中央環境審議会水環境部会陸域環境基準専門委員会(第5回)議事録
日時
平成20年10月9日
議事次第
- 1.開会
- 2.議事
- (1)これまでの経過と今後のスケジュール等について
- (2)検討対象水域の状況について
- (3)その他
資料1 | 陸域環境基準類型指定専門委員会名簿 |
資料2 | 中央環境審議会水環境部会陸域環境基準類型指定専門委員会(第4回)議事録(案)(委員限り) |
資料3 | これまでの経過と今後のスケジュール等について |
資料4 | 検討対象水域(渡良瀬川)(2)、相模川下流、筑後川(3)、深山ダム貯水池、川治ダム貯水池、土師ダム貯水池、弥栄ダム貯水池、相模ダム貯水池、城山ダム貯水池、渡良瀬貯水池及び荒川貯水池)の状況について |
資料5 | 水質類型の見直しの検討方法について |
参考資料 | 各河川の流域フレームのトレンド整理について |
委員長 | 岡田 光正 | 広島大学大学院工学研究科教授 |
専門委員 | 天野 邦彦 | 独立行政法人土木研究所上席研究員 |
専門委員 | 井上 隆信 | 豊橋技術科学大学建設工学系教授 |
専門委員 | 小倉 久子 | 千葉県環境研究センター 水質地質部 水質環境研究室長 |
専門委員 | 尾崎 保夫 | 秋田県立大学生物資源科学部 生物環境科学科長 |
専門委員 | 風間 ふたば | 山梨大学大学院医学工学総合研究部准教授 |
専門委員 | 木幡 邦男 | 独立行政法人国立環境研究所 水土壌圏環境研究領域長 |
専門委員 | 田尾 博明 | 独立行政法人産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門副部門長 |
専門委員 | 長岡 裕 | 武蔵工業大学工学部都市工学科教授 |
専門委員 | 花里 孝幸 | 信州大学山岳科学総合研究所 山地水域環境保全学部門長 |
専門委員 | 藤木 修 | 国土交通省 国土技術政策総合研究所 下水道研究部長 |
専門委員 | 古米 弘明 | 東京大学大学院工学系研究科付属 水環境制御研究センター教授 |
議事録
午前10時01分開会
○辻原課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境部会第5回陸域環境基準専門委員会を開会いたします。
本日は、委員12名中10名のご出席が予定されております。ただいまのところ9名のご出席をいただいております。定足数に達しているということでございます。
議事に先立ちまして、前回から本日までの間に事務局に異動がございましたので報告いたします。
水環境担当審議会が白石から伊藤にかわりました。
では、議事に先立ちまして、伊藤審議官よりごあいさつを申し上げます。伊藤審議官、よろしくお願いします。
○伊藤審議官 おはようございます。本年7月に、水環境担当審議官を拝命いたしました伊藤でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、委員の皆様方におかれましては、ご多忙のところお集まりいただきましてまことにありがとうございます。また、日ごろより、水環境行政の推進につきまして格段のご指導をいただいておりますことに対しましてお礼を申し上げたいと思います。
本委員会につきましては、ご承知のとおり、水道や漁業などの利水目的に応じて類型化された水質基準のいずれを当てはめるべきかをご審議いただく委員会でございます。この類型指定につきましては、2以上の都道府県の区域にわたる水域として政令で定められる37河川、10海域について国が直接行うということとされており、それ以外は都道府県において行われることになっております。
国におきましては、当初、類型指定を行ってから水域の利用の対応や水質等の状況が変化した場合には適宜見直すと、こういうふうになっておるわけでございます。このため、環境省等におきましては、平成13年9月25日に、中央環境審議会に水質汚濁に係る生活環境項目の保全に関する環境基準の水域類型の見直しについて諮問をさせていただき、これまで平成14年5月、平成15年2月、そして本年の6月の3回にわたりまして見直しの視点に関する答申をいただいたところでございます。
今回は、引き続き河川3水域、ダム湖8水域の11水域についてご審議をいただきたいというふうに考えております。申すまでもございませんけれども、環境基準に関する事務につきましては環境行政の基本中の基本でございます。よろしくご審議賜りたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
○辻原課長補佐 続きまして、お手元の配付資料についてご確認いただきたいと思います。
議事次第にございます資料の1から5までを配付しております。このうち資料2につきましては、委員限りの資料となっております。不足等ございましたら随時事務局までお申しつけください。
それでは、これ以後の進行につきましては、岡田委員長にお願いいたします。
○岡田委員長 おはようございます。朝早くからお集まりいただきましてありがとうございました。
本日のご議論いただく議事次第でございますが、前回第4回になりますか、本委員会から委員会報告を取りまとめていただいて提出したところでございます。したがいまして、今回から新たな水域について検討するということになります。いつまであるんだということがあるかもしれませんが、やはりこれはさまざまな情勢の変化に応じて随時見直すわけですからやらざるを得ないということになるかと思います。大変ではございますが、よろしくご検討のほどお願いしたいと思います。
それでは、早速議事に入りたいと思いますが、その前に、資料2に前回の議事録の案が準備されております。これは、委員の先生方に既にご確認いただいているはずです。そのご確認いだいた結果、事務局で修正し、再度各委員の先生方に送付されている資料でございます。特段問題がなければ、この場で前回議事録というふうにさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですね。
それでは、今のものを前回の議事録というふうにいたします。事務局のほうで公開の手続を進めていただきますようお願いいたします。
それでは、本日の議事を進めさせていただきたいと思います。前回、本委員会から提出した報告を受けまして幾つかの動きがございました。まず、議事の(1)に書いてございますように、その経過、それから前回までの到達点に関しまして、資料3によって事務局からご説明をいただきます。今後のスケジュールも含めて検討するということにしたいと思います。
では、事務局からご説明をお願いします。
○辻原課長補佐 それでは、資料3に基づきましてご説明をいたしたいと思います。
資料の3でございますけれども、これまでの経過と今後のスケジュール等について(案)でございます。まずこれまでの経緯でございますけれども、委員の皆様方ご存じのとおりでございます。これまで猪名川等の4水域及び須田貝ダム貯水池等4水域、これにつきましては河川から湖沼類型への見直しということでございますけれども、これらについての答申を前回いただいたところでございます。今回でございますけれども、引き続き以下の事項、水域について検討を進めるということにいたしたいというふうに考えております。
その中身でございますけれども、1.の検討事項についてでございます。国が水域類型の指定をする以下の水域について、審議に必要な資料がそろった水域から順次検討したいというふうに思っておりますが、検討の順番につきましては、ここに書いてあるような順番でやっていきたいというふうに思っております。
まず、河川類型の見直しということでございまして、渡良瀬川の(2)というところでございます。それから、相模川下流、筑後川(3)、これにつきましては最下流でございますけれども、この3水域の見直しをしたいというふうに考えております。
この3水域につきましては、現状で上位の類型の水質を5年あるいは10年満たしているというふうな水域でございまして、非悪化原則に基づいて上位に上げていくというふうな手続でございます。
それから、(2)でございます。暫定目標の見直し水域ということでございまして、深山ダム、川治ダム、土師ダム、弥栄ダムと、この4つございます。これにつきましては平成13年でございますけれども、平成13年において、いわゆる人工湖ということで、それまで河川類型指定をされていたものを湖沼類型に変えたものでございます。そのときに暫定目標を定めるということで、5年の年限を切って暫定目標を定めたダムが4つございました。ということで、5年ということでございましたので、既にこの5年を過ぎておりますので、改めて暫定目標の見直し等をやっていくということになるかと思います。
(3)につきましては、河川類型から湖沼類型への見直し水域ということでございまして4つございます。相模ダム、城山ダム、渡良瀬貯水池、荒川貯水池、この4つがございます。
これまで河川類型から湖沼類型への見直しということで人工湖の取り扱いについてご検討いただいてきたわけでございますけれども、おおむね当初考えていたようなところはこの4つで終わるわけでございますけれども、その後、新たに運用を開始されたものが1ダムございまして、その辺についてはまた事務局のほうで今整理をしているところでございますので、これですべて終わったということではなくて、大体終わったかなというふうな感じでございます。
特に今回の特徴といたしましては、これまでは比較的山間部のダムが多かったわけでございますけれども、平地にありますような貯水池であるとか、あるいは山間部であるんですけれども、どちらかというと中流域ですね、後背地がかなり大きなダム、相模ダムとか城山ダムとかございまして、そういった意味では、これまでご審議いただいたものとは少し状況が違うダムが今回審議に係るということでございます。
ということで、今までどちらかというと後回しにされてきたものでございますので、いろいろと検討課題もございますのでよろしくご審議のほうをお願いしたいというふうに思っております。
それから、今後のスケジュールでございますけれども、きょうが第5回目ということで、本日につきましては対象水域の概況についてざっとご説明をいたしたいと思います。この概況につきましては、実は前回の答申をいただいたときの第1回でございますが、このシリーズの第1回の検討のときに、ざっとではありますがご紹介をしているところでございます。その後の精査で多少修正点等もございましたので、もう一度この対象水域の概況についてご説明を今回したいというふうに思っております。
第6回以降につきましては、順次それぞれの水域ごとに検討を進めていきたいというふうに思っておりますけれども、順番といたしましては、先ほど言いましたとおり、まず河川類型の見直し、それからダム湖の暫定目標の見直し、それから河川類型から湖沼類型への見直しということで進めていきたいというふうに思っております。
以上でございます。
○岡田委員長 ありがとうございました。
ただいまのご説明に関しまして何かご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。
特段、よろしいですね。
それでは、今資料3の考え方を基本に具体的な検討を進めるということにしたいと思います。もちろん検討を進める中で何かありましたら、必要に応じて修正するということで、とりあえずこれで進めていってよろしいですね。ありがとうございました。
それでは、先ほどお話しありました今回の検討対象水域の状況について、事務局から用意していただいている資料でご説明をお願いいたします。
○安達主査 それでは、資料4に従いまして、概況説明につきまして説明申し上げたいと思います。
今回は、新たに検討していきます水域のガイダンス的な意味合いを含めまして概況説明ということで、次回以降の専門委員会のほうで、それぞれ順次詳細の資料のほうをご準備させていただきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
では、早速なんですけれども、資料4のほうをごらんいただきたいと思います。
