中央環境審議会水環境部会 環境基準健康項目専門委員会(第3回)議事録

日時

平成15年5月9日開催

場所

環境省環境管理局水環境部企画課

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    (1) 前回議事録(案)について
    (2) 前回指摘事項について
    (3) 個別項目について
    (4) 水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準項目及び要監視項目の見直しについて(骨子案)
    (5) その他
  3. 閉会
   

配付資料

 
資料1   中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会委員名簿
資料2   中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会(第2回)議事録(案)
資料3   前回指摘事項(地下水等での検出状況)
資料4   p-ジクロロベンゼンの指針値の改定について
資料5   個別項目について
資料6   水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準項目及び要監視項目の見直
しについて(骨子案)
  
参考資料   厚生科学審議会生活環境水道部会水質管理専門委員会
水質基準の見直し等について(平成15年4月):抜粋

議事録

午後2時01分開会

○瀬川補佐 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境部会、第3回の環境基準健康項目専門委員会を開催させていただきます。
 本日は、委員14名のうち現時点で12名の委員の方々に御出席いただいておりますので、既に委員会開催の要件を満たしております。
 議事に先立ちまして、盛山企画課長から御挨拶申し上げます。

○盛山企画課長 本日は御多用の中、この専門委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。
 本来、部長の吉田が御挨拶申し上げるところでございますが、今日は衆議院の環境委員会の審議日でございまして、国会に呼ばれておるもので、ちょっと遅れてこちらの方へ参るかと思います。恐縮ですが、私の方から簡単に御挨拶をさせていただきます。
 委員の皆様方には平素より水環境行政の推進につきまして御指導いただきまして、ありがとうございます。御礼を申し上げます。
 今日でこの専門委員会、第3回目になるわけでございまして、これまでに環境基準健康項目、要監視項目の見直しに当たっての検討課題と基本的考え方、また、基準値案の設定について御審議をいただいてまいりました。本日は、議題にもございますように、環境基準健康項目、要監視項目の見直しについての骨子案につきまして御審議をいただければありがたいと考えておりますので、本日も活発な御議論を頂戴できますよう、よろしくお願い申し上げます。
 簡単ではございますが、これにて御挨拶とさせていただきます。

○瀬川補佐 次に、議事に入ります前に、本日お配りいたしました資料について確認させ ていただきたいと思います。
  本日の配付資料は、資料1から資料6まで、及び参考資料を1つお付けしております。資料1は委員会委員名簿、資料2が前回の議事録、資料3、資料4とも前回の御指摘事項 でございますが、地下水等での各種物質の検出状況、それからp-ジクロロベンゼンの指針値の改定。資料5は個別項目について、資料6は骨子案ということで、粗々の骨子を示さ せていただいております。 
 参考資料につきましては、4月28日に開催されました厚生科学審議会、水道水質に関します水質管理専門委員会の、水質基準の見直しに関する一覧表を抜粋でお付けしておりま す。
 不足はございますでしょうか。
 それでは、議事の進行に伴いまして、不足がございましたらその時点で事務局にお知らせいただければと思います。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 議事運営規則に従い、本専門委員会の委員長でいらっしゃいます村岡先生に議事進行をお願いいたします。  

○村岡委員長 委員の先生方には、お忙しい中このようにお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
 本日は、水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準項目及び要監視項目の見直し等につきまして御審議いただきます。ひとつよろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に入りますが、議題1は前回議事録(案)についてでございます。
 資料2に前回の議事録(案)が準備されております。この資料は委員の先生方に御確認いただいた後、事務局で修正し、再度各委員の先生方に送付されている資料でございます ので、この場で前回議事録としたいと思います。いかがでしょうか。

(異議なし)

○村岡委員長 ありがとうございます。
 それでは、この議事録を前回議事録といたしますので、事務局においては公開の手続きをおとりいただくようお願いいたします。
 次に、議題2でございますが、前回指摘事項についてでございます。
 事務局から御説明いただきたいと思います。

○伊藤係長 それでは、前回御指摘いただいた事項について御報告させていただきます。  
 1点目は、1,4-ジオキサンの検出状況に関するものであります。前回の委員会の際に、環境省で調査したものについては既に結果をお示したところですが、地下水を原水とする 浄水場での1,4-ジオキサンの検出状況についても整理するよう御指摘いただいていたものです。  
 厚生労働省による結果と、東京都と大阪府による調査の結果を整理しております。  
 1-1の厚生労働省による調査については、3つの資料をもとに結果を整理しております。
 出典[1]に関しては、定量下限0.05μg/Lに対して測定地点が68、検出された地点が63ありまして、検出された63地点の平均値が4.941という値になっております。評価値と の比較に関しては、個別の検体の濃度が明らかになっていないため、ここでは算出できておりません。  
 出典[2]に関しては、同じく定量下限値0.05に対して測定地点数が11、検出された地点が7、検出範囲は最大値が1.77になっておりまして、10%評価値を超えた地点はありません。  出典[3]といたしまして、定量下限値0.05に対して測定した地点が29、検出した地点が22となっております。検出範囲の最大値は5.22となっておりまして、評価値を超過したも のはございませんが、10%値を超過しているものが1検体あったという結果になっております。  
 次に、1-2の大阪府と東京都による調査でありますが、大阪府、東京都が地下水を原水とする浄水場において1,4-ジオキサンの実態調査を行い公表がなされたものをもとに 整理しております。  
 この調査に当たっては、30μg/Lを超えた浄水場が公表されております。 
 大阪府に関しては、地下水を原水とする4つの浄水場で調査しておりますが、うち2つの浄水場の原水において、井戸の数で言うと3本になっていますが、それぞれ259μg/L、93μg/L、820μg/Lの1,4-ジオキサンが検出されています。  
 東京都に関しては、地下水を原水とする48の浄水場において調査をした結果、うち2つの浄水場の浄水において36 μg/L及び38μg/Lの1,4-ジオキサンが検出されております。  
 それから、前回御指摘いただきました2点目、ベンゼン、トルエン及びキシレンの検出状況であります。  
 環境省では、平成12年度に全国のガソリンスタンド周辺の196地点について地下水の調査を行っております。これは、一部のプレミアムガソリンにオクタン価を向上させるための添加剤として使用されるMTBEという物質の検出状況を調査したものでありますが、 この際にベンゼン、トルエン、キシレンについても併せて分析しておりますので、その結果を整理し、ここにお示ししているものです。  
 この調査では、調査地点は196ありまして、ベンゼン、トルエン、キシレンに関して、それぞれ検出された検体数で言いますと20、28、19となっております。また、最大値はそれぞれ0.17、0.83、0.59となっておりまして、ベンゼンの環境基準値及びトルエン、キシ レンの指針値と比較しますと、大きく下回る結果となっております。  
 資料3については、以上、御報告とさせていただきます。

○瀬川補佐 それでは、前回御指摘事項ということで、引き続き資料4について説明させていただきます。  
 資料3とはまたちょっと毛色が違った話でございますけれども、p-ジクロロベンゼンの指針値の改定について、前回、先生方から御指摘をいただいた点について説明させていただこうと思います。  
 前回の専門委員会でお出しした際に、ビーグル犬の試験結果についてはレビューを行ったものなのかという点の御指摘をいただきましたので、それについて事務局の方で調べております。  
 このp-ジクロロベンゼンの毒性評価に関する知見につきましては、モンサント社の行った試験結果でありますけれども、内容は、NICNAS--オーストラリアの化学物質審査におけるアセスメントの際にレビューされているということ、それから、厚生労働省さ んの方で策定されましたp-ジクロロベンゼンの室内濃度指針値の検討資料ということで、もちろんレビューをつけまして内容が公表されております。  
 得られた知見の概要として、別紙につけておりますけれども、この知見を用いて再評価を行いますと、指針値は、現行の0.3から0.2に改定されることになります。  
 2ページは、p-ジクロロベンゼンの再評価結果概要でございますが、内容については第2回の専門委員会にお出ししたものと同じでございます。93年時点の毒性評価におきましては、ラット及びマウス雌雄各50匹/群の供試生物を用いてp-ジクロロベンゼンの毒性に ついて確認したところ、LOAELとして150mg/kg/day という知見が得られ、これをもとに現行の指針値を、93年に0.3mg/Lと設定しております。  
 再評価に当たって根拠文献といたしましたものは、モンサント社のやりましたビーグル犬を用いた強制経口投与の反復投与毒性試験の結果でございます。
 コントロール及び3投与群を設けまして、各群雌雄5匹、週5日、1年間の投与でございます。この中で、50mg/kg/day 投与群で雌に甲状腺重量の増加が認められたところ、その下の投与群、10mg/kg/day がNOAELとなっております。  
 この結果を用いまして、これが週に5日間の投与だということで、週7日に平均化し、かつ、犬の1年間投与試験ということで不確実係数を100といたしますとTDIの計算ができ、これにアロケーションは10%、人の体重は50kg、1日の飲水量が2リットルという 計算をいたしまして、指針値を0.2というふうに計算しております。  
 4ページに参りまして、同様の検討を行いました厚生労働省さんの報道発表資料から抜粋しております。  
 トルエン、キシレン及びp-ジクロロベンゼンの室内濃度に関する指針値をこのときに検討しておられるんですが、まず、p-ジクロロベンゼンについての平成9年時点の厚生労働省さんの評価について書いておられます。  
 ラット、マウスを用いた吸入のがん原性試験、それから(1)の(3)でございますけれども、ラットを用いた経口による二世代繁殖試験の報告などから、NOAELとUncertainty Factorと実験条件を考慮して求めておられますが、5ページに参りまして、大きい (2)の中段からになりますが、今回、私どもの方で検討に値すると考えました毒性試験結果と同じものを引用しておられます。ビーグル犬を用いた強制経口投与による反復投与の毒性試験の結果でございます。  
 NOAELについての決定は10mg/kg/day と同じ、また、週5日暴露を1週間平均にするという点も同様でございますけれども、6ページに参りまして、こちらは室内濃度の暴露でございますので、1日当たりの呼吸量を15m3として計算しておられます。  
 厚生労働省さんにおかれましては、平成9年までの結果、ラット、マウスの吸入がん原性試験とラットを用いた経口二世代繁殖試験の結果、ビーグル犬を用いた強制経口投与の試験結果を勘案し、この中で、ビーグル犬を用いた毒性試験の結果を吸入暴露に換算した 値が最も低いということで、これを指針値の根拠としておられますので、御報告申し上げます。  
 資料4については、以上でございます。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 前回、委員の先生方から御指摘いただいた点につきまして、資料3と4にまとめて御説明いただいたわけです。
 何か御意見とか御質問ございますか。

