中央環境審議会自然環境部会 自然公園小委員会(第13回) 議事録

開催日時

平成19年6月29日(金)15:50~17:00

開催場所

三田共用会議所 大会議室 Room D・E (東京都港区三田2-1-8)

出席委員

(8委員)

岡島 成行  臨時委員
熊谷 洋一  委員
小泉 武栄  専門委員
鹿野 久男  小委員長
田部井 淳子  委員
速水 亨  臨時委員
原 重一  臨時委員
廣瀬 敏通  専門委員

議題

  1. 開会
  2. 議事
  3. (1)網走国定公園の公園計画の変更について(諮問案件)
    (2)国立公園事業の決定、変更及び廃止について(諮問案件)

  4. その他
  5. 閉会

配付資料

資料1:
網走国定公園の公園計画書(案)
資料2:
網走国定公園の公園計画の変更案説明資料
資料3:
網走国定公園の公園計画の変更案の概要
資料4:
国立公園事業の決定、変更及び廃止の諮問案件について
資料5:
国立公園事業の決定、変更及び廃止案件の概要
資料6:
国立公園事業の決定書、変更書及び廃止書(案)
資料7:
国立公園事業の決定、変更及び廃止に関する説明資料

議事録

午後3時52分 開会

○国立公園課長補佐 ただいまより中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会を始めます。
 開催に先立ちまして、本日の出席委員数のご報告をいたします。
 本日は、所属委員12名のうち8名の方にご出席いただいております。
 また、中央環境審議会令等の規定により、本委員会の開催並びに議決に際しましては委員及び臨時委員の過半数の出席が必要とされております。本日は委員及び臨時委員10名のうち6名の方にご出席いただいておりますので、本委員会は成立いたしております。
 議事に入ります前に、黒田審議官よりご挨拶申し上げます。

○大臣官房審議官 部会に引き続きということで、よろしくお願いいたします。
 小委員会では、網走国定公園の公園計画の変更、それから公園事業の決定等についてご審議いただきたいと思います。
 網走国定公園はさまざまな海岸地形が見られる北海道の国定公園です。この公園計画の点検結果を踏まえまして、利用計画の一部を削除しようという中身です。
 また、事業決定の方につきましては、10の国立公園における事案について、事業区域の決定であるとか拡張であるとか、あるいはその道路の路線の変更、こういう中身になっております。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

○国立公園課長補佐 それでは、これよりの議事進行につきましては、鹿野小委員長にお願いいたします。

○鹿野小委員長 余り経験のない中で小委員長を仰せつかって、少し自信がないところでございますが、皆さんのご協力をいただきながら進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、ただいまから自然環境部会自然公園小委員会を開催いたします。
 本日の委員会は公開で行います。ご了承願いたいと思います。
 会議録は後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員の了承をいただいた上で公開することとなります。
 なお、議事要旨につきましては、事務局が作成したものを私、小委員長が了承した上で公開するということで、ご了承願います。
 それでは、早速審議に入りたいと思います。
 本日の審議事項は、諮問第218号 網走国定公園の公園計画の変更について、及び諮問第219号 国立公園事業の決定、変更及び廃止についての2件でございます。
 諮問書の朗読は省略させていただきます。
 それでは、まず諮問第218号 網走国定公園の公園計画の変更について、事務局から説明願います。

