中央環境審議会水環境部会総量削減専門委員会(第9回) 議事録

議事録

午前10時00分 開会

【山田係長】 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境部会第9回総量削減専門委員会を開会いたします。委員の皆様におかれましてはお忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。

 本日の出席状況でございますが、委員16名中、現在のところ、10名の御出席をいただいております。委員の皆様につきましては、お手元にお配りしております名簿をもって御紹介にかえさせていただきます。本日、細見委員、足利委員、鈴木委員、高澤委員、西村委員から御欠席との連絡をいただいております。

 続きまして、資料の確認をさせていただきます。議事次第、配席図の次、資料1が名簿、資料2がパブコメの意見等の対応について、資料3が専門委員会報告案、資料4が前回指摘事項となっております。

 また、参考資料1として、専門委員会報告案のパブコメ案からの見え消し版、参考資料2として、瀬戸内海環境保全特別措置法の改正の概要をつけてございます。

 不足がございましたら事務局にお申しつけください。よろしいでしょうか。

 本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づきまして公開とさせていただいております。プレスの方々は、これ以降の写真撮影等はお控えいただきますようよろしくお願いいたします。

 それでは、この後の議事進行につきましては岡田委員長にお願いしたいと思います。委員長、よろしくお願いいたします。

【岡田委員長】 了解いたしました。おはようございます。

 委員の皆様方には大変御多用の折、また雨の中御出席いただきまして誠にありがとうございます。

 それでは早速、議事に入りたいと思います。最初の議題は、第8次水質総量削減の在り方についてです。事務局から御説明をお願いいたします。

【石川室長補佐】 それでは、まず資料2について御説明をいたします。資料2をご覧ください。

 1ページ目ですけれども、前回の専門委員会でまとめていただきました「第8次水質総量削減の在り方について(総量削減専門委員会報告案)」というものについて、9月7日から10月6日までの間、パブリックコメントを実施いたしました。

 意見の提出の状況ですけれども、提出者としては7の個人及び団体、それから意見数としては27件でございました。寄せられた御意見の概要と、それに対する考え方の案は、1枚めくっていただきまして別紙として横のスタイルで整理しております。このナンバー1から順番に御説明を差し上げたいと思います。

 この表の見方ですけれども、ナンバーが一番左端に書いておりまして、その横に報告案の該当箇所といたしまして、それぞれのページですとか、章というものを整理しております。真ん中の辺りに御意見の概要ということで寄せられた御意見の概要を書いております。それからその右の欄の件数というところに寄せられた意見の件数を書いてございます。それから一番右の欄に、御意見に対する考え方の案を記載しております。

 まず、ナンバー1の意見の概要ですけれども、汚濁負荷量算定の根拠となります原単位が実態よりも過小であるというふうに考えられる。総量削減計画に用いる原単位を修正して、その修正した汚濁負荷量に基づく報告を作成する。今後、その修正した原単位を示すか、または各県に原単位を決定させる方針とすべき。以前から使用されている原単位での汚濁負荷量とともに、最新の科学的知見を参考にした原単位を用いた汚濁負荷量を併記して、幅広い視点から状況を判断すべきではないか。というような御意見を2件いただきました。

 御意見に対する考え方といたしましては、ここに記載しているとおりでございますけれども、原単位については、継続性や各地域の状況等を総合的に勘案して、適正な値を用いることが重要と考えています。報告案で示された汚濁負荷量は、各自治体からの報告をもとに算定しておりまして、一部の自治体ではその原単位を独自に設定されているなど、地域の実情等を踏まえた設定を妨げているというものではありません。なお、今後の課題といたしまして、4-3(1)調査・研究の推進というところがありまして、これは資料3の23ページに該当するんですけれども、その箇所に、水質汚濁に影響を及ぼす要因、括弧して、陸域からの汚濁の負荷であるとか、あとは中ほどのほうに、流域のつながりなどに着目をして、科学的な見地から各種調査・研究を推進する必要があるというふうに記載しておりまして、流域のつながりを含めた陸域からの汚濁負荷についても、科学的な知見から調査・研究の推進が必要と考えているというふうに整理をしてございます。

