますが、並行してトイレ等の施設の整備というのが大変重要になってきていると思います。中部山岳国立公園のババ平野営場について、ここはトイレを再整備する予定となっていますが、どのような処理方法のトイレなのか、有料、無料等も含めて、計画がわかっているようでしたら教えていただきたいと思います。そして、国立公園内における山小屋、それから野営場におけるこういったトイレの設置、整備に関して、方針というものが出ているようでしたら教えていただきたいと思います。以上です。

○下村小委員長:続いて桜井委員。

○桜井委員:はい。言っていいかどうかわかりませんが、サンゴ礁のところで自然再生施設という言葉を聞いて、とても違和感がありました。一般的にこういうところの場合は、例えば水産庁辺りだと干潟造成事業や再生事業となりますね。確かに国立公園では自然再生施設、植生復元施設等とありますから、これにしか使えないのかなと思いますが、今後、海域の事業がいろいろと出てくる際、陸と同じような概念で、施設という言葉をこの広いエリアの海に使って、果たしてその名前が適切かと思うと、違うのではないかと思います。今後こういう事業がどんどん増えていく可能がありますので、ぜひ、何か適切な名前をつけていただければ、地元の方も堂々とこういう事業に携われると思います。

 どうも、施設というと、違和感を持つ人も出てくるかもわからない。私も違和感を持ったものですから、お願いいたします。以上です。

○下村小委員長:それでは、江崎委員もあわせてお願いします。

○江崎委員:すみません。ありがとうございます。

 山陰海岸国立公園の京丹後の歩道について、私からの意見です。委員こういう自然を楽しむ旅行というのは、だんだん認知がされてきてはいると思いますが、地元に対してメリットがあるのかというところが少し気になりました。その上で守られるのであればいいですが、単にただで歩けて、地元には何もメリットもなく、もし何かの負荷がかかるようであれば、何かプログラムや地元の人が関わるようなことがあればいいと思いました。

○下村小委員長:はい。ありがとうございました。よろしゅうございますか。

 それでは、5人からですので、数も多いですが、事務局お願いします。

○国立公園課事業係長:ありがとうございました。それでは公園ごとに説明させていただきたいと思います。

 まず、敷田委員よりご意見がありました上信越高原国立公園小瀬野営場について、現在3,000人の利用があり、キャンプ場としては、より深い自然体験の提供という点に違和感があるというご意見をいただきましたが、今回、30ヘクタールという広い地域を野営場にすることによって、その中で園地な利用の提供等もしていくと聞いております。例えば、野営場の事業地内における自然散策等、民間同士の連携もしながら、野営場の利用者に利用を提供するという計画があります。なので、野営場に泊まるだけではなく、セットで歩くプログラム等のより深い自然体験を提供していくものです。

 次に、小泉(透)委員からご意見がありましたババ平野営場のトイレについて委員です。処理方法はバイオトイレ等を予定していると聞いております。料金の徴収については未定です。トイレ設置の方針というのは、自然公園等施設技術指針というもので定めております。また、山岳トイレ設置のための補助金を環境省が持っており、それによって民間を補助していく取組をしているので、こういったものも利用していく見込みがございます。

 次に、山陰海岸国立公園の箱石湊宮線道路(歩道)について、たくさんのご意見をいただきました。順に説明していきます。まず、敷田委員からご意見をいただいた点について。今回、利用者については非常に大ざっぱな数字となっており、海岸の利用者の中に温泉の利用者も含むと理解しております。5キロという長い距離を事業決定する必要があるのかどうかということについては、説明させていただいたとおり、夏には海水浴に、冬にはカニを食べに来られる人たちがいますが、利用がとても偏っているので、この5キロの海岸を、時間をかけて歩いていただくという一つの利用形態を構築することによって、今は閑散期と言われている春や秋にも利用していただけるのではないかと考えております。また、その中で、とても貴重な植生がある場所ですので、その保全の大切さ等も普及啓発していく予定です。

 整備の方法としては、海浜植生の保護に十分配慮した線形とし、また、必要最小限の整備とする予定となっております。現在、環境省や京丹後市でも植生の調査等を行っているところであり、今後も利用のさせ方等については協議を行ってまいります。