○事務局(杉村) 網走国定公園の公園計画の変更に関する諮問案件について、ご説明いたします。
 これからスクリーンに映す内容は、資料2として配付しておりますので、ご参考までにご覧ください。
 網走国定公園ですが、北海道のオホーツク海に面した海岸部を中心とする国定公園です。昭和33年7月に指定されております。
 公園区域は、サロマ湖や能取湖、網走湖、涛沸湖など大小7つの海跡湖沼と、それを囲むように海岸沿いに発達した砂丘や砂州で構成されています。起伏の少ない広々とした景観が特徴の公園であります。
 また、この写真にあります小清水原生花園のように、花々が美しい場所であるとか、秋に湖岸を赤色に染めるアッケシソウの大群落など、植物が景観の特徴にもなっております。
 今回は、本公園の公園区域と公園計画の点検を行ったものです。
 まず、点検の結果、自然環境に関しては大きな変化がないため、公園区域と規制計画については変更の必要がないものと判断いたしました。一方、利用施設計画については、社会状況の変化に対応し、変更すべきものがありましたので、計画の変更を行おうというものです。
 変更内容としては、利用施設計画のうち4つの単独施設を削除するものとなっています。
 まず、ここの二ツ岩水族館ですが、こちらは平成15年に廃業しており、既に施設も撤去されています。今後とも整備の見込みがなく、また計画の必要性も乏しいため、削除しようというものです。
 次に、栄浦と小清水原生花園にある2つの汚物処理施設については、かつて生活ゴミの処理のための小型のゴミ焼却施設があったものです。これは廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正によって使用できなくなっており、また施設も撤去されていることから、計画の削除をするものです。現在は通常のごみ収集に切り換えて、広域的にゴミを処理しているということです。
 最後に、こちら嘉多山にございます園地と野営場ですけれども、こちらは私有地に予定されていた計画であり、将来的に整備の見込みがなくなったため、削除するものです。
 こちらが嘉多山園地・野営場の周りの公園計画図ですが、利用の実態から見ても、対岸の呼人浦に野営場や園地の利用計画があって、そちらが利用の拠点として使われています。また、公園に隣接した天都山にオートキャンプ場が整備され、こちらが多くの人々に利用されている。これらのことから、嘉多山の園地と野営場は計画の必要性が乏しいと判断し、削除するものです。
 以上、簡単ですが、網走国定公園の変更案の概要になります。
 なお、本件につきましてもパブリック・コメントの募集を行っていますが、提出された意見はありませんでした。
 以上で説明を終わります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○鹿野小委員長 ただいま説明のありました諮問第218号 網走国定公園の計画変更について、ご質問、ご意見がございましたらどうぞ。

○廣瀬委員 削除ということですが、削除された施設跡の計画は、どのような形になるのでしょうか。自然復元になるのか、更地という形で放置されるのか、どういうルールになっているのか。
 それから、水族館なども含めて、既に廃業して施設も撤去してあるということですが、その場合、この小委員会では追認という形になるのでしょうか。それとも、本来ならばこの小委員会で削除を決定してから撤去という順番だったのかどうか、その辺もお聞かせ願えればと思います。

○国立公園課長 1番目のご質問の点ですけれども、基本的には、水族館と汚物処理施設については、すべて撤去済みのものであり、適切に整理されているということです。
 それから、嘉多山園地・野営場については、実は計画があったのですが、先ほど言ったような理由から実現しておりませんので、施設の跡地にはなっていません。
 それから、廃止されているものの扱いですが、これは国定公園ですので、こういった施設をどの位置に整備するという計画は環境省の権限でつくります。それに基づいて水族館をつくる、経営する、それからそれを廃止するのも含めて、この場合は道の権限でございます。
 計画があっても廃止することは、一時的なものというとしてあって、その後、今後の見通しがあるかないかといったことを勘案して、そのもとになる計画が引き続き要るかどうかを計画上、判断するという仕組みになってございます。

○鹿野小委員長 ほかにございませんでしょうか。
 それでは、諮問第218号 網走国定公園の公園計画の変更については、適当と認めることにご異議ございませんでしょうか。

(異議なし)

○鹿野小委員長 ありがとうございました。
 それでは、本件については適当と認めることといたします。
 次に、諮問第219号 国内公園事業の決定、変更及び廃止について審議を行いたいと思います。
 事務局から説明をお願いします。

