中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会議事要旨 (第22回)

1.開催日時

平成23年12月22日(木)10:30~12:30

2.開催場所

環境省第1会議室

3.諮問事項議題

(1)国立公園等の公園計画の変更について

  1. ・阿蘇くじゅう国立公園(阿蘇地域)
  2. ・琵琶湖国定公園

(2)生態系維持回復事業計画の策定について

  1. ・霧島錦江湾国立公園(仮称)
  2. ・屋久島国立公園(仮称)

(3)国立公園事業の決定及び変更について

4.議事経過

諮問事項すべてについて審議がなされ、それぞれ適当であるとの結論に至った。
なお、主要な発言は以下のとおりである。

(1)国立公園等の公園計画の変更について

 ・阿蘇くじゅう国立公園

 委員:エコツーリズム推進の拠点として、施設を整備していく予定とのことであるが、その具体的な手順をどのように考えているのか。
 事務局:予算確保の関係もあり、整備年度は未定であるが、環境省として施設整備を行っていく意思を持っている。今後地域と一緒になって、具体的な施設整備の中身について議論していく予定。

 委員:審議会の議論では生物の保全に関する議論が中心になってしまい、利用計画が取り上げられていないように感じる。特に阿蘇は場所が良く、世界から利用者が来る国立公園であるし、その他の公園においても、エコツーリズムをはじめとした健全な利用を進めるため、利用計画をきちんと検討してほしい。

 委員:阿蘇では自然再生協議会が草原再生活動を行っているが、その再生活動の拠点が不足していることが問題。整備する施設を活用することはできないか。
 また、阿蘇くじゅう国立公園の公園区域の区域外に、希少な植物が分布している場所があり、その保護管理と利用が地域の大きな課題となっている。何らかの形で、野生生物の保護の観点と管理、利用という観点とがリンクした保全の仕組みを、早急に作ってほしい。
 委員:追加を予定している園地が、エコツアーの拠点なのか、エコツーリズムの拠点なのかをしっかり区別する必要があるが、この点をどのように考えているのか。また、この場所を選定した客観的な理由を、対外的にどのように説明するのか教えてほしい。
 事務局:具体的な計画の策定にあたっては、自然再生活動の拠点にも活用できるように、地域の意見を聞きながら進めて参りたい。
公園区域については、阿蘇くじゅう国立公園の点検の中で定期的に見直しをしているので、国立公園地域にすべき優れた風景地に関する情報があれば、九州地方環境事務所にお寄せいただき、その場所の扱いについて一緒に考えて行きたい。
なお、阿蘇くじゅう国立公園の区域周辺においては、例えば、種の保存法に基づくハナシノブの生息地保護区を熊本県高森町に設ける等、保護を図っている。
阿蘇のエコツーリズムは、これまでは南阿蘇地域を中心に行われてきたが、エコツーリズムに係る各団体の拠点でもあり、エコツアーの対象にもなっている北阿蘇地域に施設を整備することで、利用を分散させるとともに、阿蘇地域全体としてエコツーリズムを推進するもの。

 委員:種の保存法では、ハナシノブを含めた二次的自然を包括的に管理することは困難。現地では、草の刈り取り等を行う担い手が高齢化して保全が困難な状況にある。重要な種を守るための計画を立て、地域で実行し、管理できる仕組みを環境省として考えてほしい。

 委員:施設整備については、単純な行政側の都合のみで立地や内容を考える時代は終わり、例えば、エコツアーの拠点とするのか、事業者の拠点とするのかといった目的に応じ、また、施設を利用する者のニーズ等に応じて、立地から内容まで検討するという段階になっているので、その点十分に配慮して欲しい。

 小委員長:利用計画について、しっかりした意識と方針を持って進めてほしいという指摘と考える。小里園地は自然管理の側面でも要請があり、エコツーリズムの拠点ともなり得るため、阿蘇地域の北側の拠点として整備するという趣旨だと理解できるので、そのように進めてほしい。

 ・琵琶湖国定公園

 意見、質問なし。

(2)生態系維持回復事業計画の策定について

 委員:事業の実施体制について、具体的に誰がどのように進めるのか教えて欲しい。特に、関係機関の事業を統合して行う計画なのか、関係機関が個別に行う事業を連携して行う計画であるのか。仮に後者であれば、生物は移動し刻々と変化してしまうため、連携のみでは対応が不十分であり、実効性が危ういと考える。
 事務局:生態系維持回復事業計画では本計画の大きな枠組みの中で役割分担して進める体制である。細部計画は各事業体が作って実施し、報告と情報共有を行うこととしている。
具体的には、屋久島の場合、シカの生息密度から3地域(高密度、増加傾向にある地域、低密度)に分け、まず増えている地域で集中的に対策を行うこととしている。ヤクシカの捕獲は、国有林内では林野庁が行い、国立公園外では屋久町が農林業被害対策のための有害鳥獣捕獲として行っている。また、環境省はこれを取りまとめる役割を担っている。

