中央環境審議会 自然環境部会(第28回)議事録

日時

平成27年11月11日(水)10:00~12:00

場所

環境省第2・第3会議室

出席者

石井  実  部会長

髙村 典子  委員

新美 育文  委員

江﨑 貴久  臨時委員

岡  敏弘  臨時委員

尾崎 清明  臨時委員

小泉 武栄  臨時委員

小泉  透  臨時委員

小長谷 有紀 臨時委員

下村 彰男  臨時委員

白山 義久  臨時委員

中村 太士  臨時委員

三浦 愼悟  臨時委員

宮本 旬子  臨時委員

涌井 史郎  臨時委員

議事

午前10時00分 開会

○司会 おはようございます。予定の時刻になりましたので、中央環境審議会自然環境部会を開催させていただきます。

 本日は、所属の委員、臨時委員24名のうち、現段階では13名の先生方のご出席をいただいておりますので、中央環境審議会議事運営規則による定足数を満たしており、本会は成立しております。

 続きまして、資料の確認をさせていただきます。

 お手元にお配りしております資料ですが、議事次第の裏側に配付資料一覧をご覧ください。議事(1)の関係で、資料1-1から資料1-3、6種類ございます。議事(2)の関係で、資料2-1から資料2-5、参考資料が1と2で、合計7種類ございます。議事(3)の関係で、資料3-1、資料3-2、参考資料3と、3種類ございます。最後、議事(4)の関係で、資料4で1種類ございます。資料に不備等がございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。両面刷りになっている資料もございますので、ご注意いただければと思います。

 それでは、局長の奥主よりご挨拶を申し上げます。

○自然環境局長 自然環境局長の奥主でございます。自然環境部会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

 まず、自然環境部会の委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、当部会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日は浅野会長にもご出席をいただいております。大所高所からの忌憚のないご意見をいただければと存じます。

 また、報道等で既にご存じの方もいらっしゃると思われますが、当部会所属の臨時委員であられました佐藤正敏氏が先週5日に亡くなられました。故人の環境行政へのご貢献に感謝するとともに、心からのご冥福をお祈り申し上げたいと思います。

 さて、本日ご審議いただく案件でございますが、諮問案件が三つ、報告案件が一つでございます。

 まず初めに、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針についてでございます。本件は、前回、平成23年の基本指針改訂から5年が経過しようとしている指針の改訂に向けた見直しでございます。前回改訂からの社会的状況の変化や、今後生じ得る課題を整理する必要があります。また、平成26年の法改正を経て、指定管理鳥獣捕獲等事業や、認定鳥獣捕獲等事業者制度などの新制度も始まっています。こうした鳥獣管理の強化の必要性、これまでの審議会で提示された課題を踏まえまして、適切な指針となるようご審議いただきたく存じます。

 次に、希少鳥獣の管理に関する計画についてでございます。これにつきましては、平成26年の法改正で新設されました特定希少鳥獣管理計画の法定計画の策定に関するものです。具体的には、北海道えりも地域におけるゼニガタアザラシにつきまして、地域社会において共存するため、個体群管理を適切に行うことにより、希少鳥獣としての計画的な管理を進めるものです。

 三つ目でございますが、バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書に対応した国内措置のあり方についてでございます。本件は、平成22年に名古屋で開催されたカルタヘナ議定書第5回締約国会合で採択された、いわゆる名古屋・クアラルンプール補足議定書を国内担保するための措置のあり方を諮問させていただくものでございます。

 諮問案件については以上になります。皆様方からの忌憚のないご意見を頂戴したいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 そして、最後、報告案件でございますけれども、生物多様性国家戦略2012-2020の達成に向けた一層の加速について、ご報告させていただきます。

 本日予定している議題は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○司会 それでは、この後の議事進行につきましては部会長の石井先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○石井部会長 皆さん、おはようございます。委員の先生方は、大変お忙しく、日程調整にかなり手間取りまして、朝早い開催になりました。今日もよろしくお願いいたします。

 ただいま局長からもございましたように、当部会の委員としてご尽力いただきました佐藤正敏さんがご逝去されました。謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。

 それから、局長からのご挨拶の中でございましたように、本日は中央環境審議会の浅野会長にもご出席いただいております。

 浅野会長、よろしければ一言お願いいたします。

○浅野会長 ご紹介いただきました会長の浅野でございます。 2月に会長に選出されましたが、私はこれまで自然環境部会には一度も出席させていただいたことがございませんで、ぜひ一度出席をして、皆様方にお礼のご挨拶を申し上げたいと思っておりました。なかなか機会を得ることができませんでしたが、今日はこのような機会を得ることができまして、ご挨拶を申し上げますとともに、皆様方のご審議をお聞かせいただけることをうれしく存じております。

 規則によりますと、会長はどの会議に出ても構わないということになっているようです。義務はないのですけど、権利はあるのだそうです。ということで、今日は権利を行使させていただきました。 自然環境の政策領域につきましては、愛知の会議以来、かなり進展を見ております。この20年間の立法や政策の進展の動向をふりかえってみますと、自然環境分野が、2一番整備が進んでいる分野のひとつではなかろうかと考えていまして、今日もさらにそれの内容を充実するためのご議論をいただくことになろうと存じます。

 また、先々週は、本来の用務は適応計画策定に係る課題だったのですけども、沖縄県に行きまして、一緒に話し合いに参加いたしましたが、ついでにということで、ヤンバルクイナの保護の活動ぶりを見せていただきました。トキの失敗に鑑み、あんなになる前に早く手を打たなければいけないということで、とてもいい仕事をしておられたと思います。、実は初めて知ったのですが、大変人懐っこい珍しい個体があるということで、本来、昼にはそんなに人のそばに寄ってくるはずがないような、キョンキョンという名前なんだそうですけど、個体を展示施設で飼っておられるのを見せていただきました。本当にしつけがいいのだろうと思いますね。私がカメラを向けたら私のほうにつつっと来ましたので感激いたしました。着々と仕事が進んでいるということを大変うれしく思います。どうぞ皆様よろしくお願いいたします。

○石井部会長 浅野会長、どうもありがとうございました。忌憚のないご意見をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事ですけれども、従前どおり、本日の審議会も公開ということで行っております。報道関係者、あるいは、傍聴希望の方も同席しているということでございます。

 会議録ですけれども、後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員の了承を得まして公開することとなりますので、よろしくお願いいたします。

 なお、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを、私、部会長が了承した上で公開することをご了解いただければと思います。また、会議資料につきましても公開となります。

 それでは、これより議事に入らせていただきます。

 本日の議題ですけれども、先ほど局長からもございましたが、3件諮問がございまして、報告が1件ということでございます。

 では、一つ目の議題の鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針について、まず、事務局からご説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○鳥獣保護管理企画官 鳥獣保護管理室の東岡と申します。座って説明させていただきます。鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針についての見直しに係る諮問案件について、説明をさせていただきます。

 本件は、本日は諮問のみで、今後の審議の手続と案件の概要のみ説明をさせていただきます。

 資料1-1-1をご覧ください。

 これは、環境大臣から中央環境審議会会長に平成27年10月27日に諮問したものでございます。

 次のページの資料1-1-2は、自然環境部会に付議するものでございます。

 鳥獣保護管理法の基本指針でございます、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針でございますが、これは、鳥獣保護管理法第3条に基づきまして、環境大臣が定めるものとなっております。都道府県が策定する鳥獣保護管理事業計画の作成に関する事項など、鳥獣保護管理の基本施策の指針を定めたものになります。基本指針の策定又は変更をする場合は、中央環境審議会の意見を聞かなければならないとされております。法律にそう規定されております。

