自然環境部会自然公園等小委員会 (第38回)

1.開  会

2.議  事

 (1)知床国立公園の公園区域及び公園計画の変更について【諮問】

 (2)富士箱根伊豆国立公園(富士山地域)の公園計画の変更について【諮問】

 (3)阿蘇くじゅう国立公園(阿蘇地域)の公園計画の変更について【諮問】

 (4)国立公園事業の決定、廃止及び変更について【諮問】

    ・知床国立公園・釧路湿原国立公園・十和田八幡平国立公園・磐梯朝日国立公園

    ・日光国立公園・富士箱根伊豆国立公園・上信越高原国立公園・中部山岳国立公園

    ・南アルプス国立公園・吉野熊野国立公園・瀬戸内海国立公園・大山隠岐国立公園

    ・阿蘇くじゅう国立公園・雲仙天草国立公園・奄美群島国立公園

(計15国立公園、計70件)

 (5)その他

3.閉  会

4.議事録

○司会(国立公園課課長補佐 清武) 定刻まで時間がございますが、皆様おそろいなので、始めさせていただきたいと思います。

 ただいまより中央環境審議会自然環境部会自然公園等小委員会を開会いたします。どうぞよろしくお願いします。

 本日は、お忙しい中、当審議会にご出席いただきありがとうございます。

 まず、会議に先立ちまして、出席委員数のご報告です。本日は、所属委員、臨時委員8名のうち6名のご出席をいただいておりますので、本委員会は成立しております。

 次に、本日ご説明する資料につきましては、ペーパーレス化の取組を推進するために、お手元にございますタブレット端末の中に格納してございます。タブレット端末の不具合等ございましたら、事務局にお申しつけください。

 また、海洋プラスチックごみ削減の観点から、使い捨てのプラスチック製品を使用しない取組を推進しております。本日もそのような形でお茶を出させていただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、前回、小委員会を開催しました昨年の12月から、自然環境局の幹部の異動がございましたので、ご紹介させていただきます。

 自然環境局長の鳥居でございます。

○鳥居自然環境局長 よろしくお願いいたします。

○司会(国立公園課課長補佐 清武)総務課長の庄子でございます。

○庄子総務課長 庄子でございます。よろしくお願いいたします。

○司会(国立公園課課長補佐 清武) 国立公園課長、熊倉です。

○熊倉国立公園課長 よろしくお願いいたします。

○司会(国立公園課課長補佐 清武) 国立公園利用推進室長の中島です。

○中島国立公園利用推進室長 よろしくお願いいたします。

○司会(国立公園課課長補佐 清武) それでは、自然環境局長のほうからご挨拶申し上げます。

○鳥居自然環境局長 改めまして、先月付で、担当の審議官から今度は自然環境局長を拝命いたしました鳥居でございます。よろしくお願いいたします。

 本日は、本当に東京が最も暑い中で、日に日に暑くなっている中、遠方からもご出席賜りまして、本当にありがとうございます。

 本日は、公園計画に関しましては、国立・国定公園の総点検事業を踏まえまして、知床国立公園の区域の拡張のほか、富士箱根伊豆国立公園の富士山地域の快適な登山を推進するための園地事業の計画等があります。また、国立公園事業の決定、廃止及び変更につきましては、70件ほどありますが、主なものについてご説明させていただくということで、定例のこのような計画、あるいは事業決定の見直しということでございますけれども、忌憚のないご意見を時間の許す限りいただければと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

○司会 それでは、ここからの議事進行につきましては、下村小委員長にお願いいたします。下村小委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○下村小委員長 皆さん、お久しぶりでございます。

 今、局長からご紹介があったように、本当に暑い中、お集まりいただきましてありがとうございました。

 本日は、先ほど局長からご紹介いただきましたように、3件の公園計画の変更等と、70件の事業計画の、主要なところだけをご説明して、この70件をご承認いただきたいと思いますけれども、事業の決定、廃止及び変更ということで、いつもの会に比べると、比較的スムーズに進められるのではないかなと期待をしております。

 それでは、次第に従いまして進めさせていただきたいと思います。

 本日の小委員会も、公開ですので、報道関係者や一般の方も傍聴しておられます。

 会議資料につきましても公開となります。

 会議録につきましては、後ほど事務局のほうで作成いたしまして、本日ご出席の委員の了承をとった上で公開をするということになります。

 なお、議事要旨につきましては、事務局が作成したものを私小委員長が了承した上で公開することになっておりますので、この点はご了解を願います。

 それでは、議事に従って進めてまいりたいと思います。

 議事の1から3まで、これは公園計画の変更についてということで、知床、富士、それから阿蘇くじゅうということになりますが、これを一通りまとめてご説明いただいた後、ご質問、ご意見を伺う形で進めてまいりたいと思います。

 それでは、事務局、ご説明をお願いいたします。

○事務局(国立公園課生態系計画係長 安藤) よろしくお願いいたします。国立公園課生態系計画係長の安藤でございます。座ってご説明させていただきます。

 まず初めに、知床国立公園の公園計画の第二次点検について、簡単にご説明させていただきます。

 ご説明の流れでございますが、まず、簡単に知床国立公園の概要をご説明させていただいた後、今回の変更内容について、その後にパブリックコメントへの対応状況について、簡単にご説明させていただきます。

 まず国立公園の概要でございます。

 こちらは、いつも、まず初めにご説明させていただいている部分ですけれども、国立公園のテーマでございますが、「流氷が繋ぐ豊かな生態系、火山が生んだ山々と海岸断崖が織りなす雄大な景観」というテーマでございます。

 国立公園の概要ですが、指定は昭和39年まで遡ります。その後、昭和59年に国立公園の全般的な見直し、再検討をさせていただいておりまして、その後、平成7年に第1次点検、それから平成17年に世界自然遺産登録を経ておりまして、今回は第2次点検でございます。

 次に、簡単な変更内容についてご説明させていただきますが、まずもって、国立公園総点検事業についてご説明させていただきたいと思っております。総点検事業は、平成18年から22年にかけて、自然環境の観点から、重要な地域を抽出いたしまして、これと既に指定されている国立・国定公園の重複状況の分析をいたしました。それを踏まえ、国立・国定公園の新規指定や大幅な拡張となる18の候補地を選定いたしました。知床国立公園につきましては、知床半島の基部が、こちらに書かれているように、北方針葉樹林を初めとする、自然性が高く、まとまりがある森林が現在の国立公園区域外まで分布するということで、知床半島基部が拡張の候補地として整理されてございます。今回は、その総点検事業の結果を踏まえた公園区域の拡張という形で行わせていただきたいと考えております。

 続きまして、今回変更のポイントを簡単にご説明させていただきます。まず1つ目が、今ご説明させていただいたとおり、国立・国定公園の総点検事業の結果を踏まえた公園区域の拡張というものでございます。二つ目が、近年の利用動向等を踏まえた利用施設計画の変更をさせていただくというものです。うち、今回は、歩道計画の追加1件を簡単にご説明させていただきます。

 まず、区域の拡張でございますが、総点検事業の結果を踏まえまして、平成23年から25年にかけて、知床半島の基部を対象といたしまして、自然環境の調査や利用の状況などを現地事務所で調査をいたしました。その結果をもとに、現行の公園区域と同等の資質を有している箇所で、利用の状況等々も踏まえまして、拡張案を作成いたしました。それをもって、関係行政機関との調整を25年ごろから昨年度までさせていただいておりました。今回は、その調整状況等を踏まえた区域の変更を行うものでございます。

 続きまして、公園区域の拡張エリアのご説明をさせていただきます。先ほどご説明させていただいた知床半島の基部の中で、拡張できる場所を地元と調整いたしまして、ちょうどルサフィールドハウスのの裏手にある、こちらは町有林になるのですけれども、318ヘクタールが、キキリベツ川やショウジ川、それと北方針葉樹林が豊かに広がっているということで、拡張の対象地として、拡張させていただくという案でございます。

 拡張箇所については、基本的に第1種特別地域として保護規制計画を定めたいと考えてございます。また、今回、拡張区域に隣接するルサフィールドハウスの内陸側に関しましても、現行、第3種特別地域なのですが、そちらの8ヘクタールについて、同様に第1種特別地域に指定をさせていただこうと考えております。

 続きまして、利用施設計画の変更案件でございます。こちらはウトロ側になるのですけれども、ホロベツ・岩尾別線という歩道計画を計画したいと考えております。こちらについては、「しれとこ100平方メートル運動地」内でございまして、こちらは平成29年度から「しれとこ100平方メートル運動地」の一部開放を始めておりまして、「しれとこ100平方メートルの運動地」を学べる歩道として、今後、引き続き整備を図っていくというものでございます。

 具体的な話をさせていただきますが、こちらに点線で描かせていただいている部分については平成29年度から既に一般開放してございます。知床自然センターを起点といたしまして、共同牧場の跡地まで行って帰ってくるという歩道でございます。また、東側については、まだ一般開放はしていないのですけれども、先ほど説明した場所と同様に、今後、整備を図っていきまして、順次、一般開放していく方向で考えております。なお、整備主体については、斜里町を想定してございます。

 パブリックコメントへの対応になりますが、委員の皆様のタブレットには入っていないのですけれども、スライドをご覧いただければと思います。全体で4件来ておりまして、基本的に、ご指摘のとおり修正をしたということになっております。軽微な内容なので、こちらのとおり修正をしてございます。

 続きまして、富士箱根伊豆国立公園の富士山地域の一部変更について、簡単にご説明させていただきます。ご説明の流れは、知床と同様になります。

 まず、富士箱根伊豆国立公園(富士山地域)の概要でございますが、指定については昭和11年まで遡りまして、その後、平成18年に第1次点検、平成30年に第2次点検を経ておりまして、今回は公園計画の一部変更というものでございます。また、平成25年には世界文化遺産に登録されてございます。

 こちら、テーマですが、「太平洋の島々から霊峰富士を繋ぐ一大火山群~火山地形と文化が創り出す多様な景観~」というものでございます。

 今回の変更について、簡単にご説明させていただきます。

 今回は、単独施設に須走口新五合目園地を1件追加するというものでございます。こちらは富士山の世界文化遺産登録後の全体的な利用分散等を目的としまして、利用者数が減少傾向にある須走口五合目において、安全登山や、麓を含めた周辺探勝のための情報提供の充実に向けた取り組みとして、こちらに園地を計画し、具体的にはインフォメーションセンターを整備するといったものでございます。

