中央環境審議会土壌農薬部会 土壌制度小委員会(第8回)議事録

日時

平成20年11月14日(金)15:00~16:25

場所

環境省 第1会議室

出席委員

委員長松本 聰臨時委員佐藤 泉
委員浅野 直人 佐藤 雄也
 大塚 直 鈴木 英夫
 佐藤 洋 高橋 滋
 和気 洋子 中杉 修身
臨時委員石原 一郎 中野 璋代
 稲垣 隆司専門委員市川 隆治
 河内 哲  

(欠席は、藤井委員、岸井臨時委員、細見臨時委員、眞柄臨時委員、斎藤専門委員)

委員以外の出席者

環境省
白石水・大気環境局長、伊藤水環境担当審議官、笠井土壌環境課長、和田地下水・地盤環境室長、高澤土壌環境課課長補佐、天野土壌環境課課長補佐

議題

(1)
「今後の土壌汚染対策の在り方について(案)」について
(2)
その他

議事

(笠井土壌環境課長)
 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会土壌農薬部会土壌制度小委員会を開催させていただきます。委員の皆様には、お忙しい中御出席いただきまして、大変ありがとうございます。
 まず、本日の委員の出欠状況でございますが、藤井委員、細見委員、眞柄委員、斎藤委員より、御欠席との連絡をいただいております。
 また、河内委員、高橋委員は遅れられるという連絡を受けております。したがいまして、現在、委員、臨時委員総数18名中15名の出席が予定されておりまして、ただいまのところ11名が出席されておりますので、小委員会開催の定足数を満たしていることを御報告させていただきます。
 それでは、議事に入ります前に、本日の配付資料について御確認いただきたいと思います。
 配付資料の1が名簿、2が概要の1枚紙、3が「今後の土壌汚染対策の在り方について(案)」ということで、前回の素案をもとにして、委員の皆様方の御意見も踏まえながら直したものでございます。
 あと、参考資料集というような形で、関係の書類を用意させていただいております。
 それでは、これよりは松本委員長に議事進行をお願いいたします。

(松本委員長)
 委員の皆様方には、大変お忙しいところを御参集いただきまして、ありがとうございます。本日の小委員会は第8回目になります。
 議題としては、今後の土壌汚染対策の在り方について(案)の御議論をお願いしたいと考えております。
 それでは、まず、本日の審議の公開の取り扱いについて説明をさせていただきます。今回の小委員会におきましては、公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれや、特定のものに不当な利益、もしくは不利益をもたらすおそれがないことから、公開とさせていただきます。
 それでは、議事次第に沿いまして、議事を進行させてまいります。
 議題1でございます。議題1は、今後の土壌汚染対策の在り方について(案)についてでございます。
 御承知のように前回の会議におきましては、答申のまとめに向けて、今後の土壌汚染対策のあり方について、(素案)について御議論いただいたところでございます。その御意見を踏まえまして、事務局において文章の肉づけ、修正等をしたものを、本日資料3としてお配りしております。資料2はその概要でございます。事務局から委員の皆様方には、資料案を事前に送付いたしまして御意見を伺っております。それを反映している部分もあると聞いております。
 なお、本会議終了後、速やかにパブリックコメントの手続に入りまして進行したいと考えておりますので、本日この場で、この土壌汚染対策の在り方についてを固めたいと、そういうふうに思っております。
 それでは、事務局から、資料2及び資料3に基づいて御説明をお願いいたします。