 深町委員からご意見のありました、5キロ全部必要があるのかということについても同じ回答とさせていただきます。今、既存の歩道についてもしっかり管理できていないような状態であるというご指摘をいただきましたが、確かにこの5キロのうち、西のほうの一部では既存の歩道がある場所がございます。それは園地事業の園路として、短い区間が昔に整備されたものです。風のとても強い地域ですから、砂をかぶり、管理が行き届いていない部分もありますが、そういった砂を取り除くことについて地域も努力していると聞いております。

 今までは短い距離で、園地の園路という位置づけでしたが、今回は歩道としての長距離利用を実現することによって、地域にも保全と利用の両面の大切さを理解してもらい、京丹後市と維持管理についてもすり合わせた上で、事業執行を管理していく予定です。

 最後に、慶良間諸島国立公園についてです。敷田委員からそれぞれの島の来訪者の約半分をその島のビジターセンターの利用者として見込んでいるということについて、根拠はあるのかとのご意見いただきましたが、それぞれの設置予定地は、島の入り口に位置しており、港からも近い場所なので、公園を利用する人たちが船からおりて、必ず通るような場所です。もしかしたら多めというふうに思われるかもしれませんが、これぐらいの数を見込んで問題はないと考えております。

 最後に、桜井委員からご意見いただきました自然再生施設という事業名について、少し違和感があるというご意見について。この自然再生施設という名称については、確かによくご質問を受けるところでございますので、一つのご意見として承らせていただければと思います。以上です。

○下村小委員長:はい。事務局からのお答えでした。ご質問と同時に、ご意見、コメントとして受け止められるものもあったと思いますので、地元とのやりとり、調整の中でしっかりご意見を伝えていただければと思います。また、利用者数や利用率の調査については、それもあわせて地元にできるだけ充実していただくようお伝えしていただければありがたいと思います。なお、これは利用に関わる事業ですけれども、あわせて保護の計画等も行われていますので、そういったものと上手に組み合わせる中で、利用が保護の問題に抵触しないよう進めていただければと思います。よろしゅうございますか。何か追加はございませんか。

○敷田委員:お答えをいただきましたけども、要は、先ほどの利用者数は、利用率50%だったら、その根拠を教えてくれという質問なのです。恐らくこうだろうという話ではなしに、根拠は何だと。例えば事前にアンケート調査をしたらこうだったということをロジカルに説明していただきたい。それで、第三者が見たときにつながった説明になっていればいいと思います。キャンプ場の件もまさにそうで、私たちは個別の事情をわかって、おそらくそうだろうという理解をすることはもちろんできますが、先ほど中村委員もおっしゃっていたように、きちんと外へ出たときに説明になっている必要があると思います。特に山陰海岸の件はそうですね。海岸で温泉が湧いているわけではないと思うので、利用実態がどうで、現在こうなっているから、啓発の意味も含めてこういう考えでいるという、その根拠の部分を教えていただきたいということです。

 その意味では、ここでの表現方法というのは非常に重大で、いい加減なという言い方はあえて避けたいとは思いますが、曖昧な表現で、例えば深い自然体験だろうというふうに書いてしまうと、これが前例となって、ほかの件を審査するときに、あのときは深い自然体験でオーケーだったではないかという話は当然起こってしまうので、非常に重要な意味を持っていると思います。その点をお考えいただきたいという共通したコメントです。以上です。委員長、ありがとうございました。

○国立公園課長:ありがとうございました。いただいたご意見を今後重々踏まえて、資料をつくってまいりたいと思います。

 また、山陰海岸国立公園の歩道につきましては、今、多々ご意見をいただいたところでございます。現場の近畿地方環境事務所でも、市や、それからいろいろ懸念されていらっしゃる地元の方々と、再三調整しているということを聞いております。特に重要な植生のところについては、今回の植生調査の結果も踏まえて、そこを避ける等の措置をとり、また、今回の歩道を開通させることによって、地元でもより積極的に保護、管理に携わっていただけるように協力体制を組み、調整しているということでございますので、今日いただいたご意見をしっかりと現場に伝え、プラスに働くようにしていきたいと思っております。ありがとうございます。

○下村小委員長:はい。ありがとうございました。よろしゅうございますか。

 それでは、国立公園事業の決定、廃止及び変更について、諮問に付されました国立公園事業の決定書、変更書及び廃止書のとおりとすることにつきまして、ご異議ございませんでしょうか。