 続きまして、世界文化遺産登録後の登山利用の動向について、まず前段で簡単にご説明させていただきます。平成25年に世界遺産委員会からの勧告として、過剰な登山利用等の状況に対応するために、来訪者管理の推進に係る勧告を受けてございます。それを受けまして、平成30年に、「「望ましい富士登山の在り方」の実現に向けた来訪者管理計画」を作成してございます。その中で、過剰な登山者数の著しい混雑の緩和を図り、訪れる全ての登山者が富士登山を堪能できるように、安全性や快適性のさらなる向上を目指すといったようなことが明記されてございます。その後、平成30年に、保全状況報告書としてユネスコに提出したものですが、登山者への情報提供に係る取組として、須走口新五合目において安全登山の情報提供等の充実に向けた具体策の検討を進めるといったようなことが明記されてございます。

 今回の利用施設の変更をご説明する前に、前段で、こちらについても説明させていただきたいのですけれども、富士山周辺の情報提供施設についての概要でございます。吉田ルートについては、富士山五合目の総合管理センターや、富士山安全指導センターといったものがございます。また、富士宮ルートについても、富士山総合指導センターというものがございます。須走口においては、観光案内所があるのですが、富士宮口や、吉田口のような、総合的に安全登山の案内をする施設は現在のところございません。

 また、富士山の登山者数の推移について、簡単にご説明させていただきます。利用者数自体は、吉田ルートが圧倒的に多いのですけれども、それに次いで富士宮ルート、須走ルート、御殿場ルートといったような流れになっておりまして、須走ルートについては、利用者数については減少傾向にあるといった形でございます。

 今ご説明したような経緯から、須走口五合目において、インフォメーションセンターに期待される機能について、簡単にご説明させていただきたいのですが、まず、須走口五合目において、さきの文化遺産の経緯から、まず、安全登山の情報提供の充実が必要であろうというものでございます。また、須走口周辺の魅力発信と適切な利用の推進と、インフォメーションセンターが須走口への呼び水となって登山道利用の分散を図るという、この二つなのですけれども、先ほどの文化遺産の中で過剰な登山利用といったような課題になっておりまして、そういったものに対応していくために、登山道利用の分散を図るために、こういった取り組みをしていきたいと考えております。

 具体的な場所ですが、須走口新五合目に空き地がございまして、こちらにインフォメーションセンターを整備いたしまして、車やバスで来た利用者の方が一旦情報提供を受けて、そこから、この周辺を探勝していただいたり、登山をしていただいたりといったような流れになります。

 具体的な情報提供の内容ですけれども、登山利用者への高度順応であったり、安全登山などへの助言、あるいは周辺、麓の利用についての普及啓発や、保全活動の紹介といったものを検討しております。

 パブリックコメントについては、今回の指定案に係るものは0件でございました。

 富士箱根伊豆国立公園については、以上になります。

 続きまして、阿蘇くじゅう国立公園(阿蘇地域)についてご説明させていただきます。

 流れは同様になりまして、まず概要ですけれども、指定は昭和9年になります。大雪山国立公園などと同期でして、初期に指定された国立公園の一つになっておりまして、昭和61年に第1次点検、平成7年に第2次点検、平成21年に第3次点検を済ませておりまして、今回は一部変更になっております。

 阿蘇くじゅう国立公園のテーマですが、「草原のかほり、火山の呼吸。風が遊ぶ感動の大地」でございます。

 今回の変更内容ですけれども、国立公園満喫プロジェクトの実行計画に当たる「阿蘇くじゅう国立公園満喫プロジェクトステップアッププログラム2020」に位置づけられた施策を推進するために、単独施設の追加と歩道計画の変更を行うものでございます。

 まず、簡単に「阿蘇くじゅう国立公園満喫プロジェクトステップアッププログラム」の概要になりますけれども、2020年までに阿蘇くじゅう国立公園の全体の利用者数を140万人まで伸ばすといったものでございます。こちらのステップアッププログラムの取組の中で、利用施設計画、公園計画の変更が必要なものについて、今回、諮問をさせていただくものでございまして、具体的には、赤字で書かせていただいている部分、地割れ等を保存した震災遺構の整備、あるいはフィールドミュージアムの拠点整備と利用方針の検討、それから新たなトレッキングルートの整備といったようなものでございます。

 具体的な話をさせていただきます。

 一つ目は、宮坂園地の追加ということでございまして、右上にステップアッププログラム2020を抜粋させていただいております。こちらにフィールドミュージアム拠点施設の整備を検討しますといったようなものでございますが、フィールドミュージアム構想というものは、阿蘇くじゅう国立公園全体を一つの大きな博物館と捉えまして、草原空間を核としたさまざまな個々の魅力を発掘・連携していくといったような取組でございます。こちらをフィールドミュージアムの拠点施設としております。宮坂牧野の中にある「宮坂湿地」には、非常に希少な植物も生育しており、こちらの草原や湿原周辺を探勝していただくための園地計画を追加するものでございます。整備につきましては、非常に小規模な歩道や、こちらの概要を説明する看板のようなものの整備を想定してございます。

 続きまして、フィールドミュージアム構想の概要なのですけれども、フィールドミュージアム構想自体は、阿蘇市が取組の主体となっておりまして、草原センター、こちらは環境省の施設ですけれども、草原センターが活動の拠点となっておりまして、宮坂園地自体はフィールドワークの拠点として位置づけているといったようなものでございます。阿蘇の草原センターと宮坂園地が起点となりまして、北外輪山全体で、環境学習やツアーで、草原景観の維持活動を実施していくといったようなものでございます。

 続きまして、数鹿流ヶ滝園地の追加でございまして、こちらは数鹿流ヶ滝周辺の探勝と、熊本地震で出現した断層等を保存し、探勝するための園地として整備するものでございまして、ステップアッププログラムの中には、「活断層や地割れなどの震災遺構を自然公園施設の一部として保存する」といったものがございまして、こちらを実行するための公園計画の変更でございます。具体的には、東海大学の阿蘇キャンパスの中に、熊本地震によって断層が出現しておりまして、そこを公園施設として、断層を保存しまして、今後、利用者の方に見て、学んでいただくといったような施設を想定しております。整備主体については、主に熊本県を想定してございます。

 最後になりますが、高森南阿蘇山上線の変更については、ステップアッププログラムの中で、登山道の早期復旧を図るといったようなものもございまして、登山路として利用者に使っていただくといったようなものでございますが、現状は、緑線で引かせていただいておりますけれども、こちらが公園計画に既に位置づけられておりまして、こちらからも利用者の方には登っていただいてはいるのですけれども、こちらの区間におきましても、既に道方があるような状況でして、多くの方が登っているような状況でございます。こちらの登山道が熊本地震において一部崩落しまして、今回、こちらを再整備することになりました。再整備するに当たりまして、公園計画に位置づけて、利用者に使っていただこうという経緯で、こちらについても変更させていただくものでございます。

 具体的な見どころですが、阿蘇山上線、こちら赤線で引かせていただいておりますけれども、スタート地点は一般的な駐車場でして、そこから清水の滝であったりだとか、倶利伽羅大滝のような見どころがございまして、そちらを経て中岳に登っていっていただくといったような登山道でございます。

 パブリックコメントについては、今回の変更案に関わるものは0件でございました。

 公園計画の説明については、以上でございます。ありがとうございました。

○下村小委員長 ご説明ありがとうございました。

 3公園につきまして、それぞれの変更のポイントと、背景についてご説明をいただいております。知床は、2次点検で半島基部について再調査をされていて、組み込むというようなこと。それから、富士のほうにつきましては、世界遺産のときからの申し合わせで、利用の分散とか安全の情報提供のために施設を加えるということ。それから、阿蘇につきましては、満喫プロジェクトのステップアッププログラムに応じて、園地の追加と、それから歩道等について新たにということでございます。

 それでは、質疑応答に参りたいと思います。いつものとおり、質問、ご意見のある方は、名札を立てていただいて、最初にまとめていただいた後、事務局よりお答えをいただくという方針で参りたいと思います。いかがでしょうか。何かご質問、あるいはご意見等ございますか。

 それでは、まず中静先生、お願いします。

○中静委員 富士箱根伊豆国立公園の須走口といいますか、そこのところを整備されるということなのですけど、目的が、須走のほうへ、もう少し登山客を持ってこようということなのですが、実際、こういうもので、どのぐらい人がこちら側に流れてくるとかという試算とかはあるのでしょうか。

○下村小委員長 では、小泉先生、参りましょうか。

○小泉委員 今回の計画に直接というわけではないのですが、私、富士山の静岡側はよく調査に入るのですが、外国から来られた方と、ちょっと外れたところで会うことが何度かありまして、こういったインフォメーションセンターで海外からの人を誘導するというようなことについて、どのように準備をされているのか。

 それから、もう一つ、あまりよくない事例なのですが、いわゆる通常の登山道といいますか、外れたところで、いわゆるマウンテンバイクとか、そういった立ち入りを目にするのですが、こういったものの規制や、、アプローチを増やすことによって、そのようにして入ってくる人をどのように規制しようとお考えなのか。

 その2点を教えていただけますでしょうか。

○下村小委員長 それでは、広田先生、参りましょうか。

○広田委員 阿蘇について、二つ質問があります。

 一つは宮坂園地なのですが、これ、具体的に歩道はどのようにに入れるのでしょうか。別件でここを訪れたことがあるのですけれども、非常に植生がすばらしいところで、谷の底のところまで歩道を入れるのかどうかという、それが1点ですね。

 それから、もう一つは、東海大学のキャンパスの中の断層なのですが、断層は野外にあるので、放っておけばだんだん崩れて目立たなくなっていくわけなのですけれども、そちらに対して、何か保護の計画等があるかどうかという、この2点です。

○下村小委員長 それでは、3人から質問がありましたので、まず、それをお答えいただきましょうか。よろしくお願いします。

○事務局(国立公園課生態系計画係長 安藤) まず、中静委員からご質問をいただいております富士山の件ですけれども、須走口にインフォメーションセンターを整備して、どれぐらい人が流れてくるかというご質問なのですけれども、そちらについては、今現在、試算等はしておりません。基本的には、安全登山をこちらでしていただくための施設というものが一番の目的でございまして、波及効果を狙ったような形で、須走口にも人を呼び込めるような施設として考えてございます。