 それからページをめくっていただきまして、2ページ目、ナンバー2の意見でございます。これは資料3でいいますと、10ページの一番最後のパラグラフのところで、取組の実施状況ということで、大阪湾を除く瀬戸内海での順応的管理の事例を整理したところでございますが、このところについて、大阪湾の淡路島側では貧栄養によるノリの色落ちや生物生産性が低下していて、下水処理場における栄養塩管理運転を行っているため、10ページのまた以降の部分については、大阪湾を除くというものを削除して、瀬戸内海全体として書くべきではないかというような御意見でございました。これに対しての考え方ですけれども、この文章では、湾・灘ごと、それから季節ごとという状況に応じた取組というものに焦点を当てておりまして、その代表的な例として季節別の運転管理、具体的には冬季における規制の範囲内での窒素排出量増加運転ですけれども、を行っている下水処理場の取組を記載したものであります。なお、大阪湾における対策の在り方については、第4章の対策の在り方のところで窒素・りんの環境基準の達成状況を勘案しつつ、特に有機汚濁解消の観点から必要な対策を推進する旨を記載していますということで整理をしております。

 それからその下のナンバー3の部分であります。これは資料でいうと11ページになります。この11ページの(2)、(3)で、窒素とりんに関して水質濃度の状況を整理しているところでありますけれども、大阪湾を除く瀬戸内海での窒素の濃度というものについて、ほぼ横ばいというふうに整理をされているけれども、1990年代後半から低下傾向が見られるということで、ほぼ横ばい傾向というよりは詳しく見ると1990年代後半からは低下傾向に見えるなど、そういうような表記にしていただきたいというようなこと。それからその2つ目のパラグラフでありますけれども、窒素・りんの環境基準や、その排水規制の枠組みが設けられた平成5年ごろはⅠ類型とⅡ類型の間に相当する値であったものが、近年ではⅠ類型を下回るレベルにまで低下していると。このような大きな変化を横ばいと見るのは、環境基準の類型そのものの否定であるというような意見をいただきました。これについては2件のご意見をいただいております。

 これに対する考え方でありますけれども、今回の報告案では客観的に整理をするという観点から、瀬戸内海だけではなくて、全ての海域で広域総合水質調査のデータを用いたグラフをもとに、水質濃度の一次近似式から求めた変化量の割合によって、水質濃度の状況に係る記述を5段階に分けております。具体的には上昇、やや上昇、ほぼ横ばい、やや低下、低下の5段階であります。なお、その瀬戸内海については、後ほど御説明しますけれども、瀬戸内海環境保全特別措置法の改正を踏まえて、水質濃度の状況を含めた詳細な検討がなされていくものと認識しています、というような形で整理をしております。

 続きまして3ページ目、ナンバー4の部分です。資料でいいますと、資料3の20ページ、対策の在り方に関する部分でございます。こちらの4-1、指定水域における水環境改善の必要性の部分につきまして、総量規制の対象海域では窒素及びりんの環境基準の達成率は高まっている。一方で、漁獲量の減少が顕著に見られる。窒素・りんは、この水質汚濁の原因物質になると同時に栄養源でもあります。というようなことから、削減目標量は現状を維持して、浅場・干潟・藻場の造成を図り、本来海域が持つ物質循環機能を利用して、漁業生産を維持しながら水質保全を図るべきではないかというような御意見であります。

 これに対しての考え方でありますけれども、まず4-1というところでは、環境基準の達成状況を踏まえて、各指定水域における水環境改善の必要性を記載しております。第8次水質総量削減の削減目標量については、この第7次水質総量削減の目標年度、平成26年度でございますけれども、この汚濁負荷量の状況を踏まえて、今後検討されることとなります。なお、4-2、対策の在り方の(2)というところでは、干潟・藻場の保全・再生等を通じた生物多様性・生物生産性の確保の重要性にかんがみ、総合的な取組を推進していくことが必要である旨を記載していますというふうに整理をしております。

 続きまして、ナンバー5の御意見でございます。水環境改善の必要性について、こちらも4-1の部分でありますけれども、生物多様性・生物生産性の確保にも着目する必要があり、以下のとおり修正すべきということで、生物多様性・生物生産性が失われているということを追記すべきではないかというような御意見でありました。

 その考え方につきましては、生物多様性と生物……これは生物生産性の間違いです。申し訳ございません。生物生産性の確保は重要であると認識しておりまして、4-2の対策の在り方についてその旨を記載しているほか、先ほどご覧いただいた4-3の今後の課題のところで、栄養塩類の円滑な循環等に着目をして各種調査・研究を推進する必要がある旨を記載しておりますというふうに整理をしております。

 それから4ページ目に進んでいただきまして、ナンバー6の御意見でございます。こちらも資料3でいいますと、20ページ、4-1(2)の大阪湾の部分であります。この大阪湾においてはというところで、有機汚濁の解消の観点からというような記述を書いておりますけれども、その部分について、湾奥部においては、というふうに限定すべきではないかというような御意見でありました。