(異議なし)

○下村小委員長:はい。それでは、お認めいただいたものといたします。

 続きまして、五つ目の議題です。尾瀬国立公園(大清水口)における「尾瀬らしい自動車利用社会実験」を踏まえた今後の低公害車運行について。これは報告でございます。事務局、説明をよろしくお願いいたします。

○国立公園課事業係長:はい。引き続き、小谷から説明させていただきます。尾瀬国立公園(大清水口)における「尾瀬らしい自動車利用社会実験」を踏まえた今後の低公害車運行について、報告させていただきます。

 まず、大清水から一ノ瀬区間における車道計画の経緯ということについて、図を見ながらご説明させていただきます。

 昭和15年当時、この赤で示した大清水から尾瀬沼を通って檜枝岐側に抜ける車道計画が公園計画に位置づけられました。その後、青色と緑色で示した部分について車道の工事がなされましたが、地域や自然保護団体からの反対を受け、当時できたばかりの環境庁の長官が事業の中止を要請しました。そこで、この車道を工事したところより奥の車道計画については全て削除となりました。

 また、その後、一ノ瀬から岩清水の緑色で示した部分については、完全に道を閉鎖し、緑化がなされました。また、この青色で示した大清水から一ノ瀬、今回話題となる場所ですが、ここについては、昭和49年にこの一ノ瀬の駐車場事業の計画事業決定に対して、小委員会において、大清水から奥については緊急用又は管理用車両等の必要最小限度の車が使用するものとするよう指導されたいという意見を付して答申を受けましたので、実質、大清水から一ノ瀬も一般の車両は通行できない状況となっております。

 そして、平成19年に尾瀬国立公園が日光国立公園から分離独立した際に、この区間についても、車道の計画が全て削除されました。また、そのときに、大清水から一ノ瀬を通って尾瀬沼に向かう歩道が統廃合され、このような計画にしております。

 こういった背景がございますが、次に、現在、大清水から一ノ瀬区間において、運行されている低公害車の取組について、背景、今後の予定について説明させていただきます。

 平成23年から利用分散を目的に、群馬県によって、低公害車の運行が試験的また試行的になされてきたところですが、平成27年度からは民間事業者によって運行することになりますので、今回報告させていただくものです。

 現在、尾瀬における利用の現状を示した図がこちらになりますが、主な登山口である鳩待峠、大清水、沼山峠の利用者のうち、約6割は鳩待峠を利用している状況にあり、全体の半分が鳩待峠の往復をするような利用形態となっております。

 そこで、尾瀬国立公園協議会というところで、この利用について検討するよう議論がなされてきましたが、まず、協議会についてご説明いたします。尾瀬国立公園協議会は、平成18年に策定された「尾瀬ビジョン」の振興促進等を目的として、平成20年に設置されたものです。構成員は環境省、林野庁、関係自治体や地元のガイド、自然保護団体等で、尾瀬の関係者が網羅的に関わっています。また、この協議会本体の下に、平成21年度に、尾瀬らしい自動車利用を検討するため「快適利用の促進(利用分散等)に関する小委員会」が設置されております。

 こちらが尾瀬の周辺道路を示した概況図となっておりますが、位置関係について再度ご確認いただくために映しております。登山口は赤色で示した部分ですが、先ほどもお話ししましたとおり、鳩待峠、大清水、沼山峠が主な登山口となっております。現状は半数が鳩待峠を往復利用しているということで、利用されるルートに偏りが見られ、また、尾瀬内での宿泊率が約3割である等、滞在時間が短いことが課題となっております。そこで、目指すべき尾瀬の利用のあり方として、地域としては回遊型の利用、また宿泊を伴う利用をしていただき、尾瀬ヶ原、尾瀬沼、各入下山口等、尾瀬の持つ様々な魅力をゆっくり楽しんでいただきたいと考えております。

 ここで言葉の説明です。回遊型利用というのは、少しわかりづらいかと思いますが、鳩待峠を往復で使うのではなく、例えば、鳩待峠から入って、帰りは大清水から抜ける等、入山時と下山時に異なる登山口を使う利用形態のことです。