 また、小泉委員からご質問があった点ですけれども、こちら、インフォメーションセンターにおいても、きちんと多言語対応した施設として整備をしていきまして、外国人の方にもわかりやすく説明ができるような施設を考えております。

 また、外れたところにマウンテンバイクが入っているというふうなことなのですけど、基本的には、公園計画に位置づけております登山道を使って登っていただくといったようなことが基本と考えておりますが、そういったマウンテンバイク等々の利用については、今後、現地事務所を通じて、きちんとチェックしていくように伝えたいと考えております。

 続きまして、広田委員からご質問がありました阿蘇の件ですけれども、一つ目、宮坂園地につきましては、現行、管理道がございまして、基本的には、そういったところをきちんと整備して使っていただくという形でございます。

○広田委員 谷の底まではおりないのですか。

○事務局(阿蘇くじゅう国立公園管理事務所長 田村) 谷の周辺になります。湿地の周辺になります。

○事務局(国立公園課生態系計画係長 安藤) また、断層につきましては、基本的に野外にあるので、すぐ崩落していってしまうのではないかということなのですけれども、こちらは断層自体を薬剤で固定いたしまして、基本的には風化していかないように、保管していくといったような形でございますが、詳細につきましては現地事務所から回答させていただきます。

○事務局(阿蘇くじゅう国立公園管理事務所長 田村) 阿蘇くじゅう国立公園管理事務所の田村と申します。 

 屋根をつけて、一応、雨が直接当たらないような処理はさせていただくのと、断層自身に、崩れないように薬剤で固定をするという形で、現在、計画は進んでおります。

○広田委員 どれぐらいの長さがあるのですか。

○事務局(阿蘇くじゅう国立公園管理事務所長 田村) 断層ですか。

○広田委員 ええ。

○事務局(阿蘇くじゅう国立公園管理事務所長 田村) 25メートルあります。

○下村小委員長 ありがとうございました。

 それぞれ、ご質問された先生方、よろしゅうございますか。

 ほかに何か。

○中村委員 ちょっと、何かパブコメ資料と書いてあったのですけど、どこにあるのですか。

○事務局(国立公園課生態系計画係長 安藤) すみません。知床なのですけども、委員の皆様のタブレットに、申し訳ありませんが、入っておりませんでして、今、映させていただきます。こちらになります。

○事務局(国立公園課長補佐 中島) 基本的に、表記の修正をさせていただいていまして、そのとおりに修正をしております。

○中村委員 そうですか。そういうことですか。

○事務局(国立公園課長補佐 中島) はい。

○中村委員 ほかの場所も大体同じですか。

○事務局(国立公園課長補佐 中島) ほかの場所は、変更の意見がなかったので。

○下村小委員長 ほか、よろしゅうございますか。

 それと表記、ちょっと全然関係ないのですけど、令和1年というのを、元年と正式には書くように……

○事務局(国立公園課生態系計画係長 安藤) 申し訳ありません。

○下村小委員長 つまらない、公開するときに何かまた、ちょっと修正いただければと思います。

 あと、よろしゅうございますか。

 それでは、議題1から3について、諮問に添付されました変更書及び計画書のとおりとすることで、ご異議はございませんでしょうか。

(異議なし)

○下村小委員長 それでは、本件については、適当と認めるということにさせていただきたいと思います。

 続きまして、議題の4ですね。国立公園事業の決定、廃止及び変更についてということで、事務局からお願いいたします。

○事務局(国立公園課事業係長 鎌田) 国立公園課事業係の鎌田と申します。

 私から、国立公園事業決定、変更・廃止案件についてご説明させていただきます。

 まず、タブレット資料の、議事4の資料の中で4-2についてですが、 こちら、諮問案件を一覧表にしております。今回、諮問案件は70件になるのですけれども、これからご説明する案件については、黄色で塗った11件となります。これについて、新規整備であったり、再整備であったり、新たに開発が伴うものとなります。公園計画の整理であったり、既存の施設の範囲で決定するものであったり、廃止案件等の技術的な修正のものについては、説明を割愛させていただきます。これらについて、事前に資料を送付させていただいておりますので、何か気になる点があったら、後ほどご質問ください。

 それでは、説明を進めさせていただきます。

 まず初めに、カムイワッカ園地になります。こちらは、カムイワッカ川中流域に位置し、カムイワッカ川というのには温泉水が流入しており、「カムイワッカ湯の滝」というような名称であります。主な利用形態としては、カムイワッカ沢内における入浴体験や周辺の自然散策等があり、特に近年、訪日外国人利用者数が多い状況であります。

 こちら、利用者数なのですけども、年間4万人から6万人が利用されておりまして、斜里町内では特に有数の観光人気スポットとなっております。特に夏季は利用者が集中とすることにより、利用者道路の土砂流出などのおそれが現在あり、また、利用者の増加に伴い、トイレなどの再整備ということも必要な状況になっております。今後、多くの利用者が安全・快適に利用できるよう、園地として斜里町が整備するため、26.5ヘクタールの範囲を事業決定するものであります。トイレについては、下水道がこの辺りは整備されていないため、くみ取り式として地元の斜里町が管理・運営を行う予定で、周囲の河川や沼等の水質に影響を与えないようにすることになっております。

 また、決定範囲についてなのですけれども、当時、ここの周辺には、明治初期、硫黄の採掘場として過去栄えていた経緯があり、硫黄採掘跡地や運搬のための軌道跡地等、産業遺構が一部残っており、そういった歴史的経過と、火山地形がつくる独特の自然環境を学ぶ観察場としての活用も将来的に検討しているため、それらを含んだ決定範囲というところにしております。

 次に、ルサ園地でございます。

 こちらは、先ほど公園計画の際にもご説明させていただきましたが、周辺にルサフィールドハウスが設置されており、年間9,000人程度の利用者がいます。知床先端地区の安全対策に係る事前レクチャー受講などの情報収集の場や、地域住民の憩いの場として現在利用されております。

 ルサ川の河川沿いにはヤナギの河畔林が形成され、周辺にはミズナラ、トドマツ等を主体とする針広混合林が分布しております。一方で、ルサ川西側の平野部なんですけれども、こちらは過去残土捨て場として人為改変がされていたという経緯があり、現在、植皮率がかなり低い状況であります。現在、人為改変地において、環境省・羅臼町・知床財団の三者で連携し、生育を妨げる要因となっている強風及びシカの食害に対して、防風・防鹿柵を設置し、自然状態でのトドマツ、ミズナラ等の育成試験を実施しております。本決定は、ルサフィールドハウス、今ある施設を園地の休憩所と執行し、引き続き、こういった植生の復旧事業を行うとともに、将来的には、これら事業に関する植生回復事業の普及啓発であったり、周辺ルサ川、非常にいい状態の川でありますので、森と川と生き物のつながりを学ぶ、そういった環境教育等を実施するため、そういった観察会や普及啓発事業を実施するために、園路を整備する予定であり、環境省直轄の2ヘクタールを事業決定するものでございます。

 続きまして、十和田八幡平国立公園の寒水沢宿舎となります。

 こちら、十和田八幡平国立公園の十和田八甲地域の北部に位置しておりまして、青森市と十和田市を結ぶ国道103号線から50メートル離れたところにあります。事業地周辺の利用形態としては、周辺に酸ヶ湯温泉などもあり、もちろん湯治も盛んであり、さらに北八甲田連峰での登山や自然散策、また、冬季のバックカントリースキー等が盛んで、こちらは近くの酸ヶ湯集団地区には年間10万人ほどが訪れております。

 現在、寒水沢宿舎では、民間2事業者が事業執行しており、パウダースノーの雪質を求める訪日外国人利用者の増加に伴い、現在、冬季バックスキーの観光拠点として、非常にこの地域の役割が大きいものとなっております。また、近隣にあります八甲田ロープウエイについては、年間利用者数が約32万人となっており、こちらの地域、スキーの利活用もそうですけれども、訪日外国人の利用者が増えている状況であります。

 すみません、右側にグラフを載せていて、スケールを書き損ねてしまいました。単位は1,000人になります。こちらの平成29年の青森県観光客統計なのですけれども、まず、県外客については、平成25年から平成29年度の間に、約527万人から643万人、続いて訪日外国人については4万人から21.8万人に増加している状況でございます。さらに、十和田八幡平国立公園満喫プロジェクトのステップアッププログラム2020において、当該国立公園を訪れる訪日外国人利用者数7,000万人から2万1,000人の3倍にするということを目標として掲げており、この地域の雄大な自然を楽しみながら快適な利用を確保するためにも、現在、宿泊拠点の拡充というところが、この地域の課題となっております。

 以上のような背景から、図に書いております八甲田リゾートホテルの宿舎、増改築するために、区域面積を0.7ヘクタールから3ヘクタールに変更し、最大宿泊者数を200人から600人に変更するものであります。

 こちら、図面なのですけれども、区域の増加部分が赤字になります。青い部分が現状の事業の宿舎範囲となるのですけれども、区域の増加部分の大部分が、今、八甲田リゾートホテルに隣接しておりますアスファルト敷きの駐車場及び現在スキークラブハウスが建っている部分であり、計画では、これらを撤去します。点線部、黄色い部分になるのですけれども、このような形で宿舎を拡張する予定です。こちらのアスファルト敷きやスキークラブハウスを撤去した以外の、宿舎拡張以外の部分については、全面芝生に張りかえ、緑化し、宿舎の前面は園地、また、スキークラブ跡地は芝生駐車場として整備する予定です。また、現在、東側にあります八甲田山荘、こちらについては南側に別館を新たに新築する予定でもあります。

 当該、この部分の自然環境の影響なのですけれども、新築部分については、カエデ、ダケカンバ等、そういったものが多い雑木林を選定するというような配慮を行っております。

 続きまして、日光国立公園の川治女夫淵温泉線道路のご説明になります。

 こちらの当該道路については、栃木県日光市の川治温泉と女夫淵温泉、東西に結ぶ主要な道路となっており、観光拠点である川俣温泉郷や紅葉の名所である瀬戸合峡を経由して鬼怒温泉郷を結ぶもので、現在、栃木県が事業執行しております。平成27年度の交通調査では、自動車交通量が1日当たり約1,000台ほどあるようなところです。

