中央環境審議会 自然環境部会(第20回) 議事録

議事録

午後2時00分 開会

○事務局 お待たせいたしました。定刻となりましたので、これより中央環境審議会自然環境部会を始めさせていただきます。
開催に先立ちまして、本日の出席者数をご報告させていただきます。本日は、所属の委員、臨時委員25名のうち、16名の参加を得ておりますので、本委員会は成立いたしております。
続きまして、本日の審議のためにお手元のほうに配付しております資料について、ご確認をしていただきたいと思います。議事次第の後ろから配付資料の一覧表がございます。ご確認をお願いいたします。
まず、資料1、慶良間諸島国立公園の新規指定に関する資料。1-1で慶良間諸島国立公園の指定及び公園計画の決定について(諮問)、別添として、これは冊子になりますが、慶良間諸島国立公園指定書及び公園計画書(案)。続きまして、1-2、沖縄海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更について(諮問)。別添でございます、沖縄海岸国定公園公園区域及び公園計画変更書(案)。続きまして、1-3、慶良間諸島国立公園の指定案及び国立公園の決定案の概要。1-4、沖縄海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更案の概要。続いて、1-5、慶良間諸島国立公園の指定及び公園計画の決定並びに沖縄海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更に関する説明資料。参考でございまして、参考1、パブリックコメントの実施結果について。参考資料2、慶良間諸島国立公園に関する中央環境審議会自然環境部会現地視察における委員意見の概要でございます。
続きまして、議事(2)の関係でございますが、資料2、特定外来生物被害防止基本計画(変更案)。参考資料でございまして、参考資料1、特定外来生物による生態系等に係る被害を防止するための基本方針の変更について(諮問)、(付議)。参考資料2、特定外来生物被害防止基本方針の変更について。参考資料3、パブリックコメント実施結果について。参考資料4、パブリックコメント意見・対応一覧。参考資料5、動物の殺処分方法に関する指針(平成7年7月総理府告示第40号)でございます。続きまして、参考資料6、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の概要。参考資料7、特定外来生物被害防止基本方針(平成16年10月閣議決定)。
続いて、議事(3)関係でございますが、資料3、鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置について。3-1として、鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置について答申(素案)、3-2でパブリックコメント版。
議事(4)の関係になりますが、第1回アジア国立公園会議の結果について、というものでございます。
もし配付漏れ等ございましたら事務局にお申しつけください。
それでは、初めに自然環境局長の星野よりご挨拶申し上げます。局長、お願いします。

○自然環境局長 自然環境局長の星野でございます。本日は、年末のお忙しい中、中央環境審議会自然環境部会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
本日の議題三つ、答申事項が二つ、審議いただく事項が一つ、そして、四つ目は報告ということでございます。主にご議論いただく案件三つございます。
一つ目は、慶良間諸島国立公園の新規指定でございます。武内部会長初め、9月末に審議会の先生方による現地視察をしていただきまして、さまざまなご意見を現場で賜ったところでございます。国立公園の新規指定、いわゆる分割や拡張ではない新規の指定、これは1987年の釧路湿原国立公園以来27年ぶり、これは来年指定された場合を想定して27年ぶりということになるわけで、31番目の国立公園となるわけでございます。海域を沖合7キロにまで拡張して国立公園の区域に含める、これまでにない国立公園となっているわけでございます。新たな歴史の1ページといっても過言ではないような慶良間諸島国立公園の指定について、ご審議のほどよろしくお願いしたいと思います。
二つ目の議題でございますが、これも答申をいただく案件でございます。特定外来生物被害防止基本方針の変更でございます。この基本方針は、改正外来生物法の施行の基礎となるものでございます。8月、自然環境部会でご審議いただいた以降、外来生物対策のあり方検討小委員会において検討いただいてきたところでございます。本日は、この小委員会で取りまとめていただきました基本方針の変更案について、ご審議をいただきたいと思っております。
3点目でございます。鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置についてという議題でございます。本日は、鳥獣保護管理のあり方検討小委員会で取りまとめていただきましたパブリックコメントにかける答申素案について、ご審議をいただきたいと考えております。なお、今後は、この小委員会においてパブリックコメントを踏まえた答申案を取りまとめていただきまして、来月、1月に改めて、この自然環境部会においてご審議をいただく予定でございます。
本日ご議論いただく事項たくさんございますけれども、時間も3時間という長丁場でございますけれども、ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○事務局 それでは、報道の方はここでご退室をお願いいたします。
それでは、これよりの議事進行につきまして、武内部会長にお願いいたします。
武内部会長、よろしくお願いいたします。

○武内部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
皆さん、年末の大変お忙しい中をお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。今、局長からございましたように、非常に大きな二つの答申についてご議論いただくということで、少し長い時間ですけれども、ご協力をお願いしたいと思います。これは従前の審議会ですと、実は自然環境部会と野生生物部会という別々の部会で本来議論していたものを、今回一つの部会の中で議論をするということで、こういう大変重い大きな形になっておりますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
本日の部会ですけれども、公開で行います。したがって、報道関係者、傍聴の皆さん方も同席しておられます。議事録については後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員のご了承を得た上で公開をすることにいたしたいと思います。
なお、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを私、部会長が了承した上で公開することについて、皆さん方のご了承をいただきたいと思います。
また、会議資料につきましても公開ということになります。
それでは、早速ですが、最初の議題、慶良間諸島国立公園の新規指定についてということで、事務局より説明をお願いいたします。

