中央環境審議会 自然環境部会(第27回)議事録

日時 

平成27年8月24日(月) 13:00~15:00

場所 

三田共用会議所 大会議室

出席者

石井  実  部会長

佐藤 友美子 委員     

髙村 典子  委員     

新美 育文  委員 

磯部 雅彦  臨時委員 

江﨑 貴久  臨時委員   

岡  敏弘  臨時委員 

尾崎 清明  臨時委員 

小泉  透  臨時委員 

小長谷 有紀 臨時委員    

佐藤 正敏  臨時委員     

白山 義久  臨時委員

髙橋  徹  臨時委員

中静  透  臨時委員

深町 加津枝 臨時委員

宮本 旬子  臨時委員               

議事

午後1時00分 開会

○司会:本日は、お忙しい中、当審議会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境部会を開会いたします。

 会議に先立ちまして、本日の出席委員数をご報告させていただきます。本日は、所属委員・臨時委員25名のうち16名のご出席をいただいておりますので、本部会は成立いたしております。

 次に、本日、お手元にお配りしております資料についてですが、配付資料一覧のとおりとなっております。資料配付一覧は、議事次第の内側にございます。議事(1)関係でございますが、資料1-1から資料1-2、参考資料が1と2とございます。議事(2)関係でございますが、資料2-1、それと、別添で、結構厚いものになりますが、資料2-1の別添、それと、資料2-2、2-3、参考資料1になります。議事(3)関係でございますが、資料3-1のみでございます。議事(4)関係になりますが、資料4-1、そして、別紙の1と2になります。議事(5)関係でございますが、資料5-1のみになります。

 配付漏れ等ございましたらば、事務局のほうにご一報いただければと思います。

 それでは、自然環境局長の奥主よりご挨拶申し上げます。

○自然環境局長:ただいまご紹介に預かりました、自然環境局長を7月31日付けで拝命いたしました奥主でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は、お忙しい中、中央環境審議会自然環境部会にご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。2月の委員改選後、最初の部会となります。活発なご議論をいただきまして、自然環境行政のさらなる発展にご協力を頂戴できればと存じます。

 また、私事ではございますが、私も1年前までは自然環境局の担当審議官をしておりまして、そのときには皆様方に鳥獣法改正のご審議で大変お世話になりました。この場をお借りいたしまして、改めて御礼を申し上げたいと思います。

 さて、この場をお借りいたしまして、最近の自然環境局のトピックスといたしまして、組織体制の強化について、幾つかご紹介をさせていただければと思います。一つは本省組織についてでございます。エコツーリズムの推進などを行っておりました自然ふれあい推進室を発展的に格上げいたしまして、本年4月より、国立公園利用推進室として、新たに国立公園課の組織として位置付けたところでございます。国立公園課と一体的に施策を行うことで、適切な利用の推進を一層図って参りたいと考えております。

 もう一つは、自然保護官事務所の配置についてでございます。本年4月より、上信越高原国立公園の谷川地域を管理いたします自然保護官事務所を群馬県水上町に、また、本日ご審議をいただきます吉野熊野国立公園の和歌山県海岸部の公園指定の調整及び指定後の管理を行います自然保護官事務所を和歌山県田辺市に、それぞれ設置いたしまして自然保護官を配置いたしました。このように、少しずつではございますけれども、引き続き、現地の管理体制の強化も図って参りたいと考えております。

 さて、本日の部会でございますが、本部会に新たに専門委員会を設置することについてご審議いただくほか、吉野熊野国立公園の公園区域及び公園計画の変更について諮問させていただきたいと思います。また、エコツーリズム推進に関する検討会、生物多様性分野における気候変動への適応の基本的考え方や「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクト中間とりまとめについてもご報告をさせていただきたいと思います。このような報告を踏まえまして、本日は忌憚のないご意見をよろしくお願い申し上げます。

○司会:なお、本日は、奥主局長は公務により途中退席させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、本日は、委員改選後、最初の自然環境部会ということになりますので、本日出席の自然環境局の幹部をご紹介させていただきます。

 大臣官房審議官の亀澤でございます。

 総務課長の川上でございます。

 自然環境計画課長の鳥居でございます。

 国立公園課長の岡本でございます。

 野生生物課長の奥田でございます。

 生物多様性地球戦略企画室長の中尾でございます。

 生物多様性施策推進室長の堀上でございます。

 国立公園利用推進室長の田邉でございます。

 希少種保全推進室長の安田でございます。

 外来生物対策室長の曽宮でございます。

 鳥獣保護管理企画官の東岡でございます。

 以上で幹部紹介を終わらせていただきます。

 それでは、これよりの議事進行につきましては、石井部会長にお願いいたします。石井部会長、よろしくお願いいたします。

○石井部会長:皆さん、お疲れさまでございます。

 武内前部会長に代わりまして、今期から部会長を務めます石井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。私は、専門は動物生態学、特に昆虫生態学でして、里山の昆虫保全に力を入れて研究をしております。

 この部会は中々大変で、自然公園関係あるいは温泉、野生生物関係、それから外来生物関係、鳥獣保護関係と、たくさんの課題がございます。武内前部会長のように上手にさばけるかわかりませんが、どうぞ皆さん、よろしくお願いいたします。

 続きまして、新任の委員の方もおられるということでございますので、本日ご出席の委員の皆さんにも、一言ずつ、お名前とご専門などのご挨拶をいただければと思います。磯部先生からお願いできますでしょうか。

○磯部委員:高知工科大学の磯部でございます。私の専門は海岸工学、沿岸域の環境でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○江﨑委員:私は三重県の旅館海月の女将と、有限会社OZという会社をしております。海島遊民くらぶというツアー商品を販売しているほか、三重大学で漁業経済についても学んでいます。どうぞよろしくお願いいたします。

○岡委員:福井県立大学の岡と申します。専門は経済学です。政策評価全般を研究しておりますが、自然環境関係では外来生物専門家会合の委員をやらせていただいておりました。よろしくお願いします。

○尾崎委員:山階鳥類研究所の尾崎といいます。渡り鳥の生態を研究しています。最近、希少種の保全等にも関わっています。よろしくお願いいたします。

○小泉委員:国立研究開発法人森林総合研究所の小泉といいます。大型ほ乳類の保護・管理を専門としております。どうぞよろしくお願いいたします。

○小長谷委員:人文系の研究所6つを束ねております人間文化研究機構の小長谷でございます。専門は文化人類学、文化地理学、モンゴル・中央アジアの遊牧文化を研究しております。どうぞよろしくお願いいたします。

○佐藤(正)委員:損保ジャパン日本興亜の相談役をやっています佐藤です。経団連の自然保護協議会の会長をやっています。全国の自然保護活動をしています。よろしくお願いします。

○佐藤(友)委員:追手門学院大学の地域創造学部の佐藤でございます。地域コミュニケーションや観光を専門にしております。どうぞよろしくお願いいたします。

○白山委員:海洋研究開発機構の研究担当理事をしております白山です。専門は海洋生物学で、前は京都大学で深海産小型底生生物を調べておりました。興味があるので楽しみです。どうぞよろしくお願いいたします。

○髙橋委員:どうもご苦労様でございます。四国は高知から参りました。本来なら佐々木会長が出席するところでございますが、佐々木会長から命を受けて、高知県の猟友会の会長をしております、大日本猟友会の理事として参加をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○髙村委員:国立環境研究所フェローをしております髙村でございます。専門は淡水魚の保全でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○中静委員:東北大学の中静と申します。専門は森林生態学です。どうぞよろしくお願いします。

○新美委員:明治大学法学部の新美でございます。主に司法関係の研究をしておりますが、環境の関係では環境法政策というものについて研究をしております。どうぞよろしくお願いいたします。

○深町委員:京都大学の深町と申します。専門は造園学とか景観生態論です。よろしくお願いします。

○宮本委員:鹿児島大学の宮本と申します。専門は植物学で、ここ十年ぐらいは奄美群島の野生植物の調査をしております。よろしくお願いいたします。

○石井部会長:どうもありがとうございました。

 本日の部会は公開で行いますので、報道機関の方あるいは傍聴の方も同席しておられます。

 会議録ですけれども、後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員のご了解をいただいた後で公開することとなります。

 なお、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを、私、部会長が了承した上で公開するということで、ご了承いただければと思います。また、会議資料につきましても公開となります。

