中央環境審議会 土壌農薬部会農用地土壌小委員会(第3回)議事録

日時

平成22年3月24日(水)13:00~13:46

場所

中央合同庁舎第7号館(西館)共用第2特別会議室

出席委員

委員長  松本 聰
委員  浅野 直人
 大塚 直
臨時委員  太田 信介
 佐藤 福男
 鈴木 英夫
 染 英昭
 高橋 滋
 中杉 修身
 岡崎 正規
 藤井 絢子
専門委員  深見 元弘
 西尾 隆

委員以外の出席者

環境省
水環境担当審議官、土壌環境課長、土壌環境課課長補佐、総務課長

議題

(1)
農用地土壌汚染対策地域の指定要件等について
(2)
その他

議事

(土壌環境課長)
 定刻となりましたので、本日は全員出席の予定ですが、ちょっと鈴木委員が遅れられているようであります。いずれにしても、小委員会の定足数は満たしておりますので、始めたいと思います。
 本日の配付資料でございますが、資料2ということで、農用地土壌汚染対策地域の指定要件等について(素案)というのを配らせていただいております。
 よろしいですか。

(はい)

(土壌環境課長)
 それでは、松本先生に、議事進行をお願いします。

(松本委員長)
 皆さん、こんにちは。年度末の大変お忙しい中、また足元の悪い中をご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 さて、本日の小委員会でございますが、前回の骨子についてのご議論を踏まえて、事務局が取りまとめました。農用地土壌汚染対策地域の指定要件(素案)について、委員の皆様方からコメントをいただきたいと、こういうふうに思っております。
 本日、ご了承がいただければ、当小委員会の報告として、30日に予定されております土壌農薬部会に、環境基準等専門委員会報告とあわせて報告したいと考えております。
 それでは、まず、本日の審議の公開のあり方について、これから説明いたします。
 今回の小委員会においては、公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼす恐れや、特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらす恐れがないことから、公開とさせていただきます。
 それでは、議事次第に沿って審議を進めてまいりたいと思います。
 議題1でございます。農用地土壌汚染対策地域の指定要件等についてでございます。それでは、事務局から素案について説明をお願いします。