 この場所ですけれども、山間部の急峻な地形上に位置しており、落石等の防災危険箇所が多数存在し、過去には土砂崩れ等によりこちらの西側にある若間地区という集落が孤立化する事態が発生したこともあります。さらに、現道には狭隘で屈曲箇所が多いことなどから、観光シーズンには利用客数が多いところなのですけども、大型バスはもとより、普通乗用車同士のすれ違いにも現在支障を来しているところでございます。

 本事業は、このように落石等のため防災上危険で、そういった幅員が狭隘で屈曲な区間について、バイパス路としてトンネルを整備するため、現在の路線が青色になるのですけれども、バイパストンネルをつくるため、赤色の路線のように、路線の線形を変更するものでございます。これにより、通行止めや集落孤立化の防止と、車両の安全で円滑な通行が確保できることとなっております。

 道路の線形については、地形に極力順応させることで、トンネル孔周辺の改変面積は必要最小限に抑えております。また、現道とトンネルの接続部分について、道路新設が新たに必要となるのですけれども、こちらはミズナラ等の樹木が約660本程度伐採されるということが現在、想定されておりますが、これらの中に、周辺林内も含めて保護上必要な希少種等は確認されていない状況でございます。また、工事で発生する法面については、周辺の森林から飛来した種子を捕捉して、在来種により緑化する予定でございます。また、擁壁等の構造物についても、風致上、支障が少なくなるよう、岩石を模した意匠仕上げとする予定でございます。また、周辺にはクマタカ等の希少猛禽類の営巣が確認されているところなのですが、日本野鳥の会栃木支部の有識者と現在調査をしておりまして、こうした調査の結果をもとに検討を行い、営巣地の遠方誘導や繁殖期を避けた工事、そしてモニタリングといった、工事がどういう影響を与えるかということをモニタリングしつつ、影響低減措置の検討・実施をすることとしております。

 続きまして、御坂山系縦走線道路のご説明になります。

 本事業地は、御坂山系の尾根線上のうち、この山系の最高峰となる黒岳から大石峠までの区間にあります。今回、決定区間については、南側に河口湖を見おろし、湖を挟んで対峙する富士山の展望地として、特にすぐれたエリアとなっております。

 事業地の主な利用形態なのですけれども、こちらはすずらん群生地駐車場というものがあり、黒色の部分が林道となっておりまして、車の通行が可能となっております。このすずらん群生地駐車場まで車でアプローチし、赤い部分が歩道となっているので、こちらから、現在、緑の四角に落とされております展望地のほうにアクセスしていただくというのが、主な現在の利用形態であります。

 現在、この事業執行予定である笛吹市が、「笛吹物語」というテーマを掲げ、四季を通じて、目的地となるような観光地域づくりというものを現在進めております。当該地域については、富士山周辺エリアから15分程度で訪れることができるという立地で、現在、展望地として利用されております。十分なスペースがなく、団体客等には対応が難しいような状況になっている自然の展望地において、笛吹市が展望テラスを整備するというため、展望地を含む登山利用をされている区域、この6キロを新たに追加決定するものでございます。

 新道峠を起点とした黒岳及び大石峠の散策コースといったようなものも、当然、登山利用が考えられますので、この道標等の整備をあわせて行う予定でおります。

 事業決定により、こういった麓の農産物直売所等、周辺の観光施設からの周回コースとして、そういった観光客であったり、登山客の利便性の向上が見込まれます。また、展望テラスの整備を行い、ただ観光客誘致ということだけではなく、小・中学生の校外活動等への活用というようなところも、今、検討をしているところでございます。

 デッキの形については、このように地形から張り出したものを予定しており、これについては、土壌侵食を抑制するための措置でございます。

 次に、御蔵島南郷線道路の説明になります。

 こちらは東京都御蔵島の東部に位置し、道路については、周辺の自然の景勝地へのアクセス道路というような形で主に使われております。一方で、集落部とこれらの利用拠点を結ぶ唯一の道路であり、年間を通じて観光客及び地域住民の多くが利用している場所であります。一方で、本道については、火山発電所及び水力発電所へのアクセス路として利用されている側面もあり、大型車両の通行も見られるところでございます。

 こちらは車道の現況を一例載せさせていただいているのですけれども、こちら、現在の有効幅員4メートルでは、特に既存の一般車両の通行というのも場所によっては困難な状況であり、さらに作業車などは利用できない状況であります。さらに、斜面を切り開いて整備したという事情があり、路肩を非常に作りにくく、待避所を設置できる場所も限られている状況であり、また、連続したカーブが多く、カーブミラーはあるものの非常に見通しが悪いため、正面衝突などの危険性が高い状況でございます。

 以上を踏まえ、今回の変更は、車両通行の安全確保のため、特に見通しが悪く狭隘な部分について、さらに周辺に待機所を設けるようなところが困難な場所、図面上、黄色い点で落としているところでございます。こういった場所を安全に通行できるよう、道路を拡幅するため、現在の有効幅員の4メートルから4.5メートルに変更するものでございます。

 現在、工事についてなのですけれども、この黄色1カ所につき、伐採は数十本程度生じる予定でございます。拡幅のため、必要に応じて谷側に擁壁を増設することになりますが、規模は最小限のものとし、ケーブル等の附帯工作物についても、風致・景観上、影響のないような形状及び色彩をする予定でございます。また、工事の時期の選定に当たっては、周辺希少鳥類の繁殖に影響を与えないよう配慮するというような調整を進めております。

 続きまして、鏡平宿舎のご説明でございます。

 こちら、鏡平宿舎は、中部山脈国立公園の南部に位置し、双六岳に至る小池新道登山道線に位置します。近隣にある鏡池は、槍ヶ岳・穂高連峰の絶好の展望地となっておりまして、こちら、周辺の主な利用形態としては、本格的な北アルプスの登山はもちろんのこと、この鏡平宿舎自体を目的とした、日帰りのハイキングなども有名でございます。登山に関しては、百名山の黒部五郎岳、鷲羽岳、槍ヶ岳等への縦走もすることができ、こちら、登山者届数を右側にグラフを載せさせていただいていますが、平成25年が3万7,620人から平成29年5万5,409人と、利用者が現在急激に増加しているところでございます。また、利用者の多くが宿舎周辺を経由していることが予想されており、周辺の展望地であることから、そういった利用者が現在急増しているというような事情がございます。

 利用者の急激な増加に伴い、特に登山シーズの土・日、お盆等の繁忙期には、この宿舎の収容がいっぱいの状況が現在続いており、登山者の先ほどの届け出数の増加といったデータであったり、現状、足りていない、いっぱいであるというような状況を踏まえて、この宿舎の最大宿泊者数50人というのを110人に変更するとともに、こちら、宿舎南側の増築及びトイレの処理能力を上げるための土壌処理槽の増築、及び、現在、ヘリからの荷おろし場として使われている部分が非常に宿舎から近く、危険な状態になっているので、安全に、宿舎から離れた場所に荷おろしができるよう、荷おろし場の移設をするために、敷地部分を0.05ヘクタール変更するものでございます。

 それで増築をする部分なのですけれども、こちらの図面に、右上側にありますように、主に裸地化している部分を活用して増築等を行う予定です。

 続きまして、吉野熊野国立公園のフェニックス褶曲園地のご説明をさせていただきます。

 こちらは和歌山県のすさみ町の国道42号線沿いに位置しておりまして、海岸部分、フェニックス褶曲と呼ばれている、地質学的に褶曲と呼ばれている地質がありまして、非常に珍しくて、世界的に有名な褶曲でございます。後背の樹林は、ウバメガシ等から成る海岸林となっており、この海岸と一体となり、良好な海岸景観を呈しているようなところでございます。

 本事業地周辺については、平成26年に日本ジオパークに認定され、フェニックス褶曲は、当該ジオパークの主要なジオサイトとして有名でございます。そういった背景がありまして、今まで、以前は利用者が釣り人のみであったのですけれども、そういった認知度の向上に伴い、現在、こちらのジオスポットを訪れる方が多くなっている状況であります。一方、フェニックス褶曲の周辺までのアクセスについては、もともと踏み跡程度のもので、近年、利用者の増加に伴い、踏み荒らしやルートの誤認等による道迷い等が現在発生している状況です。また、ルートの途中には急峻な岩場もあり、転落などの危険性が非常に高い状況であり、安全上、措置を講じなければいけない状況となっております。

 こちらは、現在、増加する利用者に対応し、安全に、自然資源の活用を図るため、このフェニックス褶曲周辺を安全に探勝できる園路を整備するため、フェニックス褶曲と周辺海岸を含めた4.0ヘクタールを事業決定するところでございます。

 こちらのフェニックス褶曲の利用については、地元が現在ガイド同伴を前提とした利活用というのを地元と調整しておりまして、園路の整備に当たっては、そういったガイドが同伴するということを踏まえまして、支障木や土地の形状変更等が必要最小限となるよう、現状の踏み跡といったようなものを活用し、整備を最小限にする予定でございます。

 続きまして、大山寺駐車場のご説明になります。

 こちら、鳥取県の大山町大山寺集団地区に位置しておりまして、大山の北西側の中腹の傾斜地に位置しております。米子方面から大山へ至る、米子大山道路と大山を周遊する観光道路である溝口大山道路の交わるところにあり、この集団施設地区については、登山、キャンプ、自然探勝及び歴史探勝等、もちろんスキー等の野外レクリエーションにも活用され、年間約100万人以上が利用している状況であり、こちら大山寺駐車場は、現在、この集団施設地区の主要な駐車場として位置づけられております。具体的には、本駐車場の利用台数は、平成27年度に4.7万台、平成28年度には5.5万台、平成29年度には5.7万台というような形で、こちら観光客の増加に伴って、駐車場利用客が非常に多くなっている状況でございます。また、増加する傾向が見られる前から、駐車場不足については特に問題となっており、特に冬場のスキーシーズンにおいて、駐車場の不足というのは顕著であり、別駐車場から現在シャトルバスの運行によってこちらのほうを賄っている状況であり、こちらの事業者や利用者の経済的負担というのが発生している状況でございます。

 こちらの整備なのですけれども、現在、駐車場の北側に事業を停止している宿舎がございます。こちらの宿舎を撤去し、その宿舎の敷地0.6ヘクタールを駐車場と追加するための事業変更でございます。

