中央環境審議会土壌農薬部会(第20回)議事録

1.日時

平成18年3月31日(金)14:01~16:09

2.場所

経済産業省別館1028会議室

3.出席委員

部会長 松本 聰 臨時委員 櫻井 治彦
部会長代理 須藤 隆一 佐藤 泉
委員 大塚 直 佐藤 福男
委員 高橋 滋 白石 寛明
委員 藤井 絢子 鈴木 英夫
臨時委員 浅野 直人 関澤 秀哲
今井 秀夫 中杉 修身
岡田 齊夫 中野 璋代
亀若 誠 細見 正明
黒川 雄二 森田 昌敏
黒澤 正敬 若林 明子
五箇 公一 渡部 徳子

(欠席は、佐藤(洋)委員、桝井委員、和気委員、稲垣臨時委員、上路臨時委員、河内臨時委員、岸井臨時委員、嶌田臨時委員、眞柄臨時委員)

4.委員以外の出席者

環境省

坪香水環境担当審議官、鏑木土壌環境課長、鈴木農薬環境管理室長、尾川地下水・地盤環境室長、太田土壌環境課課長補佐、中山土壌環境課課長補佐

5.議題

(1)
油汚染対策ガイドラインの今後のフォローアップについて
(2)
その他

6.配付資料

資料1中央環境審議会土壌農薬部会委員名簿
資料2中央環境審議会土壌農薬部会土壌汚染技術基準等専門委員会報告書
「油汚染対策ガイドライン-鉱油類を含む土壌に起因する油臭・油膜問題への土地所有者等による対応の考え方-」
資料3油汚染対策ガイドラインの今後のフォローアップについて(案)
説明資料参考資料の説明スライド
参考資料1中央環境審議会土壌農薬部会土壌汚染技術基準等専門委員会報告書
「油汚染対策ガイドライン-鉱油類を含む土壌に起因する油臭・油膜問題への土地所有者等による対応の考え方-」
参考資料2土壌汚染対策法施行状況
参考資料3平成15年度土壌汚染対策法の施行状況及び土壌汚染調査・対策事例等に関する調査結果の概要
参考資料4平成16年度農用地土壌汚染防止対策の概要
参考資料5ダイオキシン類対策特別措置法に基づく対策地域について
参考資料6平成18年度土壌環境・農薬関係予算
参考資料7 最近の農薬環境行政について

7.議事

(鏑木土壌環境課長)
 定刻となりましたので、ただいまから第20回中央環境審議会土壌農薬部会を開催させていただきます。
 本日は、委員総数33名の方のうち25名の御出席が予定されておりまして、ただいまのところ、まだ、大塚先生と眞柄先生が御到着ではありませんが、既に部会開催の要件、つまり定足数の17名を満たしておりますことを御報告させていただきます。
 なお、本年の1月31日付で、中央環境審議会の臨時委員でいらっしゃった国立大学法人東北大学大学院医学系研究科の佐藤洋先生が審議会の委員とおなりになりまして、あわせて新たにこの土壌農薬部会にも所属されることになりましたことをお知らせいたします。本日は御都合により御欠席でございます。
 議事に先立ちまして、まず環境省の坪香水環境担当審議官よりごあいさつをさせていただきます。

(坪香水環境担当審議官)
 水環境担当審議官の坪香でございます。第20回の中央環境審議会の土壌農薬部会の開催に当たりまして、ごあいさつ申し上げます。
 本日は、年度末、もう本当に押し迫ったときに、非常にお忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。昨年来、油汚染にかかります油臭ですとかあるいは油膜といった生活環境保全上の支障が生じているときに、どのような調査、対策を行えばよいかということにつきまして、当部会の専門委員会におきまして検討を重ねていただいたところでございます。先ごろ報告書をまとめていただきましたので、また後ほど御報告があるかというふうに思います。
 当専門委員会につきましては、昨年の10月から4回にわたりまして極めて濃密な御審議をいただいているところです。今月の3月8日に専門委員会で取りまとめていただいたというところでございます。この間パブリックコメントを行ったわけでございますが、約340件という非常に多くの御意見をいただいております。改めてこの油汚染に関する問題の施策の重要性を思うところでございます。
 ガイドラインにつきましては、非常にわかりやすくて、極めてきめ細やかな配慮をされたものでございます。さらに、専門の調査あるいは対策を行っている会社向けにも、大変参考になるものというふうに思います。このガイドラインが我が国の土壌環境行政を推進する上で非常に大きな一歩となるものというふうに思います。これもひとえに、森田委員長を初めとする専門委員会の先生方には、改めて感謝申し上げる次第でございます。
 このガイドラインを受けまして、来年度からはフォローアップ事業を進めてまいりたいというふうに思っております。本日の部会におきましては、さらにそのほか、土壌環境行政をめぐる最近の状況並びに農薬環境行政についての最近の取組等につきましても御報告させていただきたいと思いますので、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 委員の皆様方におかれましては、今後とも引き続き御指導を賜りたく存じますので、よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

(鏑木土壌環境課長)
 議事に入ります前に、本日の配付資料について御確認をさせていただきたいと思っておりますが、さらにそれに先立ちまして、3月13日の中央環境審議会総会におきまして「中央環境審議会の運営方針について」が改正されまして、ちょっと電気を暗くさせていただきますが、環境への配慮として、会議に当たっては会議資料として配付する紙の枚数を必要最低限とするなど、環境への負荷を削減するよう努めるということが決定されたわけでございます。したがいまして、本日の会議では、事務局からの説明は可能な限りスライドを使用させていただくということでございます。
 こんなことで、今、スライドに映しておりますが、紙を必要最低限とするということでございます。
 また、傍聴者の方の参考資料の配付につきましても省略をさせていただきましたが、ただ、このスライドの説明資料につきましては、説明資料として傍聴者の皆様にも配付をさせていただいております。
 では、配付資料の確認をさせていただきます。

(太田土壌環境課課長補佐)
 それでは、議事次第の配付資料一覧に従いまして、本日お配りいたしました資料の確認をさせていただきたいと思います。
 資料1といたしまして、中央環境審議会土壌農薬部会委員名簿、1枚物でございます。資料2といたしまして、中央環境審議会土壌農薬部会土壌汚染技術基準等専門委員会報告書「油汚染対策ガイドライン」でございます。これはA4横長の資料でございます。資料3といたしまして、油汚染対策ガイドラインの今後のフォローアップについて(案)でございます。それから説明資料といたしまして、参考資料の説明スライドというものをお配りさせていただいております。それから追加資料でございますけれども、1枚ものの東京都公報というふうに書いてございまして、右上に追加資料という印をさせていただいているものを追加させていただいております。これは参考資料の説明スライドという説明資料の6ページと7ページの間に挟み込んでいただくものでございます。よろしくお願いいたします。
 傍聴者の皆様方には以上の資料を配らせていただいておりますが、以下の資料は委員のみのものでございます。
 参考資料1でございますが、油汚染対策ガイドラインの冊子でございます。参考資料2でございますが、土壌汚染対策法施行状況でございます。それから参考資料3でございますが、平成15年度土壌汚染対策法の施行状況及び土壌汚染調査・対策事例等に関する調査結果の概要、これも冊子でございます。参考資料4でございますが、平成16年度農用地土壌汚染防止対策の概要、これも冊子でございます。参考資料5といたしまして、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく対策地域について、1枚ものでございます。それから参考資料6でございますが、平成18年度土壌環境・農薬関係予算、横長のものでございます。最後に参考資料7といたしまして、最近の農薬環境行政についてでございます。
 お配りしました資料は以上でございますが、過不足等があれば事務局までお申しつけくださいませ。
 なお、参考資料1から7につきましては、本部会終了後、環境省のホームページにおいて掲載させていただく予定でございます。
 以上でございます。

(松本部会長)
 皆さん、こんにちは。本日は年度末ぎりぎりの日に招集をかけまして、御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、早速、議事次第に従いまして、議題1の油汚染対策ガイドラインの今後のフォローアップについて御審議をお願いしたいと思います。
 土壌の油汚染対策につきましては、前回の本部会で土壌汚染技術基準等専門委員会に検討をお願いしておりましたが、同委員会におきまして報告書、お手元の報告書、油汚染対策ガイドラインが取りまとめられたところでございます。そこで、同委員会の委員長でございます森田委員からご報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

