中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第78回)議事録

日時

令和2年11月17日(火)13:26~16:00

場所

WEB会議システムにより開催

出席委員

委員長  白石 寛明

臨時委員 赤松 美紀

     浅野  哲

     浅見 真理

     天野 昭子

     小泉 弘子

     五箇 公一

     後藤 千枝

     佐藤  洋

     築地 邦晃

     根岸 寛光

専門委員 稲生 圭哉

     内田又左衞門

     川嶋 貴治

     山本 裕史

     (敬称略、五十音順)

委員以外の出席者

環境省

  羽石室長、髙松室長補佐、上迫室長補佐、秋山係長、野口主査

オブザーバー

  農林水産省

  独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)

  国立研究開発法人国立環境研究所

議題

(1)水域の生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定について

(2)水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定について

(3)その他

配付資料

 資料1   中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会委員名簿

 資料2   諮問書(写)及び付議書(写)

 資料3   水域の生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に
       関する資料(案)

 資料4   水産基準値案と水域PECの関係及び基準値設定後の対応について

 資料5   水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)

 資料6   水濁基準値案と水濁PECの関係及び今後の対応について

 資料7   農薬登録基準の設定を不要とする農薬について(案)

 資料8   「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について

 資料9   ゴルフ場で使用される農薬に係る平成31年度水質調査結果について

 参考資料1 農薬評価書 カルボスルファン(食品安全委員会資料)

 参考資料2 農薬評価書 ベンフラカルブ(食品安全委員会資料)

 参考資料3 農薬評価書 カルボフラン(食品安全委員会資料)

 参考資料4 農薬評価書 チエンカルバゾンメチル(食品安全委員会資料)

 参考資料5 農薬評価書 プロチオコナゾール(食品安全委員会資料)

議事

【羽石室長】 それでは、定刻前ではございますが、委員の先生方、皆様、おそろいのようですので、ただいまから第78回土壌農薬部会農薬小委員会を開催させていただきます。
 私は、環境省農薬環境管理室長の羽石でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、本日の委員の出席状況をご報告させていただきます。
 本日は、15人の委員が出席されており、本委員会開催の定足数を満たしておりますことをご報告いたします。
 今回もウェブ会議での開催となり、委員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、何とぞご容赦いただきますようにお願いいたします。
 また、本日は、会議に先立ちまして、非常に残念なお知らせがございます。土壌農薬部会長であり、本農薬小委員会の委員でもいらっしゃいました細見正明先生におかれましては、既にお聞き及びの方もいらっしゃるかと思いますけれども、去る9月19日、急なご病気により亡くなられました。本当に急なことで私どもも大変驚いたのですが、東京農工大学の教授を長年務められました細見先生には、平成15年から17年間にわたりまして、土壌農薬部会の委員を、それから、平成31年からは土壌農薬部会長を務めていただきました。また、農薬小委員会につきましては、平成17年8月に行われました第1回目の農薬小委員会からご参加いただきまして、その後、15年間にわたりまして委員を務めていただきました。環境行政に対する造詣が大変深く、化学物質の管理などの広い観点から、農薬の枠を超えて、環境省の他の部局と連携した対応の重要性など、たくさんの貴重なご指摘をいただきました。今後も引き続きご指導をいただきたかったのですが、非常に残念なことに今回このようなご報告となってしまいました。これまでの細見先生の温かいご指導に深く感謝申し上げるとともに、細見先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。
 なお、細見先生にお願いしておりました土壌農薬部会の部会長については、白石先生に部会長代理を引き受けていただくことになりましたので、この場で併せてご報告させていただきます。
 それでは、改めまして、本日の議事を進めてまいります。
 まず、本日の配付資料の確認をさせていただきます。

【野口主査】 それでは、資料のご確認をお願いいたします。画面上に配付資料一覧をお示ししております。それに沿ってご説明いたします。
 本日の小委員会の資料ですが、資料は1から9番まで、参考資料が1から5番までとなっております。資料については、ご説明の際に画面上に共有いたしますが、見にくい場合は事前にお送りした資料をご覧いただければと思います。
 また、事前送付資料ですが、先日ご連絡さしあげたとおり、ペーパーレス化促進のため、今回の小委員会からは事前送付資料を電子ファイルのみの送付とさせていただいたところでございます。
 一方、資料の量が多くパソコン等でのご確認が非効率であるという問題もあるかと思いますので、紙での送付をご希望の委員につきましては、引き続き紙資料を送付させていただきます。
 事前送付資料からの変更点がございますので、変更箇所については、その都度ご説明いたします。
 資料についてのご説明は以上となります。

【羽石室長】 それでは、議事に入らせていただきます。
 議事の進行中、委員長及び発言者以外は、基本的にマイクをミュートに設定させていただきます。ご発言がある先生は、ご自分でミュートを解除いただくか、挙手ボタン、映像、チャット欄でお知らせください。不具合がございましたら、電話、メールでのご連絡でも結構ですのでお知らせください。
 それでは、ここからの議事の進行は白石委員長にお願いいたします。白石委員長、よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 それでは、議事進行を務めさせていただきます。
 初めに、本日の会議と資料の公開の扱いについてご説明いたします。
 本日の農薬小委員会は、本年2月27日に決定されました「中央環境審議会における新型コロナウイルス感染症対策について」を受けまして、ウェブ上での開催となっていることから、傍聴を取りやめて開催いたします。資料及び議事録については、ホームページにて公開とさせていただきます。
 次に、農薬小委員会の決議の取扱いについてご説明させていただきます。
 小委員会の設置についての土壌農薬部会決定では、農薬小委員会の決議は部会長の同意を得て土壌農薬部会の決議とすることになっております。したがいまして、この農薬小委員会で決定いただきましたら、ただいまお知らせのあったとおり、土壌農薬部会の、今、部会長代理をやっております私が同意をした上で部会としての決定としていくことになります。
 それでは、議事次第に沿って議事を進めたいと思います。
 まず、議事(1)、水域の生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。
 まず初めに、事務局から諮問書を紹介してください。

【野口主査】 画面上に資料2をお示ししております。
 本日の審議剤ですが、こちら令和2年7月8日付の諮問書となっておりまして、こちら別紙2のほうに本日、水濁基準の設定についてご審議をいただく、カルボスルファンとベンフラカルブについて記載されております。
 こちらは、土壌農薬部会に宛てた付議書となっております。
 続きまして、こちら令和2年10月30日付の諮問書となっておりまして、本日、水産基準の設定についてご審議をいただく、プロチオコナゾール、それから、本日、水濁基準の設定についてご審議をいただく、チエンカルバゾンメチル、フェンプロパトリンは本日、ご審議からは落としております。それから、水濁基準の5剤目、プロチオコナゾールについての諮問となっております。
 最後のページが、土壌農薬部会への付議となっております。
 諮問書についてのご説明は以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 それでは、審議に入ります。
 本件につきましては、農薬小委員会に先立ちまして、水域の生活環境動植物登録基準設定検討会において、基準値設定の根拠となる農薬登録申請者から提出された試験結果や公表文献情報について精査を行うとともに、これらのデータに適用する不確実係数等を設定し、基準値案を策定していただいております。
 事務局から資料の説明をお願いします。

【秋山係長】 資料3をご覧ください。水域の生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値案に関する資料でございます。
 本資料は、水域の生活環境動植物登録基準設定検討会においてご審議いただいておりますので、検討会でどのような審議が行われたか、ご指摘があったかについても簡単にご紹介させていただきます。
 今回ご審議いただく農薬は、プロチオコナゾール1剤となっております。
 それでは、説明に移ります。
 プロチオコナゾールの物質概要については、こちらに記載のとおりとなっております。なお、今回より水産検討会によるご指摘を受けまして、作用機構分類のコードについても記載することとしております。
 作用機構等について、プロチオコナゾールは、トリアゾール系殺菌剤であり、その作用機構は菌類の細胞膜を構成するエルゴステロールの生合成の過程において2,4-メチレンジヒドロラノステロールのC14位の脱メチル化を阻害することにより、菌類の正常な生育を阻害するものです。
 本邦では未登録でありまして、製剤は水和剤が、適用農作物等は麦等として、登録申請されております。
 各種物性については、こちらの表に記載のとおりとなっております。
 続きまして、水域の生活環境動植物への毒性についてです。
 魚類については、コイとブルーギルとニジマスによる試験が実施されております。
 まず、コイの試験について説明させていただきます。こちらの式については止水式、96時間で試験が実施されておりまして、LC50は6,810μg/Lとなっております。
 なお、実測濃度については、算術平均値により算出されており、プロチオコナゾールについては、藻類を除いたその他の試験成績についても同様の方法により実測濃度が算出されております。算術平均値を用いることが妥当か否かについても水産検討会でご審議いただきましたが、実測濃度の推移が大きく変動はしないため、算術平均値を用いることについては問題ないとの結論となっております。
 さらに、1点、口頭で補足させていただきますと、こちら※に記載しておりますが、最高濃度区の実測濃度については、試験途中で全ての個体が死亡したため、96時間までではなく、全尾死亡時までの実測濃度となっています。この点についても水産検討会でご審議いただきまして、全尾死亡時までの濃度においては、供試生物への暴露濃度と解釈できますので、問題はないという結論となっております。
 続きまして、ブルーギルの説明に移ります。先ほどのコイの試験と同じように、止水式、96時間で試験が実施されておりまして、96hLC50は4,440μg/Lとなっております。
 なお、こちらの試験につきましても、先ほどのコイの試験と同じように、高濃度の2濃度区においては全尾死亡時までの算術平均値となっております。
 続きまして、ニジマスの試験の説明に移ります。ニジマスの試験についても、止水式、96時間で試験が実施されておりまして、96hLC50は1,830μg/Lとなっております。
 ニジマスの試験においても、先ほどの2種の試験と同じように、高濃度の3濃度区においては全尾死亡時までの実測濃度ということになっております。
 続きまして、甲殻類についてです。甲殻類では、オオミジンコを用いた試験が提出されております。止水式、48時間で試験が実施されておりまして、48hEC50は1,200μg/Lとなっております。
 なお、ミジンコ試験については、もともとの申請者から提出されている試験成績では、実測濃度が暴露開始時のみの値ということになっておりました。初期濃度、すなわち暴露開始時の濃度から実測濃度を算出することについては通知上認められておりますが、水産検討会での審議を踏まえまして、試験開始時と試験終了時の幾何平均値に基づき再計算した値を、実測濃度として評価書に記載しております。このためEC50については、再計算した実測濃度に基づき事務局で再計算した値ということになっております。
 続いて、藻類についてです。藻類では、ムレミカヅキモで試験が実施されておりまして、ErC50は2,070μg/Lとなっております。
 続きまして、PECについてです。プロチオコナゾールについては、麦等として登録申請がなされておりますので、非水田使用第1段階ということでPECを算出しております。その結果、0.00096μg/Lとなっております。
 続きまして、総合評価についてです。登録基準値案は甲殻類の試験から最小の値を持ってきまして、登録基準値は120μg/Lとさせていただきます。
 リスク評価について、水域PECは0.00096μg/Lでありましたので、登録基準値である120μg/Lを超えていないことを確認しております。
 説明については以上になります。

【白石委員長】 それでは、ただいまのプロチオコナゾールにつきまして、ご質問、基準値案についてのご意見等をお願いいたします。いかがでしょうか。

【山本専門委員】 国環研の山本です。事務局からご説明いただきましたが、水産検討会の座長として少し補足をさせていただきます。大体は、ご説明していただいたとおりで、水産検討会で幾つか修正意見があったものについては修正いただいていると思いました。
 1点だけ、事務局からご説明がなかったのが、ブルーギルについてです。魚のサイズが体長で測られていて、全長を測定した場合は、TG203が改訂されたので、逸脱しているのではないかという話がありましたけれども、それも程度としてはそれほど大きくないだろうと思われます。ただ、性成熟を十分にしているかどうかについては、今後、そういったことを新しいテストガイドラインに合わせて修正していく必要があるというような議論はありました。
 ほか、算術平均の件、あるいは死亡時の濃度を使う件等については、先ほど事務局のご説明があったとおりです。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 どなたか、ほかにご意見、ございますか。

