中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会議事要旨 (第21回)

1.開催日時

平成23年7月11日(月)16:20~17:15

2.開催場所

経済産業省別館 1028会議室

3.諮問事項議題

  1. (1)南アルプス国立公園の公園計画の変更について及び南アルプス国立公園生態系維持回復事業計画の策定について
  2. (2)国立公園事業の決定及び変更について(10公園)
    ・釧路湿原国立公園 ・磐梯朝日国立公園 ・尾瀬国立公園
    ・富士箱根伊豆国立公園 ・伊勢志摩国立公園 ・上信越高原国立公園
    ・吉野熊野国立公園 ・瀬戸内海国立公園 ・阿蘇くじゅう国立公園
    ・雲仙天草国立公園

4.議事経過

諮問事項すべてについて審議がなされ、それぞれ適当であるとの結論に至った。
なお、主要な発言は以下のとおりである。

(1)南アルプス国立公園の公園計画の変更について及び南アルプス国立公園生態系維持回復事業計画の策定について

委員: なぜ生態系を1980年代初頭の状況まで回復させることを目標としているのか?また、目標の設定を、高山帯への侵入の有無を基準に判断していると言っていいのか?
事務局: シカによる植生への影響が確認されたのが1990年代初頭であり、1980年代後半は潜在的にシカの影響があったと考えられる。そのため、記録等からシカによる影響が見られなかった1980年代初頭を目標とした。
また、1980年代以前は指定当初の国立公園の資質が維持されていたためシカの影響がない状態を目標としたものであり、高山帯への侵入の有無を基準にしているとして差し支えない。
委員: シカの生息密度や個体数の数値目標はあるのか?
事務局: 南アルプス全体としての適正生息密度、個体数目標は設定していない。南アルプスのシカの行動特性は個体によって大幅に異なるので、生息密度が不明確である。早急に防除対策を行うとともに、適正生息密度、個体数目標については本計画と並行して検討を行う。
委員: 1980年代初頭は寒冷期であったが、平成元年頃以降温暖期に入っているので、現時点において、生態系の状況を1980年代初頭に戻すことは難しいのではないか。このような気候変動の影響も考慮して対応して欲しい。
事務局: 目標の年代はシカによる影響を受けていなかったころの南アルプスの生態系や種構成の参考として設定したものである。そのため、シカによる影響を排除した後に維持、回復する生態系や種構成が異なることも十分に想定される。設定された目標は目安であり、順応的に事業を実施するものである。
委員: カモシカも個体数が増加していると聞いているが、カモシカの影響とシカの影響の違いはどうか。
事務局: カモシカについては従来から山岳地に生息し単独行動であるため、生態系への影響はシカと比較すると影響は少ないものと考えられる。
委員: (シカによる影響がなかった)元の状態に戻すためには相当数のシカを捕獲する必要がある。捕獲したシカのその後の処理はどうするのか。
事務局: 山岳地で捕獲されたシカの個体搬出は大変な労力がかかるものである。そのため、捕獲の実施にあたってはその搬出まで考慮した上で取り組んでいく。
委員: 現在、防鹿柵によって保護されている箇所をモニタリングしていると聞くがどのような状況か。
事務局: 防鹿柵で囲われた箇所については、箇所によって異なるが一部では植物の種数の増加など回復傾向にある。今後は、重要な箇所について防鹿柵を設置し、モニタリングをあわせて行う予定である。
委員: 啓発事業の必要はあるのか?
事務局: 生態系維持回復事業について南アルプスにおけるシカによる生態系への影響、ニホンジカの捕獲及び防鹿柵の設置等の対策の必要性、本事業の実施状況等について、地域住民や公園利用者等に事業への理解と協力を働き掛けるために必要であると考えている。

(2)国立公園事業の決定及び変更について(10公園)

委員: 磐梯朝日国立公園金玉水植生復元施設事業について、本地域以外でもいろいろな場所で崩壊があり、それに伴う工事をしていると思うが、その土地の地形を活かして行うべき。全国で多様なケースがあると思うので、それらの事例をとりまとめ、参考にしながら工事を行っていただきたい。
委員: 瀬戸内海国立公園鳰(にお)宿舎事業について、最大宿泊者数が増加しているが、宿泊者数の増加について判断基準はあるのか。
事務局: 今回は宿舎事業者から必要であるとの申し出があり、現場で調整し、諮問したもの。本件については、最大宿泊者数を増やしても、環境面、利用面とも問題はないと判断した。それぞれの地域の特性に合わせ判断している。
委員: 休前日等における最大宿泊者数に合わせて規模を大きくすると、平日により多くの部屋が空いてしまうこととなり、効率的ではないのでは。
事務局: 公園事業については、事業者の経営状況等を適切に審査しており、今回の事業変更についても宿舎の経営上問題ないと判断している。
委員: 上信越国立公園の道路(歩道)事業については、妙高市の要望に応じて、事業決定を行うということでよろしいか。
事務局: 今までは、地元のボランティアが管理を行ってきたが、より充実した管理が必要であることから、現場が妙高市と調整をし、妙高市が維持・管理する見込みがたったため、事業決定することとなった。      

5.問い合わせ先

環境省自然環境局国立公園課(代表03-3581-3351)

課長 上杉 哲郎(内線6440)
課長補佐 田村 省二(内線6443)
専門官 佐々木 真二郎(内線6445)
担当 桝 厚生(内線6449)<公園計画>
柴原 崇(内線6448)<生態系維持回復事業計画>
速水 香奈(内線6447)<公園事業>
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