○説明者(浪花) 国立公園課の浪花と申します。私のほうから、議事(1)慶良間諸島国立公園の新規指定について、ご説明させていただきたいと思います。本日ご審議いただく内容ですが、現在、沖縄海岸国定公園の一部として指定されております慶良間諸島について、環境省で調査した結果、国立公園の資質を有するということが認められますので、国定公園から切り離しまして、新たに国立公園として指定するものでございます。
まず、諮問文書の説明をさせていただきたいと思います。今回、諮問文書2枚、本件に関してございます。まず、資料1-1が、今回新たに慶良間諸島国立公園を指定することに関する環境大臣から中央環境審議会会長宛の諮問文書となっております。資料1-2につきましては、沖縄海岸国定公園から慶良間諸島地域を切り離すことに伴う公園区域及び公園計画の変更に関する諮問文書となっております。具体的な諮問内容につきましては、資料1-1と冊子になっております別添です。別添のほうに、慶良間諸島国立公園の指定書と計画書の案になっております。資料1-2の別添が、こちらが沖縄海岸国定公園の計画変更書の案となっております。冊子は大変長いので、資料1-3と1-4それぞれに概要として1枚紙にまとめておりますが、それらを参考としていただきまして、本日これらの内容につきまして、資料1-5のスライドを用意しておりますので、そちらのほうで概要をご説明させていただきたいと思います。お手元の資料1-5またはパワーポイントをご覧ください。
まず、慶良間諸島の概要になります。位置は、沖縄本島から西へ約40キロに浮かぶ大小30あまりの島々となっております。行政組織は、渡嘉敷村と座間味村と2村から成っておりまして、人口は両村で2,000人弱となっております。産業は、両村とも農業、水産業、観光業となっておりますが、大部分はダイビングなどの観光利用による観光業がメインの産業となっております。
歴史的背景ですが、かつては中国の唐船貿易の中継地としても栄えておりましたし、また、カツオ漁が栄えていた時代もありました。また、沖縄戦において米軍が最初に上陸した地でもありまして、多くの村民が犠牲となった場所でもございます。
自然環境につきまして、両村周辺には優れたサンゴ礁を有しておりまして、その一部がラムサール条約登録湿地となっております。また、座間味村のほうには、国の天然記念物のケラマジカが生息しており、また、渡嘉敷村のほうには、慶良間諸島の最高峰の赤間山などの2,00メートルを超す山々が見られるという状況になっております。詳しい自然環境につきましては後ほどご説明いたします。
慶良間諸島国立公園指定の検討の背景になります。環境省で、平成19年から22年度に実施しました国立・国定公園総点検事業におきまして、専門家によって新規指定あるいは大規模拡張をすべき地域として、18地域が選定されております。そのうちの一つが慶良間諸島沿岸海域となっておりまして、この地域の評価のポイントとしては、透明度の高い海あるいは高密度で多様なサンゴ、そして、ザトウクジラの繁殖海域といった陸から海にかけて多様な生態系を有しているというところが評価されております。今日の指定に当たっては、慶良間諸島のある渡嘉敷村、座間味村からも国立公園指定にご理解をいただきながら、その指定に向けた作業を進めてまいりました。
続いて、国立公園の指定理由になります。従来、国定公園時に評価されておりました多島海景観あるいは海中景観といった評価に加えまして、今回新たにサンゴ礁を中心とした生態系、あるいはザトウクジラの繁殖海域といった海域の多様な生態系を有している点と、それに加えまして、透明度の高い海域あるいはサンゴのかけらなどでできた白い砂浜、そして、切り立った断崖や岩礁といった多様な海域景観、これらを新たに慶良間諸島の評価に加えまして、海から陸まで連続した多様な景観を有しているということで、今回この点が我が国の代表する傑出した地域として新たに国立公園に指定したいと考えております。
慶良間諸島の主な景観要素ですが、スライドにあるとおり、多様な景観をこの地域で有しているというのがこの地域の特徴になっております。これらを踏まえまして、本国立公園のテーマというのを設けているのですけれども、「美ら海慶良間―海と島がつくるケラマブルーの世界」ということで、今回、公園計画書にテーマとして明記させていただいております。
続きまして、慶良間諸島国立公園の指定区域の案になっております。従来、国定公園のときには、島から沿岸1キロを国定公園としておりました。ただ、今回新しく評価されたサンゴ礁を中心とした生態系、あるいはザトウクジラの繁殖海域といったところを評価の対象に入れておりますので、今回はザトウクジラの繁殖海域を含む沿岸7キロを大幅に公園区域に広げて、ちょっとスライドだと見にくいですが、この外側の丸の部分が沿岸7キロの範囲となっております。陸域につきましては、ここにチービシと言われる小さな島々があるのですが、ここを今回新たに国立公園に加えまして、その他、住宅・港湾など生活区域を除く、ほぼ陸の全域を国立公園の区域としております。
国立公園の景観特性になります。海域につきましては、先ほどご説明しましたとおりザトウクジラの繁殖海域ということで、ちょうどこの冬のシーズン、ザトウクジラが慶良間周辺海域に見られるようになっております。また、多様な海域の生態系ということで、サンゴ礁が大変多様ですが、特に造礁サンゴの248種が確認されておりまして、この地域だけで日本で確認される造礁サンゴの62%が生息しているという、多種多様なサンゴを有しているのが特徴となっております。また、そのサンゴの幼生ですが、沖縄本島への供給源にもなっておりまして、その点でも重要なサンゴ礁であると言えると思います。
続きまして、陸域のほうも多様な景観を有しております。まずは多島海景観ということで、この慶良間諸島は陸域の沈降によって形成されておりまして、その沈降した、その沈んだ先端部分が慶良間諸島という形で島が残っているという状況です。我が国の中では、多島海景観というのは、亜熱帯地域では特異になっております。また、内海にはサンゴのかけらを主体とした白い砂浜が広がっておりまして、その砂浜にはアオウミガメなどのウミガメ類の産卵場となっております。また、外洋側には、強い風の影響もありまして、海食地形となっております。100メートルから200メートルに達する海食断崖もございまして、このように陸域も多様な景観を有しているということが特徴になっております。
続きまして、野生動植物のほうになります。植生は亜熱帯性の植物で、ビロウ林、リュウキュウマツ林等、620種以上の自生植物が生息しているのですが、やはり冬季に強い季節風が吹くということで、矮小化した植生も見られております。また、動物については、ホントウアカヒゲ等、あとは両生・爬虫類の絶滅危惧種あるいは固有種が生息しております。また、アジサシ類の繁殖地としても本土地は有しておりまして、また、外来種になりますけども、ケラマジカの生息もしております。また、先月、グリーンアノールを慶良間諸島で環境省として初めて確認いたしました。座間味島で確認をしております。生態系に当たる影響については現時点で不明なんですけども、今後、生息状況の調査や捕獲等の対策を実施していくことを考えているところでございます。
続いて、人文景観になります。唐船貿易の中継地として栄えた名残がございまして、高良家と呼ばれる国の重要文化財がございます。また、豊漁や航海の安全を祈願した海神祭であるとか、浜におりて海水で身を清め、健康を祈願する浜下りという自然と関係の深い行事も残っております。また、渡嘉敷島にある沖縄戦の集団自決地であり、戦後のミサイル基地となった場所には、沖縄返還された際に平和のシンボルとして、国立沖縄青年の家というものが写真のとおり設置されておりまして、現在では、平和学習はもとより、自然環境の教育の場として研修や修学旅行を受け入れているという状況になっております。
続いて、利用の概況になります。渡嘉敷村、座間味村合わせて、おおむね20万人弱がこの本地を訪れておりまして、グラフにあるとおり30年ほど前と比べても増加の傾向にあるという状況です。主な利用形態ですが、スキューバダイビングや冬季のホエールウオッチングなどの海域利用が主たる利用となっておりまして、その資源を守るために地域でルールを定めて、地域の方が自主的にその保全に努めているという状況になっております。
以上、これまでが指定書の部分に関するご説明をさせていただきました。ここからは公園計画書の内容についてご説明させていただきたいと思います。
まずは、保護規制計画につきまして、最も厳しい地区である特別保護地区あるいは第1特別地域の配置計画案をスライドに載せております。ここの部分につきましては、陸域景観の核心的な地域となっております。ケラマブルーの海と多島海景観の相まった優れた景観を有している地域であるとか、あるいは特に急峻な海食崖、あるいはサンゴの砂浜がある地域、あるいは風衝植生が生育している地区となっておりまして、陸域の核心的な地域となっている部分になります。また、この地域の周辺には、豊富なサンゴが生息している地域でもございます。特に座間味島の北部であるとか、この屋嘉比島とか、そういったところはアジサシ類の繁殖地でもあるので、そこはより厳正に保全したいということで特別保護地区とさせていただいております。
続きまして、第2種、第3種につきまして、第2種はピンク色の部分になっておりまして、こちらは第1種までには及ばないですが、海食崖であるとか砂浜、風衝植生が見られる地域で、それらの本地域の特徴的な風致を有するために、第2種特別地域として指定したいと考えております。第3種は、緑色の地域でありまして、こちらはリュウキュウマツ等の二次林を中心とする森林が広がっている地域です。これらの地域を利用して営まれている農林業がございまして、そういった農林業が織りなす風致と一体となって維持するために第3種として指定をしております。
続いて、海域のほうになります。海域の中で最も規制が厳しい海域公園地区という地区がございます。工作物の新築であるとか海底の形状変更等、厳しい規制がかかる地区ですが、今回はサンゴ礁が高密度に生息する水深30メート以浅の海域を指定しております。図面で言うと、この濃い青い区域の部分が30メートル以浅の部分になっていまして、こちらはサンゴ礁が高密度に生息する地区になっております。こちらにつきまして、海域公園地区とさせていただきたいと考えております。
地種区分別に面積を整理させていただいております。陸域はチービシの分で若干の増があるという状況ですが、海域につきましては、当初1万5,000ヘクタール程度だったのを、今回、海域は9万ヘクタールと、プラス7万5,000ヘクタールほど海域の部分を広げております。また、海域公園地区という一番厳しいところですけども、こちらについては約8,000ヘクタールということで、大幅に海域の保全を強化した計画とさせていただいております。
続きまして、施設の計画になります。こちらからはエリアごとにご説明したいと思います。まずは座間味エリアで、座間味島の部分になるのですが、既に国定公園時にかなりの施設が整備されております。展望園地としては、高月山園地、チシ園地、ンナザチ園地、神の浜園地というところで、こちらは展望園地として整備をされております。また、古座間味園地ということで、こちらは海水、砂浜が広がる地域でして、海岸周辺の探勝園地として計画をしております。また、野営場も阿真野営場、阿真海岸のところに野営場があるのですが、こちらもテントサイトやトイレが整備されておりまして、これらは、これまでの国定公園時に整備をされてきた施設でございます。そのまま国立公園の事業として引き継ぐ形で進めていきたいと考えております。
今回、この地区で新たに施設計画を予定しているのが、博物展示施設と言われる、いわゆるビジターセンター等の施設を建てる計画ですが、環境省としても海域の利用のマナーのレクチャーなどができる施設を設置したいということで検討しております。設置場所やその機能については、地域の方々のご意見を伺いながら検討していきたいというふうに考えております。
また、新たにサンゴ礁の保全・再生のために自然再生施設というものを計画しております。こちらはオニヒトデによる食害や白化によりサンゴ礁が減少しておりますので、サンゴ礁の保全はこれまで地域の方々の自主的な取り組みで進められてまいりましたが、環境省ではそれらの取り組みと連携して海域の保全の強化を図りたいと考えております。
同じく、座間味村の阿嘉島、慶留間島の部分になります。こちらも既に国定公園時に整備をされている事業がほとんどになっていまして、それらについては国立公園の事業として引き継ぐ形で進めたいと思っております。新たに計画する園地としては、阿嘉島、阿嘉園地という部分になっていまして、ここは港の入り口の部分になっております。ここは阿嘉島、阿嘉とか慶留間の地域の陸域や海域の利用を案内するための案内所や休憩地を含めた園地として整備を進めてまいりたいと考えております。
最後に渡嘉敷島になります。こちらも全て国定公園時に整備されている施設でありまして、そのまま国立公園の事業として引き継ぐ形で進めたいと思います。また、新たに渡嘉敷島と同様、博物展示施設、自然再生施設を計画しておりますので、地域の方々のご意見を伺いながら進めてまいりたいと考えております。
続きまして、パブリックコメントの概要になります。8月から9月にかけて30日間実施をしております。いただいた電子メールによるもの7通でして、参考資料の1をご覧ください。パブコメの一覧表がついております。延べ24件、ご意見をいただいておりまして、指定についての評価のご意見をいただいた一方で、海域の規制の強化であるとか、国立公園の指定後の管理について幅広いご意見をいただいております。これらは慶良間諸島の有するすばらしい自然環境を守り継いでいくことへの期待だというふうに認識しておりますので、環境省としても地域の方々と話し合いながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
また、9月の末に3泊4日で本部会の委員の方々に慶良間諸島をご視察いただきました。当日は大変天気もよく、陸域の視察だけではなくて、シュノーケリングのほうも行い、海域の視察のほうもしていただきました。最終日には意見交換会もさせていただきました。主な意見の概要を参考資料2としてまとめてございます。
こちらでは大きく四つに整理をさせていただきました。一部、簡単にご紹介させていただきますと、国立公園のテーマにつきましては、海だけではなく、陸と海のつながり、生業・歴史・文化も踏まえて、この国立公園を評価すべきだという意見をいただいております。
また、自然環境の調査につきましては、サンゴ礁だけでなくて、海域生物全体の調査やモニタリング、また、陸域の地形や植生等のさらなる調査が必要だというご指摘を受けております。
施設整備・普及啓発です。本国立公園の自然の価値や歴史を利用者はもちろん、島民にも理解していただけるような取り組みが必要というご意見をいただいております。
国立公園の管理につきましては、サンゴの再生手法や森林のきめ細かな管理、再生手法についてご意見をいただいております。特に視察時には、自然環境に関する調査の部分、陸域・海域ともに調査が不足しているというご指摘をいただきました。環境省としても今回の指定で終わりではなくて、より適切な公園管理あるいは公園計画としていくべく、国立公園指定後においても自然環境のさらなる把握に努めてまいりたいと考えております。
国立公園の名称につきましては、「慶良間諸島国立公園」ということを提案させていただいております。これまで沖縄海岸国定公園においても「慶良間諸島地区」であるとか、ラムサール条約登録湿地名も「慶良間諸島」となっております。また、渡嘉敷村、座間味村のご意見も「慶良間諸島」ということでいいのではないかというご意見をいただいておりますので、「慶良間諸島国立公園」という名称にしたいと考えております。
最後に、沖縄海岸国定公園のほうにつきましてご説明いたします。経緯としましては、昭和40年、琉球政府立公園という形で、沖縄本島の側の西海岸の部分が指定をされておりました。昭和47年5月、沖縄返還とともに新たに国定公園という形で指定をしております。その後、昭和53年12月に多島海あるいはサンゴ礁の景観が評価されまして、慶良間諸島を本国定公園に編入をしております。今回は、慶良間諸島地域を再度分離するという手続になります。
沖縄本島側の地域は、東シナ海を臨む沖縄北部の海岸線から成っておりまして、サンゴ礁に縁取られた優れた海域景観や固有の生物相、例えばヤンバルクイナとかノグチゲラ、ケナガネズミ等、希少な動物を有する亜熱帯地域の代表的な自然の風景地として国定公園として指定されております。今回、面積が分離するために減りますが、国定公園に必要な規模である3,000ヘクタールという基準は満たしておりますので、分離後も国定公園の資質を維持していると考えております。なお、細かい地種区分であるとか、利用施設の細部につきましては、今後、定期的に行われている点検の中で必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
以上、慶良間諸島国立公園の新規指定について、ご説明させていただきました。ご審議のほどをよろしくお願いいたします。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、諮問事項の慶良間諸島国立公園の新規指定について、ご審議をいただきたいと思います。ご質問、ご意見のある方は札を立てていただければと思います。
尾崎委員、お願いいたします。

○尾崎委員 今回、陸域で追加になりました慶良間の渡嘉敷村の慶伊瀬島、チービシですけども、この資料にもありますようにⅡ類、特にアジサシ類の集団繁殖地になっておりまして、今回の指定、非常に有意義だと思います。ただ、既に観光業者が入っている場所がありまして、公園に指定することによってさらに人が増えることと、アジサシ類は基本的には人をあまり好まない、人がいるところには繁殖しないということがありますので、その辺の整合性がなかなか難しいのかなと考えておりますけれども、基本的には非常にいいことだと思います。

