中央環境審議会水環境部会 水生生物保全小委員会(第4回)議事録

日時

平成16年7月28日開催

場所

環境省環境管理局水環境部企画課

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    (1) 前回の議事録(案)について
    (2) 水生生物保全小委員会報告について
    (3) その他
  3. 閉会

配布資料

資料1  中央環境審議会水環境部会水生生物保全小委員会委員名簿
資料2  中央環境審議会水環境部会水生生物保全小委員会(第3回)議事録(案)
資料3  論点整理を踏まえた小委員会報告に盛り込むべき内容について
参考資料1  水生生物の保全に係る水質環境基準の設定について(答申) (委員限り)
参考資料2  中央環境審議会水環境部会(第9回)議事録
参考資料3  中央環境審議会水環境部会(第9回)資料4
   「水生生物の保全に係る水質環境基準を巡る主な論点等」
参考資料4  水生生物保全小委員会(第1回)資料5
   「環境基準類型指定及び環境管理施策の現行制度について」
参考資料5  水生生物保全小委員会(第2回)資料6
   「諸外国の亜鉛に係る排水規制の概要」
参考資料6  水生生物保全小委員会(第3回)資料7
   「現行の環境基準の適用の考え方について」
 

議事録

午前10時00分開会

○谷企画課長 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから「第4回中央環境審議会水環境部会水生生物保全小委員会」を開会いたします。本日は、委員総数15名中12名の出席が予定されておりまして、12名全員の御出席をいただいておりますので、既に小委員会開会の定足数8名を満たしております。
議事に先立ちまして、7月1日付で事務局に異動がございましたので御報告いたします。まず、水環境部長が前任の吉田から甲村に変わりました。

○甲村水環境部長 甲村でございます。よろしくお願いいたします。私、以前国交省におりまして、今回の人事異動で環境省にまいりました。国交省でも水関係を主にいたしておりましたので、これからもよろしくお願いします。

○谷企画課長 私、水環境部企画課長の谷でございます。よろしくお願いいたします。こちらが水環境管理課長の太田でございます。

○太田水環境管理課長 太田でございます。よろしくお願いいたします。

○谷企画課長 それでは、部長の甲村から改めて御挨拶を申し上げます。

○甲村水環境部長 おはようございます。本日は御多忙の中、村岡委員長はじめ委員の皆様方には本小委員会に御出席を賜り誠にありがとうございます。また、日ごろから水環境保全行政の推進につきまして格別の御指導をいただき、御礼申し上げます。
 この小委員会は、水生生物保全環境基準にかかわる重要事項を審議する場として今回で4回目の開催となるわけでございます。最初の1、2回では幅広くフリーディスカッションをいただき、これを踏まえて前回の3回目では論点を整理すべく御審議いただいております。議事録等を読ませていただきますと、この3回の審議で小委員会報告に盛り込むべき内容についても絞り込まれてきたのではないかというふうに考えております。本日は、これまでの3回の御審議を踏まえ、結論に向けた御審議をいただければと思っております。よろしくお願い申し上げます。

○谷企画課長 続きまして、お手元の配付資料について御確認いただきたいと思います。議事次第に記入してございます3つの資料及び6つの参考資料をお配りしております。不足等ございましたら随時事務局までお申し付けくださいませ。
 それでは、これ以降会議の進行は、議事運営規則に従いまして村岡委員長にお願いをしたします。よろしくお願いいたします。

○村岡委員長 皆さんおはようございます。
 委員の先生方にはお忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。それでは、ただいまから第4回の小委員会議事に入らせていただきます。
 まず、委員の異動がございましたので御報告申し上げます。7日8日付で満岡三佶委員にかわりまして篠原善之委員が水環境部会の臨時委員として就任されました。篠原委員には前任の満岡委員に引き続きまして本小委員会の審議をいただくため、議事運営規則に基づきまして部会長の私から小委員会の委員として指名させていただきました。

○篠原委員 篠原でございます。よろしくお願いします。

○村岡委員長 4回目からの参加ですけれども、ひとつ審議のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、次に議事次第に移りまして、きょうは先ほど部長の御挨拶にもありました「水生生物保全小委員会の報告について」が主な議題でございますので、よろしく御審議のほどお願いいたします。
 議題1は、前回の議事録(案)についてでございます。資料2にその案が配られておりますが、この資料は委員の先生方に御確認いただいた後、事務局で修正いたしまして、再度各委員の先生方に送付されている資料でございますので、この場で前回議事録としたいと思います。よろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)

○村岡委員長 ありがとうございます。それでは、この議事録を前回の議事録といたしますので、事務局におかれましては公開の手続きをお進めいただきますよう、お願いいたします。
 議題2でございますが、水生生物保全小委員会報告について、資料3が準備されております。これまで3回の小委員会を開きまして、大変活発な有意義な議論ができたと思いますが、本日はこの小委員会の審議の取りまとめに向けまして、報告に盛り込むべき事項について議論をしたいと思います。そこで、これまでの論点を整理いたしまして、本小委員会報告に盛り込むべきと考えられる論点について事務局で整理していただきましたので、この資料に沿いまして御説明いただきたいと思います。