○長谷川委員 前回申し上げたんですが、直っていない部分があります。
 資料4の2ページ、3、結論の1行目に「吸入暴露実験の結果」とありますが、これは「強制経口投与」に直していただきたいと、この前、申し上げたところです。

○瀬川補佐 申しわけありませんでした。

○村岡委員長 では、そのように直していただきます。

○中杉委員 資料3ですが、前回、調べていただきたいとお願いして、調べていただきまして、ありがとうございました。
 1,4-ジオキサンの東京都と大阪の基準を超えているケースなんですが、この原因解明はどのぐらい進んでいるのか。 
 また、1,4-ジオキサンの主要な用途として、トリクロロエタンの安定剤として使われていると言われていますけれども、この井戸でトリクロロエタンが同時に検出されているのか、いないのかというようなことも教えていただければと思います。

○伊藤係長 大阪府に関しては、浄水場の付近に1,4-ジオキサンを製造する工場があったということではありますが、それが原因だという特定はなされていないとのことです。また、30μg/Lを超過した井戸については、引き続きモニタリングを継続しているとのことです。
 東京都に関しては、周辺の15の事業所に立入調査を行った結果、7つの事業所が1,1,1-トリクロロエタンに数%の1,4-ジオキサンを混入して使用していたということですけれども、7つの事業所とも、平成9年までに1,1,1-トリクロロエタンの使用を中止したとい うことで、原因については特定されていないということでありまして、こちらも引き続きモニタリングを継続しております。
 1,4-ジオキサンが超過した地点で1,1,1-トリクロロエタンを調査しているかどうかについては確認しておりません。

○中杉委員 1,4-ジオキサンの特性として、非常に水に溶けやすいというのは汚染物質の中で特殊なものですから、地下水の中に入ると非常に濃い固まりがそのまま流れていってしまって、すぐ気がつかなければあっという間に汚染が動いてしまって、拡散していってしまうんだろうと想像されるんですけれども、1,1,1-トリクロロエタンと一緒に入っていると、ひょっとすると溶剤と地下水との間の分配が起こって、少しずつ溶け出すというようなことが起こるのではないか、そんなことを頭の中で想像しているんですが、そこら辺がもう少しわかると、こういうものに対してどう対処していくか。1,4-ジオキサンの地下水汚染がどんな形状なのか、今まで全く情報がないものですから。
 そういう意味で、もし可能でしたら1,1,1-トリクロロエタンが調査されているかどうか、問い合わせて確かめていただけないでしょうか。

○由田土壌環境課長 次回までに調べまして、御報告させていただきます。

○池田委員 前回、パブリッシュされているかどうか、ピア・レビューが済んでいるか、その2点がチェックポイントですと申し上げたんですが、パブリッシュされているということは、これで全くよくわかりました。残っている部分は、ピア・レビューが済んでいるかという部分だと思いますが、このAustralian National Industrial Chemicals Notification & Assessment Schemeというのは、オーストラリアの国の作業だと理解してよろしいですか。

○瀬川補佐 はい。

○池田委員 恐らくその部分でピア・レビューが済んでいるんだと思いますし、3ページの先生方が多分、評価をしてくださったのだろうと思うんですけれども、しっかりした報告なんだという御確認があれば大変ありがたいと思います。
 もう一点、この委員会に加わらせていただいてから日が浅いものですから、重ねてお伺いしたいと思います。
 p-ジクロロベンゼンの場合に、我々は水のアロケーションを10%だと考えた。ということは、それ以外のルートが90%だと考えているということを間接的に意味すると思います。空気なり、あるいは水以外の食べ物との合計が100%になってくれないと困るわけですね。その辺の整合性というのはどんな格好で保障されているものなんでしょうか。あるいはそれぞれ独立に考えていって、100になるか、ならないかは必ずしも検討の対象でないと理解した方がよろしいんでしょうか。

○瀬川補佐 トータルダイエットスタディのように、データがあるものに関してはそのデータから持ってきますので、合計しますと100%になります。ただ、いろいろ議論があるところだと思いますけれども、そういったトータルダイエットスタディのような全体のア ロケーションに関する適切な科学的な知見がない場合に、どうしても、慣例ということで10%をとるケースが多うございます。
 p-ジクロロベンゼンに関しましては、先生御指摘のように、トータルダイエットスタディという形での100という数字をたたき出すような全体の像はございませんでした。このため事務局では、一つの割り切りかもしれませんけれども、10%というアロケーションを ここでは当てはめております。

○村岡委員長 今の池田委員と事務局のやりとりに関連しまして、何か御意見ございますか。
 ないようでしたら、その点は今のようなことであるということにしたいと思います。
 そのほかに、何か。
 ないようでございますので、前回御指摘いただいた事項についての説明は、今の討議を含めまして、このようなことであるというふうにさせていただきます。
 それでは、次の議題に入ります。
 議題3、個別項目について、まず事務局から御説明いただきたいと思います。

