中央環境審議会水環境部会 水生生物保全小委員会(第3回)議事録

日時

平成16年5月21日開催

場所

環境省環境管理局水環境部企画課

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    (1) 前回の議事録(案)について
    (2) 水生生物保全小委員会の論点整理について
    (3) その他
  3. 閉会

配布資料

資料1  中央環境審議会水環境部会水生生物保全小委員会名簿
資料2  中央環境審議会水環境部会水生生物保全小委員会(第2回)議事録(案)
資料3-1  水生生物と亜鉛濃度等の関係(国土交通省調査結果)
資料3-2  水生生物と亜鉛濃度等の関係(環境省調査結果)
資料4  水生生物保全小委員会の論点整理
資料5  水生生物の保全に係る環境基準の類型あてはめの対象水域の選定の考え方について
資料6  類型あてはめに当たって把握すべき情報の例について
資料7  現行の環境基準の適用の考え方について
参考資料1  水生生物の保全に係る水質環境基準の設定について(答申)(委員限り)
参考資料2  中央環境審議会水環境部会(第9回)議事録 (委員限り)
参考資料3  中央環境審議会水環境部会(第9回)資料4
 「水生生物の保全に係る水質環境基準を巡る主な論点等」
参考資料4  水生生物保全小委員会(第1回)資料5
 「環境基準類型指定及び環境管理施策の現行制度について」
参考資料5  水生生物小委員会(第2回)資料6
 「諸外国の亜鉛に係る排水規制の概要」
   

議事録

午前10時00分開会

○柏木企画課長 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから「第3回中央環境審議会水環境部会水生生物保全小委員会」を開会いたします。本日は、委員総数15名中12名の御出席が予定されており、12名全員御出席をいただいているところでありますので、定足数であります8名を満たしている状況にございます。続きましてお手元の配付資料について御確認いただきたいと思います。資料の一番頭に議事次第がございますが、その中に配布資料ということで資料1から資料7、参考資料1から参考資料5までということになっております。不足等ございましたら、随時、事務局までお申しつけいただければと思います。
 それでは、これ以降の会議の進行につきましては議事運営規則に従いまして、村岡委員長にお願いいたします。

○村岡委員長 皆さま、おはようございます。
委員の先生方には御出席いただきまして、本当にありがとうございます。まず、委員の異動がございましたので御報告いたします。4月27日付けで平瀬幸一委員に代わりまして、安岡秀憲委員が水環境部会の臨時委員として就任されました。安岡委員には前任の平瀬委員と同様に産業界を代表する委員としまして、本小委員会の審議をしていただくために議事運営規則に基づきまして、部会長であります私から小委員の委員として指名をさせていただいております。
 安岡委員、一言御挨拶をお願いしたいと思います。

○安岡委員 安岡と申します。鉄鋼連盟を代表しまして参上していますけれども、微力ながら努力しますのでよろしくお願いいたします。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 本日は議事次第にございますとおり「水生生物保全小委員の論点整理について」というのが主たる議題でございます。お昼まで委員の先生方には御審議のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは早速議事に入ります。議題の1は、前回議事録(案)についてでございます。資料2に前回の議事録(案)が準備されておりますが、この資料は委員の先生方に御確認いただいた後、事務局で修正し、再度各委員の先生方に送付されている資料でございますので、この場で前回の議事録としたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)

○村岡委員長 ありがとうございます。それでは、この議事録を前回議事録といたしますので、事務局におかれましては公開の手続をお進めくださるよう、お願いいたします。
 議題の2でございます。水生生物保全小委員会の論点整理についてです。これまで2回の小委員会を開催してまいりまして、特にテーマを絞らずに自由に御議論いただきました。本日はこれまでの論議で浮き彫りになった事項を含めまして、事務局で整理いただいた論点につきまして、論議を集約の方向に向けるというふうな形で意見の交換をしていただければ幸いかと思います。
 本論に入ります前に前回御指摘のあった事項で、まず事務局から御報告をお願いしたいと思いますが、資料3に基づきましてよろしくお願いいたします。

○松田補佐 水環境部の企画課で熊谷の後任になります松田と申します。よろしくお願いいたします。
 では、資料3について御説明いたします。これにつきましては前回、実際の環境の場の水生生物と亜鉛濃度などの関係でより詳しい資料はないかというような御指摘がございましたので、資料3-1には国土交通省の御協力を得て調査結果をまとめたものと、資料3-2は環境省の調査結果ということでございます。資料3-1を御覧いただきますと、これは前回、亜鉛との関係という点ではお出ししてございますので、概要は大体おわかりいただけるかと思うのですが、あらためて御説明いたしますと、国土交通省が実施しております「河川水辺の国勢調査」の中で、生物調査の部門というものがありますので、これと水質の濃度との関連をグラフで表してみたというものでございます。
 選定地点については、平成5年から11年度に実施されました生物調査の地点のうちで、ここにEPT種と書いてありますが、カゲロウ目とカワゲラ目とトビケラ目、これらの生物の生息に適さない地点は除いた上で全国51水系の169地点を対象にしたデータでございます。EPT種と申しますのは、カゲロウ、カワゲラ、トビケラ目に属する生物種の合計数を言ってございます。春から秋にかけて一般には複数回、各水域で調査されておりまして、1度そこでカウントされれば生物種はいるというようなチェックになっているということでございます。それに対して水質指標につきましては、常時監視のデータ、平成11年から平成13年度のデータを利用してございます。
 では、具体的なグラフは2ページ以降でございます。左から御覧いただくと、左の四角の囲い3つのグラフはEPT種数と水温の関係をグラフにしてみたものでありまして、上から平均値、最高値、最低値ということでございます。続いて一番下のグラフはpHとの関係でございます。その右の列を御覧いただきますと、SSとの関係になっています。これは平均値でございます。ちなみに、ここでいう平均値とは、各年度の例えば最高値とか平均値が3年間分あるということでそれを平均した値ということになってございます。これをみてどういう傾向があるかというのはなかなか難しいところがあるかと思いますが、水温でいえば関係というところはそれほど見られないとか水温値はある範囲内には含まれておりますので明瞭な関係も見られないとか、そういったことはある程度見てとれるのかなというところでありますす。SSについては、やはり高いところでは少ないように見えると。そういうぐらいの傾向は見えるのではないかというものでございます。同様にBODにつきましては75%値と平均値、それからその下がCODでございまして、平均値について表したものでございます。
 同様に3ページにまいりますと、全窒素との関係、それから全りんとの関係でございます。
その下にありますのがアンモニア性窒素との関係でございます。このあたりすべてやはり水質が汚濁しているというところでは生物が少ないような、全般的にそういう傾向が表れているというところは見てとれるのではないかと思われます。アンモニア性窒素につきましては、高い濃度では生物があまり存在しないような結果ではありますけれども、地点数との関係等もあろうかと思います。3ページの右側の列ですと溶存酸素の最小値と平均値であります。やはり一級河川ということもあり、5以上の溶存酸素の結果になっておりまして、基本的にはその影響を受けているところはほとんどないというように見受けられます。最後のグラフが亜鉛との関係で、ここは前回お出ししたものと同様でございます。これが国土交通省の実施しております河川水辺の国勢調査の結果でございます。
 続きまして、資料3-2でございますが、環境省の調査結果ということで、これについても前回一部お出ししたところを、もう少し整理し直して御提示するというものでございます。全亜鉛が高濃度で検出されている水域を中心に生息状況等を調査したということでございまして、一部の水域は合わせてカドミウムとかフェノールとかそういったものも調査対象にはしてございます。調査内容は2番(1)にあるとおりでして全般的に基本的な項目を調査して、生物はプランクトン、付着藻類、底生生物、従属栄養細菌、魚類ということでございます。
 2ページがこれはイメージということでこのような状況で採取を行っているというものであります。
 3ページが調査対象河川でございますが、全亜鉛対象河川というのは比較的亜鉛が高いのではないかという観点で全国からピックアップしてみた河川です。参考調査河川はそれ以外のものであります。このうち板取川は、逆に亜鉛がかなり低い、いわゆるバックグラウンド的な意味合いがあるということでございます。調査時期は大体春か秋ということで、5月から6月かあるいは10月から1月でございます。調査結果のまとめ内容としましては、全亜鉛掛ける生物のそれぞれ平均種類数になります。
 4ページ目が具体的な図で、ここに載ってございます図1-1から1-4までは、前回はこれをもう少し見やすくしようというような観点である程度の濃度区間ごとにまとめ上げてお見せしたんですが、これはまったくの生のデータをプロットとしたものでございます。図1-1は植物プランクトン、それから図1-2は動物プランクトン、1-3は付着藻類、1-4は底生生物ということでございます。
 6ページは前回お出ししたグラフでございます。あらためてどういうまとめ方をしたかと申しますのが図1-5の下に注記がございますが、濃度レンジを1から100、種類と書いてありますこれは種類ではなくて濃度レンジのμg/Lの誤りなんですけれども、1から100までは10分の1、100から1000までで10分の1と、そんなイメージですね。1000以上は1000毎に区切ってその範囲に含まれる種類数を算術平均にしたというようなまとめ方でございます。
 7ページ以降は、先ほどの亜鉛に着目して抽出した河川だけを取り出してプロットしたもの、
で、同様なグラフになっております。
 同様に9ページには濃度レンジに分けてデータをまとめてみたと。先ほどの趣旨と同じやり方でまとめたグラフを載せております。
 合わせて10ページから11ページで溶存酸素との関係も見てございますが、調査対象河川はすべて調査時点では5より上、ほとんど6以上というような状況になっているということでございます。資料については以上でございます。

○村岡委員長 ありがとうございます。前回御指摘事項のまとめということで御報告いただきましたが、何か御質問等ございましたら、よろしいでしょうか。はい、どうぞ。

○鈴木委員 この亜鉛の環境省さんの調査結果のプロットなんですけれども、これ環境省さんとしてはどういうふうに評価されるのでしょうか。

○松田補佐 そうですね、ここらあたりはまだまだデータが足りないなどいろいろ検討すべき点があるかと思うのですが、見方によっては何となく濃度が高くなると下がっているようにも見えるとも思われますし、なかなかそこまで言えないという見方も一方であるかもしれないと。そういう状況だと思っています。