資料の構成としましては、まず初めに、既に上位類型を継続的に安定的に満たしている3河川につきまして説明しまして、その後に暫定目標の見直し水域であります4水域、最後に河川からダム湖への見直し水域でございます4水域につきまして順次説明申し上げたいと思います。
では、1ページのほうをごらんいただきたいと思います。
まず初めに、渡良瀬川(2)という水域でございます。
この水域につきましては、こちらの1ページの地図のほうをごらんいただけたらと思いますけれども、ちょうど桐生市から葉鹿橋にかけて位置する水域でございます。現在、河川のB類型の水質が当てはめられているところでございます。
2ページ目のほうに行きまして、この渡良瀬川(2)の利水状況と、あと流域の概要図なんですけれども、ちょうど渡良瀬川につきましては、渡良瀬川の上流から下流まで、5つの水域に区分されておりまして、この渡良瀬川(2)というのは、ちょうど上中流部に位置する水域でございます。
それで、利水状況につきまして該当がありますのは水産の利水状況が現在ございます。ここに「漁業権の設定あり」ということで魚種が載っておりますけれども、この魚種につきまして、県の水産部局等に確認したところ、イワナというのはかなり上のほうに生息する生物ですので、イワナ以外の生物につきましてはここで生息されていて、かつ漁業等でとれているといったことを聞いております。
続きまして、3ページのほうに移りまして、渡良瀬川流量について載せております。年平均で見ると、大体安定した状況でございます。あと、低水の流量についてもあわせてご確認いただけたらというふうに思います。
次に、1.4渡良瀬川(2)の水質状況でございますけれども、右側のほうに、水質の経年変化のグラフをつけておりまして、特にBODにつきましては、平成12年から7年連続をして上位類型のA類型を満たしている状況でございます。A類型というのは、2mg/l以下ということになっております。
あと、参考までに発生汚濁負荷量のダイジェスト的なものを載せております。これは今後検討のときにさらに詳しい資料のほうにつけていくと思いますが、あわせて確認ください。
続きまして、5ページのほうに移りまして、相模川下流でございます。相模川下流につきましては、ちょうど寒川取水堰というのがございまして、そこより下流に位置する一番最下流に位置する水域でございまして、現在環境基準につきましては河川類型のC類型が当てはめられた水域でございます。
6ページのほうで概要図がございますけれども、上のほうから、これも相模川上流(1)からございまして、この河川につきましても5つの区分にされた水域がございます。その中の一番最下流の水域というのが相模川下流ということになっております。
利水状況でございますけれども、寒川取水堰というのがこの位置図の赤く塗っている部分でございまして、最下流ということでございますけれども、利水としては水産がございます。漁業権の設定についてこちらのほうに魚種が載っているんですけれども、実際にとれている魚というのは、相模川というのは呼名で、鮎川というふうに言っておりますけれども、現在でも鮎がとれている川といったことを神奈川県の水産課のほうに確認しております。
続きまして、7ページのほうに移りまして、相模川下流の流量につきまして、寒川堰での流入量と放流量のデータのほうをこちらのほうに載せておりますので、ご確認いただきたいと思います。
続いて、水質状況でございますけれども、ここの相模川下流のBODの状況につきましては、平成7年度からのグラフを見ていただくとわかりますけれども、12年連続しまして上位類型のB類型の水質を継続して満足をしている状態でございます。
2.5については汚濁負荷量を載せておりますので、参考いただきたいと思います。
続きまして、9ページの筑後川(3)でございます。
こちらのほうにつきましては九州のほうでございますけれども、現在、河川のB類型が設定された水域でございます。
10ページのほうの位置図をごらんいただけたらと思いますけれども、筑後川につきましては、上のほうから筑後川の(1)、(2)、(3)とございまして、今回対象水域であるのは一番最下流の筑後川(3)になっております。
ここの利水状況ですけれども、ここにつきましては、水道用水と水産の利用がございまして、水道用水につきましては、佐賀東部水道企業団の浄水場があります。処理水準につきましては水道3級ということで、ここについては高度処理をされているといった状況でございまして、これにつきましては、浄水場のほうに確認しましたら、365日高度処理をしているといったことを確認をとっております。
続きまして、水産ですけれども、漁業権の設定ありということで、後方に魚種が載っていますけれども、実際にとれている魚種というのは、鮎でございまして、この位置図でちょうどこの広川下流というのが真ん中の支流のほうで、筑後大堰よりちょっと下のほうに広川下流というのがあるんですけれども、ここまでのところで鮎はとれているといったことで、これは福岡県の水産局のほうで確認した状況でございます。
続きまして─すみません、筑後川(3)なんですけれども、実を言うと利水状況はこうなんですけれども、ちょうどこの真ん中あたり、オレンジ色の丸ポツがあると思います。瀬ノ下というところがあると思いますけれども、この直上におきまして、福岡県の広域水道と福岡地区水道で取水をされているといったような状況もございます。
続いて、11ページのほうです。ここでは、その下、流量の経年変化等を載せておりますのでご参考いただきたいと思います。
筑後川(3)の水質状況でございます。
ここにつきましては、平成9年から8年連続をして上位類型のA類型を満足していたんですけれども、ただし、平成17年度につきましてBODが2.2mg/lということで、この年だけはちょっと上位類型を満たしてません。ただ、18年、あと19年の速報値では上位類型のA類型を満たしているという状況でございますけれども、この取り扱いについては今後ご意見をいただきたいと思います。17年度だけがちょっと上位類型を満たしていなかったという状況でございます。
続きまして、筑後川の汚濁負荷量については、こちらのほうをご参考いただきたいと思います。
では、続きまして、暫定に関してのダム湖についてご説明申し上げます。
まず、深山ダム貯水池ということで、13ページのほうにございますけれども、深山ダムにつきましては、那珂川最上流部にあるダムでございまして、発電、水道用水を目的として建設されたダムでございます。ちょうど14ページのほう、ちょっとわかりづらい地図なんですけれども、位置的には栃木県北部を一帯としまして、日光国立公園の中につくられたダムといったことで、かなり山合いの中につくられているダムということでございます。
現在の類型指定状況でございますけれども、現在の湖沼のAA類型と湖沼のⅠ類型が設定されていまして、それについては全窒素の項目を除くというふうになっております。平成18年度の暫定目標としては、全リンにつきまして0.011mg/lということで設定をされております。
続きまして、15ページのほうに行きまして、深山ダムの利水状況でございますけれども、利水としては水道用水と水産、あと自然探勝がございます。水道用水については、北那須水道事務所の浄水場がございまして、処理水準としては水道2級でございます。水産については、一応漁業権の設定はございますけれども、この深山ダムについては、立入禁止また禁止区域となっておりますので、ここでの魚をとれるという実績は現在ございません。あと、自然探勝として日光国立公園がございます。この日光国立公園ということで、ここの類型につきましてはAA類型のⅠ類型になっているといったことでございます。
あと、16ページのほうに行きまして、深山ダムの水質状況でございます。こちらは、グラフのほうを見ていただくとわかりますけれども、17ページのグラフのほうを見ていただけたらと思いますけれども、CODと全窒素、全リンに着目しまして、まずはCODにつきましては、平成13年度以降では、平成14年度を除きまして、湖沼のAA類型1.0mg/l相当の水質を満足しているといったような状況でございます。
次に、全窒素ですけれども、Ⅰ類型は満足しておりません。それで、平成7年度以降ですけれども、全窒素については、平成7年度のみ湖沼Ⅱ類型の0.2mg/l相当の水質を満足していると。それ以外については満足していない状況ということでございます。
次に、全リンでございますけれども、全リンについては、平成8年度、12年度、16年度には湖沼のⅠ類型に達しております。ただ、暫定目標につきましては、平成14年度を除き暫定目標相当水質を満足しているといったような状況でございます。暫定目標は0.011mg/lということで、平成14年度以外は満足しているといったような状況でございます。
それで、ここは、全リンのグラフを見ていると、13年と14年がちょっと高くなっておりまして、この原因が、測定日直前に大雨が降ったことが原因ではないかと。SS濃度も高いということもございましたので、これは参考情報としてお伝えしたいと思います。
続きまして、深山ダムの発生汚濁負荷量と一応データを載せておりますけれども、ほとんどが山林といったような状態でございます。
続きまして、19ページのほうに行きまして、川治ダム貯水池の概要でございます。
川治ダム貯水池につきましては、鬼怒川上流部に建設されたダムでございまして、洪水調節、かんがい用水、水道用水、工業用水を目的としたダムでございます。場所的には20ページのほうで一応流域概要図のほうを載せておりますけれども、ちょうど鬼怒川温泉、あと竜王峡にほど近いところに位置した観光名所の場所ということでございます。
続きまして21ページでございます。
現在、川治ダムの類型指定状況でございますけれども、湖沼のAA類型と湖沼のⅡ類型が設定されておりまして、CODにつきましては、平成18年度の暫定目標として2.0mg/lが設定されております。あと、全窒素については0.32mg/l、全リンについては0.021mg/lの暫定目標が設定されております。
利水状況でございますけれども、水道用水、農業用水、工業用水、水産というふうにございまして、水道用水については、藤原町水道、栃木県等の水道がございますけれども、いずれも処理水準については水道2級相当の処理基準になっているということでございまして、あと、水産につきましては、ここは漁協等に確認したところ、この中でヤマメ、イワナ、ニジマスが放流されて、実際に川治ダムの上流部のほうでこういったような魚がとれているといったようなことを聞いております。
続いて、22ページでございまして、こちらのほうには川治ダム流域の概要図ということで、先ほどの利水状況の取水地点等が示されておりますのであわせてごらんいただきたいと。あと、川治ダムの上流のほうに同じく類型指定をしております川俣ダムというのがございまして、この川俣ダムというのは、実を言うと川治ダムの類型とは多少異なっておりまして、湖沼のA類型、Ⅱ類型といったことで設定されております。これについては、15年度に自然探勝の考え方が変わってきておりまして、自然探勝があっても現状の水質を見ながら、実態を見ながら類型指定するということもございましたので、川俣ダムにつきましては湖沼A類型、Ⅱ類型という認定設定がされていることをちょっと補足説明させていただきたいと思います。
続きまして、川治ダムの水質状況でございます。
ここにつきましては、CODについては、AA類型はいずれも、23ページのグラフを見ていただくとわかると思いますけれども、COD75%値ですけれども、いずれもAA類型については満足していません。一つ下のA類型については満足しているといったような状況でございます。また、暫定目標については、暫定目標2.0mg/l相当の水質は、平成13年度、14年度、17年度を除いて満足しているといったような状況でございます。
次に、全窒素ですけれども、いずれの年も湖沼Ⅱ類型の0.2mg/l相当の水質は満足していません。ただ、暫定目標の0.32mg/lですけれども、ここについては平成10年度、11年度のみが満足しているといった状況でございます。
次に、全リンですけれども、ここにつきましては、湖沼Ⅱ類型の0.01mg/l相当の水質を平成10年度、11年度、13年度を除いて満足していると。暫定目標の0.021mg/l相当の水質につきましては、平成13年度を除いて満足しているといったような状況でございます。
