農業資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び 中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会第8回合同会合 議事録

1.日時

平成19年10月30日(火)10:02~11:40

2.場所

合同庁舎5号館 6階 第8会議室

3.出席委員

委員長:
森田 昌敏
専門委員:
安藤 正典、池山 恭子、井上 隆信、亀若 誠、国見 裕久
五箇 公一、佐藤 洋、白石 寛明、竹内 妙子、中杉 修身
中野 璋代、中村 幸二、根岸 寛光、花井 正博、細見 正明
眞柄 泰基、牧野 孝宏、本山 直樹、山本 廣基、若林 明子、渡部 徳子

(欠席は、井上 達委員、上路 雅子委員)

4.委員以外の出席者

環境省
大友農薬環境管理室長、小出農薬環境管理室長補佐
農林水産省
朝倉農産安全管理課長、鈴木農薬対策室長、堀部農薬対策室課長補佐

5.議題

(1)
特定防除資材(特定農薬)の指定に係る今後の進め方等について
(2)
農林水産省及び環境省における情報収集等の取組について
(3)
その他

6.配付資料

資料1 農業資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会 農薬小委員会合同会合名簿
資料2 特定防除資材(特定農薬)の指定が保留されている資材の取扱いについて(案)
資料3 農林水産省及び環境省における情報収集等の取組について
資料3-1 木酢液の検討状況について
資料3-2 電解次亜塩素酸水の検討状況について
資料3-3 農薬的資材リスク情報収集事業について(H18農林水産省事業)
資料3-4 特定農薬環境安全性調査事業について(H18環境省事業)
参考資料1 農薬資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会
農薬小委員会合同会合(第7回)(議事概要)
参考資料2 農薬資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会
農薬小委員会合同会合(第7回)(議事録)
参考資料3 特定防除資材(特定農薬)指定のための評価に関する指針等
参考資料3-1 特定防除資材(特定農薬)指定のための評価に関する指針
参考資料3-2 特定防除資材の指定に関する資料を提出する際の資料概要の様式及び記入例について
参考資料3-3 特定農薬(特定防除資材)に該当しない資材の取扱いについて
参考資料4 有機農業の推進に関する法律
参考資料5 有機農産物の日本農林規格(有機JAS規格)

7.議事

【農薬環境管理室長】 定刻となりましたので、ただいまから農業資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会第8回合同会合を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、ご出席くださいましてありがとうございます。事務局を務めます環境省農薬環境管理室長の大友です。よろしくお願いいたします。
まず、委員の紹介からいきたいと思います。本会合につきましては、基本的に中央環境審議会農薬小委員会及び農業資材審議会農薬分科会の委員の先生方に留任していただいておりますが、今回、新たに委員として着任された先生方もいらっしゃいますので、ご紹介いたします。
なお、本来は委員の皆様全員をご紹介すべきところでございますけれども、時間の都合上、新たに委員になられた方のみのご紹介にさせていただきます。ご了承いただきたいと思います。
 まず初めに、農薬分科会に新たにご所属いただきました、池山委員です。
 農薬小委員会にご所属いただきました、井上隆信委員です。
 それから、今日来る予定で、出席と伺っているのですが、農薬小委員会にご所属いただきました佐藤委員、まだちょっとお見えになっておりません。
 以上、3人でございます。
 それから、委員の出欠でございますが、本日の出席の状況についてご報告させていただきます。
 お手元の資料を1枚めくっていただきまして、合同会合の委員名簿がございます。
 本日の委員の出席ですが、両委員会委員の上路委員、井上達委員がご欠席、それから、中環審農薬小委員会の亀若委員が遅れてご出席との連絡を事前にいただいております。また、先ほど申し上げました佐藤委員がまだお見えになっていないということでございます。したがいまして、農業資材審議会農薬分科会につきましては、委員・臨時委員総数4名のうち全委員にご出席いただいております。分科会開催要件を満たしているということになります。また、中央環境審議会農薬小委員会については、委員・臨時委員総数13名のうち、10名のご出席をいただくということになっておりまして、小委員会開催の要件を満たしていることをご報告申し上げます。  続きまして、環境省の白石審議官のごあいさつを予定していたところですが、本日、国会で環境委員会が開かれていまして、昨夜、急に国会に呼ばれることになりまして欠席となりました。したがいまして、ちょっと私からで申しわけないですが、審議官からごあいさつを預かっておりますので、代読という形で、座ったまま読ませていただきます。
 本日の会合は、環境省が事務局の当番ということでございますので、農業資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会の第8回合同会合の開催に当たり、両省を代表して一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、委員の皆様方におかれましては、朝早くから、ご多用中にもかかわらずお集まりいただき、まことにありがとうございます。さて、特定防除資材につきましては、平成14年の農薬取締法の改正により制度が導入されましたが、実際に制度を運用するためにはどのような資材が農業現場で用いられているのかの整理に加え、それらの指定につきどのような点を考慮することが適当かなど、整理すべき事項が数多くありました。このため、前回の合同会合において、「特定防除資材指定のための評価のための評価に関する指針について」を改正についてご審議いただき、今まで整理してきた事項を取り入れた案のご了承をいただいたところです。
 これを踏まえ、今回の合同会合に向けての宿題として、いまだ数多く残されている特定防除資材の指定が保留されている資材、いわゆる保留資材ですが、この今後の扱いについて整理することとされておりました。本日の合同会合では、まず、この保留資材の整理案につきましてご審議いただきたいと考えております。また、木酢液や電解水等の安全性にかかわる現段階の情報収集状況についてのご報告をすることとしております。委員の皆様におかれましては、慎重かつ活発なご審議をいただき、忌憚のないご意見を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
 最後になりましたが、農薬をめぐる行政課題、多々あると考えておりますが、農林水産省とも十分連携して施策の推進に努めてまいりたいと考えておりますので、引き続きご指導、ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。
 以上、簡単ではありますが、私のごあいさつとさせていただきます。
 以上、白石審議官の方から預かりましたあいさつ文を読ませていただきました。
 引き続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。前回の合同会合から、農林水産省の事務局でも異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
 まず最初に、農林水産省農産安全管理課長の朝倉さんです。
 同課農薬対策室、鈴木室長でございます。
 同室の堀部農薬指導班長でございます。
 なお、環境省におきましても、私が初めての出席となりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。

【農薬環境管理室長補佐】 それでは、配付資料の確認をさせていただきますが、その前に、まず、事務的な連絡から。前泊された委員の方には、審議会の終了後で構いませんので、事務局にその旨をお伝えくださいますようお願いをいたします。
 それでは、資料について確認をさせていただきます。
 まず、一番最初に議事次第がございまして、次に資料1、合同会合の委員の名簿となっています。そしてその次、資料2といたしまして、特定防除資材の指定が保留されている資材の取扱いについて。資料3といたしまして、まず、3-1、3-2が今までの検討されている資材の検討状況でございますが、まず3-1としましては、木酢液の検討状況について、3-2としまして、電解次亜塩素酸水の検討状況についてでございます。それから資料の3-3、3-4は、農水省と環境省で調査した情報をまとめたものでございますが、まず資料3-3、農薬的資材リスク情報収集事業について、資料3-4、特定農薬環境安全性調査事業について、でございます。  それから、参考資料がございます。参考資料1としまして、前回の合同会合の議事概要、参考資料2としまして、その同議事録でございます。そして、参考資料3でございますが、特定防除資材指定のための評価に関する指針等ということで、まず参考資料3-1としまして、前回の合同会合でご了承いただきました、特定防除資材指定のための評価に関する指針、参考資料3-2としまして、特定防除資材の指定に関する資料を提出する際の資料概要の様式及び記入例について、それから参考資料3-3としまして、これは平成16年度の通知でございますが、特定農薬に該当しない資材の取扱いについて、という通知がございます。それから参考資料4といたしまして、有機農業の推進に関する法律、そして参考資料5としまして、有機農産物の日本農林規格ということでございます。
 不足している資料もしくは落丁等ございましたら、事務局までご連絡をお願いいたします。

【農薬環境管理室長】 もし落丁等あれば、事務局の方まで言っていただければ、お届けするようにいたします。
 佐藤委員が今お見えになりましたので、突然ですがご紹介いたします。

【佐藤委員】 どうも、佐藤でございます。よろしくお願いします。

【農薬環境管理室長】 それでは、座長選出にいきたいと思います。本合同会合は、農林水産省と環境省が交代で事務局を担当することとしております。今回は環境省が事務局を担当しておりますので、中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会において委員長をお願いしております森田委員に座長をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

