中央環境審議会土壌農薬部会(第31回)議事録

日時

平成26年7月3日(木)13:30~15:52

場所

大手町ファーストスクエアカンファレンス RoomB

出席委員

部会長 中杉 修身

臨時委員 佐藤  泉

委員 相澤 好治
   白石 寛明
   浅野 直人
   染  英昭
   大塚  直
   田村 洋子
   岡田 光正
   築地 邦晃
   藤井 絢子
   根岸 寛光

臨時委員 浅見 真理
     平田 健正
     稲垣 隆司
     山本 廣基
     上路 雅子
     和気 洋子
     太田 信介

専門委員 梶原 泰裕

 (欠席は、岡崎臨時委員、小倉臨時委員、小川臨時委員、五箇臨時委員、佐藤(福)臨時委員、吉田臨時委員)

委員以外の出席者

環境省

小林水・大気環境局長、更田農薬環境管理室長、真先総務課長、森下放射線物質汚染担当参事官、柳田土壌環境課課長補佐、渡邉農薬環境管理室室長補佐、林農薬環境管理室室長補佐、大井環境保健部環境安全課課長補佐、服部環境管理技術室室長補佐

議題

  1.   (1)1,1-ジクロロエチレンの土壌環境基準の見直しに伴う土壌汚染対策法の制度・運用の対応について
  2.   (2)土壌残留に係る農薬登録保留基準のほ場試験の見直しについて
  3.   (3)バイオレメディエーション小委員会の設置について
  4.   (4)報告事項
    1.     ① 第四次環境基本計画(「包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組」部分)に係る点検報告書(案)について
    2.     ② 最近の土壌環境行政について
    3.     ③ 最近の農薬環境行政について

  (5)その他

6.配付資料

  資料1   中央環境審議会土壌農薬部会委員名簿

  資料2   土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直しその他法の運用に関し必要な事項について(第1次報告)[1,1-ジクロロエチレン]

  資料3   土壌残留に係る農薬登録保留基準のほ場試験の見直しに係る諮問書及び付議書(写)

  資料4   土壌残留に係る農薬登録保留基準のほ場試験の見直しについて(案)

  資料5   中央環境審議会土壌農薬部会の小委員会の設置について(改正案)

  資料6   環境基本計画(化学物質分野)の点検報告書(案)

  資料7   最近の土壌環境行政について

  資料8   最近の農薬環境行政について

  参考資料1 中央環境審議会関係法令等

  参考資料2 土壌の汚染に係る環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等について(諮問書及び付議書)(写)

  参考資料3 土壌の汚染に係る環境基準の見直しについて(第1次答申)

        〔1,1-ジクロロエチレン〕平成26年3月中央環境審議会

  参考資料4 パブリックコメントの結果について

  参考資料5 1,1-ジクロロエチレンに係る土壌汚染対策法に基づく調査結果等について

  参考資料6-1 土壌汚染対策法の概要

  参考資料6-2 土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)(抄)

  参考資料6-3 土壌汚染対策法施行令(平成14年政令第336号)(抄)

  参考資料6-4 土壌汚染対策法施行規則(平成14年環境省令第29号)(抄)

  参考資料6-5 土壌の汚染に係る環境基準について(平成3年環境庁告示第46号)(抄)

議事

(更田農薬環境管理室長)

 定刻となりましたので、ただいまから、第31回中央環境審議会土壌農薬部会を開催させていただきます。

 まず、土壌農薬部会所属委員の異動についてご報告いたします。

 日本経済団体連合会環境安全委員会の梶原環境リスク対策部会長は、6月19日付で臨時委員をご退任され、後任として、同じく日本経済団体連合会環境安全委員会の小川賢治廃棄物・リサイクル部会長に臨時委員として土壌農薬部会にご参画いただくことになりました。なお、梶原委員には、専門委員に就任なさいまして、本日議題となります1,1-ジクロロエチレンの土壌環境基準の見直しに伴う土壌汚染対策法の制度・運用に係る審議にご参画いただいていたことから、中央環境審議会運営規則第7条で準用する同規則第3条の規定により、本日ご出席いただいております。

 次に、本日の委員の出欠の状況を確認させていただきます。

 本日は、岡崎臨時委員、小倉臨時委員、小川臨時委員、五箇臨時委員、佐藤福男臨時委員、吉田臨時委員からご欠席との連絡をいただいております。また、太田委員のほうにおかれましても、若干遅れるという連絡をいただいておりますが、委員総数25名中、現在18名の委員にご出席いただいておりますので、中央環境審議会令第7条第3項により準用する同条第1項の規定に基づき定足数を満たしており、本部会は成立していますことをまずご報告いたします。

 では、議事に先立ちまして、小林水・大気環境局長より一言ご挨拶申し上げます。

(小林水・大気環境局長)

 環境省水・大気環境局長の小林でございます。

 本日は、大変お忙しい委員の先生方にお集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。

 土壌農薬部会の開催としましては、昨年の10月以来ということになるわけでございますが、その間もいろんな形でご指導をいただいておりますことに、改めて御礼を申し上げます。

 本日の議題でございますが、大変盛りだくさんで、長時間とさせていただいておりまして恐縮でございます。

 まず1点目は、昨年10月に、1,1-ジクロロエチレンなど6物質につきまして、土壌の汚染に係る環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等についてということで、諮問をさせていただいたところでございます。後ほどご報告もいたしますが、土壌環境基準の小委員会と、それから土壌制度専門委員会というものを設置して、この間検討をいただきまして、昨年12月に土壌環境基準小委員会で、1,1-ジクロロエチレンにつきましては環境基準の見直しに関する第1次の答申をいただいたところでございます。告示としては、本年3月20日付で告示改正をさせていただきまして、無事施行しているところでございまして、これについては、後ほどご報告を簡単にさせていただきます。

 さらに、この環境基準の見直しを踏まえまして、本年3月には、土壌制度専門委員会を開催いただきまして、1,1-ジクロロエチレンの土壌環境基準の見直しに伴う土壌汚染対策法の制度・運用の対応についてということでご審議を賜っております。パブコメも経まして、専門委員会の、これも第1次のということになりますが、報告案を取りまとめていただいております。今日の部会では、これについてご審議をいただきまして、できましたら第1次の答申としておまとめいただきたいということを考えているところでございます。

 それから、2番目に、農薬の土壌残留に係る登録保留基準につきまして、平成17年の改正の際に、食品安全委員会の評価書におきまして、土壌中の半減期を判定するためのほ場試験がございますが、これにつきまして、今後、試験結果の不偏性の向上を図る方策を検討する必要があるというようなご指摘をいただいたところであります。これにつきまして、土壌残留に係る登録保留基準のほ場試験の見直しということで、本年3月、また6月の農薬小委員会でご審議をいただきました。この結果を踏まえて部会に諮問をさせていただき、本日ご審議をいただきたいと考えているところでございます。

 それから、さらに、これは組織上の整理でございますが、合同部会の整理というようなことに伴いまして、従来、水環境・土壌農薬部会の合同部会ということで設置をさせていただいておりましたバイオレメディエーションの小委員会、これを土壌農薬部会のほうで一元的にやっていただくと、そういう移設をしたいというふうな組織上のご提案もさせていただきたいところでございまして、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 その他、この間の土壌環境行政上、また、農薬行政上の経過につきましてもご報告をし、さまざまな観点からご指摘を賜れればというふうに考えているところでございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

(更田農薬環境管理室長)

 では、議事に入ります前に、本日の配付資料についてご確認をいただきたいと思います。

 お手元に、土壌農薬部会第31回の議事次第がございます。議題が(1)~(4)までございまして、その裏に配付資料一覧を載せてございます。資料1が名簿でございます。資料2が1,1-ジクロロエチレンに係る第1次報告でございます。資料3がほ場試験見直しの諮問書・付議書。資料4がほ場試験見直しの本体資料。資料5が土壌農薬部会の小委員会の設置についての改正案でございます。資料6が環境基本計画の点検報告書(案)でございます。資料7が最近の土壌環境行政についてでございます。資料8が最近の農薬環境行政についてでございます。それから、参考資料1~参考資料6-5まで、記載のとおりの資料を配付させていただいてございます。

 もし不足等ございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。

 では、これより、中杉部会長に議事進行をよろしくお願いいたします。

(中杉部会長)

 本日は、皆様ご多用中のところをご出席いただきましてありがとうございました。

 議事を始めますに先立ちまして、本日の会議及び資料の公開と議事録の扱いについてご説明していきたいと思います。

 土壌農薬部会の運営方針では、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい影響を及ぼすおそれがある場合や、公開することにより特定の者に不当な利益、もしくは不利益をもたらすおそれがある場合などは、部会長の判断に基づき、会議及び資料を非公開とすることとされています。本日は、いずれもこれに該当しないことから、公開とします。また、今回の議事録につきましても、事務局で調整後、発言委員にご確認いただいた上で、後日公開させていただきます。

 そういうことでよろしいでしょうか。

(異議なし)

(中杉部会長)

 それでは、議題に入りたいと思います。

 最初に、議題の1は、1,1-ジクロロエチレンの土壌環境基準の見直しに伴う土壌汚染対策法の制度・運用の対応についてでございます。

 まず、その前に、土壌環境基準小委員会において1,1-ジクロロエチレンの見直しについて審議され、その結果を踏まえて、新たな土壌環境基準が告示されております。その審議結果について、事務局からご報告をお願いいたします。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 土壌環境課でございます。

 それでは、参考資料3の「土壌の汚染に係る環境基準の見直しについて(第1次答申)」をご覧になっていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

 参考資料の、開いていただきまして、3ページ目をまずご覧になっていただければと思います。「1,1-ジクロロエチレンについて」ということで、1番といたしまして、「これまでの経緯」といったものがございます。ジクロロエチレンにつきましては、平成5年に水道水質基準が設定されまして、水質環境基準が水道水質基準の検討に際し採用された考え方や数値を基本といたしまして0.02mg/Lに設定されたことを踏まえまして、平成6年に「検液1Lにつき0.02mg以下であること」とする土壌環境基準を設定したところでございます。

 その後、水質環境基準等の基準値が見直されたということでございます。まず、水道水質基準につきましては、食品安全委員会、これが評価結果を平成19年に通知したところでございまして、水道のほうの基準については、この結果も踏まえまして、平成21年4月に、1,1-ジクロロエチレンの水道水の基準を廃止いたしまして、水道水質管理目標の設定項目といたしまして、目標値を0.1mg/Lと改正したところでございます。

 それを踏まえまして、水質の環境基準や地下水の環境基準についても、この結果も踏まえまして、平成21年9月の中央環境審議会答申において、1,1-ジクロロエチレンの水質の環境基準及び地下水の環境基準を、旧の基準値であった0.02mg/Lから、現行の基準値である0.1mg/Lに見直すということが適当とされまして、平成21年11月に基準値が改正されたというところでございます。

 その次が、土壌環境基準の見直しについてということでございますが、これにつきましても、平成21年に水質の環境基準、地下水の環境基準が見直されたこと、また、既に測定方法があるということを踏まえまして、この水質の環境基準や地下水の環境基準に準拠し、基準値をこの表のとおりとするということが適当ということで、もともと「検液1Lにつき0.02mg以下であること」から、「検液1Lにつき0.1mg以下であること」ということを適当ということにいたしました。

 この結果につきましては、その後3月に答申が出たところでございまして、先ほど局長からもございましたとおり、3月20日付で環境省告示を改正したというところでございます。ですので、こちらのほうについて、そういった状況でございます。

 以上です。

(中杉部会長)

 それでは、議題1の本題に入ります。

 本件につきましては、3月28日に開催されました土壌制度専門委員会で第1次報告が取りまとめられています。

 それでは、土壌制度専門委員会の委員長の浅野委員から、専門委員会における検討状況について報告をお願いいたします。

(浅野委員)

 それでは、報告を申し上げます。

 ただいま説明がありましたように、本年3月20日に1,1-ジクロロエチレンの土壌環境基準が見直しされましたので、これを踏まえて、3月28日に土壌制度専門委員会において審議をいたしました。

 報告案では、まず、土壌汚染対策法に基づく1,1-ジクロロエチレンの土壌溶出量基準、地下水基準、第二溶出量基準を見直し、土壌ガス調査の定量下限値は引き続き同じ値を用いるということにしております。

 こういう見直しをいたしますと、土壌汚染対策法の制度の運用にもいろいろと影響があるわけでありまして、つまり、今回は基準が緩やかになるわけですから、これまでは、より厳しい基準で土壌汚染の対策が必要な要措置区域というようなことについての指定をしておりましたので、これを今後どうすればいいかという問題が出てまいります。たとえば新しい基準に適合するが、旧基準では不適合であるという場合に、それをどうすればいいかというような問題が出てまいりますので、それらの取り扱いについて慎重に検討いたしました。

