中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会議事要旨(第12回)

開催日時

平成18年12月1日(金)10:50~12:00

開催場所

中央合同庁舎第5号館8階 共用第6会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

議題

諮問事項
[1] 山陰海岸国立公園の公園区域及び公園計画の変更について
[2] 霧島屋久国立公園(霧島地域)の公園区域及びの公園計画の変更について
[3] 飛騨木曽川国定公園(犬山地域)の公園区域及び公園計画の変更について
[4] 三河湾国定公園の公園計画の変更について
[5] 国立公園事業の決定、変更及び廃止について

議事経過

諮問事項すべてについて審議がなされ、それぞれ適当であるとの結論に至った。
なお、主要な発言は以下のとおりである。

[1] 国立公園の公園区域及び公園計画の変更関係

(山陰海岸国立公園)

委員  鳥取砂丘の特別保護地区から第2種特別地域に変更する区域について、林地化は自然の成り行きで、それ自体が自然という見方も無いわけではないが、林地化した原因が川からの砂の供給がなくなってきているプロセスも考えられる。またニセアカシアを含めてこの周辺の林地化が進んでいるのでそれを良いと見なすのはいかがなものか。元々の砂丘が形成されて、その自然景観、その自然を維持しようというのが管理として当然あってよいのではないか。
事務局  鳥取砂丘の核心部も徐々に防風林の効果により砂が動かないで草地が侵入してきているというところがあり、そのような場所については環境省でも維持管理の一環で地元と協力して草刈りなどによる維持管理を行っている。今回外す場所は、道路で分断された山の斜面のところなので、仕方がないものと考えている。ただし、ニセアカシアのように生育が強いものが侵入する状況については、維持管理を通じて防止していくべきだと考える。

(霧島屋久国立公園(霧島地域))
 質問・意見なし。

[2] 国定公園の公園区域及び公園計画の変更関係

(飛騨木曽川国定公園(犬山地域))
 質問・意見なし。

(三河湾国定公園)
 質問・意見なし。

[3] 国立公園事業の決定、変更及び廃止関係

委員  剣沢宿舎の移築建て替えの際の、デザインの指導、その体制はどのようになっているのか。
事務局  デザインについては、公園ごとの管理計画が定められており、現地の保護官による事業執行者への指導、調整が行われることになる。
委員  それでは景観そのもののプロよる審査又は指導のプロセスというのは入らないということになる。登山者が雨露をしのげればいいというところから、自然景観も楽しめる豊かな時代になってきたのであるから、日本を代表する中部山岳国立公園の山小屋については、体制について検討するべきではないか。
 集団施設地区なども同様で、大事なところで建築物の改築や新設があるときは、プロによるデザイン指導のプロセスが入った方がいいと思う。今回の案件というわけではなく、風致地区や都市計画関係ではそのようなプロセスが既にあるので、自然公園でもそういうことがあってもいいと思う。
事務局  当該事業地に関しては、雪崩の巣のようなところであるため、雪が上を通過していくような設計となっており、現在のような山小屋が風景になじむと思っている。一方で、このような国立公園の核心部などについては、レンジャーと事業執行者の直接やりとりだけではなくて、地域の方とか専門家の方にも入っていただくような仕組みについても、今後検討してみたい。
委員  山小屋で特に沢のところに作らなくてはならない小屋を個人で建てるということは大変であり、その負担は大きい。景観上のことはもちろん大事だが、雪崩を避けてひっそりと建てるという感じの小屋にならざるを得ない。デザインにこだわりすぎるとかえって違和感があることもあり、安全性も考えると非常に難しい部分であると思う。
委員  2年ほど前に、景観3法等を踏まえて、自然公園、特に国立公園の中の様々なデザインについては、自然公園や自然に理解のある建築の方などを専門委員に選んで検討されている。環境省もそういうものは積極的に発信してよいと思う。そういう成果として出したデザインを環境省が発信すれば、それに対してかなり応援や反対などの意見が出て盛り上がると思う。そうなれば、例えば山小屋についても、いろんな意味でのパブリックの方々の支援が受けられ、予算的にも公的な補助もしやすくなってくるのではないかと思う。
委員  洞爺園地、田老園地、北山崎園地、これらがすべて4.5ヘクタールになっているというのは偶然の一致なのか。
事務局  これらについては、執行予定の区域面積が4ヘクタール強の予定になっており、事業決定は事業規模の大枠を定めるものなので、4.5ヘクタールとして整理している。

問い合わせ先

環境省自然環境局国立公園課(代表03-3581-3351)

課長 神田 修二(内線6440)
課長補佐 則久 雅司(内線6442)
課長補佐 伊藤 淳一(内線6443)
専門官 千田 純子(内線6445) <公園計画関係>
事業係長 立田理一郎(内線6447) <国立公園事業関係>