 それでは、本日の議題ですが、議事次第に沿って進めたいと思います。まず一つ目が、小委員会の廃止及び専門委員会の設置についてでございます。では、事務局からご説明をお願いいたします。

○外来生物対策室長:外来生物対策室長の曽宮でございます。座って説明させていただきます。

 今回の議題でございますけれども、まず一つは、自然環境部会の所属の一つの小委員会の廃止、それから専門委員会の設置でございます。廃止は外来生物対策のあり方検討小委員会でございますけれども、これについて、特に著別的な資料はございませんが、資料を2枚めくっていただいて、議事(1)の参考資料1も見ながら、ご説明をさせていただきます。

 まず、外来生物対策のあり方検討小委員会の廃止の関係でございますが、これは平成24年に設置をいたしまして、当時、外来生物法施行から5年以上経過し、施行条件の検討だとか、所要の措置の検討が必要となったため、設置されたものでございます。その結果は、平成24年12月に中央環境審議会の「外来生物法の施行状況などを踏まえた今後講ずべき必要な措置について」の意見具申として活用されております。所要の役割を終えたため、今回、廃止のご提言をするものでございます。

 なお、この意見具申を踏まえまして、平成25年の外来生物法改正、それから、今年3月公表の外来種被害防止行動計画、それから、我が国の生態系に被害を及ぼすおそれのある外来種リストなどの作成を行っているところでございます。

 続きまして、専門委員会の設置についてでございます。資料1-1と資料1-2が関係いたしますけれども、遺伝子組換え生物等専門委員会と、これを設置させていただきたいということで、ご提案をさせていただきます。

 背景といたしましては、通称カルタヘナ法と呼ばれる遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律、これは平成15年公布、16年施行されておりますけれども、その施行状況の点検などを、前回、約5年前に実施をしたところでございます。

 カルタヘナ法の概要につきましては、参考資料2に示してございますけれども、これについては、後ほどご参照いただければと思いますが、前回の点検から5年以上経過したということで、この度、その施行状況などについて、所要の調査及び検討を行うため、設置をお願いしたいと考えているところでございます。

 具体的には、資料1-1のところでございますけれども、中央環境審議会議事運営規則第9条第1項の規制に基づき、次のとおり決定するということでございまして、1.自然環境部会に、遺伝子組換え生物等専門委員会を置くということ。

 2.といたしましては、専門委員会は、遺伝子組換え生物等に係る国内外の動向を踏まえつつ、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律の施行状況等に関する事項について調査及び検討を行う。

 3.として、専門委員会に属すべき委員、臨時委員又は専門委員は部会長が指名する。

 4.として、専門委員会に委員長を置き、部会長の指名によりこれを定めるということでございます。

 続きまして、資料1-2でございますけれども、これは運営方針についての決定でございます。全部は、読み上げいたしませんけれども、1.は会議の公開でございます。(1)としては会議の公開・非公開ということで、原則として公開するものとするということ。ただし、公開することにより、著しい支障を及ぼすおそれがある場合等々は、委員長は、専門委員会を非公開にすることができること。それから(2)といたしまして、公開する場合の必要な制限について規定をしております。

 2.として、出席者ですが、代理出席は認めないこと。それから、欠席した委員、臨時委員及び専門委員については、事務局からの資料送付等により、会議の状況を伝えるということでございます。

 それから、3点目としては、会議録ということで、(1)については、会議録の作成と配付については①~③のとおりでございます。(2)の会議録及び議事要旨の公開ということで、公開した会議の会議録は、公開するということが①。それから、②専門委員会の会議について、議事要旨を作成し、公開すること。③公開した会議の会議録及び議事要旨の公開は、環境省ホームページ等への掲載及び環境省の閲覧窓口への備えつけにより行うものとするということでございます。

 この資料1-1と資料1-2について、ご決定をいただければと思いますが、専門委員会の委員長及び委員については、先ほどご説明したとおり、部会長である石井先生にご一任をいただきたいと考えております。

 私からの説明は以上でございます。

○石井部会長:ご説明ありがとうございました。

 それでは、所定の目的を達成いたしました外来生物対策のあり方検討小委員会、この委員会を廃止し、新たに遺伝子組換え生物等専門委員会を新設するということでございます。

 では、ただいまのご説明ですが、ご意見、ご質問等あったらお願いいたします。いかがでしょうか。では、小長谷委員、お願いします。

○小長谷委員:設置に異議はないですが、専門委員会と小委員会のその位置づけの違いについて、ご説明いただければありがたいと思います。

○外来生物対策室長:大きな実質的な違いはございませんが、今回、小委員会を組織し、ご審議いただくということも事務局では考えておりましたが、あいにく現在の委員の中で、特に遺伝子組換えについて本来のご専門という方がほとんどいらっしゃいませんので、新たに専門の委員会を設置させていただくということでお願いをしているところでございます。

○石井部会長:よろしいですか。ほかはいかがでしょうか。

○外来生物対策室長:もう一点、基本的には、その専門委員会の審議でございますけれども、これは専門委員会だけではなくて、一度、部会にかけて、そこで諮問事項とかがある場合は、部会で改めて決定ということになります。そうした違いがございます。

○石井部会長:それでは、ほかはいかがでしょう。

(なし)

○石井部会長:特にないようですので、提案のあった小委員会の廃止、それから、ただいまご議論のありました専門委員会の設置を認めることといたしたいと思います。

 なお、この専門委員会を設置して、そこでカルタヘナ法の施行状況について審議していただき、必要に応じてこの部会にも審議結果をご報告いただくということで、よろしいでしょうか。

(異議なし)

○石井部会長:そのようにさせていただきたいと思います。

 また、先ほどもありましたが、専門委員会の委員及び委員長の選任につきましては、ご説明のとおり、部会長である私が指名するということにさせていただきたいと思います。ご了解いただけますでしょうか。

(異議なし)

○石井部会長:どうもありがとうございます。

 特にご異議はないようですので、そのような対応とさせていただきたいと思います。

 では、次の議題、諮問案件ですけれども、国立公園の公園区域及び公園計画の変更について、事務局からご説明をお願いいたします。

○公園計画専門官:国立公園課の浪花と申します。私から、議題(2)についてご説明させていただきます。

 議題(2)関係、資料が2-1から2-3になっております。2-1が、本日の諮問文書になります。その文章中、別添という記載がございますが、別添が今回お配りしています、この厚い冊子になっております。資料2-2が、本日ご審議いただく吉野熊野国立公園(和歌山県海岸地域)の変更案の概要になります。資料2-3が、その概要をさらにまとめたスライドになりまして、資料2-3を使ってご説明したいと思います。お手元の資料または正面のパワーポイントを見ていただければと思います。

 最初に、本日ご審議いただく国立公園の指定と公園計画、本審議の位置付けについて、ご説明したいと思います。本日お配りしているこの厚い資料ですが、こちらはスライドにあります①、②、③と、三つの書物で構成されております。

 最初に、公園の指定書は、国立公園を指定する理由であるとか、地域の概要、公園区域を定めているものであり、公園区域の変更に当たっては、法律にありますとおり、審議会の意見を聞かなければならないという位置付けになっております。

 二つ目の公園計画書は、保護のため、または利用のための規制や事業に関しての、国立公園のベースとなる計画になっておりまして、特別地域の場所であるとか、園地や宿舎などの事業の計画を定めております。この公園計画の変更に当たっても、審議会のご意見を伺うことになっております。

 三つ目が、公園区域及び公園計画変更書ですけれども、これは法律の規定はございませんが、区域や計画を変更する際に、変更内容や変更理由を示すために作成するものとなっております。

 実際、この厚い資料の1ページをめくっていただきますと、指定書という形で書いております。22ページまでが指定書になっておりまして、その22ページの次の表紙に公園計画書ということで、公園計画書のページがあります。公園計画書は80ページまで書かれておりまして、残りの部分が公園区域及び公園計画の変更書になります。後ろの部分は図面が大変たくさん入っております。今回の変更の区域につきましては、スライドで後ほどご説明しますが、かなり粗い画像になっていますので、お手元の公園計画変更書の132ページから図面が記載されておりますので、こちらもあわせてご覧いただければと思います。また、施設計画も、こちらは208ページから施設の計画のページになっておりますので、大変資料が多くて恐縮ですが、こちらもご参考に本日ご審議いただければと思います。