(土壌環境課長)
 では、ご説明いたします。
 前回の審議会でヒアリングを実施したのですが、その後、施策の全体像については説明を各委員にきちんとした方がいいかなと思いまして、農林水産省の協力を得て資料をつくって、説明に回らせていただきました。全体像の中から見ると、メニューの1つとなる農用地土壌汚染防止法に基づく対策ということになるわけですが、これにつきましては、6月の初旬までに政令改正ができないと、今年度のデータがとれないという事態が迫ってきております。そのことを踏まえてまして、素案の説明に入らせていただきました。
 前回の骨子に当たるところが中核になっておりますが、最初に、「はじめに」ということで、農用地土壌汚染防止法の目的や、これまでの経緯を簡単にまとめております。
 2ページ目にまいりまして、法律が制定された後、行ってきた対策、カドミウムだけではなく銅、ヒ素についてもどうだったかということを、簡単にふれております。
 2以降は、農水省の政策になりますので、事実関係については確認をしましたが、まず、食品衛生法に基づいて流通の規制がされていること。「また」ということで、昭和44年に厚生省の発表に基づいて流通の混乱が生じたので、それをさけるために0.4 mg/kg以上1.0 mg/kg未満の米は買い上げを行ってきたということが書かれております。
 平成14年以降、水管理の徹底をしたということで、ここにあるように買い上げの対象となる米のトン数がかなり減ってきていると。
 3が、成分規格の改正でございますが、この経緯につきましては、専門委員会の報告の中で詳しく述べられておりますし、また、第1回小委員会の審議の際の参考資料の中にも国際的な動向なども入っておりますので、ここでは簡単に記述しております。 米のカドミウムにかかる成分規格を1.0 ppm未満から0.4 ppm以下に改めることが適当であるとの答申が出されております。
 4でございますが、その答申では、主要な摂取源である米を中心に農産物のカドミウム濃度低減対策に取り組むことが要請されているということで、農水省が今取り組んでいる対策を簡単にまとめさせていただいております。
 4ページにまいりまして、前回の骨子にあったものを、そのまま移してきております。指定要件の考え方、土壌環境基準の考え方、相互の関係なども見まして、前回議論していただきました課題ということで、1つは1号要件ということで、政令の規定と過去のデータも使うということの施行通知。
 次に、(2)で前回の骨子では「課題」だったのですけれど、それをそのまま書いてしまいましたが、検討の経緯を述べた記述であるので、正確に言うと「課題とその検討」ということになるかと思います。基準値につきましては、専門委員会報告を引いて書いてありますけれど、「食品規格基準の改正により、0.4 mg/kgを超えるカドミウムを含む米が、公衆衛生の見地から販売等が禁止される食品に位置づけられることとなり、食料を生産する機能を保全する観点から定める環境上の条件としては、食品のカドミウム成分規格の改正を受け、『米1kgにつき、0.4 mg以下であることとする』のが適当である。」ということが、専門委員会報告の中では述べられております。
 これは、自動的にこうなったということではなくて、土壌中のカドミウム濃度と米のカドミウム濃度の相関に関するデータを踏まえた議論をしていただき、さらに健康のリスクを抑えるという観点から、どこに的を絞って対策をやったらいいかというような議論がございまして、身体に入る直前の、近いところの方が確実なのではないかという議論になって、その上で食品基準と同じものにしたらどうかという結論になったというものでございます。
 土壌環境基準と農用地汚染対策地域の指定要件は共通目的を有しているということから、同じように米に含まれるカドミウムの量が0.4 mg/kgを超えることとするのは、適当ではないかというのが前回の委員会での考え方であったかと思います。
 前回、議論がなかったのですけれど、前々回にちょっと触れられていた測定方法につきましても、専門委員会報告において、おおむね2.5ヘクタールに1カ所のほ場を選んで、その調査ほ場内における採取点数については5点とする。また、新たな分析方法の導入などについても検討するとともに、精度管理の方法の考え方、指針の整理が必要になるということが言われておりますので、これも専門委員会報告を踏まえた測定方法とすることが適当であるのではないかと思っております。
 測定条件につきましては、水管理がきちんと行われているということで、気象条件や水管理の実施状況を把握していくことが望ましいということで述べております。
 6ページにいきまして、2号要件でございますが、(1)現状では、現在の整理を書いております。政令条文の後ろは、施行通知ということで、第1回小委員会で説明いたしましたが、1号地域、米で超えたところと水系または汚染源が同一であるということですとか、土壌中の濃度が1号地域より高いところや、土性が同一であること。さらには、すぐ隣にあるか、囲まれた地域であるか、また、離れた地域であるかというようなことで、米の濃度も見て2号地域は指定するようにしております。
 課題の検討といたしまして、カドミウムに係る指定要件については、健康をそこなうおそれのある農産物が生産されることを防止する観点から設定されているので、これまでも地域一体的な指定が行われてきたということや、虫食い状態になった場合には、水管理などの作業に問題が生じるおそれがあることなどから、政令の規定の仕方は現在と同じようにしておいて、現行の1 mg/kg以上を0.4 mg/kgを超えるに改めるというのが、2号要件については適当ではないかというような議論だったかと思います。
 これを踏まえまして、最後の結論でございますが、「農用地土壌汚染対策地域の指定要件に関しては、以上の論点を踏まえ、下記のとおりとし、指定に当たっては、都道府県知事により、水管理の実施状況、気象条件、過去のデータ等を踏まえ、総合的かつ合理的に判断されるものとする。」ということにしたいと思います。
 指定要件につきましては、1号要件、2号要件、現行の政令にあります、「1 mg以上」というところを、「0.4 mgを超える」という具合に変えております。
 測定方法及び測定条件につきましては、測定方法についても、専門委員会報告における環境基準の測定方法にかかる記述を踏まえたものとすることが適当であるということと、測定に当たっては、カドミウムの稲への吸収が、特に水管理の状況により大きく変動することから、その地域で通常行われる水管理が実施されているほ場を対象にすることということにしてはどうかと思っております。
 以上です。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に対しまして、質問、ご意見を求めます。どうぞ。
 浅野委員、どうぞ。