○松田補佐 それでは、事務局から資料の3について御説明させていただきたいと思います。
 まず、私が全般を御説明しまして、それから論点の1と2については松田より、それから3については熊谷の方から御説明させていただきたいと思います。
 論点整理を踏まえた小委員会報告に盛り込むべき内容ということで、この資料の構成としましては、それぞれ論点と、その下に「答申における整理」という記載がございます。この部分までは、前回の第3回の論点整理の資料と同様でございます。前回論点整理ということで大体絞り込まれたということで、その論点に沿って一番下に小委員会の整理(案)とありますが、このような形で整理させていただいたということでございます。
 それでは、最初の1番目から御説明させていただきます。まずフィールド調査の扱いであります。論点1としまして前回御議論いただいたのですが、現時点においてフィールド調査をどのように取り扱うべきか。また、今後どのように対応すべきか。フィールド調査の適応の可能性及び限界、フィールド調査の活用に向けた必要な取り組みと、そういった論点があろうということでございました。
 これまでの答申、環境基準の設定を行うということで答申いただいた中での整理でございますが、改めて簡単に御紹介いたしますと、一般的に人間活動による生物への影響としてフィールドで観察されるものは、多様な要因が同時に関与するということで、1つの物質、例えば亜鉛などによって生態系への影響の程度を定量的に分離・特定することは困難であるという整理がなされております。そういうこともあるのですが、環境省はほかの機関の協力を得て、今後とも水環境中の汚染物質の水生生物への影響に関する科学的情報、この科学的情報といいますのは、実環境中における汚染物質の化学形態や他物質の共存の状況等による毒性変化及び水生生物の生息状況を含むといった内容ですが、その集積を図って今後の調査・審議に有効に活用されるよう努める必要があると、そういう整理がなされておりました。
 それで、現時点でフィールド調査についてどのような意義付けができるかということでありますが、これまでの意見としましては、改めて簡単に申し上げますと、今後のいろいろな施策の効果を把握するといった観点から検討できないか、あるいはやはり定量的な評価は難しいということなので、参考資料としての位置づけが適当ではないか。さらに、感度や精度が悪いと、要因の抽出は困難であろうという御意見。そうは言ってもフィールド調査は重要ですので、そういうフィールド調査の裏付けをしつつ、環境基準は毒性データで考えていくことが現実的であるというような御意見。それから、基準の検討には実験データとともにフィールド調査が必要だという御意見がございました。また、そういうこともあるのでさらなる調査の実施、さらには調査の内容とか手法の充実が必要であろうという御意見がございました。
 こういった御意見を踏まえまして、この小委員会の整理(案)を作成いたしました。これを御説明いたしますと、1つ目でございますが、フィールド調査研究のデータについては、直ちに環境基準の設定や見直し等に活用することは困難であると。ただ、困難であるものの、水生生物の水質目標の設定等をより適切で合理的なものとするためにさらなる充実が重要であるということであります。
 それから、フィールド調査研究を含め、水環境中の汚染物質の水生生物への影響に関して必要な調査研究を継続的に実施し、集積された情報、その情報の解析結果、国内外の動向を踏まえて、今後の環境基準の設定・見直しあるいは類型あてはめの指定・見直し等を行うべきだということで、こういった整理(案)といたしております。
 それから、第3回のときにフィールド調査の環境省の調査結果をもう少し解析等はできないかというようなことで御意見がありましたが、残念ながら今回まだ解析中ということでして、提出が間に合いませんでした。その調査データについては、今さらに整理中ということでございますので、次回には提出できるのではないかと考えております。論点1につきましては以上でございます。
 論点2は、環境基準の適用及び類型あてはめの考え方でございます。論点2-1としまして、既存の生活環境項目の類型との整合をどのように図るべきかというもので、括弧にございますが、特に河川のD・E類型にように水産を目的としていない類型があてはめられている水域での水生生物の保全に係る環境基準の適用のあり方についてということでございます。
 ところで、委員の皆様の机上のみですが、参考として、資料の一番最後に現行の環境基準の告示をお配りしてございますので、適宜御覧いただければと思います。ここで個別の基準の表がございます。
 さて、答申における整理でございますが、類型のあてはめは、水産を利水目的としている水域のみならず、水生生物の保全を図る必要がある水域のすべてにつき行うものである。当該化学物質による水質汚濁が著しく進行しているか、または進行するおそれがある水域を優先することが望ましい。そして、水生生物が全く生息しないことが確認される水域及び水生生物の生息に必要な流量、水深等が確保されない水域については、その要因を検討することが重要であり、一義的に類型指定を検討する必要はない。当該要因の解決等により、水生生物の生息が可能となった場合には、類型あてはめを行うことが必要と、そういう整理になってございます。
 この論点につきましては、あてはめのもう少し具体像といいますか、そういったところがわからないかというような趣旨であったかと思います。そういったことも踏まえまして、小委員会の整理(案)としましては、既存の生活環境項目の類型あてはめの内容を最大限活用すべきということであります。実際にこういった意見が3回まで出てきていたということであります。
 また、具体的に議論があったのは、この「例えば」以降にございますが、既存の生活環境項目で水産を利水目的としない類型があてはめられている水域についてでございます。こういった水域については、水生生物の生息の確保が難しい水質汚濁の状況になっている場合も想定されると。その意味では、あてはめの優先度は低くなると考えられるということであります。
 若干補足しますと、答申における整理では、水生生物の生息に必要な流量、水深等が確保されない水域は、一方の原則が水生生物の保全を図る必要がある水域ということですので、水生生物が存在しないあるいはできない水域というのは一義的には類型指定を検討する必要はないということでございます。
 それを踏まえますと、例えばDとかEとか、水質汚濁が一般的には悪い状況になる、そういった水域では水生生物の生息の確保が難しい状況も想定されると。そういった場合には、亜鉛によってそういう水生生物の生息が難しくなっているという状況ではなく、CODやDO等の要因を考えると生物が生息しがたいと、そういった状況にあるということであれば、そういった状況も回復させつつ、その取り組みの中で、この水生生物基準についても考えていくということになるのではないか。そういう意味で最初からあてはめとならず、あてはめの順番としては優先度としては低くなる場合もあるのではないか、そういう趣旨でございます。
 実際に全国で現在のCODなどの水域類型で見ますと、大体3,000ぐらいの水域が指定されております。恐らくこの区分は異なってくるのですけれども、これから具体的にあてはめとなりますと、こういった非常に多くの水域を指定していくということになりますので、すぐに一律で一斉に指定ということはできないだろうと思います。順次、数年かけてやっていくようなイメージになるのではないかと考えております。そういった中で、あてはめの順番というようなことも当然出てこようと、そういった趣旨でございます。
 そういったことでございますが、3番目で「ただし」とございますが、そのような類型のあてはめが水生生物の保全を図る必要がないことを意味するものではないと。多少わかりにくいかもしれませんが、水産を利水目的としないということはイコール水生生物の保全を図る必要がないと、そういう意味ではないということでありますので、仮にそういう区分であったとしても水生生物の生息状況や水質汚濁の状況、こういったことを確認するとか、あるいは将来の利用目的など、そういったところを踏まえた上で水生生物の保全を図る必要がある水域であると判断される場合には、水域類型のあてはめを行う必要は当然あろうと、そういうことでございます。
 続きまして、論点2―2でございます。こちらも、論点2の2つ目ということで環境基準の運用に関することでございます。自然起因により環境基準値を超過する場合の類型あてはめの取り扱いについてはどのように考えるべきかと。意見としても、水生生物基準というのは新しい考え方で決まるということで、この基準についてはどういうふうに考えるべきか、その位置付けを決めておく必要があろうと、そういう御意見がございました。
 答申における整理でございますが、自然的原因により公共用水域等において検出される可能性がある物質であって、当該水域において明らかに自然的原因により基準値を超えて検出されると判断される場合には、あてはめに当たって十分考慮する必要があるという答申になっております。
 ここで十分考慮するということでございますので、個別の水域の事情に応じて検討していくということになろうかと思います。ただし、なかなか「十分考慮する」という内容がわかりにくいということもあったかと思います。それで、小委員会の整理(案)でございますが、水域類型のあてはめに当たって、自然的原因が含まれる場合の取り扱いはこれまでの環境基準の運用に準じるべきであるということであります。
 すなわち、自然的原因が環境基準超過の原因とされる場合には、超過する項目の環境基準としての適用を除外する方法、あるいは自然的原因に加え人為起源の発生源も原因として考えられる場合には、その程度に応じて環境基準達成の評価に当たって自然的原因が含まれていることを配慮する方法などにより個々の水域ごとの事情に応じて運用することとすべきというものでございます。
 これは参考でございますが、参考資料6に前回の第3回の資料7を改めて付けさせていただいております。こちらにこれまでの取り扱いを整理させていただいております。改めて簡単に御紹介いたしますと、健康項目の場合でございますが、1.1に除外例とございます。健康項目の場合ですと、基本的には除外ということはしておりません。ただし、ふっ素、ほう素の場合、海域については適用しないと、そういう例もございますということであります。これは、海域、海水の影響を強く受けるということで評価対象から除外されているということであります。
 生活環境項目の場合につきましては、裏の2.2を御覧いただきますと、項目の適用に関して特別な運用がなされている例というものでございます。それが表2にございますが、これは国のあてはめの指定の水域のみ例に挙げてございますが、北上川水系の北上川ではpHを適用しないという区間がございます。筑後川ではSSを適用しないといいますか、別の基準を設けるということになっております。
 ただし、北上川におきましても設定当時どういった基準を適用すべきかというところが決められなかったという状況があったということで、別途検討すべきというような答申といいますか、告示ということになっておりまして、対策の実行可能性とかいろいろなことを考えて当時そのように適用しない例を設けたということでございます。都道府県の指定の例を見ましても、やはり多いのはpH、酸性が強いとかそういった例が幾つかございます。
 さらに、基準の項目自体では表1にございますが、現行では窒素、りんの基準の場合に、りんのみを適用する湖沼というのが幾つかございます。これについては植物プランクトンの著しい増殖を生ずるおそれがある場合ですけれども、その際に全窒素が要因となっていないと判断される場合には適用が除外されていると、そういう扱いになってございます。
 論点2までは以上でございます。続いて、論点3の方をお願いいたします。