 こちら、使われていない、撤去する予定の宿舎の敷地部分についてなのですけれども、宿舎以外の敷地については疎林部であり、モミ、ミズナラ、イヌシデ等、10数本程度が現在、支障木として伐採することが想定されておりますが、周囲に希少種等は確認されていない状況でございます。

 続きまして、前島園地のご説明をさせていただきます。

 こちらは雲仙天草国立公園の天草地域に位置しており、宇土半島から八代海に延びる天草諸島の大矢野島と天草の間の島々を結ぶ、天草・松島道路を川俣方面から渡り終え、左折し、海岸へ入り組んだ箇所にございます。園地周辺は、昭和41年の天草五橋開通を受け、天草観光の玄関口として発展してきた経緯がございます。こちらの園地については、海水浴であったり、周辺の温泉での宿泊、また自然探勝、天草五橋周辺における多島景観の眺望を楽しむであったり、海岸散策、磯遊びなど、多様な利用形態が見られており、平成28年の天草市の入り込み観光客数は約136万人というようなところでございます。

 こちらなのですけれども、過去に、同地域に主要な宿泊施設であった国民宿舎が平成27年度に閉館し、その後、上天草市のほうで、この宿舎の跡地をどう開発するかというような検討委員会を設け、検討しており、こちらの既存宿舎を撤去し、新たに観光拠点を天草市が整備するということを予定しております。

 こちらが今回の変更部分となります。右上写真にございますが、現在、天草市が園地として執行していた部分に隣接するような形で、民間の事業者が公園事業ではない形で事業を実施してきたというような経緯がございます。この事業者と天草市が連携して、一体となった園地とできるよう、この事業者の敷地というところを新たに区域面積に加えるものでございます。

 こちら、一体的な整備が現在進められており、各施設の建物・意匠というのは統一され、風致・景観の改善が図られるとともに、各施設、どのような形で連携していこうかというようなところもきちんと協議されており、上天草市だけではなく新たに民間事業者も加えて、統一的で一体的な事業を園地として執行することで、より機能の充実というようなことが期待されるところでございます。

 また、新たに、公園区域外に、駐車場が建てられるのですけれども、眺望点となる天草橋からは、再整備されるようなところの施設の影となるため、こちらのほうは見えないようになっております。

 続きまして、先ほど公園計画のほうでご説明しました数鹿流ヶ滝園地の地震断層の遺構のものでございます。こちらは、先ほど公園決定に基づき、現在、施設計画を落としましたので、それに基づいて事業決定するものでございます。事業規模の区域面積としては1ヘクタールを予定しており、残存している断層を保存・展示する施設、そして安全に見学できるような形に整備する予定でございます。

 自然環境への影響なのですけれども、既に整備されていた大学敷地内を活用した事業というところで、新たな大規模な改変、工作物の設置というのは生じない予定です。

 事業決定の案件のご説明については以上となります。

○下村小委員長 ありがとうございました。

 70件の変更決定のうち、あるいは廃止のうち、委員の皆様方に審議をお願いしたいというか、よりしっかりとチェックをいただきたい11件につきまして、ご説明をいただきました。

 まずは、今のご説明の件に関しまして、何かお気づきの点、ご質問とかご意見等ございましたらお伺いをしたいのですが、進め方は先ほどと同じようにしてまいりたいと思います。いかがでしょうか。

 それでは敷田委員、それから中静委員、中村委員の順で参りましょうか。

○敷田委員 雲仙天草の国立公園の整備について、まずお願いしたいのですが、資料で言うと37枚目の駐車場を含めた再開発の説明がありましたが、この左側に駐車場が十分あるのに拡張するのは、何か特別な理由があってのことなんですか。園地外という説明もありましたけども、左側に十分広い駐車場があるように写真では見えるのですが、何か理由があって拡張しているのかということです。

 あと、細かい話ですけども、知床のルサフィールドハウスの利用人数が、こんなに多いとは思わないのですが。もう少し少ないのではないですか。9,000人だったと思いますが。書いてあったのですが。

 あと、カムイワッカの滝、入浴体験になっていますけど、風呂に入りに来る人は、そこまで多くはないと思うのですが。水浴びはしていると思いますが。ただの表現の問題だけですね。

○中静委員 私は二つありまして、一つは十和田八幡平の寒水沢なのですが、ここは冬の週末になりますと道路上にも駐車が全部広がってしまうぐらい、すごく駐車場が不足しております。そこに対して、リゾートホテルが110人から500人収容ということになると、一層、駐車場が不足するというような気がするのですけれど、その辺はどのぐらい考えられて今回の計画になっているのかというのがちょっと心配だなと思って、どのような状況と判断されているかお伺いしたいなというのが一つです。

 それから、もう一つは、御蔵島の拡幅工事なのですけれど、場所はそんなに大きくないというふうには思うのですが、拡幅に伴って広がる面積は大体総計でどのぐらいになるんでしょうかという質問です。

○中村委員 1個です。

 最初におっしゃられたカムイワッカの園地なのですけど、具体的にどんな整備をされるのかが、26.5ヘクタールって、結構な広がりを持ってはいるんですけど、ちょっとわかりづらい。それと、現状も、たしか、ああいうのをくみ取り式というのかどうだか知らない、簡易的なトイレはもう既にあって、実際には、あそこの駐車スペースというか、もうスペース自体はほとんどない場所なので、どういう形で――人が逆に、今の議論じゃないですけど、中静さんがおっしゃられた議論じゃないけど、入り過ぎてしまうと逆に問題になるような場所なので、さて、これは一体どういう具体的な整備がされるのかがちょっとわかりづらかったので、その辺をもうちょっと教えていただきたいのと、トイレについても、今、現状であるトイレの話をしているのか、もうちょっとちゃんとしたトイレをどの辺につくるのかも、ちょっと教えていただけたらと思います。

○下村小委員長 それでは、一旦切りましょうか。

○事務局(国立公園課事業係長 鎌田) まず、敷田委員からのご指摘で、前島園地の駐車場なのですけれども、こちらは現在駐車場となっている部分を園地にする計画でございます。こちらの部分なのですけれども、こちらは現在駐車場となっている部分をこのような形で園地に整備いたしまして、駐車場をなくすかわりに、公園事業区域外のところに新たに駐車場をつくるようなところであります。また現在、この部分にも駐車場がございますが、現在の天草市の非常に観光客というのが増えている現状もありまして、地元もそうですし、この駐車場の利用実態を見ると、こちらのほうを園地として整備するかわりに、やはり新たにある程度の駐車場というところが必要になったというようなところでございます。こちら、新たに駐車場というのは、公園区域外のところに整備するというところでございます。

 続きまして、ルサフィールドハウスの9,000人というところなのですけれども、こちらは事務所のほうに確認して、数字というのは実態上合っているかというようなところを確認させていただきます。

 また、カムイワッカ湯の滝というようなところで、温水入浴というような表現をさせていただいたのですけれども、そういったところの表現も、もう一度確認したいと思っております。

 続きまして、中静委員からの十和田、寒水沢宿舎の駐車場というところでございます。こちら、赤い部分のところが新たに芝生にするところでございます。こちらが増築部分で、この赤い部分から黄色い部分を抜かしたところが、新たに芝生の緑化するところでございますが、現在、どれぐらいこの部分を駐車場にするかというようなところについては、現在、利用実態であったり、入り込み客数がどれぐらい見込めるかというようなところも踏まえ、十分な宿泊者数に見合う駐車場の面積というのをなるべく確保していくような予定もしております。また、一方で、寒水沢宿舎というのは、空港から非常にアクセスがいいようなところでもございますので、こういったところ、マイカーだけではなく、そういった主要動線上からどう輸送させるかというようなところもあわせて検討していきながら、なるべく、そういった不適切な駐車実態にならないように調整していく予定でございます。

 続きまして、御蔵島、こちらなのですけれども、拡幅部分が、0.5メートルが、主に小規模なものになりますので、そこまで大きな拡幅というのは生じない予定ですが、現在、測量などをして、正確な面積、改変面積を事業執行の認可の段階で確認していくところでございますので、なるべく地形上に合わせて最小限の改変面積となるよう、事業の執行の審査段階で確認していきたいと思っております。

 続きまして、中村委員から指摘のあった、カムイワッカのトイレについてなのですけども……。

○中村委員 トイレというか、全体の内容。

○事務局(国立公園課事業係長 鎌田) すみません。全体の内容なのですけれども、こちら、現在、決定区域として、広範囲の26.5ヘクタールを提示させていただいているのですけれども、産業遺構の範囲というのがこの丸の部分になります。こちらは、現在、どの部分に産業遺構があるか確認を行っており、こちらはなかなか隠れていたりするので、産業遺構があるであろうと考えられる範囲といったようなところの面積となります。こちら、現在、詳細な園路をどう敷いていくかというところまでは、今後検討をしていくところなのですけれども、そういった、ここの遺構、登山線道の起点もあることから、こういったところを起点として、この部分に園路を、安全な硫黄採掘の産業跡地というのが、遺構というのが、どこにあるかわからないような、非常に隠れたものになっておりますので、きちんと動線を明らかにして、そういったものが観察等できる形で園路を整備するということが、今、大きな方針であります。そういった整備をすることを踏まえて、この決定範囲という形にさせていただいております。

 続きまして、トイレについてなのですけども、ご指摘のとおり、現在、簡易トイレが二、三台設置されているとのことで、こちら、さらに中にきちんととトイレを建てるというものではなく、簡易的に設置するようなトイレにはなるかと思うのですけれども、現在の簡易トイレでは、利用者数に対しての機能をカバーできていないところから、より高機能といいますか、処理能力が高いものであったりというものを検討しているところであります。これについても、ご指摘のとおり、利用実態というものがありますので、それを踏まえて、適切なトイレの台数なのか、処理能力なのかというところを、事業の執行の審査の段階できちんと確認していくところでございます。

 続きまして、マイカー、こちらは非常に混むということで、現在、利用者数が増加しているというご指摘なのですけれども、こちらについては、現在、滝の湯の入り口に15台程度とめられるスペースが存在しておりますが、8月中はマイカー規制を実施しており、知床五湖からバスが出ておりまして、こちらから利用者を運ぶように、実施しているところでございます。そういった形で、なるべく利用者の増加に合わせて、きちんとインフラを整備し、輸送が滞らないように、利用については地元と調整しているところでございます。

