中央環境審議会 自然環境部会議事要旨(第26回)

1.開催日時

平成27年1月20日(火)9:30~12:00

2.開催場所

環境省第二・三会議室(19階)

3.議事

  1. (1)甑島国定公園の指定及び公園計画の決定について(諮問)
  2. (2)三陸復興国立公園の公園区域及び公園計画の変更並びに南三陸金華山国定公園の指定の解除について(諮問)
  3. (3)上信越高原国立公園西部地域(名称未定)の指定及び公園計画の決定並びに上信越高原国立公園(妙高・戸隠地域)の公園区域及び公園計画の変更について(諮問)
  4. (4)上信越高原国立公園(谷川地域)の公園区域及び公園計画の変更について(諮問)
  5. (5)上信越高原国立公園(草津・万座・浅間地域)の公園計画の変更について(諮問)

4.議事経過

 諮問事項全てについて審議がなされ、それぞれ適当であるとの結論に至った。なお、主要な発言は以下のとおりである。

(1)甑島国定公園の指定及び公園計画の決定について(諮問)

委員:海域を指定する場合は、地図に海底地形も入れてほしい。海底地形がわからないと海のイメージがわかない。

事務局:海底地形図については今後検討を進める。

委員:ウミネコの繁殖地の南限とのことだが、規模はどれくらいか。北限や南限は脆弱な環境であり、橋梁を建設中とのことであるため、外来種の影響も気になる。

事務局:鹿島断崖がウミネコの繁殖地の南限とされており、平成24年度の鹿児島県の調査では、鹿島断崖では成鳥1個体、付近の鹿島港内で成鳥48個体、幼鳥4個体が確認されている。

委員:動物の外来種は確認されているか。

関係自治体:外来種の影響については確認されていない。

委員:ノネコ、ノラネコはいるか。

関係自治体:野生化したネコは、生息していると思われるが、ノラネコ、ノライヌの発生はない。

事務局:今後モニタリングを実施し保全体制の強化に努めて参りたい。

委員:自然環境の保全、活用に関わる民間団体若しくは個人は活動しているか。

事務局:ガイドとしては十分ではない状況であるが、活用の面においては海域であれば船の乗務員が地形地質の説明をしたり、地域の自然・文化を解説するような方がいる。

関係自治体:保全の面においては、民間団体は組織化されていないが、自然に関心のある地域の方が個人的に行政や関係者にアドバイスやご意見をいただいている。今後、ツーリズム推進協議会を立ち上げ、各分野の方に参画いただき組織的に活動できるよう検討していく。

事務局:地元の方々が従前からカノコユリの保全に取り組んでおり、保全の取組の素地はある。

委員:三面貼りの河川とはどのようなものを指すのか。

事務局:河川の下の面と横の面が3面が、コンクリートで覆われているものを指す。生物の多様性上あまりよくない、というご指摘のもの。

部会長:名称、甑島(こしきしま)国定公園も含め、これで異議なしでよろしいか。

委員:異議なし。

(2)三陸復興国立公園の公園区域及び公園計画の変更並びに南三陸金華山国定公園の指定の解除について(諮問)

委員:予算について前年並みとのことだが、復興予算期間が終了した後の維持管理費はどうなるのか。人件費は環境省から出ないのか。

事務局:復興特別会計予算は平成27年度までとなっている。今後のこの予算は不明な点もあるが、基本的に通常予算で対応していくことになる。八戸、石巻に自然保護官事務所を配置し現地体制を整えており、地元の方々との協力体制を整えていく。施設の維持管理については、光熱水費は国費、運営管理は地元のご協力をいただきながら、計画段階で地元と十分調整を図り、維持管理方法を決めている。トレイルのルートは、地元の方々とワークショップを重ねて決めており、管理についても地元の方々と共に検討しながら進めて参りたいと考えている。

人件費については、国が直接雇用はできないが、一部を国費から出したり、協議会で地元からのご負担をいただいて協議会で雇用するという形をとっている。

委員:新たな利用拠点、月浜園地の下に北上川河口の自然再生モニタリングとあるが、長面浜の保全活動の状況や月浜園地とのつながりはどうか。ここは重要な湿地である。

事務局:月浜園地にインフォメーションセンターを整備する計画になったのは、長面の干潟とのつながりがあったからである。自然環境の変化については生物多様性センターで東北太平洋沿岸の動きをデータで捉えているが、地元の人たちと共に干潟の変化を捉えていくため、インフォメーションセンターの設置を計画した。北上川周辺の自然環境を活かしながら、アクティビティを用意するとともに、自然再生の観点から、干潟の変化を捉え、どういう活動をすべきかを考える場としていきたい。