○熊谷補佐 続けて、論点3の方に進ませていただきます。
 3、環境管理施策の基本的な考え方ということで、水生生物の保全に係る環境基準が設定された全亜鉛については、環境管理施策としてどのようなことが必要か。その際、諸外国における取り組みも参考にすべきではないかというような論点で前回からいろいろ御議論いただいているかと思います。
 環境基準の答申の時点において2つの整理がされております。今般の水生生物保全に係る環境基準の設定が我が国で初めてであることに鑑み、環境基準の設定に伴い今後推進されるべき施策を効果的なものとするため、小委員会を設け、環境管理等水生生物の保全に係る施策の重要事項について審議する必要があると、これのある一部分が環境管理施策の基本的な考え方ということになろうかと思います。
 2点目としまして、環境基準設定の結果、現況の公共用水域において環境基準の維持・達成を図るための措置が必要な場合には、水質汚濁防止法に基づく排水基準の設定等、汚染要因や対象項目の特性に応じたさまざまな環境基準の維持・達成に必要な環境管理施策を適切に講じていく必要があると。ここまでが環境基準設定当時の答申の中に盛り込まれた内容になっております。
 これまで御議論いただいた中で、いろいろ環境管理施策のあり方について御議論いただいておると思います。実際上問題になっている水域をどういうふうに考えていくか。また、これまで水質汚濁防止法に基づきまして行われてきました一律排水基準につきましては、原則全公共用水域を対象に全業種を対象とした一律の排水基準で最低限の規制を行っていくという、こういう基本的な考え方、こういうものは従来どおり尊重すべきではないかというような御議論もいただいているかと思います。
 前回、前々回からお示ししていますもので、今回の参考資料4になりますけれども、「環境基準類型指定及び環境管理施策の現行制度について」ということで、第1回目からお示ししています資料でございますけれども、この中の3ページ以降、水環境管理のための制度ということで、従来の環境基準と排水規制の関係がどういうふうに設定なり整理をされてきたか。特に5ページ目の2、水質汚濁防止法に基づく排水基準の設定についてということで、(1)健康項目に係る排水基準。また、(2)生活環境項目に係る排出基準ということで整理させていただいております。
 若干ここの内容、現行の制度を補足しながら説明させていただきますと、健康項目に関する環境基準と排水基準の設定、これは人の健康に直接被害を及ぼし得るものでのあると、そういうものについてのリスク低減をきちんとやっていかなきゃならないということで、排水基準の設定の考え方自体に直接的に環境基準の達成はある程度念頭においた設定の仕方ということで、既に委員からもいろいろ御発言ありましたけれども、よく言っています10倍則という環境基準の1けた上ぐらいの値に排水基準としてはしなければならないというような考え方で従来健康項目をやってきております。
 生活環境項目につきましては、個々の項目ごとに許容される最低限度のレベルというのは一体どこにあるのかということで基準の設定をしてまいりました。生活環境項目の排水基準の項目の中で一番中心となるものがBODやCOD、また窒素、りんといったような富栄養化の原因物質ですけれども、こういうものに対する設定の説明が多い関係で、従来、生活環境項目は生活排水並みというような説明の仕方をしてきております。これは、背景には生活雑排水の未処理放流を許容しているという日本全体の水管理行政のここに最低限排水規制としてもっていこうというところで、ある種、社会的な合意をこういうふうに解釈し直したということかと思います。
 これ以外の設定例としまして、例えば大腸菌群数につきましては塩素処理、塩素殺菌法を標準処理というふうに想定しまして、この処理で最低限確保し得るレベルを排水基準に決めようと。この場合は非常に社会的に実際の排水処理の中で安定的に使われている処理法を想定しまして、ここまでは排水基準として求めようという形で基準を設定している例があります。こういうふうに考えますと、生活環境項目全般を通して考えれば、技術の適応可能性であるとか、その他の排水に対する社会的な容認の限度といいましょうか、どこまで認めているか、そういう関係のものを総合的に勘案しまして排水基準のレベルを決めてきたということに整理できようかと思います。
 そういった今までの生活環境項目に対する排水規制の考え方全般を踏まえた上で、今回の小委員会の整理(案)とさせていただいております。今回の水生生物保全という考え方を生活環境の保全という範疇で考えていこうという環境基準の基本的な考え方、この延長線上に環境管理施策のあり方というのも置いて考えることができるのではないかという点。
 また、これにのっとれば、全業種対応の一律排水基準の全公共用水域対応ということを原則としますし、また全業種対応なり全公共用水域で最低限の規制をかけるという考え方にのっとれば、ここの中でシビルミニマムという言葉を使わせていただいています。これまでも環境省が排水基準の設定の考え方で使ってきている表現ですけれども、そういう最低限の基準として決めていくというのがこの環境管理施策の基本的な考え方ということになろうかというふうに考えております。
 以上を踏まえまして、小委員会の整理案としまして3点。1点目は、我が国がこれまで採用してきた水質汚濁防止法に基づく一律排水基準を尊重すべき。併せて適応が難しい業種については暫定排水基準を検討すべきということで、これまでも全業種が対応できるというところに排水基準の設定を求めておりますけれども、どうしても業種ごとに難しいところについては、今度は業種を切り出して、それに対して暫定基準を設定するというやり方をやってきております。こういう基準設定に対してのこれまでの構成をうまく活用しながら設定を考えていきたいということでいかがかと。このような御意見は既に御議論の中でもいただいているかと思います。
 2点目です。今回の水生生物の保全に係る全亜鉛の環境基準は生活環境項目として設定されており、排水規制を採用する場合においては、従来からの生活環境項目に関する排水規制の設定の考え方である、いわゆるシビルミニマムに基づき、適応可能性等を十分考慮した最低限の許容限度とすべきということで既に御説明させていただきましたけれども、各項目の特性なり排出実態、技術の適応可能性、そういうものを各項目ごとに考えて、それを何らかの形で置きかえた形で具体的な基準値を算出するというステップをBOD、COD、窒素、りんみたいなものでやっていますし、今御紹介しました大腸菌群数みたいなものも標準処理を想定して設定するというようなことをやっております。こういうことで亜鉛についてもこのような基本的な考え方で進めていくということでいかがかということが2点目になります。
 3点目は、既に委員からいろいろと御指摘なり御議論がありました諸外国における環境管理施策を参考にすべきということで、法体系なりいろいろな基本的な環境管理の考え方が違いますので基準値そのものをそのまま写し取ることは難しいかと思いますけれども、前々回になりますか、第2回小委員会でお示ししました参考資料5、これがここで言っています諸外国の例の参考になろうかと思います。ここで行われている各国でのいろんな規制の体系なり、どういう解釈で規制がなされているか、こういった部分も参考にしつつ今後の議論、審議を進めていくということで考えたいと思っております。
 以上、3、環境管理施策の基本的な考え方につきまして御説明させていただきました。

