中央環境審議会 自然環境部会 自然公園小委員会(第26回) 議事録

1.開催日時

平成25年7月3日(水)16:00~17:06

2.開催場所

法曹会館 寿の間

3.出席委員(13委員)

下村 彰男小委員長
小泉 透臨時委員
小泉 武栄臨時委員
桜井 泰憲臨時委員
中静 静臨時委員
大黒 俊哉専門委員
佐々木 邦博専門委員
関 智子専門委員
辻本 哲郎専門委員
原 直道専門委員
広田 純一専門委員
深町 加津枝専門委員
吉田 謙太郎専門委員

4.議題

1.開会

2.議事

(1)国立公園事業の決定及び変更について(諮問)
・利尻礼文サロベツ国立公園 ・大雪山国立公園  ・阿寒国立公園
・知床国立公園       ・磐梯朝日国立公園 ・瀬戸内海国立公園
・霧島錦江湾国立公園    ・西表石垣国立公園
(2)生態系維持回復事業計画の実施状況について(報告)
・知床生態系維持回復事業      ・尾瀬生態系維持回復事業
・南アルプス生態系維持回復事業   ・白山生態系維持回復事業

5.配付資料

○議事(1)関係
資料1:国立公園事業の決定及び変更に関する資料
資料1-1 第26回自然公園小委員会の諮問案件の概要
資料1-2 国立公園事業の決定書及び変更書(案)
資料1-3 国立公園事業の決定・変更案件に関する説明資料
○議事(2)関係
資料2:生態系維持回復事業計画の実施状況に関する資料
資料2 生態系維持回復事業の実施状況

議事録

午後4時00分 開会

○司会 お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会を始めさせていただきます。
 開催に先立ちまして、本日の出席委員のご報告をさせていただきます。本日は、所属の委員、臨時委員19名のうち13名のご出席をいただいております。本委員会は成立しております。
 続きまして、本日の配付資料について、ご確認をお願いいたします。本日の審議のためにお手元にお配りしております資料につきましては、配付資料一覧のとおりとなっております。右上に番号を付してございますが、議事(1)の関係といたしまして、資料1-1、「第26回自然公園小委員会の諮問案件の概要」、資料1-2、「国立公園事業の決定書及び変更書(案)」、資料1-3、「国立公園事業の決定・変更案件に関する説明資料」。議事(2)の関係といたしまして、資料2、「生態系維持回復事業計画の実施状況」の計4種類となっております。配付漏れ等ございましたら、事務局のほうにお申し出ください。
 それでは、初めに、自然環境局長の星野よりご挨拶申し上げます。

○自然環境局長 本日は、お忙しいところ集まりいただきまして、ありがとうございます。自然環境局長の星野でございます。昨日局長になりました。それまで、審議官として自然環境局を担当しておりました。引き続きよろしくお願いいたします。
 本日は、自然公園小委員会におきまして諮問の案件、そして報告案件がございます。諮問の関係では、公園事業の決定・廃止・変更について、また、ご報告させていただく内容につきましては、生態系維持回復事業の実施状況になります。国立公園の事業決定につきましては、利尻礼文サロベツ国立公園等、21件の案件、新たな事業決定等の内容の諮問をさせていただく予定です。
 また、生態系維持回復事業につきましては、平成21年の自然公園法の改正において開始された制度であり、現在まで七つの国立公園、八つの計画が策定されて、事業が進められているところです。本日は、これらのうち、概ね2年程度経過して、事業の具体的な内容が定まってきているものにつきまして、ご報告をさせていただきたいと思います。知床、尾瀬、南アルプス、白山、この四つの国立公園についてのご報告でございます。
 シカや外来種などが国立公園の景観に大きな影響を与えているという課題がございまして、これらに対して、この生態系維持回復事業を用いて対応していこうということで、取組を進めているところです。まだまだ十分ではない点があると思います。今日ご報告させていただきますが、忌憚のないご意見をいただければと思います。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

○司会 それでは、これよりの議事進行につきましては、下村小委員長にお願いいたします。
 下村小委員長、よろしくお願いいたします。

○下村小委員長 皆さん、お集まりいただきまして、ありがとうございます。委員がお見えになるたびに、名刺交換など、ご挨拶が行われておりまして、人事異動の時期だなと感じたところです。
 今、ご紹介にありましたとおり、今日は二つ案件がありまして、国立公園事業に関わる決定及び変更についての諮問のほかに、前回の小委員会の折に、生態系維持回復事業の決定などに関しては審議するものの、その後の動きについても報告してほしいというご意見がありました。ある意味、壮大な実験のようなもので、まだ3年もたっていませんので、そう大きく動いているというものではないのかもしれませんが、今日は経過報告もしていただけるということですので、楽しみにご報告を聞いていただければと思います。1時間半ですが、よろしくお願いいたします。
 また、本日の委員会は公開で行いますので、報道関係者や傍聴の方も同席しておられます。会議録は後ほど事務局で作成いたしまして、本日ご出席の委員の了解をいただいた上で公開することになります。また、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを私、小委員長が了承した上で公開することになっておりますので、この点もご了解願いたいと思います。それから、会議資料も公開でございます。
 それでは、最初の諮問の案件、公園事業の決定及び変更について、事務局からご報告をお願いいたします。