○武内部会長 どうもありがとうございました。今後の管理計画等の中でいただいたご意見は反映させていきたいというふうに思います。
ほかに。よろしいですか。もし現地視察をされた委員の中で何か追加的な説明がございましたら。
小泉(武)委員、いかがですか。

○小泉(武)委員 行くまでは海のことばかり話がされていましたが、あそこを見させていただいて、陸とか植生も非常に特異なものがたくさんある。実は驚きました。海はもちろん非常に大事ですが、今回実際に指定できたら、さっき出ていましたが、やはり陸域の地形・地質・植生、その他、いろいろ調査する必要があると思います。ですから、その辺はぜひお願いしたいと思いますが、前から出ていたのと、あと、すごい多島海景観ですかね、それが非常に優れているという形で出ていましたが、やはりこれはもう全国的に見てもほかに例がないくらいのすばらしいものだと思いますが、それは国定公園の指定の条件になっていたと思います。今回それにプラスいろんなものがさらに入ってくると思いますので、それなりの調査をぜひしていただきたいなと思っています。
以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
もう一人、浜本委員、利用の面から何かコメントがございましたらお願いします。

○浜本委員 今回指定される二つの島を中心としました慶良間諸島、もう既に地域を担う産業のほとんどが観光業ということで、たくさんの人たちが入ってきておりまして、地元の方たちもそのことをしっかりと認識はしてはいるんですけれども、保全をする側と観光を進める側の人たちがもうイコールではないという、やっぱりどこの地域でもあるような問題点が見え隠れいたしました。
こちらの視察に参加した者の意見の中にもあるんですが、要は文化や産業まで含めて国立公園になるようなストーリー性を持たせることであるとか、それを伝えるきちんとしたインタプリタの養成であるとか、要はそこを国立公園としての価値を守っていくような、美しいところだねというだけではない、そこを保全して、保全や保護に当たって守っていっている活動をしている方たちも、ぜひとも紹介をしていって、観光イコール保全活動という形に結びつくような、そういう国立公園のあり方というものをぜひとも目指していただきたいと思います。

○武内部会長 ありがとうございました。
磯部委員、どうぞ。

○磯部委員 途中に書いてあったことでもあるんですが、チービシの辺りというのは、島の規模として小さくて、地形的に脆弱性の高いところなので、特にサンゴの土砂の採取とか、地形を維持するために土砂を管理するというのをきちっと今後もやっていただきたいと思います。そうでないと、あそこはなかなか長期的に維持するのは難しいところだと思います。

○武内部会長 どうもありがとうございました。貴重なご意見でございました。
それでは、下村委員。

○下村委員 パブリックコメントへの答え方に関してなんですけれども、11番ですね、先ほど浜本委員がおっしゃっていたような保護の問題と、それから利用というものを上手に行って、地域の持続可能な社会づくりに寄与することを打ち出してほしいというご意見ですね。今後の慶良間諸島国立公園の管理運営に当たり参考とさせていただきますというふうに答えてはあるんですが、資料1-3の基本方針の一番最後に、地域の活性化に結びつく利用を進めますというようなことをもう書いてあるんですね。前回の復興公園の中で、かなり地域の文化的な側面ですとか、それから、地域の地域社会の振興だとかにも結びつけてきますよというカラーを結構出したわけですね。それに続く第一弾の新規の指定になりますので、そういったカラーを引き継いでいくのかどうかと割とはっきりさせたほうがいいんだと思うんですね。ですから資料1-3を読むと、若干その辺りは読み取れるんですけど、少し表現が弱くなっているとはいえ、ある程度それが読み取れると。ところが、パブリックコメントは、今後の参考にさせていただきますとしか書いてなくて、ここは基本方針の中にちゃんと盛り込んであるんだということを答えたほうがいいんではないかなと思っているんですが、その点。

○武内部会長 ちょっと答え方に誠意がないと、こういうご意見ですね。
課長、どうぞ。

○国立公園課長 国立公園課長でございます。
今、下村委員からご意見がございました件につきまして、私どもの基本理念として、きっちり三陸復興国立公園に次いで、この公園も国立公園の自然だけではなくて、その地域の伝統や文化、歴史も含めて、そういったもの訪れた方に打ち出していきたいと思います。また、ここはエコツーリズム推進法に基づく協議会が設立されておりまして、全体構想もできてございますので、そういったことも含めて対応していきたいと思います。

○下村委員 パブコメはこのままでいいんですか。

○武内部会長 これ、公表してしまったのね。

○説明者(浪花) 公表しております。

○武内部会長 ということで、今後、心がけをよくするということでお許しをいただきたいということでございます。

○説明者(浪花) 申し訳ございません。

○小長谷委員 同じ回答が12回繰り返されているのは誠意がないように思われてもしかたないので、修正されたほうがよいでしょう。

○説明者(浪花) 以後しっかり答えていきたいと思います。申し訳ございません。

○下村委員 追加で申し訳ないですが、方向転換を図っているよというカラーをちゃんと出したほうがいいと思うんですね。そういう公園になってきているというのをもう少しちゃんと出したほうがいいと思うので、これからいろいろ情報発信も含めてご検討いただければと思います。

○武内部会長 ほかに。

(なし)

○武内部会長 よろしいですか。
それでは、どうもありがとうございました。慶良間諸島国立公園予定地には、9月に審議会委員で視察を行った際、海域や陸域の調査のさらなる必要性、また、陸域の土地利用区分の見直し等について、また、文化・歴史、こういうものも反映させるべきだというふうな、さまざまなご意見をいただきました。私としても指定後のよりよい管理につなげるためにも、特に調査の部分は必要だと思いますし、それから、陸域については、今回はちょっと難しいと思いますが、長期的に再検討するということが必要だと思います。また、文化、地域の活性化等の議論ももっとする必要があるというふうに思います。そこで、諮問に添付された慶良間諸島国立公園の指定書及び公園計画のとおり、新たな国立公園を指定することについては、中央環境審議会からの答申として、次の措置を講じられたい旨、付記することを提案させていただきたいと思います。こういうことを付記するということで、できれば皆さんにお認めいただきたいということでございますが、読み上げます。
慶良間諸島では、サンゴ礁生態系やザトウクジラの繁殖海域など、海域の多様な生態系を有するとともに、陸域において雄大な海食崖、慶良間諸島成立の地種を考える上で重要な地質の露頭、優れた植生を有する景観が見受けられる。このため、国立公園指定後においても、海域及び陸域の自然環境の把握に努め、それらを公園計画の見直し及び適切な管理に生かすこということを付記するということで皆さんにお諮りしたいと思います。
また、あわせて沖縄海岸国定公園の公園区域及び公園計画変更書のとおり、沖縄海岸国定公園の区域及び公園計画の変更についてお諮りしたいと思います。これらについて、ご異議ございませんでしょうか。大きな声で異議なしと言っていただけると大変ありがたいんですが。

(異議なし)

○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、本件については適当と認めることにしたいと思います。
本日は、渡嘉敷村の座間味昌茂村長、座間味村の宮里哲村長に遠路お越しいただいておりますので、それぞれお一言ずつお言葉をいただければと思います。
それでは、渡嘉敷村の村長さん。

○渡嘉敷村長 ただいまご紹介いただきました、沖縄県渡嘉敷村村長の座間味昌茂でございます。
本日は、中央環境審議会で慶良間地域の国立公園指定ということで皆さん方のご審議をいただきました。心からお礼を申し上げたいと思います。
慶良間地域は、その昔から非常に自然環境に恵まれた地域でございまして、現在でも、そういうものを利用した観光事業は盛んであります。我が村では、私たちの慶良間諸島では、そういう自然を大切にしていくということが今後の子々孫々まで残していく大事な先人たちから受けた自然環境でございますので、今後も、今日のこの答申の皆さん方のご意見を参考にしながら、これからも自然を大事にして慶良間諸島の発展のためにますます頑張っていきたいと思っておりますので、よろしく今後ともお願いをしたいと思います。
本日はまことにありがとうございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、座間味村長、お願いいたします。

○座間味村長 皆さん、こんにちは。沖縄県座間味村長の宮里哲でございます。
本日は、慶良間諸島の国立公園指定に向けてのご議論、本当にありがとうございました。いろいろなご意見がありましたが、しっかりと胸に刻んで、新たな国立公園として恥ずかしくないような地域をつくっていきたいと思います。私たちの地域は、美しいだけではなくて、自然・歴史もしっかりとしていると自負しておりますので、それらでも全てしっかりと後世に伝えていけるような環境を両村で一緒になって頑張っていきたいと思っております。これからもぜひよろしくお願いをしたいと思います。
本日は本当にありがとうございました。

