中央環境審議会自然環境部会 自然公園小委員会議事要旨 (第27回)

1.開催日時

平成26年1月27日(月)13:00~15:30

2.開催場所

環境省 第一会議室(22階)

3.議題

(1)国立公園の公園区域及び公園計画の変更について(諮問)

・伊勢志摩国立公園   ・山陰海岸国立公園

・大山隠岐国立公園(大山蒜山地域)

(2)国立公園事業の決定、廃止及び変更について(諮問)

・秩父多摩甲斐国立公園 ・富士箱根伊豆国立公園

・中部山岳国立公園   ・伊勢志摩国立公園

・吉野熊野国立公園   ・大山隠岐国立公園

・慶良間諸島国立公園

(3)尾瀬国立公園の生態系維持回復事業計画の策定について(諮問)

4.議事経過

委員・臨時委員19名中13名が出席し、小委員会は成立。

諮問事項すべてについて審議がなされ、それぞれ適当であるとの結論に至った。
なお、主要な発言は以下のとおりである。

(1)国立公園の公園区域及び公園計画の変更について(諮問)

委員:
公園計画と公園事業の関係をよく説明していただきたい。
事務局:
今回の伊勢志摩国立公園の大崎半島の宿舎計画を例にあげると、議事1の公園計画は必要性や概ねの位置を検討するものであり、議事2の公園事業は、その規模や詳細な位置等を決定するものである。
委員:
海域公園地区はいつ頃から対象範囲の拡大が議論となったのか。山陰海岸国立公園の海域公園地区を指定するにあたっては、漁業関係者との調整が済んでいるのか。
事務局:
公園区域の海域については平成19年度の国立・国定公園の指定及び管理運営に関する提言の中でその重要性が示された。これを踏まえ、従来は汀線から1kmを標準として公園区域の範囲としていたが、利用を含む景観や生物多様性の観点から海域の公園区域については沖合5km、海域公園地区については沖合1kmを基準とすることになった。具体的な範囲については個々の公園ごとに検討することとしており、慶良間諸島国立公園の場合であれば、ザトウクジラの繁殖海域として7kmを指定した。
関係自治体の水産関係部局との調整は済んでいる。指定にあたっては、動植物の採取規制を設ける区域、設けない区域を区分できるため、それも含め調整している。
委員:
大山隠岐国立公園の三徳山については、飛び地になっているが伯耆三嶺と称される三つの山々と、どのように一体的な利用を図っていくのか。
投入堂は非常に険しい山と聞いているが、利用者の安全を図りつつ、どのような事業展開を図っていくのか。
委員:
三徳山については、自然のつながりから見れば、大山隠岐国立公園よりも氷ノ山後山那岐山国定公園のほうが強いと考える。隠岐、三瓶山及び三徳山と飛び地になっており、さらに三瓶山及び三徳山の特徴がお椀型という指定理由も再検討したほうがよい。
伊勢志摩の大崎半島の宿舎計画については、国立公園側としても事業者側としても、双方にメリットがあるということでよいか。
委員:
大山隠岐国立公園の三徳山について、北側だけ指定する理由は何か。
事務局:
大山隠岐国立公園の一体的な利用については、中国自然歩道のつながりを活用したエコツアーや、修験道としてのつながりを活かした利用を地元自治体と連携して検討したい。
投入堂の安全管理については、管理者である三仏寺が入口にて料金徴収を行う際に入山管理が実施されており、今後も地元主体で管理を実施する。
氷ノ山後山那岐山国定公園ではなく、大山隠岐国立公園に編入する理由については、火山の景観的特徴が大山隠岐国立公園の山々と共通性が見られるためである。
三徳山の南方についても検討していたが、風景形式や景観上、大山隠岐国立公園との共通性が見受けられないことから、三徳山北側のみ編入することとした。
伊勢志摩の大崎半島の宿舎計画については、双方にメリットがある。計画区域の地種区分が第3種特別地域及び普通地域であり、規制が比較的弱いため、公園事業にすることで環境省としても国立公園に相応しくなるよう指導できる。

(2)国立公園事業の決定、廃止及び変更について(諮問)