○事務局 国立公園課事業係の速水と申します。国立公園事業の決定変更案件に関して、ご説明させていただきます。
 本日諮問させていただく案件は、8の国立公園において決定16件、変更案件5件、合計21件ございます。
 まず、公園事業に関するご説明を簡単にさせていただきたいと思います。今、パワーポイントのほうの図に示しているが、公園計画ですが、こちらに赤い線や緑の線、そしてマークが幾つか入っていますが、それが公園計画の中の利用施設のための計画でございます。
 この計画に基づいて事業が実施されます車道、歩道、宿舎、休憩所等の施設を公園事業と呼んでおります。その路線や区域面積などの最大規模や、実質の路線のどういった形になるのかというものを決めることを公園事業の決定と言っております。
 園地を例にとりますと、右の図のような公園計画があるところに区域を定めます。決定すべき施設の規模については、事業ごとに異なっておりまして、道路であれば路線距離、有効幅員、園地であれば区域面積、宿舎であれば区域面積に加えて最大宿泊者数を決定していきます。宿舎や園地は、国はもちろんのこと、県や民間事業者が執行するわけでございますが、公園直轄の整備も含めて、この事業の決定規模の範囲内で行われることとしております。
 事業決定の要件ですけれども、三つございます。一つ目が、事業の内容が公園計画に適合にしていること。二つ目が、風致景観上の保護上支障のないこと、三つ目が、事業の執行の見込みがある、要は管理者が見込みのあるというものであることということです。規模の決定に際し審議会への諮問を行わせていただきますが、この過去に決定した規模について変更する場合においても、同様に審議会のほうで審議をしていただくという形になっております。
 では、具体の個別な案件についてご説明させていただきます。
 まず初めが、利尻礼文サロベツの稚咲内海岸自然再生施設事業です。事業地は、サロベツ湿原と日本海の間に成立した砂丘林です。林野庁が自然再生事業においてこの砂丘林の再生に向けて事業を行うということを、昨年度具体の計画を策定いたしまして、今回その事業計画の区域に合わせて事業区域を広げるものでございます。
 空中から撮った写真がございます。長さ26km、幅3kmに及ぶ砂丘林でして、ミズナラやトドマツが主として育まれているものです。また、砂丘林の間には大小の100個以上の湖沼が存在しております。
 この砂丘林の周辺に農地や市街地、あるいは車道が隣接して整備されてきておりまして、海面に面した砂丘林については、海風が直接森林に当たること等によって、トドマツのほうが枯れてしまうという状況が起こっております。トドマツが枯れることで、積雪や降雨による水の涵養の機能が阻害されておりまして、これに伴って湖沼の水位も今低下しているというような現状が見られております。
 そこで、今回立ち枯れが生じている、あるいは湖沼と農地が直接隣接している地域に、トドマツ等の植林を行うということと、植林が行えない場所については、積雪をためる水源の涵養という機能を補完するために、写真の柵のようなものを設置して、ここに雪をためて、水分をとどめるといったような対策を行うこととしております。また、効果検証のための水位計も設置して、モニタリングのほうも随時行っていくというふうな計画になっております。なお、これらの事業は自然再生法に基づく上サロベツ自然再生事業のほうにも位置づけられ、関係者との連携、議論のもと進められているところでございます。
 2件目が、大雪山国立公園の三段山線道路(歩道)でございます。大雪山の西に位置しておりまして、吹上温泉の宿舎や園地がある場所と、十勝岳温泉の園地がある場所をつないで三段山の山頂へ向かう路線になっております。事業決定を行う路線は、既に人が登山しているルートがございまして、それに沿う形で5kmについて事業決定を行います。事業執行予定者は、地元の上富良野町を予定しております。
 夏はもちろんですが、冬も山スキー利用等が行われておりまして、登山口に整備された園地、宿舎、キャンプ場と一体的な利用がされております。一方で、明確な管理者不在のまま今まで来ておりまして、平成21年に山肌からの転石が歩道に達するという状況が見られることから、現在通行止めの措置をしているところです。今回、公園事業としてしっかり位置づけまして、町において巡視等を通して巡視を行うということと、あと十勝岳は活火山ということもあって、その安全対策についてもしっかり体制を組んでいくということを地元のほうで調整いたしまして、執行も行っていくという形を目指して、今回事業決定の諮問をさせていただく次第です。
 続きまして、阿寒国立公園の銀嶺水避難小屋の公園事業の決定でございます。既に避難小屋とバイオトイレが整備されておりまして、それを公園事業として位置づけるというものでございます。
 こちらに藻琴山という山がございまして、この周辺に歩道が整備されております。こちらも前々回、公園事業の決定の変更ということで諮問させていただきましたが、地元が中心になりまして、歩道や野営場と連携して、藻琴山の登山を利用を推進しようということで取組を強化しているところです。こちら冬期の利用もありまして、こういった避難小屋の確保ですとか、休憩所トイレの確保というのは公園利用上でも非常に重要な拠点となっております。今後は、町が適切に維持管理をしていくというふうな形になり、公園事業として位置づけたいと考えております。
 続きまして、知床国立公園の事業決定の規模の変更になります。知床の斜里側は知床世界遺産の利用の拠点になっているところですが、その反対側の羅臼というところの宿舎の事業決定規模の変更を行います。区域面積を8haから6ha、最大宿泊人数を今1,600人としておりますが、それを800人へという規模の縮小を行うものでございます。
 背景としましては、知床観光の中心、従来大分昔ですけれども、羅臼側にございまして、マスツーリズム的な利用が行われておりました。それに伴って宿泊者数も1,600人と、非常に大きな規模で決定していたところです。一方で、自然遺産への登録や、縦断道路の開通に伴いまして、現在の利用は斜里側に移動しています。羅臼町の年間宿泊者数も平成17年から24年度までで半減している状況でございまして、また、羅臼温泉宿舎のホテルにつきましても、従来5件でありましたが、平成22年に1件廃業にもなりまして、あわせて3件廃業ということで、現在2件となっています。
 環境省としましても、平成12年度キャンプ場の再整備ですとか、平成19年度羅臼ビジターセンターの整備を行ってきて、利用の推進を図ってきたところでありますが、これらの状況も鑑みまして、昨年度管理計画を改定いたしました。改定した管理計画におきましては、ここの羅臼温泉集団施設地区については、主に家族等の個人旅行者を対象に、羅臼周辺に遊歩道ですとか羅臼湖等もあり、このような羅臼の自然をゆったり楽しめる利用を推進していく地区として、新たに方向性を出したところです。
 この方針のもと、宿泊施設についてもこれまでのマスツーリズム型から個人型に方向性を変えるということで、執行規模についても現状に合わせる形で縮小という形を行いたいと考えております。環境省としても、ビジターセンターを中心に、観察会の開催ですとか情報発信の充実を、今後とも図っていきたいと考えております。
 続きまして、磐梯朝日国立公園の白滝鳥原山線道路と古寺鉱泉小朝日岳線道路の2件について、新たな事業決定を行います。小朝日岳山頂の東に位置する2路線ですが、この山頂へ続く登山道の多くは県によって現在執行されて管理されている中、この2路線については管理者不在の路線でありまして、道の荒廃が非常に進んでいることから、環境省として直轄整備を行っていくということを決めたことから、今回事業決定を行うというものです。
 環境省の直轄整備に当たり、各登山口にカウンターを設置して、利用者数をカウントしております。白滝鳥原山線については、1,000人、古寺鉱泉小朝日線につきましては、年間3~4千人の利用者があるということで、朝日連峰においても重要な利用路線の一つと考えております。これまで地方自治体の支援のもと、地元の山岳会がこつこつと簡易な維持管理のほうを行ってきましたが、写真のほうにございますように、橋が破損していたり、洗掘された歩道というのが見られるようになり、環境省として、朝日連峰保全協議会において整備の方向について合意を得ながら、石組や粗朶を用いた近自然工法による流水コントロール等も行って、自然に配慮した整備を行っていきたいと考えております。
 続きまして、瀬戸内海国立公園の姫島です。大分の国東半島の北に位置する島になっております。こちらの事業決定が6件ございます。姫島では昨年度姫島ジオパークと連携した取組を進めるため、利用計画の追加を行いました。特にジオパークの主要な地形地質を見られる場所という、ジオサイトと呼ばれる場所について、利用者がそこに滞留して地形地質を観察できるよう、園地の追加などを行いました。
 姫島は、現在ジオパーク認定に向けて申請書を提出しているところでして、今回の事業決定をもとに、地元の村が利用施設の整備を進めることとしており、この事業決定によっての施設の整備が、ジオパーク登録の後押しにもなるというふうに考えております。
 まず、個々の事業の説明の前に、姫島ジオパークについてご紹介させていただきたいと思います。姫島自体が、実は30万年前からの火山によって形成された島で、島の中には幾つか火口もございますし、観音崎という、前回の公園計画の変更で普通地域から特別地域へ格上げした場所ですけれども、ここにも全国的には珍しい火山が起因した黒曜石という地形地質の露頭している場所がございます。