 この基本指針では、都道府県が策定する鳥獣保護管理事業計画の計画期間を平成24年4月1日から平成29年3月31日の5年間ということで、ちょうど改訂の時期を迎えております。この都道府県による鳥獣保護管理計画の見直しに先立って、この計画の基本的な考え方を示しております基本指針の見直しに着手するために、今般、環境大臣から中央環境審議会に諮問をさせていただいたということになります。

 ページをめくっていただきまして、資料1-2-1をご覧ください。

 鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会の設置の部会決定でございますけども、今回の審議に当たりましては、昨年、鳥獣法を改正したときも、鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会を平成26年6月に設置されておりまして、この資料の3ポツでございますが、鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会は、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針の見直しについて検討を行うとしておりますので、今回、鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会での審議をお願いできればと考えております。

 次のページ、資料1-2-2をご覧ください。

 これは、検討小委員会の運営方針を昨年の6月に定めたものになっておりますので、この運営方針に従ってご審議、運営をしていただければと思っております。

 また、ページをめくっていただきまして、資料1-2-3をご覧ください。

 こちらは、平成26年6月の小委員会の審議のときに、委員長、小委員会に属すべき臨時委員、専門委員について指名をしていただいたものになります。今回の審議に当たりましても、この鳥獣の保護及び管理のあり方小委員会でご審議いただければと考えております。

 ページをめくっていただきまして、資料1-3をご覧ください。

 こちらは、事務局が想定をしております今回の基本指針の点検のポイントでございます。昨年、法改正を受けまして、鳥獣の保護及び管理のさまざまな取組が現在始まっているところでございます。現在の基本指針は平成23年9月に告示されたものでございまして、昨年、法改正を踏まえて、法改正に係る部分のみは、昨年、基本指針の改訂をされております。今回の改訂につきましては、法改正の新制度が施行されて最初の全体的な見直しを行うものになります。内容としては、鳥獣の保護と管理に関しまして、5年ごとに基本指針は見直すということになっておりますので、5年前の基本指針の改訂からの社会的変化、それから、これまでの審議会で課題とされて議論されていたことに加えまして、今後生じる課題について整理をしていければと思っております。

 議事のポイント、主な論点について、説明をさせていただきます。

 鳥獣の保護と管理に関する情報の収集基盤の整備ということで、保護と管理を適正に進めていくためには、科学的な情報を基盤として、新しい情報収集システムの検討を現在進めております。現在も情報収集システムがあるのですが、捕獲情報については2年後に取りまとまるということで、タイムラグが生じております。迅速に情報を収集するためにどういった情報を収集して、また、今後の計画的な鳥獣の保護管理を進めるためにどういった科学的知見を分析していくか、そういったことをご議論いただければと思っております。

 その下は、狩猟鳥獣のあり方についての論点でございます。狩猟鳥獣であるニホンジカにつきましては、狩猟鳥獣の保護の観点から、現在、狩猟については全国的に1日1頭の捕獲制限、1人1日1頭の制限が現在もございます。これは、多くの都道府県では、第二種特定鳥獣管理計画をつくることで、この捕獲制限を解除したり、また、一部の県では、独自の規制として、雄ジカのみ1日1頭ですとか2頭の制限をしているということでございますが、今般、ニホンジカについては、全国的に非常に分布が広がり、生息頭数も増え、被害も広がっているということで、こういった全国的な狩猟鳥獣の狩猟の制限を見直すということも考えていきたいと思っております。

 その次の狩猟鳥獣としての外来鳥獣のあり方でございますが、これは、昨年、平成26年に法点検を行ったときの答申におきましても、外来生物対策における狩猟の役割を整理する必要ということが指摘されております。狩猟を鳥獣の管理の一つのツールとして積極的に位置づけて、外来鳥獣につきましても、適正な生息数に減少させるという観点から、狩猟鳥獣についても指定していくということも考えられないか、そういったことが論点の一つとして考えております。

 その下、保護と管理の手法に関する論点でございますが、積極的な管理が進む中での鉛製銃弾に関する課題がございます。現在、鉛弾の規制は、平成14年の鳥獣法の改正で、鳥獣法15条に基づく指定猟法禁止区域で、鉛弾の使用については規制がされております。これらの指定猟法禁止区域につきましては、現在、北海道全域のほか、9万4000haの主な水辺地域が現在指定をされて、そうし地域では鉛弾の使用が規制されていますが、今後、鳥獣の大規模な捕獲が進む中で、鉛弾が環境中で放置されるということが増えていくのではないかと、そういったことが想定される中で、鉛弾の規制のあり方をどのように考えていくかと、そういったことも論点と考えております。

 その下の個人の農地や宅地を自衛するための捕獲ということで、現在の基本指針の中でも、農林業者が自ら行う被害対策のためのわなを用いた捕獲の規制のあり方を検討すると。これは、農林事業者が自衛のためのものについては、もう少し規制を緩和したらどうかということでございます。現在、農林業者が自らの事業の被害を防止する目的で囲いわなを設置することについては、法定猟法から除外されております。狩猟鳥獣を狩猟期間において法定猟法でとる場合は、基本的に狩猟の免許が必要なんですが、狩猟鳥獣を狩猟期間に法定猟法以外でとる場合については、現在、手続が必要ございません。ということで、こういった農林事業者が狩猟期間中に自らの事業敷地内で囲いわなを設置することについては手続なく設置できるということでございますが、こういった農林業者が自ら自衛のために捕獲することの規制について、どのように考えていけばいいかということも論点と考えております。

 その下は、鳥獣保護区の保全のあり方ということで、現在、鳥獣保護区の指定と、それによる鳥獣の生息地の保全の効果を踏まえまして、指定のあり方も考えていきたいと考えております。

 その下は、人材育成に関する論点でございます。人材育成と申しましても、行政、それから、民間、両面の人材育成があると考えております。都道府県、自治体の専門的人材の育成につきましては、鳥獣法の改正の国会の附帯決議の中で、専門的職員の配置状況を把握し、毎年公表することということで、今年の4月から、都道府県の専門的職員の配置状況について、環境省で調べて公表しております。こういった自治体の職員につきましては、現在でも都道府県職員の鳥獣に係る研修をやっておりますので、そういったものを体系的に整理しまして、研修を強化していくことですとか、あと、民間の人材育成という観点ですと、環境省の専門家の人材登録事業というものがございまして、鳥獣保護管理プランナー、調査コーディネーター等が、現在も専門家として登録をしているものがございますが、現在も百数名が登録していただいているということで、あまり活用が進んでいないということがございます。そういった活用の促進策ですとか、あと、例えば、現在も民間の鳥獣管理の専門の資格制度が最近生まれてきておりますので、そういったものとの連携というものを考えるべきかどうかということ、そういったことと連携することで、人材登録の促進ですとか能力の向上、それに伴って活用促進、そういった人材登録事業の活用を進めるということも考えていければと考えております。

