中央環境審議会水環境部会 環境基準健康項目専門委員会(第11回)議事録

日時

平成21年7月10日 


議事録

午前9時59分 開会

○富坂課長補佐 定刻より若干早いですけれども、本日ご出席予定の先生方が全員おそろいになりましたので、ただいまから第11回中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会を開催いたします。
 本日は、委員総数14名中10名のご出席が予定されており、現在10名ご出席いただいております。既に小委員会開催の定足数を満たしています。
 続きまして、お手元の配付資料についてご確認いただきたいと思います。
 議事次第にございます資料1から7まで、及び参考資料をお配りしております。不足等ございましたら随時事務局までお申しつけください。
 なお、年度も変わりまして事務局側に若干人事異動がございましたので、ここでご紹介させていただきます。
 地下水・地盤環境室、遠藤室長補佐でございます。
 私、水環境課の富坂でございます。よろしくお願いします。
 それから、水環境課環境基準係長、浦山でございます。
 同じく環境基準係、鈴木でございます。
 それでは、これ以降の進行を須藤委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○須藤委員長 かしこまりました。
 それでは、ただいまから第11回中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会を開かせていただきます。
 委員の先生方及び事務局の皆様、並びに今日も傍聴の皆様に大勢おいでいただきました。早朝から大変蒸し暑い中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 ここで一言申し上げておきたいんですが、中央省庁の会議室にはなかなか入りにくくて、今日は私も少々早く参ったんですが、委員の先生ももう何人かいらしていて、どうしていいかわからないような雰囲気でございまして、冗談でございましょうけれども、「私はもう帰るよ」と言われてしまって「まあまあ」ということもあって、何かもう少しシステムを、これは水環境部会だけの話ではないんですが、飛行機の都合とか何かでちょっと早目にいらっしゃる先生もおられるようでございますし、何とかもう少し、きちっとチェックされるのはいいんですが、円滑に、先生が気分よく会議に参加できるようにしていただくことを委員長としてお願いしておきたいと思います。
 これは水環境部会だけではございませんので、全体を通して、時々私も同じことを感じておりますので、会議室に入るときのシステムを、何かもう少し合理的というか、会議に臨む立場で円滑にできるようにお願いしておきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 たまたま今日、そういうことで何人か委員と入口でお話をいたしましたので、ぜひお願いしたいと思います。
 それでは、前回議事録の整理から参りたいと思います。
 本日の議事は、主として第2次報告、前回大体合意をいただいたんですが、これを当専門委員会の案として水環境部会に提案していきたいと思いますので、本日でまとめられるように、ぜひご協力をお願いしたいと思います。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。
 前回議事録として、資料2が準備されています。この資料は委員の先生方にご確認をいただいた後、事務局で修正し、再度各委員の先生方に送付された資料でございます。この場で前回の議事録としたいと思います。これでよろしゅうございましょうか。

(異議なし)

○須藤委員長 どうもありがとうございます。
 特に異議がございませんので、このとおりに決めさせていただきたいと思います。
 それでは、この議事録をお認めいただきましたので、事務局においては公表の手続をとっていただきたいと思います。
 それでは、本来の議事を進めさせていただきます。
 前回の議論の中で幾つかの宿題というか、問題がございました。それを整理することと、1.2-ジクロロエチレン、塩化ビニルモノマーについて整理いたしましたが、まず最初に、前回委員会で各委員の方々からいただいたご指摘について、事務局から説明をいただきたいと思います。

○富坂課長補佐 資料3に基づきまして、ご説明させていただきます。
 なお、委員の皆様には前回資料を参考資料としてお配りしておりますので、適宜ご確認ください。
 前回議論では、まず1点目としまして、1,2-ジクロロエチレンの扱いについてご指摘がございました。1,2-ジクロロエチレンにつきましてはシス体、トランス体ということで今まで扱いが変わっていたものについて、水道水質基準について、これを合算して評価しようという流れになっている。この中で、前回、地下水については合算した基準値、そして環境汚染についてはシス体、トランス体の扱いを分けてやるといった定義をさせていただきましたけれども、これについて、よく検討する必要があるというご指摘がございました。
 こちらにつきましては、後ほどまた別の資料でご説明させていただきたいと思います。
 2点目としまして、1,4-ジオキサンについてのご指摘がございました。
 1点目、まず、環境基準ということになると排水基準として規制を行っていくことになるので、慎重な検討が必要なのではないかというご指摘。それに対して、多摩川など環境中で検出されている事例があるというご指摘。あるいは洗浄剤などで使用されている例が多く、廃棄物として出されていることから、環境基準に指定することで他の薬剤に転換してもらうことが望ましい方向なのではないかというご指摘。あるいは1,4-ジオキサンについて、発がん物質であることから、こういったものについて代替物に変えていくべきではないかというご指摘がございました。
 これらを踏まえまして、後ほど案として整理させていただいておりますけれども、環境基準とするという方向で整備させていただいているところでございます。
 それから、その他ということで、要監視項目の位置づけについて改めて検討すべきではないかというご指摘がございました。要監視項目につきましては、モニタリングの体制がきっちりできていないのではないかということ、それから公表の仕方、こういったことについて検討しないといけないのではないかというご指摘でございました。
 また、化学物質の使用状況につきまして、これは都道府県の環境部局が最もよく把握しているという状況に鑑みて、河川管理者、水道事業管理者と環境部局が一体となってサポートするシステムが必要なのではないか。
 前回議論では、このようなご指摘をいただきました。

○須藤委員長 今のお話のように、前回の議論の中で委員の方々から幾つかのご意見がありまして、1,2-ジクロロエチレンについて事務局でさらに追加情報を集めていただきましたので、引き続き事務局よりご説明をお願いします
 併せて、塩化ビニルモノマーについても新たな情報があるということでございますので、それについても追加説明をお願いいたします。

○鈴木係員 鈴木から紹介させていただきます。
 1,2-ジクロロエチレンについての整理と塩化ビニルモノマーについての整理を行いましたので、ご説明させていただきます。
 まずは資料4をごらんください。
 1,2-ジクロロエチレンですが、現在は、地下水、公共用水域の両方でシス体のみを環境基準項目としており、トランス体は要監視項目としております。なお、シス体、トランス体の基準値、指針値は、ともに0.04ミリグラム/リットルです。
 まずは1,2-ジクロロエチレンの地下水における検出状況について、ご説明いたします。
 表1に示しますように、シス体については基準値を超過している地点が毎年度、数十地点見られております。また、トランス体につきましても、平成16年度、17年度にはそれぞれ1地点、超過地点が見られており、指針値の10%値を超過している地点は毎年度、数カ所から十数カ所見られております。
 また、シス体及びトランス体単独では基準値を超過していなくても、合算した場合に0.04ミリグラム/リットルを超過する地点が平成17年度2地点、平成18年度1地点ございました。
 トランス体の指針値または10%値の超過原因につきましては、1,2-ジクロロエチレンが直接排出されたわけではなく、トリクロロエチレン等が地下において分解され、生成したためと考えられます。
 続きまして、公共用水域における検出状況ですけれども、表2に示しますように、シス体、トランス体ともに基準値、指針値を超過している地点はございません。また、トランス体については、指針値の10%を超える検出もございませんでした。
 シス体とトランス体の同時測定が十分に実施されておりませんことから、両異性体の和について現状の評価を行うことは難しいですが、シス体が基準値の10%を超過した地点のうち、同じ日に同一地点でトランス体の測定も行っていた地点についての一覧を表3に、シス体が基準値の10%を超過した地点のうち、シス体と測定日は異なりますが、同一地点でトランス体を測定している地点の一覧を表4に、参考としてお示ししております。
 これらの結果を踏まえますと、地下水においては、トランス体について数地点での指針値超過がございまして、また、シス体、トランス体両方の異性体を足し合わせることでそれぞれの基準値、指針値の0.04ミリグラム/リットルを超過する地点がございますことから、地下水の水質汚濁に係る環境基準に関しましては、シス体のみで0.04ミリグラム/リットルとしておりましたが、シス体及びトランス体の和で0.04ミリグラム/リットル以下とすべきといたしました。
 また、これに伴い、地下水における要監視項目からは、トランス-1,2-ジクロロエチレンを削除すべきとしております。
 公共用水域におきましては、常時監視結果からはトランス体の検出がないことや、地下水におけるトランス体の検出が工場等からの直接の漏洩によるものではなく、トリクロロエチレン等が地下において嫌気条件で分解して生成されたためであることから、地下水と同様の現象が起こることはないと考えられます。
 現在、1,2-ジクロロエチレンについて、意図された製造はほぼ行われておらず、他の化学物質を製造する際に副生成されるものが主であると考えられることから、副生成される過程でのシス体、トランス体別の生成割合は不明でございますが、両者の生成過程が同じことから、シス体が基準値の10%を超えて検出された地点では、トランス体が検出される可能性がございます。
 そのため、公共用水域に関しましては、これまでどおりシス-1,2-ジクロロエチレンを基準項目といたしまして、トランス-1,2-ジクロロエチレンを要監視項目とすべきといたしております。
 続きまして、資料5をごらんください。
 塩化ビニルモノマーについて、前回委員会以降に判明いたしましたデータの整理の結果、指針値を超える地点がございましたので、こちらについてご報告させていただきます。
 指針値を超えた地点は、東京都と埼玉県の県境付近にございます綾瀬川下流桑袋大橋の1地点です。
 まずは表1をごらんください。
 桑袋大橋では、平成17年度より塩化ビニルモノマーの測定を行っておりますが、平成19年度に年平均値が指針値を超過しております。超過したのは平成19年度のみで、他の年度については超過しておりません。
 表2、3には、塩化ビニルモノマーに分解する可能性のあるトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等のデータを示しております。桑袋大橋、桑袋大橋近傍の鷲宮橋における平成19年度のデータを示しております。
 この超過した原因ですけれども、桑袋大橋、桑袋大橋近傍の鷲宮橋においては、PRTRデータを調べたところ、特に塩化ビニル等を使用、または公共用水域へ排出しているところはございませんでした。しかしながら、シス-1,2-ジクロロエチレンは、表2に示しましたように、桑袋大橋において最大0.0004ミリグラム/リットルの検出があり、また、テトラクロロエチレンにつきましては0.0042ミリグラム/リットルの検出がございますことから、分解物の影響である可能性も否定できません。
 具体的な原因や汚染源については、今後さらに調査が必要な状況となっております。

