中央環境審議会土壌農薬部会(第4回)議事録

日時

平成13年10月23日(火) 10:00~11:30

場所

経済産業省別館9階 944号会議室

出席委員

部会長
部会長代理
委員
臨時委員
松本聰
須藤隆一
桝井成夫
岡田齋夫
亀若誠
河内哲
黒川雄二
櫻井治彦
鈴木英夫
臨時委員 谷山重孝
福島徹二
中杉修身
中野璋代
西尾道徳
森田昌敏
山口梅太郎
渡部徳子

委員以外の出席者

環境省: 環境管理局長、水環境部長、水環境部企画課長、土壌環境課長、農薬環境管理室長、地下水・地盤環境室長、事務局

議題

(1)今後の土壌環境保全対策の在り方について
(2)小委員会の設置等について
(3)その他

配布資料

資料1中央環境審議会土壌農薬部会委員名簿(平成13年10月23日現在)
資料2今後の土壌環境保全対策の在り方について(諮問書及び付議書(写))
資料3中央環境審議会土壌農薬部会の小委員会の設置について(案)
資料4中央環境審議会土壌農薬部会の運営方針について(改正案)
資料5中央環境審議会土壌農薬部会土壌制度小委員会の構成(案)
資料6-1「土壌環境保全対策の制度の在り方について」(中間取りまとめ)について
資料6-2「土壌環境保全対策の制度の在り方について」(中間取りまとめ)
(平成13年9月土壌環境保全対策の制度の在り方に関する検討会)
資料7「土壌環境保全対策の制度の在り方について(中間取りまとめ)」に関するる意見募集の状況について
(参考資料)
参考資料1土壌汚染をめぐる最近の状況について
参考資料2「土壌の直接摂取によるリスク評価について」(平成13年8月土壌の含有量リスク評価検討会報告書)
参考資料3農薬専門委員会委員名簿(平成13年10月23日現在)
参考資料4中央環境審議会議事運営規則

議事

(土壌環境課長)
 ただいまから第4回の中央環境審議会土壌農薬部会を開催する。
まず、委員の異動について御報告する。
御手元の資料の議事次第の次に、土壌農薬部会の委員の名簿を入れさせていただく。まず、谷田部委員については、御都合により平成13年8月2日付で中央環境審議会臨時委員を退任されている。それから中杉委員及び森田委員については、平成13年10月16日付で当部会に属すべき臨時委員として指名されている。本日は委員総数23名中17名の委員が御出席の予定だが、全員御出席をいただいているので、既に部会開催の要件、定足数12名を満たしていることを報告する。
まず、議事に先立って、水環境部長より御挨拶する。

(水環境部長)
 第4回の中央環境審議会土壌農薬部会の開催に当たり、一言御挨拶申し上げる。本日は皆様方御多用中にもかかわらず、朝早くからお集まりいただき誠にありがとうございます。また、日頃より環境行政の推進に当たり、御指導・御鞭撻を賜り、厚く御礼を申し上げる。
さて、土壌は人の生活及び経済活動の基盤である土地を構成し、物質の循環や生態系維持の要としても重要な役割を果たしている。その土壌が汚染されると、汚染土壌が直接摂取されること、地下水が摂取されること等により、人の健康等に影響が及ぶことがある。このような土壌汚染の問題は、これまで明らかになることが多くないが、近年、工場跡地等の再開発・売却の際や、環境管理の一環として自主的に汚染調査を行う事業者の増加、都道府県等による地下水の常時監視の拡充等に伴って、重金属、揮発性有機化合物等による土壌汚染が顕在化してきている。これらの有害物質による土壌汚染問題は、このまま放置すれば人の健康等に影響が及ぶことが懸念されることから、速やかな土壌汚染の状況の把握と土壌汚染による環境リスクを適切に管理するための措置等の実施が必要となっている。このような状況を踏まえ、私どもでは、土壌環境保全対策のために必要な新しい制度の在り方について、昨年12月から、検討会において検討を進めていたが、今般、中間的な取りまとめが行われた。
これを受け、今後の土壌環境保全対策の在り方について、更に検討を加えるため、この度、中央環境審議会に諮り、本部会で御審議いただくことにした。皆様方におかれては、お忙しいことと存ずるが、今後の土壌環境保全対策の在り方について忌憚のない御議論を賜ることをお願い申し上げ、私の挨拶とする。