 それに対する考え方としましては、大阪湾におけるCODについては、湾奥部で環境基準を達成している一方で、湾央部及び湾口部ではその達成率が低いため、対象を湾奥部に限定することは適切ではないと考えておりますというふうに整理をしております。

 続きまして、7番目の御意見であります。こちらは4-1(3)、大阪湾を除く瀬戸内海に関する記述であります。今現在は、水質が悪化しないように必要な対策を講じることが妥当というふうに整理しておりますけれども、生物生産性の向上の観点から、栄養塩の適正運用に転換するということが妥当であるというような変更をするべきではないかということ。その理由としては、CODが効果的に削減されていないことや、窒素・りんの削減によって生物生産性が低下すること、そういったことから、栄養塩の適正な供給という観点で述べられるべきではないかというふうな御意見でした。

 これに対する考え方といたしまして、大阪湾を除く瀬戸内海での対策の在り方については、次のページにありますけれども、4-2(1)イ、資料3でいいますと21ページ目の一番下の部分です。大阪湾を除く瀬戸内海においてはというところで、このような生物多様性・生物生産性の確保の重要性にかんがみ、季節別運転管理など、湾・灘ごと、季節ごとの状況に応じたきめ細やかな水質管理というものを書いているということで、こういったところで生物生産性・生物多様性については書いておりますというような整理にしております。

 5ページ目に行っていただきまして、ナンバー8であります。4-2の記述、これは資料でいいますと、20ページの一番下の部分であります。ここのなお以下のところに、瀬戸内海環境保全基本計画の閣議決定を書いておりますけれども、この部分について本年9月にその根拠となる瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律が成立したということを踏まえて、その関係の記載をすべきではないか。具体的には、基本理念が新設され、それから附則において栄養塩類の適切な管理に関する調査・研究に関する記述があると、そういったところを踏まえた記述に修正すべきではないかというような御意見でありました。

 これについては、御意見を踏まえ、4-2の対策の在り方の該当部分を以下のように修正しますということで、このなお以下ですね、この下線が書いてあるところを追記したというようなイメージであります。平成27年10月に、瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律が施行され、同法と同計画では、瀬戸内海の環境の保全というものは、その有する多面的価値や機能が最大限に発揮された豊かな海とすることを旨として行うことということを追記いたしました。

 ここで、参考資料2のほうに、今御説明しました瀬戸内海環境保全特別措置法の改正の概要という1枚ペーパーをつけております。先月の2日に公布・施行されたものであります。概要につきましては、ポイントだけ御説明差し上げたいと思いますが、まず一番上に基本理念の新設というふうにございます。基本理念として、3つ掲げられているんですけれども、まず①の部分です。瀬戸内海というものを多面的な価値や機能が最大限に発揮された豊かな海とする。それから2番目といたしましては、規制の措置のみならず、例えば干潟・藻場の保全・再生ですとか、瀬戸内海を豊かな海とするための取組を推進するための措置を合わせて講ずる、総合的に計画を推進するということ。それから3番目といたしましては、瀬戸内海の湾・灘、その他の海域ごとの実情に応じて、こういった施策は行いますというようなことが基本理念として盛り込まれております。

 それからその下については、基本計画と各府県のほうで策定いただく府県計画に関する改正がなされております。特に府県計画について、右側のほうが府県計画ですけれども、府県計画を定めようとするときに、湾・灘、その他の海域を単位として関係者により構成される協議会、括弧して、湾・灘協議会というふうに書いておりますけれども、その意見を聴き、広く住民の意見を求めるなど、必要な措置を講じることというような規定が新しく盛り込まれております。

 それからその下の具体的な施策の追加等ということで、例えば漂流ごみ、海底ごみの除去ですとか、水産動植物の繁殖地の保護・整備、水産動物の種苗の放流、そういった施策が盛り込まれております。それから貧酸素水塊の発生機構の解明ですとか、関係府県が指定をする自然海浜保全地区というところについて、その対象域として干潟というものを明記するということですとか、環境大臣による定期的な調査の実施、そういった施策が盛り込まれております。それから先ほども少し触れましたけれども、一番下の緑の部分ですね。附則の検討条項というところで、2つ盛り込まれております。まず、①については、瀬戸内海における栄養塩類の減少、偏在等の実態の調査、それが水産資源に与える影響に関する研究など、瀬戸内海における栄養塩類の適切な管理に関する調査及び研究を進めることによって、法施行後5年を目処として、瀬戸内海における栄養塩類の管理の在り方について検討を加えるということが盛り込まれております。②としましては、法施行後5年以内を目処として、特定施設の設置の規制の在り方を含めた法の規定について検討を加えるというようなことが盛り込まれております。