○鈴木委員 わかりました。ありがとうございました。

○村岡委員長 ほかにございませんか。それでは、前回の御指摘事項につきましてはこういう形で御理解いただいたということにしたいと思います。
 次に小委員で議論すべきと考えられる論点について事務局で整理していただいております。その整理していただいた論点の説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○松田補佐 それでは資料4に移っていただきたいと思います。「水生生物保全小委員会の論点整理」ということで第1回と第2回ですね、そこでいろいろ御意見なりがフリーディスカッションで出たということで、その内容を踏まえて整理したという位置づけでございます。これからこの論点に沿って御議論いただければと考えてはいるのでございますが、基本的には環境基準の運用、環境管理等、水生生物の保全に係る施策の重要事項ということを、ここで審議するということでございますので、そのあたりの点を踏まえつつ、おそらく小委員会では骨格となる部分とか方向性とかそういった点で御議論いただくのかなというふうに考えております。それを受けて詳細あるいは具体的な事項というのは専門委員会のような場で議論というイメージになるのではないかと考えております。
 それでは、まず1つ目の「フィールド調査の扱い」でございます。まず論点1というところで、現時点においてフィールド調査をどのように取り扱うべきか。また、今後どのように対応するべきか。というのが1つあるのではないかということであります。例えばそのフィールド調査の適用の可能性と限界というところはどういうところにあるか。あるいはフィールド調査の活用に向けて必要な取り組みというのはどういうものがあるかと、そういった点があるのではないかというものであります。
 これまでにこれに関連して答申等でどういうふうに整理されてきたかでありますが、それを四角囲いの下に簡単に整理してございます。答申では一般的にフィールドで観察されるものというのは、多様な要因が同時に関与するということがあって、一つの物質によって生態系への影響の程度を定量的に分離・特定することは困難だと。そういうようなまとめになっておりまして、最終的に答申では環境省は他の行政機関、民間業者含め関係者と協力して、その水生生物の生息状況とかフィールド調査データも当然含みつつ、水生生物の影響に関する科学的情報の集積を図って、今後の専門委員会の調査・審議に有効に活用されるよう努める必要があると。このような大まかに言えばまとめになっているかと思います。
 そういう状況に対して小委員会ではどんなような意見が出てきたかと。いろんな意見が出てきたというふうに認識してございますが、そういった中でまとめさせていただきますと、類型あてはめや環境管理施策を議論する上で、やはりある程度フィールド調査が必要ではないかと。そういう御意見がございました。例えば国民あるいは対策を講じる者のコンセンサスの形成や政策効果の把握の観点から、フィールド調査の可能性について検討すべきではないか。そういった点が出てまいったということかと思います。
 参考として別紙1を6ページ以降に付けてございます。これはより立ち戻った形であらためて整理していったものでございますが、6ページでは水生生物の保全に係る環境基準の考え方というのはどういうものか。それからフィールド調査の取扱いはどういうものかというのをあらためて整理してございます。あらためて申し上げれば6ページの1つ目でありますが、「環境基準」は環境基本法に基づいて定められるということでございますが、「生活環境」というのは、人の生活に密接な関係のある財産並び人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含むと。そういう定義の中でこの水生生物保全に係る水質環境基準というのは、その生活環境というものを対象にするのが適当だということで、環境基本法の環境基準のいわゆる生活環境項目として位置づけることが適当だと。そういう結論が得られたと考えております。
 今後の議論の上でももう一度あらためて整理しますと、その目指す保全の水準というのは、世代交代が適切に行われるように、水生生物の個体群レベルでの存続への影響を防止するという必要性から、1つは特に感受性の高い生物個体の保護は考慮していない。そういうことで集団の維持を可能とするレベルだというような整理になっております。基準値については水生生物への影響を未然に防止する観点から、「受忍限度」のようなものではなく、維持されることが望ましい水準として設定すると。そういうものだということでございます。以上が1番目のフィールド調査の扱いの論点1でございます。
2ページ目に移ります。2ページ目は「環境基準の適用及び類型あてはめの考え方」でございます。類型あてはめ、あるいは運用というところでどういうところまで重要事項として問題とすべきかということで、小委員会の意見を中心にまとめてございます。論点2-1は、既存の生活環境項目の類型との整合性をどのように図るべきか。ということでございます。特に例えば河川のD・E類型のように、水産を利用目的としていない類型があてはめられている水域での水生生物の保全に係る環境基準の適用のあり方といったところの検討が一つあろうかというものでございます。
 答申における整理としましては、類型あてはめといいますのは、水産を利水目的としている水域のみならず、水生生物の保全を図る必要がある水域のすべてにつき行うと。そういう原則が述べられてございます。優先順位として優先的に何を着手、何をやっていくべきかという点では水質汚濁の進行という観点があろうということであります。そうはいっても水生生物がまったく生息しないというような水域あるいは生息が確保されないような条件の水域、そういうようなところでは、まずは要因を検討するということが重要だという位置づけでございます。そういった点が解決されれば、生息が可能となれば類型あてはめを行うことは必要と。そういう整理になっているかと思います。
 そういった中で小委員会の関連意見としましては、水生生物の保全に係る水質環境基準の類型あてはめは、論点で述べたとおり例えば水産を利用目的としていない類型のあてはめのような場合に、どういうふうに整合を図るべきかというところが1つございました。直接的ではない点もあるのですが、こういった意見としてもありましたのが、生物の生息環境の保全や回復の取り組みというものがある場合に、やはり類型あてはめという面でも環境基準の運用といいますか、そういう面でも積極的に配慮が必要ではないかと。そういった認識の御意見もあったかと思います。
 もう少し具体的なイメージということで参考ということでございます。資料5をお手数ですが御覧いただければと思います。資料5は1枚紙になっておりますが、水生生物の保全に係る環境基準の類型あてはめの対象水域の選定の考え方を答申をベースに、ほとんど答申どおりに図に表してみたというものでありますが、一部補足的なことも入れております。たたき台とお考えいただければいいかと思います。  まずは、やはり水産用途というところは有用な水生生物という観点から答申でも指摘されておりますので、この図でいきますと水産用途があるということであれば、類型あてはめの対象にはなるのであろうと。そういう図になっておりまます。一方でそういうものがない場合についてどうするかというのが、今回の論点2-1であるかと思います。この点を御議論いただければと思うのですが、やはり原則としては保全すべき生物の生息の有無というところがありますので、そういったところを考慮して、生息のある場合には類型あてはめの対象の水域にはなろうかということかと思います。
 一方で生息がない場合については、基本的には要因を検討しましょうということでありますが、通例はなかなか要因がわかってこない場合もあるかと思いますけれども、環境基準項目の超過が原因であった場合、そういう場合があったとしたら、やはりそれは水生生物がいないとしても類型あてはめの対象水域とする場合があるのではないかと。そういったところは留意点としてあるのではないかということで、この図ではそういうふうに示してございます。それ以外については答申にありましたように、検討しつつ解決等によって生息が可能となればあてはめ対象水域とするということになるかと思います。
 生息ありというふうな保全すべき生物の生息の有無で※印の3で、生息ありの場合に、やはりこれは対象水域とすることになると思いますが、おそらくそういった場面では水質汚濁の状況とかその将来の利用目的と、そういったところでいろいろな環境保全施策との連携というか整合というか、そういった点が重要になってくるのではないかと。そういう視点があろうかと思います。
 では、資料をお戻りいただきまして2ページ目でございます。論点2-1については大体そのようなことになっているかと思います。類型あてはめの答申のところ、それを整理したものが別紙2にありますので、あとで適宜見ていただければと思います。
 論点2-2は3ページでございますが、これは自然起因によって環境基準値を超過する場合の類型あてはめの取扱いについては、どのように考えるべきかというものでございます。答申では自然的原因により公共用水域等において検出される可能性がある物質であって、明らかに自然的原因によって基準値を超えて検出されると。そういう判断がされる場合には十分な考慮が必要だというものでございます。小委員会では具体的にはどういうふうになるのかなと、そういう意見がございました。
 参考としまして、これまでの環境基準の取扱いにつきましては、健康項目については基準の達成の評価時に配慮しているということで、基本的には自然起因であろうが適用はしているというようなことになります。生活環境項目については、水域の実情に応じて一部項目を適用しないような例はあります。これを具体的に整理したのが資料7になりますので、この部分で御説明させていただきたいと思います。
 資料7でございますが、現行の環境基準の適用の考え方ということで整理してございます。健康項目につきましては、原則としてすべての公共用水域に一律に適用されているというものでございます。項目適用の除外例はどういうものがあるかということでありますが、項目の適用の除外はないということなのですが、達成状況の評価においては自然起因であるとか、そういう評価の原因が考慮されていると。考慮して公表されているということであります。「原則として」と申しましたのは、ふっ素、ほう素の場合は海域については適用しないというふうなことに基準として決めているものでありますので、一部そういうものもあるということであります。
 具体的な基準評価の取扱いにつきましては、例えば14年度の例で見ますと、基準超過の例があるのは鉛、砒素、ジクロロメタン、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、ふっ素、ほう素です。原因は自然由来がもっとも多く、ほかには事業場の排水あるいは休廃止鉱山の排水等が原因として挙げられております。原因が不明というのも一部ございます。自然由来の場合については対策は継続監視が多いということであります。一方で生活環境項目でございますが、これにつきましては水域の利用目的に応じて水域類型を設けて基準値を決めるというやり方をしております。生活環境項目のうちでBOD、COD等については原則としてすべての公共用水域があてはめの対象になるということでございます。
 一方で窒素、りんにつきましては、植物プランクトンの著しい増殖を生ずるおそれがある湖沼及び海域について基準の適用を行うということで、逆にいうとその水域に限定してあてはめるという、そういう部分で違いがあります。それに加えて湖沼につきましては、全窒素は全窒素が植物プランクトン増殖の要因となる湖沼についてのみその基準値を適用するということで、逆にいうと、それ以外は基準値自体適用しないという扱いをしている。そういう項目もこれまで生活環境項目ではあるということであります。
 水域類型が指定されていない例としましては、結果としてはその水域の特性や利水状況、人為活動の有無、そういったことを踏まえてそれぞれの地域で実情を踏まえてということになるかと思うのですが、必要な水域を明示して類型をあてはめると、結果として明示するということはあてはまっていないところも明らかに出てくるということで、小河川とか水路あるいは河川の最上流域、あるいは外洋といったところはあてはめがなされていないというケースがあるということであります。