【農薬環境管理室長】 はい。それでは、森田座長、議事進行をお願いいたします。

【森田座長】 本日はご多用中のところを合同会議にご出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日予定されております審議につきまして、公開の件について決めさせていただきたいと思います。公開することにより、特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合には当たらないと判断し、公開とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、これからの議事に先立ちまして、農薬資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会第7回の合同会合の議事概要、これが参考資料1及び議事録、参考資料2についておりますが、これにつきましては、前回の会議の終了後、個別に皆様方のご確認をいただいており、既に公表済みでございます。したがいまして、ご参考までの配付ということになっておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですけれども、議事に入りたいと思います。
 議事の1番、特定防除資材(特定農薬)の指定に係る今後の進め方等についてということであります。特定防除資材の指定が保留されている際の取り扱いについての議論をスタートすることになります。
 それでは、今後の進め方等についての審議につきまして、事務局の方からご説明をお願いいたします。

【農薬対策室課長補佐】 農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室の課長補佐をしております堀部と申します。資料2、特定防除資材の保留資材の今後の取扱いについて(案)という資料に基づきましてご説明をさせていただきたいと思います。
 先ほど大友室長がお読みになりました白石審議官のごあいさつの中にもございましたけれども、前回までの合同会合の中で、先生方の方から、保留資材というものの今後の取り扱いについて検討しなさいというご指示をいただいておりまして、私ども両省事務局におきまして、取り扱いについて整理をさせていただいたところでございます。お手元にございます資料2の方に、今後の取り扱いについての方向性をお示ししておりますので、こちらの方で内容をご説明させていただければと思っております。
 なお、本日の議論は、取り扱いについての方向性を議論していただくということにしたいと思っておりまして、個別に残っております保留資材それぞれの取り扱いにつきましては後ほどご説明をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、資料に基づきましてご説明をさせていただきます。
 まず、Ⅰ番といたしまして、特定防除資材及び特定防除資材の指定が保留されている資材、これが保留資材でございますけれども、これについて整理をさせていただきました。平成14年度に行いました農薬取締法の改正におきまして、無登録農薬の製造ですとか、それから使用者に対する使用制限というものがかかってくることになったわけですが、それまでに農家の方々がつくられていて、明らかに安全であることがわかっているような資材についてまで、農薬登録の義務あるいは使用規制ということを受ける、というような過剰規制が行われないようにということで創設されたのが、特定防除資材制度でございます。この特定防除資材につきましては、平成14年のその制度導入のときに実態調査をかけまして、情報提供のあった資材のうち重複を整理した740の資材につきまして、本日と同じ合同会合の場で特定防除資材として指定すべきか否かということのご議論をしていただいたわけでございますが、まず、合同会合での検討の結果、既に皆様方ご存じのとおり、食酢、それから重曹、それと地域に土着している天敵、この三つについて、特定防除資材としての指定がなされております。その他の資材につきましては、その当時、農薬としての安全性に関する情報というものが不十分であったということがございましたので、特定防除資材としての指定の判断を保留するということで、安全性等の情報を収集する保留資材という位置づけになっております。
 この保留資材という位置づけの資材の取り扱いでございますけれども、これは情報として農業生産現場で使用されているということがございましたので、暫定的に、仮に防除目的でこれらの資材を使ったとしても、農薬効果を謳って販売しない限りにおいては、農家自らが農薬と同様の効果があると信じて自らの責任と判断で使用することを可能としたところでございます。後ろ、別添1の方に、そのときの通知の一部、局長通知の抜粋がついておりますけれども、この3の(2)というところに、その部分が記載されております。
 その後、合同会合の中で安全性に問題がある資材などを除外してきて、整理をしていただいたところでございますけれども、現在の段階で、原材料ベースで475種類の保留資材が残っている状況にございます。これらの475の資材につきましては、現在まで、安全性についてまだよくわからない、確認が行われていないという状況がございます。データについて、例えば情報をお寄せいただいた皆様方あるいはこれらの資材を製造している方々に対しても、データの提供をお願いしてきたところでございますけれども、現在までのところ、使用実態がよくわからなくなってきているもの、それから安全性等に関するデータがご提供いただけないものがほとんどでございまして、評価を開始できないという状況になっております。今のところ、幸いにして保留資材を使って、被害が起こったとか、薬害が出たというようなことの報告は私ども承知はしておりませんが、安全性が評価されていないということもございまして、このまま保留資材という位置づけをいつまでも残しておくということは、食品安全性の確保の観点から余り適切ではないのかなと考えております。
また、後ろの方に、参考資料4ということで添付をさせていただいておりますが、昨年の12月に、議員立法という形で、有機農業の推進に関する法律というのが成立をいたしました。これから国として有機農業を振興していきましょうという方向性が出されたわけですが、保留資材と言われているようなもの、先ほどご説明しましたように、農家の方々が自ら工夫されてつくったものというのが多くございました関係もあり、有機の現場でも、このようなものが多く使われている現状にございます。保留資材というのがよくわからないままに残されていると、有機農業の振興の観点からも、現場の混乱というものが引き起こされるのではないかということもございまして、保留資材というものを残しておくのはいかがなものかという状況になっております。
Ⅱ番、ここからが本日の議題の本題になりますが、保留資材というのを整理していったらどうかというふうに考えております。
今後の対応方向といたしまして、保留資材の整理なんですが、まず、有機農家等々に対する実態調査が、現在農林水産省の方で実施されていますので、その結果を基に、使用されている資材、それから、その資材がどのような目的で使われているかということについて、まず実態を把握したいというふうに考えております。②-1番として、使用実態があるということがわかった資材につきましては、評価基準、本日も参考資料の3-2としてついておりますけれども、この評価基準に従ったデータをご提供いただきまして、これらを用いまして安全性、それから薬効等についての確認を行っていただければと考えております。
それからもう一つは、そういうような実態調査を通じても、まだなお使用実態がよくわからない資材については、この後すべての資材についてのパブリックコメントを実施する予定でございますので、そのパブリックコメントで使用実態についての情報をさらに収集させていただいて、4年半前に集めた情報が現在の段階で果たして本当に使われているのか、使用実態の有無を調査したいと思っております。
そして、これらの実態調査の中から、これからご説明しますように、区分AからCという三つのランクに区分をさせていただきまして、区分Aに該当する資材について、今後、合同会合の場で特定防除資材に当たるか否かについて、順次検討を行うこととしたいと考えております。
申しわけありません、この資料、一貫して「特定防除資材」という表現を使っていたつもりなんですが、ここの部分で1カ所、「特定農薬」という表現が出てきました。以前の合同会合で、「特定農薬」という言葉の妥当性についてご議論いただいて、「特定防除資材」という言葉を使いましょうということになっております。大変失礼いたしました。
先ほど申し上げました具体的な区分AからCの3つの区分というのがどのようになるかということを、次にご説明したいと思います。
まず、区分Aと申しますのは、現段階で既にデータ等が提出されているような資材、例えば前回までの合同会合で少しご議論いただいております木酢液あるいは電解水ですね、それから、それ以外に、事務局の方に審議をしてくださいということで、データが提出されている資材が幾つかございます。これらのもの。それから、先ほど申し上げた農林水産省における有機農家等に対する実態調査において、有機の現場等で実態として使用されているとされた資材につきましては、区分Aということで分類をさせていただければと考えております。これらの資材につきましては、今後、データが足りないものについてはデータをそろえて、指定の特定防除資材としての指定ができるかどうかということを次回以降の合同会合で、先生方にご審議をいただきたいというふうに考えておる資材でございます。
それから、まず先に区分Cをご説明した方が、区分Bに行ってしまうよりもよろしいかと思いますので、その次に区分Cをご説明させていただきます。区分Cは、以下、これから申し述べますような5つの基準に従いまして、保留資材から削除をしたいということでパブリックコメントにかけさせていただきたいと考えております。パブリックコメントを実施しますので、その段階で、例えばそれは違うよというご意見があれば、また再度検討するという余地はございますけれども、一たん、保留資材から削除してはどうかというご提案をさせていただきたい資材でございます。