 本日ご審議いただく吉野熊野国立公園(和歌山県海岸地域)の公園区域及び公園計画の変更の概要について、大きくポイントが二つございます。一つは、本公園、奈良県、三重県、和歌山県の3公園にわたっております。今の資料の緑色の部分が既存の国立公園のエリアですが、新たに和歌山県の海岸域、黄色い部分を新しく国立公園に指定をするというものです。このエリアは、現在、和歌山県の二つの県立自然公園に指定をされておりまして、これを国立公園に編入するという形になります。

 もう一つの大きな変更のポイントは、和歌山県沿岸域の海域の強化になります。海域公園地区と言われるエリアの指定になります。このエリアは大変規制の厳しいエリアになっておりまして、変更前は100ヘクタール未満でしたが、変更後は約1万1,000ヘクタールになりまして、編入区域及び和歌山県の既存の海域エリアにこの海域公園地区を指定して、海の景観あるいは自然環境の保全を図りたいと考えております。

 吉野熊野国立公園の風景についてご紹介したいと思います。平成25年の慶良間諸島の指定から各公園に風景のテーマを設けておりまして、スライドだと見にくいですが、本公園のテーマである「幽玄の山々、深い渓谷、黒潮流れる南海~森川海の繋がりと悠久の歴史・文化に出会う~」ということが、公園指定書に書かれております。

 この写真は、奈良県と三重県のほぼ県境にあります弥山というところからの眺望になっておりまして、吉野熊野国立公園はこうした奥のほうに山々が広がっております。標高は大体1,800m前後になっております。

 左手の写真は、三重県の大杉谷になります。山中には、このような渓谷であるとか滝が多く見られます。また、右手の写真は那智の滝と三重塔でございますが、文化と自然が一体となった景観が見られるのも、この公園の特徴になっております。

 こちらは三重県と和歌山県の県境を流れる熊野川になっております。

 そして、現在の海岸域の状況ですが、写真のような崖であるとか、奇岩が見られるほか、アカウミガメの上陸する礫浜とか、海のほうには、世界最北のテーブルサンゴ群集が見られるなど、大変貴重な自然景観を有しているエリアです。

 そして、今回編入する和歌山県海岸域の概況になりますが、このように、砂浜であるとか、海食台であるとか、干潟、岩礁など、大変変化に富んだ景観が見られます。このエリアを新たに吉野熊野国立公園に編入したいと考えております。

 本地域の利用の概況になります。関係する市町全体ですけども、観光客数はおよそ1,000万人、和歌山県の観光客数の約4割を占めておりまして、前年度から若干増えているという状況です。特に海外からの宿泊者数が増えているという傾向がございます。

 また、本地域の主な利用形態ですが、海岸風景の鑑賞であるとか、海水浴、磯遊び、そして、ダイビングなどのマリンスポーツなどが行われております。

 社会的背景につきましては、大部分が私有地に属しております。本地域に関する市町の全体人口がおよそ18万人、産業人口割合ですが、第3次産業が最も高く、水産業であるとか、観光業といったものが主流な産業となっております。

 続きまして、今回の拡張に当たる背景になります。環境省では、平成22年度に、今後10年間で新しく国立・国定公園に指定する地域、あるいは大規模に拡張する地域ということで、18の候補地を選定しております。実際、これに基づきまして、鹿児島県の錦江湾の拡張でありますとか、あるいは慶良間諸島の新しい国立公園の指定などを進めておりまして、今回の紀伊半島沿岸海域(中央部)になりますが、こちらにつきましても、この事業で候補地として選定をされているエリアになります。その当時、候補地に挙がったときの評価でございますが、読み上げますと、「サンゴ礁生態系、干潟、藻場が分布し、沿岸において、多様で連続性を持つ生態系を有しています。また、日本列島の形成過程を示す特徴的な地質が点在しております。このことから、現在の国立公園区域と同等の資質を有する一体性のある地域である」と評価されておりまして、今回、指定したいと考えております。

 続きまして、海域保全の強化の背景についてです。平成22年4月に自然公園法が改正されております。その当時は、海の保全につきまして、海中公園地区という制度でした。まさに名前のとおり、海の中の景観を保全するという制度でしたけども、海の中だけではなくて、海上の部分にもすばらしい景観があり、その景観も保全していかなければならないということで、新たに海域公園地区と名前を変えて、保全の対象を広げております。今回も、これに基づいて、さらに海域の強化を図っていきたいと考えております。

 続きまして、もう一つ、拡張の背景としましては、ジオパークの動きがございます。平成26年8月に、本地域は日本ジオパークに認定されておりまして、これまでも国立公園と連携して取組を進めてまいりました。今回、拡張エリアにも多数のジオサイトがございますので、引き続き連携して進めていきたいと考えております。

 ここからは実際の公園区域の変更案になります。最初のポイントでご説明いたしましたとおり、二つの県立自然公園を新たに編入するという形になっております。このエリアにつきましては、サンゴ礁生態系であるとか、干潟、藻場が分布して、大変よい生態系を有しているということと、あるいは日本列島の形成過程を示す地質が点在しているという特徴がございます。

 また、既存のエリアにつきましては、普通地域であるとか、一部、特別地域で開発行為がありまして、自然の資質が失われている部分もありますので、そのエリアにつきましては、若干削除をさせていただいております。

 続きまして、保護規制計画についてですが、陸域におきましては県立自然公園の地種区分を踏襲しつつ、格上げをしております。例えばショウガセのところに(県)と書いてあるのは、県立自然公園時の地種区分になっておりまして、規制の強化が必要なところにつきましては、順次、規制、特別保護地区あるいは第1種特別地域に指定をして、保護の強化を図っております。

 陸域の規制の指定方針といたしましては、ジオサイトのような重要な地形・地質、あるいは、植生など自然性の高いエリアを特別保護地区あるいは第1種特別地域に指定しまして、それ以外の海外線あるいは後背の森林につきまして、2種、3種に指定しております。

 また、海につきましては、沿岸から水深20mより浅いエリアを海域公園地区に指定しまして、サンゴ群集あるいは熱帯性魚類、また、海岸線から見る陸と一体となった海の景観というものを保全するために海域公園地区の指定を行っております。

 また、ショウガセと言われているエリアですけども、ここは20mより大変深い-50mほどまであるエリアになりますが、この地区につきましては、オオカワリイソギンチャクという日本固有種の最大の群生地がございまして、特にダイバーの中では有名なエリアとなっておりますので、ここにつきましては特別保護を図る必要があるということで、深いエリアですが、海域公園地区に指定をしているという状況です。

 次に、利用施設計画と保護施設事業に関する計画になります。ジオパークとの取組の連携を想定し、ジオサイトとなっているエリアを中心に園地の事業を計画しております。赤い丸が、今回、新しく加わったエリアで計画する事業計画になっております。オレンジは既存のエリア、既に公園計画に位置付けられている園地事業になっております。黄色い星は、今回、新しく追加する宿舎、青い星が既に計画されている宿舎という状況になっておりまして、海岸沿いに必要な園地計画を計画しております。

 また、植生復元施設というものが田辺市神島というところにございます。このエリアは、大変自然性の高いエリアでして、例えばタブノキの巨木であるとか、あるいは絶滅危惧種のウチヤマセンニュウという鳥の繁殖地になっており、大変貴重なエリアですけども、カワウの被害が出ておりまして、地元の田辺市がカワウの防除の取組を行っておりました。現在、ある程度の成果が出まして、落ちついているところですけども、今後、またカワウの被害が出る可能性があるということで、それに備え、植生復元施設を計画しております。ここは第1種特別地域になっております。

 また、既存の熊楠記念館、あるいはグラスボート用の係留施設として、和歌山県の白浜の先端に新しく既存の施設を位置付ける形で事業計画をしております。

 また、歩道事業につきましては、一部、近畿自然歩道になっている箇所がございますので、国立公園内に通る歩道につきましては、公園事業に位置付けております。

 最後に、パブリックコメントになります。合計9通、変更案に関わるものは41件ということで、参考資料1に既に公表している資料を掲載しておりますので、ご参考までにご覧いただければと思います。中身としましては、特に多いのは、地形・地質の専門家から学術的なご助言を多数いただいていましたので、それにつきまして公園計画に反映するとともに、また、今回編入するエリアに天神崎と言われている、ナショナルトラスト運動の先駆けとなったエリアがございまして、そこの保護であるとか、利用につきましてもご意見をいただいているというところです。