(浅野委員)
 タイトルがちょっとおかしいなということですが、まず、「素案」と書いてありますけど、もうそろそろ素案ではないのではないでしょうか。
 それから、2ページの大きい見出しは「情勢」と書いてありますが、「これまでの取り組み」ぐらいのさらりとした表現でいいのではないでしょうか。
 4ページは、さきほど課長も言われましたが、「主な課題」と書いてあるのを、「課題とその検討」というふうにして、5ページの(2)、それから7ページの(2)は「検討」としたらいいのではないでしょうか。
 あとは、「てにをは」程度のことですが、8ページの「結論」という部分を、丁寧に読むとやっぱりちょっとおかしいですね。「以上の論点を踏まえ」と書いてありますけど、検討したわけだから「検討を踏まえ」でしょう。
 それから、「測定方法及び測定条件」の部分も、「指定要件にかかる測定方法については」という表現の方がいいと思います。「も」というのは、ほかにもちゃんと専門委員会報告を踏まえているのがあれば「も」ですけど、この8ページには、専門委員会報告というのはここしか出てこないから、結論の部分で「も」とい うのは、いかにもおかしい。だから、これは「は」ですね。
 さらに、2点、1つが測定方法、1つは測定条件ですが、後の方の書きぶりも、前の表現とちゃんとあわせるのであれば、「また、調査に当たっては」というのが前の表現だったと思うし、それから、ここだけ「することとする」というのも、これでは文末が合っていないので、これは上が「適当である」とするなら、ここも「適当である」というようにして、「することが適当である」としておいた方が、文章としては整っていると思います。
 内容的には、この報告案は、あくまでも指定要件についてどうするかということを報告するということが目的ですから、それ以外のことは言ってみれば余事記載ということになるわけで、余計なことをいろいろ書いても、それは余り意味がない。あるいは、必要なことについては、これできちんと全部おさえられているということですね。これまでの議論の中でいろいろな議論がありましたけれども、それらについてはあくまでも運用上の問題ということでの議論があったわけですから、特にここに記さなくても、議事録を見ればわかるだろうと思います。
 前回、いろいろなやりとりがあって、議事録に残っている話がいろいろありますけれども、実は言いたかったことは、この法律で、農用地の土壌汚染対策地域として指定をすることになる。そうすると、それによって本来ならば100%環境基準、あるいは食品衛生法上の基準を超えるような農作物ができないこととなる、というのが望ましいのだろう。しかしながら、それは現実には不可能です。というのは、およそ農業生産であり、かつカドミウムのように土壌の条件やさまざまな条件によって、かなり変動が生じるという場合 には、最小限にするとか、少なくするということしかできないだろう。であるならば、現実には、場合によっては基準をオーバーする米ができることになる可能性は否定できない。それを100%防ごうとすることは、ある意味では過剰規制ということになりますから、それはできないという判断を我々はしましたと、こういうことだと思います。
 そうだとすると、仮に例外的に基準をオーバーする米などが生産されることがあり得るとすれば、それは食品衛生法の本来領域の問題なのだから、そちらで責任を持って取り締まりをすべきものだということが、私が言いたかったことです。
 それに対して厚労省が、前回は何かまるでお前らの責任だみたいなことを言われたので、私はこれは大いに心外であると申し上げたわけです。まして、環境基準のつくり方が、けしからんなどと言われる筋合いは制度上からも全くないわけで、甚だ遺憾な発言であったと思うわけです。
 というわけで、さまざまな議論はありましたけれども、それはこの報告本体とは直接的にはつながらない部分であろうと思います。さらにこれによれば結局のところ、水管理を適切に行うことによって、カドミウムの含有量が基準の範囲内におさまる米をつくるということを前提にして、この環境基準を達成させようという ことを言っているわけですので、そのためにどういう負担がかかるかというようなことに関しては、残念ながら農用地法それ自体の世界では答えは出せないわけですから、これについても運用上のさまざまな点について、当審議会としてはついでながらというか、心配なので、多くの委員がご発言になって、関係府省で適切な措置を 講じてほしいということが指摘されたのだと思いますが、この辺についても、記録に残ることですから、この報告書の中に特出しして書くということは適当でないと思います。私は、この報告案でよろしいのではないかと考えます。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 そのほか、どうぞお願いします。
 太田委員、どうぞ。