○須藤委員長 ご説明どうもありがとうございました。
 前回の整理と、ただいまの新たな情報を加えまして、委員の先生方からご質問なりご意見なり伺おうと思います。

○平沢委員 よろしくお願いします。
 ちょっと細かい点なんですけれども、資料4の真ん中からちょっと下、「トランス体の指針値又は」というところで「当該物質が地下へ浸透し、地下における分解過程で生成したためと考えられている」とありますね。
 それから、2枚先のまとめのところで、やはり4行目に「考えられる」という文章があって、真ん中から下へいくと「トリクロロエチレン等が、地下において嫌気条件で分解して生成された物である」と書いてあるんですが、これは考えられるんですか、それとも絶対なんですかというところを明らかにしたほうがいいと思います。

○須藤委員長 同じことに対して表現が違いますので、考えられるのか、断定していいのかどうか、こういうことですね。

○富坂課長補佐 事務局のほうで整理した段階では、すみません、そこまで断定的に言えるかどうか、まだはっきりしたことはございませんので、まとめの最後の部分、「地下において嫌気条件で分解して生成された物と考えられることから」という形にさせていただきます。

○須藤委員長 そちらで統一しましょうね。断定できるほど確定した証拠は、まだないということなので。

○平沢委員 結構でございます。

○中杉委員 塩ビの1,2-ジクロロエチレンの公共用水域の話なんですが、湧水の関係はどうなっていますか。そこまではわからないのかもしれないけれども。

○須藤委員長 湧水ですか。

○中杉委員 ええ。地下水が汚染されていて地下水が湧水している場所では、当然地下水が表流水に出てきますので。実際にそういう場所もあります。ここは、そこまで追究する必要があるかどうかはあれですけれども、その可能性はどちらもあるんだろうと思いますので。
 もう一つ、トランス-1,2-ジクロロエチレンはこういう扱いでいいんだろうと思いますが、トランス-1,2-ジクロロエチレンは、日本ではもうほとんど使われていないということですけれども、米国ではかなり溶剤として使われていますので、この使用状況といいますか、生産状況といいますか、そういうものを少し見ていく必要があるだろうと思います。
 これまでは化学物質についての生産状況、使用状況はあまり情報を得られなかったんですけれども、今度は化審法の中で、ある量以上製造、使用する者については届出が必要だということになりますので、これはどんな形で公表されるのかわかりませんけれども、少なくとも行政としては監視をしていって、もし使われるようになったら少し管理をしていくといったことも考えるべきだろうと思います。そこら辺、注視していただければと思います。

○須藤委員長 今、2点ご質問、最後はコメントだと思いますが、課長補佐からお答えをお願いします。

○富坂課長補佐 まず1点目でございますけれども、トランス-1,2-ジクロロエチレンにつきましては、現在、要監視項目という整理でございまして、そういう意味で、要監視項目なりのモニタリング体制がとられている状況でございます。
 湧水につきまして、そういう意味で十分な情報が集まっているとは言い難い状況でございますので、今回、塩ビモノマー、それから1,2-ジクロロエチレンにつきまして、地下水の環境基準にするという整理もされております。また、そういったところも踏まえて、環境中への排出状況といったことを確認させていただきたいと考えております。
 2点目でございますけれども、PRTRデータで見ますと、1,2-ジクロロエチレンにつきましては年間60トンから100トン程度の報告がされている状況でございます。ほとんどが大気または廃棄物への移動、排出となっておりまして、水系への排出はあまり報告されていない状況でございますけれども、実際にそのような形で使われている実態がございますので、そういったところも含めて、また検討させていただきたいと考えております。

○須藤委員長 湧水だけで測定している例は、そうないんですよね。だから結局、湧水が多量に入ってきて公共用水域がある濃度になる可能性があるということを、多分、先生は指摘されていると思うので、もし上がったときには、そういうことをちょっと考えていただきたい。

○中杉委員 この場合、あまり原因追究をする必要はないのかなと思いますけれども、原因追究するときには、そういうことも一つの要素として考えられたほうがいいのではないかと思ったものですから、申し上げた次第です。

○須藤委員長 それから、PRTRをもうちょっとしっかり見ておいてくださいという……

○中杉委員 PRTRもそうですけれども、化審法のほうでも今度、そういう情報がとられるようになりますので、そちらも併せて見ていただければと思います。

○須藤委員長 よろしいですね。

○富坂課長補佐 わかりました。

○佐々木委員 今の中杉委員のお話で、大分以前なものですから、私自身も細かいことを覚えていないですけれども、東京都内の城南河川でジクロロエチレンが検出されまして、原因をいろいろ探りましたが、多分、湧水由来だろうと考えられました。河川水から検出されるのが不思議だったものですから、自分の実験間違いかと思って再度とり直しをいたしましたけれども、引き続き出ているということで、多分、そういう事例は……

○須藤委員長 湧水。

○佐々木委員 はい。環境基準点ではないですけれども、経験としてございます。

○須藤委員長 結局、湧水が発生源になっているということですね。ありがとうございます。過去にもあるということです。
 他の先生はいかがですか。よろしいですか。
 それでは、どうもありがとうございました。今までのいろいろな情報で新たに注意してほしいというようなこと、あるいは湧水の問題、もし濃度が高かったり、あるいは検出が出ない場合には、湧水が発生源になり得るというご指摘をいただきました。
 それでは、議題3、個別項目の測定方法についてということで、環境基準健康項目として検討している個別項目の測定方法について、資料が用意されておりますので、事務局よりご説明願います。資料6です。