(笠井土壌環境課長)
 最初に、本日幾つかのマスコミでぽろぽろと出ておりまして、若干、対応に不手際があったことはおわびしておきたいと思います。
 これまでもいろんな資料が出ておりますので、それを基にすれば、それなりのものは書けると言われると書けるのかなとも思っているところなんですが、誤りのないようにきちんと説明をしたいと思います。
 参考資料集を横に置いていただいて、資料3の方を順番に説明していきたいと思います。「今後の土壌汚染対策の在り方について(案)」ということで、「第1はじめに」というのをつけました。これはパブリックコメントを行いますので、土壌汚染対策法というのが、どういう背景でできて、どんな内容かということを簡単に説明した方がいいだろうということで、入れたものでございます。
 ということで、ここは省略させていただきまして、次に、「第2現状と課題」というところですが、法に基づかない土壌汚染の発見の増加、サイトごとの汚染状況に応じた合理的な対策、掘削除去に伴う搬出汚染土壌の適正な処理という、前回の素案の枠組みをそのまま入れております。
 その中で数字を幾つか新しいものに入れかえております。参考資料の方で見ていただきますと、5ページの下のところが、年度別の土壌汚染の判明事例ということで、18年度は1,316件調査をして、超過事例が687件でありました。
 6ページ上が指定調査機関の調査結果、下の方が、19年度の土壌環境センターの会員企業を対象に実施した調査ということで、いずれも自主的調査というのがかなりの割合を占めております。
 自主的調査自体は、土壌汚染の把握の観点から重要であり望ましいことでありますが、現在、法で位置づけているものが少ないということで、実際にはそれ以外の法に基づかない調査によって、土壌汚染が判明していることが多いという状況であります。これが法による管理がきちんとできているのだろうかという疑問、不安を呼んでいるということが言えるかと思います。
 サイトごとの汚染状況に応じた合理的な対策、これは参考資料の7ページの方で数字を入れさせていただきまして、土壌汚染の対策ということで、499件中437件、大体87%ぐらいが掘削除去が選択されております。同じページの下の方にありますように、汚染の一部を占めるに過ぎない法に基づくサイトにおきましても、含有量、すなわち、巻き上げ等の直接暴露の基準を超過した場合につきましては、114サイト中、どのサイトも掘削除去は求めていないんですけれども、88サイトは除去をやっている。地下水に影響する溶出量の基準の方では、大体5%ぐらいの18サイトが土壌汚染の除去を求めているんですが、結果的には194サイト、8割ぐらいで除去が行われているということになっております。
 もともとは現在の法律でも、指定区域は対策が必要なところと、そこの土壌がいじられたり、外に持ち出されることで新しい問題を起こさないように、届出が必要だという二つの要請がごっちゃになってしまっていて、こういうような状況を招いているんじゃないかということが考えられるかと思います。
 資料3の3ページの下の方、全体を通じてなんですが、下から3行目、「不合理な対策を避けるためにも、汚染の状況、健康被害の生じるおそれの有無に応じて、必要な対策の基準の明確化が必要である」としております。
 素案までは「土地利用の状況等」と書いておきましたが、どうも議論を呼ぶようですので、立ち入りの有無及び地下水の飲用の有無ということで、後ろの方で定義をさせていただいておりますが、そういう健康被害を生ずるおそれがあるかどうかというメルクマールで、きちんと対策を分けていこうということを明らかにしております。
 それで、掘削除去につきましては、参考資料の8ページに対策費用の試算例、これはあり方懇談会で配らせていただいたものですが、8ページの上の方で試算例、下の方で汚染土壌の全体的な流れということで、大体300万トンぐらい流れているようです。左の方の汚染土の中に小さく、もっと小さいかもしれませんけれども、「土壌汚染対策法に基づく指定区域からの発生量」というのが分けて書いてありまして、これが現状かなと思います。
 この搬出汚染土壌についてきちんとした規制がされていないということと、さらに、この8ページの下の左側に見られるように、規制がかかる区域がものすごく限られている。そのためにも汚染土壌の存在を明らかにするための区域の指定制度の拡充が必要ではないか。なおかつ、同じく参考資料の9ページ、10ページの上にありますような不適正な処理事例があるということで、きちんと対応しなければいけないのではないかということで、議論が進んできたと認識しております。
 資料3の中身となる第3のところですが、「1調査の契機について」ということで、一つ目は自主的な調査であります。自主的な調査というのは、土地の売買や土地の形質変更、土地の資産評価や企業の自主的な環境管理などの場合において行われていまして、法律に基づく指定基準を超過した土壌が見つかった場合は、適切な対策を講じるために行政の方に相談がされている。しかしながら、対応に違いがあったり、情報公開に関する一定のルールがないというようなことが指摘されていたのではないかと思われます。
 自主的な調査の実施というのは、土壌汚染の把握をするという意味で重要であるので、今後とも推進すべきでありますので、その良さを活かしながら環境リスクの管理・低減を進めていくために、今どうしたらいいかということで、前回提案させていただいたことを詳しめに書いております。
 [1]は、自主的な調査の結果、土壌汚染が判明した場合、これは法令で定める方法により測定・分析した結果、指定基準を超過した場合は都道府県知事等に報告をしていただこう、等というのは政令市の長でございますが、これは参考資料の2ページに、前回もお配りした資料をもう一度出させていただいております。測定・分析の方法が法令で決めたものであること、それと、指定調査機関というのが調べたものであることと、試料の採り方が法令で定めた方法であることということで説明をさせていただきました。ただ、ちょっと説明が不十分なところがありましたので、2ページのところの[3]の3色になっている図を見ていただきたいのですが、現在の試料、サンプルの採り方というのは、汚染のおそれがない土地、汚染のおそれが少ない土地というのを証明すれば、採らなくてもいい、または30メートルのメッシュでもいいということになっていまして、その証明がない場合には10メートルのメッシュで1点を測ってもらうと、そういうような形になっております。
 資料3の方に戻りまして、[2]のところは完全な並立ということではなくて、[1]で報告されたもののうち、自主的な調査の結果が現在法で求められている要件、今申し上げましたような指定調査機関、試料採取方法、それと測定・分析方法、その全部が法令に定められている要件を満たしている場合には、その汚染の状況や健康被害を生じるおそれの有無に応じて区域を指定し、この区域の内容は次の2で述べるところなのですが、適切に管理をするとしております。
 [3]では、[1]のうち、調査の結果が公定法を満たしていない場合、[1]ですから、少なくとも測定・分析法は法令が定めるものになるわけなんですが、指定調査機関以外の者が調べたとか、サンプルの採り方が法令で定める方法に合っていなかったかと、どっちかになるんですけれども、その場合には、まずは報告を受けて、行政の方で周辺の状況を調べて、健康被害を生ずるおそれがある場合は、法4条の調査命令を発動する。それ以外の場合は、その場所では直接の危険というのはないわけなんですけれども、汚染土壌の搬出に伴って新たな汚染を発生するというようなことがないように、当該の土地の形質変更を行う際に、調査を行うことを命じるというような文章にしております。
 ただ実際、その自主的な調査のどういう段階で報告をしたらいいのかとか、ある一点で見つかったものだけでどれだけの評価ができるのか、一つの場所で幾つかのサンプルがあるわけなので、結局、その面的な評価をどうするのかとか、「上記以外の場合について」ということで書かせていただいておりますが、この場合も「当該土地」と言っているその当該土地が、サンプルの数が一点しか測っていないようなときに、どれぐらいの範囲で考えたらいいのかというようなところで、いろいろな意見があるのではないかと思われますが、そのことにつきましては、パブコメを通して御意見をいただくということで、この案で書かせていただきたいということを思っております。
 もう一つが、一定規模以上の土地の形質変更についてということで、これは大量の土壌の搬出があるから、これを契機にしようと。ただし、土地の履歴などを調べて土壌汚染の可能性が高いということがわかったときには、調査を行うこととすべきだろうということに議論が進んできたかと思います。
 前回、やはり御指摘がありましたように、その一定規模以上の土地については、6ページに注の形で、事前に把握できる面積によって定めることが適当であるとしております。なお、このような調査義務を定めている8自治体のうち、今は6自治体が3,000m2以上と規定しているということを書かせていただいております。これを参考にして考えていくのではないかと思います。
 ただし書きで、所有者等が可能性が低いことを証明できた場合には、免除をすることにすべしということになっておりますが、なかなかこれを定型化するのは難しいかなという感じはしております。個別ケースに応じていろんな資料を出していただいて、最終的には行政の側で判断することになると思われます。所有者等から提出された資料を、行政の土壌汚染の可能性があるかないかの判断に活かしていただくのかというようなことで思っております。
 次に、法3条1項ただし書きによる猶予の場合なんですが、調査が猶予されている土地については、売買や譲渡が行われる際には、旧所有者の都道府県知事等への届け出が確実に行われるようにすべきだろう。形質変更が行われる場合には、これは都道府県知事に届出をして、調査の必要性を判断する機会を設ける必要があれば、形質変更を行う部分について土壌汚染調査が実施されるようにすべきだろうとしております。
 済みません、もう一度、5ページに戻りますけれども、下から3行目のところで、一定規模以上の土地ということで、届け出る土地が形質変更を行う合計面積になりますので、その形質変更を行う部分について土壌汚染調査を、届け出られた部分について行うということを注意的に書かしていただいております。失礼しました。
 同じような考え方で、猶予の場合も形質変更を行う部分については土壌汚染調査を実施するということを書いております。
 「2サイトごとの汚染状況に応じた合理的な対策の促進方策について」ということで、まず現在の指定区域の説明を、最初の方で述べまして、合理的な対策を推進するために、汚染の状況、健康被害を生じるおそれの有無、ここで一般人の立ち入りや地下水の飲用の可能性の有無というぐあいに定義をさせていただいております。これで、これをメルクマールとして、区域を分類して必要な対策を明確化すべきであるとしております。
 区域の分類の考え方では、指定区域ありき、どうもこの指定区域という言葉もいろいろ手垢がついたというか、ない方がいいという御意見もありますので、そんなことも踏まえて、現行の仕組みを改めて、その汚染状況や健康被害を生じるおそれの有無を明らかにして、土地の利用者が実態をよく理解できるような区域にしてはどうか。ということで、例えばということで、アは対策の要らない区域、簡単に言って。ただ、管理をすることは必要だということで、形質変更の際に届け出等は必要になるというものでございます。イは、健康被害が生じるおそれがあるために、対策が必要である区域。対策の中には掘削除去も含まれるかと思いますが、必要な対策は区域の公示の際に併せて公示することとします。ウは、イであったが、対策が講じられた区域ということに考えております。
 必要な対策を明確化しようということで、健康被害の生ずるおそれの有無、おそれの状況に応じて、必要な対策の基準というのを明確化して、イの区域の公示に当たっては、それをわかりやすく示すべきであろうとしております。
 このような対策につきましては、地方公共団体に確認をしてもらう必要があるだろうということで、区域の指定を受けて公示された必要な対策が講じられた場合には、地方公共団体が対策の効果をあらかじめ定められた判断基準に照らして、客観的に確認をして、摂取経路の遮断が実現されていると認める場合にはウの区域とし、汚染の除去が行われたと認める場合には、現在と同じく区域の解除をするということを書いております。
 さらに、土地についてそれ以外の情報もあるだろうということで、(3)がありまして、現在の指定区域の公示や台帳、それ以外にもインターネット上での運用などをしているところもあることを最初に述べております。汚染土壌のある土地の住民に正確な情報を提供することによって、暴露を防ぐことができるということありますので、土壌汚染に関する情報につきましては、関係者が容易に入手し、適切に活用することができて、適切に承継される仕組みが必要だと思われます。
 また、対策が行われて解除がなされたという情報や、調査の結果、土壌汚染が発見されなかったという情報も含めて、地方公共団体においては土壌汚染の状況を把握して、汚染の原因解明ですとか、履歴の調査などに有効に活用をしていただきたいということで、この(3)のところは、どちらかというと台帳に載らないような情報も、やっぱりきちんと把握、管理、提供をしていただく必要があるのではないかということをまとめております。
 素案にはなかったのですが、前回の議論を踏まえて新たに入れたのが(4)でございまして、申立てによって土壌汚染があるとみなす区域をつくってはどうかというご提案がありますので、それをまとめてみました。海面埋立地にある工場等の敷地というのは、フッ素、ホウ素など海水に含まれる自然由来の成分によって指定基準を超えることが多いまた、8月のこの委員会でも報告しましたように、海面の埋立地については、水質汚濁防止法の排水基準以下のものであれば入れてもいいと、埋め立てに使ってもいいということで、埋め立ても行われているというようなことがございます。
 もともと法の指定基準を超えるものが入っているということはわかっているのではないかということなんですけれども、このような土地についてよく考えてみますと、前回の委員会でも指摘がありましたように、地下水の塩分濃度が高くて飲用に適さない、飲めないので飲用利用はないのではないかまた、通常はフェンス等の工作物によって囲まれているので、一般人が立ち入ることはできないのではないか。
 8ページに言っておりますが、このような条件の土地につきましては、健康被害のおそれを生じさせないためにはどういうことをすればいいかというと、汚染土壌が持ち出されるときに適正な対応をするということと、形質変更するときに土壌が飛散して、他の場所に飛んでいっちゃうというようなことがないようにしていれば、たとえ、その土壌汚染の状態が指定基準を超えていても、人の健康に係る被害を生じるおそれはないと言えるのではないかということで、このような土地については、このような土地の所有者、管理者の申請に基づいて、都道府県知事等が、指定基準を超過していても健康被害を生ずるおそれがない土地であるという、そういう意味の認定を行った場合には、調査がなくても土壌汚染があるとみなして、形質変更の時の飛散の防止措置及び汚染土壌の搬出の際の適正処理の措置については、規制の対象となる区域として指定して、公示をするべきではないかということを書かせていただいております。
 この海面埋立地以外でも、このような土地がないかという御意見もいただいておりますが、具体的に立ち入りがないこと、立ち入りがないことは土地所有者が自分で管理できるんですけれども、周りで地下水が飲まれるおそれのないことというのを、どうやって確保するのかという疑問がありまして、具体的なケースに即して考えていきたいと思っております。
 三つ目に、搬出汚染土壌の適正処理を担保するための制度の充実ということで、搬出というのは、適正な処理がなければかえって汚染の拡散につながるということで、抑制すべきことを明確に位置づけるべきであるということだったと思います。これは法律なのか政令なのか、どのレベルでやるかというところは、法律で位置づけることも含めて考えなければならないと思っております。
 また、搬出が抑制されるように、原位置でのリスク低減措置、オンサイト処理の技術開発・普及を推進すべきであるということも言われております。
 現在、持ち出された土壌の管理につきましては、届け出をしてもらったら、その人に罰則を科すことだけしか規定がしていないということがありますので、搬出から最終処分に至るまでの関係者が、責任を持って処理する仕組みをつくる必要があるだろうということで、[1]のところでございますが、運搬、保管、処分の各段階について守るべき基準を法律に基づいて規定をして、各関係者に適正な処理を義務づける。それと、汚染土壌の転々流通というかを担保するために、搬出汚染土壌管理票、汚染土壌マニフェストとをきちんと位置づける。現在もあることはありますけれども、虚偽の記載なりがあったとしても、罰則がかからないものになっておりますので、そういうものではなくて、きちんと適正な処理が確保できるようにする仕組みを考える必要があると思っております。
 このようなことで、自主的な調査の結果も活用し、一定規模上の土地の形質変更時に調査を義務づけるということになれば、法の対象となる区域が拡大することになるので、空振りにはならないだろう。また、自然的原因によって有害物質が含まれる土壌については、自然的原因であっても、人に健康被害を与えるおそれがありますので、移動先の環境汚染という観点から、人為的な搬出以降の行為については、その他の汚染土壌と同様に扱うべきではないかということであったかと思います。
 汚染土壌が不適正に処理された場合の措置としましては、現在は計画変更命令がかけられて、守らなかったら罰則がかかることになっているのですが、適正な状態にしなさいという命令がありませんので、届出の内容と異なる処理を行った場合には、届出の内容に沿った処理を行うように、届出を行わないで不適正な処理を行った者に対しては、処理基準に沿って、どこの施設に持っていくとか、そういうような処理を命ずることができるようにすべきであるということであったかと思います。
 さらに、このような処理の方法に違反をして、不適正な汚染土壌の処理を行った者については罰則を科すこととして、その遵守を図るべきであるということだったと思います。
 その他といたしまして、一つ目が指定調査機関の信頼性の確保でございまして、いろいろ批判があるということも正直に書かせていただいたというのが、9ページでございます。
 それを受けまして、10ページになりますが、講じるべき措置としては、指定に関してはきちんとした試験に合格した者でなければならないことにする。それと、指定の更新制度というのを導入するということだったかと思います。