(太田臨時委員)
 前回欠席しましたので申しわけなかったんですけれども、その後の状況等についても、担当課の方からご説明をいただいております。
 特に、第1回目に、今の議論とも関連するんですけど、水管理が非常に重要だというので、その対策の議論があったと思います。私自身も基盤整備の観点から意見を申し上げました。その後、農水省と確認したり、私自身が少し勉強いたしまして、私の理解としては、確かに水管理によって抑制できるという効果は大きいし、またその努力も現在行われているわけです。けれども、そういうものをより確実にするために、水の手当てが必要になる場合が、もちろんございます。
 その場合、これをいわゆる対策そのものとして取り上げるということもあり得るんじゃないかということを、前回、1回目のときにお話ししたと思います。けれども、結局一般的な品質向上というのを含めて、水の手当てというのは行われるわけです。ところが、土壌汚染対策のために水手当が必要だということにされてしまいますと、かえって風評被害的な議論も出かねません。実態は、むしろ一般施策の中でそういうものが行われているようですので、前回のそれのための特別な施策が必要じゃないかという議論については、今はむしろ実態を踏まえた方がいいという考えになっておりますので、そのことを議事録に残していただくという意味も含めまして、補足させていただきます。よろしくお願いします。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 どうぞ、そのほか、お願いします。ございませんでしょうか。
 染委員。

(染臨時委員)
 これ1点質問よろしいでしょうか。
 この3ページの4番の書きぶりなんですけど、一番最初の最後に、「薬事・食品衛生審議会の答申では」云々と書いてありまして、その後に「農林水産省は」云々と書いてあるんですが、これは全然別のことを書いているんですか。それとも、薬事・食品衛生審議会の答申の中で、こういう農林省の政策についてもふれているという文章ですか。ちょっと、文章的によく。単純に並列になっているんで、どういう意味合いかちょっとよく分からないので教えてください。

(松本委員長)
 それでは、事務局の回答をお願いします。

(土壌環境課長補佐)
 薬事・食品衛生審議会の答申において、この第2段落以降の施策が具体的に書かれているわけではありませんが、昨年、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格部会が開かれた際に農林水産省、それから環境省で関係する政策について紹介をさせていただいきました。その中で具体的な低減対策として農林水産省の方から説明されたことが、食品規格部会における「低減対策」だと理解しております。