○事務局(立田) 国立公園課で事業係を担当しております立田と申します。よろしくお願いいたします。
 諮問第219号、計10の国立公園に係る28件の事業決定等について、説明します。
 利尻礼文サロベツ国立公園については、決定が1件、変更が1件ございます。
 1件目は、北海道天塩郡幌延町に位置する浜里海岸植生復元施設です。
 区域は120ヘクタールを決定します。
 事業地は、天塩川と日本海に挟まれた砂州状の地形となっている場所で、砂利採取の跡地が放棄された状態となっています。かつてはミズナラなどで構成される海岸低木林となっていた場所で、その景観を取り戻すため、北海道が事務局となって環境省や林野庁、幌延町などが参画している幌延町海浜景観再生プラン連絡協議会の中で景観再生プランを作成し、その計画に基づいて、砂利採取跡地の埋め戻しや、あるいは周辺地で採取した植物の種を活用した緑化を現地で行っております。それらの活動を事業に位置づけるものとなっています。
 写真は、砂利採取跡地です。
 下の写真は、一部植生を復元させたミズナラ林が見える所です。
 次は、北海道利尻郡利尻富士町に位置する姫沼ポン山線歩道です。
 当該路線は利尻島の北部に位置し、利尻山を望む利用拠点となっている姫沼から、標高400メートルほどのポン山を散策する歩道となっています。現在は、姫沼からポン山を通る鴛泊登山線歩道の合流点までの3キロが事業決定されていますけれども、ポン山の山頂を通って姫沼に周回するような計画路線全線の7キロメートルを事業決定するものです。
 当該地には既に歩道が通っておりまして、町による標識等の整備が行われるもので、歩道を新たに通すものではありません。
 写真は、現在の歩道の様子と歩道から見える展望の様子になっております。
 次は、阿寒国立公園について決定が1件ございます。
 北海道網走郡津別町に位置する木禽岳線歩道の決定です。
 木禽岳は、阿寒湖の北に位置する標高約1,000メートルほどの山で、林道から山頂まで登山道が1キロほど続いております。その登山道について、計画路線全線1キロメートルを事業決定するものです。既に当該地には既存の踏み分け道がついており、新たに歩道を通すものではございません。
 木禽岳から見える雄阿寒岳の眺望と、既存歩道の様子が写真になっております。
 次に、十和田八幡平国立公園について変更が1件ございます。
 岩手県岩手郡雫石町の岩手山麓集団施設地区に位置する岩手山麓園地の変更になっております。
 当該地は、岩手山の西側にある網張温泉に位置し、夏季の登山、冬はスキーなどの利用があります。現在のところ、環境省による園地あるいは博物展示施設、野営場、あるいは民間による宿舎などが集約的に整備されております。また、近年、温泉を目的に訪れた方による周辺の散策などの利用が増加していることもあり、また、今の園路の接続があまりよくない状況ですので、環境省が園路を整備し、野営場や周回歩道の整備を行うもので、対象区域となっている14ヘクタールを決定するものとなっております。
 現地はこのような状況になっております。
 次は、陸中海岸国立公園について変更が1件ございます。
 岩手県宮古市浄土ヶ浜集団施設地区に位置する浄土ヶ浜博物展示施設の変更です。
 浄土ヶ浜は、海岸とアカマツ林の織りなす景観が特徴的な、陸中海岸国立公園の代表的な景勝地の1つとなっております。
 駐車場から浄土ヶ浜へのアクセスの改善、あるいはマイカー規制などに関するビジターセンターを駐車場の横に整備するもので、区域を0.8ヘクタールから1.2ヘクタールへ変更するものです。
 写真は既存の駐車場、それから事業予定地、あるいは浄土ヶ浜の景観になっております。
 次は、磐梯朝日国立公園について決定が2件、変更が2件ございます。
 山形県西置賜郡小国町に位置する温身平園地の決定です。
 当該地は飯豊連峰の北側の山麓にあり、主な利用としては、飯豊連峰の登山利用、あるいは周辺のブナ林の自然散策となっています。
 当該地には既に歩道が整備されておりまして、昨年度、林野庁などが実施する森林セラピー総合プロジェクトの森林セラピー基地に認定されました。
 これが今、出されているマップです。既に歩道などが整備されていますけれども、新たに森林セラピーを中心とした園地利用のため、ベンチ等を再整備することとしており、今回、事業として把握するものになっております。
 当該地の状況は、このようになっております。
 次は、福島県耶麻郡北塩原村に位置する桧原湖北岸舟遊場の変更です。