(2)が、国民の理解とリスクコミュニケーションの促進ということで、ここは健康被害の防止という観点からは、盛土、舗装、封じ込め等の対策で十分であるということを、きちんと一般に浸透させるようにということでしたので、普及啓発をやっていこう。それも計画的かつ確実にやっていくようにということでございます。
 リスクコミュニケーションの充実ということで、リスクコミュニケーションの必要性を何行か書かせていただいております。それを受けてリスクコミュニケーションを行う際に、もう6月にガイドラインは出しているんですけれども、事業者や地方公共団体が準拠すべきそのようなガイドラインをさらに充実していく必要があるだろうということと、リスクコミュニケーションに係る人材を育成して派遣活動をするということが必要であると書かせていただいております。

(3)が対策の促進・支援等ということで、前回、御指摘がございました調査・対策手法の充実、技術開発や低コスト化ということについて、最初に書かせていただいております。低コスト化のためには、事業者において技術の開発や普及などに努めるとともに、行政においてもその促進を図る必要があるとしております。
 操業中の対策の支援につきましては、前回もお話ししたような設備のメンテナンスというようなことも含めて、操業中からの土壌汚染対策で参考となる事例やマニュアルなどの普及啓発を促進すべきであるということを書かせていただいております。
 三つ目の土壌汚染対策基金の活用につきましては、素案では現状がどうなっているかということが詳しく書いていなかったので、そこを詳しく書いております。7条に基づく措置命令が、汚染原因者が不明等の場合であって、そこの土壌汚染によって健康への被害が生じるおそれがあることから、土地の所有者等に措置命令がかけられた場合。そのときに所有者等の負担能力が限られるような場合には、基金から地方公共団体に助成を行おうということで、参考資料の中でも10ページの下で、どういうスキームになっているかというのは説明させていただいております。
 今回、サイトごとの対策で、健康被害のおそれがあるからということで、対策が必要な区域として、対策を公示すれば、その公示された対策を期限までに講じなきゃいけないという事態も生じますので、言ってみれば、措置命令が前倒しで公示のときに必要な対策が示されるということになるとも考えられますので、これも平行移動で、基金による助成の対象とすることを検討すべきではないかということであったかと思います。
 汚染原因者につきましても、助成が可能かどうか検討すべきという御指摘がありましたけれども、他方で汚染者負担の原則というのは公害分野の原則なので、未然防止のために果たしている役割も踏まえなければいけないんじゃないかという御意見もございました。その両方を書かせていただいております。
 最後の中小企業への支援につきましては、前回、土壌汚染対策の中に、調査も含めていただきたいという御指摘もございましたので、それを入れております。
 以上でございます。

(松本委員長)
 はい、ありがとうございました。
 それでは、ただいまから、先ほどの事務局のからの御説明に対する内容についての質疑応答の時間に入りたいと思います。
 今回は特に章は区切らずに、順番はどうぞ気にせずに御意見やコメントをちょうだいしたいと思います。それでは、御意見、コメント、よろしくお願いいたします。どうぞ。
 河内委員どうぞ。すみません、御発言の場合は、この名札を立てていただくとありがたいです。