(染臨時委員)
 じゃあ、その上でちょっとご意見申し上げるんですけれども、先ほど浅野先生からこの報告書というものは指定要件についてきちっと記載するんだと。それが最大の使命であるということで、それが以外のプラスアルファのいろいろな議論については当然、議論の過程においてはありましたし、議事録に残るということで、それはそれで、基本的にそういう方向でいいのだと思っております。
 でありますが、3ページの農林水産省のこの施策をよくよく読みますと、これ、農作物のカドミウム濃度の低減対策を導入、普及を促進するために国がやるべきものとして、低減対策の検討に対する支援、それと植物浄化技術の取組に対する支援、それと3番目はですね、これはいろんなことが書いてありますが、要は有効性の検証だということですよね。それとさらにその下ではカドミウムの濃度低減技術の開発に対する取組の支援ということで、これよく見ると要は導入、普及そのものに対する支援をやるのは(2)の植物浄化技術の取組に対する支援だけなのですよね。それ以外は検討に対する支援だとか、検証に対する支援だとか、開発に対する支援だとかということで、本当に現場の農業者の方が苦労してですね、当然リスク管理の観点から現場農業者がやるのは当然だというご意見もあるのかもしれませんけれども、とはいっても、いろいろ苦労しながら水管理とかその辺をやるということに対する支援そのものというのは、なかなか読みとりがたいことになっているのですね。多分この裏には、いろんな予算との関係だなんだで検討に対する支援、検証に対する支援といいながら、実体的にはかなり踏み込んで現場でやることに対する支援もある程度入っているのだと思うのですけれども、何となく腰が引けているなという文章になっているのです。
 ということを考えますと、この前まで議論をしてきた議論を踏まえて申し上げれば、やはり、この辺の支援はきちっとやっていただくという方向で大いに考えていただかなければならい問題ではないかというふうに思っております。別に冒頭申し上げましたように、この報告書の枠組み自身をどうこうせいという意味合いでじゃなくて、この辺については環境省さんができれば、場合によったら音頭をとりながら、やはりカドミウム米を出さないということについて明確に意思表示をしながら、各省庁の足並みもそろえながらやっていくということが必要であるんじゃないかと思っておりますので。これはそういう意見です。意見として申し上げたいというふうに思っております。

(松本委員長)
 先ほどの染委員のご要望に対して、何か。

(土壌環境課長)
 そのようなご意見はこれまでもお伺いしましたし、我々の方としては農水省に伝えるべきことは伝えているつもりではありますが、何にしても全体の対策がうまくいくように連携を深めて、やるべきことをやっていきたいと思っています。

(松本委員長)
 今の回答でよろしゅうございますか。

(染臨時委員)
 はい。

(松本委員長)
 どうぞ、そのほかお願いします。
 鈴木委員、どうぞ。

(鈴木臨時委員)
 前から申し上げていますが、移行期の対策といいますか、要するにどうしてもとろうとしている対策に時間がかかる場合、あるいは気象条件によって、その年やむなく基準を超えるお米ができた場合、あるいは、どうにも対策がとれなくなって休耕、転作、場合によっては用地転用というような状態になった場合の支援というのを十分やっていただかないと、この政策がスムーズに進まないんじゃないかと思います。
 そういうことに対して、今後、各省庁で対応をとっていただく必要があるというようなことを書けないという気がしておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

(松本委員長)
 今の鈴木委員の、これもご要望だと思いますが、そういう文言を付加的につけることができないかという、これに対して事務局は何かございますか。

(土壌環境課長)
 関係省庁との連携というか調整というか、意見交換というかは、適宜やっておりますし、そういうご要望があるということも伝えております。まあ、今のお話ですと、お話どおりいろいろな施策があるメニューの中で、農用地土壌汚染対策というのがその一つになっていて、そこからちょっと出ていくとどこまでも広がるのではないかというような感じがいたしますが、これからパブリックコメントも行おうと思っておりますので、当然、土壌農薬部会での議論もあると思いますし、そうした中で考えていってはどうかなと思います。

(松本委員長)
 いかがですか。鈴木委員、今のご回答でご了承いただけますか。

(鈴木臨時委員)
 はい。

(松本委員長)
 それでは、藤井委員どうぞ。

(藤井臨時委員)
 他省庁との連携というお話が今ご説明ありましたが、最後の結論のところで、指定にあたっては、都道府県知事により、水管理の実施状況、気象条件、過去のデータ等を踏まえ、総合的かつ合理的に判断されるものとするということがありますので、この案そのものはこれでいいと思うのですが、実際運用上は都道府県知事の役割が大変重要になってきますよね。そういうところに対しての支援というか、いろいろな、さまざまな情報が共有できるような形と、それから、知事以下部局がどう動くかというのは随分都道府県によって差があると思うのですが、そのようなところがうまく動くような、そういうところも気配り、目配りが必要なのではないかなという気がいたします。それはもうよろしくお願いしますというところです。