○瀬川補佐 それでは、資料5と参考資料に基づきまして、個別項目について説明させていただきます。
 人健康の観点からの環境基準項目でございますので、環境基準項目とはいかにあるべきかという議論を第1回から先生方にいろいろ御示唆いただいていると思います。基本的に、環境基準項目になるものというのは、人健康項目ですので、水環境の汚染を通じて人の健康に及ぼす影響があって、施策を総合的に進める必要があるものというふうに私ども考えております。
 このため、前者--人の健康に及ぼす影響に関しましては、WHO飲料水水質ガイドラインなど毒性に関する知見を集めてきて、先生方に御審議をいただき、その程度について御示唆をいただくということでございますし、また、後者--検出状況や他の基準の設定状況や我が国での使われ方といった、さまざまなものを御勘案いただくのだと思います。
 この中で1つ、検出状況に関しましては、今回、こういったメルクマールでまとめてみてはどうかというものを第1回、第2回で御議論いただいております。この検出状況に関する考え方に基づいて、今回、WHO飲料水水質ガイドラインに示されたTDIなどの知見に基づいて算出した評価値との見合いということで、メルクマールに引っかかってくるような物質についてここでは挙げております。
 ただ、もちろん検出状況だけで環境基準項目にするのかどうかという機械的な判断ではないと私ども思っておりまして、本日は、その検出状況について御説明させていただきますけれども、これらのほかに、こういったことを考えるべきだ、あるいはこういったことを調べるべきだという幅広い視点からの御示唆をいただいて、次回、再度練り直した上で御提示したいと思っております。
 まず6ページに参りまして、検出状況に関する考え方について、第1回専門委員会の資料(参考)から抜粋させていただいております。
 検出状況に関する考え方につきましては、検出率及び検出濃度の双方を考慮するものといたします。ただし、環境基準項目や要監視項目に関する現在の報告下限値は、基準値や指針値の10%値、1桁下までを求めておりますし、また、現行要監視項目の中でアンチモン、ニッケルでございますけれども、毒性についての定量的評価を確立するには十分な試験結果がないということで、指針値を示していないものがございます。これらについては、指針値の10%といったメルクマールを設定するのは困難でございます。
 こういったことを勘案した上でございますけれども、環境基準項目の要件といたしまして、基本的な考え方を1つ示しております。
 「水環境の汚染を通じて人の健康に影響を及ぼすおそれがあり、施策を総合的に、かつ有効適切に講じる必要がある、基準値に近いレベルになる蓋然性があるもの」というものを、検出率の考え方からは尊重しようと思っております。
 具体的には、2つのメルクマールを用意いたしました。常時監視などの測定結果におきまして、基準値を超過する地点が我が国の公共用水域であるもの、これがまず第一点。第二点が、常時監視などの測定結果で基準値の10%値を超過する地点の検出率が数%であるもの。ただし、基準値として「検出されないこと」を標榜しているものもございまして、これらに関しては基準値の10%値といったものは設定できませんので、この限りではございません。
 続きまして、要監視項目でございますけれども、人の健康の保護に関連する物質ではあるけれども、現時点では基準値に近いレベルになるまでの蓋然性があるのかどうか判断しにくい。モニタリングの対象ですので、引き続き環境中の、公共用水域中の濃度の知見の集積に努めるべきものとしておりまして、モニタリングの対象として選定するものでございます。具体的には、常時監視などの測定結果で指針値の10%値を超過する地点があることを基本とするとしております。
 この基本的な考え方に沿って、まずその検出率についてのみ整理をして、先生方にいろいろな御議論をいただきたいと思っております。
 1ページに戻らせていただきます。
 まず、1番目がアンチモンでございますが、検出状況及び検討点、環境中濃度測定数について説明させていただきます。
 検出状況でございますけれども、公共用水域におきまして、評価値--ここではWHO飲料水水質ガイドラインの値を主にしまして、体重50kg、飲水量は2リットル、アロケーションは10%で設定した値といたしておりますけれども、これを超過する地点が平成6年度から平成13年度までの延べ4,880地点中で延べ31地点、地点数の重複を除きますと9地点になりますけれども、超過率0.6%。--すみません、この超過率0.6%は、4,880地点中の31地点という計算をしております。また、評価値の10%値を超過する地点に関しましては、平成6年度から13年度で延べ4,880地点中137地点、地点数の重複を除きますと、64地点で10%値の超過がございます。超過割合は先ほど申し上げたのと同様、延べ4,880地点中の延べ137地点の割合を示しております。これらはいずれも要監視項目の調査結果でございます。
 アンチモンにつきましては、平成11年度の答申の中で指針値を削除しておりますけれども、後に述べますが、WHO飲料水水質ガイドライン第3版におきましては、ガイドライン値が暫定ではなくなっておりますので、評価値としては有効ではないかと思っております。
 地下水でございますけれども、評価値を超過する地点はございません。評価値の10%値を超過する地点はございます。これも要監視項目の調査結果でございます。
 少し飛んでしまいましたけれども、アンチモンは要監視項目として既に位置づけがございます。だからこそ4,880地点という、かなり多い地点で測定が行われているところでございますけれども、WHOの飲料水水質ガイドライン第2版では、ガイドライン値は0.0
05mg/L、これは暫定とされておりました。今般、定められますWHO第3版におきましては指針地として定められており、暫定という取り扱いではないとお伺いしております。
 環境中濃度測定数につきましては、既存の測定地点数は非常に多いという状況になっております。
 2ページに参りまして、マンガンでございます。
 検出状況でございますが、評価値0.1mg/Lを超過する地点は50地点中9地点。この地点数には重複はございません。また、評価値の10%値を超過する地点もございます。これは要調査項目の存在状況調査結果でございます。要調査項目の存在状況調査というのは、私ども環境省の方で予算をとって都道府県に測定をお願いするという形になっておりまして、大体1県1ポイントぐらいということでお願いしております。そのため50地点ということでございました。
 また、地下水におきましては、評価値を超過する地点はございませんが、評価値の10%値を超過する地点はございます。これは地下水実態調査の結果でございます。
 ただし、マンガンに関しましては、第3版においてガイドライン値、暫定とされております。また、環境中濃度の測定数でございますけれども、公共用水域、地下水とも既存測定地点数が少ない。--少ないと言うかどうかは1つ評価の入るところでございますけれども、100を切っているというメルクマールで、少ないかなと思っております。
 ウランでございますけれども、検出状況につきましては、評価値0.002mg/Lを超過する地点、及び評価値の10%値を超過する地点がございます。これらも、いずれもその地点の重複はございません。
 地下水において、評価値を超過する地点はございますし、また、評価値の10%値を超過する地点もございます。
 ただし、これらのいずれもガイドライン値は暫定とされております。特にウランに関しましては、WHO飲料水水質ガイドライン第3版におきましては、アロケーションが非常に大きい数字、具体的には寄与率50%という形でつくっておられます。ここに示しました評価値自体は、アロケーション10%でつくった数字でございますけれども、そういった点も見ますと、個人的には、暫定という位置づけは免れないのかなという感じがいたします。
 4番目に、塩化ビニルでございます。
 公共用水域において評価値0.0005mg/Lを超過する地点はございませんけれども、評価値の10%値を超過する地点がございます。これは要調査項目存在状況調査で、147地点ございます。
 地下水におきましては、評価値を超過する地点がございます。272地点中5地点で超過、評価値の10%値を超過する地点もございます。
 検討点でございますけれども、幾つかございます。評価値でございますが、0.0005mg/L、これはこの検討の中で評価値としているものでございますけれども、EPAのがん発生率を合計したマルチステージモデルを用いて導出したもの、発がん性ですので体重50kgといった換算はしておりませんけれども、がん発生率全合計でマルチステージモデルを切っております。
 他方、我が国の水道水質基準値の検討におかれましては、EPAが血管肉腫や腫瘍性の結節、肝細胞がんなどの発生率すべて合計してステージモデルを適用したことは疑問であるということがございまして、発がんのうちで最も感度の高い指標として、肝細胞がんの発生率をもとに指針値をつくっておられます。この数値が0.002mg/Lでございます。
 2つ考え方がございますので、こういった場合に、私ども環境水としてどちらの考え方に沿って評価値をつくるべきなのか、御議論いただきたいところでございます。
 ちなみに、0.002mg/Lの超過割合を見ますと、公共用水域におきましては先ほどの0.0005 mg/Lと同様、超過地点はございません。ただし、10%値を超過する地点が147地点中で1地点のみございます。
 地下水におきましては、0.002mg/Lを超過する地点がございます。また、評価値の10%値を超過する地点もございます。
 環境水中濃度の測定数でございますけれども、測定地点数、いずれも100を超えているので、いろいろ議論はあると思いますけれども、ここでは比較的多いという書きぶりをさせていただいております。
 また、ここに記載しておりませんけれども、先生方から以前からも御指摘いただいたように、塩化ビニルのモノマーが地下水で検出されることについて、土壌中に含まれます1,1-ジクロロエチレンの分解によって生成するという化学的な論文も出ており、こういったことに関しても、私ども、どのように勘案していったらいいのか先生方から御示唆をいただけると大変ありがたいと思っております。
 5番目は、1,4-ジオキサンでございます。
 今日、資料3に基づきまして1,4-ジオキサンの検出状況について御説明させていただいたところでございますが、参考資料の方に、水道水質基準についてのとりまとめ表をつけさせていただいております。
 この中で、2ページに水質基準(案)がございます。星印が新規項目となっておりまして、基準の14番目の物質に1,4-ジオキサン、新規項目としてここに入ってきております。水道水質基準も設定されるということでございます。
 公共用水域におきまして、評価値0.04mg/Lを超過する地点はございませんが、評価値の10%値を超過する地点はございます。76地点中2地点ということで、若干少ない状況になっております。
 地下水においては、評価値を超過する地点もございますし、また、評価値の10%値を超過する地点も地下水実態調査結果の中ではございます。
 4ページに参りまして、検討点でございます。評価値でございますが、WHO飲料水水質ガイドラインでは、1,4-ジオキサンのガイドライン値は複数のアプローチが採用されております。
 まず、発がん性の観点から、ラットの経口投与試験ですけれども、鼻腔がん、肝臓腫瘍ということで、体表面補正なしで生涯過剰発がんリスクを10-5ととった場合の飲料水中濃度を出しています。
 また、発がんをエンドポイントとした場合のTDIアプローチもとっておられますけれども、ラットを用いた長期の飲水投与試験でNOAELを出しています。
 もう一つございますけれども、これらのガイドライン値を丸めますと、50μg/Lぐらいという考え方になっております。
 本検討では、この16mg/kg/day というTDIに着目し、体重50kg1日当たり2リットル、寄与率10%で評価値を0.04 mg/Lというふうにとっております。40μg/Lです。
 他方、水道水質基準の場合は基準値を0.05mg/Lとしておられます。ガイドライン値を幾つか出され、それらを丸めてということなので、水道水質基準の方では50という数字、0.05mg/Lという数字をとっておられるようでございます。
 ちなみに、環境中濃度測定数でございますけれども、超過割合を0.05mg/L、つまり水道水質基準と同値と見た場合の超過割合を出しております。
 公共用水域におきましては、やはり0.05mg/Lを超過する地点はございません。評価値の10%値を超過する地点はございます。
 地下水においても、さきの0.04 mg/Lと同様でございまして、1地点で超過があります。また、10%値の超過の方は、200地点中で9地点となっております。
 1,4-ジオキサンの場合には、先ほど先生からも御指摘ありましたように、安定剤、添加剤としての使用などもあり、その他さまざまな用途に使われておるところでございますので、これに関し、超過割合を見ながら、どういった取り扱いをするのが適切なのか御議論いただきたいと思っております。
 最後はエピクロルヒドリンでございますけれども、検出状況でございますが、評価値0.0004mg/Lを超過する地点がございます。また、評価値の10%値を超過する地点もございます。
 地下水におきましては、評価値及び評価値の10%値を超過する地点はございません。
 ただし、これに関しましてもガイドライン値が、第3版におきましては暫定という扱いになり、また、地下水におきましては既存測定地点数が非常に少ないという状況にありますので、なかなか判断がつきにくいところかなと思っております。
 本資料の7ページ以降につきましては、各物質の物理化学的性状などをまとめております。
 7ページからのアンチモンで、簡単に構成だけ説明させていただきます。
 物理化学的性状に関しましては、外観や融点、沸点などをまとめております。
 また、環境中での挙動でございますけれども、環境中への放出の大部分は、アンチモンまたは酸化アンチモンの製造時に精錬所から放出されるスラグでございます。水系への放出は、通常は微粒子と関連しており、移動後、堆積層に沈降いたします。水中で溶解しているものも、懸濁物、生態、堆積物への移行などがございます。
 また、PRTRデータも少し見ておりますけれども、アンチモン及びその化合物ということで、公共用水域への排出を見ますと、非鉄金属製造業から1,702kg、繊維工業からは992kgといったように、公共用水域への排出もあるという状況にございます。
 8ページに参ります。
 用途に関しましては、14,102の化学物質など既存の文献から拾ってきております。金属アンチモンにつきましては半導体の合金など、三酸化アンチモンに関しましては樹脂等に
使われておりますし、また、顔料や繊維などにも使われておるようでございます。
 毒性情報でございますけれども、急性毒性あるいは発がん性分類ということで、これまでのWHOやIARC、あるいはACGIHなどでの評価をここに出しております。
 各種基準値でございますが、アンチモンに関しましては現在、要監視項目に定めておりますけれども、指針値はないという扱いにしております。
 9ページに参りまして、WHOにおける毒性評価でございますが、念のため、93年の第2版と2003年の第3版の毒性評価、両方をここに出しております。暫定ガイドライン値、93年の場合は0.005 mg/Lでございましたけれども、2003年ガイドラインでの毒性評価は耐用一日摂取量として6μg/kg bw /dayという数字があり、これをもとに体重50kg、2リットル、10%という考え方で評価値をつくっております。
 あと各種物質についても同様のデータをまとめておりますので、説明については割愛させていただきます。
 今回この資料に関しましては、検出状況だけを見繕いまして提示しておりますけれども、冒頭にも申し上げましたように、環境基準項目に関しましては検出状況を見ながら、我が国での使用実態、毒性、環境中でのあり方--存在の状況ですね、あるいはその発生メカニズムなど、さまざまなことを勘案しながら決めていくべきだと思っておりますので、こういった事項についてさらに調べておいた方がいい、あるいは調べるべきだという御示唆を広くこの場でいただければと思っております。
 資料5につきましては、以上でございます。