ここのちょっと水質の高いところについて確認なんですけれども、全窒素のグラフの挙動の最大値のところで若干高いところがございまして、平成10年ですけれども、ここについては台風の影響がありまして、測定日を含む1週間の先行降雨量が269ミリということもございましたので、これが影響しているのではないかというふうに考えられております。
あと、平成13年度ですけれども、ここにつきましても、9月、10月の測定日のときに、測定日を含む1週間の先行降雨量が若干多めにございますので、これらの影響が考えられるんではないかというふうに思います。
次に、24ページのほうで、川治ダムの汚濁負荷量のデータのほうを載せております。ここについては、現在流域人口が1,186人で、今後は減少傾向にあるところでございます。土地のCODの負荷については、大体99.3%ございます。あと、ここは湖内対策として、ここの状況としては、洪水時に濁水が長期化する傾向がございますので、選択取水設備とか、あと濁水汚濁防止フェンス等による対策を現在実施している状況でございます。
続きまして、25ページのほうに行きまして、土師ダム貯水池の概要でございます。
土師ダムにつきましては、江の川上流部にあります、江の川に建設されたダムでございまして、用途としては、洪水調節、かんがい用水、水道用水及び工業用水を目的として昭和49年に竣工されたダムでございます。
続きまして、26ページのほうで、土師ダムの類型指定状況でございます。
土師ダムにつきましては、湖沼のA、Ⅱ類型が設定されておりまして、平成18年度までの暫定目標としては、全窒素につきましては0.43mg/l、全リンについては0.020mg/lということでございます。
続いて、土師ダムの利水状況でございます。この利水状況としましては、水道用水と水産については設定をされておりまして、水道につきましては、実を言うとここは土師ダムの建設によりまして、山陰と山陽の分水嶺を越えて、江の川水系から太田川水系に分水をされているといったようなところが特徴でございまして、ちょうどダム貯水地から約19キロメートル下流のほうの分水トンネルを使いまして、1日大体30万立米の水を太田川に送り込んでおります。この水はさらに広島の呉市、あとは東広島市等に送られておりまして、そういったようなことで下流のほうまで送って、その水を水道用水だったりとか工業用水で使われているといったところでございます。
水道の処理水準ですけれども、いずれも水道2級、急速ろ過とか塩素処理ということで、水道2級の処理がされているということでございます。
続きまして、水産ですけれども、一応漁業権の設定ありということで、実態について、広島県水産部局及び漁協にお聞きしたところ、現在、ここでは鮎がとれているといったことを聞いております。
続きまして、27ページのほうに行きまして、土師ダム流域の概要図を載せております。
ここでは、先ほど申しましたように、取水後、太田川水系側へ導水し、下流で利水といったことをコメントつけておりますのでご参考いただけたらというふうに思います。
次に、土師ダム貯水池の水質状況でございます。右側の28ページのグラフのほうをあわせてごらんいただけたらと思いますけれども、まずCODにつきましては、平成13年度以降は湖沼のA類型、3.0mg/l相当の水質を満足しているといったような状況でございます。全窒素につきましては、12年度、16年度、17年度、18年度を除いて、湖沼の4類型、0.6mg/l相当の水質を満足しております。一つ下の湖沼Ⅲ類型の0.4mg/l相当の水質については、いずれも満足をしていないと。あわせて暫定目標の0.43mg/l相当の水質も、どの年度も満足していない状況でございます。
次に、全リンですけれども、全リンにつきましては、平成13年度以降につきましては、湖沼Ⅲ類型の0.03mg/l相当の水質を満足しております。ただし、湖沼のⅡ類型については満足していないといったような状況でございます。暫定目標の0.02mg/lですけれども、これについては満足している年と満足していない年が大体半々ぐらいあるといったような状況でございます。
続いて、29ページのほうには土師ダムの発生汚濁負荷量について載せておりますので、ご参考いただけたらと思います。
続いて、30ページの弥栄ダム貯水池です。それでは、一たん弥栄ダムまで行きまして質問を承りたいと思いますので、ここまで説明させていただきたいと思います。
弥栄ダム貯水池につきましては、小瀬川上流部にあります小瀬川に建設されたダムでございまして、用途としては洪水調節、流水の正常な機能の維持、水道用水、工業用水として平成3年に竣工されたダムでございます。ちょうど広島県と山口県にまたがるダムということでございます。
それで、31ページのほうに行きまして、弥栄ダムの類型指定状況でございます。現在、湖沼のAA類型と湖沼Ⅱ類型が設定されておりまして、平成18年度までの暫定目標としまして、CODにつきましては2.6mg/l、全窒素につきましては0.32mg/l、全リンにつきましては0.01mg/lに設定されております。
利水状況につきましては、ここにつきましては水道用水と工業用水、水産というふうにございまして、水道用水につきましては、処理水準についてはいずれも水道2級相当の処理がされているといったことでございます。工業用水については、岩国、大竹、柳井地域のほうに工業用水として使われているということでございます。水産につきまして漁業権の設定がございます。広島県及び漁協のほうに確認した情報でございますけれども、弥栄ダムにつきましては、陸封の鮎が遡上しているということで、鮎についてとれているといったような状況でございます。鮎のほかにも、アマゴ、ニジマスといったものもとれているといったことを聞いております。
続いて、32ページのほうに行きまして、こちらのほうで弥栄ダムの流域の概要図ということで、弥栄ダムの上流域のほうには国が類型指定をしました小瀬川ダム、ここについては湖沼A類型、Ⅱ類型が設定されております。
続いて、弥栄ダムの水質状況でございますけれども、33ページのグラフをご確認いただけたらと思いますけれども、まず、平成11年度以降は、湖沼A類型の3.0mg/lを満足しておりますけれども、湖沼AA類型の1.0については満足していないと。暫定目標2.6につきましては、平成10年度、11年度、12年度を除き満足をしているといったような状況でございます。
全窒素につきましては、平成8年度、10年度、11年度、17年度、18年度は湖沼Ⅲ類型の0.4を満足しております。その他の年度につきましては、湖沼のⅣ類型を満足しているといったような状況でございます。暫定目標の0.32mg/lでございますけれども、これについては、平成8年度と10年度が満足しているといったような状況でございます。
全リンにつきましては、平成9年度、11年度、18年度を除いて湖沼Ⅱ類型の0.01及び暫定目標の0.01を満足しているといったような状況でございます。
34ページのほうで、弥栄ダムの発生汚濁負荷量について載せておりますのでご参考いただきたいと思います。
一応ここで説明を終わらせていただいて質問のほうにいきたいと思います。
○岡田委員長 ありがとうございました。
今まで3つの川、それから4つのダム貯水池についてご説明をいただきました。先ほど資料3にございましたように、3つの川は類型の見直し、4つのダム湖は暫定目標の見直しということになります。きょう、これでBをAにするとかお決めいただくわけではなくて、次回決めるべくご検討いただくことになります。したがいまして、それに向かいまして、今回の資料でご疑問の点、ご質問の点、それから特に次回に向けて必要な資料、確認等のご指示、ご意見をいただければありがたいと思います。そういうことでいいですね。
では、まとめてやるのも何ですから、一個一個いきたいと思います。最初に渡良瀬川、これはB類型をA類型にするというところでございます。何かご質問、ご意見ございますでしょうか。
ここの問題点は、10年のうち1回くらいAを満たしていないんでしたっけ。渡良瀬川。
○安達主査 ここはずっと満たしております。平成12年から7年連続満たしておりまして、一応これまでのやり方としては、B以下から上に上げる場合は5年です。
○岡田委員長 ということは、今までのルールを完璧に満たしていると。
○安達主査 満たしているということでございます。
○岡田委員長 ということだそうです。何かご意見ございますか。
どうぞ。
○井上委員 ちょっと関係ないことかもしれないんですけれども、これは公共用水域の測定データなんですが、公共用水域の測定データをとるときは、先行降雨がないときにとるような指示があるように覚えているんですが、そういうふうに確実になっているものなんでしょうか。
と言いますのは、次のところになるんですが、最大値が高いものがあって、そういう晴天時のデータでないものが含まれているものを使って環境基準を議論することにいいのかどうか、あるいはもし、最近もっといきますと、まず水質の測定が県の公務員のセンターから民間委託されて、それがさらに入札制度に変わって競争入札になったということで、そのデータの信頼性というのが失われてきているのではないかと、そういったときに3日間、ちょっとよくわからないんですが、雨が降った影響があるときにはとらないというのがその入札の中に書かれるような指導がなされているのか、そういうことをしていかないと、今度また10年後とかに見直すときに何かどういうデータかというのを疑問を持つようなデータで環境基準を決めなきゃいけないかなと思いましてちょっと気になりました。
○辻原課長補佐 そのあたりなんですけれども、前回の河川でも、同じような河川湖沼でも同じ問題があったんですけれども、ちょっと聞いた限りでは、やはり最近外注に回るものが多くなってきているので、そうなると、あらかじめその予定日を決めておりますので、よほどのことがない限りはその日にやってしまうということがあるようです。全国的にそうなのかというのはちょっとわかりませんけれども、そういうところもあるということですので、実際問題として今回こういう高いところというのは降雨の影響を受けているところもあるということですので、その辺につきましては、もし将来予測をするときには除いて考えるということも必要なのかもしれない、その辺も少し検討して作業していきたいというふうに思っております。
○岡田委員長 どうぞ。
○小倉委員 いい例かどうかわかりませんが、千葉県でも委託で競争入札ということで、いろいろ条件が非常に厳しくなっています。千葉県の場合には、透視度を現場ではかって、透視度で通常よりも濁っている場合にはやめるということをしています。やはり雨というと、雨の後、大分たってから濁水が来る場合もあります。それから一番問題なのは、代かきの時期の濁水で、これはちょっとぐらいずらしてもある程度続いてしまうので、代かきは年中行事というか、平水時で川の変化の一部だというふうにみなしてやってしまうことが多いですけれども、一応チェックはしています。
○岡田委員長 ありがとうございました。
これは、きょうここで決着する問題でもないと思いますが、どうしましょうか。何か方針を、やはりデータ外すとか、それから通達をちゃんとするとか、何か考えていかないと、このままというわけにはいかんですね。
○小倉委員 そのために75%値を使うことにしているのかなと。
○岡田委員長 ただ、平均値を使うのもありますからね。湖になると。
○花里委員 実は、後で深山ダムのところでお伺いしようと思ったんですけれども、さっき深山ダムのところでも14年がすごく高い値になっちゃって、これが直前に大雨のためではないかとおっしゃっていたので、ここにもそういうことが出ているんですけれども、ちょっとお伺いしたいのは、これは年に何回ぐらいとっているんでしたっけ。調査の頻度。
○安達主査 深山ダムについては、年4回の測定になっております。
○花里委員 ほかのところでも大体そういうことなんですか。
○安達主査 多いところは12回もありますけれども。若干問題があるんですけれども、最低たしか4回とらないといけないということで、多分そういうことではないかと思うんですけれども。