 こういったことを踏まえまして、資料2に戻りますと、資料2の5ページ目の一番右側の下線のように追記をしたというようなところであります。

 それから資料2の6ページ目、資料3でいいますと21ページ目でございます。4-2の(1)アというところで、大阪湾では既に窒素・りんの環境基準を100%達成している。そのために生物多様性・生物生産性の確保の観点から、窒素・りんの負荷削減対策を行わないことを前提で、有機汚濁解消に必要な対策を具体的に明記すべきであるというような御意見でありました。

 これにつきましては、4-2(1)アの記載にありますとおり、窒素・りんの環境基準の達成状況を勘案しつつ、特に有機汚濁解消の観点から、対策を進めるということで、その具体的な対策としまして、(ア)から(オ)に掲げた対策を推進していくというような記載をしていますというふうに記載しております。

 それからナンバー10の御意見につきましては、この(ア)の部分で、大阪湾についての記述です。先ほどもございましたが、湾奥部のというところを挿入して、湾奥部に限定すべきではないか。それから干潟・藻場の保全・再生などを挿入すべきではないかというような御意見でありました。

 これに対する考え方といたしましては、先ほども申し上げましたが、大阪湾におけるCODについては、湾奥で環境基準を達成している。ただ、湾央部・湾口部では、そのような状況ではなく、対象を湾奥部に限定するということは適切ではないというふうに考えておりますということと、またその干潟・藻場の保全・再生については、4-2(2)のところに記載してありますというふうに整理をしております。

 続きまして、ナンバー11の御意見であります。同じく大阪湾の部分でありますけれども、有機汚濁解消の観点という意味があいまいなので、削除されてはどうかというような御意見でありました。こちらについては先ほどから説明しておりますけれども、窒素・りんの環境基準を達成している一方で、CODの環境基準の達成率は低いこと、それから大規模な貧酸素水塊も発生しているということを踏まえて、必要な対策の観点を記載しているものでありまして、その観点というのが特に有機汚濁解消の観点からというところであり、それを明確にする上でも、御指摘の部分は必要であると考えておりますと整理をしております。

 続きまして7ページ、ナンバー12の御意見であります。こちらは4-2(1)ア(ア)というところであります。(ア)というのは、いわゆる生活系の対策に関する部分で、大阪湾を含めて瀬戸内海では漁獲量の低迷が続いているということを踏まえて、高度処理化の推進については、漁業者の意見を聞くなど慎重な検討が必要であり、以下のとおり削除されたいということで、窒素・りんに関わる高度処理化の推進、その部分の記述を削除すべきではないかというような御意見でございました。

 これにつきましては、該当箇所は、大阪湾だけではなく、東京湾、伊勢湾を含めて共通で取り組むべき対策を掲げていることから、削除することは適当ではないと考えております。なお、大阪湾においては先ほどから御説明しておりますが、特に有機汚濁解消の観点から必要な対策を推進する。それは窒素・りんの環境基準の達成状況を勘案しつつというところで、そういったことを踏まえて必要な対策を講じていくものと考えていますというふうに整理をしております。

 続きまして、下のナンバー13のご意見であります。これは4-2(1)ア(イ)の、いわゆる産業系に関する部分であります。こちらについては7次にわたる総量規制基準によって、かなりの削減が図られてきて、そういった実績を踏まえてこれまでの取組が継続されていく必要があるとされたことについては評価に値すると。こういった記述に従って、今後、総量規制基準専門委員会において、汚濁負荷量の規制が強化されないようにすべきであるというような御意見でありました。

 これに対しては、汚濁負荷に関する具体的な規制の内容等については、この在り方についての答申がなされた後に、その内容を踏まえて別途検討をされるものと認識していますというふうに整理をしております。

 続きまして、8ページ目であります。ナンバー14ですね。資料でいいますと同じページの21ページで、大阪湾を除く瀬戸内海においてはというところで、大阪湾を除く、を削除すべきではないか。これは先ほどもございました。大阪湾を除く瀬戸内海の部分でありますけれども、この報告案では、4-1で整理された内容に基づいて、大阪湾と大阪湾を除く瀬戸内海に分けて対策を記載しております。そのような中で、大阪湾については先ほど御説明したような状況であるということで、大阪湾と大阪湾を除く瀬戸内海を分けている。なお、4-2(2)では、生物の多様性や生物の生産性の確保の重要性にかんがみて、総合的な取組を推進していくことが必要である旨を記載しておりますというふうに整理をしております。