 その下は、愛玩と傷病鳥獣等の考え方ということで、愛玩飼養につきましては原則認めないということになっているのですが、野外で野鳥を観察できない高齢者に対して、自然と触れ合うためのメジロ、1世帯1羽のみは例外的に認めるということになっておりまして、今後、全面廃止に向けた検討を進めるということになっておりますので、全面的に廃止することでいいのかどうかということが論点と考えております。

 傷病鳥獣の考え方につきましては、現在、鳥獣の捕獲・管理が強化されていく中で、鳥獣の管理の対象となっている鳥獣についても、現在、行政としても、傷病鳥獣救護の対象としていくのか、現在、傷病鳥獣の現場というのは非常に数が多くてパンクしているということもございますので、どういったものを行政として傷病鳥獣救護の対象としていくのか、そういったものの整理が必要だということですとか、あと、傷病鳥獣の救護の捕獲につきましては、行政職員ですとか鳥獣保護管理員などに限定しておりまして、一般市民による救護の取り扱いをどのように考えていくのか、そういったことが論点と考えております。

 その下の人と鳥獣との関係でございますけども、人と鳥獣とのあつれきがクローズアップされる中で、狩猟ですとか、人と鳥獣との関係でどういうふうに考えていくべきかというものを考えていきたいと思っております。

 今回の点検につきましては、制度そのものの改正を論点とせず、技術的な改訂にとどめるとしておりますが、これは、法律の点検が、法律の附則に、施行後5年を経過した時点で新法の規定について検討するということになっておりますので、法律の枠組みの点検自体は平成27年施行の5年後ということで、平成32年に点検をしたいと思っておりますので、そういった枠組み以外の、例えば基本指針、政省令の改訂、通知・運用の見直し、そういったことについて、今回の点検の中で審議をしていただければと思っております。

 次のページは、小委員会の検討スケジュールでございます。

 今年度、小委員会を2回開催して、28年度も、一度開催した後、パブリックコメントを実施しまして、その後、パブリックコメントの結果を踏まえた小委員会で取りまとめをしたい。それで、夏ぐらいには答申をして、この答申を踏まえて基本指針の告示を9月か10月ごろにはやりたい。それを踏まえて、各都道府県で鳥獣の保護管理事業計画の計画づくりを進めていただければと考えております。

 説明は以上でございます。

○石井部会長 ご説明ありがとうございました。

 それでは、諮問があった本件、基本的な指針についてですけれども、本部会でお受けして、既に設置しております鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会において、資料1-3にありますポイントですが、さまざまな論点についてご議論いただき、この部会のほうにご答申いただくと、このようなご説明でございました。

 では、ただいまのご説明ですけれども、ご意見、ご質問等があったらお願いいたします。またいつものように名札を立てる形でお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○自然環境局長 今お手元にお配りしていますが、現行の基本的な指針ということでございます。ちょっとご参考までに。

○石井部会長 要するに、このようなものが改正後にできるということですね。

○自然環境局長 そうでございます。

○石井部会長 よろしいでしょうか。

 では、特にこの件は、ご意見はないようですね。

(なし)

○石井部会長 そうしましたら、本件については諮問をお受けいたしまして、先ほどの小委員会において詳細な検討をしていくということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、希少鳥獣の管理に関する計画についてということで、事務局からまずご説明をお願いいたします。

○鳥獣保護管理企画官 続きまして、資料2-1、希少鳥獣の管理に関する計画についての諮問案件について、ご説明をさせていただきます。

 資料2-1でございますけども、これは、環境大臣から中央環境審議会に希少鳥獣の管理に関する計画について諮問をしたものでございまして、10月27日ということになっております。

 次のページ、資料2-2は、これを受けて、審議会会長から自然環境部会に付議するものでございます。

 希少鳥獣の管理に関する計画につきましては、資料の束の最後のページをご覧ください。ホチキスどめをされている最後のページをご覧ください。

 こちらの参考2は、改正鳥獣法における計画の位置づけが変わっておりますので、改正前というのは、都道府県が鳥獣保護事業計画をつくって、特定鳥獣保護管理計画をつくるという計画体系だったのですが、今回、鳥獣法が改正されて、下の二つの部分の計画が追加をされております。希少鳥獣の保護のための計画、それから、特定希少鳥獣管理計画、特定の地域においてその生息数が著しく増加し、又は生息地の範囲が拡大している希少種の管理を行うための計画。これらの国自ら、環境大臣が策定して実施していく計画というものが、今回の改正で追加をされております。

 また資料2-1に戻りまして、昨年改正した鳥獣保護管理法に基づきまして新たに国が定める特定希少鳥獣管理計画について、今回、諮問をしたいと考えております。

 特定希少鳥獣の管理計画につきましては、最後のページの1枚前、参考1をご覧ください。

 これは、特定希少鳥獣管理計画の法律の位置づけが載っておりまして、法律の第七条の四で、環境大臣が、希少鳥獣管理計画を定めることができると。この法律の最後の項目ですけども、環境大臣は、希少鳥獣保護計画、特定希少鳥獣管理計画もこれは準用しているのですが、これを定め、変更しようとするときは、あらかじめ、中央環境審議会の意見を聴かなければならないとなっております。こういったことを踏まえまして、今般、希少鳥獣の管理に関する計画について、今回諮問するものでございます。

 資料2-3をご覧ください。

 こちらは、平成25年3月の野生生物小委員会の部会決定でございます。4番を見ていただきますと、法律の名称が古い名称のままでございますが、野生生物小委員会は、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の規定により中央環境審議会の権限に属せられたのうち、鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針に関することを除く事項を調査審議するということで、先ほどご説明しました基本指針以外のことは野生生物小委員会で調査審議していただくということになっております。この部会決定につきましては古い法律名称、古い基本指針名称になっておりますので、もしよろしければ、今回の部会決定をもって新しい法律名称、新しい基本指針の名称に変更したいと考えております。

 次の資料2-4をご覧ください。

 こちらは野生生物小委員会の運営方針でございますので、資料2-4のとおり定められておりますので、この運営方針に基づいて審議をしたいと考えております。

 次のページ、資料2-5をご覧ください。

 これは、今回作成する計画の背景と概要でございます。えりも地域のゼニガタアザラシの特定希少鳥獣管理計画の策定でございます。

 ゼニガタアザラシにつきましては、数が増えたことによりまして、平成27年9月に絶滅危惧種でなくなっております。これは、これまでの保護の努力によりまして数が増えてきたということで、再評価の結果、絶滅危惧種には当たらない。数量解析により今後100年間における絶滅確率が5%以下ということが明らかになりましたので、9月15日に絶滅危惧種から外すということを公表しております。

 そういった中で、一方で、漁業被害が深刻化している。えりも地域でのゼニガタアザラシによる漁業被害が深刻化しているということでございまして、しかしながら、その被害の防除手法、それから、個体群管理手法が確立していないという状況でございます。

 こうしたことから、今後、えりも地域におけるゼニガタアザラシの個体群と沿岸漁業を含めた地域社会との将来にわたる共存を目指すために、適切な被害防除、それから、個体群管理等の手法を確立して、計画的な管理を行っていきたいと考えております。

 こうしたことから、今回、改正鳥獣法で、新たに環境省が特定希少鳥獣の管理計画が策定できるということになりましたので、えりも地域のゼニガタアザラシについて、特定希少鳥獣管理計画を、できれば今年度末までに策定したいと考えております。計画策定に当たりましては、地元での科学委員会での議論、それから、利害関係者も含まれている地元での管理協議会での検討に加えまして、今回、中央環境審議会の諮問答申をいただきたいと考えております。