○戸川課長補佐 水環境課の戸川と申します。資料6についてご説明いたします。
 資料6は測定項目の説明資料になりまして、1枚目に概要を、2枚目以降に具体的な分析方法を示しております。あと、2枚目の右上に「別紙3」と書いてあるんですけれども、これは後でご説明します資料7のまとめの別紙を兼ねておりますので、そこのところをご承知おきください。
 また、参考資料といたしまして、委員の先生方には冊子版の参考資料の一番後ろ、参考資料5として日本工業規格のコピーを添付しておりますので、それを併せてご確認ください。著作権の関係で委員限りの資料とさせていただいておりますので、傍聴の方々は、資料6の一番下にホームページのアドレスを書いておりますので、そちらから閲覧していただければと思います。
 それでは、概要を説明いたします。
 1枚目の表にございますように、今回3項目、新たな項目となっておりますが、いずれも既に要監視項目として測定されている物質でありまして、結論から申し上げますと、表のとおりですが、いずれも要監視項目の測定方法として用いられた方法を記載しております。
 まず、1,2-ジクロロエチレンですけれども、既に環境基準であったシス体の測定方法に加えまして、要監視項目のトランス体の測定方法を追加して記載しております。これがいずれも日本工業規格K0125の、用水・排水中の揮発性有機化合物の試験方法を引用しているということになっております。
 2番目ですけれども、塩化ビニルモノマーにつきましては付表1に掲げる方法といたしまして、パージ・トラップ-ガスクロマトグラフ質量分析法ということで、2ページ以降に書いております。
 3つ目、1,4-ジオキサンにつきましては、活性炭抽出-ガスクロマトグラフ質量分析法ということで、これは付表2に記載しております。
 このうち1,4-ジオキサンと塩化ビニルモノマーの方法につきましては、規格ではなく、環境省のほうで測定方法を定めているものですから、念のため自治体に、要監視項目の測定をしている際の実際の問題点は何かヒアリングを行いまして、確認試験を行っております。その際には、本日ご出席の森田先生を座長とする分析法の検討会で検討を行いまして、了承を得ております。
 内容につきましては、表現の適正化とか細かな修正を行っておるんですけれども、測定方法としましては、基本的にこれまで行われていた内容を引き継いだものになっております。

○須藤委員長 森田先生、大変お力添えいただいたそうですが、何か追加でご意見ございますか。

○森田委員 特段追加することはありません。ほとんど踏襲しておりますので。

○須藤委員長 委員の先生方、何かございますか。測定方法について。

○中杉委員 測定方法はこれで結構だと思いますけれども、1,2-ジクロロエチレンの数字が2つ出ますよね。その値をどういうふうに評価するのか。片方がNDだった場合に扱い方が難しいだろうと思うので、NDだったときにどういう整理をするのか。
 ダイオキシンのときも同じようなことがあって、ダイオキシンの場合は、たしかNDのところには検出下限の2分の1を入れていたと思いますけれども、今回は、先ほどのご説明だと検出下限そのものを入れている。安全側で見るという意味ではそうかと思いますが、そこら辺はご説明いただけますか。

○戸川課長補佐 似たような事例で、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素が併せて評価することになっていまして、その場合は、今、中杉委員がおっしゃったように定量下限値、報告下限値を値として、合算して評価することにしておりますので、今回もそのような方法を踏襲していきたいと考えております。

○須藤委員長 下限値ですね。

○戸川課長補佐 はい。

○須藤委員長 ほかに、よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。
 それでは、ただいまの個別項目の特定方法について、今ご説明いただきました資料でご承認いただけますでしょうか。

(異議なし)

○須藤委員長 それでは、これで決定させていただきます。どうもありがとうございます。
 それでは、冒頭に申し上げましたように本日のメインの議題になるわけでございますが、「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第2次報告)(案)」に入ります。
 まず、事務局より資料の説明をお願いいたします。