 結論的には、当然のことではありますが、基準が緩やかになりましたので、それに合わせる以外にないわけですが、こういう理由で、これまで指定していた区域を指定のない区域に変更というのは、理屈から言っておかしいわけです。それで、今まで措置をしてくださいとお願いしていたことは撤回いたしますと、こういう言い方しかないわけです。新しい基準を適用するのであれば、従来の指定を撤回するという取扱いにすることといたしました。

 しかし、それだけで終わりませんで、既に措置が実施されている場合にどうなるのかという問題が出てまいります。特に、土壌汚染の場合は、指定区域であれば同じ濃度で一様に汚染されているわけではありません。一つの敷地の中でも、ここはこの程度である、ここはこの程度であるということが必ず出てくるわけです。そうすると、真ん中のところは結構濃度が高くて、新基準に照らしてもまだ指定し続けておかなくてはいけない場所ですが、周りは新しい基準だと指定を撤回しなくてはならないというような場合が出てまいります。そして、今の制度では、危ないところは囲んで外に汚染物が流出しないようにするという対策を行う場合を考えているわけですが、そこで、今までの基準で囲んでいたところでも、そのうちのある部分は、もう囲まなくてよくなるわけです。しかし、真ん中はまだ囲まなくてはいけないという場所が残っていることがありうるわけです。

 そうすると、土地の所有者に、もう一回囲み直しなさいということを言わなくてはいけないという、そういう困った話が出てくる余地があるわけです。もちろん、土地の所有者としては、うちは、土地を売るときの都合があって、危ないところは狭いほうがいいんだから、それをやりたいという方がいらっしゃれば、それはどうぞおやりくださいということでいいのですけど、やりたくない人にまで無理やりに、もう一遍囲い直せなんてむちゃなことを言えませんので、そこは暫定的にというか、今までの囲んだことで、そのまま新たな基準でも対策として認めましょうとか、そのほか想定されるいろんな場合への対応を考えなくてはいけません。そういうわけで実に細々したことを、細々と書いてあるのがこの報告でございます。

 ですから、さっと読んでもなかなかわかりにくいわけですが、言ってみればジグソーパズルみたいなものだと思ってお読みいただけるとご理解いただけるのではないか、こういうことでございます。

 この報告案につきましては、パブリックコメントを行いました。パブリックコメントの結果については、参考資料4に結果が報告されておりますが、このパブリックコメントのご意見を拝見致しましても、特に専門委員会の報告を修正する必要はないと判断されました。そこで、専門委員会報告の原案どおり、本日、本土壌農薬部会に報告させていただきます。

 では、報告書の詳しい内容につきましては、事務局から説明をいたします。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 それでは、資料2をご覧になっていただきたいと思います。今おっしゃった詳細な説明でございますが、あと、あわせて参考資料6-1に、土壌汚染対策法の概要という、この1枚紙がありますので、そちらのほうをあわせてご覧になっていただければと思います。

 参考資料6-1のほうに土壌汚染対策法の概要というのが載っておりまして、まず、どういった制度としてあるかということですが、まず、調査を行う。土壌汚染があるかどうかという調査を行いまして、それが、有害物質使用特定施設の使用の廃止時や、あとは、一定規模以上の土地の形質変更の届出の際に、土壌汚染のおそれがあると都道府県知事が認めるとき、また、土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあると都道府県知事が認めるときに調査をするというようなことになっております。また、そのほか自主的な調査に基づいて汚染が判明した場合において申請するというようなケースもございます。

 その結果、土壌の汚染状態が基準を超過した場合につきましては、区域の指定がなされるということになります。区域の指定は2種類ございまして、一つが要措置区域、もう一つが形質変更時要届出区域というものでございます。

 要措置区域というものは、土壌汚染の摂取経路があり、健康被害が生ずるおそれがあるという、例えば土壌汚染のある土地の近くで地下水を飲用している人がいるとか、そういったような場合、こういった場合には、汚染の除去等の措置、これを都道府県知事が指示するということになっております。いわゆる指示措置というようなことになっております。また、土地の形質変更は原則禁止ということになっております。

 もう一つの形質変更時要届出区域というものは、土壌は汚染されているんだけれども、土壌汚染の摂取経路がないということで、健康被害が生ずるおそれがないので、直ちに、その汚染の除去等の措置ということは不要であるというような区域でございます。この場合も、特に直ちに何かしなければいけないということではありませんが、土地の形質を変更する際に、都道府県知事に計画の変更の届出が必要ということになります。

 また、そういった土地、汚染された土壌を、例えばその敷地から搬出する、要は掘削してほかのところに持っていくという場合には、汚染土壌の搬出等に関する規制というものがございます。例えば、搬出する際には事前に届出が必要だとか、あとは、そういった運搬する際には運搬基準を守らなくてはいけないとか、そういったようなことがございます。また、その運搬の際には、管理票を交付して保存するというような義務もございます。また、その汚染土壌というものは、汚染の処理業者に処理されなくてはいけないということですが、その処理業者も許可制度をとっていたり、また、処理基準に従って処理しなければならないといった基準が定められているところでございます。

 そういったことを踏まえまして、基準の見直しに伴って土対法に基づく特定有害物質の見直しや、そのほか法の運用に関して必要な事項について取りまとめたところでございます。

 まずは、3ページ目をご覧になっていただければと思います。

 1,1-ジクロロエチレンによる土壌汚染に対する対策の実施状況ということでございまして、要措置区域等の指定の考え方。指定の考え方につきましては、今申し上げたとおりでございますけれども、まず、どういったときに汚染されているかという、汚染状態に関する基準というものですけれども、これについては、土壌溶出量基準というものが1,1-ジクロロエチレンについて定められているところでございます。具体的には、平成15年3月の環境省告示第18号の別表に掲げる方法により測定して、検液1Lにつき0.02mg以下であるということとされております。

 続きまして、4ページ目に参ります。

 土壌汚染対策法に基づく施行状況及び土壌汚染調査に関する調査結果と区域指定の状況についてということでございます。

 まず、調査結果でございますけれども、平成24年度につきましては、調査が1,905件行われたところでございます。そのうち、基準に不適合だったというものの数が906ございまして、うち、1,1-ジクロロエチレンの基準、現在の基準が0.02でございますけれども、それに不適合であったという事例が29件ございました。

 また、土壌汚染対策法に基づく区域指定の状況でございますけれども、土対法に基づいて1,1-ジクロロエチレンにより要措置区域又は形質変更時要届出区域に指定されている区域というのが64件ございまして、そのうち1,1-ジクロロエチレンの溶出量が0.02-0.1の範囲にあるものが16件でございます。そのうち、1,1-ジクロロエチレン単独で基準不適合の単位区画が含まれるということで区域指定されている区域が3区域ということでございます。

 続きまして、5ページが先ほど説明いたしましたので省略いたしまして、次は、6ページ目にございます。ここは、検討をした項目について記載しておりますが、1,1-ジクロロエチレンについて、先ほど申しましたとおり、汚染状態に係る基準として、土壌溶出量基準というものが定められております。これについて検討を行ったほか、そのほか、それにあわせて見直しが必要になる地下水基準、これは、講ずべき指示措置の種類を選定する際の判断、また、土壌汚染の除去等の措置が完了したということを確認するための基準でございます。

 また、第二溶出量基準というのがございまして、汚染の除去等の措置を選択する際に土壌溶出量の程度を表す指標として使用する基準ということでございます。

 また、土壌ガス調査ということをやっておりまして、その判断基準となる値の見直しの要否についても検討をしたところでございます。

 それとあわせて、そういった汚染状態に係る基準を見直すことによる法制度の運用に関することについて検討をしたというところでございます。

 7ページ以降が検討結果でございます。

 まず、土壌溶出量基準でございますが、平成14年の中環審答申におきまして、土壌溶出量基準は、「地下水の摂取に係る健康影響を防止する観点からは、地下水等への溶出に着目して現行の土壌環境基準が定められており、これを用いることとする」という考え方を示しております。これと、このため、これまでの考え方と同様に、新たな土壌環境基準と同じ値である「0.1mg/L以下である」ということに変更するということとしております。

 また、地下水基準につきましては、これまでも土壌溶出量基準と同じ値としておりますので、今回も「0.1mg/L以下であること」に変更するということとしております。

 また、第二溶出量基準につきましては、現在、特に第1種特定有害物質につきましては、土壌溶出量基準の値の10倍というふうにしております。ですので、第二溶出量基準を、土壌溶出量基準の10倍である「1mg/L以下である」ということに変更するということとしております。

 これをまとめたのが、7ページの下の表でございます。

 8ページ目に参ります。土壌ガス調査における定量下限値でございます。

 土壌ガス調査というのは、この調査を行って、土壌ガス濃度が検出されるということになりますと、土壌汚染のおそれのある範囲ということになります。その中で、その範囲の中で、土壌ガスの濃度が周辺の地域よりも大きい、また、基準不適合土壌が存在するおそれが最も多いと認められる地点において、実際に土壌溶出量調査を行って、それで不適合な土壌があったということになりますと、この土壌ガスが検出された範囲、これが汚染のおそれありということで要措置区域等の範囲になるというようなものでございます。いわゆるスクリーニング調査のような感じのものでございます。

 この判断基準における土壌ガス調査における定量下限値は、一般的に大体、ほとんどの物質で現行0.01volppmということでございますので、今回、見直しは、土壌溶出量基準等は見直すけれども、土壌ガス調査における定量下限値については、これを引き続き用いることが妥当であるということとしております。

 その次の5番目が、そういった見直しに伴う土壌汚染対策法の制度・運用の課題対応ということでございます。

 まず、基準見直し時に要措置区域等の指定を受けている土地の扱いということでございます。

 こういった土地については、基準を見直すことによって、都道府県知事は、例えば汚染の除去等の措置により、要措置区域の全部や一部について指定する事由がなくなったという場合には指定を解除するということとしております。ただ、今回の1,1-ジクロロエチレンの土壌溶出量基準の見直しに伴って、要措置区域や形質変更時要届出区域の指定の事由がなくなるという場合が、可能性があります。ただ、この場合、土壌溶出量基準の見直しというものは、何も行っていない、つまり何も措置していないということになりますので、こういった指定の解除というのができないということですので、そもそもの区域の指定という行政処分について撤回ということを行う対応が適当であるというふうに考えております。

 ただ、次の9ページ目の上から5行目になりますが、要措置区域等の一部について区域の指定を撤回するに際し、その要措置区域等の指定後の期間に区域内での汚染土壌の移動による新たな土壌汚染のおそれがあるような場合には、区域内の汚染土壌の移動の履歴等を確認した上で、撤回するかどうかを判断することが適切であるということとしております。

 続きまして、10ページ目の複数の特定有害物質が基準不適合であることにより要措置区域等の指定を受けている土地の扱いでございます。

 この場合は、1,1-ジクロロエチレンについては基準が適合されるということになりますので、特定有害物質の種類から1,1-ジクロロエチレンが撤回されるということになります。ただ、ほかの有害物質というのはそのまま基準不適合のまま残っておりますので、その他の特定有害物質はそのまま区域指定の事由として残り、要措置区域等の指定というものは継続されるということになります。その場合、1,1-ジクロロエチレンを、区域指定の事由となっている特定有害物質から撤回するため、台帳の帳簿や図面の変更といったことを行うということになります。

 また、1,1-ジクロロエチレンを、区域指定の事由となっている特定有害物質の種類から撤回する旨の公示、法律上、義務ではないんですけれども、公示を行うことが望ましいということとしております。

 続きまして、11ページ目に参ります。1,1-ジクロロエチレンのみが基準不適合で要措置区域の指定を受けている土地の指示措置の取扱いということでございます。

 この指示措置につきましても、もし、要措置区域の指定の撤回がされたような場合、そういった場合には、汚染の除去等の措置を講ずるということはそもそも不要になりますので、都道府県知事は指示措置の指示を撤回するということが適切であるというふうに考えております。

 ただ、実際に、もう、ちょっと例外的に書いておりますけれども、遮水工封じ込めを実施している土地、要は一回土を掘り出して、遮水工というか、物を設置して、そこにまた土を戻すというような対策でございますけれども、その場合は、遮水構造物の中に一緒に封じ込められた新土壌溶出量基準に適合となる土壌と不適合になる土壌、こういった区別することができないので、その場合、区域指定や指示措置を撤回するということは適切ではないというふうに考えております。

 また、基準が変わることによりまして、その指示措置、これにつきまして、もともと土地の土壌汚染や、土壌汚染に起因した地下水汚染の状況等において定められておりますけれども、その基準の見直しによって、汚染状態が不適合から適合に変わるということも考えられます。そういった場合は、指示措置を変更するということも可能であるということになるというふうに考えております。そのため、まだ措置に着手されていない場合には、既に指示した講ずべき措置を実施可能な別の方法に変更することが適切であるということとしております。

