中央環境審議会土壌農薬部会 土壌汚染技術基準等専門委員会第8回議事録

1.日時

平成18年1月18日(水)10:05~12:00

2.場所

経済産業省別館825会議室

3.出席委員

委員長 森田 昌敏
委員 櫻井 治彦
臨時委員 中杉 修身
細見 正明
眞柄 泰基
専門委員 鈴木 規之
平田 健正
三木 博史

(欠席は、大塚委員、浅野臨時委員、佐藤専門委員、冨永専門委員)

4.委員以外の出席者

環境省

 坪香水環境担当審議官、鏑木土壌環境課長、尾川地下水・地盤環境室長、太田土壌環境課課長補佐、佐藤土壌環境課課長補佐

5.議題

(1)油汚染対策ガイドライン(案)について
(2)その他

6.配付資料

資料1 中央環境審議会土壌農薬部会土壌汚染技術基準等専門委員会委員名簿
資料2 中央環境審議会土壌農薬部会土壌汚染技術基準等専門委員会(第7回)議事録(案)
資料3 油汚染対策ガイドライン(案)

7.議事

(太田土壌環境課課長補佐)
 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会土壌農薬部会第8回土壌汚染技術基準等専門委員会を開会させていただきます。
 本日は、大塚委員、佐藤委員、冨永委員より、あらかじめ御欠席との御連絡をいただいております。また、坪香審議官におきましては、所用のため10時半過ぎに参りますので、その旨御了承いただきたいと思います。
 それでは、まず本日の配付資料について御確認いただきたいと思います。議事次第に従いまして御確認いただきたいと思います。
 まず資料1でございますが、本専門委員会の委員名簿、資料2でございますが、前回第7回の議事録(案)、資料3でございますが、油汚染対策ガイドライン(案)でございます。また、これらの資料の他に、各委員の先生方には資料3の中で写真がございますものにつきましてカラーの1枚物の資料を置かせていただいております。それから、座席表でございます。本日お配りいたしました資料は以上でございますが、過不足等ございましたら、事務局までお申しつけくださいませ。よろしいでしょうか。
 それでは、これ以降の議事進行を森田委員長にお願いしたいと思います。森田先生、よろしくお願いいたします。

(森田委員長)
議題に入ります前に、前回の議事録の確認をお願いいたしますが、これにつきましては、既に事務局の方から各委員にお配り申し上げて、御確認をいただいておりますものが本日配られております。ただ、中杉先生の御確認がまだとのことでございますので、とりあえず御承認をいただいて、それからさらなる修正がございましたら、後ほど事務局の方へ御連絡をいただいて修正するということで取り扱いをしたいと思いますがよろしいでしょうか。

(了承)

(森田委員長)
それでは、御修正がございましたら、事務局の方に御連絡をくださいますようお願い申し上げます。

(森田委員長)
 それでは、議事の方に入りたいと思います。
 議題の1番、油汚染対策ガイドライン(案)についてであります。資料3に基づきましてガイドライン(案)につきまして、構成そして内容についての御説明をお願いいたします。