○富坂課長補佐 資料7に基づきまして、ご説明させていただきます。
 水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第2次報告)(案)でございます。
 こちらにつきましては、平成14年度の諮問に対しまして平成16年に第1次報告をさせていただいております。今回は、それに続く第2次報告でございますので、考え方につきましては、第1次報告の考え方に基づきまして、今回、議論を加えていただいた部分について適宜見直しを行っているというスタイルでございます。
 まず、1枚開いていただいて、目次をごらんください。
 「はじめに」それから「検討事項等」ということで、「検討に当たっての基本的考え方」こちらについて、第1次報告と同様の考え方でございます。それから「検討結果」でございまして、今回ご議論いただきました項目、それから「測定方法」について整理してございます。「おわりに」ということで、今回いただきました課題について整理させていただいております。
 まず「はじめに」ということで、冒頭、環境基準健康項目、それから地下水の基準項目についての考え方について述べさせていただいております。
 1枚めくっていただきまして、検討事項の(1)でございます。
 今回、検討をお願いしております項目について列挙してございます。
 まず[1]、平成16年答申において課題として残されていた項目、塩化ビニルモノマー、エピクロロヒドリン、1,4-ジオキサン、全マンガン、ウラン、アンチモンなどについての整理を行っております。[2]といたしまして、WHOにおける飲料水水質ガイドラインの改定、平成20年度の水道水質基準改定、こういったものを踏まえまして、基準値、また指針値の見直しを行っております。
 なお、平成16年答申において、農薬について引き続き検討することとなっておりました部分につきまして、また、これは引き続き環境中の検出状況に関するデータ等を収集した上、審議を行うこととするという整理をさせていただいております。
 したがいまして、[1]について6項目、[2]について4項目を今回、検討事項として載せてございます。
 (2)検討に当たっての基本的考え方でございますが、この選定の考え方等につきましては、平成16年答申に掲げております基本的考え方を基本に整理してございます。
 まず、[1]基本的考え方でございますが、「水環境の汚染を通じ人の健康に影響を及ぼすおそれがあり、水質汚濁に関する施策を総合的にかつ有効適切に講ずる必要があると認められる物質」これを水質環境基準の健康項目として整理することとしております。
 また、要監視項目については「人の健康の保護に関連する物質ではあるが、公共用水域等における検出状況等からみて、直ちに環境基準とせず、引き続き知見の集積に努めるべきもの」という項目でございます。
 [2]選定のポイントといたしまして、毒性情報等の知見に基づき得られる人の健康の保護の観点からの基準値及び指針値を勘案すること、それから、我が国における水環境中での検出状況、生産・使用等の実態等を踏まえることということで、各項目の取り扱いを判断することとしております。特に検出状況等については、物質特性、自然的要因等の検出要因についても考慮することとしております。
 2)水質環境基準健康項目基準値、要監視項目指針値の考え方でございます。
 我が国あるいはWHO等において検討された科学的知見あるいは関連する各種基準、水道などの基準の決定状況をもとに考えるということになっております。また、考え方としまして、生涯にわたる連続的な摂取をしても健康に影響が生じない水準、慢性毒性の考え方をもとに決定する。あるいは魚介類等への濃縮性、こういったものについても知見を考慮することになっております。
 3)環境基準の適用等に当たっての基本的考え方でございます。
 健康保護に係る基準、公共用水域及び地下水につきまして、広く有害物質の環境汚染の防止に資することを念頭に置く、すなわち全体として1つの水循環系でございますので、すべての水域に同じ基準を適用することを基本としております。
 以下、下線が引いてあるところが今回の第2次報告で新たに追加させていただいた部分でございますけれども、トリクロロエチレン等が嫌気的な地下水中においても時間をかけ分解し、別の物質が生成する、こういう状況がある場合において、地下水においてのみ検出等が見られる場合には地下水のみの環境基準を検討し、適用することとするということを、今回、新たにつけ加えさせていただいております。
 4)自然的原因による水質汚濁の取扱いです。
 基準値の適用については、自然的要因であっても人為的要因であっても適用するということで整理しておりますけれども、ただ、その後の測定結果の評価、対策の検討に当たっては、自然的要因であるかどうかについて十分考慮する必要があるという整理でございます。
 4ページでございます。
 3.検討結果ということで、各項目について整理してございます。
 まず、平成16年度答申において課題として挙げられた事項のうち、塩化ビニルモノマーについてでございます。
 まず、検出状況につきましては、公共用水域等で現行の指針値を超過したものが平成16年度から18年度にそれぞれ1カ所。こちらにつきましては地下においてトリクロロエチレン等が嫌気性条件下で分解したものが出てきたものではないかということが確認されております。
 そのほかに、平成19年度に全体で1カ所見られておりますけれども、継続的な超過は見られていない。また、指針値の10%を超えるものについては、毎年1から10カ所程度あるという状況でございます。
 地下水における検出状況でございますけれども、指針値の超過事例については毎年17から58カ所認められるということでございます。また、指針値の10%を超えるものについても数十カ所あるということでございまして、これらのほとんどについては、嫌気性条件下での分解により生成したと考えられております。
 このようなことから、公共用水域に関しては引き続き要監視項目として整理する、また、地下水に関しては新たに地下水環境基準項目とするという整理とさせていただいております。
 基準値でございますけれども、現行、要監視項目として0.002ミリグラム/リットルを定めておりますが、平成16年度にこの指針値を定めた以降の新たな知見がございませんので、この値を地下水環境基準の基準値とするという整理でございます。
 続きまして、1,4-ジオキサンでございます。
 検出状況につきましてですが、公共用水域につきまして、指針値超過事例ということで平成18年度に2カ所ございます。それから指針値の10%を超えるものについて、平成16年度以降、毎年ある状況でございます。
 地下水につきましては平成16年度に13カ所、平成19年度に1カ所ということで、10%値を超えるものは平成16年度以降、毎年見られるという状況でございます。
 また、利水障害としまして、現行指針値を超えることにより水道の取水が停止された事例が複数ございます。また、公共用水域への流出により水道の取水停止につながるおそれがあったものという事項もございます。
 また、PRTRデータ、こちらのほうで確認しましても、公共用水域への排出量が多い、あるいは水に混合しやすいといった物性状況から、一度排出された1,4-ジオキサンにつきまして、水系から出ていく、あるいは分解されるという事はなかなか考えにくいということがございますので、当該物質につきましては、公共用水域及び地下水の健康保護に関する環境基準項目とすべきであるという整理でございます。
 基準値につきましては、現行、要監視項目の指針値として設定している0.05ミリグラム/リットル、これを基準値とすることが適当であるという整理でございます。
 [3]エピクロロヒドリンでございますけれども、公共用水域につきましては、平成17年、18年、19年に数カ所、指針値の超過が見られるという状況でございます。
 地下水については、指針値の超過事例はございません。ただし、エピクロロヒドリンにつきましては指針値の根拠となる毒性情報、これにまだ不確かさがあるという状況でございますので、引き続き検出状況等の知見の収集に努めるということで、要監視項目のまま整理させていただいております。
 4番目、アンチモンでございます。
 検出状況につきましては、公共用水域で指針値を超過するものが平成16年度以降、毎年あるという状況でございます。地下水につきましても、超過するものが毎年1から2カ所あるという状況でございます。
 これらの超過事例のうち、6ページでございますけれども、人為的な影響により指針値を超過すると考えられるものについて、地下水において1カ所、公共用水域について3カ所ということでございます。これらについては場所が特定されているということもあり、当該水域を所管する県・市、こういったところで指導、監視あるいは環境用水の導入ということで、環境中でのアンチモンの濃度低減の対応策が考えられているという状況でございます。
 こういったものの対策の結果を踏まえた上で、取り扱いについて再度検討すべきという整理でございます。
 それまでの間は、引き続き要監視項目として整理して、検出状況等の棄権の収集を継続するという整理がございます。
 なお、今回の議論の中でも、アンチモン化合物の動態が非常に複雑であるといったご指摘をいただいております。これにつきましては、実測調査も含めた知見の収集を継続する必要があるとコメントさせていただいております。
 [5]全マンガンでございます。
 検出状況につきましては、公共用水域におきましても平成16年度以降、毎年3から31カ所見られる状況でございます。また、地下水におきましても、24から40カ所で毎年検出が見られている状況でございます。
 これらの指針値の超過原因でございますけれども、原因が追究されたものにつきましては、還元状態におけるマンガンの溶出、すなわち自然由来と考えられております。それ以外のところについては原因不明ということでございますけれども、工場、事業場からの排水の影響のみで全マンガンの指針値を超過すると明確に断定できる箇所がない状況でございますので、今後とも監視を継続すること、それから、水環境中での動態に関する調査、これをさらに行うべきであるという整理でございます。
 [6]ウランでございます。
 河川について平成16年、18年、19年に数カ所の指針値超過が見られております。海域に関しては平成16年度以降、毎年数十カ所で超過事例が見られております。地下水につきましては平成17年度に1カ所、指針値の超過が見られているという状況でございます。
 この指針値超過の原因でございますけれども、過去における超過事例、ほとんどが海水の影響を受けたものと考えられております。それ以外の部分についても地質由来の影響と考えられているということでございまして、人為的な影響が見られないということがございますので、引き続き要監視項目としてモニタリングを行っていくという整理をしてございます。
 以上が平成16年の宿題分でございます。
 2番目に、WHOの飲料水水質ガイドライン及び水道水質基準の改定を踏まえた検討でございます。
 まず1番目、1,4-ジオキサンでございます。
 こちらにつきましては、先ほども検出状況についてご説明いたしましたけれども、毒性評価の考え方につきまして、WHO、それから水道水質基準、こちらのほうで検討されておりますので、ここで整理させていただいております。
 WHO、水道水質基準、いずれも同一の根拠、健康影響評価をもとにして設定されております。また、食品安全委員会においても1,4-ジオキサンについて評価が行われているということでございます。これらについて、根拠については同一でございますし、試験の評価方法の違いによって多少結果の違いはございますけれども、基準値としましては、ほぼ等しい状況でございます。
 平成16年度の要監視項目指針値を定めた際に用いました根拠と同一ということでございますので、従来の指針値、0.05ミリグラム/リットルを基準として採用するということと整理してございます。
 2番目に、1,1-ジクロロエチレンでございます。
 こちらにつきましては、WHO飲料水水質ガイドライン、それから水道水質基準、こちらで基準値が改定されてございます。値としましては0.1ミリグラム/リットルということでございまして、こちらにつきましては、新しい基準値をもとに現行の検出状況を整理し直してみますと、10%超過される事例が過去10年間にわたり公共用水域については見られない、地下水においては10%超過する事例が見られるという状況でございます。
 したがいまして対策につきまして、現行の排水規制を前提として公共用水域から検出される可能性は低いと予想されますので、常時監視についての重点化、効率化というものを考える必要があるという整理をしてございます。
 基準値の導出根拠につきましては、ラットを用いた2年間の飲水投与試験の影響からBMDLの値を出しまして、不確実係数を100、これに水の寄与率10%としまして、基準値0.1という導出根拠となっております。
 3番目に、1,2-ジクロロエチレン。シス、トランス両方とも一緒にまとめてございます。
 公共用水域につきましては、シス体について10%の値を超過する場所が数カ所見られる。トランス体については検出事例が見られないという状況でございます。
 それから、シス体、トランス体を合算した評価値ということになった場合にも、指針値の0.04を超過するものはないという状況でございます。
 9ページに参りまして、地下水の検出状況ということでも整理させていただいております。
 これは先ほどの資料でもご説明しましたけれども、公共用水域につきましては、シス-1,2-ジクロロエチレンにつきましては引き続き環境基準項目として整理する、トランス-1,2-ジクロロエチレンにつきましては要監視項目と整理するということでございます。
 地下水につきましては検出状況等ございますので、現行のシス-1,2-ジクロロエチレンにかわりましてシス体及びトランス体を合算しました1,2-ジクロロエチレンとして、地下水環境基準項目とするという整理でございます。これに伴いまして、地下水のトランス-1,2-ジクロロエチレンにつきましては、要監視項目から削除するという整理でございます。
 基準値についてでございますけれども、平成16年の根拠データと同一のもので整理してございます。0.04ミリグラム/リットルというシス体及びトランス体の和ということでございます。
 4番目でございます。1,1,1-トリクロロエタンでございますけれども、現行の環境基準健康項目の整理を検出状況等から整理しています。
 その中で1,1,1-トリクロロエタンにつきましては、ここではちょっと「[1]」としてございますけれども、[2]の1,1-ジクロロエチレン、こちらのほうで検出状況について整理してございますけれども、公共用水域におきまして基準値、それから10%の値を超過する事例が過去10年にわたり見られていない状況でございます。
 また、1,1,1-トリクロロエタンにつきましては、用途、使用方法、そういったものを勘案しますと、今後、増えていくという状況にはございませんので、現行の排水規制を前提として、公共用水域における常時監視についての重点化、効率化を行うべきであるということを整理してございます。
 3番目として、その他(要監視項目のあり方について)でございます。
 今回の検討の中で、要監視項目のあり方、監視が十分ではないというご指摘をいただいております。こちらにつきまして、都道府県において適切な監視実施の動機となるよう、あるいは突発的な水質汚染等にも対応できるよう、要監視項目の位置づけについて検討すべきであるという整理をしてございます。
 10ページの下段以降、今回、環境基準健康項目、それから要監視項目に係る検討結果ということで、従前より変更する項目について整理してございます。
 表1については、新たに健康項目に係る水質環境基準、公共用水域の基準として追加する基準項目、1,4-ジオキサン、0.05ミリグラム/リットル以下としております。
 表2については、地下水環境基準として追加する基準項目、1,2-ジクロロエチレン、0.04ミリグラム/リットル以下、塩化ビニルモノマー、0.002ミリグラム/リットル以下、1,4-ジオキサン、0.05ミリグラム/リットル以下、以上3項目でございます。
 それから、表3に基準値を見直す項目としまして、1,1-ジクロロエチレンでございます。現行の基準値「0.02ミリグラム/リットル以下」を、新たに「0.1ミリグラム/リットル以下」と改正するという整理でございます。
 続きまして、12ページでございます。
 測定方法につきましてですけれども、先ほど資料6で説明しました測定方法について、こちらに記載するということでございます。概要については、表4でございます。
 最後、「おわりに」でございますが、諮問事項につきまして、環境基準等の見直しについては今回、整理させていただいたところでございますが、残る農薬についての検討をさらに進めるということを整理してございます。
 次ページ以降につきましては別紙ということで、参考となる資料をつけさせていただいております。
 別紙1としまして、検討対象項目の検出状況を整理してございます。
 4枚めくっていただきまして、別紙2、環境基準項目等の設定根拠ということで、各物質についてのシートをつけてございます。
 一番最後に別紙3ということで、測定方法について、先ほど資料6でご説明いたしました測定方法の内容について掲載する予定でございます。