 こちらが平成23年度から26年度に行われた群馬県の取組で、大清水から一ノ瀬間で低公害車を試験的に運行させたものの実施状況を表にまとめたものです。利用者のアンケートの結果、満足度や、今後も利用したいという人がとても多くいたことがわかりました。また、これらの取組に対応して環境省があわせて行った調査の結果、今まで鳩待峠や大清水において往復の利用や日帰り利用をしていた人が、この車両運行によって、鳩待峠、大清水間の回遊型・宿泊型利用へ誘導される効果は、年間約5,400人程度であることが推測されました。低公害車を運行させることは、特定の入山口に集中する傾向のある利用を分散させることや宿泊を伴う利用へ転換させることに対して一定の効果があり、尾瀬の持つ様々な魅力をゆっくり楽しんでもらうということに資する可能性が高いということがわかりました。

 民間事業者による車両運行が始まる来年度からも、当該区間はあくまでも歩行者優先の歩道として、今後も歩行者に配慮した車両運行がなされるべきであって、環境省としては、当該区間は車両運行を目的とした路面舗装や駐車場の拡大等は行わないことが前提であると考えております。そのため、来年度の運行に際しても、過去4年間の運行形態を踏襲して、こちらに示したとおり、歩行者優先で運行速度は20キロ程度までとして、砂ぼこり等にも配慮し、また歩行者を追い越す際にはクラクションは鳴らさず、歩行者が車両に気づいたことを確認した後に通過する等、ルールを守って運行される予定です。

 また、今後、車両運行による利用面・環境面での影響、利用分散化・回遊型利用への誘導効果等については、関係機関が協力してモニタリング調査を実施し、これらの結果を踏まえて、尾瀬国立公園協議会及び小委員会で、車両運行の利用効果、妥当性、また実施方針等について検討し、必要に応じて運行形態等の見直しを行ってまいります。

 環境省は、今後、当該歩道事業の執行者である群馬県から協議を受けることによって、当該区間における車両運行等が適切に行われるようにコントロールしてまいります。

 以上、報告させていただきます。

○下村小委員長:はい。どうもありがとうございました。

 私の世代にとりましては、この場所は非常に話題になったところで、若いころに自然保護という問題と非常に密接したトピックとして結びついているところですね。地域と環境省と一緒になった国立公園協議会というところで利用についていろいろ検討されている中で、社会実験も踏まえて、歩道ではありますが、低公害車をある一定のルールで運行することになったというご報告でした。

 ご質問あるいはご意見がございますでしょうか。

○下村小委員長:はい。それでは、敷田委員と深町委員、お願いいたします。

○敷田委員:ご説明ありがとうございました。この手の計画というのは、効果があれば非常に評価でき、好ましい内容だと思いますが、社会実験ということなので、環境面での問題と採算面が非常に重要であり、持続可能であるからやるのだと思います。平成25年、26年のデータを見ますと、非常に利用率が上がって、これが民間事業による運行決定につながっているのだと思いますが、事業の中でどこに採算点を引いていらっしゃるのか。採算がとれるというふうに判断した理由を教えていただけませんか。以上です。

○下村小委員長:続いて、深町委員。

○深町委員:今回の事例は非常に限定的で、一般的な車道にはつながらないというふうにご説明を受けましたが、その部分の確認と、こういう傾向というのは尾瀬だけではなくて、今後も国立公園でさらに広がっていく方向にあるのかどうかをお聞きしたいです。また、調査をして、そこからわかった効果や、社会実験としての状況を報告いただくと先ほど言われたと思いますが、やはりこういった件は慎重に扱う必要があると思うので、ぜひとも、こちらの小委員会も含めて、しっかり報告をしながら進めていただければと思います。以上です。

○下村小委員長:はい。ご意見と、それからご質問もあったようですが、いかがでしょうか。最初のはまず採算の話ですね。

○関東地方環境事務所国立公園・保全整備課長:関東事務所の中島でございます。

 ご質問をいただいた件ですが、事業の持続性、採算性については、民間事業者による運行を開始する上で非常に重要なポイントであり、もちろん価格や運行計画、詳細はこれからですが、平成26年度の試行運行を群馬県が民間事業者へ委託した結果、民間事業者から、事業の採算性について、継続性という意味で可能性があると確認しておりますので、平成27年度より具体的に移行することにしたと聞いております。