○花里委員 そういう基準になっているんですか。
○安達主査 基本的にはやっぱり12回とらないと。
○花里委員 そうですか。やっぱり頻度が低いと1回のおかしな値でかなりデータが引っ張られちゃうし、大雨の後だからといっても、どのぐらいのときにそれを使わないか、使うかということもかなり悩ましくなってくるんですね。ちょっとその辺の実態を教えていただければ、そういう状況を教えていただければありがたいんですけれども、次回のときでも何か参考になるようなことがあれば。
○岡田委員長 それに応じてデータの見方を変えていかざるを得ないですね。杓子定規にやっても意味ないでしょうから。ただ、余り融通無碍というわけにもいかんでしょうから、何かちょっとルールを事務局で申しわけないんですがお考えいただけますか。現状を踏まえて、書きにくいかね、そういうことを。
○井上委員 でも、原則でそうなっているのに、そうなっていないデータがあるからそれを使えないというのは言いにくいと思いますね。
○岡田委員長 では、ちょっとこれはここで結論出すんではなくてご検討くださいということにしましょう。
○小倉委員 それで、深山ダムが出たのでちょっと順番が変わるかもしれないんですが、今の深山ダムで、平成14年のT-Pが降雨の影響だということなんですが、最小値も上がっているというのはちょっと別の原因の可能性もあると思うんです。ほかのピークは、大体最小値は変わらなくて平均値はちょっと影響を受けますが、ここのT-Pの場合には最小値も上がっているので、多分4回しかはかっていないということがあると思うんですけれども、ですからこういう例外のところは少しその年の全部のデータを出していただくとか、そういうことをお願いできればいいかなと思います。
○岡田委員長 では、お願いいたします。
ちょっと大変ですけれども仕方ないですね。そうして判断するか、すべきかということも含めて次回用意しましょう。今のデータの取り扱い非常に重要なことでございますのでありがとうございます。こういうデータの取り扱いについて何か同じようなご意見ございますか。
どうぞ。
○井上委員 筑後川のところで、これ感潮域で、12ページで、SSのデータを見ると非常に高い……
○岡田委員長 12ページ……、どうぞ。
○井上委員 12ページでSSのデータを見ると非常に高いときが最大値で、平均値でもそうなんですがありまして、これは多分干潮のときにとっているんではなくて潮が満ちているときか中間のときで、SSが高くなっているのをとっているのかなと、これについても同じような何かルールなりを決めるようなことをしたほうが、感潮域に環境基準点がある場合にはしたほうがいいのかなというふうに感じました。
○岡田委員長 これは感潮域ですかね。
○辻原課長補佐 感潮域になりますけれども、ただ、筑後川の3につきましては、非常に特殊な状況もございまして、実は今B類型ということなんですけれども、SSについては自然汚濁の現況にかんがみ、B類型の基準値は適応せずというふうになっておりまして、ちょっとここのSSが高いのは全国的に見ても少し特殊な要因があると。非常に遠浅海でございますので、そういったところの懸濁物が巻き上がっているという影響があるんだろうというふうなことも少し念頭に置いていただきたいと思います。
○井上委員 それで、SSが高くなるとそれに付随してほかのものが影響を受けたデータになるので、SSを指標として見た場合に、ちょっとBODが高くなっていたりするのも何か原因がそちらのほうにあるのであれば、どういうデータをとるかという指針値のようなものがあれば感潮域についてもいいのかなということです。
○岡田委員長 ありがとうございました。
これも検討課題ですね。余り融通無碍にやるわけにもいかないし、がちがちでやるという時代でもないから。
どうぞ。
○花里委員 僕もちょっとそれについて話をしたいと思うんですけれども、一応変えるに当たっては、例えば5年間とかの間安定してという話なんですけれども、だけれども、自然の気象状況によってある年おかしくなることがあるので、そこを少し融通をつけたほうがいいんではないかと。一回でも飛び上がっちゃうとよくないというのではなくて、その辺のところで調整できないかなと。例えば、今年みたいな集中豪雨がしょっちゅう起きると、何回かとっても値がおかしくなるだとか、物すごい冷夏なんかがあると窒素、リンが多くてもきれいになっちゃうとかということもあって、何かその辺というのはいじれないんですかね。その辺の基準は。
○岡田委員長 10年間に1回だけおかしくなったものは無視するとか、5年間に一遍無視すると、やっぱりちょっとやり過ぎかなとかいろいろあると思うんですね。今までのところは5年間連続してとか、10年間連続してということになっていますが、それを杓子定規にやることがいいかどうかというのは多分もう一回考えざるを得ないですね。データのものも含めて、ちょっと宿題が多くて大変ですけれども、仕方ないでしょう。
○花里委員 ちゃんととっていてもやっぱりそのときの気象条件、年間おかしいというときもありますからね。
○岡田委員長 ありがとうございました。
これはすべて検討課題ということで、次以降に考え方をできる限り整理した上でご議論いただければと思います。
それでは、一たん戻りたいと思います。渡良瀬川のところで何かご質問等ございますか。
どうぞ。
○田尾委員 渡良瀬川のBODは7年連続基準を満たしていますけれども、大腸菌群数は満たしていないと思うんですけれども、こういった場合に各指標の重みづけといいますか、類型見直しの場合にBODだけでやっていいのか、それともほかの指標をどの程度考慮するのかを教えていただけますか。
○辻原課長補佐 それにつきましては、この検討が始まりました第1回のときに基本的な考え方をお示ししておりますけれども、BOD、CODを基本として類型の上げ下げを、上げるほうを検討していくというふうになっておりますので、その際もいろいろなご質問があったかと思いますが、大腸菌群等については、基本的には参考情報ということで、BOD、CODを中心に見ていただくということになるかと思います。
それから、大腸菌群数につきましては、もうこれにつきましてはいろいろと問題点を指摘されているところでございまして、そもそも衛生指標として設定をされているところですけれども、どうもそれ以外の影響が強いのではないかということも指摘をされておりますので、これについては将来的には少し見直しをしていかないといけないかなというふうには考えております。
○田尾委員 SSに関してはどうですか。
○辻原課長補佐 SSにつきましても同様でございまして、基本的には参考情報ということでございます。先ほども筑後川の関係で、SSが高いときにBODに影響はないのかというご指摘がございましたので、そういった点については考慮していきたいというふうに思っておりますので、今回も例えば11年度SSが高いというデータがございますので、その点については次回以降、どういった原因で高かったのかと、それが向上的なものか、特異的なものかということについては少し資料を出していきたいというふうに思っております。
○岡田委員長 ありがとうございました。
よろしいですか。相模川下流はいかがでしょうか。後ろに戻っていただいても全然結構ですが、とりあえずペースメーカーとして申し上げているだけですので、相模川下流はいかがですか。何かありますか。
どうぞ。
○藤木委員 8ページ目に、一番下なんですが、相模川下流域の発生汚濁負荷量というのがあって、これはほかの河川についても当てはまるのですべて共通なんですけれども、例えば生活系といった場合に、相模川の場合はたしか大きな処理場があって、柳島管理センターというのがあって、ここでかなりバイパスして最下流に落としているんですね。ですから、そういったものはカウントしているのかしていないのか、要するに、実態として流域から外れている部分があるんですね。ここに書いてある生活系の中にはそれが入っているのか入っていないのかちょっと教えてもらえますか。
○辻原課長補佐 恐らく外していると思いますけれども、もう一度チェックをしたいと思います。
○岡田委員長 ありがとうございました。
ほかに。では、筑後川はいかがですか。今までの3つが見直し、要するに上位類型に上げるということです。何かルール上問題のところはありましたっけ。10年間、5年間見ているけれども、ところどころ1回、ちょっと違うというような話はありましたか。
○辻原課長補佐 それにつきましては筑後川でございますけれども、17年度でございますが、75%で見ますとA類型を超えていますので、そういう意味では少し、今回5年連続というとではないんですけれども、この辺については先ほどのご議論を踏まえてご検討いただければというふうに思っております。
○岡田委員長 わかりました。これは先ほど議論いただいたことですので、事務局のほうでもう一度精査していただいて、それをもとにご議論いただくということにさせていただきたいと思います。
どうぞ。
○長岡委員 確認ですけれども、これは福岡導水は入っていないんですね。
○辻原課長補佐 福岡導水につきましては、この推計を直下でやっております。ですから入ってはないんですけれども、影響がないかと言えばないとは言い切れないと思いますので、その辺については少しまたデータをお示ししていきたいというふうに思っております。
○岡田委員長 そうですか。では、これは論点ですね。
○辻原課長補佐 ただ、恐らくそんなにないんではないかと私は思っておりますけれども、全体の流量に対する比ということで少しご検討いただきたいというふうに思っております。
○長岡委員 原形は変えるわけですね。工業用水のラインがない。図の3の2の1、10ページはない。
○辻原課長補佐 この辺の漁業権につきましては、漁業権でございますね。
○長岡委員 いや、福岡導水で取水していますね。
○辻原課長補佐 これはございません。
○長岡委員 それは入れない。
○辻原課長補佐 この中には入ってこないということです。
○長岡委員 違う、違う、この全体の図では。
○辻原課長補佐 全体の図では、今回書いておりませんけれども、あるのはあります。ちょっと全部書きますと大変なことになりますので省略しております。
○安達主査 今回、ちょうど範囲の中でのもののみ書いておりますので。
○長岡委員 そうですか、わかりました。
○岡田委員長 いいですか。では、次に行きます。深山ダム。こっちは、深山ダム以降は暫定をどうするかということですね。とるかとらないか。
これすみません、暫定とした理由というのはどうなっていますか。暫定を例えば幾つというふうに入れた理由は、現状と何とかを見てこのくらいをとりあえずの目標にすると、こういうことですね。
○辻原課長補佐 考え方については現状を見てという、なおかつ将来予測をして、このレベルは維持できるだろうということで設定をされているようです。
○岡田委員長 暫定をとる場合の何かクライテリアというのはあるんですか。
○辻原課長補佐 それは達成をしたときということになりますので、今回はこの暫定目標はどうするかというところをご議論いただくことになるかと思います。
○岡田委員長 基本的には暫定目標をクリアしつつあればとっていいということですね。
○辻原課長補佐 予測でも、この先、5年、10年で達成するのかどうかというところなんでございますけれども、またその辺については実際のご検討のときにごらんいただきたいというふうに思っております。
○岡田委員長 わかりました。
○長岡委員 その暫定を決めるときに利水目的でこういう水質が要求されるからこういう目標を立てると、そういうロジックはないんですか。それで言うと、その水道用水で扱っているということが多分重要になると思うんですが、その辺はいかがですか。
○安達主査 最初は、もちろん利水状況によって類型指定をしていくんですけれども、そうしたときに水質がちょっと満たしていないといったことで暫定目標を定めて、それを満足するようにいろいろと施策をとって暫定目標を満たしたら、また今度はその類型指定、この利水状況に適合した類型指定がございますので、それを目標にやっていくという流れなんですけれども。
