中央環境審議会水環境部会陸域環境基準専門委員会(第11回)議事録

日時

平成23年11月8日

議事次第

  1. 1.開会
  2. 2.議題
    1. (1)前回指摘事項について
    2. (2)渡良瀬貯水池(谷中湖)荒川貯水池(彩湖)における概況と将来予測水質について
    3. (3)その他
  3. 3.閉会

配布資料

議事録

午後1時00分 開会

【星野課長補佐】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境部会第11回陸域環境基準専門委員会を開催いたします。
 委員の皆様に、ご多忙中にもかかわらず参集いただき、誠にありがとうございます。
 本日は、委員総数中、12名のうち、12名の出席が予定されております。ただいま10名の出席をいただいております。既に、専門委員会の定足数を足りておりますので、ご報告させていただきます。
 なお、古米先生と風間先生につきましては、少し遅れるという連絡をいただいております。
 議事に先立ちまして、水環境課長の吉田からごあいさつ申し上げます。

【吉田課長】 大変お世話になっております。水環境課長の吉田でございます。
 今日は、お忙しい中にもかかわりませず、ご参加を誠にありがとうございます。
 この陸域環境基準専門委員会ですが、河川・湖沼の環境基準の類型あてはめということでご審議をいただいておりまして、これまで、累計いたしますと河川で107水域、自然湖沼5水域、ダム貯水池26水域につきまして、類型指定が行われました。
 本日は、前回が昨年5月でしたので、少し間があいてしまいましたが、渡良瀬貯水池と、荒川貯水池、いわゆる平地の貯水池の類型あてはめについてご審議をお願いいたしたいというふうに考えております。
 あわせまして、前回いろいろご指摘いただいた点に対しまして、その考え方についてもご説明させていただければというふうに考えております。
専門的な見地含めて、忌憚のないご意見をいただきながらまとめていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【星野課長補佐】 それでは、お手元の配付資料について確認させていただきます。
 議事次第にございますように、資料1から資料5及び参考資料1から4までをお配りしております。
 それから、資料番号はないのですが、1枚紙で異常値除外の考え方という資料をお配りしておりますので、よろしくお願いいたします。
 あと、参考資料1ですが、これについては委員限りということですが、前回の議事録をつけております。こちらは前回専門委員会から期間が随分あいてしまったものですから、既に、委員長及び委員の先生方にご確認をいただいて、了承を得て、正式な議事録として、今、ホームページに公開しているものでございます。
 その他、資料等の不足等ございましたら、随時、事務局までお申しつけください。よろしくお願いいたします。
 それでは、これ以降の進行は岡田委員長のほうにお願いいたします。

【岡田委員長】 はい、かしこまりました。
 お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 先ほど、課長からお話がございましたように、今までずっと、類型あてはめをやってきたと。今日、ここにございますように、渡良瀬と荒川の話があるわけですけれども、前回の議論でもございましたように、例えば、データの処理の仕方、サンプリングの仕方、そっちが先ですね、それでデータ処理、今後のやはり環境基準の運用に関わる問題点というか、疑問点がこの委員会では幾つか上がってきているかと思います。ですから、あてはめそのものも重要ですが、今後に関するご意見等もいただければ、次のためにありがたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。
 最初に、議題の1ですけれども、前回指摘事項について、お願いいたします。

【星野課長補佐】 それでは、資料2、前回指摘事項について をご覧ください。前回の指摘事項についてまとめております。
[1] 渡良瀬貯水池における干し上げ期の水質測定結果の取り扱いについてです。
 渡良瀬貯水池については、干し上げの作業をしておりますので、そのときの水質の取り扱いはどうするのかというようなことでございます。
 これについては、資料2-1をご覧ください。
 まず、1枚目に渡良瀬貯水池の概要を書いております。このようなハート形の貯水池があって、もっと北には、広大な遊水地が広がっており、渡良瀬貯水池については常時水がたまっているという状態でございます。
 続いて、2ページをご覧ください。水質についてです、渡良瀬貯水池は、前回の専門委員会で議論がありましたように、干し上げを実施しております。干し上げ実施時期については、水位を極端に下げるものですから、水質がかなり悪い状態が続くということでございます。
 3ページについてですが、実施要領でございます。干し上げ期ということで、3月1日から3月25日、この赤書きのところです。(3)の干し上げ水位、YP.8.3mを維持することで、最低水位が8.5なものですから、人為的に8.3をしている。この目的ですが、一番上に書いてありますように、カビ臭対策ということで、干し上げを実施しているということでございます。
 4ページからは、実際の水質データですが、干し上げを実施しているのが7ページの平成8年でございます。これについては、例えばCODであれば、欄外に出る状況で、T-P、クロロフィルについても、やっぱり干し上げ期が極端に悪くなっているのがわかると思います。
 それと、連続で実施しているのが14ページからになります。
 平成15年、平成16年、平成17年、平成18年、平成19年で、干し上げを実施しておりますが、各年とも、干し上げの実施に伴って、水質が悪いところが確実に出てきているということでございます。
 それで、取りまとめになります。19ページになるのですが、例えば、干し上げのCODであれば、全データと、干し上げ外のデータを除いたものをグラフ化しています。
 CODについては、平均値で干し上げをしている年には、やはり差が出ておりますし、特に、T-Pについては、大きな差が出てきているということがわかると思います。
 それと、具体には21ページからになるのですが、参考として干し上げの水質データで、平成8年については、全リンの平均値がこのぐらい差があり、平成15、16年は、随分な差が大きく出てきている。干し上げ期のデータを使うのと、使わないのと随分差があるということでございます。
 23ページでございます。環境省で考えている結論ということです。
 この丸のところになります。実施要領によった人為的干し上げを実施しており、干し上げ期の貯水池は低水位以下となるということでございます。低水位以下ということで、環境庁告示59号によりますと、低水位以下にある場合は、それぞれ的確に行うことに合致するということ、もう一つ、今ご覧いただいたように、干し上げ期の水質データは、他の期間と比べて大幅に高くなっていると。年ごとにかなりばらつきが大きいということがわかっております。
 今後、水質予測に基づく類型指定の暫定目標値というのを設定する必要があるのですが、この干し上げ期の水質データが多大な影響を及ぼし、周りと比べてかなり大きいもんですから、ここにデータが引っ張られるということがございます。
 それと、検討する年度によって、ばらつきが大きいということがございまして、結論的に言いますと、干し上げ期のデータを除外して、水質予測等を行うほうがいいではないかということです。
 またの箇所に書いてありますが、大半の貯水池の水質状態と、例えば、干し上げ期を平均したものについて、大きい差が出てくるということでございますので、一般にとってもわかりにくい目標値となるということです。
 したがって、基準値の達成期間に記載される暫定値の算定、環境基準の達成の評価から除外するということを環境省で考えているということでございます。
 これが干し上げ期のデータの取り扱いになっております。
 続きまして、資料2に戻っていただいて、前回指摘事項についての[2]です。ばっ気を行う貯水池の環境基準のあてはめの考え方で、ばっ気等を行う人為的な操作の濃い貯水池については、類型あてはめの考え方を整理すべきではないかとのことをいただいております。
 簡単に言うと、ばっ気で利水障害が発生していない湖については、例えば、窒素、リンの類型を緩くするというか、例えば、ⅡからⅢに変更するようなことは考えられないかとかいうようなことだと思います。それについては、資料2-2をご覧ください。
 ばっ気貯水池の類型あてはめの考え方ということでございます。具体的には、2ページ以降、生活環境保全の環境基準のことが書いてあり、3ページの答申で、水道1級、水道2級、3級の適用を書いております。
 具体的に言うと、4ページに、今まで環境省が行ってきた、荒川貯水池、渡良瀬貯水池も今回入っていますが、人工湖沼の一覧がありまして、グレーのところは環境基準を達成しているところ、白抜きのところは環境基準を達成していない状況になっております。それと、暫定目標等を設置している湖沼があるとのことです。
 それと、湖内対策として、フェンスとか、ばっ気・流動の丸がついていますが、このダムがばっ気を行っているかが、ヒアリングの結果でわかっております。
 5ページにまとめております。ばっ気あり・ばっ気なしと書いてあるんですが、ばっ気装置があるもの、ばっ気をしていないもので、環境基準の達成率がどうかをCOD、T-N、T-Pに対して書いております。
 5ページ、一番下なのですが、ばっ気をしていても、利水障害ありというダムが、草木とか、土師ダム、相模、城山、荒川貯水池等があり、利水障害は、ばっ気装置があるについても、残っているというような状況でございます。
 6ページは、その利水障害のヒアリング結果でございます。そのダムについて、下流の浄水場等にヒアリングしているということです。
 7ページに、今までの状況を説明してきたのですが、環境省の考え方を整理してみました。
 ばっ気貯水池を他の貯水池と区別するのか、しないのかというと、結論的には区別しないほうがいいだろうということです。この四角書きの上の分なのですが、ばっ気については、貯水池の水質保全対策における貯水池に限定した水質保全対策の手法である。一方、湖沼と湖沼下流の河川を含めた類型の水質保全対策については、各種の保全対策を行うことが必要とされている。特に、ばっ気を行う湖沼について、全窒素、全リンに係る類型を、例えば下位に変更するという場合には、流域全体としての水環境改善にはつながらない。要は、ばっ気をしても、貯水池の利水障害というのは、減るということがわかっておりますが、全窒素、全リンの、流域全体の削減にはつながらないこともあって、下位に変更するというのは、あまり好ましくないだろうということ。
 それと、二つ目ですが、水質改善効果は当然確認をされているのですが、今、説明したように、すべての貯水池において利水障害が発生していないというような状況ではないので、一様に、ばっ気をしているからといって、下位に変更するというのは、適当ではないというようなことでございます。
 それと、7ページの下の方については、暫定目標値というのを設定するときの考え方なのですが、暫定目標値については、現況の水質をもとにしておりますので、これについては、例えばCODについては、ばっ気の状況を入れた現況水質ということを考えているということでございます。これは参考ということでございます。
 資料2のほうに戻りますと、前回指摘事項について[1]、[2]について、このようなことを環境省で検討したということでございます。