 最後になりますが、実は、今年の1月に、本部会で磯崎前委員から指定書の構成につきましてご意見をいただきました。いただいたご意見は、指定基準に照らして指定書の記載をすべきというご意見をいただいております。今回、公園地域の選定に当たっては、自然環境局長通知で基準を出して指定をしているところでして、磯崎元委員であるとか、本日ご欠席の下村委員はご専門ですので、ご相談して、スライドのとおり、①、②といった形で、基準に照らして記載することにいたしました。この分厚い資料の1ページ目に、指定理由につきまして、そのような形で構成させていただいております。

 今後とも、より良い指定書、公園計画書にしてまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 私からの説明は以上になります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○石井部会長:ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明ですけれども、ご質問やご意見を承りたいと思います。いかがでしょうか。それでは小泉委員。

○小泉委員:ありがとうございます。二点質問がありまして、一つは、地元、和歌山県と地元市町の意見にどのようなものがあったか教えていただければと思います。もう一点は、拡張に伴い、環境省ではその管理体制をどのように考えているのか、この2点について教えていただければと思います。

○石井部会長:まず、ひととおり質問を受けてしまいましょうか。続きまして、小長谷委員、お願いします。

○小長谷委員:エリアの拡大に伴って、名称も拡大するというような可能性がないのかどうか、お伺いしたいと思います。というのは、自分自身が地理学出身だったということを思い出しまして、吉野熊野という一般的な地域から拡大していますので、良い意味で加わってもいいのではないかと思いました。そういう可能性がないかどうかをご教示ください。

○石井部会長:ほかはいかがでしょうか。

(なし)

○石井部会長:では、小泉委員、それから小長谷委員からのご質問についてお答えください。

○公園計画専門官:お答えいたします。小泉先生からいただきました、今回の指定に当たっての地元市町の意見ですが、基本的には、今回の指定につきまして、大変地元も期待しておりまして、ジオパークの動きと伴って地域の活性化に貢献していきたいということで、賛成していただいております。特に要望が大きかったのは、先ほどのショウガセというエリアです。ダイバーに大変有名なエリアで、オオカワリイソギンチャクは水深50メートル位のもっと深いエリアに生息している生き物ですが、このエリアは、利用がだんだん増えてくるということで、そこの規制はしっかり図ってほしいとの要望を受け、今回、20mより深いエリアですけども、新しく海域公園地区として指定をしたというところが一番大きなポイントだと考えております。

 もう一つは、拡張に伴う現地の管理体制をどうしていくかということで、確かに、これまで吉野の事務所と熊野の事務所の二つだけでして、ここまで拡張するのに熊野の事務所が担当するとなると、田辺市まで3時間かかるということで、体制が大変脆弱だということでした。ですので、我々としても、今回の拡張を機に地元と一緒になって取り組んでいきたいということで、局長の挨拶にもありましたけども、新たにこの田辺市に自然保護官事務所を設置しまして、より地元と一緒になってできる体制というのを構築したいと考えております。まだ設置して間もない事務所ですけども、国立公園に指定されれば、地元も盛り上がってくるかと思いますので、ジオパークと一緒になって国立公園の利用を考えていきたいと考えております。

 名称につきまして、正直なところあまり議論をしていなくて、地元のご意見を聞く中で、今回、この名前でということで、特に大きな反対はなかったと聞いております。地理学的には拡張して変わるのかもしれないですが、地元としては特段問題なかったということで、申し添えたいと思います。

○石井部会長:ありがとうございます。いかがでしょう。よろしいですか。

 それでは、尾崎委員、お願いします。

○尾崎委員:公園のことは不勉強なので、教えてほしいのですが、今回、県立の自然公園から国立公園に変わるということで、メリットは多いと思いますが、デメリットもあるのでしょうか、一般論でも結構です。

○石井部会長:ほかはないですか。

(なし)

○石井部会長:それでは、ただいまのご質問、いかがでしょう。

○国立公園課長:事務方でどう答えていいか戸惑っていましたので、私からお答えいたします。強いてあるとすれば、県立自然公園は条例に基づいて県が設置しておりますので、例えば家を建てるとか、別荘を建てるとかという時に許可が必要になりまして、その許可申請は、県の出先事務所なり県庁に行って許可申請をすることになります。日頃、何らかの付き合いがある自治体に許可申請をすることになります。それが国立公園になりますと、先ほど申し上げましたように、今、保護官事務所もできましたが、環境省、国に対して申請をするということになりますので、そこが若干、例えば地元の方々が慣れていないと、敷居が高いということはあるかもしれません。

 ただし、今日も来ておりますが、彼女が田辺に今年4月から配属されているレンジャーでございますが、現場であのレンジャー服を着た格好で勤務をしておりまして、国だから敷居が高いということではなく、地元の方々と一体に、国立公園の専門の行政官ということで配置をしておりますので、そうしたデメリットがないように努めているところでございます。多分強いて言えば、そうした点だと思います。

○石井部会長:よろしいでしょうか。では、江﨑委員、お願いします。

○江﨑委員:吉野熊野に関してということではないのですが、この海域公園の英語表記ついて調べたところ、多分マリンパークとなっていると思います。最近決められたのかなと思うのですが、今、結構国立公園にも海外のお客様が来ている中で、英語表記って大事だなと思っていまして、マリンパークと検索すると、結構陸側の観光施設とかで利用されており、たくさん施設が建っているようなものをマリンパークと総称して使われていることもあります。そうすると、海外の方々に、日本の自然の大事さとか、そのすばらしさを伝えていく際に、何か軽いものと言ったら悪いのですが、そうしたもののイメージが被ってきて、現場で伝えていく時や利用する時に重みが、決定されてしまっているので何とも言えないのですが、少しもったいないなと実は現場で感じることがあります。今後、その英語表記というものについても、どんな場面でどのように利用されるかということを考えていただきながら、検討いただくといいかなと思います。以上です。

○石井部会長:白山委員、どうぞお願いします。

○白山委員:この地域は、南海地震・東南海地震が極めて心配される地域なわけですね。防災という意味から言うと、高い堤防をつくりたい、でも、自然公園としては自然海岸を残したいと、こういうことになるかと思うのですが、その辺りの調和について、環境省としてどういうお考えで、どういうふうに進めようと、特にこの地域について、どうお考えかを教えていただきたいと思います。

○石井部会長:江﨑委員と白山委員からご質問がございました。いかがでしょう。よろしくお願いします。

○公園計画専門官:まずは、江﨑先生の英語につきましては、確認をさせていただいて、ご趣旨としては、もう少し保護というか、現状に合った英語ということで、ご検討をさせていただきたいと思います。 国立公園の英語表記も、順次しっかり固めて、看板等を国際化に対応していますので、同じような多分問題が出てくると思いますので、確認をさせていただいて、回答させていただきたいと思います。

 確かに、このエリアは、南海トラフ地震の影響、被害を受ける可能性があるということで、地元からも様々ご意見をいただいております。国立公園としましては、地元と一緒になって、その対応をどうしていくかということになるのですが、今回、このエリアの点検を行った際にも、実際、お話が出てきました。それは串本町になりまして、串本町のちょうど潮岬のところはトンボロ地形ということで、要は、陸砂州みたいな状態になっています。そのエリアに大変多くの方が住んでおりまして、高台移転について考えなければいけないということで、自然保護官と相談をして対応を考えておりました。

 そこは、ある程度宅地化されているので、外す根拠もありつつ、そうしたエリアの中に高台移転をしていくべきだというところで今回調整をしてきた経緯もございますので、このエリア全体としての方針、なかなかまだ示し切れていないですけども、そうした形で、地元の防災の方々と一緒になって、公園計画のほうを修正していくという形で、今のところ、対応しているという状況です。

○石井部会長:よろしいでしょうか。ほかはないでしょうか。白山委員、どうぞ。

○白山委員:関連してですが、東北の地震の際には、逆に公園の施設が避難場所として、あるいは、仮設住宅の建設場所として、物すごく重用されたわけですね。ですから、国立公園の機能の一つとして、防災、減災というのも経験として実際にあるわけですから、はっきりと打ち出しても良いという気もするので、その辺も視野に入れて進めていただければと思います。

