中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第25回) 議事録

日時

平成23年4月8日(金)14:00~16:50

場所

環境省第1会議室

出席委員

委員長 森田 昌敏
委員 中杉 修身
臨時委員 井上 達 上路 雅子
五箇 公一 白石 寛明
染 英昭 平松 サナエ
細見 正明 眞柄 泰基
山本 廣基 渡部 徳子
専門委員 内田 又左衞門 築地 邦晃
吉田 緑

欠席は、井上(隆)専門委員、根岸専門委員)

委員以外の出席者

環境省
水・大気環境局長、農薬環境管理室長、農薬環境管理室室長補佐、農薬環境管理室室長補佐、農薬環境管理室農薬企画・調査係長、農薬環境管理室係員

議題

  1. (1)水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定について
  2. (2)水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定について
  3. (3)その他(報告)
    1. ア.特定農薬(特定防除資材)の検討対象としない資材について
    2. イ.その他

配布資料

資料1 中央環境審議会 土壌農薬部会農薬小委員会委員名簿
資料2 中央環境審議会 土壌農薬部会農薬小委員会(第24回)議事録(案)
資料3 諮問書(写)及び付議書(写)
資料4 水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)
資料5 水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)
資料6 特定農薬(特定防除資材)の検討対象としない資材について
参考資料1 中央環境審議会関係法令等
参考資料2 中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第24回)議事要旨
参考資料3-1 水質汚濁に係る農薬登録保留基準に関する安全性評価及び基準値設定の方針(平成20年2月22日士壌農薬部会資料)
参考資料3-2 平成22年度非食用農作物専用農薬安全性評価検討会開催要領
参考資料3-3 平成22年度非食用農作物専用農薬安全性評価検討会委員名簿
参考資料4 農薬評価書 オキサジアゾン(食品安全委員会資料)
参考資料5 農薬評価書 オリサストロビン(食品安全委員会資料)
参考資料6 農薬評価書 カズサホス(食品安全委員会資料)
参考資料7 農薬評価書 クミルロン(食品安全委員会資料)
参考資料8 農薬評価書 クロマフェノジド(食品安全委員会資料)
参考資料9 農薬評価書 ジチオピル(食品安全委員会資料)
参考資料10 農薬評価書 ピラクロニル(食品安全委員会資料)
参考資料11 農薬評価書 ブタミホス(食品安全委員会資料)
参考資料12 農薬評価書 ペノキススラム(食品安全委員会資料)
参考資料13 農薬水域生態リスクの新たな評価手法確立事業

議事

【農薬環境管理室長】 それでは、定刻の時間となりましたので、ただいまから土壌農薬部会第25回農薬小委員会を開催させていただきます。
 会議の冒頭に、水・大気環境局長の鷺坂局長より御挨拶申し上げます。

【水・大気環境局長】 水・大気環境局長の鷺坂でございます。本日は、委員の皆様におかれましては、非常に御多用の中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 また、大震災において、関係者の方、あるいは関係機関の方、いろいろ被害に遭われた方もおられると思いますけれども、この場をお借りしてお見舞いを申し上げたいと思います。
 今回の土壌農薬部会の小委員会でございますけれども、1月に中央環境審議会の委員改選が行われておりまして、最初の農薬小委員会ということでございます。改選前よりお引き受けいただいている先生方には、改めて引き続きの御指導をお願いしたいと思います。また、新たに2名の先生方に農薬小委員会への御参加をいただくことになっております。後ほど紹介させていただきたいと思いますけれども、引き続き御指導、御鞭撻をよろしくお願いしたいと思います。
 今日の小委員会でございますけれども、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定についての御審議をお願いするということになっております。農薬登録保留基準につきましては、これまで水産動植物については132農薬、水質汚濁につきましても63農薬について基準値を設定していただきました。このように、基準値の設定については、非常に専門的な多くの事項について考慮する必要がありますけれども、そういった基準値の設定が軌道に乗ってきたことは、皆様、先生方各位の御指導、また、熱心な御審議によるものであると、改めて感謝を申し上げたいと思います。
 本日の小委員会では、水産動植物について5農薬、それから水質汚濁について10農薬についての御審議をいただきたいと考えております。今後とも精力的に基準の策定をしていきたいと考えております。
 また、特定農薬に関しましては、平成23年2月4日付で「特定農薬(特定防除資材)の検討対象としない資材について」ということで指導させていただいております。35の資材につきましては、特定農薬の検討対象とするものとして残っておりますが、今後も特定農薬分科会におきまして審議いただくことになりますが、よろしくお願いいたしたいと思います。
 最後になりますけれども、農薬の環境管理をめぐる行政課題、まだ様々あるわけでございまして、この小委員会におけるこれまでの先生方、委員の皆様方の御尽力に改めてお礼を申し上げますとともに、環境省といたしましても、関係府省と連携をとりまして、積極的に取り組んでまいりたいと思いますので、引き続きの御指導、御鞭撻を何とぞよろしくお願い申し上げまして、私からの冒頭の御挨拶とさせていただきます。
 本日はよろしくお願いしたいと思います。

【農薬環境管理室長】 ありがとうございました。
 それでは、まず本日の委員の先生方の出欠の状況でございます。本日、井上(隆)専門委員、それから根岸専門委員から御欠席の連絡をいただいておりまして、眞柄委員は若干遅れられておるようでございます。予定では15名の委員の先生に御出席いただくという予定にいたしております。
 委員、臨時委員の総数12名の御出席をいただいておりまして、小委員会の開催要件を満たしておりますことを御報告申し上げます。
 続きまして、先ほど局長からの御挨拶の中でも申し上げましたけれども、本年1月5日付けで中央環境審議会の委員の任期が満了いたしまして、所属委員の先生方の改選がございました。この関係で、委員の先生方の交代がございますので、まず、議事に入ります前に、御紹介をさせていただきます。
 まず、御退任なされました委員の先生方でございますけれども、佐藤委員それから中野臨時委員、花里臨時委員、安藤専門委員、中村専門委員の5名の委員の先生方が御退任されました。
 続きまして、新たに農薬小委員会に御所属いただくこととなりました委員の先生方を御紹介いたします。まず、全国地域婦人団体連絡協議会理事の平松臨時委員でございます。
 続きまして、岩手県病害虫防除所長の築地専門委員でございます。
 また、中杉委員が土壌農薬部会長に御就任なされまして、森田臨時委員におかれましては、引き続き農薬小委員長に御指名されましたことをあわせて御報告いたします。
 それでは、配付資料を御確認いただきます。議事次第の下に配付資料一覧を書かせていただいておりますけれども、資料につきましては、資料1から6までの6種類の資料、それから参考資料につきましては、参考資料1から参考資料13まで、参考資料3が三つございまして、全部で15の参考資料を用意させていただいております。
 それから、委員の先生方には、水産動植物の登録保留基準設定に係る過去の審議会・検討会報告等を配付させていただいております。こちらにつきましては、また次回以降の小委員会でも活用させていただきたいと思っておりますので、会議終了後、会場に残していただきますよう、よろしくお願いいたします。
 資料につきましては、不足等がございましたら、会議の途中でも結構でございますので、事務局までお申しつけください。よろしくお願いいたします。
 それから、本日の議事でございますけれども、吉田専門委員が16時以降、御退席されるということでございますので、議事を変更させていただきまして、(2)の水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定について、先に御審議いただきたいと思っております。
 それでは、議事に入らせていただきます。森田委員長に議事進行をお願いいたします。

【森田委員長】 それでは、早速、議事進行に入りたいと思います。しかし、なかなか地震の余波がすごく続いておりまして、昨日の夜中の地震もマグニチュード7.4あり、また、本日、東北地方の交通事情もひどく悪くなったようです。そういう状況の中、御出席いただきまして、本当にありがとうございました。
 それでは、議題に入りたいと思います。本日の農薬小委員会は、議事次第にございますように、主に二つの議題に関する審議が予定されております。慎重かつ活発な御審議をお願いしたいと思います。
 審議の公開につきまして、まず取り扱いについての御報告をさせていただきたいと思います。土壌農薬部会の運営方針では、審議中の答申、非公開を前提に収集したデータが記載されている資料など、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料や、公開することにより特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある資料などは、委員長の判断に基づきまして非公開とするとされております。
 今回の農薬小委員会では、申請者から提出された農薬の毒性試験報告書等、企業秘密に当たる資料を使用しないことから、非公開の理由には当たらないため、今回の農薬小委員会については公開とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 さて、議事に先立ちまして、前回、12月24日に開催いたしました第24回小委員会の議事要旨を確認させていただきたいと思います。事務局より御説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室室長補佐】 参考資料2を御確認ください。中央環境審議会土壌農薬部会の運営方針では、議事要旨については、委員長に了解をいただければ公開できることとなっております。
 本日の参考資料2の内容で、既に環境省ホームページで公開しておりますので、御報告いたします。

【森田委員長】 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして、前回の議事録についてであります。こちらは、事前にメールで各委員の先生方に既に確認済みということでございます。資料2で配付してございますが、特段の御意見がございますでしょうか。既に見ていただいていると思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 特に御異議がないようでございますので、それでは、ここで(案)を取らせていただきたいと思います。
 それでは、この後ですが、土壌農薬部会の運営方針に基づき、公開することとしております。
 それでは、これから議事に入りたいと思います。初めに、農薬小委員会の決議の取り扱いについて御説明させていただきます。
 「中央環境審議会土壌農薬部会の小委員会の設置について」の土壌農薬部会決定によりまして、農薬小委員会の決議は部会長の同意を得て、土壌農薬部会の決議とすることができるということになっております。
 したがいまして、この農薬小委員会後には、農薬登録保留基準設定のための土壌農薬部会を招集せず、土壌農薬部会長の中杉部会長の了解をいただいて、部会としての結論としていくことになります。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事次第に沿って議事を進めたいと思います。
 まず、諮問書の御紹介をしたいと思いますが、農薬取締法第3条第2項の規定に基づき、環境大臣が定める基準の設定についての件については、平成23年3月1日付で環境大臣から諮問があり、同日付で土壌農薬部会に付議されております。
 事務局から諮問書の御紹介をお願いいたします。

【農薬環境管理室農薬企画・調査係長】 資料3をご覧ください。まず、1ページ目になりますけれども、平成23年3月1日付で、環境大臣から中央環境審議会会長に対して、以下のとおり諮問がされております。
 農薬取締法第3条第2項の規定に基づき、環境大臣が定める基準の設定について。標記のうち、農薬取締法第3条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件について、(1)別紙1の農薬に関し、告示第3号の環境大臣が定める基準を設定すること、(2)別紙2の農薬に関し、告示第4号の環境大臣が定める基準を設定することについて貴審議会の意見を求める。
 1ページめくっていただきますと、裏面が別紙1となっておりまして、告示第3号の環境大臣が定める基準であります水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準となっております。今回は5農薬ございます。
 続きまして、3ページ目が別紙2の告示第4号の環境大臣が定める基準になります。水質汚濁に係る農薬登録保留基準となっておりまして、10農薬ございます。
 もう1枚めくっていただきまして、最後のページが付議書となっております。中央環境審議会会長から中央環境審議会土壌農薬部会部会長に対して、今、御説明した内容が付議されております。
 以上でございます。