(森田臨時委員)
 それでは早速ですけれども、私の方から、まず専門委員会におきましての審議の経過並びに若干のガイドラインのポイントについて、御説明をさせていただきたいと思います。
 審議の経過でございますが、まず、全体的なバックグラウンドといたしましては、中央環境審議会への答申、今後の土壌環境保全対策のあり方についてということで平成14年の1月にまとめられた報告が一つございます。この中で、早急に油による土壌汚染の実態の把握、環境影響についての知見の集積を図る必要性があるという指摘がございました。
 それから、土壌汚染対策法が制定されたときの国会の附帯決議がもう一つの背景にありまして、土壌汚染による生活環境や生態系への影響、油類の汚染実態の把握などについて、早急に科学的な知見の集積に努めることというのが衆議院の環境委員会、また土壌汚染による生活環境や生態系への影響、油類等の特定有害物質以外の他の物質による土壌汚染の未然防止措置について早急に検討を進めることという参議院環境委員会の附帯決議がございます。
 このような背景を受けまして、中央環境審議会でもこれを取り上げていただきまして、6月24日の第19回の土壌農薬部会で、専門委員会の方で砕いた議論をするようにというふうな御指示がございまして、10月5日に最初のミーティングをやりました。以来、全部で4回の専門委員会を開かせていただいております。
 最初は、油汚染対策のガイドラインをどういうイメージとしてつくるかという議論からスタートいたしまして、その後、実態の中身に入っていっております。第3回目の案を策定した段階でパブリックコメントにかけさせていただきまして、1月19日から2月17日まで約1カ月間、コメントをいただきました。ここでは、先ほど審議官の方から御説明がありましたように、341件の膨大な数の意見をいただいておりまして、その貴重な意見をまたガイドラインの中に埋め込めさせていただくというそういう作業をやっておりました。
 主な意見と対応の考え方でありますけれども、一つは油汚染と言っているものとしても、人の健康保護の観点からの検討が必要ではないかという議論がございました。これにつきましては、人の健康保護の観点からの土壌汚染対策は、土壌汚染対策法との枠組みで対応するということでありまして、本ガイドラインの一応対象外という整理をしております。また、人の感覚による判断というのは個人差があいまいなので、油臭や油膜についても具体的な数値基準を設けた方がよいのではないかというコメントもございましたが、ここにつきましても、人の感覚を補完し関係者の共通の理解を得るための手段として、トータル・ペトロリアム・ハイドロカーボンといったものを用いることとしております。
 それから3番目に、また本ガイドラインに取り上げられていないような有用な技術や方法についても排除されないようにされたいという意見がございまして、これについても同等以上のものであればその使用を制限しないという形の旨で記載をしております。
 以上のような形でコメントを整理させていただいて、3月8日にほぼ取りまとめが終わりまして、本日の提出になっております。
 この作成に当たりましては、委員の先生方はもちろんのこと、関係団体からも貴重な御意見をいただきましたし、また、事務局に精力的に作業をしていただきまして、割合精緻なものにまとまってきたかなと思っております。ガイドラインの概要、さらにガイドラインの今後フォローアップについての御説明は事務局の方にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(鏑木土壌環境課長)
 引き続きまして、今の専門委員長の御指示を受けまして御説明をさせていただきます。
 まずスライドでございますが、これは初めての専門委員会での検討の際に出させていただいたものの非常に要約した資料でございます。これは「油汚染」の調査対策というのは、一体どういうところでどのように何を契機として行われているかということで、平成13年に、土壌汚染対策法ができる前でございますが、環境省が、土壌汚染の調査とか対策を実際事業として行っておられる方々の、そういう企業の集まりであります社団法人の土壌環境センターにお願いをして調べていただいた会員の実態ということでございます。
 そのときの調査では、「油汚染」というのは一体どういうものであるかという定義がはっきりなされておりませんために、さまざまな回答が寄せられています。全体の回答が740件ございましたが、状況の把握、汚染の発見というのがありますけれども、特に油が地中にあるかどうかを探す、これも油汚染の調査だというふうに把握しておられる人もいましたし、あるいは有害なものとか、油臭とか油膜、こういうものを意識しておられるところもあって、さまざまな内容でございました。このときは、まだ土壌汚染対策法がございませんでしたので、汚染の判断とか、法規制がないとか、処理目標の設定がないとかということが問題であるという答えもございました。
 それで、当時の調査を回答してくれた土壌汚染の調査とか対策をやっている会社への発注元ですが、ガソリンスタンドとか、建設業とか、一般機械器具製造業とか、さまざまな業種の方々が発注者となっておられて、さまざまなところで油が使われているということがわかるものでございました。
 この調査の後、土壌汚染対策法ができまして、有害物質についての法律の制度ができたわけでございますけれども、油臭とか油膜とかにつきましての、つまりそういう生活環境保全上の支障につきましての対応がどのように行われるかということについて、どのようにすればよいかということについての資料がありませんでしたので、このガイドラインがそれをターゲットにしたものになってございます。このガイドラインの初めのところに「このガイドラインをお読みになる方に」ということで緒言をつけているのでございますけれども、ちょっと字が小さいのですが、これはお手元の資料にあるとおりでございますが、「このガイドラインは、油そのもの、油臭や油膜といった問題、あるいは土壌汚染の対策技術などに関する知識や技術情報に日ごろ触れることがない多くの事業者の皆さんに、油漏れなどで油を含む土ができ、その場所が油臭いとか、敷地内の井戸水に油膜があるとかいうときに、どのように考え、どのような調査や対策を行えばよいかを検討する際に参考となるものとする」、これを意図してつくったものでございます。
 第一編とか第二編というのは、すみません、ちょっと戻りますが、このガイドライン全体の構成でございますけれども、目次でこの第一編が「鉱油類を含む土壌に起因する油臭・油膜問題への土地所有者等による対応の考え方」ということで、ガイドラインの基本的な考え方と、油汚染問題に対する対応の考え方、状況把握調査、対策という流れを書いてございます。第二編は技術的資料です。これは第一部と第二部、二つございまして、第一部は、油汚染問題に対応するための専門的知識を有さない土地所有者等向けということでございまして、いわゆる油汚染問題が発生したときに、それに対応するための調査とか対策とかを発注する発注者の方々を意識してつくったものでございます。
 それから、専門編というのがございまして、これは油汚染問題のある土地で調査や対策の事業を行う専門事業者の方々を意識して書いたものであるということでございます。何度か油汚染問題という言葉を、すみません、最初にこれを申し上げればよかったのですが、油汚染問題という定義をこのガイドラインの中でしております。鉱油類を含む土壌に起因してその土壌が存在する土地、あるいはその土地にある井戸の水や池、水路等の水を含みますが、これにおきましてその土地または周辺の土地を使用している、または使用しようとしている人に油臭や油膜による生活環境保全上の支障を生じさせていること、これを油汚染問題と定義をいたしまして、その油汚染問題に対応するためのガイドラインというのがこのガイドラインということでございます。
 早速、その第一編からポイントを御紹介させていただきますが、第一編の第一が本ガイドラインの基本的考え方になってございます。
 土地の所有者等がみずからの土地で油汚染問題、これは先ほど御紹介したとおりで、その鉱油類を含む土壌、油含有土壌と言っておりますが、これに起因して、その土壌が存在する土地あるいはその土地にある井戸の水、池、水路等の水を含む、において、その土地またはその周辺の土地を使用している、または使用しようとしている者に油臭や油膜による生活環境保全上の支障を生じていること、ということでございます。これが生じているときにどのような調査あるいは対策を行えばよいかなどにつきまして、基本的考え方と対応方策選択の考え方等をまとめたものとなってございます。
 油汚染問題の発見の契機と対応フロー、それからガイドラインに記述した調査・対策の対象範囲、これを御紹介いたしますと、これがまずその発見の契機の代表的なものでございます。ここにタンクがありまして、油が漏れたというような絵になってございます。ここに地下の水面がございまして、この水面が井戸につながっていて、井戸の水に油臭や油膜がある、あるいはこの地表に油臭や油膜がある。ここからしみ出ていったものが池に入りまして、池に油臭や油膜がある。この油臭や油膜を油汚染問題としてとらえております。敷地内のそういうものでございますが。もう一つ、これでございますが、こちらの左側、これ、敷地内と書いてございます。敷地内にタンクがありまして、何かそこから漏れちゃったものが隣のおうちの井戸の水に油臭や油膜を生じさせたとか、あるいはがけの下の家のところでしみ出てくる湧水に油臭や油膜を生じさせているとかということがあって、ここでは実際にここに油含有土壌といいますか、油が来ているわけでございますので、そういう油が来ていて、油含有土壌が存在する土地の周辺でこういう水に油臭や油膜が起きている。こういうのも、油汚染問題の発見の契機として、このガイドラインでは取り扱っているわけであります。
 これが先ほどごらんいただいた典型的なケースで、これは隣の家と。これもお手元の資料にございますけれども、ちょっと字が小さいスライドで恐縮ですが、油汚染問題を発見、認識したと。当該土地の地表、または井戸水等に油汚染問題を認識したというときに、状況把握調査というのをやっていただくと。これはまず現地踏査等で油臭や油膜の発生状況を把握するわけでございますが、油臭や油膜があると思った場所が本当に鉱油類を原因とするものかどうかという確認をする。それでTPH濃度の程度を見て、どの範囲が油汚染問題の生じているエリアかというのを把握する。油含有土壌の平面方向及び深度方向の分布などを把握するわけでございます。周辺に油汚染問題を生じさせるおそれの程度を検討するための、状況の把握をする。これがまず最初のステップでございまして、その結果、その土地において対策を検討するスキームを設定するということになるわけです。対策を検討する対象となる土壌の範囲を設定するとか、周辺の井戸水等への影響を意識した対策を必要とするかどうかを検討するとか、現況と今後の土地の利用方法から想定される対策方針の制約条件、例えば土地の高さを高くするということができないので、覆土というのはちょっとどうかなとか、そういうような制約条件を検討する。
 このようなことでスキームを設定いたしまして対策に入るわけですが、対策方針を策定して目標を立てて計画をつくって対策を実施して完了したら、その完了を確認して記録を作成して保存する。この一連の流れを、油汚染問題への対応フローとしてガイドラインの中で記述をしていただいています。
 一方で、周辺の土地の地表または井戸水等に油汚染問題が生じている。これが自分の土地には、先ほどの絵が典型的なものでありますけれども、これですね。この人家には別に油を漏らすような原因はないのに、何でこんな油臭や油膜があるのだろうかということで、そういう場合に、どうもお隣ではないかと指摘をする。その指摘が妥当であると判断をして自分の土地で確かに油汚染問題が起きているということを認識して調査をして対策をしていくと、こういう流れ、このようなことをガイドラインの流れにしていただいております。
 それから、調査対策の対象範囲でございますが、これは自分の敷地の中で行うということになりますので、油臭がある場所とか、池の水に油膜があるとか、井戸の中に油膜があるとか、こういう場所、これは油臭がある場所とか、油膜が見られる池とか井戸とか書いてございますけれども、ここを調査地というふうにこのガイドラインでは言っておりまして、この調査地、つまりは油含有土壌が存在してかつ油汚染問題が生じている場所のある敷地において、その所有者等が行うということでございます。この所有者等は土壌汚染対策法と同じでございまして、所有者とか占有者、管理者でございますが、所有者等が行う調査対策について取りまとめたもので、その敷地の周辺の土地、こちら側とかあちら側とか、その周辺の土地で行う調査や対策については記述の対象外ということにしているわけでございまして、この敷地の中に油汚染問題が生じていて、それが隣の敷地に影響を及ぼすおそれがあれば、隣の敷地との間の自分の敷地の中に拡散防止措置を講ずると。こういうのはこの対象範囲でございます。
 では、隣の土地に油が流れていて油汚染問題を起こしていたらどうするかというと、それは隣の土地が今度は油含有土壌があって油汚染問題がある場所ですので、このガイドラインを参考にして調査をして対策を考えていただくと、こういうことを想定しております。
 この油汚染対策ガイドラインの対象は鉱油類ということでございまして、鉱油類は種類も成分も多い。また、環境中で性状が変化するということがございます。環境省は、これまで何年もかけて、どれだけの鉱油類が土壌中にあれば、つまり土壌中の鉱油類の濃度がどれだけあれば油臭や油膜の程度がどれだけになるかというように、何かの指標であらわすことができないかということについて技術的な検討を随分やってみたのでございますけども、どうも関係が書けない。それは一つは、環境に出たあとで鉱油類は性状が変化してしまう。酸化とか還元とかしてしまいまして性状が変化してしまうというような、そういう状況であるということを専門委員会に御説明を申し上げまして、鉱油類は種類も成分も多いですということも御説明申し上げまして、結局、土壌中の鉱油類の濃度で油臭や油膜の程度を一律に表現することはできません、と。結局、人の感覚によって、総体としての油臭や油膜をとらえる。これがよろしかろうということになってございます。