○須藤委員長 要領よく簡潔にご説明いただきまして、どうもありがとうございました。
 前回おおむね議論いたしまして、さらに追加資料等も含めて今回、前段で議論させていただいて、最終的に今の資料7を当方の第2次報告とさせていただきたいと思いますが、しかし、そうはいってもさらに先生方がお気づきの点、あるいはご意見、それから「おわりに」等、結果としては、平成16年度で我々が課題としたものについて一応検討はしたんだけれども、農薬についてはまだ未検討であるというようなこともあって、5年ぶりに人の健康の保護に関する環境基準等を見直して、新たなものがつくり上げられたということでございます。
 ということで、次の回をいつまた、農薬についてすぐできるかどうか、もしかしたらまた新たなものをやらなくてはいけないか、いろいろあるだろうと思いますので、先生方からご意見をいただこうと思いますが、特に、今の第2次報告についてはもう十分議論をしてありますので、そのほかというか、これの関係すること、あるいは今後の課題等も含めて結構でございます。ちょうど1時間ぐらいは用意した時間がございますので、内山委員のほうから何かお気づきの点、あるいは全然今の問題ではない問題、先生のご専門の部分で今後の課題等を含めて、一言ずつおっしゃっていただいたほうがよろしいのではないかと思いますので、内山先生のほうから何か、ご感想でも結構でございます、今後の進め方でも結構でございます、どうぞよろしくお願いいたします。

○内山委員 報告書自体に関しては、今まで十分議論されてきましたので、特に問題ないと思いますが、1つだけ、この報告書の全体のトーンとして、環境基準に上げるときに曝露評価が中心になっている感じがします。検出状況が増えたから、では環境基準に上げましょうかということで、やはり毒性の強さとか、そちらも同時に報告書に書いていただけると、もうちょっとわかりやすくなっていいかなと思います。ただ検出されるものが増えたから、すぐ基準に上げましょうというのではなくて、例えば、1,4-ジオキサンなどは、発がん性があるから優先的に上げましょうというようなことであると思います。最初の考え方の頃で、健康に影響するおそれがあると書いてあるので、それでもいいのかなと思うんですが、やはり物質によって多少プライオリティが違うと思います。

○須藤委員長 研究が進んで新たに毒性評価が出てくるものもございますよね。そういうものを生かして……

○内山委員 それがリスク評価の現実かなという気がしますので。ただし、この報告書は、
 これで結構だと思います。
 それから、前回申し上げたかもしれませんが、たしか基準が「検出されないこと」という物質がまだ数物質ありますね。その表現が、一般の方には全くあってはいけないというようなことに解釈されることがあり、リスクコミュニケーションを行う場合に非常に苦労します。もしそれが、定量下限で示すのではなくて「検出されないこと」というほうがいいという理由があればやむをえないのですが。ただしこの測定マニュアルを見ると「「検出されないこと」というのはナニナニ以下のことである」とわざわざ書いてあるので、そこまで見ると、やはり測定されることもあるのではないかということがわかるんですが、この表だけ見ていますと「検出されないこと」ということは、もう地下水なり何なりに入っていてはいけない、そんな物質は議論をする余地はないという感覚があります。従来の設定をもう一回見直していただいて、やはり「検出されないこと」という表現がいいのか、あるいは先ほどの評価のときと同様に定量下限でいいんですよということであれば、それにするか、そこら辺を今後、やっていただければ非常にわかりやすいなと思います。

○須藤委員長 大変重要なご指摘です。
 これは時々問題になりますよね。それなので、今のこの報告書の中でどうというところまではいきませんので、事務局で検討していただいて、次期の課題の中ではその辺の表現の仕方を工夫していきたいと思います。

○岡田委員 今回はこれで結構だと思うんですが、前回までの議論の中にあったように、環境基準に上げていくときに定量的な目安も要るのではないか。あまりぎりぎりやるとこれは大変だから、ある部分はぎりぎり科学的を目指すのもいいと思うんですが、ある部分は合意でやらざるを得ないところもあるかと思います。そういう意味で、今後、できる限り定量的な目安を検討していただきたい、すべきではないかと思います。
 今度は逆に、ある検出が増えたから環境基準に挙げます、これをやっていきますと永遠に増えていくわけですね。一方で、モニタリングを合理化すべきということがあるとすれば、環境基準にあるものを下げるということも、これはすぐにやれということではなくて、大変な議論が必要だと思いますが、検出状況に応じて環境基準から落とすなどといったことができるかどうかわかりませんが、それも検討するのがフェアであろう。要監視から環境基準に上げるんだったら、環境基準から要監視に下げて、要監視からなしにすることがあるのかどうかということは、検討すべきではないかと思います。
 それと、やはり今回の資料でも、自然由来の物質の取り扱いがまだ若干曖昧だなと。ルール的には、自然由来であろうとなかろうと検出されたら環境基準にするというふうにルールとしては読めるんですが、個別例を見ますと、必ずしもそうもなっていないところがチラチラッと見受けられます。気持ちはわかるんですが、そういう意味で、自然由来のルールについてはもう少し今後、きちんとしていくべきではないだろうかと思います。

○須藤委員長 岡田先生おっしゃるとおりで、先ほどの内山先生のお話もそうなんですが、何かの物質について、これから環境基準にしようかしまいかという議論を始めてしまうと、今のような総合的な部分の議論がなかなかやりにくいので、私は、この環境基準健康項目の委員会を次回スタートするときには、その辺の一般論を少しやってからでないと、「ナニナニ物質についてこうしようか」となると、すぐそこに、従来どおりのところになるので、環境基準というのは、環境行政を推進する根幹になる部分なので、生活環境基準もそうなんですが、その辺の議論がやや不足していると思っております。何かの機会に、この委員会でやるのが適切かどうかわかりませんが、先生もそちらのお仕事をずっとやっていただいているので、ぜひお願いしたいと思います。

○佐々木委員 基本的には、かなり意見を取り入れていただきまして、この見直し案については特にございません。ただ、森田先生のもとで分析のほうにも参画させていただいておりましたが、今、岡田先生もおっしゃったように、モニタリングしていくときに項目がどんどん増えてまいりまして、特に今回、塩ビモノマーにつきましては、通常ヘッドスペースで出来ていたものがパージ・アンド・トラップというかなり煩雑な方法でないと出来ないということに、とりあえずなっております。一方では最近、ヘッドスペース法にトラップ機能を加えた機器が新たに複数のメーカーから出てくるなど進歩もございますので、今後、分析法自体も一層検討して行く必要があると思っております。
 もう一点は、農薬が今後の課題ということで、当然お考えかとは思いますけれども、環境中の分解代謝物などについても、だんだんデータもそろってまいりました。分解することによって、より毒性が増すものもありますので、その辺も踏まえて検討が必要ではないかと考えております。

○須藤委員長 代謝物ですよね。ですから、決して農薬だけではなくて、これから農薬は、特にそれが大きいかもしれませんね。ですので、その中ではそういうものを取り上げてほしい、こういうご要望と承ってよろしいですか。

○佐々木委員 はい。

○鈴木委員 今回の骨子案については、意見等はございません。
 この範囲を外れますけれども、前回議論もあったようでございますが、全体的な水の管理という資料3の一番最後、これは多分、真柄先生がおっしゃっていたことだと思うんですけれども、そういった体制ができていくような、水にかかわる人たちの間での体制づくりというのも検討していっていただきたいと思います。

○須藤委員長 この辺も大変大変重要な問題なので、環境だけのものではなくて、少し省庁をまたがるような、そういうことですよね、そういう意味での水質管理というか、全体的な管理をやっていく必要があるでしょう、こういうご指摘でよろしいですか。

○鈴木委員 はい。

○須藤委員長 これはまた水環境課長なり審議官なり後で、こういうご意見も出ているので、また、本来大切なことなので、これをどうやっていくかということについては他の省庁との協議の中でも進めていただきたいと思います。