 計画が策定できれば、平成28年度から本計画に基づいて地元の理解を得つつ、ゼニガタアザラシの捕獲を含めた個体群管理を適切にやっていきたいと考えております。

 今後の審議スケジュールでございますけども、今回、10月27日に諮問し、11月下旬に、地元でゼニガタアザラシの科学委員会で科学的な議論をいたしまして、それを踏まえて、12月から1月に野生生物小委員会を開催させていただいて、そこで審議を得て、来年1月にパブリックコメントをして、パブリックコメントの意見を踏まえて中央環境審議会の自然環境部会でご審議いただいて、答申をいただきたいと考えております。

 なお、「背景」の一番最後のポツでございますけども、鳥獣法上、希少鳥獣というのは、この裏を見ていただくと、注意書きの4番、希少鳥獣というものがございます。希少鳥獣の定義は、環境省レッドリストにおいて絶滅危惧種に該当する鳥獣、それから、それに加えて、絶滅危惧種から外れたものの、保護又は管理の手法が確立しておらず、当面の間、計画的な保護又は管理の手法を検討しながら保護又は管理を進める必要のある種が希少鳥獣となっておりまして、今回、9月に絶滅危惧種から外れておりますが、鳥獣保護管理法に基づく希少鳥獣は引き続き指定されておりまして、今回の特定希少鳥獣管理計画の策定で、こういった鳥獣の個体群管理を国としても責任を持ってやっていきたいと考えております。

 説明は以上でございます。

○石井部会長 ご説明ありがとうございました。

 ご説明のように希少鳥獣の管理に関する計画について諮問がございます。この件については、特に、ゼニガタアザラシの問題が背景にあるということでございます。

 それでは、ただいまのご説明に関しましてご意見、ご質問等があったら、お願いいたします。では、また名札を立てる形でお願いできればと思います。

 江崎委員からいきましょうか。お願いします。

○江崎委員 ありがとうございます。

 ゼニガタアザラシなんですけれども、地域ではエコツーリズムとかの対象にもなっているということで伺っておりまして、私も地元で、漁業と観光というところの観点から、次の世代とか次の将来に向かって、漁業と観光、環境がうまくやっていけるようにということを進めているという観点からも、ぜひ観光事業者にしっかりとした教育をしていただくということと、地元の産業がそれぞれいい形で続くということのために進めていただけるといいかなと思っております。

○石井部会長 では、まず、ご意見を全部聞きましょうか。

 では、岡委員、お願いします。

○岡委員 質問ですけど、まず、平成26年5月9日に環境省えりも地域ゼニガタアザラシ保護管理計画(環境省計画)というものがつくられていますが、その計画と、今度つくろうという特定希少鳥獣管理計画との関係とか違いとか、根拠法が違うんだと思いますけど、あと、中身の違い、それについて教えていただきたいと思います。

○石井部会長 それでは、また先へ行きましょう。

 三浦委員、お願いします。

○三浦委員 私も質問なんですけれども、特定希少鳥獣管理計画というところで言っている管理の意味と、鳥獣法の普通種というか、第二種の特定鳥獣に対して行っている管理計画の管理の意味とはどこが違うのかということをお聞きしたいというふうに思います。

○石井部会長 ほかはよろしいでしょうか。

 そうしましたら、事務局のほうから、まず、ご意見が1件、それから、ご質問が2件ということでございましたが、よろしくお願いします。

○鳥獣保護管理企画官 まず、江崎委員のご指摘でございますけども、エコツーリズムの対象となっているので、そういった形での地元との共生も考えていくべきだというご意見につきましては、環境省の施策以外に、環境省の研究費の中で推進費というものがございまして、その行政のニーズにおきましても、ゼニガタアザラシの個体群管理と、地域の共生のあり方についての研究というものを現在公募しておりまして、そういったものについても研究レベルで連携しながら、エコツーリズムによる地域との共生のあり方も含めて研究していただいて、こういった特定希少鳥獣管理計画とあわせて地域と連携をしていきたいと考えております。

 岡先生の平成26年5月の管理計画との違いでございますけども、こちらは、法律に基づかない任意計画として、暫定的に平成27年度末までの計画を定めておりまして、今回、この計画が切れるということで、この計画の次の計画につきましては、改正鳥獣法で希少鳥獣についても、国が法定計画を定めることができるということになっておりますので、今般、法定計画として整理をしたいと。今回、今年の9月に、数が増えてきたということもありまして絶滅危惧種から外れたということもありますので、捕獲も含めたゼニガタアザラシの個体群管理も、この法定計画の中で議論をしていきたいと考えております。

 あと、三浦委員のご指摘の管理の言葉の違いでございますけども、今回の法律の管理ということにつきましては、生息数が増えてきたもの、また、生息地が拡大している鳥獣について、適正な数に減らしていく、適正な生息分布に減らしていくというものが、この鳥獣法の管理ということでございます。ですけども、一般的に野生鳥獣の管理というのは、ワイルドライフマネジメントをしていくということでございます。今回、法律上、保護計画と管理計画で分かれておりますが、それぞれ、保護計画においても、保護をするために、そういった個体群管理、野生鳥獣のワイルドライフマネジメントをしていく。また、管理についても、適正に数を減らしていくのですが、例えば、地域個体群の保全ですとか、そういったことにも配慮しながら、ワイルドライフマネジメントとしての管理もやっていくということで、法律の管理というのは少し限定されたものにはなっておりますが、これまで実際にやっておりますワイルドライフマネジメントとしての管理ということも引き続きやっていくと考えております。

○石井部会長 というご説明でございますけれども。三浦委員、また新たにということで、お願いいたします。

○三浦委員 特定希少鳥獣の中身としては、第七条の四の中で、特定希少鳥獣管理計画と、それから、特定希少鳥獣の保護計画を定めると、二つに分けてあるんですよね。今のお答えですと、これは統合的にやっていきたいという趣旨ですよね。

○鳥獣保護管理企画官 特定希少鳥獣管理計画のほうは、希少鳥獣なんですけども、特定の地域に数が増えて生息地が拡大しているということで、特定の地域において適正な生息数、適正な生息地の範囲に範囲を縮小させるための計画でございます。それを、法律上の管理ということで、特定希少鳥獣管理計画ということで、「管理」ということを使っております。ですけども、希少鳥獣でございますので、鳥獣が引き続き個体群が維持できるように、そういったものに配慮をしながら管理を進めていくということでございます。

○石井部会長 よろしいですか。

○三浦委員 今のことはわかったのですけれども、法律の趣旨として、ここのところで、二つの希少鳥獣に対して保護計画と管理計画と立てるという積極的な理由がね。これは法律で通っていますから、むしろ、ここは統合的に考えていくというのが重要なポイントなのではないかというふうには解釈するのですけれども。

○石井部会長 それでは、お願いします。

○野生生物課長 私も法改正のときは直接担当していなかったのであれですけれども、改正のときに、いろいろ法制的な整理の中で、保護と管理という考え方を、本来統合的でセットでやりながらも、法律上そこはきちっと、保護管理ということで一緒くたにしないで、整理をすべきということで、全体を整理させていただいた部分がございます。