【岡田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご質問、ご意見等がございましたら、お願いいたします。
 大分前に議論したことですので、記憶から大分薄くなっているかもしれませんけれども。

【花里委員】 干し上げのデータを使わないというのはいいと思うんですけども、この干し上げの定義というかな、さっき低水位よりも低いとか出ていましたけども、それははっきりできますか。場合によっては、例えば渇水の水位が下がったときに、そのデータもどうするかというような話になってくるので、場合によっては、干し上げという言葉ではなくて、例えば、水深が幾つになったら利用しないとか、何か、そういうようなきちんとした定義が必要じゃないかと思うんですが。

【岡田委員長】 どうぞ。おっしゃるとおりだと思いますけど。

【星野課長補佐】 今の状態をまず説明しますと、資料2-1の3ページをご覧ください。干し上げ期ということで、先ほど説明したように、3月1日から3月25日までのデータが、機械的に除外しているというのがまず1点目、後半の部分で説明しますが、後半の部分というのは、渡良瀬貯水池の類型あてはめを検討しているんでしてるのですが、そちらでは、異常値の除外ということを別途やっているというのが現状でございます。
 それで、今回いろいろと環境省内部でも議論をしたのですが、人為的に毎年、毎年に恒例に下げるところについては、盲目的に外すという議論はあるのですが、ダム湖で、自然状態で最低水位より渇水で下がってしまうところですね、そこについてどう扱うかというのは、まだ議論が終わっていないというのが本当のところでございまして、また、河川の流量が少ないときどうするかとか、具体的な扱いを具体的事例で決めていかないと、なかなかそこのルールが決まりづらかったということもございまして、今回先行して、渡良瀬貯水池の干し上げ期に限定して、こういうことをしたいということでございますので、検討にお時間をいただきたいと状況でございます。

【花里委員】 それでいいと思うんですけども、そうだとするならば、例えば異常値の中に、干し上げのときも入れてしまうような考え方というのもあるかもしれないかなと思います。

【岡田委員長】 よろしいですか。低水位以下のときは扱わないという、今まで、前、委員会で井上先生がおっしゃった話で、全部簡単に片づけるというわけにはいかんのですか。
 干し上げ期も含めて低水位以下だったら、これは環境基準の適用、何ページかにありましたよね。

【井上委員】 23ページです。

【岡田委員長】 はい、すみません。前、井上先生がおっしゃったことが書いてあるから、これですんなりいったらどうかというご意見が、前回だったかな、あったと思うんですが、もしあれだったら井上先生、どうぞ。

【井上委員】 環境省の告示、23ページに出ているんですが、その場合に、河川にあっては低水位以上の流量がある場合、湖沼にあっては、低水位以上の水位にある場合等をいうものとするという括弧書きとして通常の状態となっています。それ以下の場合には、通常の状態ではないので、対象としないという整理で全部がうまくいくのであれば、ダム湖も湖沼に類して、すっきりすると思うんですけれども、いかがでしょうか。

【星野課長補佐】 最初、一応、環境省のほうでも、この適用を考えたのですが、例えば、湖沼の低水位と、自然湖沼のですね、そういう定義とか、これを一律に日本全国適用するとなると、今の環境省のほうでデータを集めている水系のデータをもう1回スクリーニングしたりを当然しなきゃいけなかったり、考えなきゃいけないところもあるもんですから、ちょっと実態調査をしてみないと、これは通達出ていて、これに従ってやって、特に、すごい異常の年はそうやっているんだと思うんですが、自然湖沼で最低位とかいう、最低水位とかいう定義はどういうふうに定義されるのかという、ちょっともう一度真剣に考えてみないといけないと考えております。

【岡田委員長】 はい、わかりました。いいですか、ということで。
 じゃあ、今の、一番最初の干し上げの定義はどうしますか。ここでは定義されているからいいんですね。

【星野課長補佐】 はい。

【岡田委員長】 渡良瀬では、谷中では定義されていると、一般論ではわからない。花里先生の趣旨は、干し上げの定義どうするかということですよね。

【花里委員】 ええ、だけど、干し上げといって、低水位よりも上のところでとめることはないのかな。

【星野課長補佐】 すみません、それはケース・バイ・ケースで考えないと、ダム湖で、干し上げと言われているものが、単に夏場に水位を下げるだけのことなのか、もっと下げるのかという、ちょっとケース・バイ・ケースで考えていく必要があると思うのです。
 渡良瀬貯水池については、特にもう要領が決まっていて、ここの3月1日から25日までは、機械的に外してしまおうということです。途中の、移行期間ですね、[1]、[2]、④については、異常値除外で、もしどうしても変な値が出ていれば、外すということをやっているということでございます。

【岡田委員長】 ありがとうございました。よろしいですね。
 じゃあ、ほかの一般の湖については、もう少しデータを精査してから、再度検討するということでご了解いただければと思います。
 ほかにございますでしょうか。

【木幡委員】 過去のデータの整理については、これでいいんですが、こういう運用が今後もずっとされるというような理解でよろしいんですか。

【星野課長補佐】 今後というのは、ほかのダム湖とか。

【木幡委員】 いやいや、このダム湖、例えば基準決めた後でも、ずっと3月には干し上げを実施するという。

【星野課長補佐】 それについては、評価のところで、当然、75%値とか、値が出てきますし、T-N、T-Pも平均値でやるということになっていますので、そこについても除外するということを考えております。