 桧原湖北岸は磐梯山が美しく見える所ですけれども、現在、桟橋が乱立しており、風致上あるいは利用上の支障が懸念されているところとなっております。それについて桟橋を北塩原村がまとめて適正な利用、風致の改善を図るために、事業を執行するものとなっておりまして、区域を1ヘクタール決定するものとなっております。
 写真は、現在の桟橋の様子を示しております。
 次は、福島県耶麻郡北塩原村に位置する五色沼東園地の変更です。
 当該地は五色沼周辺を散策する利用の入り口に当たる所になっておりまして、今、スライドにあります茶色い四角いものが環境省によるビジターセンター、既に整備されているものになっております。その周辺について、散策するような園路を設けるということで、その区域2.7ヘクタールから4.8ヘクタールへ事業を変更するものとなっております。
 写真は、事業の予定地あるいは既存の園地の様子を示しております。
 次は、福島県福島市に位置する信夫高湯宿舎の変更です。
 当該地は吾妻連峰中腹の標高750メートルに位置しており、古くから信仰登山の拠点として発達してきた温泉地となっています。
 当該地では、点在していた宿舎施設を一体とした公園事業として取りまとめ、全体として39ヘクタールを事業決定するものです。
 現在、こちらではゴルフ場跡地に日最大240人ほどの宿舎の建設が予定されているところですけれども、既にゴルフ場跡地として、今、出ている写真のような状況になっておりまして、特に自然改変を伴うようなものではございません。
 次に、秩父多摩甲斐国立公園について、廃止が3件ございます。
 東京都西多摩郡檜原村に位置する馬頭刈山園地の廃止です。
 かつては東京都により展望台やトイレなどが整備されていましたけれども、施設の老朽化あるいは利用者が減少しているということもあり、施設は撤去され、今後も整備の予定はないということで、事業を廃止することとするものです。
 写真は、既に撤去された事業の跡地を示しております。
 次は、東京都西多摩郡奥多摩町に位置する倉沢谷園地の廃止です。
 当該園地は、倉沢鍾乳洞の入り口にある園地として計画されておりましたが、今は鍾乳洞が閉鎖されている状況となっております。そのような状況から、かつて民間事業者によって整備された休憩施設は既に撤去されており、また今後、整備の予定もないということで、事業を廃止することとするものです。
 写真は、既に撤去された事業跡地を示しております。
 次は、東京都西多摩郡檜原村及び奥多摩町に位置する鋸山避難小屋の廃止です。
 当該園地には、かつて避難小屋が整備されておりましたが、隣接地に林道が通り、アクセスが容易になったことなどから避難小屋の必要性がなくなり、現在、施設は撤去されております。今後、整備の予定もないため、事業を廃止することとするものです。
 写真は、事業の撤去跡地になっております。
 富士箱根伊豆国立公園につきましては、決定が2件、変更が2件ございます。
 東京都御蔵島村に位置する御蔵島西海岸線車道の決定です。
 御蔵島は東京の約220キロ南の海上に位置し、島のほぼ全域が国立公園に指定されています。当街路線は、島の北部に位置する港から島の西側を通り、島の南側にある黒崎高尾園地や赤沢巨樹の森に至る、公園利用上、重要な路線となっております。
 当該車道は既に整備されており、一部幅員の狭い部分など通行に支障がある区間を再整備するに当たって、今回、事業として把握するために事業決定を行うものです。
 事業決定規模は、既存の車道の規模をもとに決定しております。
 写真は、既存車道と、車道を通って至る園地からの展望の様子となっております。
 次は、静岡県伊豆市に位置する太郎杉歩道の決定です。
 当該歩道は、天城越えを行う湯ヶ島七滝線歩道から分岐した国有林の歩道となっております。歩道の終点には樹高50メートルを超える太郎杉と呼ばれる一本杉があり、静岡県により歩道が既に整備されており、この歩道における標識などを再整備するため、今回、事業として把握するものになっております。
 写真は太郎杉の様子、あるいは既存の歩道の様子となっております。
 次は、東京都八丈町に位置する大潟浦園地の変更です。
 東京の南海上約300キロに位置する八丈島に位置しており、大潟浦は大型客船が着岸する八重根港の近くに位置し、八丈富士が眺望できる海岸の園地として東京都が整備しております。
 今回、車道沿いの駐車場などを園地として取り込み、一体的に執行するため、区域を変更するものになっております。
 写真は、園地から見る八丈富士などの様子になっております。
 次は、東京都新島村に位置する羽伏浦野営場の変更になっております。
 東京の南海上約60キロに位置する南北に細長い島で、島のほぼ全域が国立公園に指定されております。