○長岡委員 ですから、この利水状況のところで、水道で使っていますけれども、これは下流だから直接ダムの水ではないんですけれども、この利水の状況というのはかなり重要だと思うんですが、ここでは利水障害はないということですと、特にそういう利水の状況は考えなくていいと、そういうふうになるんですか。この現状だと。
○辻原課長補佐 利水につきましては、例えば水道であれば、下流の水道が影響の範囲にあれば、影響の範囲というのは、例えば取水面積比を見まして、その取水地点とダム地点での取水面積比を比べまして5倍とか10倍とか、そのあたりの範囲の中にあれば影響ありというふうに考えまして、それはこのダムについては水道の用途を考慮すると、そういう観点で考えていくということになります。ですから、そこは用途をよく考えていくということだと思います。
ちょっと用途の話が出ましたので、ちょっとこの辺は実際に検討に入ってからお話ししたほうがよかったかもしれないんですけれども、先ほどちょっと安達のほうからもお話をさせていただきましたけれども、平成15年の見直しのときに、ダム湖の類型の当てはめというのを少し考え方を変更しているところがございます。特に変わったところが、自然環境保全ということで、国立公園とか、そういった観光資源になるようなところでございますけれども、自然探勝ということで、一番上位の類型を淡々と当てはめてきたという経緯がございました。そういったことで、この深山ダムとかもそういう例に当てはまるんだろうと思いますけれども、その辺AAというのは非常に厳しい値ですので、達成しないところが非常に多うございまして、そういう達成しない当てはめをするのがいいのかというご議論が平成15年のときにございました。そのときにその辺の実態を見てこの自然探勝、人工湖については自然探勝があってもAAでなくてAにするとか、そういう考え方もあるんではないのかというふうなことで、その辺のルールを少し変えております。
あと、水産につきましても、それまでは淡々と漁業権魚種を見て当てはめをしていくということをやっておったわけでございますけれども、これもちょっと実態にそぐわないところがあるのではないかということで、実際に漁獲があるのかないのかというところもあわせて考慮するべきだという結論といいますか、ルールの変更をいただいておりまして、この辺につきましても、この今回の4ダムについては変更する前のダムでございますので多少齟齬が出ているところがございます。その辺についても今回どうするかといったところをあわせてご検討して、お願いをしたいというふうに思っております。
○岡田委員長 どうぞ。
○木幡委員 17ページの図で、この深山ダムについては窒素は指定されていないということなんですが、ちょっと気になるのは、最近少し上がってきている傾向があるのかなと。それから、CODについても、最小値はともかく、平均値ぐらいで少し上がってきているのかなと思うんですが、暫定というのは決めて、それで実際にその先達成するために何か対策がとられているのかとか、あるいは負荷量で見たときに年々変動があるのかとか、そういったデータを見せていただきながら少しその傾向というんですか、検討したいと思うんですけれども。
○岡田委員長 そのとおりですね。ありがとうございます。
ほかの、では次に行きましょうか。川治ダム。
どうぞ。
○井上委員 少し確認だけなんですけれども、水産のところでこれ立ち入り制限とありますが、立ち入りが禁止されているんでしょうか。この深山ダム。
○安達主査 栃木県のほうに確認しましたら、ここは立ち入り制限になっているというふうにお聞きしたところなんですけれども。
○井上委員 そうすると、自然探勝のほうでは、立ち入り規制がなされていてあるのかなとふと思っただけのことです。その近くまで行けて、それを見ることで自然探勝ができているのか、もしそういうところまで規制されているのであれば、書き方だけの問題なんですが、利水のみのところでありのところの自然探勝のところでも括弧書きが要るのかなと、ただそれだけです。
○岡田委員長 立ち入りできなくても自然探勝はできると。
○井上委員 利水状況のところで国立公園を指定してあるから自然探勝はありなんだけれども、利水の有無のところでありの後に、何か括弧書きでそういう注釈が要るのかなと思っただけです。
○岡田委員長 立ち入りできないでしょうと、わかりました。それはいいですね。
では、川治ダム、いかがですか。そろそろまとめて、川治ダム、土師ダム、それから最後の弥栄ダム。
どうぞ。
○井上委員 川治ダムで、先ほどから説明いただいているんですが、上流域がA類型で、下流がAA類型というと新たなところはAA類型でいいよと、昔のところはA類型のままだというと、何か上流からの流れのつながりの説明が難しいのかなという気がしていまして、その一たん決めたところを見直すということは、先ほどここでの議論でも言われたんですが、そういうことも考え得る対象になるんでしょうか。それともここでは暫定目標だけを考えようということなんでしょうか。
○岡田委員長 どうぞ。
○辻原課長補佐 それにつきましては、今回ここでご議論いただく必要があるのかというふうに思っております。一応ルールを変えたということでございますので、それに従って今回どうするかと、その必要性があるのかないのかといったところを、特に利水用途等を踏まえまして考えていく必要があるのではないかというふうに思っております。
○井上委員 その場合に、今ここで一連の流れの中でこういうような場所がほかにもあるのであれば、順次そういう場所もここでの検討を行う湖沼に加えていくことになるんでしょうかと、ちょっと先走ったような話なんですけれども。
○安達主査 一応、今回該当するダムというのは、15年にそういうルールを改正させていただいたんですけれども、13年のときの4ダム湖、その前の小瀬川ダムというのがありまして、ですから、ルール変更する前のダムとして設定されたのは5つのダムですので、今回ご議論いただく4つのダムと、あと尾瀬ダムが該当するということでございまして、ただ現在、今回検討するためのというのが直接関係するところであるといったことでございます。
○岡田委員長 ありがとうございました。
ほかにございますか。
どうぞ。
○藤木委員 川治ダムは、24ページ目の発生汚濁負荷量を見ていると生活系があるんですが、ここはいわゆる川治温泉からの負荷でしょうか。それともこの発生汚濁負荷量というのは本当に山間部、山村みたいなところなんですか。
○岡田委員長 藤木先生のご趣旨は、こんなに生活系が出てくるのかということですか、逆に。
○藤木委員 あるとすると観光かなと。そうすると、将来の対策を考えるときに、観光であればもうちょっと排水処理しなきゃいけないとか、そういうことなんですね。
○岡田委員長 いや、今のご指摘の点がわかるようなデータになっているかどうかが次回出てくればいいですね。今わかればどうぞ。
○辻原課長補佐 一応、粗々の整理を今しているところでございますけれども、今の整理の上では総人口が1,000人ちょっとございまして、計算上はそれなりの負荷があるということになっております。下水道はございませんので、合併処理、単独処理、あるいは計画収集ということで資料のほうは処理をされているというふうな状況でございますので、全く自然ばかりということではないような状況でございます。
○岡田委員長 だから、観光ではないんですかね。
どうぞ。
○天野委員 川治ダムは、隣に五十里ダムというのがありますけれども、この間にバイパスのトンネルが今できていまして、取水時に、この五十里ダムというのは小さいダムなものですから、結構水を増水、確かしていると思いますので、若干負荷量がこちらの川だけで、もともとの川治といいますか、鬼怒川本川だけではないというのが一つあるかと思います。
それと、川治、川俣、確かに上流に若干温泉とかがあって観光が多いと思います。確かに集落も少しあることはあるんですね。やっぱりそういうのが入っているのかと思うんですが、ただ、そこのさっき藤木部長がおっしゃったように、将来の観光人口によって変わる可能性があるのかなと。ただ、それにしても、それを全部ゼロにしたとしても、今のCODのレベルからいくと、AA類型はなかなか自然負荷だけで厳しいのかなと。これは前にちょっとお話ししたかもしれませんけれども、CODが内部生産でできたものとは限らなくて、結構山間地の流域から入ってきているものの懸濁物とか、そういうのが結構きいているのではないかと思うので、なかなかAAは厳しいのかなというふうに感じます。
あと、これはちょっと質問なんですけれども、先ほどの深山ダムもそうなんですけれども、今回暫定目標の見直しというのは、例えば川治ダムですと、リンが0.021というのが暫定目標で、これはクリアしているのでⅠ類型に指定をするという、暫定目標をとってⅠ類型として設定をするという考えでよろしいんですかね。
○安達主査 そうですね。暫定目標を満たしていて、将来予測をしまして、今後影響がないということであれば暫定目標をとると、もともとの類型のところに当てはめていくということになります。
○天野委員 そういう意味ではリンは極めて低いんだけれども、それに見合ったCOD値ではないと、そんなところなんですかね。
○岡田委員長 ありがとうございました。
ほかにご指摘ございませんでしょうか。どうぞ。
○長岡委員 利水の関係で、利水障害は報告されていないという特記事項があるんですが、やはり藻類由来の臭気物質の状況が重要だと思うので、臭気物質とか、そういうもののデータがあると今後大丈夫かなというふうに言えるし、基準ぎりぎりだったらちょっと危ないぞという、その辺のデータがあると利水関係ではいいのかなと思います。
○岡田委員長 それは水道局に多分あると思いますから。
○安達主査 ダムの管理者の方も持っていると思いますので、そのほうでも確認できると思います。
○岡田委員長 それは確認しておいてください。
よろしいですか。まだあるかもしれませんが、実はまだあと4つ、河川から湖沼への見直しの水域の話もございますので、一応それをご紹介いただいてから全体をもう一度ご質問等をお受けしたいと思います。
では、お願いします。
○安達主査 そうしますと、ページ数でいきますと35ページのほうをごらんいただきたいと思います。
相模ダム貯水池でございまして、ここにつきましては、相模川上流部に位置をしておりますダムでございます。用途としては、農業用水、水道用水、工業用水、発電及び洪水調節を目的とした昭和22年に竣工されたダムでございます。ここについては、こちらのほうの地図を見ていただければわかると思いますけれども、山梨県と神奈川県のほうにまたがっているダムでございます。
36ページの利水状況でございます。利水状況としましては、水道用水と自然探勝とがございまして、まず水道用水なんですけれども、ここについてはかなり水を総合的に活用しているということで、複数の浄水場がございます。ただ、いずれも水道の処理につきましては基本的には急速ろ過と塩素処理ということで、水道2級相当の処理水準で処理されているところでございます。
取水地点につきましては、沼本ダム、相模大堰、寒川取水堰のところでございまして、ただ、カビ臭等の、そういったような利水障害も出ているということでございます。
続きまして、37ページでございますけれども、こちらのほうで相模ダムの流域概要図ということでございまして、上のほうから相模ダム、沼本ダム、城山ダムと、一番下は先ほど説明しました相模川の下流でございます。
続いて、38ページの相模ダムの水質状況でございます。グラフのほうをごらんいただきたいと思いますけれども、まずCODですけれども、これは、平成13年度を除きまして、平成6年度から平成18年度まで、COD75%値については湖沼のA類型相当の水質を満足しているという状況でございます。全窒素につきましては、すべて1.0の上を行っておりまして、平均値ですべてⅤ類型を超えてしまっているといったような状況でございます。全リンにつきましては、一応これも平均値高いんですけれども、基本的にはⅤ類型を満足しているといった状況でございます。
相模ダム貯水池の汚濁負荷量については40ページ、あと、対策等についても確認できたことをこの40ページの(2)のほうで載せておりまして、エアレーション設置であるとか、神奈川県のほうで今対策を打っているといったことを記述しておりますのでご参考いただきたいと思います。