 そういう意味において、希少鳥獣については、大きく分けて、非常に少なくなってきて、保護の部分を、個体数を調整するといったような形で捕獲等を行うのではなくて、むしろ増やしていかなきゃいけないという部分については、希少鳥獣保護計画というのをつくって、きちっと増やしていこうというものと、むしろ、特定希少鳥獣管理計画については、実際には、希少鳥獣としての先ほどのゼニガタアザラシも、レッドリスト上は絶滅危惧種を外れていても、当面はやはりマネジメントの中で、やみくもに捕獲とかがされないで、また、絶滅危惧種に戻らないようにうまく管理していこうと。大きく言えば、希少種の中の範疇に入るものだけれども、それについてきちっと個体群管理をしていって、捕獲も含めてマネジメントをしていこうというのが鳥獣管理計画ということで、そういう大きな二つの仕分けにしております。ですから、それを同時につくるということは、基本的にはここの法概念上は考えていなくて、今回は、ゼニガタアラザシの場合は後者のほうに当たるということで、その管理計画をご検討いただきたいということでございます。

○石井部会長 よろしいですか。

○三浦委員 今の点は、私は今後の課題だと思うんですけれども、参考までにお聞きしたいのは、想定されている、今回はゼニガタアラザシなんですが、あくまでも参考なんですけども、希少鳥獣の管理計画に加えていくように考えているようなものと、それからもう一つは、保護計画をぜひ定めたいと考えているようなものがもしあれば、お聞きしておきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○鳥獣保護管理企画官 特定希少鳥獣管理計画のほうは、ゼニガタアラザシ以外に考えている、想定しているものはございません。あと、希少鳥獣保護計画につきましては、鹿児島の出水のナベヅル、マナヅルにつきまして、分散のための計画については、この希少鳥獣保護計画を使うことも考えております。

 以上でございます。

○石井部会長 三浦委員、よろしいですか。

○三浦委員 はい。

○石井部会長 どうもありがとうございました。

 ほかはいかがでしょうか。

 では、岡委員。

○岡委員 今度の管理計画では適正な個体数とか個体数の管理を行うということですが、このスケジュールは1月までに、ほぼそれは結論が出るということですよね。まず、適正な個体数というのはどういう概念で、どのようにして適正な個体数を決めようとしているのか。それが1月までに決められるぐらいの知見がそろっているのか。それをお尋ねしたいです。

○石井部会長 ほかにあわせてお伺いすることがあれば。

 私、実は10月の下旬にえりもに行ってまいりました。それで、漁協の方々ともお話をしてまいりました。大体事情はよくわかったのですけれども、かなり環境省といいますか、レッドリストに不信感がありまして、急激にえりも地域の定置網のサケ漁の被害が拡大しているんですね。金銭的にも金額的にもかなり拡大していて、サケのほうばかり出てきますけれども、実はタコを、タコつぼとか箱漁でやらないで、むき出しで、何というんでしょうか、海底に針を並べるような形で捕獲をやっていて、そのタコを全部食べられてしまうみたいなんですね。なぜこんなに被害があるアザラシをレッド種にしておくのかという疑問があって、それを話し合いの場で言われたので、私は、科学的にレッドリストはこのように決まっておりますという説明をさせてもらって、ご理解を得ました。これは客観的・科学的にやっているんだと。それに対して、鳥獣保護法が改正されて、先ほどから議論していただいているように、管理の面もかなりできるようになりましたという説明をしました。ただし、これを実施するためには中央環境審議会での審議を経なければならないということで、本日お諮りしているということです。

 私のほうから現地の状況を紹介させていただきました。では、事務局からご回答をお願いします。

○鳥獣保護管理企画官 適正な個体群管理ということで、どういった基準を用いて適正な数としていくのかということでございますが、現在も、ゼニガタアラザシの科学委員会で今年2回開催して、あとは保護管理協議会も含めて議論をしているところでございまして、どういった数が適正かということも含めた議論をしております。基本的な考え方としては、今回、絶滅危惧種を外すに当たりまして数量解析をしておりまして、今後100年間における絶滅確率が10%以上にはならないということが基本的に大きな基準になると思っておりまして、そういった数量解析を踏まえて、適正な数というものを科学委員会で議論していきたいと考えております。まずは、絶滅確率が100年間で10%以上にならないというところが大きな基準になるのかなと考えております。

○岡委員 10%になるぎりぎりまで減らすということですか。それが適正だということですか。

○鳥獣保護管理企画官 ぎりぎりになるということではなくて、10%以上にならないような管理という。

○岡委員 幅がたくさんあると思いますけど、現在でも10%よりは低いわけで、現在の数が適正かもしれないですよね。現在よりもどこまで減らすのが適正かという考え方はあるわけですか。

○鳥獣保護管理企画官 そういったどこの基準に置くかということも現在の科学委員会で議論をしておりますので、科学委員会の中で必要な議論をしていきたいと。それを踏まえた……。

○岡委員 それが11月中に科学委員会では決着がつくということですね。

○事務局 担当の者なんですけれども、こちらのほうは、具体的な数値に関しましては、年度末のぎりぎりまで地元と調整しまして決定したいと考えておりまして、法定計画の管理計画には大きな枠組みだけを記載させていただきまして、その下の実施計画のほうで細かく現場と調整しながら、順応的管理の観点から毎年見直しながら、年間の捕獲上限数等を決めていきたいと考えておりまして、できるだけ慎重に検討していきたいと考えております。

○岡委員 手続ですけど、2月にもう一遍この会議に戻ってくると思っていいですか。

○石井部会長 そのような理解でよろしいですね。

 アザラシはなかなかマーキング等が難しいみたいなんですけれども、個体識別をする努力をしていまして、何かワッペンみたいなものを張って個体識別をするのでしたね。

○鳥獣保護管理企画官 そうでございます。

○石井部会長 会長のほうからの確認なんですけれど、資料2-3を見ていただきまして、5ポツのところです。「野生生物小委員会の決議は、部会長の同意を得て、自然環境部会の決議とすることができる」ということなので、ここではなくて、野生生物小委員会で決議すればよいということになる、その理解でよろしいですか。

○鳥獣保護管理企画官 野生生物小委員会の決議は、5番で「部会長の同意を得て、自然環境部会の決議とすることができる」というふうになっておりますが、もう一度部会でご説明をさせていただいて、部会での了承をもって部会答申という形でさせていただければと考えております。

○石井部会長 今回は慎重にという考え方ですか。

○鳥獣保護管理企画官 そういうことでございます。

○石井部会長 では、よろしいでしょうか。

 ちょっと先ほど言いかけたのは、個体識別をして、ゼニガタアラザシの個体数の把握については、かなり長い研究の歴史があるようなんですね。いくつかの大学とか環境省も含めてやってきたという歴史があって、私の感覚では、多分順応的管理ができるところまで来ているのではないかという印象を持ちました。よろしいでしょうか。

 ほかはいかがでしょうか。よろしくお願いします。

○小泉(透)委員 質問が一つと、それから、コメントが一つあります。

 質問のほうは、管理計画の中での科学委員会と、それから、地元の保護管理協議会の位置づけをちょっと教えていただきたいと思います。どのような組織の中の構造になっているのか、意思決定はどういうふうになるのかというところについて、教えていただきたいと思います。

