中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会議事要旨 (第24回)

1.開催日時

平成24年12月19日(水)10:00~12:00

2.開催場所

環境省第1会議室

3.諮問事項議題

(1)阿寒国立公園の公園計画の変更及び生態系維持回復事業計画の策定について

(2)国立・国定公園の公園計画の変更について

  • ・瀬戸内海国立公園(大分県地域)
  • ・瀬戸内海国立公園(山口県地域)
  • ・天竜奥三河国定公園

(3)国立公園事業の決定、廃止及び変更について

  • ・阿寒国立公園
  • ・釧路湿原国立公園
  • ・南アルプス国立公園
  • ・上信越高原国立公園
  • ・中部山岳国立公園
  • ・瀬戸内海国立公園
  • ・阿蘇くじゅう国立公園
  • ・霧島錦江湾国立公園
  • ・屋久島国立公園

4.議事経過

諮問事項すべてについて審議がなされ、それぞれ適当であるとの結論に至った。
なお、主要な発言は以下のとおりである。

(1)阿寒国立公園の公園計画の変更及び生態系維持回復事業計画の策定について

委員:オンネトー湯の滝生態系維持回復事業では、順次計画の見直しを行う等が必要な事項になっているが、事業の目標が外来魚の完全駆除であり、モニタリングよりも、完全駆除できたかできないかだけではないのか。

事務局:完全駆除は難しい目標。計画は5年間あるため、足りない部分は追加し、取り組んでいくということで、このような記載にした。

委員:スキー場計画の削除について、スキー場が閉鎖になり、廃墟となっているゲレンデが多い。削除した場合の建物の撤去に係る指導の有無、外来植物の駆除を行うのか、それとも自然の状態に任せるのか、どちらが多いのか。

事務局:阿寒国立公園では、スキー場の削除が2箇所。一つは計画だけあったもの。もう一つは、帽子山になるが、閉鎖から20年近く経ち、スキー場の施設はない。エゾマツ、ミズナラといった植生が回復しているところ。阿寒では廃墟の問題はない。
一般的な話では、公園事業のスキー場を閉鎖する場合、撤去を行わないと事業の廃止を認めないというのが基本的なスタンス。それが理想であるが、個別の事案に応じて、問題点があるところには、事業者と調整しながら指導している。

委員:集団施設地区について、今後、地域で問題になるのは、観光協会と調整しながら景観をどのように維持していくのかが重要なポイント。今後きっちりとした方向性を環境省、専門家を含めて意見を出し、明確にわかるようにするのが大事。
外来魚の完全駆除は難しい。低温、環境変えるなど、魚を獲る方法は様々である。元々魚類がいなかった場所なので、他の機関と連携し、思い切った対策をやっていかないと根絶できないのではないか。

事務局:集団施設地区は国立公園の利用拠点であり、それにふさわしい景観作りをやっていくことは重要。阿寒湖畔では環境省が主導して、平成23年3月に景観づくりガイドラインを関係機関と策定。環境省の所管地だけではなく、民間の建物も含めて、まちなかの景観をどのようにしていったら良いのか取組をしている。
オンネトーの外来魚の対策は、これまでの検討を精査している段階。低温化が生態系に負荷なくやれることがわかっており、思い切った対策は、どうしても必要があれば、試すことになると考えている。

委員:阿寒国立公園全体を広域的なエコツーリズムのフィールドとして利用の推進を図るということだが、情報が非常に少ない。今後この地域が連携してエコツーリズムを推進するためには、ある程度の多様なマーケットに対して提供できるプログラムとソフトの充実が重要。ガイドの多言語の対応、宿でこの地域の多言語の情報をシェアできる仕組みが必要。ガイドには、この地域に必要な質問に答えられるような、共通のガイドトレーニングが必要。

事務局:情報発信の強化は、国立公園の魅力向上にとって重要。阿寒湖畔では地元の観光協会が阿寒湖温泉創生計画を作り、環境省でも協力・支援・参加し、考えていくという枠組みもあるので、地元にフィードバックし、地域と一緒に情報力の強化を進めていきたい。環境省の取組として、エコミュージアムセンターで、多言語化に対応した展示改修を進める。

委員:生態系維持回復事業計画全体について、事業の特徴、メリットである許認可が不要になることを事業の説明を入れると良い。また、根絶した後に、どのように維持していくのかについても目標の中に入れてほしい。

(2)国立・国定公園の公園計画の変更について

・瀬戸内海国立公園(山口県地域)