【森田委員長】 諮問書の御紹介がされましたが、御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【森田委員長】 それでは、それに従った形になると思いますが、これから議題の議論に入りたいと思います。
 本日は、議題の2番からです。水質汚濁に係る農薬登録保留基準について、環境大臣が定める基準の設定についての審議を先に行いたいと思います。事務局から資料の説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室室長補佐】 それでは、資料5をご覧ください。資料5は、水質汚濁に係る登録保留基準値(案)に関する資料でございます。
 まず、1剤目、オキサジアゾンから1剤ごとに御説明させていただきます。
 オキサジアゾンでございますが、本剤は、オキサジアゾール環を有する除草剤でございまして、作用機序は、クロロフィル生合成経路中の酵素活性阻害と考えられております。本邦での初回登録は1972年でございます。
 製剤には粒剤、水和剤、乳剤が、適用作物には稲及びいぐさがございます。
 各種物性に関しましては、1ページの表のとおりです。
 1枚めくっていただきまして、安全性評価でございます。食品安全委員会は、平成20年9月25日付で、オキサジアゾンのADI(許容一日摂取量)を0.0036mg/kg体重/日と設定する食品健康影響評価の結果を厚生労働省に通知しております。この値は、ラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験における無毒性量0.36mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。
 これに関しましては、食品安全委員会の農薬評価書を参考資料4としておつけしておりますので、あわせて御参照いただければと思います。
 続きまして、<3>番の水質汚濁予測濃度についてでございます。本剤は水田使用農薬でございまして、非水田の適用はございません。算定結果は表にございます条件を用いまして、水質汚濁PECTier1が0.00799、四捨五入して0.0080mg/Lと予測されております。
 3ページ、総合評価でございます。水質汚濁に関する登録保留基準値(案)でございますが、表にございます算定式により、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として、0.0095mg/Lを提案させていただいております。こちらは、3けた目を切り捨てて、有効数字を2けたとして計算したものでございます。
 本剤につきましては、旧水質汚濁登録保留基準が0.09mg/Lとなっておりました。
 2番、リスク評価でございます。水濁PECTier1が0.0080mg/Lでございましたので、登録保留基準値0.0095mg/Lを超えないことを確認しております。
 なお、この剤につきまして、Tier2を仮に算出いたしましたところ、2オーダー下がりまして、0.000069mg/Lと基準値の0.7%、Tier1の0.9%となっております。
 参考でございますが、食品経由の農薬理論最大摂取量は、対ADI比で31%と推計されております。
 本剤につきましては以上です。御審議をよろしくお願いいたします。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、こういう数字になるということですが、何か追加の御意見はございませんか。

(発言なし)

【森田委員長】 それでは、委員の先生方。

【井上(達)臨時委員】 毒性プロファイルを簡単に申し上げます。
 標的臓器は非常に高濃度のときに発現するだけですけれども、肝臓と造血器です。そうした高用量では肝腫大が見られます。肝腫大が見られますので、スキームは申しませんけれども、甲状腺の腫大も認められます。
 また、高用量で肝腫大が認められますので、そのメカニズムが検討されております。それによれば、この剤が、ペルオキシソーム・プロリフェレーター(ペルオキシゾーム増殖剤)だということがわかりましたので、それが(高用量での腫瘍発生の)メカニズムであろうと考えられました。ただ、詳細はわかっておりません。
 この腫瘍発生は、遺伝毒性がないことがわかっておりますので、しかも、高用量に限局した腫瘍発生ですので、問題なかろうという考え方で整理されております。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 他の先生方、いかがでしょうか。どうぞ、お願いします。

【眞柄臨時委員】 オキサジアゾンは、一度失効していて、これは再登録ですが、再登録の際の動物実験等は前の動物実験と同じなのですか。それとも異なったものが新たに提出されたのでしょうか。

【農薬環境管理室室長補佐】
 提出されている毒性試験のデータでございますが、1980年代、82年にとられたものから2002年までにとられたものとなっておりまして、必ずしもすべてが再試験されているものではございません。

【森田委員長】 その後はよろしいでしょうか。
 他の委員の先生方、とりあえず、これは水質汚濁に係る登録保留基準でありますが、今、示されておりますのは、登録保留の基準値、総合評価のところにまとまっている数値になりまして、公共用水域、予測濃度に関する基準値、それからリスク評価等がまとめられております。
 ということでありますが、とりあえずこれでよろしいでしょうか。原案どおりの評価ということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 それでは、この物質については原案どおりということにしたいと思います。
 それでは、引き続きまして、次の剤についてお願いいたします。

【農薬環境管理室室長補佐】 ありがとうございました。
 では、続きまして4ページ、オリサストロビンについて御説明させていただきます。
 オリサストロビンはストロビルリン系殺菌剤であり、作用機序は、ミトコンドリア内のチトクローム電子伝達系阻害による呼吸阻害と考えられております。本邦での初回登録は2006年でございます。
 製剤には粒剤が、適用作物には稲がございます。
 物性につきましては、4ページ下の表のとおりでございます。
 <2>番、安全性評価でございます。食品安全委員会は、平成20年3月27日付で、オリサストロビンのADIを0.052mg/kg体重/日と設定する食品健康影響評価の結果を厚生労働省に通知いたしました。なお、この値は、ラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験における無毒性量5.2mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。
 これに関しましては、参考資料5に食品安全委員会の農薬評価書をおつけしておりますので、こちらもあわせて御参照いただければと思います。
 続きまして、<3>、水質汚濁予測濃度でございます。本剤は水田にのみ適用されるため、PECにつきましては、水田について、5ページに示す表の条件で計算いたしまして、第1段階評価、Tier1におきまして0.023mg/Lという推定値を得ております。
 続きまして、総合評価でございます。水質汚濁に係る登録保留基準値(案)でございますが、表にあります算定式により、有効数字2けた、3けた目を切り捨てて算定いたしまして、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として0.13mg/Lという基準値案を提案させていただいております。
 本剤は、旧水質汚濁登録保留基準が1mg/Lと定められておりました。
 リスク評価でございますが、本剤はPECTier1が0.023mg/Lでございまして、登録保留基準値0.13mg/Lを超えないことを確認しております。
 なお、水濁PECTier2を参考までに算定いたしましたところ、二桁下がりまして、0.00045mg/Lと、基準値の0.4%、Tier1の2%となっております。
 参考の項でございますが、食品経由の農薬理論最大摂取量は、対ADI比で2%と推計されております。
 本剤に関しましては以上です。御審議をよろしくお願いいたします。

【森田委員長】 御説明ありがとうございました。
 それでは、井上先生、また解説をお願いします。

【井上(達)臨時委員】 これは、事務局の御説明にもありましたように、チトクロームの電子伝達系の酵素阻害による呼吸障害が機序だということになっております。従いまして、細胞毒性もそういう呼吸酵素障害に基づくものが主として出ています。高用量の神経毒性様の変化も、実際には神経の変化というよりは、そういう呼吸酵素障害です。ターゲット・オルガン(=標的臓器)は、90日試験以降の長期で発現している、肝臓と血液(造血器)と言っていいかと思います。2年間の慢性毒性/発がん性では、十二指腸の上皮の増殖所見といったものも出てまいります。
 あとは、機序が丁寧に調べられていて、十二指腸上皮細胞の鉄の取り込みによる上皮増性刺激であるとか、そういった機序が調べられています。肝臓の代謝が、この場合には少々変わっていて、毒性ということではなくて、この報告書には書いていないのですけれども、HIFという遺伝子があります。Hypoxia inducible factorなんですけれど、これが上がると肝臓の代謝が上がり、それに基づいて甲状腺腫が出るというスキームがあります。もちろん遺伝毒性がありませんので、高い用量でだけ起こる現象であります。
 以上です。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、御質問あるいは御意見をいただきたいのでありますが、いかがでしょうか。

【吉田専門委員】 今の井上委員の御説明に若干、十二指腸のことについて付加をいたします。
 これについては、随分、先生がおっしゃったように、丁寧なメカニズム試験をしつこくしてもらいました。それで、短期でも十二指腸が正常の5倍ぐらいにはれまして、非常に驚いたのですけれども、それが鉄の吸収阻害と、鉄のイオンの輸送をトランスポーターのところで妨げるというような、非常に新しいメカニズムがわかりまして、高用量のイベントですけれども、しっかりメカニズムが調べられた試験ということをつけ加えたいと思います。
 以上です。

【森田委員長】 他にいかがでしょうか。0.13mg/Lという数値になってきますが。どうぞ、お願いします。

【築地専門委員】 不慣れでいきなり質問で恐縮なのですけれども、教えていただきたかったのは、5ページの下、使用方法についてですけれども、農薬の使用量のところで、[2]番、箱当たり50gですが、これは注釈に「1箱当たり本田0.5aに相当」ということで、10a当たり換算は20箱なんですよね。これ、例えば岩手県の使用の技術指針では、苗を小さい段階で植える場合が18から22ぐらいであるのと、それから、もっと大きく、中苗と我々は言いますけれども、それぐらいになると、最大10aに30箱ぐらい入れるんです。そうすると、一番多い量を入れるという考え方からすれば、20箱は、本当の中ぐらいに設定しているのかなと思うのですけれども、これはそういうふうに決めているものなのでしょうか。

【農薬環境管理室室長補佐】 こちらの農薬使用量といいますか、箱当たりですとか株当たりで投与されるようなものをどう10a当たりに換算するかの算定換算式につきましては、通常想定されるものをということで、一覧表を農薬検査所からいただいておりまして、そこに育苗箱につきましては20箱であるというような数字が記載されておりましたので、それに基づいて計算をしております。こちらは今のところは、そういう数字でどれも計算してきているのですけれども、見直しの必要があるようでしたら、今後検討していきたいと思っております。

【森田委員長】 よろしいですか、そういう御説明ですが。もう少しクリアにしておく必要がありますか。

【築地専門委員】 わからないですけど、そういうやり方でやっているということで、わかりました。

【農薬環境管理室長】 今申し上げましたけれども、一定の通常レベルでの営農様式をした場合ということで設定をさせていただいていると、これまでもさせていただいておりまして、現状の部分で、これよりもさらにまた検討が必要ということを御指摘いただければ、また恐らく農業の全体の慣行といいますか、そういったものも調べた上で、さらにまた精査するという形になると思いますので、今回御指摘いただきましたので、個別にどういった形で使用されているのかも含めて、再度また調べさせていただいて、次回に御提供できるかどうかわかりませんけれども、御紹介させていただきたいと思っております。

【森田委員長】 よろしいでしょうか。それでは、そこの部分はお任せということで。
 それでは、総合評価のところを見ていただきまして、御確認をいただきたいのですが、農薬登録保留基準値案として6ページに書かれているもの、並びにそれに関するリスク評価が7ページにございますが、こういう原案どおりでよろしいでしょうか。
 細見委員、どうぞ。

【細見臨時委員】 原案どおりで結構ですが、質問だけ。旧の登録保留基準について、オキサジアゾンもそうですけれども、今回より1オーダーぐらい高い値のときの根拠は何だったのかなと思いまして。私自身がもっと勉強しておかなければいけないと思うのですが。

【農薬環境管理室長】 旧水質汚濁に係る登録保留基準は、水田の排水を見ておりまして、水質汚濁防止法上の環境基準と排出基準と同じ関係で、環境基準の10倍掛けたものとしている関係から、大体旧と比べると1オーダー、若干ADIが変更になると変わりますけれども、そういったいわゆる排水基準と環境基準の違いと御理解いただければと思います。

【森田委員長】 それでは、この剤につきましては、原案どおり承認したことにしたいと思います。
 引き続き、次の剤の御説明をお願いします。

【農薬環境管理室室長補佐】 ありがとうございました。
 では、8ページ、カズサホスについて説明させていただきます。
 カズサホスは有機リン系殺虫剤でございまして、作用機序は、アセチルコリンエステラーゼ活性の阻害でございます。本邦での初回登録は2000年でございます。
 製剤にはマイクロカプセル剤が、適用作物には野菜、いも、豆及び花きがございます。
 物性に関しましては、8ページの表のとおりです。
 安全性評価についてでございます。本剤は、食品安全委員会の評価で、ADIは0.00025mg/kg体重/日と設定されております。こちらは、平成20年7月3日付で厚生労働省に通知されたもので、ラットを用いた2世代繁殖試験における無毒性量0.025mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。
 続きまして、環境中予測濃度でございますが、本剤は非水田使用農薬でございますので、非水田使用農薬の最も水濁PECが高くなる使用法について、9ページのパラメーターを用いまして計算をしております。
 結果は、1枚めくっていただきまして、0.000026mg/Lとなっております。
 水質汚濁に係る登録保留基準値(案)でございますが、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値といたしまして、こちらの表にございます算出式により、3けた目を切り捨てまして、0.00066mg/Lと提案させていただいております。
 本剤のリスク評価でございますが、水濁PECTier1が0.000026mg/Lでございますので、登録保留基準値案0.00066mg/Lを超えないことを確認しております。
 なお、本剤についての食品経由の農薬推定一日摂取量とそのADI比につきましては、表のとおりでございまして、対ADI比として16%と推定されております。
 本剤につきましては以上です。御審議をよろしくお願いいたします。