○村岡委員長 どうもありがとうございました。
 ただいまは個別項目ということで、6項目につきましての検出状況と検討すべき点について説明があったわけです。
 これをまとめるに当たって、この委員会の第1回のときに検出状況に対する考え方ということで意見をいただいておりますが、その復習ということで、6ページにその抜粋が載っております。この考え方に基づいて、ただいまの説明があったということでございます。
 それでは、委員の先生方から、個別でもよろしいし全体を通してでも結構ですが、何か御意見がございましたらお願いしたいと思います。

○須藤委員 今の検出状況についてはそのとおりだし、1回目の議論を踏まえておりますので、このとおりでよく理解できました。
 伺っていて、ちょっと感想なんですけれども、そろそろ今までの、人の健康を、公共用水域からスタートして地下水と同じものを同じ基準値にしていますね。それはそれで、従来の項目については妥当かなとも思うんですけれども、今、お話を伺っていると、公共用水域と地下水の両方に何となく超過しているものがある。それから、どちらかというと地下水の方に非常に重点的であるというようなものもありますね。それから、もしかしたら公共用水域の方だけというのもあるかもしれない。ということになってくると、その検出状況から見て、今までと同じように、人の健康だから地下水も含めてどの水域にも全部同じ基準値案をつくっていくというのはいかがなものか。
 これは今後の議論になりますけれども、伺っていると、やはり水の存在状態によって、汚染経路は、各汚染物質で違いますよね。特に地下水と公共用水域と。だんだん項目が増えてくると、そういうところも少し含んだ議論をしておいた方がよろしいのではないかという感想を持ちました。

○村岡委員長 そういった議論は、これまでなかったですかね。

○須藤委員 余りしなかったですね。

○村岡委員長 少なくともこの委員会ではなかった。

○須藤委員 とにかく人の健康だから、もうすべて一緒ですよね。でも今、伺っていると、何となくそんな感想を持ちました。

○村岡委員長 これは公共用水域と地下水の環境基準の考え方ということで、従来からこういう考え方の延長線としてやっているわけですけれども、その点、事務局として須藤委員に対する意見といいますか、環境省側のやり方について御説明していただくようなことはありますか。
 あるいは今後、それはそのとおりだから考えていこうではないかというふうな。ほかの委員も含めまして。

○中杉委員 須藤委員の御指摘は、そのとおりではないかと思います。
 だんだん項目が増えてきますと、モニタリングのコストだけでもばかにならなくなりますので、いつもNDを出すことは非常に重要なことではありますけれども、それに多額のお金を使うのがいいのかどうかというのは、少し考えた方がいいだろうと思います。
 特に今回の項目の中で、例えば塩化ビニルは人為的な発生源もありますけれども、表流水のところではかなり簡単に揮発してしまって、基準を超えることは恐らくないだろう。しかしながら、地下水は、御説明あったようにジクロロエチレン類から分解してできるという起源のこともありますし、揮発しにくいということもあるので、地下水では高濃度になってしまう。そのように、物によって特性が随分違ってくるんだろうと思うんですね。
 1,4-ジオキサンについてもいろいろな排出源があるんですが、表流水というか、公共用水域については、もうこれ黒本の調査で長いこと追っているんですけれども、調査の数は少ないですが、どこでも満遍なく出てくる。満遍なくあることは確かなんだけれども、表流水では基準を超えるほどまでいかない。ところが地下水はトリクロロエタンの汚染があるので、高濃度になってしまうことがある意味でありそうだ、そういう特性が非常にあるように思います。 
 そういう意味では、そこら辺もめりはりをつけた方がいいのではないか。
 前回のあれで、ほう素、ふっ素をどうするという議論が行われ、海域には適用されませんでした。本当はそこでもあったのかもしれませんけれども、そういう意味でのめりはりをつけるというのが1つある。
 もう一つは、6ページの基準の考え方のところに書かれていますけれども、この10%値を超えた、あるいは指針値を超えたというふうなことだけではなくて、このリスクが実際どうだということを考えていく必要があるだろうと思っています。
 先ほど1,4-ジオキサンについて少し調べてくださいと申し上げましたけれども、例えば今、地下水の中の1,4-ジオキサンの汚染は、私の想像では、トリクロロエタンの汚染に付随して1,4-ジオキサンの汚染が起こっている可能性がある。そういうケースばかりではないかもしれないけれども、そうだとすれば、トリクロロエタンはもう使われなくなりましたので、そういうことは余り起こらないだろう。
 そういうものを確かめて、汚染の行く先を考えてみる必要があるだろう。この汚染は、たまたま過去の汚染であってジリ貧の部分なのか、これからも起こり得るのか、そういうところを勘案しながら、どういうふうにしていくか、基準にするのか要監視で見ていくのか、その辺のところをもう少しめりはりつけて考える必要があるのではないかと思っております。

○村岡委員長 ほかに関連する御意見ございますか。
 少なくともこれまで、例えば地下水で非常に顕著にあらわれている、検出率が高いものについて基準化するときには、その基準化すると同時に、それは地下水だけでなくて公共用水もというふうなことになっていましたが、一応話の段階としては、公共用水域はどうでしょうかという検討もしてきたと思うんですよね。でも大抵は、もう一緒だと。
 その辺、ほかに何か御議論ありますか。あるいは事務局の方で何か。

○眞柄委員 個別の話に入ってしまいますけれども、1,4-ジオキサンをいろいろなところで調査してきた経験から言いますと、表流水でも時として高濃度で検出されることがあって、物すごく変動が大きいんですね。ということは、ジオキサンが今、未規制ですから、使われている。その使われているときに、それをno treatmentでdischargeされる。そのときに、サンプリングしたときに高いのが出るんです。下水処理場の放流水からも、処理区域にそういう工場などがあるようなところだと、時として高いのが出てくる。
 ですから、そういう意味では、こういうふうに調査をされて何%ということは、もちろんこれしか情報がないから何とも言い難いんですが、中杉委員もおっしゃったように、ジオキサンを基準にするかどうかはもう少し、どういうところでどれぐらい使われているか、先ほどPRTRのお話もありましたけれども、そういうようなバックデータがないと、今の段階で地下水だけにするわけにはいかないだろうと思います。
 ですから、要監視項目なり、あるいは未規制であったものが、今、どういうところでどういう形で使われているかという情報がないと、詰めていけば、そういう情報がなければ何も決められないということになってしまう可能性もあるということで、ある意味では委
員会として判断を迫られる状態になるのではないかとは認識しています。

○中杉委員 眞柄委員から御指摘があったPRTR、私も今回、結果を眺めてみて、非常に有益な情報があります。数字がどのぐらいであるかというのは今の段階では余り重要でないという問題はありますけれども、その信頼性はともかくとして、どういうところでそういうものが出されているかという情報は非常に貴重だと思うんですね。
 例えば、1,4-ジオキサンの公共用水域への排出量を報告している事業所はどういう業種かということを見ていくことによって、今、資料の後ろの方でいろいろな物質情報を調べていただいていますけれども、例の化学商品のあのデータだけでは非常に不十分で、逆に言うと、PRTRの結果から見ると、使って出しているのはどういう業種であるかがわかってきます。業種だけではなくて、もう少し細かい情報もそこでわかってくる。そうすると、そこから使い方、なぜそこから出てくるかということも辿っていくことができるだろう。それを踏まえていくと、先ほど眞柄委員が言われたような話が少し見えてきて、では、何か対応しなければいけないのか、どのレベルの対応をしなければいけないのかということが見えてくる。それも含めて、基準にするのか要監視にするのか考える時期に来ているのではないかと思います。