続いて41ページでございます。城山ダム貯水池ということで、これは相模ダム貯水池のちょうど下のほうに設置されたダムでございまして、昭和40年に竣工されたダムでございます。
利水目的につきましては42ページにございまして、ここも相模ダムと同様、水道用水ということで、沼本ダムのところと相模大堰、相模川取水堰のところから取水をして、水道利水として使っていると。ただ、利水障害のカビ臭だったりということが発生しているといったような状況でございます。
続いて43ページの図でして、これは相模ダムと同じですので省略させていただきたいと思います。
44ページの水質状況でございます。城山ダムにつきまして、次のページの45ページを見ていただきますと、まずCODの75%値につきましては、17年度を除きまして湖沼のA類型を相当水質を満足しているといった状況でございます。全窒素も、これは相模ダムと同様、すべてⅤ類型も満たしていない状況でございます。
全リンにつきましては、これについては、13年連続してⅤ類型相当は満足しているといったような状況でございます。
続きまして、47ページの渡良瀬貯水池(谷中湖)でございます。
渡良瀬貯水池につきましては、栃木県、群馬県、埼玉県等にまたがった貯水池でございまして、これは平成5年度に竣工されて、洪水調整、流水の正常な機能の維持、水道用水を目的としたダムでございます。
ちょうど48ページのところで流域図がありますけれども、ハート形をした貯水池ということでございます。
続きまして、49ページに利水状況について載せておりまして、渡良瀬貯水池につきましては、水道用水と水産とございまして、水道用水のほうですけれども、ここにつきましては、水道2級のところと、あと高度処理をしている浄水場が混在しているという状況でございます。それで、特記事項にも書いてありますけれども、平成2年度から14年度にかけてカビ臭障害が発生しているということでございまして、そういう状況でございます。
あと、水産ですけれども、漁業権設定魚種はここに掲げてありますけれども、これについては栃木県の水産局のほうにお聞きしたところ、鮎についてはここでとれているといったことをお聞きしております。
それと、このちょっと特徴的な話なんですけれども、渡良瀬貯水池につきましては、平成9年、あと、平成16年以降、干し上げを2月から3月にかけて実施しているといったところを補足させていただきたいと思います。
それから、50ページの渡良瀬貯水池の水質状況でございます。これはグラフのほうを見ていただくとわかりますけれども、まず、CODの75%値につきましては、平成9年度以降は湖沼のC類型を満足しているといったような状況でございます。
続いて、全窒素でございますけれども、全窒素の平均値につきましては、いずれもⅤ類型を満たしていない状況でございます。次に、全窒素でございますけれども、全窒素の平均値につきましては、平成10年度以降、16年度はちょっと満たしていないんですけれども、Ⅴ類型相当の水質を満足しているといった状況でございます。渡良瀬貯水池の発生汚濁負荷量につきましては52ページのほうに載せておりますので、ご参考いただきたいと思います。
では、最後、荒川貯水池でございます。
53ページのほうにございまして、荒川貯水池につきましては、いわゆる彩湖と言われていますけれども、戸田市、さいたま市、和光市、朝霞市、志木市にまたがって設置されており、治水を目的とした直轄河川改修事業と、利水を目的にした荒川調節池総合開発事業の公共事業につくられた貯水池でございます。平成9年3月に完成しております。
それで、55ページのほうで利水状況のほうは上げておりますけれども、ここにつきましては水道用水、工業用水というふうにございまして、一部水道の利水状況の処理方法としては、朝霞浄水場については水道3級、高度処理をされていると。東村山浄水場については水道2級、三園浄水場については水道3級の高度処理がされていると。大久保浄水場については水道2級相当の処理がされているといったことで、すべて利水地点については秋ヶ瀬取水堰となっております。
56ページには、荒川貯水池の流域の概要を載せておりますのでご参考いただけたらと。ちょうど河川で言うと荒川下流のところら辺に位置しているというところでございます。
続いて、57ページの荒川貯水池の水質状況でございます。58ページのほうをごらんいただきたいと思いますけれども、CODについては、CODの75%値につきましては、湖沼B類型を、これは継続して満足しているといったような状況でございます。全窒素につきまして平均値でございますけれども、平成9年度を除きまして湖沼のⅤ類型相当の水質を満足していると。
続いて、全リンでございますけれども、全リンの平均値につきましては、湖沼の3類型相当の水質を継続して満足しているといったような状況でございます。
最後に、荒川貯水池の発生汚濁負荷量のデータのほうを載せております。
以上につきまして、河川からダム湖沼への見直し類型指定への概況説明につきまして以上でございます。
○岡田委員長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの水域、それから、必要に応じてもちろんもとに戻っていただいても結構でございますが、ご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。
どうぞ。
○小倉委員 城山貯水池の45ページのDOの最小値は非常に低いんですが、確認ですが、DOというのはどういう値なのでしょうか。表層と低層の平均をとっているのか、表層の値なのか。採水部位ですね、ごめんなさい。ちょっと昔DOが混層というか、上層と下層の平均値を使っていたような気がするんですが、それはおかしいんではないかということを申し上げたり、別の場で申し上げたりしたことがあったんですが。
○安達主査 通常は、表層のデータをとりますので、それでDOですけれども。
○小倉委員 そうですか。
○安達主査 そうですね。ちょっと確認はしますけれども。
○小倉委員 汚れているところだと、下層のDOが問題ですね。だから、別々に見なくてはいけないかなと思うんですが。表層だとすると、表層は過飽和のほうが悪い状態なので、基準値の決め方が「~以上」という決めた方は、これはどうかなというところがあると思うんですけれども、この場で話す話ではないと思いますが、ちょっとどういう数字なのかというところを確認させてください。
○岡田委員長 これは確認しておいてもらえますか。今のご指摘の問題点はここではなくて、だけれども重要な問題で、別のところで議論されていると思いますから、必要に応じてそのお話をいただければと思います。
ほかにございますか。どうぞ。
○花里委員 相模ダムのことなんですけれども、39ページのところをちょっと見てお話をしたいと思います。ここ、T-Nが1mg/lを平均でかなり超えていますし、T-Pも0.1に近いところですね。これだけあってCODが3を下っているというのがとっても不思議なんです。これは、もしかしたらエアレーションをしているということがきいているのかなと思うんですけれども、まずはどうしてNとPが高いのにCODが低いのかということをちょっと検討していただきたいんですけれども、もしエアレーションしていることが功を奏していてCODが低いとするならば、人工透析をしていて健康な状態になっていて、これは健康体だと言っているような気もするんですね。ですから何かこういう、もちろんいい状況を保つためにエアレーションするのはもちろんいいんですけれども、こういうことで今はきれいなところが保たれる、窒素、リンが多いのに、それでCODが低いから類型をそれに合わせるというのは何かちょっと違和感があるんですけれども、いかがでしょうか。
○岡田委員長 どうぞ。
○辻原課長補佐 城山ダム、それから相模ダムにつきましては、今はまだ整理中のところもございますけれども、ご指摘のとおり、N-Pのレベルに比べるとCODが少し低いということがございます。よくΔCODという計算手法がございますけれども、それでやってみるとかなり乖離がございますので、そこはバックの効果が伺いあるのか、あるいはダムの構造的な形の影響なのかという、ちょっとその辺はまだよくわからないところがありますので今精査をしているところでございますので、実際にここのご検討をいただくまでには整理をして、その辺も少しご説明をしていきたいというふうに思っております。
○岡田委員長 難しいことですから、できる限り。それは花里先生、十分わかっていると思いますから。
○花里委員 ただ、ダムの形という話でしたけれども、ここは昔、物すごくアオコが出ていて、やっぱり汚れるところであって、そのころはCODはもう少し高かったんだと思うんですけれども、よろしくお願いします。
○岡田委員長 重要な視点だと思いますから、それはデータをそろえて議論させていただきたいと思います。
どうぞ。
○天野委員 花里先生がおっしゃったことに関連してなんですけれども、この相模ダムと城山ダムは、昔からアオコで有名なところなんですね。私も行ったことはないんですけれども、滞留時間が短いですね。相模ダムなんて両方2週間程度しかないので、このリン、窒素が高いのがプラントにとらえていなくてそのまま流れているだけなのではないかと。例えばリン酸はそのまま流れている可能性もあるので、そうすると、ある意味湖沼にするのがいいのかどうかというふうにもちょっと考えられますね。
この滞留時間というのを、前私もちょっとお伺いしたときに、たしかボリュームで基本的に考えているという話だったと思うんですけれども、滞留時間が2週間、これ平均と書いていますけれども、どう算定したかにもよるんですけれども、例えば総貯水容量を、分母か分子か今すぐ思い出せませんけれども、したとするとちょっと長めに計算されると思うんですね。実際満タンになっているということはないと思いますので、ダムの場合ですね。だから、実際の滞留時間はもうちょっと短いのかなとか、夏場は流量が多いのでもう少し短いとなると果たして湖沼の対応でいいのかなというふうにちょっと思うところなんですが、その滞留時間をどう考えるかということについてちょっと教えていただきたいんですけれども。
○辻原課長補佐 滞留時間につきましても、湖沼にするかどうかというところの要件になっておりまして、4日間という、一応そういうことになっています。ですから、4日はかなり短いんですけれども、一応そこは4日まで見るということでやっております。先ほどの花里先生のご質問とも関係するような点でございますので、その辺についてはまた再度整理してお示しをしたいというふうに思っております。
○岡田委員長 両方とも非常に重要な視点ですので、よろしくお願いします。
どうぞ。
○長岡委員 先ほどと同じなんですが、やはりこのカビ臭の問題が非常に深刻ですので、データでカビ臭を示してもらいたいということと、あと、利水状況で、これは施設で水道2級と書いてありますので、実際は活性炭をかなり入れていると思いますので、その辺の状況を生データ、それを参考までに示してもらえると状況がわかりやすいかなというふうに思います。
○安達主査 基本的には急速ろ過と塩素処理なんですけれども、ただ、そういったカビ臭が出るときには、その水質基準を満たしたときには、粉末活性炭を不定期的に投入するといったようなことも聞いておりますので、それはちょっと確認できる範囲のところでと思っております。
○岡田委員長 どうぞ。
○天野委員 渡良瀬貯水池なんですけれども、これは今河川のBで、予定としては、提案としては湖沼のBにするというお話なんでしょうか。それともこの51ページの図を見ると、CODは、BはクリアしていなくてCはクリアしているように見えるんですが、これは予定としてはどういう類型にしようという予定なのか教えていただきたいんですが。
○辻原課長補佐 49ページに、一応利水の現状ということで整理をしております。それぞれ水道、水産というふうにございまして、おおむねAのⅡ相当のものがこの下流で存在するということですので、今までのルールどおりにいくとAのⅡということで非常に厳しい類型にはなるということでございます。