○下村小委員長 ご質問の趣旨に合ったお答えになっておるかどうかですが、再質問あるいはご意見等ございましたら。

○中村委員 すみません。15台なのですよね。せいぜいそのぐらいということで、逆に言うと、夏の利用規制で、バスでピストンやる前の段階では自由に入れるわけですよね。そうすると、あの辺でUターンするだけでも、極めて混雑する状況になっていて。ということで、施設を整備するのはいいのですけど、やっぱり利用者をどういう形でうまく、規制というとあまりよくないのかもしれないですけど、施設が整備されて、いろんなところが出てくると、当然、利用者は増えるということになりますよね。あそこにアプローチする人が。そうすると、何か僕はあの小さなスペースで駐車場が今現在15で、広げることもほとんど不可能なような場所なので、何かその辺で利用者とのちゃんと整合性をとられたほうがいいなという感じがしました。

○中島国立公園課長補佐 ありがとうございます。

 これから、今回決定を認めていただいたら、事業の任期という段階に入ってまいりますので、中村先生のご指摘を踏まえて、きちんと、滞ったりしたりないような事業施設になるように、しっかり指導してまいりたいと考えます。ありがとうございます。

○中静委員 八甲田リゾートホテルのほうの駐車場は広くなって、そっちはいいと思うのですけど、宿舎の新築予定の前の道路、そこのところにも、冬になると、もうほとんど駐車している状況なのですよ。だから、このように新築予定はあったとしても、その駐車のコントロールを上手にしないと、宿舎自体に入れないということもあり得るのではないかと思いますので、認可段階で、その辺、よく計画を練っていただくようにお願いできればと思います。

○事務局(国立公園課長補佐 中島) ありがとうございます。

 管轄しています東北事務所に中静先生のご意見を伝えまして、きちんと事業者と調整してまいるようにしたいと思います。ありがとうございます。

○下村小委員長 よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、こちらから広田委員、宮本委員、関委員と、質問を参りたいと思います。

○広田委員 ちょっとかぶっちゃう質問もあるのですけども、とりあえず質問させていただきます。

 一つは、カムイワッカの件なのですが、我々、学生時代、よく岩尾別のコースからここまで歩いて往復していたのですけども、ちょうど今、右下の湯の滝のところの写真で、ナメ滝のようなところをちょうど人が上がっているような写真があるんですが、これ、現在は、沢の中を歩くようなルートというのですか、こういうのがあるのかどうかというのをちょっと確認なのですけども。当時も結構滑りやすくて危なかったのですけれども、ちょっとこれは確認的な質問です。

 それから、二つ目が八甲田の寒水沢で、私もちょっと気になっていたところなのですけども、この宿舎区域の変更の赤と青の写真なのですけれども、特に寒水沢の新しい新築の宿舎の、かなり限定されたところに赤になっていて、今の宿舎は青ということは、これは宿舎の区域としては外しちゃうという意味なのですかね。何か、さっき中静先生もおっしゃったように、物すごく車が込むところで、何かこの赤の範囲を新しく宿舎新築予定の区域のところぐらいまで何とか広げて、もう少し広い範囲で広げて、そこの中で整備するようなほうが、何か合理的じゃないかなと。ちょっと現地の様子がいまいちわからない中で言うのですけれども、そのような気がしたのですけれども、かなり限定的に、まさに宿舎の区域だけを線を引くようになっていますが、駐車場等も考えると、何かもう少し引きようがあるのかなとちょっと感じました。

 それから、もう一つ、すみませんね。御坂山系の、これもちょっと確認的な質問なのですが、尾根上の赤の実線で引いたルートがありますね。ここも昔歩いたことがあるのですけども、これ、今の黒岳から大石峠までの間というのは、既存の山道があるんですか、尾根道が。そこを整備しようということですね。それならいいです。

 最後、フェニックス褶曲ですか、ちょっとこれ、気になったのは、園地の次の、もう一つ次の図なのですが、この崖のあるところの赤い点線がありますよね、これはどの程度整備するのかということなのですが、ここの海岸沿いのところは、やっぱり干潮・満潮もあるので、結構危ないところもないわけじゃないのですけれども、これ、どの程度まで整備するのかという質問ですね。

 以上です。

○宮本委員 1件だけ確認及び要望なのですけれども、今出ております吉野熊野国立公園のフェニックス褶曲のところなのですが、先ほどちょっと一言ご説明いただきましたように、ここはウバメガシがございますよね。それで、ウバメガシは、本州では、たしか瀬戸内海以外のところでは太平洋側に点々と自生地があるだけになっているかと思います。千葉県が多分北限かと思います。備長炭の材料ですから、かなりあちこちに植栽されているので、どこにでもあるように感じるのですけれども、実際には自生地はかなり限定されています。私もちょっと記憶が定かでないのですけれども、ここの場所よりも少し東にトンネルがあって、その付近の海岸線のところ、かなり大径木があったかと思うのですけども、もし、更新しているような場合でも、根元の部分が非常に大きいような株がある場合は、できるだけ伐採等のときにちょっとご配慮いただけるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

○関委員 私は、14ページの寒水沢に戻ってしまうのですけども、これは利用するほうの質問をさせていただきたいのですけども、駐車場がすごく必要であることはよくわかりますし、拡大も当然必要だろうなというのはよくわかる上で、スキークラブが撤去されるという話がありました。新しくリゾートホテルが増築される、宿舎新築がされる中では、この機能は失われてしまうのか、あるいは新しい宿舎のほうに取り込まれるのか知りたいです。もし、今の範囲で、このスキークラブというのは、宿泊をするお客さ以外の人がよく利用するものですので、例えばこういった機能がなくなってしまって、宿泊施設だけになりますと、来てくれているお客さんにとっては、非常に居場所が、何といいますか、憩いの場所が一つ減ってしまったようなことがありまして、何とか機能を残しながら、こういった新しい宿舎なりが整備されればいいのではないかなと、利用者の立場からの意見ですけども、一つ言わせていただければと思っています。

 以上です。

○下村小委員長 敷田委員は、新たに大丈夫ですか。

 今、お三方のご質問にお願いできますか。

○事務局(国立公園課事業係長 鎌田) まず、広田委員からあった、カムイワッカ湯の滝の道についてなのですけども、現在、沢登りは一の滝より上流には行かないようにと観光協会が指導しておりまして、さらに、実は過去、勝手にロープであったり、目印であったりがつけられたりといったことがあったので、そういったことはしないようにと現在、指導しているところでございます。

○広田委員 指導しているということは、実際には、歩く人がいるということですね。

○事務局(国立公園課事業係長 鎌田) 現在、指導しているので、それがどれぐらい効果があったかというようなところはあるのですけれども、過去、そういった不適切な利用があったというようなことは聞いております。

○広田委員 私も歩きましたけど、当時は全然不適切というあれじゃなかったですが、今は観光地ですからね。となると、基本的には、沢の中は歩かせていないという理解でよろしいのですかね。

○事務局(国立公園課事業係長 鎌田鎌) そうですね。安全なところは、特に厳しくは言っていないのですけれども、そこは自己責任という形で、安全なルートについては歩いているという実態があるみたいですね。危険なところについては、きちんと指導をしているところでございます。

 続きまして、寒水沢の宿舎の区域なのですけれども、すみません、これ、図面がわかりにくく、大変申し訳ないのですけれども、こちら、青色の部分に追加して赤色の部分というようなことになりますので、変更後の区域は、青プラス赤の区域というような形になります。

 続きまして、フェニックスの赤い点線部分なのですけれども、ここはフェニックス褶曲のルートに、フェニックス褶曲までに行くルートを少し模式的に表したもので、実際、整備するものは、実線部分というものを検討しております。なので、点線部分というのは、あくまでも動線上で、こういった形で、非常にわかりにくいようなところでもございますので、地元としては、ガイド同伴というような形での利用を今調整しているところでございます。

○広田委員 これ、点線部分は、踏み跡はあるのですね。

○事務局(国立公園課事業係長 鎌田) そうですね。何かしら、釣り人客に利用されている実態はあるので、点線部分は踏み跡というか、何かしらルートになるような目印であったり、人の跡であったり、通過跡というものがあるようなところなのですけれども、非常にわかりにくいものなので、慣れていない人がアプローチすると、道に迷ったり、危険であったりというような状況でございます。

○広田委員 ガイドつきはいいのですけれども、ただ、整備されると、やっぱりそこを歩いていっちゃう人がいるのではないですかね。ジオサイトとして載っていますからね、ここ。世界的にも希少ということであれば、当然、別にガイドがいなくても入っていく人は必ずいると思うのですけども、そこら辺は何かサインをつけたりと、何かロープを張ったりするのですか。

○事務局(国立公園課事業係長 鎌田) そうですね、もちろんそういった危惧というものも、現場の声としてはありまして、そういったことも踏まえて、今後、決定後に、具体的にどこにどういった道であったり、案内であったり、動線を整備するかというようなところは、具体的に今後議論をしていく予定でございますので、さらに事業執行認可の段階においても、こちらのほう、確認しながら、安全な園路として活用されるようにしていきたいと思います。

○広田委員 はい。

○事務局(国立公園課事業係長 鎌田) 続きまして、宮本委員のウバメガシについてなんですけれども、こちら、もちろん現在何か伐採というようなものはしないような方向で、自然の踏み跡、今あるものを最大限利活用するというような形の整備方針を考えております。そういった貴重な自生地というような情報がありましたので、こちらの情報については、園路の整備計画に当たって、そういったことに配慮するよう事務所にお伝えしたいと思います。

 続きまして、関委員の寒水沢宿舎のクラブハウスについてなのですけれども、大変申し訳ありません、撤去した後のスキークラブハウスの機能というものをどうするかというようなところについては、現在確認できていないので、そこはそういった利用者目線でのご指摘があったということは、東北事務所にお伝えしていただき、事業者とともに、今後、スキークラブハウスの利用者目線での機能といったものが失われないように配慮してくださるよう、お願いしてみます。

○下村小委員長 ありがとうございました。

 よろしゅうございますか。

 ほかに何かご質問、あるいはお気づきの点、ございますか。

 それと、あと、事前に配付はさせていただいておりますが、従来の既存の施設の把握・決定ですとか、あるいは廃止については、今回説明はしておりませんけれども、それについて、何かお気づきの点は大丈夫でしょうか。