○村岡委員長 須藤委員の御指摘も、そういう問題をこれから考えなければいけないよという御指摘だろうと思いますし、そのためには検出状況だけではなくて、今もお話ありましたような製造量とか使用過程とか、あるいは排出の状況とか、そういったほかの関連事項を調べて、今後、そういったデータを持ち寄って検討すべき課題であろうということで、一つの御指摘をいただいたものと思います。

○吉田水環境部長 遅れて参りまして申しわけございません。吉田でございます。
 今お話を承っておりまして、私、問題のベースをどこにとるのかという問題と、行政上のさまざまなメルクマールといいますか、行政措置の運用をどうしていくべきなのかという2つの問題があるのではないか。そして、科学的な議論というのが一番根っこにあるのではないかと思います。
 つまり、例えば地下水の汚染と公共用水域の汚染を比べてみると、これは昔、中杉先生に御教示いただいたわけでございますけれども、トリクロロエチレンの汚染というのは地下水に非常に起こりやすい。それは量としてそんなに多いかというと、非常に微々たる量で環境基準をしゃあしゃあと超えている。それは地下水の流動が停滞したときにはなおさらでありますし、意外にトリクロロエチレンというのは水への溶解性が低いものですから、局所的な高濃度が生じます。ですからリスクの考え方も、広域的なリスクを考える場合と局所的なリスクを考える場合とでは、同じ環境基準であっても運用が異なるべきだと思います。
 それから、環境基準にしたら、なべて同じ頻度で同じ密度で測定しなければならないかというと、これはまた違うと思います。いえば科学的な根拠に基づいて、維持されることが望ましい環境基準というものを設定するシチュエーションと、それから、それを世の中でどういうふうに運用して、リスクを最も行政効率的に抑えていくのかという2つの問題があると思います。
 ですから、まだこの専門委員会では今後、御審議を続けられるわけでございますけれども、せっかくの御指摘でございますので、そういう問題も含めて、今後、私ども行政としても、どう整理していくかということは検討させていただきたいと思います。
 ただ、この専門委員会は環境基準の設定に係る専門委員会でありますので、リスク管理そのもの、全体をこの専門委員会の先生方に委ねるというところもまた、当初、私どもで諮問を申し上げ、水環境部会からこの専門委員会に付託された事項としては若干そのスコープを超えるものであるかもしれません。ですから、その辺はまた別途の意味で論理の整理といいますか、スコープの整理をさせていただきたいと思います。
 いずれにしても、本日御指摘いただいたことにつきましては、私どもとしても今後、早急に検討させていただきたいと思います。

○中杉委員 今の吉田部長のお話、ここでそこまで議論しなくてもいいよと言っていただいたのかと思いますけれども、ただ、1つだけ確認したいんですが、この環境基準項目と要監視項目、これは「そうではない」と言われるかもしれませんが、これまでとかく環境基準項目と排出規制というのがかなり固く結びつけられていて、その間の融通性が余りなかったような印象を受けています。そこら辺はどうなのかということを環境省側でお話を伺えれば、やはり「純粋に科学的」と言いながら、そこがかなりリジットに関係あるとすると、純粋に科学的という判断だけではいかなくなる。そういうところをどういうふうに解釈したらよろしいかということを、環境省としてどうお考えなのかお聞かせ願えればと思います。

○吉田水環境部長 繰り返しになるかもしれませんが、先生おっしゃったのは、我が国における環境基準というものの性格をどうするかという問題と、それから、これはもちろん昨年成立しました土壌汚染対策法の中でもそうですけれども、アクチュアルなリスクをどうやって抑止していくかという問題。これが恐らく欧米諸国では我が国よりもかなり進んで、アクチュアルなリスクに着目した行政が行われてきていると思います。そういう意味では、環境基準の今後の運用という面において、私どもも新たな立場でリスク管理がどういう形で適切に、しかも行政効率的に行われていくかを考えていかなければいけない。
 ただ、あくまでも環境基準というものは、環境基本法第16条に基づく「維持されることが望ましい」というものであるという、ここら辺は、いずれの先生にお考えいただいても大きな差異はないと思います。むしろ世の中における運用をどうしていくかというところ の課題かなと。
 それと絡み合って、リスクマネジメントという問題との橋渡しをどうするかという問題ではないかと思います。
 いずれにしても、私ども、ちょっと検討させていただきたいと思います。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 非常に基本的で大切な御指摘なり御意見があったと思います。
 それでは、この件につきましてはこれぐらいにしておいて、そのほか個別事項に関連するような御意見がございましたらお願いしたいと思います。

○瀬川補佐 事務局から先生方にお願いしたい事項がもう一つございまして、評価値のとり方でございます。
 今回、評価値ということで、2リットル、50kg、10%ということで書いておりますけれども、他方、いろいろな考え方があって、水道水質基準の方とは結果の数字が異なっているケースもあります。単純なそのとり方だけではなく、例えば塩ビに関して言えば、マルチステージモデルに適用する内容について変えた方がいいのではないかというものもあり、これについては検出状況との絡みもありまして、どちらをとるのか、あるいはどういった資料を御用意して先生方に御議論いただけばいいのかとか、その点の御示唆をいただけるとありがたいのですが。

○村岡委員長 わかりました。
 事務局の今の質問につきまして、何か御意見ございますか。

○長谷川委員 回答になるかわかりませんが、塩化ビニルについては非常に数字が異なっております。前回、WHOの第2版のときに出した数字は、実際に塩化ビニルによって起こるがんの中で、血管肉腫に焦点を当てて解析しております。その理由は、この塩化ビニルはIARCの、いわゆる1、人に対して発がん性があるということで認識されているものでございます。この認識されている中で、人における血管肉腫の発現が塩化ビニルの暴露と最も関連性が強いということに基づいて、マルチステージモデルで前回、解析が行われ、それが第2版の結果になっております。
 これは直接タッチしていなかったので、よくわからない部分もありますが、今回のWHOの第3版の結果は、かなりEPAが細かくというか、少し違うストラテジーでもって解析した結果が、そのまま採用されたかどうかよくわかりませんが、そういう状態にあると理解しています。
 IARCの中の解説では、今、申し上げましたように、血管肉腫が人における発現と最も関連性が強いということでございますが、その中に、肝細胞がんの発生も確かに関連性があるというような記載がございます。
 我が国の水道水質基準の考え方をどうするかというときに、この文献によりますと、肝臓での腫瘍性あるいは腫瘍に関連した病変として、ここでは血管肉腫と腫瘍性結節、それから肝細胞がんの3つを挙げております。ところが、これは1981年のパブリケーションでありまして、この腫瘍性結節、ネオプラスチックノデュールというものの病理上の分類が必ずしも明確ではないという点が1つあろうかと思います。
 その理由といいますか、これはAdenomaに相当するものとハイパープレイジアに相当するものが一緒に入っているのではないかというような要素がございます。厚生省の方での分析のときに、これはやはり単独で分析するのが従来のやり方だということで、肝細胞がんのデータをマルチステージモデルで分析したということで、結果がこのような大きな違いになってきております。
 データを見ますと、ここでは発生率を合計したというふうな表現になっておりますが、
実態といたしましては、一番低容量のところでも50%の動物に腫瘍性結節が出ておりまして、合計と言っても、実態としては腫瘍性結節の数字を使って分析したというのが、このような低い値になったと理解しております。
 このやり方は従来とは少し違うということで、水道の水質基準の方では従来法に基づいて数字を算出したということでございます。

○村岡委員長 ありがとうございます。
 何か関連する御意見ございますか。
 評価値の考え方等につきまして、ほかに何か御意見ございますか。

○長谷川委員 4ページの1,4-ジオキサンの評価値の部分について、少し記載を改めていただきたいと思います。
 どの部分かと申しますと、3つ目の「他方、発がんをエンドポイントとした……」から始まりまして、その下5行目の後ろの方から「二通りの異なったアプローチで」となっております。この二通りというのは実は2つ目のカラムの、これはマルチステージモデルを用いた分析が1つの方法、もう一つは「他方、」と書かれた部分のTDIを用いた方法、この2つから導き出された値を丸めてということでございますので、この「二通りの異なった」のところでカラムを変えて記載していただきたいと思います。
 わかりますか。

○村岡委員長 よろしいですか。

○瀬川補佐 はい。

○村岡委員長 そのほかに何か御意見ございますか。

○池田委員 長谷川委員の先ほどのコメントに関連するのですが、確かに、特にアメリカの報告から出てくる腫瘍性結節あるいはneoplastic noduleというのは、曖昧といいますか、そういう批判が従来からあると思います。同時に、こういう評価をする場合に、悪性腫瘍だけを評価すべきなのか、それとも良性腫瘍も含めて、neoplastic noduleの中で、例えばhyperplasiaは良性であっても腫瘍と考えるべきかという部分は議論が残ると思います。それで、Adenomaも含めて評価の対象に入れるべきか、これは議論の分かれる部分だと思うんですね。ネオプラスチックノデュールをそのまま入れてはいけないという点は確かにそのとおりで、その次の段階で、良性腫瘍を含めて評価するのか、悪性腫瘍だけに限定して評価をするのか、その部分は先生のおっしゃるとおり、議論が残り得ると思います。
 例えば、この場合に、比較的単純に整理をしていくとしますと、人の場合、特に肝血管肉腫は塩ビ暴露労働者の中で最もよく認められている悪性腫瘍だと思いますが、動物実験では肝細胞がんも出てくるという報告がもちろんございます。それぞれ別個にやってみて、あるいは肝血管肉腫だけ、それから肝細胞がんだけ、それから肝血管肉腫プラス肝細胞がん、つまり悪性腫瘍だけ、neoplastic noduleと書いてある部分は、これは分けられない部分になりますけれども、それを含めて少し緩めにとるという立場をとった場合、それぞれどんな具合になってくるのか。数量的な評価が出てくると、もう少し結論を出しやすいのではないかと思います。