 また、島の中央部には溶岩ドームでできた矢筈山ですとか、その矢筈山の北と南には、その地形地質を見られる場所が存在しております。また、その地形にも起因して、不思議な、例えば炭酸泉という温泉が出るような場所ですとか、あるいは阿弥陀牡蠣という海蝕の洞窟などに伝説等も残っており、姫島の七不思議という伝説が島に伝わっております。それらの地形地質やそこに起因した文化等も全てあわせてジオパークということで、今登録に向けた取組を進めているところです。
 これらのジオパークと国立公園の連携によって、国立公園の利用拠点や自然資産をうまく活用して、これまでの国立公園の視点では少し弱かった地形地質について、例えば姫島地域の成り立ちですとか、火山の活動によって生まれた地形、またそれに起因する自然環境などをわかりやすく利用者に伝えるということが可能ではないかということで、連携した取組を、環境省としても進めているところです。
 では、個別の内容のほうに入ってまいります。まず、この赤い線にございます姫島南岸線道路と、こちらの青い線にある矢筈山という溶岩ドームでできた山の登山道という二つの路線についてのご説明です。姫島南岸線道路の車道については、今回新たに公園計画で利用計画のほうに追加されましたが、「ブルーライン」と呼ばれまして、瀬戸内海の景色や矢筈岳の景観、矢筈岳の火山活動を感じることができる地質の露頭を観察するルート上にもなっておりまして、利用拠点をつなぐ重要な車道という形で、4.3kmの路線距離を事業決定したいと考えております。
 続きまして、矢筈岳登山線道路(歩道)でございますが、姫島の中央にある溶岩ドームですが。30分程度で山頂まで行くことができる登山道です。距離は2.5kmということで、村として、地元小学校の地域学習のフィールドとしての活用や、姫島ジオパークに訪れる方々の重要な利用路線として活用を図っていきたいと考えております。
 続きまして、観音崎園地という、こちらにある岬になります。こちらの左上の写真が黒曜石の露頭でございまして、そのほか姫島の火山の火口の跡も岬の上から見ることができる場所です。遊歩道、標識、展望台を中心に、姫島の歴史や自然を学ぶことができるジオパークの重要な拠点として活用していくため、一体的に利用されるエリア、2haを今回事業決定させていただきたいと考えております。
 続きまして、明石前園地でございまして、矢筈岳の山の南側に位置します。写真のような溶岩ドームの地形地質を見られる場所でございまして、現在車道の脇に地質の露頭が存在している状態で、標識や休憩所等はございません。姫島村では、ここの一帯に駐車場、ベンチ、解説板、休憩所、遊歩道を一体的に整備をして、姫島の火山について学べる重要な拠点として整備・活用していく予定でございます。そのために必要なエリアについて事業決定を行うものです。車道と崖の間の平地において整備を行っていく予定でして、今回の整備に際して周囲の自然への影響というのはございません。
 続きまして、姫島の西側にあります二つの園地、両瀬園地と柱ヶ岳鼻園地です。両瀬園地も、火山の地形地質のほうが見られる場所であると同時に、炭酸水の拍子水という温泉が湧水しており、温泉施設も整備されております。この一帯を園地として姫島村のほうでしっかり整備・管理をして、さらに解説板を整備し、ジオパークの重要な拠点、国立公園の重要な拠点として活用していくという形になっております。
 さらに、柱ヶ岳鼻園地ですが、こちらには岬になっていまして、灯台が存在しています。瀬戸内海の多島海景観の展望を楽しめる場所にもなっており、灯台下には溶岩が波に侵食されてできた洞窟も存在しております。既存の展望台がございますが、姫島村において、解説板を整備して、一体的に園地として利用されるように整備していきたいと考えております。
 以上が、新たな事業決定ですけれども、1件変更がございます。姫島線道路(車道)で、現道に合わせる形で公園計画の変更がありまして、それに合わせる形で事業決定も路線の変更を行うものです。こちらは形式的なものになります。路線については、3.4kmから3.8kmに変更となります。
 続きまして瀬戸内海国立公園の国東半島にございます文殊山線道路の歩道、両子山線道路の歩道の変更です。こちらはもともと文殊山から両子山へ続く縦走路でございましたが、現在管理者がいないということと、使われていないということで、もうほぼ廃道になっている部分がございまして、そこを削除してそれぞれの山に到達する歩道という形での整理を公園計画のほうでさせていただきました。それに伴う公園事業の決定の変更という形になります。既に県のほうが一部執行もしておりまして、そういった公園決定の変更もありますので、早急に事業決定の変更のほうも行いたいということで、諮問させていただいております。
 続きまして、霧島錦江湾国立公園の事業決定、3路線の決定でございます。霧島錦江湾国立公園の霧島地域にある夷守台大幡池(歩道)、えびの岳周回線(歩道)、栗野岳温泉えびの高原線道路(歩道)でございます。霧島地域について、いまだ新燃岳の火山活動の影響で、2km圏内の通行規制が行われております。一方で、規制区間外における歩道については、管理者をきちんと決めまして、適切な維持管理を指導していくための調整を、現場保護官のほうが中心となりまして行ってきております。また、地元で霧島ジオパークの取組も盛んに行われておりまして、今回世界ジオパーク登録に向けての動きもございます。これらの活動における登山道の活用も見据えまして、今回管理者不在の3路線について事業決定を行い、しっかりと事業執行を行っていただくという形で考えております。
 まず一つ目の夷守台大幡山線道路(歩道)ですが、大幡池や夷守岳への歩道、また生駒高原までの縦走路として非常に魅力ある歩道になっておりますが、今現在管理者不在になっております。さらに大幡池から先は新燃岳に続く道ということで、現在通行規制が敷かれております。当該路線の管理者をしっかり決めて、大幡池への歩道、あるいは生駒高原へ続く縦走路としての活用のほうを図っていきたいというふうに考えております。
 続きまして、えびの岳周回線道路の歩道です。ビジターセンターや宿舎、園地が整備されているえびの高原の集団施設地区を起点にぐるっと周回できるようなコースでございまして、真ん中には火口がございます。火口は今、湖があるわけではなくて、湿原になっており、ノカイドウ等の植生のほうが見られる散策のコースになっております。一方で、現在管理者のほうが不在ということと、利用者数が少ないルートでございます。せっかくのよいルートということなので、管理者をしっかり決めまして、さらにこちらのエコミュージアムセンターでガイドマップへの掲載等により情報発信をしていくという形で、利用の推進を図っていきたいと考えております。
 続きまして、栗野岳温泉えびの高原線道路(歩道)でございます。栗野岳につきましては、これ自体火山でして、霧島連峰を西から眺望できます。登山、自然観察などのこれまでの利用に加えまして、火山の歴史を学べるジオツアーのコースとして推進をしていきたいと考えております。こちらもえびの高原を拠点に、えびの公園のエコミュージアム等を中心とした自然観察会の開催、ガイド登山の実施、そういったものを通して情報発信を行い、利用の推進を図っていきたいと考えております。
 最後の西表石垣国立公園の事業決定3件でございます。最初に、西表石垣の今回の事業決定につきましては、いずれも平成24年に海域公園地区が新たに追加されたことに伴いまして、この海域公園地区を楽しめる重要な利用拠点として今回事業決定を行いたいと考えております。公園事業として位置づけまして、これらの施設を中心に島に来ていただく方に、その島の海域等の公園の魅力を知っていただけるような利用を推進していきたいと考えております。
 一つ目が、鳩間島展望地として鳩間園地のほうを事業決定いたします。文化財にもなっている先島諸島火番盛の展望台もございまして、そこからビロウを中心とした南方特有の植生ですとか、サンゴ礁の色彩鮮やかな海面と、西表島の一体的な海上景観が楽しめる利用拠点として竹富町に適切に維持管理をしていっていただき、利用を推進していきたいと考えております。
 続きまして、波照間島におけるニシ浜園地と高那崎園地の2件です。波照間島では、二つ海域公園地区が新たに追加されている地区でございます。それぞれの公園地区の重要な利用拠点として、今回事業決定を行うものです。ニシ浜園地につきましては、島内唯一の海水浴場がございまして、トイレやシャワーと休憩所等が整備されておりますが、白浜の美しい砂浜も広がって、サンゴ礁も沖縄随一となっています。これらの海上景観を楽しめる場所として、利用者のほうに利用していただけるように適切な維持管理を、今後公園事業に位置づけまして、指導していきたいと考えております。
 さらに、ニシ浜の南部にペー浜という浜がございます。こちらには浜シタン群落という波照間特有の植物が見られる場所がございまして、遊歩道が整備されております。この浜についてもニシ浜と一体的な利用を促したいということで、園地に位置づけて利用を推進していきたいと考えております。
 最後に、高那崎園地についてです。サンゴが隆起したような海蝕海岸となっておりまして、この場所から見える、サンゴ礁が広がる海上景観と、またこの隆起したサンゴの上に海浜植生が見られるところがあり、ここならではの植生を見ることができる場所でございます。休憩所や園路等が既に整備はされておりますが、そのほかにも星空観察タワーなどの施設も整備されております。現在、この星空観察タワーは名前のとおり星空を見るところなので、夜間を中心に利用されておりますが、波照間の自然を知ることができる重要な利用拠点でもございますので、パンフレットとミニガイド等のそういった事業の展開についても、ぜひ町と調整していきたいと考えております。
 以上、長くなりましたが、合計21件の諮問案件でございます。審議のほう、よろしくお願いいたします。