 当該地は、島の中央部の砂浜の続く羽伏浦海岸の近くに位置し、園地と野営場が一体として整備されております。近年、野営場利用が増加していることもあり、最大宿泊者数を100人から120人に増加するものになっております。
 写真は、既存の野営場の様子となっております。
 瀬戸内海国立公園について、決定が2件ございます。
 岡山県倉敷市に位置する由加登山線歩道の決定となっております。
 由加山神社の参道から由加山桜園を通って北上する歩道となっておりまして、また、四国自然歩道へつながる路線として平成18年4月に長距離自然歩道として位置づけられました。既に探勝歩道として整備されているところですが、案内標識などの整備はほとんどされておりませんので、環境省が整備することとしております。
 事業決定は、計画路線全線の1.7キロを決定いたします。
 写真は、既存の歩道の様子を示しております。
 次は、兵庫県西宮市に位置するループ展望台宿舎の決定です。
 当該地は六甲地域の東側の、芦屋市と有馬温泉を結ぶ有料道路である芦有ドライブウェイの途中に位置しているものです。事業名のとおり、ドライブウェイのループしたところになっており、神戸の町並みを望むビューポイントとして有名な所となっております。
 当該地には、かつて休憩舎などの工作物が設置されていましたが、現在は更地となっております。この度ここに都市近郊にある国立公園として、そこをゆったり楽しむことができるよう、民間事業者が宿舎の執行を予定しております。執行に当たっては、かつての休憩所の跡地の整備を基本とし、六甲の自然などを楽しめる宿舎とすることにしております。
 写真は、かつての施設の跡地と、ここから望む神戸市街の様子となっております。
 次は、霧島屋久国立公園について決定が2件ございます。
 鹿児島県熊毛郡上屋久町に位置する本村岩屋泊湯向線車道の決定です。
 当該事業は、昨年秋の審議会において公園区域を拡張した、口永良部島における車道の決定です。
 当該車道は、島の玄関口である本村から海水浴利用のある岩屋泊、島東部の古岳登山口など、島の東西を結ぶ主要路線となっております。計画路線全線の25キロ、有効幅員4.0メートルを決定するものです。
 車道は既に上屋久町によって整備されているもので、新たな整備の予定はございません。
 写真は、既存の車道及び周辺の興味地点の様子を示しております。
 次は、同じく熊毛郡上屋久町に位置する古岳線の決定です。
 当該事業も、昨年秋の審議会で決定したものとなっております。口永良部島の公園利用の核心部と言える古岳に登る登山道となっております。
 当該地には歩道は整備されていますが、火山であるため、利用者の安全確保などの標識が必要ということで、環境省が標識の整備をするものとなっております。
 写真は、現在の登山道の様子あるいはその付近で見られるマルバサツキなどの写真となっております。
 時間がございませんので、西表国立公園について8件ございますが、基本的にすべて既存の施設を把握するものとなっておりますので、簡単に写真だけで説明させていただきます。
 野底岳線車道につきましては、既に通っている車道について決定するもので、野底岳が望めるような車道となっています。
 現在の車道は、このような状況になっております。
 次は、石垣島の北西部に位置する屋良部半島線車道ですけれども、こちらは既に2車線の車道が通っているものです。
 写真は、現在の車道の様子となっております。
 次は、玉取崎園地です。このように、既に石垣市により園地が整備されており、リーフが美しい景観をなしている所となっております。
 次は底地園地ですけれども、こちらも既にビーチとして整備されているものとなっておりまして、石垣市が整備している区域を決定するものになっています。
 現在は、トイレなどの整備が行われております。
 次の米原園地と米原野営場につきましても、既に石垣市により整備が行われている園地、あるいは野営場の施設を事業決定するものです。
 次は、御神崎園地です。石垣島の西の端にあります御神崎につきましても、既に石垣市が整備しております園地がございますので、こちらを把握するものとして事業決定するものです。
 最後に、こちらだけ整備予定ということですけれども、沖縄本島や本州からの空路の玄関口である石垣空港を結ぶ地点、あるいは空港から港までを結ぶ途中にあります環境省の国際サンゴ礁研究モニタリングセンターからほど近い園地に、環境省が博物展示施設の設置を計画しておるもので、0.7ヘクタールを決定するものとなっております。
 写真は、現在のサンゴ礁モニタリングセンターと、事業予定地となっております。
 以上、かけ足ですけれども、事業決定等の案件の説明を終了させていただきます。
 ご審議よろしくお願いいたします。

