中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会議事要旨 (第15回)

開催日時

平成20年6月20日(金)10:00~11:45

開催場所

三田共用会議所 大会議室 Room D・E

議事

(1)鳥海国定公園の公園区域及び公園計画の変更について
(2)国立公園事業の決定、変更及び廃止について

議事経過

 諮問事項すべてについて審議がなされ、それぞれ適当であるとの結論に至った。
 なお、主要な発言は以下のとおりである。

(1)鳥海国定公園の公園区域及び公園計画の変更について

委員 近年、自然トレイルや住民の利用を主とした歩道の整備等が活発になっているが、そのような時代背景の中で、木境八島線を歩道から車道に振り替える理由は何か。自然公園については、極力歩いて周遊するような、また極力車両は入れないような整備を行っていただきたい。
事務局 本路線は、現状として車道が整備され車道利用が主体であるため、車道計画に振り替えることとしたもの。なお、南麓部分については、ブナ林や里山でのトレッキング等に対応した歩道の追加を行っている。
委員 変更案について地元での説明や合意形成の手続きはどのようにされているのか。
事務局 国定公園の公園計画変更については、都道府県からの申し出により行われることになっている。本国定公園については、申出前に、県が専門家や地元自治体等による地域検討委員会を開催し、土地所有者や関係省庁の了解も得た上で、変更案を作成している。
委員 今回は数十年ぶりの変更ということだが、次の変更に向けてどういう国定公園が望ましいかといった明確なビジョンが必要となると思う。今後、従来の登山利用から環境教育など多様な利用へと、利用方法が変化することが考えられるが、例えば、どのような歩道が環境教育利用に適しているのかといった研究はしているのか。
事務局 今回の変更は、現状と乖離している部分を現在の考え方にあわせて変更するものが中心であるが、山麓部の多様な利用に対応するような利用者のニーズに対応した変更なども行っていきたい。

(2)国立公園事業の決定、変更及び廃止について

委員

登山道の整備においては、登山口などの起終点(ターミナル)を大切にしていただきたい。
会津駒ヶ岳の登山口は車の駐車スペースが限られ、ベンチ・トイレなど休憩等のための施設がなく、登山準備や下山時の休息など利用の快適性が不十分。
会津駒ヶ岳の登山道整備の際には、休憩所(ターミナル)の整備をモデル的に検討していただきたい。

事務局 尾瀬国立公園においては、沼山峠や鳩待峠には既に休憩所があるが、会津駒ヶ岳については既存のスペースが無いため、調整が必要。現地と相談をしながら進めていきたい。
委員

国・地方公共団体が設置した道標の記載内容が不十分であるため、不足した内容を補うために、隣に山岳団体等がもう一つ看板を設置しているケースがある。道標の記載内容については、地域との意思疎通を図って一つにまとまった標識を作っていただきたい。
尾瀬では、ごみの持ち帰りは常識となっており、「ごみを持ち帰りましょう」という道標は設置しないでほしい。

事務局 地元の地方公共団体や山岳団体、住民と設置箇所のみでは無く、記載内容まで十分に話し合って設置したい。
委員

歩道の看板にはそれぞれ目的があると思うが、デザインについては全体的に統一するのか。それとも地域性を持たせるのか。
例えば、三重県の熊野古道では、20箇所程度の看板が設置されているが、共通の意識での同意がされており、比較的まとまっている。
市町村単位でバラバラな状況がみられるが、統一させる方針はあるのか。

事務局

標識については、直轄事業で重点的に整備する際の課題と思っており、各公園の管理計画に基づき最低限の統一を図っている。
今まではネガティブな表現が多かったが、今後は地方公共団体や山岳団体とよく話し合いながら、全体的により良い目的に合った統一的なデザインの標識を設置したい。

委員 スキー場が廃止された場合、リフト等の施設が残存しているケースがある。大変見苦しいが、これらの施設の撤去は誰が行うのか。
事務局 廃止となった施設は事業主が撤去して更地にするが、倒産した場合は残存していることもある。法的な行政代執行を行い、事業主から撤去費用をもらうという方法はあるが、事業主がいなくなるなど実行できない場合が多く、各地で問題となっている。引き続き、大きな課題として検討していきたい。
委員 ロープウェイのメンテナンスには、多額の費用が生じる。ロープウェイのある施設を核として成り立っている地域があり、この事業が失敗をすると地域全体が衰退してしまう。景観の問題や観光の問題とも絡むが、認可事業として必要と認めている事もあり、環境省として支援が必要ではないか。
事務局 ロープウェイへの支援については、個別の企業体を支援する事は難しいが、国立公園として周辺を整備する事によって、引き続き側面から地域を盛り立て、支えていきたい。
委員 全国の国立公園の魅力ある展望、景観の維持について、対策を教えてほしい。
桜島では、クロマツが伸びてしまったため、本来の自然景観である溶岩の景観が見えなくなった地域がある。国立公園の景観として、一部分でもクロマツを撤去し、溶岩の景観を維持するべきではないか。良い景観を維持する事を考えてほしい。
事務局

ここ3年くらい、グリーンワーカー事業により、展望地における支障木の伐採が実施されている地域もある。
現場の状況により、「遷移を見守る場所」と「景観を維持する場所」に区分けして管理することもあり得る。

委員 国土交通省は、国土整備計画などで民間参加の国土管理という考え方をしている。国立公園についても、民間に対する直接的な補助・サポートについて、考え方の整理をしていくことが必要なのではないかと考える。

その他

報告事項「国立・国定公園の総点検の取組について」の主要な発言は以下のとおりである。

委員 総点検事業は大変重要な事業であり、今後真剣に取り組むべき。特に奄美群島・やんばる地域は国立公園としてふさわしく、図面上の作業だけでなく現地で検討を行えるよう十分に予算を確保するなどして調査検討を行い、具体的に事業を進める事が必要。
委員 奄美群島・やんばる地域については、地元経済への悪影響を懸念する声もあるが、国立公園化で新たな地元経済が生まれることも考えられるので、積極的に検討してもらいたい。

問い合わせ先

環境省自然環境局国立公園課(代表03-3581-3351)

課長 神田 修二(内線6440)
課長補佐 則久 雅司(内線6442)
課長補佐 荒畑 正広(内線6443)
係長 杉村 素樹(内線6445) <公園計画関係>
係長 坂口 隆 (内線6447) <公園事業関係>
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