○村岡委員長 どうもありがとうございました。論点を3つに分けまして、2は2―1と2―2がございますけれども、これまでこの席で御議論いただきました内容につきまして整理をし、そして小委員会の整理として、案でありますけれども、四角でくくったような形で箇条書きとして整理していただいております。
 さて、このようにまとめまして、これを母体として小委員会報告に盛り込んでいこうということになろうかと思いますけれども、ただいまの御説明あるいは記述されている内容につきまして、何かお気づきの点等ございましたら御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。はい、どうぞ。

○安岡委員 前回、第3回でも議論しましたように、フィールド調査に関する議論についてはかなりの時間を費やしてきたと認識しております。いろいろと前回も教えていただきました。その結果として、フィールド調査については現時点では解析評価に十分活用できるものではないものの、この小委員会では前回までに見せていただいたように、いろいろなデータを提示していただいたことによって、具体的なデータを見て我々はかなり議論が前回も含めてできたような気がしています。
 また、今言ったように公開といいますか、議論ができるような場を設定していたことも含めて非常に重要で大きな意義があったというふうに考えています。したがいまして、小委員会の整理にございますように、フィールド調査研究のデータについてさらなる充実が重要だというのは十分理解するところなんですけれども、記録、いろいろな調査研究のデータ、これに関しては関係者が入手して検討及び議論に速やかに活用できるように公開していただくというのが非常に重要になってくると思います。この点を報告書にはぜひ書き加えていただけないかなというふうに考えます。