○長谷川委員 もう一つ関連する事項で、この1981年の実験は、これ発がん性試験ではございますが、通常の2年間の発がん性試験よりもさらに長くとっておりまして、雌雄ともにおよそ140週後に解剖して分析しているというところで、現在のガイドラインからすると大分長い状態でございます。

○中杉委員 追加で調べていただきたい--と言っても、なかなか情報がないのかもしれませんけれども、マンガンが、淡々とこのままでいきますと、超過割合が18%と非常に高い割合ですよね。この18%というのはそもそもどういう状況なのかが非常に問題だと思うんですね。当然のことながら、自然由来といいますか、自然的原因も十分考えられるわけですね。そこら辺のところで、この18%という数字がどういうところから出てきた数字なのか、調べるのは容易ではないかもしれませんけれども、少しそこのところを考えておかないと、18%はだめよ、だけど対策は立てられないという話になりかねないなと思いますので、これ自体が実際どういう意味を持っている数字なのか、追加で調べられるものがあったら調べていただければと思います。

○眞柄委員 WHOの議論で、マンガンは人のデータからとっていますので、不確定係数は3ということで、疫学的に言えばかなり適切な数値である。ただ一方、マンガンは必須エレメントですので、必須エレメントのバランスをどう考えるかということでテンタティブになったということです。 
 水道で、利水障害の観点から言うと、WHOは、利水障害ではテンタティブでなくて0.1という数字を出しています。ですから、いわゆる毒性評価の観点でマンガンの環境基準を設定するとすれば、この数値が適切だろうと言わざるを得ないだろうと思います。
それから、先ほどの塩ビの件ですが、塩ビだけではなくて毒性評価のモデルが、まさに日進月歩でして、レビュアーがどのモデルを使うかによってガイドラインの値が変わってくる。そういう化学物質がWHOのミーティングのときにたくさん出てきまして、そういうものについては、今、IPCSの枠組みの中でレビューをしている、あるいは近々にするというものはもうドキュメントができていて、専門家レベルでは、もうこれでいいではないかと言っているんですが、やはり先ほど池田委員がおっしゃったように、IPCSの枠組みの中でピア・レビューが済んだらガイドラインにしようよということに、今回のサード・エディションではなりました。
 そういう意味では、日本の水質基準をつくるときには長谷川先生にお願いして、我が国のその道の学識経験者に評価をし直していただいて、その値をベースに水道の水質基準の評価値をつくったということであります。
 そういう意味で、環境省の方で環境基準を設定する際の評価値をどの値にするかということに関しては、一応こういう形で出ておりますので、それが妥当であるかどうかについては、やはりその方面の専門家の方に1度見ていただいて、どの値が一番適切であるか御判断をいただかなければならないだろうと私は思っております。

○森田委員 マンガンはどんな意味を持っているかという議論に加わりますと、御存知のように、マンガンは神経毒性が強くて、したがって、可溶性のマンガンにおいて人での神経中毒というのは今までも見られてきましたし、多分、それをベースに飲料水基準がつくられてきているんだろうと思います。
 一方、マンガンは比較的土壌の中にも多い成分でありまして、したがいまして、土壌由来というか、底質のまき上げとか、そういう意味でのマンガンの含有量は相当高まってくると思われます。多分、私の印象ですけれども、河川水中のマンガン量を測定するに当たって、そういう浮いている土壌由来の粒子とかそういうものを一緒に計っているとすると、それが寄与して高くなってきている可能性が高いということだろうと思います。
 問題は、そういった粒子は、例えば水道の凝集沈殿で大部分除けるというふうなことがあるのであれば、あるいは除けないようなタイプのマンガンを考えることが必要になる局面があるかもしれないというところでありまして、今、トータルのマンガンだけでやっているんだとすると、ちょっとその現象は、いわゆる河川のような、まき上げが平気で起こるような公共用水域の値は、そのために少し高くなってきている可能性が高い。ただ、地下水とか海洋水などでは多分、そういう意味では可溶性のマンガンが結構大きなウエートを占めているかなという感じがいたします。

○林委員 これまでの御意見とは少し違うんですけれども、事務局あるいは環境省へのお願いという意味で、1つだけコメントさせていただきます。
 リスクアセスメントを実施する際に一番困るのは、人でのエクスポージャーに関連するデータが非常に少ないことが多いということなんですね。そういう意味で、環境省で地道に積み重ねてこられた検出状況のデータは、将来、非常に貴重なデータになるんですね、リスクアセスメントのために。そういう意味で、これは将来これを使おうというときにすぐに使えるように、あるいはそのデータを、当然やっておられると思いますけれども、十分にきちっと保存していただきたい。
 先ほど部長がおっしゃったことも、基盤はそういうデータにあるものですから、それをよろしくお願いいたします。

○村岡委員長 貴重な御意見をたくさんいただきました。個別項目に関連してということでありますけれども、いただきました意見を事務局の方でまとめていただいて、次回の討議に反映していただきたいと思います。
 それでは、次の議題に入ります。
 議題4、水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準項目及び要監視項目の見直しについて、これは主要議題でありますけれども、これにつきまして、骨子という形で案をつくっていただいております。次回またこれの仕上げに対する意見をいただくことになりますけれども、今日はその骨子案につきまして御説明いただいて、委員の先生方から御意見をいただく予定でございます。
 では、事務局の方から御説明願います。

○瀬川補佐 専門委員会の報告の骨子案とありますけれども、全くの粗々でございます。各個別物質につきましては、本日いただきました御意見をもとに事務局の方でデータの整理や、あるいは専門家の先生方への検討の依頼などもあると思いますので、そういったものを経て入ってくることになります。
 ただ、構成でございますけれども、目次案を1ページにつけております。「はじめに」 「基本的考え方」ということで、項目の選定の考え方、値の設定の考え方、適用の考え方、自然的原因の取り扱い、それから、新規項目及び既定項目について。新規項目に関しましては、測定法についてまた別途立てることになります。また、今後の課題というものがございます。
 2ページに入りまして、骨子でございます。
 「はじめに」ということで、諮問に至った経緯を書かせていただこうかと思っております。我が国における化学物質の使用及び排出、モニタリングデータの蓄積などもございますし、また、第3版及び水道水質基準の見直しについても触れつつ、平成14年8月の諮問についても書かせていただこうと考えております。
 また、基本的考え方でございますが、これは第1回の専門委員会に提出いたしました資料に沿って記述していくことになりますが、すみません、(1)の[3]に「現在←?」とあるんですけれども、ここでは第3版の対象になりました物質に関しまして書く予定でございます。ファイナルのオーソライズがいつごろになるのか、ちょっとよくわからないんですが、4月4日で専門家会合を終了しておられますので、報告をまとめる段に当たっては、第3版で改定があったものというふうに書かせていただこうと思っております。
 それから、環境基準項目、要監視項目の選定の考え方でございますが、基本的な考え方と選定のポイントを書かせていただきます。
 それから、すみません、(3)のところで1つ訂正がございます。
 環境基準値及び要監視項目指針値の設定の考え方で、3つ目の「・」に「幼少期」とありますけれども、「乳幼児」の間違いです。ここは直しがもとに戻ってしまっていて、申しわけありません。「乳幼児」でございます。
 この部分ですが、「各種科学的知見等をもとに検討」とあるのですけれども、飲料水経由の影響については、WHOの飲料水水質ガイドラインなど、また、乳幼児期において特定の化学物質に関するリスクが大きいという判断がある場合は、特別な飲料水消費量に基づくケースがあります。
 また、食品経由の影響の方は、水質汚濁に由来する食品経由の影響について、あるということがございますれば、魚介類の濃縮性に関する知見などを考慮して設定することになります。
 具体的には、今回「この物質を」ということでピックアップいたしました物質全般に関し、BCFを見ながら、魚介類の濃縮性に関して考えられるということでしたら、そちらのルートも検討する、BCFが低いということでしたら、そちらのルートは検討しないというものだと思います。
 (4)適用に当たっての考え方につきましては、先ほど部長から申し上げたように、少し事務局の方でも検討させていただきたいと思っております。
 (5)自然的原因による水質汚濁の取扱いでございますが、健康項目の平成5年答申及び平成11年答申に既にこの点は示されておりますけれども、環境基準値自体は、自然的な原因の場合と人為的な原因の場合とで異なる性格のものではございません。このため、自然的原因によって環境基準健康項目が公共用水域から検出される地点においても一律に適用することが適当としております。
 ただし、公共用水域において明らかに自然的原因により基準値を超えて検出されたと判断される場合には、評価、対策の検討に当たって十分考慮する必要があるということでございます。
 4ページに参りまして、新規項目及び既定項目の書きぶりでございますけれども、項目が決まりましたら、その基準値や指針値の設定の根拠文献、それから公共用水域での検出状況などを書かせていただきたいと思っております。
 本日、資料4でp-ジクロロベンゼンに関しまして、基本的に指針値を変えるということで御了承いただいたと思っておりますので、既定項目のうちp-ジクロロベンゼンにつきましては、ここの3.の項目に書かせていただき、指針値を改定したいと思っております。
 測定方法でございますけれども、環境基準項目、要監視項目について、新規のものにつきまして測定法を記述させていただきます。
 最後でございますけれども、本日、御示唆いただきたい内容としてここに書いておるんですが、環境基準の継続的見直し。環境基準項目、要監視項目につきましては、新たな科学的な知見があった場合には、これに基づきまして必要な追加や削除など見直し作業を継続して行ってまいります。例えば、本日はp-ジクロロベンゼンの数字の改定がございましたけれども、平成11年答申におきましても指針値の改定などがございましたので、そういった検討につきましては、報告をおまとめいただいた後も継続して行っていくものと私どもは思っております。
 そのほかの事項で、健康項目の検討に当たりまして今後こういったことも考えていく必要があるといった御指摘、御示唆がございましたら、この場あるいは後日でも構いませんので、事務局の方にお寄せいただければと思っております。できればこの場でブレーンストーミング的に、御示唆があればいただきたいということでございます。
 資料6につきましては、以上でございます。