委員:パブリックコメントが0件であることについて、どのように捉えているのか。理解が進んでいないのか、国民が興味をもっていないのか。

事務局:グリーン復興プロジェクトではなく、公園計画というイメージが強く、意見が出なかったのかもしれない。地域の方々にはグリーン復興プロジェクトに期待を持っていただいている。

委員:みちのくトレイルのすぐ近くに宿泊施設がないので、無人の宿泊小屋があれば便利だと思う。検討願いたい。

事務局:宿泊施設については重要であり、地域からは公共施設の敷地をテントサイトとして使ってもよいとの話もいただいているところ。地域と協議を進めて行く。

部会長:異議なしでよろしいか。

委員:異議なし。

(3)上信越高原国立公園西部地域(名称未定)の指定及び公園計画の決定並びに上信越高原国立公園(妙高・戸隠地域)の公園区域及び公園計画の変更について(諮問)
(4)上信越高原国立公園(谷川地域)の公園区域及び公園計画の変更について(諮問)
(5)上信越高原国立公園(草津・万座・浅間地域)の公園計画の変更について(諮問)

委員:資料3-11にある、「新しい利用」とはどのようなものか。

事務局:上信越高原国立公園においては、大人数利用から小人数利用への転換が求められているところ。特にスキーシーズンの利用者の減少が著しく、グリーンシーズンのプログラムの充実等の検討が必要。国立公園としての地形地質や文化、人と自然の関わり等、ビジターセンターでの発信や解説者の育成等含め、新しい国立公園の利用として提案し、新たなプログラムを検討していく。

委員:環境省は今後国立公園の利用をこのような形で積極的に推進していくのか。それともこの地域としての提案なのか。

事務局:後者に近いと考えている。この地域については、糸魚川市が日本初の世界ジオパークに認定されており、地元の子ども達の教育や観光などに活用する取り組みを進めている。今回の分離も地形地質に特異性があったことに起因する。ジオパークについては国立公園と重複する部分が多く、地形地質に着目した教育と観光の連携など国立公園の利用とも相応するものである。国立公園課にジオパーク推進係長を配置したり、国立公園とジオパークの連携事業の予算などもある。これは一例ではあるが、新たな着目点として地域の魅力を引き出しながら新しい国立公園の利用を検討していきたいと考えている。

委員:社会的な期待の中で、国立公園に求められるものが変わってきている。これまで周遊型や集団での利用を国立公園がある意味育んできたとも言えるが、その大きな転換期にあるという認識。特別地域の非日常的な自然環境が利用の資源であったが、里地里山などの普通地域の資源に移行してきており、普通地域の資源性の価値が高まっている。公園計画の利用は基本的に周遊型を想定しているので、管理計画の中で利用計画のあり方を考えていただきたいということで意見を述べた。

委員:新国立公園の管理体制の構築について、管理計画の立案やモニタリングの評価にあたって、科学的な基盤が非常に重要だと考えるが、それをサポートする仕組みは考えているか。もし考慮されていないのであれば、協議会での審議をサポートする科学的なワーキンググループは必要であると思う。

事務局:科学的情報は重要だと考えており、地域の管理計画等にうまく活かしていきたいと考えている。

事務局:地域の専門家に意見をいただくのは重要と考えている。例えば、長野県の環境科学研究所では様々なデータを集めており、従来協力関係を築いている。今後もこういった連携を深めて参りたい。

委員:水域を扱う場合、流域も一体的に指定し保全を図るべき。

事務局:芳ヶ平の地域は普通地域が多く、調査が不足している。しっかりとした保全ができるよう調査を進める必要があると考えている。 

委員:国立公園の指定や変更にあたって、根拠となる自然環境の調査が不十分であるという印象を受ける。公園計画の変更等をきっかけに基礎的なデータを充実させてほしい。中之条町の自主的な調査の結果が公園計画の変更につながるという自発的な動きも大事であるが、システマティックな調査を充実させていくことが重要。

事務局:西部地域では、地元の有識者からのヒアリング、指定植物の見直し、動物に関しては、一般の参加者も募り、ライチョウの調査を実施したりもしている。

事務局:国立公園の指定植物を、レッドデータブックと整合性を図るように見直しを進めているところ。

委員:国立・国定公園全般について、計画を立てる際、このようなデータをもとにして作成したという説明があるとよい。計画書にまで入れる必要はないが、ベースとなる自然環境情報のリストができており、そのようなデータベースにアクセスできるような仕組みをつくっていただければと考える。

委員:チャツボミゴケ公園が普通地域だったことに驚いた。このように価値のある地域はまだ多くあるに違いない。国立公園は意外に見直しが進んでいない。新しい科学的知見や研究手法も増えているので、国立公園の見直しをすることで新たな価値が発見されるのではないか。知的な観光が盛んになってきていることもあり、国立公園の価値を高めることにもつながるので検討いただきたい。