○武内部会長 両村長、大変おめでとうございます。今日はクリスマスイブですので、村民の皆様方にプレゼントということで、ぜひよろしくお伝えいただきたいと思います。どうもありがとうございました。
次に、特定外来生物被害防止基本方針の変更について、ご議論いただきたいと思います。本件については、外来生物対策のあり方検討小委員会で大変熱心にご検討いただいたものでございまして、本日、その結果の取りまとめを行いたいと考えております。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○説明者(東岡) 外来生物対策室の東岡と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、資料2の特定外来生物被害防止基本方針の変更案について説明する前に、まず経緯を確認しておきたいと思います。
資料2の後ろの参考資料1の諮問文をご覧ください。今年の8月23日に環境大臣及び農林水産大臣から中央環境審議会に対して、基本方針の変更について諮問をしております。このページの裏では、この諮問を受けて、自然環境部会に付議されています。
次に、資料2の後ろの参考資料2をご覧ください。2ページ目のところに、3ポツ、検討のスケジュールがございまして、8月29日の自然環境部会で、外来生物対策のあり方小委員会での検討をご了承いただきました。そこでパブリックコメントを挟みまして、小委員会で2回の審議をしていただいております。資料2の案につきましては、12月9日、2回目の小委員会の審議を経て、石井(信)委員長に取りまとめしていただいたものになっております。
今回の変更の内容ですが、参考資料2の1ページ目をご覧ください。そちらに記載のとおりでございますが、平成25年の通常国会で6月に外来生物法を改正しております。その外来生物法の改正に伴うもの、それから、平成24年12月に外来生物法の施行状況の点検をやっておりまして、そのときに中央環境審議会から意見具申をいただいております。そういったものを踏まえて変更したものが今回の基本方針の改正の主なポイントになります。
なお、パブリックコメントでございますが、資料2の後ろの参考資料3をご覧ください。1ページ目にあるとおり831件のご意見をいただいております。主には、特定外来生物の防除とか飼養に関しまして、動物愛護の観点からの意見を多くいただいているという現状でございます。時間もございませんので、詳細は割愛させていただきます。
それでは、資料2に戻りまして、本文について、主な改正点にアンダーラインを引いておりますので、その主な改正点をご説明いたします。
資料2のまず1ページ目の14行目、外来生物対策の目的として、生物多様性の保全を強調すべきと、そういうご意見を委員からいただいて、1ページの14行目が追加されております。
それから、1ページ目の32行目、生物多様性条約の関連の第6回の締約国会議で採択された外来生物対策の基本方針である指針原則を正確に表記しております。
次、2ページ目の前半がかなりアンダーラインを引いておりますが、これは今回、今国会で外来生物法が改正されたことを踏まえ、全体の文章の流れを整理しまして、2ページ目の10行目から外来生物法の改正の内容を記載しております。2ページの15行目に、改正のポイントを書いております。当該外来生物が交雑することにより生じた生物を特定外来生物に指定できる、交雑種の指定。それからb、主務大臣の許可を受けて防除の推進に資する学術研究のための特定外来生物の放出等ができること、つまり放出の許可制度の導入。c、特定外来生物が付着または混入しているおそれがある輸入品等の検査ができること。また、付着・混入している輸入品の消毒・廃棄の命令ができることなどが新たに規定され、改正の概要を記載しております。
それから、3ページ目の22、23行目ですが、これはパブリックコメントから意見をいただいたものでして、外来生物の役割というのは、これまで国土の保全だけではなくて食料供給という役割もあるんではないか、そういうご意見をいただいておりますので、そうした食料の安定供給に貢献しているものもあるという記載をしております。
それから、飛びまして、4ページの7行目。これは法改正により、交雑種を指定する際の考え方を書いております。基本的には、外来生物の種の組み合わせですとか、外来生物と在来生物の種の組み合わせを単位として指定するもので、必要に応じて、属・科などの生物分類群も組み合わせます。例えば外来生物のアカゲザルとニホンザルが交雑することにより生じた生物、そういった形で政令に指定するということを想定しているものでございます。
同じページの20行目、ウのところですが、こちらは2種の組み合わせで交雑種を指定するということですが、その指定には2世代、3世代の親種との戻し交雑についてもその特定外来生物に含まれるということで、その由来となる生物との交雑による後代の生物も特定外来生物に含めるという記載をしております。
次、5ページ目の27行目ですが、これは24年の中央環境審議会からの意見具申の指摘事項でございますが、特定外来生物の指定に当たって、予防的観点から属・科などの単位の指定に努めるということと、あと、生態系に係る被害を及ぼすことが懸念される外来生物が我が国で初めて確認された場合など、そういった場合に早急な指定を行うという趣旨を記載しております。
次、飛びまして、6ページ目の33行目、これも法改正に伴うものでございますが、放出の許可制度、それから、放出による防除などの制度を今回設けるということを記載しております。
次、7ページ目の16行目から18行目、それから、それとあわせて8ページの8行目から4行ぐらいを削除しておりますが、愛玩目的の飼養許可につきまして、2カ所に分けて記載しておりましたので、まとめて1カ所にこちらに記載をしているというものでございます。
それから、8ページに飛びまして、8ページの16、17行目、これもパブリックコメントの意見を踏まえて修正したものでございますが、参考資料5に動物の殺処分方針に関する指針というものを添付しておりますが、そうした告示を踏まえるべきという意見を踏まえて修正したものでございます。
それから、同じページの32行目、放出の許可制度の考え方を示しております。
主な点を紹介しますと、9ページ目の9行目をご覧ください。放出の許可の目的ですが、防除の推進に資する学術研究の目的で行う場合に限ります。また、12行目、許可の基準ですが、当該放出等が特定外来生物の生息地または生育地を拡大させるおそれがない、また、土地所有者などの同意を得ていること、また、防除の推進に資する成果が見込まれる、そういった基準を設けるということ。それから、許可条件、23行目でございますが、許可に当たって、必要に応じて、放出等の数量の制限、放出等の報告の届け出、そういった条件を付す。下の30行目でございますが、その他の遵守事項として、許可をした際は許可証の携帯ですとか、周辺の土地所有者に対して理解を得るよう配慮すると、そういった記載をしております。
それから、10ページ目、立ち入り等でございますが、これも法改正事項でございまして、これまで許可者に対してしか立ち入り規定がなかったんですが、今回の改正により、許可を得てない者、違反者に対しても立ち入りができるという規定ができましたので、そうしたことを記載しているということと、15行目は、そういった違反者に対して、放出した外来生物の回収を命ずることができると、そうした規定を記載しております。
それから、11ページの32行目ですが、これは防除による放出を行う場合の規定を書いております。これは、例えば沖縄で果物の害虫であるウリミバエなどは、放射線を当てて大量に不妊化させた個体を放出することで防除しておりましたが、そういった方法について記載をしております。
飛びまして、13ページの12行目、これも法改正事項でございますが、防除をする際に、土地所有者が不分明な場合についての手続規定を設けておりますので、そうしたことを記載しております。
飛びまして、15ページの11行目、これは放出による防除について記載しておりますが、生態系の被害が出るおそれがある場合は、回収命令もできるということを記載しております。
その他、15ページの21行目ですが、これは意見具申を踏まえた修正でございまして、国は、地方公共団体と連携して外来生物の分布情報、防除手法を収集して、情報の共有に努めるということを記載しております。
それから、15ページの26行目からですが、これは輸入品の検査ということで、これも法改正に伴って、どういった場合に検査、消毒命令をかけるということを規定しております。具体的な内容を見ますと、16ページの2行目、検査をする場合、どういったことを想定しているかということなんですが、植物防疫所や税関などの輸入通関時の検査において特定外来生物と疑われる生物の付着または混入が確認された場合、それから、輸入品等の管理者から特定外来生物等の付着または混入の情報があった場合、過去の付着・混入の実績等を考慮して特定外来生物等が頻繁に付着または混入している等の危険性が高い輸入品であると認める場合、そういった場合に検査を行うことができると規定しております。
それから、同じ16ページの13行目からですが、どういった場合に消毒・廃棄命令をかけるかという基本的な考え方を記載しておりまして、16行目、管理者等が輸入を希望する場合には消毒を命ずる。ただし、十分に取り除くことができる消毒方法が存在しないなどの理由により、消毒を行うことが有効でない場合には滅却等の廃棄を命ずるとしております。また、物理的な捕獲で取り除きが十分可能であるという場合ですとか、植物防疫法などの他法令で取り除かれている場合、そういった場合は命令を行わないということを記載しております。
それから、同じページの25行目、命令の手続及び基準ですが、命令をするに当たって確実な取り除きができる方法で、品目ごとに有効な方法を検討する。消毒の基準については、他法令の基準も勘案する。今回、新たに外来生物法で新しく基準を設けるというよりも、植物防疫法の基準を準用するということを想定しております。
同じページの36行目、基準の設定に係る意見の聴取でございますが、こういった基準をつくる際には、農薬学、検疫等に関し専門性を有する学識経験者の意見を聞くということを規定しております。
それから、次の17ページの7行目、こういった基準をつくる際はパブリックコメントの手続をかけるということを規定しております。
それから、17ページの17行目、未判定外来生物のことが記載しておりますけども、これは18ページの3行目の未判定の選定対象となる外来生物の考え方、18ページの3行目の6行削除しておりますが、それをこちらのほうにまとめて記載をしております。あと、22行目から、特定外来生物を交雑することにより生じた生物が海外に存在するとの情報が得られた場合は、生態系に係る被害を及ぼすおそれがないとする科学的知見があるものを除き、原則、未判定外来生物に選定するということで、交雑種の未判定外来生物の選定の考え方を記載をしております。
同じページの37行目、これは意見具申を踏まえた記述でございますが、未判定外来生物は予防的観点から積極的に選定するよう努めると記載をしております。
それから、ずっと飛びまして、20ページの18行目、その他の(1)外来生物対策の総合的な推進でございますが、これも意見具申を踏まえて記載をしているものでございまして、意見具申の中で、国で外来種被害防止行動計画をつくりなさいということですとか、侵略的な外来種をリストアップしなさい、そういった提言を受けておりますので、そういった外来生物対策の総合的な推進に努めるということを記載しております。
それから、26行目、非意図的に導入される特定外来生物への対応の考え方ということで、32行目から、これは意見具申を踏まえまして、非意図的な対策について、主要な空港や港湾周辺で定期的なモニタリングの推進をする。また、特定外来生物の付着または混入が確認された輸入品等の生産地、輸出国、品目等の傾向ですとか、危険性が高い輸入品の生産・流通の状況を調べまして、その上で定着状況の把握に努め、必要に応じて、非意図的な導入を軽減または防止する措置を実施するということを記載しております。
以上、早くて申し訳ございませんが、以上で説明でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。小委員会の委員長を務められた石井(信)委員から何か補足がございましたらお願いしたいと思います。

○石井(信)委員 ありがとうございます。今、説明していただいた基本方針の変更案ですけれども、ご説明のとおり、まず今年の法改正があって、2ページのところに法改正の、主には三つのポイントが要約されていますが、それに応じて基本方針も変更していくと、そういう技術的な改定が中心でした。あと、昨年12月の意見具申で今後必要な措置という中の指摘事項を幾つか取り入れていただいたということです。
それで、変更点については今説明していただいたとおりですが、議論の中で、今までの変更する必要がないというか、法改正とは直接関わらないけれども、変更したほうがいいということも幾つかありまして、それは1ページのところに生物多様性条約というのが出てきますけれども、とにかく環境省の立場からは、やっぱり生物多様性の保全のために外来生物対策をしていくんだという面をもうちょっと強調したらどうかということで、条約の話ですとか、それから、条約の1ページの指針原則ですか、そういうことを入れていただきました。
それから、19ページから20ページのところになりますかね、一つは、外来生物対策するためにモニタリングを含めて、調査研究とか、それから関連情報の収集・整備をもっとしていくべきだと、それを提供していくべきだというようなことを、特に19ページから20ページに入れていただきました。
それから、パブリックコメントでは、やはり外来生物対策の中で殺処分ということが出てきますね、定着したものについてですけれども、それについての意見がとても多くて、動物の殺処分に関する指針というものを明記していただいたことで、あとは生物多様性保全というのはもちろんですが、農林水産業とか生活被害の防止という面でも、外来生物対策は非常に重要なんだということをまだまだみんなに理解してもらっていないという印象もパブリックコメントの結果から受けましたので、今後、丁寧な説明とか普及啓発というのが必要であるというようなことも記述を書き加えていただきました。具体的にどう進めるかというのは今後の課題だと思いますが、そういうことも20ページ辺りに書いていただいています。
それから、全体的な問題としては、これ外来生物法の運用に関する基本方針ですけれども、外来生物法だけではカバーし切れない、いろいろな問題が外来生物は出てきます。例えば大規模な土地改変に伴って発生するような外来生物問題ですね。そういう総合的な法律ではカバーし切れない対策も必要だというようなことを明記していただいて、それで現在、先ほどちょっと説明していただきましたけれども、外来種被害防止行動計画というものと、それから、在来種も含めた侵略的外来種リストというのを作成作業中ですということも付け加えたいと思います。
以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、諮問事項の特定外来生物被害防止基本方針の変更についてご審議をいただきたいと思います。ご質問、ご意見のある方は札を立てていただいて。
山極委員、お願いします。