 裏のページにいっていただきますと、2.2とございます。水域類型の指定における項目の適用に関して特別な運用がなされている場合というのがあるのかということでありますが、これは国あてはめあるいは都道府県あてはめ、両方にいろいろございますが、自然汚濁の状況等の特性に応じて基準値を適用除外していたりあるいは特別の値を適用していたりと、そういう例がございます。表2にその内容を示してございます。表1のほうはこれはもう原則になっている窒素の除外例としてはこういうのがあるということです。表2にございますのは国のあてはめの水域の場合でございますが、北上川と筑後川について一部そういう特別な運用がなされておりまして、北上川ですとpHが一部の区間で適用しないというような扱いになっております。筑後川についてはSSを、これは適用しないということではなく、E類型相当の基準値を適用するという扱いになっています。北上川の場合は上流で酸性の水が出てくるということで、対策をどうするか難しい面があるということで、この場合当面適用しないという扱いになっています。筑後川のSSは、河口域で干満の差が激しいということもあって、自然に巻き上げが起こるというようなことがあるので、基準値は特別にこういう値をあてはめようというような扱いをされております。
 以上で論点2-2までは御説明させていただきまして、次は4ページになります。論点2-3でございますが、類型あてはめにあたって把握すべき情報について答申で示されたものに対して、さらに留意事項や追加事項というのはあるかというようなもので、ここに意見は直接書いておりませんが、もう少し具体的なイメージを持って小委員会で議論が進められればという御意見がありましたので論点として掲げております。
 答申ではどういった内容を記載しているかということをここに掲載しておりますので、あらためて御紹介させていただきますと、淡水域につきましては魚介類の生息状況です。その内容としては魚介類の採取、目視等による調査結果あるいは既存調査結果で例えば地方環境研究所等の実施結果というのが実際あるということであります。それから地元漁協のヒアリング結果というものが参考になるのではないかというものであります。それと漁業権の設定状況等ということで漁獲対象の魚介類を規定している漁業権の設定状況、それから水産資源保護法の保護水面といった、基準の趣旨に合った資料といいますか、ほかの法令で示されているデータがあるということであれば、そういったもので保全の必要性が示されている水域の設定状況を調べます。それから河床構造で河床が礫か、砂かといった情報とか河川改修の今後の計画などでございます。それと当然ながら水温ということで温水域、冷水域というような観点でございますので、水温の情報というのがあります。
 一方で海域につきましては、温水域、冷水域というような観点はございませんで、魚介類の生息状況等の情報を把握するというのが基本になりましょう。あてはめ範囲としましては、従来の生活環境項目と同様に内湾及び沿岸の地先海域の範囲というものでございます。
特別域の関連としましては、産卵場あるいは幼稚仔の生息の場の設定についてはどういった状況かということがございます。生育状況として産卵場はどういう場所にあるか、幼稚仔の生息状況はどうか。そういう情報を把握しましょうということでありまして、淡水域の場合については淀みとか後背水域、水際植生の草地等の状況などを参考情報として把握するべきではないかといった内容が答申にはございました。
 もう少し具体的なイメージということで資料6を御覧いただければと思います。資料6につきましては、これは実際のデータを基にしてつくったものではなく、仮想のものであるというところをまず御留意いただきたいと思います。実際に何らかの不整合等は当然出てくるかと思いますが、イメージを深めていただくという観点で整理してみたというものでございます。
 まず、淡水域として表の形でまとめてみました。上が上流で下が下流というようなイメージになっておりまして、当然いろいろな調査の地点がございますので、それを何とか橋とか、何とかダムとかそういう名前で設定してみたものです。そういった場合に通例はそこに既に既存の環境基準があてはまっているというものがございます。そこには基準点があるというものであります。それが2列目まででございます。3列目からは答申で先ほど御紹介した情報を並べてございます。魚介類の生息状況として、例えば冷水域ではこのような各調査地点に応じてこういう魚類がいるという情報があったという設定でございます。温水域は例えばこういう状況だと。出典例と下にありますけれども、想定し得るものとしては都道府県の環境研究所の調査とか、先ほどの国土交通省の河川水辺の国勢調査のデータとかあるいは環境省の調査データ、そういったものが想定できるのではないかという部分と、もう1つは漁協、やはり地元の一番実情を把握している漁協のアンケートというところが大きいのではないかと。ここにある情報で十分か不十分かという観点ではなくて、例えばこういうイメージだというところで書いたものでございます。
 そういった中では漁業権が設定されているのが一般的になっていようかということで、例えばある区間は○○漁協、ある区間は△漁協と、そういったものがあると。で、○○漁協は例えばイワナとかヤマメ、△漁協はコイ、フナとか、そういったものが対象になっているという状況も想定はできるでのではないかと。もう1つは河床構造ということで、水生生物の生息を非常に規定してくる要因かと思いますが、一般的には上流は岩盤とか石とかれきとかで下流では砂とか泥とかそんなイメージということで、ここでは仮に設定してみました。平均水温としては上流の方で12℃とか、ダムなどは若干水温が上がったりするのかなということで16℃とか、そういった設定をしてみたというものであります。ここまでで一般水域についてはこういった情報が一つ、その答申から踏まえれば考えられるというものであります。
 その右側が特別域情報ということで、先ほど御紹介した水産資源保護法の保護水面がここの川には設定されているとしますと、例えばイワナ、ヤマメの保護水面があったと。そういう生息場所は石とか砂れきの底になっていると。あと調査ではコイがどうもいるようだと。そういうような情報が得られたという設定でございます。特別域情報としてはこういったものが例えば考えられまして、おそらくこういうものも漁協のアンケートとかあるいは法律の指定の水面があるかと、そういった観点が出てまいります。あとは環境基準項目の水質の状況も当然把握しておくのだろうということで、答申には直接書かれておりませんが、そういったこともここでは挙げております。ただ、ここで濃度設定が非常にこれランダムといいますか、あまり考えずに入れてしまったのですけれども、あらためて見直しますと下流の方が水質が悪くなっている例が多いのかなという気もしておりまして、そういった点は御容赦いただければと思います。このようなデータは常時監視データで基本的には得られるかなと考えています。
 これらをみると、どういうあてはめがイメージできるのかということで、例えばこれは一番左の列に考えてみたものでありますが、このあたり具体的にどうすべきかというのは、やはり個別の水域毎に考えないと決まらないだろうと。これは本当にそういう架空の設定のもとでの想定というべき位置づけでございます。この場合、やはり冷水域の生物がこのようにヤマメとかイワナがいるという水域、そういったところでは水温もそれなりにある範囲に入ると。河床構造も大体そういう冷水域の魚に適したものになっているというような、いろんなそういう条件が合致するという部分については、「生物A」というところをあてはめるのであろうという想定でございます。その生物Aにここではそういう保護水面があったということで、生物の特別域をあてはめるというやり方が一つ考えられると。一方で下流の方は、水温が高くて実際生息生物もフナとかコイとかそういったものだということで「生物B」というイメージをあてはめてあります。
 あとは先ほどの論点にも出てまいりましたが、既存類型であてはまっていないところがあった場合に、そこまで、これだと全部あてはまったところまで矢印があるのですが、そういったところはおそらく個別で検討するのではないかということ。そこは論点の1つかと思います。あと、下流域の方ですとD類型のところに、これですと矢印は入っているということであります。これは設定ではそういう生物がいるということで下まで引っ張ってみたというものであります。
 その裏を御覧いただければと思うのですが、では、海域はどういうイメージになるかというものでありますが、海域の方がちょっと整理しにくい部分、平面的なものになりますが、やはりいろいろ調査地点がありまして、そこに既存の環境基準が設定されているというところです。海域ではCODとN・Pが設定されているのが通例であろうということで、この例ではそういうふうにしてございます。その中には基準点も設定されると。例えば下の図のようなイメージで類型が設定されている状況の海域で、流入河川が2つぐらいあったと。そういったところでこの海域の例の場合はいろんな魚介類が全水域にいましたという設定になっております。漁業権はある範囲についてはあるというものであります。海域についてはそういう生物の生息状況ということをみまして、生息しているということでこの例ではその海域については「生物A」というのをあてはめようというイメージになっております。
 海域でもう1つ重要なのは特別域情報になろうかと思いまして、産卵場とか幼稚仔の生育状況ということで、例えば藻場とか干潟というものを挙げてみております。この例では例えば藻場でアマモとかあるいはホンダワラとかそういったものがかなりな規模で存在しているという想定をしますと、この下の図の5とか7のあたりは特別域に括るとか、そういったイメージが一つ考えられるというものであります。海域についてもやはり水質情報というのは合わせて見ておくということになろうかと思います。
 以上までで論点2の部分は御説明させていただきましたが、さらに何かやはり類型あてはめで留意すべき点があればという論点はもう一つあろうかと思います。
もう1つ、論点3でございます。5ページ目に環境管理施策の基本的な考え方というのがございまして、水生生物の保全に係る環境基準が設定された全亜鉛については、環境管理施策としてどのようなことが必要になるのかということを論点3に挙げさせていただきました。その際、諸外国における取り組みも参考にすべきではないかということであります。
 答申ではどういう整理がなされているかということでありますが、この小委員会を設けて、と言いますのも、水生生物環境基準というのが我が国では初めてであるということに鑑みて、今後推進される施策を効果的なものにするためということで、この小委員会で重要事項を審議しましょうということになっていたかと思います。答申の中では課題としまして、環境基準の設定の結果、現況の公共用水域において環境基準の維持・達成を図るための措置が必要な場合には、水質汚濁防止法に基づく排水基準の設定等、汚濁要因や対象項目の特性に応じたさまざまな環境基準の維持・達成に必要な環境管理施策を適切に講じていくことが必要である。ということが記載されてございます。
 小委員会でどういった意見があったかということでございますが、1つは諸外国の環境管理施策を参考にすべきであろうという意見。それから我が国でこれまで採用されてきた水質汚濁防止法に基づく一律排水基準を尊重すべきであり、その際適宜、暫定排水基準を検討すべきという御意見。それから今回の水生生物の保全に係る全亜鉛の環境基準は「生活環境項目」として設定されており、排水規制を採用する場合、単純に基準値の10倍とか、そういった方法はとるべきではないという御意見。そういった御意見がございました。あとは現行制度とか諸外国の取り組みというのは前回第2回で資料でいろいろ御説明させていただいたところかと思います。これは参考資料の4と5に添付しておりますので、適宜、必要になりましたら御覧いただくとともに、御説明等もいたしたいと思います。資料については以上でございます。