【木幡委員】 要するに、来年以降もずっとこういうふうなことをやるんですかということです。

【星野課長補佐】 干し上げをするのかということですか。今の聞いているところによると、干し上げは継続すると聞いております。

【岡田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、よろしいですね。次の議題の2に移りたいと思います。
 検討対象水域における概況と将来予測について。
 じゃあ、事務局からお願いいたします。

【西村係長】 資料3のほうで、水質予測結果についてということでご説明させていただきます。
 まず、渡良瀬貯水池の概要でございますけれども、渡良瀬遊水地、この、遊水地と書いてございますのは、渡良瀬貯水池、谷中湖を含む全体の遊水地のことでございます。
 茨城県古河市の北西に位置し、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県の4県の県境にまたがる面積33㎢,治水容量1億7,680万㎥の遊水地で、効率的な洪水調節を行うための調節池工事が昭和37年度より開始され、現在は第1調節池、第2調節池、第3調節池の3つの調節池に分割されている。谷中湖は、洪水調節、水道用水の安定供給等を目的に第1調節池内に建設された貯水池の通称でございます。
 3ページ目の図2.1を見ていただきますと、よくわかるかと思いますけども、広大な遊水地がございまして、その中の一部、水が常時たまっているところ、ここが渡良瀬貯水池(谷中湖)で、今回の類型あてはめの対象としてございます。
 その渡良瀬貯水池(谷中湖)の規模でございますけれども、規模は、面積約4.5㎢,総貯水容量は2,640万㎥で、平成2年度よりダムとしての利用を開始してございます。また、周辺を含めた広大な空間は、スポーツやレクリエーションの場として親しまれており、現在までに数百万人の人々が訪れているということが概要となってございます。
 渡良瀬貯水池(谷中湖)につきましては、表1.1のとおり、先ほども申し上げましたが、有効貯水容量が2,640万㎥、年平均滞留時間が182日ということで、湖沼に関わります類型指定の必要性の判断の目安となります貯水量1,000万㎥で、かつ水の滞留時間が4日間以上であるという条件を満たしていることから、湖沼の類型あてはめを実施するということになります。
 なお、平均滞留時間につきましては、下にございますとおり、有効貯水容量を年平均流入量で除すことによって求めてございます。
 めくっていただきまして、2ページ目のところには、谷中湖の流域の概要図というのを載せさせていただいております。
 それから、3ページ目でございますけれども、貯水の状況についてということで、渡良瀬貯水池(谷中湖)は、近傍を流れている渡良瀬川、巴波川、思川が直接流入するのではなく、貯水池機場、図2.1の真ん中下のほうにございますけども、この貯水池機場により渡良瀬川から遊水池への取水と渡良瀬川への放流を行っています。
 また、渡良瀬貯水池(谷中湖)への取水、遊水地からの放流につきましては、下流に位置してございます利根川の利水状況、近傍河川の流量を考慮し、利根川上流の7ダム(矢木沢ダム、奈良俣ダム、藤原ダム、薗原ダム、相俣ダム、下久保ダム、草木ダム)とともに管理をされているというような状況でございます。
 また、渡良瀬貯水池(谷中湖)を含む利根川上流のダムに関しまして、時期による河川への放流、貯水に関する管理の状況につきましては、次のページの表2.1のほうにまとめてございます。
 次に、渡良瀬川の環境基準の類型指定の状況でございますけれども、表3.1、図3.1にまとめてございます。
 次に、渡良瀬貯水池(谷中湖)につきましては、表3.1のとおりで、太字にさせていただいていますとおり、渡良瀬川(4)新開橋から利根川合流点までという区間で、河川Bというのが現在あてはめられているというような状況でございます。
 めくっていただきまして、5ページのところには、渡良瀬貯水池(谷中湖)の、水質の状況を表4.1のほうにまとめさせていただいております。
 この水質のデータにつきましては、3ページの図で見ていただきますと、渡良瀬貯水池が3ブロックに分けられておりまして、このうちの南ブロックというところの真ん中、湖心の水質というようなことになってございます。
 1枚めくっていただきまして、この水質のデータをグラフ化しておりますのが図4.1ということになります。
 7ページ目でございますけれども、このデータの全窒素と全リンの比を図4.2のほうにプロットしてございます。全窒素と全リンの比は20以下、かつ全リンの濃度が0.02㎎/L以上でございますので、渡良瀬貯水池(谷中湖)につきましては、全窒素の環境基準が適用される湖沼ということになります。
 めくっていただきまして、8ページ、利水の状況でございますけれども、渡良瀬貯水池の利用目的は洪水調整、流水機能維持、水道用水、レクリエーションということでなってございます。
 図5.1のほうに下流での水道水利用の状況というのを載せさせていただいております。
 めくっていただきまして、9ページ目でございます。
 9ページ目のところには、水道水等の利水状況についてまとめさせていただいております。水道用水につきましては、各浄水場の処理水基準がそれぞれ水道3級に相当するものでございますので、水道用水の利水からいきますと、湖沼のAⅢ類型に相当するというようなことでございます。農業用水、工業用水の利水というのは確認されてございません。
 次に、水産につきましては、漁業権の設定がございまして、アユ、ニゴイ、ウグイ、フナ、コイ、ドジョウ、ナマズ、ウナギ、ワカサギ等がとれるというようなことで、こちらは水産の2級及び水産の1種ということになりまして、AⅡという類型に相当するということでございます。
 漁業権の状況につきましては、表5.3及び図5.2のほうにまとめさせていただいております。
 次に渡良瀬貯水池(谷中湖)に関わります水質汚濁負荷量の算定についてでございます。
 渡良瀬貯水池に対する水質汚濁負荷量の算定及び将来水質予測手法の概要は、次のページの図6.1に示すとおりでございます。対象とした地域につきましては、利根川上流点より上流の渡良瀬川流域といたしました。渡良瀬貯水池の水質汚濁負荷量の算定の対象年度については、現況を平成17年度、将来予測は平成29年度としております。
 算定方法は、まず、流域フレーム(現況と将来)を設定した後、点源については実測値法、面源については原単位法により水質汚濁負荷量を算定してございます。
 次に、将来水質は、算定した将来の流域の発生負荷量、それから貯水池への平均流入率及び貯水池の平均水量等を用いて算定をしてございます。
 めくっていただきまして、12ページの表6.1に現況及び将来フレームの設定方法及び使用した資料というのを記載させていただいております。
 現況につきましては、右欄の資料についてデータを把握したということでございまして、将来分の、生活系につきましては、将来総人口は「日本の市町村別将来推計人口」を用いて、現況の流域人口を将来の人口の伸びで増加させたであったりとか、「栃木県の生活排水処理構想」及び「群馬県下水処理計画」による将来の生活排水処理構想に基づき、両県対象市町村合計のし尿処理形態別人口を算定し、流域内外の市街地面積の比率等で配分したというようなことで、将来の予測につきましては、おのおのこういう形で算定をしてございます。
 次に、13ページに、12ページのほうで設定しましたやり方で計算したフレームの考え方で、平成7年から平成17年までのデータを用いて計算をした結果を表6.3に 現況の平成17年のフレームと将来、平成29年のフレームを載せさせていただいております。
 めくっていただきまして、6.2、渡良瀬貯水池(谷中湖)流域の発生負荷量の算定方法でございますけれども、発生汚濁負荷量の算定手法は表6.4に示しますとおり、点源につきましては実測値法、負荷量を排水量掛ける水質で出しておりまして、面源につきましては原単位法ということで、フレーム掛ける原単位ということで算定をしております。面源の発生汚濁負荷量の算定に用いた原単位につきましては表6.5に載せさせていただいております。点源というふうに申してございますけれども、こちらは、水質汚濁防止法で規定されております特定事業場でございまして、水質汚濁物質排出量総合調査で出てきたデータ、各事業場から集めたデータというのを用いているというようなことでございます。
 15ページ目でございますけども、以上により算定いたしますと、渡良瀬貯水池の流域の水質汚濁負荷量というのを算定いたしますと、表6.6に示すとおりで、現況としまして平成17年、将来といたしましては平成29年の流域の水質汚濁負荷量を表に載せさせていただいております。
 めくっていただきまして、16ページになります。次に、渡良瀬貯水池(谷中湖)の将来水質ということで、次のとおり算定をしてございます。
 まずは、年平均流入量、こちらは渡良瀬貯水池への流入量でございますけれども、平成7年から平成17年度までの平均値というのを使うとなってございます。それから、CODの将来の予測でございますけれども、表7.2にあるとおり、ダムへの流入水質と、ダム自体の水質の年平均値を表7.2のほうに載せさせていただいております。
 なお、流入水質につきましては、貯水池機場から水を取りますので、その近くにあります環境基準点である三国橋の水質を用いたというようなことでございます。
 それから、表7.2で赤色にハッチングしてございますけれども、こちらにつきましては、干し上げ期及び異常値のデータというものを除外したということでハッチングさせていただいております。干し上げ期を除くということにつきましては、先ほど説明がございましたので、異常値の部分につきまして、後ほどご説明をさせていただきます。
 次に、表7.3のところに流域のCODにつきまして、流域の発生負荷量と貯水池への流入負荷量の経年変化をまとめてございます。貯水池への流入負荷量につきましては、各年度の濃度に流量を乗じることで、流入負荷量を算定してございます。流域の発生負荷量を貯水池の流入負荷量で除して、流入率というのを算出してございます。それから、さきの6.で算出いたしました平成29年度の将来発生負荷量に平均流入率を乗じまして、将来流入負荷量というのを算出してございます。将来予測水質につきましては、式がございますとおり、現況ダム水質の年平均値であります6.8に将来流入負荷量の536を乗じまして、さらに現況の平均流入負荷量571で除しまして、年平均の6.4㎎/Lという数字を出してございます。この年平均値を図7.1で示させていただいてますとおり、CODの年平均値と75%値との相関の図でございますけれども、こちらを用いて75%値に換算いたしまして、COD75%値7.4mg/Lという数値を出してございます。
 全窒素、全リンにつきましても、同様の計算、75%値への変換というのはございませんけども、行いまして、それぞれ将来予測の年平均値というのを18ページでございますけれども、それぞれ全窒素で1.3mg/L、全リンで0.078mg/Lということで算出をしてございます。
 それから、19ページ、異常値の除外についてということで書かせていただいております。異常値につきましては、対数正規分布によります異常値除外の検討を行いました。除外の候補とされました測定値につきましては、藻類の異常増殖や出水の影響等を総合的に勘案いたしまして、異常値の除外というのを判断いたしております。
 なお、渡良瀬貯水池につきましては、下記で除外いたしました以外に、干し上げのデータについても、当然、除外をしているというような状況でございます。