ただ、ここにつきましては、干し上げを今されておりまして、その結果、かなり付着藻類といいますか、そういったものの出現頻度が低くなってきているということもありますので、その辺、将来的にどうなのかといったことも少しあわせて考える必要があるのかもしれないのかなというふうに思っております。
○天野委員 干し上げとおっしゃいましたけれども、確かにやっているんですけれども、その前から水の入れかえというのは春先にやっていまして、それは多分水質にきいているんですけれども、ほし上げ自体は余り水質のほうはきいていないと思っているので、それは関東地方整備局は違うことを言っていると思うんですけれども、渡良瀬貯水池は、ちょっと私いろいろ研究したことがあるんですけれども、ちょうど平成6年ぐらいからずっと水質がよくなっていると思うんですけれども、隣に谷田川という小さな川がありまして、そこの水がかなり取り込まれていたんですね。渡良瀬貯水池というのはちょっと不思議なところで、川に直通していなくて、川の隣にできた、川の隣に穴を掘ってできた貯水池なんですね。ですから、水門を通して水を引きずり込んでいまして、昔は谷田川というほうからほとんど水が入っちゃっていたんですけれども、その水が悪くて、そこの入り口のところに、縦方向に仕切りをしまして、渡良瀬川水が入るようにしたんですね。それによってかなりリンの濃度とかも下がったという経緯があります。今は、そういう意味では水質はかなりそれでよくなったというのがあって、水質がよくなったのはそれが多分一番きいているというのが今までの現状なんですね。
それと、谷中湖というのは、非常に夏場に水位を下げまして、洪水用に水深が3メーターぐらいになるんですよ。そうしますと、途端に下から回帰が起こってそれで水質が悪くなっているというのがありますので、巻き上がりがある限り、水位3メートルにしている限りA類型はどうあがいても、入る水がきれいになってもまず無理だと思います。
○岡田委員長 これはいいですね。事務局のほうでもある程度ご存じだと思いますが、それを踏まえて次に向かってデータの整理をお願いいたします。
ほかにございますか。
では、井上先生、最後。
○井上委員 すみません、私ばっかりで申しわけありません。
最後の荒川貯水池なんですけれども、1点、59ページですけれども、産業系のCODからT-Pの値が全部同じ値になっていますので、これは転記ミスか何かだと思います。
それで、質問したいことは、これ人的操作によって自然流下の流入河川は存在しないということになっているんですが、ポンプで入ってくるのが利根川の流入区からということでよろしいんでしょうか。そうすると、生活系、家畜系とかにこの値が出ているのは、これはどうやって入ってきたものというふうに整理されて値が出ているんでしょうか。
○岡田委員長 事務局から、どうぞ。
○辻原課長補佐 ちょっとこの辺はまた精査いたしますけれども、基本的には荒川の水を入れていくという、通常時はですね、ということになっているかと思いますので、その辺案分で恐らくやっているということになるかと思いますので、そこはまたチェックをさせていただきたいと思います。
○岡田委員長 これはご確認ください。
少し予定よりも延びていますので、ちょっと先に進ませていただいて、というのは、次の議論も見直しの検討方法等の本質論がございます。そちらをご紹介いただいてからもう一度全体に戻ってご議論いただければと思います。
では、議事3のその他で、事務局で参考資料ということで用意されていますので、ご説明をお願いいたします。
○辻原課長補佐 すみません、資料の5というのがございます。水域類型の見直し検討方法についてということでございまして、こちらにつきましては、前回の最後に参考資料でご提出をいたしましたものについてご意見をいただきまして、また再度今回修正をした上でこれでよいかということをごらんいただくということでお話をしていたものでございます。
きょうは、前回のものもつけておりますのであわせてごらんいただきたいと思うんですけれども、この資料を作成したそもそものきっかけでございますけれども、今までこういう形で河川の見直し、上位類型に上げていくものをずっと続けてきたわけでございますけれども、基本的にこれまでの結果を見ますと、上に上げたものにつきましてはほぼ問題なくその後も水質が推移しているということがございます。この辺につきましては、日本全体で見ても、現在は人口減少局面にあるとか、あるいは産業の構造、工業系につきましても畜産系につきましても特異的に何か急激にふえるというふうな要素が余り見られないだろうと、そういったことが全般的に影響しているんだろうということで、そういったトレンドを少し重視して考えていってはどうかということでご提案をしたものでございます。
それで、前回、少し書きぶりの話であるとか、あるいはもう少し検討を要するところがあるのではないかというご意見をいただきましたので、その辺を修正しております。一応全部またご説明したいと思いますけれども、そういった背景があるということで、今後の人口の動態、あるいは産業の状況、それから下水道等の生活排水整備状況、これがいずれも水質を改善するような方向にある河川における類型の変更の検討、これは迅速化していきたいと、こういうことでございますので、これまで見直しの前提とした水質に関する条件、これが過去において上位類型を5年以上、これはB類型以下が当てはめられている水域に適用でございます。あるいは10年以上、A類型が当てはめられている水域に適用、将来の水質に影響を与える要素を勘案いたしまして、原則として以下の条件にすべて合致していた場合には、将来の水質予測の検討については省略をして、上位の類型を当てはめることとしたいというものでございます。
このあたりの前回との変更点でございますけれども、5年、10年、どういう場合かよくわからないというご指摘がございましたので、これにつきましては明記をしております。5年につきましては、B類型以下が当てはめられている水域に適用すると。10年以上というのは、A類型が当てはめられている水域、これをAAに上げる場合ということでございますけれども、そういったときに当てはまるということでございまして、これにつきましては、以下すべて同じ考えということでございます。
確認すべき事項でございますけれども、人口5年以上あるいは10年以上の間、横ばいあるいは減少している。または、人口が増加している場合にも、下水道等の普及によって、生活系排水による汚濁負荷が減少することが確実であること。
それから、産業の状況でございます。これは、出荷額、生産量などが5年以上あるいは10年以上の間、横ばいあるいは低下しており、かつ今後大きな開発計画等がないこと。
それから、家畜頭数が、5年以上あるいは10年以上の間、横ばいあるいは減少していること。この辺、前回家畜も産業系に含んでお話をしておりましたので、この辺は少しわかるように書いてございます。家畜等、家畜産系につきましても、同様の傾向が示されていることということを書いております。
それから、土地利用の用途、これにつきまして、今後大きな変更が生じるような開発計画等がないこと。
それから、最後になりますけれども、5年以上あるいは10年以上の間、当該水域での水量が減少傾向になく、かつ当該水域での取水等の状況(取水量、取水方法等)が今後も大きく変わらないと見込まれること、こういった要素すべて満たしていれば、詳細な水質予測の検討については省略をして上位の類型を当てはめることとしたいということでございます。
これらの要素につきましては、基本的には水質予測を行っていく上での基本的に確認をしていくべき事項でございます。これらが確認をされれば、基本的には発生負荷量は減少傾向にあるということでございますので、あわせてその水量の状況が変わらなければ、水質については悪化することがないというのは明白であろうということでこういったことを書かせていただいております。
それから、今後の検討課題でございますけれども、今まで5年、10年ということで見直しの目安にしていたわけでございますけれども、これについてももう少し工夫ができないのかと、ある一定の条件を満たせば、こういった条件を満たしていなくても上に上げていくといったことが迅速にできないのかといったご指摘をいただきました。これにつきましては、今回の検討と並行いたしまして、過去の実態等も見まして、どういう条件であれば、その後問題なく水質が推移していくのかといったようなことも少し整理をいたしまして、この辺見直しができるかどうかといったこともあわせて検討していきたいというふうに思っております。
以上、前回のご指摘いただいたことを踏まえました文言の修正等でございます。実際今回、では河川につきましてどういったことになるのかというのを参考資料としてその後にお示しをしております。
まず、相模川下流でございますけれども、BODの発生負荷量の割合でございますが、ざっと言いまして生活系が半分近くございます。半分ぐらいが土地系、あと残りわずかを産業系、家畜系というふうなものが占めるということになっております。人口の状況でございますけれども、微増ということで推移をしております。100万人近くまで微増ですけれどもこの10年余りふえてきているというふうな状況でございます。
それから、製造品出荷額でございますけれども、こちらにつきましては、平成に入りましてかなり減ってきているというふうな状況がございます。最近、若干ふえる傾向がございますけれども、従前に比べるとかなり減ったような状況にあるということでございます。
それから、家畜頭数、2ページ目でございますけれども、こちらは一貫して減っているという傾向にございます。
それから、土地利用用途、面積別の経年変化でございますけれども、これは基本的には変わらないといった状況を示しております。
それから、流量、河川流量と取水の状況ということでございます。こちらをごらんいただきますと、河川の流量を図の1.6に示しております。3つ線が入ってございますけれども、黒丸であらわしているのが年平均流量、それから5カ年移動平均、3カ年移動平均ということでグラフをつくっております。
それから、その次のグラフとして、年平均放流量、流入量ということでございますけれども、これは寒川堰における放流量、流入量ということで、この差分がおおよそ取水の量に当たるというふうなことでお示しをしております。
こういうことでございまして、人口につきましては多少移動があるということでございます。それから、流量につきましては、基本的には増加傾向にあるということで、減少傾向にはないということになっております。
次に行きまして、筑後川でございます。筑後川の発生負荷量でございますけれども、土地系が半分強を占めるということでございまして、残り大部分を生活系と家畜系が占めているという状況でございます。
人口の動態でございますけれども、最近はかなり平行的になってきておりますけれども、10年間程度で見ますと微増というふうな傾向にございます。
それから、製造品出荷額でございますけれども、これも平成10年以降少し減ってきているような傾向がございます。ただ、15年、16年につきましては多少ふえているというふうなところもございます。
それから、家畜頭数、これは一貫して減っているという状況でございます。
それから、土地利用、これは多少変動はあるように見えますけれども、基本的にはここ数年ぐらいは移動がないというふうな状況でございます。それから、ここはやはり流量が一番問題になってくるところでございますけれども、平均流量をつけております。5カ年平均、3カ年平均を見ていただきますと、平成10年、9年から平成14年ぐらいまでにかけては少し減少傾向にあって、14年からは多少ふえてくるというふうな傾向にございます。
ちょっと水質が悪くなったのが平成17年ということでございまして、この辺は年平均流量の移動平均でないほうを見ていただきますと、やはりちょっと17年は、この4、5年の中では流量が少なかったということで渇水の影響が見られるというふうなことが言えるのではないかというふうに思います。
それから、次に移りまして、渡良瀬川でございます。
こちらは生活系が過半を占めるということでございまして、家畜が少しございます。残りが土地系ということで、およそ34%、3割強を土地系が占めるというような状況でございます。