(鏑木土壌環境課長)
 おはようございます。土壌環境課長の鏑木でございます。資料3につきまして御説明をさせていただきます。失礼ですが座らせていただきます。
まずこの資料3、油汚染対策ガイドライン(案)ですが、その表紙のところに「鉱油類を含む土壌に起因する油臭・油膜問題への土地所有者等による対応の考え方」というのを入れさせていただいております。これは、前回の御指摘に従ったものでございます。
それから、開いていただきますと、まず「このガイドラインをお読みになる方に」というページがございます。これは、前回「はじめに」ということで載せさせていただいていたのでございますけれども、ですます調で書いてあるということとか、ガイドラインを読んでいただく方にまず前提としていただきたいということをここに書いております関係で、「このガイドラインをお読みになる方に」ということで目次の前に持ってきた方がいいということで、そのようにさせていただきました。
なお、「はじめに」と書いてあったときからの変更点でございます。2カ所ございまして、まず、1番上にこのガイドラインの性格といいますか、このガイドラインは何のためにつくったのかということを入れさせていただきました。前のバージョンでは下の方にあった文章をそのまま上に持ってきたという格好でございますが、これも前回の御指摘に従ったものでございます。それと一番下に3行つけ加えまして、先ほど構成ということで委員長からお話をいただきましたけれども、このガイドラインは対応の考え方などをまとめた第一編と、その技術的な資料である第二編とで構成していること、第一編については各章のポイントを枠に囲って示してあること、このようなことをつけ加えさせていただきました。
構成でございますが、その次のページの目次をごらんいただきたいと思います。前回御議論いただいたのは、この第一編でございまして、第二編の技術的資料、これは前回の専門委員会では現在作成中ですと、次回にはお示しをさせていただきますと言っていた、その第二編でございまして、技術的資料、これが第一部と、それから次のページに参りますが第二部の専門編と。第一部基礎編、第二部専門編で、それぞれ第1章が状況把握調査、第2章が対策ということになっておりまして、それぞれ第1章の後ろには第1章に使っております資料A、Bと、それから第二部の第1章にも資料1から6まで、第2章にも資料7と、こういうことで、それぞれ非常に詳細な部分につきましては、それぞれの章の参考資料としてつけるという形の構成にしております。
第一編につきまして、前回の御指摘をいただいたことによる修正点を御説明をさせていただきます。まず3ページでございます。前回、油、たくさんの種類がありますということで、2ページ目にあります「主な石油製品の物性と用途」、それから「沸点範囲と炭素数」という資料をつけておりました。それに加えて、油には新油ばかりではなくて廃油というものあって、その廃油の中にはさまざまな化学物質が溶け込んでいるということが考えられるではないかという御指摘がございました。そこで、この3ページの[2]の3行目の後ろの方でありますが、「加えて」ということで、「これらの鉱油類は新油であるとは限らず、様々な用途に用いられて、新油とは異なる化学物質を含有する廃油であることもある。」という表現を入れさせていただきまして、油が非常に種々さまざまであると。したがって、その油臭と油膜の程度、これは新しい鉱油類がそれぞれの種類と濃度に応じて生じさせる油臭や油膜の程度とは違うのでありますということを補強させていただきました。
図3でありますが、これは環境省の廃棄物・リサイクル対策部が作っております産業廃棄物排出・処理状況調査のデータをもとにいたしましてこちらで加工したものでございますが、廃油の排出元、化学工業とか輸送用機械器具製造業とか、こういう業が並んでおりますけれども、このような業種で廃油が出てくる量が多いと、そういうことを示した円グラフをつけさせていただいております。
それから4ページに参りまして、「油膜の発生状況」ということで、石油連盟から御提供いただきました写真を載せさせていただいております。先生方のお手元には別刷りで1枚の色刷りのものがございますが、実際これ印刷物として印刷するときは、ここをカラーのページにしたいと考えておりまして、そのときはこの写真のような、別刷りの紙のような色のついたものになるという予定でございます。
それから7ページの図6、「油汚染問題への対応フロー」であります。ここで前回の御指摘は、一番左側の「契機」のところでありますけれども、「周辺地の地表又は井戸水等に油汚染問題があるとの指摘」があったというところで、指摘が妥当であれば当然これは油汚染問題を認識して、その状況把握調査、対策に行くという、こういうような流れになるわけでありますけれども、これ以外に右の方に向かっていた矢印について指摘がありました。これは、指摘が妥当でないと判断した場合は、地方公共団体の調査に協力のようなことを書いていたのでありますけれども、中途半端に入っているということで、かえってわかりにくいということでございましたので、それを消させていただきました。
それと、下の方に※印の2番の注釈をつけております。「隣地や周辺の土地から敷地境界線を越えてくる空気の悪臭についての苦情は、本ガイドラインでは油汚染問題発見の契機として取り扱っていない。」ということを注記させていただきました。
 続きまして10ページでございます。10ページの図、これもまた先生方のところには、この図の下にあります注釈も含めましてカラーのページになってございますけれども、このガイドラインで行う調査とか対策とかというのが、敷地境界の内側なのか外側なのかはっきりしておく必要があるという御指摘がございました。そこで、この図をつくりまして、まず油臭がある場所、池の中の水に油膜があるとか、井戸の水に油膜があるとか、こういう場所、それと敷地境界、それから地下水下流側の地下遮水壁、こういう隣との関係がわかるような図をつくりまして、それを入れさせていただきました。下の方に注釈がございまして、「本ガイドラインは、調査地(油含有土壌が存在し、かつ油汚染問題が生じている場所)のある敷地において、その所有者等が行う調査・対策について取りまとめたものであり、その敷地の周辺の土地で行う調査や対策については記述の対象外である。」ということで記述している内容全体を説明するような文章を書いてございますのと、本図における「調査地」は、油臭がある場所、この図の上にあります油臭がある場所、池の水に油膜がある場所、井戸の中に油膜があると、そういうような場所であるということを書かせていただいています。
 以上が第一編につきましての修正の点でございます。
 それから、ずっと後ろの方になりますけれども21ページまでが第一編でございまして、その次のページからが第二編でございます。第二編は、技術的資料でございますけれども、これにつきましては、先ほどもお話をしたところでございますけれども、2部構成にしております。「第二編をお読みになる方に」というところでそのようなこと、それから第一編との関係を書かせていただきました。
 まず、油汚染問題が生じたときの対応の考え方などを第一編にまとめております。第二編には第一編の第三と第四、これは調査と対策に関する考え方を書いておりますが、それに関する技術的な資料を記述したということでございます。第二編は2部構成になっていて、第一部の方は、土壌汚染の調査や対策についての基礎知識とか、あるいは油汚染問題に関する知識や経験が余りないと、そういった土地の所有者等でもわかりやすい内容とすることを意識して、基礎編として作りましたということでございます。第一部に書いております記載内容についての詳細を知りたいという場合は、第二部にも突合させて見ることができるような編集にしておりますので、そちらを参照していただければよいというような形にしております。
 第二部の方はと申しますと、これは油汚染問題の調査事業や対策事業を行う事業者を念頭に置いて作成しておりますので、かなり知識と経験のある方がお読みになるような内容になるかなと思います。このガイドライン全体は、土地の所有者等に向けたガイドラインではありますけれども、この第二部は土地の所有者等が発注者として仕事をお願いをしたときに、受注者が一体どのようなことをするのかというようなことについて知りたいという場合に参照できるという、そういう第二部として入れております。
 「ところで」という段落でございますが、「油汚染問題は、第一編に記載したように、それぞれの現場の実情に応じた対応をすることが必要であり、このガイドラインの記載内容は画一的規制的に用いるものではないし、何らかの基準数値を定めようとしたものでも」ないということを重ねて書いてございます。と申しますのは、技術的な内容、かなり厳格に書かなければならないような部分がございますので、それを変に誤解されると、ガイドラインが目指したところと違う、現場の実情に応じた対応がとれなくなるということで、このような注釈を入れております。それから第二編につきましては、第一部も第二部もともに技術的な資料でございますので、第一編をまずお読みいただいて、ガイドラインの性格、それから油汚染問題への対応の基本的な考え方を御理解いただいた上で、現場の状況に応じた的確な対応策を検討する上での参考として役立てていただきたいということを書きました。
 また、第一部のところどころに、これは発注者である土地所有者等に向けて書いたという部分でございますので、その土地所有者等に対して調査・対策事業者とか専門家に相談すること等を推奨している記述がございます。例えば3ページ、基礎編調査という2枚ほど後のところでありますけれども、基礎編調査というところの3ページで申しますと、2番の方法の(1)の1)で2行目で「土壌の試料容器、採取方法、採取量は分析機関と協議して決定すれば良い」とか「試料の採取を分析機関に依頼しても良い」とか、それから、また2)でも「分析機関に依頼しても良い」とか、そのような形で書いてございます。そんなことがありますので、第二部を活用される方々にも第一部を読んでおいていただけるとありがたいなというようなことを書いてございます。
 基礎編の内容につきまして概略でございますけれども、ポイントを御説明させていただきたいと思います。
 まず、基礎編調査の1ページ目でございます。ページの一番下、5番というところですが、「実施する調査内容によっては、労働安全衛生法に基づく作業環境の衛生の確保や、消防法に基づく危険物としての安全確保が必要となることに留意する」、これも前回の専門委員会での御指摘に応じたものでございまして、労働安全衛生法とか消防法とか、ほかの法律に書かれているようなことについてもちゃんと書き込むべきであるという話がございました。実は、このようなくだり、基礎編では非常に簡単に書いてあるのでありますけれども、専門編の方になりますともう少し書き下しております。第2部の初め、基礎編対策というものの次が専門編調査ということになってございまして、専門編調査の3ページでも、例えば「調査を行うに際しては、労働安全衛生法に基づく作業環境の衛生の確保に留意することが必要である」とか、「消防法で定める危険物取扱所において調査を行う場合は、引火・爆発・施設破壊による油の流出等を生じないよう十分注意する」とか、「危険物取扱所での火気使用や掘削においては、事前に必要な届出等が行われていることを確認した上で、適切な安全対策を講じながら行う必要がある」とか、そのようなことを書かせていただいたり、対策のところでも同様なことを書かせていただいたりしまして、これは前回の専門委員会での御指摘にこたえたような形になってございます。
 すみません、またもとに戻りまして、基礎編調査の1ページでございます。基礎編の1ページの最初には「総論」というのがございまして、この総論の中で基礎編調査の中身の概略を書いているような形になってございます。「この章では、土地の所有者等が自らの土地の地表又は敷地内の井戸水等に油臭や油膜が生じていることを発見したときに行う、状況把握調査について説明」をしますと。その状況把握調査の調査メニューは、これは第一編でも書かせていただきましたけれども、油臭や油膜の原因が鉱油類か否かの確認をまずすると。確認の結果、鉱油類に起因する油臭や油膜であることが確認された後は、[1]から[5]を行うのですと。これが全体調査メニューであるということでございます。[1]は調査地。調査地という言葉は、このガイドラインの中で何回か出てまいりますが、「油含有土壌が存在し、かつ油汚染問題が生じている場所をいう」ということでございまして、その調査地における鉱油類の取り扱いの履歴等について把握するために行う資料等調査をまずやると。油汚染問題の発生状況の把握をすると。油含有土壌の存在範囲の把握等をして、対策を検討するスキームを設定して、状況把握調査結果の取りまとめと保存をするということで、これが調査メニューでございます。
 3番ですが、さて、このような調査メニューなのですが、具体の油汚染問題があったときに、その現場における状況把握調査としてどのような項目、内容の調査を行うかは、その現場の状況に応じて異なってくると考えられます。そこで、このガイドラインを利用する土地の所有者等が、必要となった調査項目の部分だけを読めばわかるようにするため、それぞれの調査項目ごとに目的と必要性、方法、結果の評価、留意事項というふうに取りまとめて示しております。
 状況把握調査の調査メニューの中には、油汚染問題に関する知識や技術情報を有している土地所有者等がみずから行えるものもございます。そのような土地所有者等には第二部も参照していただくということでございます。第一部には、状況把握調査を部分的に、あるいはまとめて調査事業者に依頼をする、そういう土地所有者等にも知っていていただきたい、発注者として知っていていただきたい基本的な骨格等を記述してございます。