 もう1点はコメントです。先ほどから数の話がありましたけれども、数の調整をするときには捕殺という行為が入ります。これに関しては、日本ではあまり強く意識されていないですけれど、アニマルウェルフェアという考え方がアメリカやヨーロッパのほうでは大変強く出ていまして、駆除する場合でも無用な苦痛を長時間与えてはいけない。ちょっと例は違いますけど、かつてイルカで非常に国際的に注目を受けたという事例がありますので、ゼニガタアラザシの場合も、捕殺を含む場合は、捕殺方法というものをきちんと考えて実行していただきたいと思います。

○石井部会長 事務局、お願いします。

○鳥獣保護管理企画官 ゼニガタアラザシの科学委員会につきましては、調査を行っている研究者、地元調査関係者、評価・分析の専門家で構成されておりまして、今回、任意で科学委員会をつくっております。えりも地域のゼニガタアラザシの保護管理協議会につきましては、環境省、北海道、えりも町、漁業団体、漁業者、地域住民、関連団体、大学、それから、研究機関等の全ての関係者で構成をしておりまして、こちらも法定な位置づけはなくて、任意として、今回、ゼニガタアラザシの個体群管理を行うには、地元との調整をしながらやっていかないと、共存するような個体群管理ができないと考えておりますので、地域でしっかりこういった個体群管理も含めた議論をしながら、法定計画をつくっていきたいと考えております。

○石井部会長 小泉(透)委員、よろしいでしょうか。

○小泉(透)委員 はい、わかりました。

○石井部会長 地元の話の続きですけど、いろいろなことを環境省が専門家と一緒にやっていまして、例えば、捕殺ばかりでなく、あそこは定置網なんですが、漏斗状の構造になっていて、そこに追い込んだ個体が最後に捕獲するスペースに入っていくような仕掛けなんです。そこに、サケは入るけれどもアザラシが入らないぐらいのメッシュをつけたり、シャチが捕食者のひとつになので、シャチの発する音波を発信して、それで避けるような技術とか、その併用も探りながらやっていて、変な言い方ですけど、現行犯逮捕的なやり方、要するに、常習的にサケを食べている個体がいるみたいなので、そういう個体を狙って捕獲できるようなやり方等も検討しているようなんですね。ということで、科学委員会を中心にかなりご尽力いただいているという印象を私は持っているということです。

○小泉(透)委員 わかりました。

○鳥獣保護管理企画官 鳥獣保護管理法の基本指針の中でも、殺処分にあってはできるだけ苦痛を与えない方法で行うということになっておりますので、ゼニガタアラザシについても、こういった面に配慮しながら考えていきたいと考えております。

○石井部会長 ほかの委員の先生、よろしいでしょうか。

 では、この議案についてお諮りしたいのですけれども、特にほかにご意見等がございませんようでしたら、本件についても諮問を受け、野生生物小委員会で詳細な検討をお願いして本部会にご報告いただくことにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○石井部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。

 では、次の議題ですけれども、バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書に対応した国内措置のあり方についてということで、まず、事務局からご説明をお願いいたします。

○外来生物対策室長 外来生物対策室の曽宮でございます。よろしくお願いいたします。

 まず、資料3-1でございます。これが環境大臣より中央環境審議会、浅野会長宛ての諮問ということでございますけれども、バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書に対応した国内措置のあり方について(諮問)ということで、カルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書の対応した国内措置のあり方について、貴審議会の意見を求めますということでございますが、この中身につきまして、まず、参考資料3のほうをお願いいたします。

 前回の審議会、8月のときにも若干ご説明をしていたかと思いますけれども、まず、カルタヘナ議定書というものがございます。これは、遺伝子組換え生物の生物多様性への悪影響を防止するための措置ということでございますけれども、このカルタヘナ議定書に対応する形で、平成15年に遺伝子組換え生物を作成又は輸入して使用・栽培する場合の事前承認の制度を内容とするカルタヘナ法というものがございます。

 下のほうのポンチ絵になりますけれども、カルタヘナ議定書を補足するものとして名古屋・クアラルンプール補足議定書というものがございまして、これは、名古屋におきましては、平成22年、カルタヘナ議定書第5回締約国会合におきまして、この補足議定書が採択をされてございます。

 補足議定書の中身でございますけれども、これは、遺伝子組換え生物により損害(生物多様性への著しい悪影響)が生じた場合に、管理者に対応措置をとるということを要求する旨を規定してございます。これにつきまして、現在のところは未発効でございますけれども、近い将来に発効する可能性があるということでございます。

 我が国では締結に必要な国内措置を、今、関係省庁間で検討中でございますけれども、この補足議定書を締結するためには、現行のカルタヘナ法では見切れていない部分がございます。そのことについての諮問ということになりますが、すみません、また資料3-1に戻っていただきまして、諮問理由というものが1枚めくったところにございます。第1段目の第3段目については、今、ご説明したところで、カルタヘナ議定書を平成15年に発効して、第2段のところに書いてあるのは、平成22年に補足議定書というものが採択されたというところでございますけれども、第3段目のところで、補足議定書は、国境を越えて移動する遺伝子組換え生物により損害が生ずる場合に、損害を引き起こした管理者に対応措置を求めること等が求められており、我が国として補足議定書を締結する場合は、我が国においても補足議定書の的確かつ円滑な実施を図るための措置を講じる必要があるということで、このため、補足議定書に対応した国内措置のあり方について、貴審議会の意見を求めますということでございます。

 資料3-2でございますけれども、これは、中央環境審議会の浅野会長から自然環境部会の石井部会長宛てということでございますが、この部会に議論を付議するというものでございます。

 ただ、実は、前回の8月24日の部会におきまして、遺伝子組換え生物等専門委員会というものの設置を決定していただいております。その専門委員会については、基本的には現行のカルタヘナ法の施行状況についての検討ということで、前回新たに決定をしていただいておりますけれども、その施行状況等の検討ということで、今回、この決定、付議を受けまして、その専門委員会の中でご議論をいただくということを想定しております。

 前回の8月の部会の決定は専門委員会の設置のみでございましたけれども、その後、部会長のご指名によって、別途、専門委員の名簿というものを1枚紙でつけておりますが、遺伝子組換え生物等専門委員会専門委員名簿というものがお手元にあるかと思いますけれども、そのような専門委員でご議論をしていただくということで、委員長につきましては、上智大学客員教授の磯崎博司先生にお願いをしているところでございます。実は、この専門委員会につきましては、第1回を一昨日にさせていただいております。この専門委員会につきましては、今後2回ないしは3回程度、1月中を目処にご議論をしていただき、その専門委員会での詳細の検討をまたこの本部会にご報告させていただき、ご意見を伺いたいと、そういうことを考えてございます。

 以上で事務局からの説明を終わります。

○石井部会長 ご説明ありがとうございました。

 名古屋議定書の関係でございます。補足議定書に対応した国内措置のあり方について、前回のこの部会におきましてお認めいただきました遺伝子組換え生物等専門委員会で議論するということです。その内容については、この部会でまた報告していただくということでございます。

 では、ただいまのご説明ですが、ご意見、ご質問等があったらお願いいたします。いかがでしょうか。

 それでは、新美委員、お願いいたします。

○新美委員 補足議定書の関係で、損害に対する対応措置をということなんですが、これは、制度を設立することを要求しているのかどうかということでございます。責任とか救済とかということになりますと、それなりの明確な制度を用意しておかないと、国際的にはかなり疑問視される可能性がありますので、その辺はどのようにお考えなのかということです。