○中杉委員 最初に、報告書ですけれども、1,1,1-トリクロロエタンは全くこの中に入っていないんですが、オゾン層保護法で使用を停止されているものですよね。それが中間体等で使われているということで残っておりますけれども、原則使用禁止ということで、全廃しているはずなんですね。そこら辺のところは何かきちっと書いておく─ここに書くのか、後ろのほうにでもそれは書いておく必要があるだろう。だから、むやみにこれからつくられることはあり得ないということも一つの要素としてあるだろうと思います。

○須藤委員長 1行書いてほしいということですか。

○中杉委員 後ろの資料のところでもいいかと思いますけれども、そこにも全くそれが見えないんですよね。これは非常に重要なメッセージで、これから増えることはないよ、むやみやたらに使われないよということだから、場合によったらもう、先ほどの岡田委員のお話ではないですが、環境基準項目から落としてしまうということもあり得るんだろうと思います。

○須藤委員長 将来はね。

○中杉委員 岡田委員が言われた環境基準項目から落とすという話は、既に有機リンについては1回やっているんですね。だから、そういう考え方がないわけではないので、そういうことを見ていったほうがいいだろうと思います。
 もう一つは、今回の基準の設定は新たな部分が幾つか出てきていて、例えば、塩化ビニルは地下水にしかつくらないというようなところある。そういう観点で一歩進んでいるんですが、環境基準自体、何なんだという見直しを少ししていく必要はあるだろう。これは水だけではないんですね。水だけではなくて、大気のPM2.5の議論のときも環境基準のあり方について少し考えろという話が委員会で出て、私もそう申し上げたんですが、環境基準自体もそうですし、いろいろな意味で「環境基準って何なんだ」ということをもう一回議論していく必要があるだろう。
 先ほど岡田委員が言われた自然由来であれどうであれということ、これはもう、自然由来がどうであれ、環境基準は環境基準で人の健康を守るという望ましい状態は当たり前なので、私は自然由来であるからといって、それはどんどん環境基準をつくればいいんですよ。そうしないとおかしいんですね。要監視項目の指針値と基準値と同じように見ませんから、一般の人は。指針値と基準値は、水の場合はほとんど同じ意味合いを持っていると考えます。ただ、それがすぐに排出規制に結びつくかというところですね。
 今回はそこら辺が一歩踏み出したので、よかったなと思っているんですが、そこら辺も踏まえて、健康項目というのはこれ、水の場合は「有害物質」と言っていますけれども、25階のほうでは「化学物質」と言っているわけですよ。結局全部一つの流れなんですよね。それを全体でどう管理していくかということで考えていかないといけないんだろうと考えています。
 それからもう一つ、農薬の話なんですけれども、農薬も、どうするか非常に難しいと思っています。というのは、農薬の常時監視をやっていて、年12回測っていて、検出されることはほとんどないんですよね。たまたま1回検出されてしまうと、それが環境基準を超えてしまう。そういう意味で、今の常時監視の中で農薬の年平均値が求められるかというと、ほとんど不可能ですよ。そういうものをどういうふうにするかというのは、また別な考え方が必要だろう。これは農薬管理室の仕事ではありますけれども、そういう意味でのモニタリング、農薬というのはどうやるのか。今は年平均ですから、それを監視しなければいけないんですけれども、今のやり方で本当にそれができるのかどうか、少し勉強してみる必要があるだろうと思います。
 もう一つだけですけれども、先ほどの排出規制の話に絡んで、今回の項目について、シスとトランスですね、合算をした。地下水の場合が合算でしたね。それから塩化ビニルは地下水だけ。合算した場合に、排出規制のほうはどうするのか。そのときに、合算した数字はどうするのか。ダイオキシン類の場合は環境基準が2分の1で規制の場合はNDはゼロというふうに扱った。その辺をどうするのかを考えなければいけない。
 これは地下浸透のところがありますから、地下浸透のところ、測定下限が幾つだという話であります。
 もう一つは、塩化ビニルが、毒性の高いものが分解で出てくるよという話なんですけれども、これをどうするかという話がありまして、これもやはり地下浸透だという話なんですが、どこまで分解するか。そんな100%分解するとは思えませんけれども、そこをどう評価するか。親物質ですとトリクロロエチレンとかそういうものの地下浸透の規制が今のままでいいのかどうかも、少し議論をしておく必要があるだろう。
 ただし、なかなか難しいと思います。そういうこともあり得るよということを、今回、提起したんだろうと思います。
 前に、やはり1,1,1-トリクロロエタンが地下水の中で1,1-ジクロロエチレンに分解する、そのときに1,1,1-トリクロロエタンは毒性が弱くて1,1-ジクロロエチレンが、今度の新しい基準値でも10分の1ですよね。それで分解するので問題がある、どうしようかという話をしたんですが、そのときには、もう1,1,1-トリクロロエタンは原則製造しなくなるということで、今回は見送っておこうかと事務局と内々で議論をしたことを覚えているんですけれども、今回は塩化ビニルがそのままありますので。トリクロロエチレンなどは地下浸透しますので、そこら辺のところをどうするか、ひとつ考えておかなければいけない。多分、検出されないこと、地下浸透は検出されないことと言っていますから、いわゆる排水基準とは違う、環境基準もさらに低いところに設定されていますので、あまり問題ないかと思いますが、そこら辺のところ、少し論理構築をしておく必要があるだろうと思います。

○須藤委員長 たくさんご指摘をいただきましたが、化学物質管理全体の問題、環境基準のあり方の問題等、この専門委員会の守備範囲を超えた問題なんですが、しかしながら、そうは言っても、それがきちっとしていないとこの専門委員会で議論していくことはなかなか問題である、こういうことにもなるので、生活環境項目については、たしか岡田委員が中心になって数年、あり方論について、あるいは具体的にどういうふうに進めるかということについて進んできているんですが、健康項目のことについては、先ほどの平成16年以降、個別の問題は議論されてきているんですが、今回もそうなんですけれども、全体的に化学物質管理と、例えば環境基準のあり方、健康項目のあり方等については不十分だと私自身も感じておりますので、これはこの専門委員会にすぐに挙げるという問題ではなくて、これはもちろん予算もかかることなので、今日は審議官も水環境課長もいらっしゃるので、これが議論できるような、例えば検討委員会とか懇談会とか、そういうものを少しやっていただいて、今のような議論をもう少し煮詰めていく必要があるのかなと私は感じておりますので、この場で何かを決定するということではなくて、今後の進め方の中でお考えいただきたいということを指摘しておきたいと思います。

○長谷川委員 最初に、この報告書の書きぶりについて言いたいと思いますけれども、8ページのイ、基準値の導出根拠のところで、ちょっと字の間違いなんですが、4行目「2年間の引水投与」これは「飲水」です。
 その次、この2つ目のカラムの後ろのほうに「飲水投与試験(1983)」と入っていますが、これは多分、2回入れてしまっているんだろうと思いますので、後ろのほうは削除してください。
 それから9ページ、これも書きぶりだけなんですが、ウ、基準値の導出根拠の1行目に「マウスに対する飲水実験」と書いてありますけれども、ほかのところはみんな「マウスあるいはラットを用いた」と書きぶりにしていますので、ここも「マウスを用いた」と。そして、ここは90日間の飲水実験だと思いますので、「90日間」と入れていただくと、その後のほうで不確実係数の考慮の意味がわかると思います。
 それで、これはほとんど感想になってしまうんですが、確かに検出のレベルというのは、一方で毒性の評価とか、あるいは毒性のプロファイルが非常に重要になってくるわけですが、毒性の評価─ここで評価そのものをしているわけではありませんが、毒性の根拠の論文、基本的に論文になるんですが、割と古いものも多かったりして、最近の化学物質等の安全性の評価をする場合には、主として、新しいデータであればテストガイドラインのGLP以下で行うというようなデータを評価するのに比べると、1980年代のようなパブリケーションの中身は非常にプアである。そこの書いてあるところの信頼性がどの程度かというのも、実はあまり判断できないような中で、しかしながら、そのような情報しかないというところでTDIを出したりというようなことが現状です。
 しかも、この飲料水関係のところですと、アロケーションという数字で10%入れているので、単純に言えば、もう10分の1に強く評価しているという形になるわけで、その最終的な値から形質を比べていくわけですけれども、そういう意味で、毒性の評価の値というのは必ずしもいつも信頼性が高いわけではないというところです。それを少し超えたか超えないかというところで議論されることがあるので、非常に心苦しいような感じがしておりますが。(笑)
 それから、例えばこの中で、エピクロロヒドリンのところでしたか、「指針値の根拠となる毒性情報に不確かさがあることから」という記載がある。これは多分、WHO等がプロビジョナルという暫定値にしているということを根拠にして、そういう記載をされていると思うんですが、これは結局、不確実係数を1万にとっていますので、それで1万はもうプロビジョナルにするんだ、そういう取り決めでなっているわけです。
 その1万になる理由というのは、いわゆるLOAEL(ロアエル)を使っているということと、発がんという部分を根拠にしているということで、100にさらに10と10で1万という扱いをしております。その部分でも、実はもう日本でも、それからWHOでもそうなんですけれども、農薬とか食品添加物は発がん性のファクターが生きていないんです、前からずっと。いわゆる汚染物質の評価、水道水の評価のときだけ入れてきているというような、そういう違いがありまして、そういうことも全部絡めた中で上がってきている数字になりますので、なかなか実際に曝露の値等、比べるときに結構難しい要素があることをご理解いただきたいと思います。