【森田委員長】 御説明ありがとうございました。
 再び井上先生、お願いします。

【井上(達)臨時委員】 これは、後で吉田先生に説明していただきますけれども、悪名高い有機リン酸系の殺虫剤で、食安委の評価では、要するに、コリンエステラーゼの活性阻害に起因する毒性で、毒性学的な意味がないというようなことを書いていますけれど、実際にはそういうことはありません。
 それで、神経系で、20mg程度で自発運動抑制が出ますし、当然それなりの活性阻害の症状が出ます。急性毒性でも自発運動の低下、流涎などが数十mg/kgのオーダーで出る。(この毒性プロファイルの説明では、高濃度であれ、この剤が神経毒性のポテンシャルを持つことそのものをご説明することが大切なことなのでありまして)ニワトリでは軸索の変性なども検出が確認されております。
 これらは、成人に直すと、定められた量で使われる分には影響がないわけですけれど、ただ、その量も、事務局の説明でお聞きのとおり、0.000何がしというふうに、非常に小さな値になっていることでもおわかりのとおり、環境との関係ではいつも問題になるものです。小児に影響が出やすいということがあって、それがADIをとる根拠になっていますけれども、その辺の詳しいところは吉田先生に。

【吉田専門委員】 申し上げます。
 これは、有機リン系の農薬ですけれども、神経毒性あるいは神経症状が出ますけれども、ニワトリにおける遅発性神経毒性はございません。遅発性神経毒性の結果は得られていません。
 ただ、有機リン系の農薬の特徴といたしまして、短期の試験から長期の試験まで、ほぼ最小毒性量、あるいは無毒性量が同じような用量で設定されています。ほとんどの一番低い毒性の指標というのが、赤血球のコリンエステラーゼの抑制をもって毒性の指標としています。高い用量では神経毒性が出ます。大体の最小毒性量は0.2mg/kg体重程度です。最初、無毒性量が一番低かったのがイヌなのですけれども、さらに長期、これはたまたま公比の設定でそのような設定になっていたので、より長期なものということで、1年間の慢性毒性のイヌでは、さらに高い毒性量になっているので、これをオーバーオール・ノエルとしてイヌは0.02となったために、最小活性毒性が一番低いということになります。ただ、そこそこの値ということで、みんな同じような値ということです。これは、有機リン系の毒性の出方の特徴だと思っております。
 以上です。

【森田委員長】 それでは、この剤につきましての御質問、御意見ございませんでしょうか。分解物のことで発言される先生が以前いたのですが、今日は。
 はい、眞柄先生。

【眞柄臨時委員】 念のためにお伺いしますが、他の有機リン系の薬剤と併用されるようなことは、これはないのでしょうか。

【上路臨時委員】 少し調べてみないとわからないのですけど、「農薬要覧」か何かで、製剤で混合剤化しているかどうかというのは、確認されたらいいと思います。
 それと、先ほど来、リン剤は非常に毒性が強いというお話が出てきましたけど、この剤型を見ていただければ、マイクロカプセル剤と称して、徐放性を狙った製剤ですので、いわゆるまき散らしと言ったらおかしいですけれども、そういうまき方をしていないので、それなりの工夫で製剤化され、使っているということだと思っています。

【農薬環境管理室室長補佐】 1点、今の製剤として、他のものと混合しているものがあるかというとなんですけれども、一応、抄録にございます剤型は、カズサホスマイクロカプセル剤、有効成分量はカズサホス3.0%のみとなっておりますので、製剤の段階でまじっているということはございません。

【森田委員長】 他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【森田委員長】 それでは、特段のよろしくないという意見もございませんので、総合評価のところの御確認をいただきまして、水質汚濁登録保留基準値案としては0.00066mg/L、それからリスク評価としては超えないということに確認されたということです。
 この原案のままでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 ありがとうございました。承認ということにしたいと思います。
 では、引き続きまして、次の剤の御説明をお願いします。

【農薬環境管理室室長補佐】 では、続きまして12ページをご覧ください。クミルロンについて御説明させていただきます。
 クミルロンは尿素系除草剤でございまして、作用機序は十分に解明されておりませんが、他の尿素系除草剤と同様に、雑草の根部の細胞分裂及び細胞伸長を阻害することにより、発芽抑制及び根伸長の阻害とこれに伴う生育抑制を生じさせ枯死させるものと考えられております。本邦での初回登録は1996年となっております。
 製剤は粒剤及び水和剤が、適用作物には稲及び芝がございます。
 物性に関しましては、12ページの表のとおりでございます。
 13ページ、安全性評価でございます。食品安全委員会は、平成19年8月9日付で、クミルロンのADIを0.01mg/kg体重/日と厚生労働省に通知いたしております。なお、この値は、イヌを用いた1年間慢性毒性試験における無毒性量1mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。
 続きまして、水質汚濁に関する環境中予測濃度(水濁PEC)でございます。本剤は水田及び非水田のいずれの場面においても使用されるものでございます。それぞれについて、使用場面ごとに水濁PECが最も高くなる使用方法として、13ページそれから14ページにございます条件で環境中予測濃度を計算いたしましたところ、合計で水濁PECTier2が0.0073mg/Lと推計されております。
 続きまして15ページ、総合評価でございます。水質汚濁に係る登録保留基準値(案)でございますが、こちらの表にございます算定式により、こちらはADIが有効数字1けたでございますので、2けた目を切り捨てて、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値といたしまして0.02mg/Lを基準値として提案させていただいております。
 この剤に関しましては、旧水質汚濁登録保留基準が0.3mg/Lと設定されておりました。
 リスク評価でございます。水濁PECTier2が0.0073mg/Lでございましたので、登録保留基準値0.02mg/Lを超えないことを確認しております。
 なお、この剤につきまして、環境中モニタリングの事例を検索いたしましたが、該当なしという結果でございました。ちなみに水田水中半減期が、この剤、10.56日でございますが、それを考慮してPECTier2を計算いたしますと0.0050mg/Lということで、基準値の27%程度となっております。
 本剤の農薬理論最大摂取量の対ADI比は11%となっております。
 本剤につきましては以上です。御審議をよろしくお願いいたします。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、また井上先生のコメントをいただけますか。

【井上(達)臨時委員】 これは、尿素系除草剤ということで、細胞分裂の機構はちゃんと調べませんでしたけれども、分裂阻害それから伸長阻害ということが機序と記載されており、肝毒性がターゲットになっております。肝細胞の腺腫なども形成いたしますが、急性毒性等は極めて低いものであります。
 それから、90日試験程度になると、肝腫大、肝細胞腺腫等が観察されます。どちらかというと、げっ歯類で鈍感なのか、イヌで強く影響が出るという傾向があります。
 いずれにしましても、毒性のそれほど高いものではないということのようです。

【森田委員長】 それでは、この剤につきまして、委員の先生方から御意見をいただきたいと思います。細見委員、お願いします。

【細見臨時委員】 このときのPECを計算されるときのTier1の値は、いくらになりますでしょうか。

【農薬環境管理室室長補佐】 すみません。本剤につきましては、Tier1の場合は、基準値案を超えるため、Tier2まで進んで計算しておりまして、Tier1も計算シートは出してはいるのですが、こちらは手元に持ってきておりませんので、今すぐにお答えはできないです。

【森田委員長】 とりあえず、これでよろしいですか。それとも相当心配なことがございますか。

【細見臨時委員】 恐らくTier1で計算すると、2オーダーぐらいは高くなるかなと思うのですけれども、それを多分決めている大きな要因が土壌吸着係数ですね。これは、実測値を使うのでしたか。実測値ですね。でも、実測値は結構ばらつくのではないかと思うのですが。

【農薬環境管理室室長補佐】 中央値をとります。

【細見臨時委員】 中央値をとるのですか。わかりました。ありがとうございます。

【森田委員長】 いかがでしょうか、それでは。どうですか。この原案どおりでほぼ、とりあえず問題はなさそうということで、よろしいでしょうか。
 それでは、総合評価の御確認をお願いしたいと思います。水質汚濁に係る登録保留基準値の案として、予測濃度に対する基準値として0.02mg/L、そのほかにはリスク評価は、これはTier2を使っておりますが、Tier2で見る限り、登録保留基準値の0.02mg/Lを超えないことを確認しているということでございます。
 原案どおりの総合評価でよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 ありがとうございました。
 特段の御異議がないようでありますので、ここで(案)を取らせていただくことにしたいと思います。
 それでは、引き続きまして、クロマフェノジドの御説明をお願いします。

【農薬環境管理室室長補佐】 それでは、クロマフェノジドについて御説明させていただきます。16ページをご覧ください。
 クロマフェノジドはヒドラジン骨格を有する殺虫剤であり、昆虫の脱皮を促進する脱皮ホルモン様の作用を示し、鱗翅目昆虫の異常脱皮を促すと考えられております。本邦での初回登録は1999年でございます。
 製剤には粉剤及び水和剤が、適用作物には稲、果樹、野菜、いも、豆、花き、樹木等がございます。
 物性に関しましては、16ページの表のとおりでございます。
 安全性評価でございますが、食品安全委員会は、平成19年10月18日付で、クロマフェノジドのADIを0.27mg/kg体重/日と設定する食品健康影響評価の結果を厚生労働省に通知しております。この値は、イヌを用いた1年間慢性毒性試験における無毒性量27.2mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。
 これにつきましては、食品安全委員会の農薬評価書、参考資料8としておつけしておりますので、御確認ください。
 水質汚濁環境中予測濃度(水濁PEC)でございますが、本剤は水田・非水田のいずれの場面でも使用されるため、そのPECを最もPECが高くなる17ページから18ページまでの条件で算定いたしまして、Tier1で0.0032mg/Lという結果を得ております。
 続きまして、19ページ、総合評価でございます。水質汚濁に係る登録保留基準値(案)ですが、ADIより、表に記載のとおりの算定式で計算いたしまして、3けた目を切り捨てて、有効数字2けた、0.71mg/Lを基準値として提案させていただいております。
 本剤の旧水質汚濁登録保留基準ですが、7mg/Lとなっておりました。
 リスク評価でございますが、水濁PECTier1が0.0032mg/Lでございますので、登録保留基準値0.71mg/Lを超えないことを確認しております。
 なお、本剤の農薬理論最大摂取量とそのADI比は参考の表のとおりでございまして、対ADI比で2.3%、食品由来の摂取量ですね、2.3%と計算されております。
 本剤につきましては、以上です。御審議よろしくお願いいたします。

【井上(達)臨時委員】 クロマフェノジド、これは、事務局の御説明にもありましたように、おもしろい剤で、脱皮ホルモン作用に相当する作用が、哺乳綱動物でどんな影響があって、ヒドラジン骨格がどう影響するかということになるわけですけれども、毒性が非常に低く、3万ppmぐらいの投与でも目立った毒性が出ない。それで、標的になる毒性は、肝毒性と血球毒性でありました。それは、種を越えても同様でして、イヌでも同様です。イヌではやや値が低い傾向があるようです。
 以上です。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、この剤につきまして、委員の先生方から御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。特段の御意見はございませんか。

(発言なし)

【森田委員長】 それでは、最後の総合評価を御確認いただきたいと思います。19ページです。公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値としては0.71mg/Lという数値が提示されております。なお、リスク評価につきましては、Tier1の数値が0.0032mg/Lの水濁PECが出ておりまして、これは、登録保留基準値0.71mg/Lに比べて相当下であるということであります。
 いかがでしょうか。原案どおりでよろしいでしょうか。大分毒性が弱そうだということが少しあるかもしれませんが。
 それでは、一応、御承認を得たということで、(案)を取る方向でよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 それでは、ジチオピルの御説明をお願いします。

【農薬環境管理室係員】 では、資料の20ページをご覧ください。ジチオピルです。こちらの剤の物質の概要につきましては、表に記載のとおりでございます。
 2、開発の経緯でございますが、本剤は、ピリジン系除草剤であり、作用機序は、植物の幼芽部や根部の生長点での細胞分裂阻害と考えられております。本邦での初回登録は1991年です。
 製剤は水和剤、乳剤及び農薬肥料が、適用作物は芝、樹木などがございます。原体の輸入量については、記載のとおりでございます。
 3、各種物性でございますが、表に記載のとおりです。生物濃縮性についてはジチオピル親化合物のみの値を記しております。
 21ページにまいりまして、安全性評価でございますが、許容一日摂取量(ADI)は、食品安全委員会により、0.0036mg/kg体重/日と設定されております。こちらの安全性評価資料につきましては、参考資料9としてつけておりますので、御参照ください。なお、こちらのADIの値は、ラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験における無毒性量0.362mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されております。
 <3>、水質汚濁予測濃度(水濁PEC)でございますが、本剤は非水田使用農薬として使われており、水濁PECが最も高くなる使用方法について、表のパラメーターを用いて水濁PECを算出しております。算出結果につきましては、22ページの表にございまして、0.000044mg/Lと算出をされております。
 次のページにまいりまして、総合評価でございます。水質汚濁に係る登録保留基準値(案)でございますが、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として0.0095mg/Lを提案させていただきます。こちらの値は、表中に記載の算出式により算出しております。
 参考でございますが、水質に関する基準値等ですが、旧水質汚濁に係る農薬登録保留基準として0.08mg/L、水質管理目標設定項目として0.008mg/L、ゴルフ場暫定指導指針として0.095mg/Lと設定されております。
 2のリスク評価でございますが、水濁PECTier1は0.000044mg/Lであり、登録保留基準値0.0095mg/Lを超えないことを確認いたしました。
 参考の食品経由の農薬理論最大摂取量と対ADI比でございますが、農薬理論最大摂取量は0.021mg/人/日、対ADI比11%となっております。
 本剤についての事務局からの説明は以上です。御審議よろしくお願いいたします。