○鹿野小委員長 それでは、諮問第219号について、ご質問、ご意見がありましたらお伺いしたいと思います。

○原委員 こういうものの設計とか施工というのは、デザインも含めてどういうプロセスになりますか。

○国立公園課長 一般的に言えば、直轄の事業であれば、その設計に関しては外注して基本設計をし、また実施設計をして、順次具体化していくということなので、そういった専門の事業者に任せる形になりますけれども、そこにどのような観点を入れるかという、基本的には環境省がそれを発注者としてコントロールしていく形になります。

○原委員 国立公園の中での建物の質というか、デザインから言っても千差万別というか、「何とかして欲しい」というのも含めて結構あるではないですか。そういう施設のデザインなどは現地のレンジャーの方の趣味、趣向で決まっているのか。デザインの問題だから、何か指針があって云々という話ではない。その辺のところが、センスのいいものをつくっていただくというか、特にこういう所の場合、公共施設の1つとしては、やはりこれを見習って、周りがこういう建物になるとか、そういうことが非常に大事ではないですか。
 私は昔、津和野などの仕事を結構やったことがありますが、大体よくないのは公共施設。木造の所に鉄筋を持ってくるとか、そういうものが圧倒的に多かった。もう30年ぐらい前の話だけれども、今はもう大分変わったのかなという気もするけれども、環境省にとっては、一つ一つの建物、デザインも含めてものすごく大事だと思うので、デザインは好みもあるとはいえ、やはり丁寧につくらせるというか、仕上がった後「なるほど」と思うものにしてもらいたい。そのためにできる努力は積極的に行う必要があるのではないかという気がします。

○鹿野小委員長 例えば竹富のビジターの例など、どなたか説明できませんか。

○事務局(川越) 以前石垣におりましたので、説明させていただきます。
 竹富のビジターセンターは、地元の設計屋に発注してデザインしていただきましたが、そのデザインの決定に当たっては、竹富島の地域の公民館を初め皆様方の意見を聞きながら、また、どういった使い方をしたいかといった点を踏まえて、デザインも含めて設計し、建築工事をして、今、運用されています。
 石垣のビジターセンターの方も、ちょうど今年だったと思いますが、景観法に基づく景観条例で、石垣市が景観計画をつくっています。その中で、石垣島全体として建物のデザインをどのようにしていくかといった考え方も示されていますので、今後、私どもで博物展示施設を整備していくという段階では、まずそういった景観計画に基づく計画を踏まえつつ、ご指摘のあったように、見本となるようなデザインをぜひやっていければと思っています。

○原委員 ぜひそうしてください。

○熊谷委員 今の原委員のご発言は、仙田委員も度々発言されていのですが、非常に古くて新しい問題で、大切な問題だと私も認識しています。この自然公園小委員会でも何回もそういうご発言があったことと、景観三法ができるということで、実は何年か前に環境省の国立公園課だったと思いますが、国立公園の中での建物デザインの報告を行っています。それを実際に作業されたのは国立公園協会であり、全く同じような問題意識で、たしか雲仙と層雲峡と日光でケーススタディも含めて行った良い報告書があるので、そういうものをもう一度参考にされたらいいと思います。
 環境省自体が全くそういうことに関して無関心で、野放図というわけではなくて、努力はされている。ただ、それと実際のこういう委員会との間に少し乖離がある。実際いろいろな研究をされているのに、それがどうして引き継がれていかないのか。問題意識の高い方々がいるけれども、やはり人事異動で代わってしまうとこともあるので、デザインコードなどに関することも引き継いで行く必要がある。
 ですから、小委員会でそういうご意見が出てくるのは、私は大変すばらしいことと思っています。

○鹿野小委員長 今の話だと、たしか鹿沢のものが建築学会賞を受けたでしょう。宣伝しておいたらどうでしょう。

○速水委員 今、公共事業の場合、設計ですら入札という話になっています。設計家の方々は、設計が入札とはどういうことだと怒られるの。私は、例えば世界遺産の熊野古道のときに、県が建物を建てるときに建築もプロポーザルにするように県を納得させた。一番安いところとかではなくて適切なものを選んでみようではないかと。それで、材料の納入もプロポーザルを行った。そういうやり方で設計だとかデザインというものの大事さを確保してあげなければいけないような気がします。
 安いところとなってくると、先ほどの地域の設計家だけで済まないときもあるし、建築材料も、どこかよそから持ってきた方が安いという話もある。その辺を何か、表に出しても絶対恥ずかしくないような形の制度として、国立公園の独特の建物をつくらせるという制度を、今の制度の中で研究しなければいけないのではないかと思います。その辺を一生懸命やらないと、やはり一緒のものがどんどんできてしまう。安いというだけのことになるだろうと思います。

○岡島委員 今の説明されていたのはほとんど納得できるような事業計画だと思いますが、そこで1つだけ気になったのが建物についてです。建物もしくは園地整備。全部芝生としたり、それから建物も、赤い屋根とするなどいろいろなものがあるでしょう。私は、やはり国立公園の中の、地区別でもいいのですが、熊谷先生がおっしゃったり今までもやっていたように、例えばパリの街は窓の色もみんな決まっている、そういうレギュレーションのようなものがそろそろ必要だと思う。国立公園の中には、例えば屋根は緑とか、一種の自然に調和するための基本的なラインというのがあると思うけれども、そういったものを地域に任せるのではなくて、例えばなるべく森から飛び出たようなビルはつくらないなど、最低限のラインはつくっておく必要があると思います。
 自然と調和するための一種のレギュレーションのようなものがそろそろ必要なのではないか。動物の捕獲などの規制はできているけれども、景観などについてはできていないのでつくっておく必要があるのではないか。環境省でもきれいで立派な建物は所々に建てているけれども環境省が手がけないところでも、一応国立公園の中であれば、こういった佇まいのものをつくるべきだというようなことなんですね。