 次は、12ページ目の指示措置の変更手続きということでございます。

 もちろん、これによって土壌溶出量基準等の見直しによりまして、指示措置の内容を変更する必要がある場合、都道府県知事は、既に行った指示を撤回し、見直し後の基準に見合った指示措置を示す書面を交付するということになります。

 また、1,1-ジクロロエチレンのみが基準不適合で指定を受けている要措置区域の指定が一部撤回されることによって、汚染の除去等の措置を講ずべき土地の場所が変更となるような場合、そういう場合には、改めて汚染の除去等の措置を講ずべき土地の場所を指示するということが適切であるとしております。

 次は、13ページ目に参ります。今度は、複数の特定有害物質により要措置区域の指定を受けている土地の指示措置でございます。

 この場合も、1,1-ジクロロエチレンの見直しによって基準を満たすような場合、そういった場合には、1,1-ジクロロエチレンの基準不適合を理由とした汚染の除去等の措置を講ずるということが不要となりますので、そういった1,1-ジクロロエチレンの基準不適合を理由とする指示措置を撤回することができるということになりますが、もちろん、その他の特定有害物質が基準不適合ということになりますので指示措置の内容に変更が無い場合には、指示措置の変更は行わないということになります。

 次、14ページ目に参りまして、汚染の除去等が講じられた土地の扱いについてということでございます。

 この中で考えられるのは、先ほども浅野先生からもございましたとおり、指示措置のうち、原位置封じ込めにつきましては、基準不適合土壌のある範囲というものを囲むということとされております。また、遮水工封じ込めということにつきましては、基準不適合土壌のある範囲・深さについて土壌を掘削して、その土地に設置される遮水工の内部に埋め戻すということでございますので、そういった取扱いを整理する必要があるということでございます。

 また、そういった対策、原位置封じ込めや遮水工封じ込め又は地下水汚染の拡大防止の措置を行うことにより、土壌の汚染状態が指定時から変更となっている可能性がある土地についての手続方法、また、複数の特定有害物質が基準不適合を事由に区域指定が行われている区域についての扱いを整理するということがございます。

 方針といたしまして、15ページになります。

 原位置封じ込めは、土壌汚染対策法の施行規則の別表第6におきまして基準不適合土壌のある範囲の側面を囲むということにされております。ですので、一般的に既に実施されている措置というのは、現行の基準によって要措置区域になっているところの外側を遮水壁で囲っているということでございます。

 具体的には、16ページ目のところの図をご覧になっていただければと思います。ちょっと白黒になっていて見づらいと思うんですけれども、すみません。

 これが、真ん中のちょっと色の濃いところが0.1を超えていて、そのちょっと外側が0.02~0.1ということで、つまり、今までですと、この全体、両方の部分が基準不適合ということで、その外側を囲むということになっておりますが、今回、基準を見直すと、真ん中のちょっと色のついたところだけが不適合になるということになります。そのときに、そうすると基準不適合土壌を取り囲むということではなくて、要は、不必要にその広い範囲を取り囲んでいるというようなことになってしまうということで、新たに今度は、その基準不適合土壌のある側面を囲むということになりますと、一回、新たに遮水壁を設置しなくてはいけないということになってしまうので、こういったような場合、そこを取り囲んだ周りに、不適合な部分があるということではありませんので、こういった場合には、現行の措置を維持するということも可能であるということが適切だろうというふうに考えております。

 もちろん、一回、どうしてもその範囲を狭めたいというような場合は、一度遮水壁を取って、また新たに設置するということも可能であるということが適当であり。どちらでも可能にするということが適当だろうというふうに考えております。

 また、②のところでございますけれども、いろんな対策によって区域の指定後に土壌の汚染状態が、新しい、新土壌溶出量基準に不適合になっている土壌の移動等が行われて、そういった可能性もある土地については、人の健康被害を防止する観点から区域指定を維持するということが適切だろうというふうにしております。

 また、複数の有害物質の基準不適合を事由に区域指定を受けているような場合、これは、ほかの物質がまだ基準不適合ということでございますので、その場合は、現状の範囲を維持するということになろうということになります。

 次は17ページの汚染の除去等の措置の完了ということでございます。

 汚染の除去等の措置につきましては、対策によっては、地下水汚染が生じていない状態の確認をもって措置を完了することができるということで、その措置完了の判断をどうするかということでございます。

 例えば、措置を実施後、地下水汚染が生じていない状態で基準不適合土壌掘削を行った場合、この場合は、地下水基準適合を1回確認することで措置を完了ということでございます。この場合、新しい地下水基準に適合する場合は、地下水汚染が生じていない状態を1回確認ということで、汚染の除去等の措置完了にするということでございます。

 また、次のページが、対策の状況によっては2年間継続することを確認するということが必要な場合もございます。この場合は、新しい地下水基準に適合した状態が2年間継続すれば、地下水汚染が生じていない状態を2年継続して確認済ということで、汚染の除去等の措置後完了するということをしております。

 続きまして、19ページが汚染除去等の搬出でございます。

 搬出に関しては、先ほどもございましたように、いろいろと規制がかかっておりますので、それについてどうするかということでございます。

 次に、方針が20ページでございます。

 まず、都道府県知事の認定を受けていない土壌につきましては、認定というのは、指定調査機関がその認定のための調査を行って、都道府県知事が、これは基準適合土壌だという認定をすれば、その土壌については、その以降、土壌汚染対策法の規制がかからないということになりますが、それ以外の土壌は、認定されていない土壌につきましては、汚染土壌として取り扱うということになりますので、認定がなければ、仮に基準の見直しによって新しい土壌溶出量基準に適合すると評価される土壌も汚染土壌として運搬され、汚染土壌処理施設で処理される必要があるということとしております。

 次に、搬出先の変更ということでございますけれども、例えば見直し後の基準が施行されると、今まで不適合だった、特に第二溶出量基準という、要はそれが不適合ですと移動先等も制限されるということになりますけれども、それが例えば満たすというような場合になりますと、搬出先の変更が可能となるということで、それを搬出変更届出書を提出すれば変更を認めるということが適当であるということとしております。

 また、そういった場合、そういった結果によって管理票の記載事項の変更ということも妨げるものではないということとしております。

 次のページの21ページ目でございますが、既に実施した調査結果を用いて都道府県知事の認定を受けることができる土壌ということでございます。これは既に認定調査を行ったんだけれども、1,1-ジクロロエチレンの土壌溶出量が不適合だったが、今の新しい基準には満たしているような場合、そういった場合は、この調査結果を新たな土壌汚染のおそれが生じていないということを確認して、新しい土壌溶出量基準施行後に、この調査結果をもとに認定することができるということにしております。

 (6)の汚染土壌処理施設に関しては、これについても、例えば廃止等をする場合に、地下水の水質測定を継続するということが求められております。特に、これも2年間継続して地下水基準に適合するということでございますので、先ほどと同様に、新しい基準に適合する状態が2年間継続するということにしているということでございます。

 21ページの下が調査、基準見直し前に、今、調査義務が生じて、また調査命令が発出されて、土壌汚染状況調査結果を報告する前の土地ということで、まさに調査中の土地の扱いということでございます。こういった場合、基準が見直されることによって、調査中であっても、1,1-ジクロロエチレンを試料採取の対象物質とする事由が無くなる事例があるのではないかということでございます。

 例えば、ここに書いてあるような法第3条、第4条、第5条というようなケースでございます。例えば第3条、一般的には法第3条というのは有害物質を使っていたということでございますので、基本的には調査義務が消失するということはないんですけれども、例えば使用履歴がない場合に、地歴調査によって過去に土壌の調査が行われていたということが判明して、その結果が、もともと不適合だったんだけれども、その結果は新しい、新土壌溶出量基準に適合する場合、こういった場合は1,1-ジクロロエチレンを試料採取等対象物質とする事由がなくなるだろうというふうに考えております。

 法第4条についても地歴調査について同様でございます。

 法第5条につきましては、調査命令をかけるということでございますけれども、これも土壌溶出量結果の測定結果があって、その1,1-ジクロロエチレンがもともとは不適合だったんだけれども、新しい溶出量基準に適合するような場合、こういった場合には事由がなくなるのではないかということでございます。そういった場合は、次の制度運用の対応方針のところで書いておりますけれども、そういった調査結果が新しい土壌溶出量基準に適合する場合には、当該調査命令を撤回することが適切であるということとしております。

 また、1,1-ジクロロエチレン、その他の特定有害物質が試料採取等対象物質であった場合の取扱いでございます。この場合は、1,1-ジクロロエチレンのみを撤回するということになります。ですが、ほかの物質については残っておりますので、その他の物質については引き続き調査の対象になるということでございます。

 あとは、25ページになります。まさに調査中に見直し後の基準が施行された場合の土地の調査と報告ということでございます。これにつきましては、現行の基準を用いて、既に土壌ガス調査だとか土壌溶出量調査を実施済みである場合、これも、そのままその結果を用いて、特に試料採取等をやり直す必要は基本的にはないというふうに考えております。

 また、調査義務の一時的免除を受けている土地の扱いということでございます。これは、今、調査義務の一時的免除を受けている土地において、新土壌溶出量基準の施行後に一時的免除が取り消されて、土壌汚染状況調査の義務が発生した場合、この場合は、新しい土壌溶出量基準を用いて土壌汚染状況調査を行うべきであるということとしております。

 大体、以上でございます。大体これが報告の概要でございます。

 以上でございます。

(中杉部会長)

 ありがとうございました。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 すみません、それともう一つ、パブリックコメント、浅野先生からも少しございましたけれども、参考資料4に、パブリックコメントの結果というものをつけております。変更することはなかったのですが、どのような意見があるか、簡単にご紹介させていただきます。

 まず、1枚めくって別紙のほうになります。

 土壌汚染状況調査について、今回、「区域の指定の撤回」というようなことを公示するのはどういった理由なのかということでございます。これについては、先ほどもありましたけれども、土壌基準の見直しというのは、そもそも汚染の除去等の措置には該当しないということで、つまり何も対策をとっていないという中で、基準が変わることによって基準適合になってしまうということで、何ら措置をやっていないということでございますので、解除はできないということで、そもそもの区域の指定という行政処分について撤回を行うということでございます。

 また、先ほど少しありましたけれども、土壌の移動等による新たな土壌汚染のおそれ――土壌汚染のおそれについては、汚染土壌の移動について把握するということにしておりますけれども、トリクロロエチレンの分解だとか、1,1-ジクロロエチレンの使用など、こういったようなものについても評価が必要ではないかということでございます。これにつきましては、区域指定の撤回の可否に当たって、当時の調査結果だとか、既存の資料をもとに判断するという趣旨でございまして、改めて土壌汚染状況調査を求めるものではないということにしております。つまり、撤回するためにわざわざ調査を行うというのは大変で、そこまでする必要はないだろう。ただ、やっぱりそういったおそれがあるということは事実でございますので、そういったトリクロロエチレンの分解だとか、1,1-ジクロロエチレンの使用等による土壌汚染のおそれの評価については、新たに土壌汚染状況調査の義務が生じた時に行うこととなる、ということとしております。

 また、裏面につきましては、区域の指定解除を伴わない特定有害物質の解除では、台帳の訂正のみを要するということとしております。ですので、今回、1,1-ジクロロエチレンの区域の指定を撤回する、複数物質のうち1,1-ジクロロエチレンのみを撤回するときは、今のところは「望ましい」というふうにしているんですけれども、それについて言及する必要はないのではないかというようなことでございます。

 これにつきましては、区域の解除を伴わない特定有害物質の解除というのは、例えば原位置浄化等の汚染の除去等の措置を実施した場合が想定されます。つまり、その対策をとることによって、1,1-ジクロロエチレンの基準は満たしているということはわかっているんですけれども、今回、1,1-ジクロロエチレンの見直しでございますと、その土地の所有者が、その当該事項を認識できない可能性があるということでございます。ですので、それを、必要性を公示するかどうかということは、各自治体で判断いただくということになりますけれども、区域の指定撤回を伴わず、特定有害物質の種類から1,1-ジクロロエチレンを撤回される場合の公示について、どうするかということを、「望ましい」ということで言及しております。

 また、地下水の基準の適合、不適合の話でございますけれども、これについて、やっぱり新基準にも不適合な測定結果から2年間継続して新基準に適合しなければならないのではないかということでございますけれども、これにつきましては、先ほども申しましたとおり、新しい地下水基準、これが2年間継続したことを確認した後に、措置完了とするということが適当であるというふうに考えております。

 長くなりましたが、以上でございます。

(中杉部会長)

 はい、ありがとうございました。

 浅野委員からご説明いただいたときに、モザイク様というふうにお話がありましたけども、大気だとか水ですと、排出を規制するということで大体措置が終わってしまうんですけど、土壌というのは残ってしまいますので、あと、複雑なケースがあって、専門委員会のほうで、いろんなケースについて検討をいただいた結果がこの報告になってございます。