 続きましてナンバー15の御意見であります。4-2(1)イ、大阪湾を除く瀬戸内海に関する部分であります。瀬戸内海では栄養塩の減少によってノリ養殖業をはじめとした漁業生産が低下しており、これらを回復させるためには、各地で行われている下水処理場における運転管理は必須であると。今後はモニタリングをして科学的に効果を立証し、制度化を図るべきではないかというような御意見であります。

 これに対してはまさにこの4-2(1)イの部分で、下水処理場における季節別運転管理など、きめ細やかな水質管理について、その影響や実行可能性を十分検討しつつ、順応的な取組を推進していく必要があるという旨を記載していますというふうに整理しています。

 続きまして9ページ目であります。こちらは資料3でいいますと22ページの干潟・藻場の保全・再生などに関する部分です。干潟や藻場というのは水質浄化機能を有するということで、一方的な負荷量削減ではなくて、こういったものを総合的に含めて方針転換すべきではないか。具体的な対策として、例えば無給餌養殖であるとか、底質改善対策ですとか、そういったことに積極的に取り組んでいただきたいというような御意見でありました。こちらについてはまさに資料3の22ページの(2)の部分で、(ア)から(キ)まで書いておりますが、そのような同様の内容を記載していますということで整理をしております。

 それから10ページ目で、ナンバー17の御意見であります。22ページ、4-2(2)に関することで、総量削減制度の効果的な制度の在り方についてさらに検討を深める。具体的には、総量削減の効果ですとか、富栄養化発生のメカニズムを検証して評価する。青潮や赤潮による漁業被害、臭気・景観といった問題を解決するための対策を、より総合的に推進すべきであるというような御意見でありました。

 これに対する考え方といたしましては、本報告案を検討する過程において、総量削減の効果などに関する分析を行い、その結果は第3章の指定水域における水環境に係る分析にまとめています。具体的にはCODに関するさまざまな検討ですとか、干潟・藻場に関する水質浄化機能などに着目をした整理をしていますということ。それから総合的な対策の推進は重要と認識しており、資料3で御説明しているような対策の在り方について、総合的な観点から各種対策を記載しているということや、4-3の今後の課題においても、複合的な視点から調査・研究を進める必要があるというようなことを盛り込んでおりますというふうに書いております。

 ナンバー18の御意見については、同じく資料3の22ページに関する部分であります。藻類養殖や貝類養殖というものは、環境に対して基本的に受け身であって、これら漁業の実施をもって環境の改変に資するという考え方は、産業の立場から違和感を覚える。そういったことでこの関連の文章は削除してはどうか。かわりに生物多様性・生物生産性の確保というものを入れてはどうかという御意見でありました。

 これについては、この(イ)の部分の取組については、水質改善に資する取組として重要であるというふうに認識しており、現在適切に実施されている取組であるということ。そういったことから、削除することは適切ではないと考えております。なお、生物多様性・生物生産性の確保の観点は、4-2(2)の冒頭、22ページの冒頭に記載していますというふうに整理をしております。

 11ページに行っていただいて、ナンバー19の部分であります。こちらも22ページの部分で、今の(イ)の部分であります。こちらについては資源管理等により安定的な漁業、漁獲を推進することは今後も必要である。ただ、漁獲量の減少は海域の貧栄養化も要因として考えられるため、こういう修正をすべきではないかということで、生物多様性・生物生産性の確保に配慮した水質の保全・管理ということを追記してはどうかというような御意見でございました。

 ご指摘のようなことは重要であるというふうに認識しておりまして、少しページが戻りますけれども、21ページ目の4-2(1)イにおいて、生物多様性・生物生産性の確保の重要性にかんがみて、湾・灘ごと、季節ごとの状況に応じたきめ細やかな水質管理について、その影響や実行可能性を十分検討しつつ、順応的な取組を推進していく必要があるというふうに記載しておりますというふうに整理をしております。

 続きまして12ページでございます。ナンバー20の御意見であります。資料3でいいますと、23ページ、4-3(1)、調査・研究の推進等というところであります。こちらについては具体的な修正案ということで、追記ですとか削除、または文章の並べかえの修正意見をいただきました。これに対しては、御意見を踏まえられるところについては、例えば調査・研究を推進していく着目点として、今回の報告案で並べられているような順番に整理をするなどの修正を行っております。なお、指定水域では、その水質の観点に加えて、藻場・干潟の保全・再生などの必要な対策を総合的に進めていく必要があるため、具体的な御意見として水質の保全及び管理対策について検討を行うというような修正の御意見でしたけれども、やはり総合的な水環境改善対策が必要ではないかということで、そのままの記載にしておりますというふうにしております。