○石井部会長 ほかに質問等があったらお受けします。

 では、白山委員、お願いします。

○白山委員 ありがとうございます。

 やや同じような趣旨ですが、検討するのは、参考資料3のA国の立場を検討するのか、それとも、B国の立場を検討するのか、あるいは両方なのか、その辺りをもうちょっとはっきりと、検討の方向性をお知らせいただけるとありがたいと思います。

○石井部会長 それでは、涌井委員、お願いいたします。

○涌井委員 参考までに聞きたいのですが、今度のTPPで農産物の協定が当然ある中に、この議定書、あるいは、補足議定書なるものが反映しているのかどうかをお聞きしたいと思います。

○石井部会長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。

 では、3件ですが、質問がございました。

 それでは、事務局のほうからお答えをお願いします。

○外来生物対策室長 お答えいたします。

 まず、制度を用意するのかどうかということでございますけれど、これにつきましては、基本的に、今、関係省庁の中でも検討しておりますし、あと、専門委員会の中でどういう議論になるのかといったところは、最終的な形になると思います。ただ、基本的には、現行のカルタヘナ法においては、この損害が発生すると、それを復元させなくてはいけないという、その環境の復元というところまで入ってございますので、現行のカルタヘナ法では基本的には読めないということでございますので、当然、法律をどうしていくのかといったところも含めて検討をしていくと、そういう方向性になるということかと思います。

 それから、白山委員のお話でございますけれども、基本的に、損害が発生するというのは、我が国において損害が発生するということでございます。B国が日本ということが基本的なスキームということになるかと思います。

○野生生物課長 涌井委員のご質問について、私のほうからお答えをさせていただきます。

 基本的に、新聞報道でも、一部新聞では1面にも載りましたけれども、輸入管理、貿易の自由化に向けた中での管理の中で、遺伝子組換え生物の植物防疫という観点でしょうか、そういう面での議論というのはTPPの中でもされていて、それが不必要な非関税商品にならないとか、逆に、食の安全なり守るための問題として、輸出入に部分については、TPPの中でもそれは議論されて、それが基本的には我が国の制度を新たに変えるものではないというような合意を得たというふうに承知しています。

 一方で、カルタヘナ議定書の目的とする生物多様性の悪影響を防止するというところについては、TPPで直接関わるものというのが入ったというふうには承知しておりませんで、ただ、一方で、貿易の自由化を促進しても、各国の環境政策、環境規制は緩めないということのために環境チャプターというものができておりまして、この中には細かく具体的な、例えば、野生生物の取引みたいなものに対して、よりもっと違法なものの取引の規制を強化していこうというものも含まれていたりというのはあるのですけれども、その中で一般的な各国で持っている環境法制というものは緩めないと。その中できちっと環境を守っていくのだということを一般的な合意として、その環境チャプターの中には入っておりまして、要は、カルタヘナ議定書の部分についても、その一般規定のところで問題のないように、TPPがあるからといって、カルタヘナ議定書の今我が国で行っているものが緩められないというところは担保されるべきというふうに考えております。

○石井部会長 お答えがございましたけど、よろしいでしょうか。

 ほかは、委員の皆さん、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(なし)

○石井部会長 では、特にないようでしたら、本件についても、諮問をお受けして、前回設置いたしました専門委員会において詳細な検討をお願いし、その報告をまたこの部会で受けるということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、次は報告案件でございます。生物多様性国家戦略2012-2020の達成に向けた一層の加速についてということで、まず、事務局からご説明ください。お願いします。

○生物多様性地球戦略企画室長 生物多様性地球戦略企画室の中尾と申します。よろしくお願いいたします。座ったままで失礼いたします。

 資料4のほうをご覧いただければと思います。こちらの資料につきましては、10月26日に開催しました生物多様性国家戦略関係省庁連絡会議で了承されたものとなってございます。本日は、了承事項についてご報告するとともに、今後の審議会でご指導いただきたい点について、お願い申し上げたいと思います。

 まず、経緯です。生物多様性国家戦略、現行の国家戦略の前文におきまして、「生物多様性条約第12回締約国会議では、第5回国別報告書に基づき、愛知目標の達成状況に関する中間評価を行うこととされていることから、その結果を踏まえ、必要に応じて見直しを実施する」とされております。実際、生物多様性条約第12回締約国会議では、各国から提出された愛知目標に向けての取組状況についての国別報告に基づき、愛知目標の達成状況について中間評価を行いました。その結果、愛知目標の中間評価では、愛知目標自体の見直しはされませんでした。そして、取組が全体的に進んでいるものの、愛知目標の達成のためには取組を加速する必要がある。今後、各国には愛知目標の着実な実施を求める、ということがこの会議の結論でございました。

 これを踏まえまして、関係省庁連絡会議で協議を行ったところ、愛知目標自体に変更がなかったということ。さらに、同締約国会議における決定では、地球規模生物多様性概況第4版で示された「愛知目標の達成に向けて、特に進捗を促す行動」を活用することが促されており、これについて逐一、我が国の国家戦略と照らし合わせましたところ、概ね反映されている状況でございます。

 さらに、我が国の国家戦略は目標年次を平成32年度としておりまして、各省がこれに基づいて取組を進めている状況です。

 このため、世界的な決定にも沿う形で、現行の国家戦略は見直しを行わないことといたします。

 なお、平成31年3月に提出する見込みである次の第6次国別報告書の提出のために、平成30年度中に国家戦略の第4回目の総合的な点検を予定しております。

 次に、お願いしたい事項でございます。愛知目標達成のため、我が国としては今後一層の加速の必要がある生物多様性国家戦略の国別目標を明らかにした上で、関係省庁が取り組む具体的施策を関係省庁連絡会議で取りまとめて公表していきたいと考えております。

 プロセスとしては、省力化と効率化を図るため、現在、実施中である我が国の生物多様性総合評価、JBO2と呼んでいるものでございますけれども、これと環境基本計画の点検に合わせて行いたいと存じます。

 具体的には、関係省庁連絡会議におきまして、我が国の生物多様性総合評価における評価を踏まえて、政府としての中間評価を行います。また、この中間評価及び先の締約国会議の結果も踏まえ、今後加速の必要がある国家戦略の国別目標を明らかにし、これに対応する環境基本計画の重点検討項目(案)を関係省庁連絡会議で確認したいと思います。その上で、中央環境審議会において、環境基本計画の重点検討項目(案)についてご審議をいただき、設定し、その後、政府において、この環境基本計画の点検に合わせて見直し、そして、今後の取組について明らかにしていきたいと存じます。

 以上、ご報告事項でございます。ありがとうございました。

○石井部会長 ご説明ありがとうございました。

 以上のようなご報告でございます。

 この機会ですので、ご意見、ご質問があったらいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 では、髙村委員。

○髙村委員 ご報告ありがとうございました。

 概ね現行のままでいくということですけれども、2020年の愛知目標には2015年をターゲットにしている目標が二つございまして、その一つは、脆弱な生態系に対する対応と、もう一つは、先ほどのと関係していますが、名古屋議定書に遅くとも2015年までに対応する国内措置を実施すると書かれてございます。2015年というのはもうあと二月で終わってしまうのですけれども、その辺の対応についてどのようにされるかをお伺いしたいと思います。