○下村小委員長 ご説明、ありがとうございました。
 諮問案件は21件ですので、かなり時間もかかりましたが、計画の決定と変更がまじって、資料1-1がその一覧表です。これも概観するものとして使いながら、議論を進めていただければと思います。また、時間の関係がありますので、最初に委員の先生方から質問をまとめて受けて、それで事務局のほうに答えていただく形にしたいと思います。複数の案件で少しややこしいですが、この件に関してご質問、ご意見を受けたいと思います。いかがでしょうか。
 広田委員、どうぞ。

○広田委員 最初に、稚咲内の件について、ページ数が振られていないのですが、砂丘林の説明のところで、トドマツの立ち枯れが雨水の涵養を阻害しというような形のご説明があったかと思いますが、実はこの場所、自然再生専門家会議のところでも出た案件でして、湖沼の水位の低下の原因というのは、はっきりしないような説明だったかと思います。これは説明の仕方かもしれないですが、何か市街地や農地が隣接して、風が直接当たって、トドマツの立ち枯れが起きて、それにより湖沼の水位の低下という単純なものではないと思いますので、そのあたりの説明の仕方は、少し注意したほうがいいのかなと思います。これは意見です。
 それから、すみません、時間がないと思いますので、2点目は大雪山の国立公園について、これは確認ですが、この決定というのは、ここにある三段山の歩道の維持管理をこの町がきちんと管理するという位置づけにしたということですね。具体的にハード整備をするというわけではないですよね。そこを確認します。
 すみません、それからもう1点、三つ目の知床の件ですが、羅臼の温泉宿舎のところで、変更後に公園の宿舎の事業区域が狭まるということで、この跡地はどういうふうに位置づけるのか、利用するのか、もし具体的にあればお聞かせ願いたいと思います。以上3点です。

○下村小委員長 ほかに何か。
 中静委員、どうぞ。

○中静委員 幾つかあるのですが、最初に、広田さんがご質問になったのと同じ、稚咲内の砂丘林について、その原因がはっきりしないことから、堆雪柵をつくることが、本当に効果があるのか少し気になるところです。それを少しご説明いただければと思います。
 あと、全般的なところで言うと、歩道などをつけるにあたって、予想利用者数が書いてあったりなかったりするのですが、それはどういうものなのか少し気になりました。
 それから、阿寒国立公園のトイレですが、このトイレはどのようなトイレなのか――例えば最近はおがくずトイレなど、いろいろ環境に優しいトイレもありますので、そういうトイレなのかどうなのか、お聞きしたいということがもう一つ。それと、磐梯朝日の洗掘された歩道の再整備について、これはどのような整備を考えていらっしゃるのかというのがちょっと気になりました。
 それから、あともう一つすごく気になったのは、姫島の車道の整備について、島へはフェリーを使い、車でビジターへ行けるようになっているのでしょうか。車道ということになると、訪れた人に利用してもらうために整備する方針なのか、お伺いしたいと思います。以上です。

○下村小委員長 ほかに何かございますか。
 辻本委員、どうぞ。

○辻本委員 私も今のお二人の委員と同じような意見ですが、サロベツの話について、事業という話の前に、調査などをどうして実施しないのかなと。いわゆるそこの景観が変化しているのか、変化をとめようとするのか、どんなことを考えてやるのか。それから、先ほどの池の水位の話についても、どちらかというと試してみるような事業を、事業として位置づけるのではなく、何か調査みたいな形に位置づけるような方法はないのだろうかというのが、一つめの質問でございます。
 それから、もう一つのほうも、一般的にこのような事業を実施するときには、例えば入り込み数であるとか、事業規模が決まる条件をどのように推定して、どのように規模を決めているのか、先ほどは書いてあったり書いてなかったりとおっしゃったように、一般的にどのように検討されているのか、説明があったほうがいいと思います。
 それから、以前にあったことについての反省から、計画の変更ということになるわけですけども、どのようにフォローアップしているのか。事業を実施するだけでなくて、その後計画を立てて、事業を実施したことに対するフォローアップ的なことはどのようにされているのか、ご説明があったらいいのかなという気がしましたので、意見を申し上げました。

○小泉委員 今、問題になっている稚咲内のトドマツの枯死について、私は、現場を見たことがあるのですが、どうも手前(海側)の砂丘で大量に砂を採取したために、砂丘が消失し、そのため問題の森林に直接風が当たるようになって、それでトドマツが枯れたんじゃないかというふうに感じています。
 ですから、先ほど原因は何かという話が出ていましたけど、いつそれが発生したのか、なぜ発生したのか、柵を建てる前に調査したほうがいいような気がします。雪の減少が原因ではないかと言われているようですが、あそこだけ手前の砂丘列が欠けていますので、もしかしたら人為的な原因かもしれません。ですから、そのあたりを確認してから工事をされたほうがいいと思います。
 それから、羅臼の宿舎事業区域を縮小することについてですが、縮小するというのは、宿がなくなってしまったから縮小するという、単純なことなのか、あるいは何か縮小をすることに伴って、環境省として何か特別なことをやるのか、そのあたりを教えていただきたいと思います。
 あと、姫島についてはいろいろ整備してくださるということなので、とてもありがたく思っています。
 それから、瀬戸内のところで文殊山とか両子山の話があったのですが、これは国東半島のことでよろしいですか。それだけ確認したいと思います。

○下村小委員長 ほかにございますか。
 桜井委員、どうぞ。

○桜井委員 今の羅臼に関連して、資料では2件になっていますが、これがもし万一入り込みが増えて、宿泊施設が必要となった場合に、新たにここにつくるということは可能かどうか教えていただきたいと思います。
 以上です。

○下村小委員長 ほかに何かございますか。
 佐々木委員、どうぞ。

○佐々木委員 気にかかることですが、登山道は歩く道ですので、今日の案件だと事業決定するかどうかが問題になると思います。整備といってもいろいろあるわけで、先ほども出ました洗掘された登山道、遊歩道など、整備といってもどうするのが一番有効なのか、あるいは、何もないところからつくるといっても、どのような整備をするのか、あるいは転石防止をはじめ、安全性が課題になる場合、その周辺をどう整備するのかなど、もう少し詳しく教えていただきたいと思います。
 以上です。