○下村小委員長:はい。よろしゅうございますでしょうか。

○敷田委員:すみません。何人運んだら採算がとれるということで踏み込んだのかということを聞きたいだけなので、それがわかっているかということです。例えば、県の予算でやるかどうかというのは問題ではないです。

○関東地方環境事務所国立公園・保全整備課長:そうですね。詳細についてはこれからですが、社会実験の中では1日20便、30便程度は運行して、1日平均数百人の乗車が得られているという中で、採算性に係る事業者としての意向は確認されています。ただ、具体的に何人以上乗れば採算がとれるという形でのデータ等、詳細な調整はまだされておりません。それはこれからということになります。

○下村小委員長:はい。どうぞ。

○国立公園課長:今の点につきまして、料金設定もこれから調整していくということなので、また、その点も引き続き、モニタリングしていきながらということになるかと思います。持続的にできるようにという今日のご意見を受け止めたいと思います。ありがとうございます。

 また、深町委員や小委員長からも、この事業については、従来の歴史的な背景も含め、慎重に扱うべきというご意見をいただきました。今後、こういった事例がどんどんいろいろなところで出てくるかどうかというのは、ケース・バイ・ケースですが、特に尾瀬の場合、大清水の地域につきましては、単に利用者が減ってきたから対応するということではなく、利用の分散を図ることに資するという目的があり、特に、自然保護団体も含めた協議の中で合意形成が図られてきたということで踏み切るものですので、一般的にこういったことをどんどん進めていくということではないと考えております。あくまでも、この歩道の中でこういった必要最小限の車両を運行させるということは、非常に限定的だと考えておりますので、ご意見いただきました今後のモニタリング等を含め、この小委員会に対しても、3年から5年を目処に、事業の環境面や歩いている利用者の方々への影響があるかどうか、あるいは事業の効果等を検証して、報告をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

○下村小委員長:はい。どうもありがとうございました。

 社会実験は終わったとはいえ、まだまだ実験は続いているという認識かと思います。非常に影響力の大きいところですので、しっかり調査を継続し、運行のルールや、先ほど舗装はしないというような話もございましたけれども、施設としての形態に関するルールをまずはしっかり明確にしてから始めていただければと思います。

 事業の問題、恐らく採算の問題について、企業としては、広告費も含めて、今のところ何とかなるだろうという判断かと思いますが、実際に採算がとれないとなると、なし崩し的にまた運行台数が増えるという可能性もなくはありませんし、そういう面で最初にしっかりルールを定めた上で、それをベースにモニタリングしていただいた結果をもとに、建設的な議論をしていただければありがたいと思います。ぜひ、我々としても見守りたいと思いますので、ご報告も含めて、よろしくお願いいたします。

 よろしゅうございますか。

(了承)

○下村小委員長:はい。ありがとうございました。

 じゃあ、続きまして、もう一つ、最後の諮問事項に当たります。一番最初の「自然公園等」と「自然公園等小委員会」としました「等」に当たる部分でございますが、崎山湾自然環境保全地域の区域の拡張及び保全計画の変更についてということで、事務局より説明をお願いいたします。

○自然環境計画課課長補佐:自然環境計画課の野木と申します。これから崎山湾自然環境保全地域の区域の拡張及び保全計画の変更についてご説明させていただきます。

 お手元の資料6-2をお開きください。自然環境保全地域の委員会への諮問はまさに22年ぶりとなりますので、最初に自然環境保全法の概要について振り返ってみたいと思います。

 まず法制定の背景ですけれども、昭和40年代、公害の深刻化を契機とした環境問題の顕在化、これに対する自然保護行政を含めた環境行政の進展。環境省の前身である環境庁は昭和46年に設置されていますけども、それらを直接的な背景として、自然環境保全法が制定されました。自然環境保全法は、自然環境保全施策の基本となる一般法、及び、自然環境保全地域等の整備の根拠法としての性格を有しております。

 法律の目的といたしましては、自然環境を保全することが特に必要な区域等の生物多様性の確保その他自然環境の適正な保全を総合的に推進することとなっております。この法で規定事項については、4条として、自然環境保全基礎調査の実施ということで、現在、環境省の生物多様性センターが実施しておりまして、主に現存植生図の調査、作成ということが広く世に知られておりますけども、そういった自然環境保全基礎調査の実施。それから、第12条といたしまして、自然環境保全基本方針の策定。そして、保護地域制度としまして、14条から21条で原生自然環境保全地域。22条から35条で自然環境保全地域。45条から50条で都道府県自然環境保全地域が定められております。