○国立公園課長:ありがとうございます。おっしゃられましたように、三陸復興国立公園につきましても、一時的に避難で使っていただいた場所等について、整備をやり直す際には、キャンプ場を今後は防災機能を高めるような形で整備をさせていただいております。地形的に国立公園の区域が高台を含むような場合で、そこの場所が利用にも適しているような場合には、そういったお役に立てる場面というのは多々あるかと思いますので、今いただきましたご指摘も含めて、今後も考えていきたいと思っております。ありがとうございます。

 また、先ほどの江﨑委員の海域公園をどう英語で表記していたか、正確に確認ができなかったのですが、海中公園地区と呼んでいた時代に、たしか「海中公園センター」とか、それも「マリンパークセンター」という呼び方をしておりました。陸域のほうは、例えば特別保護地区という一番厳しい規制のかかっているエリアは「Special Protection Area」で、その次の特別地域は「Protection Area」という言い方をしておりますので、そのエリアというのを「Protection Area」という言い方を海域のほうも区域を示すときに使うと、何のためのエリアなのか、趣旨が伝わりやすいかと思いますが、そこも確認しながら、作業をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

○石井部会長:よろしいでしょうか。

 では、ほかにご意見がないようでしたら、国立公園の公園区域及び公園計画の変更ということで、諮問に添付された指定書及び変更書のとおりということで、特にご異議はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

(異議なし)

○石井部会長:では、本件については、適当と認めることにしたいと思います。どうもありがとうございました。

 続きましては、エコツーリズム推進に関する検討会についてということで、事務局からのご報告です。よろしくお願いします。

○国立公園利用推進室長:国立公園利用推進室からご報告させていただきます。座って説明させていただきます。

 まず、資料3-1をご覧いただければと思います。表題としては、エコツーリズムの推進に関する検討会ということでございますが、昨年度になりますけれども、当自然環境部会の下村委員を座長にお願いをして、同じく当部会の委員の江﨑委員にも加わっていただきまして、検討を進めたものでございます。

 まず、検討会設置の目的でございますけれども、「エコツーリズム推進法」、これが平成24年4月に施行されておりますが、この中に定められております「エコツーリズム推進基本方針」、これにつきまして5年毎に見直すという規定がございますとともに、法律の附則で「この法律の施行後、5年を経過した場合において、この法律の施行状況について検討する」という条文がございます。このことを踏まえまして、平成26年7月に同法の主務省庁であります環境省、国交省、文科省、農水省でこの検討会を設置して、現在のエコツーリズム推進に関する現状と課題、また、今後の推進方策について、ご検討をいただいたものでございます。この検討会の報告書が作成をされておりまして、現在、環境省のウェブページで公開をされているところでございます。

 次、2番目になりますが、報告書の概要を簡単に報告させていただきます。検討会において、課題として、三つ、大きな柱を挙げていただいております。

 まず、1点目といたしましては、「エコツーリズム」の概念とか、その全体構想、これは国の認定を受ける仕組みですけれども、その意義が広く理解をされていないという点でございます。方向性としては、その概念、まずエコツーリズムを知っていただくというところと、全体構想の意義とか利点について、普及が不十分なのではないかということでございます。

 その方向性といたしましては、その矢印の下になりますが、まず(1)、これは当たり前なことではございますけれども、正しい理解の普及促進ということで、インターネットを通じて、一般の国民の方にも広く知っていただくという点ですとか、あとは、これは③になりますけれども、「エコツアー」というのがどんなものなのか。旅行業者さん等が自分で作ったツアーを「エコツアー」と呼んでいいのかどうかわからないという声もございましたので、そうしたことに対応をする必要があるだろうということ。

 (2)番目といたしまして、全体構想というものが何なのかというのがよく知られていないと。これは先ほども申し上げましたが、国が認定する仕組みでございまして、基本指針に適合していて、確実かつ効果的に実施されることを条件として認定をされます。また、メリットとしては、地域資源の保護という視点で、そういう規制ができるということと、認定全体構想であるということを国が広報するという点がメリットとして挙げられますけれども、そうしたことをまず知っていただくということで、いろんな機会を通じてそれを示していくということ。

 ②番目としては、これは認定全体構想に基づいて行われるエコツアーに認証マークを付与するということも検討したらどうかということで、これについては、広報の強化ですとか、ブランド力の強化ということが期待をされるところです。

 ③番目としては、これは全国に広げていきたいということもございますので、都道府県ですとか、国立公園地域ごとに一つ以上の全体構想を促進する何らかの仕組み、仕掛けが必要ではないかということでございます。

 それと関連しますが、(3)として、国立公園内等でのエコツーリズムを中心に、モデルをつくっていくべきであろうと。また、そういう場所に、地域に対しての支援を重点化ということが提案、提言をされています。

 次のページに行きまして、課題2でございますけれども、これは1点目と共通するところもございますが、まず「エコツアー」の認知度が低いという問題意識がございます。これに対しては、認知度を上げるためにさまざまな取組をするということと、地域の取組が継続できるようなモチベーションの維持が必要ということで、(1)として、「エコツアー」の情報の収集と発信ということで、まず①でございますけれども、旅行業者に対する働きかけをしていくということと、②番目は、その地域から地域外、これは主に都市部ということになると思いますが、学校教育ですとか社会教育活動と連携をして、知っていただくという活動、出前授業等を通して知っていただくということを考えたらどうかということ。③番目としては、これは旅行博のようなイベント等の機会を使って、情報発信をしていこうというものでございます。

 (2)の情報共有の機会の創出というところは、これはエコツーリズムを取り組む地域間の交流が重要であろうと。こうした地域のネットワークをつくるということ。これらについては、これから取組を始めようとする地域にとっても、先進事例として重要なのではないかと考えております。

 次の課題3になります。エコツーリズムを継続するための仕組みづくりに関する課題ということで、これはエコツーリズムをスタートしても、それを継続しないケースが見られるということで、その継続する仕組み、これについての理解ですとか、それを担っていく人材についての課題、問題意識です。

 解決の方向性、考え方というところですが、まず地域の長期的な発展戦略として位置付けられることが重要であろうという点と、エコツーリズムの基本理念として、その資源を保全しながら活用するという視点で、その保全状況の評価、モニタリングと保全状況の評価が、これが必須であるという点。また、人材ということで、地域で主体的に取り組む人材の育成が重要であるということと、それを運営していくための財源の確保が重要であろうという点でございます。

 次の推進方策のところですけれども、(1)として、これは理解の促進ということで、各地域の取組段階に応じた取組をアドバイスするという方向、アドバイザーの派遣ですとか、マニュアルの整備と活用ということが挙げられます。

 ②番目としては、これはどんな資源があるかという調査に加えて、それを活用するプログラムづくり、これを商品の販路開拓ということで、どのようにして販売していったらいいかという点の支援も必要だろうという点。

 ③番目としては、市町村、協議会の支援、これは身近な存在である都道府県が行うことが期待されるのですが、都道府県の皆さんにも、さらにご理解をいただくという点が重要だろうという点でございます。

 (2)ですが、これは先ほども申し上げましたが、資源を保全するためのモニタリングが必要、なかなかこのやり方が統一的にはできないということもございまして、こうした点について、技術的なアドバイスをするための支援ですとか、そのモニタリングの経過の情報共有が重要だろうという点が挙げられております。

 (3)として、担い手の確保というところですが、さらに広い範囲の人材を確保するという視点で、副業としてガイドを行っている方ですとか、地域で活動する、その地域の人ではない外部の若者などの活用ということで、その確保を図るべきだろうと。

 ②番目として、消費者のニーズを、これをしっかり把握するためにマネジメント、マーケティングに詳しい方の育成ということ。

 (4)番目の財源の確保として、①点目は、受益者から広く徴収する方法をしっかり検討していくべきなのではないかということと、推進組織、協議会等でも販売先の開拓ですとか、そういったところで得られた収益をさらに自らの地域の商品開発に結び、充てられるような仕組みを検討していったらどうかという、以上、大きく三つの課題について、ご提案をいただいたところです。

 環境省といたしましても、これらの提案を踏まえて、今後のエコツーリズム推進の施策を進めていく考えでございます。

 説明は以上です。

○石井部会長:ありがとうございました。

 エコツーリズムの推進に関する検討会、その報告書の概要ということでございました。

 それでは、ただいまのご報告ですが、せっかくの機会ですので、ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。特にございませんか。

(なし)