○須藤委員長 長谷川先生のご専門の立場から、毒性評価のやり方と、それを我々がどう理解しておるかといったご注意もいただきました。やはり両面からこれはやらなくてはいけないので、一つ一つの物質を審議するときにはその背景となる部分、特に毒性評価の部分については、日進月歩している研究の成果を十分取り入れてやっていく必要があるということでございますので。
 今回については、特に大きな問題はなくてよろしいですね。ありがとうございます。
 先ほどの誤字と脱字は、直してくださいね。表現の部分ですね。飲水ですか、ああいうところは直してください。お願いします。

○平沢委員 大体先生方が言ってくれてしまったので、だんだん言うことがなくなってきてしまったんですけれども、だめを押す感じで2点言わせていただきます。
 今回、初めて環境基準の委員会に出していただきまして、どうやって決まっていくのかなというのが何となくわかってきたような気がいたします。須藤先生がおっしゃったように物質ごとというイメージが結構強くて、個々にいろいろな要素があって、なかなか難しいなと思いましたので、やはり21世紀を迎えて時代も動いていますので、環境基準をどう考えていくのかとか、要監視項目をどうやって定量的に環境基準に持っていくのかとか、その辺の定量的な判断ができると、例えば今回の対象物質がありますけれども、いろいろな人から「どうしてこういう物質やっているの?」と言われたときに答えられないんですね、難しくて。それを何ら順繰りに、こういう順でやっているんだとか、こういう戦略で環境基準に検討していくんだとか、そういう思想があるといいなと思いました。全体的な感想になってしまいますけれども。
 報告書は、もちろんこれで結構なんですけれども、もう一点だけ。
 1,4-ジオキサンというのが今回、環境基準に上がったわけでございますけれども、この報告書にもございますように、非常に処置しにくい物質である。多分、これを使っているところは代用を考えなければいけなくなってしまうのかなと思いますし、ひょっとすると、私が一番心配なのは、いつもこういうところで言わせていただいているんですけれども、もう日本でつくらずに中国でつくろうということで移転して、中国で1,4-ジオキサンをつくって流す、そういうのはやはり日本としていいことではないのではないかなと思っていますし、その辺もご勘案していただけたら幸いでございます。

○須藤委員長 具体的な取り組みの問題までいただいたんですが、海外に持っていったら日本の基準を当てはめて、そこではそうするべき問題なんだろう、こういうふうには思いますが、これはまた別途のところで、排水基準の問題は、一応環境基準が決まった段階でどうするかということは今後、これはまた先生にもお力添えをいただくわけですが、ぜひそういう中で再度おっしゃっていただきたいと思います。

○森田委員 3つほどポイントを述べさせていただきます。
 水の環境基準というのは、大まかに言うと2つの流れで決まってきました。1つは、水道水を初めとする飲料水に公共用水域からの水を引き込んでいて、したがって、飲料水の安全性を守るために基準ができてきた、これが1つ。そのために工業排水を含めた規制が出てきた。
 もう一つの流れは、メチル水銀とかPCBに代表されるんですが、環境中に投入された化学物質が生物濃縮などを経て再び人間に戻ってくる。そこに対応した手当てをして水の基準をつくってきた。この場合は水道のほうから来ないで、環境省が独自に「こうあるべきだ」という数字を提起してきたということがあります。
 今回はWHOのある種のガイダンスがあり、それに対応した形もあって、飲料水の水質を守るという、その線上でこの作業がされていましたので、その線で、一応この形でまとまるというのはいいと思うんですが、その一方で、希釈されて出されたにもかかわらず、再び人に戻ってくるタイプの汚染物資への対応は、今回は採用目的の外にありますが、ぜひ考えていただきたい。
 具体的にはこの種のものは、実はストックホルム条約で規定されているPOPsといったものがそれに該当しているんですが、POPsに相当するものの水環境基準への写し込みというのは、今のところまだPCBぐらいしかない状態ですけれども、徐々にPOPs条約も幅を広げつつありまして、ほとんど水系を移動しているようなPFOSのようなものもその中に入り始めてきました。したがって、ここの分野にあまりおくれないで、それに取り組んでいただきたい、これが第1です。
 第2は、岡田委員からのご指摘があったんですが、監視コストがどんどん膨らんできているではないかという議論があります。これについて私なりの考え方は、実はそれが起こっている一番大きな背景は、我々の社会がより安全な世界を目指しているということに尽きるのではないかと思うんです。
 1960年代、それから70年に入って公害国会があり、いろいろな対策がとられましたが、それは比較的激しい公害中毒患者をベースにして、それを繰り返さないために基準化されてきました。その次に、90年代にかけて幾つかの法律改正が行われましたが、そこでは発がん性を軸にしている。つまり、非常に少量の化学物質を浴びたときに、それを長期に浴び続けると慢性的な影響が出てくる。その典型が発がん物質である、そういうことを含めて、発がん物質を中心にしてWHOの水基準などもつくられてきたという背景があります。
 それについて、ある程度の手当てがされつつあるという時期なんですが、しかし、今はもうその次のステージに来ていまして、我々の子供は大丈夫なのかという議論になってきたんですね。これはいろいろな背景があるんですが、少子化が起こり、人口も減り始める、そうすると生まれてくる子供は宝物になってくる。少々死んでもいいという時代から様変わりした中で─いや、ごめんなさい、少々死んでもいいというのはちょっとあれですけれども、ある程度、死ぬということが社会的に、そういうことがあったということから、そういうことがあってはならないという方向へ向かいつつある。そういうより安全な社会、世界を目指そうとしている我々の世界の中でどうしても、監視をして環境を守るべき項目が増えざるを得ないんですね。したがって、積極的に安全な社会を目指す以上は監視をし、そして環境汚染を防ぐ、そういう手だては基本的に必要になってきます。そういう意味では、コストを下げるというよりも、コストが膨らむことはもう当たり前に起こっていることであるということを含めて、財政当局のご理解などを得ながら進めていただきたい、これが第2点です。
 第3は非常に厄介な話ではあるんですが、そうやって基準化されていくものは、一つ一つの物質についての基準ができていく。しかし、本当にその基準を全部守っていき、なおかつたくさんの物質が環境の中に存在して、いわば複合汚染の実態もありますが、そのような複合汚染に対応して、このような環境基準というのは本当にきちんと機能するんだろうかという問題も解けていない。
 化学物質の使用というのは減っていないんですね。手を変え品を変え、新しい化学物質に移ったりしながら、総量としては減っていないし、新規の化学物質も次々と新しく生まれています。そういう意味で、次々といろいろな物質が出るんだけれども、果たしてその複合的な効果をどのようにコントロールすることができるかというのは、難しいけれども、やらなければいけない課題ということになります。
 これについては、例えばバイオアッセイを含めた、例えばWETのような形で工業排水を調べる、そういう手法も原始的な答えとしてはあると思いますし、もうちょっと違った概念では、化学物質全体に対して総量規制的な概念が可能どうか、これは多分、考えるだけでもちょっと大変そうだというイメージはありますけれども、これは何らかの形でお考えいただきたい、これが3番目であります。
 4番目は、ほとんど追加的な議論になりますが、生活環境項目と健康項目というのは独立させているんですが、しかし、どちらか厳しいほうがあればそれで済むような気もしますので、若干その辺の、最後の規制という点では、乗り入れを含めて考えていただければいいかなと思っております。これはあまり重要ではありませんけれども。