○山極委員 8ページ目、その他のところで、上消しのところで消してある部分のところで、繁殖を行わない限り、飼養等の許可の対象とするというような文面が次の文章では反映されてないですけれども、これは何かちょっと後退しているような気がするんですが、何か特別な理由があったんでしょうか。

○説明者(東岡) ここの記載は、外来生物法ができて、基本方針ができてから施行規則ができているんですけども、ここの記載は愛玩目的等、主務省令に規定されない目的となっているんですが、現在も愛玩目的は主務省令に規定しております。基本的には、現在、飼養している個体に限り認めているという現状でございますので、そういった記載を前の7ページの16、17、18行目にまとめて記載をしております。

○山極委員 わかりました。7ページのほうにこれを移して入れたので、基本的には繁殖を行えないことが前提となっているということですね。

○説明者(東岡) そうです。愛玩目的ですので、その個体のみの飼養を認めているということでございます。

○山極委員 はい、わかりました。ありがとうございました。

○武内部会長 ほかに。
はい、磯崎委員、お願いします。

○磯崎委員 11ページの放出による防除で天敵の話なんですが、ウリミバエの例を出していたので確認なんですが、生態系の被害だけというか、ではなくて、農業・産業被害という、そことの区別、切り分けはどうなっているんですか。

○説明者(東岡) 外来生物法は、生態系と農林水産業、人の健康への被害の防止を目的にしておりますので、基本的には生態系等に係る被害の中には農林水産業と人への健康の被害を含めるということで最初に定義をしておりまして、そういったものも含めて考えております。

○磯崎委員 そうすると、後ろのほうでは、農薬取締法の話が出てくるんですが、ここでも農薬取締法のもとでの特定農薬としての指定との整合性がないといけないのかな。ここ1~3の三つの条件だけなんですけれども、ちょっとそれが気になりました。

○武内部会長 はい、いかがですか。

○説明者(東岡) 基本的に特定外来生物の防除ですので、同じ特定外来生物を特定農薬として使う場合というのは、現在はないと考えております。ここでは、特定外来生物を、例えば不妊化した個体を放出することで防除するような効果が確認されれば、こういった防除を検討したいと考えております。

○武内部会長 よろしいですか。ほかに。
もしないようでございましたら、答申、特定外来生物被害防止基本方針の変更について、これについて適当と認めたいと思いますが、ご異議ございませんでしょうか。

(異議なし)

○武内部会長 はい。どうもありがとうございます。
それでは、本件については適当と認めることにいたしたいと思います。
少し議事が早いので、ここで休憩をとらせていただきたいと思います。3時半まで15分間の休憩ということにさせていただきたいと思います。

午後3時14分休憩

午後3時31分再開

○武内部会長 それでは、議事を再開させていただきます。
次の議題でございます。鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置についてということで、説明をお願いいたします。

○説明者(山本) 環境省の自然環境局野生生物課の山本でございます。よろしくお願いいたします。
資料の3-1と3-2をお手元にお願いいたします。3-1で、まずは簡単に概要、全体像をご説明させていただいて、少し3-2で補足をするということでご説明したいと思います。
3-1を1枚めくっていただきまして、まず、この検討ですが、以前の部会で、鳥獣保護管理のあり方検討小委員会で詳細な審議をするということをお認めいただきましたので、この右側に示した小委員会の委員で、石井(信)先生を委員長としまして検討をさせていただいております。
検討の経緯ですけれども、左側でございます。第1回検討小委員会から7回の小委員会を行ってまいりました。間に現地調査、知床、丹沢を行っております。それで、11月6日の第7回の小委員会で答申の素案ということでおまとめいただきました。それを先週までパブリックコメントにかけておりました。そのパブリックコメントは、ざっと概数での集計でいきますと、提出が268名で、延べ意見が911ということでございます。まだ、先週までやっていたということもあって、中身の精査とか反映はできておりませんけれども、本日はパブリックコメントにかけた素案をご説明し、ご意見をいただき、必要な修正をかけまして、次、1月半ばに予定をしております第8回小委員会で今日のご意見も踏まえた形での答申案をまとめて、1月予定のこの部会でもう一度ご審議いただきまして、最終の答申をいただきたいと考えております。その答申を踏まえまして、法律の見直しも含めて、対応について検討をしていくということでございます。
1枚めくっていただきまして、この答申をいただく背景といたしまして、鳥獣被害の現状でございます。近年、野生鳥獣による生態系、農林水産業、生活環境への被害が非常に大きくなってきているというところです。特にニホンジカについては生態系への影響が深刻で、この写真にありますとおり、数年で風景が激変する、多様性が貧弱なものになっていくといったようなこと、国立公園ではお花畑が消失するといったようなことも起こっております。そのほかに、農林業被害は右にお示ししているとおり高止まりで、かなり対策を一生懸命やった上での高止まりということでございます。森林被害面積は伸びており、特にシカについては深刻な状況ということです。そのほか、左下の黄色の囲みのところに入れておりますけれども、住民のけがですとか、列車や自動車事故での生活環境への影響というのも最近では頻繁に見られております。それから、森林が持つ水源涵養ですとか、国土保全機能の低下といったことも深刻になってきている状況です。
もう一枚めくっていただきまして、現在の課題でございます。ニホンジカの捕獲数をここにお示ししておりますけれども、どんどん右肩上がりで捕獲数は伸びております。伸びているけれども、被害は深刻になっていくということで、まだまだ増える分以上を捕っていないと推察されまして、そういったことで左下のグラフですけれども、環境省のほうで、捕獲数をもとにした推定個体数を算出をして、小委員会にもお示ししております。そうすると、ニホンジカの個体数は、右肩上がりでどんどん増えていっているという状況で、北海道を除く数字ですが、2011年の中央値でいきますと261万頭という数字になっています。統計手法を使っておりますので、絶対数にそれほどの意味はないかもしれませんけれども、こういったトレンドで動いているということでございます。この後のシミュレーションをシカについてやってみたところ、現在の捕獲率を維持すると、2025年度には約500万頭まで、2011年の約2倍まで増えるというシミュレーション結果が出ております。ということで、捕獲圧を今以上に高めていかなければニホンジカの被害というのはどんどん大きくなっていくということになります。
それで、右上の四角のグラフですけれども、それを捕獲してくれる方、狩猟免許を持っている方の数ということになりますと、これは逆に右肩下がりということで、かなりの減少傾向がございます。かつ60歳代以上の方が6割以上占めているということで、高齢化も懸念されているところです。担い手が不足をしているという状況にございます。それで、環境省としましては、現在実施しているのが担い手確保のための対策、フォーラムを開催するとか、捕獲の研修会を開催するといったようなことですとか、効果的な捕獲の推進として、専門家の人材登録事業ですとか、研修をやったり、大量捕獲の手法の検証といったことを進めております。また、国立公園などにおきましては、ニホンジカを直轄事業として捕獲をするといったようなこともしております。
1枚めくっていただきまして、こういった状況を踏まえまして、今回、答申素案としてまとめていただいた鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置について(素案)、をおまとめいただきました。この中身としては、大きな方向としては、鳥獣管理の充実があります。これまで法律体系上は保護のための管理、従来の捕獲規制を解除することで捕獲を促進するといったということで、保護の体系の中で管理をしてきたということがございますけれども、それを積極的に管理していく、減らすための手法もとっていくということに転換していくべきだろうということをご指摘いただいております。
具体的なツールとしてどういったことかと申し上げますと、左側の鳥獣管理体制の強化というところでいきますと、先ほど担い手が減少している、狩猟者が減少しているということをお示ししましたけれども、シカなど、捕獲を行う者を個人ではなくて事業者として認定をしていく制度を創設するのがいいのではないかということでございます。そういった制度の創設に伴って許可手続の簡素化ですとか、事業が円滑になるような制度をつくっていくということが挙げられております。それから、狩猟者の減少に対応するということですけれども、地域の若い人に鳥獣捕獲にも携わってもらうという観点で、わな猟・網猟の免許につきましては、今は20歳以上ですけれども、少し引き下げていくことが適当ではないかということでございます。
それから、右側ですけれども、その積極的な管理ということでいきますと、やはり都道府県ですとか国がみずから捕獲をしていくということを推進していく必要があるだろうということです。都道府県は、特に特定鳥獣保護管理計画という個体数調整のための計画をつくるということになっておりますので、都道府県がみずから不足分、必要な捕獲数を捕っていく、事業として捕っていくことが必要だろうということでございます。それに伴いまして、都道府県が実施する事業ということで、捕獲許可を不要とするとか、あとは夜間の銃による捕獲を可能とするなど。これは夜間に効果的な形、適切な形で実施をすれば捕獲数が伸びてくるということで、各所からの要望がございましたけれども、あまりフリーな形で、どこでも誰でもやれるということはもちろん適切ではないということで、都道府県がみずからやる事業で、左側の認定事業者を使うということで夜間銃猟を可能とする。いずれにしても安全管理はしっかりした上でということで規定をしております。
それから、被害防止のための捕獲の促進について、今のが具体的なツールだとすれば、それを下支えするような措置としまして、国がシカなど個体数の調査をして、都道府県の取り組みの評価を行って、都道府県に対する指導力を発揮していくということですとか、あとは被害の状況、捕獲の意義や必要性について国民の理解を得ていくこと。やはり個体を捕獲するということが、シカなどを捕獲してしまう、殺してしまうということを伴いますので、やはり嫌悪感を持つ人というのも当然出てくるでしょうから、やはりそこは捕獲の意義・必要性をしっかり理解をしていただいて、また、食肉としての活用も推進をしていくといったような措置をとった上で国民にも理解を求めていくということが重要だろうということでございます。
今、先ほど申し上げましたけれども、パブリックコメントの結果を取りまとめ中ということで、また、次回の部会でご説明をさせていただき、その回で答申をいただきたいというふうに思っております。それを踏まえて、鳥獣法の改正も含めた対策の強化を検討するということでございます。
概要はこういったところですけれども、少し本文を見て、ポイントをご説明をさせていただきたいと思います。
1ページ目、「はじめに」というところで、ここは1行目ですけれども、数度目の重大な転換点にあるというところを強調をしております。保護のための施策から、積極的な個体群管理のための施策へ転換をしていくということをしっかり進めていく、国民の理解を得ながら着実に実行することをお示ししております。
それで、最後の36行目辺りですけれども、今回緊急を要するということで、ニホンジカやイノシシなどの個体群管理に焦点を当てて議論をしていただいております。ということで、生息環境管理ですとか、ほかの鳥獣の一般的な保護ということについては、あまり議論をすることができていない。そこについては、あえてシカ・イノシシの個体群管理に焦点を当てたということで、それ以外のところは深めておりませんので、今後、検討を継続するということを期待しますということとしております。
それから、めくっていただいて、4ページ目の3からが鳥獣管理につき今後講ずべき措置ということでまとめた、先ほど概略はご説明をしたところですけれども、先ほどから漏れているところとしましては、(2)で関係主体の役割分担、5ページ目にお示ししているところですけれども、ここの部分につきましては、鳥獣管理、非常に多くの関係者が関わっている。国についても環境省が鳥獣保護法で、農林水産省が鳥獣被害防止特措法を持って、それぞれ都道府県が鳥獣保護法に基づき計画をつくり、市町村が特措法に基づき計画をつくりということですとか、現場においても、農業者が被害対策のための捕獲をしたり、道路や鉄道の管理者も被害防止を行うとか、あとは、国立公園、国有林で生態系や森林被害を防止するために行うといったような形で、非常に多くの関係者が携わっているので、簡単な役割分担は難しい、単純に切り分けることは難しいのも事実ですが、一定の整理をした上で連携体制の構築を図っていくということの重要性をご指摘いただいております。
その役割分担の基本的な考え方ですけれども、特に今回、個体群管理について詳細な議論をしていただいております。アのところ、個体群管理に関する役割というところですけれども、ここで一般狩猟者、狩猟と被害対策のための、自衛のための捕獲ですとか、公益を守るための捕獲をそれぞれ大きく三つに分けて、それぞれの被害や、それぞれの役割がどういうところにあるかといったことをここでお示しをしております。自衛のための捕獲は、原則として市町村と被害を受ける者が連携して行うということ。公益を守るための捕獲は、守るべき公益の性質に応じて、原則として行政が主導で行うということ。次のページですけれども、また、都道府県は先ほど申し上げましたけれども、特定計画の策定者ということですので、個体群管理の目標を設定して、みずからの捕獲も行う、主体的に実施することが適当だろうということです。それから、国は公益的な観点での必要な措置をとるということですとか、全体を見て、都道府県に協力して地域別の個体数を推定して、捕獲目標を示すといったようなことも必要だろうということでご指摘をいただいております。ここの調査をして捕獲目標を示していく、管理目標を示していくという部分については、今年度の補正予算でもシカ・イノシシの調査ということは要求をしているところ、計上されているところでございます。
それから、(3)番の効果的な捕獲体制の構築というところは、先ほど申し上げました事業者を認定する制度の創設というところでございます。ここで少し補足をしておきたいのが、28行目のところで「なお」から以下ですけれども、事業者の認定の仕組みをつくるということは、狩猟者団体、一般的には猟友会かと思いますけれども、猟友会がこれまで行ってきた捕獲体制というのを否定するということではなくて、この実績は評価をしつつも、さらに捕獲を促進するために講じるべき措置であるということで、もちろん猟友会、その狩猟者団体がこの事業者になるということも歓迎をしたいと、期待をしたいと思いますし、事業者がこういった捕獲事業を実施する際にはしっかりと、もともとの狩猟者との調整というのも必要だろうということを明記しております。
それから、8ページ目の②のところを少しご説明しておきたいと思います。農林業者がみずから行う被害防止のための捕獲についてということで、ここの部分は、わなによる捕獲について農林業者が実施する場合には、規制を緩和するといったこと、捕獲許可を不要とするといったことを議論していただいたのですが、やはりまだまだ多くの課題が残っている、錯誤捕獲ですとか安全性の確保ができるのかどうかといったことが課題として残っているということで、今回は特に措置をすべきということではなくて、今後、引き続き検討していくということでお示しをいただいております。
(4)番の計画的な捕獲の推進というところは先ほど申し上げた都道府県の事業として捕獲をするための制度をつくっていくということでございます。
(5)番の国の取組の強化につきましても、先ほどおおむねご説明をしておりますけれども、10ページの3行目、国が許可権限を有する希少鳥獣、これはちょっと今までの流れとは違いますけれども、希少鳥獣については、最近、局所的に被害を及ぼしているということもありますので、国が主体的に保護管理を行うことができる形をつくっていく必要があるのではないかというご意見をいただいております。
そのほか、科学的な鳥獣管理の推進ということで、専門的知見を有する専門家の育成・活用がどうしても必要ということです。特に都道府県に配置されることが必要で、それを支える仕組み、例えば鳥獣管理の技術を認定する仕組みなどを構築するといったことも必要なのではないかといったようなことですとか、鳥獣保護員の役割をしっかり見直して、今後機能するように制度自体も考えていく必要があるのではないかといったようなこと、②番としましては、効果的な情報収集、評価手法の確立・普及といったことが重要であるということ。また、そのほか、しっかり効果的な鳥獣管理をするために調査研究の推進は必要でしょうといったようなことをいただいております。
また、(7)番といたしまして、これまでは公的な捕獲の推進ということをお示ししているんですけれども、(7)番につきましては、一般狩猟、個人の狩猟者の方が自由な意思に基づいて捕獲をするということについても、個体群管理、捕獲をするということは数を減らすということになって、全体の管理の中で適切に位置付ければ、個体群管理に貢献をするということで、一般狩猟による捕獲の促進といったことも有効であろうというふうにされております。
また、(8)国民の理解を得るための取組の推進ということで、これも先ほど申し上げた、しっかり理解をしてもらわないと前に進んでいけないであろうということでございます。
次のページ、12ページですけれども、(9)番は自然共生社会の実現に向けた人と鳥獣の関係についてということで、一部の鳥獣が増えてきている状況の中で、地域社会、特に里地里山地域や鳥獣とどうつき合っていくべきなのか、こういったことは今回の答申素案の中ではあまり触れていませんけれども、今後大きな課題として検討していかなければいけないのではないかというご指摘をいただいております。
それから、その他の部分を少しご説明します。①で鉛中毒被害への対応ということで、今後、全国的に捕獲数を増やしていく中で回収できない個体も出てくる可能性がございますので、鉛中毒被害への対応は今後しっかり考えていかなければいけないだろうということです。基本的にはしっかり、まずはモニタリングをして鉛弾の影響の適切な把握に努めていくということですけれども、例えば今回位置付ける鳥獣捕獲事業者につきましては、可能な限り非鉛弾の使用を求めていくということですとか、都道府県の事業の中では、一部の、ある条件の中で放置の禁止、鳥獣を放置するということの禁止を緩和するということも考えておりますが、そのときは確実に非鉛弾を使うといったようなことを規定すべきだということです。
それから、その他、狩猟制度をしっかり円滑に運用できるよう、制度はしっかり見直していかなければいけないということですとか、外来鳥獣の取り扱いは、先ほども外来生物のお話ございましたけれども、鳥獣保護法は鳥獣の全てを対象にしていますので、外来鳥獣の法律上の位置付けの整理といったようなこともしっかりしていかなければいけないのではないかというご指摘もございます。
また、海棲哺乳類による被害対策ということで、これは今回、陸棲哺乳類、シカ・イノシシ、主に陸上の獣類に対する措置がほとんどでございますので、海棲哺乳類などについてもしっかり今後は検討していく、宿題として残しているということが明記をされているということでございます。
駆け足で、かつ時間もオーバーしてしまいましたけれども、こちらからの説明は以上です。よろしくお願いいたします。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、審議事項の鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置について、ご意見、ご質問をお受けしたいと思います。札を立てていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
山極委員。