 基礎編調査の3ページに参りまして、まずは、油臭や油膜の原因が鉱油類か否かの確認ということでございます。この目的と必要性は、要は鉱油類以外にも油様のものが、例えば春先の田んぼでバクテリアの皮膜が油膜と間違えられたりするような事例もあるというようなこともございまして、そのようなことから、ちゃんとそれが鉱油類であるということをまず確認をする必要があるでしょうと。その手段として、TPH試験を行いますということを書いてございます。土壌試料の採取方法とか、井戸水等試料の採取方法とか書いてございますが、試料の分析方法といたしまして、TPHの試験法というのはさまざまなものがあると。鉱油類の確認に用いる方法と、その後出てまいります油含有土壌がどこに存在するかという範囲を把握するために行う調査において用いるTPH試験法というのは違ってもいいじゃないかという考え方でございます。まず、鉱油類であるか否かについては、GC-FID法によるTPH試験で得られるクロマトグラムの形状とか、TPH画分毎の濃度組成による推定で行うといいんじゃないかということで、その方法について簡単に紹介したものを資料Aとして、この基礎編調査の後ろにつけてございます。
 基礎編調査の4ページに参りまして、IIIでございますが「調査地における鉱油類の取り扱いの履歴等について把握するために行う資料等調査」でございます。この資料等調査につきましては、資料が全部整っていれば、それはそれでありがたい話でございますけれど、なかなかそうでないことがあるということを想定しなければいけないと考えております。2番の方法のところでありますけれども、調査地のある敷地内における鉱油類の取り扱い履歴や取り扱い設備等の設置状況、地形、水文地質等に関する既存資料を調査するのだと。これらの資料を用いた確認や推定は、その後の調査や対策の検討を容易にする上で役立つので、例えば敷地の地形図がなくても建物を建築したときの図面や資料等のような土地の状況を知る上で役立つ資料がないかどうかを検討するほうが後々効率的になりますと。ただ、例えば調査地の過去の履歴が記録として残っていないというような場合、簡単に得られない、そういう資料があるときに、その資料を徹底的にとにかく探すのだとか、1つでも資料が欠けていたら進まないということではないわけでありますから、その他の資料だけを用いて確認と推定を行う方が効率的な場合もあるということを入念的に書いています。
調査地以外の場所での油汚染問題の発生の有無を調べる、これはつまり敷地の中で既に油汚染問題が生じていて油含有土壌がそこにあるということがわかった場所以外の場所での油汚染問題の発生の有無を調べるということですが、そのためには調査地に限らず敷地内全体についての資料を用いると。ただ、この場合、例えば製油所のように極めて広い敷地があると、そのような場合、それ全部を調べるということが本当に必要かどうかということがございます。敷地が極めて広い場合や鉱油類の取扱場所が限られているという場合もございますので、その現場の状況に応じてどのような資料を用いることが合理的、効率的であるか、これを判断して必要な資料を使うと、これが趣旨であるということを書いてございます。ここに並んでおります資料は非常に常識的な資料でありますが、これらのものを用いまして一体どこに油汚染問題の原因となっている油含有土壌が存在しているかどうかということを確認をしたり、推定をしたりするというのが、調査地における資料等調査ということになろうかと考えております。
その次に、「油汚染問題の発生状況の把握」というIVのところであります。これは、調査地のある敷地において、地表とか井戸水等に油汚染問題が生じている可能性があるというそういう場所において、油汚染問題の発生状況を概括的に把握するということを目的としたものでございます。敷地の広い場合には、油汚染問題が生じている場所や井戸水等が調査地に限られるということを確認しておかないと、後々たびたび油汚染問題が生じるという、そういう潜在的危険性が残りますので、1つ油汚染問題が発見されたら、ついでにといっては何ですが、あわせて可能な範囲でほかにもないかということを見ておく方が効率的ではないかということであります。
「方法」のところでありますけれども、地表の油汚染問題の発生状況、それからその次のページには井戸水等の油汚染問題の発生状況、これらの把握方法、調査方法、そういったものを書いてございます。このときに、これは第一編でも御紹介いたしましたけれど、やはり土地利用方法によって、随分、油汚染問題、つまりは油臭や油膜の感じ方が違うということから、5ページの一番下の行でありますけれども、地表に油臭があるかどうかの判断は、次のページの図4-1に示しますように、例えば児童公園等のように土地の利用者が地表の土壌に触れることが想定されると、そういうような土地利用については、地面のすぐ上で油臭があるかどうかという観点で油臭を確認すると。それから、そうではない土地利用で、大人が立った状態で利用すると、こういう場面では、Bの方の図でありますけれども、立った状態、1.5メートルというようなところで臭うかどうかというようなことを判断すればいいんじゃないかということでございます。
それから、井戸水等の場合でありますが、この図の下でございます。(2)井戸水等の油汚染問題の発生状況の調査方法ですが、井戸水等の発生状況については、井戸水を採水して井戸水の状況を目視で確認して油膜の有無を判定すると。水の臭いを嗅いで井戸水の油臭の有無を判定するということでどうかということでございます。
水域の油汚染問題、水域と申しますのは、先生方にお配りした色刷りの別紙の図4にありますような水路とか、それから池等の水ということでありますが、調査実施者が水域付近の現地踏査を行って池、水路の脇あるいは直上で、人の感覚に基づいて油臭・油膜の発生の有無を判定するということでどうかということであります。
それから、7ページに参りまして「油含有土壌の存在範囲の把握等」ということでございます。油汚染問題の原因となっている油含有土壌の平面方向、深度方向の分布状況を把握するということなのですが、これはなかなか重要なことで、その次の対策のスキームを検討するというときには、どのくらいの範囲に油含有土壌が存在するのかというようなことを把握するのが重要であるということでありまして、これをやる場合にどうするかということになります。まず、地表に油汚染問題が生じた場合ということですが、資料等調査を通じて得られた鉱油類の取り扱いの状況、過去の油汚染問題の履歴、それからその前の調査を通じて得られた油汚染問題の発生状況情報から、油含有土壌の平面的な位置と深度を推定するというわけでございます。その際、現地踏査における人の感覚と、それを補完する土壌TPH試験、これらによって概括的に把握するということでどうかということであります。
平面方向につきましては、現地踏査において油汚染問題が感覚的に認められた場所、それから認められなかった場所のそれぞれ数カ所ずつにおいて、TPH濃度を把握すると。調査地点の配置については専門家に相談して決定するとよいと。それから、深度方向につきましては、現地踏査において地表の平面方向の調査で、土壌TPH濃度の最も強かった場所、あるいは下方への油の拡散が予想される地点など、1地点以上を選定する。これも専門家に相談して決定するとよいんじゃないかというようなことを書いてございます。
これだけだとわかりにくいので、その次のページ、8ページでございますが、図をつくりました。左上の図から始まります。敷地境界の中でまず現地踏査で油臭・油膜が感覚的に認識される大まかな範囲というのがございます。その下に参りまして[2]で地表の土壌TPH試験を実施するというのがございます。これは、臭うと思う場所で2カ所、臭わないだろうと思うところで4カ所とった絵になってございます。これを測りますと[3]にありますように、臭いがないと思われるところのTPH濃度は、臭いがあると思ったところのTPH濃度よりも低くなるはずであるということで、上の方に参りまして[4]ですが、平面的な対策検討範囲をこれで一応設定をするということでどうかと。深さ方向にも、平面方向の対策検討範囲設定濃度としたその濃度を超えるか超えないかで線引きをすればいいんじゃないかと。ただ、備考のところでございますけれども、備考の2行目ですが、ただ、地表の油臭を感じるかどうかというのは、気象条件によって異なりがちでございます。風向きがどうかとか、風速がどうかとか、気温がどうかとか、いろいろ条件があって異なりがちであると。そのために、感覚ですので、油臭がないと思った場合で測った土壌TPH濃度、この最大値が油臭があると思った場所の土壌TPH濃度の最小値よりも大きい、つまり下の[3]という絵がございますが、無臭だと思った場所のTPH濃度の方が臭うと思った場所のTPH濃度よりも高いというようなことが起こりがちであろうかと思います。そこで、そのような場合どうするかというと、下の[4]でありますけれど、無臭TPHの最大値地点、星印ですが、星印の外側に追加のTPH試験を行う場所を設定いたしまして、ここで改めて対策検討範囲の設定をするということにしたらよいのではないかと、そういう絵でございます。このときに用いるTPH試験の方法でありますけれど、これは基礎編調査が14ページまでありますが、その後ろに資料Bというのがございます。資料Aは、先ほどちょっと御説明をいたしましたGC-FID法についてのイメージを示したものでございまして、その次に資料Bというのがございます。ここでTPH試験法は様々ありますということで、各々の方法につきましてGC-FID法と赤外分光分析法だとか、重量法だとかと並べまして、それぞれの利害・特質というようなことを簡単に御紹介をしております。資料Bについてですが、資料Bにはいろんな方法がありますよということで、先ほどの基礎編調査の8ページで言いました範囲を設定するという場合は、これは、その現場、現場で様々な状況がありますから、必ずGC-FID法でなければならないということはなくて、いろんな方法を使って、どの方法を使ったかということが明らかになっておれば、相対的に臭うとか臭わないとかに対応して、相対的な濃度が把握できればいいわけですので、ほかの方法でもいいと。ノルマルへキサンでもいい場合がありますし、赤外分光分析でもいいという場合があるという取り扱いにしています。それは第一編にも書いてあったとおりでございます。
基礎編調査の9ページに戻りますが、ここで井戸水等に油汚染問題が生じた場合ということでありまして、地表と井戸水等の両方で油汚染問題が生じている場合とか、井戸水だけで生じている場合とかいろんなケースがありますので、それぞれに応じまして書いているのでございますけれども、図5-2で申しますと、左側が地表の油汚染問題に対する対策検討範囲、先ほどごらんいただいた図の要約であります。右側に参りまして、井戸水等の油汚染問題の原因となっている油含有土壌がどこに存在するかということについては、やっぱり地下方向に把握しなければならんということになりましょうから、穴を掘ったような絵、ボーリング調査をしているような絵でございますけれども、深度方向の土壌TPH試験を行って油含有土壌の存在状況を把握すると。それもまた専門家に相談をして、一体どこをどういうふうに調べればよいかということについて効率的に行うということを(4)に書いてございます。
それで、その次に10ページに参りまして、周辺の土地に油汚染問題を生じさせるおそれが大きいか否か、これも重要なポイントであると考えておりますが、隣の土地に油汚染問題を生じさせるとすれば、それは井戸水に油が乗っかって動いていくということではないかということで、地下水の流向がどっちを向いているのか、敷地内で油汚染問題が生じている調査地と敷地境界との位置関係、距離関係、そういったものをもとにしまして、あるいは2-3の(2)にございますが、敷地周辺又は調査地の地下水の下流側で井戸水等が使用されていないことが明らかであるかどうかとか、油含有土壌が地表付近のみに存在して、油含有土壌と地下水の間に難透水層等が存在しているために土壌中の鉱油類に地下水が到達する可能性が小さいかどうかとか、そんなことを判断するということで考えたらどうかと。それと、土壌中に鉱油類が存在している、又は到達する可能性のある帯水層や宙水層の分布が敷地内に限定されるかどうか、地下構造物が土壌中の鉱油類が存在している、又は到達する可能性のある帯水層や宙水層を遮断しているかどうか。敷地の大きさに対して、地下水の油臭や油膜が軽微で、専門家が敷地周辺の井戸水等に油汚染問題を生じさせるおそれが小さいと判断しているかどうか、このようなことをもとにして、場合によってはそれだけで周りに行くおそれが小さいと判断することができるのではないかということを書いてございます。
一方、地下水下流側の敷地境界で地下水の油臭や油膜の状況を調べて、調査地の油含有土壌が敷地周辺で油汚染問題を生じさせるおそれの程度を検討し、評価するという場合のやり方を簡単にここに書いてございます。詳しいところはやはり第二部の方に譲っておりまして、ここではこういうことですよと概念を示して、11ページの真ん中あたりのこの図の下ですが(4)で、以上の地下水の調査を、結果の評価を含めて一括して専門業者にお願いをするという方法もありますよということを書いてございます。
それから、3の調査結果の評価というところでございますけれども、先ほどちょっとつまみ食い的に先に言ってしまいましたが、対策検討範囲という言葉、これは油汚染問題が認められなかった場所について調べた土壌TPH濃度で囲まれる線の内側、これを地表の油汚染問題に対する対策を検討する対象となる範囲、対策検討範囲として設定をすると。深度方向についても同じように設定をすると。後ほどの対策の検討スキームの検討に行くということでございます。井戸水等に油汚染問題が生じた場合、これは鉱油類を含むと思われる土壌TPH濃度を示した範囲、これを油含有土壌の存在範囲として把握をするということでございます。