(河内臨時委員)
 前回欠席しましたので、今回は初めて全体像を見させていただいているんですけれども、いろいろ議論を踏まえてこういう形でまとめられた事務局の方に、苦労、努力に対して感謝を申し上げたいと思います。
 私自身は、制度全体としての枠組みというのは、こういう形で進めることができるんではないかなというふうに思っています。ただ、今御説明にありましたように、かなり補足説明もありましたし、それから、文章の中でそれなりに配慮されているなというのをくみ取れるようなところはいろいろあるんですけれども、実際これを政令規則に落とし込んでいく段階では、かなりまだいろいろと課題があるんではないかなというふうに思っていまして、したがって、そういう作業のときにぜひ配慮してほしい点について私なりに少し意見を述べさせていただきたいと思います。
 一つは、こういう見直しによって、実際、経済活動にどういうような影響を与えるのかということをよく見極めていただきたいと思います。この制度が実際に動き出したときに、非常に多くの企業に関係しますし、地方行政も絡みます。本当にそれがどういうインパクトがあって、どういうことになっていくのかということをよく検証しながら、政令規則に落とし込んでいく作業をぜひしていただきたいなと。要は、我々を取り巻く事業環境が益々厳しくなる中でいわゆる官製不況というようなものにつながっていくようなことがないように、必要以上に経済活動の障害になるようなことは、ぜひ排除して、いわゆる費用と便益ということをよく考えて政策に落とし込んで言っていただきたいなというように思います。
 それから、もう一つは、新たにいろんな義務が課せられるということになっております。我々が調査を行った結果からどのような対応が必要であるかということを自分自身で予測して、適切な判断ができることを私は期待しておるわけです。したがって、いわゆる判断基準とか、公表のあり方とか、特例区域の条件の認定条件というようなものを、ぜひ明確にしていただきたい。例えば今までの自主的な取り組みというのは、行政に相談をかけながら、その都度判断を求めて対応してきたわけですね。だから、この自主的な調査が今まで以上に進むような、インセンティブが働くようなことが必要だろうと。それは何かといったら、我々期待しているのは、今まで行政によってばらばらな指導があったということ、これが統一されるということ。それから、一々相談かけることなく先ほど言いましたように、我々自身がその対応を判断できるようガイドとか判断基準が判るというような、制度設計をぜひお願いしたい。よほど外れたものに対して例外的に相談をかける必要があるというようなことで。
 要は、仕事の効率化とかスピードアップですね、こういう点をものすごく期待していますので、ぜひ、よろしく。
 それと私一番心配しているのは、本当にこれだけの業務処理が、全国の地方行政で処理できていけるのかということをものすごく心配しています。したがって、事務処理がシンプルで簡単に処理ができるような進め方ですね、そういうことをぜひ配慮していただきたいなと思っています。
 以上です。

(松本委員長)
 はい、ありがとうございました。
 それでは、佐藤洋委員、どうぞ。

(佐藤(洋)委員)
 途中で退席しないといけないんで、2点だけちょっと簡単に申し上げたいと思います。
 まず最初、2ページ目の現状と課題というところの1の項目名なんですけれども、この法に基づかない土壌汚染の発見の増加というのは、何かちょっと変かなというんで、これ法に基づかない調査によるとか何とかなんだろうなというふうに思います。
 それから、もう一点は10ページなんですが、リスクコミュニケーションのことを書いていただいたのは大変よいことだというふうに思っています。いろんな分野でそのリスクコミュニケーションの重要性とか必要性について言われるんですが、このリスクコミュニケーションに関わる人材を育成しというのが、これ具体的に本当にできるのかなというのがちょっと心配なんですね。それでいろんな分野でもこういうことを書かれているんですが、特に、土壌の場合には汚染が非常に見えにくくて、リスクコミュニケーション自身も非常に難しいだろうというふうに思いますけれども、こういう方向に向けて努力が進めばいいなというふうに思って、これは感想みたいなものです。
 以上です。

(松本委員長)
 はい、ありがとうございました。
 それでは、佐藤泉委員、どうぞ。

(佐藤(泉)臨時委員)
 数点意見を申し上げます。
 まず5ページなんですが、自主的調査について。現在の記述では自主的調査の結果の利用についてだけ書いてございます。私はその前提として、自主的調査をさらに促進すべきであるということが必要ではないかと思います。そして、自主的調査は通常、所有者だけではありませんで、操業中の場合には事業者が行っている例がかなりございます。したがって、事業者は自分の土地に土壌汚染の可能性があるということは、しばしばよくわかっているということがございます。したがって、事業者、それから土地の所有者、その他ですね、有害物質を取り扱った可能性のある事業所等については、まず自主的調査を努力義務としてでも規定して、そして、自主的な取り組みを促進した上で、その調査結果を有効に活用するという仕組みが必要ではないかというふうに思っています。
 それから、10ページのリスクコミュニケーションについてでございます。この記述だけを見ますと、リスクコミュニケーションをだれがすべきかということが明確ではありません。それで、事業者によっては、リスクコミュニケーションは行政の仕事であると、事業者の仕事ではないというふうに誤解している事業者があります。現在の法律の条文を見ても、事業者がリスクコミュニケーションをするということは明確ではありませんで、むしろ自治体の責務のようになっています。
 したがって、ここはやはり事業者が土壌汚染の調査、対策をする場合には、まず主体的にリスクコミュニケーションをする責務規定があると。そして、それに自治体は協力をして、行うんだということを明確にしていただきたいというふうに思います。
 それから、もう一つ、リスクコミュニケーションの内容について説明、紹介というふうに書いてあるんですね。リスクコミュニケーションは本来的には双方向性のものである必要がございますので、そういう意味では住民の質問を受けたり、あるいは、それに対して一定の提案を受けるとか、そういう意味で双方向的なコミュニケーションが必要であるということを、ぜひ加えていただきたいというふうに思います。
 それから、この新しい改正によりますと、非常に調査と対策の件数がふえてくるんではないかというふうに予想されるわけですが、その場合に、汚染原因者に求償するというケースが増えてくるというふうに思います。現在の規定では、措置命令が行われた場合のみに求償について8条の規定が適用され、これによって時効の規定がかなり緩やかになるのですね。つまり過去の汚染についても求償ができるようになるというふうになってくるわけですね。
 したがって、私の意見としては、指定区域に指定された場合には、通常は措置命令がなくても対策が行われるというのが現状でありますから、指定区域に指定されたということによって対策をとる場合には、汚染原因者に対する求償は可能であるというふうに、求償の範囲を広めていただきたいというふうに思います。そうでないと土地の所有者の責任が余りに過大であるというふうに思います。
 以上です。

(松本委員長)
 はい、ありがとうございました。
 どうぞ、そのほかお願いいたします。
 佐藤雄也委員、お願いします。

(佐藤(雄)臨時委員)
 今、現行法では技術基準があるのは、措置命令がなされたところについてのみ技術基準があって、実際、3条調査で汚染があった場合に、対策はその措置命令の技術基準に大体準じて行われているというのが実態だと思うんですが、むしろ、これから3条調査に対応する対策が多くなっていった場合、やはり対策の技術基準と自治体への対策計画の提出という規定を入れた方がいいんじゃないかと思います。そうしませんと、自治体が資料3の7頁(2)の対策の結果に対する確認をするのに、情報不足になると思います。
 そうすることによって、先ほどリスクコミュニケーションのお話ありましたけれども、自治体にとっても最初から対策内容の情報が入手できますので、自治体の協力もまた得られやすくなると思います。