委員:
立山登山線道路(歩道)について、説明の写真を見ると、踏み分けの道が認められ、既に人が入っていることが見受けられるが、新たに公園事業となることによって、植生の保護などどのように図られるのか。
船上山園地について、近年利用者が増えているという説明があったが、その背景を教示されたい。また利用者増加を受けての今回の諮問なのか、その関係を説明してほしい。
事務局:
立山登山線道路(歩道)について、利用圧によって道幅がむやみに拡がらないような措置や植生保護、また、ライチョウへの影響も確認しながら路線の整備を進めたい。
船上山園地の利用者増加の背景としては、高速道路が近くまで延伸されたこと、山麓に位置する「船上山自然の家」の企画などによって船上山の名前が知られるようになったことなどが考えられる。適正な利用を推進するためにも、山頂からの展望確保や広場の管理をしっかり行っていくことが必要。
委員:
事業決定される区域の土地の所有権について、あらかじめ事業者が取得する方針で話が進められているのか。特に今回の事業決定により新たに施設等が整備される富賀浜園地と、大崎半島宿舎について聞きたい。
事務局:
富賀浜は私有地があり、整備に向けて調整を進めているところである。大崎半島宿舎については、すべて事業執行予定者である三井物産の所有地となっている。
委員:
富賀浜園地について、整備の内容をもう少し詳しく聞きたい。
事務局:
大きな石が散在して歩行が困難な海岸となっているため、整地された入水ポイントを設置して、ダイバー等が入水しやすいように整備する。また、観光客が海岸を無秩序に歩行する結果、その踏圧によって裸地が拡がってしまっているため、歩行路を整備し、貴重な自然環境の保全を図りながら、安全・快適な利用を提供できるようにするもの。
委員:
事業執行の形態が、直轄・都県・民間等、様々であるようだが、例えば植生の保護の指導など、どのような仕組みで施工管理されているのか。
事務局:
事業執行に当たっては執行認可を申請(協議)してもらい、執行内容について承認(回答)する形で、事業の内容を審査する仕組みになっている。例えば、希少植物が事業地に確認されていれば移植を指示する、希少動物の営巣地を回避する、または施工の時期をずらすなど。
委員:
そういった指示をする場合、担当者や事務所によって言う事の違いが生ずるなどの支障が出ることが心配されるが、どの担当者になっても、どの施工業者でも分かる、施工事例のような客観的な資料に基づく指導書のようなものがあるのか。標準化するのが良いと言っているわけではないが。
事務局:
公園の中の地域ごとに管理計画を定めており、屋根の形、法面緑化方法等の仕上がりの基準などについて、詳しく定めている。その基準に従って指導を行っており一定の指針となっている。

(3)尾瀬国立公園の生態系維持回復事業計画の策定について(諮問)

委員:
計画の策定期間について具体的な年限を設けないという変更だがこのことについて意見はないか。
(意見なし)
委員:
ニホンジカによる植生影響のモニタリングについて、この二年間大きな変化はないとのことだが、今後の見込みは。
事務局:
シカの移動経路も不明な状況であり、現時点で持ち合わせているデータでは明確なことは言えないが、捕獲頭数も伸びており、追い払いなどの対策も実施していることから、今後の被害は最低でも現状維持以下を目指したい。
委員:
事業目標に数値的なものがあるか。捕獲数、確認数は資料に掲載されているが、生息数を把握しているか。シカ防護柵、くくりわな等の設置による他の動物に対しての影響は。
事務局:
生息密度は、事業目標を数値として設定可能な一つの指標になると考えているが、現状では生息数の推定にも至っていない状況であり難しい。事業目標の数値化は今後の検討課題として取り組んでいきたい。それからシカ防護柵やくくりわな等の設置による他の動物に対しての影響については、ツキノワグマについては柵を越えることが他の公園でも確認されておりあまり影響はないと考えている。また、くくりわなについては、混獲などが生じているがすぐに放獣できるような体制を組んでいる。
委員:
この地域で冬はシカが生息できない。冬には下山し、夏にはまた戻ってきている。ライトセンサスの結果に基づく説明では、尾瀬を通過している可能性があるとのことだが、シカのそのような行動はどのようなデータに基づき判断しているのか。
事務局:
山小屋関係者からの目撃情報や夏・秋のライトセンサスのデータが横ばいであることなどの情報・データをもとに考察した結果である。
委員:
シカの完全駆除や生息密度低下という目標をたてるのは難しいか。
事務局:
尾瀬の場合は、開放系の地形でもあり、シカの移動経路の把握や生息数の推定などシカの生息動態の把握も難しく完全排除という目標を法定計画である当該計画でたてるのは現実的には困難ではないかと考えている。
委員:
生息数だけでなく、個体のサイズも把握できないか。
事務局:
調査の必要性や費用対効果も含めて検討したい。
委員:
植生保護柵設置箇所として、大江湿原を選んだ理由は。柵内部で植生モニタリング調査を実施するとのことだが、効果を判定するのであれば柵外でも実施すべきでは。
事務局:
林野庁の事業として実施するもので森林生態系保護地域の保存地区の核心部として大江湿原を選び実施していると聞いている。また、柵外部での植生モニタリング調査については、環境省事業で実施しているので、そのデータを活用するなど連携を図りながら進めていきたい。
委員:
地域全体で取り組むとは具体的にどのように実施するのか。
事務局:
これまではほぼ環境省だけで取り組んでいたが、福島県及び群馬県が環境省の交付金事業を活用してニホンジカ対策に参画するなど様々な主体が連携・役割分担しながらシカ対策に取り組む体制が構築された。また、日光国立公園との連携も進めており、一連の地域としての取り組みも行いはじめている。

5.問い合わせ先

環境省自然環境局国立公園課(代表03-5521-8278)

課長
鳥居 敏男(内線6440)
課長補佐
長田  啓(内線6650)
専門官
速水 香奈(内線6692)
係長
若松 徹 (内線6690)
係長
尾﨑 絵美(内線6691)
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