委員:今後の取組の中で、ルール作りを関係機関、団体と進めるとあるが、現在の利用実態と関係団体を教えてほしい。

事務局:主に2つあって、NPO法人自然と釣りのネットワークは、これまでアワサンゴに着目し保全するとともに、エコツアー等の取組をしている。もう一つは瀬戸内ツーリズム協議会があり、エコツアーを試験的に取り組んでいる。

委員:漁業の利用等の、その他の海域利用者がいないおだやかな利用の場所なのか。

事務局:漁業権も設定されている海域で、漁業者も漁業活動をしている。利用者は多くはない。

委員:現在利用が輻輳していない段階で、新たに指定されることは歓迎すべきこと。利用が活発化しない以前にルールを作り、積極的に取組を進めると、海域の統合的な管理ができる良い例になる。

委員:海域公園地区は、海藻、アワビ貝類を捕ることが全くダメという純然たる保護地域なのか、ある程度ルールがある漁業については可能としているのか。

事務局:海域公園地区の指定については、長い間漁業者と話し合いを続けてきた。生物の採取規制については、アワサンゴ等いくつかを指定し、漁業対象種は除く予定。今回の海域公園地区の指定は、漁協から指定してほしいと要望があった。背景は、アワサンゴを見るためのダイバーがいるが、ダイバーが急浮上した際に漁船との衝突が懸念され、アワサンゴの保護もふまえてルール作りをしっかりしてほしいという要望があった。

委員:瀬戸内海国立公園で初の海域公園地区の指定ということで、これを契機に広がっていけば良い。今後を考えると、上関とか良い海がある。地元と簡単に話がつかないかもしれないが、将来的に可能であれば入れてほしい。

事務局:海域公園地区の指定に当たっては、藻場が比較的見られることに加えて、今回のアワサンゴのように、特殊で優れた景観がある場所として言えるのかどうか、さらに、海域公園地区の利用状況、漁業者との調整がうまく調うかどうかがポイントになってくる。

委員:全体に関係することだが、利用の情報と利害関係者の情報を入れてほしい。審議する上で重要。地元の自然保護官は熟知していると思われるので、ぜひお願いしたい。

・瀬戸内海国立公園(大分県地域)、天竜奥三河国定公園

意見、質問なし。

(3)国立公園事業の決定、廃止及び変更について

委員:南アルプス国立公園の塩見岳宿舎の変更について、宿泊者用のトイレは携帯トイレを使用しており、近年の使用実績(日最大65人の宿泊者)以上に利用が増加すると対応が困難になるとの説明であったが、事業規模(最大宿泊者人数)を70人に決定した理由は。

事務局:説明資料には過去4年分の実績のみ抜粋して掲載したが、最大宿泊者数が65人を超える年もあり70人までなら対応可能と判断した。また、周辺の他の宿舎事業も最大宿泊者数を70~100人で設定しているものが多いことから、山小屋利用者の利便性を鑑み、当該事業でも70人に設定した。

委員:最大宿泊者数は65人ではあるが、天候の悪化などで当日急遽宿泊される方もいる等、少し余裕を見て人数設定をするということもあると思う。どういう根拠で、平均65人の利用実績を以って事業規模(最大宿泊数)を70人に決定するに至ったのかの過程を記録しておくように。利用者数は公園事業を執行するうえで基本となる要素なので、今後の公園事業決定においても必ず記録しておくべきである。

委員:阿蘇くじゅう国立公園の山下池園地の決定について、同公園の中では、人工的につくったものではあるが、非常に北欧的な雰囲気のある山下池や、阿蘇の草千里などの魅力的な水辺景観が見られる。草千里も人の手が加わることによってすぐれた景観が保存されているわけだが、山下池も含め、水辺の景観管理の現状はどのようになっているか。
生態系維持回復事業は原生的な自然についてしかないが、二次的な自然について、この取組を取り上げることができるのか、またはその動きがあるのか。

事務局:周辺の貴重な湿原や水辺について調査を行っている。このほかの貴重な水辺景観については、新たに公園区域に含めるなり、利用が見込まれる場合は今回のように公園事業に位置付けるなりして、適切な保全管理を行っていく。
二次的自然を対象とした生態系維持回復事業計画の策定の見込み は、今のところない。二次的な草原管理では、箱根の仙石原では、生態系維持回復事業計画の策定を視野に入れて調査をしている。今後、自然再生事業等他のメニューもあるため、それらを並べて、一番適したもので対応を進めることとなる。

5.問い合わせ先

環境省自然環境局国立公園課(代表03-3581-3351)

課長
桂川 裕樹(内線6440)
課長補佐
田村 省二(内線6641)
担当
桝  厚生(内線6691)<公園計画>
若松 徹 (内線6690)<生態系維持回復事業計画>
速水 香奈(内線6692)<公園事業>
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