(浅野委員)
 私も今の藤井委員の意見は、きわめて合理的な意見だと思います。審議会が答申を書くわけで、環境大臣が文章を書くわけじゃないわけですから、遠慮することないと思います。ですから、結論の部分に今、藤井委員が言われた趣旨のことを入れたらいいと思います。「合理的に判断されるものとする。なお、これについて関係各省が積極的な支援を行うことが望まれる。」と。それを結論として、審議会としては書いても、一向に構わないと考えます。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 はい、佐藤委員、どうぞ。

(佐藤臨時委員)
 今お二方の発言、非常に重要だと思います。なぜならば、この中にうたわれている知事の裁量権というのは非常にでっかいということです。逆に言うと国から離れるということにもなりますので。今まで議論を重ねてきた要件の話が知事の裁量権に委ねられるということになっていくと思います。はっきり申せば、知事が直接、現場を視察するわけではございませんので、地方の担当者といいますか、自治体といいます、そういう方々の裁量が要件の要否にかかわってくるということになると、当然ながら温度差が生じてくるということになりますので。そこら辺を、これは国で決めることですので、温度差がなるべくないように、平等に、公平になれるように、常にそこら辺に気を配っていただきたいというのが意見です。

(松本委員長)
 ありがとうございました。今のご意見、3委員からのご意見はいずれもこの課題検討の結果、他の省庁に対して大いなる、この文言に対するご支援を賜りたいという、そういう強い意思表示がこの部分にあっていいのではないかという、こういう考えですので、ぜひこの部分をつけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

(土壌環境課長)
 この場で諮っていただければと思いますが。
 今のは、「なお、総合的かつ合理的に判断する」のあとに、「なお……。

(松本委員長)
 なお、これについて関係省庁の。

(藤井臨時委員)
 浅野先生にお任せします。

(浅野委員)
 後で議事録も含めて確認をお願いできれば。

(染臨時委員)
 ちょっとすみませんけど、よろしいですか。

(松本委員長)
 はい、どうぞ。

(染臨時委員)
 これ、対策計画については環境大臣と農林水産大臣に対する協議が必要だったと思ったのですが、地域指定のときは何かあるんでしたっけ、協議なり。

(土壌環境課係長)
 法律上はありません。

(染臨時委員)
 法律上はないんですか。県知事のすべて権限ですね。わかりました。

(松本委員長)
 じゃあ、いいですね。

(染臨時委員)
 はい。

(土壌環境課課長補佐)
 妥当性については運用の規定の解釈も含めてですね、技術的な助言をこちらの方からさせていただいているというのが実態ですので、そういった形での適切な運用を引き続き呼びかけていくと。あるいは必要な意見交換をさせていただく。県の方とですね、現場を含めて問題があれば、その点を精査していただくという形で適切な運用をしていきたいと思っております。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 そのほか。鈴木委員、どうぞ。

(鈴木臨時委員)
 もう一つ、これも前に申し上げたことなんですが、各省庁の連携という中に当然、広報活動に力を入れると。それはどういう意味かというと0.4 ppm以下というか未満のお米は安全であるということをもうちょっとしっかりと普及をしていただきたいと。そうしないと二重規格ができちゃってしまって、いたずらに住民の不安をあおるようなことになりかねませんので、ここはぜひ非常に大事なポイントとして取り上げていただきたいというふうに思います。

(松本委員長)
 今の鈴木委員のご意見、0.4 ppm以下は健康上、何ら問題がないということをもっと明言化すべきであるというふうに、そういう言葉をどこか表現してほしいというご要望ですが。