○山極委員 かなり積極的な方針を立てられたと思います。それぞれの県に特別な計画をまず立ててもらうという話だと思うんですけれど、その計画を一体誰が評価するのかという点と、それから、事業者を認定しますね。この事業者という者の資格あるいは専門知識について、どのような予測を立てておられるのか。この文章を見ますと、既存の狩猟者団体が一定の要件を満たして事業者認定を受けることが期待されるとあります。例えば捕獲・狩猟に関する話で、農林業被害防除と生態系防除とは目的が違うわけですね。もちろん効果的には非常に重なる部分があると思いますけれども、その場合、数値目標だけを立てて事業者にそれを実施してもらうということはすごく安易に過ぎると思います。その中でどのように、どういう部分の個体数を除去していくのかという一定の基本的な方針が、科学的な見地のもとに立てられなくてはならないと思います。これ一方では、調査研究の必要性とうたっていますけれども、そのための資金がどれほど潤沢に用意されているのか、基本的にはほとんどないと思うんですね。環境省あるいは地方の自治体のお金で調査研究がなされるんではなくて、個々の研究者の自主的な調査研究に依存せざるを得ないのが現状ですから、そういった評価基準、評価をつくる方々というのをどのように考えておられるのか、少しご意見を伺いたいと思います。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
浜本委員、お願いします。

○浜本委員 適正に講ずる措置について別に異論があるわけではございませんが、例えば国民の理解を進めるべきであるというところだとか、都道府県の中でも今後、積極的に頭数の制限を設けていくというところを広くきちんと理解していただくためにも、被害がもう出ていて、とんでもないことになっているから頭数制限が必要だよというような、平たく言えば、そういうことだけがずっと今までも言われ続けてきて、被害が出ている、特に農林水産業、中山間地域などでは人が住めなくなって農業もできなくなってきているというところなんだけど、そうなった理由、そうなった原因がどこにあるのかというのを国民にきちんと説明をしないと、日本の国民のほとんどは、この被害が及んでいるような場所から遠く離れた都市部に住んでおりますので、被害に遭っている中山間地域に住んでいる第一次産業、特に農林水産業に従事しているような方たちは、その内容がすぐ理解できて、こういう措置をとることも大賛成である、しかも、やらなければ日本の生態系もおかしくなってくるよということも理解できるんですが、そうでない国民の人たちに、なぜここまで50年代から急激にシカやイノシシなどの獣害、個体数が増加し続けているのか。なぜ、50年代からですから、それからもうかれこれ30年近くなっても、そのことに対する対策が後手に回ってしまうのか、被害の増大だけではなくて、もっとひどいことになっていくのか。生物は保護しなさいと言っている片一方で頭数制限、メスジカの頭数制限までしなければいけない本当の原因はどこにあるのかというところを、この中にある調査研究のところですね、先ほど山極委員のほうから予算がさほどついてないんじゃないかというところもありましたが、調査研究の推進のところで効果的・効率的な鳥獣管理と、そのもとになった原因、すみ分けができていたのができていなかったのか、もうちょっと第一次産業が山手側のほうに入っていたからなのか、人々の生活様式やつくってくる生産物が変わってきたのか、生物そのものの分布が変わってきているのか、そういうところまでも細かく原因を追及していって、より効果的な鳥獣管理を行っていくということの調査研究だとか国民への周知というところに、もう少し細かい視点が必要なのではないかなというふうに感じております。

○武内部会長 ありがとうございました。
鷲谷委員、どうぞ。

○鷲谷委員 山極先生のご意見と若干関連があるんですけれども、目次の中には、科学という言葉が入っていますが、そこに記されていることを見ると、科学というのがあまりベースになっていないという印象があります。今の生態学の普通の考え方で言えば、メタ個体群の構造とダイナミズムを踏まえて、問題を起こしている地域個体群の成長を抑制、さらには縮小させて影響が少ない水準で維持するということが目標になると思いますが、それには分散過程、もしくはそういう地域個体群間の連結性を考慮したメタ個体群モデルが欠かせないと思います。恐らくシカに関しては捕獲のデータ等がありますので、そういうのを用いて、現在、不十分でも仮のメタ個体群モデル、それは仮説に当たるものですけれども、それをつくって、捕獲枠をいろいろな場でかけるわけですから、そのかけたということに応じて、どんなデータになるかはともかくモニタリングが行われて、それに基づいて少しずつモデルを現実に合うものにしていくというプロセスがとられるんだったら、科学をベースにした鳥獣保護という保護管理ということになるのではないかと思います。ただ個体数、方針もはっきりしないまま、個体数だけあれば科学的管理ができるということにはならないのではないかと思います。
以上です。