【内田専門委員】 内田です。最初の1ページですが、このFRACのコードがここに書かれていますが、FRACのコードの内容というのは、下の2番の作用機構等に含まれる内容ですよね。今後、こういう形でずっと入れるというのは構わないと思うのですけども、その内容は、やはり作用機構の中に書かれているとおりなので、要るかどうかというのも含めて、検討会等で議論していただければありがたいと思います。その点で経緯やご意見でも伺えればと思うのですけど。

【白石委員長】 どうでしょう、事務局がFRACコードを入れた経緯は何かありますか。

【秋山係長】 水産検討会でFRACの作用機構コードについても記載してはどうかということでご意見がありまして、確かに内田委員からご指摘いただきましたとおり、2の作用機構等の記載と内容については重複するのですけれども、あくまでも補足情報というような意味合いで物質概要のほうに記載させていただいたところです。もし不要ということであれば削除等いたします。

【内田専門委員】 そういうことなら、その中に入れておく程度でよいのではないかと思います。この物質概要の中に入れるのではなく、引用するなら、そちらのほうで引用されたらどうですか。

【白石委員長】 内田先生、具体的には作用機構等のところですか、それとも参考のところですか。

【内田専門委員】 作用機構等の中身がFRACでこの分類になっていると思うのですよ、作用機構分類ですから。

【白石委員長】 そうですね。

【内田専門委員】 だから、この概要の中に入れるのではなくて、作用機構等の中で引用するか、あるいは括弧つきで説明したらいかがかと思います。

【白石委員長】 なるほど。
 ほかの委員の方、いかがでしょうか。
 このFRACコードは、時々変わることがございますよね。

【内田専門委員】 はい。

【白石委員長】 そういうことも含めて、少しご意見を伺いたいと思いますが。
 やはり物質概要ではなくて、作用機構等のところに括弧つきですかね。同じことを書けばよろしいでしょうか。FRACの3の中のG1という分類ですかね。そのような修正でよろしいですか。
 ほかの委員の方、お願いします。

(発言なし)

【白石委員長】 特にないですか。コードがないものも結構あるような気もしますけど。

【内田専門委員】 もう一ついいですか。その下の麦等に対する適用になっているのですが、例えば、赤かび病の毒素産生抑制とか、そういった何か適用上の特記事項はないのですか。

【白石委員長】 そのことについて、事務局、お願いします。適用についてですね。特記事項があれば、それを記載してくださいということでしょうか。

【内田専門委員】 リスクとベネフィットを比較するのが評価の一側面のような気がするので、何かそういう特記事項があれば、説明を加えていただくとありがたいと思います。

【白石委員長】 分かりました。事務局、いかがですか。

【秋山係長】 少々お待ちいただけますでしょうか。

【白石委員長】 では、待っている間に、先ほどのコードですけど、これは作用機構等のほうに、もしもコードがあるものであれば、そこで引用しておく形でよろしいですね。それでは、そういう形にさせていただきます。
 では、物質概要の三つ目の列を削除して、注釈の「※参照」はどうしますかね。この参照も下に持っていきましょうか。1ページの一番下ぐらいに移しますかね。コードがある農薬であれば、その時点でのコードを参照するということにしましょうか。

【上迫室長補佐】 先ほどのご指摘、ありがとうございます。作用機構等のご指摘について了解しました。修正については検討したいと思います。

【白石委員長】 よろしくお願いします。

 特記事項はまだですか。あれば記載する方向でよろしいでしょうか。

【秋山係長】 今、試験成績を確認しましたところ、活性の範囲ということで詳細が記載されておりましたので、作用機構等については、また事務局で修文しまして、後ほどご確認いただければと考えております。

【白石委員長】 では、よろしくお願いします。
 では、その他のご意見をお願いします。

【内田専門委員】 次の2ページの各種物性の一番下の「放射化学的純度」というのが急に出てくるのですけども、これは必要ですかね。ほかのところにも同じ内容があるのですが、そこには書かれていません。

【白石委員長】 いかがでしょう。この上に加水分解性と水中光分解性については、ラベルした物質を使って行ったということですよね。今までこういうものを書いていましたか、生物の特性も、わざわざ書いていなかったような気もしますが。

【内田専門委員】 水濁のほうでは書かれてないのですよ、同じ剤ですけど。

【山本専門委員】 山本です。これ、3の各種物性のときに「(一部を除き、純品(99.8%)測定)」と書いてありますけど、これが残っているから、これでないものについて記述しているのではないかと思いましたが、こういう記述を私もあんまり見たことがありません。

【白石委員長】 そうですね、要らないですかね。ちょっと細かい記述なので、各種物性で「一部を除き」云々と、上の括弧と下の脚注は要らないですかね。それでいかがですか。
 放射性物質からも結構たくさん試験があるので、今まで書いてなかったような気もします。

【秋山係長】 ご指摘、ありがとうございます。それでは、今までの記載に倣いまして、不要な記載については削除した上で、評価書を修正したいと考えております。

【白石委員長】 お願いします。
 では、ほか、いかがでしょうか。

【内田専門委員】 ほかには、生物試験のところですけど、コイだけが設定濃度ですね。ほかは全部、実測濃度。コイで設定濃度にされている理由は、何かあるのですか。濃度自体に問題はないと思うのですけど。

【白石委員長】 これは原則、申請者が出した数値が来るらしいので、事務局から説明をお願いします。

【秋山係長】 先ほど白石先生からも説明いただきましたとおり、基本的に申請者が提出している毒性値を記載することとしています。コイの試験については、設定濃度に基づき毒性値が算出されておりましたので、評価書についてもそのまま記載をしたところです。

【白石委員長】 特に問題がなければ、申請者が提出した書類に基づいて、ここは記載されているという意味です。内田委員、よろしいでしょうか。

【内田専門委員】 分かりました。

【白石委員長】 では、毒性試験について、ほかにご意見、ありますか。

(発言なし)

【白石委員長】 特になければ、毒性試験については、この結果をお認めいただいたということで、水域のPECにつきまして、何かご意見がありましたら、お願いします。

【稲生専門委員】 稲生です。特に問題ないと思われます。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、毒性、PEC共に問題ないということで、総合評価をご確認ください。最小のAECdですか、ミジンコですね。オオミジンコの急性遊泳阻害試験の結果を基に、登録基準値は120μg/Lとすると。PECはこれを超えていないということでございます。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 ありがとうございました。1ページ目、2ページ目を若干修正した上で、これは事務局案どおりお認めいただいた、とさせていただきます。
 本日は、この1剤ですので、以上で水域の生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準の設定についての審議を終了します。
 次に、議事の(2)「水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定について」の審議に入ります。
 事務局から、資料の説明をお願いします。

【上迫室長補佐】 それでは、資料5、水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料でございます。
 こちらが評価農薬基準値(案)一覧でございますけれども、少し今回、変則的になっております。カルボスルファンとベンフラカルブについて、親物質、つまりカルボスルファン及びベンフラカルブそのものに加えまして、これらの分解物であるカルボフランについても併せて基準値をつくるということにさせていただいております。なお、カルボフラン自体は農薬ではございませんので、カルボフランにはバーを引いております。
 まず、説明の順番ですが、まず親物質、カルボスルファン、そしてベンフラカルブの評価についてご審議をいただいた後で、分解物としての評価を行うという形で進めさせていただければと思います。
 まず、カルボスルファンでございます。先ほど申しましたとおり、カルボスルファンは分解してカルボフランになるものでございます。カルボフラン誘導体のカーバメート系殺虫剤で、その作用機構は、代謝されることによりカルボフランに変換され昆虫の神経伝達系に存在するアセチルコリンエステラーゼの活性を阻害することにより殺虫効果を発揮するものと考えられております。
 初回登録は、1983年でございます。
 製剤としては粒剤、適用農作物は稲、野菜、花き、樹木、芝等がございます。
 各種物性についてはご覧のとおりでございます。
 水溶解度について誤記がありましたので、「3.0 mg/L」と修正をしております。稲生先生、ご指摘ありがとうございます。
 続きまして、安全性評価でございます。食品安全委員会から、0.005 mg/kg体重/日という一日摂取許容量(ADI)が厚生労働大臣に通知をされております。
 続きまして、PECの説明に参ります。

【野口主査】 PECについてですが、カルボスルファンにつきましては粒剤があり、適用農作物等は稲、野菜、花き、樹木、芝等となっておりますので、今回、水田のPECと非水田のPEC、両方を計算しております。
 最初に、水田使用時のPECですが、第3段階で算出を行っております。こちらにお示しの使用方法、育苗箱に使用する方法で計算を行っております。昨年度、水産基準でご審議いただいたときと同様に、本農薬につきましては5%粒剤を使用した試験と3%粒剤を使用した試験の二つが提出されておりまして、第3段階のPECの算出に当たっては、提出された試験で測定されたPECの平均値を取るということで整理されておりますので、今回、この四つの試験結果からそれぞれPECを算出して平均値を算出しております。
 また、事前にお送りした資料から土壌吸着係数のところで一部修正がございました。大変申し訳ございません。
 また、それぞれの数値の算出根拠について簡単にご説明させていただきます。
 施用方法による農薬流出係数ですが、こちら実水田を用いた試験において、登録申請に係る方法(箱処理)で実施されているため、係数1としております。
 また、土壌吸着係数ですが、こちらはカルボスルファンを用いて実施された土壌吸着試験の結果から算出した値の中央値ということで、マニュアルどおりの算出方法となっております。
 また、田面水中農薬濃度半減期を1日としておりますが、こちらは今回の得られた試験結果のうち、試験区2では濃度が検出されておりませんので半減期は求められないのですが、試験区1での濃度の減衰速度から1日と、それぞれ同じ値で算出しておりますので、そちらをPECの算出に用いております。
 また、こちらに記載の数値ですが、注釈4に書かせていただいたとおり、いずれもカルボスルファンとして検出された値を示しております。
 続きまして、非水田ですが、こちらは第2段階で算出を行っておりまして、算出に関する使用方法ですが、花き類に3%粒剤を10a当たり18,000g使用ということで、こちらのパラメータで算出を行っております。こちらも事前にお送りした資料から、土壌中半減期を修正しておりまして、もともとカルボフランの半減期をお示ししておりましたが、カルボスルファンを用いて実施された土壌残留試験、圃場で行われた試験の結果から算出した値の最大値を採用しております。
 ここまでご説明したパラメータを基に算出したPECがこちらになります。水田使用時において、0.0000022 mg/L、非水田でそれより高い0.000119 mg/Lとなっております。合計で0.00012となります。こちらの数値については、いずれもカルボスルファンのみ、分解物を含まないカルボスルファンとしての値として算出を行っております。

【上迫室長補佐】 最後に、総合評価でございますけれども、登録基準値としましては、先ほどのADIを基に0.01 mg/Lとしたいと考えております。ADIが有効数字1桁ですので、登録基準値のほうも有効数字1桁として0.01ということでございます。
 リスク評価でございます。水濁PECは0.00012 mg/Lであり、登録基準値0.01 mg/Lを超えないことを確認いたしました。
 ただし、ここまでの議論は親物質のみ、つまりカルボスルファンで基準値と水濁PECを比較したものでございます。カルボスルファンの代替物であるカルボフランについても、後ほど説明いたしますとおりADIが設定されていることを踏まえ、カルボスルファンの農薬登録基準として、カルボフランのADIに基づく登録基準値を併せて設定し、別途リスク評価を行う必要があるものと考えております。
 カルボスルファンの説明については以上です。

【白石委員長】 では、1剤ずつ審議していく従来の方法を踏襲したいと思います。ただいまのカルボスルファンにつきまして、ご質問、基準値案についてのご意見をお願いします。
 まず、毒性の観点からのご知見、ございましたらコメントをお願いしたいと思います。