○下村小委員長 よろしいですか。
 深町委員、どうぞ。

○深町委員 磐梯山で老朽化している橋とか道、歩道を直して、また地元の人たちに継続的に維持管理を行っていただくということですが、もう既に実施はしているのに、老朽化して維持管理が難しい状況になっている、今後もうこのような状況にならないためにどのような工夫をしたら、よりいい維持管理ができるのか、また、えびの高原でも適切な維持管理を図るということが記載されていますが、実際どのような形で維持管理をするかという具体的な方向を考えながら事業を実施しているのか、多分、整備までは問題ないと思うのですが、それがいい形で維持管理につなげて行くことが、非常にこれから大事な課題になると思うので、そのあたりについて教えていただければと思います。

○下村小委員長 よろしいですか。
 吉田委員、どうぞ。

○吉田委員 31ページのニシ浜園地、波照間についてですが、先ほども適切に維持管理ということが質問の中にありましたけれども、公園事業の位置づけ、適切に維持管理するという背景や目的など、もう少し詳しく教えていただければと思います。

○下村小委員長 よろしいでしょうか。限られた時間なので、なかなか個別に事業を背景なども含めご説明するのは、難しかったと思います。ですから、どこまで事務局のほうで個別に答えていくか判断が難しいかもしれませんが、質問が集中した案件もありますので、そうした点にも配慮して、事務局のほうで質問あるいはご意見に対してお答えいただけますでしょうか。

○事務局 それでは、いただいたご質問についてご回答させていただきます。
 まず、利尻礼文サロベツの国立公園について、広田先生、中静先生、辻本先生、小泉先生のほうからご指摘のほうをいただきました。こちらの勉強不足の部分もあると思います。湖沼水位の低減の理由について、まだはっきりしていないということでございまして、今回林野庁のほうが実施するのは、事業という形ではありますけれども、試行錯誤を行いながらの事業であります。さらに、協議会においても結果のほうを報告しつつ、また湖沼水のモニタリングも行いつつということなので、事業実施を行いモニタリングの推移を見ながら、また改良していくという形になると考えております。
 柵の設置について、もう少し事前の調査や原因の解明をするべきというご指摘もございました。それについては現場のほうにはしっかり伝えたいとは思います。ただ、既に柵のほうを設置している場所もあると聞いておりまして、その結果も踏まえての今回の事業と考えますので、そのような試験的に行った後の結果も用いた事業と考えておりますので、前回設置したところはどうだったのかというふうな結果も見ながら、今後関係者のほうとしっかり検討し、方向性を出していくと考えております。
 広田先生からございました三段山の決定の維持管理についてですけれども、町のほうがやるということが決まりまして、具体的なハードの整備というのは、今のところはまだ計画はございません。ただ、標識等もございますので、標識の老朽化等があれば、町のほうが道に迷うことがないようにしっかり建てかえ、維持管理をしていただくという形で指導していきたいと考えております。
 また、深町先生からも、どういった維持管理をされていくのか、あるいは佐々木先生からのほうも、転石防止等どうするのかというふうなご指摘があったところでございますが、町を中心に転石が多い春先の融雪時期や、台風の後は随時巡視をして、転石等がないかをチェックしていく予定とのことです。もしあればそこは注意喚起の標識を行い、ひどい場合は通行止め等の措置をしていくという形で、町でしっかり維持管理していくという形になると官が手下ります。
 広田先生からございました羅臼への宿舎の変更跡地についてでございますが、まだ何かつくろうとか、そういった計画は特にはございません。中静先生と、あと辻本先生からもございました歩道の利用者数についてでございますが、記載しているものはこちらのほうできちんと把握しているもののみ記載しておりまして、把握していないものについては記載はしておりません。歩道につきましては、基本的に既にあるようなルートを決定することとなっておりますが、例えば利用者数を調査して、どれぐらいの維持管理が必要なのか、要は洗掘防止にどれぐらいの対策をしていく必要があるのか等をこういった利用者数のほうから見ているというところでございます。
 中静先生からございましたトイレについてですけれども、トイレはおがくずのバイオトイレになっており、利用者の方が利用したら、それを撹拌するように足でこぐ形の環境配慮型のトイレになっております。洗掘された歩道をどのように整備をするのかという点ですけれども、石を置きながらうまく利用者の人が足を運べるようにするとともに、粗朶を用いた階段工みたいな形で、自然に調和するような近自然工法での整備というのを考えています。また、重要になるのは、やはり流水のコントロールだと思いますので、そういったところをうまくできるような石組や粗朶工を用いた整備を考えております。
 姫島の車道整備についてですけれども、これ実は既にもう車道がございまして、前回の公園計画の変更のときに利用計画に入ったものでございます。国東半島の先からフェリーのほうが出ており、車も運べるものにもなっておりますし、姫島村の地元のほうでレンタサイクルでの利用のほうも進めているところがございまして、パンフレット、セルフガイドを持ちながら島を回るといったような利用がされることを想定しています。
 小泉先生からございました羅臼で宿舎を縮小することで何か環境省として行うのかということなんですけれども、平成24年に管理計画のほうも改定しているところでございまして、そこで記載しました知床の自然をゆっくり学んでいただけるようにということで、直轄のビジターセンターも羅臼にはございます。そこを中心に、しっかりソフト事業のほうを環境省として推進していくということを考えております。
 桜井先生からございました羅臼の宿舎事業について、新たに宿舎をつくることは可能かというご指摘ですけれども、今少し余裕を持って規模のほうをつくっておりますので、可能です。環境省としては以前のような1,600人もの人が泊まるような場所という利用は、もう今後はないというふうに考えておりますので、そういった方針のもとに、宿舎のほうも認可していきたいというふうに考えております。
 深町先生からございましたえびのの歩道の維持管理につきましては、具体的な維持管理については、標識の適切な維持、老朽化すれば建てかえその歩道がわかるようなものであるように、周辺の草のほうを刈るという内容があります。また、パンフレット等にしっかりと記載をして、利用を推進していただくというのも維持管理に入っていると思います。
 吉田先生からございましたニシ浜につきましてですけれども、今回、公園事業に決定する理由としまして、公園事業の中で執行という形になりますと、要は環境省の監督権限のもとに入るということもございます。適切な維持管理がされていなければ、随時現場のほうから指導をしていくという意味でも、今回公園事業として位置づけるということには、非常に大きな意義があるのかなというふうに考えております。
 以上です。

○下村小委員長 事務局のほうから特に補足はございますか。よろしいですか。
 事業決定あるいは事業変更を行うにあたって、そもそも公園としての利用の計画など、まだ弱い面があって、説明力が比較的まだ低いと思うのですが、積極的に地元とのコミュニケーションはとっておられると伺っております。そのなかで利用の方針などについても協議されており、それに基づきながら、環境省としてそれが適切であるかどうかを判断されて、この事業決定を出してこられていると理解しています。
 数字値も、前回、この利用の数値をもう少し積極的に出してほしいという意見があって、今回出せるものは出していただいておりますが、まだ調査が全てのところでできているというわけではありませんので、若干説明力が弱いところもあるようです。これから徐々にそれぞれの公園の利用の計画とか方針というものを明確に出していただいて、それに基づいて進めていただくことが必要と考えておりますので、その点は、現時点では地元と十分にコミュニケーションしながら、管理のことも踏まえて出てきているとご了解いただければと思います。
 それから、稚咲内に関しては、環境省のほうでも少し認識が弱かったところもあるようですので、林野庁との調整というか、協議になるのかもしれませんが、注意して進めていただければと思います。
 先生方、さらに追加や、いま説明を伺ってご意見などございませんか。
 どうぞ。