○広田委員 鳥甲山や、幾つか登山道の歩道の把握というのが後ろのほうにずっと載っているのですが、登山客もそれほど多くないでしょうし、地元による管理もなかなか手が行き届かなくなるような、こういう、マイナーと言うと鳥甲山に怒られちゃいますけども、こういった登山道というか、歩道の維持管理というのですかね、共通する課題かなと思うんですが、ここで歩道を確認する等々という、その後のアクションというのは何か想定されているのですかね。

○事務局(国立公園課公園事業専門官 瀧口) すみません、事業係の瀧口と申します。

 特に国有林でございまして、鳥甲山は、現状、道方はあるのですけども、国有林としては、それを貸し付け等していない場合は、道としては認めていないというような状況です。鳥甲山については、鎖場ですとか、そういったものもありますので、しっかりと、そこの地元のが、道方としてはやはり使いたいということがありましたので、この公園計画や公園事業で整理した後に、しっかりと国有林との調整を進めたいという点がございます。なので、土地所有者との調整というものをしっかり進めていく、その前段階として、公園計画や事業計画でしっかりと整理をするという仕組みで今回位置づけております。

○下村小委員長 それでは、中静委員。

○中静委員 ここも知っているところなのであれなのですが、蓮池・野沢線道路というのは、今の鳥甲もすぐ近くですけど、こういう道路を国立公園の中で道路として整備するのはいいのですけれど、こういう道路って55キロもあって、しかも、ほとんど車が通らないというようなところですので、やっぱりそういう道である、しかも砂利道で、例えば本当に人が通らないときには、事故が起こっても、相当連絡なんかも手間取る場所であることを考えると、そういう何かサインをどこかにしておかないと、本当に知らない人がこういうところを国立公園の中の道路だからということで通られて、大変なことが起こりかねないので、そういう整備もあわせてやっていただくことは考えたほうがいいのではないかと思います。

○事務局(国立公園課公園事業専門官 瀧口) ご指摘ありがとうございます。

 おっしゃるとおりで、スーパー林道という形で開発されたところで、現在、アスファルト道として整備されてございまして、現在、野沢温泉村からカヤの平というところに至る道として、特に地元は、もともとスキー場だけだったところを夏季の利用をしたいといったところがありまして、シャトルバスの運行を例えば試行するですとか、そういった取組がなされております。今回、公園事業として事業道路で認可をして、環境省の狙いとしては、もともと普通の地域であったところの道路を特別地域に今回指定していますので、しっかりと崖崩れが起きたときとかの復旧工事というのは必要なのですけれども、その復旧をいかに風致・景観に即したものにするか、保全に合ったものにするかという点を重要視して、ここの夏季利用という点と、工事への対策という点を踏まえて、公園事業道路という形で今回計画を立てているところでございます。

○下村小委員長 でも、ご指摘の安全の問題も整理として。

○事務局(国立公園課公園事業専門官 瀧口) 安全の問題についても、なかなか公園計画を見て利用者が来るという状況ではないと思いますけども、現状、利用が多くなりつつあるというところですので、環境省を含め、道路管理者も交えて、しっかりと対策というのはとっていきたいと。現場に伝えたいと思います。ありがとうございます。

○下村小委員長 あとはよろしゅうございますか。

 それでは、ありがとうございました。

 15国立公園の、全体では70件ですね、事業の決定、変更・廃止につきまして、ご承認をいただけますでしょうか。

(異議なし)

○下村小委員長 それでは、適当と認めるということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 それで、審議案件は以上なのですけれども、そのほか、事務局のほうからご報告が2件あるようですので、お願いいたします。

○事務局(国立公園課公園計画専門官 滝澤) 次、ご報告なのですけれども、国立公園満喫プロジェクトについて2件、ご報告をさせていただきます。

 資料については、5-1について、お開きいただければと思います。

 1点目なのですけれども、2018年(昨年)の国立公園の訪日外国人利用者数の動向についてということで、国立公園に訪れた訪日外国人の方の利用者数の推計の結果と、あと、国立公園、数だけではなく、利用の質を高めていくという取組をやってございますので、満足度ですとか、旅行消費額といった指標を定めておりまして、その調査結果についてご報告をさせていただきます。

 次、めくっていただいて、2ページ目、こちらが国立公園の訪日外国人利用者数の推計の結果でございます。2018年の訪日外国人の利用者数については、694万人と推計をされました。前年度に比べて94万人増え、15.7%増える形となっております。また、エリアでは、北海道地域で胆振東部地震等があったところではありますが、前年度比19.5%増えているというような状況でもございました。

 めくっていただいて、次が国立公園の質の指標に係る調査結果でございます。こちらについては、先ほどは34の国立公園全ての利用者数の結果だったのですけれども、取組を実施している8公園及びそれに準ずる3公園、支笏洞爺、中部山岳、富士箱根伊豆を訪問した、計11の公園を対象に、外国人の方に満足度ですとか、旅行消費額、宿泊の日数、国立公園の中、また周辺地域の宿泊日数についてアンケート調査を行っております。満足度については、7段階での調査で聞いておりまして、最も高い「大変満足」という割合が48.5%となりました。昨年度との比較というか、傾向なのですけれども、昨年度は、対象が8公園のみで行っていたということがあって、また、少し調査時期がずれているところもあるので、単純な比較はできないのですけれども、傾向として改善をしているという状況でございます。また、不満層のほうの不満寄りの回答、「何とも言えない」というところから「大変不満」というところを足した不満層についても、改善をしている状況でございます。内容としては、全体的に自然景観の評価が高いものの、やはり多言語であったり、交通のアクセスであったり、お土産、食事の内容についての満足度が低い傾向にございました。旅行消費額については、6万6,496円ということで、昨年度の傾向等を見ますと、大きな変化は見られていないと。こちらについては、日本全体で観光庁が行っている訪日外国人の旅行消費額全体の傾向としては同じような状況、若干の微減というか、大きな変化が見られていないというような状況となっております。費目別については、宿泊費が増えております。こちらについては、その下の日数が増えているというところとも連動しているかと思いますが、それ以外の買い物ですとか飲食といったところについては減っていたので、宿泊費は増えたものの、全体としては大きな変化が見られていないという結果でございました。

 次の4ページ、5ページについて、また6ページについては、それぞれの調査指標の方法についてを示したものです。

 すみません、画面は小さいのですけれども、こちらは649万人について34の公園でどのような結果であったということを示したものになります。

 以降は、主な取組内容ですとか、こちらについては、今年度から始まった国際観光旅客税による事業の内容について、参考としておつけをしております。

 私のほうからは以上になります。

○事務局(国立公園課課長補佐 三宅) 国立公園課の三宅と申します。

 続きまして、資料5-2の説明をさせていただきます。

 満喫プロジェクトに関連させまして、国立公園の宿舎事業につきまして、どういうあり方がよいのかということで、昨年度まで、委員会の名簿が一番後ろについているのですけれども、下村先生にもご参画いただく形で、「国立公園の宿舎事業のあり方に関する検討会」というのを立ち上げまして、国立公園の宿舎事業のあり方について、いろいろご意見、ご提言をいただいてきました。

 その中で、一つ課題として提起されておりましたのが、国立公園の宿舎事業として「分譲型ホテル」を認可することを検討してはどうかということで、課題になっておりまして、その件につきまして、検討をこの度進めておりまして、基準の素案が上がってまいりましたので、ご報告をさせていただきます。

 資料5-2の一番最初のページ、1番、背景・趣旨というところですけれども、これまで分譲型ホテル、いわゆるオーナー、部屋を1室当たりをもう売り切ってしまって、その人が使わないときはホテルの一部として営業するといったような形態のものですけれども、コンドホテルあるいは会員制ホテル、それから企業の保養所といったようなものにつきましては、公園利用者に対する公平な利用機会の提供ができないというような理由から、公園事業としては認可をしてきておりませんでした。しかし、一方、近年、建設のコストが上がっている等の事情がありまして、分譲型ホテルのような事業形態が有利になってきているといったような事情も踏まえまして、国立公園の中において、特に満喫プロジェクトを踏まえて、上質な宿泊体験を提供するとか、あるいは観光地として少し活力が落ちているような地域での、こういった新しい事業形態を入れて地域を再活性化をすると、そういったような観点もあるかなということで考えておりまして、その宿舎事業を認可する基準を設定したいと考えております。

 具体的な基準としましては、1枚めくっていただきまして、「国立公園事業取扱要領」についての改正内容というところでございますけれども、別添2と書いてあるところのまず①、当然、公園事業ですので、公平な利用機会の提供というところは十分配慮しなければならないということで、ア、イ、ウという三つの基準を定めたいと考えています。まずは特定の個人または団体が独占的に使うような客室は設けないということ。それから、宿舎施設の年間の延べ宿泊可能客室数のうち7割以上が一般の利用者に開放されているということ。それから、特にスノーリゾートのような季節性の強いエリアについては、ハイシーズンも一定数の客室において一般の宿泊の機会が確保されていることと。こういった基準によって、会員制ホテルあるいはコンドホテルであっても、一般の利用者の利用機会をきちっと確保するということを担保したいと考えております。

 それから、続いて②ですけれども、こういった事業形態のうち、一部は客室を、所有権を販売するということで、施設の所有者が、数が増えることによって、施設の改修ですとか、あるいは撤去がうまく進まないのではないかといったような懸念がございます。すみません、さらに下のところに今説明をさせていただいていますけれども、宿舎施設の所有権を客室単位で販売するものについては、区分所有者と公園事業者の契約において、建物の耐用年数に応じた借地借家法に基づく定期借地権、または建物大規模修繕や建てかえが円滑に実施されることが見込まれる買取権が設定されているということで、こういった契約上の縛りの中で、所有者が複数人いたとしても、きちんと施設の修繕あるいは撤去が進むような形の基準を設けたいと考えております。

 それから、すみません、説明が前後してしまいまして。別添②と書いてあるところの②の部分の基準ですけれども、国立公園の中は、どこでもこういった特殊な事業形態を認めるというのはあまり適切ではないかなというふうに考えておりまして、どういった地域で認めるのがよいかというのを検討してまいりました。こういった新しい民間投資を活用して、現在、少し観光地として衰退しているような地域に民間投資を積極的に呼び込むといったような観点から、ア、イという基準を設けておりまして、廃業施設や休業施設が目立つエリアの再活性化に資するようなものを条件とすると。あるいは、風致景観の保護上支障を来している廃屋や老朽化施設の改築または建て替えにより実施されるようなものということを基準としては設定したいというふうに考えておるところです。

