中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会議事要旨 (第11回)

開催日時

平成18年6月27日(火)10:30~12:00

開催場所

中央合同庁舎第5号館23階 環境省第2会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

議題

諮問事項
[1] 小笠原国立公園の公園計画の変更について
[2] 伊勢志摩国立公園の公園計画の変更について
[3] ニセコ積丹小樽海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更について
[4] 八ヶ岳中信高原国定公園の公園計画の変更について
[5] 氷ノ山後山那岐山国定公園の公園計画の変更について
[6] 西中国山地国定公園の公園計画の変更について
[7] 国立公園事業の決定、変更及び廃止について

議事経過

諮問事項すべてについて審議がなされ、それぞれ適当であるとの結論に至った。
なお、主要な発言は以下のとおりである。

[1] 国立公園の公園計画の変更関係

(小笠原国立公園)
委員 小笠原国立公園における自然再生施設は、具体的にはどういったことを考えているか。
事務局 ノヤギ、グリーンアノールなどの外来種が保護すべきエリアに入らないように柵の設置等を考えている。
委員 柵を作るために入る車の進入路もこの自然再生施設に含まれるのか。
事務局 自然再生施設としては考えていない。
委員 今回の計画では属島を含む父島列島、母島列島の列島全体が再生施設の対象域となっている。本来施設計画は、ある特定した場所を対象とするものと考えるが、列島全体を計画対象にするということか。そうすると、山脈のような地域一帯を対象範囲とする方針なのか。
事務局 グリーンアノール、ノヤギ等の動物は自由に歩き回れる。またアカギが侵入している範囲もこの審議会で審議いただく計画及び事業決定の段階では特定するのが難しい状況。場所の特定については事業を執行する段階で行っていきたい。その方がより現状にあった事業ができると考えている。原因とその結果自然が荒廃しているという関係や地域的な広がりが小笠原の場合と同じであれば、同じような考え方になる。
委員 関心があってしかるべきであるのに、パブコメに対するご意見がなかったのはなぜか。
事務局 今回は氷ノ山後山那岐山国定公園に対するご意見のみであった。最近行った指定動物の選定に対するパブコメのご意見は多数寄せられた。広報の仕方が悪かったということもなく、結果は意外である。

(伊勢志摩国立公園)
委員 広葉樹とヒノキの太い木があるところで、特別保護地区から第1種特別地域への変更もあったが、規制の厳しい第1種特別地域での森林管理はどのようなものか。
事務局 第1種特別地域では積極的な施業をするのではなく、林床の管理など最小限の手入れを行う。
委員 この地域の森林は薪炭を取っていた時代もあるので、神宮林も含めて完全な原生というより比較的若い広葉樹林が多い。これが一斉に育ってきたので、下層植生がゼロになってしまうといった状況が見受けられるため、第1種特別地域でも上部の木を切らざるを得ないということか。
事務局 最小限のものは切るという考えである。元々は比較的人手の入っていた森林だったところを特別保護地区に指定したことにより、管理されなくなり荒れてしまったのを元に戻そうとするものである。
委員   こういった問題を抱えた事例はいろいろなところで起こってくると思う。広葉樹の森が再生したような若い森林の間伐については、どのように管理したらよいのかあまり実績がないことから今後記録を残していってほしい。
事務局 昭和52年頃に特別保護地区に指定された当時は、森林を守るには手を加えないのがいいと考えられていたが、里地里山といったある程度手入れの必要な自然もあるとの認識がなされていきている。
委員 神宮は森林の管理に力を入れており、専門家を交えた委員会を作っている。協力して管理していってほしい。
委員 今まで元々特別保護地区や第1種特別地域の価値のあるところを指定し、そこの価値が下がってきた時に、地種区分を変更せずに価値を修復し、さらに高めるということが考えられていなかった。これまでの規制の限界である。今後は、本来の価値を維持するための方法を考える等環境省が積極的に地種区分に対応した景観管理の方法を整理しておかないと、対応できなくなってくる。