○広田委員 少しわかりにくかったのは、事業とおっしゃっていたときに、調査で以前に柵を設けているとおっしゃっておられました。国立公園内で事業化していない調査のために、施設などを設けることはあり得るのでしょうか。それから、維持管理更新などは、どれぐらいのレベルで新規事業として一つ一つ環境省が関わるのか、そのあたりはどうなっているのでしょう。先ほどのサロベツの砂丘林に関しては、もう既に柵などが設けられていて、調査されているかもしれないとおっしゃっておられましたが、そういう調査のときの施設については、事業決定という形でこのような会議で議論されないのか。それからもう一つは、今日もフォローアップとか維持管理の話が出ましたが、どのレベルの維持管理行為、あるいは維持更新行為は事業として位置づけられるのか、そのあたりの目安を教えてください。

○事務局 サロベツについては、事業決定ではなく、事業決定の変更でございまして、既設の柵は、既存の事業決定の中で環境省が設置したものがございます。事前の調査も含めて一つの事業というふうに、環境省としては考えております。
 維持管理につきましては、環境省の直轄のものについては、もうもちろんしっかり巡視も含めて適切にやっております。中には町ですとか地元の山岳会などが維持管理していただいているところもございます。例えばここの先ほどありました磐梯朝日のほうでは、朝日連峰保全協議会というのがありまして、そこで協議会として維持管理に入る場合もありますし、環境省としてこのメンバーに入り、維持管理の方法も含めて、一緒に考えていくというふうな作業をしています。
 一方で、例えば県ですとか、そういったところが維持管理しているところについては、環境省のレンジャーのほうで管内巡視の際に、危険箇所については管理者のほうに伝えて、早急に直していただく等の指導をしていくという形の関係もあります。

○広田委員 そのことはよくわかりましたが、いわゆる国立公園の中で、何か手を加えるということ自体が、環境省のほうでやっぱり事業としてチェックしようとされているわけですね。そうすると、維持管理しないまま放棄して、今回のように事業になって、今まで廃棄されているような遊歩道を事業化するという話がありますが、それを逐次、もし手を入れてきたら、その手を入れる行為は事業でなくて管理だと、そのあたりがまだ少し曖昧だなという気がしましたので。

○事務局 すみません。少し――申し訳ありません。私のほうから全体的なことでご説明を差し上げたいと思うのですが、まず国立公園の中で、例えば特別地域と呼ばれる中心地域であれば、基本的には自然環境に手を加える行為については、全て環境省の何らかの手続を経ないとできないということになりますけれども、大きく分けますと、許認可と事業という二つがございます。
 例えば登山道をつくる際に、その道を刈り払いすれば、あるいは、極端な例で言えば人が歩けば道ができてしまうわけですけれども、そういう中で自然発生的に歩道ができる場合というのが、まずございます。それとは別に、計画的にここからここまでお客さんを通したい。そして、そこを通ると、きっとすばらしい自然体験ができるだろうということで、公園計画で路線を決定して、今回のように事業決定をした上で事業者が事業を執行するというケースもございます。
 いろいろな経緯があって、実際には事業決定をしていない歩道が山の中にできてしまうこともございますし、例えば調査のための軽微な行為ということであれば、自然再生事業に関連するものであっても、許認可として法令の基準に照らして許可を出して、例えば小規模の、先ほどの堆雪柵であるなら堆雪柵を設置していただくということもあるわけですけれども、基本的には許認可の場合には単発の判断になりますので、その行為自体が自然環境に著しい影響を与えるか否かで私どもは判断して、基準は法令に定められていますので、あまり自由はきかないわけですが、そこから先、今度事業ということになってきますと、例えば自然再生であれば自然再生の効果であったり、多角的な妥当性、あるいは利用のための施設であれば利用者に対してどれだけ効果があるかということも含めて、継続的に関与ができるようになります。
 今回の稚咲内の事業決定について言えば、今までは自然再生事業としては60haの範囲の中でしかできなかったことを、今後より大規模に展開していくために1,600haでやっていきたいということになるわけでございます。実際には自然再生事業等の場合につきましては、合意形成の場として自然再生法に基づく自然再生協議会がございまして、その中には専門家も入っていただいて、場合によってはその自然再生の専門家の委員会も、また別に組織をされて、順応的な管理という考え方のもとに、間違った方向にいけば再度検証をして、軌道修正をするという手続をとりながら進めているところでございます。

○広田委員 ありがとうございました。今日、話が出たような事業決定の話になると、先ほど委員長がおっしゃったように、やはり利用計画の中で、どのような事業として議論が出てきてということが明確になって議論すればわかりやすかったのかもしれませんね。ありがとうございました。

○下村小委員長 環境省で使われている事業というのは、独特なニュアンスがありまして、むしろこれから積極的に関与するよというマーキングのようなものだとご理解いただいたほうがいいのかもしれません。
 よろしいでしょうか。それでは、公園事業の決定及び変更について、諮問に添付されました国立公園事業の決定書及び変更書のとおりとすることに決をとらせていただきたいと思います。ご異議ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

(異議なし)

○下村小委員長 それでは、本件については適当と認めることといたします。
 諮問事項については以上です。審議へのご協力、ありがとうございました。
 続いて、かなり時間がタイトになってきてしまいましたけれども、先ほど言いましたような知床、尾瀬、南アルプス、白山の4地域における生態系維持回復事業の実施状況について、事務局からご説明をお願いしたいと思います。時間が残り少なくなったので、説明が難しいかもしれませんが、できるだけ時間を考えてご説明を願いたいと思います。よろしくお願いします。

