中央環境審議会自然環境部会 自然公園小委員会議事要旨 (第29回)

1.開催日時

平成26年12月24日(水)13:00~16:00


2.開催場所

環境省第二・三会議室(19階)

3.議題

(1)自然公園等小委員会の設置について【報告】

(2)国立公園及び国定公園の公園区域及び公園計画の変更について【諮問】

  • ・明治の森高尾国定公園
  • ・富士箱根伊豆国立公園(箱根地域)
  • ・鈴鹿国定公園

(3)生態系維持回復事業計画の策定について【諮問】

  • ・知床国立公園
  • ・白山国立公園

(4)国立公園事業の決定、廃止及び変更について【諮問】

  • ・大雪山国立公園
  • ・磐梯朝日国立公園
  • ・上信越高原国立公園
  • ・秩父多摩甲斐国立公園
  • ・富士箱根伊豆国立公園
  • ・中部山岳国立公園
  • ・山陰海岸国立公園
  • ・雲仙天草国立公園
  • ・霧島錦江湾国立公園
  • ・慶良間諸島国立公園

(5)尾瀬国立公園(大清水口)における「尾瀬らしい自動車利用社会実験」を踏まえた今後の低公害車運行について【報告】

(6)崎山湾自然環境保全地域の区域の拡張及び保全計画の変更について【諮問】

4.議事経過

 諮問事項すべてについて審議がなされ、それぞれ適当であるとの結論に至った。 なお、主要な発言は以下のとおりである。

(1)国立公園及び国定公園の公園区域及び公園計画の変更について(諮問)

○明治の森高尾国定公園

委員:歩道の利用施設計画の変更だが、植栽の影響の軽減を図るため、侵入防止ロープを設置するということだが、利用を規制するのみで植生の回復が図れるのか、何らか植生回復のための手立てが必要なのか。

事務局:現在のところ、ロープで利用規制することで植生が回復している。新たな植栽の計画等は考えていない。

委員:東京都内のシカの分布は急速に拡大しており、高尾にも侵入し定着することが危惧されるが、このことについて植生の回復に関連して調査を行っているか。

事務局:現在まだ被害は出ていないと聞いており、まずは植生復元施設を計画し対応を図りたい。今後、被害が深刻化するような場合は、生態系維持回復事業計画も検討する。また、東京都レンジャーが頻繁に巡回し毎年度報告をいただいており、引き続きモニタリングをしながら状況把握に努めたい。

委員:1号路や6号路にイノシシ被害がでている。水が染み出ているところは、土壌が荒らされ、植生にも被害が出ている。早めに対策をとってほしい。

事務局:管理者である東京都と検討する。

委員:スライド8枚目の踏み入れ防止ロープの画像は山頂なのか。山頂の混雑の様子をみるとロープだけで、植生を守るのは難しいのでは。

事務局:山頂が混雑する状況は特にゴールデンウィークと秋の紅葉シーズン。山頂への到達に一番利用が多いのは舗装されている1号路。昔は柵もなく自由に歩けたため植生が破壊されていたが、今は石垣等を作り山頂域も整理されているため、現段階はロープで対応可能と考えている。スライド6枚目の写真は、山頂から城山方面に向かう歩道の写真で、スライド8枚目のロープ設置はこの場所のこと。踏み荒らしやお弁当を食べる際に歩道から外れて食べる状況があったため、ロープを設置したところ、植生の回復が見られる状況があった。東京都において、高尾山利用者への利用ルールも周知しているところ。現状の対策で足りないような状況があれば、定期的な公園計画の点検の中で対応を図りたい。

○富士箱根伊豆国立公園(箱根地域)

委員:仙石原の火入れは、この変更を踏まえてやっているのか。

事務局:今回の変更区域も含めて火入れを実施している。

○鈴鹿国定公園

委員:生態系維持回復事業と自然再生事業の区分けは。

事務局:自然再生事業は、過去に損なわれたものをどう回復するか、生態系維持回復事業は、壊れつつある途中段階にあるものを被害の影響を軽減する形で対策をとるものである。

委員:社会に対して説明する際に分かりやすいものがよい。

委員長:自然再生は、色々なチャンネルがあるので、どれを使って再生するかということ。

 

○その他

委員:様々な方が関与されている中で意見等が出て、対策案が出てくるのだと思うが、計画の変更とはどの段階の議論なのか分かりにくい。計画は決まればすぐ実行されることなのか。

事務局:公園計画は一番の土台となるものであり、事業決定は施設の規模等の詳細を決定するもの、その後、どのように管理して行くかを計画するのが管理計画となっている。大きくわけて3つのステップで公園管理を行っている。

委員:計画、事業、管理という流れの中で何か問題があって、また計画にフィードバックされるというフィードバックの流れが分からないから質問した。

事務局:様々な方々に関わっていただき公園の管理をしている。公園の現場でレンジャーが色々な方々や協議会等で意見を聞き、フィードバックし、計画変更に至っている。フィードバックの方法は様々ある。

(4)国立公園事業の決定、廃止及び変更について【諮問】

○小瀬野営場の変更について

委員:単なるキャンプ行為が深い自然体験にはつながりにくいと思うが、どういう意味なのか説明していただきたい。

事務局:現在の野営場事業区域及びその周辺を広く野営場事業区域として設定することにより、同じ事業者がその区域内において自然散策など園地的な利用を併せて提供するもの。

○箱石湊宮線道路(歩道)の決定について

委員:海水浴や温泉利用で90万人の利用者があるようだが、利用実態はどうなのか。また、海浜植生とのふれあいや踏み込み防止のために5kmもの歩道を整備しなければならない判断根拠はなにか。