 それから、1枚紙の異常値除外の考え方に記載しておりますとおり、異常値につきましては、この考え方で、今回は除外をさせていただいております。
 異常値除外の考え方ということで、1.降雨による影響を受けた値の除外ということで、採水日以前の先行降雨の影響を受けたことにより、ほかの値と著しく異なる値であって、水質調査方法に合致していないと判断できる場合は、検討の際に除外する。
 なお、「先行降雨」の判断基準としては、河川については、当日から概ね3日前までの間に測定地点近傍で累計30㎜以上の降雨があった場合を目安とし、降雨パターン、上流での降雨状況等を勘案して値の採否を判断する。湖沼については、滞留時間を考慮することとする。
 2.異常値の除外ということで、1.の除外理由以外でほかの値と著しく異なる値の場合、アオコの発生や気象条件の変化などの要因が考えられることから、通常の状態で観測し得る値かどうかを確認するため、統計上の確率変動範囲に含まれるかどうかの確認を行うこととする。濃度については、一般に対数正規分布に従うことが知られているということから、具体的には、全データを自然対数で対数変換した後、平均値プラス・マイナス2σの変動範囲に入っていない個々の水質データについて除外を検討する。検討に用いる測定値の対象期間は、それぞれの水域の水質経過がわかる程度とする。なお、データ数や検出限界の問題から、必ずしも対数正規分布に従わない場合が存在するので注意を要するということでございます。
 なお、対数正規分布とは、この分布に従う確率変数の対数をとったときに、対応する分布が正規分布になるというような性質を持つというような分布でございます。
 めくっていただきまして、今までの異常値の除外につきましては、対数正規分布ではなしに、正規分布の平均値のプラス・マイナス2σの範囲外というので、異常値を除外していたのでございますけれども、濃度については、対数正規のほうがいいのではないかというようなご議論があったので、このような考え方をしているところでございますけれども、2ページ目、濃度の分布は時間的にも、空間的にも正規型の分布より低濃度側に偏った形になることが多く、次の理由から正規型ではなく、対数正規型の分布に近いことが予想されるということで書かせていただいております。
 [1]環境中物質の濃度は広い範囲にわたって分布し、最低値と最高値の比が数十から数百倍になることがある。
 [2]正規分布は、マイナス無限大からプラス無限大の区間で定義されるため、負の領域を考慮することとなり、濃度を取り扱う本検討では、対数変換後の数値が正規分布に従うことを前提とした正の領域を扱う対数正規分布を用いる方が適当と考えられるということで載せさせていただいております。
 また、参考として、以下のところに、渡良瀬貯水池及び荒川貯水池におけます濃度の分布の状況というのを示させていただいております。
 この考え方に基づきまして、異常値につきましては、除外をさせていただいております。
 渡良瀬貯水池につきましては、以上でありまして、続きまして、資料4で、荒川貯水池の水質予測結果になります。
 まず、荒川貯水池(彩湖)の概要でございますけれども、荒川貯水池(彩湖)は、戸田市、さいたま市、和光市、朝霞市、志木市にまたがって位置し、治水を目的とした直轄河川改修事業と、利水を目的とした荒川調節池総合開発事業の共同事業で造られ、このうち荒川調節池総合開発事業は、平成9年3月に貯水池「彩湖」を完成させ、都市用水を供給しているというような概要でございます。
 表1.1のところに、概要として載せさせていただいておりまして、有効貯水容量が1,110万㎥、年平均滞留時間が569日ということで、湖沼に関わります類型指定の必要性の条件というのを満たしているということでございます。
 2ページ目でございますけれども、荒川貯水池(彩湖)につきましては、近傍を流れている荒川、鴨川から直接の流入はなく、貯水池機場により荒川から貯水池への取水と荒川への放流を行っているというような状況でございます。
 図1.2の上を見ていただきますと、秋ヶ瀬取水堰というのが左側にあると思いますけれども、この付近から彩湖のほうに取水をしているというような状況でございます。
 3ページ目には、荒川貯水池の位置図というのを載せさせていただいております。それから、荒川の環境基準の指定状況というのを表の2.1のほうに載せさせていただいてございます。
 現在、荒川貯水池(彩湖)につきましては、荒川下流(1)の河川Cというのが現状当てはめられているような状況でございます。
 4ページ目のほうに、図2.1で荒川流域の類型指定の状況というのを図で示させていただいておりまして、荒川貯水池(彩湖)の位置につきましては、この位置ということになります。
 5ページ目のところに、また水質の状況というのを表3.1でまとめさせていただいております。こちらにつきましては、湖心での測定データということでございます。
 1枚めくっていただきまして、このデータをグラフのほうにまとめさせていただいてございます。
 それから、7ページのほうに窒素とリンの比をプロットしてございまして、全窒素と全リンの比が20超でございますので、全窒素の環境基準のほうは適用されないことということになります。
 それから、利水の状況でございますけれども、利水目的は、洪水調整、流水機能維持、水道用水、工業用水、レクリエーションということになってございます。
 8ページ目ということで、利水等の現状というのを表4.2にまとめさせていただいております。
 各浄水場の処理水準が水道の3級ということで、湖沼のAⅢ類型相当ということになります。農業用水については利用が確認されてございません。工業用水につきましては、工業用水の2級ということで、CⅤ類型相当ということになってございます。
 9ページ目でございますけれども、荒川貯水池(彩湖)に関わります水質汚濁負荷量につきまして、荒川貯水池流域の水質汚濁発生負荷量につきましては、久下橋上流及び久下橋から開平橋、開平橋から治水橋の3つに区分いたしまして、現況及び将来フレーム及び水質汚濁負荷量の算定を行って将来水質予測をしております。
 対象年度につきましては、現況に平成17年度、将来につきましては、平成29年度としてございます。
 荒川貯水池への水質汚濁負荷量の流入の概念図としまして、図5.1で示させていただいております。
 流域の発生負荷量と、利根川から流入してくるものがあるというようなことで算定をしてございます。
 荒川貯水池(彩湖)の流域フレームということで、次の10ページ目のところに掲げさせていただいてございます。使用した資料につきましては、右欄のとおりで、設定方法につきましては、左欄に書かせていただいているところでございます。
 13ページ目に行っていただきまして、フレームの考え方を用いまして算定いたしました現況の平成17年度と将来の29年度のフレームにつきましては、13ページと14ページのところに載せさせていただいております。
 15ページ目でございますけれども、流域の発生負荷量の算定方法でございますが、さきの渡良瀬貯水池のときと同様に算定を行っております。また、表5.4のところに、面源の発生負荷量の算定に用いた原単位というものを載せさせていただいております。
 それから、16ページに利根川流域からの流入負荷量というのを載せさせていただいております。利根川から流入する武蔵水路の水質、流量及び流入負荷量の変遷につきましては、表5.5に示すとおりでございます。現況の流入負荷量は平成17年度のものを用いてございまして、将来の流入負荷量につきましては、武蔵水路上流側の排出負荷量が生活系の占める割合が大きいですけれども、人口の増加は見込まれないということと、下水道の整備もさらに進む計画になっていることから、将来において流入負荷量が増加することはないということから算出してございます。
 それから、荒川貯水池(彩湖)流域の水質汚濁負荷量ということで、荒川貯水池流域の発生負荷量と利根川からの流入負荷量を合わせました水質汚濁負荷量につきまして、表5.6のほうにまとめさせていただいております。
 めくっていただきまして、18ページですけれども、18ページに荒川貯水池(彩湖)の将来水質につきまして、算定をしてございます。
 年平均流入量につきましては、平成7年から平成17年までの平均値を使用してございまして、こちらにつきましては、取水量というのを用いてございます。CODの将来予測でございますけれども、表6.1にあるとおり、荒川貯水池の過去、平成10年から平成17年までの平均値というもので出してございます。
 表7.3に流域の発生負荷量と貯水池の流入負荷量の経年変化というのをまとめてございます。貯水池への流入水質につきましては、貯水池機場の水の取水口に近い秋ヶ瀬取水堰地点の水質データを使用してございまして、各年度の濃度に流量を乗じることで、貯水池への流入負荷量というのを算定してございまして、流域の発生負荷量を貯水池流入負荷量で除して、流入率というのを算出してございます。
 それから、さきの5.のほうで算出いたしました流域の将来発生負荷量に平均流入率を乗じまして、将来流入負荷量を算出してございます。将来予測水質につきましては、式にございますとおり、現況のダム水質年平均値であります3.8に将来流入負荷量134.8を乗じまして、現況の平均流入負荷量146.4で除しまして、年平均3.5㎎/Lという数値を出してございます。これを図6.1に示します相関、CODの年平均値と75%値の相関を用いて換算をして、75%値、3.7mg/Lという数値を出してございます。
 全リンにつきましても、同様の計算で75%値への換算はございませんけれども、出してございまして、将来予測水質につきましては、0.021mg/Lという数値を算出してございます。
 なお、こちらの荒川貯水池につきましては、異常値として除外した数値というのはございませんでした。
 以上の資料3、資料4によりましての将来予測水質と利水の状況から資料5になりますけれども、生活環境の保全に関する環境基準の水域類型指定の見直しについてということで、渡良瀬貯水池(谷中湖)につきましては、貯水量が1,000万㎥以上であり、かつ水の滞留時間が4日間以上である人工湖に該当する水域であり、現在河川として類型指定されている水域でありますけれども、全窒素、全リンについては、全窒素、全リンの比が20以下であり、かつ全リン濃度が0.02mg/L以上である湖沼であることから、全窒素、全リンともに類型指定が必要な水域ということになる。
 以上から、河川B類型から湖沼AⅡ類型に見直すものとする。類型指定(案)につきましては以下に示すとおりでございます。
 CODにつきましては、平成29年度までの暫定目標といたしまして7.4㎎/L、将来予測から出した数値でございます。
 それから、全窒素につきましても、平成29年度までの暫定目標ということで1.3㎎/L、全リンにつきましても、平成29年度までの暫定目標ということで0.078㎎/Lということで案とさせていただいております。
 それから、2.荒川貯水池(彩湖)につきましても、貯水量が1,000万㎥以上であり、かつ水の滞留時間が4日間以上である人工湖に該当する水域であり、現在河川として類型指定されている水域である。全窒素、全リンについては、全窒素、全リンの比が20以上となるため、全窒素は類型指定の適用は除外となる水域である。
 以上から、河川C類型から湖沼AⅢ類型に見直すものとする。類型指定(案)については、以下に示すとおりということで、CODにつきましては、平成29年度までの暫定目標と、全リンにつきましては、直ちに達成ということで、案とさせていただいております。
 以上でございます。