 このガイドラインの基本的な考え方の続きでございますが、油汚染問題についての対応方法はそれではどうかと申しますと、これは油汚染問題がある土地の利用方法、例えばこの土地を舗装いたしまして、舗装している以外の場所についてはコンクリートの建物をつくって非常に密閉性を高くするというような土地の利用方法もありましょうし、あるいは裸地にして宅地にして売ってしまうというのが次の土地利用ですというのもありましょうし、それはさまざまでありますが、さまざまな土地の利用方法に応じてどういうふうにすればよいかという、つまりはその現場ごとの多様な状況に応じて個別に検討しなければいけないのではないかと。ただ、基本としてその土地における井戸水等の利用状況はどうか、周辺の土地や井戸水等への影響のおそれはどうかなどを検討しなければいけないのはもちろんでございます。飲用井戸とか、散水等の雑用井戸等の水、修景用の池の水、敷地内の水路を流れる水等がございます。もちろん工場・事業所の油水分離施設の中の水のようなそういう油臭や油膜があって当然の水は想定外というガイドラインになってございますので、現実的なガイドラインであります。5番でありますけれども、このガイドラインはしたがいましていかなる現場にも画一的、規制的に用いるべきものではなくて、現場ごとの多様な状況に応じた対応方策の検討に活用されるということを想定しておるということでございます。
 また、例えばこのガイドラインが対象とする油汚染問題への対応を含む自主的な対応指針を持っている事業者が、その対応指針に基づいて行っている実質的な取組等につきまして、このガイドラインが規制的な制約とならないようにすることも必要となってまいります。
 実際問題として、有害物質も後ほどまた申し上げますけども、有害物質も油の中にあるという場合もありますが、それも含めて対応指針をつくっておられて、その中にこの油臭・油膜の対応もやるということになっているような自主的な取組指針もございますので、そういうようなものについてこのガイドラインがむしろ規制的な制約とならないようにすることが必要であろうというようなこともございまして、このようなことを書いてございます。
 また、このガイドラインでは、人の嗅覚などの人の感覚で総体としてとらえるというわけですが、それを補完するための手段としてTPHというのを入れさせていただいています。これははかれば数値が出てまいりますけれども、先ほど申しましたように油臭・油膜と、油がそこにどういうものがどれだけの濃度があるかというのは必ずしもリニアの相関があるというわけではないわけでございまして、その数値は土壌汚染対策法の指定基準のような使い方をするのではなくて、それぞれの現場ごとの状況、そこに何が油として存在をし、それがいつごろ出ていって今それは酸化されて還元されてどんな状態にあるかという、そういう現場ごとの状況を反映する調査等におきまして通用する。その土地に通用する相対的なもの。その数字が高いところは多分臭気も高いでしょう。数値が低いところは臭気が低いというふうに、そういう相対的に使う、みんなの共通語として使う手段としてのTPHと。こういう考え方でございます。その場所のみんなが、関係者が共通して使えるような目安という手段としてとらえる。基本は嗅覚などの人の感覚ですというのが内容でございます。
 また、このガイドラインに記述した内容は、いわゆる一般的な工場、事業所の敷地とか市街地を想定したものであるということですとか、この9番は大事なことでございますけれど、土壌汚染対策法、条例がございます。鉱油類の成分となっております化学物質による人の健康保護という観点はこのガイドラインには含まれておりませんので、有害化学物質については、このガイドラインによる対応を行うか否かにかかわらず、土壌汚染対策法や条例等に基づいて必要な措置を講ずることが必要であるということでございます。
 対応の考え方でございます。
 油汚染問題に対する対応の基本は、地表、あるいは井戸水等の油臭や油膜という、人が感覚的に把握できる不快感や違和感が感じられなくなるようにするということでございます。油汚染問題を認識いたしましたら、調査地、これは先ほど申しましたが、油含有土壌が存在しかつ油汚染問題が生じている場所。調査地の土壌が含む鉱油類が油汚染問題の原因かどうかを調べまして、もしそうであれば、調査地のある敷地の土地の利用履歴、あるいは鉱油類を取り扱っていた設備等の状況、敷地内のほかの場所や井戸水等における油臭や油膜がないかどうかなどを調べまして、油臭や油膜が生じている土地の範囲を特定するなどの調査を行うということでございます。この一連の調査メニューを、状況把握調査というふうにこのガイドラインでは言っております。
 また、状況把握調査では、人の嗅覚や視覚によって、さまざまな状態の油が生じさせている油汚染問題を総体としてとらえるということでございまして、それらの感覚を補完いたしまして、関係者の共通の理解を得るための手段としてTPH濃度を用いるのですということにしております。
 ところで、ちょっと小さい字なのですが、TPHの試験法というのはさまざまございます。それぞれ特徴がございます。鉱油類であるかどうかを確認するときには、その中のGC-FID法という方法がよいのではないかと。また、一方で油含有土壌の存在範囲の把握、そういうステージになりましたならば、その油含有土壌の鉱油類に適した、現場に適したTPH試験法、これを使えばよいのではないかということで、科学的に正しくてより経済的な方法が選択できるようにしましょうということにしております。
 ところで、この絵でございますが、この絵は、この敷地境界の範囲の中で現場踏査しますと、この赤いところが大体大まかに油臭や油膜が感覚的に認識されるというエリアを示してございます。この赤いところの中でTPHをはかってみます、外側でもはかってみます、と。そうしますと常識的には油臭「あり」と、つまりにおいがするぞというところではかったTPH濃度の方が「なし」というところのTPH濃度よりも高いということになりまして、このなしというところの一番高い濃度で囲い込みますと、大体この範囲で調査をし対策すればよいのではないかということになろうかということでございます。これがいろいろな方法と申しました内容でございます。でございますが、実際これは人の感覚によるものでございますので、実際は「ない」と思ったところのTPH濃度の方が「あり」と思ったところのTPH濃度よりも高いということも考えられますが、その場合はその外側にもう一個点を取りまして、そこで調査をさらに追加的に行うということは考えられるかという内容になってございます。
 それからその次ですが、対策につきましては、油汚染問題の状況とか調査地のある敷地の現在及び予定されている土地利用の目的や方法によって適切に選択するのがよかろうと。油臭や油膜というのは人の感覚でとらえられるものでございますので、油臭等がある土地と土地利用者等との位置関係、土地利用方法によりまして、地表面での油臭や油膜が問題となる程度が異なります。例えば裸地での使用、土が表に出ている状態での使用、そういうことと、子供が土遊びをするということ、それを想定すべき児童公園などでは地表に寝転んでも油臭がしないような状態を達成し、それを長期的に維持管理するということが対策目標になると考えられます。また、公園などと違いまして、管理者がいない、戸建て住宅の持ち主が将来また追加的な対策をとるというのは非常に難しいという、そういうケースも考えられますが、そういう場合は油含有土壌の掘削除去とか浄化を対策目標とするということが考えられます。
 一方で、都心部の事務所とか駐車場用地のような土地利用方法でございましたら、油含有土壌があっても土地を使用する人が油臭や油膜を感じない場合もございますので、それに応じた対策の目標とか対策の内容というのがあるでしょうと。地表での問題では、例えば盛土や舗装などによります油臭の遮断とか油膜の遮蔽、井戸水等の問題には遮水壁やバリア井戸による油臭や油膜を発生させている油分の拡散防止、これが基本的な対策になるということでございます。
 油汚染問題の発見から調査、調査結果をもとにした対策の検討、対策効果の確認までの対策の内容などにつきましては、それらを確認して保存をすると。発見の契機から対策完了までの間、必要に応じて適宜関係者への説明や協議を行うことが油汚染問題の円滑な解決に有効であるということでございます。
 状況把握調査につきましては、これは技術的資料、第二編の方に詳しく書いてあるんですが、第一編の方にその考え方を書いてございます。状況把握調査というのは、土地の所有者等が所有している土地の地表または井戸水等に油含有土壌に起因した油汚染問題が生じていると認識した場合に行うものと。まずは鉱油類によるものであるかどうかということを確認をして、そうであれば一体どのような範囲に油含有土壌が存在するのかとか、これからどのような対策をするかというスキームを検討すればよいのかというようなことを調べていくための一連の調査メニューから構成されるものでございます。これがその流れになってございまして、鉱油類であるか否かの確認、資料等調査をして、一体どの辺に鉱油類を含む土壌がありそうか。現地踏査しまして、どの範囲に油含有土壌が存在していて、油汚染問題が起きているかと。周辺の土地に油汚染問題を生じさせるおそれが大きいかどうか。このようなことを調べまして、対策を検討するスキームを決定し、その結果を取りまとめて保存をする。その次が対策という流れになってまいります。
 ちなみに周辺に問題を生じさせるおそれの判定ということでありますが、これは資料等調査による鉱油類の取り扱い履歴とか、調査地の地形、地下水流動などの状況、油含有土壌の存在範囲を基にしまして、油含有土壌が敷地周辺で問題を生じさせているおそれの程度を検討し、評価するということになります。
 こういうようなことになりますと、なかなか土地の所有者が自分でやるというのは難しいケースもありましょうから、そういったケースには専門家に御相談したらどうでしょうかというようなこと。このガイドライン基礎編調査と書いてございますのは、これは第二編の話でございますけども、第二編では、基礎編と応用編になっているというのは先ほど申しましたけど、基礎編は発注者向けでございます。発注者である土地の所有者の、油について詳しく知識がないという方にとってみれば、かような周辺に問題を生じさせるおそれがある判定というのは難しい場合もございましょうから、専門家に御相談していただくとか、それから2番というところに書いてございますけども、隣に周辺に影響を及ぼすおそれが小さいと判断できるような場合はこういうケースですということをガイドラインの中に書いてございます。その中の一つに、敷地の大きさに対して地下水の油臭・油膜が軽微で、専門家がこういうおそれが小さいと判断するような場合というのもあります、と。そういうようなことで、専門的な知識を持った人に御相談いただければよいのではないでしょうかというようなことも、ガイドラインの中には書いてございます。
 それから、これは地下水の下流側の敷地境界で地下水の油臭や油膜の状況を調査いたしまして、おそれの程度を評価するということの概念図でございますが、地下水の分布調査をやりまして、地下水の下流側を把握しまして、それから、下流側の地下水を1点以上採水して油臭や油膜を確認をするというようなことをすれば、おそれが大きい、小さいというのは、ある程度判断できるのではないかというようなことでございます。
 対策でありますが、これは調査地のある敷地内で、土地利用状況に応じて考えるということであります。
 対策に当たっては、まず土地利用方法に応じて、また調査地内の油含有土壌についてのみ対策をすればよいか、調査地のある敷地内の井戸水等についても対策が必要か、周辺の井戸水等を意識した対策が必要かなどの基本的な要件を踏まえて対策方針と対策目標を設定するということでございまして、その内容がガイドラインの中に盛り込まれてございます。対策目標を具体化するために、地形・地質等の自然的条件と、現在のまたは予定されている土地利用情報等をもとにいたしまして、土地利用方法に適した対策方法、代替案の有無の検討、対策方法ごとの費用対効果の検討、対策後の土地利用上の支障の有無の検討、地形・地質による施工性の制約等を検討しまして、効果的で経済的に合理性の高い対策方法を選定して計画的に実施していただく。この際、必要があれば状況把握調査を補完する調査を行って、例えば掘削除去をしましょうとかいう話になったときに、その範囲はどの範囲であるかというのをさらによく調べ直せば小さい範囲でやれるということもあるわけでございまして、そういう意味も含めてその必要があれば状況把握調査を補完する調査を行う。対策後には対策効果の確認、記録の作成と保存、対策内容や土地利用方法に応じて必要となるモニタリング等を行うということでございます。これが対策の進め方でありまして、状況把握調査から出てくる情報をもとにしまして対策方針策定、目標の設定、方法の選定、それから対策調査を補完する調査を行って、計画を作成して対策を実施し、工事完了を確認する。その記録を作成して保存する。こういう流れになってございます。
 対策方針と目標の例とかいうのを幾つかお手元の資料にも書いてございますが、例えば対策の方針が、大人が立った状態で支障がないようにする、あるいは人が寝そべった状態で支障がないようにする。こういうようなことがございます。裸地で使用するようなところはこういう感じ。そうなりますと、地表への油臭の遮断とか油膜の遮蔽、油含有土壌の浄化、こういったようなことになりますが、油含有土壌の浄化を行うというと掘削除去とか原位置浄化とかそういうのがありますが、大人が立った状態で支障がないようにすればよいんだというような場合もございます。こういう場合、地表への油臭の遮断とか、油膜の遮蔽をするための盛り土とか舗装とか、こういう方法もありますよねというような内容になってございます。
 井戸水につきましては、これも井戸水への油分の拡散防止とかいうことが基本になってこようかということでございます。
 そんなことで、これが油汚染対策ガイドラインについての概要の御説明でございますが、もしよろしければ、資料3も続けて。