委員:指定基準が指定書に書いてあり、その指定基準に照らし合わせ、見直しの際に従来からの状況がそれと比べ、基準から外れたので普通地域にする、区域から削除するなど、指定書に一段落入っていると分かりやすい。

事務局:先生方の意見を末永く反映するよう職員に指導する。

部会長:引き続き名称について議論する。

委員:地元からの意見はごもっともであるが、ユーザー目線、地元の方だけでなく、愛される公園を目指すためには、他人の意見を参考にしていただきたい。分かりやすい、妙高戸隠国立公園が良いと考える。山の名前としては他にもあるが、山だけではなく人の生活や信仰、文化全体に対してインパクトを持っているところの名前がよいと考える。国立公園の新しい利用という新しさの一つは、自然のみならず文化的なものも取り入れていくこということ。もう一つは、訪問者がコミュニティを支えるサポーターとしてファンとなり何度も訪れていただけるということも。愛されやすい名前がよいと考える。

委員:東部地域の名称は上信越高原国立公園のままか。

事務局:上信越高原国立公園のままで変更はない。

委員:資料3-8の別紙の3の歴史的背景の(2)の記述が説得力があると考える。どこにあって、どのような背景があって国立公園になったのかということが、訪れたことのない人にも分かりやすくなければ国立公園に指定する意味が崩れてくると考える。たくさんの方々が国立公園として支えていくという大きな第一歩ということもあるため、歴史的にも、土地の名前としても多くの人に親しまれており、分かりやすい、妙高戸隠がふさわしいと考える。

部会長:多くの委員が妙高戸隠という名称をこの国立公園に含めるべきという主張だったと考える。地域から様々なご提案もあり、地域の方々の想いもこの国立公園の名称になんとか込めることができないか。妙高、戸隠以外の山々が連なる、密集するというのがこの地域の特徴。この地形的な特徴を捉えた「連峰」や「連山」という言い方がある。この二つはかなり似た言い方だが、例えば近隣には後立山連峰という地形的な特徴が異なる山々もあるので、「妙高戸隠連山」というのが私としては色々な思いも含め相応しいのではないかと思うがどうか。専門的な観点から委員のご意見を伺いたい。

委員:辞典では違いはないが、連峰とは立山や槍穂高、飯豊朝日など、稜線が連なり、一度稜線に上がると歩いていけるようなタイプの山。連山とは霧島連山や日光連山など、全部歩こうとすると登って、また下りてという、孤立した山があるようなタイプ。この地域の場合は妙高、黒姫、戸隠など別個の山があるので、名前をつけるとすれば「連山」がふさわしい。

委員:地域の魅力は山だけでなく、野尻湖をはじめとする湖沼や高原もある。地域の方が考えるのがベストだと考えるが、まとまらないのであれば、信越高原国立公園がよいと考える。

委員:(信越高原国立公園は)上信越高原国立公園と一字違いで紛らわしいのでは。

部会長:私としては多数決では決めたくないと考える。信越高原国立公園の問題点としては、他方で上信越高原国立公園が存在すること。

委員:私もそのこと(上信越高原国立公園と信越高原国立公園が一文字違いであること)を言おうと思った。妙高戸隠連山はよい。山だけに注目するという問題も抱えているが非常に分かりやすい。妙高黒姫戸隠高原という案があるが、黒姫を表現しないデメリットがなければ、妙高戸隠連山がよいのではないか。

部会長:野尻湖がこの公園の大きな要素の一つであることは言うまでもない。また、妙高戸隠連山に含まれていないそれぞれの山の名称については、それぞれの自治体でそれぞれの想いがあることは私も承知している。新国立公園の名称と合わせて、国立公園なんとかという表現を積極的に活用いただき、情報発信するという形でご理解いただけないかというのが私からの提案である。国立公園野尻湖、国立公園雨飾、国立公園黒姫、という表現をそれぞれの地区で使っていただくことで、新国立公園の名称とあわせて、地域の人々が連携して関わっていただければよいのではないかと考える。

部会長:妙高戸隠連山国立公園で異議はないか。

委員:異議なし。

部会長:その上で、附帯条件を二つ提案させていただきたい。一つは、この国立公園の分離独立を契機に各自治体や関係する人々が連携して地域の活性化につなげること。もう一つは、従来他の国立公園で慣例的に使われているが、国立公園なんとかという表現により、それぞれの地域の個性を表現し、情報発信していただく素材として使っていただくことである。異議はないか。

委員:異議なし。

5.問い合わせ先

環境省自然環境局国立公園課(代表03-3581-3351)
課長    岡本 光之(内線6440)
課長補佐  長田  啓(内線6650)
専門官   浪花 伸和(内線6694)
計画係長  尾﨑 絵美(内線6691)

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