その基準でございますけれども、まず最初に、これまでの合同会合で個別資材ごとに薬効等を検討していただいた結果、農薬には該当しないとされた資材、あるいは、この資料の別添2に合同会合での了承事項ということでついておりますけれども、リストアップをされている資材が幾つかございます。これらのものは、もう既に資材として特定されて、これは特定防除資材に当たらないよね、と判断されている資材でございます。それから2番目として、追跡調査をした結果、毒性を有している可能性があるのではないかと考えられるような資材、具体的に申し上げますと、例えば植物の種なんですけれども、青酸ですとかが含まれているようなものがあるのではないかと。そういう植物の種というようなものについては、毒性があるのではないかということで削除をさせていただければと考えております。 それから3番目でございますが、農薬取締法以外の法令で、既に使用について制限がかかっているような資材がございます。このようなもの、例えば食品衛生法上使用制限がかかっているようなものとか、それから消防法、これがなぜ上がってきているかというと、資材の候補の中に灯油というようなものがございました。消防法上、野原にまくのはいかがなものかというような資材、それから裏にいきまして、環境安全性に係る法令、家畜排泄物法、化管法というふうに書いておりますが、例えば家畜の排泄物ですね、これは環境中に放出をいたしますと環境に影響が及ぼされる可能性があるということで、環境中への放出が制限されているものがございますので、こういうようなもの。それから、化管法上、もう既に規制がかかっているようなもの。これら他法令で制限がかかっている資材として整理をさせていただければと思います。
それから4番目として、先ほどご覧いただきました別添2の表と保留資材を照らし合わせたときに、例えば了承事項の表の2枚目の一番下に、食品をそのまま用いるものについては候補資材から除外するというふうなものがございますけれども、この合同会合の際に、あらかたの食品については、既にもう特定防除資材の候補からは除外するというご判断をいただいているんですが、まだ、リストから漏れている中に食品と思われるような資材がございました。このようなものを再度これまでの基準に従って整理をいたしまして、改めて特定防除資材の候補から除外するというふうに整理をさせていただければと思っております。
それから、ご提案されているものの定義が全く不明確、範囲がよくわからなくて、評価とか指定の対象とならない資材というのがございます。ここは後ろに、具体的にその名称は書いておりますけれども、例えば魚というご提案、それからカニ類、いね科作物、灰とか洗濯廃液、あるいは風呂の残り湯なんていうものもございます。このようなものは、定義が不明確で、これを評価するというのはなかなか難しいし、それから何を評価しているのかわからなくなる恐れがございますので、このような評価指定の対象とならないような資材についても削除をしていければというふうに考えております。
そうしますと、現在、使用実態のあるものと、それからこれまでの整理等で削除される方向の資材というのが除かれました。あと、では残った資材というのが当然出てまいります。これをどうするかということで設けましたのが、区分Bでございます。すみません、資料が戻りまして恐縮でございますが、1ページ前にお戻りいただきまして、区分Bでございます。情報が今のところよくわからない資材について、先ほど申し上げましたように、パブリックコメントの際に、使用実態について皆様方からご意見を伺いたいというふうに考えております。この場合の使用実態でございますけれども、ただ使っておりますということではなくて、当然、特定防除資材への指定への可否をこれから検討していくための情報収集でございますので、有効性、こんなものに効いているみたいだとか、あるいは安全性、薬害は出ていませんとかいうようなことを、細かい情報でなくてもいいので、実態として、こんなふうに使っているんです、あるいはこういうふうに効いているんですという情報を少し添えていただいて、ご意見をいただくということを考えております。
この区分Bの方に分類された資材については、使用実態、使っていますよという情報収集がなされまして、そのいただいた情報の中で特定防除資材としての可能性があるものについては、区分Aにランクをして、今後の評価の対象にしていくと。それから、情報提供が全くいただけなかったもの、あるいは使用実態がお書き添えいただけなかったもの、さらには使用実態を書いていただいたが、これは農薬には該当しないのではないかというものについては区分Cに分類をして、保留資材から削除をしていくという整理をしていければと考えております。
この場合、区分Bというのは一時的に整理のために設ける区分でございますので、将来的には区分Aにいくのか区分Cにいくのかということが、すべての資材について、決まってまいります。したがいまして、この保留資材それぞれの整理が終了した段階では、区分Bというものは、まずなくなる予定でございます。その上で、区分Cのものというのは、保留資材から削除されますので、実際としては、区分Aに残るものが今後保留資材として合同会合の場でご審議をいただく対象の資材というふうに整理を図れればと考えておるところでございます。
それで、削除をされる区分Cに分類された資材について、では、今後使っていいのか使ってはいけないのかということが議論になってこようかと思います。3番として、区分Cに分類された資材の取り扱いということを整理させていただきました。
まず①、これまでに特定防除資材に該当しないというふうに判断されているようなもの、それから④、これまでの判断基準に照らし合わせて、同種の特定防除資材ではないのではないかと判断されるようなものについては、そもそも特定防除資材に該当しないものとして分類をいたしまして、従前の保留資材のお取り扱いとよく似ているんですけれども、使用者の責任と判断で自らが使用されることについては何ら問題のない資材として取り扱うが、防除に用い得る資材として宣伝をするという行為は、やはり農薬取締法上の宣伝行為に当たります、効果を謳っていることになりますので、こういうような防除に用い得る資材ですよという宣伝については、やらないでくださいということで指導をしていければと考えております。ただし、これらに分類された資材は、もしかすると、実は特定防除資材として使っているかもしれないという場合があるかもしれません。その場合に、例えばデータをそろえて、これは特定防除資材として使っているんです、あるいは、宣伝をして販売をしたいので特定防除資材として指定してくださいというようなことであれば、評価指針に従いましてデータをお揃えいただいて、事務局の方にご提出をいただくと。そうすると、そのデータをいただいた段階から、合同会合にかけるべく審議をしていただくように手配をしていくという、ちょっと言葉は悪いんですけれども、復活戦がある資材でございます。
それから②、安全性についての情報が出てきたような資材でございますけれども、これについては安全性に問題がある可能性があるということですので、現段階で、農作物に対し使用はできません、使用してはいけません、という資材として取り扱いたいと考えております。ただし、これらの資材について、いや、安全です、安全で特定防除資材として使えるんですというふうな場合、これもやはりデータをそろえていただいて、改めて合同会合にかけていくということを考える。これは、ですので安全性に問題がないということをきちんと示していただく必要があると考えております。
それから、残りました他法令で規制されているもの、あるいは定義が不明確なものについては、これらは安全性云々というよりも、他法令で規制されているものを使ってはいけないし、それから定義が不明確なものの中にはどんなものが含まれているかわかりませんので、これについては、農作物等の病害虫防除には使用しないよう指導を行うべき資材ということで、使ってはいけませんと指導する資材として取り扱いたいと考えております。
以上の、私が口頭で、早口でご説明したことを、ちょっとわかりにくいんですけれども整理をして図として表現をしたのが、この資料2の一番後ろについております別添3という概念図でございます。ちょっと分りにくいかもしれませんが、一番外側の大きな枠が、今残っております保留資材全体、これを区分A・B・Cの3つに分類をしております。区分Bのものについては、情報提供の内容によりまして、区分Aあるいは区分Cに、どちらかに進むという整理をいたしたいと思います。区分Cについては、今後の取り扱いが3つに分かれてくるということでございます。
今後の取り扱いのところでございますけれども、簡単にまとめておりますが、この中で、上から2つ目と一番下、点線で囲んでいる区分に分類された資材につきましては、評価書を再度お出しいただくという手続をとっていただければ、再度、合同会合の場で、特定防除資材としての指定の可否についての検討を行っていただくことは可能な資材というふうに取り扱いたいと考えております。
なお、これ以外に、既に整理されたものの中で、安全性を評価せずに、もうこれは特定防除資材の候補には該当しないとして評価がされている資材については、既に保留資材から除外をされているということと、それから、それでも例えば今までに除外されたものについて安全性に懸念があるようなものがあれば、それは改めて区分の2とか3に分類をすることによって使用制限をかけていく方向も検討できればと考えております。
それから、パブリックコメントと申しましたが、パブリックコメントの段階では、すべての保留資材につきまして、区分A・B・Cの今どれに当てはまるのかということもきちんとお示しをする予定でございます。ただ、先ほど申し上げましたように、本日の段階では、方針をご議論いただきまして、今後、アンケート調査の結果等がまとまり次第、先生方にもご覧いただいて、パブリックコメントの段階で、先生方からもあわせてご意見をちょうだいし、それも検討の段階で反映をさせていくということで、一緒にご検討いただければというふうに考えております。
雑駁な説明で恐縮ですが、とりあえず、以上でございます。

【森田座長】 ありがとうございました。ただいま資料2を使いまして、特定防除資材の今後の方向性の議論をしたいということで、事務局の方でまとめていただいた概念図などもございます。これを使いまして、この方向性についてのご議論をしたいと思います。ご意見などございましたら、ご発言をお願いいたします。