(松本部会長)
 どうぞ。

(鏑木土壌環境課長)
 資料3でございますが、これは油汚染対策ガイドラインの今後のフォローアップについてという内容でございます。
 まず、今回考えております油汚染対策ガイドラインのフォローアップは、ガイドラインの普及促進を図るというのがまず第一でございまして、本年の5月から6月にかけまして、土地所有者等へのブロック別の説明会を行いたいと考えております。資料3の中にございまして、資料3の一番後ろのページに油汚染対策ガイドライン説明会ということで、既にこれ、結構な人数が入る場所を確保しなければならないものですから、場所を確保いたしました。東京、大阪、岡山、名古屋、熊本、仙台、札幌ということで場所を確保させていただきまして、それぞれの場所で説明会をしようと考えております。この説明会をしたあとはガイドラインの活用状況の把握等を行うということで、土地所有者等、このガイドラインは土地所有者等の自主的な取組を促進するというようなことがまず第一にあるわけでございますけれども、土地所有者と調査対策会社、地方公共団体へのアンケートとか、ヒアリングとかを実施するとともに、実際の現場での活用の状況を検証させていただいたりしまして、ガイドラインがうまく動いているという状況とか、こういうところに課題があるという状況とか、そういったことを調べまして、改善が必要なところがあれば、その改善の必要性の検討をしていくという流れを考えております。
 これがもう少し細かいことでございますけども、ガイドラインのフォローアップの内容であります。ねらい通りの効果や良好な波及効果が得られているかどうかを検証するというのがこのフォローアップの内容でございまして、土地所有者等の皆さんの油汚染問題に対する対応の手助けとなっているかどうか。これまで不透明であった「油汚染」でありますけれども、その生活環境保全上の支障と、その対策措置の目標などが、このガイドラインによりまして、ガイドラインを使用しようとする人に、油汚染問題を抱えている人に、明確に認識されるようになったかどうか。それから油汚染問題の調査や対策について技術の進展。あるいは開発の契機になったかどうか。あるいは取組の促進に本当につながっているかどうかということについてフォローアップをさせていただきたいと思っているわけでございます。また、これも重要だと思いますが、土壌の問題というのはとかくリスクコミュニケーションが難しいと。これは土壌汚染対策法の立法時からリスクコミュニケーションの難しさ、土壌汚染問題についての国民の理解をいただくことの難しさというのがその議論としてございましたのですが、このガイドラインのフォローアップの中でも土壌の油汚染問題についてのリスクコミュニケーションが円滑に進むようになったかどうかと、そういうフォローアップをさせていただこうと。油汚染問題の調査対策事業者の事業展開あるいは新規参入の程度はどうか。土地の流動化などの経済波及効果は大きかったか。このようなことを検証させていただきまして、現場の実態を踏まえた課題の抽出をし、改善策を検討する。そのことによってこのガイドラインの策定から始まりました施策がうまく進んで、油汚染問題の調査対策の促進による土壌環境保全が進んでいるかどうか。こういったことを調べさせていただこうというのがフォローアップの内容として考えていることでございます。
 以上でございます。

(松本部会長)
 御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいま説明がありました油汚染対策ガイドラインの今後のフォローアップについて、ただいまから質疑応答の時間に入りたいと思います。
 どうぞ、御質問を。浅野委員、どうぞ。

(浅野臨時委員)
 フォローアップは大変いいことだと思います。ただ、平成18年、19年でガイドラインの活用状況の把握ということで意欲的な構想が立てられていますけれども、2年ぐらいで果たして本当にどの程度の実例が出てくるのかという点が若干危惧されます。
 それにつけても、全国7カ所で説明会をなさるわけですが、ちょっと、私がそういう批判的なことを言うのはよくないんですけれども、事務所の設置場所が中国地方と九州地方は地理的条件からみて、ここでやると本当にニーズが高いところから人が来ないという可能性が高い。
 それで、ここだけというわけでもないんですが、例えば北海道あたりも全く、仙台でやる、札幌でやりますけれども、できればぜひこの説明会に各県なり政令市には呼びかけて、担当者がこの説明会に出てくださるようにということを極力勧めるとともに、説明資料を、パワーポイントのようなものをそれぞれの担当者に渡してあげて、自治体が独自にまた自分たちの判断で説明会をやっていただけるような手だてを講じることが必要ではないかと思います。そういうような方法をとらないとなかなかこういうものができたということが本当に必要としている人に届いていかない可能性がある。事務所はまだ発足したばっかりで十分体制ができてない面もあります。スケジュールをこなすだけで終わってしまうということにならないように、今のような点についてぜひ配慮していただきたい。

(松本部会長)
 ガイドライン説明会に関しまして、どうぞ、ただいまの御意見の御配慮をよろしくお願いいたします。
 鈴木委員、どうぞ。

(鈴木臨時委員)
 ただいま御説明いただきまして確認をさせていただきたいところがございます。本案では調査と対策を実施すべき人というのは、基本的には土地所有者ということになっているのですが、それと他者汚染、自者汚染あるいは多段汚染との関係をどういうふうに整理していらっしゃるのかと。自分の宅地に油の被害があった。しかし、これは明らかにほかから来ているだろうと想定されるときに、非常に経済的にも余裕がない人が自分で調査をしなければいけないのか。あるいは調査をしないとどこから来ているかわからないというようなときに一体どうすればいいのかとか。特に多段汚染はおおいにあり得ると思うんですね。Aという人が原因になってBに行き、BからCに行っちゃうと。そういうときにどうするか。あるいはAという人が不存在になっているとき、つまり原因者が不存在のときにこれをどう考えていくのかというふうなことについて、確認のため教えていただければと思います。

(松本部会長)
 はい、わかりました。それではお願いします。

(鏑木土壌環境課長)
 これは先ほどごらんいただきました図でございます。今の先生のお話のAさんというのはこちらだと思います。ここで敷地内と書いているところ、それでBさん、それからCさん、Bさんの井戸、それからCさんの敷地の中でもそれぞれ油臭や油膜が生じた。こういう多段階ということだと思いますが、このガイドラインでは土壌汚染対策法と同じように、この敷地内と書いてございますが、この土地の所有者の方がどのような調査をし対策をするかということについての考え方とマニュアルといいますか、そういったものを示させていただいております。したがいまして、この塀で囲まれていますのがAさんですね。先ほどのAさんの敷地の中なんでございますが、この敷地の中でこういう状況が起きている。隣に行っている可能性が大きい。あるいは隣に流れていく兆候があるというおそれが大きい。そういうような場合にどういうふうな対策をすればよいかというのがこのガイドラインの範囲になってございます。Bさんがこちらにいて、Bさんの敷地の中でも何か先ほどのような問題があります、この油汚染問題が起きていますというときには、Bさんがこのガイドラインを参考にしていただいて、調査をしたり対策をしたりしていただくというのがこのガイドラインの、参考として使っていただく、あるいは実際使っていただくという考え方にしてございます。

(松本部会長)
 鈴木委員、どうぞ。

(鈴木臨時委員)
 つまり、Bさんが被害者であって、ある意味では被害者ですよね、Bさん。それで、非常に経済的にも余裕のないような方がみずから調査をして、また、Cさんに対する対策をしなければいけないと、こういうことになるんですか。

(浅野臨時委員)
 これのガイドラインは、別に法律をつくったとか、規制をかけるとか、調査を義務づけるということではなく、あくまでも調査をするときはこういう手法でやりましょうということです。ですから、今先生御指摘のような問題は全く別の問題であって、それで、この方法で調査をして、本当に原因者がだれだということがわかれば、それは当然、時効が完成しない限りは不法行為責任を追及することができますから、そこはそういう形で求償権行使をするということになるでしょうし、あるいは、このガイドラインの線に従って、自分には調査費用がない、どうも原因としてはあなたが可能性が一番大きいという場合には、あなたの方でちゃんと調査をしてくれということを民事訴訟の形で争うなり、あるいは調停の申し立てをするなり、あるいは公害紛争処理法などを活用するというような方法で、比較的費用をかけない形でお願いをするというような方法でいかざるを得ない。
 とりあえず、このガイドラインは、その部分については全く触れていないんですね。ですから、むしろ、これの利用の方法として、今の御指摘のような点、必ずどこからでも疑問が出てくる、御質問も出るだろうと思いますから、事務局はこれを外に出すときには、その問題は別の問題であって、方法としてはこういう手だてがあります、紛争処理法もありますから活用してくださいというようなやり方をとられたらいいのではないかと思います。

(松本部会長)
 鈴木委員、どうぞ。

(鈴木臨時委員)
 政府の報告書は非常に重いものであって誤解を生じると一人歩きして混乱を招くおそれがあります。そういうことであればそういうことであるということで、説明会のときに特に注意をして説明される必要があると思います。

(松本部会長)
 よろしゅうございますか。
 それでは、そのほか。高橋委員。

(高橋委員)
 既に蛇足になると思いますが、ガイドラインの典型的に想定される事例がこういう事例であるということを、御説明されるときに、きちっと、まず明示されれば誤解がないのではないかというふうに思いました。私も実は御説明をされているときに、隣の中杉先生にいろいろ、ガイドラインの守備範囲はこのような事例であるということを一生懸命教えてもらって初めてわかったわけで、その辺ぜひそういう守備範囲のお話をしっかりしていただければと思います。

(松本部会長)
 よろしゅうございますか。
 今井委員、どうぞ。

(今井臨時委員)
 大変具体的な、このガイドライン自体が非常にわかりやすく取りまとめられていると思いますが、逆に、非常にその人の主観に頼るところが大きい。つまり、視覚とか嗅覚によって、そのバウンダリというか、その汚染の範囲をそれで想定しようといったことが出てきたときに、その補完作用としてTPHをはかるという話なんでしょうけど、やはりバウンダリをはかるというのは大変難しいことなんですね。しかもその主観、嗅覚とか視覚というのは非常に個人差が大きいわけで、かなり恣意的になる可能性が高い。そういう問題をやはり一体どうするのか。ここでは全く触れないという話なんですけど、やはりTPHという数値が出てきた場合に、そのトータルとして汚染、非汚染、それから残片という、そういうところのグレーゾーンをいかに規定するかというようなことをきっちりしてないと、土壌の場合は非常に難しいです。またこれは汚染源があってそれが拡散するときの土壌の種類とか、用水、水に流れによって非常に拡散の領域をある程度推定できるような形をしておかないと、これはどうも自分のバウンダリの外へ出たんではないかというおそれがあっても、これが主観だとすると、いや、この中に押さえ込んでいますというような話をフォローアップのときにいろいろ試行錯誤でやってみられて、結局ここまではうまくいけるけど、どうもこれ余りにも主観に頼り過ぎた場合にはうまくいかんのではないかと、そういう試行、トライ・アンド・エラーでやったときの手直しをやはり最初にきちっとうたっておかないと、私は具体的ではかりやすいがゆえに非常に恣意的に陥るという危惧を持ちます。

(松本部会長)
 恣意的な状況が。
 それでは、中杉委員どうぞ。

(中杉臨時委員)
 土壌汚染の専門委員会の方で議論させていただきました。今井先生が言われることは確かにもっともなんですが、逆に言うとTPHがこのぐらいあればどうだということが科学的に言えないんですね。これは油の中身が物すごく違いますから。極端な話をすれば、TPHがゼロであっても、非常に悪臭成分の高いものがちょっとまざっていると油のにおいがしてしまうというようなことが起こり得ます。そういう意味で、どのぐらいであればどうだということができない。ただ、それぞれの現場ではある一定の種類の油で汚染されているという前提のもとに、現場でTPH等、においのところでやっていただくという形です。
 それともう一つ、先ほど浅野先生からお話があったように、これ自体はここまでやりなさいとか、どうとかいうことを決める話ではない。そういう意味で、やはりそこら辺のところはかなり恣意的で少しあいまいなところがどうしても残らざるを得ない。それはすっきり決められればいいのですが、それが決められるようでしたら土壌汚染対策法なりなんなりの方に持ち込んでやれたんだろうと思うんですが、そういう形ができていない。
 それと、もう一つは、多分これ対策をやってみて、地下水が流れていってそのにおいがどうだという議論をし始めると、油の場合はほかのVOCといいますか、トリクロロエチレンとかそういうものと違って、油自体が事業場の外に流れ出してたまっているということが当然起こり得ます。先ほど鈴木委員が懸念されたようなことが当然起こり得るので、ほかのものと一律にできない。だから、この敷地の中できれいにしたからといって、それじゃ油の周りに広がっている地下水汚染が全部きれいになるかというと、その保証は全くない。少なくともその利用者の方が、その土地所有者の方が自分の持っている土地の油汚染について何らかの対応をしなきゃいけないというときに、それを手助けするようなガイドラインをつくる。そういうことを所有者の方がやっていただけると、本当に全体としては油の汚染という問題が片づいていくだろうと。そういうふうな性格のものだと私は解釈しています。そこら辺の議論は、専門委員会でも一番最初のときに大分議論をしましたので。