○原委員 そういうものはあるんですよ。

○原委員 それをみんな杓子定規に事務的に処理するからね。要は建物のデザインとかセンスとか、そういうものが問われるから……。

○岡島委員 でも、レギュレーションによって、もうちょっと細かく、色とか材質とか、そんなものを少しやってもいいのではないですか。

○原委員 色もあるんですよ、ちゃんと。屋根はこうしろとか。

○鹿野小委員長 では神田課長、その辺の現状などを含めて。

○国立公園課長 今、何人かの委員からいただいたのは本当に、総合的に私たちが実は一番力を入れてきたと思っていたところがよくできていない。もともと規制する立場から、色や形、統一感などに配慮して規制をしてきたつもりでいただけだったということだと思います。
 それから、それが蓄積していない、一人一人の力になっていないということで、例えば今のように直轄施設をたくさんつくらなければいけない段階になって、それを自分たちの施設に生かすときに、そのノウハウが生かされていない、統一されて反映されていないということだと思います。研究などの蓄積も既にあるが、そういうものも継承されていないという、非常に厳しいお話だったと思います。
 そういった点、私どもも感じているところですので、そういう蓄積についてはぜひ、マニュアルみたいな形になるのかもしれませんけれども、そういった形で組織として洗練し、それを継承していく。規制する側でも生かし、自分でつくる側になっても、一番見本になるようなものをつくることができるような地力をつけなければいけない。
 もちろん職員研修などでデザインの先生方からの研修なども行っていますが、ご指摘を踏まえて、根源的で大変重いものだと認識して、きちっとやっていきたいと思います。

○原委員 規制とか、3メートルにしろ、色をどうしろということではなくて、基本的なことにお金をかけるというか、時間をかけるというか。建物をつくったらきちっと模型をつくって、周辺の形もつくって、それで判断するとか、そういうプロセスで建物を一つ一つ丁寧につくるよう心がけることが物すごく大事だと思います。私は、マニュアルとか規制とかいう話ではなくて、それも一つのマニュアルに入るのかもしれないけれども、そういうマニュアルをつくって欲しい。
 そしていいものを、さっき熊谷委員がおっしゃったように、それを開示するとかね。
 「これはなかなかみんなの評判いいんだよ」という話と、「だれがやったらわからないけれども、これはとんでもないものだよ」というのを常にオープンにしておく。そういうことが私は、一つ一つ挙げていく、基本だと思います。

○鹿野小委員長 いろいろ貴重なご意見、ありがとうございました。

○廣瀬委員 本当は景観デザインの前にお尋ねしたかった件ですが、この博物展示施設の具体的な中身ですね、現行のモニタリングセンターとの棲み分けですとか、保護官が常駐施設になるのか、その辺をお聞かせください。

○事務局(山本) 那覇事務所の山本です。
 今からまさに考えていくことになりますので、まだまだ事業決定段階では具体的な計画にはなっておりません。ただ、今、国際サンゴ礁モニタリングセンターは、石西礁湖の自然再生の拠点や、サンゴの研究の拠点になっていますので、今回陸域が指定されたことに伴って、石垣のビジターセンター、博物展示施設をどう考えていくかということについては、これからうまく連携をとりながら、今のサンゴ礁センターとどういう関係で整備していくのか、しっかり考えていきたいと思っています。

○熊谷委員   18番の瀬戸内海のループ展望台宿舎ですが、これは民間ですから、特に環境省がどうという直轄の事業ではないのですが、ただ、場所が第1種特別地域の中にかなり規模の大きいものができるような気がします。こういうものに対してこそ、先ほどのいい意味でのデザイン指導とか、あるいは環境省が積極的に協力を求めるとか、そういったことが重要かなと思いますが、例えばこの宿舎がどんな形になるか、ある程度何か見せていただけるとわかりやすかったのですが、もうちょっと詳しく説明していただければと思います。