○須藤委員長 環境基準がつくられていく背景をいろいろ、公害以前の問題から段階的にご解説いただいて、どうしてそれが環境基準で、飲料水の安全の確保から始まって発がん、そして最近ではPOPsへの対応やら、あるいは今、先生がおっしゃった複合影響、それから子供への、いわゆる我々の基準というのはすべてがそうですが、お子さんとか妊婦への対応はしていないんですね。私、環境保健部会の会議に出ていても、これからは子供や妊婦を対象に化学物質の安全基準を決めていく必要があるということは聞いておりますので、水のほうもそういう問題を受けてやっていく必要が多分ある。
 今日ここで決めている基準は安全性は考えてはいますけれども、お子さんを対象にしたということではないわけでありますので、そういうこともあるし、それから、さっきの複合影響等は全く考えていないわけですから、これこそまた別途、こういう問題については、先ほどからも幾つか議論に上がっていますが、まとめてこういう検討をやれる場を、専門委員会をすぐにということではなくて、必要かなと私も感じておりますので、これは後で事務局と相談しながら、今、先生におっしゃっていただいた問題への対応、先ほどの岡田委員からの発言もございますが、そういう対応をどうしていったらいいかということについては考えさせていただきたいと思います。

○與語委員 まず、見直し案に関しては、先ほど誤字の指摘などがありましたが、それ以外に関しては、コメントはありません。
 それから、皆さんいろいろコメントされたので、ほとんどないんですけれども、農薬に関して若干述べさせていただきますと、農薬は、皆さんご存じのように畑とか田んぼで使うのですけれども、基本的には面源的な汚染になるわけですし、現実は季節的な利用になるわけですよね。そうすると、先ほどどなたかおっしゃったように、どこかピークをとればそこは非常に高い値になり、環境基準値を超えることになります。一方、例えばモニタリングを毎月やったとしても実際に真のピークはとれないと思います。そういうことから考えると、やはり農薬に関しては何か別の扱いをしなければいけないということがありましたけれども、分解物の話も含めて、どうやって取り組んでいっていいかという話ではしっかり考える必要があると思います。
 もう一点は、先ほど森田委員がおっしゃったように、やはり複合影響のことが大きいと思います。農薬とか農業関係だけ見ても、例えば重金属の問題もあれば、POPsの話もあります。他に複合影響といいますと、農業だけではなくて最近は都市農業もありますので、家庭排水の問題もあります。
 そうなってくると今度は界面活性剤の問題があり、それが加わると、現実的にはかなりいろいろな問題が起こり得ます。確かに、取り組みとしては非常に複合影響は難しいとは思いますけれども、これに関してもまず個別に何をしなければいけないのかとかについてしっかり議論した上で、いずれは見ていかなければいけないことであろうと思います。

○須藤委員長 今の複合影響の問題、特に農薬等は最もかかわりが深いだろうと思いますが、先ほど私も何回か申し上げているように、これからの問題は、大体こういう委員会というのは、最初のほうは比較的簡単でどんどんいくんですが、後になるほど難しい物質が残り、難しい課題が残り、審議がしにくくなって決めにくい、それはお役所のほうも同じですし、我々委員のほうも同じで、だんだん難しくなってくる、こういうことではございますが、やはり最終的には国民の健康と安全と、それから環境の保全を確保しなくてはいけないわけですから、そういう問題を克服して進めていく必要があろうかと思います。
 例を挙げれば、先ほどの農薬もそうですし、複合影響もそうなんですが、米国では、WETなどといってバイオモニタリングを、排水基準ではないんでしょうけれども、それに近いような形でやって、全体的な毒性評価をやった上で個々に入っていくというようなやり方も進んできておりますし、我が国もそろそろそういう検討を環境省で始めつつあるとも伺っております。ですから、WETがいいとは申し上げませんが、何となくそういう総合的というか、バイオモニタリングなどを取り入れた検討、これは排水基準だけではなくて環境のほうも、そういった問題で対応していくことも必要かな、こういうふうに思っております。
 最終的に、いろいろ挙げていただいた問題、私としては大変ありがたく思いますし、今後、検討の課題とさせていただきますが、今日の目的は、資料7の報告をここで報告案としてご了承いただきたいということでございますが、1点だけ修正というか、ちょっと追加しなくてはいけない─誤字は別ですよ、誤字脱字は直しますが、それ以外に、参考資料のところに先ほどの、今後、生産、使用がされないから増える可能性はないといったようなことをちょっと書けばよろしいですか、中杉委員。

○中杉委員 オゾン層も対象物質であるということを書いていただければいいだろうと思います。

○須藤委員長 それは書いていないですものね。ですからそこだけ、参考資料でいいですよね。

○中杉委員 そこでいいと思いますし、もし前の、落とすよというようなことをする意味であれば、横に書いておけば理解がより得やすいと思います。

○須藤委員長 それはもう決まっていることですので、生産、使用されていないということでいいですね。

○中杉委員 全面的にされていないという話ではないと思います。中間体等ではあり得ますので。でも、最終製品しては使われていない。

○富坂課長補佐 一応PRTRデータとしては、まだ二十数トンの報告はされておりますけれども、中杉委員ご指摘の点につきましては、参考資料の、国内基準等でPRTR対象物質がございますので、この流れで、オゾン層保護法の特定物質ということの追加記述をさせていただきたいと思います。

○須藤委員長 そうですね、そこだけ指摘しておけばよろしいですね。
 そこだけ1行ですかね、書き添えていただくということで、他に特に修正のご意見はございませんでしたので、これを報告案としてよろしゅうございましょうか。

(異議なし)

○須藤委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、委員全員の賛成が得られましたので、これを水環境部会の第2次報告案とさせていただきます。
 この後の取り扱いについて、何かございますか。

○富坂課長補佐 この第2次報告案につきまして、ご議論、お取りまとめいただきまして、ありがとうございます。
 この後の取り扱いでございますけれども、この報告案につきまして、パブリックコメントの手続にかけさせていただきたいと思っております。こちらのほうで国民からの意見をいただいた上で、この意見の取り扱いについて、再度この委員会の場でご議論いただければと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

○須藤委員長 それでは、今まですべて含めまして、全体的に何かご質問、ご意見ございますでしょうか。ほかのことでも結構でございますが、よろしゅうございましょうか。
 それでは、その他として事務局から何かございましょうか。

○伊藤審議官 本日は本当にありがとうございました。
 今日いろいろなご意見をいただきながら、考えていたんですけれども、水質保全行政は、水質2法ができてちょうど今年が50年ということで、これまで激甚な水質汚濁を改善をしてきたということでありますけれども、今、新しい展開をしなければならない時期に来ているんだなと強く感じました。
 環境行政の基本は当然、環境基準なわけですけれども、その環境基準をどういう考え方でどういうふうに設定していくのか、それは環境基準だけではなくて、当然その規制のほうとセットで、管理のほうとセットで考えなければなりませんが、今までのやり方では十分ではないんだろうなというふうなことを強く感じた次第であります。
 今日は須藤委員長から、そういう全体のことをちゃんと考える必要があるという強いご指摘もいただきまして、それはぜひ私としてもやりたいと考えています。その際、特に強く感じておりますのは、直ちにやらなければいけないことでも手をつけていないようなこともあるのではないかなと。それから、ちゃんと議論を整理してやるべき課題もいろいろあるのではないかと感じていまして、そういうことも含めて、先生方のお知恵を拝借しながら、ぜひ今後の水行政の前進のために、やるべきことをやりたいなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いします。
 本当に今日はありがとうございました。

○須藤委員長 本来、審議官には最後にまとめでごあいさつをいただこうと思っていましたが、これをごあいさつとさせていただいてよろしいですか。
 どうもありがとうございます。我々の意見を受けてくださって、積極的に、前向きに環境基準の問題を論議していただく、こういうことでございますので、皆さんどうぞ期待していただきたいし、そういう場合があったらどんどん意見を言っていただきたいと思います。
 その他、全体として何か事務局からございますか。

○富坂課長補佐 次回委員会の日程でございますけれども、先ほどご説明しましたパブリックコメントの手続を経まして、次回、9月ぐらいになろうかと思いますけれども、再度日程の調整をさせていただきたいと思います。
 よろしくお願いします。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、先生方のご熱心な討論に感謝をいたしまして、司会の役割は事務局にお返しいたします。

○富坂課長補佐 本日は熱心にご議論いただきまして、まことにありがとうございました。
 それでは、これで本日の議論を終了させていただきます。
 どうもありがとうございました。

午前11時36分 閉会

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