○村岡委員長 どうもありがとうございました。
 先ほども言いましたように、現段階では骨子ということでございますけれども、資料6で御説明いただきました内容につきまして、いろいろと御示唆をいただければと思います。

○眞柄委員 基本的には、私はこの骨子でよろしいかと思います。
 項目に入るか、あるいは今後の継続の候補ということで申し上げたいことが2つあります。
 1つは、今度、水道の水質基準で臭素酸がかなり厳しい基準値に設定をされました。一般的には臭素酸は、水道原水に臭化物イオンが入っている場合に、オゾン処理をすると臭素酸ができると言われておりまして、トリハロと同じような性格ではありますが、原水の臭化物イオンが低いということが基準を守るために必要な手段になります。
 臭化物イオンは、もちろん海水の中にも入っておりますが、ということは、食塩の中にかなり入っている。食品産業で食塩をかなり使われておりますので、それが一つの発生源になっています。それと、食塩を材料にしています次亜塩素酸ソーダ、特に現場で次亜塩素酸ソーダをつくっておられるようなところでは、臭化物イオンだけではなくて臭素酸そのものが入っています。そういう意味では、自然由来ばかりではなくて人為的な発生源がかなりある。
 もう一つは、いわゆる毛髪処理剤ですね。そちらの用途で臭素酸がかなり使われております。
 そういう意味で、臭素酸を環境基準にするかどうかをどこかの段階で御検討いただきたいということが1点です。
 もう一つは、今回の水道水質基準で、藻類が生産する臭気物質、ジェオスミンと2-MIBにつきまして、かなり厳しい数値を設定いたしました。臭気物質が健康影響かどうかということは実に微妙でありまして、臭気物質があると精神的に悪い。WHOのチャーターでいきますと、精神的にも健全であるというのが健康の定義になっておりますので、そういう意味では、ジェオスミンと2-MIBを環境基準にするかしないか、健康項目にしないのか生活環境項目にするのかというようなことも、ぜひ1度御検討をいただきたいということであります。
 今回の水道の水質基準で、環境基準を含めて環境行政と深くかかわってくるところはその2つだと思いますので、できればどこかで御検討いただきたいということであります。

○中杉委員 全体の骨子は結構ですけれども、眞柄委員が言われたような観点で、少し気にしておいていただければと思っています。
 環境省の中の話ですので、もう御存じだと思いますけれども、大気の方で基準値ならぬ指針値という、ちょっと水の要監視項目とは性格が違いますけれども、検討を始めていまして、その対象が、まさに塩化ビニルモノマーであります。そういう意味でいくと、大気の場合に、ほかに砒素なんかもやっていますが、砒素は食品だとか水の方が寄与が大きくて、大気の方は寄与率からするとどうなんだろう、差し引いてしまうと残らないのではないかというような議論をしているんですが、逆に言うと、塩化ビニルみたいなものは大気からの暴露の方がメジャーでありますので、そういう意味では、ほかの暴露源を考慮するということについては、実際にどのぐらいであるか粗々の計算をしていただく必要があるのかなというのが1つであります。
 それからもう一つ、これは将来的な課題になるのかと思いますけれども、今回のマンガンのあれを見ていますと、自然の土壌から溶け出すということがかなり影響してくる可能性がある。そのときに、「自然から溶け出すんだからしようがない」という話では必ずしもなくて、人間活動が地下の状態を変えて二次的に、これは砒素の汚染でも、還元状態にすると砒素が溶け出すという話がよくありますけれども、マンガンなど、そういう土壌中にあるものが、ある人間活動をすることによって余計溶け出すような形になる。そういうことも場合によっては考えていく必要があるのかもしれない。
 これは我々の知っている話では、硝酸性窒素の汚染があるところではpHがかなり低くなるので、そこでは土壌からある種の金属元素が地下水の中に溶け出して、濃度が総体的に高くなるという現象が見えている場合があります。そんなことも将来的には考えていかなければいけないのかなと。
 ここに課題として書き込む話かどうかはわかりませんけれども、頭の中に入れておいていただければと思います。

○須藤委員 全体的に、考え方としては私も結構でございますが、先ほどちらっと申し上げたところでもございますが、1,4-ジオキサンを地下水だけにすればいいということを申し上げたわけではございません。地下水に非常に重要なら地下水の基準だけでいいものもあるでしょうし、公共用水域だけでいいものもあるでしょうということで、そろそろそういう立場で検討しておくことが望ましいんだろう。両方必要であれば両方でやる。
 先ほど眞柄委員がおっしゃったような藻類のプロダクトの、例えばカビ臭物質だとか、あるいはアルガルトキシンとか、そういうものは多分これからすごく重要になる。そうなれば地下水は多分要らないので、淡水の湖沼とか河川水だけだとか、そういうふうにだんだんなってくるであろうなと思うので、一律にバチッと決めてしまうと、やってもいいんだけれども、そうしたら測定を省略してもいいとか、あるいはそこは適用しないとか、そういうふうにしていただく方が、逆に言うといいのかなと。
 というのは、地方公共団体の立場からすると、これがもしそうなったら、測定計画を立てて、出ないのがわかっていても一生懸命分析しなければいけないんですね。これは余りにもよろしくないので、そろそろそういうことを考えていただきたいなということを申し上げただけです。検出されたのは、地下水の汚染なんだけれども、本当は地表水にも結構汚染があるんだよという懸念があれば、それは当然両方かけていいんですが、そろそろその辺を見極めながらやっていただきたいということであります。

○土屋委員 今の須藤委員の話と似ているんですけれども、やはりモニタリングするということからすると、その測定方法で、こんな方法があるのかどうか知らないけれども、スクリーニング手法のようなことも、もしできたらば考えていただきたいと思います。この手のスクリーニング試験をやれば、この手の項目はまず測定しなくても済むというような--それは生物的な方法でも何でもいいだろうと思うんですけれども、そんなこともできたら考えていただきたいと思います。

○村岡委員長 測定方法に関しては、たしか測定の頻度とか項目数について合理的にやっていきましょうというふうな話が既にあったのではなかったかと思うんですよね。
 もちろん、さっき須藤委員が言われたような基本的なことについては今後の課題になると思いますけれども、当面、そういった合理化という点で対応できる面もあるのではないかという気がするんですが。その辺、私も定かではありませんので、事務局に。
 どうでしたか、その点は。

○瀬川補佐 環境基準の健康項目が定まりますと、モニタリングの合理化ということで、自治体さんに向けてお願いをいたします。今回、本日の検討資料としてはお出ししておりませんけれども、健康項目の方が決まってまいりますれば、私どもとすれば、モニタリングの効率化、合理化についても自治体さんにお願いすることを考えております。

○中杉委員 モニタリングの効率化については、環境省でしたか、環境省の委託先でしたか、地下水と公共用水域について一応検討させていただいて、私もやりましたが、そこに少しは入れていますけれども、項目がどんどん増えてくるとそれではなかなか追いつかなくなるので、須藤委員が言われたようなことも併せて検討いただければと思います。

○森田委員 先ほどから議論されている分析の頻度とか何とかいう議論は、むしろリスク管理に相当するような部分で、差し当たり今は、健康にとって望ましい水質基準というのはどういうものであるかというところを議論されているんだろうと思います。そういう意味では、ある一定程度の頻度で検出され、それがある場合には地下水かもしれないし、ある場合には河川水かもしれません、あるいは非常に局所的な閉鎖性の水かもしれませんけれども、それがある一定の割合に達したものについては管理目標みたいなものが設定されて、そして、それにとってその水の望ましい水準というのはこういうものだということで、まず議論してしまった方がいいだろうという感じがいたします。管理の仕方については、別途、環境省の方で考えていただくのがいいかなという感じがいたします。
 もう一つ、今、眞柄委員がおっしゃったことと若干関係するんですが、水道を初めとする飲料水を公共用水域が供給しているという観点から、水の安全の健康項目の基準を決定しているようなところがありまして、それで、眞柄委員がおっしゃった臭素酸の問題、それから、ジェオスミンとかああいうタイプのものは健康とは馴染まないかもしれませんが、いずれにしてもそれは考慮するとして、今度は逆に、水道の方は農薬を「農薬類」と一括されて、そこに全部を投げ込まれているんですが、環境の基準の方には「リン系の農薬」という個別項目が立っていたり、あるいはゴルフ場農薬について個別にやっていたところがありますので、このあたり、少しリーズナブルなところに収束させた方がいいことが予想されますので、その点で、もし可能であれば眞柄委員、農薬を一括してしまっている理由なんていうのを教えてください。