○国立公園課長 ループ展望台ですが、ここは第1種特別地域で、たしかに非常に風致に配慮すべき所ですが、サイト的には、既に既存の野営場でしたか、古く休憩所があったりした跡地であるため、いわゆる自然地ではありません。もちろん道路沿いでありますので、そういった意味では眺望される可能性も高いということで、注意すべきところですけれども、現時点では、民間がつくるものでございますけれども、そういった点にも十分配慮して指導を初めているところと聞いてます。大規模なものではなくて、分散型の宿舎というようなことを考えていると聞いております。

○熊谷委員 ぜひ適切なご指導を。

○鹿野小委員長 適切な指導をご希望でございますので、よろしくどうぞ。

○小泉委員 利尻礼文サロベツが出てきたので、これにすぐ関係あることではないけれども、実は利尻礼文サロベツに長沼湖沼群というのがありまして、ほとんどの人は知らないと思いますが、実は中に入るととてもすばらしい所です。ところが、営林署が昔巡視していた道があって中には入れるけれども、入口がない。入口は全部、例えば牧場になってしまっていて、どこからも入れない。
 ですから、今日、国立公園事業の決定という話になっていますが、エコツーリズム推進法が国会を通りましたし、もしこれからそういった隠れた景観資源を生かすために、昔の巡視道に接続して入り口をちゃんとつくるとか、そういういろいろなことが可能になると思います。
 それは多分、当事者みたいな少し詳しい人でないと多分知らないと思います。私はたまたま調査で入ったのでそういったものがあることがわかったけれども、地元の人たちもほとんど知らないといったことがあります。そういうものは実は意外にいろいろな所にあるような気がします。
 ですから、多分いろいろ知っている人がいると思いますから、そういう新たなものを少し提案してもらって発掘すれば、隠れた国立公園の魅力がまた引き出せるような気がします。その辺もご検討いただければありがたいと思います。

○鹿野小委員長 今の貴重なご意見は、これからの具体化にぜひ生かしていただきたいと思います。

○田部井委員 先ほど建物のデザインの話が出ましたけれども、歩道の整備等のときのデザインについてもぜひ考えていただきたいと思います。
 かつて登山道を考える委員会というのもあったかと思いますが、それが果たしてどの程度生かされているのかもちょっと疑問です。議論ばかりしていて、それがどのように生かされているのかについてもぜひお知らせいただき、それを生かしていただきたいと思います。
 それから、せっかく建物は建てても、ひどい看板ができたら困るというのもありますので、そういった全体を含めての検討もしていただきたいと思います。

○国立公園課長 歩道については、検討会でご検討いただいてまとめられたものがありまして、それを生かしているつもりですし、今後も私ども、登山道の整備を進める部分が多々ありますので、十分生かしてまいりたいと思います。

○廣瀬委員 今日の議題ではないことですが、昨日も石見銀山の決定などのニュースが流れて、国民の関心がかなり世界遺産の方に向いているわけですが、一方で、国立公園に対する関心は非常に薄くなっていると思います。日本の自然地域の保護と利用の観点から言うと、国立公園をもっともっと国民に広く知ってもらって、それに深くかかわれるような機会をどんどんつくるべきではないかと思います。国立公園の利用がどうも世界遺産の影に隠れているような気がするのは私だけなのか、お尋ねしたいと思います。

○国立公園課長 決して遺産と張り合うつもりはないですが、それは先ほど部会でご説明しました提言のまさにきっかけになっていることでもあると思います。国立公園の存在感、時代にこたえているかという大きな課題です。あのような提言もいただいておりますし、そういう時代の要請にこたえて、そして存在感のあるというのは、とりもなおさず国立公園の意義ですとか果たしてきた役割、今後の果たすべき役割をどんどん発信していくということだと思います。自然公園法制定50周年でもありますので、これを機に、さらに強力にやっていきたいと思っております。

○鹿野小委員長 ほかにはございませんでしょうか。
 それでは、諮問第219号 国立公園事業の決定、変更及び廃止については、適当と認めることでご異議ございませんでしょうか。

(異議なし)

○鹿野小委員長 ありがとうございました。
 それでは、本件については適当と認めることといたします。
 なお、途中で先生方から貴重なご意見が出てきましたので、十分にご配慮いただきたいと思います。
 以上で本日の諮問事項についての審議は終了しました。
 本日の自然公園小委員会の決議は、部会長の同意を得て、自然環境部会の決議とすることといたします。
 これをもちまして本日の自然環境部会自然公園小委員会を閉会いたします。
 ご協力ありがとうございました。

○国立公園課長補佐 長時間どうもありがとうございました。
 

午後4時53分 閉会

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