言い忘れました、すみません。先ほど10ページの(2)の説明をいたしました。このときに(2)の2行目の終わりからございますただし書き、実際に油汚染問題が調査地である敷地の周辺、敷地周辺の井戸で生じていることが把握されている場合は、簡易な判定というのはなかなか難しいですねということを書いてございます。当たり前のことでございますが、それを言い忘れました。
12ページに参ります。下の方に「対策を検討するスキームの設定」というのがございます。この対策を検討するスキームの設定でございますけれども、右側の13ページの上で、調査地の土地の利用方法が現状と変わらないという場合は、現在の土地の利用方法、つまり用途とか地表面の被覆の状況、それから対策方法を選択する上での制約事項は何か、こういう情報を整理していけばいいんじゃないかと。対策方法を選択する上での制約事項として考えたのは、被覆方法、要するに対策工事によって地表面の高さを上げてしまう盛土、このようなことをしてしまうと後の土地利用ができないというようなことは、それは制約条件になりますので、そんなことを把握して整理をしていく必要がありますと。この土地は土地の高さを高くすることはできませんということならそれを、対策の検討のときに、発注者として土地所有者等がしっかり言う必要があるというようなことから、そういう情報をちゃんと整理しておくということを書いてございます。
それで、予定されている土地利用が現状と異なるという場合は、今後の土地の利用方法、対策方法を選択する上での制約事項、対策実施時の土地の利用方法を考えた場合の対策選択上の制約事項、これは例えば工場・事業所の敷地のまま対策をしまうというようなときに、一部施設の稼動をとめなければならないみたいなことが生じるおそれがあると。そのような場合には、それは困るなら困るというようなことを言わなければいけませんよというようなことなのです。第二部の専門編の方ではその辺を詳しく、どういうのが制約条件として考えられるかというようなことを書いてございます。ここでは発注者として、この対策のスキームを検討する上でいろんな制約事項、これが制約になるということとか、こうしたい、この土地はこう使いたいというようなことをしっかり言っておく必要があるぞということを言っております。ただこのことにつきましては、詳しくは基礎編の対策の方にまた譲っております。
何ページか後は、資料A、Bの後に基礎編の対策がございます。これにつきましてもポイントだけ御説明をさせていただきますが、基礎編対策の1ページで「総論」でございます。
この章では土地の所有者等が自らの土地に油汚染問題が発生したというときに、この土地の土壌又は地下水等について行う地表の油汚染問題の対策、井戸水等の油汚染問題の対策、敷地の周辺の土地への油汚染問題拡散の防止対策について説明してございます。
対策工事には、土壌汚染対策や油汚染問題に関する知識や技術情報を有している土地の所有者等が自ら行えるものもございますが、この章につきましては一般的にはそうであろうということで土地の所有者等が発注者となることを想定して記述をいたしました。
対策の進め方でありますが、対策方針を作り、目標を設定して、方法を選定して、対策調査を実施して、対策計画の作成をする。対策を実施して対策工事の完了確認をする。対策の記録を作成して保存をすると、こういう一連の流れがあるということでございます。
4番ですが、具体の油汚染問題があったときに、その現場における対策についてどのような方針を立てて目標を定めるか、どのような対策方法を選定するかについては、その現場の状況に応じて異なって参ります。このガイドラインを利用する土地の所有者等が必要となった部分を読めばわかるようにするために、それぞれ、これも基礎編の調査と同じように、進行段階ごとに目的と必要性、方法と考え方、留意事項として取りまとめております。
対策方針の策定というところでありますけれども、まずここは何を言っているのかというのは、3ページの図2-1、これをごらんいただくのが早いかと思います。3ページにあります図2-1、「地表の油汚染問題に対する対策方針の例」ということでございますが、まず地表に油汚染問題がありましたと。今後の土地利用は裸地の状態で使用するということでありますと。ただ裸地の状態で使用するといっても、大人が立った状態で油臭や油膜による生活環境保全上の支障がないようにするというケースもあるし、人が地面に寝そべった状態で油臭や油膜による生活環境保全上の支障がないようにするというのもあると。それから、建物・舗装等で被覆した状態で使用する場合は、これは立った状態と。ここで裸地の状態の場合の対策方針が2つに分かれておりますけれども、これはどんなことを想定しているかといいますと、基礎編対策の2ページの上の(1)の2)でございます。裸地の状態で利用する場合には、公園の遊び場や緑地等のように地面に寝そべって利用するということも想定して、油臭や油膜による支障がないようにするという必要があるという場合もありますし、3)にありますように、建物の脇にちょこっと裸地があるとか、あるいは道路になっているとか、植栽帯になっているとか、一般的に立った状態で利用する裸地というのもあるということで、そのような場合は大人が立った状態で感じるか感じないかということを考えればいいんじゃないかということを書いてございます。
それから4ページの図2-2でございますけれども、これは井戸水等の油汚染問題が生じた場合ということでございます。これも井戸水の場合は、静置した井戸水のすぐ上で油臭や油膜による生活環境保全上の支障がないようにすると。水域の水も、これもじゃぶじゃぶ池のように人が入っていくということを想定する池というのもあるわけでありますけれども、工場・事業所の中の池のように、大人が立った状態で油臭や油膜による支障がなければいいというようなところもあろうかと思います。そのような仕分けをして対策目標を設定するのだということでございます。この対策目標というのも、6ページ、7ページをごらんいただきます。図3-1でございますけれども、対策方針は大人が立った状態で油臭や油膜による支障がないようにするということであれば、対策目標としては地表への油臭を遮断する、油膜を遮蔽する、あるいは油含有土壌の浄化をする、そういうのが対策目標になろうかと。寝そべった状態の場合もやはり同じようなこういう目標があろうかと。井戸水等の場合もそれぞれ拡散防止、それから浄化、こういうのがあろうかと、このようなことで目標の設定の例を書いてございます。
目標を設定する際に何を考えるかということでございまして、これは5ページの留意事項でございます。5ページの下の方の3番。対策目標の基本は、地上の油汚染問題に対しては地表への油臭遮断とか油膜の遮蔽、井戸水等の油汚染問題に対しては井戸水等への油分の拡散防止と。しかし、土地の利用方法等を勘案した場合には、若干異なってくることもありましょうと。
(2)ですが、対策工事の受注者と対策目標の設定について意見交換をすると。そういう際には、現在の及び将来予定している土地の利用方法、対策工事後の地表面の高さの制約、対策後の土地の管理方法などの情報を示すということが、検討を円滑に進める上でも、また対策目標を土地の所有者等の意図する土地利用に適したものとする上でも重要ですということを書いてございます。
6ページですが、対策目標を設定する際の制約条件は何かと。まず大きいのは地形・地質の状況でございます。地形的な傾斜、地盤の固さ、そんなものがあると。地形・地質の状況は、対策方法とか、費用とか、期間に大きく影響を及ぼすと、こういうことになりますし、対策実施時の土地利用の状況でありますが、工事を実施するときに地上の建物・構造物がある、あるいは地中の構造物がある、それらの存在が対策工事の規模を大きくするという可能性がある、対策工事に伴う操業停止をする必要がある、こんなことが対策方法とか、対策費用とか、対策期間に影響を及ぼす因子である。そんなこともありまして、前のページに書いてございましたように、ちゃんと自分の希望を言うというのが発注者には求められるということでございます。
7ページに参りまして「対策方法の選定」として、その目標を達成するために、いろんな対策技術がありますが、その中でどれを選ぶのが効果的であり、経済的に合理性が高いかということを考えて選定をするということで、どういうふうなことを検討すればよいかという事項を並べてございます。
それから、対策調査の実施というのが8ページにございます。状況把握調査であらましがわかっていても、例えば9ページに絵がございまして、図5-1の右上の方の絵、これは何を書いたものかと申しますと、状況把握調査時に対策検討範囲というのを設定しているはずなんでありますが、その中でさらに調査をもう少し詳細にやれば、例えば浄化をしなければならない土地の範囲というのを絞り込むことができる。そうすればより経済性が高い合理的な対策になるのではないかというようなことがあります。あるいは状況把握調査でちょっと不足しているなと気がついたというような場合には、対策調査を実施してそれらのことによって対策範囲を確定していくというステップがこれになろうかと思います。
それを致しましたならば、10ページに参りまして、対策計画を作成をする。これは、受注者が作成することになりますので、受注者と協議をするに際して、こんなこと書いてねという、そういう事項を並べております。
11ページに参りまして、「対策の実施と対策工事完了確認」、対策工事の完了確認の方法は、これは第一編でもお話し申しましたけれども、油臭や油膜というのがもともとのこのガイドラインの対象であります。従いまして、対策の完了確認も2番の方法と考え方の1)でありますが、発注した対策工事が行われていることを外形的に確認することとあわせて、油臭や油膜による不快感や違和感がなくなっていることをまず感覚的に把握して確認をして、よし、これならいいだろうというようなことで完了するというのを書いてございます。
対策の記録については、それを作成して保存をするということで、どのようなことを記録して保存しておかなければならないかというのを、12ページに項目として書いてございます。
次は専門編なのでありますが、専門編は今まで申しましたようなことを専門業者向けに作った、いわばマニュアル的な内容になってございます。御説明は省略をさせていただきたいと思っているのですが、専門編調査が22ページまでありまして、その後ろの方に資料がついてございます。資料1が表層部の土壌試料の採取方法、資料2が井戸水等の試料の採取方法、こういうふうにつながっておりまして、資料3がGC-FID法によるTPH試験法。これは基礎編についておりましたものを専門事業者向けに詳しく、試験操作とか、あるいはどんな試験器具を使うのかといったようなことを詳しく述べたものでありまして、定量方法とかいろいろ書いてございます。これが資料3でありまして、資料4というのがその後にあります。これは油臭・油膜の測定方法ということで、感覚による油臭の有無の判定、あるいは目視による油膜の有無の判定、これを補足する手段として、かようなものもあるんじゃないかというようなことでございます。資料5が深層部の土壌試料の採取方法ということでありまして、その次がTPH試験法の概要、これは先ほど基礎編の方で御説明をしましたが、いろんな方法があります。
その後に対策編でございます。対策編も専門編の対策は専門事業者向けにということでつくったものなんでございますけれど、基礎編と大きく違うのは、それぞれの対策方法について、それがどのような対策方法であるかというようなことについてわかるように書いてあると。あるいはそれぞれの限界がどこになるのかというようなことについてもわかる範囲で書いてあると。12ページぐらいからそれが始まりまして、12ページ、13ページ、「盛土」から始まりまして、「舗装」それから「掘削除去」とか「原位置浄化」とか書いてございます。ただ、これらの技術というのは、もちろん日進月歩でございます。ここに書いた方法が陳腐化するということは当然考えられるわけでございまして、そこで専門対策編の1ページでありますが、専門対策編の1ページの一番下のところに「本ガイドラインを適用する上での留意事項」として、本章に記述している内容というのは、油汚染問題を解消するための対策に参考となる手順あるいは考え方を示しておりますと。関係者間で協議して定める独自の手順に従って対策を実施することを制約しようとするものではありませんし、また、本章に取り上げていない新たな対策技術手法であって、油汚染問題を解消できるものの適用を制約しようとするものでもないということを注釈しております。どんな対策があるかの一覧表は、専門編対策の14ページにツリー図をつくりまして、地表への油臭の遮断とか、油膜の遮蔽であれば盛土とか舗装とかシート被覆等がありますよと。油含有土壌の浄化につきましては、掘削除去と原位置浄化があって、それぞれこんな方法がありますよというようなことを書いております。専門編対策が30ページまでありまして、その後に資料7として、対策技術につきまして、資料に委ねて絵とか写真とかをくっつけて、例えば資料7の3ページには舗装の施工状況の写真がございます。その次の7の5ページにも、遮水壁の打設状況の写真がございます。これまた白黒だと非常にわかりにくいということで、実際にでき上がりのガイドラインになるときには、こういうのもカラーにしたいなというふうに考えております。それぞれの技術につきましては、こういうふうに図をもちまして、あるいは表をもちましてわかりやすくまとめていこうという意図でつくってございます。
以上でございます。