(土壌環境課長)
 部長は本日急用のため、後ほど中座することになっている。

(新任委員の紹介がなされた。)

(土壌環境課長)
 中杉委員、森田委員には農薬専門委員会にも参画していただくことについて、3月8日の第1回土壌農薬部会で決定した「中央環境審議会土壌農薬部会の専門委員会の設置について」の第3の規定に基づき、部会長から指名させていただいていることを報告する。このほか、専門委員会の方に、井上委員にも新たに専門委員として参画していただくことになったことについても報告する。
次に、配布資料について説明する。

(事務局) (配布資料の順に従って説明。)

それでは部会長に議事進行をお願いする。

(松本部会長)
 それでは、議事次第に従って議事を進める。
議題の1であるが、10月18日付で環境大臣より「今後の土壌環境保全対策の在り方について」、こういう諮問があり、同日付で当部会に付議されているので、まず事務局から諮問内容について説明する。

(事務局) (資料2に基づいて説明。)

(松本部会長)
 ただいまの説明に対して、質問あるいはコメントを求める。どなたか、ないか。

  (なし)

(松本部会長)
 ないようなので、ただいま事務局から説明があった諮問について、今後当部会において審議をしていきたい。
それでは、議題の2について御審議願いたい。議題の2として「小委員会の設置等について」であるが、中央環境審議会議事運営規則の第8条第1項において、「部会は、必要に応じ、その定めるところにより、小委員会を置くことができる」と規定されている。事務局から小委員会の設置等について、説明をお願いする。

(事務局) (資料3,資料4及び参考資料4に基づいて説明。)

(松本部会長)
 ただいま説明があったように土壌制度小委員会を設置したいが、いかがか。意見を求める。

(谷山委員)
 土壌制度小委員会ということであるが、土壌というのは非常に幅の広い概念ではないかと思うが、この中に農用地土壌の制度の土壌についても、この小委員会は対象とされるかどうかをお聞きしたい。

(土壌環境課長)
 後ほど、中間取りまとめの内容について説明する際にも少し触れるが、既に土壌の制度として農用地の土壌汚染防止法がある。これについては、昭和45年に成立していて、これまで全国でいろいろ調査や対策を進めてきいる。おかげで、現在は、ほぼ当初の計画の8割方終了している。この農用地の関係については、一定の対策がなされてきたと私どもは評価している。今回のこの「土壌制度」と小委員会の名前をつけるが、これは、最近における工場跡地などの土壌汚染問題のことと考えているので、ひとつよろしくお願いしたい。

(松本部会長)
 その他に、意見、質問はないか。

(西尾委員)
 今の御質問並びに回答に関連するが、そのような疑念が生じるのは、「土壌環境保全対策」というところの、ここの文章に書かれている用語の定義がなされていないからである。何か定義を加えておいた方が誤解を避けられるのではないかと思う。

(土壌環境課長)
 当初、昨年12月にスタートする際に、私どもは、その前にもいろいろな土壌の調査の報告書にも書いたが、「土壌環境保全対策」という前に「市街地等における」というように書いていた。検討会をスタートするに当たって、そのあたりの言葉を入れようとしたが、「市街地等における」というのが、西尾委員が御指摘されたような定義として必ずしも十分ではないということで、外させていただいた経緯がある。今後は小委員会においてその辺の御審議もお願いすることになるが、「市街地等における」という気持ちの中でどういう形で定義していくかということで、この辺も是非、ご審議をお願いしたい。

(松本部会長)
 既に定義については「市街地等の土壌汚染」のところで定義されているということであろう。恐らく土壌についても、これは学問的な「土壌とは何か」というところがあるわけであるが、それとはもう少し違った意味で、我々の生活に密着した格好で、定義は当然なされているわけである。そういうことで、よいか。