 それから同じく(1)の調査・研究の推進等というところで、冒頭でも出てきました原単位に関する御意見です。原単位について、最新の知見を用いた評価を継続しながらも、各種調査・研究の進展に伴って、例えば流域水物質循環モデル、そういったものを活用して評価の在り方を検討していくべきではないか。それから原単位を定期的に見直す仕組みの方法についても課題に加えるべきではないかというようなことでありました。こちらは冒頭にも御説明しましたけれども、この4-3(1)の部分で、前回の専門委員会での御指摘も踏まえまして、陸域からの汚濁負荷ですとか、流域のつながりなどに着目をして、それから水質予測技術の向上を図りつつ、水環境改善対策について検討するという旨を書いておりますというふうに整理をしております。

 14ページに行きまして、こちらはその課題の部分、共通していることですけれども、モニタリングですとか、調査・研究については関係機関との連携を図ることが不可欠である。それから課題の(2)としまして、普及・啓発を書いているところですけれども、その部分についても連携が必要ではないかというような御意見でありました。この御意見を踏まえまして、今後の課題の該当部分、23ページの冒頭の部分に、下線の関係機関及び関係者が連携してという部分を追記してございます。

 ナンバー24の御意見についてであります。こちらは具体的な御意見でありますけれども、資料3でいいますと、41ページ、水質の濃度分布図というものがあるんですけれども、これについて昭和57年から59年と、平成21年から24年度のデータでは、測定点が異なるためそのまま比較することはできないのではないか。それからまた具体的な御指摘として、例えば底層DOの濃度分布図について、53ページで大阪湾の洲本港付近、淡路島の東側の洲本港部分に、平成21から24年度の平均で少し黄色の円ができておりますけれども、こういったものについて、そういった測定点がないにも関わらずコンターが描かれている。そういったことは問題ではないかというような御意見、それからコンターの凡例について、少し工夫が必要ではないかというような御意見でございました。

 これにつきましては、御意見を踏まえ、該当する関係図に注釈をつけるとともに、濃度分布図の凡例について濃度の境界がわかるように修正をいたしました。また、濃度分布図のコンターについては、広域総合水質調査と公共用水域水質調査結果をもとに、その他のエリアにおける濃度を推測する手法で作成をしており、御指摘を踏まえ確認をしたけれども、当該手法に基づく作成結果に問題はございませんでしたというふうに整理をしております。

 最後の御意見になります。15ページ、25番であります。CODに関する御意見で、CODを環境政策の指標値として今後も用いるのかどうか検討される必要がある。CODの負荷量を減らしても、海域の濃度に反映されなくなってきている。近年、環境基準達成率が窒素・りんに比べて低い等々、そういったことでこのままCODを指標値として用いるということについて、CODは一定の役割を終えたので新たな科学的指標が検討されるべきなのではないかというような御意見でありました。これに対しては、本報告案というものは第8次水質総量削減の在り方についての諮問に対するものであり、環境基準に係る御意見については本専門委員会における検討事項の範疇を超えているものと考えております。なお、CODは環境基準のうち、有機汚濁を示す指標として一定の役割を果たしていると考えております。また、本報告案を検討する過程において、先ほど少し触れましたが、CODに着目して水質汚濁に影響を与える要因に関する分析を行って、その結果を第3章の3-1というところにまとめておりますというような整理にしております。

 最後に、参考資料1です。総量削減専門委員会報告案(見え消し版)というものを整理しております。先ほど御説明しました御意見を踏まえて、修正したところについて簡単に御説明をします。まず、その前に1枚めくっていただきますと、目次があります。第1章は水質総量削減の実施状況ということで、制度の概要ですとか、負荷削減対策の実施状況などを整理しているところであります。これについて修正箇所はございません。

 2章といたしまして、指定水域における水環境の状況ということで、こちらについては水質濃度の状況、それから環境基準の達成状況、そういったところを整理しております。こちらは図の部分を一部修正していますので、それは後ほどページを追って御説明いたします。

 3章といたしましては、指定水域における水環境に係る分析ということで、水質汚濁に影響を与える要因や、干潟・藻場の機能、そういったところを整理しております。

 4章については、第8次水質総量削減の在り方についてということで、水環境改善の必要性や、対策の在り方を整理しています。このうち、修正したところはページでいいますと20ページで、下のほうに赤く見え消しで表記しておりますけれども、先ほど御説明した瀬戸内海環境保全特別措置法の改正を踏まえた修正・追記などをしたというところ。