○石井部会長:それでは、ありがとうございました。

 では、続きまして、4番目ですけれども、生物多様性分野における気候変動への適応の基本的考え方についてということで、これもご報告でございます。では、事務局からご説明をお願いします。

○生物多様性地球戦略企画室室長補佐:それでは、議事の(4)でございます。こちらもご報告事項でございますが、生物多様性分野における気候変動の適応の基本的考え方について、ご説明をさせていただきます。自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室の岡野と申します。よろしくお願いいたします。

 それでは、資料4-1をご覧ください。国際的に気候変動の影響が各地で指摘をされておりますけれども、政府全体で「適応計画」をつくるということが、今、検討が進められております。それに向けまして、環境省自然環境局におきましては、平成26年度に、12名の学識経験者から成る検討会を開催させていただきまして、こちらのほうで「生物多様性分野における気候変動への適応についての基本的な考え方」を取りまとめさせていただいております。これについては、7月31日に記者発表をさせていただいておりますが、その内容について、今回、ご説明をさせていただきます。

 今回、取りまとめさせていただきましたポイントは五つございます。基本的な考え方の主なポイントとして挙げさせていただいております。気候変動の影響につきましては、平成27年3月に、中央環境審議会におきましても「日本における気候変動による影響の評価に関する報告と今後の課題について」という形で取りまとめられておりまして、既にいろいろな影響が見られており、重大性についても、特に大きいと評価されているものも多数見られております。

 一方で、生態系サービスに対する影響については、なかなかまだ研究は進んでいないということで、評価ができていないという状況でございますけれども、全体として、気候変動に対しまして、生態系は変化していくということでございますので、これを人為的な対策によって広範に抑制することは不可能ということを前提に考え方を取りまとめております。

 そういった中で、何ができるかということでございますけれども、基本的には、モニタリングによりまして生態系と種の変化の把握を行うということで、しっかりと状況を見ると。それに加えまして、気候変動以外のストレスの低減、それから生態系ネットワークの構築によって、移動する場所を確保する。そういったことによりまして、気候変動に対する順応性の高い健全な生態系の保全と回復を図るということを基本的な柱としております。

 一方で、特定の場所や種におきまして生態系が失われる、あるいは絶滅のおそれがあるというようなことで、影響が懸念される場合がございます。そうした場合に、生態系や種、生態系サービスを維持するために、積極的な干渉を行う可能性もあるということで記載しておりますけれども、積極的な干渉の事例といたしましては、例えば高山帯のお花畑にササが侵入してきたような場合に、ササを刈り払う行為でありますとか、あるいは高山域の植物等を植物園などで域外保全をするといった、そうしたことを積極的な干渉という形で書かせていただいておりますけれども、一度手をつけていくと、ずっとコストがかかり続ける。それは人為的な人のコストもありますし、経費的なコストもあります。また、それを行うことによって、その他の生態系、生物多様性に影響が起こる可能性もあるということですので、慎重な検討が必要、慎重な検討をして、地域と合意形成の上でやっていくか、やっていかないかを決めていくというようなスタンスで、ここは書かせていただいております。

 それから、4点目でございますけども、こちらのほうは、他の分野での適応策が行われることによります生物多様性への影響につきまして、負の影響の回避や最小化、正の影響の最大化が必要ということで書かせていただいております。現在、各分野でも適応策が検討されておりますけれども、そういった中で、適応を行っていく場合にでも、しっかりとその生物多様性に対する配慮をしていただきたいということで、こちらのほうを書かせていただいております。

 それから、ポイントの5点目でございますけれども、生態系が持っております防災・減災あるいは暑熱緩和などの機能がございますけれども、そういった適応策を行っていくときに積極的に活用していきましょうということを書かせていただいております。今後、我が国では人口減少等も予想されておりますので、コストがかからないような形、あるいは土地の利用について、一定の余裕が出てくるということも想定されておりますので、そういった取組を進めていくことが必要ということで、こうした五つの観点でまとめさせていただいております。

 このまとめさせていただいたものを、今後、国の政府全体の適応計画にしっかりと位置付けていきたいと考えております。また、今回は適応の大きな基本的な考え方について取りまとめさせていただきましたけれども、今後、具体的には、各現場、現場、部門、部門で適応ということを考えていかなければならないということでございますので、今後、調査・研究も含めた検討を進めていきたいということでございます。

 以上、簡単でありますが、ご報告であります。

○石井部会長:ありがとうございました。

 せっかくですので、座長を務められた中静委員、何かコメント等ございますでしょうか。

○中静委員:今、ご説明があったように、自然の動きを止めることは難しいというのが基本です。止められないからといって、できないことがないわけではないですけれども、先ほど言いましたように、自然の動きというのを重視していこうということです。その中で、どうしてもやらなければいけないものは慎重に検討していこうということですので、細かいことも幾つか検討させていただいておりますけれども、具体的には資料4-1に書いてあることを基本に、いろいろな適応策ということでまとめさせていただいています。

 以上です。

○石井部会長:ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご報告ですけれども、ご意見、ご質問等ございますでしょうか。

 岡委員どうぞ、お願いします。

○岡委員:生物全体の適応計画は、生物多様性分野以外に何分野から成るのですか。

○生物多様性地球戦略企画室室長補佐:生物多様性分野のほかに、農業とか、林業とか、水産業、そういったものとか、あとは水の災害分野のほかに水資源といった、そうした分野毎に影響評価を行っておりまして、その適応についても分野ごとに方策を考えていくという形になっております。

○岡委員:各分野で、ほぼ報告書ができ上がっているわけですか。

○生物多様性地球戦略企画室室長補佐:現時点で国土交通省と農林水産省のほうで、そうした分野毎の適応計画の取りまとめが概ね済んでいるという状況であります。

○石井部会長:よろしいですか。どうもありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。

 では、このご報告についてもよろしいでしょうか。

(なし)

○石井部会長:ありがとうございました。

 それでは、5番目です。「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクト中間とりまとめについてということで、事務局からご説明をお願いいたします。

○自然環境計画課長:計画課長でございます。私のほうから、座ってご説明をさせていただきます。

 前回、1月のこの審議会の場でも、その時の状況をお伝えしましたけれども、メンバーの改選もございましたので、簡単に全体をご紹介させていただきたいと思います。

 昨年の12月から今年の6月まで、勉強会を7回、シンポジウムを1回重ねまして、多くの有識者の方々と議論しながら方向性を検討と書いておりますが、その発端をもう一度ご説明いたしますと、生物多様性の国家戦略にも「森里川海」のつながりの強化というのは、大きな基本的方向性の一つとして取り上げられておりますけれども、昨今の人口減少、高齢化が加速的に進み、特に地方における「森里川海」といった自然資源、自然資本の管理のあり方が今後どうなっていくのかというのは非常に喫緊の課題であります。

 これまで、私ども、そうした自然の資源からの恵みというものを継続的に享受してきたわけですが、それが将来世代に引き継いでいけないのではないかという大きな懸念があったということでございます。

 議論を進める中で、これを環境省の名前だけで外へ出しては、やれることに限りがあるということで、有識者、執筆者グループという名前で、有識者の方が18名、そして、プロジェクトチームの名前で、6月30日に公表をさせていただいたところでございます。1ページの下に、勉強会等の経緯が書いておりますが、1枚めくっていただきまして、2ページの上の、字が小さくて恐縮ですけども、「森里川海」と日本人の暮らしということで、高度経済成長以前の人と自然との関わり、それが、今、このようになって、つながりが希薄になっているということをこの中間とりまとめの前段でも記述させていただきました。

 「森里川海」の経済的価値ということにつきましては、環境省だけじゃなく、ほかの省庁でも試算をしておりまして、年間約80兆円弱のこうした恵みが寄せられているとなっております。それが広く国民全体、特に都市部における我々の暮らしにも恵みをもたらしているということでございます。

 3ページの上の部分は、これは国家戦略の部分にも書かれておりますが、しかし、人口減少、高齢化だけじゃなくて、まさに気候変動とか、そうした色々な危機がございます。そして、社会の仕組みとしても、つながりの分断あるいは人との関わりが希薄になっている。あるいは仕組みの上での課題とか、そうした課題と危機があり、そして、このプロジェクトチームでの検討に入ったわけでございますが、この中間とりまとめの中で掲げられているプロジェクトの目標といたしまして、大きく二つございます。森里川海を豊かに保ち、その恵みを引き出していくということ。そして、その恵みを支える社会をつくっていくということ。引き出すプログラムと、それを支えていくための社会の仕組みというものをつくっていこうということでございます。これは、昨年、中央環境審議会からご提言をいただきました地域循環共生圏の構築だとか、環境・生命文明社会の構築、そうしたものへつなげていこうというものの一つの方策と私どもは考えております。