○村岡委員長 どうも御説明ありがとうございました。これまで2回に渡っての小委員会の議論、これを論点という形でまとめていただきました。これからこの御説明いただきました内容につきまして、いろいろと御議論をいただきたいと思いますが、論点を3つに分けていただいてわかりやすいので、順次1から順番にまずは御意見を交換しようと思います。時間がありましたら、あとで全体を通じて何かございましたら御意見をいただくということにしたいと思います。
 それでは資料4の順番でいきますが、1番のフィールド調査の扱いということで御説明いただきました内容につきまして、何か意見がございましたらお願いします。

○須藤委員 よろしいですか。

○村岡委員長 はい、どうぞ。

○須藤委員 それでは一つ意見を申し上げますが、フィールド調査結果に基づき環境基準値の算定をするのが妥当であるという御意見が一方であったわけでありますが、私どもが答申の中で示したのは御承知のとおり実験によって得られた値でございます。自然界においてある生物がそこに存在するためには、何が大事かというのはここにも書いてあるように、まずハビタット(habitat)というか場が大切ですね。それからそれに伴う餌が大切ですね。それからそれを取り巻く水質、今回は亜鉛を含めた水質も大切ですね。それから外来種の存在というのも大切で、この辺のところが整って初めてある生物が生育、生存、増殖をするのだろうと私はそういうふうに思います。
 そういう意味で、フィールドでの調査結果から亜鉛濃度との関係を求めるということには当然限界があるので、答申の中にも示しましたようにあくまでもこれは参考資料であるということで、ある化学物質を今申し上げたようないくつかの問題から分離して特定することは極めて困難だし、もしこれをずっと続けているならば永遠にこういう、水生生物保全のための環境基準というようなものを策定することができなかったということで、実験室のあるいは実験の結果から基準値を出したわけで、それは当然限界があるということであります。
 そうかといって、フィールドのデータはまったく不要だということを申し上げているわけではなくて、フィールドのデータというのはあくまでもそのフィールドで、そういう生物が生育、生存、増殖することを期待をするわけですから、それは常にそこで調査がなされるべきであって、そういう中で毒性値、我々がやった毒性値からの値と比較する、検討するのはもちろん大事です。そういうためにはこの小委員会でそのことについて議論をするということも必要ですが、今後これからの発展のためには、別にこれは亜鉛でこだわって、仕事が進んでいないのですが、当初申し上げているように81項目は用意しているわけです。そろそろ私は次の仕事を始めたいと思っておりまして、大方の同意が得られるならばフィールドでの水質とそれから実験室での得られたデータの比較検討というようなことについては、別途専門委員会というよりも専門家による検討会というのが以前はあったわけですが、その検討会でやっていただいて、継続審議をしていただいて、とりあえずについては今のこのフィールド調査というのはあくまでも参考であるし、それから基準値を決めるという意味では参考であるし、そして調査は続けるということが望ましいのではないかと、こういうふうに考えます。

○村岡委員長 ありがとうございます。ただいまの須藤委員の御発言の内容に関連して、何か御意見ございますか。池田委員どうぞ。

○池田委員 私は資料の3-1の3ページの水生生物と亜鉛の関係というのを見ますと、これは大変データが出てよかったと思いますね。30という値ですね、かなり意味のあるデータではないかと思います。こういうデータがあると、実験室で行われて得られたデータというのをかなりサポートする結果だろうと思います。そういう意味でやはりフィールドをまったく無視していいかというとそうではなくて、やはり何らかのデータを可能な限り集める努力は必要だろうと思います。
 それからもう1点、これは先ほど質問すればよろしかったのですが、資料3-2の8ページの底生生物と亜鉛濃度の関係を見ますと、これは横軸が対数スケールなので注意しないといけないのですが、かなり高濃度のところまで底生生物がいるということで、この底生生物というのは先ほどのEPT種のように非常にシャープに表れるような種類ではなくて、いろんなものがすべて入っていると考えてよろしいでしょうか。ですから、汚染に強いものも入っているのでこういう結果になったというふうに考えればよろしいのでしょうか。わかれば教えていただきたいと思います。

○松田補佐 この調査の種類数というのはどういうものかというお答であれば、この種類数というのは基本的にはそこで捕獲というか採取された生物の種全体で、基本的に種の単位でカウントしたというような位置づけにはなってございます。特別に何か限定したというものではないと考えております。

○池田委員 わかりました。どうもありがとうございます。

○須藤委員 ということは、今の池田先生のおっしゃるとおりでね。種類数は100いたとしても、そのある化学物質に対してはかなりオーダーが違うぐらいのある場合もありますよね。これは水生昆虫ですよね。ですから、そういう意味では先生がおっしゃるように強いのを入れたし、弱いのも入れるというとその辺が相殺される。ただ弱いものだけで見るという方法もなくはないですよね。それは水生昆虫って結構その主要生物にして、特に有機汚濁なんかはそういうことをやってきましたよね。ですから弱いものと強いものという、要するに対汚濁性とか汚濁性とかですね。そういう生物で分けていけばもう少し違う。ただ、亜鉛に対してどうかということについては、これは研究しないと多分いけないんじゃないかと。ですから、おっしゃるとおりだと私は思います。

○村岡委員長 1つの種の中にもその環境によって強い個体があったり弱い個体があったり、そういうこともあり得ますか。

○須藤委員 それはこの環境基準は先ほどのお話にもありましたように、1つの個体群で見ているから。一応原理的には例えばどこどこの川のどこどこの虫とここの虫の個体差というのはあるだろうと私思いますが、一応それは集団として考えるということになりますと、そこで弱いものが死んじゃったということになれば、その残っている強いものがずっといるということになるので。人間の場合は御存じのとおり種差というのを10分の1みていますよね。それはあくまでも弱い人と強い人に10倍の差があるというのですが、生物のこの場合にはそれはまったくみていなかったですね、実験室のことについてもですね。そういう意味で先生の御質問に答えるならば、要するに原理的にはあるでしょうけれども、この場合はフィールドではなかなかそれは多分わかり得ないだろうと、こういうふうに思います。

○村岡委員長 ありがとうございます。御意見はいただいた御意見に関連するものから優先していろいろいただきたいと思いますが、ただいまの池田委員あるいは須藤委員の論議ですね、これに関連して何かほかに。満岡委員どうぞ。

○満岡委員 論点の一番最初がフィールド調査の扱いという事になっておりますが、いままでの論議でも実験室から求められたデータとフィールドというものをどう関連させるとか、関連させる必要があるのかといろいろ論議がありました。私はフィールド調査は重要でもっと重点を置くべきではないかと思っています。提出された国土交通省のデータもかなりそろっているようではありますが、例えば亜鉛とEPTの関係など単純相関で整理されていますが、その裏には影響因子も多いので、統計学的手法を使って要因解析が出来るのではないでしょうか。単純相関では真の影響因子の度合いを判断しにくいのではと思います。統計的にデータ処理するにはまだまだデータ数が少ないかもしれませんので、目的をはっきりさせてフィールドのデータをもっと集め、解析する必要があるのではと思います。
 言い過ぎかもしれませんが、亜鉛を環境基準或いは排出基準を決めて減少させた場合、亜鉛が真に環境にどう影響を及ぼしたのかしっかり把握する必要があり、そのためにもフィールド調査を重視し、正確なデータに仕上げる必要があると考えます。こうしたフィールドの把握に関する論議を十分にやって、水域当てはめ等を考えていくべきなのではないかと思っています。

○村岡委員長 ありがとうございました。関連して何か御意見は。佐藤委員どうぞ。

○佐藤委員 私もこの度の国土交通省のデータについて、グラフに環境基準の30μgの所で線を引いてこのあたりをずっと眺めておったのですが、亜鉛の30μgとEPTの種数が20~30あたりのところを見ていくと亜鉛が30μg以上でもEPTは結構高いというデータとなっています。一方、アンモニア性窒素みたいにもっとシャープにその線が出ているというようなデータもあります。やはりこのような解析結果はフィールド調査的なものから導き出されて、みんなが納得したなという感じで見ることができるものだと思うのです。もう1つの環境省のデータで、例えば6ページの図などでも30μgを堺にして左と右でどういう差があるというのかというと、明確にその線が引けているということではありません。
 そういうことを考えていきますと、確かに先生がおっしゃるように、フィールド調査から導こうと思ったら永遠に調査を続けなければならないということも確かですが、この基準が一応環境基準としては決められており、今度はあてはめがどうだという問題になってくると、そこの施策の効果なり何なりをフィールドでもっとよく見ていくことが、いろんな点で大事なのだと思うのです。フィールド調査の位置づけというのを、やはりもう少しフォローとかそういう観点から強く打ち出すべきではないかなというふうに思っております。
 以上です。

○村岡委員長 ありがとうございました。鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 私は今回の亜鉛について、フィールド調査がうまくいっていないからしばらく棚上げだとか延ばそうとか、そういうことを今申し上げるつもりはありません。いろいろ御努力をいただいたことで、実際にどうやっていくかという議論にそろそろ入った方がいいんじゃないかと思うのです。ただし、将来いろんな環境基準項目を決めるときに、亜鉛と同じようにビーカーテストだけで基準値を決めていくのだということであると、これは科学技術の進歩ということからいっても発展性がない話になりますので、やはりその実験データと同時にフィールドの実態を勘案して基準値を決めていくというのが基本であり、そうあるべきであるという認識を我々、ぜひ持ちたいと思うわけです。
 亜鉛だけでビーカーで実験すると確かに30 ppmと言ったレベルが出てくる。ところが、例えばその水質の硬度が高いというようなことになると、亜鉛の影響が著しく緩和されるというのも片方の学説であるわけでありまして、そうしたことからいろんな河川の状況とか影響する要因があると思いますけれども、今後はやはりフィールド調査の精度を増して、各種要因を環境基準に適用できるように、努力していく必要がある。あるいはそれが本質であるというようなことを御確認をいただきたいなと思うわけであります。

○村岡委員長 ありがとうございました。ほかに何か御意見ございますか。森田委員どうぞ。

○森田委員 フィールド調査はかなり重要でありますが、フィールドとそれから毒性学的な試験というのは、実はこういった場合のいわば両輪であります。両輪でありますが、どちらがある数字を決めるのにクリアに出るような方向であるかというと、どうしてもその物質だけを抽出して、そして濃度を設定したものが一番クリアになる。
 フィールドの調査というのは一般的には非常に感度が悪いのです。どういうことかというと、それに混じりこんでくるようなコンファウンディング・ファクター(confounding factor)がいつもあって、あるいはほかの要素もあるかもしれませんが、そのためにフィールドの結果からすぐにある影響が抽出されるということが、それは非常に困難だというのが多分現実の問題で、従って、フィールド調査を先行するというよりもフィールドで裏づけをしながら、毒性学的なデータをもとに考えていくというのが多分現実には近いかなという感じがいたします。