 それから23ページ、今後の課題の部分について、こちらも先ほど御説明した関係機関の連携、それから調査・研究の推進等に係る修正、こういった部分で修正が加わっております。

 それから図表でいいますと、41ページに先ほど濃度分布図のところで測定点が異なる旨の注釈を入れることとか、後は凡例についても御意見を踏まえて、少し工夫、修正をしております。

 それから今回の御意見を踏まえたものではないんですけれども、86ページに栄養塩類の濃度等の推移ということで、関係のグラフを整理しておりますけれども、そのうち、左下のクロロフィルaの部分について、湾・灘でのクロロフィルaの濃度を少し精査しましたところ、一部の海域で若干訂正が必要な部分がございましたので、この機会に修正をしております。実際には、ある年代において異常に高いエラーのような値を含めて整理して提示してしまっておりましたので、その部分については適正な値に修正をしたということでございます。

 以上がパブリックコメントを踏まえた報告案についてです。そして、最後に資料4ということで、1枚ペーパーをつけております。これは前回の指摘事項についてということで、前回、瀬戸内海での藻場面積の内訳について整理していただきたいというような御意見がございました。資料4のとおり、前回まではアマモ場とガラモ場については面積を出しており、そのほかについてはその他の藻場ということで一式で整理しておりましたけれども、その内訳について、例えばアラメ場とかワカメ場、そういったところがこういうような面積になりますというふうに整理をしたというところでございます。

 これは第4回の自然環境保全基礎調査なので、年代としましては1989年から90年で調査をしたデータということになります。

 以上で説明を終わります。

【岡田委員長】 どうも御苦労様でした。御意見をいただきたいと思いますが、その前にパブリックコメントに御意見をお寄せいただいた方に深く感謝申し上げたいと思います。それに従って本日説明のあったとおり修正されておりますが、何か現在の対応について、御質問、御意見等がございましたら承りたいと思います。どなたでも、場所は任意でございますのでよろしくお願いいたします。

【木幡委員】 私の認識不足で申し訳ないのですが、このパブリックコメントの扱いとしては、今後このままの形で環境省のホームページにアップされるというようなことになるんでしょうか。その辺、ちょっと教えてください。

【石川室長補佐】 本日の資料は、前回までの専門委員会と同様に、環境省のホームページで専門委員会の資料として公表するということになります。

【山田係長】 あわせまして、最後答申をいただいたときに、専門委員会としての御意見に対する考え方も答申とともに報道発表いたしますので、その際にも資料としてつけて考え方としてまとめたものを公表するということになっております。

【岡田委員長】 今日の資料2がそのまま載るということですね。

【山田係長】 修正がありましたら変えて。

【岡田委員長】 わかりました。

 ほかに何か御意見ございますか。古米先生。

【古米委員】 今回の御意見に対してはしっかり対応されていると思いますけれども、繰り返し繰り返し御意見が出ているものとして、生物多様性や生産性という言葉があります。今回の在り方の中にも記載されていますけれども、例えば目次の中で見ると、指定水域における水環境の状況なり、指定水域における水環境に係る分析というところの中で、生産性や多様性がどうなっているのかという記述が、干潟・藻場のレベルでとどまっています。今回の報告の中では、科学的な知見が重要であり今後状況把握をしていきますということで、具体的な項目は立てられないと思いますけれども、次回検討する場合には、そういった重要性が示されていることに対応した水環境の状況であるとか、水環境に関わる分析の項目を立ち上げておかないと、また同じようなパターンで、研究すべきだとか、考慮して考えましょうねということになるのかなと思います。次回のために、どのような水環境の状況や分析をするのかということを、今回のパブコメを受けて再考しておく必要があるのかなということでございます。

【岡田委員長】 よろしいですね。今の御意見、おっしゃるとおりだと思います。

 どうぞ、松田先生。

【松田委員】 パブコメの一番最後のページのCODに関する今後の検討の必要性といった御意見ですけれども、この諮問の範囲を超えるということで、それはそれでやむを得ないかなと思うんですが、この件についてはこの意見にほぼ近い意見といいますか、いろいろな議論がこの総量削減専門委員会の中でもありましたよね。それがどこかに多少つながるというか、生かされる、あるいは今後別の専門委員会なりで検討されるような動きがあるのかとか、ちょっと微妙なんですけれども、この辺りはどうなのかなというのが少し疑問です。