 小委員長:計画を進める上での全体的な推進体制、例えば、各省庁、自治体、NPOがどのように連携して一つの計画を進めているのか。協議会の設置や計画進行のチェックをどういう形で行っているのか教えてほしい。
事務局:屋久島の場合、世界自然遺産地域科学委員会の下部組織であるヤクシカワーキンググループが協議会の位置付けとなる。ここで、各団体が実施する分野で計画を立て、問題意識を共有し、効率的に事業を推進している。環境省としては、シカ密度の変化を把握しながら、年度毎の動向をチェックし、きめ細かな対応で進めていく。

 小委員長:屋久島は世界遺産としての管理計画があり、生態系維持回復事業計画の推進と両方で進めていくことになる。難しい面もあるが、利点でもあると思う。世界遺産と国立公園で連携を取ってほしい。

 委員:様々な組織で横断的に進めることが多いため、環境省が主体的にコーディネート、リードして進めていくことが重要だと考える。
事務局:本事業を進めていく上で常にモニタリングを実施し、適正な個体数になるように、参画する団体をコーディネートして進めていきたい。

 委員:シカの生息状況把握については、シカが、どこで、いつ、何を食べたかといったことに至るまで、集落単位で聞き取るような綿密な調査を積み上げることが必要である。特に1回でも餌付けをしてしまえば餌付け禁止の取組が台無しなるので、餌付けをしないということに理解が得られるよう、霧島では農地や牧場の管理者、集落と連携して対策をとる仕組みをつくることが重要ではないかと考える。
事務局:霧島では、国立公園外、特に農林業被害対策を含め対策に関する話合いをしているところである。
また、集落以外で観光客がパンくずを撒くといった餌付けが行われている状況であり、かわいいから餌付けするといった誤った野生生物との関わり方への対策として普及啓発を進めるなど併せて進めていきたい。

 小委員長:委員の指摘は、保全上重要な場所では綿密な調査を行い、データの収集をしっかりしてほしいとのことだと思うので、よろしくお願いしたい。

 委員:シカ対策は関係省庁と連携を取って、必要に応じて知恵を借りて進めることが重要。また、利用することは壊していくことだというイメージがあるが、これは餌付けのような不適切な利用に限ったことである。適切な利用を推進することは保全につながるのであり、今後とも適切な利用の方法を検討して普及啓発につなげてほしい。

(3)国立公園事業の決定及び変更について

○知床
羅臼湖線道路(歩道)
ホロベツ園地       共に意見なし
○大雪山
糠平博物展示施設
 委員:町の施設と環境省の施設は一体の施設ということか。
事務局:環境省としてはここに利用拠点となる施設が必要と考えており、一方、町も博物館事業を廃止し、展示物を継続して展示する施設を新たに設置したいという考えがあることから、連結した施設となるよう調整している。
 委員:町の博物館とはどういうものか。
 事務局:東大雪周辺の自然環境のパネルを説明したり、地域の動物のはく製を展示したり、また、調査データを保管するなどの施設と聞いている。
 委員:施設の内容に関しての調整はできていると考えてよいか。
 事務局:現在、施設の内容や、維持管理等の国と町の役割分担などについて内容を詰つめているところである。
○支笏洞爺
支笏湖動物繁殖施設
 意見なし
○小笠原
 母島北進線道路(車道)
 委員:今回はカーブの部分について工事を行うとのことだが、他の部分については今後、工事の計画はあるのか。
 事務局:現段階では他の箇所の拡幅の計画はないと聞いている。今後、他の部分の工事について相談があったら十分に審査し、指導をしていく。
 委員:事業執行者は誰なのか。
 事務局:東京都である。
 委員:大きな整備計画が既にあって、それに基づいて今回の工事の計画を出してきているのか。
 事務局:後ほど回答する。(→“区間や工法等の具体的整備計画はない”と後ほど回答。)
○南アルプス
 北沢宿舎
  意見なし
○瀬戸内海
 鳴門宿舎
  意見なし
○雲仙天草
 雲仙温泉宿舎
 委員:新たな経営者が宿舎を経営するということだが、長期にわたり経営していただければありがたい。
事業者の能力などについては調査しているのか。
 事務局:執行に際しては、収支や経営計画などの財務的な執行能力をしっかりと審査していく予定だが、「事業決定の変更後執行見込み」ということで、現段階においても現場の保護官において確認しており、執行能力については問題ないということである。
 委員:続けてもらうことが大事なことなので、しっかりとチェックをしてもらいたい。

5.問い合わせ先

環境省自然環境局国立公園課(代表03-3581-3351)

課長
桂川 裕樹(内線6440)
課長補佐
田村 省二(内線6443)
専門官
佐々木真二郎(内線6445)
担当
桝  厚生(内線6449)<公園計画>
柴原  崇(内線6448)<生態系維持回復事業計画>
速水 香奈(内線6447)<公園事業>
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