(西尾委員)
 「市街地等」という言葉を修飾させるのが不適切であるとすれば、何かもう少しいい定義を小委員会の中で御検討いただきたい。

(亀若委員)
 私も非常に包括的な小委員会だという感じを受けて、少しそういう疑念を持っていたが、今の課長のお話で、話としては了解できる。ただ、概念として確かに非常に広くて、これで今後、例えば今既にきちんと法体系ができている農用地の土壌汚染等についても、何かあればここで審議をするという話になるのかどうか。
それから、中間取りまとめにある内容に限定ということであるが、そうすると、その小委員会の設置は期間限定なのか、それとも、この中間取りまとめが法律として通っていった暁においても、なお存続されるのか、その辺のお考えを少しお知らせいただきたい。

(土壌環境課長)
 この小委員会における議論の範囲であるが、先ほど申し上げたように、「中間取りまとめ」がまだ中間取りまとめにとどまっているので、制度に向けての最後の詰めをぜひお願いしたい。
したがって、今のところ事務局サイドとしては、この制度化までというのがこの小委員会の役割というか、期間というか、そういう形で今考えさせていただいている。

(松本部会長)
 その他に、意見はないか。

(山口委員)
 今までの皆さんのお話と類似することになるが、これの場合のいわゆる環境汚染をしているところについて、調査で出てくるのは、ここに書いてあるように、その土地の改変をするときに出てくることになっているわけであるが、実際にこの制度が動いていった場合に、改変もしない今までどおりに使っているようなところまで、そこへ法律が入ってくるようになり、「おまえの土地のところ、汚れているから直せ」というような力も持つようになると、またこれもいろいろ問題があると思うが、その辺はいかがか。

(土壌環境課長)
 今、山口委員御指摘の改変を何もしない場所というのは、例えば事業所のことか。

(山口委員)
 そういうことになる。

(土壌環境課長)
 これは、後ほど中間取りまとめの方の今までのところの整理の中身を少し説明するが、端的に申し上げると二つ分かれている。直接暴露と、いわゆる地下水経由というのがあるが、少なくとも直接暴露というのは、この8月2日に出されたリスク評価検討会の報告で、これは櫻井委員、中杉委員にも参画していただいているわけであるが、いわゆる工場の中で少なくとも製造を営んでいる段階において、外に直接暴露として直ちに出るわけではないという結果が出ている。つまり、稼動中の工場について直ちにリスクが生じるというようには今のところ必ずしも認識していないので、むしろそれが工場を他の用途に変え、更地にして、例えば公園にするとか住宅にするとかいったようなときにリスクが問題になるというように認識しているので、そのあたりはやはり対象にすべきではないかと思う。

(企画課長)
 少し補足するが、先ほどの農用地等の関係とも今の御質問とも合わせてであるが、私どもの趣旨は、土壌環境保全対策の在り方についての諮問の文章にあるとおり、直接摂取されることや地下水が摂取されること等によって人の健康等に影響を及ぼすと、そういう観点から、全体の土壌の環境について当部会で御議論いただきたい。したがって、土地ということで注目したときに、何が排除されるとかいうように諮問時点でアプリオリに排除されているというわけでは、正確に言えば「ない」というように御理解いただきたい。
ただ、先ほど土壌環境課長から申し上げたとおり、農用地土壌汚染防止法ということに関しては、その分野で対策が進んでおり、これも十分によい進捗を見ているで、そのことについて特にこの法の対象になるかというと、それは、そういうようには想定をしていない。
それから稼動中の工場の問題についても、工場そのものをどうするか、中間取りまとめでも議論があったところである。これも、この諮問の趣旨にのっとって、人の健康の影響に及ぶかどうかを審議するのが目的であり、初めからどういう場合にはどうというように私どもも決めているわけではないので、これも中間取りまとめで方向が大分出ているが、その方向を踏まえた上で小委員会の方で御議論いただきたい。

(山口委員)
 法律というのはひとり歩きしないことが大事である。

(西尾委員)
 後でこの中間取りまとめを、もしも審議なり意見を言う機会があればそのときでも良いが、人間に対する土壌の健康影響として、たとえ汚染されていない土壌でも、風食で土壌が舞い上がって、その土壌粒子、特に汚染されていないものであっても、それをもろに人間がかぶるというようなケース。これは、特に市街地などで住宅と農地が接しているところで、関東では冬、乾燥するので、強い風が吹くと、それが家庭に押し寄せて大変苦情が出ている。そういう問題も、実は汚染ということとは別に被害をもたらし得る。アメリカなんかであれば、かつての「怒りの葡萄」のあの時代のときに、まさにそういう被害が多々起きたわけである。そのような問題はどこが扱うのか。ここで対象になるのか。