○武内部会長 ほかにございませんか。
はい、どうぞ。中静委員。

○中静委員 2点ですが、一つは、個体数が物すごく大きくなってしまった地域での捕獲を強化するというのはもちろんですけれども、個体数が低いうちにコントロールするためにはどうしたらよいのかという、その辺の技術開発ですとか、それをきっちりやっていただくのがかなり重要なんではないかなというふうなところが1点です。
それから、もう一つは、県に計画策定をしていただくのはもちろんですけれど、コントロールしやすいのはむしろ山系ですとか国立公園とか、県をまたがってですとかというところでコントロールするのがやっぱりしやすいのではないかというふうに思いますので、ここにも幾つか書いてはありますが、国立公園なんかは特にそうだと思うんですけれど、各県とか自治体の協働でやるという部分をもう少し強調していただいたほうがいいのかなと思いました。

○武内部会長 よろしいですか。じゃあ、今までのご意見に対してのご回答をお願いします。

○説明者(山本) 県の計画を誰が評価をするかということにつきましては、基本的には計画を策定し、実施をするのが県ですので、みずからのサイクルの中に評価も入ってくるという認識でおります。ただ一方で、国の役割の強化、国がしっかりリーダーシップを発揮しなさいということもご指摘としては強くございますので、県の取り組みによって全国的にどういう状況になっているかということを国としてしっかり評価をしていくということになろうかと思います。その辺りに対して、やはり調査研究も必要だろうというご意見かと思いますので、その点は資金の調達ということも意識し、努力をしながら進めていきたいというふうに思っております。
それから、山極先生ご指摘の事業者の認定の要件につきましては、まずは7ページの18行目辺りにまずお示しをしておりまして、鳥獣管理に関する知見、安全管理体制、捕獲実績を有することに加えて、安全や捕獲技術に関する研修などを自分の事業者の中でやっていくというようなことを考えております。また、必置ということにはならないでしょうけれども、鳥獣管理の専門家の配置も促して、地域をしっかりコントロール、マネージできるような能力を持つ者になっていってほしいという期待を持っております。彼らの取り組みを誰がどう評価をしていくかということですけれども、こういった事業者が実際に捕獲をするとなったら、誰かからの依頼を受けて捕獲をする、公的な機関から依頼を受けて捕獲をするというのが一般的と思っておりますので、その活動の評価は事業を発注した者がしっかりやっていく、計画も含めてしっかり計画を立てて、その事業の評価をしていくという仕組みになる、そういった形を目指していくべきであろうというふうに思っております。
それから、浜本委員の、なぜ今の状態があるのかといったことについて、普及とともにもっと精緻な評価をした上で対策をとるべきということですけれども、そこはおっしゃるとおりだと思います。現時点での記載ぶり、今わかっているところについては、もし書ける部分があれば少し書き加えるとともに、今後しっかり解明をして対策に生かしていくべきだというご意見についてはしっかりと受け止めさせていただきたいと思います。
それから、鷲谷委員の科学がベースになっていない、メタ個体群モデルをつくっていくというところにしっかり力を注いでいくべきだということにつきましても、研究者の方々との連携・協力、また、それに対する予算の獲得についてはしっかり努力をしていきたいというふうに思っております。
中静委員の密度が低いうちのコントロール技術の開発ということは、確かによくご指摘をいただいていることでございまして、増え過ぎてしまってからではなかなかもう遅いと言いつつも、ただ、密度が低い時期というのは逆に対策も難しい時期ということもあって、それも踏まえた技術の開発ということかと思いますので、そこは種に応じてどういう対策が適切かということは、調査研究の必要性という中でもしっかり対応していきたいと思っております。
また、国立公園などでの捕獲についても、今後、予算も増やしてしっかり対応していくということになっておりますので、その際には、地域の自治体との連携というのが重要になってくるのかなというふうに思っております。
ひとまずは以上でございます。

○武内部会長 それでは、小委員会の委員長を務めていただいた石井(信)委員から、今までのことも含めてお話をいただければと思います。

○石井(信)委員 特に大きく付け加えるということでもないんですが、とにかく今回の答申は、特にニホンジカですよね、それからイノシシについて、緊急に何か対策をしなきゃいけないということで、鳥獣法はいろいろ中にも書いてあるように問題を抱えているんですけれども、今回はシカ・イノシシ対策を具体的にどうやっていくかということで、今の制度では対応し切れていないというのが現実なので、とにかく新しい仕組みを考えてみましょうということです。それで、中に捕獲事業者認定制度とか、それから捕獲事業計画とか、法定計画ですね、それから、それに伴った規制の緩和というのが書いてありますが、まとめをしたメンバーの一人としては、こういう制度はぜひ必要だと思います。実際に日本各地で行われている先進的な、あるいは試験的な事例を踏まえて提案されているということで、実現性もあると思います。ただ、これにどういう科学的な根拠を持たせるかとか、そういうことについては、なかなかまだこの段階では抽象的なことしか書けなくて、具体的な話が出てきていないんですけども、そこで、やっぱりこういう制度が実現するとして、研究者とか学会が積極的にそこに関わっていって、こういう制度を適正に運用していくということに貢献していくということが大事かなというふうに思っています。
それで、新しい制度、仕組みが提案されていますし、それから、基本的な考えも保護から管理というふうについて少しわかりにくいところはあるんですが、考え方も大きく今回の答申の中で変えていこうということが書いてありますので、やはりそういういろいろ新しいことが入っているので、きっとパブコメもいろんな意見があったと思うし、関心も高い問題だと思います。パブコメのこととか、今日、皆さんから伺った意見とか踏まえて、できるだけそういうのを盛り込んで、なるべく具体的に書けるところは書くような形で答申をまとめていければなと、こういうふうに思っています。

○武内部会長 どうもありがとうございました。ほかに。
はい、どうぞ。

○佐藤(友)委員 すみません、非常に素朴な疑問なんですけれども、この狩猟免許の所持者数がどんどん減っていて、実際に関わっている人が非常に少ない中で、事業者を認定するということが現実的にどういう形になるのか、ちょっとイメージが湧かないんですね。事業者にすれば、ちゃんとした事業として成り立てば、そこに人が入ってくるというスキームを考えていらっしゃるということなんでしょうか。人材育成ということも書いてらっしゃるんですけど、なかなか今の少ない人数をどうやって本当にその事業に振り向けていくかというところの施策というか、もう少し何か必要なんじゃないかなというような、ちょっと素朴な疑問なんですけど、そこに何か答えがあれば教えていただきたいなと思います。

○武内部会長 はい、どうぞ。

○説明者(山本) 事業者の数が増えて運営ができるためには予算の確保がどうしても必要になってくるだろうと思っております。この点については、まだ現時点でこういうことでできますということは言えませんけれども、今後しっかり求めていくし、社会的にも要請の高い分野だろうと思いますので、努力していくということにしたいと思います。
それから、事業者に頼んでも大して捕獲もできない、効果がないということであれば、それは進んでいかないと思いますので、やはり実を伴ったしっかりとした中身、技術を持って捕獲をしていく、まさに事業者、プロ集団という形で訓練をしていただいているような方々、そういった方々が集まって捕獲をするということで、非常に効果的であるというような、実績が上がっていくということがまずは大事だろうと思いますので、初期の段階というのは、人材の確保ですとかトレーニングにも、公的な形である程度の支援というのは必要になってくるんだろうというふうに思っております。

○佐藤(友)委員 例えば若い人たちがこういうところに入ってくるための教育的な支援とか、そういうことも含めて、やっぱりある程度考えていくというふうに考えて今のはいいんでしょうか。

○説明者(山本) そこは目指していきたい、今いる方々にしっかり入っていただきたいということももちろん思いますけれども、若い方々がこういった仕事をするということが魅力であるというふうに、そして、社会的にも貢献していて魅力的であるということをしっかり、制度面なり、実体面で支えていくということは必要かなと思っております。いろんな面でのサポートが、事業者の立ち上げ段階というところでは必要になると思います。

○武内部会長 それでは、下村委員、お願いします。

○下村委員 私もちょっと教えていただきたいんですけれども、今回、かなり重大な転換点であるということで、数量のコントロールという概念が大きく入ってくるということだと思うんですけれども、6ページの一番下のところに生息環境管理の話ですとか、それから、先ほどちょっとコメントされていました12ページの自然共生社会の実現という話があって、今回、緊急措置でもあるということで、数をともかく減らすということへの重大な転換点ということだと思うんですけれども、土地利用の問題ですとか、それから、その共生型のライフスタイルのあり方を含めて、それは次のステージということであるのか。国がちゃんと乗り出して、何かいろいろ土地利用関係の事業、林相の転換だとかなんかというようなことも考えられなくはないと思うんですけれども、そういったものはまだまだ時期尚早というか、先ほどの科学的な知見の不足だとかなんかを含めて、変にそういうすみ分けだとか分散を考えると、かえって数を増やしちゃうような懸念があって、そういうことが入ってないのかどうかとか、ちょっと重大な転換というときに、先ほどの共生のような話というのは、どう位置付けられているのかなというのが気にはなったんですけど、国民的にはきっとそのほうが受け入れやすいんじゃないかなとは思うんですが。

○説明者(山本) ありがとうございます。共生ということについては、確かに今回は触れるという程度にとどまっておりまして、答申素案の中では、鳥獣そのものに対しての措置、鳥獣をどうしていくか、捕獲をしていくときに、どういう体制でどうしていくかというところに集中をして審議をいただいたんですけれども、一方で、将来目標として捕獲をするということだけで日本の社会というか、地域の社会のあり方としていいかというと、そうでもないということは認識をしておりますが、その点、鳥獣の管理の観点だけで議論をするということは難しいとも思っています。それは、生物多様性国家戦略などを基本として、部会でご議論いただくマターなのかなということもございますので、ここは一旦この先の宿題として残させていただいています。今現時点でも国家戦略の中では、そういった対策は進んでいると認識しておりますけれども、具体的な対応とは切り分けて、今回はそういう形でご議論をいただきました。

○武内部会長 佐藤委員、お願いします。

○佐藤(正)委員 先ほどの事業者のところで質問なんですが、事業をやるということは、やっぱり利益を上げるということですよね。その利益を上げるためには、例えばシカを何頭捕ったらこれだけの賞金が取れるんだというような、ちゃんとした予算が裏づけにつかないと事業にならないと思うんですよ。
もう一点は、高度な捕獲技術が求められるということになれば、高度な捕獲技術を持った人をたくさんつくるためには時間がかかると思うんですね。現在、今ここでニホンジカとイノシシについては緊急性が求められているというときに、この事業者を認定する制度の創設が効果をすぐにもたらすとは思えないんですね。そういう意味で、事業の中身をしっかりしていただいて、事業者が持つべきノウハウというのは具体的に何なのかを示していただけたらなと。ここでは随分、狩猟のほうを出していますが、例えば薬物を使ってどんどん捕獲をするとか、そういうことも考えられないんでしょうか。そういうことが具体的によくわからないので、大量の動物を捕獲するための事業者というもののイメージが湧きませんでした。