○村岡委員長 ありがとうございます。大変重要な御指摘ではあると思いますが、それに関連した御意見等ございますか。
 少なくともこういった公的な委員会等で議論した結果を非公開にするということはあり得ないと思います。だから、今後この整理の中に書かれておりますように、必要なフィールド調査等の資料が出てきて、それに対して適切な議論があって、そのまとめになるようなものについては当然公開されていくべき内容だと思います。
それをここにぜひ盛り込みたいという御意見でございますね。何かこの件について、ほかの委員、御意見ございますか。
(意見なし)
 そうしたら、ただいまの安岡委員の御発言内容につきましては、その方向で小委員会報告案を作成するよう、いたしたいと思います。

 他に何か御議論ございますか。はい、池田委員。

○池田委員 論点の2ですけれども、河川のD類型という話がありますけれども、この前類型あてはめの見直しをやったときに、例えば多摩川というのはDでした。ところが、非常に水質が良くなって、Bにしました。ひょっとするとAにもできるかもしれないというような議論があって、ややこの答申における整理というのが後追い的な書き方になっていて、もう少し前向きの考え方があってもいいかと思います。
 例えば、「流量とか水深等が確保されない水域については」というのがありますが、例えばこれが発電とかそういうことで流水がないような区間ができているというようなことであれば、これは改善の余地があるわけですから、原因をやはりはっきりさせて目標値として私は設定するような考え方があった方がいいかという気がします。この前には中川だったでしょうか、それが目標値として十分達成が今後できるということでかなり高い値を設定していただいたような気がします。
 そういう意味で、小委員会の整理の案としてはこういうことでよろしいかと思いますが、本来あるべき環境といいますか、そういうものが私はあってもいいと思います。ややこれまで後追い的なやり方をやってきましたので、もう少し前向きな考え方があった方がいいという気がします。以上です。

○村岡委員長 ありがとうございます。ただいまの御意見に関連しまして、何か他の委員の御意見ございますか。土屋委員どうぞ。

○土屋委員 まとめは私はこれでいいと思っていますが、質問ですけれども、今、池田委員が言われたように、多摩川が多分D類型だったと思います。それがB類型に見直しをされたというようなことで、全国的に見るとかなりD類型とかE類型は少なくなっているという気がします。
 今そのD類型とかE類型の指定状況というのはどれぐらいの割合になっているのかなというのが1つ質問でございます。

○村岡委員長 事務局として、今資料はお持ちでしょうか。

○松田補佐 ちょっと調べてみますので、しばらくお待ちいただけますか。

○村岡委員長 土屋委員、その1つですか。まだ他にございますか。

○土屋委員 もう1つあります。

○村岡委員長 それを先に聞いておきましょうか。

○土屋委員 もう1つも多分今資料がないかもしれませんですけれども、亜鉛について、以前説明を受けたと思いますが、全国的に見ると今度の環境基準を適用したとすると既存の調査結果からして基準をオーバーする割合はたしか2割ぐらいだったかと思いますが、その辺の実態がどうなっていますか。

○松田補佐 一つは確かにどのくらいの割合かは今分かりませんが、水質が改善傾向にあるというところはかなり出てきているとは思っております。亜鉛ですけれども、現時点のデータは、ご承知のところかと思いますが、定量下限値がちょっと高めにどうしても設定されたところが多いということで、完全に現在の基準ではどうなのかというところはわかりにくい部分があります。
 ただし、ひとつ仮定を置いて試算するということになるのですけれども、実測でいけば5%程度とか、イメージでいくとそんなような形になります。中には定量下限値が500μg/Lとかそういうものもありますので、例えば、定量下限以下の半分は超過しているという仮定を置くと、御指摘のとおりのような2割ぐらいの超過状況といいますか、そんなようなイメージにはなります。ここはなかなか明確な数字は難しいですが、今年から環境基準に決まったということで常時監視が始まっていますので今後データは出てきますが、今のところのデータでいきますとそのようなイメージで、1割切るかあるいは2割ぐらいいってしまうか、そんなところではないか。
 あとは生物の特Aとか、特別域になると、もう少し当然ながら高い超過割合になる可能性はあるということかと思います。今のは海域でして、淡水域も基本的には10%か20%弱ですか、そんなようなイメージになるのかなということであります。
今、国あてはめでのD類型を調べてみましたが、104水域あるうちのDが2つ、Eが0という状況であります。

○村岡委員長 それはこの10年前、15年前に比べて数が変化しているということですか。

○松田補佐 それはそうですね。先ほど多摩川というふうにおっしゃられましたけども、そういうふうに変化しているということで、この間の見直しで変わってきているとは思います。

○村岡委員長 土屋委員よろしいですか。

○土屋委員 はい。

○村岡委員長 何か関連して他にございますか。先ほど池田委員がおっしゃった水量とか水深とか、ああいうものについても積極的に目標値を設定するという意気込みがあってもいいのではないかという御意見でしたけれども、制度上はそういうことは可能なんですか。もちろんこの御発言の内容は大切だと思いますけれども、水量、水深はこうあるべきだというふうな制度上の設定方法というのはあるんですか。

○松田補佐 環境基準とかその辺の体系ですとどうしても水質という観点でしか考えてないというのがございますね、確かに現行では。

○村岡委員長 篠原委員どうぞ。

○篠原委員 今の質問等に関連しますが、例えばここで水産を利水目的としない類型にあてはめる水域ということで、水生生物の生息の確保は難しい水質汚濁の状況になっている場合という、こういう表現になっているんですけれども、若干抽象的な表現のようにも聞こえますし、どういう状況を想定されているのか、その辺をちょっと質問させていただきたいなと思います。