(土壌環境課長)
 逆に西尾委員に質問させていただきたいが、その場合、人の健康に影響するというのは、例えば土壌粒子が気管に入って何か悪さをすると、そういう話のことか。

(西尾委員)
 目に入るとか。

(土壌環境課長)
 いずれにしても今回は、後ほどリスクの検討会においても若干検討するが、まだそこまで広げられておらず、至っていない状況である。

(松本部会長)
 非常に問題が大きくなった時点で、それも追加ということで御審議いただくというようなことで、とりあえずは先ほど御審議いただいた内容で、ともかく出発してみようということであるが、他にないか。

  (なし)

(松本部会長)
 それでは、一応、議事運営規則第8条第1項の規定に基づいて、土壌農薬部会の小委員会の設置については、案どおり決定をしたい。
次に、土壌制度小委員会の構成について。議事運営規則第8条第2項の規定においては、「小委員会に属すべき委員、臨時委員又は専門委員は、部会長が指名する」とされている。そこで資料5を御覧いただきたい。資料5の「土壌制度小委員会の構成(案)」のとおり指名したい。浅野委員、小早川委員、藤井委員については水環境部会の委員の方々であるが、水とも非常に関係がある方なので、参加いただきたい。また、大山委員、菅野委員、柴田委員、細見委員についても、専門委員として参加いただくことを予定している。この委員の選定について、何か御質問はあるか。

  (なし)

(松本部会長)
 それでは、今指名された委員及び臨時委員の方々、よろしくお願いしたい。
それから、議事運営規則第8条第3項では、「小委員会に委員長を置き、部会長の指名により、これを定める」とされているので、これに従って土壌制度小委員会の委員長を指名させていただく。異存がなければ村岡委員にお願いをしたい。いかがか。

  (異議なし)

(松本部会長)
 よろしいか。それでは、本日は村岡委員、御欠席ですが、村岡委員に小委員会の委員長をお願いしたい。村岡委員には、事務局の方からその旨お伝えしていただきたい。
それでは議題3に移る。議題3のその他であるが、事務局より資料6「『土壌環境保全対策の制度の在り方について』

(中間取りまとめ)
」及び資料7として、この中間取りまとめに関する意見募集の状況について、それぞれ説明をお願いしたい。

(土壌環境課長) (資料6に基づき説明。)

(松本部会長)
 それでは、続いて資料7について。

(事務局) (資料の7に基づき説明。)

(松本部会長)
 それでは「今後の土壌環境保全対策の在り方について」、今後審議を進めるに当たって意見を求める。

(須藤部会長代理)
 土壌環境保全対策のあり方という意味ではこの流れで大変よいかと思うが、一つ質問をさせていただく。土壌汚染が地下水を通して生ずるリスクというのは当然よくわかるが、水質汚濁防止法の中でも、地下水汚染の問題で地下への浸透、土壌への浸透は禁止なのか。もちろん過去の工場跡地とかについては水質汚濁防止法では問題にすることはできないと思うが、水質汚濁防止法とこの保全対策制度の関係というのは、全く独立しているということでいいのか。それとも、どこかで接点なり、あるいはオーバーラップがあるのか。

(事務局)
 「中間とりまとめ」では、「なお、地下水については、土壌と異なり移動するものであること、その保全施策は他の水質保全施策と密接に関連することといった特質がある。このため、現在、水質汚濁防止法において、当該地下水が飲用水として利用されているなど人の健康に影響が及ぶおそれがある場合の措置として地下水浄化措置命令制度が設けられており、当面はこの制度の適正な運用に努めることが必要であるが、地下水を総合的に保全する観点から、その方策について今後更に検討することが必要であろう」とされている。実は、その問題そのものについては、まさにこの制度のあり方の中で御検討いただくことであるが、一応私どもは、地下水そのものは現行の制度でとらえていく。ここで対象とするものについては、基本的には土壌をとらえて整理はできないかと思っている。一応地下水は現行の制度で御検討いただきたい。
地下水汚染の原因となっている汚染土壌をどのようにとらえていくのかを幾つかポイントでまとめている。例えば、措置をする対象は汚染土壌でいいのではないかということを少しまとめをいただきつつあるので、むしろそこについて、これからさらに詰めた御議論をいただきたい。