○村岡委員長 ありがとうございます。それでは安岡委員どうぞ。

○安岡委員 今日初参加ですが、事前に勉強し、今新たなデータも開示していただきました。そうした中で気づいた点として、森田先生おっしゃるのも非常に正論でして、場の問題、それから外来種の問題、フィールドの中には実際いろいろな分析しきれないところが確かにあります。ただ、もう少し我々はその解析手法を含めて議論していけば、例えば、フィールドの中で外来の要素を除いて、亜鉛なら亜鉛の特定の影響するところを議論できるかたちへ持っていくという解析の方法もあるのではないのかなという気が非常にします。
 言いたいポイントは、基本的には皆さんベターな環境基準をつくってきたわけなんですけれども、そうした中でやっぱりフィールドのデータは、今先生おっしゃったようにバックのデータなのか、それとも両方比べながら見ていくのかはともかくとして、いずれにせよ必要であることは間違いないというのが私の意見です。フィールド調査を含めてやっぱり進めていくべきではないのかなという気が非常にします。

○村岡委員長 ありがとうございます。では、福井委員どうぞ。

○福井委員 私も大体同じような意見なんですが、このフィールド調査、これだけの調査をされているのですが、結構数字にばらつきがあり過ぎるんですね。ですから、こういうデータと実験室のデータとここですよといわれてもちょっと参考に値するかどうか。データの数が少ないのかわからないのですが、これはあくまで参考資料ということでいいんじゃないかという気がいたします。

○村岡委員長 いろいろ御意見いただきましたけれども、これまで専門委員会の答申の中にもこういったフィールド調査のデータが科学的な意味を持つということは否定していないわけです。ただ、御意見の中にありましたようにフィールド調査の位置づけというものをはっきりしないといけないということとか、それからデータが基本であるというところをもう少し認識すべきであるとかいう問題もある一方で、やはりデータだけ見ておってばらつきが多いとか感度が悪いとか、技術的に実際にはそのデータをどういうふうに結びつけていくかというその因果関係みたいなものが出てくるかというと、そういう段階でもないというふうなことだろうと思いますね。そういったことでいろいろ、どこへ結論を持っていくかということは、まだちょっと言えませんけれども。とりあえずここまで御意見をいただいたということで、あとでまた振り返ってはみたいと思いますけれども、次の論点にちょっと移ってみたいと思います。
 次は、この類型あてはめの考え方でございまして、論点の2の1、2、3と3つ御説明をいただきました。このあたりで何か御意見いただけますか。

○土屋委員 資料5で考え方の整理がされておりますが、これは基本的にこれでよろしいだろうと思います。既存の生活環境項目の類型あてはめというのは、多分一回決めてそれ以降もずっと見直しがされているのではないかと思います。そういう意味ではわりと水産用途の設定がある地点の類型あてはめは、水質改善の結果、多分多くなっているのではないかというふうな感じがしております。むしろ、水産用途の設定がなく、水生生物の生息があるというふうな水域があるとすれば、既存の生活環境項目の類型のあてはめ自体をもう一回見直した方がいいのかなというぐらいの感じがしております。
 ですから、そういう意味でこの資料5で整理していただいたのは、私はこの考え方でよろしいと思っております。

○村岡委員長 ありがとうございます。関連して何かございますか。

○須藤委員 私も今、土屋委員と同じようにこの考え方を進めていただいてよろしいかと思いますが、最近特に身近な水域、これは川が比較的対象になる場合が多いのですが、そういう中で水産用途の設定のなしの場合ですね。特にDになるような場合であっても、要するにそれを将来に向けて再生をしたいとか本来の元ある河川に戻したいというのは、もちろん国土交通省もあるでしょうけれども、地方自治体というのはそういう仕事は今盛んに行われているし、そういう調査もずいぶん行われているんですね。そういう中でありますので、その再生に向けて可能になったときには類型あてはめをするというような、ですから資料5のこの類型の考え方ですね。そういうことがあってよろしいのではないかと。こういうふうに私思います。

○村岡委員長 鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 これは文章上の問題ですからあれなんですが、考え方としてこの資料5の図なんですが、自然起因のところをどう考えるかということも示す必要があると思うんですけれども。

○村岡委員長 論点の2-2で一応御説明がございました。

○鈴木委員 いや、資料5の絵でです。

○村岡委員長 5の中にある絵ですか。

○鈴木委員 はい、絵の中ではどこに該当するのかと。

○須藤委員 両方にありますね。自然起因はなし、あるの両方にありますね。

○鈴木委員 はい。だから自然起因をこの体系の中でどういう位置づけにするかというのは、あるような気がするんですね。基本的に答申でも特別の配慮をすると書いてあるんですけれども。やはりこれはあてはめていくところへ対象にするのには、非常に不的確じゃないかと思いますので、あてはめの適用除外というか、今後の政策の適用についてもあり得ると思いますけれども、やはりそこは明示的にあてはめをしないというところに入れて、整理をしていった方がいいのではないかという気がしますけれども。

○村岡委員長 私の判断では先ほど事務局からの御説明で、自然起因による汚染があった場合に、本当にそれは自然的原因であるというふうなことがわかれば特別な考え方をするというふうに書かれておりますので、この資料5はそれを除いた部分で整理されているというふうに解釈してもいいんじゃないかなと思うんですね。

○松尾委員 今の議論もっともだと思うのですけれども、上流に自然起因があったときには、その川は全部適用除外になると、その地域では排水規制はしなくても良いことになってしまうのは問題を残すと思います。上流に汚染源がある、今までは全国的に排出基準は一律でやっていますね。その川が適用除外になると、その下流のところの流域にあるいわゆる人間活動に起因する発生源の排出基準はかからないのかという、その辺が非常に問題になります。上流からずっともう汚れているのだったらそこは生物いないかというと多分いるんですよね、きっと。
 ですから、その辺は今あまり一律に決めると日本全体を考えたときにバランスの悪いことが起きかねませんね。何かもうちょっと合理的にというか、何かバランスのいい決め方を考えておかないと、多分排水基準を決める段階で非常に混乱を招く。それは前回の委員会のときにちょっと委員長に対して質問して申し上げたけれども、類型指定が変わるかというのは、それは排水基準も類型指定に従って変わり得るかという質問をしたんですが、それはどうも違うらしかったから私の誤解ですけれどもね。自然で汚染されているのだから、もう全部そこの川はこれに関しては関係ないというふうになるのは、ちょっと考え方が極端すぎるというかバランスが悪いんじゃないかなというふうに思います。

○須藤委員 答申案のところでも「当たって十分考慮する必要がある」というのは、考慮するというのは、もう自然汚染がある場合は適用しないと言っているわけではないんですね、多分ね。ですから多分、今、松尾先生の御説明のあったような場合には、例えば昔の渡良瀬川みたいなことをイメージすればよろしいんでしょうかね。そういうことであるならばあるところまではやむを得ないけれども、それ以下は自然汚染が仮にあったとしても考慮するというのは、そういうことを考慮するというふうに私は理解していたんです。広くですね。ですから、考慮するというのは絶対やらないという意味ではないということで理解をしていて、こういう言葉を使ったと。こういう言葉を使ったということで、もし、絶対やらないのだったらあてはめはやらないと書くべきなんですね。考慮するというのは、そういうことのケースを考えて考慮しようと。こういう理解を私どもはしておりました。これでよろしいでしょう。事務局もそれでよろしいでしょうか。

○松尾委員 ですから、私は環境基準の類型あてはめという考え方と、いわゆる人工的な汚染をなるべく少なくするという、その部分等はもしかしたら考え方が違ってくるのかもしれない。考え方というのかな、何か基準がもしかしたら違うかもしれませんね。その辺の考え方がもうちょっとこの図で整理できるといいのですが、基準値をオーバーするケースがあれば、それが非常に人工的なのであれば規制の方へいく。自然的なものであればもういっぺんよく考えて、何か考えるという。先ほど鈴木委員が指摘されたように自然的な要因に対する配慮というのがもうちょっと含まれると、その辺がもう少しわかりやすくなっていいかもしれませんね。
 ですから、両方のケースに自然汚染があり、逆に言えば非常にひどい自然汚染であればそれに対して対策をとらざるを得ないということもあると思うんですよね。鉱山の酸性排水などでは中和していないところありますよね。ですから場合によっては、自然汚染だからといってほっといていいとはいえないかもしれない。その辺のレベルと程度と実際の実用性というのでしょうかね。そのベストアベーラブルな方法というもので考えてみて、どこまでやるのが合理的で、あとの人工的な汚染はなるべく少なくしましょうということが共通の理解になれば、そのあてはめ自体は僕はいろいろ多様であっていいと思いますけれどもね。

○村岡委員長 今の松尾委員の発言に関連して何かございますか。事務局から何かございますか。

○松田補佐 資料の補足説明でございますが、資料5ですね。※印の2というところで、この図では類型あてはめの対象の水域としようとしたときに、この※印の2でその2ポツ目に自然起因の場合には、ここでは十分考慮するとしか書いてありませんが、そういう資料としてはここに入れてはみておりました。
 それと現状の扱いをもう一度あらためて御説明すると、資料7の1.2です。健康項目の場合は自然由来という原因と、事業場排水という原因と、それから休廃止鉱山排水とかそういうふうに分けてやって区別はしていました。そういった意味では休廃止鉱山というのも自然由来とは区別して分けてはいるという状況であります。一方で生活環境項目はそういうのももろもろということにはなってくるかと思うのですが、やはり松尾先生の言われたような、そこでの技術的な部分も考えて適用ができるかとか、そういう状況を勘案していくのかなというイメージかと思います。

○村岡委員長 ありがとうございます。安岡委員どうぞ。

○安岡委員 ちょっとよろしいですか、質問も含めてなんですが、松尾先生のおっしゃった自然的なものというのは、これはやはり今回の趣旨からすると、だれかが責任をもって蓋をしなければだめなんでしょうね。人為的要因の方は、これはもう例えば企業なり生活者なりがそれなりの調整をして罰則等々も含めていろんな議論が出てくるとしたら、他方の自然的に出てきたものを、これは環境に悪いとわかっていてそれを放置するのかと。これは自治体なり国なりがそれなりの対応というのをとるべきものではないんでしょうかね。そうした上での基準ではないのでしょうか。これはあくまでも今皆さん議論されているのは、自然のところはこれはもうちょっと抜くんだという根本的な考えですか。それがわからないものですから、ちょっとどなたか教えていただきたいのですが。