【岡田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明につきまして、ご質問、ご意見等がございましたら、お願いいたします。

【井上委員】 1点目が資料3の8ページに図5.1と、それから表5.2で、ちょっと細かくて申し訳ないんですけれども、水道等利水状況で、茨城県が、資料図5.1では、県西広域水道(水海道浄水場)になっていて、表5.2では、茨城県水道(利根川浄水場)になっているんですが、この違いはあるのでしょうか。特に、どちらかに統一していただければと思います。

【星野課長補佐】 すみません。うちのほうで、ちょっと調べて統一させていただきます。

【岡田委員長】 はい、ありがとうございました。じゃあ、これは直しておいてください。
 ほかにございませんか。

【井上委員】 続けて申し訳ないんですが、ちょっと教えていただきたい。12ページで生活系の設定方法の現況で、し尿処理形態別人口というのがあるんですが、これには下水道も含まれるんでしょうか。
 というのは、これもし下水道が含まれていて、し尿処理形態別人口がというので把握して、その後は、市街地面積の率で人口を配分したということになりますと例えば、群馬の高崎とか前橋とかの都市で中心地で下水が整備されていて、流域に含まれる周辺部の市街地で下水が整備されていなくても、市街地面積があるので、市街地面積の率で配分したら、下水処理人口が出てきてしまうような形になって、ちょっと乱暴なやり方かなと思ったんですが。