○武内部会長 どうぞ。

○説明者(山本) 予算の確保が必須だということは認識をしておりますので、そこは今後、並行して進めていく話だと思っております。一方で、現時点でも農林水産省では捕獲に対する交付金はかなりの金額を出している、かつ都道府県や市町村も独自の予算としても鳥獣対策に対しては予算を出していて、潜在的な予算額というのは現時点でもかなりあると思っております。ただし、今おっしゃったとおり、高度な捕獲技術を獲得していくことには時間がかかるということで、今、全ての捕獲がすぐに事業者に置きかわるということは当然考えておりませんで、基本的には、やはり当面、現在各地で活躍をしていただいている狩猟者の方々に貢献をしていただきたいという認識でおります。
また、技術の一つとしての薬物ということですけれども、これは現時点では、そういった技術は確立されていませんので、数を減らす手段としては、特にシカについてはコントロールというか捕獲ということになるかと思います。

○武内部会長 ほかに。どうぞ、小泉(武)委員。

○小泉(武)委員 今、狩猟する方がどんどん高齢化してしまっているというのがありますので、極端に言うと、狩猟をする人を育てるような専門学校みたいなものだとか、それから、農家の人にやり方をきちっと教えるとか、何かそういう手だてをやらないと、どうもうまくいかないような気がします。若い人で、今こういう就職難の時代ですからね、例えば狩猟を専門にやって、それなりの収入が得られるということになれば、大変な仕事だろうけれども、やりたいという人も出てくるような気がします。ですから、これは環境省とか農林水産省が協議するしかないのかもしれませんけども、少しそういった専門学校みたいなものを、国立でつくるというのは大変だと思うんですけれども、民間のそういった機関をつくるのに補助を出すとか、何かやっていけないかというのが、提案というほどじゃないんですけど、考えていただきたいということなんですね。
それから、もう一つ、シカやイノシシを狩猟した後に運び出すのがとても大変なので、いつもどこでも困っていると言っていますよね。もう年とった人は、話を聞くと、重くてとてもじゃないか運び出せないということをよくおっしゃるんですよね。ですから、奥多摩町でしたか、どこかでモノレールを設置して、そこにとりあえず集めて、そこからモノレールで下まで運んでくるというようなことをやっているんですけれども、そういうのに対しての補助金を出すとか、それから柵も、今、植物とか農作物を保護することだけで設置されているんですけども、もうちょっと積極的に、あの柵をたどって動物が歩いていったら実は捕獲する広場みたいなのがあって、その中に追い込まれてしまうとか、いろんなことをどこかで考えていて、雪の時期ですか、だんだん山に上がっていくのをうまくそうやって追い込んでいるというようなところ、どこかであったと思うんですけども、何かそういうふうな形で少し積極的に集めて一網打尽にするというようなことも、簡単じゃないかもしれませんけれども、少し考えていただければいいなと思うんですけど、その辺はいかがなものでしょうか。

○説明者(山本) まず、最初の専門学校ですとか、農家の方に講習をしていくということですけれども、まず、農家の方に狩猟免許を取っていただいて講習をするというのは、各地の都道府県ですとか市町村で、現時点でも取り組まれています。狩猟免許の機会、免許を受ける受験の機会を各地で増やしていく、場所も増やしていくというような取り組みもしておりまして、わな免許に関しては少し増えており、そういった取り組みも功を奏していると聞いております。
ただ、今回の措置の中でも、事業者を創設するということで、鳥獣捕獲の技術を持つと、何かその先に仕事があるぞというようなところを見せていくことで、インセンティブを与えていくことができるのかなということと、あともう一つ、現時点で確実ではございませんけれども、技術を検定するような仕組みというのもできないかなと検討しておりまして、高度な捕獲技術を持っているということを何らかの形で、公的な形で認定をされれば雇用にもつながりやすいのかなということで、そういった検討は進めているところです。
それから、運び出すことに対して、モノレールをつくるようなことに交付金を、ということですけれども、交付金制度となると、今、現時点で農水省さんなので、そういったものが対象になっているかどうか、細かいところは把握をしておりませんけれども、かなりの部分を措置されている、いろんなことができるようになっている仕組みだと思います。
それから、守るための柵だけではなくて、捕獲を誘導していく、捕獲を効果的に行うための柵ということですけれども、一つの例で言えば、知床の岬の先端部分で、公共事業で柵をつくって、それは防除のための柵ではなくて、そこを沿わせて追っていって、捕りやすいところで射手が待っていて撃つといったようなことも現時点で行われておりますので、その辺りは技術開発との調整というか協力ということになりますので、専門家の方々のご協力もいただきながら考えていきたいというふうに思っております。

○武内部会長 ほかによろしいですか。
これについては引き続き審議をするということにいたしたいと思いますので、また次回にもご意見をいただければと思います。ぜひパブリックコメントには誠意を持って応えていただけるとありがたいと思います。
それでは、次に、議事のその他として、第1回アジア国立公園会議の結果について、報告をお願いいたします。

○説明者(高橋) 国立公園課の高橋です。議事の4番、第1回アジア国立公園会議の結果について、資料4に基づきまして、ご説明をさせていただきます。
まず、1ページめくっていただきまして、2ページにアジア国立公園会議の概要を記載しております。アジア国立公園会議は、国立公園を初めとする保護地域について、アジアの関係者が集まる初めての機会としまして、環境省とIUCNが先月11月13日から17日にかけて、宮城県の仙台市の仙台国際センターで開催をしたものです。会議には、保護地域を所管する行政機関の職員をはじめ、研究者、NGO、企業など、保護地域に関連する人々が、アジアを中心に40の国及び地域から約800名が集りました。 アジア国立公園会議の特徴としましては、六つのテーマに分かれて分科会を開催いたしまして、その分科会で多くの口頭発表をしていただきました。口頭発表、ポスト発表、サイドイベントなどを含めて、300件以上の発表がありまして、保護地域に係る先進的な事例、取り組みなどをアジアの中で情報を共有するという貴重な機会になったと考えております。
アジア国立公園会議の成果文書として三つのものを作成いたしました。1番目が、アジアにおける保護地域の基本理念を取りまとめました「アジア保護地域憲章」です。こちらは「仙台憲章」というふうにも呼ぶこととしております。2番目が、六つの分科会の議論を踏まえた提言としまして取りまとめました「世界国立公園会議に向けたアジアからのメッセージ」です。六つの分科会については、この2ページの一番下のところに記載しておりますが、自然災害と保護地域、保護地域における観光・環境教育、文化・伝統と保護地域、保護地域の協働管理、保護地域に関する国際連携、生物多様性と保護地域という六つになっています。3番目の成果が、若手の研究者などに集まっていただきまして、ユースセッションというのを開催し、取りまとめられた「アジア国立公園会議ユース宣言」です。
これら三つの成果は、来年11月にオーストラリアで開催されます第6回世界国立公園会議で報告をすることとしております。このアジア国立公園会議の開催に当たりまして、この自然環境部会の委員の多数の方にご協力いただきました。武内部会長には基調講演をしていただきました。東京大学の下村先生には、プログラム等を検討するための国内準備委員会の座長をお願いいたしました。また、東北大学の中静先生にはユースセッションのコーディネーターを務めていただきました。経団連自然保護協議会の佐藤(正)会長には、企業の取り組み等について全体会合でご発表いただきました。改めてお礼を申し上げたいと存じます。
ページの3ページから、それぞれの成果の概要を記載しております。全文をご紹介することはいたしませんが、まず、アジア保護地域憲章につきましては、この3ページの下のほうですけれども、六つの決意ということをしております。この中で保護地域が減災・防災、復興に果たす重要な役割について理解を深めるとか、地域住民への利益を共用できる形で観光や環境教育を推進するとか、保護地域のネットワークや連携を強化するとか、地域の文化・伝統を尊重するということ、愛知目標の達成に貢献する、また、保護地域の連携を増進するというようなことを決意しております。
4ページ以降、それぞれ六つの分科会における議論を踏まえた提言を掲載しております。
最後、11ページに飛びますけれども、環境省では、このアジア国立公園会議の議論ですとか成果を踏まえまして、国内外で施策を展開していきたいというふうに考えております。多数の施策の展開を検討しているところですけれども、ここでは大きく三つの施策についてご紹介をさせていただきたいと思います。
まず初めに、アジアの保護地域のパートナーシップの構築です。こちらは、アジアにおいて保護地域を所管する行政機関ですとか、関係するNGOなどが集まって、情報交換ですとか協力を強化するための連携の枠組みを構築しようというものです。アジア国立公園会議の中で、パートナーシップの設立に向けた計画委員会というものを設置するということが合意されましたので、こちらの計画委員会の議論を日本が主導しつつ、来年の10月に韓国で開催される生物多様性条約のCOP12でこのパートナーシップを発足するということを目指して調整を進めていきたいというふうに考えております。
2番目としましては、「生態系を活用した防災・減災」についての検討・発信です。サンゴ礁やマングローブが津波ですとか高波の被害を防止するとか、森林が土砂災害を防ぐといった、この生態系に防災・減災の機能があるというようなことが、このアジア国立公園会議の一つの大きなテーマとして議論がされました。この議論をさらに発展させて、来年の11月に開催される世界国立公園会議、また、来年の10月に開催される生物多様性条約のCOP12、そして、再来年3月に仙台で開催される国連防災世界会議などで、この「生態系を活用した防災・減災」について、広く発信をしていきたいと考えております。
3番目の施策といたしましては、三陸復興国立公園を核としたグリーン復興プロジェクトをきちんと取り組みを進めていきたいと考えております。アジア国立公園会議でも、保護地域の協働型管理ですとか、復興に貢献する保護地域といったことが議題になっておりますので、こういった議論や成果を踏まえまして、三陸復興国立公園の取り組み、また、長距離トレイルの取り組みなどを進めていきたいと考えております。 最後、12ページにホームページアドレスを記載しております。会議の結果の、本日ご説明、細かくできなかった会議の成果文書ですとか会議での発表資料など、ホームページに掲載をしております。お時間がありましたらご覧いただければと存じます。ありがとうございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
皆さんのご協力を得まして、本日の議事については、思いのほか早く終了することができました。審議へのご協力に改めて感謝申し上げます。
なお、本日お認めいただいた答申については、本日夕刻、私のほうから石原環境大臣にお渡しをするという手はずになっております。
それでは、これにて部会を終了ということにさせていただきたいと思いますが、事務局よりもし何かございましたらよろしくお願いします。

○事務局 本日は長時間にわたりましてご審議いただき、ありがとうございました。
本日お配りしました資料について、郵送ご希望の委員の方は、所定の用紙に記入していただきましてテーブルの上に置いておいていただければ、後日、事務局のほうからご郵送させていただきます。
今日はどうもありがとうございました。

午後4時35分 閉会

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