 現在、パブリックコメントは終了しておりまして、このパブリックコメントの結果について、取りまとめを行っているところでございます。

 この8月中にも、あり方検討会を開催して、委員の皆様にご審議いただいた上で、9月ごろには、この基準を施行していくといったような段取りで今後進めていきたいと考えております。

 報告は以上となります。

○下村小委員長 ありがとうございました。

 満喫プロジェクトに関わる内容で、訪日外国人の利用者数の推計のご報告と、それから、ちょっと問題になってきている分譲型ホテルをどうするかということとか、あるいは廃屋撤去等の問題とも絡んでおりますけれども、そういうものの対応として今検討を進めていることにつきまして、ご報告をいただきました。

 何かご意見とか。はい。幾つかございますようですね。

 それでは、まずは深町委員、それから小泉委員、それから敷田委員と参りましょうか。

○深町委員 国立公園満喫プロジェクトのことでちょっとお聞きしたいのですけれども、いろんな世界水準ということで、特に海外の方をお迎えしたときに大事なことの一つとして、ビジターセンターの役割があると思うのですが、ちょっと拝見する中では、影をつくるとか、多言語化するというような部分は見えるのですけれども、そもそも、本当にいろんな国から来てくれた人が、ビジターセンターそのものでの展示だとかレンジャー、アクティブレンジャーがどういう形で今までの形をより向上させていくとか、人の役割がどうなっていったらいいかとか、そういう部分でどのような取り組みをされているかとか、あるいはビジターセンターに対して、訪れた人たちがどのような意見を持っているとか、そういう部分の調査で、把握しているところがあったらお聞きしたいのですけれども。

 以上です。

○小泉委員 質問というより、コメントをさせていただきます。

 訪日外国人の国立公園の質の指標に係る調査結果なのですが、自然景観に評価が高くというだけではなくて、もう少し詳しくご説明いただきたかったなと思います。見て楽しかったということなのか、もっと滞在型につながる何かアクティビティに満足度が高かったのか、その辺、ご説明いただきたかったと思いました。

 それから、後半、ご説明いただきました分譲型ホテルについて、ホテル自体よりは、駐車場や野外遊戯といったようなホテルに付帯する施設に関して、従来の宿泊施設と比べてどのぐらい規模が大きくなってしまうのかというようなことについて、あり方として、何か考えなければいけないことがあるのではないかという気がしました。

 これは質問というよりコメントです。ですから、回答は結構です。

○敷田委員 私は質問ですが、調査方法についての部分で、国立公園の質の指標に関する調査結果のところの旅行消費額の調査方法をもう少し詳しく教えてほしいのですが。というのは、この旅行消費額のパターンというのは、海外から来る一般のお客さんが1人当たり15万円使っていて、そのうちの30%が宿泊代金ですが、それからすると、国立公園というのは宿泊代がすごく高くて、飲食はほぼ一緒で、買い物できないと。買い物に使っているお金は少ないということになるのですが、本当に調査して出たんだったら、そういう違いがあるということになるので、おもしろいと。おもしろいって不謹慎な言い方ですけども、特徴があるなとは思うのですけども、その調査方法を教えてください。

○宮本委員 5-1の1の国立公園の訪日外国人利用者数の推計結果の三つ目なのですけれども、その下のほうの行で、近畿・中四国・九州北部の一部で前年と比べて減少している国立公園もあったということで、前年度比のところを見ると、物すごく大きく減っているところも何カ所かあるんですけれども、これにつきまして、何か理由のようなものをご検討なさったのかどうか。どういう可能性があるのかというようなことで、もしご存じのことがありましたら、ご教示いただきたいと思います。

○下村小委員長 ご質問等よろしい……。

 じゃあ、広田委員。もうこれで最後にしましょう。そろそろ時間が来ていますので。

○広田委員 2点なんですが、ビジターセンターの件なのですけども、昭和っぽいビジターセンターも、まだ結構残っていますよね。民間の事業者がやられているようなやつもあると思うのですけども、改修というか、建て替えというか、これは何か計画的に、今、改修・建てかえ等が必要なビジターセンターが幾つぐらいあって、何年間にどれぐらい整備していくみたいな計画があるのかないのかという、これが質問です。

 それから、もう一点が、分譲型ホテルの方針のところ、先ほどのところで、ちょっと、私はあまり詳しくないのですけれども、別添②で説明された、認可する際の基準のところなんですけれども、ア、イ、ウとあって、アが「特定の個人又は団体若しくはその構成員等が独占的に利用する客室を設けないこと」という条件があるんですけど、これは結構厳しいのかなというか、イがあれば、別に一部の客室が特定の個人とか団体が利用しても構わないのではないかと、何かちょっと常識的に感じるのですが、あえてこういうような規定を入れる理由は何なのかという質問です。

○下村小委員長 それでは、お答えというか、対応をお願いいたします。

○事務局(国立公園課長補佐 中島) ありがとうございました。

 まず、深町先生からいただいた、ビジターセンターに関するご指摘です。我々の直轄のビジターセンターは、今、全国で70程度あります。利用拠点に整備しておりまして、我々にとって、利用を提供する施設で非常に核になる施設でありまして、満喫プロジェクトの中でもやはり重要な施設と我々も考えているところでございます。カフェを入れたり、あと多言語対応を強めていったりということはしておりますし、また、今年から観光旅客税も活用いたしまして、デジタルサイネージを導入しまして、そこでアクティビティ、どういうアクティビティがあるかとか、そういった紹介をしたりとか、そんな形で利用の質、利用情報の提供ということを強めていく予定としております。これまで、従来のものは博物展示施設というような位置づけで、見ていただくような施設が多かったのですけれども、インフォメーションのような機能もさらに充実していくことで、利用者にとって非常に有用な情報が提供できるような施設にしていけたらいいなと思っているところでございます。

 昭和の施設の建て替えについては、後で整備課のほうからお答えをいたします。

○事務局(国立公園課公園計画専門官 滝澤) 小泉委員のほうからありました、質のアンケート調査の内容についてなんですけれども、自然景観以外に、満足度の評価で利用とかに係る部分については、現地のツアープログラムの満足度であったりとか、ビジターセンターの情報提供の状況であったり、また遊歩道、展望台、施設の状況であったり、そういったところの満足度についても聞いているという状況でございます。自然景観については、自然景観という項目のみになっているので、あとは自由記述というところで、個別の項目という形になっている状況です。

 敷田委員のほうからありました、旅行消費額のとり方なのですけれども、アンケート調査票の中で、今回の訪問の中で支出額をお答えくださいと。そのアンケート調査票には、国立公園の区域図もつけております。公園の中の宿泊費、飲食費、交通費、また自然体験・アクティビティ費、その他娯楽費、買い物費というようなところについて、それぞれ金額を記入していただく形で、その後、平均値をとっているという方法になってございます。

 宮本委員のほうからありました、利用者数の減少しているところの理由の分析のところなのですけれども、例えば内訳表を少し拡大等していただければと思います。この内訳表なのですけれども、ピンクのセルで、インチ30と縦になっているところが、今年度の各公園の利用者数の推計です。そのうち、誤差率が高過ぎて、なかなか推計としては参考程度にしかならないというのが、草色で塗り潰しを行っているところ、なかなか、ここの増減というのは、分析等は行っていないんですけれども、あとはピンクに塗ってあるところが、上位10、多かったというところになります。前年度増減というところが、その隣にあります。そのうち満喫のほうでも取り組んでいる伊勢志摩の国立公園なのですけれども、そちらについては減っているという状況がございます。こちらについては、神宮についても公園の中に入っているのですけど、伊勢市の推計でも、神宮自体の利用者数が減っているという状況もありますので、かなり過小というか、下に振れ幅が出ている状況ではあるのですけれども、そういった施設の利用状況にも合っているのかなと。

 すみません。細かく全ての公園についての状況評価というのは行っていないのですけれども、一つ分析を行ったところが、そういった状況でございます。

○事務局(国立公園課課長補佐 三宅) 分譲型ホテルの件につきまして、広田委員から、ご指摘ありがとうございました。

 このアの基準の意図としては、役所用語でわかりにくいと思うのですけど、要するに住居とか別荘のような形で使うのは認めないといったような趣旨を言いたいという基準でして、通常、国立公園の中で住居とか別荘を建てたいという場合、事業ではなくて許可で、厳しい基準でやっていただいていますので、それを考えると、そういったような基準というのは必要かなということで、こういった基準を設けておるところでございます。

 それから、小泉先生からのご指摘、ありがとうございます。十分に踏まえて、今後進めていきたいと思います。

○下村小委員長 ありがとうございました。

○事務局(自然環境整備課長補佐 坂口) ビジターセンター等の施設の整備に関しては、5カ年の中期計画というのを公園ごとに立ててございます。都道府県が執行しているような事業もございますので、そちらのほうも中期計画というのを立てていただいて、完全に都道府県と計画期間ががマッチしているわけではないのですけれども、そのエリアの中で中期的にどういうところを優先順位をつけて整備していくか、ビジターセンターについては、例えば既存のビジターセンターが更新時期に来ていたり、利用上、新しい更新が必要かどうかとかというのを見ながら、あと、予算の制約がありますので、まず、当面の5カ年というのを期間としてに整備計画を立てて進めているという状況です。

○下村小委員長 いろいろお気がかりの点も多いかと思いますので、また、事務局のほうにご意見等をお寄せいただければというふうに思います。ありがとうございました。

 それでは、本日の審議、報告の内容は全て終了いたしましたので、ご協力いただきまして、本当にありがとうございました。

 事務局に進行をお返ししたいと思います。

○司会(国立公園課課長補佐 清武) 下村小委員長、ありがとうございました。

 各委員の皆様におかれましても、長時間にわたりご審議いただき、ありがとうございました。

 本日配付しております資料、印刷物につきましては、郵送をご希望であれば、そのままご退室いただければ、後ほど事務局から郵送いたしますので、よろしくお願いします。

 それでは、以上になります。

 本日は、どうもありがとうございました。

午後5時30分 閉会