(松本部会長)
 いかがですか。よろしゅうございますか。
 どうぞ。

(今井臨時委員)
 よくわかりました。一つは、多分こういう形でガイドラインを示しましたという話をしたときに、全く関係がないという方をここではうたっているのですけれども、例えば生態系に対しての、非常に微量であって拡散した場合に、もちろん、先ほど言われたようにTPHまたは気体摂取だってほとんどないというような状態なんだけど、何かの形で少し残っているとか、そういう話が必ず問われて、ガイドラインというのができてくると非常にそれに対する期待値が高まってくるわけですね。最初は単ににおいと油の油膜だけですよと言ったんですけれども、現に汚染源があって、それがある程度の拡散をもたらしたと。そうすると、そこに対する影響というのは、人体影響までいかないでも、やはり、非常に微小動物だとかその辺の植物に対する影響については、そういうことは全く触れないんですかという話が出てきた場合に、ここには、いや、それは関係ありませんという話をされるのか。その辺、どうなんですか。

(中杉臨時委員)
 お答えしていいのかどうかわかりませんけれども、基本的にはヒト健康項目も含めてそういうものは個々の油の成分の個々の物質を特定して、これは土対法の方でやっていくのだろうというふうな整理をさせていただいて。そこら辺の議論は、かなり、そういう意味ではこのガイドラインというものは、先ほど鈴木委員からもお話があったように、これはどういうものだという性格を最初にきっちりお話をさせていただかないと、非常に誤解を受ける可能性がある。そこら辺は環境省のフォローアップの説明会のときに、ぜひそこら辺のところは誤解のないように説明していただかないと、こんないいかげんなものをつくってというふうに怒られると思いますので、よろしくお願い申し上げます。

(松本部会長)
 土壌環境課長。

(鏑木土壌環境課長)
 すみません。決していいかげんなものではございません。いいものをつくっていただいたと思います。
 先ほどお話のありました生態系ですが、これは油だから特別にとか、そういうような世界ではなくて、やはり生態系に対する影響、土壌汚染による生態系への影響といった場合に、考えられるのは有害物質による生態系への影響というのがまず出てきましょうが、これは実は今早急に科学的知見の集積に努めるということで、科学的知見の集積に努めているのでありますが、なかなか難しい面がございまして、一生懸命、鋭意取り組んでおります。言いわけみたいですけれども、やっていることはやっておりますが、まだ、これというのができていないという、そういう状況にございます。すみません。

(松本部会長)
 そのほか、御意見、御質問、ちょうだいしたいと思います。
 どうぞ、佐藤泉委員。

(佐藤(泉)臨時委員)
 このガイドラインのそもそもの目的なんですけれども、大きく分けて、油による汚染の対策を促進するという目的なのか。それとも、生活環境の保全に対する程度というのですか、何をもって生活環境の保全上の必要が生じているか、それを防止するにはどうしたらいいかと。そういうことを明らかにするという目的なのか、ちょっとよくわからないのですけれども。

(松本部会長)
 では、それに関して、土壌環境課長。

(鏑木土壌環境課長)
 はい。これは、先生方のところにはございますガイドラインの本体の参考資料1というのがございます。この表の表紙を開いていただきますと「このガイドラインをお読みになる方に」というのがございます。「このガイドラインをお読みになる方に」の最初の段落が、今のスライドの一番最初にございます緒言というところであります。油漏れなどで油を含む土ができました。そして、漏れた地中にある油を全部回収しましょうとか、全部徹底的に分解しましょうとかいうのがこのガイドラインの内容ではございませんで、油臭とか油膜、その場所が油臭いとか、敷地内の井戸水に油膜があるとか、そういう油臭とか油膜という支障が生じているときにどのような調査や対策をして、油臭や油膜を生じなくするかということでございますので、したがいまして、土地の利用方法によりましては、油臭を遮断するとか油膜を遮蔽するとかというようなやり方が、覆土であったり、舗装であったりということもありますと、そういう内容になってございます。

(浅野臨時委員)
 今の課長のお答えは、佐藤(泉)委員の今の御質問に必ずしも十分なお答えをしていないのではないかと思います。
 まず大前提は、油のこういう汚染については今まで手のつけようがなかった。どうしてかというと、化学物質という側面から追っかけていくと複雑怪奇で、基準がつくれない。それで、実際には生活環境上の支障が生じていても、基準らしいものがないものですから、どうしても汚染の有無をめぐって水かけ論になってしまうという問題がありました。理想的には、きちっとした数値の基準をつくって規制などができれば一番いいんですが、先ほど中杉委員も御説明になったように、それは含まれる化学物質が多種多様であるために、非常に扱いが難しい。そこで、とりあえずガイドラインという形で、この程度の場合であればこの程度の対策を講じなくてはいけないという目安を示しておこう。そのことによって紛争が起こったときの解決のよりどころにもなるであろう、あるいは、話し合いなどの基準にもなるだろう、あるいは行政がアクションを起こすときの手だてにもなるだろう。そんなものをとりあえず示しておこうということです。ですから、この場合にきちっとした数字で物を言って健康上の影響がどうだこうだということを言い始めるとまたまた難問にぶつかってしまうものですから、とりあえずは、においがします、見て油の油膜があります、と。それで生活環境上の何らかの支障ということをみんながおおむね納得できるというような状態はこんなものである、というところでこのガイドラインをつくっているということです。
 ですから、御質問に答えるとすれば、別に規制基準をつくっているわけでも何でもないので、言ってみれば、さまざまな当事者がさまざまな形でこの油の汚染の問題に直面したときに、行動するための目安を示しておきましょうということです。さらに言えばこれを今後運用上改善をしていってうまくちゃんとしていけば、期待としてはどこかでこれが法律になることもあるかもしれないし、やはりやってみてもなかなか難しいので、ずっとガイドラインでいかざるを得ないとなるかもしれない。それはわかりませんが、とりあえずやらせてくださいというのがこれの趣旨ということだと思います。

(松本部会長)
 佐藤(泉)委員、よろしゅうございますか。どうぞ。

(佐藤(泉)委員)
 私が懸念しておりますのは、例えば土地を買った人とか、それから隣地から汚染が来た場合に、立った状態で臭わないじゃないかとか、上に建物があるからいいじゃないかと、そういう理屈でこのガイドラインをもって対策をしないという選択がとられて、その結果、当事者間での紛争がかえってこじれるというのをちょっと懸念しております。

(松本部会長)
 土壌環境課長、どうぞ。

(鏑木土壌環境課長)
 すみません。先生方のお手元にあります参考資料の1番の8ページとか11ページとかというあたりを、少し補足的に御説明をさせていただいた方がいいかなと思います。
 健康上の問題、健康リスクなのか、油臭や油膜による生活環境保全上の支障なのかというような点について若干このガイドラインでの記述されております内容を御説明します。
 8ページの2番の(1)の1)の[3]でございますが、「この当時は、」と書いてございますが、これは先ほどスライドで見ていただきました平成13年の調査のとき、ベンゼンのような有害物質による健康リスクなのか、油臭や油膜による生活環境保全上の支障なのか明確に区別されないまま、かぎ括弧つきですが、土壌の「油汚染」が認識されて、具体的なリスクや支障がなくても、鉱油類を含む土壌が存在しないようにすること以外の目標は設定しにくかったと。こんなことを書いてございます。土壌汚染対策法がその後できました。この土壌汚染対策法によりまして、人の健康保護という観点からの対策措置を必要とする土壌汚染については、健康リスク、つまりは有害性×曝露可能性と、こういう考え方ができまして、それが定着しつつあると考えております。
 鉱油類、油汚染問題という言葉をこのガイドラインの中では使っておりますが、「油汚染」、その中には平成13年の調査にありますような有害物質という観点もあったと思いますが、この有害物質につきましてはこのガイドラインでは取り扱っておりませんで、人の健康保護という観点からの土壌汚染対策は、このページの2)の[2]にありますように土壌汚染対策法の特定有害物質として、[3]にありますように、もし必要があればそれをどんどん規制項目として追加をしていくなどの措置を講ずるべきものと考えておりますが、先ほど浅野先生からおっしゃっていただいたように、[4]にありますように、油臭や油膜については、つまり生活環境保全上の支障については、どのような調査や対策をすればこの生活環境保全上の支障を除去できるかどうかについて示されていない状況にあったので、そこで9ページの「本ガイドラインのねらい」というところにありますように、このガイドラインをつくりましたということなのでございます。
 そういうようなものでありますので、11ページでございますが、この油臭・油膜につきまして4)でありますが、油汚染問題への対応というのは、現場ごとにその状況に応じてフレキシブルに行う、と。画一的、規制的に行えるようなそういう科学的な知見、つまり油臭・油膜とTPHの関係がリニアにあるとか、そういうようなものでもありませんので、画一的・規制的に用いるのではなくて、現場ごとにその状況に応じて、これも浅野先生からおっしゃっていただきましたけども、トータルとしてとらえた油臭や油膜、これが感じられるか感じられないかということで対応するというようなこととなっております。
 それと、佐藤(泉)先生からお話のあった中で、土地の取引の際に、何かこれが規制的な制約といいますか、むしろ逆に制約となってしまうのじゃないかということについては、11ページの[2]のところの下の2行目あたりなんでありますけども、土地取引の際の当事者同士の合意に基づく対策、これを変に制約するようなものになってはならないものとしてつくっております、と。つまりは、このガイドラインはいろいろな現場の状況に応じてどのように調査や対策を行えばよいかという考え方、対策方法の選定の考え方、そういったものを示したものでございますが、先ほど御議論いただいたような土地の所有者同士の関係とか、あるいは土地取引の際の当事者同士の合意との関係とかということで言えば、それとは関係のないといいますか、どういうような調査や対策をすればよいかということの考え方を示したものであるのがこのガイドラインであるということでございます。

(松本部会長)
 それでは、浅野委員。

(浅野臨時委員)
 佐藤(泉)先生が汚染者側あるいは被害者側のどちらの代理人になられるかということで相違もあるわけですが、このガイドラインそのものは、例えば今御指摘の点も、例という書き方をしていて、ひとえにその土地の利用形態がどうであるかということですね。例えば、被害者側の代理人の立場になって考えた場合には、例えば用途規制などが土地にかかっていて、この土地は、明らかに、住宅地としては土地利用規制が変わらない限りまずあり得ないというような点が明確な状態の場合には、比較的それで、お互いの話し合いであろうと、訴訟での裁判官の立場でも、これを判断基準として持ち込みやすいわけですが、それがないような場合には、つまり将来の土地利用形態についてよくわからない場合が結構あります。そうすると、これは結局は、このガイドラインの問題というよりも、当事者の間の訴訟遂行上の主張立証の問題に帰着するんだろうと思われます。よくわからないがこの可能性が十分に高いということを裁判官に納得させることができれば、かなりシビアな対策まで必要とするし、それに要する費用は当然負担すべきだという主張が裏づけられることになりますし、それから、不分明な将来の汚染地の利用の可能性について十分な主張立証に成功しなければ、裁判官は当面予想される用途に従った対策でいいじゃないかという判断をしていく。用途が決まればその用途に応じてこのガイドラインはそこでは物を言ってくるわけで、そういう用途の場合はその程度の対策だということでは、そこで訴訟資料としては使えると思いますけども、前提の部分はガイドラインとは別個の問題ということで考えざるを得ないと思います。ですから、仮に被告側に立った場合も同様のことで、前の反証をしていくというようなことになるのではないかと思います。

(松本部会長)
 佐藤(泉)委員、よろしゅうございますか。

(佐藤(泉)委員)
 当事者の立場もそうですけれども、裁判官の立場となると、このガイドラインがあるということが非常に重要な判断の基礎になるんだろうと思うんですね。そのときに裁判官としては恐らく生活環境保全上の影響があるかということについて、このガイドラインの対策の目標みたいなところを満たしているかどうかということが、瑕疵担保なら瑕疵担保の瑕疵に当たるかという非常に重要な条件になると思うんですね。そのときに、かなり主観的な部分が多いので、このガイドラインが使えるといえば使えるし、使えないといえば使えないわけです。