[2] 国定公園の公園区域及び公園計画について

委員 西中国山地国定公園の八幡湿原自然再生施設はどのようなものを考えているのか。
事務局 かつての排水路を撤去して、そこの在来種を再生し、元の湿原に復元する。
委員 八ヶ岳中信高原国定公園の美ヶ原で外来種をボランティアが除去作業を実施しているが、日本の国立公園、国定公園周辺では他にもこのような動きがあるのか。
事務局 ボランティアはもちろん、国立公園の中で地域の民間活力を利用したグリーンワーカー事業がある。外来種の刈りとりなど、今後もさらに支援していきたい。
委員 美ヶ原(の説明資料)では、「草原にクマザサや外来種」と併記されているが、手を加えなければクマザサが入ってくるのが本来の姿ではないか。
事務局 美ヶ原は元々放牧地であり、草原に手入れをしなくなったことにより周辺から植生が侵入してきている。人の手が入ることで維持されてきた景観であることから、元の形を取り戻すためボランティアの方に協力いただき、またササの刈り取りも試験的に始めている。

[3] 国立公園事業の決定、変更及び廃止関係

委員 小笠原国立公園のグリーンアノールの柵、ヤギの進入防止柵のそれぞれ面積はどのくらいか。
事務局 場所によって違うがどちらも数ヘクタールの規模で、5~6箇所である。
ヤギは囲った中に入ってこないように、グリーンアノールについては、囲った中にいるものも排除していく方法を考えている。なお、グリーンアノールは、小笠原国立公園内には600万匹以上いると言われている。
事務局 全部一度に駆除するのは難しい。グリーンアノールの柵については試験的に数メートル × 数メートルで行っている。
今、柵を設置する予定があるのは父島、母島のみ。他の属島に広がらないように取り組んでいく。また、シジミの生息地など、在来種の生息する重要な地域から始めていく。
委員 全島を決定しているが、グリーンアノールが渡って広まることが前提なのか。
列島全部を対象地域とするのではなく、計画を具体化し、または外来種による被害が近来起こりうる地域を事業決定するべきなのではないか。全島を決定しても、人的、予算的にも、属島まで事業ができるのか。
事務局 属島も含めてもっと自然再生事業に取り組んでいきたいが、人も予算も不足しており、いかにそれらを確保していくかが課題だと考えている。
グリーンアノールが海を渡って分布を広げることは避けたいが、それを前提としている訳ではなく、属島に他の移入種が分布していることから、その対策に取り組むことが目的である。今年4月に現地に自然保護官が赴任したこともあり、自然再生事業には精力的に取り組んでいるため、今後、なんとか予算をとってやっていきたいという認識である。
委員 自然再生施設についても、景観にマッチするものがいい。柵などもう少し目障りにならないようなものを考えて欲しい。
委員 グリーンアノールの柵の高さは。色は白がいいのか。白でなかったら、もう少し景観に配慮したものができるかもしれない。
事務局 柵の構造については、高さは 50 ~ 60 cmで、上部に返しが付いている。色は白がいいということではない。
委員 自然再生はいいことに間違いないのだが、資金がかかることである。ボランティアを使うなどの仕組み作りは考えられないか。
事務局 行政だけではなく、ボランティアも含めた地元の人たちの協力も得ながら取り組んでいきたい。また、知床では年に何回か、漂着ゴミの処理をグリーンワーカー事業として少ない予算で対応しているので、このような制度も活用できる。
委員 ノヤギは完全に駆逐するのか。
事務局 今まで東京都がやってきたが、撲滅したところもある。属島については、撲滅を目指す。

問い合わせ先

環境省自然環境局国立公園課(代表03-3581-3351)

課長 鍛治 哲郎(内線6440)
課長補佐 則久 雅司(内線6442)
課長補佐 伊藤 淳一(内線6443)
専門官 千田 純子(内線6445) <公園計画関係>
事業係長 立田理一郎(内線6447) < 国立公園事業関係 >

資料の公開について

中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会での資料は、請求があれば公開する。   ただし、「国立公園事業の決定、変更及び廃止について」に関する資料のうち、事業費に関しては、特定の者のプライバシーなどに係る情報に該当することから、これを伏して公開するものとする。
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