【浅野臨時委員】 分かりました。浅野です。説明させていただきます。
 カルボスルファンですけれども、投与で得られる影響というのが、主に赤血球、それから脳のコリンエステラーゼ活性阻害、高用量では体重増加抑制で、さらに、この剤に関しましてはラットだけですけども、目に異常が認められます。虹彩の萎縮ですとか、網膜変性等です。これはコリンエステラーゼ阻害作用を持つ点眼薬によってもこのような事象が起こることがあって、メカニズムは完全には分かってないのですけども、一応、発生メカニズムとしては、コリンエステラーゼ阻害作用による毛様体の過度の緊張が網膜の一部を牽引して、機械的損傷を起こすことによって起こるのではないか、ということが考察されています。
 全ての試験の中で、無毒性量(NOAEL)が最も小さかったものがラットを用いた急性神経毒性試験のNOAEL 0.5 mg/kg体重/日ですので、これを根拠としてADIが設定されています。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、基準値案について、ご意見、いかがでしょうか。

【浅見臨時委員】 浅見です。先ほど、ほかの分解物をカルボフランと一緒に評価すべきというご指摘があったと思いますが、この剤についてだけ値を設けることについて非常に違和感があるのですが、環境中では速やかにカルボフランに分解されるということがございますし、カルボフランのADIが非常に低いということもありますので、その辺の関係性をもう一回教えていただきたいと思います。
 もう一つは、土壌中の半減期が、わざわざカルボスルファンを用いたもののみ評価をされているのですけども、これはカルボフランに環境中において分解されるのがかなり速いという記述とどのように整合しているのか教えていただけますでしょうか。

【白石委員長】 では、事務局からお願いします。

【上迫室長補佐】 ご指摘、ありがとうございます。このカルボスルファン、ベンフラカルブにつきましては、ただいまご覧をいただいておりますとおり、親物質としてADIが定められていることに加えて、カルボフランについてもADIが定められておりますので、これらを基準値として両方満たす必要があるだろうと考えております。したがいまして、今回、今ご審議をいただいたのは、カルボスルファンの基準値の中でも、親物質そのものとして0.01 mg/Lというところをご審議いただいておるところですけれども、この後で、そのカルボフランとしての基準値案についても併せてご確認をいただこうかと考えております。それで、繰り返しになりますが、基準値としてはこの両方を設定するということを考えております。

【浅見臨時委員】 今のご説明ですけれども、カルボスルファンとして0.01 mg/Lというかなり甘めというか、基準値としてはカルボフランより大分大きい値で設定して、両方を満たすと環境省側では思っていても、使う側がカルボスルファンのみで評価を考えてしまったら、このぐらい使っても大丈夫と思われるのではないかと危惧します。だから、併せて表記されるほうが望ましいと思います。カルボスルファンとして幾つという値をわざわざここで単独で出されるというのがちょっと理解できません。

【上迫室長補佐】 今、浅見先生からご指摘いただいたのは、その評価書としてカルボスルファンが別になっているところについてのご意見ということでしょうか。

【浅見臨時委員】 そうですね、読まれる方に正確に理解していただける記述が望ましいと思います。こちらから見ると、カルボスルファンとしては、かなり大きな値が記述されたまま残ると思いますので、これを値としてこういう形で残すべきなのかについて併せて評価をしていただいたほうがよろしいのではないかと思います。

【白石委員長】 総合評価の一番下に、リスク評価のところにカルボスルファン代謝物であるカルボフランについても基準値を設定して、リスク評価を行う必要があると書いてありますが、これだけでは不十分だということでしょうか。

【浅見臨時委員】 はい、不十分だと思います。

【白石委員長】 これは、どういう形にしたらよろしいですかね。

【浅見臨時委員】 ここに値を入れること自体がちょっと…。むしろ、この0.01という数値のまま残すよりは、0.01という値のところに注釈をつけないと、誤解をされるのではないかと思います。

【白石委員長】「ただし」のところに注釈の※印をつけるような感じですかね。

【内田専門委員】 よろしいですか。内田です。これ、後で言おうと思っていたのですけども、農産物や水産物で残留基準値が決まっていますよね。それと同じような表記にしないといけないのではないかと思います。いずれもADIを参照して設定していますので。今、浅見委員からご意見をいただいているように、やはりここに但し書きで入れるべきだと思います。「なお、本化合物の分解物のカルボフランについては…」というような形できちっと書いておかないと、指摘されているような誤解が出てきてもおかしくないと思います。代謝物B、代謝物Cについてはどうというふうに、作物残留基準値はそうなっていますよね。

【白石委員長】 それでは、事務局から、もう少し説明していただけますか。

【上迫室長補佐】 ありがとうございます。残留基準値のほうの書き方も参考にしながら、恐らく今ご覧いただいていますこの「登録基準値0.01 mg/L」というところが、これだけだと誤解されるのではないかというようなご指摘かなと思いますので、書き方を工夫したいと思います。

【内田専門委員】 あと、PECの計算のところで土壌吸着係数の修正があったのですね。

【野口主査】 土壌吸着係数について、先ほど浅見先生からもご指摘いただいた部分でございますが、今回、カルボスルファンとカルボフランのPECを算出するに当たって、当然、親から子に分解した分、濃度をどのように考えるかというところで、今回、カルボスルファンについては、あくまでカルボスルファンとしてどれほど計算上の予測暴露量、PECが出るかというところで計算を行っております。

【内田専門委員】 それで私もいいと思います。けれども、そこの物化性の表で温度のマークがあって、何℃か入ってなかったですね、この土壌吸着係数。

【野口主査】 申し訳ございません。こちら記載漏れでございますので、確認してもう一度。

【内田専門委員】 お願いします。

【浅見臨時委員】 今の話に関連しているのですけれども、よろしいでしょうか。土壌中半減期というのは、これはカルボスルファンとして55日残るということですか。

【野口主査】 こちらですが、土壌残留試験を行っておりまして、土壌中にどれだけカルボスルファンが検出されたかというところの試験を行った結果を踏まえて、その減衰から取った半減期となっております。

【浅見臨時委員】 後でカルボフランに分解されるところの話があると思いますが、この乾いた状態では、半減期は55日あるという理解でよろしいですか。そうしますと、カルボスルファンとして検出される部分もかなり多いということでしょうか。

【野口主査】 今回、土壌残留試験、複数提出されておりまして、ほかの試験結果としては半減期、30日のものであったり、20日程度のものも半減期が出ていますが、その中で今回、最大値ということで55日を採用しておりまして、お答えになっていないかもしれません。必ずしも55日長く残るという数値ではなく、あくまでPECを算出するに当たって最も安全側の半減期を採用しているというところでございます。

【浅見臨時委員】 私、手元で拝見させていただいているときは、そこに気がつかなかったのですけども、半減期を安全側に長く取ると、この剤の場合には毒性が弱い状態での存在が長く見えてしまって、この剤の場合には半減期が短いと毒性の強い部分にすぐ変換するので、そちらの評価のほうが重要になる物質だと思います。ですから、多分そこでちょっと混乱をしてしまったのですけれども、ここは事実としては、それぞれそうなのですが、最大値を本当に用いたものが全体で、つまり分解物まで全部含めた意味で、安全側に評価しているとは言えないということだと思います。この評価書としては、しようがないのかもしれないのですけれども、そういう関係だということが分かりました。

【白石委員長】 ありがとうございます。

【野口主査】 少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか。

【浅見臨時委員】 親化合物と分解物を併せて評価しないといけないのではないですか。あの分解物で割ってとか。何か個別に評価することが合わない物質なのではないかという気がいたしました。

【内田専門委員】 後のカルボフランのところで出てくると思うのですけど、実測値でやられているから、カルボフランも評価に入っているような気がするのですけど。

【白石委員長】 はい。これは全く別個にやっていくので、両方とも濃度が高くなるような計算をされているのではないかと思いますけど。総合評価で、分解物も含めてきちんと分かるように記載したほうがよいというご意見が多いと思いますが、食品における残留基準値では、親化合物と分解物の両方が記載されているのですか。別個ですか。

【野口主査】 今回、非水田のPECを算出するときの考え方についてご説明させていただきます。今回、カルボスルファン、あと、これからご説明するベンフラカルブ、カルボフラン、それぞれ非水田のPECを算出しておりますが、基本的な考え方としまして、このカルボスルファンでは、こちらの使用方法に基づいて5,400の有効成分をほ場に散布しまして、それが最も遅い分解の速度で分解するという、初回の使用量が55日の分解で減衰するという、最も遅い分解速度で分解したときの残留濃度というものをPECとして算出しております。浅見先生のご懸念というのは、この分解が遅いということは、つまりカルボフランの生成が遅くなって評価されているのではないかということかと思いますが、今回、カルボフランのPECの算出に当たっては、同じく初回投与した時点で、このカルボスルファンが全てカルボフランの分子量に換算されたものと仮定して、分子量換算を行った上で、このカルボフランがカルボフランの分解速度のうち最も遅い分解速度で分解するものとして、カルボフラン独自の分解速度で分解した場合ということで、それぞれ別に最も分解が遅い場合、最も残留量が多くなる場合というものを算出しております。したがいまして、カルボスルファンの分解を遅く見たからカルボフランのPECが低くなるというような算出にはなっておりませんで。

【白石委員長】 両方見れば、それぞれ安全側になっているということですよね。

【野口主査】 はい。

【白石委員長】 書きぶりの問題かと思いますけど。

【浅見臨時委員】 分かりました。この書面としては、これで分かりました。このカルボスルファンの濃度として評価するというのは分かりましたが、この総合評価の5ページの登録基準値というところの書き方については後ほどまた議論していただいたほうがよいと思います。例えば、ここの0.01のところに「ただし、カルボフランと併せて必ず評価すること。」などの但し書きがないと、何か見逃されてしまう気がします。

【白石委員長】 気がつきにくいかもしれないですね。それでは、それについては、3剤の評価が終わった後でもう一回議論していただくということでよろしいですか。

【浅見臨時委員】 ありがとうございます。

【白石委員長】 現時点では、書面に関してはこれまでどおりのやり方で、特に問題ないということでよろしいですか。あと少し書きぶりを、後でまたこういう議論をしていただくということにしたいと思います。
 では、これはペンディングにして、次のベンフラカルブに移ってよろしいですか。PECのほうも今いろいろ議論がありましたけども、よろしいですね。

(異議なし)

【白石委員長】 それでは、次のベンフラカルブに行っていただけますか。あるいはカルボフランまで行ってしまってもよいかもしれません。

【上迫室長補佐】 ありがとうございます。それでは、ベンフラカルブ、引き続きまして、カルボフランのご説明も併せて行いたいと思います。
 まず、ベンフラカルブでございます。ベンフラカルブは、先ほどのカルボスルファン同様、カルボフラン誘導体のカーバメート系殺虫剤であります。
 その作用機構としては、カルボフランに変換されて、昆虫の神経伝達系に存在するアセチルコリンエステラーゼの活性を阻害することにより殺虫効果を発揮すると、ほぼ同じような作用機構でございます。
 本邦の初回登録、1986年です。
 製剤は粒剤があります。そして、適用農作物等は稲、野菜、いも、豆、飼料作物、花き、樹木、れんこん等がございます。なお、れんこん等は本年7月に適用拡大がなされたものでございます。
 原体の国内生産量等はご覧のとおりでございます。
 各種物性等はご覧のとおりです。なお、先ほど説明させていただきましたカルボスルファンも同様ですが、ベンフラカルブについても、この加水分解性をご覧いただきますと、酸性のほうで特に加水分解が速く進むといった特徴がございます。
 安全性評価に参ります。こちらもベンフラカルブとしてのADIでございます。0.0089 mg/kg体重/日といったADIが食品安全委員会のほうから示されております。
 では、PECの説明に参ります。