(松本委員長)
 はい、ありがとうございました。
 中杉委員、どうぞ。

(中杉臨時委員)
 リスクコミュニケーションのお話のところから、まず。佐藤泉委員が事業者と言われていましたけれども、リスクコミュニケーションの場合、客観性が非常に重要になるんで、事業者がやるにしても、そのときに客観的な説明ができる人をどうするかって、これで人材を育成して派遣をするというのはそういう意味だろうというふうに考えていますけれども、そこら辺のところは明確にしておく、どこが出すかということが非常に重要だろうというふうに思います。
 それから、あと、先ほど課長の方から少し説明がありましたけれども、7ページの下からのこの申立ての部分ですけれども、こういうふうな制度とするということにすると、塩水が入って人が地下水を飲まないということが明確でないと、なかなか指定区域というふうなところまではいかないのかなと思いますけれども、実際には、それ以外のところについても何か活用できないか。これは実際には、そういう情報が入ってくれば、いろんな意味で住民の健康リスクを管理する上では非常に貴重な情報になるわけですね。この土対法の中の制度として入れるというのは、今のところ多分難しい、課題がいろいろあるだろうと、課長の言われたとおりだろうと思いますけれども、もう少しそこのところを勉強していく必要があるんではないか。
 例えば、そういう指定のあったところについては、今度は地下水の方が土壌汚染があった事業所については調査をしましょうというふうなことにしましたので、それを適用して、そういう申し出のあったところの下流について地下水の調査をやっていけば、非常に効率がいいわけですよね。より安全に見られるという、そういうふうなことを少し工夫として考えていく必要がある、今後の課題ということで申し上げておきます。
 それからもう一つ、一番最後のところなんですが、操業中の対策の支援と、これは[2]と[4]にかかわる部分なんですが、先日、東京都で土壌汚染対策のフォーラムを実施しました。そのときに中小事業者の方に来ていただいてお話を伺ったんですが、そのときに要望が出たのは、操業中の対策をやりたいと、それに対する支援というのは全くないということがありました。これを読めば、そういうふうに両方で合わせれば読めるのかもしれませんけれども、その中小企業への支援という中に操業中の対策に対する支援、ここら辺のところを少しうまく考えていく必要があるんではないだろうか。
 多分、中小事業者の方は一時期に大きな負担というのはとても無理なわけで、操業中から実際に対策をやって少しずつ負担をしてということが非常に強い要望としてあるということを認識しましたので、そこのところを少し考える必要があるのかなと。文言としてはこれでよろしいのかなと思いますが。

(松本委員長)
 はい、ありがとうございました。
 ありがとうございました。どうぞ、そのほか。
 大塚委員、どうぞ。

(大塚委員)
 よくおまとめいただいたと思って感謝しておりますが、2点ないし3点ほど申し上げたいと思います。
 1点は、佐藤雄也委員がおっしゃったことに私も賛成で、ちょっと今回入れるのは今となっては難しいのかもしれませんが、対策計画を自治体に提出するというのは、本当はしていただけると大変よろしいかと思います。対策の結果、実際にどうなるかというようなことも重要な問題ですので、そこについて自治体の関与が若干出てくる方が望ましいのではないかと思っております。
 それから第2点ですけれども、7ページの(3)の最後のあたりについてでございますけれども、この自治体においてその土壌汚染の状況を把握し、汚染原因の解明等々に有効に活用すべきだという、対策が行われて解除がなされたという情報とか、調査の結果、土壌汚染が発見されなかったという情報の問題ですけれども、これは何か汚染土マップみたいなのを別につくるというようなことをお考えなのか、具体的にこれをどういうふうにやっていくかというのは結構重要な問題ではないかと思いますけれども、お伺いしたいと思います。
 それから、あと、文言の問題で恐縮ですけれども、1ページの最初に、平成13年ころから始まっているんですけれども、これはやや唐突な気がしますし、もう少し具体的に書かないと、ちょっとこれはこのままではまずいのかなということがございます。
 それから、5ページですけれども、[3]のところで、1の(1)の[3]の1行目は公定法になっているんですが、[2]の方は法になっているんですけれども、これはそろえた方がよろしいのでしょうか。そこを御検討いただければと思います。どっちも公定法か、法だけでもいいのかもしれませんけれども。

(笠井土壌環境課長)
 法というのは法律ですね。

(大塚委員)
 はい。では、下の方も法でいいですか、では。法の要件か何かにした方がいいですか、[3]の方。
 中に入っている、括弧の中も同じことですよね。

(笠井土壌環境課長)
 これは直し漏れでしょうね。

(大塚委員)
 ええ。だから、そろえていただいた方がよろしいのではないかという趣旨です。これはこのまま出ていっちゃうと、結構まずいんじゃないかということですので。

(松本委員長)
 それでは、先ほどの大塚委員の一つ御質問がございまして、7ページの(3)、一番最後の部分ですが、土壌汚染の状況を把握し、汚染原因の解明、汚染状況の履歴調査等に有効に活用すべきであると、この部分についての御質問がございましたので、回答をお願いします。

(笠井土壌環境課長)
 そこにつきましては、まさにその地方公共団体でこのような情報収集に努めるとか、提供に努めるとか、そういうような規定が要るのかなというようなことを考えております。それをどういうぐあいに使うのかというのは運用の話ですので、例えば、その汚染土マップというような話になると、土壌汚染情報だけに限らないで、土地の情報をどうするかというようなことで、ほかの役所でやられている話とかもあったりしますので、どういう形で提供するのかというのは、要するに、これまで保存だとか提供だとか承継だとか、はっきりと対象に位置づけていなかったものを、まずそういうものを対象にして、運用を見ながら、どういうことでやっていったらいいのかという次のステップのお話になるのではないかと思います。