(森田委員長)
今、油汚染対策ガイドライン(案)について、御紹介いただきました。随分と精緻にまとめられつつあるなとの感じがいたします。
それでは、ただいまの事務局からの御説明を踏まえまして、このガイドライン(案)についての御議論いただきたいと思います。本日の専門委員会で御議論いただくガイドライン(案)というのは、本専門委員会の報告書(案)として、この後パブリックコメントにかけるものとなります。これから御議論をしていただくに当たりまして、進め方としては、まず全体の構成について御議論をいただいた後、資料3の本体である第一編、続いて技術資料である第二編について第一部の基礎編、第二部の専門編の順に御議論をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、まず全体の構成につきまして御意見、御質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

(眞柄臨時委員)
 全体の構成についてでありますが、先回までの回で、私を含めて他の委員の方からも御指摘があった内容について、十分配慮をしていただきました。さらに第二編の技術的な資料について、これも基礎編と専門編という形で整理をしていただきましたので、こういう事象に直面されるようなお立場の方にとっては有益なものになっていくだろうと思います。

(森田委員長)
 ほかに先生方、御意見ございませんでしょうか。

(なし)

(森田委員長)
 それでは、この構成でよろしいということで進めさせていただいてよろしいでしょうか。

(了承)

(森田委員長)
 ありがとうございます。
 それでは、次に参りたいと思います。まず「このガイドラインをお読みになる方に」というところが最初のところに出てきます。このあたりはいかがでしょうか。大分易しい言葉に書き換えられているので、非常に読みやすくなっているかもしれませんですね。

(眞柄臨時委員)
 苦言を呈するわけではないですけれども、ヒントというところはくだけすぎている。油を取り扱っている人イコール油のことを何でも良く知っている人」のところなど、言葉の使い方をせっかくわかり易く書いていただいたので、もうちょっと工夫していただきたい。まさにこれはエディティングの問題ですが、最初の「お読みになる方に」とか、あるいは第一編のところあたりは、できるだけ専門用語でないように、あるいは、日常的に使われる言葉を使うよう、事務局でもう少し工夫をしてください。

(森田委員長)
 ありがとうございます。結構大事な御指摘ですね。ヒントというとちょっと軽過ぎますかね。
 ほかにいかがでしょうか。

(なし)

(森田委員長)
 それでは、「このガイドラインをお読みになる方に」のところで、眞柄先生から貴重な御意見をいただきましたので、少し言葉に留意していただくということにしたいと思います。
それでは、その次に行きたいと思います。次は第一編です。第一編は「鉱油類を含む土壌に起因する油臭・油膜問題への土地所有者等による対応の考え方」ということでありますが、この第一編につきまして御意見をいただきたいと思います。お願いします。

(三木専門委員)
 1ページの箱書きの4.の中に、本ガイドラインをそのまま用いることは適当でない事例が挙げてあります。前回の議論の中で、議事録にもありますけれども、工場・事業所の敷地から、過去にその敷地の外に流れ出しているものは、このガイドラインでは対象としないということがありましたけれども、本日、この内容を見させていただくと、過去に流れ出したものは、今はだれか土地所有者がいるわけですね。そして、その人がとる対応にも使えるように思います。ですから、前回のそれは対象外だといったことはここにも書かれてないので、読み方によっては過去に流れ出したものへの対応にも使えると読めますし、それでもいいのかなと思うのです。ただし、そのとき一番大事になるのが、土壌汚染対策法のような原因者の遡及とか、原因者負担とか、そういった費用の負担の問題が一切触れられてないし、規制というか法律もないので、ちょっと微妙ですけれども、ともかく、まず1点は、過去に流れ出したものの取り扱いは含めるのか含めないのかというのは、もう一度議論しておいた方がいいのではないかと思います。

(鏑木土壌環境課長)
そこについての考え方でございますけれども、今の御指摘いただいた1ページの四角の外の1の(1)に、油汚染問題の定義をしております。「鉱油類を含む土壌に起因して、その土壌が存在する土地において、その土地またはその周辺の土地を使用しているまたは使用しようとする方に油臭や油膜による生活環境保全上の支障を生じさせていること」で、これは今の御指摘に則して考えてみますと、6ページの絵で申しますと、6ページの絵の(b)というものですが、「周辺の土地」と書いているところ、左側のタンクから漏れた油が、地下水の上に乗っかって隣の民家の井戸の水に油臭や油膜を生じさせたと、こういう絵を書いてございます。この場合、周辺の土地の所有者がどういうふうに考えればよいかというようなことを、どうするかということだと思いますが、このガイドラインでは、油汚染問題が生じている場所としてこの隣の民家の井戸がある場所、これはとらえるということになりますので、従いまして、図6のフローで言いますと、実際隣から流れてきた、あるいは自分の土地で漏れた、その原因がどっちで発生したのかは別といたしまして、現にその場所に油含有土壌があって、それによって地表あるいは井戸水等に油臭・油膜があれば、それはその土地の所有者等としてどう考えればよいかということで、図6のフローの「契機」の二重で囲った、ここになるという考え方で書いてございます。従いまして、自動的に、となるんですが、土地の所有者等としてこれを活用していただければいいというふうに考えています。

(三木専門委員)
 タイトルもそうなんですが、「所有者等」の「等」の説明がどこにもないんですけれども、これは自治体などを考えておられるのでしょうか。

(鏑木土壌環境課長)
 失礼しました。これはすみません、書き漏らしてしまいました。土壌汚染対策法では土地所有者等というのは、所有者・管理者・占有者ということで、法律の中に定義があったりするものですから、ついつい書き漏らしました、すみません。これはおっしゃるように、この中で書くべきだろうと思います。土地を所有している人、それから占有している人、管理している人、つまりは土地をいろいろ調査するのにはいじくらなければなりませんし、対策をするということについても自分で意思決定をできる権原がないといけません。そのような人を土地所有者等としております。

(三木専門委員)
 土壌汚染対策法と同じ意味なのですね。

(鏑木土壌環境課長)
 そうでございます。土壌汚染対策法と同じように使っています。

(細見臨時委員)
 余り議論してこなかったかもしれませんが、対策の記録などを作成して保存するといったときに、ほかのところでも何年とか保存期間を設定しますが、この場合保存ををどこまで義務づける、あるいは望ましいと考えているのか。これはこのままの書き方だと永久という意味でしょうか。

(鏑木土壌環境課長)
 永久に保存しなければならないというようなことではなくて、これ、もともとこの土地所有者等が自分で保存をするということにメリットがあるんですよと、意味があるんですと。例えば、調査の結果を保存しておくことについては、土地を将来改変しましょうというときに、さてそこに何があったっけということがわかるようになっていないと、後でまたトラブルかもしれないから、自らそういうようなものは持っていた方が得ですよ、合理的ですよということで、そういうことを書いてございます。
そこで、例えば基礎編調査の14ページと、一番最後のところなんでありますけれども、非常に簡単な言い方ですが「状況に応じて保存期間を設定する」と。つまり自分で土地利用方法が、これは変わらず工場・事業所としてずっと使っていくのですという場合と、これを売却しますというような場合とでまた異なってくるとか、そんなことがありますので、やはり土地所有者等が自ら考えて設定するのがいいだろうという考えでございます。

(三木専門委員)
 9ページの「本ガイドラインのねらい」の[2]に、ガイドラインで考えている対策の基本的な考え方が書いてあります。つまり、汚染土壌の存在自体ではなくて、それによる油臭とか油膜等の生活環境保全上の支障の除去をねらいにしているという一番大事なことがここに書かれてあるのですけれども、できたら12ページ等の箱の中か、12ページの箱の中ですと5.がそれに該当するところですけれども、そのようなところにも、ちょっと強調して書いていただけるとありがたいかなと思います。
 あと、浄化という言葉が後ろで出てくるのですけれども、浄化の目的も、油臭などの除去を目的としたものですね。浄化というと完全にきれいにならないといけないというイメージがありますけど、油臭とか油膜等の生活環境保全上の支障の除去をねらいとする場合は対策目標も変わってくるのではないかと思います。原則論は何度も書いていただければと思うんですね。あちこちに関連していきますので。

(鏑木土壌環境課長)
 12ページの四角の中で言いますと、実は、この、1.の[1]番、対応の考え方の1.の[1]がそのつもりでございました。油汚染問題に対する対応の基本は、地表や井戸水等の油臭や油膜という、人が感覚的に把握できる不快感や違和感が感じられなくなるようにすることなのですということを、まずそこに書いてますのは、御指摘のとおり非常に大事なことであるということで、そういうことでありました。
 ほかの場面でもそのようなことを割と書き入れたつもりではあったのですが、確かに各論である対策とかのところで「浄化」とかという言葉が出てくる。そういう浄化という言葉が一体何を目的としてやるものなのかという、各論の本当に現場で行うところについてももう一遍見直して、必要なところがあれば入れておくようにしたいと思いますが、対応の考え方の1.の[1]はそのつもりで書きました、12ページのですね。

(中杉臨時委員)
 今のお話にちょっと関連するのだと思うんですが、1つ気になるのでコメントします。多分このままでいいんだろうと思うんですけれども、1つ重要な視点は、「浄化をしますよといったときに、油汚染問題が対策をやったらすべて片づくという話では必ずしもないですよ、すぐにその場でですね。将来的などこかの時点では必ず片づく問題だけれども、例えば周辺の井戸水に流れていっている地下水の臭いがなくなるとか、油膜がなくなるというのは、今回のガイドラインにある敷地の中での対応をやったからすぐに反応してきれいになるというものではない、そこは考えていないということ。」非常に重要なポイントなんですが、ここまで書き込むのは適切ではないと思いますけれども、そこら辺を十分踏まえておく必要がある。そこの辺と誤解されると非常に困るなというふうに私は思いますけれども。