○眞柄委員 部会の報告書に書いてあるとおりですが、要するに、須藤委員が座長を務めておられる農薬懇談会で、農薬について相加性はないという結論が出されたわけです。ところが、実際に水道水の農薬を測定してみると、例えば有機リン系であっても同時に4種、5種出てくる。そういう出てくることに関して、ある程度、どういう性質の水であるかということを水道を利用している国民に示す必要があるであろうという判断です。ただ、それは基準ではなくて、水質管理目標という形になっています。
 総農薬方式という考え方を導入したわけですが、あくまでも基準ではないということと、それから、水道水が含有している農薬はこれぐらいのものですよということを知っていただくことによって、安心をする、あるいは水道事業者にはそれを減らすような努力をしていただくための指標をつくったということであります。
 ただ、実際にどれぐらいの割合になっているかというと、101種類ですが、同時に101種類あるわけではありませんので、測定したデータを整理してみると、20%を超えるような水道水は確実にある。そういう意味では、やはりここで言う指針値の10%を超えるぐらいのものはあるので、それなりに、水道で国民の健康に直接関係するような化学物質の代表として農薬類をとりあえず取り上げて、それで、基準ではないけれども、水質管理のための指標を水道で新たにつくったという意味でございます。
 それで、非常に微妙な話なんですが、CNPを計っているところと計っていないところがありまして、CNPを加えますと0.5とか0.6になる水田地帯の水道水も間々あるということであります。ただ、基準ではないということですので、その辺のところは科学的に、懇談会の「相加性はない」という結論に反するようなことをしてしまいましたけれども、基準ではないということで御容赦をしていただけるよう、まとめた者としては期待しております。

○林委員 (3)指針値の設定の考え方のところで、リスクが大きいと判断できる場合には、乳幼児期について必要な検討を行うと書いてありまして、これは非常に高く評価させていただきたいと思いますけれども、できれば妊産婦を通した胎生期への影響も、やはり同じように考えた方がいいのではないかと思います。ちょっと難しいですけれども、それも一緒に考えた方がよろしいのではないかと考えます。

○池田委員 今の御指摘と全く同じところなのですが、具体的にどう考えるかさっきから考え込んでおりまして、例えば体重当たりの水の摂取量は子供の方が大きいとか、あるいはもっと曖昧になりますけれども、成人に比べていろいろなものの代謝能力が子供では小さいとかいうレベルの判断をするのか、それとも、例えば鉛のように、成人では脳血液関門が完成しているから中枢神経への影響は総体的に小さいけれども、関門が完成していない子供の場合には、より強く出るだろうとかいうふうな具体的なメカニズムにまでいって、あるいは何らかの生物学的な所見があって、乳幼児の方の耐性が弱いだろうと考えられる場合を考えていくのか。その程度によって、この項目の力が随分変わってしまいます。
 何らかのエビデンスがあるときから採用していくのが具体的な策としてはやりやすいだろうということを考えていますが、そのあたり、事務局としてはどんなお考えでしょうか。
 WHOがこういう立場を重視しているというのは、よく承知しているますが、具体的なアプローチですね。

○瀬川補佐 WHOでとられているアプローチには、具体的な事例ですと2つあります。「ブルーベビー」と称される硝酸、亜硝酸の毒性の場合には、子供に特に影響があるという、その事象をとらまえてつくるというのがありますし、それから、先生御指摘の鉛の場合ですと、乳幼児について、具体的にはアロケーションは飲料水に50%というふうに高くとり、かつ体重5kgの人工栄養の乳幼児ということで、1日の飲水量を0.75リットルと定めております。
 ですので、具体的に乳幼児への影響がエビデンスとしてあって、その場合にこういった乳幼児に特有の仮定の条件を置いてやるというのが、今、現実的にとられているアプローチであります。今後、事務局としてやりやすいのは、先ほどの硝酸、亜硝酸のように乳幼児に特に影響が出る物質の場合に、そのアロケーションや、あるいは飲水量、摂取量をどのぐらいにするのか具体的に決めていく、そういうアプローチが事務局としては一番やりやすいかなと考えております。

○中杉委員 今回は対象になっていませんが、ホルムアルデヒドについて、今、水生生物への影響について検討の対象に入っているのではないかと思うのですが--一応水生生物の目標の中に入っていましたよね。それとこっちの健康との話がもう一つ、水道の方では新たに項目に加えられたということを考えあわせると、そこは環境省の方としてはどういう整理をされておられるのか。

○瀬川補佐 水生生物の専門委員会の方は、ホルムアルデヒドを要監視項目の一つの候補物質として、昨日、御議論をいただきました。
 ホルムアルデヒドの場合には、確かにヒト健康影響がございますので、ヒト健康の観点からのガイドラインとの突き合わせなり、あるいはその濃度レベルの検出状況を、もちろん作業としては進めていくことになります。

○須藤委員 こういう御質問をいただくんでしたら、ちゃんと復習するべきだったんですが、申しわけございません。
 今、瀬川補佐が両方御担当なんですけれども、ホルムアルデヒドは、水生生物の方では検出率等を考慮することと、それから、いわゆる目標値案と比較して、水生生物の方の要監視項目として妥当であろうというところまでが昨日の結論です。瀬川補佐、よろしいですね。
 数値は私もきちっと記憶していませんが、1000μg/L程度でございますので、この健康項目の評価値案とは、すり合わせはしておりません。数値を見ればすぐわかるんですけれども、申しわけございません。

○中杉委員 調査をされることになると思いますので、今、指針値を決める必要はないけれども、当然、健康項目の方でも問題になっている物質ですので、そちらの観点から、調査はやるわけですよね。それだけ聞かせてください。

○須藤委員 要監視項目ですから、そうです。目標値案が多分1,000μg/Lだったと思います。--いいですよね。コイ、フナとか分けてありますが、海の方が若干低かったかな。海が非常に低いんですよね。30μg/Lとか300μg/Lとかあるんですが、淡水域ですと1,000μg/Lだったように記憶しております。○中杉委員 ぜひ、そういう目での評価も併せてしていただく必要があるのではないか。指針値をパンと決める話ではないかもしれませんけれども、水生生物の方でOKだということで話が済むのかどうかという問題が残るかと思いますので。

○眞柄委員 関連してですが、ホルムアルデヒドを含めて、いわゆる塩素処理によって非意図的に生成する化学物質については、経口暴露のほかに経気暴露を考慮しなければならないというのが、この間のWHOの会議の結論であります。そういう観点からすると、ホルムアルデヒドは、いわゆる工業用に使われているものばかりではなくて、富栄養化している湖沼そのもので生物生産活動によっても生成しますし、それから自動車の燃焼ガスの中にも入っていますし、いろいろなところで使われたり、つくられたりしているということでありますので、経気のリスクも一緒に考慮するとすれば、ホルムアルデヒドに関して言えば、かなり慎重に科学的な知見を集積しないと、適正な--と言った方がいいと思いますが、あるいは社会に受け入れられる環境基準にはならない可能性が非常に高いと思いますので、環境省の方で、将来に向けて少し計画的に調査・研究を進めていただくと水道分野も助かるということですので、よろしくお願いします。

○村岡委員長 事務局、何かございますか。

○瀬川補佐 資料を持ってきておらず、申しわけありませんでした。
 ホルムアルデヒドにつきましては、淡水域で1,000μg/L、一般海域で--一般海域といいますのは普通の海域ですけれども、300μg/L、幼稚仔や産卵の場に供される特別な水域に関しましては30μg/Lという数字になっております。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 その件と環境基準との関連というか、昨日その会議があったということで、また次回のこの委員会で何らかの形で取り上げる可能性が出てくると思いますので、その時点のことにしたいと思っております。
 大体時間が来てしまいました。非常に貴重な御意見をいただきましたので、またこの骨子に肉付けするというふうな形で、次回、引き続いてこの討議があると考えておりますので、事務局の方での整理、よろしくお願いしたいと思います。
 次の議題は、その他ということになりますが、何か事務局の方でございますか。

○瀬川補佐 次回の専門委員会に関しましては、6月中旬から下旬を予定しております。先生方の日程につきましては別途お伺いしておりますので、決まり次第お知らせしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 なお、当委員会の運営方針で、議事録を作成し、公表することとなっております。後日、事務局から、議事録案を作成し各先生にお送りいたしますので、御発言内容について御確認いただきますようお願いいたします。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 それでは、これですべての議題が終わりました。
 ただいま事務局からもありましたように、次回までに、事務局からの指示で先生方の御意見を伺うとか、あるいは示唆をいただくとかいうことがあるかもわかりませんので、その節は委員の先生方、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、以上をもちまして本日の専門委員会を終わりにしたいと思います。


                              

午後4時01分閉会

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