 ただいま説明いただきました土壌環境基準の見直しに伴う土壌汚染対策法の運用に関して必要な事項についてでございますけども、ご質問、ご意見はございますでしょうか。

 藤井委員、どうぞ。

(藤井委員)

 ジグソーパズルのような、その中身についての質問ではありません。参考資料6-1の、そもそものこの調査対象についてちょっと伺いたいと思います。

 この有害物質使用特定施設の使用の廃止時の下のところにある、「土地所有者等(所有者、管理者又は占有者)が指定調査機関に調査を行わせ、その結果を都道府県知事に報告」とありますが、この有害物質を使用している施設が、倒産や何かでわからないと。そういうときには、右側にあるような自主調査もあり得ないわけで、そういうような物件・案件に対しては、ここの対象になるのか、ならないのか、それはもう放置されたままなのか、その辺りのことが今までもあるのか、ないのか、その辺りのことがわかればというふうに思います。特に一般住民は、周辺にどのような工場がどのようにあるかということがわからないものですから、このベースのところでちょっとお聞きしたいと思います。

(浅野委員)

 倒産の場合は、実質上、特定施設の廃止ということになるわけですが、届け出をする主体が消えてしまいますからね、必ずしも全件きちっと把握できるとは限りませんけども、しかし、自治体は大概、目を光らせていますから、仮に廃止という届け出がなくても、状態はわかっているはずです。そうすると、もしそこが何かしなきゃいけないということになれば、「都道府県知事が認めるとき」という条項があるので、それを使って調べてくださいと、こういう話になるだろうと思いますが、そもそも、もともと最初に法をスタートしたときには、廃止時の調査ということしか義務づけていませんでしたので、法改正前の土対法によると、実は過去に使われていて、今はもう全然その痕跡がないというような場合には、調べようがなかったわけです。しかし、前回の法改正で、2番目にある3,000平米以上の形質変更のときには届けていただき、その届けがあったときには、都道府県知事が前歴を見て、ここは調べなきゃいけないというのは調べてもらうことになりますから、少なくとも、直ちに調べるということができなくても、次にそこをいじくって、何か住宅でも建てようなんていう人がいた場合は、必ずこの4条に基づいての調査というのが出てきますので、それでわかるということになります。ですから、あまり心配は要らないということです。

(大塚委員)

 追加的に申しますが、土壌汚染対策法の土地の所有者というのは、「土地の所有者等」になっていて、占有者と管理者というのが入っていて、管理者というのは破産管財人のことを言っているので、破産の場合でも破産管財人が土地の所有者等として、3条の調査をする義務がありますので、実際にお金がなくてできないときはあるかもしれませんが、条法上はそういうことになっているということを、ちょっと申し上げます。

(中杉部会長)

 よろしいでしょうか。

(藤井委員)

 仕組みはわかりました。

(中杉部会長)

 ほかにいかがでしょうか。

 佐藤委員、どうぞ。

(佐藤(泉)臨時委員)

 佐藤でございます。

 概ね今回の改正については、私は、この内容でよろしいかと思います。ただ、非常にわかりにくいところがございますので、恐らく通知を出されるのだと思いますけれども、都道府県の担当の方々がわかりやすいように、また、国民がわかりやすいように通知を出していただいて、それを公開していただきたいというふうに思います。

 特に、今回パブリックコメントで非常にいい意見が出ているというふうに思います。こうやってパブリックコメントでいい意見が出てくるというのは非常に重要なことだと思いますので、この意見も踏まえて、適切な都道府県への連絡をお願いいたしたいと思います。

 以上です。

(中杉部会長)

 よろしくお願いします。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 そのようにさせていただきたいと思います。

(中杉部会長)

 ほかはいかがでしょう。

 よろしいでしょうか――はい、どうぞ。稲垣委員。

(稲垣臨時委員)

 資料2の4ページのところで、今回いろいろ検討をしていただきましたけれど、実態としては、今回、1,1-ジクロロエチレンの単独でやられている区域は3区域であったわけですけれど、これら全てもう対策が終わっている区域と理解してよろしいですか。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 まだ途中のところだというふうに承知しております。

(稲垣臨時委員)

 今回のいろんなケースの中でいくと、どういう状況になっているんでしょうか。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 これは、もちろん、基本的には全部、形質変更時要届出区域になっておりまして、その区域はあるんだけれども、直ちに対策をとらなければいけないという状況ではないというところではございます。

(中杉部会長)

 そのほかにも、区域の指定をする途中であった事例が幾つかあるんですけれども、それは見直しがあるということが想定をされていたので、指定を少し、これが新しくなるまで待っていたと。トラブルを起こさないように、というようなことがあった事例があるというふうに聞いております。

(稲垣臨時委員)

 わかりました。

(中杉部会長)

 はい、どうぞ。

(平田臨時委員)

 ジクロロエチレンに限らないんですけれども、緩くするにしても、厳しくするにしても、結構トラブルになる場合が想定をされますよね。そういうようなことは今回はないんですね。やっているのに、もうやらなくていいとか、やらされて――やらされてというのはおかしいんですが、対策の途中でもうよくなったという話になってくると、訴訟とまではいかないんでしょうけれども、何かそういうのは……。

(更田農薬環境管理室長)

 直ちにトラブルとまではいかなくても、見直しの問い合わせ等はございますので、今やっていますということでご説明をしているところでございます。トラブルになっているところまでのお話は承知しておりません。

(中杉部会長)

 基本的にはできるだけトラブルにならないようにということで、こういう制度をいろいろ工夫して考えたということですので、一応想定されるケースは全部網羅したつもりですけども、まだ想定外のことがあり得るかもしれません。そこは、そういう意味でまた見直しをするということになるのかもしれませんけれども。

 よろしいでしょうか――はい。

(浅野委員)

 今回は緩くなるほうなので、比較的考えることがすくなくて済みます。しかし、次には基準が厳しくなる項目が控えていますので、これは経過措置をどうするかという点でかなり大変なので、次はさらに上級のジグソーパズルにチャレンジする予定になっています。

(中杉部会長)

 前回の土壌農薬部会で、ほかの基準項目はどうなっているんだという厳しいご指摘が出ていまして、それについても事務局のほうで鋭意検討をしていますけれども、それらは概ね厳しくなる。追加だとか、基準値の見直しをするという、そこの扱いというのはもっと、浅野委員が言われたように難しいパズルになりますので、それも早急に検討をしていくということを始めていただければと思います。まず基準を見直すところからですね。

 よろしいでしょうか。

(はい)

(中杉部会長)

 それでは、ご意見をいただきましたけど、この報告書(案)については、特段の修正というご意見もございませんでしたので、この内容を中央環境審議会長に報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

(中杉部会長)

 では、そのようにさせていただきます。

 それでは、二つ目の議題にいきたいと思います。

 議題(2)、土壌残留に係る農薬登録保留基準のほ場試験の見直しについてでございます。

 事務局から資料のご説明をお願いいたします。

(更田農薬環境管理室長)

 それでは、資料4の土壌残留に係る農薬登録保留基準のほ場試験の見直しについて、ご説明させていただきたいと思います。

 まず、この土壌残留に係る登録保留基準ですけども、まず農薬は、皆様ご承知のとおり、農林水産大臣の登録を受けなければ、製造、使用、販売が禁止されております。農薬を登録する際に、登録してよいかどうかの基準として、環境大臣が四つの基準を定めております。一つが作物残留でありまして、そのほかに、水産・動植物被害防止、それから水質汚濁と、それともう一つ、この土壌残留に係る登録保留基準というものがございます。

 その内容でございますけども、この土壌残留に係る登録保留基準は、農薬が土壌に残留して、それをまた散布した作物でない農作物が吸って、そこで汚染が生じて、その利用が原因となって人畜に被害が生ずるおそれがないようにするというものでありまして、現行、このⅠの「背景」にありますように、イ、ロ、ハとありまして、まず土壌中の半減期というもの、この180日というところで一つ線を引きまして、より長く残留するものは厳しく、180日までに比較的早く消失するものにつきましては、もう少しリーズナブルな基準としておりまして、こういったことで登録検査が行われるということであります。

 この土壌残留に係る登録保留基準の土壌中半減期180日と申し上げましたけども、これは従前は、この半減期は1年で切っておりました。平成17年当時にPOPs条約でPOPsに該当するかの要件の一つに土壌中半減期が180日というものがございましたので、これを踏まえて、1年から180日に変更することしました。

 それから、あわせて当時は、その半減期の判定を容器内試験、ビーカーの試験と、実環境に近いほ場試験と、この両方を用いてやっていたわけですが、容器内試験につきましては、微生物活性が衰えて、実体より半減期が長くなる傾向もあるといったことですので、この当時の見直しにおいて、まず試験はほ場試験のみにする。それから、半減期は180日に変更するという見直しを行いました。

 Ⅱの「現在の課題」でございますけども、この土壌残留に係る登録保留基準は、この当時、変えるときには必ず食品安全委員会の意見を聞かなければならないということになっておりましたので、食品安全基本法第24条第1項第2号の規定に基づきまして、食品健康影響評価について委員会に意見を求めましたところ、このほ場試験を用いるといったことは妥当であると考えますが、試験結果の不偏性――ばらつきがありますので、このばらつきがないようにする方策を検討する必要があるということとされました。

 それで、今回、資料3にありますように、不偏性向上について、環境大臣から中央環境審議会会長に諮問がされまして、6月17日付で部会に付議がなされたところであります。

 2ページ目をお開きください。

 この改正に至るまでですけども、この指摘を受けまして、この不偏性の向上のために、いろいろな技術的な課題がありましたので、環境省において試験を行い知見の集積を進めてまいりました。そして、平成24年度に、「土壌残留リスク管理手法検討会」を開催しまして、ここで改正の考え方をまとめていただきました。本日のこの改正の内容は、その検討会の検討結果を踏まえたものとなっております。

 まず、Ⅳの1.の改正案の内容に移ります。

 まず1.ほ場試験の(1)試験ほ場の選定及び管理でございますけども、まず①土壌の種類でございます。

 従前は、種類の異なるものを2種類と言っておりましたけども、この種類までは特定していませんでしたが、我が国の代表的な農耕地土壌における農薬の挙動を統一的に把握することが望ましいことから、「参考1」にありますように、水田ですと灰色低地土での割合が高いこと。畑ですと黒ボク土の割合が高いので、畑地の場合は黒ボク土、水田の場合は灰色低地土を1箇所以上を含むことに見直すこととしております。

 それから、②試験ほ場の使用履歴でございますが、これは、試験ほ場で同じ農薬が使われるコンタミ使用を防ぐといった観点から、判定に支障を及ぼすおそれがある量の農薬が含まれていない試験ほ場を用いるということにしたいと思っております。それから、ほ場試験でございますので、実際、作物の栽培に使われる土地が望ましいだろうといったことですので、「供試農薬が畑地又は樹園地において使用される場合は畑地、水田において使用される場合は水田であること」の規定を追加することとしております。

 3ページの③の試験ほ場の整備・管理状況でございます。これは、散布した農薬がほ場の中で土壌中で減少をしていく。微生物による分解等で減少をしていくということ以外の要因を排除したほうがいいだろうということでございまして、例えば、ほ場が傾いて、散布した農薬が表面流出してしまうというようなことは避けたほうがいいだろうといったことで、畑地の場合は、散布した農薬が表面流出するような傾斜及び明瞭な亀裂がないこと、また、水田の場合は漏水が少なく通常の水管理が実施できる試験ほ場で試験するということにしております。それから、田面水が意図的に流出されることがないよう、水田の場合は落水させずに、表面流出しないよう管理するということにしております。

 それから、④試験ほ場での作物栽培の有無でございますけども、現行は、その農薬の使用が想定される作物、例えばキャベツならキャベツとか、トマトならトマトといったものが栽培されている状態で農薬をまいて、土壌サンプルを採取していたわけですけれども、「参考2」にデータがございますが、作物があると土壌への分布が不均一になるといったことで、ばらついてしまいますので、いっそのこと作物を栽培しない裸地で試験することに見直すこととしております。

 それから、4ページ、2.試験の手順でございます。

 農薬の使用回数及び使用量でございますけども、これは、例えば同じ農薬が同じ作物に3回、4回使用してよい場合がございます。そういった複数回使用が認められている場合は、従前は、複数回散布して半減期を判定しておりましたが、最初に農薬を使用して、最後に農薬をするまでの間に、初期に散布した農薬の一部がすでに分解してしまう場合がございますので、半減期のばらつきを減らすには、単回処理にしたほうがいいだろうということで、複数使用回数が認められているものであっても単回処理にしようとしております。それから、散布量ですけども、裸地で試験することにするので、複数回使用する場合でも、最大使用量の2倍量を目安として処理するのでいいのではないかと考えております。