(中杉臨時委員)
 多分ですね、鈴木委員が言われているのは、今までの話が1.0 ppmと0.4 ppmの間議論があったのでそういう話があるのだと思うのですけれども、今は0.4 ppmというところで1本にしていますので、それをあえてそういうふうに、それ以下は安全であるということを強調することは、何かその裏があるのではないかというふうに見られることになるんじゃないでしょうか。ちょっとあえてそこは0.4 ppmという一つの、そう決めたのだから、それはそれでよろしいんじゃないんでしょうか。

(松本委員長)
 いかがですか。

(鈴木臨時委員)
 ただ、お言葉を返すようですが、1.0 ppmの時に0.4 ppmから1.0 ppmという話があったと同様に、今度0.4 ppmになると、0.2 ppmから0.4 ppmというようにどんどん相場が下がって、なんのために0.4 ppmを決めたのかというのが分からなくなりますから。別に0.4 ppmを安全ですといって声高らかに吹聴する必要はないと思うのですが、ただそこは、こういう基準ですよということを日ごろの広報の中でしっかり、皆さんに理解をしていただけるように努力をしていただきたいと、そういう意味であります。

(松本委員長)
 この素案といいます、本日提出されましたこの案には、そのことは特別、必要ではないと。だけど、広報活動においてそれは常に付け加えていただきたいと、こういうことですね。

(鈴木臨時委員)
 はい。

(松本委員長)
 どうぞ。

(太田臨時委員)
 同趣旨で、実は事前説明の際にコメントを求められたときにお話をして、そのようにしていただけるというお話ではあったのですけれども、改めて申し上げます。要するに国民にとってみると、今回このレベルが何で下がったのだと。基準が厳しいものになったんだということ自体がですね、食品衛生法云々の前に世の中の、世界の動きだとか、そういうものを受けてこうなってきているというところあたりのことが、ここに書くべきかどうかは別にして、重要だと思います。そういうものが今回の行為について一体的に出ていかないと国民の理解が得られにくいと思うのです。
 国民にとってみると、今なぜというのはやっぱり一番大事なところですので。そういった意味での広報というのでしょうか、そういうことはやっぱり私も非常に重要だというふうに思いますのでよろしくお願いします。

(松本委員長)
 それは当然……。

(土壌環境課長)
 ちょっとはしょった感じてお話しましたけれども、専門委員会報告の方で人の健康影響と食品規格基準等ということでどういう検討がなされ、どういう考え方で0.4 mg/kgにしたかということが書かれておりますし、今お手元になくて恐縮ですけれども、第1回小委員会で使った「情勢について」という資料の中でも国際的な動向がどういう具合にあったかというようなことも書いておりますので、30日に答申案にする段階で、ここら辺から必要なものを見つくろってくっつけたいと思っております。

(松本委員長)
 それでいかがですか、よろしゅうございますね。

(太田臨時委員)
 はい。

(松本委員長)
 どうぞ、そのほか。
 大塚委員、どうぞ。

(大塚委員)
 形式的な話だけですみませんが、ローマ数字のIIが2ページと4ページと2つあるので、これはもちろん変えていただけると思いますが、形式的には4ページのローマ数字IIの1はほかとの対応だとやはり見出しをつけた方がいいのですけれども、ちょっとこれだけだと見出しをつけにくいのかなとも思いますが、4ページですね、この農用地土壌汚染対策地域の指定要件に関する基本的な考え方は1、2はなくてもいいのかなと個人的には思いますけれども。その辺はおまかせします。
 それから、さっき浅野先生が言われたところの8ページですが、最初の4行は指定要件だけの話だと考えると、(指定要件)というのはむしろ一番上に来るのですか。であとにまた測定方法が出てくるので。あとで測定方法を付け加えていただいたからだと思うのですけれども。(指定要件)というのは結論の後に来るのかなと思いますけれども。ちょっとその辺、多少、完成版というところにないかもしれないので、よろしくお願いします。