【岡田委員長】 じゃあ、これはちょっと、やり方をご説明いただけますか。資料3の12ページですね、一番上。

【星野課長補佐】 資料3の12ページなんですが、まず渡良瀬川流域をどうとらえるかということで、市町村と、きれいに一致していないという現状があって、それでその流域人口をどうつかまえるかということで、流域内外の市街地面積の比率で、要するに人口については流域面積の比率が一番合ってるだろうということで、それで配分をしているということでございまして、要するに計画と合わないんじゃないかという、そういう話ですか。

【井上委員】 というか、下水道については、下水道が普及している面積というのがわかっているので、下水道人口はそれから算出はできないのかなと思っただけです。
 ちょっと、私の理解が間違ってるのかもしれないんですけれども、各市の比率の配分だけをしたということなんですか。

【星野課長補佐】 はい、市の配分で、その中での位置の配分をしたと。例えば、宇都宮だったら、宇都宮の市街地面積がどのぐらい流域にかかるかというのを算定したということです。
 ちょっと、一から説明しましょうか。

【岡田委員長】 これは下水も含まれているわけですね。下水道はマッピングがちゃんとわかっているから。そんなことをしなくてもできるんじゃないかという趣旨のご質問かなと思うんですが。
 むしろ浄化槽とか、そちらのほうが、しかも合併だ、単独だ、くみ取りだと言い出すとなかなか簡単にはわからないし、浄化槽の業界でも、なかなかわからなくて困ってるという現況ですから、ちょっと難しいだろうと。しかしながら、下水道はぴしっとわかっているはずだからという趣旨だと思うんです。

【井上委員】 そういうことです。他のものは市街地面積の比率で区分しないとできないと思いますが、下水道はそうしなくてもわかるような気がしました。ただ、あまり影響しないということであれば、それで問題ないと思います。

【岡田委員長】 じゃあ、これは確認しといてください。すごく大きく響くことは多分ないと思いますが。

【天野委員】 谷中湖のことでお伺いしたいんですけれども、資料のほうで、湖沼のAⅡ類型に見直すという予定、案をお示しなんですけれども、特に、この窒素、リンのほうなんですが、湖沼のAⅡという、もともとの基準に対して著しく実情が高いというのがあって、荒川のほうはまあまあ、既にもう達成しているというような状況だと思うんですけども、このAⅡというのが、ちょっと現状から見ると高過ぎるのではないかと、まず直感的に思いましたのが1つと、それから渡良瀬貯水池の将来水質の予測で、渡良瀬のほうの、18ページですか、資料3の18ページで、一番下のほうに、将来の水質の平均値として、流域での負荷量の比率を現状の水質に掛けるという形で導かれていて、通常、こういう簡便的な方法でやると思うんですけども、この貯水池の場合は、夏場に水位を下げまして、7、8、9月、非常に水位を下げていて、その期間に水温が上がるというのもあって、底質からの溶出が非常に高くて、リンが物すごく出てくるんですね。
 細かい話になっちゃうんですけども、河川水は入っていて、干し上げの後に、水を入れたときに窒素とリンが供給されて、最初にリンがなくなるんですね、それで硝酸がずっと余った状態で推移しているんですけども、水位を下げたときに、リンが溶出してくるもんですから、わっとプランクトンが増えるんですね。それで、リンが、流入河川水質よりも恐らく湖内のほうが上がるというような、沈殿したものが再度溶出してきて、非常に高い濃度になるというような状況になってますので、基本的に流入河川水質にあまり規定されていない可能性があるんですね。もちろん、流入したときの直後というか、何カ月かは規定されていると思うんですけども、ちょっと、そういう内部の負荷というのか著しく大きいというのがあるのが問題と、それと逆に、夏場は窒素が今度制限になって、硝酸濃度が低いときは、硝酸がなくなっちゃうので、下からリン酸が出てきてもたまっちゃうんですね。トータルリンで見ると、リン酸の形で残っているので、どんどん上がっていくと。
 逆に、窒素の負荷が下がると、逆にその分、リンの、水中の存在量が上がるというような、そういう状況ですので、窒素が下がったときに、リンも一緒に下げたとしても、湖内のリンは、夏場は上がる可能性があると、そういう状況があるので、ちょっと細かい話なんで、こういうふうに入れていくものか、可能かどうかというのがあるんですけども、若干、今の目標自体、ハードルもかなり高いので、じゃあ、どうすればいいのかというのを示せと言われても困ってしまうんですけれども、かなり水域の指定としてAⅡというのは、かなり厳しいのではないかと思います。

【岡田委員長】 事務局のほうで見解を。

【星野課長補佐】 渡良瀬貯水池ですが、すみません、資料3の9ページをご覧ください。水道利用がありまして、水産のほうの利用がありまして、ここへ現地の漁組さんとこも確認したんですが、渡良瀬貯水池の中でアユを確認されているというようなことがございまして、水産2級ということで、水産1種ということで、AⅡ種相当ということで、要するに決め手はここで、Ⅱというのを決めてきたということでございます。
 それと、当然、詳しいメカニズムがあるというのはわかっているのですが、過去の貯水池の特性とかにはあまり従わず、流域の負荷量が減少して、現況がこう変わるという方式で環境省もやっていましたし、例えば、これをもとに各県さんが、当然、いろんな湖沼の類型指定を考える中で、皆さんが納得していく範囲で、ある程度の簡単な方法でやっていくということが昔から続いていたのかなというふうに考えております。個別、個別の状況で、例えば渡良瀬遊水地だと、干し上げという特殊な状況については、どうにか考慮したんですが、内部生産と溶出の関係とかは、今回、ちょっと考慮できないというのが、今の考え方と思っています。

【岡田委員長】 あくまでも利用目的で決めたと、難しいことはわかっていても。

【天野委員】 そうなのでしょうけど、アユって、この辺それはいるかもしれないけど。元も子もないですけど、そんなこと言うと。

【星野課長補佐】 すみません、私も直感的に、本当にアユで、大丈夫かという話もあったのですが、漁組さんの聞き取りでアユがとれてますというのを否定する、それで漁業権の設定は、周辺の河川も含めて、漁業権の対象種として、アユ等が載っていますので、一概にそこを排除できなかったというのが現状のところでございます。なお、アユ等の生息状況については、再度確認を行いたいと思います。

【岡田委員長】 天野委員のご質問と、事務局の苦しい返答で、意思は通じたと思いますのでこの辺で。よろしいですね。
 ほかにございませんか。

【長岡委員】 ちょっと先に帰るので。利用目的のところなんですけども、例えば、資料4で荒川のところで、7ページ、8ページ、例えば水道で使われているということなんですが、ちょっと確認なんですけども、この利用目的のところで、7ページは雰囲気としては水利権が設定されているかどうというので丸がついていて、8ページのほうは、何となく貯水池の下流へ影響が及ぶところの河川水を取水してる浄水場なのかなと思うんですけど、その辺、どうなんですか。利用法というところで。それで、かなり考え方が違うと思うんですけど。これ、あくまであれですよね、貯水池の水質の影響の及ぶ下流で取水をしているというところということなんですよね。

【星野課長補佐】 はい、おっしゃるとおり、下流で、秋ヶ瀬取水堰が下流かどうかわからないですが、要するに、荒川貯水池から秋ヶ瀬貯水池のほうに水を入れるときがあるので、その貯水池の取水堰から、要するに東京都の東村山のほうの浄水場まで水がつながっているので、そこに合わせて……。