○松尾委員 だれが答えるべきかわからないけれども。それはある意味で極端な議論ですね。もちろん理想論からいえばそれはいくらお金かけてでもいいから、日本の川はすべて上から下まで全部きれいであるべきだと。これはあり得ると思うのですが、それは必ずしも受け入れられるものではないと。ですから、やっぱりその程度がどの程度かということと、もしもそこでやることが非常に効果的でお金をそんなにかけないでできるのであれば、もちろんやった方がいいかもしれないけれども、そもそもあってはいけないという議論には多分ならないだろう。それはもう歴史的にもずっと長い間汚染状態があったとすれば、今からそれに、逆にいえばそこに対してまで人間が力でもって、逆にいうと自然に対して作用を及ぼさなければいけないというふうに考えるのは、やっぱり考えすぎではないかというのがあります。

○安岡委員 ただ、先生そこでステージに、基準にその差があってしかりなのかというところだけです。先ほど先生ちょっとおっしゃったのは、じゃあ、自然的に出たものはこのぐらいのステージ、閉山のところはこう、事業者からこうと、その辺に基準の差があるべきものなのでしょうか。

○松尾委員 それはやっぱりあってしかるべきです。私は排水基準にいろんな意味でランクを入れるというようなことを、私自身は場所とか何かによって考えていいんじゃないかというのでかねがね思うのですが、それがなかなか一方で一律排水基準といいますか、それは逆にいえば立地によって何か得するとか汚れやすくなったりとか、ここは出していいんだということを、逆に産業界全体がそういうことをまた受け入れるのかということも、また別な意味で課題です。

○安岡委員 我々心配しているのもそこにあるわけです。

○松尾委員 ですから、それはやっぱりある種の競争上の条件は一定にし、あとは努力するという、そういう要素も当然入ってきますよね。だからその辺は非常に微妙な問題だと思いますけれども、何か自然汚染まで全部退治しなければいけないという、それは非常に私は逆に極端な意見で、必ずしも個人的には賛成はできませんけれどもね。

○村岡委員長 環境基準という考え方からいきますと、自然であろうが何であろうがこれは関係ありません。ただ、その環境保全を起しているというそれをほかに保全するかということについては、自然の場合は大変難しいということがもうはっきりわかるわけですね。従って、それに対してどういうふうな管理施策をとるかというあたりで、何らかの違いが出てくるということはあり得ると思いますね。
 ただ、こういった問題が基本的に起こるということ自身、まだ自然起因の保全というものに対する的確な判断といいますか、結論まで至るような討議が十分になされていないという点があるのではないかと。そういう意味でここでも十分な考慮をするという書き方にならざるを得ないということがあります。これは何も河川の水質だけではなくて土壌汚染もそうだし、地下水汚染もそうなんですね。そういったところで自然起因ということはわかっていても、それがどの範囲まで自然なのかということとか、その汚染がどの程度、人間の健康に影響を及ぼすかというところまでをきちっと整理するということは、かなり難しいということで、私が感ずる限り、この自然起因についてはまだ課題をいっぱい残しているんじゃないかなと。ただ、環境基準の考え方というものは、これは変わらないというふうに認識しておりまして、そういうことで問題にはなるのでしょうけれども、やっぱり書き方としては十分な考慮をするというような対応になるのではないかなというふうに思いますね。
 その点に関しまして何か。鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 これはなかなか難しいと思うんですけれども、そもそも自然汚染という純粋の自然汚染、松尾先生がおっしゃった負荷的なものは別としまして、自然に流れ出しているものですね。過去何百万年も流れ出しているもの。それを汚染というのかどうかという議論があると思います。かつ、亜鉛濃度が高くても魚が棲んでいるところは現実にありますので、そういう自然の亜鉛の高い環境下であるので、それは何百万年もかけて地球が育んできた自然ですから、それまでだめだというのはまず基本的にはおかしいと思います。
 それからその次に、それでは下流で付加されたものをどうするかということなんですけれども、ベースにもともと30μg/lか何かあって、そうすると下流で1μg/lでも付加したらこれは駄目だと、こういう議論になってしまうわけです。ですから、鉱山保安法なんかは鉱山廃水を自然汚染と自己汚染というのに分けていまして、自分で採掘したものから発生する汚染については自分で始末する。ただし、その自然群について付加されてしまうわけですから。その部分については国が補助金を出してある程度薄めるというようなこともやっていまして、いろんな前例はあるわけですけれども。ただ、基本的に私は鉱床地帯で付加もされていなくて流れているところについては魚の有無にかかわらず、環境基準を適用するというのは何かおかしいなという気はします。

○村岡委員長 ただいまの御意見につきまして、何か関連する御意見ございますか。池田委員どうぞ。

○池田委員 この留意事項の2についてもう少しお伺いしたいと思いますが、先ほど筑後川のSSだったでしょうか干満の差が大きいので巻き上げる、これはもう止めることできませんよね。ですから、そこだけ特別な扱いをしてランクを下げて指定をしているということだと思うのですが、この留意事項の2の意味というのは自然由来の場合、例えば上流から出てきたという場合には、そこでは例えば非常に高いランクのものではなくて、もう少しランクを低くして指定をするとかそういうことも可能だということですね。指定をしないということではなくて、ランクを下げて指定をするというのも可能だということですね。
 例えばそれからもう少し下流に行った場合には、ほかの流域から汚染されていない水が出てきます。希釈をされるからそこでは基準達成できるということも考えられますよね。ですから、指定しないということではなくて、ランクを下げて指定をするということも可能であるというふうに理解すればよろしいのでしょうか。

○村岡委員長 これは大塚委員から関連した御意見を。

○大塚委員 ええ、そういうことで。ランクを下げて指定するということも可能だというふうに、私は考えています。それから先ほど御議論があった自然起因が含まれる場合に、環境基準を設定すること自体が問題だというような御意見がありましたが、そういうことではなくて環境基準というのは、その環境自体についての望ましい基準ということですので、排出をしているかどうかということとは直接関係なしに基準が定まると。先ほど30μg/lぐらい自然起因があって、ベースが30μg/lで下流で1μg/lでも出してはいけないのかという御議論がありましたが、そういうことにはならなくて環境基準を設定しても、場合によっては排出をすることは認めるということになると思いますので、そこで現実にどのくらいまで排水処理をやらせるかという能力の問題とか、それから今後出てくるものとしては、例えばBATのような議論が多分そこで関係してくるのではないかというふうに思っております。
 排水基準を決めるとしても、その暫定的な排水基準というのは出てくると思いますし、自然由来のものがあるからそれをちょっとでも超えると、その環境基準を超えるというときに排水基準が非常に厳しくなるということには直ちにはならないということなのではないかと。

○村岡委員長 ありがとうございました。多分、皆さま方も環境基準の概念というのは御理解いただいているはずと思うんですね。したがって、あてはめ等のときにその環境基準を変えろとかそういう話にはならないし、考え方も変わるはずもないと。あるところに亜鉛に強い魚がいたからといって、やはりそれに合わせていろいろ地域的に区分するということは、環境基準のレベルではあり得ないと思いますね。やはりシビルミニマム、人間ではなくて魚ですけれども、そういうシビルミニマムということで環境に悪い物質に対してすべての国民あるいはこの場合、生物を対象として目標とすべき基準を決めたのが環境基準だということで、まずその考え方は多分動かし得ない概念であろうというふうに、私は思っております。
 ほかにこの自然起因について御意見もあろうかと思いますが、ちょっと先がありますので。3番目の論点、これについて一つ御議論いただきたいと思います。

○池田委員 2-3でしょうか。

○村岡委員長 2-3はまだ話題が出ておりませんね、それではありましたら一つ、2-3で。

○池田委員 2-3でよろしいですか。

○村岡委員長 はい、結構です。

○池田委員 それでは2-3でちょっと河川工学の立場から少し、論点2-3の資料6について御意見申し上げたいと思うのですが、ここで把握すべき情報として河床構造というようになっているのですが、ここはハビタット(habitat)を強く指示されているんだろうと思うんですね。河床材料と河床構造とは私は違うだろうと思うのです。ここで書かれているのは河床材料で上流河川では大礫や大きな岩があるわけです。そこの河床構造というのはステップ・プール構造というのが基本になって、山地へ行きますと滝が落ちたみたいになってまた水たまりがあるようになっていますね。それが非常に重要だと思うんですね。
 それから中流の河川へいきますと、礫等が中心でそこの河床構造というのは瀬と淵だろうと思うんですね。もう少し下流へ行くと、今度は砂とか泥が中心になっているということで、そこはやはり分けた方がいいんじゃないかと思います。といいますのは、論点の2-3のところで産卵場というふうに書いてあるのですが、産卵をするためには例えばヤマメとかイワナですと、ステップ・プール構造に伴う湧水が非常に大事なんですね。それから中流、下流ではやはり瀬と淵があることが大事です。あるいは礫が河床に沈んでいないということは非常に大事で、そういう場所を利用してアユは産卵するわけですね。河床材料はこういうものであるという以外に、ハビタットとしてのステップ・プール構造とか、あるいは瀬と淵の構造があるかどうかとかですね、そういうことが情報としてないと産卵場としては、やや情報が欠けているのではないか思います。ちょっと細かいところを申し上げたのですが、よろしくお願いします。

○村岡委員長 ありがとうございました。何か関連して御質問ございますか。特にないようでございますので、一つの貴重な意見として拝聴いたします。
 それでは先を急いで申しわけありませんが、5ページの3です。環境管理施策の基本的な考え方、先ほどちょっとこれに関する意見がちょっと出ましたけれども、あらためて何かこれに関して御意見ございましたらお願いしたいと思います。松尾委員。