(浅野臨時委員)
 つまり、そこが用途によって分かれるという考えですね。そこを十分に、訴訟上も明らかにしていかなければならないのですね。今ここで裁判官がどっちかというふうに言ったら、それは控訴理由になるだろうと。そこで争えばいいのですね。

(佐藤(泉)委員)
 わかりました。

(松本部会長)
 そのほか、どうぞ。ございませんか。

(なし)

(松本部会長)
 一応、それでは御意見は出尽くしたと判断いたしまして、次の議題、その他に移りたいと思います。
 その他では幾つかあると聞いておりますが、まず、事務局から御説明をお願いしたいと思います。どうぞ。

(鏑木土壌環境課長)
 ありがとうございます。
 先ほどの資料3のフォローアップにつきましては、先ほど御指摘いただいたようなことを踏まえまして進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、その他でございますが、報告事項が複数ございます。配付一覧の参考資料の2から7に掲げている事項というのが報告の内容になります。

(太田土壌環境課課長補佐)
 それでは、スライドによりまして参考資料2、土壌汚染対策法施行状況及び参考資料3、平成15年度土壌汚染対策法の施行状況及び土壌汚染調査対策事例等に関する調査結果の概要の主な調査結果について御説明させていただきたいと思います。
 スライドの資料につきましては、参考資料の説明スライドという資料をお配りさせていただいておりますが、この参考資料2と参考資料3につきましてはその1ページの下から4ページまででございます。
 まず、参考資料2の土壌汚染対策法の施行状況について御説明させていただきます。
 土壌汚染対策法は平成15年2月15日に施行されまして、ことしの2月14日で丸3年が経過したところでございますが、まずこの3カ年の主な施行状況について御説明いたします。
 土壌汚染対策法による土壌汚染状況調査の契機といたしましては、大きく分けまして二通りございまして、一つは、法第3条に基づく有害物質使用特定施設の使用の廃止時でございます。それからもう一つは、法4条に基づく土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあると都道府県等が認めるときでございます。
 まず、法3条の施行状況につきまして御説明させていただきたいと思います。お手元の資料ですと、1ページの下の方になります。
 平成15年2月15日から18年の2月14日までに有害物質使用特定施設の使用廃止件数は2,134件ございました。このうち、法第3条の調査を実施済みまたは実施中の件数といたしましては、444件でございました。これは全体のうちの21%、約2割ぐらいを占めております。それから、法第3条第1項のただし書きの適用が確認済みまたは確認中で調査が猶予されている件数でございますが、このただし書きのところでございますが、これは当該土地について予定されている利用の方法から見て土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがない旨の都道府県知事の確認を受けたときは調査をしなくても構わないというものでございます。これにつきましては、既に確認済みのものが1,629件、それから、適用の確認中のものが64件で、あわせて1,693件で全体の約8割程度でございます。それから、その他といたしまして、調査を実施するか、確認の手続を行うか検討中のものが94件ほどございます。
 次でございますけれども、法第3条または法第4条の調査の結果、土壌の汚染状況が指定基準に適合しなかった場合につきましては、法第5条に基づきまして都道府県等により指定区域に指定、公示されるとともに、指定区域台帳に記載され、公衆に閲覧され管理されることになります。それにつきましては、その指定区域の状況につきまして法律の第3条の調査の場合と、それから法第4条の調査の場合について、それぞれ御説明させていただきたいと思います。
 まず、法第3条の調査の場合でございますが、これはお手元の資料の2ページ目の上の方の図になります。平成15年の2月15日からことしの2月14日までの土壌汚染状況調査の調査件数でございますが、ここにございますように379件でございました。このうち指定区域に指定された件数は104件で全体の27%、それから指定区域に指定されなかった件数は275件で全体の73%でございました。この指定区域に指定された104件のうち、指定区域がその後措置等行われまして全部解除になった件数は45区域で、全体の46%。それから一部解除になったものが7区域でございました。それから、ことしの2月14日現在で、まだ指定区域が未解除のものが49件、全体の47%でございます。この49件の内訳でございますけれども、解除を目的とせずに汚染の除去等の措置を講じた場合、例えば覆土ですとか舗装などによってのものでございますけれども、これは4区域ございました。それから汚染の除去等の措置を実施中、または検討中のものが40区域ございました。それから汚染の除去等の措置を講ずる必要が生じていないという区域につきましては5区域でございました。
 こちらは、指定区域の状況のうち法第4条の調査の場合でございます。これにつきましては、調査件数といたしましては、これまでに4件でございました。このうち指定区域に指定されたものが2件、それから、指定区域に指定されなかったものが2件でございました。この指定区域に指定されたもののうちの解除の状況でございますが、ことしの2月14日現在では解除されたところはございませんで、両方とも未解除でございます。1区域は解除を目的とせずに汚染の除去等の措置を講じた場合であり、もう1区域は汚染の除去等の措置を実施中または検討中のものでございます。
 次に、平成15年度の土壌汚染対策法の施行状況及び土壌汚染調査対策事例等に関する調査結果の概要について、主な結果について御説明させていただきたいと思います。
 この調査につきましては、法に基づくもの、それから条例や要綱等に基づくもの、また、土地の所有者等により自主的に行われたものなど、都道府県・政令市が把握している土壌汚染の調査対策事例のすべてのものにつきましてその状況を調査したものでございます。
 このグラフを見ていただきますように、このころは余り数は多くなかったのですが、ここのところ平成9年から10年、それから13年、14年ということで、この調査を行っている件数もかなりふえてきているといった状況でございます。
 これは過去10年間の事例の件数で、先ほどグラフになったものを数字であらわしたものでございます。このような形で急激にふえております。なお法の施行は平成15年の2月ですので、14年度の後半から数字が入ってきております。
 平成15年の数字でございますけれども、701調査されたうちの基準等を超過したものにつきましては約半分の349という状況でございました。
 これはそれらの調査におきまして物質別の超過事例の数、累計でございますが、を見たものでございます。このVOCにつきましては、目立ったものといたしましてはトリクロロエチレンの327件、それからテトラクロロエチレンの289件、それからシス-1,2-ジクロロエチレンの205件などがございます。それから、重金属等また農薬等におきましては、一番多くなっておりますのが鉛及びその化合物で550件、それから砒素及びその化合物で427件。こういったところが超過事例として目立っている物質でございます。
 ちょっと見づらくて恐縮でございますが、これはそうした土壌汚染に対して、対策の実施、どのような対策が行われたかというものでございます。
 こちらで見ていただきますと、重金属等につきましては、ここにございます掘削除去というものが事例のほとんどを占めておりまして、625件で全体の約8割を占めております。また、VOCが原因のものでございますと、この原位置浄化が234件で全体の64%で、掘削除去に比べまして数が多くなっているという特徴がございます。また、原位置浄化の方法の中でも地下水揚水とそれから土壌ガス吸引がその対策の方法として多くなっているといった状況でございます。
 この参考資料2及び参考資料3の説明は、以上でございます。

(松本部会長)
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの報告に対しまして質問を受けます。どうぞ。
 須藤委員、どうぞ。

(須藤部会長代理)
 参考資料3に関連して、今汚染対策の事例数と土壌汚染の数等の御紹介をいただいているので、これは特にこれでよろしいんですが、最近、水の方では、亜鉛の環境基準を策定して今排水基準もつくられる段階なんですけれども、もちろん、水の方ではこれは生活環境項目にはなっているので、直接、これ、有害項目、有害物質の土壌汚染の項目ではないんですけども、水と土壌というのは非常に密接で、水のいろいろの発生源の部分に土壌を通して来る部分も当然あるわけなんで、何といったらいいのですかね、土壌汚染の中に、法的にはいいんでしょうけども、亜鉛のようなものの調査事例とか、そういうものはあるんでしょうか。あるいはまた、将来のそういう見通し、これは水生生物という立場で水はやっているんですけれども、その関連等についてはどういうふうにお考えなんでしょうか。

(松本部会長)
 それでは、お答えをお願いいたします。

(鏑木土壌環境課長)
 亜鉛、生物への影響ということで申し上げますと、生態系の調査ということで、今いろいろな角度から土壌の生態系に関する考え方をどういうふうにしていったらよいのかというようなことについて、科学的知見の集積、勉強しているというような状況でございます。いろいろ御指導いただきながらやっているのでありますけれども、なかなか、まだ、頭の中は完全に整理されているわけではない。ただし、環境基本計画で健全な水循環ということが非常に重要なことであるということで、水と土のかかわり、土から水に出てくるということもありましょうし、水から土に来る。この二つを考えまして、健全な水循環ということを考えた場合に、土と水の関係、それから、あり方をいかにするべきかみたいなことを考えるときには、生態系というのは一つの重要なキーワードであると思いますし、ほかの点も含めてですが、これからの課題ではないかというふうに思っています。まだ、ここであれだと言える状況にはないんですけれども、重要な課題だとは認識しています。

(松本部会長)
 よろしゅうございますか。

(須藤部会長代理)
 はい。

(松本部会長)
 そのほか、御質問ございませんか。

(なし)

(松本部会長)
 ないようでしたら、次に平成16年度の農用地土壌汚染防止対策の概要及びダイオキシン類対策特別措置法に基づく対策地域について、事務局から御説明をお願いします。

(中山土壌環境課課長補佐)
 それでは、まず、平成16年度農用地土壌汚染防止対策の概要について御説明させていただきます。
 環境省では、毎年度、農用地土壌汚染対策の状況と農用地の土壌汚染の調査結果を取りまとめて報告をしておりますので、それについて御説明いたします。
 まず、農用地につきましては、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づきまして、人の健康を損なうおそれがある農畜産物が生産され、または農産穀物等の生育が阻害されることを防止するということを目的とした各般の措置が講じられているところでございます。
 表の下の方をごらんいただきたいんですが、基準値以上検出等地域、特定有害物質カドミウムと銅と砒素がございまして、その合計として平成16年度末までに7,327ヘクタールがございました。そのうち対策地域に指定された地域ということで、6,376ヘクタールございます。それから、対策計画が策定された地域が6,236ヘクタールございます。
 国の助成に係る対策事業が完了している地域というものが5,729ヘクタールございます。それ以外に都道府県による単独の事業が完了したという地域が628ヘクタールございまして、これらをあわせますと6,357ヘクタールになりますので、この基準値以上検出等地域に対する進捗率ということで86.8%が完了しているということになります。
 このグラフは先ほどの表をグラフにしたものでして、基準値以上検出等面積のうち完了しているのが6,357ヘクタール、今後対策が必要な面積が970ヘクタールということになっております。
 続きまして、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく対策地域について御説明いたします。
 昨年度の審議会では、過去の3地域、東京都大田区大森、和歌山県橋本市野、香川県高松市新開西公園、この3地域が指定されておりました。それに加えまして全国で4例目の事例といたしまして、本年の3月6日に東京都北区豊島5丁目の指定が行われております。
 あとでお配りした追加資料なんですが、今年の3月7日の東京都の公報にダイオキシン類土壌汚染対策地域の指定ということで掲載がございます。
 この中でありますように、東京都の豊島5丁目地域のうち、北区立豊島東保育園それから北区立東豊島公園、それから次に、旧北区立豊島東小学校の黒く塗られた部分が対策地域とされております。
 所在地ですが、JRの王子駅から北東に行ったところ、隅田川沿いに豊島5丁目団地がございます。それから下の注にございますが、団地の建物に沿った植栽地でも基準を超えるダイオキシン類が検出をされましたが、覆土などの応急措置で、現在、健康リスクは回避されているという状況にございます。これらの場所につきましては、東京都の環境審議会の附帯意見によりまして、東京都が継続的なリスク管理を行っていくための方法を検討することとされたところでございます。
 御説明は以上です。