○村岡委員長 事務局の方でまず。

○松田補佐 現行の環境基準の項目で言えば、やはり一番わかりやすく端的に出るのは溶存酸素の量なんじゃないかと思います。ただ、先ほどもいろいろお話が出ましたけれども、現実にそのような年間通してかなりな期間低い溶存酸素が保たれるというか、そういう状態になってしまっている水域がどのぐらいあるのかというのは今把握しておりませんが、溶存酸素がずっと低ければやはり底生生物などがすめない環境だということは言えるということかと思います。

○村岡委員長 よろしいですか。池田委員どうぞ。

○池田委員 私が申し上げたのは、例えば流量とか水深が確保できないからということで、これは類型あてはめができないと最初からあきらめるのではなくて、もしそれが人為的な改善可能なものであれば改善してはいかがでしょうかということです。そうすれば類型あてはめもできるのではないかというような趣旨で申し上げたのですけれども、最初からあきらめるのではなくて、もしそういうことを調べられて原因がはっきりすれば、それに向けて努力されるのが筋ではないかなということです。

○村岡委員長 その関連の御意見ございますか。藤井委員どうぞ。

○藤井委員 今の池田委員の指摘は大変重要だと思います。琵琶湖に流入する河川の水生生物の観測をずっとして来る中で、下水道の普及と同時に水流の確保、水深の確保ができなくなっていく。それから、その中で農業の水利権をどういうふうに分けるかという、そういうところまで市民で入り込むんですが、全くそういうことができなくて、明らかに水量・水深の確保ができればここの水域は水生生物にとっては非常にいい環境だろうということで、例えば水量がないというところは地下水を24時間ポンプアップして流すとか、いろいろ実験をして水域をつくってみました。やはり年ごとに非常にいい環境になっていくので、ここの論点はぜひ池田委員おっしゃるように、もうちょっとポジティブに前に出すような形でどうにか触れられたらというふうに思います。

○村岡委員長 ありがとうございます。水生生物が生息できないというのは、一つはここの記述にありますように、水が汚くてすめないと。だけど、水がなければすめないということにもなりますから、その辺のことになろうかと思うんですね。また、水がたまっていて流量がないということも好ましくないときもあるということですから。
 そういったことで、この小委員会はそういう重要事項についてひとまず部会の方に報告するということが仕事ですから、今の御意見につきまして報告書の中にそれを指標化するあるいは基準化するということは制度的に不可能であっても、そういうところが非常に重要であるという内容は盛り込んでいくような形にしたいと思いますが、そういうことで御理解いただきたいと思います。
 他の点で何かございますか。大塚委員。

○大塚委員 論点3についてちょっとお伺いしておきたいと思います。多分非常に苦労しておまとめになったと思いますので私も尊重したいと思っていますが、1つ伺っておきたいのは、先ほどの御説明でかなり明解に伺いましたが、技術の適応可能性その他の社会的容認の限度を考えて総合的に勘案してということで、ここではシビルミニマムという言葉を使っておられるんですけれども、総合的な勘案というところが必ずしも明確に国民にわかるように何か考え方を打ち出しているところまではちょっといっていないのかなという感じもするわけでございます。
 先ほどもお話があったように、今までの例えば生活雑排水の未処理放水を許容しているので一般の家庭用水の水質と同程度というような考え方というのがあるわけで、そういうふうに説明ができる明解な考え方を、シビルミニマムというとかなりどうしても包括的な概念になってしまっていますので、ぜひ示していただけるとありがたいというふうに思っております。
 1つは、適応可能性等を十分考慮したということですので、技術的な適応可能性ということが当然入っているんだと思いますが、ここに書いてある諸外国の例だとBATというふうに、技術的にその最善のものを使った場合という考え方が示されているわけですけれども、それに比べると少し明確性の点で必ずしも明らかにはなっていないということになってしまうかと思いますので、もしできればもう少し考え方を明解に打ち出していただきたい。技術的な適応可能性ということでも最善のということでしたらよろしいかと思いますけれども、少しそこがあいまいになっているかなということが少し心配でございます。以上です。

○村岡委員長 福井委員どうぞ。

○福井委員 私も今の御意見に同じような考えなんですが、このシビルミニマムに基づきということと適応可能性等を十分考慮した最低限の許容限度とすると、非常にわかりにくい感じですね。それと、ほかの資料に現行の排水基準5mg/Lという数字が出ていましたが、そういうものとこれがどう関係があるのか、あるいはまた資料4に委員会の関連意見として、単純に環境基準の10倍値といった方法はとるべきではないということと、この辺の関係が一体どのようになるのかということがちょっとわかりにくいのですが、もう少しわかりやすい方がいいかと思います。
 それから、ちょっと先を急ぐようですが、この小委員会の報告として出て、今後どのようにこれが動いていくのか、その辺もし今言える範囲でおっしゃっていただければありがたい。これが今後排水基準を決める段階になっていくかと思いますが、実際にそのようになるのかどうか、その辺もお尋ねしたいと思います。以上でございます。