【野口主査】 続いて、水濁PECです。適用農作物につきまして、稲とそれ以外の非水田作物に適用を持っておりますので、水田使用時のPECと非水田でのPECを算出しております。
 まず初めに、水田使用時のPECですが、第3段階で算出を行っておりまして、適用農作物等はれんこんとなっております。8%粒剤を10a当たり15,000g、1回、湛水散布後全面土壌混和という使用方法になっております。単回使用量が12,000 g/haということです。
 また、土壌吸着係数ですが、2番、注釈をつけさせていただいたとおり、ベンフラカルブについては分解が速く、土壌吸着係数が測定不能となっておりますので、HPLC法により算出した値をこちら算出に用いております。
 止水期間については、使用方法の注意のところで、止水期間14日と定められておりますので、そちらを用いております。
 田面水中農薬濃度半減期については、実水田を用いた農薬濃度測定試験の成績の農薬濃度の減衰速度から算出を行いまして、試験区1、試験区2でそれぞれ0.87、2.18となっております。
 また、こちら、れんこんへの適用ですが、レンコンネモグリセンチュウというセンチュウの被害が主に茨城県のほうで発生しておりまして、そちらに対する適用の優先審査対象ということで、れんこんへの適用拡大がなされたところでございまして、そちらへの適用、使用方法となっております。
 また、こちらの濃度の結果ですが、こちらは分解物を含まないベンフラカルブとして検出された値について記載をしております。Tier3ですので、それぞれのPECを算出し、それの平均値を取るという方法でPECを算出しております。
 続きまして、非水田使用時の水濁PECですが、こちら第2段階で算出を行っておりまして、適用農作物等は花き、こちら組合せでの使用となっておりまして、5%粒剤を1回、1%粒剤を生育期に3回使用するという方法で、いずれも株元散布となっております。
 土壌中半減期ですが、こちらは土壌残留試験でベンフラカルブを用いて実施された試験の結果から算出した値が最大値となっております。
 水濁PECの算出結果ですが、水田使用時(第3段階)で0.0000051 mg/L、非水田使用時で第2段階で0.0000402 mg/Lとなっており、合計で0.000045 mg/Lとなっております。こちらは分解物を含まないベンフラカルブとしての値ということになっております。

【上迫室長補佐】 それでは、ベンフラカルブとしての総合評価でございます。登録基準値は0.023 mg/Lとしておりますけれども、先ほどのカルボスルファンと同様、ここも何らかの注釈、カルボフランとしても基準値を設定しますということが分かるように、併せて修正をしたいと考えております。
 リスク評価としては、あくまで親物質としては水濁PECが登録基準値を超えないことを確認しております。
 但し書き以降は、先ほどのカルボスルファンと同様でございます。
 それでは、引き続きまして、カルボフランの説明に参りたいと思います。
 カルボフラン、先ほども申しましたとおり、この両物質の分解物ということですけれども、環境中において相当残留することが考えられます。
 また、食品安全委員会による食品健康影響評価において、このカルボスルファン及びベンフラカルブに加え、カルボフランについても食品健康影響評価が実施されておりまして、この親物質2つを含む3物質の中で最も低い一日摂取許容量が設定されたところでございます。
 これらのことを踏まえまして、カルボスルファン及びベンフラカルブの農薬登録基準の設定においては、カルボフランのADIに基づく登録基準値を併せて設定し、水質汚濁に係るリスク評価を行う必要があろうと考えておりますので、これからそのカルボフランについてもリスク評価を行ってまいりたいと思います。
 物質概要、各種物性等についてはご覧のとおりでございます。
 なお、加水分解性ですが、親物質とは逆に塩基性で加水分解が速いといった特徴がございます。
 安全性評価でございます。ADIが0.00015 mg/kg体重/日と低い値が示されております。なお、この値は各種試験で得られた無毒性量または最小毒性量のうち最小値となった最小毒性量、これが0.03でございますけれども、これを安全係数200で除して設定されたものでございます。
 引き続きまして、水濁PECの説明に移ります。

【野口主査】 今回、カルボフランの水濁PECにつきまして、カルボスルファン、ベンフラカルブ、それぞれの使用方法に基づいてPECの算出を行っております。
 カルボスルファン及びベンフラカルブですが、適用農作物等については、一部重複がございまして、併用、同じ農地で両方の剤を使用することが可能となってはございますが、今後、農水省と相談を行いまして、両剤の併用については認めない方向での調整を考えているところでございます。したがいまして、それぞれの併用を考えない、カルボスルファンとベンフラカルブそれぞれから発生するカルボフランのPECをそれぞれ算出し、最も高くなる使用方法についてカルボフランのPECを算出するということで考えております。
 まず、カルボスルファン使用時の水田使用時の水濁PECです。第3段階で算出を行っておりまして、こちら、先ほどカルボスルファンの水濁PECを算出したときと同じ使用方法となっております。
 土壌吸着係数については、カルボフランを用いて実施された土壌吸着試験の結果から算出した値の中央値を用いております。
 また、田面水中農薬濃度半減期ですが、今回の実際に提出された試験の中から、農薬の濃度の減衰が始まった部分というものを見まして、そこの減衰速度から算出した値を採用しております。こちら試験ごとに、試験区ごとの数値となっております。
 実水田を用いた水田水中農薬濃度測定試験の成績はこちら、先ほどご説明したとおり、5%粒剤と3%粒剤それぞれで提出をされておりまして、こちらはカルボフランとして検出された値となっております。Tier3ですので、四つのPECを算出し、その平均値を取ることとしております。
 続きまして、カルボスルファンを使用した場合の非水田使用時の水濁PECですが、こちら第2段階で算出を行っております。
 こちらですが、非水田の第2段階の算出に当たっては、専用の試験が提出されるというものではございませんので、カルボスルファンとして使用した場合のカルボスルファンを全てカルボフランに換算した値としての算出を行っております。
 こちら、カルボスルファンの第2段階のPECを算出し、カルボフランに換算するという方法で算出を行っております。
 先ほどと同じく、花きへの適用で3%粒剤、18,000gとなっておりまして、こちら土壌中半減期ですが、こちらはカルボフランを用いて実施された土壌残留試験、こちら容器内での試験ではあるのですが、その結果から算出した値の最大値がカルボフランの半減期の値として採用できると思い、こちらの値を用いております。
 カルボスルファンを使用した場合のカルボフランの水濁PECですが、算出結果はこのとおりとなっておりまして、水田使用時で0.0001790 mg/L、非水田で0.0000668 mg/L、こちらカルボフランの換算値、カルボフランの濃度としての値を示しております。合計が0.00025 mg/Lとなっております。
 続きまして、ベンフラカルブ使用時のカルボフランのPECについてです。まず、水田使用時ですが、第3段階で算出を行っておりまして、先ほど、ベンフラカルブのときと同じく、8%粒剤をれんこんに使用する場合で算出を行っております。
 土壌吸着係数については、先ほど、カルボスルファンと同じく32を用いており、田面水中農薬濃度半減期については、試験区それぞれのカルボフランの減衰から濃度の減衰した部分から減衰速度を見て求めた半減期を用いております。
 こちらの結果については、5番ですね、カルボフランとして検出された値となっております。
 続きまして、非水田使用時の水濁PEC(第2段階)ですが、こちらも同じく、ベンフラカルブの第2段階のPECを算出し、カルボフランに換算するという方法で算出を行っております。全量がカルボフランに変換されるとみなしております。
 土壌中半減期ですが、こちら、先ほどのカルボスルファンのときと同じく、カルボフランを用いて実施された土壌残留試験の結果から算出した値の最大値を用いております。
 以上から、水濁PEC、ベンフラカルブ使用時のカルボフランの水濁PECは、水田使用時で0.0004737 mg/L、非水田使用時で0.0000656 mg/L、合計で0.00054 mg/Lとなります。
 先ほどのカルボスルファン使用時と今回のベンフラカルブ使用時で比較を行いまして、最大値はベンフラカルブ使用時の0.00054 mg/Lとなりますので、こちらの値を、両親物質使用時におけるカルボフランのPECということで算出いたしました。

【上迫室長補佐】 最後に、総合評価に参ります。
 登録基準値といたしましては、0.00015 mg/kg体重/日というADIを用いまして、カルボフランとして0.00039 mg/Lという基準値をカルボスルファン及びベンフラカルブの登録基準値として使用したいと思います。
 リスク評価でございます。水濁PECを計算いたしますと、0.00054 mg/Lとなっておりまして、登録基準値を超過することになります。しかしながら、当該水濁PECの値というのが、単位面積当たりの農薬散布量が最も多くなる適用農作物であるれんこんを、水濁PECの算出に用いる環境モデル中の水田全域、すなわち500haで栽培するという仮定に基づくものでございます。
 一方、我が国の水田におけるれんこんの作付面積は、下のほうの注釈にございますけれども、水稲と比べまして、3桁違います。そういったことを考えますと、この全域でれんこんを栽培したときの水濁PECというのが過大推計となっている可能性というのも考えられます。
 そして、以下の参考2に示すとおり、環境モデル中の水田面積に占めるれんこん栽培の面積の割合として、生産現場の実態に近いと思われる値を用いて計算した場合、水濁PECは基準値を下回ります。
 こちらは試算結果でございます。シナリオ①といたしまして、全国におけるれんこんと水稲の作付面積の割合を用いた場合の水濁PEC等が0.00013 mg/Lとなります。また、シナリオ②といたしまして、れんこん栽培の多い地域を想定して、半々とした場合の水濁PEC、これは0.00033 mg/Lとなります。いずれも登録基準値は下回っております。
 このような試算もお示しをした上で、カルボフランの流出が多くなると見込まれる、れんこん栽培の盛んな地域、これは霞ヶ浦の周辺を想定しておりますけれども、この地域の水域においてモニタリング調査を実施して、この結果を踏まえて、改めて評価を行うこととしたいと考えております。
 すなわち、今回、そのリスク評価が良い悪いといった結論を出すということではなくて、モニタリングをやって、その登録基準値を超えていないかということを確認したいということでございます。
 なお、カルボフランのモニタリングをした結果、基準値を大きく上回るということであれば、例えば農薬取締法第26条による水質汚濁性農薬の指定による使用規制であったり、場合によっては登録の見直しといったこともあり得るものと考えております。
 長くなりましたが、ベンフラカルブ及びカルボスルファン、カルボフランの説明は以上でございます。

【白石委員長】 はい、ありがとうございました。音声はエコーしていないですか。大丈夫ですね。
 では、いつもどおり少しルーチン的なところだけ先にご審議いただきたいと思いますので、ベンフラカルブにつきまして、毒性の観点から注意すべきところがございましたらお願いします。

【浅野臨時委員】 はい。ベンフラカルブですね。ベンフラカルブと、それから先ほどのカルボスルファン、いずれもカルボフランリード化合物として、殺虫活性を保ったまま哺乳動物に対する毒性を低減するというような形で開発されています。見られる毒性の内容としては、ベンフラカルブも、それからカルボフランも質としてはコリンエステラーゼ活性阻害、赤血球の濃度、これを20%以上阻害すると毒性と判断していますので、それをもって評価しています。臓器特異的な変化ということまでは出ていません。ただし、神経毒性があるので、急性毒性ですね、LD50がベンフラカルブで100から200の間ぐらいですね。カルボフランはその10分の1ぐらいで、5.3から13.3というようなLD50値を持っています。
 それで、カルボフランの各種毒性試験の結果からは、無毒性量は出なくて最小毒性量(LOAEL)を使って、安全係数の200で除してADIを求めています。
 あと、特異的な毒性、すなわち変異原性ですとか、催奇形性、それから発がん性といったものは、いずれの剤においても見られていません。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、ベンフラカルブに特化してご意見を伺いたいと思いますが、各種物性等あるいはPECの算出につきまして、コメントがありましたらお願いします。

【内田専門委員】 内田です。適用作物のれんこんですけども、非常に使用量が多いのですが、これにつきまして、先ほどと同じリスクとベネフィットですけど、何か特別な理由があるのですか。これは難防除であるとか、代替剤がないとか、そういう情報はあるのですか。