 また、4ページへ移りまして、中間とりまとめの中で掲げております基本原則でございます。幾つかございますが、人口減少・高齢化というものはもう止められないこと。これをむしろ予見として、物事を考えていく必要があるということでございます。

 また、今、地方創生ということが言われておりますけども、そうした自然資本の手入れ(管理)を推進することで雇用が創出され、それが地方の創生にもつながっていかなければいけないということでございます。

 また、森里川海の管理というものは、地域だけでもう対応し切れていないと。国全体で支える仕組みがあるのではないかということ。

 また、その縦割りを解消し、地域間の一層の連携、例えば都市部と地方部との連携を強め、対応していく必要があるということ。

 そして、理念だけではなくて、目指す方向を一般の方々にも明確に示したうえで、それに到達するための方策を示していく。バックキャスティングアプローチということをやっていく必要があること。

 また、その最後に、別の目的のための取組においても、自然の恵みを継続的に引き出していくことを前提に、配慮を促していくということが重要となっております。

 こうしたことが中間とりまとめの中に盛り込まれています。

 具体的なアイデアといたしまして、このとりまとめの中で、一応例として九つのプログラムを示しています。例えば、森林のメタボ解消、特に、今、人工林が非常に国内の山は豊かになっているわけですけども、これが十分に活用されていないということだとか、先ほど気候変動に伴う災害の多発化がございましたけども、生態系を活用したしなやかな災害対策だとか、江戸前などの地域の食材再生のための環境づくり、もう既に幾つかの地域では進んでおりますが、トキやコウノトリなどが舞う国土づくりだとか、次の5ページの上にも書いておりますが、鳥獣等から国土・国民生活を守る、あるいは下のほうには、子どもの環境教育、自然体験をもう一回、しっかりと行っていく必要があるとか、また、自然とのつながりを志す人も増えておりますし、それを地域の経済に裨益して、良くなるような形で取り組んでいる地域も日本各地で出てきておりますが、そうした取組を伸ばしていくようなこと。そうしたことをプログラムとして掲げて、より進めていくための社会の仕組みをどのように行ったらよいかを考えております。

 5ページの下に、具体的な取組のアイデアということで、これを進めていくための社会の仕組みを幾つか提言の中に入れております。一つは、ボトムアップで取組を進めるための仕組みといたしまして、小さくて恐縮ですけども、5ページの下のスライドの右のほうで、実現する仕組みのイメージ図というのがございますが、全国的な森里川海協議会のようなもので、取組の方向やプログラムを検討したり、その成果を評価するようなことを行う。また、地域協議会、これは東北とか、あるいは北海道とか、そうした地方のブロック毎に地域協議会を設置して、地域固有のプログラムの検討だとか、その実施のフォローアップをしていくとか、そうしたプログラム、取組を推進していくためには、予算というものも必要になりますから、例えば個人であれば一人1日1~2円を“次世代の貯金、自然へのお賽銭”という感覚でご負担いただき、また、寄附なども募りながら、そうしたプログラムに充てていく仕組みをつくってはどうか。もちろんそういう資金だけじゃなくて、ボランティア、労力あるいは知恵といった様々な方策で、この森里川海のつながりと、そこから恵みを引き出す取組を支えていく仕組みをつくっていくということを中間とりまとめの中には入れております。

 具体的には、このとりまとめを踏まえまして、今後、この具体的な仕組みづくりに1年、2年かけて、しっかり議論をしていきながら、この仕組みをつくっていこうということで考えているわけでございますが、そのためには、たくさんの方のこうした考えの賛同が必要になりますので、これがとりまとまる今年の後半、これからは全国で40回、50回のシンポジウム、それから、フォーラムのようなものを各地で開催をいたしまして、この中間とりまとめへの賛同者を募っていく、ご理解いただくということをしていきたいと思います。また、あわせて、来年度の予算あるいは税制改正要望にも盛り込んでいきたいと思っております。あくまでも、これからすぐにできるということではないかもしれませんけども、関係省庁とも連携しながら、少しでもこの国家戦略に掲げております「森里川海」の連携の強化を進めていければと思っている次第でございます。以上です。

○石井部会長:どうもありがとうございました。

 では、ただいまのご説明ですけれども、今回は中間とりまとめということでございます。何かご意見、ご質問等ございますでしょうか。

 では、中静委員、お願いいたします。

○中静委員:生態系のつながりを考えて、良く考えていただいたとりまとめだと思うのですけど、最後、資金や労力を確保するというところですけれど、ここでうまく考えておられるような自然への再生という考え方は、例えば各県でもう既に導入されている水源税ですとか、森林環境税と考え方は非常に近いと思いますし、あるいは、その生態系に対する支払いというPESの考え方の中で、様々な問題点が指摘されていると思うので、これから具体化される中で、そうした様々な問題点を良く考えていただいたうえで、例えば後でそうしたPESの制度を新しくきちんとしたものを導入する際に邪魔になったりするということもあり得ると思うので、その辺のところをよく考えてやっていただきたいなという、これはコメントでございます。

○石井部会長:ありがとうございます。髙村委員、お願いします。

○髙村委員:自然局が考えておられることというのは、ぜひ国民のほうに普及してもらって、成功させてほしいのですが、その政策がうまくいっているかどうかということを何らかの指標で報告していただくというふうなことがあればもっといいなと思います。

 エコツーリズムの推進でも説明されましたが、一体どれぐらいの人数がこれに加わって活動をしているのか、それがこれから増えるのか、また、増えるためにはどうするかなど、何らかの政策の指標を考えていただいて、政策評価をできるような形で実施をしていただきたいと思いました。

○石井部会長:ありがとうございます。そうしましたら、磯部委員お願いします。

○磯部委員:3ページ目の上に、海で砂浜の減少ということが書いてあるわけですけれども、これは非常に深刻な問題だと私は思っています。ご存じのように、前のテーマにも関係するのですけども、気候変動、地球温暖化による海面上昇が起こると、ほとんど砂浜がなくなってしまう。むしろ減少というよりは、消滅と言ってもいいのではないかというような状況にあって、これを現実問題として防いでいくというのは、とても困難、不可能に近いぐらい難しい問題だと思います。そうであるとすれば、この森里川海のつながりという視点から、どこは絶対に守っていかなきゃいけないとか、そういう重要な砂浜とか、干潟とか、そういうものを明らかにしていくということも、一つは必要なことではないかという気がしています。これは4番の議題で議論をした気候変動の適応の基本的な考え方にも非常に大きく関係するところだと思います。

 言い始めたついでにコメントを追加しますと、最初の国立公園で和歌山県を拡張する件ですが、南紀白浜が入ってきて、ここはオーストラリアから砂を輸入して養浜をやったという、白砂青松の非常に白い砂なので、国内になかったからということがあって、今は微生物の問題などがありますから、おそらくこれからまたやるということは難しい、考えられないのだと思いますけれども、ああいうところの砂浜を維持していくというのもなかなか大変なことではあるけれども、せっかく国立公園に編入したということであれば、その砂浜を保全していくということも大事な活動だと思いますので、その辺のところもぜひ考えながら、新しい定義の国立公園も保全を従前にやっていただきたいと思っています。以上です。

○石井部会長:江﨑委員、お願いします。

○江﨑委員:最近、国土形成計画というものを国交省で作成されていると思いますが、私、たまたま中部圏の広域計画の委員をさせていただいておりまして、そういうところの委員に、こうした環境系の方がどれぐらい入っているのかということもあって、中部圏は割と先に進んでいるという実態もあるので、今後、各地域もどんどん進んでいく中で、その国土形成計画の中に、自然環境や観光という面でもそうですし、そういう自然資源に対しての記述なども書いてあるのですが、すごく薄いんですよね。そうすると、この森里川海の連環というか、そういう大きなエリアでの、本来、システムとして考えられなければいけないものというのが、そうした計画の中で、本当にいかに考えられているのかというのがすごく疑問に感じるところがあります。ですので、今後、多分そうしたことがずっと進んでいって、特に産業系の方々がそこにたくさん入っているということもあるので、なるべくそういう、こうした考え方というのも、国土形成計画の中に本来は必要なことだと思うので、入れていただけるようなアプローチをしていただけるとありがたいなと思っています。