(森田委員長)
 何かちょっと難しいことを言われているような感じはするのですが、全体表現としてはどうでしょうか。個別にそういうことはというか、いろんな局面であるのかもしれませんけれども。
今、中杉先生がおっしゃっていることは具体的にどういうふうにしたらよろしいですか。

(中杉臨時委員)
 それは書き込む必要ないと申し上げました。認識としてそういう認識をしておかないとならないということです。これ書き込んでしまうと、また少し、じゃあどうなんだというような、前回の議論になりました、このガイドラインがどの範囲を議論をしているのかという位置づけの話になってくる、そこのところをもし書くんだとしたら全体のところで最初に「このガイドラインをお読みになる方に」というところに、書き込むんだろうと思うんですけれども、それは必ず書き込む方がいいのかどうかというのは、私も判断はしかねます。

(森田委員長)
 わかりました。

(三木専門委員)
 繰り返しになりますが、12ページの箱の中の1.は、対策目標が書いてあるのですね。対策目標があって手段は4.5.に書いてある。それで、その手段としては、存在そのものを浄化したり、除去したりすることだけではないということを、間違いなく伝わるようにしてほしいということです。あちこちにそういうことを、対策のところにも散りばめてほしいと。今、中杉先生が言われたことも、問題そのものがなくなるわけではないということもそれに若干関連すると思うのですね。そういうスタンスに立っているということを強調していただきたい。

(鏑木土壌環境課長)
 今回のこのガイドラインでは、油含有土壌が残っていてもそれが何も支障を生じさせなければよいということでありますが、さて、14ページの4.の(1)の[3]にございますが、宅地として土地を利用するということにした場合に、将来土地の持ち主となる人に、一般の住民の皆さんに追加的な対策が必要になったらそのときに対応すればいいでしょうといっても、それは無理があるということで、そのような戸建ての住宅の用地として油汚染問題がある土地を売却するようなことを予定しているような場合、それは、売却後に掘削のような形質変更が行われても油臭や油膜が問題とならないように油含有土壌を掘削して除去したり浄化したりすることが対策目標として設定されることが考えられるというようなことにしています。だから、一般の事務所とか駐車場用地、その下の[4]なんですが、こういうところであればもちろんもう舗装しちゃっていますから、別に感じることもないでしょうということで、それはそれでいいんですが、土地の用途によっては非常にセンシティブな場合には、それは除去した方がよござんすというようなことも対策の内容としては入ってまいりますので、そういった意味でいかなる場合にも何もとらなくていいですよと言っているわけでもないんですね。そのような土地の利用方法に応じて必要な対策をすればいい、その目標は油臭や油膜が感じられなくなるようにすればよいというような趣旨を、今、先ほどの12ページの4番のところでは「油汚染問題に対する対策は、その問題の状況や、現在の及び予定されている土地利用の目的や方法によって適切に選択することが必要である」と言って、ある意味冷たくぽんと2行だけ書いてあるということなので、ここのところでもう少し、先ほどの14ページのこのような趣旨を入れる工夫を考えてみたいと思います。

(森田委員長)
 それでは、きょういろんな意見をいただきましたけれども、本質的には大体この辺でよろしいと思われます。あとは若干表現ぶりを少し変えるのかということでございますので、それにつきましては事務局で再度詰めていただきたいということにしたいと思います。
 それでは、引き続きまして、第一編が終わりましたので第二編の方に入りますが、第二編の第一部、基礎編に入りたいと思います。これは技術的資料の方に入ってまいりますけれども、第一部基礎編について、御意見いただきたいと思います。

(櫻井委員)
 基礎編調査の10ページ、11ページあたり、地下水の流向の話なんですが、これは専門家でないとわからないことだろうと思うんですけれども、要するに敷地の範囲が余り広くないときに、地下水の流向がその程度の精度でわかるものなのか、私は疑問なので、その敷地の範囲内だけでそれを把握できない場合、どこか外の必要な箇所、専門家ならば適切なところを選んでそれを調べるというようなこともあり得るのかどうか。

(鏑木土壌環境課長)
 確かに、厳密にそれを把握しようとすると難しい点はあろうかと思います。ただ、これも一般的にはどうかというと、10ページの一番上にございます調査地の地形あるいは水文地質の資料、地下水流動について過去に調べた記録のような資料等調査で、ある程度わかるところもあろうかなと思います。どういう人にも必ずわかるというような話でもないし、やっぱり専門家に御相談いただくというのがいいのかなと思っていまして、それでちょっとおせっかいかもしれないんですが、11ページの3.の調査結果の評価の上に、調査を、結果の評価とあわせて専門の業者さんに委託する方法もあるよというようなことを入れております。

(櫻井委員)
 結構、これは周辺に影響を及ぼす可能性があるかどうかという判定の基礎になるので、場合によってはそれが不確実なままになるというような点が留意事項としてどこかに書き込むか書き込まないかというようなことを実は考えていたんですけれども、よくわかりませんけれどもね。

(中杉臨時委員)
 多分、今櫻井先生御指摘の問題で見つからないということ当然ある、小さな範囲で変わるということもありますから、そういう意味で判定できないとなれば、そのときは、例えば敷地境界の四隅でやるとか、そんなことも考えていかざるを得ないんだろうと思っています。対応でここにそこまで書き込むのかどうかということですけれども、実際にはぽつぽつと何点かやって全部が見つかるとも必ずしも思えないので、ある程度の合理的な範囲でやっていただいて判断していくしかないんだろうというふうに思います。

(鈴木専門委員)
 細かいことなのかもしれないんですが、調査編調査の3ページの(2)に「試料の分析方法」と書いてあって、FID法によるTPH試験で得られる組成推定を行うと書いてあるんですけれども、資料Bを見ますと、FID法の中に試料の小さいものはパージ&トラップを使ってもいいと書いてあるんですが、パージ&トラップを使う方法がTPH試験の方法の中に含まれるものなのか、一緒に使っていいものなのかどうか、ちょっとその位置づけが明確でないような気が僕には読めたんですけれども。パージ&トラップを使うということは、クロマトも少しは変わってきます。感度は全然違うので、もちろんここで検出されるかどうかを確認するために使うものでないという趣旨ははっきりしていると思いますが、そのあたりのかなり異質な試験かなと。何となくよくわからず流れで書いてあるような気がするので、その位置づけはもう少し明確な方がいいかなと思います。

(鏑木土壌環境課長)
 すみません。今、答えられる資料がないので。パージ&トラップガスクロマトグラフについての書き方でございますよね、資料Bの。

(鈴木専門委員)
 資料B-1に書いてある、下の方に3行ぐらい書いてありますけれども、これをどういうふうに使うのかについては、方法の説明の中にはこの方法は具体的に示されてはいない。引用は示されているのですが、他の方法とかなり違う方法のような気もするので、どういうふうに位置づけるのかと思いまして質問しました。

(鏑木土壌環境課長)
 なるほど。このなお書きのところにありますパージ&トラップガスクロマトグラフ法というのが出てこないと、後のところには。

(鈴木専門委員)
 EPAMethodは引用してありますので、それはわかるんですけれども。

(太田土壌環境課課長補佐)
 ここのところは、まず基本的な溶媒抽出のGC-FID法について書かせていただいて、なお書きということでEPAでも一部こういう低沸点の炭化水素類についてパージ&トラップ法も使えるようパージ&トラップ法も紹介しています。ということもTPHの測定法のところに書いてあるということもございますので、これも場合によっては使うことができるということで加えました。詳細につきましては、そこに簡単にパージ&トラップガスクロマトグラフ法の詳細につきましては、括弧でEPA Methodの番号を引用させていただき、それを参照していただくことということで、ここの場は簡単に書かせていただいております。

(鈴木専門委員)
 試料の分析方法というところで、パージ&トラップを並べて使ってもいいと、そういう意味なんですね。

(中杉臨時委員)
 ここの方法は、かなり広い範囲を扱っている。要するに、臭いとか油膜と対応関係がとれればいいではないかという感覚でやっているので、臭いの場合にはパージ&トラップで測ったものと悪臭の有無とか、実際に現地でやってみたときにある関係が出て、きれいに、ここから下であれば臭いがないということが明確になれば、それを使ってもよろしいですと。ただ、それが使えるかどうかというのは、そういうことを確かめなさいという、確認をしないと、全部重量法も含めて確認をして、使えることが確認できなきゃ使っちゃいけませんよという形になっているんで、そういう意味ではかなり幅広く拾っているということですね。

(太田土壌環境課課長補佐)
 TPHの試験法につきましてはかなりいろいろな方法を使えるという形でここでは紹介させていただいてます。ただし、先ほど中杉委員の方もおっしゃられたように、各試験法を使用するに当たっては十分その方法が目的に応じて適用できるかどうかということを吟味した上で使っていただく必要があるかと思っています。

(細見臨時委員)
 私の理解では、臭いという観点からすると、Cから順に軽いものが非常に敏感に効いてきて、それをもしとり逃したりする分析法を採用すると、臭いと実際のTPHの関係を見たときに多少逃す危険性があるのかなと思っています。TPHで例えばC12以上のところを主に測ってしまうと、軽い成分の臭い、非常に敏感なところをもし見逃してしまうと関係図が書きにくいので、マニュアルでは広くとられたのかと思うんですけれど。

(森田委員長)
 まず、TPHとしての概念としては、とりあえずCからC44ぐらいを拾えるようにしてありますと。それについては、例えば工尺法で測定するというのも1つでありますし、それからGCを使うということもある。GCを使うメリットというのは、1つは油の、もともとどういう油だったのかという情報が手に入るので、対策面でも非常に重要だということでいいということ。しかし一方でGCというのは分離分析ですので、測定できる範囲が若干狭まってしまう危険性があります。
そういう意味では、メジャーな方法というのはGC-FID法で広くとるんですが、汚染の大体の状態がわかってくれば、パージ&トラップ法みたいな方法でやるというのもかなり有力な方法になってきます。パージ&トラップ法はどちらかというとある程度絞られてきたときに使う方法かもしれないと、そういう位置づけになります。