【中杉委員】 意見というよりも、質問をさせていただきます。マイナーな部分かもしれませんけれども、今ご説明いただいた中で、区分Cの他法令に係る部分ですけれども、この特定防除資材として指定されるものの名前と他法令での指定というのは、かなり違ってくる可能性がありますよね。例えば化管法が挙げられていますが、化管法では、化学物質の名前が大体来ます。そういうときに、他法令で規制されている、資材そのものが規制されているわけではないので、そこら辺はどういうふうに考えるのか。

【農薬対策室課長補佐】 今挙がっておりますリストと申しますのは、基本的に原材料ベースですので、中杉先生ご指摘のとおり、確かに化学物質ベースにはなっていない部分ございますけれども、物の、まあ、見れるところまで中を見てと申しますか、可能な範囲で、その中に含まれている化学物質が何なのかということを見て、やはり制限、それから、恐らく量を考えないといけないと考えております。それが、もう非常に微々たるものであれば、化管法上の制限があったとしてもそれが影響を及ぼさない場合も、メインでなければ及ぼさない場合もあると思いますので、その場合には検討対象として残す可能性もございますけれども、やはり物を見て、危ないなということであれば、この区分Cの分類3の方で、他法令での規制ということで落としていくことも考えたいと思います。

【中杉委員】 それからもう一つですけども、今のところに絡んで、区分Cの資材の取り扱いのところで、農作物の病害虫駆除、防除には使用しないようにしようということですよね。これが多分、農薬の特定防除資材と普通の農薬とは評価が別ですからあれなんですけれども、安全性の評価のレベルといいますか閾値みたいなものが、ほかの法律と農薬の場合に大分差があるんですよね。農薬の場合は使用方法をある程度限定しているので、他法令よりは厳しいといいますか、低いところに――低いというか有害性の強いものまで使えるような形になっているので、そこら辺のところは特定防除資材だから、特に使用方法の細かい制限をしないので、ほかと並びと同じようにするというふうな考え方なのか、もし、そういうもので使いたいとすれば、農薬として正規に登録してもらって、審査をしてもらって使えるようにするという考え方なのか、そこら辺の整合をどういうふうにとっていくかということが一つポイントになるかと思いますけれども。

【農薬対策室課長補佐】 先生がおっしゃるとおりで、確かに農薬というのは使用方法を厳しく制限、「登録農薬」というふうに正式に申し上げた方がいいと思いますが、登録をとっていただく農薬というのは、使用方法等を制限しておりますので、確かに他法令よりも厳しい基準がございます。したがって、仮にこういうものを使用したいということになれば、やはりきちんと農薬登録をとっていただいて、ご使用いただくということになると思います。先ほど申し上げたように、やはり特定防除資材というのは、もともと安全なものという原則でございますので、安全性に懸念があるものが含まれている場合には、きちんと登録をとってくださいということになると思います。

【細見委員】 一つ、質問。区分Bのところで、まず、有機農家等の調査、情報を得るということですが、これはある程度使っておられる利用者が対象とされるべきと思うんですけれども、次に、パブリックコメントで、いきなり通常の、よく1カ月間とかやるパブリックコメントというのは、実際にこれを使っておられる人という範囲と、ちょっと、これはどう言ったらいいのか、情報を収集すべきところが対象とされるべきです、このままだと、何か、通常の本当の一般の人になってしまいますね、通常のホームページでパブリックコメントをすると。だから、何かBに入ってしまうと、ほとんどやられないようなことは、もう既にわかっているような感じなので、もう少し農家の方にアクセスできるようなコメントの仕方を考えることは可能なのかどうかというところが、通常のパブリックコメントではなかなか難しいのかなというのがちょっと印象です。
 以上です。

【農薬対策室課長補佐】 ありがとうございます。パブリックコメントを手続として、通常のルートで実施をさせていただくわけなんですけれども、その中で、先生ご懸念のように、農家の方々の本当の声というのが、本当に届くんでしょうかということは出てくるかと思います。私どもといたしましても、できるだけ現場の生の声を聞かないと今回のパブリックコメントは意味がないということもございますので、農薬の関係者との間でのメールで情報を提供するとか、あるいは、普及組織等にご協力をいただくというような形で、きちんと農家の方々に情報を広くお届けをして、私どもも望むのはその使用実態でございますので、使用現場でどうなっているかということを教えていただくための最善の手を尽くしたいというふうに考えております。今の段階でこれをやりますという具体的なご回答はできませんが、農家の方々に対しての意見聴取ということを十分配慮してやってまいりたいと思います。

【若林委員】 動き出して、区分Bのあたりがどの程度スムーズにいくかはちょっと不透明な部分がありますけれど、かなり今のご説明ですっきりしたという気はいたしました。ただ、私、懸念していますのは、特定防除資材の問題が動き出して、なかなか進まないということで、その辺どのようなタイムスケジュールで進めようと、現段階で結構なんですけど考えていらっしゃるのでしょうか。

【農薬対策室課長補佐】 今後の資材の指定のスケジュールでよろしいですか。それとも、今後の制度全体の。

【若林委員】 はい。

【農薬対策室課長補佐】 まず、この合同会合、仮定の話から入ってしまうので恐縮なんですけれども、この方針について先生方の方からご了解を得られましたら、即、今整理をしております有機の実態の調査等々を踏まえまして、事務局として区分A・B・Cというものをまずご提示をできればというふうに考えております。早ければ11月の後段から、遅くても12月中旬ぐらいから年末年始にかけてパブリックコメントをかけられればと考えています。そのパブリックコメントの結果を踏まえまして、最終的には区分Aと区分Cということになるんですけれども、それで区分Cについては分類1から分類5のどれに該当するのかということまで整理をして、次回の資材審議会農薬分科会が年明け、年度変わる前には開かれるのではないかと考えておりますので、その農業資材審議会農薬分科会の中で、最終的な区分Aと区分Cの整理論をご審議いただければと思っています。ですので、恐らく年度内にその整理がほぼでき上がるのではないかと考えております。ただ、その時点で、特に使用制限がかかるものについて、明日から使えませんと言ってしまうと、現場の方々も混乱するおそれがありますので、その周知に少し時間がかかるのかなというふうには思っております。実際にその使用現場で、いつから使えなくなるかということに関しては、今後少し検討の余地があるのかなというふうに考えております。したがいまして、年度内にこの整理がほぼ終了するということでございますので、次回以降の合同会合もできるだけ早く開催をさせていただいて、今度は、個別の資材の特定防除資材の指定の可否についての具体的なご議論をしていただければと考えております。

【森田座長】 ほかにございませんでしょうか。

【花井委員】 1つだけ。区分Cのところの(2)と(3)の違いなんですけれど、(2)の方は、農作物等に対して使用しないよう指導と、区分3の方は病害虫防除に使用しないように指導というふうに書いてありまして、後ろの方の概念図だと、両方とも病害虫防除に使用しないというふうになっているんですけど、この辺はどのようなお考え。どちらが正しいのか。

【農薬対策室課長補佐】 すみません。これは、あくまでも農薬の議論でございますので、病害虫防除に使用しないものでございます。(2)と(3)、書き分けたつもりは全くありませんが、結果的に書き分けたようなイメージになってしまいました。言いたいことは同じでございます。(2)と(3)は同じ表現になるべきでございます。失礼しました。

【森田座長】 いかがでしょうか。ほかにございませんか。

(なし)

【森田座長】 それでは、この方向に従って、とりあえずまとめの作業に事務局の方で入っていただくということでよろしいでしょうか。

(了承)

【森田座長】 ありがとございました。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。議事の2番目です。農林水産省及び環境省における情報収集等の取組についてということでございます。
 第6回の合同会合で審議された木酢液につきまして、事務局より進捗状況についてのご説明をお願いいたします。