○松尾委員 環境基準の考え方は先ほどから委員長も言っていらっしゃるし、大塚先生も言っておられるのですけれども、BODなんかだと濃度のランクがありますよね。それは非常に現実的にもう汚れていてどうしようもないところはとりあえずDとかEとかでやろう。そうすると、BODのランクができますよね。ところが水生生物といったときはどこでも30μg/l一律の数値に。当然いわゆる毒性の方からみていくとそうなると。しかし現実には先ほどもある程度自然汚染があったり、すでにほかの水質で非常に汚れていて、さっきのBOD、CODとの相関を見てもどっちが効くのかわからないようなところが出てくると。
 それでもやっぱり30μg/lなのかという辺に対して、ちょっとある種の現実感とのずれみたいのがあって、もう少しBODやCODも非常に高いレベルのところであるならば、それは暫定排出基準というかそういうことでいければいいんでしょうけれども、何か特定の流域に係わる排出基準というか、そのようなものができないのかなというのを私は思うんですが、30μg/l一つに決まると、もう本当にそれが動かなくなると類型あてはめをしても何も変わりはなくて、もう一発で全部いくしかないというような感じになると思うんですが、今からそれを申し上げる時期ではないと思うんだけれども。
 何かほかの指標との関係も含めて類型指定をですね。類型指定というふうに言うのが、ちょっともう既に合わないぐらいのレベルになっていると思うんですけれどもね。その辺申し上げていることは多分あまりおわかりいただけないかもしれないけれども。速記録を起こすと何言ったかわからないということなんですが、その辺のちょっと非常に悩むところをどんなふうに考えていかれるかということがあると思うんですけれどもね。

○須藤委員 速記録を見るまでもなく、今先生おっしゃったことは、私十分理解をしたつもりでございます。この亜鉛についてはたまたま6水域に分けた……海は違いますね。川だけについては30μg/lであるということは確かなんですが、これはたまたま亜鉛をやったら毒性試験の結果はそうであったので、これほかの項目でいったらそうならないんです。かなりオーダーが違うような場合も出てきます。
 で、ありますので、この小委員会のものの考え方というのは、たまたま今30μg/lだからそれは変ではないかとおっしゃられると、それはちょっと困る場合もあるんですが、総合管理施策のあるべき姿をそれぞれここで基本的な考え方をお示しくださるんでしょうが、おそらくその濃度について何段階にしましょうとか、例えば10倍ではいけないだろうとか。そういうことを私は議論するのではなくて、排水規制は当然こういう場合も必要であるとか、そういうことを議論すると。しかし、もし松尾先生の御意見で言うならば、環境基準のことを考えて、亜鉛は同じだからよいけれども、これから出てくるのはおそらくオーダーが違うのもあります。その環境基準のオーダー等も考慮して排水基準はやるべきだとかですね、そういう基本的な線を決めればよろしいんじゃないでしょうか。
 それでその濃度とか、それから何倍というのは私あまり好きではないんだけれども、その濃度とか今の段階とか、事を決めるのであればこれは排水基準の専門委員会で、それから処理技術の方の問題もありますよね。そのほかの総合管理施策は面源負荷の問題もありますよね。ということは、そこはその専門家の排水基準の専門委員会でお決めくださる方がよろしいのではないかというのが、私の意見です。

○村岡委員長 佐藤委員どうぞ。

○佐藤委員 亜鉛に関して生活環境項目として5 mg/l の排水基準が設定されております。それと前回の会合の中で現状の業種ごとの排出の平均値的な数字も示されておりました。自治体のアンケート調査のデータで、おおよその傾向が読みとれるのではないかと思います。それから議論されているように水道水の1 mg/lという基準も設定されております。もう1つ考える要素としては10年間で2万点以上の地点の測定をやって、約1割強が目標値をオーバーしたので環境基準項目にしたという考え方ですが、この辺のところでもやはり大事なのは自然由来もあれば、そこの一つ一つの地点でデータが良くなっているのか悪くなっているのかという、そういう問題もすごくあると思います。
 その様なことを考えてみますと、今の規制というのが一つの規制値があってその中で体系が組み立てられており、それがどの様な形になってきているのかということや、あるいは現実の排水の実態、例えば下水道などのデータを見ますと濃度自体はそんなに高くないけれども総量としてはすごく多いということがPRTR調査結果で示されていることなど、やはりその辺のところをよく勘案した上での施策とするべきと考えます。

○村岡委員長 ありがとうございました。何か関連して御意見ございますか、あるいはほかの観点から御意見ございましたらお願いします。

○松尾委員 ちょっとよろしいですか。

○村岡委員長 はい、どうぞ。

○松尾委員 さっきの一番元のデータに戻っていけないんですけれども、国交省のデータだとばらつきが大きくないですよね。だけど環境省のでやると1,000倍ぐらい数値が、濃度についていうとばらつきが大きいように思うんですが、これは何か理由はあるんですかね。亜鉛の濃度が3桁ぐらい。

○松田補佐 資料3-1ですね。やはり環境省の方は濃度が高いようなところを選んだりですね、そういうことをしたりしているのでということかと思います。

○松尾委員 国交省の方が川の、逆にいうと川の状態が安定しているということですか。

○松田補佐 国交省のは一級河川で決まっているんですよね。そういうところもあるかと思います。

○松尾委員 わかりました。そうすると、サンプルの意味が違うわけですね。それからもう1つ、環境基準を大塚先生は少し超えるのがあってもしようがないんじゃないかと言われたけれども、下水道なんかの流総計画というのは、環境基準を守るためにという目的でBODなどの扱いを決めているわけですね。それから一方で上乗せ基準ですか、自治体が環境基準を守るために上乗せ基準というのを決めていきますよね。ですから、環境基準というのは結構そういう意味でいろんな行政施策の一つの目標になっているところがありますからね。
 その辺はだからやっぱり1μg/lでも超えてはいけないかというのは、その現実の判断はものすごくあると思うんだけれども。やっぱり環境基準はみんなで守ろうという基準としてターゲットにはなると思うし、それに向けてどうやるかということだと思うんですけれども、現実の今度は排水規制の方を考えると、とてもそんなふうにはいかない。既に10倍になるようなほど自然の川がないところに下水を放流しているようなケースでいえば、10分の1なんかになるわけがないというような、ここは前からここで議論するたびに言われる議論なんですが、その辺はですから建前の部分はいいけれども、実際にどう設定するかというのはその場になると、結構難しい議論ではないかというふうに思いますけれどもね。

○福井委員 今の話なんですけれども、ここは環境基準の、単純に10倍といった方法はとるべきではない。こう書いてあるんですが、だからと言ってこれまでの、10倍とは違いますよと言いますと、非常に大変な問題に発展するかもわからんのですけれども。もちろん、10倍というのは今回のこの亜鉛の問題で、下水なんかでは大変なんです。放流先の水量の少ないところはほとんど環境基準をオーバーします。
 そうかといってこの10倍の数字というのは、長年これで決まっていたわけで、これを議論し出しますと、基準というのは決めにくいのではないかなと思うんですけれども、その辺はどうなんですかね、これは排水基準の専門委員会で決めてもらえばいいやと。こういうことなんでしょうが、簡単に決まるものかどうか、その辺をお聞きしたいんですが、いかがなものですか。まだ、これからの議論だから今そんな議論する必要ないよと、言われるかもしれませんが。

○村岡委員長 それが正しい、もう絶対的なものであるという認識には今でもなっていないですね。

○安藤水環境管理課長 事務局から今の点について補足させていただきたいのですけれども。論点3のところの単純に環境基準の10倍値といった方をとるべきではないという記述の前段のところで書いていますように、今回の水生生物の保全に係る環境基準というのは、いわば生活環境項目ということで、環境基準の10倍値といった採用の仕方は、これまでは人の健康項目については原則10倍という決め方をしてきております。今回そういう意味では生活環境項目ということで、従来ですとBODとかCOD等につきましては簡易処理した生活排水レベルといったデータを基に参考にしながら決めておるというふうなことでございますので、まさにここに書いていますように単純に環境基準の10倍値といった方法ではなくて、別の観点からの設定の仕方について検討する必要があるのではないかというふうな感じで理解をしていただければと思います。

○村岡委員長 ありがとうございました。安岡委員どうぞ。

○安岡委員 今の件に関してなのですが、やはり我々議論しなければいけないのは、先ほどいいました例えば具体的な管理水準、それから排水基準等々に一つの指針を出すのがここのミッションなのではないのかなという気がするのですが、そうでもないんですか。と申しますのは、要は排水基準の議論となった場合に、具体的なリスクのところ、実害のところをある意味で定量化しない限り、今言ったように10倍則がいいのか、いやどうのこうのというのはなかなか議論できないと思うんですよね。で、冒頭に返るわけではないのですが、そういう意味も含めてやっぱりフィールド調査というのはそれなりの意味を持ってくる話だと思います。実害のところをどうやって排水管理のあり方に考慮していくのか、具体的には排水規制をどうのこうのとなった場合には、当然ペナルティーはあるでしょうし、その辺のところの道筋をつけてやるのが、この小委員会で議論すべき話ではないのでしょうか、違うのでしょうか。

○村岡委員長 おっしゃるとおりといえばおっしゃるとおりなんですけれどもね。一つはその道筋をつけるといってもいろいろバックになるデータがありますから、そこら辺をどうするかというところまでの結論は、多分ここで出せるかどうかわからない。ただ、いろいろな方針が出てきますよね。その中である程度までここでその方針を出すところまでいけばいいけれども、それから先は、やはり専門委員会の方に論議は移っていくべきものが多いだろうと思っております。  だからこの小委員会で道筋をつけるのはそのとおりだと思いますけれども、いろんなデータの問題とかデータの精度とか、データの数だとかそういうものも含めまして、ここで最終的にデータは完全に取り入れなければいけないものだという方針を取り上げるところまでは、多分いかないと思うんですね。その辺になりますと、もうやっぱり専門委員会のレベルで討議をいただくということで、その道筋をつける方向をここでいくつかいただいて、それがまとまればいいけれども、まとまらなければ専門的な問題がそこに内在するなら、そっちの方でまた論議が続いていくだろうというふうに判断しております。

○安岡委員 ありがとうございます。

○須藤委員 ただいま安藤課長が言われておりますように、健康項目については10倍則というのは環境基準が決まれば、そういう道筋がついているからそれはそれでいいんですが、こういう重金属を生活環境項目としたのは、これが初めてですよね。そういう意味でありますから、そういう初めての経験なのでとりあえずは水質汚濁防止に基づく排水基準はつくるけれども、従来の健康項目であったような単純な一律の計算で、その倍数できめるようなことはやらないというか、本当は望ましくないということさえ決めておけばよろしいんじゃないでしょうか。それは議論し出したら10倍ということが起こるかもしれませんけれども、それはやっぱり今のところはもう少し柔軟性のある結論を出しておいた方がよろしいのではないでしょうか。
 そしてさらに、総合管理施策とかそういうようなこともあるし、面源の問題もありますから、その辺が方向性としてあればここのミッションというのですか、ここのお仕事としては十分達成できたわけですね。それから処理技術の問題なんかもありますのでね、こちらには処理技術の専門の先生もいらっしゃるけれども、処理技術なんかについてもこれは十分調べなければいけませんし、その限界も見なければいけませんから。それについてはその専門の委員会できちっと議論していただくということも必要ではないか。もちろん、コストの問題もありますね。処理技術はコストの問題もありますから、そのことについてはそこで対応していただくということが望ましいのではないかと、こういうふうに思います。