 現在どういった地域が自然環境保全地域等として指定されているかといいますと、まず原生自然環境保全地域については、全国5地域が指定されております。このうち遠音別岳、南硫黄島、屋久島につきましては世界自然遺産地域の保護担保措置となっておりまして、大井川源流部と屋久島についてはユネスコエコパークつまり生物圏保存地域の保護担保措置となっております。

 続きまして、自然環境保全地域ですけども、こちらは10地域ございまして、一番最後に指定されましたのが平成4年、やはり世界自然遺産地域の保護担保措置となっている白神山地でございまして、白神山地が指定されてから、今回承認いただきますと、年が明けて平成27年の拡張となるかと思いますけども、無事に拡張されますと、23年ぶりの登録または拡張ということになろうかと思います。

 それで、崎山湾自然環境保全地域の説明に移りたいと思います。

 こちらの図面は現在の崎山湾自然環境保全地域となっております。こちらが崎山湾ですけども、もともと崎山という集落がありましたが、人口減少により廃村になっております。面積が128ヘクタール、指定年は昭和58(1983)年です。指定理由は清澄な海域を生息場所とする多種類のサンゴから成るサンゴ礁が発達し、豊富な海中生物相を有しているということです。全域が海域特別地区に指定されております。

 次に参ります。崎山湾の自然環境の特徴です。

 環境の特徴といたしましては、集水域に、人工物、人家等が存在しないため、人為の影響が少ない清澄な海域となっております。また、外洋に大きく開いた湾で、湾内の奥行き及び水深は浅いという特徴を有しております。生物相といたしましては、造礁サンゴ類で、ミドリイシ類、コモンサンゴ類、ハマサンゴ類が発達し、その被度が高い場所については50%から75%ある状態であります。

 戻りまして、こちらの湾の奥の部分が干潟となっておりまして、その前面にはウミショウブ群落等の海草藻場が広がっております。指定時には世界最大規模と言われましたアザミサンゴの大群体が存在しましたが、その後、白化等の影響で規模が半分程度に縮小していまして、現在、縮小した部分につきましては、ミドリイシ等の群集が広がっている状態となっております。

 崎山湾の写真です。

 まず外観ですけども、これは湾口部から湾央を写したものですが、奥に向かって凸字型の湾になっております。湾の開口部ですけども、波の影響を受ける部分につきましては、卓状ミドリイシが広がっておりまして、若干奥に入り、これは湾口部の澪筋部分なりますが、枝状ミドリイシが分布しております。湾央の干潟の前面の部分にはウミショウブ群落が広がっている、このような状態となっております。

 続きまして、今回の自然環境保全地域の区域の拡張に至る経緯についてご説明させていただきます。昭和58年にこの崎山湾自然環境保全地域が指定されまして、その後、平成22年に自然環境保全法の改正を受けまして、「崎山湾海中特別地区」を「崎山湾海域特別地区」といたしまして、採捕規制動植物の地域等を再指定しています。ただ、このときに指定種等に変化はございません。

 今回の拡張については、指定後から、東に隣接する網取湾まで区域を拡張してほしいというような要望が、地域住民、ダイビング組合、この地域に存在します東海大学の研究施設等から要望が出ておりました。また、指定後に行ってきました過去の自然環境調査の蓄積、愛知目標11の沿岸域及び海域の10%を保護地域等で保全するといった目標の実現、平成24年の西表石垣国立公園の拡張、こういったような周辺状況を受けまして、崎山湾に加えて、網取湾及び両湾周辺海域への自然環境保全地域の拡張案の作成に至っております。

 拡張区域(案)の概要です。先ほど説明しました現在の区域に対し、東に隣接する網取湾の全域、それから崎山湾の全域、及びその周辺海域につきまして、区域を拡張したいと考えております。

 続きまして、網取湾の自然環境の特徴につきましてご説明させていただきます。

 環境ですけども、崎山湾とは対照的な地形を有しておりまして、奥行がある入り江状の湾となっておりまして、湾口から湾奥まで環境変化に富んでおり、湾央の水深は深いと。一番深い部分で50メートル程度あると言われています。そうしたことから、外界の影響を強く受ける区域、内湾的な区域、深いところ、浅いところ、底質の変化、塩分濃度の変化等が複合し、同じ湾の中でも多様な環境に富んでおります。