 それから、5ページ目、希釈液量でございます。これは、その農薬の散布量は、ラベルに書いてある使用法に従ってやることとしておりましたが、この散布量の多さの違いによって下方浸透量等に影響を及ぼすおそれがありますので、裸地で試験することも考慮して、水田は150リットル、畑地は300リットルを目安に統一しまして、ほ場全体に均一に散布するということにしてはどうかと考えております。

 (2)試料の採取でございますけども、従前は、土壌の表面から10cmの深さまで柱状に200g以上を採取する。その際水田においては、土壌と田面水一緒に採取することにしてきたところでございますけども、この田面水の水深によっては、土壌の水分含有率や、採取土壌の深度を一定に保つことが難しいということから、水田では土壌と水層の境界面を攪乱しないで、田面水はポンプで吸い上げて、水は水だけで取って、その後土を取るという方法に変更したいと思っています。畑地につきましては、散布した農薬が10cm以深へ移行する場合もありますので、下方浸透を考慮することが、現実に近い半減期を出すことにつながると考えておりますので、特にこの土壌残留に係る登録保留基準は後作物への農薬の汚染ということによる人畜の被害防止を念頭に置いておりますので、一般に耕うん等が行われる作土層に残留する農薬を対象とすることが重要だろうと考えていまして、表層から20cmまでに見直したいと考えております。なお、現行は、表層から10cmまででしたので、それとの比較検証が可能なように、表層から10cmと、10cm~20cm、2層に分けて採取するということにしたいと思います。参考資料4にデータが載せてございます。

 続きまして、12ページをお願いいたします。

 12ページは採取箇所数でございます。現行は、採取地点4箇所以上としておりましたが、参考5の次のページの表にデータがありますが、例えば濃度の高い4箇所と低いところ4箇所の平均値を比較したりしますと、1.3~2.2倍の乖離が認められ、箇所数を増やせば乖離が減りますので、「均等に採取できる8以上の地点」から採取することに見直すことにしております。

 続きまして、13ページ、試料の保存についてでございます。

 従前は、凍結保存というものを義務づけておりましたけども、凍結しなくても保存可能な場合もあると考えられます。ただし、保存する場合は、当然、その農薬が中で分解しないで残っているということが必要でありますので、保存安定性を把握した上で、凍結以外の方法でも可とするような見直しを行いたいと思っております。

 (3)試料の分析でございますけども、分析の方法は、先ほどもちょっと申し上げましたけども、畑地につきましては表層から10cmと、それから10cmから20cmに分けて採取するので、それぞれ分析することにして、残留量は、その両方を合算した値で算出するということにしております。それから、水田でございますけども、水田は、田面水と土壌を別々に採取しますので、これも水層と土壌をそれぞれ分析するということにしたいと思っています。

 14ページ目の3.の半減期の判定でございます。

 半減期につきましては、現行は、まず実際に半分以下に減ったところも分析値を求めることにしておりましたけども、現在は、最小自乗法を用いまして、計算で半減期をきちんと評価できる手法が確立していますので、b)の規定のみで可能だろう。分析で2分の1まで減っていることを絶対調べなければならないということではないだろうということで、a)の規定については削除をすることにしたいと考えております。

 判定の対象ですけども、判定の対象は、畑につきましては今回20cmまでとりますので、表層から20cmまでの残留量に基づき判定することにしたいと思っております。それから、水田は、田面水と土壌を分けて分析することにしていますが、土壌中半減期なので、土壌中のみの残留量で判定するという考え方もございますけども、これは水田で使用した農薬全体の農薬が水田という環境媒体に残留する全体量でリスクを判定すべきですので、田面水中に含まれている農薬の存在を無視すると、残留量を過小に評価するおそれがありますので、これは現行どおり、土壌と田面水、両方に残留した農薬全量に基づき判定するということにしたいと思っています。

 説明は以上です。ご審議よろしくお願いします。

(中杉部会長)

 ありがとうございました。

 本件につきましては、既に農薬小委員会で審議が行われています。小委員会での検討状況について、農薬小委員会委員長である白石委員から、何かコメントがありましたらお願いいたします。

(白石臨時委員)

 今、事務局からご説明があったとおり、土壌残留リスク管理手法検討会において検討された結果を2度ほど小委員会のほうで議論いたしました。議論の中では、試験ほ場ですね、ほ場の土壌分類をしっかりするということ。あるいは、2カ所の土壌のうち一つを代表のものとして選ぶということで、どちらの試験結果を使うのかというような話でしたけども、長いほうを使うということ。あるいは、土壌試料のサンプリングの深度ですが、浸透性農薬について、どこまでその浸透性農薬の残留量を把握したらいいのかという議論がありましたけども、今、事務局のご説明があったとおり、作土層、いわゆる耕運機がかき回す作土層のレベルでよろしいのではないかということになりました。

 あと、試料の分析ですけども、分析の安定性については、これも事務局からご説明があったとおりですけども、安定性試験を確認した上で保存してもよいということにしてはどうだろうかということでありました。

 ほ場試験ですので、実際の環境に近い条件で行うということで、不偏性を確保することが大変なんですけども、こういった土壌の深度を深いところまではかる、あるいは土壌の分類を明確にして、特定の土壌については必ず分析を行う。あるいは、サンプリングの地点を増やすということで、この不偏性が確保できるのではないかというふうな結論になっております。

 以上です。

(中杉部会長)

 それでは、本件についてご質問、ご意見のある方はお願いいたします。

(浅野委員)

 お聞きしていて、今までよりもかなり緻密になって、合理性のある改正が行われるのだろうなと思ってお聞きしてはいたのですが、ちょっと気になりましたことがあります。今までは全く土壌の特性については何も基準がなかったので、今回は、挙動の統一的な把握のために統一しますというご説明は実によく理解できるわけですけども、これはむしろ白石先生にお聞きしたほうがいいのかとも思うのですが、土壌の特性の違いというのは、農薬の挙動にかなり大きく響くものなのでしょうか。そんなことはほとんどあまり関係がないのでしょうか。つまり、地域によって土壌の性質が全然違うから、あるところでは結構危ない、というようなことがあると困るなと思ったのですが、それはほとんど無視してもいい差なのでしょうか。

(中杉部会長)

 どうぞ。

(上路臨時委員)

 いえ、いいです。私はそれに対するお答えをさせていただこうと思いましたので。

(中杉部会長)

 では、関連質問で。

(太田臨時委員)

 ありがとうございます。

 関連質問ですけれど、例えば田と畑、両方で調査を行った場合に、半減期がどちらが大きいとかという、そういう傾向があるのかということが一つです。

 それから、もう一つは、この中で水田と畑というのを明確に分けるような意識、これは大事なことだと思うんですけれど、今、実際は水田でも畑利用が相当行われていますね。そうしますと、相当その面積が占めるんですけれど、その辺りの考慮がされているかということです。そうした辺も含めてお答えいただければと思います。

(中杉部会長)

 それでは、委員から。

(上路臨時委員)

 いいですか、白石先生。

 後のほうの太田先生の一番最後の質問には、ちょっと答えられるかどうかわかりませんけども、例えば黒ボク土壌というのは非常に吸着性が強い、あるいは有機質が多いとか、そういうことがありますので、化合物によっては非常に吸着性が多くなるので、どうしても残留性が高くなる傾向があることは事実だと思います。それで、もちろん土壌の特性だけではなくて、いろんな温度とか光条件、雨量とか、ほかのいろんなファクターが入ってくるので、土壌だけではないんですけれども、環境要因に非常に左右されて、土壌中の残留性は変動するというふうに思います。

 それと、太田先生が最後におっしゃられた水田土壌と畑土壌の使用目的が変わる可能性、そこまでは考えていないんですけれども、そういう意図ではないんですけれども、当然のことながら、水田の場合は灰色低地土プラスほかの土壌ということも考えられていますし、畑土壌だったら、黒ボク土壌プラス一つということでやっていますので、そういう2カ所ですね、そういう関係でやっているので、十分検討できると思っています。

(白石臨時委員)

 これは水田適用と畑土適用を両方やるということですよね。ですので、水田適用があって、畑利用もあれば、両方行われると。

(上路臨時委員)

 そうですね。農薬によって、水田だけで使われている、あるいは畑だけで使っていると。果樹用農薬というのは、大抵、果樹に使われるものは畑にも使われているということになりますので、果樹だけの農薬適用というのはほとんどないというふうに思いますので、水田と畑の試験をやっておけば、大体、いいのではないかというふうに思います。

 山本先生、追加のコメントをお願いします。

(山本臨時委員)

 浅野先生がおっしゃったとおりに、非常に違います。それで、そういう意味で、今度はこういう不偏性を――偏りを少なくするために土の種類も決めて、畑の場合には黒ボクが多いから、黒ボクは必ず一つ入れくださいと。土壌中での挙動に影響する要因というのは、一つは土性といって、粒径組成なんですね。土の性質と書きますけれども、土の単なる性質じゃなくて、粒径組成で、砂地のところというのは、大体、有機物の少ないところももちろん多いわけですから、下方浸透も多くなるし、分解性も、微生物というか、土壌微生物は一般的に少ないですから、分解性が悪くなる。よく肥えた土地は比較的分解性がいいと。それから、有機物の多い土壌では農薬は吸着しやすいので、表層近くにとどまって、そこで分解されていくと。地下水汚染なんかはあまり考えなくていい。だから、日本の土地は、割と今、言ったようなケースが多くて、日本の場合、地下水汚染というのはもうほとんど考える必要がないというふうに、これまでのいろんなデータでは言えます。

(中杉部会長)

 地下水の環境基準とか、要監視項目だとか、基準項目で農薬がありますけれども、農薬についてはほとんど基準オーバーはないということで、基本的には土壌にくっつきやすい。ただ、それが長く残ると困るということで、こういう試験をやっているという解釈でございます。

 よろしいでしょうか。ほかにご意見ございますでしょうか。

(白石臨時委員)

 地下水汚染等に関しましては、これは土壌残留性の試験であって、地下浸透していってしまうものに関しては判断していません。ですので、例えば0、10、20――0~10、10~20において、例えば0~10と10~20で逆転現象が起こるような場合には、地下浸透の可能性も高いので、そういったことに関しては、環境の面から、もう一度見ておく必要があろうかというふうに思います。土壌残留に関しては、0~20でいいと思います。ここの資料の10ページ目になりますけども、畑地で例えばメタラキシルの場合、表6ですが、3日目ごろには逆転が起こっております。10~20cmのほうが濃度が高いような状況になっています。30日後では、20~30cmぐらいのほうが高いような状況になっておりますので、こういったものは浸透性があるということで、土壌残留性はないんですけども、環境の面から、もう一つですね、地下水の面からは考慮しておく必要があるだろうと思います。

 ただ、これも土壌の性質によって大きく変わると思われまして、次の表7のほうですけども、表7で同じメタラキシルがあるんですが、こちらはあまりこの土壌では浸透はしていないということで、土壌残留性試験で、こういった逆転――今回は10cmまで、20cmまではかりますので、逆転が起こるようなときは、そういったことも考慮して、浸透も考慮して半減期を求めるようなことをしていただいたらいいかなというふうに思います。

 以上です。

(中杉部会長)

 土壌、農薬ではないですけども、土性による違いというのは、例えば肥料の挙動も同じようなもので、特に砂地のところというのは下に浸透しやすいので、硝酸性窒素の地下水汚染みたいなものを特別に考えなきゃいけないのかもしれません。水環境部会のほうと少し絡んでくる話ですけども。それでも、もう少し留意をしておく必要があるだろうというふうに思います。

 ほかに。

(稲垣臨時委員)

 関連、よろしいですか。

(中杉部会長)

 はい、どうぞ。

(稲垣臨時委員)

 今、白石先生が言われたように、物質によって全然違うんですけれど、今回、10cm~20cmまでというふうになっておるんですが、そういう基準をつくっても、これは物質によってそれぞれ今までどおり10cmでいいのか、20cm、30cmまでやるのか、それはどうなるんですか。

(更田農薬環境管理室長)

 基本的には、試験ですので、表面から20cmまでで行うということにしております。

(稲垣臨時委員)

 全てのものをやるんですけれど、もう20cmまで全然行っていないものがありますわね。そういうものですと、これを合算してしまうと過小評価されたりするおそれがあるんじゃないですか。

(更田農薬環境管理室長)

 濃度といいますか、残留量で見ますので、それが半分に下がる期間ですので、そういうことはないと思います。

(中杉部会長)

 だから、むしろ下に抜けてしまうと、分解はしていないけどという話になるんですけども、それは農作物が吸収する範囲のさらに、根よりも下に行ってしまうのは問題がないという話。この観点から言えばですね。また別な観点からは別な問題が出てくるかなと思いますけれど。今のところ、あまり農薬で基準項目になっているものが地下水から検出されるという例がほとんどないので。全くないわけじゃないんですけど。

 よろしいでしょうか。

(はい)

(中杉部会長)

 それでは、この報告案を土壌農薬部会の議決として中央環境審議会会長にご報告したいと思いますが、いかがでしょう。よろしいでしょうか。

(異議なし)