【井上(達)臨時委員】 ジチオピルですけれど、これはピリジン系の除草剤ということで、標的は肝毒性です。毒性は低いようでして、自発運動の軽度の低下や、自律神経機能の低下、そういった毒性が5,000以上の高用量で、出ます。
 急性毒性は5,000mg/kgでもほとんど認められません。90日間になると、肝毒性であるとか、血液毒性が認められ、それに伴って甲状腺の腫大等も認められますけれども、取り上げるほどの所見ではありません。ラットの2年間の慢性発がん性試験で10ppmがADIですけれども、その上でも細胞毒性に由来すると思われますけれど逸脱酵素が少し出る程度の所見が認められます。腫瘍形成もなく、毒性の低いものであります。
 以上です。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、この剤につきまして、御質問、御意見をお願いいたします。
 20ページに各種物性等で「ジチオピル(親化合物のみ)に換算した値」、生物濃縮性のところに※がついているのですが、この換算した値というのは、どういう意味かおわかりでしょうか。

【農薬環境管理室係員】 換算した値といいますのは、抄録に記載の値は、代謝物も含めて生物濃縮性試験を行い算出された値を記載してございますが、こちらの資料に記載の値は、試験水中及び魚体全身のTRRに占めるジチオピルの割合を考慮しBCFssを算出しております。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、この剤につきまして、他に委員の先生方から御意見はございませんか。

(発言なし)

【森田委員長】 それでは、最後のページの総合評価、23ページを見ていただきまして、御確認をいただきたいと思います。
 基準値としては0.0095mg/Lで、関連するリスク評価につきましては水濁PECTier1で、それは相当下回っているという、そういう計算になっています。
 この原案どおりでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 特段の御異議もございませんので、それでは原案どおりということで承認したいと思います。
 それでは、引き続きまして、次がトリアジフラム、お願いいたします。

【農薬環境管理室係員】 資料の24ページをご覧ください。トリアジフラムです。
 本剤の物質の概要につきましては、表に記載のとおりでございます。
 開発の経緯でございますが、本剤は、トリアジン系除草剤でございます。作用機序は十分解明されていないものの、茎部におけるセルロースの生合成阻害と考えられております。本邦での初回登録は1997年でございます。
 製剤は水和剤及び農薬肥料が、適用作物は芝がございます。
 原体の国内生産量については記載のとおりです。
 本剤について、海外での開発・評価事例はございません。
 本剤の各種物性については、表に記載のとおりでございます。
 次のページにまいりまして、安全性評価でございますが、本剤は食用農作物への適用が申請されておらず、食品安全委員会による食品健康影響評価は行われておりません。このため、非食用農作物専門農薬安全性評価検討会におきまして非食用ADIを設定いたしております。
 非食用ADIにつきましては、トリアジフラムの各種試験成績の評価結果に基づき、0.0087mg/kg体重/日と設定いたしました。この値は、ラットを用いた90日間反復傾向投与毒性試験における無毒性量8.76mg/kg体重/日を安全係数1000で除して設定されております。
 非食用農作物専用農薬安全性評価検討会での評価につきましては、別紙、こちらの資料5の28ページ以降の安全性評価資料をご覧ください。
 29ページから動物体内運命試験の結果がございますが、本剤は投与後速やかに吸収され、肝臓で速やかに代謝された後、主に胆汁を経由して糞中に排出されております。組織への分布は、肝臓、腎臓に比較的高く分布しているものの、体内の蓄積傾向はございません。
 次に、33ページの下の辺りから、環境中運命試験に関しましては、本剤は加水分解には安定でございましたが、光照射下では比較的容易に分解しております。
 35ページから毒性試験がございますが、本剤は中枢神経系の試験において、マウスでは自発運動量の減少、腹ばい、よろめき歩行等の症状が見られ、ラットでは軽度の体温低下傾向が認められておりますが、いずれも高用量投与の場合で認められる症状でございます。
 急性毒性試験の結果は36ページ、表9に記載のとおり、低毒性であると考えられます。眼について、軽度の刺激性が認められました。
 37ページからの亜急性毒性試験では、ラットを用いた90日間反復経口投与毒性試験において、38ページの表12に示すように、1,250ppm以上の投与分において、血清コレステロール値の増加、肝臓及び甲状腺上皮小体の重量の増加等の症状が認められました。神経毒性、催奇形性遺伝毒性は認められておりません。
 本剤の評価結果につきましては、42ページに総合評価という形で記載されております。結果については、43ページ、表18に各種試験の毒性量、最小毒性量を掲載しておりまして、その結果を踏まえまして、非食用ADIは、ラットを用いた90日間反復経口投与毒性試験の結果より、0.087mg/kg体重/日と設定したところでございます。
 では、25ページに戻っていただきまして、水質汚濁予測濃度でございますが、本剤は非水田使用農薬でございまして、水濁PECが最も高くなる使用方法について、表のパラメーターを用いて算出しました結果、26ページの表の一番下にございますとおり、0.000015mg/Lと算出されました。
 総合評価でございますが、水質汚濁に係る登録保留基準値(案)ですが、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として0.023mg/Lと提案させていただきます。こちらの値は、表中の算出式により算出しております。
 参考ですが、水質に関する基準値等は、他にはございませんでした。
 27ページにまいりまして、リスク評価ですが、水濁PECTier1は0.000015mg/Lであり、登録保留基準値0.023mg/Lを超えないことを確認いたしました。
 事務局からの説明は以上です。御審議よろしくお願いいたします。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、井上先生、お願いします。

【井上(達)臨時委員】 トリアジフラムは、事務局の説明にもありましたように、非食用農薬ですので、細かくプロファイルの説明が行われましたので、繰り返しません。
 ポイントは、血液毒性と肝毒性で、甲状腺にも影響が少し出る。ただ、いずれも高用量であるということであります。そして、発がん性試験等、幾つか行われておりません。それで、安全係数は1,000を使っております。
 以上です。

【森田委員長】 それでは、委員の先生方、この剤につきましての御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 とりあえず、慢性毒性試験がないので、安全係数を1けた高くとっているということで、安全性が担保できているということと思いますが、よろしいでしょうか。
 吉田先生。

【吉田専門委員】 井上先生に説明していただきましたが、90日でも特に激しい肝毒性ですとか、そういうものがないので、恐らく慢性毒性でも、そう明らかな発がん性を予知できるようなものはなかったのですが、やはり明らかにデータが不足しているということで、1,000でよろしいかと存じます。

【森田委員長】 他の先生方、いかがでしょうか。特段の御意見はございませんか。

(発言なし)

【森田委員長】 それでは、もう一度、ここの確認をしておきたいと思います。
 総合評価、26ページでありますが、登録保留基準値案としては0.023mg/Lということであります。それから、リスク評価で、水濁PECTier1で計算した結果は、それを遥かに下回る数字になっております。
 ということで、総合評価としては原案どおりでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 特に異論はないようでございますので、それでは、ここで(案)を取らせていただきます。
 それでは、引き続きまして、ピラクロニルです。御説明をお願いします。

【農薬環境管理室係員】 48ページをご覧ください。ピラクロニルでございます。
 本剤の物質の概要につきましては、表に記載のとおりでございます。
 本剤の開発の経緯でございますが、ピラクロニルはダイアゾール系除草剤であり、作用機序は、光の存在下でプロトポルファリノーゲン-<9>オキシダーゼ活性を阻害することにより、茎葉部に褐変や乾燥を引き起こし枯死に至らしめると考えられております。本邦での初回登録は2007年です。
 製剤としては粒剤及び水和剤が、適用作物は稲がございます。
 原体の輸入量は、記載のとおりでございます。
 各種物性につきましては、表に記載のとおりでございます。
 49ページにまいりまして、安全性評価でございますが、本剤の許容一日摂取量(ADI)は、食品安全委員会により0.0044mg/kg体重/日と設定されております。こちらの表、安全性評価資料につきましては、参考資料10を御参照ください。このADIの値は、ラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験における無毒性量0.44mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されております。
 次に、水質汚濁予測濃度(水濁PEC)でございますが、本剤は水田使用農薬として使用されておりますので、水濁PECが最も高くなる使用方法について、表のパラメーターを用いて水濁PECを算出いたしましたところ、算出結果は50ページの表にございますとおり、0.0053mg/Lと算出されております。
 総合結果でございますが、水質汚濁に係る登録保留基準値(案)として、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として0.011mg/Lを提案させていただきたいと思います。この値は、表中の算出式により算出されたものです。
 参考の水質に関する基準値等でございますが、旧水質汚濁に係る農薬登録保留基準として0.1mg/Lが設定されております。
 51ページにまいりまして、リスク評価でございますが、水濁PECTier1は0.0053mg/Lであり、登録保留基準値0.011mg/Lを超えないことを確認いたしました。念のため、水濁PECTier2を仮に算出いたしましたところ、Tier1から2けた下がりまして0.000099mg/Lとなり、基準値の0.9%、PECTier1の1.87%であることを確認いたしました。
 参考の食品経由の農薬理論最大摂取量と対ADI比でございますが、農薬理論最大摂取量は0.0093mg/人/日、対ADI比で3.9%となっております。
 事務局からの説明は以上です。御審議よろしくお願いいたします。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 井上先生、お願いします。

【井上(達)臨時委員】 ピラクロニルは、事務局の御説明にあったと思いますけど、プロトポルフィリノーゲンの酸化酵素の活性阻害が枯死を導くという、そういう性質のものであります。
 哺乳綱動物に対して、造血障害が必然的に考えられるわけですけれど、ここで起こってくる現象は、無効造血と呼ばれている現象で、赤血球の見かけの数が増えています。だけど、小球性で血色素量が低い。そういうような造血障害が出ます。これはイヌもそうですし、低用量から高用量まで、ずっと一貫して同じような傾向です。
 それから、肝臓の機構についてはボクはわかりませんけれど、肝腫大が出て、甲状腺腫大が出ます。この肝腫大は、腫瘍蓋然性があるのですけれど、一応、遺伝毒性は否定されております。すなわち、In vivoで不定期DNA合成がないということと、小核試験がマイナスであるという論理で否定された形になっております。
 それから、薬物代謝酵素が、一相のCYPの3AB、1A1、2B1が上がるのですけれども、そしてそういったものが上がって、二相酵素の遊離PDTが上がるという形で、甲状腺のホルモンの過剰代謝によって、甲状腺にも腫大が出るということになっております。しかしいずれも1,000ppmという大きな量、具体的には70mgないし100mg/kgのレベルの毒性でした。(従って、)毒性は低いと言えると思います。
 以上です。

【森田委員長】 ありがとうございます。
 それでは、この剤につきまして、御質問、御意見がございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。特段ございませんか。
 それでは、最後の確認を。総合評価であります。
 登録保留基準値案としまして、0.011mg/Lということ。それから、リスク評価は超えないということのようであります。
 いかがでしょうか。原案どおりでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 では、特段の御異議もないということで、原案どおりにしたいと思います。
 それでは、引き続きまして、ブタミホスをお願いいたします。