(須藤部会長代理)
 そうすると、トリクレンでもパークレンでもその他の重金属でもよいが、地下水汚染が見つかったとする。それは水質汚濁防止法の対象となるのが地下水で、その上の土壌の中にかなりトリクレンでもパークレンでもあった場合、それは、その土壌を何とかしなくてはいけないというようなところで土壌の保全対策が出てくると、具体的に言うとそういう理解で良いか。

(事務局)
 御指摘のとおりで、例えば飲用井戸で汚染が見つかった場合に、中間取りまとめでは、現行の水質汚濁防止法で対応することとされている。つまり、ここでは飲用井戸で発見される以前に汚染源を取っていくことで、その飲用井戸に行く前までに、例えば飲用されない井戸で見つかるとか、それよりも前に何らかの契機をとらえた調査で見つかるといった場合に、汚染源を取り除いていくという形でとらえられないだろうかと全体としては構成をしていただいているところである。

(松本部会長)
 他に、ないか。

(中杉委員)
 須藤委員からの御質問に関して、私は、これのまとめをした立場であるので、このパブリックコメントの意見を眺めながら、今回の制度のポイントは、基本的には過去に起こった汚染をどうするかということではなくて、これから起こるであろうリスクをどう押さえるかということが重要だろうと思う。

(中杉委員)
 つまり、この中でいつからいつまで復旧させるかという話ではなく、それは、責任分担という意味ではその辺が議論になると思うが、リスク管理をするという意味では、今あることがリスクをこれから発生させると、それに対してどう対処していくかということが主眼であろうと思われる。先ほどの外へ流れていく、これから流れていくかもしれないということに関してはもう一つあって、そこまで行ってから対策をやるより未然にやる方が格段と安くコストが済むこともあり、そういうことも含めて、これから起こるリスクについて、可能性があるものをいかに押さえていくかが主眼であると考えている。

(谷山委員)
 リスクの低減について、だれが対策をするかであるが、ここの文章を読むと、土地所有者が適正に実施するのが原則であって、場合によっては汚染原因者が実施すると読むことができ、ここのパブリックコメントのところでもあるように、やはり汚染原因者をもう少し前面に出した方がいいのではないかと思われる。
その理由は、例えばこういう場合はどうなのか。地盤のかさ上げで非常に不良な土を所有者の了解なしに、または所有者に詳細を知らせないまま行い、それが汚染の原因になっているようなケース。
それからもう一つは、最近、農村の方に行くと、産業廃棄物みたいに山積みにされている土壌が結構ある。これは土地を多分借りていると思うが、そういう場合、なかなか土地の所有者に責任をかぶせても、それを取り除いたり対策をするかというと、そういうわけにはなかなかいかない。山積みにされている場合は、それは土壌ではなくそこに積み上げて産業廃棄物対策だというように言えるかもしれないが、これを客土と称して薄くまいてしまえば、土壌なのか何なのかはっきりわからなくなってしまうというようなこともあるのではないかと思うので、そのあたりは、もう少し汚染原因者というものに負担をかける、責任を持たせるということが重要であるという感じがするが、いかがか。