(中杉部会長)

 ありがとうございました。

 それでは、事務局より今後の予定についてご説明をお願いいたします。

(渡邉農薬環境管理室室長補佐)

 本件につきましては、今後、パブリックコメントの募集を行いまして、その後、食品安全委員会、農水省の農業資材審議会、そして厚生労働省からの意見聴取を実施する予定でございます。

 以上です。

(中杉部会長)

 それでは、議題の3番目に移らせていただきます。

 バイオレメディエーション小委員会の設置についてでございます。

 事務局からご説明をお願いいたします。

(服部環境管理技術室室長補佐)

 それでは、資料5をご覧ください。

 中央環境審議会土壌農薬部会の小委員会の設置について(改正案)としまして、土壌農薬部会にバイオレメディエーション小委員会を置くものでございます。

 めくっていただきまして、別添2にございますが、このバイオレメディエーション小委員会につきましては、バイオレメディエーションに関する適切な制度の調査審議、個別技術の審査を行うものでございます。

 具体的には、平成17年3月31日に策定された告示、「微生物によるバイオレメディエーション利用指針」に基づき、申請者から提出された浄化事業計画が指針に適合しているか審査をするものでございます。平成16年3月23日に、水環境・土壌農薬合同部会が設置され、その下に置かれたものであり、現在までに17回開催されております。

 今回、合同部会の整理について検討が進められている中で、水環境・土壌農薬合同部会を廃止し、水環境部会、土壌農薬部会の二つの部会の所掌に係る議案でありますバイオレメディエーション制度については、中央環境審議会の運営方針に基づき、中央環境審議会長からの指定により、土壌農薬部会で調査・審議することとするものでございます。

 それにより、資料5にございますように、合同部会の下に置かれているバイオレメディエーション小委員会を今回土壌農薬部会の下に移すために、小委員会の設置についての改定をお願いするものでございます。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。

(中杉部会長)

 これは新しく、今期のといいますか、もう1年あまりたっているんですけども、中央環境審議会の新体制になったときに、合同部会は全て廃止をして、それらの下にある委員会は、どこの部会が所掌するかというのを会長が指定してということでございました。バイオレメディエーション小委員会については、先ほどご説明がありましたように、土壌農薬部会と水環境部会の合同部会ということでございました。今回、会長のほうから、土壌農薬部会で扱うということの指示がございましたので、規定を改定したいということでございます。

 何かご質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

(なし)

(中杉部会長)

 それでは、この資料5にありますように、中央環境審議会土壌農薬部会の小委員会の設置について、改正案のとおり改正をすることを部会決定としたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

(中杉部会長)

 ありがとうございました。

 それでは、設置の了承をいただいた小委員会の構成案が資料5の別紙となります。これは本小委員会が水環境・土壌農薬合同部会のもとに置かれていた際の構成と同じになります。小委員会に所属すべき委員は、中央環境審議会議事運営規則第8条第2項の規定に基づき、部会長が指名することとされています。本委員会にご所属いただく委員は、引き続き同じメンバーとしたいと思います。よろしいでしょうか。

(異議なし)

(中杉部会長)

 ありがとうございました。

 それでは、この後、報告事項に移りますけれども、若干、ここで休憩をとりたいと思います。

 再開を15時からにしたいと思います。よろしくお願いいたします。

(休憩)

(中杉部会長)

 それでは、部会を再開させていただきます。

 次に、報告事項に移ります。

 最初が、第四次環境基本計画(「包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組」部分)に係る点検報告書(案)についてでございます。

 第四次環境基本計画の重点分野の一つである包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組については、ほかの分野と同様、平成26年度の点検対象分野になっております。私が部会長を兼任しております環境保健部会において、事務局となって今、点検を進めてございます。6月25日の環境保健部会で、その点検報告書の(案)についての審議を行いました。この本報告書(案)につきましては、土壌・農薬に係る部分に関する取組の検討・点検結果も含まれてございます。そういう意味で、せっかくの機会でございますので、土壌農薬部会において、この報告書案をご覧いただいて、ご意見をいただき、それを環境保健部会で取りまとめております点検報告書の(案)の中に取り入れさせていただこうというふうに考えてございます。

 それでは、事務局から点検報告書(案)についてご説明をお願いいたします。

(大井環境保健部環境安全課課長補佐)

 ありがとうございます。環境保健部環境安全課の大井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 先ほど中杉部会長のほうからご説明があったとおりでございまして、この第四次環境基本計画の第2回点検におきましては、特に化学物質分野ですね、今年度の点検対象ということであります。まず、経緯の関係で、資料6の後ろから3枚おめくりいただいたところに、資料6別添1というものをつけてございます。そちらをご覧いただけますでしょうか。

 この資料6別添1が、中央環境審議会の総合政策部会で確認をされております点検の進め方についてということでございます。このスケジュールを見ていただきますとわかるとおり、現在、平成26年の7月頭ですけれども、③の中央環境審議会による点検が各関連する部会で行われているところでございます。最終的には、この点検結果が9月ごろに予定されております総合政策部会に報告され、最終的に、年内の点検報告書の閣議報告ということになっていくということでございます。

 この資料の裏、2ページ目を見ていただきますと、重点分野――どの分野を何年度に点検するかという全体的な進め方がございますけれども、下の表の⑨にあります、「包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組」につきましては、今年度、それから28年度に点検をするという予定で、こういった作業を環境保健部会において進めているところでございます。

 ということで、資料6ですけれども、これが先ほど中杉先生からもお話がありましたとおり、先週、環境保健部会のほうで一度ご審議をいただいた点検報告の(案)となってございます。

 本土壌農薬部会を初め、循環型社会部会等関係する部会にもご報告をさせていただいた上で、そこで出たご意見なども踏まえながら、今度、8月――ちょっとまだ時期は未定ですけれども、次回の環境保健部会において、さらにご審議をいただき、総合政策部会に報告をするという段取りで進めたいと考えてございます。

 この報告書、少し長くなるんですけれども、いろんなところに農薬の関係でありますとか、土壌の関係で、本部会に関係する部分が出てきますので、少しご覧をいただければと思います。例えば4ページでございます。重点検討項目の①、科学的なリスク評価の推進等というところの現状でございますけれども、農薬に関する農薬取締法に基づく現在の対応状況が記載を、4ページから5ページにかけて記載をされてございます。

 それから、8ページ、9ページ辺りをご覧いただきますと、農薬に係るリスク評価の推進ということで、やはり取組状況ですね、農林水産省あるいは環境省における取組について記載をしてございます。

 それから、18ページをご覧いただきますと、これは小項目でリスク評価の効率化等に向けた新たな指標の開発・活用というところなんですけれども、農薬に係るリスク評価等の推進、評価手法の高度化などの検討ということで、鳥類の農薬リスク評価、管理手法マニュアルの作成でありますとか、その他、リスク評価指標の高度化といった観点で、どういう取組をしているかということについて記載をさせていただいております。

 また、27ページ辺りには、農薬の出荷量の関係のデータがございますし、それから30ページにも、やはり農薬取締法における規制の状況など、これが記載をされてございます。

 あとは、40ページをご覧いただきますと、汚染された土壌への対応、農用地土壌汚染対策計画に基づく対策等につきましての記載がございます。

 また、40ページの下のほうは、取組状況ということで、土壌汚染対策法に基づく取組について記載をさせていただいております。

 それから、41ページ、42ページについても、引き続きその記載があるといったような状況でございまして、ちょっと、この短時間でご覧いただくのも恐縮ですけれども、基本的には、関係各省における取組状況について点検・報告をいただいたものを基に、この報告(案)を作成しているというところでございます。

 この後、いろんな関係部会等からいただいたご意見を踏まえて、今後の進め方というか、考え方みたいなところについても、さらに記載をしていきたいというふうに考えているところでございます。

 説明は以上でございます。

(中杉部会長)

 土壌農薬部会に関わる部分というのは、必ずしも環境保健部会のほうでご専門の先生ばかりではないですから、この土壌農薬部会でもご意見を伺いたいということでございます。

 特にお願いをしたいのは、ここには課題というふうな形で、今十分できていない項目、こういうことをやっていかなきゃいけないということを、点検報告書ですから、点検した結果として盛り込みたいんですが、そこについては、まだ書き込みがされていません。環境保健部会では、環境保健部会での委員のご意見を踏まえた上で、それをまとめたいということでございます。この土壌農薬部会についても、土壌農薬部会に関連するところについてのご意見を、こういうところをもっとやっておくべきではないかというようなことについてのご意見をいただければ、それは環境保健部会で取りまとめる報告書の中に課題として盛り込んでいきたいと思っておりますので、いろいろご意見をいただければと思います。いかがでございましょうか。

 それでは、まずは浅野委員から。

(浅野委員)

 土壌汚染対策法については、前回の改正で、今まで以上にリスク管理という視点を強調した改正をしているわけですが、必ずしもその改正の趣旨は周知されていると思えない面があって、いまだに、何となく土壌汚染があればそれは大変だというような印象が強いわけです。そこで、もう少し、土対法改正でどこが変わったのかというようなことについて、丁寧にPRをしていく必要があるのではないかと思います。とりわけ、自然由来の土地の問題とか、それから埋め立て、ごみの埋め立て以外の埋立地の問題、こういったようなことに関して、かなり思い切った手直しをしているわけですけども、いかんせん、政省令レベルに書かれていて、法律本体には何も書いていないということがあるものですから、なかなか周知していないのではないかなと心配されます。例えば自治体の担当者でもその点を知らなくて、妙な相談に来るものですから、ちゃんとこういうふうに政省令まで見ればこう書いてあるじゃないかと言うと、「ええっ」というような感じです。これはかなりPR不足じゃないかという感じがします。せっかくいろいろ工夫をしてきているわけですが、それが全然徹底していないわけです。いまだに何か指定物質に汚染されたらもう大変なことになった。この土地は今後は売れなくなる。そんな感じでしか対応されていないし、そもそも土対法というのはリスク管理のための法律なのだということも、なかなかわかってもらえていない。こういう点が課題としてなお残っているので、点検報告の中でどういうふうに課題として書いていいか、直ちに案がありませんが、法の趣旨が徹底するようにする必要がある。

 そして、必要以上の無駄な対策はしなくていいと言うことを制度的には強調しているつもりですが、現実には必要以上の対策が行われているのではないかと思われる。心配されていた汚染土壌があちこちに飛散するということについては、かなりきちっとコントロールできるようになったと思っていますけども、しかし、やっぱりやらなくていい対策がやられているのではないかという印象がなお強い。土対法の課題についてほかで書くところがなければ、この化学物質のところで書く以外にないだろうと思いますので、案文も含めて土壌環境課で考えていただければと思います。

(中杉部会長)

 佐藤委員、どうぞ。

(佐藤(泉)臨時委員)

 今の点に加えてですが、民間の取引では、特に重金属のフッ素とホウ素が基準値を超えるというケースが多くありまして、これが自然由来か自然由来ではないかということが問題になり、また訴訟でも争点になります。自然由来が売買契約における瑕疵として瑕疵担保請求の対象になるかということも、争点の一つです。そもそも、自然由来か人工由来かというのも非常にわかりにくい。また、埋立地では、盛り土や敷き均しによるものを、人為的な汚染というべきか、ということも、国民には理解しにくいところです。日本の国土を考慮すると、やはりフッ素とホウ素の基準値の在り方及び規制が少し過剰なのではないかと思います。対応することは非常に困難です。ほかの物質、たとえば有機塩素系はだんだんに使用量も減っておりますし、新たな土壌への排出は非常に減っていると思います。それからバイオレメディエーション等の現地浄化の技術も進んでおります。したがって、対応が比較的安定化し、理解にむけた方向性が分かりやすく、意見の対立も少ないと思います。しかし、フッ素とホウ素だけは、それほど重大な汚染ではない、自然由来の可能性が高いと思う場合でも、基準値を超えているじゃないかと、人工由来でないことを証明しろと言われることがあります。これは非常に難しい、しかも広範存在しているため、今後問題が解消していく可能性が低いという問題があります。これをリスクコミュニケーションで解決しろと言われても、やっぱり基準値が大前提であるため、解決するというのは、ちょっと難しいなというのが私の感覚でございます。これは制度的に改めて数値の持つ意味というものがわかるようにしていただきたいというふうに思います。

 以上です。

(中杉部会長)

 リスクベースで少し考えていこうというご指摘だと思いますけど。

 浅見委員、どうぞ。

(浅見臨時委員)

 ありがとうございます。

 今のご発言のホウ素とフッ素は、意外と自然界に多いんですけれども、意外と基準値と健康影響が指摘される値のマージンが非常に近接している物質ですので、なかなか確かに難しいなと思います。