【農薬環境管理室係員】 52ページをご覧ください。ブタミホスです。
 本剤の物質の概要につきましては、表に記載のとおりです。
 開発の経緯につきましては、本剤は、有機リン系除草剤であり、細胞分裂の阻害が主な作用であり、成長点に特に強く作用し、幼芽部や幼根部の生育異常、生育停止を引き起こすことにより除草活性を有すると考えられております。本邦での初回登録は1981年です。
 製剤としては粒剤、乳剤及び農薬肥料が、適用作物は水稲、野菜、いも、豆、花き、芝等がございます。
 原体の国内生産量については、記載のとおりでございます。
 各種物性等につきましても、表に記載のとおりでございます。
 次のページにまいりまして、安全性評価ですが、許容一日摂取量(ADI)は、食品安全委員会により、0.008mg/kg体重/日と設定されております。こちらの農薬安全性評価資料につきましては、参考資料11にございますので、御参照ください。こちらのADIの値は、ラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験における無毒性量0.8mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されております。
 水質汚濁予測濃度でございますが、本剤は水田及び非水田のいずれの場面においても使用されますため、それぞれの使用場面ごとに、水濁PECが最も高くなる使用方法について、表のパラメーターを用いて水濁PECを算出いたしました。
 算出結果につきましては、54ページの3の表中に記載のとおり、水田使用時が0.00003572、非水田使用時が0.00032700となっており、あわせまして0.00036mg/Lと算出されました。
 次のページにまいりまして、総合評価でございます。
 水質汚濁に係る登録保留基準値(案)ですが、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として、0.02mg/Lと提案させていただきます。こちらの値は、表中の算出式により算出しております。
 参考の水質に関する基準値等でございますが、(旧)水質汚濁に係る農薬登録保留基準として0.1mg/L、水質管理目標設定項目として0.01mg/L、ゴルフ場暫定指導指針として0.2mg/Lが設定されております。
 リスク評価でございますが、水濁PECTier2が0.00036mg/Lであり、登録保留基準値0.02mg/Lを超えないことを確認いたしました。
 参考の食品経由の農薬理論最大摂取量でございますが、0.025mg/L/日、対ADI比で5.8%となっております。
 事務局からの説明は以上です。御審議よろしくお願いいたします。

【森田委員長】 ありがとうございます。
 井上先生、お願いします。

【井上(達)臨時委員】 これも、有機リン系の除草剤です。それで、高用量でのことですけれども、自発運動の低下、流涎、立毛、けいれん等の神経症状が出ます。鶏では、神経病変が、やはりこれも高用量ですけれども、形態学的に検出されております。
 あと、この剤では、コリンエステラーゼの阻害が認められますので、脳、赤血球等でこれが検出されます。2年間の慢性毒性/発がん性併用試験の赤血球での所見を得るとしております。
 この剤に限ったことではありませんけれども、2000年になって米国EPAは、有機リン系のメタボライトの血中濃度を小児について、多数の人体の測定をやっております。その中で、メタボライトが異常に高く、異常に検出されるということがわかっておりますので、有機リン系のいかなる農薬に起因するものかはわからないわけでありますけれども、これらの相乗作用というものが人間に影響するということが話題になっております。相乗効果や相加効果については、農薬に関して、我々は良い方法がなく、わからないわけですけれども、(安全性に関する認識としては、)十分注意してかからなければならないという流れになっております。
 以上です。

【森田委員長】 先生方から御意見ございませんか。

【中杉臨時委員】 眞柄先生に教えていただくといいのかもしれませんけれども、水道水の品質管理目標値が0.01であるということですけれども、この数字の2倍といいますか、ちょうど2倍の違いがあるのですが、これはどこにその考え方が。今、井上先生が言われたような考え方に関連するのかどうか。おわかりでしたら教えていただければと。

【眞柄臨時委員】 ADIが変わったのだと思います。

【農薬環境管理室長】 確認する必要があると思いますけれど、恐らくADIの変更ではないかと思います。確認をさせていただきます。

【眞柄臨時委員】 ADIが変わったのだと思いますが、水道では、今の0.01でも超えることはないということから、食品安全委員会との評価は違っていても、この数字が今も残っているというふうに解釈していただいて結構かと思います。

【森田委員長】 先ほど先生がおっしゃった、他の有機リン系の剤との関係をどう考えるかと。こういった基準に反映させる、うまい方法はございますか。

【井上(達)臨時委員】 それらを反映させるのは、具体的には難しいと思うのですね。ただ、一つ一つ、今までの基準を慎重に見ていく中で、将来に向けて、何らかの(総合的に見る)方向性を見出していくということで、やむを得ないと思います。

【森田委員長】 他に。

【眞柄臨時委員】 井上先生がおっしゃったとおりですが、WHOもEPAも、有機リン系のエンドポイントが同じことになるので、それをどういうふうに評価するかというのは、現在検討中だというふうに理解をしています。

【森田委員長】 いかがでしょうか。特段、御意見ございませんか。
 先ほど来、指摘されている有機リン農薬を全体として、同じようなメカニズムを持って毒性を表すようなものについて、どう取り扱うかというのは、少し今後の課題ということにさせていただいて、今日のところは、この形の総合評価に書かれているような数値で決定するということで、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 ありがとうございます。
 それでは、御確認いただきたいのですが、総合評価として、登録保留基準値案としては0.02mg/L、そして、リスク評価としましては、相当低い数値におさまっているということでまとまっています。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 それでは、原案どおりということにしたいと思います。
 それでは、最後の剤、ペノキススラムを御説明お願いします。

【農薬環境管理室係員】 資料の56ページをご覧ください。ペノキススラムでございます。
 本剤の物質の概要につきましては、表に記載のとおりです。
 開発の経緯でございますが、本剤は、ピリミジルオキシ安息香酸系除草剤であり、作用機序は、分枝鎖アミノ酸の生合成酵素であるALSを阻害すると考えられております。本邦での初回登録は2007年です。
 製剤としては、粒剤、水和剤が、適用作物は稲がございます。
 原体の輸入量については、記載のとおりです。
 各種物性等につきましても、表に記載のとおりでございます。
 次のページにまいりまして、安全性評価でございますが、本剤のADIは、食品安全委員会により0.05mg/kg/体重/日と設定されております。こちらの安全性評価資料につきましては、参考資料12として配付しておりますので、御参照ください。
 水質汚濁予測濃度(水濁PEC)でございますが、本剤は水田使用農薬として、水濁PECが最も高くなる使用方法について、表のパラメーターを用いて水濁PECを算出いたしました。算出結果につきましては、58ページの表中に記載のとおり、0.0016mg/Lと算出されました。
 総合評価でございますが、水質汚濁に係る登録保留基準値(案)ですが、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として、0.13mg/Lを提案させていただきます。この値は、表中の算出式により算出しております。
 参考の水質に関する基準値等でございますが、(旧)水質汚濁に係る農薬登録保留基準として、1mg/Lが設定されております。
 次のページにまいりまして、リスク評価でございますが、本剤の水濁PECTier1は0.0016mg/Lであり、登録保留基準値0.13mg/Lを超えないことを確認いたしました。
 参考でございますが、食品経由の農薬理論最大摂取量は0.0093mg/人/日、対ADI比で0.3%となっております。
 事務局からの説明は以上です。御審議よろしくお願いいたします。

【森田委員長】 はい、御説明ありがとうございました。
 それでは、井上先生、またお願いします。

【井上(達)臨時委員】 このアミノ酸合成阻害ということなのですけれど、神経毒性とか急性毒性は全く、高用量まで出ません。
 それで、90日以降で、造血障害、肝腫大が出て、特に造血障害は2年間の慢性毒性/発がん性試験で50mg/kgで認められると。やや低いところで認められます。
 その解釈ですけれども、LGL白血病が増えるという事実が出ています。これはLarge granular lymphocyteの略なんですけれど、実験動物で、時にこいつが多発する、割と多く出る系統があります。この剤との関係では、用量相関は見られず、遺伝毒性等はありませんので、いずれにしても、ある程度のスレッシュホールド(閾値)があると考えられ、それで整理するということで問題ないということだと私は思います。
 ただ、食品安全委員会の記載はめちゃくちゃです。人に発生しないとかなんとか、いろいろ書いてありますけれども、症例報告が、New England Journal of Medicineにも、British Journal of Haematologyにも、割合最近でも報告されている病気で、人に関係ないというのは間違いです。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 吉田先生、お願いします。

【吉田専門委員】 若干追加いたします。
 このLarge granular cell、顆粒性大リンパ白血病(単核細胞性白血病ともいう)は、ラットにおいては、脾臓を原発として発生することが知られており、人とは原発は違うということですが。ただ、特にF344という系統のラットの場合は自然発生ではほぼ限定して出ます。
 米国におきまして、この10年間で、この腫瘍の発生率が50%を超えたために、数年前に米国で化学物質の発がん性試験等の毒性試験を報告しているNTP, National Toxicology Programは、この系統を使うのをやめて、別の系統に発がん性試験をすることを決定いたしました。追加です。

【井上(達)臨時委員】 NTPの判断は、本件の結果を人へ類推ができないと断定する根拠にはなりません。(この件については、血液学的所見から見た蓋然性からもリスクそのものは、関連は否定できませんし、特定の動物系統に多発するケースは、たくさんあります。そのことはリスク評価から排除する根拠にはなりません。NTPの判断は、この実験結果を否定する根拠にはなりません。)

【森田委員長】 どうもありがとうございました。
 食品安全委員会が間違っていたときに、それをここでどう取り扱うかという、ちょっと難しい話がありますが。

【井上(達)臨時委員】 食品安全委員会の記載は、食品安全委員会が独自に取り上げて訂正しない限りそのままいきます。私はそれに訂正を求めてはおりません。
 評価にあってはいろいろな多角的な面から、認識されるという、その認識が大事だというふうに考えております。食品安全委員会の報告書は英文訳されていたり、学生さんがケースリポートとして勉強したりしますので、学者によっていろいろな考え方があるのだということを記録に残しておいていただきたいということであります。

【森田委員長】 ありがとうございます。
 それでは、委員の先生から御意見をいただきたいと思います。御質問も結構です。お願いします。

【築地専門委員】 水質汚濁予測濃度を予想するときのこのパラメーターの使用方法なのですが、この場合、粒剤を2回使用するという形でやっていますけれども、使用基準から言いますと、粒剤は1回までなのですよね。この成分そのものは2回まで使用可能なのですけれども、そうすると、もう一つ、剤の違うフロアブル剤との組み合わせで2回に設定するのが適当ではないかと思ったのですが、いかがなものなのでしょうか。

【農薬環境管理室室長補佐】 説明させていただきます。
 PECを計算するときに、この製剤ごとの使用基準と、それから総使用回数の制限をどう取り扱うかというのは、毎回悩ましいところではあるのですが、一応、総使用回数2回というところを重要な基準として尊重した上で、使用方法のところには、決して他の製剤をもう一回用いてはならないとは書いていなくて、この成分を含む剤については2回までと。ある名前の、例えばダイムロン、ペノキススラム粒剤ですか、フォローアップ1キロ粒剤であれば、使用回数は1回。それから、ワイドアタックD1キロ粒剤であれば、使用回数は1回。それで、このペノキススラムを含む粒剤としては、総使用回数2回までというのが、読み取れる使用基準でございますので、場合によっては、このフォローアップ1キロ粒剤とワイドアタックD1キロ粒剤を使用するケースもあるのかもしれないということで、両方を1回ずつということで想定してPECを計算させていただいております。

【築地専門委員】 わかりました。

【森田委員長】 よろしいですか。他にいかがでしょうか。
 ここの取り扱いは難しいのですが、とりあえず、食品安全委員会が出された数字に、今の時点では依拠せざるを得ないような側面であるのかもしれませんが。

【井上(達)臨時委員】 LGLが人にないという、事実と異なった論理でこの腫瘍発生を否定しなくても、本剤には遺伝毒性がなく、用量・反応関係から見て、LGLの本剤との関連にメカニスティックな合理性はありません。総合評価は、ラットの慢性神経毒性から導き出され5.0mg/kg体重/日およびラットの2年間慢性毒性/発がん性併合試験の血液所見から導き出される5.1mg/kg体重/日で説明はつきますから、それで結構と思います(ADIは、0.05 mg/kg体重/日)。

【森田委員長】 という井上先生のフォローもございましたので、もし異論がなければ、原案を確認させていただきたいと思います。
 58ページになりますが、総合評価としては、0.13mg/Lが基準値ということになります。それから、リスク評価としては、相当低いところに水濁PECがあるということで、それが確認されているということでございます。
 それから、今日、井上先生からの御発言などをきちんとした形で議事録に入れていただくということでやっていきたいと思いますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 それでは、特段の明確な数字上の異論はございませんので、原案どおりの数値ということで終わりたいと思います。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 それでは、これは確認されたということにしたいと思います。
 それでは、どうもありがとうございました。これで水質汚濁に係る農薬登録保留基準値としては、大体の審議が終わってきたかと思いますが。