【農薬対策室課長補佐】 ここから先の議題でございますけれども、今申し上げましたように、保留資材の整理が終わって、次回以降、個別の資材についてご審議をいただくということになっておりますが、何分、合同会合が前回開かれたのが昨年の3月と聞いておりまして、1年半のタイムブランクがございましたので、今係っている資材等の状況につきまして、記憶を取り戻していただくという意味で、簡単にご説明を差し上げたいということでございます。
 まず、資料3-1、3-2というのが現在、継続審議となっている二つの資材についての検討状況でございます。まず、3-1といたしまして、木酢液の検討状況についてご報告を申し上げます。
 木酢液につきましては、平成16年度の時点において、木酢液の標準的なつくり方というのがまだ定まらないままに評価が始まりました。したがいまして、木酢液って何なんだろうというところで、既存の文献資料をそのまま安全性評価に用いるということが難しいということがございましたので、私ども農林水産省におきまして、担当部局のご協力を得ながら、一定の基準、これが下に書いてあります(1)と(2)という基準でございますが、この基準を満たす木酢液を用いまして、安全性試験とそれから水産動植物に対する安全性試験を実施をしております。
 第6回会合で、この試験結果を検討していただいた結果、復帰突然変異原性試験の結果について、さらに細かい検討が必要ではないかということがございましたので、後ほどご報告をいたしますが、上位試験に当たります小核試験というものを実施したところでございます。
 それから、薬効・薬害についてもその評価をできるような既存の資料というものが全くございませんでしたので、安全性試験と同じ木酢液を用いました薬効・薬害試験というものを実施し、この結果についても第6回の合同会合で結果をご報告させていただいております。
この第6回合同会合の結果、委員の先生方から、裏に参りますけれども、ホルムアルデヒドについて、IARC(国際ガン研究機関)での評価というものが「グループ2A」だったものが「グループ1」に上がっているということがございますので、ホルムアルデヒドを含む物質の安全性について慎重に審議すべきではないかとご指摘をいただきました。 それから、原材料、何を使うかとか、製造方法、どうやってつくるのかということによって、成分にばらつきが生じるということもありますので、特定防除資材として指定する際の条件について整理をしてくださいというご指摘、さらに、薬効については、よりたくさん、現場での使用状況に応じて、よりたくさんのデータを示すべきといったようなご指摘をいただきまして、薬効・安全性についてさらなる検討が必要という結論に達しましたことから、継続審議の扱いになっておるところでございます。
先ほど申し上げましたように、そのつくり方ですとか原材料といったものによって、品質がばらつくと、あるいは製法によってはベンツピレン等、有害物質が生成される可能性があるということがございましたので、特定防除資材として使う木酢というものについては、何らかの規格や基準等が必要になってくるのではないかということを考えておりまして、これについて現在、関係団体様の方で、どのような規格・基準をつくるのか、あるいはそれをちゃんと担保するシステムはどうなるのかということについてご検討をいただいていると聞いております。このことについては、まだ、最終的な結論が出たというご報告はいただいておりませんが、これがご報告をいただいた後、例えばこれまでの評価結果がそのまま読みかえられるのか否か、あるいは、その評価をどうするのかということも含めて、改めてご議論いただく必要があるというふうに考えております。それで、必要な試験があれば追加の試験を実施し、評価に必要な資料が整った場合には、改めて合同会合の場で、特定防除資材としての指定の可否についてのご審議をいただければというふうに考えております。
一端、ここで説明を切らせていただきます。

【森田座長】 はい、ありがとうございました。木酢液につきましては、少しペンディングになった状態で、その後の進展についての状況をお話しいただきましたけれども、ご質問ございましたらお願いいたします。

【中杉委員】 よろしいですか。木酢液の認定基準を考えるということを今検討されておられるという話なんですが、例えばベンツピレンなんかの場合にどういうふうに考えるかと、非常に難しいと思うんですね。例えば、どれだけ中に入っているかというようなことが一つの基準として考えられるんですけれど、そのときにベンツピレンについての毒性評価みたいな話が出てくる、当然絡んでくると思うんですけれども、今、日本では、大気についても水についても、ベンツピレンについての基準は先送りしてしまっているところがあって、例えばここで何らかの判定をしてくるとなると、それが先鞭をつけてしまうようなことになりかねないなというふうに思いますので、そこら辺はどういうふうにお考えになっているのか。

【農産安全管理課長】 確かに、おっしゃるとおり、日本ではベンツピレン、発がん性などの対応から見て、なかなかリスク評価が進んでいないというような面は十分認識しております。ただ、国際的に見ますと、これは食品の加工工程などで、例えば燻製をしたり、極端なことを言えば、油が炎に落ちるような状況で調理をすると、自然にベンツピレン類が発生して、食品を汚染するというようなことがわかっておりまして、FAO、WHOの合同食品添加物部会においては、既にベンツピレン及びそれの類縁化合物についてのリスク評価が行われております。
 コーデックスの汚染物資部会においては、それを提言するための調理法などの実施規範の検討が進んでいるという状況でございまして、そういう意味では、日本ではまだ導入されていないのですが、そういう国際的なリスク評価ではマージン・オブ・エクスポージャーという考え方などが既に導入されている状況でございます。私どもは、そういった情報なども当然見つつ、それではこの資材にどの程度まで含まれていないということを確認するレベルで分析をしていくのかとか、そういう点は十分検討して、まあ、これであれば、いわゆる特定防除資材の指定の考え方がございますので、示していただきましたので、合理的でしょうという部分を今後ご審議いただきまして、この規格・基準においてきちっと特定防除資材としていきますよね、というようなことをご審議いただく必要があろうかなと思っております。したがいまして、あくまでこれは食品に使用するというベースで、環境の問題とはちょっと違うんだと思うんですけれども、そういったリスクベースでご審議いただければと考えている次第でございます。

【森田座長】 ほかに何か、木酢液のご質問あるいはコメントございますか。
 先生、どうぞ。

【本山委員】 以前の検討会で、合同会合じゃなくて農薬分科会の方だったかもしれませんけども、静岡県出身の池田委員が発言しまして、木酢液は家庭で植木鉢に霧吹きでシュッシュッとやる程度なら、そんな公害問題は起こらないけれども、10アール規模の、例えばキャベツの畑で大規模に散布した場合は、周辺住民に対する悪臭公害がひどくて、もうとても耐えられないという発言をされたわけです。ですから、特定防除資材として木酢液を指定することになりますと、食品に残留した分の安全性の問題だけではなくて、周辺環境の住民に対する悪臭の問題についても配慮する必要があるのではないかという気がします。

【農薬対策室課長補佐】 ありがとうございます。今後の検討の参考にさせていただきます。

【森田座長】 よろしいでしょうか。多分、ディテールに入ると、いろんな先生方からコメントが出てきそうな感じもしますが、とりあえず、現在のアプローチは、関係団体の方でこんなふうにしたらどうかという、そういう提案を待って、次へ進みましょうということです。また、次の機会に、詳しい議論をさせていただければと思います。
 では、引き続きまして、電解次亜塩素酸になりますか。電解水というか、それについての報告について、ご説明をお願いいたします。

【農薬対策室課長補佐】 資料3-2でございます。電解次亜塩素酸水の検討状況について。申しわけありません、私もいつも端折って、電解水、電解水と呼んでおりますので、電解水についてご説明をさせていただきます。
 電解水については、品質の規定に関して、必要となる各種成分の濃度等について、第6回、第7回の合同会合で整理をしていただいたところでございます。  こちらの方については、ある程度の論点とそれに対する説明がはっきりしておりますので、一つ一つの論点とこれまでのご説明という形で資料を整理させていただいております。
 一つ目は、有効塩素濃度についてです。塩素濃度というのが装置の種類でどれぐらい変わるのかということに対して、第7回合同会合のときに有効塩素濃度について、薬効及び安全性が担保できる範囲のものを指定の対象とすることを提案させていただいたところでございます。
 この前提になりますのは、特定防除資材の指定に当たりまして規格を設けることの是非ということがございますけれども、これにつきましても一定の規格を設けていただくということについては、事務局としても可能であろうというふうに回答させていただいたところでございます。
 それから、時間とともに有効塩素の濃度というのがどれぐらい減少するかという知見に対しましても、安定性に関する試験の結果というものを前回の合同会合でご報告させていただいたところでございます。
 それから、臭素酸濃度でございますが、臭素の多い原材料を用いた場合に、電解水中の臭素酸濃度が高くなる可能性があるというご指摘がございました。このことについては、電解水の原材料として、さまざまな塩を使った場合に試験結果というものが示されておりまして、基本的に、その臭素濃度の低いものを原材料で用いるのであれば、生成する臭素酸量というのは問題とならないということを前回会合でお示しをしております。
 三つ目に、亜塩素酸濃度それから塩素酸濃度でございますけれども、これの経時変化についてのご指摘がございました。これにつきましても、一定の条件下でございますけれども、塩素酸、次亜塩素酸の濃度に関する資料というものを前回会合でお示しをしております。
 それから、ここからが少し懸案になっていてまだ結論が出ていない論点でございますが、ダイオキシン類、塩素を土壌に散布するという形態になりますので、塩素化ジベンゾフランが生成する可能性があるということがございますので、その土壌に電解水を散布した場合のダイオキシン類の生成についての資料が必要ではないかと。これにつきましては、次回以降の合同会合にてお示しをしたいと考えております。
 それから、品質の規定につきましても、一定の規格を設けることについてご提案をさせていただいておりまして、それについてまだ成案を見ておりませんので、次回以降ご審議をいただければと考えております。
 それから、魚毒性に関してですけれども、農家が上流で電解水をまいた場合に下流でメダカが死ぬようなことのないようにという確認が必要であろうというご指摘がございました。これについて、特に水を多く用いますような水田中で電解水を散布した場合の試算を提出させていただければと考えております。
 それから、作物残留性、臭素酸の作物残留性に関して、ワーストケースでの確認というのが必要ではないかということでございますけれども、原材料の規定を設けることによって、先ほど、濃度が低いレベルにとどまるということをお話ししました。これによって、その残留性ということをどれぐらい確認しなければいけないのかということについて、次回以降、取り扱い自体をご議論いただければと考えております。
 それから、使用者の側の話でございますが、使用に伴って塩素ガスが発生するということで、特に温室のような密閉空間で使用した場合の気中濃度というものの試算、あるいは作業者、作物及び温室に対する影響というものの確認が必要だろうということでしたけれども、一つ目に、温室という施設については、特定防除資材の指定ということには基本的に無関係ですので、仮に影響があるということになったとしても、それは温室、ハウスに影響があるということを使用上の注意として呼びかけることになるかと思います。それから、作物への影響については、薬害がないということが確認できればいいだろう、あるいは作業者については、やはり気中濃度に関して試算というものが必要であろうということで、これについて、まだこれも成案ではございませんので、次回以降、合同会合でご検討いただければと思っております。
 それから、製造機器から発生する塩素それから水素ガスに由来する問題についてもご指摘がございましたけれども、これはその電解水を使うというシーンとは少しかけ離れた議論でございますので、特定防除資材の安全性という観点からは直接かかわらないということで、合同会合では検討しないというご整理をいただいております。
 それから、電解次亜塩素酸水、酸性側の水をつくるわけでございますので、当然、アルカリ側の排水というものが出てくるだろうということで、これの排水処理について検討する必要があるというご指摘をいただいております。補足資料としてご提出いただきたいというご指示をいただいておりますので、これも次回以降ご提出させていただく予定でございます。
 以上、論点を簡単にご説明しましたが、これも次回以降また改めてご審議をいただければと思っております。以上でございます。