 一方、肥料で使われているものですとか、そういったものでも少しコントロールできるのではないかなというのは、もうちょっと化学物質の中でも入れていただければなと思っているところなんですけれども、今回の点検に関しましては、ちょっと、まず4ページのところで、「農薬については」というので、基準値設定を不要としたとかというのが書いてあるんですけれども、これは一般的に見て、だからどういう状態なのかというのがちょっとわかりにくいのではないかなと思っております。

 図表3で、上と下に水産と水質汚濁が件数として並んでいるんですけれども、ここまでやったんだけれども、どれが重複していてどうなのかなというのが、後で8ページのところには図表6で出てくるんですけれども、これが一体どういう状態だというふうな感じなのかなというのが、若干わかりにくいかなというふうに思っています。

 あと、9ページのところで、モニタリングの実施とあるんですが、農薬に関しましては、能動的に調査をされているデータがちょっと少ないので、いろんなデータと突き合わせていくような中では、普通に農薬として使われているものだけではなくて、一般的に、街路樹ですとか、公園とか、別のところで使われたものが予想外の濃度で環境中から出てきてしまっているというような部分もあるかと思うんですけれども、その辺は、どこかにもう少し使用方法についてフォローアップをしているとか、そういうされていることを書いていただいたほうがいいのではないかなと思っております。

 あと、18ページのところに、生物多様性に配慮した農薬のことが書いてあるんですけれども、最近の話題に関しましては、バイオアッセイだけでカバーできているのかどうかというような疑義が話題になっているのかなと思うんですけれども、その辺がどこかに入るのかどうか、ちょっとその辺りを教えていただければと思います。

(中杉部会長)

 今のご質問の、お答えがあれば。

(更田農薬環境管理室長)

 4ページのところで、多分、「基準値設定不要」とだけ言っていて、何で不要なのかわからないじゃないかということは、確かにあろうと思います。実際、8ページのほうを見ていただきますと、農薬の剤型、表のすぐ上ですね、登録保留基準の設定の2ポツ目のところで、農薬の剤型ですとか、使用方法から見て、農薬が水系に流出するおそれがないと認められるものとか、こういった例示を挙げて、設定不要はなぜ不要になっているかというところを補足していますので、それを、繰り返しになるかもしれませんが、4ページのほうでも少し触れて、わかりやすくしたいなと思っております。

 それから、バイオアッセイ以外の手法といったところですが、一応、現状では、我々環境省として取り組んでいるのは、今、この3点、鳥類はもう既に終わっていますけども、メソコズム試験とSSDのこの二つを進めていますけども、そのほかに諸外国の取組とかも鋭意調べて、我が国で取り入れるべきものについては、さらに調査・検討をしていこうということで、情報収集はしていますので、そういった中から、また新たな取組が必要なものがあれば、そういったものについても検討をしていきたいと思っています。

(中杉部会長)

 いろんな試験は、農薬の登録申請に際して出されている試験結果というのはたくさんあるんですよね、実は。水産動植物のところとか、食品絡みの、ヒト健康だけではなくて。そこら辺の情報というのは、どういうものが登録時に出されていて、それを規制基準なんかに使っているのは、このレベル、これとこれとこれを使ってやっていると。ほかのものについては、例えばこういう使い方をしているというふうなところのやっぱり説明がないといけないのかなと。ネオニコの話が盛んに出てきますけども、あれについても、ミツバチの毒性試験というのは、試験結果の届け出はさせているわけです。届け出をされているんだけど、それを実際には、使い方についての指導にそれを活用しているとか、そういうところの説明が全くないので、あたかも何もやっていないように見られると。

(更田農薬環境管理室長)

 今のは確かにほかの例えば有用生物ということで、ミツバチですとかカイコに対する毒性試験、あと魚毒性ですね、そういったものも調べておりまして、それは登録検査のみならず、使用上の注意ということで、農水省のほうではラベルに記載して、この農薬は例えばカイコにかからないように使いましょうとか、そういったラベルに反映させておりますので、ご指摘の点は農水省さんのほうの所掌のところですので、そちらにもお伝えして、この点検結果を検討するよう、本日のご意見をお伝えしたいと思います。

(中杉部会長)

 これは必ずしも環境省の活動を点検する話じゃなくて、これは、国の環境基本計画というのは国全体の計画ですので、ほかの省庁でやられているものについても、できるだけ盛り込んで記載をしていただく必要があるんだろうと思いますね。その上で足りないか足りるかという話の議論だと思います。

 いかがでしょうか。はい、どうぞ。

(佐藤(泉)臨時委員)

 今の点について、追加ですが、使用量が急激に増えている農薬については、新しい視点で監視の目を強めませんと、後手に回ると思います。使用量情報の把握、これを農水省等と連携して進めて、予防的な取組を進めていただきたいというふうに思います。特にネオニコチノイドの例がございましたけれども、急激に使用量が増えているというふうに伺っておりますので、そういう傾向も踏まえて対策を進めていただきたいと思います。

(更田農薬環境管理室長)

 農薬の使用量といいますか、出荷量としてのデータは、27ページに記載させていただいてございます。全体的に、農地面積ですか、こういったものも減っていますので、使用量は減少傾向にあります。

 また、先ほどご指摘ありましたネオニコも、開発当初からは増えたんですけども、ここ四、五年は、むしろ横ばいないし減少傾向というような状況になっていますので、出荷量からみれば、減ってきている状況にはあるかなと思っております。

(中杉部会長)

 大塚先生。

(大塚委員)

 恐れ入ります。土壌汚染のところで、40ページから41ページにかけてでございますが、41ページに図表19というのがあって、これは何か二つ同じものがついているような気がするんですが、ちょっとそれはいいとして、一つは、ちょっとこの表がわかりにくいということは、あまり言ってもしようがないんですけど、最後の欄の土壌汚染状況調査の結果報告件数というのは、4条だけのようなので、これは後でご説明いただく資料7の3ページとかを見るとわかりますが、ちょっとこれでは全部の土壌汚染状況調査のようなことになっているので、ちょっとそれは直しておいてください。

 もう少し実質的な話としては、平成24年度と25年度を比べると、形質変更時の届け出件数が増えたんですけど、特定有害物質による汚染のおそれのある土地の調査命令の発出件数のほうはかなり減っていて、これは多分分析をしていただくことになると思うんですけど、もし今何かご指摘いただけるのでしたらお願いします。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 ちょっと後ほど、資料7のほうにも載っておりまして、こういう都道府県からアンケートを行って、回答をいただいて、調査命令件数というのを累計しているんですけど、そうならなかったものについて、なぜならなかったかというところまでは聞いていないものでございますので、それをやろうとすると、もう一回、なぜそう判断したかとか、その辺の細かい分析が必要になるのかなというふうには考えております。今は、こういうやったと――調査命令をかけた、かけていないという結果だけいただいておりますので、すみません、ちょっとそこの詳細なところまでは把握していないというのが実情でございます。

(大塚委員)

 後段は、おやりになるんですよね。

(中杉部会長)

 そういうご指摘だということで、必要性を……。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 そうですね、はい。

(中杉部会長)

 土壌汚染対策法の見直しの話もスケジュールに入ってきますから、そういうときに必要があればやるということに。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 はい。

(中杉部会長)

 時間がございますので、急にお見せして、すぐにコメントというわけになかなかいかないのかもしれませんが、環境保健部会のほうでも同様な扱いをさせていただきましたけど、コメントがございましたら、1週間くらいの間に事務局のほうに伝えていただいて、それをまた保健部のほうに伝えていただくというようなことにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。今、いろいろご意見をいただきまして、それを踏まえた上で、どのくらい点検の中に盛り込むかというのは、また環境保健部会のほうで議論をさせていただきますけども、それをもう一回、土壌農薬部会で議論をしていただくことにはならないとは思いますので、環境保健部会のほうにお任せをいただければと。これは環境保健部会で議論したものを、さらに総合政策部会で議論をして、認めていただくというような形になっていますので、そういう手順を踏ませていただこうというふうに考えております。よろしいでしょうか。

(異議なし)

(中杉部会長)

 それでは、報告事項の2番目でございます。最近の土壌環境行政についてでございます。

 事務局からご説明をお願いいたします。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 土壌環境課でございます。

 資料7の最近の土壌環境行政についてをご覧になっていただきたいと思います。

 めくっていただいて、目次がございまして、その次の土壌汚染対策法の概要は、先ほどご説明させていただきましたので、省略させていただきます。

 それで、次が、3ページ目が土壌汚染状況調査の件数ということで、先ほど大塚先生から指摘がございましたが、この表を先ほどの図のほうにも使っているということでございます。それで、それぞれ法3条、有害物質使用特定施設の廃止に伴う調査、法4条、形質の変更に伴う調査、法5条、調査命令に関する調査ということで、あとは法14条の自主的な申請件数というものについて、それぞれ何件調査を行われたかということを各自治体にアンケート調査を行って、それを取りまとめたというものでございます。

 法3条につきましては、大体1,000件前後ということで、23年度は少し少なかったんですけども、24年度は廃止の届け出件数がちょっと多かったと。ただ、調査件数といたしましては、大体、243件ということで、昨年度並みということでございまして、その分、一時的に免除されている件数が増えているという状況になっております。

 法4条につきましては、大体昨年度と同様に、大体1万件近くございまして、あと、そのうち調査命令件数がかかったものが126件ということで、若干少なくなっているという状況でございます。

 また、法5条の調査命令につきましては、改正法が施行されてから3年間、24年度まで件数がないという状況になっております。

 法14条の自主的な調査に基づく申請件数につきましては、303件ということで、平成24年度は、平成23年度に比べて若干増えているという状況になっております。

 その次の4ページ目が、それぞれ、改正土対法施行以後に指定された区域数ということで、累計になっております。その結果、今年の5月末までの状況で、法14条に基づいて指定されたのが800件、そのうち解除されたのが234件。また、3条に基づき指定されたのが483件で、うち194件が解除というような形でなっております。現在、指定されて、その後解除された区域も含めて、また、法改正前という、平成22年に施行されておりますが、それ以前のものからずっと続いているものの件数も含めて、現在1,201件指定されているというところでございます。

 次のページが、同じ指定について、区域別――要措置区域と形質変更時要届出区域別に整理したものでございます。現在、要措置区域として指定されたものが271件、うち152件が解除されていると。改正法施行以降に形質変更時要届出区域として指定されましたのが1,391件で、うち448件が解除されております。という状況でございまして、現在の区域指定件数が同じく1,201件ということになっております。

 また、次の6ページ目が、土壌汚染対策の実施内容ということでございます。対策におきましては、直接摂取によるリスクに対する対策として、舗装だとか、立入禁止、土壌入れ替え、盛り土といった対策。地下水の摂取等によるリスクに対する対策として、地下水の水質測定、封じ込め等、地下水汚染の拡大の防止、不溶化といった対策。そのほか、土壌汚染の除去ということで、掘削除去や原位置浄化といった対策がございます。件数を見ますと、要措置区域、形質変更時要届出区域、それぞれ対策の実施件数が載っております。これは回答事例数等もございまして、それぞれ一つの区域で複数の対策等を行っているようなところもございますので、合計としては一致しないんですけれども、全体として、掘削除去の対策が大部分、大きく占めているという状況になっております。

 次のページが、汚染土壌処理業の許可件数ということでございます。これも改正法が施行された平成22年度から許可を行っているわけですけども、当初、かなり許可が行われたところですけど、最近は少しずつ許可されたり、また、一時廃止されたりしているところもございまして、現在、平成26年5月末現在では、事業所数が91ということになっております。これはそれぞれ内訳が載っておりますけれども、一つの事業所が複数の処理施設を保有しているというケースもございますので、それぞれの施設数の合計とは合致しないということになっております。

 8ページ目が、認定調査の実施状況でございます。これは要措置区域内の土地の土壌を法の対象から外すということで、認定調査の結果、全部基準値を満たしているということであれば、その後の対策が不要になるというものでございます。平成22年度は5件、平成23年度は15件、平成24年度は25件認定されたというところでございます。

 次のページが、自然由来特例区域等についてということで、概要を示しているところでございます。形質変更時要届出区域につきましては、形質変更を行おうとするときには、基準不適合土壌が帯水層に接しないようにするということが必要になっております。それが省令第53条第2号ということでございますけれども、これが自然由来特例区域だとか、埋立地特例区域、それから埋立地管理区域については、適用除外だとか、告示の方法で施行することによって適用除外にするといったような特例措置を設けているというところでございます。それぞれ件数について、自然由来特例区域については60件、埋立地特例区域については6件、埋立地管理区域については38件、それぞれ指定しているところでございます。