【長岡委員】 影響があるところということですか。わかりました。

【岡田委員長】 ありがとうございました。
 ほかによろしいですか。

【古米委員】 こういった人工的にコントロールされている場所で、洪水等の軽減ということを考えたときの、年平均滞留時間という定義が星マークがついていて、資料3とか、資料4のところにも、年平均滞留時間は、有効貯水容量を年平均流入量で割って出すということで、式自体は正しいんですが、この湖として見たときに、特徴づける平均滞留時間というものをどう定義するのかというところは、従来の自然的な水の流れの場とは大分違うような気がしていて、その有効貯水容量に対する、年平均流入量というのは、洪水のときの水の量は入っていたんですか。

【星野課長補佐】 入っています。

【古米委員】 そうすると、そのときの有効貯水容量というのは、普段は干し上げているときの有効貯水量というのは、はるかに有効貯水容量より小さいですよね。そうすると、何か非常に、どういう計算をするのがいいかというと、こう定義していったときに182だと書いてあること自身には全く問題ないんですが、その湖の問題となるような、利水障害が起きるような問題となるようなときに、どんな滞留時間であるという別の情報も、こういった計画的な基礎資料にうたうということも意味があるかなと。そのとき、じゃあ、こういった人工的な貯水池の場合の定義をどうすればいいか、全く答えはないんだけども、明確な。だけど、少し、ある特定、全部年平均することではない、別の滞留時間という、水質障害が起きる期間をどう定義するかというぐらいかな、そういったものが何か必要なような気がするんですね。洪水のときも入っていて、洪水のときが入っている割には滞留時間が長いなとは逆に思いましたが。本当に入っているんですかね、これ。

【岡田委員長】 入っているんですよ。

【古米委員】 入っているの。

【星野課長補佐】 すみません。そこはちょっと、文献のほうで再度確認しますけど、私が今まで見ていた資料は入っていたと思っております。
 それで、言われることも、追加情報として入れるということはあるのですが、ここで特に判断したいのは、4日以上か4日以下かということで、一応、法的な定義で4日以上であれば、利水障害が起こると。

【岡田委員長】 植物プランクトン。

【星野課長補佐】 すみません、植物プランクトンの異常増殖が起こる可能性があるということで、1,000万㎥以上、4日以上というような定義をして、それで、湖沼で類型指定する、要するに、ここについては、そういう議論もあるのですが、とりあえずは、4日以上は確実だろうというようなことで、ここに表記をしております。これを書いたのは、そういう議論もあるかと思って、この米印を書いているというのが本音のところでございます。

【岡田委員長】 ただ、利水障害であろうと、プランクトンの異常増殖であろうと、古米先生の趣旨は、年平均値で議論していいんですかと。例えば、あるときは4日以下になることがあるけども、年平均にしてしまったら、4日以上になって、何か変な判断にならないかと、そういうような話でしょう、先生おっしゃるのは。平均値で議論してしまっていいかどうか。今までは、その議論はなかったんですね。

【星野課長補佐】 今まではなかったと思います。

【岡田委員長】 じゃあ、これは次に残しておきましょうか。
 古米先生、もう少し趣旨があったら、追加してご説明を。

【古米委員】 もともとは、ひょっとしてこの長い滞留時間は洪水のことで考えられていないのかなというふうに思っていたんだけど、そうではないことがわかったと。
 4日ということを議論するための議論ではなくて、従来、滞留時間というのは、湖の水質を規定する非常に重要な因子として、特徴づけるバロメーターとして協議していると、こういったように、人工的にコントロールされたり、非常に人為的な影響を受けやすいような湖沼に分類される貯水池の水利特性を表現する、水質に係る水利特性を表すものとして、どういう新しい追加の滞留時間の定義というものも何か大事だと思うので、先ほど岡田委員長が言われたように、これはこれとして定義した上で、それは従来どおりの定義なので、それに比べて、やはり貯水池だとか、人工的なコントロールのものは、もっと別の、水質に非常に問題のある時期の滞留時間はこうですよというような、補足的な滞留時間を示すことが非常に意味があるのかなと思うということです。だから、すぐに答えはないんです。

【岡田委員長】 だから、次の議論で、議事録に残しておいていただければと。

【花里委員】 ちょっと今のことに関わることで、ちょっと気になったんですけれども、洪水があったときには、そのデータというのは、外れ値になる可能性がありますよね。そうすると、最近、ゲリラ豪雨だとかが、かなり雨量が多くなってきているから、そうすると、そういう洪水の頻度が高まると、計算上、外れ値にならなくなってしまうんではないかと。ですから、やっぱり洪水と平静時のことを、何か区別して、データを加工するというようなことが必要になってくるんじゃないかなというふうに感じました。

【岡田委員長】 ありがとうございました。これは次回以降ですね。

【星野課長補佐】 ちょっと、そこも含めて、相談しながら整理していきたいと思っております。

【岡田委員長】 どうぞ。

【堀江委員】 多分、いろんな考え方があり得るかと思いますけども、流量が多いときのものをカウントして、これだけの実数であれば、もともとの基準である4日を恐らくかなりの部分で超える確率が高いというのは、恐らくそうだと思うんですね。それで、もしも利水の時期がかなり特定されているというようなことがあるのであれば、その期間に関することを考慮するだとか、あるいは容量はこれ、全体の容量かもしれませんけれども、利水の部分であれば、特定の低い容量の運用のところがこれにかかっているとか、議論し出すと、恐らくそういうような議論をしていく必要があると思います。ただ、結論、私が思うには、分類上、これがプランクトン影響でこういうような考慮をしていく必要があるかという判断の要素だけで使うのであれば、あまり深入りするのは、どうしても必要ということまでは言えないのかもしれないと思います。

【岡田委員長】 ありがとうございました。
 今のご指摘を踏まえて、環境基準の追加か、見直しも進みつつあるようですので、そのうちに、それがこちらにもかかわってくるだろうと思いますので、少しずつ検討していただければというふうに思います。
 ありがとうございました。ほかにございますか。

【古米委員】 確認ですけれども、資料の4ページの16と17ページを見ていて、左の16ページの記述というのは、将来流入負荷量は、上流のもう進む計画になっているけども、流入負荷量は増加することはないと考え、平均をとるということは、表5.5の一番下の7,227をとるのかなというような記述なんだけど、17ページの表のほうの6を見ると、将来のところは5,702なので、平成17年度の数値が入っていると。それ、きっと、平均をとるんじゃなくて、増えることはないので、減ることはあっても増えることはないので、17年度の5,702を使うと、CODについて、という記述の間違いではないかと思うんですが。

【星野課長補佐】 ありがとうございます。そのとおりでございます。
 要は、流量がこれ以上あんまり増えないだろうということを言っているということで、最新データを使っているということです。

【古米委員】 最新の17年度の一番少ない流入量としたということですよね。

【岡田委員長】 ありがとうございました。これは直しておいていただく。

【星野課長補佐】 それは修正させていただきます。

【岡田委員長】 そうしてください。
 ほかにございますか。

【木幡委員】 先ほどの議論の続きなんですけどね、流入量というのは、どこかに書いてあるわけですか。年平均、資料3と4で、年平均とか、あるいはできたら月別みたいな、流入量というのは、参考資料を見たら、何かちょっと違う表現で、補給量と書いてあったんですが。
 要するに、知りたいのは、渡良瀬が、例えば1年間で具体的にどんなような水位をしているのかなと。先ほどからいろいろ議論が出ていましたけれども。洪水のときにはどれぐらい広がっていて、それがどのくらいの期間続くのかなとか、そういったことは。

【星野課長補佐】 すみません、渡良瀬の水位の曲線については、資料2-1のところに、水質データと一緒に、一番上がマスカーブというか、貯水池の運用曲線が書いてあるということです。それと、流量も赤と緑で書いてあるということです。