 生物相につきましては、湾内の深みには、西表島の固有種でありますアミトリセンベイサンゴの群集やトゲサンゴ・ヒメエダセンベイサンゴ群集等が見られます。内湾性の強い礁斜面には、枝状ミドリイシ類が発達しています。湾奥や東岸の浅場にはウミショウブやウミジグサ等の海草藻場が広がっております。また、奥の干潟にはヤナギウミエラ属の一種の生息が確認されております。

 続きまして、網取湾の写真をご覧いただきたいと思います。こちらが網取湾の外観でございます。

 先ほどの崎山湾とは対照的に、リアス式海岸のような、奥に細長い形状の湾となっております。こちらが水深43メートル以上ということですけども、水深50メートル付近に広がっているアミトリセンベイサンゴの群落で、群落の規模は40メートル以上あるという報告がされております。

 こちらは、その周辺に広がっているとされるヒメエダセンベイサンゴの写真となっています。湾内の礁斜面にはこのようなミドリイシ類が発達しておりまして、その他、多種混成群落が見られます。また、一般的に見られる、例えばコモンサンゴ類等についても、網取湾では全体的に規模が大きなものが目立つと報告されております。

 区域の拡張(案)の概要です。崎山湾自然環境保全地域を拡張し、その名称を「崎山湾・網取湾自然環境保全地域」に変更したいと考えております。拡張前の面積は128ヘクタールですけども、拡張後は1,077.1ヘクタール、拡張前の約8.4倍。海域特別地区につきましては、今回の拡張部分の全てを編入いたしまして、全域を海域特別地区とするように考えております。

 区域設定の考え方につながる部分ですけども、基本的にはサンゴ礁の高被度域や重要な種の確認位置を包含するように区域設定をしております。このピンクの部分が主にミドリイシ類になるんですけども、被度の高いサンゴ礁の区域。ここは干潟となっております。干潟の全面には海草藻場が広がっておりますが、サンゴの分布と重なるために表示は割愛させていただいております。その他のポイントでは、特異な群集ではないけども大規模な群集等が確認されております。これらの地域を包含する形で区域設定をいたしました。

 保全計画の変更(案)の概要です。先ほど説明しましたように、全域を海域特別地区に指定する方法で考えています。

 2ポツ目といたしましては、採捕等規制動植物の拡充です。変更前はサンゴや海草を8科/3属/9種指定しておりましたけども、変更後は36科/327種に拡大いたします。属がなくなっているのは、科のほうに吸収されて属指定がなくなったためです。これはわかりづらいんですけども、科と属と種はそれぞれ関係なく、「〇〇科全種」で指定されているものは科としてカウントし、「〇×属全種」で指定されているものは属としてカウントし、種単位で指定されているものは種でカウントしてございます。

 保全施設ですけども、基本的に人の利用を前提としている地域ではないので、多くのもの、なるべく施設は設置しないと。法で認められたものしか設置できないということで、保全計画の中で定めておりますが、必要最低限の施設として巡視に供する係留施設の設置、これは係留時のアンカーによるサンゴの損壊防止のための、固定式の係留ブイ等を考えております。それから、標識・案内板等の設置ですが、ここは陸路もなく、基本的にはなかなか到達できない区域です。船がなければ到達できない区域ですので、標識はこの地域の中に立てても誰も見ることがないので、この手前の舟浮集落であるとか、白浜の集落や港付近に設置したいと考えております。説明は以上です。

○下村小委員長:はい。どうもありがとうございました。自然環境保全地域に関しては、平成4年以来の22年ぶりということで、少なくともこれまではあまり動いていなかったということかと思います。案件につきまして、地域からの要望ですとか、あるいは国際的な目標の関係というようなことから、名称とそれから区域の拡張、それから保全計画ということに関して変更したいということでございます。

 何かご質問、ご意見ございますでしょうか。ほかはよろしいですか。

 それでは、桜井委員、それから大黒委員、お願いします。

○桜井委員:非常に重要で、この海域が増えることはうれしいんですけれども、多分この環境保全地域として、海域としてこれが認められるのは、たしか、ない。ああ、ありますか、硫黄島がありますね。今後、この海域についてはどのような保全と利用を、あるいはその協議会等、そういったものは何もなくて、指定だけで終わるのか。それとも、その後のアクションは何かあるんでしょうか。