○村岡委員長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか、特に基本的な。では、大塚委員どうぞ。

○大塚委員 前回、外国の排水規制のあり方について、今回も参考資料5で配られていますが、御説明があったと思いますけれども、この水生生物の保全に関する環境基準なり、排出基準の関係についてはこれが初めてということになりますので、基本的な考え方というのを、もしある程度ここで議論できるのであればしていただいた方がいいと思うのですけれども。今、須藤委員の方からおっしゃっていただいたように、10倍値にはしないということだけでもいいわけですが、さらにBATのような考え方を、もし、この場合に入れるのが適当かどうかというようなことについて、御検討いただけると大変よろしいかというふうに思っております。
 特にこの問題は水生生物の問題で、人間の健康とかあるいは生活環境でも従来の生活環境とはちょっと違うものが多少入っているようなところもございますので、その使用実態とか排出の実態を踏まえて、技術的に可能なところを排出基準として考えるというのが、一つのラインではないかというふうに私自身は思っていますけれども。そして諸外国でもそういうあり方になっているのではないかというふうに思っておりますが、この手続で御議論いただければというふうに思っております。

○村岡委員長 ありがとうございます。

○松尾委員 ちょっとその前に、さっき須藤先生言われた意味で10倍にこだわる必要もないのですが、BODとかは環境基準よりもかなり高い値が排水基準になっていますよね。それは逆にいうと、水域に出ても浄化作用が働くというある種の期待感があって、それは多少架空の期待感かもしれませんけれどもね。自然にならっていても最終的には分解するかもしれない。だけど亜鉛はそういう物質かというと多分そうじゃないですよね。そこが非常にむずかしくなってくる。なにも排水基準に決められているのは重金属関係は亜鉛だけではなくて、ほかの重金属ありますね。
 ですから、そういうことと同じ扱いにすべきといえばすべきであってね、水生生態系のためだから何か違う考え方を入れるというよりは、生活環境項目ならば、しかもそういう分解自浄作用が期待できるものと、できないものというふうに分けて、そういう期待できないものに入れた途端に何か決まってくる要素もありますよね。ですから、そういう意味ではあまり複雑に考えないで、そういう分類でいけるのかどうかというところですよね。でないと、何か亜鉛だけ非常に特別な物質みたいにして、あまり特別扱いし過ぎてもこれからいろいろな物質異論が出てくるときにおかしくなるでしょうし、要するに自浄作用が期待できるもの、そうじゃないもの。その自浄作用の中身も違うだろうし、程度も違うとは思うんですけれどもね。何かそんなような分け方でいくのは、皆さん、どんな感想をもたれますかね。

○佐藤委員 今の先生のご意見とすると、資料3-1、2に出ている国土交通省のデータや環境省のデータでは、今の環境基準に対してのオーバーの仕方がどの程度であればどの様な被害というか種の減少などが起こっているかということは解らない状態であり、まだ10倍などという形で排出基準を決めるところまで科学的に高められていないのではないだろうかという感じがします。

○松尾委員 ほかの金属だってそうですよ。だから亜鉛だけを何かやり玉に挙げるというのも非常にバランス悪いというふうには思いますけれどもね。

○須藤委員 松尾先生の今の御意見を伺ってくると、なるほど人のため、生きもののため、それが生きもののための方がもしかしたら緩いんじゃないかというのも、この今の時代にこれは合わない考え方ですよね。ですから、私は処理技術のことも考慮してですね。先ほど柔軟性という意味は10倍をはずすという意味ではなくて、10倍も含めて、要するに今まではもう絶対10倍だったんですね。そういうことではないということを。方向なんだから、そういうことを今お決めくださればよろしいんじゃないかなと。こういうふうに思います。
 やっぱりこれからです。私は今のような議論で10倍でなくてもいいんです。10倍でもいいんですが、いろんな物質を今想像しているんだけれども、そういう計算をしますと人の健康項目よりも厳しい基準値になる物質が多分出てきます。それから逆に人の健康項目よりもより緩いのも出てくると思うんですね。どっちかというと厳しいのが出てくる。そうすると、2つの基準が並びますよね。そしたらやっぱり生物の方をとるべきになりますね。1つの物質に2つの基準というのはおかしいわけですからね。人の方が厳しければそれで生物の方を無視すればいいのですが、だから同じ物質になるので、これは同じ物質なのでやはりその辺の連携は松尾先生おっしゃるとおり、これはちょっと考えた方がいいかなというふうに思いました。

○村岡委員長 ありがとうございました。森田委員ありますか、どうぞ。

○森田委員 まず1つは環境基準の問題が例えば自然起源と関係して二重の基準がどうかという議論が1つあったのと、それからもう1つ、環境基準を達成するためのやり方として排水基準をどういうふうに考えるか。そしてその場合の従来の考え方と少し変えるのかどうかというのがポイントだと思っています。  まず1つは、自然起源の問題につきましては基本的にはもともと自然起源が存在をしています、そして非常に高濃度なところには人は住まないし、あるいは生物も棲んでいなかったということが昔からあったわけで、そこに棲むようになったからといって、ある種の手当てをする必要はないというのが多分基本的な考え方で、従って自然起源は基本的に許容される。ただし、それではそこに新しいmanmadeの活動があって自然起源の高濃度汚染レベルまで汚してもいいかという話はちょっと違いますよというのが、多分今の課題だろうと思うんですね。それについては従ってある水準を定めてそれ以上に汚染が広がらないようにというか、ある種の生物に影響を及ぼすような物質の濃度が高まらないような手当てが必要である。その手当てとして考えられるのは基本的には排水の抑制になりますから、そこには何らかの基準を定めて抑制を図る必要がある。これが第1の考えだろうと思うのです。
 それから第2は、それではそこの抑制をしていくときには当然排水基準というような考え方になってくるだろうと思うのですが、そのときに健康項目のときに適用していた基準の10倍値というふうなものを、rigidにあてはめるのは多分適当ではないだろうということに一方の意見があり、一方ではそれではこういう数字をもう少し精密化できるかとか、あるいは他の従来の基準の決め方と変えることによって、不整合が発生するのではないかというのが次の議論だろうと思います。
 それでまず、健康項目につきましては基本的な概念は、その水を飲用にすることによって健康に悪影響が及ぼされるというのが一つの大きな柱であり、もう一つには食物連鎖を通じて体内に取り込まれるリスクが存在するケースであり、メチル水銀がそれに相当します。多くの基準項目はどちらかというと直接飲用というコンセプトに入っていますので、飲料原水中に含まれている物質の濃度及び河川等での希釈が極めて重要になってきます。
 それからこの生活環境項目の方に入っている今回、議論をしております亜鉛についていえば、多分排水源から出てきた亜鉛の化学形態というのは亜鉛の比較的フリーなイオン的な形の亜鉛であることが多いのだろうと思いますが、そういったものが環境中に投入されて、それによって生物がどういうふうに影響を受けるかどうかというような、まだ相当複雑な要素が残っている。例えば環境中でのキレーションが起こるとかあるいは非常に微小な粒子にくっつきながら比較的長期にかかりながらではありますが、セディメンテーションによって除かれているようなプロセスも多分ありますので、従って環境基準の10倍というふうに飲み水に連想しながらつくられてきたものとは、もう一つ違ったふうに考えられるかもしれないということがあります。そういう意味では10倍の希釈だけで考えない。もう少し複雑なことも考える価値はある。
 ただ、そこを考えはじめると結構複雑にはなると思うのですが、できるだけ科学的に詰められるものは詰めて、その倍数というのは考える余地があるということです。そういう意味では再び専門家の活躍が必要かなというふうな感じがいたします。それからついでに言わせていただきますと、資料3-2のこの出来は非常によくなくて、もっときめ細かいきちんとしたデータを表示するような御努力を再度お願いしたいなと。

○村岡委員長 ありがとうございます。ほかにまだまだ御意見あろうかと思いますけれども、ちょうど時間がきております。今日ははじめに申しましたように事務局の方で整理していただきました論点について議論いただきましたので、その論点を中心にいろんな貴重な意見をいただけたという点では大変な成果であったかと思います。また、その論点の中でいくつかにつきましては、ある程度専門委員会への移行というふうな、検討の移行というふうなことを考えてもいいような方向づけができたかと思いますが、それはそれでまた事務局の方で再整理していただきまして、また判断したいと思います。
 しかしながら、やはり大きな問題も残っておるようでございまして、1つは、自然由来のことがある。またその論点がどこら辺にあるのか、詰めないといけない検討はあるのではないかというふうな気がいたしました。もう1つは、やはりフィールド調査、その調査の資料の活用の重要性ということについてでありますけれども、この科学的な知見の集積ということの中でその調査資料を大いに活用するということは答申の中にも出て、はっきり書かれておることでありますけれども、現実にこれからのあてはめとかいうふうな作業でやっていくときに、それができるかどうかと。一方で重要であるという認識があると同時に、それをやっていたのではいまだどうも決められないというふうなこともありまして、その辺をどうするかということが残っておるかと思います。ただ、そういった問題に議論がまとまってきたという点では、この点につきましても私は今日の議論は大変重要であるというふうに思います。
 そういうことで一定の結論をすべてについて出すことはできませんでしたけれども、今日の論議をまた事務局の方で整理していただいて、また次回に少し基本的な点で考えがあるようでしたら討議するということにせざるを得ないのではないかというふうに考えますが、そんなことでよろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)
 ありがとうございます。それでは、本当に今日は貴重な意見をたくさんいただきました。議題といたしましてはその他というのがございますが、何かありますか。

○松田補佐 その他ということでございますが、今回の議論を踏まえまして次回、事務局の方で整理ということでございますが、次回6月下旬をめざしてスケジュール調整をまたさせていただきたいと思いますので、また皆さまのところにお聞きするなりしてセットしたいと考えております。

○村岡委員長 ありがとうございました。それでは次回の日程は今後の調整ということでありますので、また日にちが決まりましたら委員の先生方よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本日の議題はこれで終了したいと思います。いろいろな御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。

午前 0時06分閉会

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