○村岡委員長 それでは、事務局でまずお答えください。

○熊谷補佐 海外の事例もありましてBAT(Best Available Technology)という考え方、そういうものを採用されているのは御紹介もしましたし、参考資料に出ているとおりかと思います。ただ、海外の例でああいうBATという言葉を使ってやるという考え方の裏には、基本的には各業種なり個々のアセスメントでその排水レベルを決めていく。例えばイギリスの例ですと、日本とは異なりまして排水に関しても免許制をとられていて、同じ業種の中でも極端なことを言いますと、規模が大きいところと小さいところでは排水基準が違うと。それに比べまして、今、私どもが想定していますのは全業種に対してということですから、亜鉛というものだけに注目してしまいますと、BATというものがあるような多分見方になってしまうかもしれませんけれども、共存物質がどういう状況にあるとかというふうに考えますと、全業種に対して多分Best Available Technologyというのは決め得ないのではないのかなというようなことを考えております。
 ということになりますと、ここで言うようにシビルミニマムという言葉、確かになかなかそれ以上の表現は難しいところありますけれども、現状の排水実態なり亜鉛の使い方を見ていて全業種を通してみてどの程度のところまで適応、実際的な経済的な面も含めまして下げ得るのか、この辺をシビルミニマムという意味で設定してくる。そういう検討を今後進めていくということにならざるを得ないのではないのかなというふうに考えます。
 業種を限定して排水の性質なりというものがわかれば、その性質に合わせて処理技術なり対応の方法というのは1対1で多分想定することはできると思いますけれども、全業種に対してこれがBest Available Technologyだという言い方というのは非常に難しくて、特に金属系のものですと金属だけ入っていて全然有機性の汚濁物質が入っていない場合と入っている場合では全く処理の工程なり考え方が変わってきますし、その辺を含んだ上で表現を考えた結果です。御指摘の意味は私どももわかりますので、それを踏まえた、なるべく具体性を持った表現はその他の委員の意見も御参考にさせていただきながら、次回までに考えたいと思います。
 それから、福井先生からいただきました今後どうするかということで、事務局だけの勝手な案ですけれども、今回、小委員会である程度の内容がまとまりましたら、もともと設置のスタート時点でありましたこの中で議論をいただいている部会に報告させていただくと。具体の数値に関しましては、今のように処理の技術のレベルであるとか排水の実態であるとか、そういった具体的なものを想定なり検討せざるを得ませんので、可能であれば専門委員会みたいなものをつくって、その中で具体的な数字の検討ということに移らせていただければありがたいなというふうに事務局としては考えております。

○村岡委員長 安岡委員、何か関連する意見でしたらお聞かせください。

○安岡委員 今おっしゃったシビルミニマムの考え方、これはベースの考えだと思います。今おっしゃったように全業種、事務局から案内がございました全業種に対して一律のテクノロジーというのは確かに難しい話になると思います。もう1つ考えなければならないのは、排水基準として考えたときに、物理的に排水濃度は時系列的に変動しますよね。時系列に変動することから、例えば具体的にここに何かの記述をするのであれば、排水規制として最大値の規制だとか平均値の規制だとか、いろんな規制のあり方が考えられると思うのです。これは時間的な変動を含めて考えていくということですが、報告書にその辺の考慮も必要だというのも具体的に触れる意味があるのではないかなと思います。

○村岡委員長 須藤委員、どうぞ。

○須藤委員 ただいまの安岡委員、それから熊谷補佐の御説明で内容的には私、今の内容でよろしいのではないかと思いますが、先ほど生活雑排水の水を対象にしたとおっしゃっておられるのだけれども、大塚先生もそうおっしゃっておられたのだけども、昭和45年ごろは雑排水という言葉もありませんでした。何の水で検討をやったかというと、下水道で簡易処理というのをやっていたのです。要するに沈殿放流です。沈殿放流した水のBODとCODが120mg/Lぐらいだとかというのでやったのです。
 それから、大腸菌は沈殿放流するときに塩素処理、要するに塩素消毒をやったと。それが3,000MPN/L以下であるということです。そのあと窒素、りんをやったときに困ったのは、やはり同じ考え方で窒素、りんをやってるんですよね。そういうことであったということで、若干誤認があるといけませんので、少しコメントしておきます。
 ですから、同じことをやるかどうかはこれから考えていただければいいんだけれども、要するに下水の簡易放流だというところの水質で、それがシビルミニマムになるのかどうか知りませんけれども、そういうことであったということなので、ここの段階で年平均にしなさいとか最高値にしなさいとか、あるいは年変動をこういうふうにして、例えば75%とりなさいとか、そういうことまで議論しない、それから技術もこうだというのではなくて考え方なので、私はやはり従来の生活環境項目に関する排出規制の設定の考え方に踏襲するとか、そういうことぐらいで、要するに健康項目ではないのだと。最高値規制でやるのではないということさえわかればとりあえず良いので、ここでどういう処理法がいいだとかというところまで論議してしまうと少し行き過ぎではないかなと、こういうふうに私は思っていますので、決して安岡委員あるいは熊谷補佐の説明が、内容はそれでよろしいんですけれども、そこまで書き込むことはないのではないでしょうかというのが私の意見です。

○村岡委員長 当初、この小委員会の役目としまして、今、須藤委員がおっしゃったように、具体的な技術的なあるいは専門的なことにつきましては従来から専門委員会でもんでもらうということになっておりますし、今回も多分水環境部会でこの報告の内容が議論された後、専門委員会を結成するという方法になると思います。その場で今須藤先生が言われたように、具体的な技術なり値なりを論議していくということになろうかと思います。
 それにしても、先ほど福井委員がおっしゃったように、4ページの四角のシビルミニマム云々の表現が非常にわかりにくいというふうに思いますね。ただ、ここに書かれていることが即報告書の文案になるわけでは決してございませんので、またその辺はいただきました御議論を踏まえまして、文章の方は多分私が見ると思いますので御意見を反映させていきたいと思いますので、その辺は御了承いただきたいと思います。大塚委員どうぞ。

○大塚委員 少し別の点でお伺いしておきますが、今、須藤先生がまさにおっしゃったように、今回、生活環境項目という考え方を踏襲してということになっていると思いまして、魚の健康とか水生生物の健康ということではないんだということで最終的にまとまっているわけですけれども、考え方として結局、水生生物の環境基準と、それから水生生物の排水基準は考え方としてはちょっと切れてしまうようなところも多分ありますので、生活環境項目自体がそういうところがないとは言えないので、それをまさに踏襲したということになるのかもしれませんが、しかし水生生物が実際にはどんどんそれが死んでいってしまうような排水基準にしていてはいけないという問題も多分ないわけではないので、そこが生活環境項目だから今回の水生生物についても生活環境項目だから同じような考えをとったというのは、それはそれでいいんですけれども、その理由をリスクベースというよりはテクノロジーベースあるいはテクノロジーベースでもシビルミニマムということなんですけれども、とったという理由づけが恐らく求められるんじゃないかというふうに思いますので、そこを何らかの形で書いていただけると大変ありがたいと思います。
 基本的にどういう考え方をとるかということは、環境基準はともかく排水基準とかについては、今度の行政的な訴訟法の改正もあって、ひょっとすると確認訴訟かなんかで訴訟になることも全くないわけではないわけですので、今までよりも国民に対して明解な説明が求められているということではないかと思っておりますので、ぜひその点よろしくお願いいたしたいと思いします。