(鈴木専門委員)
 ここに書いてあるように、感度が多分、範囲が違う。あとは違わないかもしれないけれども……。

(森田委員長)
 相当違います。

(鈴木専門委員)
 違うものが見れるように、結果が見れる可能性があるかなと思ったので。

(森田委員長)
 そうですね。TPHがある種の指標として、この濃度以上であれば何とかしなさいとか、そういう意味ではないので、目的に応じて一番いい方法を使ってくださいと、そういう構図にはなっている。
ちなみにアメリカなんかは、ここで議論している生活への影響というより、むしろ健康への影響みたいなところで土壌の油汚染がとらえられてきたようなのが歴史的に相当あります。そこでは例えばベンゼンなどが非常に強いターゲットになってきたということもあって、パージ&トラップというのは実は非常に主要な方法として使われているということがあります。今回は、そういったベンゼンにつきましては別のレギュレーション、枠組みの中に入ってきますので、それが主役にはなってきてはいないという、そういう構造になっています。よろしいでしょうか。
 ほかにいかがでしょうか。

(平田専門委員)
 土地利用と対策のところでは若干変えていきましょうというのですが、遮断と浄化には明確に差があるんですが、全体的にはそれほど大きな差はないという、そういう理解でよろしいんですか。人が立ったときと寝そべったときというのは、専門的なところでは、応用編でしたか、そこには具体な技術は幾つか挙がっておりますけれども、浄化なんかになりますともう区別がなくなっちゃいますよね。浄化というのは油臭・油膜がなくなるということなんでしょうけれど。

(鏑木土壌環境課長)
 浄化方法、原位置浄化なんかの場合には、例えばバイオレメディエーションみたいのが典型的だと思いますけど、時間の制約というようなことが効いてくると思うんです。さまざまな現場の状況に応じた、広さとか、水にも油臭・油膜があるとかないとか、そういういろんな制約条件に応じて対策方法を合理的に選択するというのが第一だろうと。その合理的な選択方法というのはいかなるものであるかというキーワードみたいなのは、この基礎編の対策とか、専門編の対策にも入れるような工夫はしたのですけれど、必ずしも全てを書き下すのは難しいと思いまして、各々の対策方法のあらましと利害・特質を記述するのにとどめています。
 やっぱり各々の現場に応じてどのような現象が起きていたらどのような対策が望ましいのでありましょうかというのは、結構膨大なデータがないと、処方せんとして書くのは難しいと思っていまして、これから先やることなんですけれど、ちょっと宣伝をいたしますと、来年度の予算案の中にこのガイドラインのフォローアップの調査をしていくという予算をとりまして、実際、このガイドラインが決まったといたしますと、それが現場でどのように適用されて改善すべきポイントがあるかどうかということについても、2年間かけて実際の適用の状況を調べたり、改善するポイントが必要であるかどうかということを検討したりというようなことをし続けていきたいというふうに思っています。
現時点では余り処方せん的には見えないかもしれませんが、利害・特質を書く、そういうようなことで制約状況に応じたものが選び易くする、そういうところにとどまっています。

(森田委員長)
 この基礎編は非常にコンパクトにまとまっているなという感じがいたしますが、引き続きまして第二部の専門編の方をまた御議論いただきます。ごらんいただいて御議論いただきたいと思います。

(櫻井委員)
 小さなことしか気がつかないんですけれど、資料4の1枚目に表1というのがあって、その上に2つパラグラフがあるのが、まったく同じことが書いてあります。これらのうちの片方消してください。まったくつまらないことしか気がつかないのですが、全体として非常にすばらしくよくできたガイドラインになっていると思っております。
次のページ、油膜の判定というところの最初のパラグラフのところで「また、同操作の結果、液面に黒色または白色の油膜に浮遊」といった記述がありますが、ちょっとわかりにくいですね。その前のところで「油膜が生じたものと判定する。また、同操作の結果、液面に黒色または白色の油膜に」や「光の干渉による干渉縞の形成または鈍い銀白色」という記述があるので「油膜の浮遊」ですか。

(鏑木土壌環境課長)
 御指摘のところ、確かに。ちょっと確認いたしまして、正しく直します。

(中杉臨時委員)
 資料7のところで対策についていろいろ書かれているんですけれども、1つだけ、封じ込めるというのは遮水壁等の対策のところですね。その前の舗装のところの表2-1、耐用年数何年と書いてありますよね。この概念は対策全体の中で必要なんですよね。浄化をしてしまうと、そこでその後はもうメンテナンスは要らない話に基本的にはなってくると。ところが封じ込めるという対策をやると、先がどうなるかわからないから十分経験がないのでわからないんですが、将来的に例えば遮水壁をつくったのを遮水壁を補修をしなければいけないかもしれないという可能性はまったくないとは言えないというところをどういうふうに理解をしてもらうかというのは、ちょっと必要な感じがするんですね。特に遮水壁をつくって上を封じ込めるという形になると、多分そこの土壌の中は嫌気的な状態になって、最初は好気的でも分解が進んでいけば嫌気的になって、そうなると油というのは非常に分解がおそくなってしまうという経緯があるので、そこら辺をどういうふうに書くかですね。そこまでは考えないんだよというのが一般的な概念だと思うんですけど、将来的なことを考えていくとそういうふうなこともどうしても1つの選択肢、要素にはなる。それをどのくらい重みを持って考えるかというのは、これは難しい話で、今はそこまで考えないんだよという話は1つの整理だと思いますけれど、そういうふうなことをどこかに書き込んだ方がいいのか、いけないのか、これも私は判断しかねますけれど、そういうふうな視点も、ちょっと私には気になっているところであります。

(眞柄臨時委員)
 中杉委員、どこを。

(中杉臨時委員)
対策案をいろいろ書いていく中で浄化をしていくという話と、踏み込んでいったときに遮水壁というのは通常考えている次元の外の話になってしまうので、どこまで書き込むのかというのを私も悩んでいるというところなんです。

(眞柄臨時委員)
 資料7-5の絵の上の2行に「遮水壁からの油の漏出の有無を確認するために、対策を行った場合の周縁及び地下水の下流側に観測井を向け、地下水中の油分濃度を測定する」と書いてある、この測定するというのを継続的にするとか何とかというふうに書いてもらえれば、今の中杉先生の言われたことが入ってくる。

(中杉臨時委員)
 測定して問題が起これば対応するんだよという、そういう話ですね。だから、そういうことをあえて言わなくて、眞柄先生が今うまい具合に言っていただいたんですけれど、そういうふうなことを経て、当然問題が起こればそういうことがあり得ますよという話。ちょっとそこら辺を、これもいつまでやるかということを書きにくいんですけどね。だからそういう意味でなかなか難しいんだけれども、最初に土地所有者等の方が判断するときに、やはりそういう問題が裏にあるよということ、それをどのくらい重みで考えられるかというのは、今は残念ながら情報を提供できないんですけれども、ちょっと指摘をしておく方が親切ではないかなという感じなんです。

(鏑木土壌環境課長)
 その点は基礎編対策の11ページなんですが、VIIの「対策の実施と対策工事完了確認」の2番の方法と考え方でありますが、ここに完了確認の内容やモニタリングの記録は残して保存しますというのもあります。それに加えて留意事項なんですが、舗装等による地表の油臭の遮断や、油分の拡散防止対策を行った場合は、対策の方法によっては対策効果の持続性が低下する場合があるので、その場合は必要に応じてモニタリングを実施する、その方法は専門家に相談ということで、専門家に委ねちゃってますので、こういうことで。

(中杉臨時委員)
 わかりました。これを見落としました。

(細見臨時委員)
 思ったんですが、私が土地所有者でこのガイドラインを読んだとき、じゃあはたと、「専門家」というのはどこにいてどういうふうにアプローチすればいいかとかということは、どこかに示しておく必要はないのでしょうか。土壌汚染対策法だと指定調査機関とかありますけれども、このガイドラインで専門家といった場合、これは自動的にわかるものでしょうか。

(鏑木土壌環境課長)
 これは土壌汚染対策法そのものの世界ではないのでありますけれども、多分、土壌汚染対策法で指定支援機関というのがございます。法律の仕組みです。その指定支援機関とかにお問い合わせいただくということもあるかなと思います、もしわからなければ。ただ、現実問題として、多分土地所有者等の皆さんは、何か必要性があって調査しようとか、対策をしようとか思ったときには、都道府県にどういう人がいますかと相談をするとか、問い合わせるというようなことが結構あるんじゃないかと思います。そこで何かここにこういう業者さんがいますよとかということが答えとして返ってきて、こういう人たちがいますよという情報をもとに探すというようなこともあり得るなと思います。
 ただ、これがまたいろいろ難しい、どういう人でもいいのかというのがあるものですから、多分、これまた想像ですが、私どものホームページを見ていただくと、私どものホームページの中に指定調査機関の一覧とか、それからいろんな、この場もそうでありますけれど、中央環境審議会の土壌農薬部会の専門委員会の専門委員のメンバーの先生方の名前が載っかっていまして、こういう専門家が、ということで御迷惑をおかけするようなこともあるかもしれないなと思いつつ、そんなことでお問い合わせが行くかもしれませんと思っております。

(眞柄臨時委員)
 少し専門的なことになるのかもしれませんが、化学的酸化分解法が書かれていて、留意事項が書かれているんですが、化学的酸化分解法で、例えば過マンガン酸カリウムを使ったり、あるいは過塩素酸を使ったときに、それが絶対環境中に残留しないという保証はあるんですか。
例えば、マンガンで言えばマンガンの基準はかなり厳しいですよね。そこまで絶対残留しないという保証があるのか。そういう意味でバイオレメディエーションは栄養塩を使うぐらいですから特に問題はないと思います。今の段階で化学的酸化分解法をここに組み入れるだけの確信があるのかどうかというのは、ちょっと僕は心配なんで少しその辺の見解をお伺いしたいと思います。