○事務局 国立公園課生態系事業係長の若松と申します。冒頭の下村委員長からのご挨拶にもありましたとおり、昨年の秋の審議会において経過報告をということでしたので、本日4件の生態系維持回復事業計画の実施状況について、ご報告させていただきます。
 なお、時間もかなり押しておりますし、もともとボリュームが多かったため、駆け足でのご説明になりますが、ご了承いただければ幸いです。座って説明させていただきます。
 まず、生態系維持回復事業について、簡単にご説明させていただきます。この制度は平成21年6月の自然公園法改正により新たに創設された制度でして、公園計画の体系上は事業計画の下につけられております。事業実施の手続きとしては、公園計画にまずこの生態維持回復事業計画を位置づけ、その後に先ほどの事業決定と同じ手続きとして、事業の具体の内容を定めた生態系維持回復事業計画を策定・決定するという流れになります。
 制度創設の背景としましては、従来の開発行為など人為活動の規制では対応できない、例えばシカなどの一部の増え過ぎた野生生物や、外来生物による在来生態系への悪影響に対応することを目的としております。
 事業のポイントとしては3点ほど挙げられ、一つは、例えばシカ対策を挙げると従来、捕獲とか調査が個別に連動しないでやっていないことが多かったのですが、順応的かつ予防的な生態系全体に着目した取組として、科学的かつ総合的な取組が実施されるということです。二つ目は、役割分担の整理・明確化が図られること。三つ目は、関係者間で事業の目標とロードマップが共有されるということです。
 また、この制度のメリットといたしましては、計画を策定した国については、計画に基づく事業に関する個別の許可は不要になりますし、地方公共団体や民間も計画を実施したいとのことで、それぞれ環境大臣による確認・認定を受けていただければ、国と同様に計画に基づく事業に関する個別の許可は不要になります。
 現在の策定状況は、7つの公園で8つの生態系維持回復事業計画が定められており、6件がシカを対象にしたもの、残り2件は外来植物と外来魚を対象としたものになっております。本日は、策定年度の古い知床、尾瀬、白山、南アルプスについてご報告させていただきます。
 まず、知床国立公園です。知床はシマフクロウやオジロワシなど、希少鳥類も多く生息するなど、原生的な自然環境を有する国立公園でございます。ただ、20年前からシカがかなり増えており、こちらの写真は知床岬の写真ですが、80年代はセリ科草本を主体とする高茎草本群落が主だったんですが、現在これらの植物が食べられてしまい、現在ハンゴンソウなどシカが食べない植物が主体となっております。また、知床岬以外でも森林帯でもシカが木の皮を食べてしまう樹皮剥ぎなどによって、かなり枯死が目立つような状況になっており、問題になっております。
 こういった状況を受け、農林水産省・環境省で計画を共同策定しており、現在、斜里町が確認を受け、平成22年度から事業を開始しております。事業区域につきましては、知床国立公園全域を対象としており、事業内容はこの五つの項目を実施しております。知床はさまざまな取組がかなり高い次元でなされており、一番先進的な公園ですが、中でもほかの地域に先駆けて本格的にシカの捕獲を、先進的且つ効果的な手法を用いて進めておりますので、今回は捕獲に焦点を置いたご報告を行わせていただきます。
 まず、事業実施の枠組みとしましては、合意形成の場として世界遺産の科学委員会の下に「エゾシカ・陸上生態系ワーキンググループ」が設置されており、関係機関や専門家の方々に計画検討や対策成果の評価を行いつつ、科学的かつ順応的な対策を連携・協力のうえ実施しております。
 また、関連の計画としましては、「知床半島エゾシカ保護管理計画」とこの年次計画である「知床半島エゾシカ保護管理計画実行計画」があり、これらと整合を図りながら事業を実施しております。
 捕獲について具体的な説明をさせていただきます。この表は環境省で実施したエゾシカの捕獲事業についてまとめたものです。赤の枠で示した平成22年度から、生態系維持回復事業計画を策定しており、それ以降は捕獲頭数が856とか528とか、飛躍的に伸びております。今日はこの表の中の手法のうち、大型仕切り柵を用いた知床岬の巻狩り、流し猟式シャープシューティング、囲い罠、この3つについて、具体の写真やデータを用いて説明させていただきます。
 まず、大型仕切り柵を活用した知床岬の巻狩りです。こちらは知床半島の先端の知床岬の台地の部分です。この辺りが草原で、こっちが森林になりますが、森林と草原の境界付近のこの赤いライン沿いに柵を設置しております。それからもう一つ、この写真にあります射撃台、ハイシートと呼ばれているものを設置しており、これらを併用して効果的な捕獲を行っております。
 このハイシートは、鉄砲を撃つときに依託射撃が可能となること、また高いところから地面に向けて撃つので、安全性が確保できるという面でメリットがあります。平成23年度にこれらの施設を設置しており、捕獲頭数も216頭という実績を挙げており、捕獲率も81.5%という非常に高い確率です。成果としましては、目標としておりました1980年代の水準、5頭/km2達成しており、航空カウントの結果も、2013年には50頭前後のカウント数にまた、植物のモニタリング調査でも、植生が回復しており、捕獲の効果が出ているということを感じております。
 続きまして流し猟式シャープシューティングについてです。ここで言う流し猟というのは、公道からの発砲というのは、基本的に禁止されているんですが、道路管理者それから警察それから地域住民の方のご理解とご協力を得まして、この公道を閉鎖し、公道扱いとしないことで射撃と回収を、車を流しながら行うことができるという手法のことで、それからもう一つ、シャープシューティングは、鉄砲で撃たれた経験のある警戒心の強いシカをつくらないように、一度に捕獲可能な1頭から3頭のみの場合に捕獲を行う、という手法のことです。流し猟式シャープシューティングは、この二つの手法を組み合わせた、知床独自に試行錯誤を重ね開発した捕獲手法です。
 写真で見ていただきますと、このピックアップトラックの荷台のところに二人ほど人がおり、1名が観測手、1名が射撃手になります。こちらの観測手のほうで周りに捕獲しようとするシカの群れ以外にいないかどうか確認をしまして、捕獲を実施して良いか判断のうえ、射撃手が射撃を行います。腕の良い射撃手がちゃんと観測手の指示に従うなど規律を守りやれるかどうかがこの手法を持続可能なかたちで実施できるかどうかのキーポイントになっております。
 効果としましては、平成25年2月現在で、生息密度が9.61頭/km2まで下がっており、植生のほうも捕獲実施箇所につきましては、柵内と柵外の植生の現存量がほぼ変わらない状況になっており、かなり捕獲の効果が見られていると感じております。
 最後に、自動ゲート式囲い罠による捕獲の実施です。こちらは写真のとおり積雪期に設置をしております。餌がない時期でないと誘因ができないこと、特に知床ではヒグマの冬眠時期でないと危険性も高いためです。
 知床では、自動式落下ゲートを採用しており、この入口の部分にAIを搭載したコンピュータがつけられておりまして、枠の中のシカが設定した頭数になると、自動的に閉まる仕組みになっており、従来では、監視カメラでシカが何頭入ったか確認をして、人がゲートをおろすというのが一般的でしたが、この自動式落下ゲートにより人が常駐する施設が近くになくても、また夜間でも捕獲が可能になりました。こちらも成果としては、10頭/km2を切りまして、かなり効果が上がっていると感じています
 知床の事業の概評と、今後の展望ですが、平成23年度より捕獲頭数が伸びていることに加え、全体的に雪の影響もありまして、ここ数年でかなり生息密度の低減化が図られたと考えております。また、知床国立公園の評価すべきところは、捕獲個体の有効活用もきちんと行っており、例えば流し猟式シャープシューティングによる駆除個体は、ペットフードに加工されていますし、囲い罠で捕獲した個体は一時養鹿を経て、食肉として活用されており、処理費用がかかっておりません。こういう出口対策をしっかりと考えていくことが非常に重要であると考えております。
 知床は冒頭に申し上げたとおり、トップランナーでありますし、引き続き状況に応じて先進的かつ効率的な捕獲を進めていただき、公園としては初めてのシカ対策の成功事例になれるよう鋭意努力をしていきたいと考えております。
 続きまして、尾瀬国立公園です。尾瀬は、首都圏から近く、唱歌でもなじみが深い、本州最大の高層湿原を有する国立公園で、注目度がかなり高い公園です。ただ、知床と同様に、20年前くらいからシカの影響が出だしておりまして、ご覧のとおり掘り起こしによる湿原の裸地化やニッコウキスゲなど一部の植物が食べられるなどの被害が問題になっております。こうした状況を受けまして、農水省、環境省で計画を共同策定いたしまして、現在、群馬県に確認を受けていただき、事業を進めているところであります。