【上迫室長補佐】 先ほど野口のほうからも少し説明はさせていただきましたとおり、レンコンネモグリセンチュウという害虫の防除のために使うものでございますけれども、これまでレンコンネモグリセンチュウに適用がある農薬というのがほとんどありませんでした。ないわけではないですが、少し効果が低いということもありまして、このベンフラカルブをぜひ通してほしいということで優先審査になったものでございます。

【内田専門委員】 わかりました。ありがとうございます。
 それから、物化性のところですけど、土壌吸着係数は測定不能とありますね。PEC計算のところには9,000幾らの数値が入っていますが、これはどうなっているのですか。

【野口主査】 土壌吸着係数ですが、通常の土壌吸着係数を算出するための試験のほうは分解のため実施不可能ということですが、今回、PECの算出に当たって土壌吸着係数が必要となりましたので、別途、HPLC法で算出された値というものが9,100として提出されておりましたので、そちらの値をPECの算出に用いるためにこちら記入しているところでございます。

【内田専門委員】 物化性もそのような形で、但し書きで数値を入れたほうがよいのではないですか。

【野口主査】 そうですね。ご指摘のとおりごもっともかと思いますので、こちらに9,100と数値を入れた上での注釈で「HPLC法により算出」などといったような形で記載させていただきたいと思います。

【白石委員長】 HPLC法により、というのがよく分からないのですけど。

【浅見臨時委員】 同じくです。

【野口主査】 HPLCのカラムの吸着係数から土壌吸着係数の値を。

【白石委員長】 換算しているのですね。LogPowを出して、それを換算したという値ですか。計算値。

【野口主査】 そのとおりでございます。

【白石委員長】 それでは、「計算値」というふうに書いたほうがいいかもしれないですね。

【野口主査】 計算値であるということ。

【白石委員長】 LogPがどこかに書いてあるのでしたっけ。4.22を使ったということですかね。このLogPは、でも、実測値だよね。わざわざHPLCで出す必要もないような気がしますが、もう少し確認されたほうがよいという気がします。

【野口主査】 ありがとうございます。確認した上で修正案をお示ししたいと思います。

【白石委員長】 はい。

【内田専門委員】 LogPからの計算値と思うのです。

【白石委員長】 どうもお話はそんな感じなので、それなら、既にLogPの値はあるので、それを使って式に入れればよいという気もしますが。今まで、そんなことやっていましたか。

【稲生専門委員】 稲生です。よろしいでしょうか。OECDのテストガイドラインにHPLC法というのがあって、今、白石委員長が言われたのは、恐らく相関でLogPowから求める方法のことではないでしょうか。

【白石委員長】 そうです。そうではない方法があるのですね。

【稲生専門委員】 そうではない方法がOECD法でテストガイドラインにあったと思います。実際にHPLCにより、リファレンスとなる物質のリテンションタイムと対象物質のリテンションタイムから、これもどちらかといったら相関みたいな形ですけれども、リテンションタイムの差から推定する方法だったと思います。

【白石委員長】 分かりました。

【稲生専門委員】 一応、事務局で確かめていただいたほうがよろしいかと思います。

【白石委員長】 何か私も見たような覚えがあるような気がしました。それでは、テストガイドラインに載っているので、農薬試験法にもそれが採用されているのですかね。まあ、確認してください。

【野口主査】 テストガイドラインでは記載がなかったかと思いますが、その辺も含めて確認してご連絡をさしあげたいと思います。

【白石委員長】 今までは、やっていましたか。これだけ特別何か、土壌吸着係数が大きいと出てこなくなるのですよね。

【野口主査】 そうです。今回、算出に当たって必要ということで、提出されたものがございましたので入力させていただきましたが、土壌吸着係数がない場合は10,000を用いるといったようなルールもございますので、どちらがよろしいか、ご意見をいただければと思います。

【白石委員長】 ご意見、どうぞ。

【稲生専門委員】 稲生です。よろしいでしょうか。今、事務局からご説明がありましたように、土壌吸着係数の取扱い、要は分解が速くて測定できない場合に、ほかにHPLC法で測ったり、明らかに高吸着が予想されて、逆に吸着し過ぎて測定できないという場合は10,000を用いるというルールがあったと思います。その辺は、取決めで事務局が取りまとめていたと思いますので、それに準拠しているのであれば、この9,100を用いることは問題ないと思います。

【白石委員長】 分かりました。

【稲生専門委員】 それも含めて確認していただければと思います。
 以上です。

【白石委員長】 それでは、よろしくお願いします。HPLC法では測定できたということですね。その数値を用いるということで。
 ほか、ご意見、お願いします。

【稲生専門委員】 稲生です。ついでに1点ほど、ケアレスミスのところだけお伝えしようと思います。8ページの水濁PECの算出の「PEC算出に関する使用方法」のうち使用方法のところで「灌水散布」と書いてあるのですけど、これは「湛水散布」の間違いだと思いますので訂正してください。それは16ページのカルボフランのほうも同じだと思いますので、よろしくお願いいたします。

【上迫室長補佐】 ありがとうございます。

【白石委員長】 では、確認の上、修正をお願いいたします。
 ほか、いかがでしょうか。

【内田専門委員】 カルボフランでもいいですか。

【白石委員長】 カルボフランですか。ちょっと待っていただけますか。ほかになければ。

【内田専門委員】 はい、分かりました。

【浅見臨時委員】 リスク評価のところもよろしいでしょうか。先ほどの5ページと今の10ページの両方ですけれども、「ベンフラカルブの代謝物であるカルボフランについても」というところの書き方ですけれども、「別途リスク評価を行う必要がある」とあるのですが、これ「別途」ではなくて「併せて」ではないかと、カルボフランと併せて見直すべきではないかと思います。

【白石委員長】 分かりました。では、それについて、また議論していこうと思いますので。
 ほか、いかがでしょうか。ほかなければ総合評価まで、取りあえずここで一旦。

【天野臨時委員】 天野ですが、すみません。

【白石委員長】 はい、お願いします、天野先生。

【天野臨時委員】 ちょっと簡単なことを確認させてください。非水田のPECで花きを対象に計算されています。株元散布②のほうですが、株当たり2gで、作付22,000株とあります。これはキクが対象か、という質問です。それから、株当たり2gの単回・単位面積当たり最大使用量についてですが、但し書きのある製剤もあったと思うのです。10a当たり40kgまでとする、というような但し書きの記憶があるのですが、そういった、但し書きのない製剤も存在しているということでしょうか。

【白石委員長】 では、これは事務局から回答をお願いします。

【野口主査】 ご指摘、ありがとうございます。但し書きがないか、もう一度、念のため確認させていただければと思いますが、今回、ストックへの使用ということで計算を行っておりまして、特に10a当たりの総量の規定がなかったため、以前、小委でお示しした取決めに基づいて10a当たり22,000株ということで算出を行っているところでございます。また、確認して、詳細が分かりましたらご連絡、補足させていただきたいと思います。

【天野臨時委員】 ありがとうございます。

【白石委員長】 では、ほかにございませんか。
 それでは、ここで一旦打ち切りまして、カルボフランについてご意見をお願いいたします。
 先ほど止めましたけど、内田先生、いかがですか。

【内田専門委員】 カルボフランのトップページです。11ページの5行目に「3物質の中で最も低いADIが設定された」と書いてある。これは正しい表現ですが、意味がない表現ですよね。親化合物に比べて低いADIが分解生成物に設定されたということで、だから、そういうふうに内容を示したほうがよいと思うのです。そして、その分解生成物についてもADIに見合った基準値を設定すべきであるということを、ここに書いておけばいかがかと思うのですが。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 事務局、いかがですか。そのとおりではないかと思いますが。

【上迫室長補佐】 ありがとうございます。そうですね、親物質に対して低いということで、併せて設定するという説明にさせていただきます。

【白石委員長】 よろしくお願いします。

【内田専門委員】 そうですね、3物質を比較したわけではない。

【白石委員長】 ほか、いかがでしょうか。

【浅見臨時委員】 浅見ですけれども、細かいところですが、17ページの土壌中半減期の値に「※2」とついているのですが、これが表の下のところでは「※1」となっています。「※1」が二つあるのですか。何か違うものを見ていますかね、私。それとも、資料を修正していますか。

【白石委員長】 何か修正があったので、私も古いのを見ていて、よく分からなくなっているのですけど。

【浅見臨時委員】 新しい資料を見たつもりでしたが、申し訳ありません。でも、やはり、これですよね。有効成分量が「※1」、土壌中半減期が「※2」になっているので、表の下も同様に「※1」と「※2」ではないかと思いました。手元の資料が最新だと思うのですが、いかがでしょうか。

【野口主査】 PCのほうが誤りということで修正させていただきます。

【浅見臨時委員】 はい。これはカルボフランを用いて、カルボフラン自体もカルボフランで投与すると、これだけ土壌半中減期が長いという理解で、よろしいでしょうか。

【野口主査】 はい。こちらについて、カルボフランの土壌半減期となっておりますので、最初に投与したベンフラカルブが全てカルボフランに置き換わったと仮定して、カルボフランの半減期で分解した場合のPECを算出しております。

【浅見臨時委員】 先ほどベンフラカルブとして残ると言っていた日数と近い、ちょっと違うのですけど、何かベンフラカルブはベンフラカルブとして評価をして、このカルボフランはベンフラカルブを施用したものをカルボフランとして評価している、ということですか。

【野口主査】 半減期は比較的近い値となっておりますが、それぞれ別に算出を行っております。

【浅見臨時委員】 ベンフラカルブとして施用したものによる残留でしたら、そのように書いていただいたほうがよいと思います。上に書いてある、全部そうなのですね。この数値が全部そう。

【野口主査】 そうですね、こちらベンフラカルブということで。

【浅見臨時委員】 そうか、ベンフラカルブ使用時なのですね。分かりました。

【野口主査】 (1)(2)ということで。

【浅見臨時委員】 分かりました。

【野口主査】 ベンフラカルブ、そうですね、少し分かりにくいところは。

【浅見臨時委員】 「カルボフランを用いて実施された土壌残留試験(容器内試験)の結果から算出した値」というのが、カルボフランを使って実施した試験と読めるので、日本語がどこで切れるかという問題かもしれないですが、カルボフランを撒いたと思いました。

【野口主査】 そうですね、どの製剤での試験かというのが分かりにくいので、どこかに分かるような形で文章を追加したいと思います。

【浅見臨時委員】 ありがとうございます。

【野口主査】 ありがとうございます。

【浅見臨時委員】 さらに19ページから20ページ、21ページのところですけれども、こちらにつきましてはTier 3まで使われて、しかも数値が超えるので、割合を変えて計算してということで、今までと大分違うアプローチではないかと感じます。
 やはり、このまま数値を、割合を変えたもので評価するというのは、これまでの評価手法とあまりにも異なるので、モニタリングなり、シミュレーションなりをしっかりと実施して、特にれんこんに関しましては、特定の地域で使われていると思うので、全国押しなべて面積が少ないから比率を少なくしてよいというものではなくて、その地域で使われているところでしっかりと評価して、その下流への影響を評価すべきだと思いますので、ご提案のようにしっかりと評価をしてからということで、再度議論を必要とする農薬ではないかと思います。
 もう一つは、ADI自体がすごく低く、食品のほうの値も低いということ、それから、作業者が入って作業することもあると思いますので、そのときにまき上がることもあるかと思いますので、丁寧に見ていただきたいと思います。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございます。方向性としてはよろしいのではないか、というご意見が聞かれましたが、モニタリング調査を実施してよろしいですか。