(松本委員長)
 よろしゅうございますか。
 それでは、浅野委員どうぞ。

(浅野委員)
 委員からいろいろと御意見が出されましたが、まず、佐藤雄也委員からは、3条での指定に伴う対策、どういう対策をさせるべきかについての、基準を示すべきだという御意見でした。前にも申し上げましたけれども、後にその土地がどういう用途で使われるのかによって、そこでとるべき対策というものも違ってくることになるはずですから、この程度の汚れであればこうでなければならないというような画一的な基準は非常につくりにくいだろう。となると、おそらく政省令レベルでも書きにくいのではないかと思われます。仮に何か示すことができるとしても、せいぜい、ガイドブックのようなもので示すというようなことにせざるを得ないのではなかろうかと思います。
 ですから、そういうガイドブックのようなものがあって悪くはないと思いますけれども、しかし、いずれにせよその土地の将来の用途については、前にも申し上げたことの繰り返しで申しわけないけれども、どこまでその将来の用途というものに確実性があるのかということも問題でありますから、そんなこともあってなかなか書きづらいなと思います。現行法も含めて、命令を出すという場合は、現在の汚染状態からみて、住民の生命・健康に対する明白は危険性がある、その汚染程度の汚染があるときには命令が出せると、こういう構造になっていますから、ちょっとこれは政省令レベルでも直ちに書けと言われると、事務局は苦慮するだろうなと思いますので、そういう意見を申し上げておきたいと思います。
 それから、もう一つ、佐藤泉委員から、求償を容易にするための規定についての御指摘がありました。これについては、悪い発想ではないということをまず前提として認めた上で、現行法がどうしてあのような規定をおくこととなったのかということについて、若干、非公式な部分を含みますがご説明申し上げます。現行法が対策義務について、所有者主義ということにしており、費用についても一次的には所有者負担をさせるということにしたわけです。このことの当否についは、かなり議論もしたんですが、やはり従来型の公害に対するパターンのような、原因者主義でやっていくと、原因者不明、原因者無資力で逃げられてしまう。なおかつ、そういうときに直ちに公費の導入をすることによって、所有者がある種の不当利得を得るような可能性も出てくることがおそれられました。そこで、やはり原因者主義を貫くべきだということを強く申し上げ、ほかにもそれに賛成される委員がいらして、結局そういうことになったわけです。
 ただし、そうなりますと、今、佐藤泉委員がおっしゃるように、原因者に対する求償が適正に保障されなければ、とてもこれは制度が持つまいというふうに思ったわけです。
 そこで、御承知のとおり、民法724条によれば、不法行為の損害賠償請求権は不法行為時から20年で除斥期間にかかり消滅してしまいます。さらに、従来からの伝統的な理論に従えば、その起算時は、真実不法行為がなされた時、すなわち汚染行為時から20年になってしまうわけです。継続して汚染が繰り返されていれば、まだ起算点を後にずらすことも可能ですが、ある1時点で汚染が起こったが、その後は何もやっていないという場合には、20年で請求権が消えてしまいますから、そうすると、幾らその所有者が求償しようと思っても民法724条に阻まれてしまうという危険性がある。これは、だからぜひ何とかその民法の規定の例外を設ける必要があろうということを、その当時に考えたわけです。最近でこそ、最高裁がこのような場合の除斥期間の起算点を比較的柔軟に考えてくれるという状況になりましたから、いいのですけれども、当時はがちがちであったものですから、それで何とかしなきゃいけないという議論をしたわけです。
 しかし、こういうことを、事務方とも打ち合わせをしていましたら、民法の規定の特則となるとどうしても法制審議会に図る必要があるということになりかねない。そうすると、法律をつくるのにすごい時間がかかるから、ちょっと勘弁してくださいよとか言われて、そこはしようがないな、では当面はあきらめることにしようといっていたんですが、幸いにも内閣法制局での法令審査の段階で、法制局の方で気がついてくださって、これは入れなきゃいけないんじゃないですかっていうアドバイスがあり、それで幸いにも現行のような規定が入っているわけです。
 理論的にこんなことで説明になっているかどうかわかりませんけれども、知事が命令をして、それから20年間は求償が可能というのは、まさに724条を意識しているわけですが、一応仮に、大塚委員から違うと言われるかもしれないことは承知の上で言うんですけれどもね、屁理屈をこねれば、それまで汚染していても、その汚染されていたという状態に何らお咎めがなかったんだから、それはしようがないでしょう。ところが、法律によって、知事から、お前さんこれをきれいにしろとこう命令された瞬間に、所有者は費用負担を強いられることになるわけだから、そうすると、その段階でいわば損害も発生するし、それから、強いて言えば、汚染行為がそのときに不法行為化するというような、屁理屈をこねればですが、ことになるだろうから、だから知事の命令が出た時を起算点にして20年というのは、何とか説明はできないこともないだろうということで決めたというわけでした。
 それから、現実に損害発生するのはその時点ですから、知ったときから3年というのは、それこそ3年というのは何の問題もないわけですから、それでやりましょう、これが現行法なんです。
 そうすると、今回は自主的調査ということでありまして、委員がおっしゃるような場面でも、求償できるように法的措置を講じてあげなきゃいけないというご指摘は、よくわかるのですが、ただ、その土地が汚染地として指定されたというだけで、その後、何かアクションを起こさなきゃいけないということが法的義務になっていないという段階ですと、起算点をどうするんだという理屈としての説明がちょっと苦しくなります。
 指定されたら直ちに対策をしなきゃいけないということを、法的な、強制的な義務として課せられたら、それはいいのですけれども、そうじゃないわけで、自主的に対策をやる、やらないということが決まるのであれば、その限りにおいては、理論的には、20年の起算点の説明に窮すると、というふうに思うものですから、しようがないのではないか。で、仮にそういう事案が起こった場合には、立法的に手当てをするということは難しいので、今の最高裁の判例に依拠して民事訴訟でやっていただくのかなと、このぐらいのことしか当面言えそうもないと思っております。しかし、きょう、御意見出ましたので、もう一回理論的に突き詰めてみて、何かできないかどうかということは事務局に考えてもらいたいと思いますけれども、多分ちょっときついかなという感じがいたします。

(松本委員長)
 はい、それでは、事務局どうぞ。

(笠井土壌環境課長)
 そこはまさに浅野先生の言われるとおりで、対策が必要な区域を公示します。それと同時に必要な対策も公示をして、おそらく期限も公示をしようと思っているんですが、公示は公示であって、土地所有者なり原因者に対する命令なり義務づけになるのかという議論があるかと思います。
 なので、基金の対象をどうするかという方は、ざっくばらんに言って政令以下の要件でできる話なので、前倒しになるかというところは、ここで書かせていただきましたが、浅野先生御指摘のとおり、今、措置命令がかけられたときに、原因者に求償ができるという規定を置いている8条の対策を公示することで前倒しに平行移動できるかどうかというのは、ちょっとその、法律の技術的な議論がありますので、全然放ったらかしにするつもりはないんですけれども、いろいろと法技術的な課題として検討させていただくということで、あえてこの報告の中に触れる必要はないのではないかなというぐあいに考えました。

(松本委員長)
 はい、それでは、ちょっとお待ちください。
 ああ、そうですか、今に関連して。

(大塚委員)
 私も浅野先生と全く同じ意見ですので、賛成させていただきます。

(松本委員長)
 はい、わかりました。
 それでは、鈴木委員どうぞ。

(鈴木臨時委員)
 今回の改正の方向については、私は適切なものだと思っております。皆さん方の御努力に感謝申し上げたいと思います。現場を預かっている身として、この際私の意見としても幾つか申し上げておきたいと思います。
 これからはこれをいかに運用するかという問題になると思います。もちろん本件につきましては、健康被害の防止ということが大前提になるわけですけれども、この法律の施行運用に当たりましては、国民経済上、それから、科学的知見から見て、合理的かつ適切なものである必要があると思っております。
 したがって、規制を一律にかけるとか、不明確な規定によりまして、関係者に不必要ないし過重、あるいは不平等、そうした負担がかかること、あるいは混乱を招くということがないように、十分留意していく必要があると思います。
 特に今回の改正について、都道府県知事の判断を仰ぐ場面が非常に多くなってくると思います。判断についての各都道府県の、温度差を顕在化させたり、あるいは、許認可の遅れを招来するというようなことによって、企業活動の不必要な停滞、あるいは官製不況などを招き、ひいては国民経済上、悪影響が生じるということのないように、ぜひ十分配慮をしていただきたいと思います。
 それから、今回の法施行によりまして、土地所有者にいかなる義務が生じ、いかなる対策が必要になるかという事がかなり具体的にわかりませんと、かつ、そういうものが納得し得るものでないと、取り組み意欲を減退させる、そういうことにもなる可能性があります。自主調査を含めまして、土地所有者ないしは企業の積極的な姿勢を導き出す、こういう観点から、ぜひ配慮いただくことが、法の円滑な推進の要になると思います。卑しくも関係者に混乱を招くというようなことがあれば、法の真の目的は成就できないと思います。
 以上の基本的な点を勘案しまして、いくつか申し上げたいと思います。
 新たに追加される諸項目、例えば自主調査に関連する事項、結果の公表のあり方、あるいは特例区域の認定要件、そういう判断基準、それに伴う対応のあり方について、ぜひ現場の声も十分に把握していただいて、極力、具体的あるいは客観的に決められるように、御努力を賜りたいというふうに思っております。ここがあいまいですと、非常な混乱のもとになるおそれがあるということであります。
 その際に、あくまでも健康被害の防止を前提にしながら、対策に伴う費用対効果についても十分検討が行われて、本来提示されることが望ましいと思います。場合によっては、規制の段階的適用による誘導政策というようなのも必要ですし、結果的に法の目的を円滑かつ早期に達成するように、そういった手段も検討していただく必要があるんではないかと考えます。
 法の施行というのは、反面において行政の責任というものを伴うものでもありまして、法の施行によって世の中に何が起こっているかということを、絶えずフォローしていただいて、重大な障害がある場合には、ローリングしながら修正していく。国民の健康被害の防止になるべく早くたどり着くという道を探していただければというふうに思います。
 ぜひ、これを生きた法律にしていただきたいということであります。なお先ほどリスクコミュニケーションの話がございましたけれども、事業者は近隣住民の方とは絶えずコミュニケーションをとり、見学会を催し、いろんな努力をしているわけです。ただ、客観性を担保するということが非常に大事でありまして、そういう意味で、国なり地方自治体の御支援をお願いしなければ、これはなかなかできないということであります。その他、技術開発とか、人材の養成とか、中小企業支援、これはもうこの報告書の中に書いてありますので、くどくは申し上げませんけれども、格段の御努力を賜りたいと思います。できれば、そういう点につきまして何かコメントがあればお聞かせいただければと思います。