 事業の区域は公園全体を対象としており、事業内容については五つの項目を実施しております。事業実施の枠組みは、生態系維持回復事業計画を策定する前から、地元の関係機関・団体で構成されている「尾瀬国立公園シカ対策協議会」と専門家を中心に構成される「尾瀬国立公園シカ対策アドバイザー会議」が設けられておりこれらを連動させながら科学的な知見に基づいて、順応的かつ総合的な対策を実施しております。関連の計画は、「尾瀬国立公園シカ対策協議会」で策定した「尾瀬国立公園シカ管理方針」になり、この方針と整合を図って実施しているところです。
 まず、植物の調査からご説明をさせていただきます。こちらの結果ですが2年分のデータではありますが、出現本数等からでは大きな影響は確認できていません。
 それから、次に移動経路の把握です。こちらは首輪型のGPS発信機をシカにつけ、季節移動経路の把握を行っております。このデータからわかるように、日光と尾瀬の間でこのように移動していることが把握できましたので、こちらの右下にあるように、移動経路沿いに効果的に捕獲をするための移動遮断柵というものを設け捕獲に活用しております。こちらが、捕獲のデータですが、平成20年度と22年度に移動遮断柵を設置しておりますが、22年度はかなり功を奏して、128頭の捕獲となりました。
 それから尾瀬において初めて大型の植生保護柵を設置するということで、これは林野庁の事業になりますが、平成24年度に先行的に食害状況調査を職員でやっており、平成25年度から資材運搬と部分的な試験施工。平成26年度には本施工をする予定になっております。これが昨年度の被害状況調査の結果ですが、やはりかなり被害が出ており、大江湿原全体を応急措置的な形になりますが、シカの密度の低減化がある程度図られるまでは設置する形になるかと思います。
 それからもう一つ、群馬県による事業ですが、先ほどご説明致しました移動経路の把握の結果をふまえ、本年度からネット柵とくくり罠で捕獲を実施しております。もう既に累計で72頭捕獲しており、かなりの成果を上げられておりまして、このように今後も関係機関と連携・協力のうえ実施しながらやっていきたいと考えております。
 尾瀬の事業の概評と今後の展望ですが、平成25年度から林野庁、群馬県、福島県がより一層、シカ対策の強化に取り組んでいただけるよう現地で調整も進んでおりますので、関係機関との連携・協力を図りつつ総合的な対策に取り組み、効果としても相乗効果を狙っていきたいと考えております。
 以上が尾瀬になります。
 続きまして、南アルプス国立公園です。南アルプス国立公園は、3,000m級の山岳地帯からなる国内を代表する山岳公園で、ライチョウやキタダケソウなど、氷河期の遺存種もかなり生息しており、生物多様性の観点からも非常に重要な公園です。南アルプスも知床、尾瀬と同様に、20年前くらいから被害が出始めており、お花畑の消失などが問題になっています。これは、アザミとかトリカブトが群生していた斜面がマルバタケブキだけになってしまうというような被害が生じた事例です。
 捕獲の状況です。捕獲は山麓の林道沿いで実施しておりますが、生態系維持回復事業計画を策定してから山梨県側の捕獲頭数も100頭を超える実績を挙げており、長野県側でも20頭ずつぐらい獲れております。ライトセンサスの結果も表のとおり、捕獲数に反比例目撃数が減ってきており、捕獲の効果があがっていると考えております。
 それから、南アルプスの特徴は、環境省も含めた行政機関だけでなく民間も防鹿柵を設置しているところです。防鹿柵の内外の植被率のモニタリングも実施しており、捕獲効果の検証も含め、引き続き実施していきたいと考えております。
 それから、土壌浸食対策として、マットを敷設しているのも特徴ですが、写真のとおり多くの方が植生保護という観点で携わっておられているのが南アルプスの評価できるところだと感じています。
 それから、本年度からの目玉の事業としまして、初めて高標高域、3,000m級のところで銃を用いた捕獲を行う予定です。昨年度、実施計画を策定しており、その中の調査ではこのようにシカの群れが高山域で確認されています。詳細な実施方法は、現場の状況を見ながら変わる可能性がありますが、現時点では、稜線沿いに射手を配置し、ここに柵を設け追い込み、効果的に捕獲ができればと考えております。ライチョウへの影響とか、それから利用者の安全確保も昨年度の計画検証の中では行っておりますが、実施に際しては様々な面に配慮しながら慎重に行いたいと考えているところです。
 最後、白山国立公園になります。白山はもともと山岳信仰の場であったこと、それから豊富な高山植物群落が良好に保全されており、良好な自然環境が残されていましたが、近年登山者の増加等により、外国産の植物、それから国内の植物ですけど、低地性の植物が高山域にも上ってきており、従来生育しないところでかなり分布が拡大し、ハクサンオオバコとオオバコが交雑してしまうなどの問題が顕在化してきています。
 外来植物の分布調査ですが、外来植物、白山では14種ほど設定しておりまして、そのうちの一つがオオバコですけれども、分布状況を、量とともに把握をしております。これらの成果を用いて、外来植物の対策の優先度というのを場所ごと、種ごとで考えており、これまで外来植物の駆除というのは、とりあえず抜くというところがほとんどでして、このように戦略的且つ計画的に実施している点が先進的な取組として評価できると考えています。
 続いて外来種の駆除ですが、環白山保護利用管理協会という地元のNPOや民間企業などの様々な団体や行政機関からなる団体が主体と除去活動を積極的に展開しております。毎年度、かなりの量を除去しており、室堂付近ではオオバコの生育が確認されなくなったという成果が出ております。
 それから、外来植物の侵入防止対策としては、登山口周辺に外来植物の種子除去マットを設置しているほか、国土交通省の事業では工事車両のタイヤの洗浄や、工事作業員さんの靴の履き替えの実施などの取組を行っております。
 さらに継続的に事業を実施するには、地域住民の方や一般公園利用者のご理解・ご協力が必要であるため、外来植物の駆除作業のボランティア育成・登録も実施しております。こうした活動が功を奏して地元企業においても最近では、CSRの一環として外来植物駆除活動などへの参加をいただいており、エコトイレカーの協賛などが得られているところです。
 白山の事業の概評と今後の展望ですが、今後市民が主体となった除去活動の継続的な実施体制の構築であるとか、GPSやクラウドサービスを用いた外来植物の分布状況の即時把握、それから効果的な除去・防除手法の開発、といった先進的な取組を進めつつ、これまで以上に関係機関の役割を明確にして、費用対効果も踏まえた対策というのを科学的、総合的に展開していきたいと考えております。
 長くなりましたが、以上で4公園の実施状況のご報告をさせていただきました。
生態系維持回復事業計画は、制度創設からまだ二、三年しかたっておりませんが、把握できている課題としましては、生態系維持回復事業計画は、国立公園の中だけでの計画であるため、公園の外の取組との連携の確保をどうしていくのかが一つ。それから事業実施に係る人員ですが、これは実際に駆除、防除に関わる現地の人もそうですが、環境省の出先の事業を執行する職員の人不足、人材不足に加え、予算の不足も一つ大きな課題であると感じています。
 それから、シカ対策については、駆除個体の処理に係る労力や費用やはり課題になっていますし、駆除個体の有効活用もきちんと考えていかないと先がないだろう考えております。
これらの課題については、各公園によって状況がそれぞれ違っておりますので、それぞれの公園で課題に向き合い、得られた良好な事例はもちろん、課題も含めて共有を図り、適宜全ての公園にフィードバックしながら、制度としても順応的なものとなるよう、鋭意努力していきたいと考えております。
 駆け足になりましたが、私からは以上で、ご報告とさせていただきます。

○下村小委員長 ありがとうございました。
 説明にありましたように、制度発足後、まだ2年程度しか経過しておりませんので、まだまだというところですけれども、事業の進捗の状況と、効果に関わる調査もされておられるようですので、そういったご報告をいただきました。ありがとうございました。
 本来、ここでご意見とかご質問を受ければいいのですが、もう時間が来てしまっておりますので、後ほど、事務局のほうへ個別にご意見していただいたり、次回以降また生態系維持回復事業の決定等の話が出てくると思いますので、その折の議論に関連させていただければと思います。進捗について、ご報告をさせていただきました。
 最後駆け足になってしまって、慌ただしくて恐縮でしたが、これをもちまして本日の議事は終了したいと思います。進行を事務局にお返しいたします。

○司会 委員の皆様、本日はご審議いただき、ありがとうございました。本日配付した資料を郵送ご希望の委員の方におかれましては、所定の用紙に記入していただき、机のほうに残しておいていただければ、後日、事務局のほうから郵送させていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。

午後5時36分 閉会

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