(松本部会長)
 これについて、事務局の考え方をお願いしたい。

(土壌環境課長)
 今、谷山委員から二つの案件の紹介があった。前者の方の案件については、私どもも実は幾つかのケーススタディ、事務方としていろいろさせていただきながら、検討会でも議論いただいた。これについてもいろいろな議論があったわけである。
後者の方の産業廃棄物の話であるが、これも、今現在各地で大変な問題になっている案件であって、思い当たる節もあるが、そうような案件は、実は今回は中間取りまとめには触れていない。中間とりまとめは、一応土壌汚染の典型的な例であるいわゆる工場跡地の土壌汚染の方から整理している。これについては、今後また小委員会での議論の中で詰めていき、それから、あわせてやはり廃掃法との関係をきちんと整理していかなくてはいけないと思っている。このあたりは現場の問題としては相当大きく、場合によってはここでの議論ではなく、廃棄物の方の世界に任せなければいけない案件かもしれないので、そのあたりの整理は今後進めていきたい。
一応、従来の環境保全についても、大体PPPの原則で汚染原因者ということから入っていっていることは事実であるが、今回の場合、そういう汚染が起きたという土地があるわけである。そこについて、実際低減措置を講じるということになると、やはりそれなりのいわゆる土地の掘削であるとか浄化であるとか、そういった何らかの行為をやらなければいけないことになる。
それから、そもそも汚染されている場合というのは、土地そのものが人の健康に対して危険な状況を発生させていると考えられるのである。それから、その危険な状態について責任を有しているのは状態を支配している者ではないか。それから、そういうリスク低減措置の実施に際しては、いずれの措置を実施する場合であっても土地改変等の土地の管理状態の変更は不可欠であるとして、やはり、このような行為をなし得る者というのはその権限を有する者に限られるのではないか、土地所有者であることが適当ではないかという結論に達したわけである。
ただし、一方で明確に汚染原因者がわかった場合、やはりその方に当然やっていただくことで、例えばここでは費用求償の話が書いてある。それから、なお実施主体としても、土地所有者と汚染原因者の間で協議が整ったときは汚染原因者にやっていただく。それから、土地所有者からの申し出でその汚染原因者が判明した場合、単なる協議だけではなく、そういう場合、土地所有者から原因者に対してやっていただくというリスク低減措置を求める仕組みというか、そういう仕組みも考えたらどうかと考えている。それから、実際の現場の状況を見ても、なかなか原因者がわからない場合が結構ある。汚染の起きた時期が、私どもの調べている感じでは昭和30年代、40年代あるいは50年代の初頭というのがかなり、圧倒的に多く、そういうことも考慮して、今回はこういう考え方を少し提案をさせていただいた。いずれにしても、小委員会で詰めていただきたい。

(谷山委員)
 考えられるケースとして、なかなか協議が整わない。それで、責任の押しつけ合いということになるのではないか。結局泣き寝入りをこうむるのは、汚染原因者は逃げて土地所有者が残ってしまうことになるのではないかという恐れがある。そこで、法律をつくるとしたらそこの権利関係、つまり、汚染原因者に責任をきちんと課す措置が必要なのではないか。

(亀若委員)
 少し関連するが、その対策をする者のこともさることながら、リスクの低減の中身が、先程の課長の説明では、浄化は困難であるが、そうでなくてもいいという形で被覆、封じ込めという案も並列して出されているが、基本的にはやはり浄化ができる技術があれば、それをもって措置をしていくべきであるが、問題はコストが当然そこにきいてくる。そういうことを考えると、今も言われたことも含めて調停的な事柄、例えば、これは封じ込めでいくのか、あるいは浄化すべきであるというような技術的な一つの基準とコストとの関連で、両者の間、土地所有者と利用者との協議の場を何かお考えの上で、これを全体として仕組んでいかれるのかどうか。その辺、今お考えがあれば、聞かせいただきたい。

(土壌環境課長)
 そのあたりは、まだ完全には詰めていない。このあたりの表現としては、まだその中で明確にしていないが、自治体がどう絡んでくるかとか、そういったことの議論がまだ必要かと思っている。今御指摘の調停みたいな形も含めて議論していただきたい。

(西尾委員)
 今までの議論を聞いて、一番最初に問題になった定義や対象をもっと明確にしてから議論をしないと、すごい混乱が起きるのではないかと思う。話を伺っていれば、事務局の説明で言えば、実質、事業所用地及びその跡地だけが対象ということ。つまり、それをはっきり、そういう修飾語で限定をして議論をされた方がいいのではと思う。それで、企画課長の説明では、農用地を含む、何かありとあらゆる土壌で健康なりにかかわるところはすべて対象にするというようなことを言われたが、そういうふうに幅広にしていくと、例えば、先程の谷山臨時委員の言われたような農用地の不法投棄があったような場合はどうするのかという問題が必ず出てくる。それで、課長が言われたように、事業所用地やその跡地、それがメインであると言ったら、では当面そこに限定して議論を進められるようにすれば、議論がまとまりやすいのではないか。それが1点。
それから、もう一つは、亀若委員の方からも議論があったが、対策をどのようにやるのか。アメリカのスーパーファンド法なんかでも、浄化を中心にやってきている。それを、そういうもの以外の方もいいことになってしまうと、封じ込めであるとか被覆であるとかいう形態を、今の土地所有者は承知しているが、その土地が転売されて、次の土地所有者にきちんとそういう制限事項があることが伝わらないと、大変なことになる。それで、汚染が発見されたときにその汚染を台帳に登録させることになってくると、その封じ込めた場所とか何か土地の使用形態の制限、これが土地の売買に伴って引き継がれていかなければいけない。そうすると、それは普通の土地売買の際、そういう土地利用の制限は大変、法的に難しくなるかもしれない。それも、また確実に伝わらなくてはならないし、それは土地の地代をものすごく規制してくる。そういったようなところをきちんとフォローできる、そういうことを認める以上は、そういうことをフォローできるような法体系にならないと、しり抜けになってしまう。