○石井部会長 ほかの委員の皆さん、いかがでしょうか。

 浅野会長、どうぞ。

○浅野会長 事務局からお話がありましたように、環境基本計画の点検が予定されております。1994年に環境基本計画を我が国はつくりまして、その後、大体6年ごとに見直しをしているわけでございますが、現在の第4次環境基本計画も、あと1年ぐらいたちますと見直しをしなければならないということになります。

 最初のうちは、環境基本計画の点検の作業は総合政策部会で全部やっておりましたが、どうもそれではよくない。個別の項目については、やはり実際の個々のテーマを扱っておられる部会にお願いしたほうがいいだろうということになりまして、前回第3次計画の点検から各部会に点検をお願いすることになりまして、「生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組」のテーマに関しては、この部会に点検をお願いするようにいたしました。今回は、その点検をあわせて、生物多様性国家戦略の点検ということにも連動させるということでございますので、それは大変いいことと思います。

 ところで、環境基本計画の点検ということになりますと、何となく総合政策部会で決めたフォーマットに従わなければいけないという雰囲気が強過ぎて、例えば、重点点検項目についてもあまり多くしないでほしいというような注文がついてしまうのですが、そうしますと、こちらのほうでの生物多様性国家戦略の点検作業の目的には合わないということが起こってきますので、この辺のところは、私からもよく担当者には注意しておきますけども、そういう事情があることをはっきり自然環境局のほうから総合環境政策局に伝えていただいて、ここは特別扱いにせざるを得ないということを言っていただくことが必要であろうと思います。

 ぜひ忌憚のないご意見をこの部会で闘わせていただきまして、政策をどのような方向に持っていったらいいのか、今、どこが問題なのかということが浮き彫りになるような議論をぜひお願いいたしたく存じます。

 また、あわせて、次の第五次の環境基本計画を考えなければいけない時期が次の年度にまいりますので、国全体の計画の中で、自然の問題、生物多様性の問題をどう位置づけていくのかということをもっと大所高所から考えていただいて、例えば、温暖化の問題を考えるときでも、自然の観点ではこんなことがあるのではないかとか、循環の問題も、ごみの問題だけではなくて、こんなふうな観点から論議したらいいのではないかというようなことが生物多様性保全の観点からどんどん出していただくことがとても大事なことだろうと思っています。どうしても自分のところの分野の仕事、自分の分野の縄張りの形でしか物を考えないものですから、結局やってみると縦割りになってしまうということは大変大きな問題だと前から考えていまして、国の計画である以上は、できるだけ縦割りにならないようにしたいという思いをもっております。ぜひこの作業を通じて、そのような私どもの希望が達成されますようにお願い申し上げます。

○石井部会長 どうもありがとうございます。肝に銘じてと思っております。どうもありがとうございました。

 ほかの委員の皆さん、いかがでしょうか。

 それでは、1件髙村委員からございましたが、生物多様性国家戦略の中には2015年までというのがあったでしょうということなんですが、いかがでしょうか。

○生物多様性地球戦略企画室長 髙村先生からご質問いただいた事項について、回答を差し上げたいと存じます。

 まず、一つ目の脆弱な生態系の件でございますけれども、主要行動目標におきましては、「2013年までに気候変動に脆弱な我が国のサンゴ礁、藻場、干潟、島嶼、亜高山・高山地域等の生態系に対する人為的圧力等を特定し、2015年までに人為的圧力等の生態学的許容値を設置し、生態学的許容値の達成のための取組を実施する」と記載されております。

 これについての現在の状況は、サンゴ礁について、平成22年度に策定したサンゴ礁生態系保全行動計画のフォローアップ会議において、人為的圧力について既存情報の取りまとめを行いました。また、現在、サンゴ礁生態系保全行動計画の改定作業を進めております。今後、当該計画の改定作業を進めるとともに、2016年から2020年にかけて、この行動計画に沿った保全の取組を進めてまいりたいと考えています。

 また、サンゴ礁を含む気候変動に脆弱性の高い生態系全般については、今後公表される予定の政府全体の適応計画や、今年の7月に公表した生物多様性分野における気候変動への適応の基本的考え方に基づいて、気候変動に対する脆弱性評価や逃避地の特定──これにつきましては手法開発も含むのですけれども、――などを行った上で、次期国家戦略への適応策の実装に向け準備を進めていく予定でございます。

 もう1点、ご質問がありました名古屋議定書のほうでございますけれども、こちらにつきましては、今後、可能な限り早期に名古屋議定書を締結し、名古屋議定書に対応する国内措置を実施するために、関係者の意見を踏まえつつ関係省庁による検討を進め、取りまとめに向けた合意形成を目指します。

 また、名古屋議定書の理解を深めるために、産業界や大学、研究者等に対して、関係省庁による説明会や意見交換会を開催するなど、普及啓発に取り組んでまいりたいと存じます。

○石井部会長 というご説明です。

 進行中という説明だったかなと思いますけれども、よろしいでしょうか。対応はしているということのようでございます。

 ほか、委員の皆さん、いかがでしょうか。

(なし)

○石井部会長 特にないようでしたら、報告事項でございますので、このようにお受けして、さまざまな意見をお受けしたということにさせていただきたいと思います。

 本日の議題は議事次第では以上なんですけれども、事務局のほうから、ほかにございましたらお願いします。

 それでは、安田室長。

○希少種保全推進室長 希少種保全推進室の安田です。ご報告です。

 皆様のお手元に1枚の紙、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令の公布について」という記者発表資料をお配りしております。これは、10月28日の野生小委でご議論いただいて、答申をいただいたものですけれども、本日付で、アマクササンショウウオほか4種のサンショウウオについて、種の保存法に基づく国内希少野生動植物種に追加指定するという政令が公布されました。12月1日施行の予定でございます。

 以上、ご報告でございます。

○石井部会長 ありがとうございました。

 私も少し関わっている委員会なんですけれども、新しい種が見つかったり、従来1種だと思われていたものが何種かに分離するということがございまして、その場合、結構分布が狭くなるんですね。広域に分布していたはずだったのが幾つかの種に分かれるということで、かなり重点的に守らなければならないということになりまして、このような指定になったということでございます。何かこの件、ご意見、ご質問はございますか。よろしいでしょうか。

(なし)

○石井部会長 ほかはいかがでしょうか。せっかくの機会ですので、委員の皆さん、全体を通して、あるいは、ほかの件でも結構ですが、ございますでしょうか。

(なし)

○石井部会長 ないようでしたら、浅野会長、何かございましたら。

○浅野会長 結構です。

○石井部会長 わかりました。

 では、最後は亀澤審議官のほうからご挨拶をお願いいたします。

○大臣官房審議官 国会対応の関係で途中からの出席となりまして大変失礼いたしました。

 本日ご審議をいただきました三つの諮問案件につきましては、幾つかご指摘もいただいたことと思いますが、今後、それぞれの小委員会ないしは専門委員会において審議をお願いできればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 ご報告事項の国家戦略につきましては、現在調整中のものもございますが、そういう状況も含めましてしっかり点検もして、その結果も踏まえて、愛知目標の達成に向けて、引き続き関係各省庁とも連携をして取り組んでまいりたいと思います。

 本日はどうもありがとうございました。

○石井部会長 それでは、以上をもちまして本日の会議は閉会といたします。皆さん、お疲れさまでございました。

午前11時25分 閉会