事務局:夏は海水浴、冬はカニを食べに来るなどの利用があるが、歩道整備により海を見ながら長い距離を歩くという一つの利用形態を構築して、閑散期である春秋における利用促進を図るとともに貴重な植生の保全の大切さを普及啓発するもの。

委員:歩道の計画には大きな懸念がある。現地は海浜植生が広がり、非常に整備しにくい場所である。また、この地域の海浜植生は、日本の植物相や海岸植生を考察する上で非常に歴史が古く貴重であり、そのような地域で事業決定することは問題ではないか。現地には一部既に歩道があるが、管理状態が悪く、土砂混入や本来海岸にあるべきでない樹木が植栽され、管理できていない。守るべき植物群落が保全されていない状態で新たに歩道を整備することに懸念を抱いている。京丹後市は調査・検討をしているのか。地元からも懸念の声が出ているのでご承知いただきたい。

事務局:海浜植生の保護に十分配慮した線形とし、必要最小限の整備とする予定。また、環境省や京丹後市が事前の植生調査等を行っており、利用のさせ方についても今後協議を行っていく。一部既存の歩道があるが、園地事業の一部として整備されたものであり、市はかぶった砂を除去するなど維持管理の努力をしている。整備後の維持管理についても京丹後市とすり合わせる。

事務局:近畿地方環境事務所でも、市や懸念を抱いている地元の方々と再三調整していると聞いている。植生調査の結果を踏まえて貴重な植生の集まる場所を避けるなど検討するほか、歩道整備をきっかけとして地元にも積極的に保護・管理に携わっていただける協力体制を調整しているとのことなので、本日のご意見をしっかり現場に伝え、プラスに働くようにしたい。

委員:これは意見だが、自然を楽しむ旅行が次第に認知されてきているが、地元にメリットがあるようなプログラムなどがあれば良い。

○渡嘉敷博物展示施設、座間味博物展示施設、阿嘉園地の決定について

委員:各施設の利用者見込みを来島者の50%とした根拠はなにか。

事務局:各施設とも、船から下りた公園利用者が通る港近くに設置予定であり、多めかもしれないがその程度を見込んでいる。

○ババ平野営場の決定について

委員:再整備するトイレの処理方法、有料・無料も含めてどのような計画なのか。また、国立公園内における山小屋、野営場におけるトイレの整備に関して方針があれば教えていただきたい。

事務局:処理方法はバイオトイレ等を予定している。トイレ整備に関する方針は特にないが、当課では山岳トイレ設置のための補助金を公募しており、民間の山小屋を補助している。

○渡嘉敷自然再生施設、座間味自然再生施設の決定について

委員:自然再生施設という言葉に違和感がある。今後このような事業が増えていくと思われるので、ふさわしい事業名を検討いただきたい。

事務局:ご意見として承る。

その他

委員:全般的に曖昧な表現の説明が多いので、第三者が理解できるよう、ロジカルに説明していただきたい。

事務局:ご意見を踏まえて、今後資料を作成したい。

委員長:委員からのご意見を地元にしっかり伝えるとともに、利用者数や利用率などの調査についても地元にできるだけ充実していただくよう調整いただきたい。

(5)尾瀬国立公園(大清水口)における「尾瀬らしい自動車利用社会実験」を踏まえた今後の低公害車運行について【報告】

委員:民間による事業決定を判断するに至った採算ラインはどこか。

事務局:社会実験では、1日20~30便程度を運行し、1日平均数百人の乗車がある中で、事業者から実施の意向は確認しているが、具体的に何人以上乗れば採算が取れるかといったデータはない。

事務局:料金設定は今後調整していくもの。

委員:このような取組は今後も国立公園の中で広がっていく傾向なのか。運行の効果や影響評価等を適切に実施し、小委員会にも状況報告しながら進めていただきたい。

事務局:今回の件は利用者が減ってきたから増やすために対応するというものではなく、尾瀬地域全体の利用分散に資すると判断した上で行うものであり、自然保護団体も含めた協議の中で限定的な取組として踏み切るものなので、どんどん推進していくものではない。3年から5年を目処に事業の効果等を検証して小委員会に報告したい。

委員長:尾瀬は影響力の大きいところなので、調査を継続し、運行、施設形態等のルールを明確にして実施していただきたい。

(6)崎山湾自然環境保全地域の区域の拡張及び保全計画の変更について【諮問】

委員:当該海域の利用状況、指定後の管理はどうか。

事務局:八重山漁協の共同漁業権が設定されており、採捕禁止動植物種については、同漁協と調整した上で選定した。また、夏季を主として、地元のダイビング組合等によるダイビングやシーカヤックのレジャー利用があり、最近はシュノーケル等の利用の多様化がみられるが、石西礁湖等に比べると利用頻度は高くない。利用に際してのルールづくりは、これからの課題。巡視用係留ブイの有効活用等も考えている。

委員:今後、自然環境保全地域、特に海域の新たな指定・拡張はあるのか。

事務局:自然環境保全地域は、利用を目的としないことから地域との調整が難しく新規指定や拡張は容易ではないと考えているが、要件が整ったところがあれば指定について検討していきたいと考えている。また、全国的な洗い出しについては、他の保護地域制度による指定状況等も勘案しつつ、必要性も含めて総合的に検討していきたい。

委員長:名称変更も諮問対象に含まれるのか。

事務局:名称変更は、手続き上、諮問対象の「区域の拡張」の一環となっている。

5.問い合わせ先

環境省自然環境局国立公園課(代表03-5521-8278)

課長   岡本 光之(内線6440)

課長補佐 長田  啓(内線6650)

係長   尾﨑 絵美(内線6691)

係長   小谷 芙蓉(内線6692)

環境省自然環境局自然環境計画課(代表03-5521-8272)

課長   鳥居 敏男(内線6430)

課長補佐 野木 宏祐(内線6439

ページ先頭へ