【農薬環境管理室室長補佐】 1点、よろしいですか。先ほど御質問のございましたクミルロンのTier1での推定値でございますけれども、PECTier1の水田におけるPECですね、水田PECTier1が0.06390と推計されておりまして、Tier2が0.0070でございますので、オーダーとしては一桁の違いとなります。この辺はKocもさることながら、水質汚濁性試験成績の大小の影響をかなり大きく受けまして、この剤は14日目の濃度が比較的高く、その結果が、Tier2のオーダーがTier1よりそれほど下がっていないという部分に表れてきているのかと思います。
 簡単ですが、以上です。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、その次の議題にいきたいのですが、今、時刻は、進行表よりも約2分先行しておりますので、5分ぐらいトイレ休憩をとりましょうか。どうでしょうか。なくても大丈夫ですか。

【細見臨時委員】 今の計算ですが、C1というか、水質汚濁性試験のときに、0、1、3日目と。3日目が一番高くなっているので、この3日目の値を使って計算するわけですか。

【農薬環境管理室室長補佐】 いえ、Tier2の計算では、0日目、1日目、3日目、7日目、14日目、すべての値を代入いたしまして、それらが減衰曲線に当てはまるものと考えて、150日間の濃度を積算したものを含む式になっております。ですので、3日目の値だけを使って計算しているというものではないのですが。

【細見臨時委員】 わかりました。

【農薬環境管理室長】 データとしては、今ご覧いただいているクミルロンの13ページの水質汚濁性試験の成績結果と、14ページのTier2の数字と、飛びますと、ブタミホスも同じくTier2なのですけれども、水質汚濁性の試験成績を見ていただくと、大体ワンオーダー下がっていまして、なおかつ、非常に減衰が大きくて、実際にTier2をそれぞれ見ると、クミルロンとそれからブタミホス、大体ワンオーダーぐらい差がありますので、恐らく両方の成績の差がTier2の数字に反映されているのじゃないかなと思います。

【森田委員長】 よろしいでしょうか。
 それでは、もう定刻になりましたので、続けて議題に移りたいと思いますので、トイレ等、適時席を立たれて行ってくださるよう、お願い申し上げます。
 それでは、引き続きまして、生態系に配慮した議論に入りたいと思います。続けてお願いいたします。

【農薬環境管理室室長補佐】 それでは、資料4を御確認ください。資料4は、水産動植物の被害防止に係る登録保留基準値(案)に関する資料でございます。
 本資料の御説明に当たりましては、水産動植物登録保留基準設定検討会におきまして、一度、この評価書を御審議いただいているものでございますので、当委員会では、開発の経緯と総合評価を重点的に御説明させていただき、その後、検討会でどのような指摘審議が行われたか、簡単に御紹介させていただければと考えております。
 それでは、1ページを開いていただきまして、エトフメセートから説明させていただきます。
 エトフメセートは、非ホルモン型浸透移行性の除草剤でございまして、光合成及び呼吸活性減少による雑草の細胞分裂阻害により除草活性を有するとされております。本邦では未登録でございます。
 製剤には乳剤が、適用作物にはてんさいがございまして、それで登録申請をされております。
 各種物性につきましては、1ページの表のとおりです。
 本剤につきましては、1枚めくっていただきまして、水産動植物への毒性に関して、コイを用いた魚類急性毒性試験、オオミジンコを用いた急性遊泳阻害試験、緑藻を用いた藻類生長阻害試験の三つが実施されております。
 1枚めくっていただきまして、4ページ目、環境中予測濃度でございます。
 本剤は非水田のみの適用ですので、てんさいへの10%乳剤ということでPECを算定しております。算定結果は0.0018µg/Lとなりました。
 5ページへ移りまして、総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50は次のとおりでございました。魚類のLC50が27,900µg/L、甲殻類のEC50が34,000µg/L、藻類のErC50が16,000µg/L超。これらから急性影響濃度を算定いたしまして、最小となります魚類急性影響濃度より、登録保留基準値を2,700µg/Lと提案させていただきます。
 リスク評価でございますが、環境中予測濃度は、非水田PECTier1が0.0018mg/Lでございますので、登録保留基準値2,700µg/Lを下回っていることを確認いたしました。
 本剤につきましては、2010年7月、それから2011年1月と、2回、検討会で御審議をいただきました。
 まず、この剤ですが、魚類急性毒性試験について、薬浴から試験実施までの期間が不明であるという問題が試験報告書にございまして、申請者に照会をし、十分に日数があいていることを確認して、検討会に御報告して、了解を得ております。
 また、藻類の高濃度側2区の生物量について、数値のとり方に不適切な部分があったということで、申請者に再度考察を求めて、ErC50を計算いたしました。
 また、甲殻類のオオミジンコの急性遊泳阻害試験におきまして、設定濃度が水溶解度の範囲内であるにも関わらず、実測濃度がいずれも設定濃度を2割から3割上回る結果となった点につきましても、検討会から確認するように指示がございまして、これについては、分析の制度管理について確認をして、最終的に明確な原因は、実測濃度が測定濃度を上回った明確な原因は明らかにできなかったのですが、資料調整ですとか設定濃度の計量とか、すべて確認いたしまして、GLP機関で適切に実施されているということで、この数値、実測濃度を使って基準値を設定するということで了承をいただいております。
 本剤についての御説明は以上でございます。御審議よろしくお願いいたします。

【森田委員長】 ありがとうございます。
 では、御苦労された先生方から、何か補足はございませんでしょうか。

【五箇臨時委員】 除草剤なのですけれども、作用メカニズムは光合成及び呼吸活性の減少と考えられているということで、実は細胞学的にも生物化学的にも、本当のメカニズムのところはまだ判明はしていないという剤です。
 それで、除草剤なのですが、生態影響試験を見ていただいたらわかるように、藻類に関してはほとんど何の影響もないということで、これに関しましても、非常に選択性が高い剤であるというふうに考えられます。

【森田委員長】 それでは、委員の先生方、御質問、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。
 私の感想としては、魚のコイの急性毒性が27,900、28ppmで、登録保留基準値が3ppm弱と、少々近いような気がしますが、大体こういう判断でよろしいでしょうか。
 特段の御意見はございませんか。

(発言なし)

【森田委員長】 恐らく、実際の環境予測濃度は相当低いところにあるので、こういう基準値でも危険なことは起こらないという感想ではありますが。
 特段、反対の意見がないようでございますので、このままでよろしいでしょうか。
 総合評価、御確認をお願いします。5ページです。
 登録保留基準値案としましては、2.7ppm、2,700µg/Lとすると。
 それから、リスク評価としては、多分非常に低い数字になっているので、全く問題はないような形であるということでありますが。
 いかがでしょうか。原案どおりでよろしいですか。

(異議なし)

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、原案どおりということにしたいと思います。
 引き続きまして、スピロテトラマトをお願いいたします。

【農薬環境管理室農薬企画・調査係長】 6ページになります。スピロテトラマトを御説明いたします。
 スピロテトラマトは、環状ケトエノール構造を有する殺虫剤でありまして、作用機作は、吸汁性害虫及びハダニ類に対してアセチルCoAカルボキシラーゼを阻害することによる脂質合成の阻害であります。本邦では未登録であります。
 製剤は水和剤がありまして、適用作物は野菜、いもとして、登録申請されております。
 各種物性につきましては、表に記載のとおりでございます。
 7ページになります。水産動植物への毒性ですけれども、コイを用いた魚類急性毒性試験が1試験、ミジンコ類急性遊泳阻害試験が1試験、8ページになりまして、藻類成長阻害試験が1試験行われております。
 9ページになります。環境中予測濃度ですけれども、本農薬は水和剤が適用作物、野菜及びいもで登録申請されておりますので、非水田使用時の第1段階における予測濃度を、表4に記載しております使用方法及びパラメーターを用いて算出いたしました。その結果、非水田PECTier1は0.0013µg/Lとなりました。
 10ページの総合評価になります。各生物種のLC50、EC50につきましては、コイの急性毒性試験から魚類につきましては96hLC50が2,490µg/L、甲殻類につきましては48hEC50が39,100µg/L超、藻類につきましては72hErC50が9,550µg/Lとなっております。これらから、それぞれの急性影響濃度を算出しまして、その中の最小となる魚類急性毒性濃度より登録保留基準値を240µg/Lと提案いたします。
 リスク評価になります。環境中予測濃度は、非水田PECTier1、0.0013µg/Lであり、登録保留基準値240µg/Lを下回っております。
 本剤につきましては、2011年1月に、平成22年度第6回の検討会において御議論いただきまして、検討会におきましては、ミジンコの遊泳阻害試験における設定濃度50,000µg/L及び100,000µg/Lの区における実測濃度の値が低く、それぞれの間が近接していることについて御指摘がありましたが、水溶解度を考慮すると、その数値もやむを得ないだろうとの御議論がありまして、試験成績は採用されております。
 以上です。御審議よろしくお願いいたします。

【森田委員長】 ありがとうございます。
 また、五箇先生、何か追加をお願いします。

【五箇臨時委員】 この剤は、殺虫剤としては非常に新しい、珍しい構造式を持っております。新規の殺虫剤になります。ハダニ、ダニにのみ効く薬ということで、非常に選択性が高いということもありまして、同じ甲殻類であるオオミジンコに対しても全く毒性を示しません。
 あと、水溶解度も非常に従来のダニ剤に比べて高いのに効くという部分でも、非常に新規な部分で、こういった特性も含めて、水産動植物に対する毒性は非常に緩和されていると考えられます。
 以上です。

【森田委員長】 ありがとうございます。
 それでは、委員の先生方、御質問、コメントをお願いいたします。いかがでしょうか。
 確認ですが、とにかくコイよりもミジンコに全く効かないというのは、大丈夫でしょうか。

【五箇臨時委員】 非常に珍しい現象だと思います。メカニズムそのものの説明は難しいのですが、基本的には生物活性を持っておりますので、害虫と同じ動物である魚類や甲殻類にもある程度の活性を示すのは当然なのですが、このケースでは、魚類にはちゃんと効いているわけですね。効果が出ているのですが、オオミジンコに関しては、ほとんどあり得ないぐらいの濃度で、あまり活性が出てこないという部分がありまして、この辺は吸収量の問題とか、そういうところが効いてくるのではないかと思います。非常に水溶解度が高い分、体内に入ってからの吸収とか、そういった部分で、コイとミジンコで差が出てきているのではないかということです。あと、新しい剤ですので、この構造を見ていると、比較的あちこちの置換基で、代謝活性が起きる可能性も否定はできないというところもありますので、そういう意味では、代謝活性そのものが弱いミジンコでは、むしろ活性が出ないという可能性はあります。今のところは推測の域を出ません。とにかく新しい剤ですので、いろいろと調べてみる必要はあるかもしれませんが、数値データとしましては、とにかく安全性が高い剤と結論されます。

【森田委員長】 とりあえず、このオオミジンコのデータは信頼してよさそうだということだそうです。
 委員の先生、ほかに御意見ございませんか。
 もしなければ、もう一度、総合評価を御確認いただきまして、コイのLC50が2,490、それからオオミジンコは39,100ppb以上という感じですね。藻類は9,550ppbということで、魚の方から誘導されて、そして、登録保留基準値としては、それを有効数字2けたに直すような形で、240という数字であります。
 それから、リスク評価に係る環境予測濃度は、極めて低いところにありますので、十分に下回っているということです。
 この総合評価でよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 ありがとうございます。
 では、これを御承認ということにしたいと思います。
 引き続きまして、プロシミドンです。御説明お願いします。