【森田座長】 ありがとうございました。  それでは、今のご説明に対しまして、何かご質問ございましたらお願いいたします。

【国見委員】 よろしいですか。先ほど来ご説明いただいているんですが、一応、特定防除資材の場合には、評価のための指針、ガイドラインができておりますね。そこで、やっぱり気になるのは、その安全性という担保をどこでとるのかということだと思います。環境に対する影響については、魚毒あるいは水産無脊椎動物に対する影響については、具体的なppmまで示されていますが、人畜に対する安全性について、農林水産省としては、どうなったら安全であるというような担保をとるのか。次回以降、具体的な検討をするわけですけども、その辺の基本的な考え方をお示しいただければというふうに思います。

【農産安全管理課長】 人畜という場合に、一つは使用時の安全という問題があろうかと思います。私も初めてなんですが、木酢などの議論の際に、ホルムアルデヒドがヒト、使用者の安全に対してどうなのかというようなこともご議論があったというやに記憶していますので、まず、そういった面について、特定農薬として、まず恐らく散布者の健康について、どの程度のレベルであれば実質的に特定防除資材の法律の趣旨にのっとったものかということについて、具体的なデータに基づいてご議論いただきたいというのが、まず一つあろうかと思います。
 もう一つは、それが仮に、先ほどベンツピレンのようなお話もございましたけれども、食品に残留することをもって、食品の安全性という問題がありました。これについては、特定防除資材指定に当たりましては、食品安全委員会の意見も伺うということにはなっておりますので、一応、こちらの方でおおむね、こういうものであれば問題ないであろうという、ある程度の具体的な目安をもってご審議いただきまして、最終的に、天然の物質などにつきましては食品に実際に含まれているものなどもございますので、そういった観点から見て、これならば特定防除資材として指定してもよかろうという結論がいただければ指定していくということでございますので、具体的に何ppmならばいいのかというような、そもそもそういう制限を設けなきゃいけないものが本当に特定防除資材として指定できるのかという「そもそも論」が出てくるんだろうと思います。あくまで、やはり登録農薬の枠組みとは別な趣旨で立っているということを踏まえまして、データを個々にご審議いただきまして、ケース・バイ・ケースで、科学的な知見に基づいてご判断いただいていくというように理解しております。
 今回ご紹介した二つの資材につきましては、それなりにデータが出てきているものもございますし、今後、先ほどの議題でご審議いただいたように、使用実態、データなどをある程度とって絞り込んだ上で、そこを集中的にご審議いただいていくということになろうかと思いますので、なかなかここで、幾つならいいと数字を出すというのは難しいのですが、基本的には今言ったような考え方で、あくまで登録農薬ではない部分でどこまでなら特定防除資材としていいのかということを考えていくと。基本はそういうことでございます。

【国見委員】 今ご答弁なさったんですけども、基本的にはガイドラインで最低限この試験をやりなさいという項目は定められていますね。今のお話ですと、その試験結果についてすべてケース・バイ・ケースで、合同会合において判断するということになります。合同会合においてこの試験結果をもって安全と見るのか見ないのかという判断をする。本当にそれでいいのですか。というよりも、やはり何か基準があるべきではないのですか。基準については、今後考えていくということですか。

【農産安全管理課長】 今おっしゃっているのは、水産動物に関する安全性というのは、水産動植物としてもいろいろなものがありますので、ここでご審議いただいたというのは、コイまたはヒメダカに対する96時間の致死で、半数致死濃度が10ppmを超えるというのが、具体的な試験法なり、それがあるということですね。一方、人畜の方は、これも具体的に急性経口毒性や変異原性90日反復経口毒性試験、あるいは有害報告のあるものについては、暴露評価に関するこれは作業者の暴露というような、一応何を見るかというのは明確になっていると思います。したがいまして、これを見て、やはりこれは登録農薬として審査すべきというような結論であれば、それは登録農薬の枠組みの中でやっていくということですし、これであれば特定防除資材の枠組みで審査してもいいんじゃないかということであれば、使用時の安全性に関しては、その中で当然こういう使用の仕方にしてくださいになりますし、食品の安全性につきましては、食品安全委員会の意見も聞くということになっておりますので、そこについては、改めてこれらのデータを出して、食品安全委員会の意見を聞いた上で、最終的に特定防除資材として農水・環境両大臣が指定していくと、手続はそうなっているわけです。ですから、個々の材について二つ出てきているわけですけど、この中で、この二つだけで基準をつくるべきなのかどうか、一貫性を保つために基準をつくるべきなのかどうかというご議論をするよりは、これから絞り込むわけですから、それを見た上で、やっぱり同じような性質のものがあって、判断がぶれないように、そこはある程度評価の目安が要るよねということであれば、そこをまずご審議いただくというのが当然だろうと思います。ただ、そうではなくて、やはりこれだけいろいろ多岐にわたっていると、ケース・バイ・ケースで判断すべきであるということになれば、それでいいと思いますが、今のところ、特定防除資材としての指定が保留されている資材が475種類ありまして、そのうち先ほど言いましたように、区分Aになるのがどのぐらいかというのがわからない中、評価基準が要るかどうかということを議論するよりは、まずこの二つについてはこういうものがありますというのをご認識いただいた上で、今後の絞り込まれ方で何が残ってくるかということを見た上で改めてご検討いただくのが、お忙しい先生方の時間を貴重に使う上でも効率的なのかなと我々考えておりまして、その上でまたご相談させていただければなと思っております。

【眞柄委員】 非常に印象的で申しわけないと思うんですが、475の保留資材があって、今、具体的に判断の材料が提供されようとしている木酢液も電解次亜塩素酸水も、例えば木酢液では、煙を冷却して、上層の油分と下層の沈殿部分を除く中間部分だと。しかも、その内容について、関係団体が木酢液の認証基準をつくる。それから、電解次亜塩素酸水も、いわば、これまでなかったものが農業用の資材として挙がってきている、と。しかも、この二つについては、先ほどの今後の取り扱いについての判断基準に足るデータが出てくるバックグラウンドがあるというものについては、非常に指定される可能性が高いと。そもそも特定防除資材というのは、農家の方々が伝統的に使ってきたものを積極的に認めていいじゃないかという趣旨だったと思うんですが、今の流れで言うと、データがあるものしか結局認めることにならないんじゃないかという、何となく印象を持って、もし、今の木酢や電解次亜塩素酸水と同じようなバックグラウンドがない農業用の資材について、国として支援する制度が今後必要ではないかなという印象を受けたんですが、これについてはいかがでしょうか。