【木幡委員】 わかりました。

【岡田委員長】 ありがとうございました。ほかにございますか。

【井上委員】 また資料の訂正だと思うんですが、資料4の10ページの表5.1の一番下の点源のところで、生活系以外は現況と同じというのは、これでいいんですけれども、それの説明で、産業系については過去の推移を見ても減少傾向であり、増加傾向は見られないという表現なんですが、もしこれ、減少傾向が見られるんであれば、将来減少させなきゃいけないんで、次の図5.6を見れば、減少とか、そんなのはほとんどないように見えますので、ちょっと、表現だけ変えていただいたほうがいいのではないかと思います。

【西村係長】 すみません、確かに抜けております、流域に関わる埼玉県分のほうにつきましては、12ページの図5.6を見ていただきますと、流域に関わります埼玉県の分につきましては、現況と変わってないということで、そのままとさせていただきまして、流域の東京都分に関わる分につきましては、現況の減少の傾向が見られたということから、図5.7で算定式から減少率を出しておりまして、埼玉県分につきましてはそのまま、東京都分につきましては、この減少率を掛けているということがちょっと説明文で抜けておりますので、追加させていただきたいと思います。

【井上委員】 現況と同じではなくて、減少させているんですね、東京都分については。

【西村係長】 はい。

【井上委員】 それでは、表5.1のところで、そのように書いてもらったほうがいいとは思います。

【岡田委員長】 じゃあ、これは記載を修正してください。
 よろしいですか。
 最終的な見直し案である資料5については、これでよろしいですね。
 ありがとうございました。それでは、今、幾つかご意見いただいたと思いますが、事務局のほうで、今のご意見を踏まえて、修正していただければよろしいか、それほどややこしいことではないと思いますので、よろしく修正のほうをお願いいたします。
 それでは、事務局から、ほかにございますでしょうか。

【星野課長補佐】 その他の議題はございません。

【岡田委員長】 じゃあ、あと今後の予定。

【星野課長補佐】 今後の予定ですが、今後の手続を言いますと、これを報告書案という形にして、次に、パブコメを行いたいと思います。その後に、パブコメの対応というか、パブコメについての本文の修正等について行って、その後に、水部会への報告をして、最終的には環境省での告示の手続になるというような全体の流れでございます。
今回、報告書案ということで、今、資料5が報告書案の本体です。資料3、資料4が参考資料ということに考えておりまして、今日の議論のところの修正をさせていただいて、まずは、パブコメまでの実施について、ご了解いただけたら、当然、委員長のご了解と、各委員の了解は得てからの話なのですが、パブコメまでの実施を行いたいと事務局では、考えております。
 それで、パブコメ後ですが、パブコメの内容によるのですが、かなり本質論的なものとかが出れば、専門委員会を開くことになるとは思うのですが、パブコメの対応については、パブコメ内容によっては、持ち回りでというか、各先生方にメール、郵送でご確認をいただいて、パブコメ対応について、ご了解をいただければ、この専門委員会の開催にかえて、手続を進めていきたいということでございます。
 当然、各段階、段階では、岡田委員長、各委員のご意見を伺いながら進めていきたいということは変わりませんが、パブコメの内容によっては、水部会の報告まで進めていきたいなと考えております。
 以上でございます。

【岡田委員長】 ありがとうございました。むしろ大きな修正がないことを祈ります。そうすれば、多分持ち回りで、次の会議が終了するだろうということになると思います。そういうことで、よろしくご了解のほどをお願いしたいと思います。
 それでは、全体の内容について何か、今後のことも含めて、ご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。

【古米委員】 記憶が定かではないんですけれども、最終的に達成期間と暫定目標を決めるときに、将来水質を予測して、その数値が暫定目標になるということだったと思います。相模湖、津久井湖のときも同じように、議論をして、現状に比べて水道で使っているので、かなり厳しい目標設定されていて、私の記憶だと、パブコメでもっと積極的に暫定目標を厳しくしてくれないと、なかなか目標に到達しないというような意見もあったような気がします。
 そういう意味においては、今回の渡良瀬川の谷中湖も、先ほど天野委員が言われたように、目指すべき望ましい、水用途から考えた目標に対して、かなりかけ離れた暫定目標なので、同じような意見が出るのかなと思います。
 そういうことを考えたときに、これはこれで私は否定はしていなくて、ただそういった意見は出るだろうという想像をしたときに、今回の計算の中で、その数値が大きく影響しそうなところというのは、やはり最終的な将来流入負荷量を考えるときに、現況の流入率というのを12年間の平均でとるということでして、そうしたときに、普通の川の場合は、比較的流入率というのが、そんなに変動しないデータがそろいやすいのに比べて、人工的にコントロールしていたり、今回のように、特に洪水だとか、そういったいろいろな現象が起きるところは、本当に、先ほどの滞留時間にも近いんだけども、今回計算した流入率自体がかなり変動している、それを12年あるので、平均すると、まんざら悪くない数値が出てきてるんだけども、例えば、先ほどの2σを外すとかとやると、きっと、非常に高い数値が抜けると、例えば、資料4の19ページの表6.7のところで、流入率、一番下を見ると、0.001から0.009になるわけですよね、これはリンの例ですけども。先ほどの渡良瀬のほうも結構大きくばらついていると。そこをもし、異常値だと外してしまうと、リンの場合は、0.078じゃなくて、0.06ぐらいとか、5になるかもわからないというふうに、比較的暫定目標は明確に出るんだけども、その裏づけになっているデータが、こんなんでいいんですかねというのが、だんだん貯水池だとか、ダム湖の人為的なものだとか、変動の大きい湖に対して、どう考えるのかというのをだんだん問われてくるのかなと思うので、今回は何も答えがないんですが、ちょっと考えていく必要があるのかなというふうな気がいたします。

【岡田委員長】 ありがとうございました。
 よろしいですね。これも次に向けて、考えていくべきことだと思います。ありがとうございました。

【天野委員】 若干議論の蒸し返し的なことになって申し訳ないんですけど、ちょっと、今、古米先生おっしゃったことで気づいたんですけど、資料3の4ページですか、渡良瀬川流域の類型指定があって、貯水池の周辺の川というのは河川のBなんですよね。先ほどのアユという話だとすると、周辺の川もAにする必要があるんじゃないかって、逆になるということはないんでしょうか。ちょっと何か、全然違う話になってしまうんですけども。

【岡田委員長】 今回はいいけども。確認してください。

【西村係長】 すみません、河川のBODの類型指定につきましては、アユにつきましては水産2級ということになりますので、Bになりますので、それは問題ないかと思います。
 窒素、リンに関わる部分で、水産の1種ということになりますので、湖沼にかけるときには、Ⅱになったということでございます。

【天野委員】 1種というのと1級というのは、違うものなんですか。

【岡田委員長】 違う、実にわかりにくいけど違うんです。

【星野課長補佐】 参考資料の4があるのですが、3ページ、4ページに河川と湖沼の類型指定の考え方が書いてあって、岡田委員長の言われるように、水産1級と水産1種というようなものを書き分けを行っているということでございます。
 窒素、リンだと1種、2種としています。

【天野委員】 わかりました。

【岡田委員長】 この議論はこの辺にしておきましょう。いっぱい出てくるかもしれませんけれども、ここではちょっと議論しかねるというか、大変なことになりますので、ここまでにしておきたいと思います。
 ありがとうございます。
 ほかによろしいですか。
 それでは、以上をもちまして本日の議論を終了したいと思います。委員の皆様方には熱心にご討議いただき、また今後の方針に関わる幾つかのご指摘もいただきました。御礼申し上げます。
 それでは、以上をもちまして終了したいと思います。どうもありがとうございました。

午後2時34分 閉会