(松本部会長)
 今、西尾委員から2点ほど、一つ目は対象とする土壌を明確に限定すること二つ目は汚染土壌をきちんとフォローができるような体制をとっておかないと途中でわからなくなってしまうという御指摘である。これについて意見をいただきたい。まず、事務局、お願いしたい。

(事務局)
 それでは、一つ目の対象の方であるが、先程企画課長の方から説明をさせていただいたように、まずは土地という形でものをとらえる。ただ、小委員会で多分最初の議論のときには、対象をどのようにして整理していくのかということが、御指摘のとおり議論になる。例えば、農用地をどのようにしておくのかとか。その辺は、委員会の中で整理をしていただく形で私どもとしても資料を準備しながら、できるだけ明確に対象を絞って整理をしていく。つまり、例えば調査の契機であっても、どういう調査の契機があるのかというところも含めて、そこは整理をしつつ議論していただければと思っている。
それから、二つ目のところについては、実はこの全体の中身の中では、先程から御指摘があるように、「登録」というところが非常に重要なキーになっている状況であり、要は登録管理をしていく構造を実はこの中で取り込んでいくと。これは恐らく非常に、今御指摘のとおり難しい問題である。なので、登録管理をされた土地を引き継いでいく、いわゆる承継していくことも含めて制度の中に仕組んでいきたい。つまり、これからはそこにある土壌とつき合っていく、封じ込められた汚染土壌とつき合っていくというようなことも含めた制度を仕組もうというように、中間取りまとめでは考えていて、その辺は、逆に言うと先生方のいろいろな御知恵をいただきながら、どうやって確実に担保していくのかをこの中に入れ込んでいると。それがどうしても嫌だというのであれば、例えば浄化という方法もある。ただ私どもとしては、この中で整理いただいたのは、そういう選択ができるということ。あえて、そういうつき合いをしていきながら管理をしていくと、ただし、コストは安く済むということも選択できるという形で整理をいただいたと思っていて、そこは御指摘のとおり、きちんと管理できるような、そういう仕組みをつくりたい、またつくっていただくように議論していただきたい。

(中杉委員)
 対象とする土地についての話が出たので、先程私が申し上げたように、今回の検討は、土壌汚染から直接人の健康へのリスクを低減しようという二つの経路として、直接摂取するものと地下水を汚染してという観点で考えているわけで、多分その観点からいくと、私は農用地が一義的に除外されるという話ではないと思う。農用地土壌汚染防止法によって管理されているというのは、作物に経由して暴露される分と、それから作物の生育阻害という観点から今基準がつくられているのだと思う。つまり、そこの農用地の方に土壌汚染が起こって、それが地下水を汚染してという観点は全く今のところは入っていない。直接摂取するのが入るかどうかはともかくとして、そういう観点は入っていないということであれば、農用地も含めて一応検討の対象に入るのだろうと。
実態的な話として、どうやっていくかというところの整理ができていない。最初の議論の入り口では、土壌というのは一義的にすべて入ってくるのだろうと。これは、土壌の定義はまた難しいところがあるが、このまま入ってくると私は解釈している。その後で実態的にやるときに、その辺をどうするかという話が詰められていくと私は解釈しているので、入り口で最初に制限すべきではないと思っている。

(松本部会長)
 ただいまの意見を若干まとめると、要は今後の在り方委員会の中でこれを必要に応じて先生方の意見をいただきながら、より具体的に設定を設けていこうということで、今のところ、在り方委員会にその問題点の中身も含めて審議していただくことになろうかと思うが。
他に、ないか。