【農薬対策室課長補佐】 今のご指摘についてですが、確かに農家の方々が工夫して使っていらっしゃるようなものであれば、そのデータとれないというようなことがあるかと思います。広く、例えば農家さんがお使いになっているようなもので、特定防除資材として指定すべきであるという資材もこれから出てくる可能性はあるかと思います。後ほどご説明いたしますけれども、農林水産省・環境省両省に、額的には余り多くはないんですけれども、評価のための予算的措置というものは有しておりますので、本当に必要なもので、既に生産現場で広く使われていて、特定防除資材として指定しないとまずいんですというものについては、国の方でも一定のご支援できる枠組みは全くないわけではございませんので、そういうものも場合によってはお使いいただけるかなというふうに考えております。

【亀若委員】 遅れて参りまして見当外れかもしれないのですが、このメンバーを見ましても、実は特定防除資材というジャンルをこういう形で設けていったそのときから、大分メンバーもおかわりになっていて、どうも、そもそも登録農薬とはこういう点で違うんだと。今、眞柄委員からもおっしゃられたように、特定防除資材はこういうもので、それで特にそれに対して、毒性だとかそういう面で異論のないものはできるだけ認めていきましょうよという話で、実はスタートをしていたと思うんですよ。ところが、だんだんこういう専門の皆さん方のご議論からは、やっぱり安全サイド、安全サイドへ行っちゃって、さらには基準までという話になってしまうと、これは登録農薬の方でむしろ行ってもらうことの方がよっぽどいいのではないかなという議論になると思うんですよ。したがって、私はちょっと遅れて来たのでよくわからないところもあるんですが、もう一度、特定防除資材の安全性なんかについて議論をしたその辺のペーパーがあるはずなので、今の国見委員からのご議論等にある程度お答えできるような話が、私の印象としてはあったような気がしているので、次回出していただいた方が、今後の議論としてもいいんではないかなと思います。というのは、制度としてせっかくこういう形で設けられている。おまけに、一方では有機栽培についての法律まで制定されて、そして、そういうものをどんどん国内的にも生産をしていこうというこの社会の流れの中から、通常の登録農薬と同じような議論にずっと入っていきますと、もう制度をつくった趣旨そのものから外れてしまうような気がするものですから、そういうことを申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。

【農薬対策室課長補佐】 どうしましょう。先に先生のご意見を伺った方がよろしいなら。

【佐藤委員】 安全性の評価にかかわる話なのでちょっと発言させていただきたいんですけど、先ほど来いろいろ議論ありますけど、例えば木酢液でホルムアルデヒドがあるから、それを安全性を評価しなきゃいけないというのは確かにそうだと思うんですけれど、ホルムアルデヒドのそのリスク評価はできると思うんですよね。だけど、それは木酢液の安全評価にはならない。先ほど来いろいろ話が出ていますけど、ベンツピレンがあったりとか、恐らくいろんなものがあるわけで、トータルとしての評価はなかなかできないというか、多分、今までの評価のやり方では無理なんですね。例えばそれ、全部化学物質を分けてやってしまえば、何百、何千となるわけで、これはもう時間的にも何にもできないので、そういう形での安全性評価はちょっとなじまないんじゃないかなという感じはするんですね。むしろ、先ほど眞柄先生がおっしゃったこととか今のご意見みたいに、もしこういうものがいいんだというふうに進めるんだとすれば、明らかに何か危険な事例がなければ、いいんじゃないかという気もするんですよね。ほかの分野で何か規制があるものについてやめようかという話がありますけれど、それはもうほとんど、例えばホルムアルデヒドの労働安全衛生法上の基準というのはありますし、許容濃度もありますけれども、もっと幅広くこういうようなものをカバーする、木酢液のものをカバーするものって、ほとんどないですよね。それから、先ほど食品安全委員会という話も出ましたけど、食品安全委員会で評価しているのも、やっぱり特定の化学物質を特定して評価していることがほとんど、まあ、私が知っている限りではそうなんですよね。これ、例えばぽんと何百種類もあるものを持ってこられて、これを評価せいと言われても、食品安全委員会に関係している者としてはちょっと困るなという感じなので、やはり少し考え方が、前はそうでなかったというご意見が今出ていますけれど、そういうふうにちょっと考え方を変えないと進まないんじゃないかという気がするんですけれども。

【牧野委員】 特定防除資材を使う視点でものを考えてみたいと思います。実際に農家が使うということになりますと、効果を期待して使うわけですよ。十分な効果があるのかどうか、期待する効果があるのかどうかということは、非常に重要です。是非その辺も重要視していただきたい。また、効果を先に調べ次に進む方が、コスト的には非常に安いし、さらに評価も非常にスピーディーに出るんじゃないかという気がいたします。400以上の資材をスピーディーに評価するためには、まず効果に基づいて整理をした方が、仕事として早く、合理的ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

【池山委員】 今日初めてこの委員会に参加しまして、私もやっぱり農家の方たち、特に有機農業なんかをやっていらっしゃる方たちが、いろいろとご自分で工夫して、ご自分なりにやっぱりこれは効くと思って、いろいろと特定防除資材を使っていらっしゃると。そういう中で、どうやったらそれを後ろめたくなく使っていけるのかという、その辺の工夫を、ここの委員会でいろいろとデータなども見ながら、一定のところで基準を出すというふうな委員会かと思っておりまして、参加いたしましたら、何か非常に難しい議論になりまして、ああ、こういうことだったら、残っている400余りの資材を評価するのに大変な時間と議論を有するなと思いました。やっぱり基本のところに返った論議をした方がいいんではないかなというふうに、さっきから聞いておりました。
 以上でございます。

【竹内委員】 農家の人が自分で工夫して使っているものと、これを今度販売するというのとで、ちょっと、話を分けなきゃいけないと思うんですね。工夫して使っていく分には、今までも使っていいということで整理されたと思うんですけども、この電解水とか木酢液については、販売ということが絡んできているので、その辺区別して話をしていかないといけないのではないかなと思います。

【中野委員】 すみません。農家の方たちがこれを使われている、その立場から言いますと、実際にパブリックコメントが、たくさん意見が出たらいいんですけれども、四百何種類ものいろいろなものが、なかなかたくさん出ないと思うんです。そうした場合、やはり例えばそれに関連しているJAとかそしてまた薬局とか、いろいろな場面からも、直接消費者がそれを使っておられる、その意見も聞けるような状態にした方が、たくさんいろいろなご意見が聞けるのではないかなと、このように思います。

【森田座長】 いわば本質的な部分から、さらに具体的な進め方を含めて、いろんな意見がさまざま出た状態でありますが、事務局の方から何か、とりあえずご意見ございますか。

【農産安全管理課長】 では、私の方から何点かお話ししますと、まず475を全部一々というよりは、これは先ほどの議題でありましたように、まずは絞ります。これは、この委員会の効率的な審議も踏まえれば、やはり有機農家などが有機農業を営んでいる生産者の方々などが現に使用している資材と。これはアンケートなどを通じますし、またいろいろ工夫しなさいというご意見も賜りましたので、そういった工夫をして、まず、そこに絞り込んでいきます。それと、明らかに文献などであるいは法令などで規制があるものについては、先ほどお話ししましたように、何か特別なデータが出てこない限りは、それは特定防除資材という状態から、むしろ農薬登録制度の枠組みにとって、農薬として使用したいのであれば登録をとってくださいという形の方向に進むと思います。したがいまして、475がまず全部こういう議論になるのではない、と。その中で、割とトップを切ってデータなどが集まってきて、販売なども意図されているものとして2つ、木酢液と電解次亜塩素酸水があって、これまでこの委員会でもご議論いただいたものを、ちょっと事務局の方もいろいろ整理に時間がかかってしまったんですが、改めて今日ご紹介して、そのベース、これまでの議論の経過をご紹介したというのが、今の時点の問題だろうと思います。その中で、委員から指摘がありまして、データをいろいろとることについての問題がございましたけれども、これにつきましては、参考資料3-1がございますように、特定防除資材(特定農薬)指定のための評価に関する指針(改定案)ということがございまして、これは、この委員会において、委員の方々のご議論に基づいて、こういう指針ができ上がってきております。この中では、ご覧になっていただければわかるんですけれども、やはり資材の範囲として、特定防除資材の検討対象とする資材の範囲というものがきちんと規定されておりますし、その中には、当然のことながら、例えば毒劇物に指定されているとか、そういう安全性上の問題などはもう除外するんだよと。それから、優先度についても、次のページにございます。
それで、Ⅳを見ていただくとわかるんですが、評価に必要な資料というものも、これは特定防除資材として評価をする上で必要な資料ということで先ほどから出ておりますけれども、こういうデータは必要ですよというようなことが示されておりますし、先ほど、薬効に関する指定、そちらから考えた方がよいのではないかというご指摘も受けましたけれども、これも2のところで、3ページ目になりますが、薬効の考え方というものも既に出されていると。したがいまして、我々としましては、絞り込んだ後についてはこの指針に従って進めてくるんだろうと。しかも優先度のつけ方というのが与えられておりますし、使用実態などについてもこれから情報をとりますので、もちろん使用実態の多いものというのが多分優先度が高いのかなとありますし、こういうご紹介しました木酢液、次亜塩素酸水でも、もう既に取りかかっているものというものもございます。そういう中において、仮にこの指針について、これに該当しなくてもいいんではないのというご議論がもしあれば、そういう資材が、これは違うよねというのがあれば、それは委員の方々にまたご意見をいただいて、がちがちにこれを何でも適用しろということではないのだよというご示唆がいただければ、それはそれのケース・バイ・ケースでやっていくということになろうかと思います。要は、一応、どういうものがあれば特定防除資材としていけるのかという、この指針に基づいて、我々としては、特に売ろうとしているものについては必要なデータを要求をして、その中でご審議いただいていくという、これが基本かなということでございます。