フレーム、人口でございますけれども、こちらは横ばい、あるいは微減といったような状況でございまして、ここの地域につきましては人口が増加にはないというふうなことが見てとれるかと思います。
それから、製造品出荷額でございますけれども、これも平成10年以降減少傾向にあると。16年は若干ふえているということがございまして、この辺はほかの地域と似たような状況でございますけれども、長期的には減っているという状況でございます。
それから、畜産でございますけれども、平成6年当時から比べますと、約4,000頭ばかりふえておりますけれども、ここ4、5年につきましては15万頭後半から16万頭ぐらいの間を行き来しているというふうな状況にございます。
それから、土地利用でございますけれども、こちらも基本的には余り変化はないのかなと。若干山林が減ってくるような傾向も見えますけれども、基本的にはここ数年では同一であろうというふうなことが見てとれます。
それから、流量の変動でございますけれども、多少ジグザクはございますけれども、基本的には5年平均、3年平均、移動平均を見ますと、一旦ふえて、多少減っているところもございますけれども、ほぼ一定の流量は確保しているというふうな状況があるのではないかというふうに考えております。
以上を踏まえますと、この3水域の中では、恐らく渡良瀬川の(2)というものが、とりあえずは条件を何とか、全部の条件を満たすのではなかろうかというふうに考えております。この辺についてご意見をいただければというふうに思っております。
以上でございます。
○岡田委員長 ありがとうございました。
それでは、今のご説明に関しまして、ご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。
どうぞ。
○藤木委員 念のための確認なんですが、これは資料5にありますように、河川における類型変更の検討に適用したいということですね。ですから、湖沼は一応除外されると。それで、資料5の下の2にありますように、要するに5年以上あるいは10年以上満たしているかどうかの運用がなかなか難しくて、先ほどの異常値の問題が絡むんですね。これは提案ではなくてお願いなんですが、先ほども事務局のほうで資料整理をやっていただきたいというお話があったと思うんですが、経済社会フレームはそんなに大きくは変わらない、例えば5年なら5年でもいいですし、場合によっては10年でもいいんですが、全体のデータを1カ所に集めて、河川の場合それで75%値を計算してみていただきたいんです。場合によっては非常にデータ数が少ないわけですから。多くの場合でも月1回で、年に12個しかないんですね。ですから、それぞれの年の75%値だったり、平均値もそうなんですが、統計値そのものがかなり揺らぐと思うんです。だから、各年ごとに見るというのはもちろんあるんですが、全体をまとめてアンサンブルで見て、75%値ではどれぐらいクリアするかしないかというのは一つのメルクマールになるかもしれないと、参考値としてですね。これは簡単に計算できると思いますので、是非やっていただきたいと思います。
ついでに言うと、議論とは離れるんですが、湖沼についてもそういうのをちょっとやってみていただいたらどうかなと。平均値の場合は異常と思われる値を入れた場合と入れない場合でどれぐらいずれるかとか、そういうのがあると皆さんで検討するときの材料になるんではないかという感じがしましたので、お願いでございます。
○岡田委員長 よろしいですね。お願いいたします。
ほかにございますか。
余計なことですけれども、若干気になるのは、今平均流量が出ていますね。ご承知のように、気候変動によって流量変動の幅がふえるという話が出ていますね。豪雨と渇水、それは水質にどう影響があるか、ここの議論ではないかもしれないけれども、若干平均値だけ見ていいのかなというのは気になるところはあります。
○長岡委員 これは今のところですけれども、これは平均流量なんですか、低水流量のほうが普通のような気がするんですけれども、何で平均流量なんですか、このデータは。
○辻原課長補佐 予測をするときのやり方として、まず平均流量で割ってみると、それと、平均流量と低水での低水時というか、75%ですね、75%値とその平均水質の間に相関があるということを確かめた上で75%を平均水質から出していくというふうなことをしております。ですから、今までの予測のやり方の前提として、基本的には平均流量を見ていくということをやっておりますので、そこで一応このデータをお出ししているというところでございます。
○岡田委員長 ほかにございますか。もしあれでしたら、若干時間もありますので、資料4のもとのほうの各水域についてのご指摘もいただければと思いますが。
どうぞ。
○天野委員 ちょっとすみません、もとに戻っちゃうんですけれども、今の参考資料の7ページで、渡良瀬川の図3.4というのがあって、家畜はちょっとふえているような傾向がありますね。BODは確かに下がってはいるんですけれども、これだけ家畜がふえるとちょっと窒素、リンはデータがないのでわからないんですが、窒素とかリンの濃度は上がる可能性があるんではないのかとちょっと思いまして、河川であれば確かにBODなんかに余りすぐには影響が出ないですけれども、例えば下流に貯水池とかあった場合に、それは影響として出てくると思うんですね。ですから、河川のそこの場所としては、BODを考えている限りにおいてそんなに気にしなくていいのかもしれませんが、結局下流の閉鎖性水位とかがあったときには影響が出るだろうということで、河川の置かれている場所の、基本的には発生負荷量がふえないからいいんではないかというのもいいと思うんですが、下流側の水域の状況というのは考えたほうがいいんではないかと思うんですが、それがそこの場所の類型指定に影響するのかどうかちょっと私もわからんのですけれども。
○岡田委員長 どうぞ。本来別ですよね、今のところは。
○辻原課長補佐 本来は別ではあるんですけれども、たまたまといいますか、下流に遊水池がございますので、今回あわせて検討ということにしておりますので、その辺の関係については当然ですが少し整理をさせていただきたいと思います。湖沼のほうで見ていただくということになると思います。
○岡田委員長 ありがとうございました。ほかによろしいですか。
どうぞ。
○田尾委員 製造品出荷額等のデータがありますけれども、これはいわゆる工場とかそういうところだと思いますけれども、それ以外に例えばいわゆる町のレストランですとか、いわゆる経済活動に伴う活動というのはどの程度これに反映されるものなのか、それとも、規模としてそういうのは無視してもいいぐらいこちらのほうを考えればいいということなんでしょうか。
○辻原課長補佐 恐らく、大半の部分は下水道に入ってくるということになります。負荷量算定上は点源ということで下水道の負荷ということになるわけですけれども、その辺は恐らく人口規模と比例をしているだろうということで、とりあえずは考えているところです。
○岡田委員長 よろしいですか。
それでは、今、資料5でご説明いただいた水域類型の見直しの検討方法についてということで、基本的に今後このご提案いただいた方法で実施すると。とは言っても、2.にあるように、こちらのほうはまだ、これ文章自身が検討を要すると書いていますから当然検討を続けるということで基本的にご了解いただいたということでよろしいでしょうか。
それでは、そういう形で今後お願いいたします。大分楽になりますかね。変な言い方で恐縮ですが、無駄なことをすることはないと思いますのでこれでやってみて、もちろん何か不具合が出てきたらそのときまた検討することが絶対ないとは言えないかもしれませんが、基本的にこれでお願いいたします。
以上ですが、その他、全体を通じて先生方から何かご指摘、ご質問残っていることございますでしょうか。
どうぞ。
○小倉委員 この見直しというか、類型のそもそもの目的といいますか、それによって見直しをする必要が本当にあるのか、特にもう最低限必要なところをクリアしているとすれば、例えばB類型でクリアしているところを何でAにしなければいけないかという話が千葉県の行政のほうから素朴な質問といいますか、ありました。私もちょっと前回質問させていただいたんですが、そのときには利水というのと非悪化というその2つで決めて、その非悪化というほうのために上げたという、上げる必要があるんだというご説明だったんですが、その辺のところで、本当にそういう必要があるのかというような、利水をクリアすればいいではないというのが地元のほうからの素朴な感想として出ておりましたので。
○岡田委員長 今、そういうルールになっているんですよね。
○辻原課長補佐 恐らく哲学だと思いますので、そこを変えるというのは非常に大きな話ではないかなと、私だけで考えられる話ではとてもないなということかと思います。ということですので、基本的には非悪化ということでこれまでもやっておりますので、一担当者としてはそれに従ってやっていくという以外にはないかというふうに思っております。
○小倉委員 現場の素朴な感想としてそういうのが出ていましたので。
○岡田委員長 ただ、非悪化の原則はおかしいんではないかと、感想だけではなくて、かくかくしかじかでおかしいというような意見がたくさんあればそれを知りたいんですけれども。
○小倉委員 悪化していいという話では決してないんですが、その非悪化というほうをとるんでしたらば、千葉県の場合ですと水道水源だから全然見通しの立たない基準値を設定されている堰もあるわけですし、その辺を杓子定規に水道水源だからということで決めるよりも、もう少し希望が持てるような基準を決めるほうがやる気が出るかもしれないとか、そういうような意味があると思いました。
○岡田委員長 今、2つの違う議論が一緒に入っていますね。非悪化原則の話と水道を使うんだからこの類型にすると、それは現実と随分離れているというのは、これはまた別の議論になると思いますが、何か。
○辻原課長補佐 恐らくCODのお話しだろうと思うんですけれども、これは非常に大きな問題でして、CODをどうするのかというところのお話になってしまうので、とりあえずこの専門委員会の中ではそこまでご議論いただくのは少し私のほうから言うのもあれですけれども、範囲の中には入っていないのかなという気はいたしますが、ただ、そういう問題点があるということはご指摘をできればいただきたいというふうに思っております。今回もCOD関連の湖沼があるわけでございますので、そういったことで本当にCODで今後もこれで行っていいのかといったところは事務局のほうとしても、全く何も考えていないということではございませんので、先生方のご認識の中でこうすべきというふうなものがあればぜひその辺はご意見をいただきたいというふうに思っております。
○岡田委員長 ありがとうございました。ほかによろしいですか。
ちょうど12時になりましたので、事務局のほうでほかに何かございますでしょうか。
○辻原課長補佐 すみません、それでは、今後の予定でございます。次回の日程につきましては、今後調整ということではございますが、おおむね二、三カ月後を目標に今回いただきました宿題のほうも整理をいたしまして、次回の審議のほうに入っていきたいと思います。日程につきましては、後ほどまた事務的にお伺いいたしますので、調整のほうをいたしたいというふうに思います。
それから、本日の議事録でございますけれども、すみません、また作成次第ごらんいただくことになるかと思いますので、そちらのほうもよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○岡田委員長 では、日程は今後調整ということなので、よろしくご協力のほどお願いします。
それから、当委員会の運営方針で、議事録を作成して、それから公表するということになっています。後日、事務局から議事録案を作成して、各先生にお送りいたします。ご発言内容についてご確認をお願いいたします。最近長いので大変だとは思いますが、ぜひよろしくお願いいたします。
では、これで本日の議事を終了したいと思います。どうもありがとうございました。
午後12時03分 閉会