【内田専門委員】 PEC計算の表ですけれど、吸着係数32とおっしゃっていましたか。

【白石委員長】 それが書き換えられているのがあるでしょう。

【内田専門委員】 32ですよね。

【野口主査】 はい、32です。

【白石委員長】 それでいいのですか。

【内田専門委員】 測定値の一番低い値を使われているのですか。普通、中央値ですよね。

【野口主査】 中央値でございまして、今回、カルボスルファンのほうで提出されたカルボフランの試験と、あともう一つ、土壌吸着試験の結果が、それぞれのメーカーから二つ提出されておりましたので、その試験の成績を両方合算して、その中から中央値を採用しております。

【内田専門委員】 32というのが中央値ですか。

【野口主査】 はい、中央値でございます。

【内田専門委員】 12ページの表を見ていると最小値とも見えるのですけれども。あ、変わったのか、これ、21から修正されたのですか。分かりました。

【野口主査】 採用した試験の。

【白石委員長】 なかなか追いつかないですので。

【野口主査】 後で修正しております。

【内田専門委員】 分かりました。

【白石委員長】 さて、細かい点では、ほかにご意見はありますか。これでよろしいですか。大枠の議論に移りたいと思いますが、数値関係、PECの計算関係、よろしいでしょうか。

【稲生専門委員】 稲生ですが、よろしいでしょうか。PECについては、取りあえずこれで問題ないと思っております。

【白石委員長】 すみません、どこのPECでしょうか。

【稲生専門委員】 カルボスルファン、ベンフラカルブ、カルボフラン。

【白石委員長】 全てですね。

【稲生専門委員】 先ほど浅見委員から言われたように、参考のところですね、要は比率を変えてというところになってくると、浅見委員が言われたように、全国レベルでの比率でやるのはどうかと思います。れんこん、結構重いので準メジャー作物になっているのですけれども、地域特産作物で、作られているところが限られているため、21ページのシナリオ①、シナリオ②とありますが、シナリオ①は採用できないということで、どちらかというとシナリオ②のほうが現実に近いのという気はしております。
 先ほど浅見委員が言われたように、それなりにれんこん畑がたくさんあるところでベンフラカルブが使用されている状況で、きちっとモニタリングがされるということが大前提となって、その結果を用いて最終評価をしていくという流れは私も同様に思っております。そういうことで、モニタリングしている間は評価保留でいいのかという問題はありますが、致し方ないとは思っております。
 それから、これは質問になりますが、今回の場合はベンフラカルブ、れんこんということですけれども、例えば、ほかの農薬成分で同じような状況があれば、同じ考え方を適用するのか。先ほど浅見委員が言われたように、これまでになかった考え方で評価していくというので、ほかの農薬成分でもこういうふうに、代謝物のPECが基準値を超えた場合には同じように考えるのかということと、ほかの水田作物、れんこん以外にはクワイやイグサ、以前にはクレソンでPECを出したことがありますが、PECが基準値を超えるそのような場合にも、同じように今回の考え方を適用していくのか、事務局にお聞きしたいと思います。
 以上です。

【白石委員長】 では、事務局、最後の質問について、お答えをお願いします。

【上迫室長補佐】 稲生先生、ありがとうございます。まず、分解物については、今後も注意深く見ていく必要があるだろうと思います。今回、カルボフランへもADIが設定されて、先ほど、内田先生もおっしゃったとおり、親物質よりも低いものが、ADIが出てきたということですので、今般、それをちゃんと評価に組み込むということが必要であろうということで組み込んだものですけれども、同じような考え方というのは、ほかの分解しやすいものについても言えるのではなかろうかと考えております。
 また、PECの考え方を変えるというところについては、今後もケース・バイ・ケースで判断するということにならざるを得ないかと考えております。

【羽石室長】 環境省の羽石でございます。補足ですけれども、浅見先生、稲生先生のおっしゃるとおりでして、特に今回だけ特別扱いをしようと思っているわけではございません。PECの算出ルールどおりにやると、今回、PECが基準値を上回るということですけれども、実際の生産現場ではどうなのかということを考えると、計算結果から見ると基準値を超えるのでアウトとしてしまうと、もしかすると過大評価になってしまうのではないかというおそれもあるということで、試しに、全国での作付の割合と、あとは半分ずつれんこんと水稲が植わっているケースを想定して、試算をしてみたということでございまして、シナリオの①か、あるいはシナリオの②のどちらかでいきたいと考えているわけではございません。
 実際、生産現場でどれぐらいの流出があるのかということをモニタリングで確認をしまして、その結果をもって、このままの基準値で設定するのか、あるいは基準値を超えているというような場合であれば、その使用方法の見直しを検討する必要も出てくるかもしれませんし、そのような対応をしていきたいということで、今回だけ、何か特別な対応をするということを考えているわけではないということでございます。

【白石委員長】 はい、ありがとうございました。稲生委員、皆さん、よろしいでしょうか。

【稲生専門委員】 稲生です。了解いたしました。

【白石委員長】 特にPECが過大推計となり、基準値をオーバーした場合には、少し見直すこともあり得るということでよろしいですね。明らかに過大推計の場合ですが。

【浅見臨時委員】 浅見です。シナリオ①に関しては、ほかの農薬についても全部こういうことをやったら、もう何でもオーケーになるのではないかと危惧いたします。②とか、あと、実際のデータに合わせて、ある程度その地域で使われているものに関してとか、あと、いわゆる一般的な作物ではないものに関して、ある程度の比率を設けて、というのはまだ理解できるのですけれども、このシナリオ①は、あまりにも非現実的というご意見が先ほどもありました。それだったら、試算する意味があるのかと言われるのではないかと思いました。

【白石委員長】 はい、何か考えてみていただけますか。

【羽石室長】 羽石でございます。ありがとうございます。おっしゃるとおりでございまして、ですので、シナリオ①でPECが基準値を下回るので大丈夫ですとか、シナリオ②でPECが基準値を下回るので大丈夫ですと言うつもりはございません。試しに試算をしてみたらこうでしたということをお示ししているだけでございまして、実際はどうなのかということをれんこんの大産地の地域で調べた上で、その結果をもって、もう一度お諮りすることとしたいというのが本日のこの資料の説明の趣旨でございます。

【白石委員長】 はい、ありがとうございます。

【内田専門委員】 内田です。おっしゃる意味は非常によく分かりますが、難防除害虫で困っている方がおられるわけですね。それで、代替剤がないということで、そういった形でモニタリングされて、より正確なデータを取られるのもいいと思うのですけれども、例えば注意書きなどで止水期間をもう少し長くするとか、そういったことも、選択肢の一つに採用することはできないのでしょうか。

【羽石室長】 羽石でございます。内田先生のおっしゃるとおり、そういう選択肢もあると思うのですけれども、今回1シーズン、モニタリングをしてみまして、その流出量が基準値を超える、あるいは、基準値に非常に近いというようなときには、そのような使用方法について何らかのルールを設けるということも必要になるのではないかなと考えております。

【内田専門委員】 よろしくお願いします。

【羽石室長】 ありがとうございます。

【天野臨時委員】 天野です。私も、先ほど言われたこのシナリオについては違和感を持っていたところですが、それはそれとして、記憶違いかもしれませんけれども、一昨年、水産基準値の検討のときに、確かカルボスルファンでしたか、PECと基準値が近接しているということで、モニタリングの結果を見たときに、超過事例が全国で何件かあったという報告を記憶しています。その後、実際のモニタリングをもう少し進めて、調査を図るといったような話ではなかったかと、今思い出しているのですが、その後、実際のモニタリングの実測値をお持ちでしょうか。

【白石委員長】 事務局、お願いします。

【上迫室長補佐】 あいにく、カルボスルファンについては、それ以降、モニタリングをしていないのが実情でございます。

【天野臨時委員】 そうしますと、物質によってそれぞれ挙動は違うとは思いますけれども、試算して超えない場合でも、往々にして過大評価という感触を持っているのに、実際、現地では結構超過してくる事例もあるわけですから、やはりここは少し慎重に、細かなモニタリングをされるよう希望します。よろしくお願いします。

【白石委員長】 実際にモニタリング計画というのは、審議の後でしょうけど、どのような形になるのですか。

【天野臨時委員】 先ほど、れんこんの特産地域ということでしたので、計算上はそういうところを特に重点的に見るべきかもしれませんが、通常の計算で良かろうと思ったもので超過があったということは、やはり水田も含めて、もう少し多くのデータを見たほうがよいという気がしております。

【上迫室長補佐】 ありがとうございます。天野先生のおっしゃるとおりでございます。予算の制約などもありますけれども、こういった審議の結果を踏まえて、特に今回の場合のようなものもありますので、丁寧にモニタリングを進めていきたいと考えております。

【白石委員長】 ありがとうございます。ほかはいかがですか。

【浅見臨時委員】 よろしいでしょうか。浅見です。平成30年7月18日の土壌農薬部会の資料にカルボフランの水質モニタリングデータというのがございまして、そこで平成25年に7件、11地点、平成26年に7件、7地点、平成27年6件、8地点に水産基準値案を上回っていたという記述がございます。そのような過去のデータなども参照していただき、先ほど、地域の見直しというお話がありましたけれども、その地域のある程度の単位で比率を見ていただくと、評価は可能と思います。
 以上です。

【上迫室長補佐】 ありがとうございます。

【白石委員長】 では、ほかはいかがでしょうか。

【稲生専門委員】 稲生です、よろしいでしょうか。先ほどから、21ページのシナリオ①、②に違和感があるという皆様のご意見を踏まえると、わざわざこの参考2を出す必要はないのかなと思います。確かにこのような仮定で計算すると、PECが低くなることもあると思います。要は、過大評価になっている可能性もあるので、今回のモニタリングを精緻にやることによって、正しく評価できるといったようなことで収めておくほうがよろしいかと思います。取りあえず今の時点でのPECの試算でいけば、PECが基準値を超えていることは確かであると思います。
 そういったことを踏まえて、PECが基準値を超えているか、超えていないかをモニタリングでちゃんと評価するのですよ、というような表現にしたほうがよいと思います。ここでまた新しいシナリオを作るのかと誤解されかねませんから、そういったことを防ぐためには、参考2は要らないような気もするのですけれども、いかがでしょうか。

【白石委員長】 そうですね、根拠が薄いような資料を並べても、数値を計算しただけなので、あまり意味がないような気もいたします。ここに、あと、普及率の問題とか、いろいろとかかってくるので、わざわざ参考2を出す必要もないかなと思いますが、事務局はいかがですか。過大推計となっていると、文書を見れば当然分かるような気もしますので。

【羽石室長】 羽石でございます。少しお待ちいただいてよろしいでしょうか。

【白石委員長】 はい、どうぞ。
 だけど、PECが基準値をオーバーしたまま使っているというのも問題なのかもしれないですね。ただ、シナリオ①は、みんな違和感があると言うけど、私は別に違和感がなくて、巨大な産地以外のところでれんこんを作っている農家の方が、作物の病気に対して撒く分には特に問題ないというニュアンスもあるのかなと感じました。

【羽石室長】 羽石でございます。今の稲生先生のご指摘ですけれども、まず、本日の農薬小委員会でご議論いただいた資料としましては、今回、我々、試算をしてみましたということでこれを載せましたので、本日の資料を今から触るということは難しいということと、もう一つ、モニタリングを1シーズン行ってから、もう一度小委員会にかけさせていただいて、評価書としてセットするということでございますので、そのときには、このようなシナリオ①とか、シナリオ②というものは載せないということで対応したいと考えておりますが、いかがでしょうか。

【白石委員長】 よろしいと思いますが、稲生先生、いかがですか。

【稲生専門委員】 事務局がそういうご判断であれば、私もそれでよろしいと思います。ただし、このまま出してしまうと、何となく宙ぶらりんになってしまうので、要は、評価書としてフィックスされたものではないということを示さないと、数字が独り歩きするような気もしますので、その辺だけ気をつけていただいたほうがよろしいと思いました。
 以上です。