【農薬環境管理室農薬企画・調査係長】 11ページになります。プロシミドンです。
 プロシミドンは、ジカルボキシイミド系の殺菌剤であり、作用機作は明らかではありませんが、浸透圧シグナル伝達系に作用すると考えられております。本邦での初回登録は1981年でありまして、製剤には粉剤、水和剤及びくん煙剤がありまして、適用作物は果樹、野菜、いも、豆等があります。
 原体の国内生産量は、記載されているとおりであります。
 各種物性につきましても、表に記載のとおりであります。
 12ページになります。水産動植物への毒性ですけれども、コイを用いた魚類急性毒性試験が1試験、13ページになりまして、ミジンコ類急性遊泳阻害試験が1試験、藻類成長阻害試験が1試験実施されております。
 14ページになりまして、環境中予測濃度になります。本剤は、製剤として粉剤、水和剤、くん煙剤がありまして、果樹、野菜、いも、豆等に適用がありますので、非水田使用時の第1段階における予測濃度を、表4に記載しております使用方法及びパラメーターを用いて算出いたしました。その結果、非水田PECTier1による算出結果は0.055µg/Lとなりました。
 15ページになります。総合評価でございます。各生物種のLC50、EC50につきましては、魚類、96hLC50は10,000µg/L超、甲殻類につきましては48hEC50が4,200µg/L超、藻類、72hErC50は1,400µg/Lとなっております。これらから、それぞれの急性毒性濃度を算出いたしまして、最小となります甲殻類急性影響濃度より、登録保留基準値は420mg/Lを提案いたします。
 リスク評価になりますけれども、環境中予測濃度は、非水田PECTier1は0.055µg/Lであり、登録保留基準値420µg/Lを下回っております。
 本剤につきましては、2011年1月の平成22年度第6回水産動植物登録保留基準設定検討会におきまして審議されまして、検討会におきましては、特に問題とされる御指摘はございませんでした。
 以上になります。御審議よろしくお願いいたします。

【森田委員長】 ありがとうとございました。
 それでは、また、五箇先生、少し追加をお願いできますか。

【五箇臨時委員】 こちらの剤は、ジカルボキシイミドという構造を持っている殺菌剤になります。どうやら細胞壁とか細胞膜をつくるところに作用するということで、これを実際に菌にかけますと、菌が細胞壁をうまく作られなくて、膨張して破裂するというような形で菌を殺すという作用が認められております。
 殺菌剤ということもありまして、その他の動物及び藻類には影響がない薬であると考えられます。
 以上です。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方、御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

(発言なし)

【森田委員長】 それでは、総合評価のところ、15ページになりますが、ここを御確認いただきたいと思います。
 若干繰り返しになるかもしれませんが、数値といたしましては、オオミジンコ、甲殻類の数値、急性影響濃度としては420µg/Lが最小ということで、保留基準値としては420µg/Lということになります。リスク評価は、それを相当下回っているので、Tier1での値をしていますが、安全サイドで予想されるということであります。
 この総合評価に関しまして、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 特段、御意見がないということで、それでは、これを承認するということにしたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、引き続きまして、次の剤に移りたいと思います。メトキシフェノジドをお願いします。

【農薬環境管理室農薬企画・調査係長】 16ページになります。メトキシフェノジドです。
 メトキシフェノジドは、ベンゾイルヒドラジド系の昆虫成長制御剤でありまして、幼虫に対し脱皮ホルモン様の作用を示し、異常脱皮を促すことにより殺虫効果を有しております。本邦での初回登録は2001年でありまして、製剤は粉剤、水和剤があり、適用作物には稲、果樹、野菜、豆、花き等がございます。
 原体の輸入量は、記載のとおりであります。
 各種物性につきましても、表に記載しているとおりであります。
 17ページになります。水産動植物への毒性試験でございますけれども、魚類急性毒性試験には、コイを用いた魚類急性毒性試験が1試験、ニジマスを用いた試験が1試験、ブルーギルを用いた試験が1試験提出されております。甲殻類につきましては、ミジンコ類急性遊泳試験が1試験、19ページになりまして、藻類成長阻害試験が1試験実施されております。
 20ページになりまして、環境中予測濃度になります。本剤は、製剤としては粉剤、水和剤がありまして、稲、果樹、野菜、豆、花き等に適用があります。このことから、水田使用時の第1段階における予測濃度につきましては、表6に記載の使用方法及びパラメーターを用いて算出いたしまして、その結果、水田PECTier1が3.0µg/Lとなっております。
 被水田使用時の第1段階における予測濃度につきましては、表7に記載の使用方法及びパラメーターを用いて算出いたしまして、その結果は21ページになりまして、非水田PECTier1は0.011µg/Lとなっております。
 水田使用時のPECと非水田使用時のPECの算出結果より、環境中予測濃度は、水田PECTier1より3.0µg/Lとなります。
 22ページ、総合評価になります。各種生物種のLC50、EC50につきましては、魚類につきましては、コイの急性毒性試験から96hLC50が4,450µg/L超、ニジマスにつきましては96hLC50が4,200µg/L超、ブルーギルにつきましては96hLC50が4,300µg/L超となっております。甲殻類につきましては48hEC50が3,700µg/L、藻類につきましては72hErC50が3,800µg/Lとなっております。
 それぞれの急性影響濃度を算出いたします。魚類につきましては3種の生物種のデータが存在いたしますことから、不確実係数は10ではなくて4を採用して算出しております。それぞれの生物種における急性影響濃度を算出した結果、最小となります甲殻類急性影響濃度より、登録保留基準値につきましては370µg/Lを提案いたします。
 リスク評価になります。環境中予測濃度は、水田PECTier1は3.0µg/Lでありまして、登録保留基準値370µg/Lを下回っております。
 本剤につきましては、2011年1月の平成22年度第6回水産動植物登録保留基準設定検討会において審議されております。検討会におきまして、ニジマス及びブルーギルの急性毒性試験と、ミジンコの遊泳阻害試験における助剤濃度が、ガイドラインに定めているものよりも高いことについて御指摘がありましたが、試験結果に影響がないということと、使われている助剤の種類から問題ないのではないかということで、試験成績を受け入れていただいております。
 本剤につきましては以上です。御審議よろしくお願いいたします。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、五箇先生、追加をお願いします。

【五箇臨時委員】 こちらの薬は、ベンゾイルヒドラジドの骨格を持っております殺虫剤ですけれども、先ほど水濁のところでも出てきましたクロマフェノジドという薬と同じで、昆虫の脱皮を促進するという形で、結果的に害虫を殺すということです。本来、節足動物については、餌を食べてエネルギーを蓄えてから、摂食するのをやめて、それで、脱皮をするという繰り返しで成長するのですが、この薬が体内に入りますと、脱皮する時期ではないのに脱皮しようとするために、途中でエネルギー欠乏を起こして死んでしまうという薬です。
 また、対象害虫が、いわゆる鱗翅目ですね、チョウや蛾の幼虫、いわゆる芋虫と言われる害虫にしか効かないということで、非常に選択性の高い殺虫剤で、同じように脱皮して成長するオオミジンコに関しては作用しないということで、生態影響が低いという剤になっております。
 以上です。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、この剤につきまして、御意見ございませんでしょうか。

(発言なし)

【森田委員長】 では、再度、総合評価、22ページを御確認いただきたいと思います。
 基準値案といたしましては、甲殻類の急性影響濃度、EC50の10分の1という、それを使いまして、370µg/Lという値が導出されております。なお、リスク評価としましては、環境中予測濃度が水田PECTier1を使いまして、それが3µg/Lですので、100倍ぐらいのマージンになるという、そういう感じになります。
 こういう計算になっていますが、この評価でよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 ありがとうございました。特段、異議がないと思いますので、これを基準値案に採用するということにしたいと思います。
 それでは、次がEPNです。御説明お願いします。

【農薬環境管理室室長補佐】 それでは、23ページをご覧ください。EPNについて御説明させていただきます。
 EPNは、有機リン系の殺虫剤であり、中枢神経系のアセチルコリンエステラーゼ活性を阻害することにより殺虫活性を有します。本邦での初回登録は1951年でございます。
 製剤には粉剤及び乳剤が、適用作物には稲、麦、野菜等がございます。
 物性につきましては、表に記載のとおりです。
 本剤の毒性試験でございますが、コイを用いた魚類急性毒性試験、オオミジンコを用いた急性遊泳阻害試験、ミナミヌマエビ、ニッポンヨコエビ、それからセスジユスリカを用いた急性毒性試験。すみません、ユスリカにつきましては、「幼虫急性毒性阻害試験」とございますが、「幼虫急性毒性試験」の誤りでございます。(4)の柱書きの修正をお願いいたします。それから、緑藻を用いた藻類成長阻害試験が実施されております。
 環境中予測濃度について、27ページをご覧ください。本剤は水田と非水田の両方に適用がございまして、それぞれPECが最も高くなるケースについて、算定をしております。
 昨年12月の登録保留基準を設定した際と同様、Kocにつきましては中央値を使用して計算をしております。
 また、水田PECの算定に用いました表6の表中、記載誤りがございまして、申し訳ございませんが、この表6の中ほど、水中光分解の項につきまして、「考慮せず」とございますけれども、こちらは物性の項にあるとおり、自然水による水中光分解試験で、東京春季太陽光換算の半減期7.2日を使って計算して0.046µg/Lという結果になりますので、「考慮せず」とあるのを「7.2日」に修正をお願いいたしたいと思います。
 それでは、総合評価の項について、読み上げさせていただきます。
 登録保留基準値案でございますが、まず、各生物種のLC50、EC50でございますが、コイの急性毒性につきましては96hLC50が104µg/L、甲殻類、オオミジンコの48hEC50が0.208µg/L、ミナミヌマエビの96hLC50が0.150µg/L、ニッポンヨコエビの96hLC50が15.0µg/L、セスジユスリカの幼虫急性毒性が48hLC50が9.70µg/L、藻類につきましては記載誤りがたくさんあって申し訳ございません。「EbC」とございますが、「ErC50」の誤りでございます。ErC50が608µg/L超となっておりまして、これらから、まず、魚類につきましては不確実係数10、甲殻類につきましては、4種の生物種のデータがございますので、不確実係数を通常の10ではなく3を採用いたしまして、最小値であるミナミヌマエビ急性毒性試験のデータから0.050µg/L、藻類はEC50が608µg/L超ということで、最小となります甲殻類急性影響濃度より、登録保留基準値を0.050µg/Lと提案させていただいております。
 リスク評価でございます。環境中予測濃度は、水田PECTier2が0.046µg/Lとなっております。登録保留基準値0.050µg/Lを下回っていることを確認しております。
 本剤につきましては、2010年9月の平成22年度第3回検討会、それから2011年1月の平成22年度第6回検討会の2回、御審議を賜っております。検討会での御指摘、やはり基準値とPECが著しく近いという点につきまして議論となりました。
 環境中モニタリングデータを確認いたしましたが、まず、平成20年の水道統計のデータを確認いたしましたところ、これについては833地点での水道原水の測定が行われております。定量下限値は0.006から10µg/Lに分布しておりまして、この基準値とほぼ同等である0.05から0.06µg/Lを定量下限値としているところが最も多いのですが、その中では、登録保留基準値案を超過していると認められるデータはございませんでした。
 平成19年以前の環境中モニタリングデータにつきましては、公共用水域の水質測定におきまして、平成14年に新潟県の河川で0.8µg/Lという検出値が見られました。また、水道統計では、平成16年から19年にかけて、幾つかの地点で基準値案を超える数値が認められております。こちらの、最高検出値は平成14年の新潟県における0.8µg/Lとなっていたのですが、EPNに関しましては、平成19年に注意事項の改正が行われておりまして、止水期間がそれまで0日だったものが3日間になっております。止水期間を0日で、仮にPECTier2を計算いたしますと、0.87µg/Lとなりまして、当時の検出最高値0.8µg/Lというのは、この止水期間の問題に由来するものではないかと考えられました。
 平成19年10月以降は、水田で使用する場合は、散布後少なくとも3日間は落水、かけ流しはしないことという注意事項が記載されておりまして、その後に測定されたと思われる平成20年度の環境中モニタリングデータでは、基準値案を超えるものは見られなかったところでございます。
 本剤に関しましては以上です。御審議よろしくお願いいたします。

【森田委員長】 ありがとうございます。
 それでは、また、五箇先生。

【五箇臨時委員】 先ほどからたびたび出てきております有機リン剤ですので、これ以上、説明することはございません。

【森田委員長】 かなり古い有機リン剤であります。
 それでは、先ほどいただいた説明を含めまして、委員の先生からの質問、御意見ございませんでしょうか。

【中杉臨時委員】 環境モニタリングの結果で、今のところは見つかっていないという話なのですけれども、環境モニタリングは必ずしも最高濃度を見るという、急性毒性を見るような形のモニタリングではないと考えられますので、今回はこれを一応了承するとして、農薬環境管理室で、最高濃度使用時、3日後に落水したときにどうなるのかということを実際に調査する必要があるだろうと思います。そこら辺で確認をしておく必要があるだろうと。かなり近いということから、そういうことをやっていただければというふうに思います。