○石井部会長:ありがとうございます。ほかはよろしいですか。

 深町委員、お願いします。

○深町委員:協議会というような形の様々なつながりとか、組織ということを考えておられると思うのですが、確かに、目的も違うと思いますし、関わる方も違ってくると思うのですが、本当に地域の末端に行きますと、例えば自然再生とか、エコツーリズム協議会とか、いろんな目的に関わる人というのが、すごく限られていたりとか、重なっていたりとかして、行政もそうだと思うのですけど、そのような中で、立ち上げまではできると思うのですが、運営していく際に、様々な協議会があり過ぎる中、それを継続的に、効果的にやるうえで、すごく大事なプロジェクトだと思うのですが、今後どのような工夫をするとか、今までの様々な協議会や関係するところと連携して上手くやっていくかというところについて、何かお考えがあればお聞きしたいなと思います。

○石井部会長:ありがとうございます。ほかはよろしいですか。

(なし)

○石井部会長:では、5人の委員からコメントや質問等がございましたので、事務局からお願いします。

○自然環境計画課長:中静委員からのPES、既存の都道府県が条例に基づいて行っている森林環境税などとの整合の話がございました。今、35の県で、条例に基づいた、森林環境税、名称は様々ありますけども、私どもでは、その県域を越えた上下流も含めて、その大きな流域というものを念頭に置きながらやっていくので、そこは今までとは違うのかなとは思いつつも、そうした条例を設けている各県ともこれから十分に議論をしていただきますし、PESの話も出ましたけども、今、外国でもそうした取組が進んでいる中で、数年、これはじっくり時間をかけてやっていかなければならない話かと思いますので、関係者、関係自治体とも協議をしながらやっていきたいと思います。

 それから、髙村委員から指標という話がございましたが、こうした枠組みを作っていく際には、当然、じゃあ、目標をどこに置いて、それまでにどれぐらい到達しているんだという評価というのは必要になってくると思いますので、そうした制度の仕組みを考える際には、あわせてその指標の設定みたいなものも考えていかなければいけないと思っておりまして、これにつきましても、色々な専門家の方のご意見を聞きながら、検討を進めていきたいと思います。

 それから、磯部委員から、海域の保護、海岸の消滅、減少についてございました。陸域からの砂の供給みたいなものについては、様々課題がある状況かと思いますけれども、今、特に海域の保全については、非常に重要だと私どもも認識しておりますので、どういう形で進められるかは今後の検討ですけれども、十分そうしたことも踏まえてやっていきたいと思います。

 それから、江﨑委員の国土形成計画との関係でございますが、つい先般、国土形成計画が決定されました。今後、その各地域ブロック毎のよりブレークダウンした計画を作っていくということで、私どもでも、そのブロック毎の検討というのは必要かと思っていますけども、十分整合を図っていかなきゃいけないと思っていますし、国土形成計画以外にも、水循環基本法というのもできて、水循環の基本計画とか、今後、そうしたものも出てきます。そうした関係する計画との整合というものも、きっちり考えていかなきゃいけないなと思っている次第です。形成計画の中でも「生態系ネットワーク」という言葉が謳われていますので、それをいかに現場に落とし込んでいくのかというところについて、しっかり環境省としても、国交省とほかの関係するところと連携していきたいと思います。

 最後に、深町委員から、協議会が現場では限られた人で運営されているという話がございました。既に自然再生推進法の協議会以外にも、エコツーリズムもそうですけど、様々な協議会の仕組みが、環境省の制度の中だけでも結構ありますし、ほかの省庁でもあります。まさに、登場人物が非常に似通っているということもあって、現場では協議会疲れというような話もございます。そこは、そうした既存の協議会を上手く生かしていく形の仕組みづくりというものをしっかり考えていかなきゃいけないと思っておりますので、その協議会疲れがさらに増幅されないように、しっかり考えていきたいと思います。

 以上です。

○石井部会長:ありがとうございました。佐藤委員どうぞ。

○佐藤(友)委員:今のこの森里川海もすごくいいのですが、何となく従来型の、さっきも協議会という話がありましたけれども、従来型の枠組みの中でどうしよう、こうしようと考えていらっしゃるのではというような気がして。今、例えば若い人たちが地域再生などで、「移住計画」というものをFacebookでやり合って、新しいネットワークを作ったりして、成果も出ていると思います。森里川海などでも、そうしたプラットホームさえできれば、結構興味を持っている人が動くということはあるのではないかと思うんですね。お金もかからないから、なかなか行政としての施策にはなりにくいのかもしれないですが、今風の何かつなぎ方というのをやって、みんなが楽しみながら盛り上がっていくような、何かそういう仕掛けを、特にこの森里川海ではやったらとてもおもしろいと思うんですね。多分、川の人は川の専門家だし、海の人は海の専門家だけど、じゃあ、遊びを交換してやってみるとか、一緒にやってみるというだけでも、すごく楽しいことがいっぱい生まれてくると思うので、せっかくなので、ここではそういうやわらかい仕組みというのを導入していただいたら、若い人が入ってこられて、大学生とかももっと楽しみながら、参加できるのではないかと。それが上手い具合に次につながっていくのではないかと思いましたので、意見として述べさせていただきました。

○石井部会長:事務局、いかがですか。

○自然環境計画課長:ありがとうございます。従来のやり方に縛られない新しいやり方も、ぜひ模索していきたいと思います。ありがとうございます。

○石井部会長:ありがとうございます。

 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。

○髙村委員:今のに関連してですけど、私も、今、大学生の講義でエコツーリズムを取り上げて、学生に調べさせて、どのようなことをやっているかを調べて、参加したいかどうかということを聞いてみたのですが、堅苦しいというか、トイレを持ってずっと歩いていかないといけないとか、結構ツーリズムというのは、もともとは非常に楽しいもので、世界のツーリズム産業というのは、額は忘れましたけど、物すごい額なんですよね。そのうちの6割~7割は自然環境ですか、それを対象にしていて、大型動物なんかは特にそうなんですが、本来、非常にそういう欲求が強いものがあるので、これでお金が動くというか、経済効果が非常に大きい分野なので、そこを上手く動かすというのは、もう少し何か、ルールが多くて、どうすればいいのかなというのがエコツーリズムのような気がして、もっと一般の旅行者とか、フランクにやっていただいて、行き過ぎというのは、オーバーユースの問題というのは非常に気を付けないといけないですけれども、まずは、皆さんがこれを知って、参加してみたいと思うというようなことが第一歩なので、そうした点を少し工夫していただければなと思います。

○石井部会長:国立公園利用推進室長、いかがでしょう。

○国立公園利用推進室長:ご指摘どうもありがとうございます。本当におっしゃるとおりでございまして、日本の自然を見るというツーリズムの観光収入というのは低いというのも事実だと思います。楽しくというのは、実は、エコツーリズム推進法の中にもそういう理念がございますので、各地域で楽しいから来ていただくという好循環を生み出すという視点も出てきておりますので、そうした地域の支援ができればと考えております。

○石井部会長:ありがとうございます。ほかはよろしいでしょうか。

(なし)

○石井部会長:では、これで、本日予定しておりました全ての議事について終了いたしました。どうもご協力ありがとうございました。

 まだありますか。髙村委員、どうぞ。

○髙村委員:お願いがあるのですが、私、ほかの部会にも参加させていただいているのですが、資料が前もって必ず来るのですが、自然環境部会だけ、当日に資料を配付されて、これ、いきなり見るというのは非常に困難で、機会費用が非常に高い会議だと思いますので、前日ぐらいでも結構ですので、少し資料を送付していただければありがたいと思います。

○石井部会長:資料を前もって配布してほしいということで、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、事務局にお返ししたいと思います。

○司会:本日は、ご審議いただきまして、ありがとうございました。

 資料の事前配付につきましては、鋭意検討させていただきます。

 本日お配りしました資料につきましては、郵送ご希望の委員におかれましては、お手元の用紙にご記入の上、机の上に置いておいていただければ、後日、郵送させていただきます。

 本日はどうもありがとうございました。

午後2時41分 閉会

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