○下村小委員長:じゃあ、続いて大黒委員。

○大黒委員:はい。愛知目標関連でこの10%に貢献するということでしたけど、今後、同様なこの保全地域、海洋における保全地域の拡張ということに関して計画等がありましたら、教えていただきたいと思います。

○自然環境計画課課長補佐:はい。では、レクリエーション利用については私から回答させていただきたいと思います。

 まず、この海域の自然環境保全地域につきましては我が国では、この崎山湾のみで、南硫黄島は陸域のみということになっております。この海域の利用ですが、、八重山漁協の共同漁業権が設定されておりまして、今回の採捕規制動植物の指定においては漁協と調整し、問題のない限り、種指定しているというような状況でございます。

 海域のレジャー利用等なんですけども、主に夏の間を主としまして、地元のダイビング組合等によるダイビングやシーカヤック等の利用がございます。最近はシュノーケル等の利用も見られる等、利用の多様化が見られます。しかしながら、隣接するというか、島の反対側になりますけども、石西礁湖区域と比べますと、利用頻度はあまり高くないという状況で、このような中で、利用に際してのルールづくりは今後の課題と認識しております。係留ブイの設置等も、巡視目的で設置するものですが、こういった施設の地域の方の利用も含めながら、サンゴの保全に支障がないように、地域と十分な調整を図っていきたいと考えております。

○自然環境計画課長:はい。それから、今後の指定の見通しについてお答えしたいと思います。

 ご意見いただいたのは海域ということでございましたけれども、陸域も含めて22年ぶりということで、今後、自然環境保全地域の指定をどうするんだということの受け止めでお答えさせていただきますけども、自然環境保全地域というのは、自然環境保全法に基づきまして、この資料6-2に保全法の概要がありますけれども、利用を目的としていないというのが自然公園法との大きな違いでございます。そういうこともあり、また、いろいろ厳しい規制もかかるということで、なかなかこれまで指定が昭和50年代以降なかったわけでございますけれども、今後、その要件が整ったところについては、海域も含めて指定について検討していきたいと思います。ただ、この法律の目的にもありますように、「自然公園法等と相まって」というふうに書いてございまして、国立公園、国定公園だとか、そういう他の保護地域制度による指定状況等も勘案しながら、海域も含めて、今後どういうふうにしていったらいいかというのを総合的に検討していきたいというふうに思っております。

○下村小委員長:はい。よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、この名称に関しては承認事項ではないですね、名称の変更に関しては。とりあえず、区域の拡張と公園計画。

○自然環境計画課課長補佐:法律には、名称について特に諮問の規定はないんですけども、手続きとしては、法律では、区域の拡張の官報公示の中で名称変更することになっておりますので、区域の拡張に含まれると考えます。

○下村小委員長:はい。ということのようです。名称も変わるようですが、承認事項としては区域の拡張と保全計画の変更ということですね。

 崎山湾自然環境保全地域の区域の拡張及び保全計画の変更について、諮問に付されました指定所及び保全計画書のとおりとすることにご異議ございませんでしょうか。

(異議なし)

○下村小委員長:はい。それでは、お認めいただいたものとしたいというふうに思います。

 以上で、本日の諮問事項については審議が終了いたしました。審議へのご協力、どうもありがとうございました。

 それでは、進行を事務局にお返ししたいと思うんですが、ちょっと私も不注意だったのかもしれない。資料の名称が、中に「自然公園小委員会」になっているものが幾つかございますので、公開する前には、そこもちょっと修正しておいていただいたほうがよろしいかと思います。幾つかあるようです。

 それでは、事務局にお戻しいたします。

○司会:委員の皆様、本日は、長時間にわたりましてご審議ありがとうございました。委員長ご指摘の自然公園小委員会の資料につきましては、後刻調整いたしまして公開させていただきたいと思います。

 本日お配りしました資料につきまして、郵送をご希望の方におかれましては、用紙のほうに記入していただき、机に置いておいていただければ、後刻、事務局のほうから郵送させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

午後4時01分 閉会

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