【中杉委員】 特定防除資材自体がこういうふうに示された安全性の話が今、大分出てきていますけれども、これは安全性をどういう面で見るかというと、使っている農家の方の安全性と、それから一般消費者の農薬に対する安全性の両方の側面があると思うんですね。そのほかに環境の生物にもありますけれども。基本的には、やはり両方、販売の目的だけではなしに、実質的に使われる場合でも、それを使って、つくった農作物を販売するときに、それが安全かどうかということを確保するのが国の役割である。そういう意味で言えば、例えば有機農法で、農薬は使っていません、特定防除資材は使っていますということで、その特定防除資材がひょっとしたら、農薬よりも、登録農薬よりも安全でないということになったら、これはものすごいごまかしになるわけですよね。そういう意味では、やはり農薬を使っているのと、それから特定防除資材を使っているということの区別をちゃんとはっきりつける。そこは判定をしっかりしていかないといけない。ちょっと今の木酢液なんかは、いわゆる本当の特定防除資材、最初言った特定防除資材と登録農薬との間をやっているような感じがするんですね。だから、屋上屋を重ねているというか、中間的な、何か非常に多くの試験があるから、そのうちの一部で認めていこうというような、ちょっとそんな印象があるので、そこら辺のところももう一回しっかり見きわめる必要があるのかなと。亀若委員が言われたように、本来どうであったかということをもう一回問い直してみる必要があるのかなというふうに、皆さんのご議論を聞いていて感じました。

【森田座長】 はい。それでは、どうも、いろいろご意見いただきましてありがとうございました。
 多分、個別のケースになると、さらに議論が沸騰するケースがあるかもしれませんが、740種類の資材についてこのまま放置するということもありませんので、とりあえず事務局の方で採用していただいて、まず分類から始めて、この問題と向き合っていくという方向で進めていくことになるかと思いますが、よろしいでしょうか。

(了承)

【森田座長】 それでは、続きまして、資料3-3になりますでしょうか。平成18年度に農林水産省で実施されました、農薬的資材リスク情報収集事業についてのご報告をお願いいたします。

【農薬対策室課長補佐】 はい。先ほど申し上げました木酢液のところで若干触れましたけれども、小核試験を農林水産省の平成18年度事業で実施をしております。先ほど、眞柄委員からご質問のありました、国での評価に関する予算的措置の問題でございますけれども、農林水産省といたしましては、この農薬的資材リスク情報収集事業という、現在は事業名称が変わっておりますが、予算措置をいたしておりまして、データを収集しているところでございます。
 平成18年度事業では、マウスを用いましてベイツガ・スギ・ヒノキ等々の木酢液に関する小核試験を行いました。この試験結果等につきましては、次回以降の議論の俎上に上るものと思いますので、今回は参考資料として提出させていただきました。内容については後ほどご覧いただきまして、次回以降の合同会合においてご議論いただければと思っております。よろしくお願いいたします。

【森田座長】 はい、ありがとうございました。
 それでは、今のことにつきまして、何かご質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

(なし)

【森田座長】 それでは、引き続きまして、18年度に環境省の方で実施されました特定農薬環境安全性調査事業についてのご報告をお願いいたします。

【農薬環境管理室長補佐】 はい。環境省の農薬環境管理室の小出といいます。よろしくお願いします。
 さて、資料3-4、平成18年度に環境省が行いました水産動植物に対する安全性調査事業の結果報告、概要ですけれども報告をさせていただきます。
 まず18年度、表ですけれども、魚類・ミジンコ類につきまして、以下の資材について急性毒性試験を行いました。これらについては、判定の欄を見ていただきますとおり、現在の指針、その数値を満たしております。
 それから、裏に行きまして、前回の合同会合の結果、藻類についても安全性に対するしっかりしたデータがない場合に要求するということがありましたので、試行的に今まで調査してきた資材の中で、魚類及び甲殻類に対して比較的毒性が高かったもの、これについて藻類生長阻害試験を行ってみたところの結果でございます。
 今回の資材は、すべて殺虫目的の資材だったということもございますけれども、見てのとおり、これら6資材につきましては、藻類につきましても指針の基準を満たしているという結果でございます。
 簡単ですけれども、以上です。

【森田座長】 ありがとうございました。
 それでは、今のご説明に対しまして、ご質問ございますでしょうか。

【細見委員】 ちょっと単純な質問です。農林水産省と環境省の方で、データを蓄積していただくわけですが、これを選ばれる根拠というか、判断基準は何でしょうか。例えば環境省にしても、ずっといろんな抽出物とかありますけれども、それを選ぶ、これ、七百種の中から全部やるわけではないと思うんですが、どういう根拠で選ぶのかというのが質問です。

【農薬環境管理室長補佐】 説明させていただきます。一つは、特定防除資材の審議に当たっては、基本的にデータが全部一通りそろわないと審議ができないということもございます。ですから、基本的には、農水省・環境省、同じ資材、同じロットの材料でデータをとっていくということが基本でございます。残念ながら、一部それが間に合わなかったりとかそういうこともございまして、そういうものは独自に、こういうものが次の調査対象になり得ると、そういう可能性が高いんじゃないかと、そういうものを選んで調査していくと、そういう状況でございます。

【森田座長】 ほかにございせんでしょうか。

(なし)

【森田座長】 特段ないようでございますので、それでは最後の議題、議事の3番目になりますが、その他ですが、事務局の方から何かございますでしょうか。

【農薬対策室課長補佐】 はい。ちょっと先ほどの議題に戻して申しわけないんですが、資料3-3の実はベイツガ・スギ・木酢の小核試験について、コピーミスでデータが一部欠落しておるようでございます。これにつきましては、後ほどまた事務局の方からご提供させていただきます。大変失礼をいたしました。
 その他のところで、今後のスケジュールについてご説明をしようというふうに考えていたのですが、先ほど2の説明の中で若林委員の方からご質問をいただきまして既に説明をさせていただきましたので、そのようなスケジュールに従って進めさせていただければと考えております。したがいまして、先ほど来ご議論いただいているところでございますけれども、次回以降の合同会合において個別資材の指定に向けたご議論等をしてゆくことになろうかと思います。改めまして、日程調整等させていただきますが、今までよりは少し早い時期に細かく開催できればと考えておりますので、ご協力方よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【森田座長】 よろしいでしょうか。
 それでは、最後に私の方から、本日の資料の取り扱いについてのご説明をさせていただきたいと思います。
 冒頭にも申し上げましたけれども、本日お配りした資料は、公開することによって、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料や、特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれのあるものに該当しないということから、公開とさせていただきます。また、今回の議事録につきましては、事務局で調整をいたしました後、出席委員の明示の了承を得て、公開にかかわる部分は、発言者の氏名をあわせて公開となります。事務局の案ができましたら、確認などよろしくお願いいたします。
 今日はちょっと早いんですけれども、以上をもちまして、本日の農薬資材審議会農薬分科会特定農薬小委員会及び中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会合同会合を閉会したいと思います。長時間にわたりまして、ご審議ありがとうございました。それでは、閉じます。