(松本委員長)
 はい、ありがとうございました。
 それでは、事務局にコメントをいただく前に、もうそのほか御意見ございませんか。
 はい、稲垣委員どうぞ。

(稲垣臨時委員)
 今回のまとめ方については、基本的には私も了解します。事務局の御努力に敬意を表したいと思います。
 で、一、二点、少し確認とお願いをしておきたいと思います。まず、11ページのところの[3]の後段にありますが、土壌汚染対策基金の活用に関する地方公共団体の助成制度の整備が望ましい、これについてはそういう整備を望むというのはよくわかりますけれども、原資の問題がここには書いてございませんので、大変これについては、御承知のとおり昨今、非常に金融危機等で地方公共団体の財政は厳しいものがございます。こういう制度を新たに創設するというのはなかなか難しい面ございますので、この点についてはよく総務省等とも協議をしていただけるとありがたいなと思います。
 それと、これはお願いでありますけれども、7ページの特例区域の指定等については、先ほど鈴木委員もおっしゃいましたけれども、この判断基準があまり明確じゃないと、都道府県によってばらばらな判断になってしまうおそれがあります。特に海面埋め立てというのは、本当に過去、昭和の何年ごろかにつくられた海面埋め立てというところは、もう現に住工混在の地域もあるわけでございますので、そういう点についてはある程度の考え方というのをきちっと出して、これを政令・省令では無理だと思いますけれども、通知とか何らかのガイドラインとか、そういうものでやって、都道府県に差が出ないような形をお願いできればというふうに思っております。
 それと5ページのところは、先ほど課長さんの説明の中でございましたので了解しますけれども、[1]、[2]、[3]の並列じゃなくして、[2]、[3]については、[1]の報告によるものというのが明確に書いて、パブコメを出してもらった方がわかりやすいのかなというふうに思っております。
 以上でございます。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 それでは、市川委員どうぞ。

(市川専門委員)
 要望しておりました中小企業に対する支援、それから、技術開発につきましては、資料3の最終ページ、それから、資料2の概要版におきましても、その他の(3)、(6)できちっと位置づけていただきまして、ありがとうございます。今後の話ということになりますが、ぜひ環境省の責任において、予算の確保、それから、技術開発体制の整備等、御努力をお願いしたいと思います。

(松本委員長)
 はい、それでは、佐藤雄也委員どうぞ。

(佐藤(雄)臨時委員)
 ちょっと私が理解不十分なのかもしれませんが、先ほど浅野先生のコメントで、3条について特に対策の技術基準というふうなものをつくらなかったのは、3条調査を終わった段階で対策した後の土地利用がはっきりしないということで、そういう理由から定めていないというふうに私はお話を理解したんですけれども、それにしても対策は必ずやるわけです。ですから、その対策がどの技術基準に基づく対策とか、そういう対策の計画書というのは出せるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

(松本委員長)
 はい、わかりました。
 浅野委員どうぞ。

(浅野委員)
 私、申し上げたのは、3条で何も決めなかったのが、用途の後どうするかわからないから決めなかったという趣旨じゃなくて、むしろ、新たにここにちゃんと法令上のスタンダードを設けるということは難しいということを申し上げただけです。
 ですから、現行法で決めていないのは、むしろ命令をかけるということを前提にしないで、指定をするということだけですから、そこでは対策という概念をそもそも持ち込む余地がないので、現行法は入れていないというだけのことだと思います。

(松本委員長)
 はい、ありがとうございました。
 それでは、局長どうぞ。

(白石水・大気環境局長)
 ちょっと所用がございまして、途中退席をお許しいただきたいということもありましたので、先ほどの鈴木委員の御発言へのお答えをさせていただいて、退席させていただこうと思うのですけれども、何人かの委員から御指摘がありましたように、いろいろな制度というのは、できる限り予測可能な、しかもシンプルなもので、だれが見てもわかりやすいものにしなければならないという配慮をしなければならないことは、当然のことでございますので、ケース・バイ・ケースのことというのはありますけれども、できる限りそういった予測可能性、あるいはシンプルな用途ということで、官製不況という御指摘もございましたけれども、それは地方行政をやる現場でもわかりやすいし、負荷がかからないという意味でも大切なことでございますので、ぜひそのような形で、まだパブコメを出している段階で言うのもおこがましいのですけれども、仮にこれで、こういうふうなことで制度の改正がなるということであれば、細部を決めるときには、当然そのような形でやらせていただきたいと思いますし、また、もし委員長の方でお許しいただけるならば、技術的事項については、またこういった場で御議論いただいて、御提言賜ればというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

(松本委員長)
 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 それでは、中野委員どうぞ。

(中野臨時委員)
 いろいろとわかりやすくまとめていただいてありがたいと思っております。その中で、私たちは特に健康上ということをいつも頭に置いております。その中で、稲垣委員がおっしゃいました、今の財政のことなんですけれども、今地方の財政が本当に困った状態でございますので、いろいろ土地のこういうことが出ていた場合、県の助成とかができるかなとも、その方のことを物すごく心配しております。
 それと同時に、ページ7の(3)の調査結果の情報の公開ということは、私たちにとりまして大変うれしいことだと思いますので、やはりこれはしっかりと県民にわかりやすいように、その結果を皆さんに知らせていただけたらうれしいなと思います。ありがとうございます。

(松本委員長)
 はい、どうも。
 どうぞ、そのほかございませんか。
 それでは、各委員からさまざまなコメント、あるいは、場合によっては修正をしたらどうかという、そういう御意見までいただきました。そこで修正箇所についてのみ、判断が許す限り、事務局の方でこういう点を修正するがいかがでしょうかというまとめを、もし可能であればこの際お願いしたいと思います。

(笠井土壌環境課長)
 お聞きしていた範囲ですので、報告の後、御審議をしていただきたいと思いますが、初めからいきますと、大塚委員の方から、「平成13年ころ」云々というのは余りにも唐突ではないかという御指摘がありましたので、「法制定時には」とかというような感じで、高い水準に推移していたというような直しがあるのかなと思います。
 2ページ目の佐藤洋委員の方から、法に基づかない調査による土壌汚染の発見の増加という御指摘がありましたので、これは調査によるというのを入れればいいのかなと思います。
 5ページ目で、稲垣委員の方から、[2]、[3]は、[1]、[2]、[3]と全く並列に見えてしまうので、口頭で説明したように、「[1]のうち」というのを[2]、[3]の前に入れてはどうかという御指摘があったかと思いますので、これも入れた方がわかりやすいかなと思います。[3]の「公定法を満たしていない場合」というのは、これは直し忘れですので、「現在法で認められている要件を満たしていない場合」というふうに直した方がいいかと思います。
 それ以外につきましては、7ページのところで確認がございまして、佐藤雄也委員、大塚委員の方から、対策計画を出してもらってはどうかという御意見がございました。7ページの(2)に、「地方自治体が対策の効果をやめ定められた判断基準に照らして客観的に確認し」ということになっておりますので、何らかの届け出というのは要るのではないかと思いますが、それが対策計画なのかどうかというのは、どちらかというと手続的な事項ではないかと思います。
 佐藤泉委員の方から、自主的調査について、それを努力義務としてはどうかという御提案がありましたので、それは御議論をいただく課題かなと思います。
 もう一つ、佐藤泉委員の方から、リスクコミュニケーションをだれがやるのかわからないという御指摘が出ておりますが、なかなかそこら辺のはっきりしないところもある中で、合意できる線で考えてきたのがこの案ですので、ここは直す必要があるかどうかということで御議論いただきたいと思います。
 以上ではなかったかと思います。

(松本委員長)
 はい、それでは、審議官どうぞ。

(伊藤水環境担当審議官)
 今の点のうち、自主的調査の努力義務に関してでありますけれども、この点につきまして、もし、その調査すること自体を努力義務ということになりますと、それはどういった場合に調査しなきゃいけないのかとか、そういった議論は、今まで当委員会でも余り議論されてこなかった面もありますので、今この段階でそういうことはなかなか難しいかなと、事務局としてはそう考えておりますが、これもまた御議論賜ればと思いますが。