(松本部会長)
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に対しまして質問を受けます。どうぞ。
 今井委員、どうぞ。

(今井臨時委員)
 ちょっとよろしいですかね。
 重金属等のいわゆる対策を行ったというものなんですけど、実際、コーデックスで米の基準が0.4ppmという話になってから、1年たつわけですね。これはあくまで1ppmの土壌をいかに対策するかという話なので、これは日本独自のものなんですね。しかし、多分、厚労省の諮問について食品安全委員会がまだ今やっているので基準値がなかなか決まらないという話なんですけど、コーデックスとしてはやはり0.4というレベルが出されて、それから1年たっているのに何ら具体的な法律というか、どういうぐあいに土壌に対して規制値をかけるかというものが全く聞こえてこないんですね。そういう話をやるおつもりがあるのかどうか。ぜひやはりいつも後手後手に回っているものですから、早く対策を講じないと大変な問題になってくると思うんですけれど、そのあたりはいかがなんですか。

(松本部会長)
 ただいまの今井委員の御質問に対しまして、じゃあ、回答をお願いします。

(鏑木土壌環境課長)
 コーデックスでは、現在基準値案を検討中で、今度の食品添加物・汚染物質部会でまた審議されるというふうに聞いております。国内的には、食品安全委員会に対して厚生労働省からカドミウムの食品中のリスクについて諮問がなされていて、それに対する答申がまだであると。それに対する答申が得られたら、厚生労働省としてはその答申いかんによっては薬事食品衛生審議会にその食品の規格としてどういうふうにしたらよいかということをまた諮問しなければいけないんでありますけれども、それと同じくして、私どもも、また、この中央環境審議会に御審議をお願いをしたいと思っています。そういうことになればですね。と申しますのは、農用地土壌汚染防止法では、食品、米の中にどれだけカドミウムがあってはいけないかというその数字をもとといたしまして、農用地土壌汚染防止法の地域指定の基準をつくっております。したがいまして、あちらの基準が変われば、当然、我々も基準の改正の是非といいますか必要性、幾つにするかということを審議して基準の見直しをしなければならないということになるものですから、その節は、そうなりましたならば、ぜひ御審議をいただいて、おくれずに対策が講じられるようにしていきたいというふうに思っております。

(松本部会長)
 今井委員、よろしゅうございますか。

(今井臨時委員)
 実は法律、一応、厚労省の方の食品安全委員会の基準値が出て、そちらの方の法律からというか、要するにこれでいきましょうと。それから、土壌汚染防止法で土壌中の濃度に対して関連づけるのに非常に時間がかかるだろうと。これ、非常に、物すごく難しい問題なんですね。だから、出ました、さあやりましょうといって、実際にその基準値が土壌でどういう線引きをやるかというのはまた数年かかるだろうと。下手すると10年ぐらいかかるんじゃないかと。だから、やはりある程度並行して、一応そういう方向で1ppmはもうだめだろうという話が我々の仲間では、多分、日本全体でもそういう話が出ているわけですから、早く準備を始められて、やはりどういうぐあいに土壌に網をかけていくかという方針を出していないと、やはり早急な手が打てないんじゃないかと。それで、過去もそういう話で非常にごたごたしたことがありますので、早く早く手を打っていただくという話が私はよろしいんじゃないかと考えております。

(松本部会長)
 よろしゅうございますか。どうぞ。

(鏑木土壌環境課長)
 現在の基準の決め方でございますが、こうなっております。その地域内の農用地において生産される米に含まれるカドミウムの量が米1キログラムにつき1ミリグラム以上であると認められる地域であることということで、米中幾つという数字が出てくれば、それに連動して検討が必要になってくるという、こういう決め方になっておりますものですから、食品安全委員会の同じリスク評価の結果をもととした基準の決め方として、米の方で米1キログラムにつき例えば0.4ミリグラム以下でなければならないというふうに仮に決まったといたしますと、今の基準の決め方をそのままなぞれば、米に含まれるカドミウムの量が米1キログラムにつき0.4ミリグラム以上であると認められる地域であることということになって、その間10年ぐらい検討が必要という感じではないと思いますので、そういう状況であるというふうに思っております。

(松本部会長)
 なるべく速やかに御対応をお願いしたいと思います。
 今井委員、よろしゅうございますか。

(今井臨時委員)
 はい。

(松本部会長)
 そのほか、どうぞ。
 須藤委員、どうぞ。

(須藤部会長代理)
 ここで発言するのが本当に適切かどうかわからないんですが、今までの土壌もそうだし、水もそうですけど、ある項目があって、基準値があってということでいろいろ対策が進んでいるんですけれども、地下水と土壌というのは生活環境項目がなくて有害物質だけの規制ですよね。水は生活環境の保全、例えば窒素とかリンとかそういうのがありますね。私、最近知った例なんだけども、地下水に物すごくリン濃度が高い例というのが結構あるんですね。これが水循環を、先ほどちょうど課長が水循環、健全な水循環とおっしゃったので、すぐお答えいただけるものではないんだけれども、この前の有明八代の再生評価のときに、地下水のリンがすごく高いのですね。私、心配になって幾つかの地方で聞いてみたら、物すごい高濃度があるのですね。リンというのは、土壌は肥料ですからともかくとして、地下水もはかっていないですね。ですから、余りデータがないんですね。でも、もしかしたら物すごくリン濃度が高い例が結構ありそうですね。そうすると、先ほどの健全な水循環は有害物質のことを言っているんだけども、法律でこういうふうにやっていくと、健全な水循環などで水に戻ってきたときはどこからかもしれないけどもリンがいっぱい来ちゃったということで、リン対策しなくちゃいけないんだけれども、どこから来たかよくわからないんです、正直に言うと。そういう例を最近ちょっと知見として得ているんですが。要するに、環境省は、今のような体制でやっているから、データがないんですね。ないというか、地方もはかっていないんですよね。リンなんて有害物質でございます。そういう面があるので、ちょうど先ほどいいことをおっしゃっていただいたので、健全な水循環のときには、もう少し幅を広く、そういう、順繰りに化学物質も一緒にめぐるので、要するにここに書いてある有害物質の26項目だけではなくて、ちょっと広めに見ていただいて、特に閉鎖性海域の富栄養化の問題のところの発生源というのはどういうふうなところからめぐってくるかをやらないと対策につながらないので、こういう場で申し上げるのは不適切なんだけれども、関係者がいっぱいいらっしゃるので、その辺のところをひとつ、ぜひ、土壌も地下水の方もいらっしゃるから、やっていただきたいと、こういうことだけお願いをしておきます。

(松本部会長)
 ありがとうございました。広く見ていただきたいということだと思います。
 そのほか、どうぞ。ございませんか。

(なし)

(松本部会長)
 ございませんでしたら、次に、平成18年度土壌環境・農薬関係予算のうち土壌環境関係予算について、事務局から説明をお願いいたします。

(鏑木土壌環境課長)
 はい。まず、土壌環境予算について、平成18年度の予算の内容をご説明させていただきます。
 これもお手元の資料にあるとおりでありますが、土壌環境課の平成17年度の予算額は8億5,400万円程度でございました。18年度は13億8,600万円ということで、5億3,000万ほど予算額がふえております。ただこれ実は先ほど御説明をさせていただきましたダイオキシンの関係、東京都北区豊島5丁目団地のダイオキシン類の土壌汚染に対する対策費の補助金、これを計上しておりまして7億2,000万円ほど。ごらんのように7億2,000万円の補助金があって、つまり対前年度6億2,000万ほどふえているんだけども、全体で見ますと課としては5億3,000万しかふえていないからどこかで1億へこんでいると、こういう状況でありますが、これが非常に大きい額になっております。
 この中でも、特に新しい取組をしていこうということで、これもお手元の資料にもございますけれど、油汚染等汚染土壌対策促進費2,000万円、これは先ほど来フォローアップと言っていた予算でございまして、油汚染対策ガイドラインができましたので、そのフォローアップをしていく予算が2,000万円ついております。なお、「等」と書いていますのは、実は射撃場のガイドラインづくりというのをやはり今年度から始めておりまして、この射撃場のガイドラインができましたら同じ費目の中でまたフォローアップをしていこうと、こういうことで、ガイドラインをつくったらフォローアップしていく、必要な改善をしていく、こういうループを回していきたい。この予算がついているということでございます。
 それから、優良土壌環境事業普及促進費というのが、これまた18年度新規でございます。お手元の資料の7ページにあるとおりでございまして、これでございます優良土壌環境事業普及促進費。土壌汚対策法の世界、土壌汚染の調査を3条調査、4条調査としてやってまいります。そこでは指定調査機関がございます。さらに、汚染土壌の浄化認定施設、知事の認定施設というような仕組みもつくっているのでございます。一方で自主的な調査対策というのが急増しております。これは融資の実行者、不動産鑑定をされる方、土地の売買を仲介される方、いろいろな方からニーズが、地方公共団体からもニーズがありまして、こういう自主的な調査対策の数が非常に多いわけだから、そのときにどのような方がその調査対策を実施しておられるのかよくわからないし、どういう方にお仕事をお願いしたらよいのかもよくわからないと。そんなわけで、優良な業者選定の目安というのをつくってくれないかという声がございます。さて、そこで私どもとしては評価のガイドラインをまたこの部会に御審議をいただいたり、あるいは専門委員会に御審議をいただいたりいたしまして、提言をちょうだいし、評価ガイドラインを作成したいという、そういう予算を要求しておりまして、これが認められて、それでその評価ガイドラインの作成をさせていただこうということでございます。
 それから、その次でありますが、土壌環境モニタリング推進費というのを、これもまた17年度からいただくのでございますけれども、土壌汚染対策法を適用するのかしないのかということの判断で、まず自然的原因によります含有量というのがいかなるものかというようなことについての目安、これをただいまは10の都市で調べました193個のデータの平均値+3σということで示しているんでございますけれども、これをもっと充実させていって、例えばその地域的な差異、これはスライドにありますのは、これは鉛ですね。鉛について濃度の高いところも低いところもありますよと、日本全国広いですという絵なんでございますけれども、このような、これは河川の性質について、地球化学図というのを産総研がおつくりになったその中からピックアップしてきた図なんでありますけれども、日本全国広うございますと、いろいろ地域的な差がありますということでございますので、私どももそういうような地域的な差が自然的原因による含有量の判断に生かせるようにしていきたいということで、今年度から調査をしております。これは17、18、19の3年間かけて、全国、かなりのデータ数をとっていこうという調査でございまして、それを進めていると。これにつきましても増額をしてやっていくという予算の内容になっているということでございます。
 それから、その次に、農用地土壌汚染対策地域指定促進調査費、先ほど今井委員から御指摘がございましたが、何か取組の姿が、なかなか、よそ様の基準が決まるのを待っていてやられてないのではないかというようなおしかりもいただきましたけれども、実はこんなことをやっていまして、もし米にかかるカドミウム基準値が1から0.4になったということになりますと、仮にそれを今あるデータで全国の農用地でどのくらいの農用地がその対象として新たに対策が必要になるかということを試算をいたしましたところ、推定で約6,000ヘクタールほどの要対策地域が増加するのではないかということでございます。この要対策地域が推定約6,000ヘクタールふえるということになりますと、今までの公定法で時間をかけてやるというよりは、今の新しい科学技術の進展の度合いを見ていれば、何か簡易分析でスクリーニングができるのではないかということで、それを来年度検討させていただくことにしています。スクリーニングを導入することによって公定法にかける試料を減らす。増加する分析業務に効率的に対応することが可能になる。農用地の土壌汚染対策が円滑に進むようになるだろうというようなことを考えまして。スクリーニングを簡易にする、こういうことができれば、その後の公定法での分析がより早く容易にできるようになるのではないかという発想で、それをやることにしております。
 それからもう一つは、ダイオキシンでも同じことがございまして、ダイオキシンにつきましてもスクリーニングの方法を導入いたしましてやっていけないかということで、再現性等で、技術的評価がされた簡易測定法について、汎用性や適用可能分野について詳細な調査をし、土壌中のダイオキシン類の測定手法に導入をいたしまして、環境監視費用をより有効に適切に使っていくことができるのではないかと、こういう発想で新しい分析技術を施策に反映させていく。そのための調査費を、平成18年度に予算に新規で盛り込まさせていただいたということであります。そのことが6ページのスライドの下のところですね、参考資料6のところに書かれてございまして、これでございますが、新しい項目としてはこういうもの、これについて18年度は取り組んでいくと。これが土壌環境課の予算になってございます。