(森田委員長)
 先生方から御意見いただいて、余り直接書き込むのが難しければ避けておいた方がいいかもしれません。

(中杉臨時委員)
 過酸化水素の場合は、恐らくほとんど問題ないと思います。過マンガン酸カリウムの場合は、逆に言えば、実際に扱いを間違うと問題を起こしてしまったという事例があります。たまたまパイプが通っていて、そこに流れ込んでしまったためにどっと周辺へむき出してという事例もあります。だからそういう意味では絶対安全なのかという、そこまでの保証はないし、どうでしょうかね。恐らくは有機物が多い段階であれば、後へ流れていけば還元された形で不溶性の形になるだろうというふうに想像はしていますけれども、じゃあ本当にそうなるかという実証はまだ十分ではないかもしれません。そういう意味では、過マンガン酸カリウムだと書くのがいいかどうかというのは1つの問題としてありますね。
だから、逆に言えば、眞柄先生の御指摘でいえば、過酸化水素だけを入れておいて、あとそういうものについて十分留意をする必要があるという注釈を後ろの方に、最後の方に加えるというふうなことで、これも全部削除してしまうというのは少しどうかと思うのですが、いかがでしょうか。

(平田専門委員)
 これだけじゃなくて、溶剤を入れて嫌気で動かそうというような、そういうような場合もある種の金属が上がる場合があるんですね。それだからといってそれを全部やめちゃうというふうになりますと、いわゆる技術の発展ということで問題があります。酸化剤などをただ入れるという方法の場合は皆さん必ずモニタリングをやっているんですね。入れてそのままということはないと思いますので、その後のモニタリングのことを少し書いておけばと思います。

(森田委員長)
 選択肢は2つなんです。化学的酸化法としてしまうか、それとも酸化法を起こすんだけれど、とりあえず表現ぶりを変えていただいて、相当慎重に書き直すかということで、どちらがよろしいでしょうか。

(平田専門委員)
 一般的な表現にしていただいてモニタリングをするという、そういうことを入れていただければ、余り具体にずっと省いてということになりますと……。

(森田委員長)
 今、この議論は、先生方の御意見を伺っておきたいのですが、つまりそもそもこの発想はおかしいんじゃないかと、対策法としてね。それで地中にそういう有害性が十分にあり得るようなものを投入するような処理方法は、書かない方がいいという選択はあるかもしれないですね。しかしやっぱり化学的酸化法はかなり有用なので、入れておくとすれば相当丁寧に書いた方がいいということもあるかもしれません。この辺はいかがでしょうか。

(眞柄臨時委員)
技術と進歩を阻害するつもりはまったくないというのがまず一番です。
それから、ただ、過酸化水素は簡単に分解してしまうわけですが、酸化剤の中には例えばマンガンというのは地下水中に頻繁に存在するものですので、モニタリングをしたときに、そのマンガンがこれで使ったマンガンか、もともとあったマンガンかの判定が非常に難しくなってくる。しかも飲み水のことで言えば、マンガンの基準は非常に厳しいんですよね、濃度が低い。ですから、そういう意味で、この文章の中に、例えば水質基準にかけられているとか、あるいは環境基準の健康項目に書かれているような薬剤は使わない方がいいとか、それぐらいの文章はぜひ入れていただきたいと思います。

(森田委員長)
 化学的酸化分解法のタイトルは、項目としては残しておいた方がよろしいと。ただし、いかにも飲み水に悪影響を及ぼすようなものとか、そういうものは避けた方がよいというような文章にしてはどうかという御提案ですが、よろしいですか。そもそもこんなもの入れない方がいいと、それもあるかもしれない。

(中杉臨時委員)
 今の眞柄先生の御指摘でより安全という意味では、それともう1つはしつらえの話だと思うんですよね。この浄化のしつらえで、周りをちゃんと上下、遮水したものをとって封じ込めた中でそういうものを使って、あと対応するというのは1つの方法でありますので、だから、そういう意味では、そういうものは外に流れ出して周囲の地下水を汚染するようなことがない万全の措置を講ずる必要があるとかというふうな表現でいかがでしょうか。それはできるだけそういうものでない方がいいということはもちろん前提として、それはもうだめと言ってしまうと、また少しきついようなところがあるように思いますので。

(鏑木土壌環境課長)
 それでは、ここの資料7の19ページですが、確認ですけど、一番上の「過マンガン酸カリウムや」というのは、まずそれを取っちゃうということですね。「過酸化水素などの酸化剤は」というところで書き始めると。
なお書きがあって、未反応の酸化剤や残留物のことを書いてありますが、ここを充実させて、例えば「なお残留した未反応の酸化剤や生成物が飲用に供される地下水等に問題を生じることがないように十分に留意するとともに、それらの残留物を回収するために必要な揚水井やバリア井戸を設置する。」ぐらいの感じになるんですかね。じゃあそんなことで。ちょっと違いましたか。

(細見臨時委員)
 ほかにもいろいろ過硫酸ナトリウムだとか酸化剤というのは実際に使われているわけですね、ほかの土壌汚染対策に。それをこの図12-1のような形で使っていただければほぼ問題ないはずだと思うんですが、それを言い出すと、例えばバイオレメディエーションがまったく問題ないのかと細かく言い始めると、これもやはり地層中にもとの油とかの可能性もあるわけですね。それを全部ここに書き始めると、結構私の経験では、例えば油汚染土壌を分解すると何%の濃度、2、30%は揮発する可能性もあるわけですね、見方によっては。そうすると、そのガスになった分をどうしているのかというのをよく書き込まないといけないとかですね。

(森田委員長)
 今、鏑木課長がお話をされたようなあたりで、差し支えございますか。

(鏑木土壌環境課長)
 もう一遍言いますと、「なお残留した未反応の酸化剤や生成物が飲用に供される地下水等に問題を生じることがないように十分に留意するとともに、それらの残留物を回収するために必要な揚水井やバリア井戸を設置する。」

(平田専門委員)
 「過マンガン酸カリウムや」というのを除くということは、それはだめだと言っているのか、などに含まれているか。

(森田委員長)
 過マンガン酸カリウムはだめだという認識でだめですか。

(平田専門委員)
 私は、過マンガン酸カリウムを使ってもいいんじゃないかと思います。

(森田委員長)
 過マンガン酸カリウムを使ってもいいと。それは……。

(平田専門委員)
 ある種の時間の中に期間、例えば1カ月だとか、何かの期間の間に浄化をしないといけないという場合は、バイオレメディエーションでは多分できないだろうと。

(鏑木土壌環境課長)
 今、私が提案しましたようなものの中には飲用に供される地下水等に問題を生じることがないようということでした。地下水利用がない場所というのも当然あるんだと思うんです。海の埋立地で全然地下水利用がないようなところで飲用地下水を心配してやる必要がないというところもあると思うので、そういうのは状況に応じて選ぶんだろうと思うのです。状況に応じてあるのですよというのは前の方に書いてあります大原則ですから、多分、こういうふうになっておけば、専門業者さん、あるいは専門家それと発注者が相談をして最適な方法を選ぶ中で解決できるのではなかろうかと思いますけれども。

(尾川地下水・地盤環境室長)
 地下水室長でございます。私の方からですが、やはり少なくとも例示はやめていただきたいなと思っておるんですけれども。と申しますのが、水濁法で有害物質の地下浸透を事実上禁止しているわけでございまして、健康項目に挙がっているもの、あるいは要監視項目で健康項目になり得るものが、仮にそこで飲用していようが、していまいが、その規制をやっている以上、推奨するような記述というのは少なくとも避けていただきたい。
 じゃあ例示をしなかったらばどんな酸化剤でもいいのかというような話になりますので、ちょっとここはまたこちらの方でも相談させていただきたいのですが、最後の留意事項として酸化剤の選択に当たっての注意と、つまり水濁法なりで有害物質の地下浸透規制をやっているんだよというようなことは選択の際の留意事項として載せさせておきたいなと。もちろん具体に何を選択するかということは業者さんなり専門家の方が御判断いただくと思いますけれども、そのときにやはりそういう規制があるということを記述として加えさせていただきたいなと思っております。

(森田委員長)
 では、一応ここの部分は水・大気環境局の方でも少し調整をとらなきゃいけない部分があると思いますので、そこで最適化していただくということで。
 それでは、長いことどうも御議論いただき、ありがとうございました。一応、全部見ていただきまして、これからの作業ですけれども、この後、今日いただきました御議論を、少しエディティングの部分で修正を事務局にお預けしてやっていただいて、その後、パブリックコメントの方に入っていきたいと思いますが、そういう方向でよろしいでしょうか。
 それから、あと若干のエディティングのところで、少し修正につきましては座長の方でも見させていただくということでお任せいただけますでしょうか。

(了承)

(森田委員長)
 ありがとうございました。
 それでは、資料3を修正したものをもって、本委員会の報告書としてパブリックコメントにかけさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、パブリックコメントのスケジュールなどにつきまして事務局の方からお願いします。

(太田土壌環境課課長補佐)
 それでは、パブリックコメントのスケジュール等について御説明させていただきたいと思います。
本日の専門委員会でいただきました御意見を踏まえて資料3を修正し、座長先生と御相談させていただきまして、そのものをもちまして、明日1月19日から2月17日までの間、約1カ月間ございますが、パブリックコメントをとらせていただきたいというふうに考えております。これにつきましては、明日1月19日にパブリックコメントを募集する旨、プレス発表を行う予定でございます。
以上でございます。

(森田委員長)
 それでは、最後に議題2がその他とございますけれども、事務局の方から何かございますでしょうか。

(太田土壌環境課課長補佐)
 議題としては特にございません。次回の日程でございますが、次回は3月8日水曜日の10時から12時に開催する予定でございます。次回におきまして、先ほど申しましたパブリックコメントの結果を事務局の方でとりまとめ報告させていただくとともに、それの対応を含めまして本専門委員会の報告書として取りまとめていただきたく考えております。
 なお、会場につきましては、決まり次第御連絡させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

(森田委員長)
 それでは、本日、これをもちまして、第8回土壌汚染技術基準等専門委員会を閉じさせていただきたいと思います。本日はまことにありがとうございました。