【森田委員長】 お願いします。

【農薬環境管理室室長】 このEPNに関しまして、今回、登録保留基準の設定という形で御議論いただきまして、いわゆる農薬登録の入り口の部分での判断ということで、今回、させていただきました。
 時間がなくて、前回、水産の検討会で御審議いただくことができなかったので、次回の水産検討会で御議論いただこうと思っているのですが、いわゆる農薬のリスク管理として、登録保留基準値でのジャッジと、実際に登録されて以降、要はリスク管理の措置として、先生がおっしゃられるようなモニタリングもございますでしょうし、それこそ地域的に非常に限定されて、これは水産動植物や、水質に影響があるという形になると、農薬取締法上、水質汚濁性農薬の指定ということがございますので、そういったリスク管理措置をどういった形でやっていくのかというのを、考え方を整理させていただいて、検討会の御審議をいただいた上で、小委員会で御議論いただければと思っております。

【森田委員長】 私も記憶が定かではないのですが、とりあえず、このEPNは、かつては有機リンの項目で、人の健康に関する部分の切り口があり、それで、そこの部分は、例えば他の農薬で、ほとんど使われていない農薬がたくさんあったのですが、とりあえず、EPNは少し使ってよろしいという形で使われ続けて、水で言えば、これは要監視項目か何かになって、そして、その数字は、指針値はいくらでしたか。

【農薬環境管理室長】 水質汚濁防止法上、要監視項目に指定されておりまして、6mg/Lなので、6,000µgという数字になっています。ちなみに、水質汚濁に係る農薬登録保留基準も、先般、御議論いただきまして、これも3.7mgということなので、今回の水産とはオーダーが二つほど違うというような数字になっております。

【森田委員長】 ということでございます。
 どうでしょうか、委員の先生方。まとめに入ってよろしいでしょうか。

【細見臨時委員】 先ほど、中杉先生が言われましたように、一応、Tierシステムではモニタリング法を規定していますよね。評価地点だとか、いくつか、環境基準点と支川と、その上流側とかで実際に観測する方法が規定されています。それも散布時期において集中的に調査するようにとか調査時期についても記述が確かあったと思うので。それと、水道水の取水口でのモニタリングというのは、どういう関係になっているのかというのは、多分全くないと思われるので、やはり現地、実際に多く使われている都道府県を二つぐらい選んで云々とかというのを規定したと思うので、やはりそういう補強できるようなデータがあると、なおさらいいと思います。

【農薬環境管理室室長】 細見先生が御指摘されているのは、このPECTier3で、実際にモニタリングの手法という形で規定されているということで、私どもも、残留農薬の調査で、水質モニタリングもさせていただいておりまして、大体同様な方法で調査させていただいております。
 実際に、個別の調査をする際には、先生御指摘のとおり、当然、水道のところは、いわゆる水道を的確に、安全・安心な水道を提供するということで、時期も農薬の使用時期とは必ずしも合っていないところもありますので、そういったことも踏まえながら、ただ、難しいのは、殺虫剤ということなので、正直、特定の地域で集中してEPNを使っているというのは、かなり探すのが逆に難しいかもしれないですけれども、そういう意味では、除草剤と違って、調査サイトを選ぶというのは、非常に難しいのではないかなと思いますけれども、いろんな現場で使っていらっしゃる方にお聞きしながら、残留調査をするような方向で検討をしていきたいと思っております。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、とりあえず、ここまでは基準値を決めるという話でございまして、29ページ、総合評価がありますが、ここではコイの急性毒性、それをベースにしまして10.4µg/Lという数字があり、それから甲殻類はもっときつい数字になります。それで、甲殻類のところから入ってくる部分で、最小のAECdから、登録保留基準値としては0.05µg/Lという、非常に厳しい数字になるかもしれません。
 その結果として、環境中の予測濃度というのが、かなり近接をしているということですが、とりあえずは下回った数字になっているというのが全体の総合評価ですが、一応、この総合評価につきましては、こういう形で取りまとめられるということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 それでは、ありがとうございました。
 特に御異議がないので、それにしたいと思います。
 なお、細見先生とか部会長の中杉先生から言われたことについては、若干、今後どうするかということでもありますので、それについては農薬室で少し考えていただいて、何が可能かを含めて、御配慮いただければと思います。ありがとうございました。
 それでは、今日の主要な議論であります水質汚濁に係る登録保留基準と、それから水産動植物の被害防止に係る登録保留基準につきましては、全部の剤につきまして、本日の議論では、それでよろしいということにしたいと思います。ありがとうございました。
 先ほど、結論が出たわけですけれども、その結論につきまして、事務局から、今後の予定についての御説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室係員】 それぞれの議題において御了解いただきました農薬の登録保留基準につきましては、行政手続法の規定に基づき、今後、パブリックコメントを1カ月ほど実施いたします。その結果、もし仮に何か意見が寄せられた場合につきましては、委員長に再度、農薬小委員会で審議を行うかどうか御相談いたしまして、御判断いただくことにしたいと思います。再審議の必要がない場合には、部会長の同意を得て部会報告となり、さらに中央環境審議会長の同意が得られれば答申となります。
 そして、答申後、告示として基準値を公布させていただきます。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、その次の議題に移りたいと思います。特定農薬の件であります。事務局から御説明をお願いします。

【農薬環境管理室室長補佐】 それでは、資料6をお開きください。上に四角囲みで写と書いてございます。
 ここで、特定農薬についての行政での取組について、一つ御報告させていただきたいと思います。
 特定農薬につきましては、安全性が明らかなものについては、農薬取締法におきまして、通常の登録審査が要らないものとして取り扱われており、そのようなものについては、農林水産大臣と環境大臣が指定をするというふうになっておりまして、平成15年の農薬取締法の改正に際に導入された枠組でございますけれども、現在、食酢と重曹と、それから地場といいますか、同一の県内でとれた天敵、の三つが指定をされております。
 他方で、その法律改正時に、特定農薬の候補となる資材がどのようなものがあるかということについて、調査なり、情報提供をいただきまして、数多くの候補となる資材があるということがわかったわけですけれども、その後、中央環境審議会、こちらの小委員会と、それから農水省の特定農薬を審議する審議会と、合同で会合を開いていただきまして、特定農薬の指定に向けて、そういった資材が特定農薬の指定に向けて評価すべきものなのかどうかという観点で、ふるい分けをする上での基本的な考え方なりを御審議いただいたところであります。
 そういったことに基づきまして、農林水産省を中心に、また私どもも含めて、情報の精査をしてきたわけですけれども、今回、特定農薬の候補から外して、特定農薬の指定の検討の対象にはしない資材について明確にするために、本年2月4日に通知を発出したところでございます。
 具体的には、1枚めくっていただきまして、3ページ目に表がございますけれども、一つは、名前からそれがどのような資材なのか判断できないもの、特定できないものがかなりございました。それから、例えば既に登録農薬の成分になっているようなものも候補として、情報が挙げられたものが含まれているなど、人や生体影響を及ぼすおそれがあるというふうな情報が得られたものについて、二つ目のカテゴリーとして整理をいたしております。それから、そもそも農作物を害する病害虫を防除するために使う薬剤という、農薬取締法上の農薬の定義に該当しないもの、例えば物理的防除に使う資材ですとか、それから肥料のようなものに当たるものも候補となる資材に含まれていたということで、そういったものを大きく分けて、この三つのカテゴリーの観点から整理をいたしまして、今後、特定農薬の指定に向けた評価の対象からは外すということを明確にするために通知を発出したところでございます。
 以上でございます。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 御意見ございますか。
 これ以外に、まだたくさんあるのでしょうか。

【農薬環境管理室室長補佐】 現在、中央環境審議会と農水省の合同会合でこれから審議していただくものとしては、まだ34ございます。前回の、昨年の10月4日に開催されました合同会合で、焼酎は特定農薬として指定することが妥当であろうという御判断をいただいておりまして、まだ手続上のものは残っておりまして、指定という法令に基づいたアクションはまだ行っていないのですけれども、それを除けば、今、34個残っているという状況でございます。

【森田委員長】 ありがとうございます。
 御質問、御意見ございますでしょうか。
 委員の先生方は大変苦労されているかもしれません。御苦労様でございます。よろしくお願いします。
 これにつきましては、こういう御報告をいただいたということにしたいと思います。
 続きまして、イのその他といたしまして、事務局から御報告をいただきたいと思います。

【農薬環境管理室室長補佐】 参考資料13番、お配りしてあります資料の束の一番最後のホチキスどめの資料でございます。
 環境省の農薬関連の予算の中で、今年度、平成23年度の新規の予算事項について、御紹介したいと思います。
 件名が「農薬水域生態リスクの新たな評価手法確立事業」というものでございますけれども、本日の御審議もございましたけれども、農薬の生態影響なりについては、代表的な指標種を用いて評価をして、水産動植物の被害防止に係る登録保留基準というものを設定して、リスクの評価、管理をしていくという枠組ができ上がっているわけですけれども、他方で、社会一般に、生態系全般といいますか、生物多様性への関心の高まりですとか、また、そういった配慮が必要であるということが言われている中であります。そういったところも頭に置きつつ、現在の水産動植物に係る登録保留基準によるリスク評価の枠組を眺めますと、まず1点目に、代表的な指標種のみを使って評価をしているというところが一つございます。それによって、本日も選択性の高い農薬という御紹介も幾つかございましたけれども、ほかにその農薬に対して感受性が高い種がいても、うまく対応できていないかもしれないという懸念が一つあるわけでございます。
 また、他方で、実際のリスク評価に当たっては、登録保留基準値の案と環境中予測濃度PECを比較して、0か1かの判断をしているわけですけれども、御案内のとおり、基準値案は代表的な値であると。また、そのPECについても、一定のモデルを使って出された値であるということで、その比較をするということからすると、どの程度のリスク、言いかえれば、リスクの大きさがなかなかわからないということが言えます。そうすると、生物多様性の観点からの影響評価というのがなかなか難しいであろうというところが課題として挙げられるのかなと考えております。
 そういったところに今後対処していくために、より幅広く、できればすべての生物種について、定量的に評価ができるような手法ができないかということで、その開発を目指していきたいと考えております。
 もちろん、すべての種について毒性データを得るのは難しいといいますか、不可能だと思いますので、統計学的な手法を新たに用いて何とかできないかというところが本事業の主要な発想点でございまして、また、PECについても、ある程度、地域差を加味した、考慮した評価ができるように、統計的な手法を活用できないかということで進めていきたいと思っております。
 なかなか難しい課題でありますので、現在の登録保留基準の変更を直接目指すようなものではありませんけれども、長期的な視野に立って、今後、研究といいますか、勉強に取り組んでいきたいと考えております。
 簡単ですが、以上でございます。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、本日の審議が一通り終了いたしました。
 その他、本日の審議の全体につきまして、何か御意見、御質問ございませんでしょうか。

【中杉臨時委員】 今、最後に御説明いただいた参考資料13ですけれども、勉強していただくのは非常に結構だと思うのですが、実際にはどういう仕組みにするかというところが一つ問題になると思うのですね。どういうところからデータを持ってくるか。
 これも農薬の場合は比較的多いのかもしれませんけれど、考えられるのは二つのパターンがあって、異常に低い、毒性の高いデータだけが集まるという可能性があるのですね。これは、研究者は基本的には影響が出ないと公表はしませんから、そうすると、低いデータだけが出てくるという可能性が一つある。逆に言うと、そういう場合ではなくて、毒性の高いデータばかりが集められて出てくるという場合がある。そこら辺のところの偏りというのは、どうしてもこの方法には残ってくるのだろうと。それをどういうふうにするのかというところを少し、そこら辺まで、まだ先の話かもしれませんけれど、そういう目で見て、勉強していただければと思います。
 これは、実際には化学物質全体に関しても、同様な考え方が少し出てきていますので、その辺とあわせて考えていただけると。まず、農薬のデータがかなり多いだろうと思うので、最初にやるのはよろしいかと思いますけれど、ぜひいろんな、多角的に見ていただければと思います。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 他にいかがでしょうか。特段ございませんか。

(発言なし)

【森田委員長】 それでは、これ以降は、西嶋室長にお願いいたします。

【農薬環境管理室室長】 本日も長時間にわたりまして御審議いただきまして、ありがとうございました。
 以上をもちまして、土壌農薬部会第25回の農薬小委員会を終了させていただきます。
 委員の皆様、本日は長時間の御審議、ありがとうございました。

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