【白石委員長】 評価書の書き方の問題に戻ってしまうのですが、評価書としてセットするのは来年になるということは、今議論したところは、すべて来年の話になるのですか。

【羽石室長】 羽石でございます。浅見先生のご指摘にも関係するのですけれども、本日の議論を踏まえまして、カルボスルファンとベンフラカルブだけ先に設定してしまうということではなくて、カルボフランのモニタリングをしてから、三つまとめて設定するということです。カルボスルファンについては、親物質と分解物質の両方について評価する、ベンフラカルブについても同様ということでございますので、評価書をセットする際には、このようなシナリオ①とかシナリオ②のようなものは入らず、モニタリング結果に従った評価書になると考えております。

【白石委員長】 分かりました。いかがでしょうか。

【浅見臨時委員】 モニタリングの結果だけではなくて、その地域で、ある程度の範囲が設定できれば、先ほどの作付面積みたいなものを、ちゃんと実際の状況に応じた形で計算いただくことは可能と思いますので、それは一言付け加えさせていただきたいと思います。

【白石委員長】 使用量もちゃんと押さえておいていただいたほうがよいような気がしますね。

【浅見臨時委員】 そうですね、使用量は結構多いですし、ほかの用途というか、お米のものと、全体的にも100tを超えているようなので、れんこんだけではないとは思います。

【白石委員長】 どうしましょうか。そうすると、次回セットするということで、いろいろ基準値の書きぶりとか議論になりましたけれども、結局、修正については、いかがしますか。事務局、カルボフラン、例えばカルボスルファンについて、基準値0.01 mg/Lと書いてありますが、そこに分解物も含めて書いたほうがいいと、修正しますと、言っていたように聞こえましたが、そのような形で評価書も取りあえず書いておきますか。

【上迫室長補佐】 ひとまず、今回の審議後に、ご指摘を踏まえて修正をしたものを、私ども、とりあえずの評価書として持っておきます。その後に、先ほど、羽石のほうから申し上げましたとおり、そのモニタリング結果を踏まえて、改めて評価書案として提示をするということで考えております。

【白石委員長】 そのような進め方でよろしいでしょうか。

【上迫室長補佐】 続けて恐れ入ります。先ほど浅見先生からご指摘頂いたのは、そのモニタリングの結果とともに、あと、その使用実態、実際の作付面積とか使用量とか、そういった情報を把握したほうがよいのではないかといったご指摘でしょうか。

【浅見臨時委員】 特に高い可能性があるところの作付面積とその割合です。れんこんの作付面積と他の作物の作付面積というのは、ある程度分かるものがあれば、例えば茨城県や霞ヶ浦地域などの何かの数値を用いて、ある程度の試算をすることは、可能性だろうと思いました。

【白石委員長】 そうですね、特に私は使用量の数字を押さえておいていただきたいな。そうすると総量規制に、水質汚濁に指定したときの規制にもつながってくる可能性があるので、データとして使えるのかなと思います。

【浅見臨時委員】 先生の地元ですので、その希望は重要ですね。

【白石委員長】 その水道水を飲んでいるほうなので。

【浅見臨時委員】 はい、ぜひとも。

【上迫室長補佐】 ありがとうございます。

【白石委員長】 では、モニタリングをきちんと設計していただいて、モデルにも役立つような数字を取られることを希望いたします。進め方としてはこれでよろしいですか。
 例えば、今、カルボスルファンとベンフラカルブ、カルボフランという形で分けていますけれども、例えば、カルボスルファンだけだと、このまま、れんこんの使用がないので、通ってしまうのではなかろうかと思うのですが、そういうやり方はしないということですか。

【上迫室長補佐】 両方ともカルボフランに分解しますので、併せて評価をすることとしたいと思います。

【白石委員長】 共通の分解物を持つカルボスルファンとベンフラカルブを併せて、暫定的に今議論していただいた上で、モニタリング調査を実施して、最終的に決定するということで、皆さん、よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にご意見、ご異議がないようですので、いろいろご意見頂きましたので、それを反映して、もう一度見ていただこうと思いますが、取りあえずここの3剤については、議論はこれで終了したいと思いますが、よろしいですか。

(異議なし)

【白石委員長】 では、多分、モニタリング調査自体が重要なことになってくると思いますので、それの計画は、事務局で一生懸命やっていただくということでよろしいですか。来年度になりますか。

【上迫室長補佐】 少なくともカルボフランが検出され、なくなるまではモニタリングをする必要があるかなと思いますので、およそ1年はかかるかなと考えております。

【白石委員長】 使用前からですかね。

【上迫室長補佐】 はい。

【白石委員長】 少しきちんとした調査という形でお願いします。
 では、3剤につきまして議論の途中ですが、以上で一旦閉めさせていただいて、次のチエンカルバゾンメチルについて、説明をお願いできますでしょうか。

【野口主査】 本日、水濁基準について、残り2剤ございますので、よろしくお願いいたします。
 一つ目が、チエンカルバゾンメチルでございます。こちらは、今年の5月に水産基準のご審議をいただいた新規の剤となっております。
 物質概要については、こちらの表に記載のとおりとなっております。
 トリアゾリノン系の除草剤であり、作用機構は、植物のアセト乳酸合成酵素を強く阻害することで、雑草の生育停止、黄化、枯死を引き起こすものとなっております。
 水和剤がてんさいに対して登録申請されております。
 各種物性等については、こちらの表に記載のとおりとなっております。
 安全性評価ですが、食品安全委員会は、令和2年10月20日付で、チエンカルバゾンメチルのADIを1.1 mg/kg/体重/日と設定しております。
 続きまして、水濁PECです。本剤は水和剤、適用農作物等はてんさいとなっておりますので、非水田のPECを算出しております。第1段階で、こちらの表の左側に記載の使用方法となっており、右側のパラメータを用いて算出を行いました。
 結果ですが、こちらのとおり、非水田、第1段階で0.000000638、合計は、同じく0.00000064 mg/Lとなっております。
 登録基準値ですが、最初にお示ししたADIを元に、こちらの計算式で算出をし、基準値案2.9 mg/Lとなっております。
 こちらの値ですが、PECを超えていないことを確認いたしました。
 チエンカルバゾンメチルについては以上となります。

【白石委員長】 はい、ありがとうございました。
 では、ただいまのチエンカルバゾンメチルにつきまして、毒性の観点から、注意すべき点とコメントがありましたらお願いします。

【佐藤臨時委員】 こちらの物質ですけれども、急性毒性は非常に弱いです。代謝ですが、排泄で、胆汁及び尿排泄が半々ぐらいありますが、それに起因したと思われる毒性としては、尿路系の結晶形成が起こってきます。それで、腎臓の腎盂拡張、あるいは膀胱の結石とか、その結石に起因した炎症、次いで移行上皮の反応性の過形成が起こってきております。繁殖毒性あるいは催奇形性及び遺伝毒性は認められていません。
 マウスを用いた発がん性試験で、膀胱の移行上皮がん、あるいは乳頭腫が出てきていますけれども、遺伝毒性がないために閾値が設定されております。以上で、ADIが設定されたということです。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、基準値案につきまして、ご意見をお願いします。いかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 物化性状等、特に問題はないでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 水濁PECについては、何かご意見はございますか。
 非水田使用時の水濁PEC、第1段階について、ご意見はございませんか。

【稲生専門委員】 稲生です。特に問題はないと思います。

【白石委員長】 問題ないですか。ありがとうございます。
 ほかにご意見がないようでしたら、総合評価でご確認いただきたいと思います。登録基準値を2.9 mg/Lとし、水濁PECは、この基準値を超えていないということでございます。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 ありがとうございます。
 では、これは事務局案どおりとさせていただきます。
 では、次に、プロチオコナゾールをお願いします。

【野口主査】 続きましてプロチオコナゾール、先ほど水産基準のご審議をいただいた剤について、水濁基準についてもご確認をいただきます。
 物質概要については、こちらのとおりとなっております。
 作用機構等も、水産のほうと表記をそろえておりまして、こちらの表に記載のとおりとなっておりまして、先ほどご指摘いただいた箇所については、水濁基準も併せて修正をしたいと思います。
 製剤は水和剤、適用農作物等は麦等として登録申請されている新規の剤となっております。
 各種物性等ですが、こちらの表に記載のとおりとなっております。
 安全性評価です。食品安全委員会は、令和元年6月18日付で、プロチオコナゾールのADIを0.011 mg/kg/体重/日と設定しております。
 続きまして、水濁PECです。本剤の適用は麦等となっておりますので、非水田使用時の水濁PECを算出しております。第1段階で、麦への使用時40.7%水和剤で算出を行いまして、算出結果としましては、0.00000832 mg/Lとなっております。
 総合評価です。登録基準値は、先ほどのADIを元に、0.029 mg/Lを基準値の案としてお示ししております。こちらの値ですが、先ほどの水濁PECを超えていないことを確認いたしました。
 また、こちら、新規剤ですが、インポートトレランスの申請がございまして、厚生労働省での審議が既に終了しておりますので、こちら、参考として記載しております。
 説明は以上となります。

【白石委員長】 では、毒性の面からコメントをお願いします。

【佐藤臨時委員】 こちらの物質ですけれども、主に影響は、肝臓での肝細胞肥大が認められております。また、腎臓にも炎症が認められています。神経毒性、発がん性、催奇形性及び遺伝毒性は認められていません。この物質、幾つかの代謝物が出てくるのですけれども、M17という代謝物があります。M17の影響も、親化合物と同じように、肝臓に毒性、標的を持っています。また、次世代への影響が親化合物よりも強く認められています。植物体内運命試験等々では、M17のほうが親化合物より多く存在していることとか、次世代への影響が親化合物よりも強いということで、M17で得られた無毒性量を基準にADIが設定されています。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、基準値案につきまして、ご意見をお願いします。

【浅見臨時委員】 浅見ですけれども、よろしいでしょうか。今の毒性のご説明、ありがとうございました。確認ですけれども、こちらのADIは分解物、環境中でも可能性のある分解物を含めて、このADIとして評価しているという理解でよろしいでしょうか。

【佐藤臨時委員】 はい、そのようになります。

【浅見臨時委員】 何か、その辺のことは全然記述されてないので、例えば、水道のほうでモニタリングをするときには、食品の評価値をもう一回当てて、分解物も一緒にモニタリングして、比を取って足す、というようなことが必要かと思いますけれども、そのような理解でよろしいでしょうか。

【佐藤臨時委員】 質問はどちらに。

【白石委員長】 どちらでもよいですか、浅見先生。

【浅見臨時委員】 はい。水道の場合では、こういった値を見て、分解物も含めて評価する場合には一緒に測って、比を取って足します。全部足して1か、ということを確認するのですけれども、ここの評価書といいますか、この文案の中には、今のような分解物のお話が全然出ていなかったので、記載していただいたほうが分かり易いと思ったのですけれども。

【白石委員長】 M17は、環境中でも検出されるのですかね。

【内田専門委員】 極端に毒性が違わなければ、それも含めた評価になっているのではないですか、毒性試験が。

【白石委員長】 そうですね、毒性試験で、こちら、水濁PECが、第1段階なので、特に代謝物云々言わなくても、込みの試験で基準値を設定して、水濁PECは超えていないということでよろしいかと思いますけれども。

【上迫室長補佐】 ありがとうございます。白石先生のおっしゃるとおりでございまして、特に今回、水濁PEC第1段階ということですので、分解を考慮しておらず、全部がプロチオコナゾールのままといった仮定で計算をされておりますので、現実には一部分解はしていきますけれども、この値の中に収まるであろうと考えております。

【白石委員長】 評価書としては、分解物の毒性云々を特に書かなくても、これでいけると思いますが、今のご説明からすると、分解物を入れても、何かコメントしておいたほうがよろしいということですかね。

【浅見臨時委員】 特に環境中に出ないのであれば、食品の評価書のほうをやっていくことになると思いますが、先ほどのカルボスルファンの場合と比べると、全部そういうふうになっていればいいのになと思うところがあります。