 具体的な指定状況につきましては、11ページ目から13ページ目に載せているところでございます。

 最後、14ページ目が、技術管理者試験の実施状況ということでございます。これも平成22年度から施行されている改正法によって新たに位置づけられたものでございまして、要は調査を行う指定調査機関というところは、必ずこの技術管理者試験に合格した技術管理者を置かなければならないということになっております。それで、これまで4回試験が行われてきているところでございます。やっぱり合格率がですね、平成22年度、若干、最初の年は19%ということで、それでも2割ぐらいだったんですけども、23年、24年は10%程度と。25年度は、若干問題等が簡単になったのか、平均点としては上がったんですけれども、その分、合格基準を少し見直したこともありまして、合格率が15.9%ということになっております。そういったこともあって、必ず技術管理者、そういったものを置かなければならないということになりまして、現在、指定調査機関数が651社ということで、法改正前は1,000件を超えていたんですけども、かなり減っているという状況でございます。

 以上でございます。

(中杉部会長)

 ありがとうございました。

 ただいまのご説明に対して、ご質問のある方はお願いをいたします。いかがでございましょう。

 太田委員、どうぞ。

(太田臨時委員)

 非常にわかりやすくご説明いただきました。

 一番最後の技術管理者試験の関係なんですけれども、これは試験に受かると、更新とか、そういうようなものはないんでしょうか。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 更新はございます。試験に受かった技術管理者は技術管理者証が発行されると、有効期間は5年間ということでございまして、その5年間が切れる前に講習を受けなければならないということになっておりまして、これからですね、来年度ぐらいから講習を始めるという予定にしております。

(太田臨時委員)

 なるほど。今の行政自体がかなりスピードが速いので、5年の途中ででも例えば、受講が任意のものでも行っていただくと、ある意味では、受講者は最大のスポークスマンになってくれる可能性を有しているかというか、行政の動きを広めてくれる人たちでもあるので、そういう活用方法なんかもお考えになったらどうかなという感じがいたしました。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 ありがとうございます。

(中杉部会長)

 ほか、いかがでしょうか。はい、どうぞ。

(平田臨時委員)

 8ページに、土対法に基づく実施内容が出ていますよね。これは法改正をして効果を上げているんですか。例えば掘削除去が割合として減っているとか、原位置浄化が増えてきているとか、そういうようなものはどうなんでしょう。傾向として、どうなんでしょうか。

(柳田土壌環境課課長補佐)

 傾向までは、まだちょっと詳細には分析はしていないんですけれども、全体として見ると、やっぱり掘削除去が多いなという認識は持っております。まだ当初、改正法の意図したところが、まだしっかりと定着していないのかなというふうに――詳細な分析はこれから行っていくんですけれども、担当としてはそのように考えております。

(中杉部会長)

 掘削除去というのは、汚染対策ではなくて、工事の関係で掘削せざるを得ないというのは、東京なんかでの都市開発では非常に多いですね。地下室を多分つくるので、くいを打つとか。そうなると、汚染対策での掘削除去ではなくて、掘削をせざるを得なくなって、それが土壌汚染対策としての掘削除去になるというふうな事例もあるんだろうというふうに思いますね。だから、これは単純に掘削除去をしているというのは、よく言われる過剰なという――浅野委員が言われた過剰なというのが多分多いんだと思いますけども、それだけではないという、少しそこら辺のところも見たらどうかなというふうな感じがいたします。

 それから、もう一つ、私のほうから、2ページの土壌汚染状況調査のところで、法3条と4条なんですけども、実は法4条の中に3条が隠れている。というのは、このごろ東京のアセスの審議会などに出ているものですから、よく目にするんですけれども、大規模開発を――アセスだと大規模開発をします。そのとき土壌汚染をどうするかという話になると、小さな町工場があるところを大規模開発する、そうすると法4条の調査になるんですね。でも、実際には工事を、有害物質使用特定施設が廃止をされて、多分、それは両方で出すということじゃないので、多分、法4条になっているのではないだろうかと。だから、そこら辺のところも少し……。そんなに数は多くないかもしれませんけど、どういうふうな状況になっているかというのは少し調べてみてもいいかもしれません。より正確にというふうな意味で言いますと。ちょっと、そういう意味では、幾つか実態的に見ていくとというようなことが出てきますので。

 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 先ほど、環境基本計画の見直しのところでいろいろご指摘を受けた部分が若干絡んだところがありますので、またこれらの結果を踏まえて議論をしていくことだろうというふうに思いますけど。

(なし)

(中杉部会長)

 それでは、次に最近の農薬環境行政について、事務局のほうからご説明をお願いいたします。

(渡邉農薬環境管理室室長補佐)

 資料8をご覧ください。農薬環境管理室よりご説明いたします。

 最近の農薬環境行政についてでございます。

 まず、1番のところの農薬登録保留基準でございますが、農薬登録の際に、環境大臣が定めます登録について、登録してもよいかどうかという基準のうち、個別の農薬ごとに定める基準がございまして、(1)の水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣が定める基準の設定でございますが、こちらについて、前回、昨年の10月の部会以降、農薬小委員会でご議論いただきまして、基準値の設定の検討を行ってございます。

 ①ですが、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準(水産基準)につきましては、新たに30農薬について基準値を設定してございます。また、新たに10農薬につきましては、先ほどの環境基本計画の件でもお話がございました、環境生物への毒性等が認められない等の理由によって基準値は設定不要となってございます。

 続きまして、②の水質汚濁に係る農薬登録保留基準――水濁基準と申しますが、こちらについては、新たに12農薬について基準値が設定されてございます。また、新たに、10農薬について、人への毒性等が認められない等の理由によりまして、基準値設定不要としてございます。

 続きまして、(2)の農薬登録申請時に提出する資料についてでございます。こちらにつきましては、農薬登録申請の際に、これまでは検査を実施している農水省で毒性に関する試験等の試験成績書のほかに、試験成績書を取りまとめました農薬抄録の提出を求めていました。しかしながら、農薬の登録の制度の国際調和を図る一環としまして、OECDで農薬製剤及びその有効成分に係る試験成績提出に関するOECDガイダンス(ドシエガイダンス)が作成されまして、こちらの共通様式が示されたことを受けまして、我が国でも、この様式を導入することといたしまして、試験成績や各資料を提出する上で、必要な事項を取りまとめました「農薬登録申請時に提出する資料について」ということで、農水省の課長通知が発出されたところでございます。

 続きまして、2の特定農薬に関する取組でございます。特定農薬とは、農薬取締法におきまして、その原材料に照らし、人畜等に害を及ぼすおそれがないとして、農水大臣及び環境大臣が指定する農薬でございまして、登録の必要がないものでございます。こちらにつきまして、昨年の9月の農薬小委員会での審議の後、新たに電解次亜塩素酸水とエチレンと焼酎を指定する方向で検討を進めてございまして、本年3月に、電解次亜塩素酸水とエチレンについては、特定農薬として指定する告示の改正を行いました。しかしながら、焼酎につきましては、パブコメを実施しましたところ、特定農薬として指定することがイメージダウンにつながるのではないかといったような反対意見が多く出されましたことから、今回は指定を見送りまして、その指定の範囲等について、再度検討することといたしております。また、特定農薬の検討候補資材と今までされておりました、35資材がございましたが、そちらのほうについて、名称から資材が特定できないものですとか、法に規定する農薬の定義に該当しないものを除外しまして、今後検討していく特定農薬の候補資材を10農薬に絞ってございます。

 続きまして、3番の平成25年度農薬残留対策総合調査結果についてでございます。先ほど1で申し上げました水産・水濁基準が設定された農薬のうち、環境中で予測される濃度と基準値が近接している農薬等を対象に、実環境中のばく露実態を把握するための調査でございまして、河川における農薬濃度のモニタリングを、25年度は、全国で7カ所実施しています。そのうち1カ所で基準値の超過が見られたため、本年度の調査で超過理由の検証を行っているところでございます。また、農薬小委員会で登録保留基準値と環境中の予測濃度が近接していて、モニタリングを実施すべきとされていました農薬が増えていることから、出荷量等を考慮しまして、優先順位を検討して、モニタリングを戦略的に推進することとしてございます。

 続きまして、4番のゴルフ場使用農薬暫定指針でございます。ゴルフ場で使用する農薬による水質汚濁を未然に防止するために、指針を発出しておりまして、これに基づき、ゴルフ場の排出水の調査を行っているものでございます。24年度の水質調査の結果、延べ2万3,205検体で実施いたしましたところ、基準値を超えて検出される事例はございませんでした。

 続きまして、農薬危害防止運動についてでございます。農薬の使用に伴う事故や被害を防止するために、危害防止運動を厚労省と農水省と共同で毎年6月から8月にかけて実施しております。実施に先立ちまして、各都道府県等へ、この運動について周知・協力ということで、通知を発出しております。

 続きまして、6公園・街路樹等病害虫・雑草管理マニュアルについてでございます。公園等の植栽管理に使用される農薬の飛散リスク軽減に資するために、平成22年に策定しましたマニュアルでして、本年1月に、自治体等からよくある質問等を取りまとめ、Q&Aを追加し、再度改訂、公表したところでございます。

 7の研究総合推進費の実施課題の成果についてでございます。適切なリスク管理対策の実施を可能にする農薬の定量的リスク評価法の開発という課題で、昨年度までの事業でございます。内容としましては、農薬の登録制度で、現在の登録制度では農薬の水域生態系のリスクについて、限られた3種の毒性評価と標準的な環境モデルによってリスク評価を実施してございますが、生態系全体を考慮する課題がございます。そこで、農薬の生態系への影響について、統計学的手法によって種の感受性分布――SSDと申しますが、そちらを活用しました新たな水域生態系リスクの評価手法の開発を推進してございます。このSSDを算出するのに、5種の毒性試験が必要でございまして、この事業で、5種の付着藻類の毒性試験を一度に実施可能な毒性試験法を開発したところでございます。

 以上でございます。

(中杉部会長)

 ご質問がございましたらお願いいたします。いかがでございましょうか。

 これは一番最後に絡んでですけれども、この農薬の審査をやっていて非常に気になっているところというのは、従来は、殺虫剤だとミジンコに大体毒性が出る、除草剤だと藻類に毒性が出るというのが通常で、納得がいく結果なんですけども、このごろ、非常にそういう、どの試験生物にも毒性が出てこない、だけど対象生物には非常に効いているというのが少し増えてきているように思うので、それが一番最後のSSDの管理でいけるのかどうかというのが一つの問題なんですけど、少し、そういうものについて、どういうふうに考えていくかというのを検討していく必要があるのかなと。まだ先ほどの環境基本計画の問題の課題に上げるほどのレベルではないと思いますけど、ちょっと気になっているんですね。農薬小委員会の議論でも、やっぱり有用な種に対してだけ効いてしまうと。目的とする生物だけではなくて、その近くのですね。そういうふうなものについては、今の評価の中ではつかまらないことになります。そういうものをどういうふうに考えていくかというのは、少しずつ検討していく課題だろうというふうに思いますので、ちょっとそういう勉強も始めておいていただければと思いますが。

(上路臨時委員)

 今の、SSDのところなんですけども、7の、2ページの下から2行目、3行目、これはちょっと限定的なんじゃないかなと思って。藻類で5種類というのは、藻類での毒性試験は5種類ということ。何も藻類に限ったことではなくて、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、後ろのほうの51ページのところで、「SSD解析のためには」というふうに書いてありますので、ここではSSDで藻類で5種類以上すれば、全て水域生態リスク評価法がいくというふうにとられかねないので、ちょっと表現を変えたほうがいい。藻類だけじゃないですよと。魚類でも、甲殻類でもという形に直したらいかがかと思います。

(中杉部会長)

 これは、藻類について5種類の試験法を開発したということですよね。

(上路臨時委員)

 除草剤の場合はそうだけれどもという……。

(更田農薬環境管理室長)

 実はもう甲殻類のほうにつきましては、一応、ユスリカとか、他の試験法がありますので、5種類できますので、藻類はなかったので、今回できたということです。

(上路臨時委員)

 それならそれなりに、前のほうに、下から4行目の辺りのところに「藻類については」というふうに入れないと、ちょっと誤解を招くんじゃないかなと。

(更田農薬環境管理室長)

 はい。承知しました。

(中杉部会長)

 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(なし)

(中杉部会長)

 それでは、一応、報告事項が①から③まで終わりということにさせていただきます。

 その他、本日の審議全体あるいは本部会について、何かご意見、ご質問等ありますでしょうか。いかがでございましょう。よろしいですか。

(なし)

(中杉部会長)

 特にないようでしたら、本日の議事については以上となります。

 進行を事務局のほうにお返しいたします。

(更田農薬環境管理室長)

 委員の皆様におかれましては、ご多忙の中、ご出席いただきまして、また長時間にわたりまして熱心にご審議いただきまして、ありがとうございました。

 土壌環境基準の見直し等につきましては、昨年、6物質について諮問を行ったところですが、今後、1,1-ジクロロエチレン以外、1,4-ジオキサンですとか、塩ビモノマーとかですね、また引き続きご審議いただきたいと思っています。

 以上をもちまして、本日の第31回土壌農薬部会を閉会させていただきます。本日は、どうもありがとうございました。

(了)

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