○村岡委員長 ありがとうございました。鈴木委員。

○鈴木委員 今まで諸先生の御指摘がありましたので特にありませんけれども、自然原因による汚染については類型あてはめについても、あるいは管理施策をやるときもかなりややこしい問題を含んでいて実際に適応するときにはどうするかというのか議論になり得ると思います。
 例えば鉱床地帯あるいは温泉地帯のような自然汚染だけで全く生物がいないところとか、自然汚染なんだけれども、生物が十分に生息しているところだとか、そういうのをどういう考え方でやっていくのかというような類型あてはめ上の問題もあると思います。また、管理施策との関係でいうと、自然汚染があって鉱山を稼行して人為的なものが付加されているものについては、現行の鉱山保安法ですでに相当の努力をしているわけですが、それには技術的な限界もある。その辺も含めてぜひ自然汚染に対する判断基準等について専門委員会で議論していただくということが必要ではないかというふうに思います。

○村岡委員長 ありがとうございました。ほかに、あるいはただいまいただきました大塚委員あるいは鈴木委員の御意見に関連した御意見ありましたら。ございませんでしょうか。何か事務局ございますか。

○熊谷補佐 若干、大塚先生の御意見にコメントさせていただければと思いますけれども、これは単純に一律排水環境基準と環境基準の関係だけで整理してしまいましたので、全体的な環境基準達成の部分が記述として抜けている部分は御指摘のとおりかと思います。その辺はちょっと最終案で考えたいと思います。
 現行の生活環境項目についても、多くの場合上乗せ規制で実態的に環境基準を達成していくという体制になっているということはよく御存知だと思います。亜鉛を生活環境項目と整理した関係で、具体的な環境基準の達成についてはある程度、類型あてはめ、それに従った環境基準の達成・非達成の状況、それに合わせた排水規制なりその他のいろいろな対策、こういうものの全体像の中で環境基準の達成を確保していくという体系であるということを前提で今回御議論いただいているというふうに私どもは認識しておりますので、その辺はわかる形で最終案を考えたいと思います。

○村岡委員長 ほかに何か御議論ございますか。どうぞ。

○池田委員 今の自然起因に関して、先ほど御説明があったのですが、北上川がpHの除外になっていたと思いますが、筑後川はSSですけれども、あれはおそらく潮汐の関係とか非常に細かい粒子のものが多いので巻き上げて自然に上がってくるので適応除外というのはよく分かるのですが、北上川もやはり自然要因なのでしょうか。ここは多分基準をちゃんと設けておかないといけないかと思うのですが、ひょっとすると松尾鉱山が影響を与えているのかなという気もするのですけれども、このあたりはどういう基準で自然要因というふうにしたのでしょうか。ちょっと教えていただければと思いますけれども。

○村岡委員長 大分古いことで。

○池田委員 いや、多分考え方が大事だと思うので。

○松田補佐 経緯として全くの自然的な原因だけではないと思います。松尾鉱山とかそういうのが上流にあって、当時pHが非常に低いという状況をどういうふうに改善するかというのが議論されていて、なかなかどうするか結論が出ないような状況だったかと思います。そういう意味で、いろいろ自然と人為が加わっていたというような状況で、そういった中でpH対応については別途考えましょうということで環境基準としては適用は除外するというような経緯であったろうと思います。

○村岡委員長 池田委員には今回の議論の直接的な課題ではないということで、課題ではあるのですけれども、御理解いただきまして、今の問題はまた次の委員会にその辺のあたりのことを整理していただいて。ただ、決めた基準を何らかの対策をやって除外を外すという方法も必要なわけです。そういったことがどういうふうな努力をされていくのかということも含めまして、またまとめていただきたいと思いますが。そんなことで池田委員、お許しいただけますか。

○池田委員 はい。

○村岡委員長 それでは、大体報告書に盛り込むべき事項も御議論の結果、固まってきたように思います。資料3がその母体ではありますけれども、きょういただきました貴重な御意見をもとにこれを報告書文案という形で作成いたしまして次の委員会にかけるということにしたいと思いますが、この報告書文案につきましては委員長であります私に作成を御一任いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)

○村岡委員長 ありがとうございます。その文案をつくりまして、皆様方委員のところに見ていただくという手続きを踏まえ、さらに皆様方の御意見を集めて次回の委員会に報告書案をひとつまとめた形でお示しして議論をいただくということにしたいと思います。
 議題としましてはその他がございますけれども、何かございますか。どうぞ。

○松田補佐 それでは、事務局から次回のスケジュールでございますが、この場では調整というよりかは終わってから具体的な日程は調整ということでできるかと思います。ただ、方針としては、この次の小委員会でおおむね文書になった報告案という形で検討いただくと、そういう形になろうかと考えております。

○村岡委員長 わかりました。今の御説明のように、次の日程は今後調整していくということでありますので、またその辺は委員の方々に御協力いただきたいと思います。
 実質討議というのは今日が最後になるかもわかりませんが、大変貴重な御意見をたくさんいただきました。討議のしがいのある小委員会であったかなというふうに思いますけれども、うまくまた報告書案をまとめまして次の機会にまた見ていただくということで、とりあえず本日の議事はこれで終了させていただきたいと思います。本当にどうもありがとうございました。

午前11時16分 閉会

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