(松本委員長)
 そうするとあれですか、最初のローマ数字Vは後の方につけた方が。

(大塚委員)
 指定要件を一番上に。

(松本委員長)
 わかりました。では指定要件を上に持ってくるということですね。

(大塚委員)
 そうです。

(松本委員長)
 どうぞ、そのほかございませんか。

(土壌環境課長)
 (指定要件)と(測定方法及び測定条件)ということで、課題の検討の項目が出てきていたわけで、それをそのまま持ってきたということなのですが。

(大塚委員)
 一番上の4行は指定要件の話だけですよね、これは。ということじゃないですか。

(土壌環境課長)
 測定条件も「総合的に判断する際の要素になっています。

(大塚委員)
 まあ、そういうふうに見るんだったら、ちょっとやっぱり書き方としては余り親切ではないので。
 そうしたら、最初の4行を後ろの測定方法と条件のこともちょっとだけ加えていただくということですかね。そういう方法もあると思いますけれども。

(松本委員長)
 名前付けが。

(土壌環境課長)
 そこら辺の精査は部会長と相談させていただきます。

(松本委員長)
 よろしくお願いします。
 どうぞそのほか、ございませんか。

(なし)

(松本委員長)
 それではほかにご意見ございませんので、質疑は以上とさせていただきますが、今までいただきましたいろいろなご指摘を踏まえて、もう一度、事務局のほうでこの案を再構成していただくわけですが、内容そのものは大体これで、大筋として結構ですが、特に見だし等については今、委員の方々からご指摘が合ったところを踏まえていただきたい、こういうふうに思います。それで、その最終的な素案につきましては私、部会長に一任していただきますが、それでよろしいでしょうか。

(異議なし)

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 次はですね、3月30日の部会でございます。土壌農薬部会でございますが、これに環境基準等専門委員会報告と一緒にして答申案として提出したいと思います。
 環境基準についてを第1章、指定要件についてを第2章とした合体版を持って答申したいと思いますが、この合体版の作成は部会長にご一任していただけますでしょうか。

(異議なし)

(松本委員長)
 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは次に議題2でございます。その他でございます。事務局から今後の会議の運営等について説明をお願いいたします。

(土壌環境課長)
 今、委員長の方からご説明していただきましたように、次回は3月30日(火)の午後1時から三田共用会議所で第26回の土壌農薬部会を開かせていただきたいと思います。
 答申案のとりまとめということで、案がまとまりましたらパブコメを行うとともに、食品安全委員会のほうに諮問をしなければいけないということになっておりますので、その手続を併行してとりまして、パブコメの結果も踏まえて5月の連休明けぐらいにもう一度部会を開いていただいて答申をまとめていただきたいと思っております。
 何とか6月の初旬までには政省令の改正と細かい通知なども決めて、今年のお米が実るころにはきちんと施行に持っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

(松本委員長)
 それでは、最後に私のほうから本日の資料の取り扱いについて説明をしておきたいと思います。
 土壌農薬部会の運営方針では、公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料や、公開することにより特定のものに不当な利益、もしくは不利益をもたらすおそれがある資料などは、小委員長の判断に基づき非公開とされております。本日配付いたしました資料は、いずれもこれに該当しないことから公開といたします。
 また、今回の議事録につきましては、先ほど申し述べましたように事務局で調整後、発言委員等に再確認をお願いしたいと思っておりますので、その節はよろしくお願いします。
 それでは、その他、本日の審議会につきまして、全体をとおして何かございましたら、この際伺っておきたいと思います。ございませんか。

(なし)

(松本委員長)
 特にないようでございますので、進行を事務局の方にお返しいたします。

(土壌環境課長)
 非常に熱心なご議論ありがとうございました。また来週も部会を開いて申し訳ないのですけれども、なにとぞよろしくお願いいたします。それでは本日の農用地土壌小委員会は閉会とさせていただきます。ありがとうございました。