(松本部会長)
 よろしゅうございますか。
 それでは、ただいまの御説明に対しまして質問をお願いいたします。どうぞ。
 ございませんか。藤井委員、どうぞ。

(藤井委員)
 言ってもしょうがないなと思いながら、たまたま滋賀県の近江八幡にある日吉というところにカドミ米の検査媒体がたくさん来ているものですから、いろいろ聞いていて、ああ費用がついたなと思いましたら、たったと言ってはいけませんが1,000万円、対象地域が6,000ヘクタールもふえるということの中で大変努力なさった予算獲得だと思うんですが、消費者の側からすると、カドミ米というのは、日々食するものですから、対象地域が自分の地域も入るんじゃないかとか、そういう不安が大変大きいところですので、今回、残念ながら1,000万とすれば、来年度ゼロがふえるほど、やっぱり国民の食のベースですから、そのぐらいの意気込みでぜひ獲得していただきたいというお願いです。すみません。

(鏑木土壌環境課長)
 ありがとうございます。

(松本部会長)
 ぜひ、御努力をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 そのほか、どうぞ。ございませんか。

(なし)

(松本部会長)
 なければ、次に、平成18年度土壌環境・農薬関係予算の農薬関係予算、最近の農薬環境行政について、事務局から説明をお願いいたします。

(農薬環境管理室長)
 農薬環境管理室長の鈴木でございます。私の方から、まず農薬関係の新規予算と、それからあと参考資料7で最近の農薬の環境行政について説明したいと思います。
 まず予算の関係でございますが、新規2本ということで、一方は800万円、一方は1,200万円ということで、それほど大きなものではないんですけれども、一応新規で新しい施策が入っておりますので、まず、そちらについて御説明申し上げたいと思います。
 まず、農薬急性毒性リスク評価手法検討調査についてでございます。今まで農薬のリスク評価といいますと、通常はADIをベースにいたしまして、生涯にわたって摂取しても影響がないかどうかというふうな考え方で評価をしていると。農薬の安全性を確認しているということでございますけれども、もう一つの別の新しい考えといたしまして、それで生涯摂取をしても問題ないということで評価をしているというのが一つあるんですけれども、新たな動きといたしまして、そうはいっても、短期間に大量に摂取する場合、これによる悪影響というのもあるかもしれないよねというふうなことで、国際的にもそのような考え方で急性参照値というふうな概念も導入されている。ARfDということでございますけれども、こういう考え方でARfDを導入しているというふうな考え方もございますので、我が国でもこのような考え方というのを一つ文献、あるいは、我が国での、じゃあ曝露実態はどうなっているのかというふうなことも検討しながら、このような急性リスクに対する対応というのを少し私ども農薬環境管理室の方で勉強してみようというのが一つの予算でございます。
 それから、次の予算でございますが、農薬流出防止技術評価事業というのをもう一つ立ち上げさせていただいております。これは後ほどまた申し上げますけれども、いろいろと水産動植物の登録保留基準、こういうものでも改正もさせて、新しく生態系への影響というのを未然に防止していこうというふうな形で登録保留基準ということでの動きが一つあるわけですけれども、もう一つの考え方としては、できるだけ農薬の水系への流出を防止するような技術、こういうものを積極的に評価していくというのも一つ環境へのリスクを軽減するという観点からは重要なのではないかということで、例えば製剤技術、最近の農薬なんかですと例えばマイクロカプセルですとか、あるいは施用技術で言えば育苗箱での施用、こういうことをしますと比較的環境中への影響、負荷が軽減されるということでございますが、じゃあどの程度軽減しているのかということがよくわからないことから、一体どのくらいそれぞれの農薬の流出防止に寄与する技術がどのくらいの寄与の程度というのがあるのかというふうなものを必要に応じて実証などもやって、影響技術の評価をやっていくことを今年の新規ということで立ち上げているところでございます。
 続けて御説明申し上げたいと思いますが、参考資料7ということで、最近の農薬環境行政につきまして、最近の動きをちょっと御紹介させていただければというふうに考えております。
 まず1点目といたしまして、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に向けた取組ということでございます。
 これにつきましては、これまでも部会の方でも御説明させていただいていたのではないかと思いますけれども、登録保留基準、これにつきましては15年3月に改正を既にさせていただいております。昨年の4月から施行ということでございます。その施行に向けまして私どもの方ではいろいろと必要な検討会を設置いたしまして、毒性試験結果に適用する不確実係数の設定方法ですとか、必要な準備を行ってきたということでございます。昨年の4月施行されたわけでございますけれども、その後私どもの方に個別の農薬の基準値案の設定に必要なデータの提供というのも現在行われておりまして、その検討というのを、現在、私どもの方で別の検討会を設けまして、検討を進めてきたところでございます。ようやくでございますが、4月にも土壌農薬部会農薬小委員会、こちらの方で最初の個別農薬につきまして、個別の農薬につきましての基準値案を審議できる状況になったのではないかというふうに考えております。
 それから2点目でございますが、土壌残留及び水質汚濁に係る改正農薬登録保留基準の施行に向けての取組ということでございます。
 こちらにつきましては、土壌残留及び水質汚濁に係る登録保留基準、これも改正をさせていただいたところでございます。これは昨年の8月に改正させていただいて、本年の8月から施行ということでございます。この施行に向けましては、水質汚濁に係る基準値の設定はかなり明確な形で告示の中に書かれているんですけれども、基準値と比較をする環境中予測濃度、これとの比較ということが重要になってきますので、じゃあ、その予測濃度をどういうふうに算定するかということがポイントになっておりましたが、これにつきましては、私どもの方で設けております環境中予測濃度算定方法等調査検討会というところで環境中予測濃度の算定方法について現在検討しているところでございますが、実は昨日、第4回目の検討会も開催いたしまして、おおむねこういう方向でいいのではないかというふうな形でほぼ算定方法についても合意されたというふうに考えておりますので、8月の施行に向けて引き続き適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
 それから3点目でございますが、特定農薬、これの指定に向けた取組ということで、昨年の8月と実は本日の午前中、農林水産省の農業資材審議会の方との合同の会合を2回ほど開催させていただきまして、評価に必要な考え方などにつきましてもいろいろと議論させていただきましたし、あとは具体的な指定に向けた具体的な資材、具体的には木酢液でございますとかあるいは電解水、こういうものにつきましてデータがそろいましたので、御議論いただいているところでございますが、実はきょうの午前中もやったんですけれども、まだ、御了解が得られるところまでなかなかいかなくて、なかなか審議に大分手間取っているねというふうな状況にはありますけれども、とにかく何とかデータのそろったものから審議をしているというふうな状況でございます。
 それから、4点目といたしまして、その他の取組ということで2点ほど紹介させていただきたいと思っております。
 水生生物への影響につきましては1番で御説明したとおり、登録保留基準ということで改正もさせていただいて強化も図られたわけでございますが、生態系への影響ということでやはり残りますのが、私ども陸域生態影響というふうに言っております。要するに水中は、まあ、ある程度動いているので、やっぱり陸域がどうしても課題になって残っちゃっていると。土壌環境課長からもいろいろと御紹介がありましたけれども、これ、我々としても取り組み始めているんですけれども、なかなか難しい問題もあるわけでございますが、何とか、とにかく諸外国の状況でございますとか、影響事例なども調査しながら、来年度には何とか実際のフィールドでの農薬を散布した場合の影響みたいなものも調査してまいりたいなというふうに考えております。
 それから2点目といたしましては、ゴルフ場での使用農薬に係る調査結果、これにつきましては毎年公表させていただいておりますが、今年も昨年の11月に公表させていただいておりますが、特段、指針値を超過した事例はないというふうな状況でございます。
 簡単ではございますが、以上でございます。

(松本部会長)
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対しまして質問がございましたらお受けいたします。どうぞ。
 ございませんか。

(なし)

(松本部会長)
 ほかにないようでしたら事務局からほかに何かございますでしょうか。

(鏑木土壌環境課長)
 これからこの審議会にお願いをしたいこと、またこれは、決まりましたら別途正式にお願いをしなければなりませんが、先ほどお話のありました農用地の関係、これも動きがありましたらお願いすることが出てこようかと思います。それと射撃場のガイドラインというのを、これまた、専門委員会に、来年度の後半には御検討をお願いをしたいというふうなことも考えておるという状況でございます。
 以上でございます。ほかにはございません。

(松本部会長)
 はい。それでは、一応これで本日の議題を終了いたしたわけでございますが、最後に私の方から、本日の資料の取り扱いについて説明しておきたいと思います。
 土壌農薬部会の運営方針では、審議中の答申または意見具申の案文、非公開を前提に収集したデータが記載されている資料など、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料や、公開することにより特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある資料などは、部会長は非公開とすることとされております。本日配付した資料は、いずれもこれに該当しないことから、公開といたします。
 また、今回の議事録につきましては、事務局で調整後、出席委員の明示の了承を得て、公開に係る部分は発言者の氏名をあわせて公開となります。事務局案ができましたら、各委員におかれましては、御確認の方をよろしくお願いをいたします。
 それでは、そのほか、本日の審議の全体につきまして、何かございましたらお願いをいたします。ございませんか。
 大塚委員、どうぞ。

(大塚委員)
 質問で恐縮ですが、先ほどのところで申しわけないんですけど、参考資料2の2ページのところでちょっとお伺いしておきたいんですが、よろしいですか。
 指定区域未解除49件の中の、「解除を目的とせずに汚染の除去等の措置を講じた」というので、(措置済の指定区域)と書いてあるのですけれども、これは4区域もあるのですけれども、大抵解除を目的として措置をすると思うんですけれども、しかも措置済と書いてあるんですが、これがどういうケースなのかというのを御説明いただけますか。

(松本部会長)
 それでは、これに対して回答をお願いします。

(鏑木土壌環境課長)
 これは指定区域になりました、だけれども、それの指定解除をしないで最も安いコストで措置を講じておいて、次の土地改変のときに改めて対策を講じたいと、そういうようなケースでございます。

(大塚委員)
 では、その下の、もう一つすみません。「汚染の除去等の措置を講ずる必要が生じていない5区域」というのは、これはどういう意味ですか。

(鏑木土壌環境課長)
 これは、指定をしたときに既に舗装が残っていて、講ずる措置としては舗装がいいんだけれども、それは既に残っているからいいというようなエリアがあったというようなことでございました。

(大塚委員)
 舗装が残っていて、もう、上に遮蔽ができているから講ずる必要はないという、そういう意味ですか。
 わかりました。どうもすみません。

(松本部会長)
 よろしゅうございますか。
 そのほか、どうぞ。

(なし)

(松本部会長)
 それでは、そのほか特段にございませんでしたら、これで進行を事務局にお返ししたいと思いますのでよろしくお願いします。

(鏑木土壌環境課長)
 どうもありがとうございました。
 本日の土壌農薬部会は、これにて閉会をさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。