【白石委員長】 そうですね。特に、今回はこのままでも評価書としては問題ないような気がしますが、よろしいですか。
 ほかに、ご意見ございますか。これは、水濁PECが基準値より小さいのですね。
 特にご意見がないようでしたら、総合評価をご確認いただいて、登録基準値が0.029 mg/L、水濁PECは基準値を超えていないということで、ご了解いただいたということにさせていただきたいと思います。
 では、これは事務局案どおりでお願いします。
 続きまして、事務局より、本件に関する今後の予定について説明をお願いします。

【野口主査】 本日、ご了解いただきました農薬の登録基準につきましては、行政手続法の規定に基づき、今後、パブリックコメントを1カ月ほど実施します。その結果、もし何か修正等を求める意見が寄せられた場合につきましては、委員長に再度農薬小委員会にご審議いただくかどうかご相談をして、ご判断いただくこととしたいと思います。再審議の必要がない場合には、部会長、同じく白石先生の同意を得て、中央環境審議会会長に部会決定として報告を行い、さらに会長の同意を得られれば中央環境審議会決定として環境大臣に答申いただくことになります。そして答申後、基準値を告示させていただきます。
 なお、本日、ご審議いただきましたカルボスルファン、ベンフラカルブの水濁基準につきましては、ご審議の結果を踏まえまして、河川水中のカルボフランの濃度のモニタリング調査を実施し、その結果を踏まえて、改めてご審議いただきたいと思います。
 今後の予定については以上となります。

【白石委員長】 では、今後の予定につきまして、何かご質問はございますか。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、議事の(3)、「その他」について審議を始めます。
 案件は3件で、事務局より説明をお願いします。

【秋山係長】 それでは、資料7をご覧ください。
 農薬登録基準設定を不要とする農薬についてということで、セダキサンについてご審議願います。今回は、水産、水濁両方について、農薬登録基準設定不要農薬としてご審議いただければと思います。
 まず、セダキサンについては、新規の有効成分として登録申請がされておりまして、作用機構は、評価書に記載のとおりとなっております。本邦では未登録でありまして、製剤は水和剤が、適用農作物等はてんさいとして、登録申請されております。
 使用方法については、乾燥種子に対する塗沫処理となっております。こちら、添付させていただいております参考資料に従いまして、使用方法が種子粉衣であるため、基準値設定不要と整理できるところですが、必ずしも環境中に流出するおそれがないとは言い切れないことから、水産検討会におけるご指摘を受けまして、単位面積当たりのてんさい種子の播種量から、セダキサンの散布量を算出しております。
 算出方法については、使用方法の概要に従いまして、単位面積当たりの播種流出を10万粒/haとして算出したところです。その結果、単位面積当たりの有効成分投下量は約0.5 mL/haとなっておりました。このため、環境中に流出する量は極めて少なく、基準値を設定する必要はない農薬として整理したいと考えております。
 また、参考までに、毒性についても文献データを調査しまして、魚類、甲殻類、藻類等で最も毒性値が低い値となっている魚類におきましては、LC50が620μg/Lとなっております。
 PECも事務局で簡単に試算しましたが、1.9×10-7μg/Lと非常に低い値となっておりましたので、毒性の観点からも、問題はないと考えております。
 なお今後、水系に流出するおそれのある使用方法に登録変更申請がなされた場合におきましては、基準値設定の必要性について再度検討したいと考えております。
 2ページ目から3ページ目にかけては、参考情報として物質の概要と各種物性のデータを記載しております。
 なお、先ほどのプロチオコナゾールのご審議を踏まえまして、評価書に記載してあるような放射性純度や、こちらの※印の記載については削除したいと考えております。
 説明は以上になります。

【白石委員長】 では、ご意見をお願いします。よろしいでしょうか。

【内田専門委員】 この物化性のところで、FRACとか、また参照とか、あるいは、その放射性純度とか、データに書かれているのですよね。

【白石委員長】 はい、そこは削除すると説明がありました。

【内田専門委員】 お願いします。

【白石委員長】 では、ご意見ないようですので、今、修正を加えた上で、これは事務局案どおりとさせていただきます。
 次をお願いします。

【野口主査】 続きまして、資料8をご覧ください。
 本件は、令和2年9月3日に開催した前回の第77回農薬小委員会でご審議いただきました水質汚濁に係る農薬登録基準値案についてのご意見を募集した結果となっております。
 これらの判断についてご意見を募集いたしましたが、今回、ご意見はございませんでした。当該基準値を定める環境省告示につきましては、今後、省内の手続をいたしまして、パブリックコメントの意見募集結果について、併せて、告示日と同日付で環境省のホームページや電子政府の窓口で公開することといたします。
 ご説明は以上となります。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 これは、ご意見、ご質問はございませんね。ありますでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 では、次の案件をお願いします。

【秋山係長】 それでは、資料9をご覧ください。
 ゴルフ場で使用される農薬に係る平成31年度水質調査結果についてということで、ご報告させていただきます。
 こちら、毎年実施しているゴルフ場における水質調査の結果となります。
 初めに、本調査の背景について、基本的に例年と同じですが、平成2年に、ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針を環境省で定めておりまして、その後、平成29年に、この平成2年の指針に水産指針値を追加した形で、「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止及び水域の生活環境動植物の被害防止に係る指導指針」を策定したところです。その後、農薬取締法の改正に伴いまして、令和2年3月に、「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止及び水域の生活環境動植物の被害防止に係る指導指針」を策定いたしました。
 各都道府県等におきましては、本指導指針に基づきまして、ゴルフ場で使用される農薬について調査、指導が行われてきたところです。
 別表1として、こちら、各都道府県別の水質調査結果について添付させていただいております。昨年度、水濁指針値を超過した検体数はゼロでしたが、水産指針値を超過した農薬は計8検体ございます。
 なお、本件についてですが、事前にお送りした資料ですと、東京都の調査対象農薬数が86、京都府の調査対象農薬数が123と記載されていたかと思いますが、正しくは、東京都で85、そして、京都府で127となりますので、訂正させていただきます。大変失礼いたしました。
 その次に、別表2としまして、農薬別の水質調査結果を掲載しております。先ほど、水産指針値を超過した農薬は計8検体ということで説明させていただきましたが、この内訳について、指針値を超過した農薬は、まず、34段に、オキシン銅又は有機銅で1検体、そして、85段のダイアジノンで2検体、そして、132段のピロキサスルホンで計5検体となっております。
 表のページに戻りまして、2に、先ほど説明させていただいた調査結果の概要を記載しております。
 なお、これらの情報につきましては、農薬小委員会の了承が得られ次第、プレスリリースさせていただく予定となっております。
 3の調査結果を踏まえた対応について、今回、先ほど申し上げましたとおり、水産指針値を超過した事例が見つかりました。また、分析におきまして、定量下限値が指針値を上回っていたために、指針値超過の有無が不明な事例になりました。そのため、全ての都道府県に対し、ゴルフ場関係者への指導指針の周知を改めて行いまして、農薬の使用に関して、一層の注意を促すとともに、分析においては、定量下限値に十分注意するよう求めることとしたいと思います。
 説明は以上になります。

【白石委員長】 では、ただいまの説明について、ご質問などはありませんか。

【内田専門委員】 よろしいですか、内田ですけど。調査対象のゴルフ場が、昨年から130以上増えていますが、都道府県によっては増えたところがあったり、逆に減ったところもあります。農薬使用計画届というのが環境大臣にも提出されていると思うのですけれども、それとの比較で、10%にも満たないところが去年は結構あったのですが、今年はそれがなくなったとか、いろいろ分析すると面白い内容になっています。改善されているところもあるし、指導とその効果という意味で、環境省からのコメントがあると思って期待していたのです。何かありますか。

【白石委員長】 では事務局、回答をお願いします。

【髙松室長補佐】 内田委員からご指摘ありましたけれども、ゴルフ場で使用する農薬の計画書については、これまで、農林水産省に提出されていたところが、平成31年度分より、農林水産省に加えて環境省にも提出されることになりました。今回、そういった改正を受けまして、その使用計画を提出したゴルフ場数と、平成31年度の調査を実施したゴルフ場数の比較はしております。47都道府県でみますと、ゴルフ場使用計画を提出したゴルフ場のうち7割以上のゴルフ場について、ゴルフ場の水質調査報告が提出されているということで、提出率については、かなりよいと感じているところです。

【内田専門委員】 ありがとうございます。去年、何か指導するということを入れていただいて、その結果、非常に改善されたところも多いと思います。
 あと、もう1点、今年、5号省令というか、ゴルフ場での流出防止に関して措置をするというふうな条文が加わりましたよね。だから、これに従って、今後、超過したところには、より一層のご指導等あってもよいと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

【白石委員長】 事務局、お願いします。

【髙松室長補佐】 内田委員からご指摘がありましたけれども、平成30年度の農薬取締法の改正に合わせまして、使用基準省令を変更しておりまして、ゴルフ場で使用される農薬についても適切に管理するようにというふうな文言が追加されたところではありますが、こちら、義務ではなくて、遵守するように努めるというふうな形での記載ぶりになっているので、この改正に基づいて、今まで以上に強制力を持った指導ができるというふうには考えていないところです。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 内田委員、よろしいでしょうか。

【内田専門委員】 超過が増えていくようであれば、また考えていただいたらよいと思います。分かりました。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 では、ほかについてはいかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 では、本日の審議はこれで一通り終了しましたので、その他、本日の審議全体につきまして、何かご意見、ご質問はございませんか。
 ウェブ会議の状態はいかがでしたか。何かエコーが起こったのですけど、スピーカーとマイクの関係で、環境省のほうの問題ではないかと思いましたが、こちらも何か問題があったようで、すみませんでした。

【内田専門委員】 1点、よろしいですか。ウェブ会議ですけど、やはり心理的安全性という意味で、発言するときに少しプレッシャーがあったりするとの専門の方々の意見もあるのです。3密を避けるという意味で、全員参加はなかなか難しいとは思いますけれども、例えば、専門委員に限って会場に来て参加するとか、そういうやりくりでうまく、一部の人でも顔を合わせるような形を取れないかと思うのです。その辺、皆さん方はいかが考えておられるのですか。

【白石委員長】 皆さん、いかがですか。時々なら会場に来てもよいという気がしますけど。これからずっとこうなるのですか。環境省は、何か分かりますか。
 コロナの状況がどうなるかは、ちょっと分かりませんけれども、たまには顔を合わせてもよい、ということですかね。

【羽石室長】 羽石でございます。私も、実は着任してから、まだ先生方のお顔を見てもいないということで、対面会議でぜひやりたいなと思っているのですけれども、皆さんもご承知のとおり、コロナウイルスの状況も一進一退でございまして、環境省全体の方針としましては、可能なものはウェブ開催という方針でございますので、当面はこのような形でと考えておりますが、状況の改善を見まして、今、白石先生の提案にもありましたように節目には対面会議にするとか、いろいろな選択肢を含めて考えていきたいと考えております。

【白石委員長】 ありがとうございます。ウェブ会議にも大分慣れてきたけど、飽きてきた頃でもないかなと思いました。
 ほかにご意見等ございますか。

(発言なし)

【白石委員長】 特段、ご意見がなければ、事務局に進行をお返しします。

【羽石室長】 白石委員、どうもありがとうございました。
 委員の先生方におかれましては、ご審議をありがとうございました。
 本日の議論におきましては、特に水濁基準の設定に係るカルボスルファンとベンフラカルブ、及びその分解物のカルボフランの扱いにつきまして、慎重な対応が必要ということで、本日、決定いただきました方針に従いまして、1シーズン、河川の水質のモニタリングを行いまして、その後、改めて基準値設定の審議をお願いできればと考えております。
 また、その他の議題につきましても、頂きましたご指摘を踏まえまして早急に対応し、必要に応じて委員の皆様にご相談させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日は熱心にご議論いただきまして、ありがとうございました。
 次回の農薬小委員会ですけれども、来年1月8日、金曜日を予定しております。また、近くになりましたらご案内を差し上げますので、ご出席いただきますようにお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして、第78回土壌農薬部会農薬小委員会を終了いたします。本日は、ありがとうございました。