(松本委員長)
 はい、わかりました。
 それでは、事務局の方から、逆にこういった点を議論してほしいという点が幾つか今、指摘されたわけでございますので、これについて議論をしたいと思います。
 では、浅野委員どうぞ。

(浅野委員)
 まず、自主的調査について、この報告は自主的調査が十分意味があるということは認めているわけです。その上でその良さも活かしながらという言い方をしているわけで、それ以上重ねて自主的調査を義務づけるとか、努力義務であるとかというようなことは、その後のいろんな議論との関係で、佐藤泉委員と私、むしろ逆に考えていました。そういうものをまず前置しておかなければ、報告にうまくつながらないだろうという法的な構造をお考えになったかもしれませんけれども、そこをあんまりぎりぎり、言い始めると、実はその自主的調査を報告せしめるということが一体、法制上可能かどうかという、それ一番嫌らしい問題に逢着してしまうことになりかねません。この点は多分、法制局と最後の最後までもめるだろうと、私は、予想しておりますので、できたらこの報告では、さらりと流させておいていただかないと、余りぎりぎりやると、法制化のときに事務局が立ち往生するのではないかということが懸念されます。
 それから、リスクコミュニケーションに関しては、これはリスクコミュニケーションという言葉をどう理解するかというそもそもの問題があって、これは環境保健部会でもしょっちゅう議論していることであるわけで、なかなか難しいわけですが、事業者にリスクコミュニケーションを義務づける、あるいは責務でもいいのですけれども、要するに主体を明確にするという話は、ちょっとこの報告の範囲を超えてしまうような気もいたします。というのは、そもそもリスクコミュニケーションって何なんだということをよく理解してもらえないと、そういう報告の書き方がかえって誤解を起こし混乱を起こしてしまうということは、佐藤泉委員が所属されていない他の部会で環境基本計画の点検作業をやっていまして、今年はその中で、化学物質による環境リスクの問題というテーマに関連して、リスクコミュニケーションについて集中的に議論したのですけれども、自治体などが事業者にリスクコミュニケーションを義務づけるというようなことを、既に行政施策としてやっておられるところがあるのですが、これがどうも、お話を聞いていると、全く正直言って、リスクコミュニケーションをもともと考えてきたものの発想からいうと違うんですね。安全であることの説明をさせることを義務付けるような運用になってしまいがちです。それは全然違う、その点は、佐藤泉委員もよくおわかり上で発言になっておられるのでしょうが、ところが実際にはそうなってしまう危険性があるものですから、ちょっとなかなかその書き方が難しいかなと思われます。
 まさに、双方向的コミュニケーションというようなことも、単なる説明とか説得ということではないわけですし、それよりも中杉委員がおっしゃったように、よりそういうような事業者がおやりになることを、よりサポートするという体制づくりの方が大事なんだろうと思います。今、事業者がやっておられることは、客観的に、こんな意味があるのですよということをきちっと説明できるようなシステムづくりをすれば、事業者もより安心してリスクコミュニケーションができるということがあるだろうと。だから、当委員会としては、むしろそちらの方にウエイトを置いてこれまで議論してきたし、この報告をまとめてきているという理解をしていますので、余りリスクコミュニケーション、まず一義的な事業者が行うべき責務を負うのだという書き方をするのであれば、もうそもそもリスコミとは何かというところから、相当書かなくちゃいけないので、これも私は正直言って、この小委員会の報告としては御勘弁くださいというような感じなんですが。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 はい、それでは、中杉委員どうぞ。

(中杉臨時委員)
 リスクコミュニケーションの部分ですけれども、リスクコミュニケーションをだれがやるかというの、これはケース・バイ・ケースで主体がだれかというのは、うまくいくかどうかということで随分かかわってくるんで、必ずしも事業者がやらなきゃいけないということを言わない方がよろしいのかなと。
 ただ、事業者の方がそのリスクコミュニケーションにかかわらなきゃいけないというのは、これは間違いないんですけれども、主体的に事業者の方が呼びかけてやるのがいいのか、自治体が表に出てやるのがいいのか、それはケース・バイ・ケースであるというふうに思います。ただ基本的には、事業者の方がそれ知らないよという、それは決して許されないということだというふうに思いますけれども。

(松本委員長)
 ありがとうございました。
 どうぞ、そのほかお願いします。
 それでは、あと御意見ないようでございますので……。
 はい、どうぞ、佐藤泉委員の方から。

(佐藤(泉)臨時委員)
 自主的調査についてなんですが、せめて、自主的調査は今後も推進すべきであるという一文は入れていただきたい、それは皆さん同じ思いじゃないかと思うんですね。それはできればお願いしたいと思っております。

(松本委員長)
 いかがですか。その自主的な調査は、少なくとも一文入れていただきたいという御指摘でございました。よろしゅうございますか。

(笠井土壌環境課長)
 済みません、5ページのところで、第二パラグラフになりますが、「自主的調査の実施は、土壌汚染の把握の観点からの重要であるため、今後とも推進すべきであることから」と書いてありますし、その前の2ページの終わりのところでも、「自主的な調査が広く行われるようになることは、土壌汚染の把握の観点から重要であり望ましいことである」と書いてございます。

(松本委員長)
 では、この文章でよろしゅうございますね。
 それでは、あとございませんか。
 それでは、ただいま御指摘いただきました修正部分について、確認いたしました修正部分について御意見をちょうだいしたいと思いますが、もしなければ、パブリックコメントにかける文案について、皆さん委員からいただきましたいろいろなコメントがございますので、そのコメントができるだけ反映するような格好で、私の方から事務局に指示させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

(異議なし)

(松本委員長)
 ありがとうございます。
 それでは、会議終了後、修正が済み次第、事務局はパブリックコメント手続を開始していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局から、今後のパブリックコメント手続及び次回会議の開催日程について、説明をお願いいたします。

(笠井土壌環境課長)
 はい、ありがとうございました。
 それでは、まず今後の手続でございますが、委員長の御指示に従い、事務局において修正作業を行い次第、本日よりパブリックコメントの受け付けを開始したいと考えております。
 ちなみに、6時から私の方からプレスには説明をさせていただきたいと思っております。
 パブリックコメントの受け付けは1カ月間で、本日より12月13日までということにいたしたいと思います。本日から環境省ホームページにも掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。
 そのパブリックコメント後でございますが、次回、第9回は、既に連絡してありますとおり、12月19日金曜日の13時30分から15時30分でお願いしたいと思います。
 場所は、本日と同じこの場所でお願いいたします。追って開催案内をお送りいたします。

(松本委員長)
 はい。事務局におかれましては、速やかにパブリックコメント手続を進めていただきますようお願いいたしますと同時に、次回の小委員会での答申のとりまとめに向けての作業も、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、最後に本日の資料の取り扱いについて、私の方から説明をさせていただきます。土壌農薬部会の運営方針では、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料や、公開することにより特定の者に不当な利益、もしくは不利益をもたらすおそれがある資料などは、小委員長の判断に基づきまして非公開とすることとされております。
 本日、配付いたしました資料は、いずれもこれに該当しませんので、公開といたします。
 また、今回の議事録につきましては、事務局で調製いたしました後、各委員に再度、発言内容を確認をとらせていただきますので、その際、訂正等よろしくお願いをいたします。
 それでは、そのほか本日の会議全体を通しまして、もし御意見、コメントがございましたら、この際よろしくお願いをいたします。どうぞ。
 ございませんか。

(発言なし)

(笠井土壌環境課長)
 大変熱心な御議論いただきまして、おまとめいただきありがとうございました。
 本日の土壌制度小委員会は閉会とさせていただきます。答申に向けてまた頑張りますので、またパブリックコメント期間中でも、お気づきの点があればどんどんお寄せいただきたいと思います。我々の方からもいろいろと御相談に伺いたいと思いますで、よろしくお願いいたします。
 本日はどうもありがとうございました。

(了)


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