(鈴木委員)
 中身についてはいずれ小委員会で検討することになるが、私も小委員会のメンバーにさせていただいたので、具体的な話についてはそのときにいろいろ申し上げる。
ただ、この問題は、我々の想像する以上に複雑な問題であることは確かだと思っている。もちろんこれは全部国民の健康のリスク管理というところを原点にして申し上げることだが、その中でも、基準問題も含めて合理性が一つのキーワードになるのではないか。もう一つは、国民経済上から見ても効率性が担保できることが重要である。それから、もちろん、現実性、実現可能性を帯びてないといけない。あとは公平感だと思う。その辺の仕組みをいかに組み立てるかがポイントとなろう。
特に、基準の問題の他、負担の公平の問題についても、これはやはり自者汚染、他者汚染、自然汚染などいろいろあって、それを、アプリオリに所有者の責任ということにはならないのではないか。それから、原因者が無資力であるとか不存在の場合に、それをどうするかといった公平の点から見たときの問題があろう。
少し気になるのは、このレポートの「土壌汚染というのは、過去における有害物質の不適切な取り扱いから出ている」という表現である。この辺が、まず基本的に以後の議論の出発点としてそういう概念がいいのかどうか。つまり、現在の土壌汚染の大部分は、法律的な規制もなかったし、それが有害であるという科学的知見もなかった時代の産物として残っている。したがって、そういうものを不適切だと一言で言えるのかという問題があって、そこは、やはり結果的には不適切であったかもしれないが、皆よかれと思ってしたことが、例えば、地中に埋めることは非常に適切に処理できる方法だと考えられていた時代があって、それが今はこういう問題になっているということである。したがって、これは単に土地所有者、汚染者だけに負わせられる問題かどうかということを十分に検討していただきたい。
特に、ここで国の支援措置について、融資、それから保証、機器の貸付とあるが、国の支援の必要な、特に中小企業の方あるいは零細企業の方は、担保がないなら融資は受けられない、保証されても銀行から借りる方法がないことになるので、やはり国が相当本腰を入れて資金支援をする仕組みをつくるとかということが大事になってくるのではないかと考える。

(松本部会長)
 その他に、ないか。

(森田委員)
 多分、今置かれている私たちのポジションは、いろいろな産業活動等を含めて土壌を汚染してきたと。その土壌がいわば2次汚染源になってしまって、そして人の健康に対して影響を及ぼすかもしれないことが心配される状況になっている。これに対してどう答えを出すかということだろうと思う。
もちろん、非常に具体的には、だれが負担するかとか、そういうことが切羽詰まって起こるし、その仕組みをこれから制度の中で考えていただくのだと思うが、しかし、もし私たちが、ずっと人類の将来というか、日本人の将来を考えると、非常に安心して飲める地下水とか、それから、そこに安心して住める土地をやはり最優先につくり上げていくのだという、その概念は、やはりこの制度の中に理念として貫いていただきたい。

(松本部会長)
 他にないか。

  (なし)

(松本部会長)
 それでは、一応これで「土壌環境保全対策の制度の在り方について」についての審議は、終了させていただく。
本日、用意している議題はこれで一応終了したが、事務局から何かあるか。

(土壌環境課長)
 本部会の次回の開催予定について、説明させていただく。11月30日の金曜日、14時からお願いしたい。審議の内容としては、作物残留及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定についてを中心に審議をお願いしたい。

(松本部会長)
 他に事務局から御報告事項がなければ、最後に私から本日の資料の取り扱いについて、説明をしたい。
土壌農薬部会の運営方針では、審議中の答申、それから非公開を前提に収集したデータが記載されている資料など、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料や、公開することにより特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある資料などは、部会長の判断に基づいて非公開とすることとされている。本日配付した資料はいずれもこれに該当しないので、公開とする。また、今回の会議録については、事務局で調整した後に、出席委員の明示の了承を得て公開とする。事務局(案)ができたら、確認等、委員の方々にはよろしくお願いをしたい。
それでは、本日はこれで議事を終了する。

(土壌環境課長)
 以上で、本日の土壌農薬部会を終了する。

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