【岡田委員長】 これは先ほどの古米先生と同じような質問になるかと思います。では、事務局からどうぞ。

【根木閉鎖性海域対策室長】 CODについて、陸域からの負荷が下がっていて、少し海域で水質濃度が下がっていないような傾向が見られるということで、そこの点について、今回の専門委員会の中でもかなり御議論いただいたかと思っております。その点についてこの答申の図3-1のところで、特にまとめさせていただいたということ、資料3でいいますと16ページ辺りからでありますが、御議論いただいたと認識をしております。そのCODにつきまして陸域からのCODの負荷が下がっていて、それがその部分は効いているのではないか、効果を発揮しているのではないか。ただ、相対的にその内部生産ですとか、外界、バックグラウンドの影響が相対的に少し高まっているというようなことも考察をさせていただきまして、そういう意味ではやはり陸域からの負荷をもし下げてこなければ、もっと状況は深刻なことになっていたのではないかというような考察も、今回反映させていただいたと認識しておるところでございます。

 そのようなことを踏まえて、今回このようなパブコメの回答案ということでいかがかと考えている次第でございます。

【岡田委員長】 ありがとうございました。よろしいですか。

 似たような議論は、ここだけではなくて、松田先生御承知のように、溶存酸素と透明度の環境基準のところでも議論されていることだと思います。

 ほかにございますか。どうぞ。

【中村委員】 大変細かいところなんですけれども、項目の24番、14ページの御意見に関して、コンターラインの描き方のコメントがあります。コンターラインを描くときには幾つかのソフトといいますか、手法があります。手法を変えると結果として出てくるコンターラインもかなり違ってしまうということは、実は境界付近ではある話であるため、ここでは少なくとも手法をどこか明記されたほうがいいのではないかなと。私が専門家の観点から見ても点がないところにコンターがあるというのは、ちょっとおかしいかなとは思うんですけれども、少なくともどういう手法で描いた絵ですというところは、書いておいたほうがいいのではないかなというふうに思います。

【石川室長補佐】 御指摘、ありがとうございます。今回の手法というのは、スプライン関数を用いた空間補間の方法により行っておりますので、御指摘を踏まえて関係図のところに注釈をつけたいと考えております。

【岡田委員長】 ありがとうございました。ではよろしくお願いいたします。

 ほかにございますか。

 特段なければ、この資料3を本委員会の報告として水環境部会に報告させていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【岡田委員長】 ありがとうございます。

 報告のときに先ほど古米先生、松田先生から御指摘のあったような点は、文章には書きませんが、言葉で追加して今後の方針として報告させていただきたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、この件はお認めいただいたということで、事務局は必要な作業を進めていただきたいと思います。

 それでは、今後の総量削減の検討の進め方について、事務局より御説明をお願いいたします。

【根木閉鎖性海域対策室長】 今後の予定ですが、本日の御審議を踏まえた委員会報告を、年内目処に開催されます中央環境審議会の水環境部会にて御報告・御審議いただき、中央環境審議会としての答申とさせていただく予定です。また、その後、別途設置される専門委員会において、総量規制基準の設定方法に関する検討を行っていただく予定です。

 これらの検討を踏まえまして、総量削減基本方針を策定し、また各都府県における総量削減計画の策定が進められていくということになります。環境省としましては、全体として平成28年度中に一連の策定作業を終えて、第8次の水質総量削減の施策を進めていきたいと考えております。

【岡田委員長】 どうもありがとうございました。

 それでは、その他、事務局から何か連絡事項はございますでしょうか。

【山田係長】 本日の議事録につきましては、速記がまとまり次第、皆様にお送りいたしますので、御確認のほどよろしくお願いいたします。御確認いただいたものを環境省のウエブサイトにて公表したいと思います。

 最後になりますけれども、水・大気環境局長の高橋より一言御挨拶を申し上げます。

【高橋水・大気環境局長】 水・大気環境局長の高橋でございます。閉会に当たりまして、一言御礼の御挨拶を申し上げたいと思います。

 この総量削減専門委員会でございますけれども、昨年の12月から今日まで9回にわたり開催させていただきまして、さまざまな観点から御指摘、御助言をいただきました。今日、委員会報告の取りまとめをしていただきました。改めて岡田委員長はじめ、各委員の皆様方のこれまでの御指導に厚く御礼を申し上げます。

 また、取組の実施状況のヒアリング等で、関係省庁あるいは関係都府県にいろいろと御協力いただきましたことも、この場を借りて感謝を申し上げたいと思います。

 今日をもちまして、この第8次水質削減の在り方に関する検討は終了ということになります。先ほど事務局からも説明がありましたように、今後、具体的な総量規制基準の検討に入ってまいります。この専門委員会で御検討いただいたことをベースに、第8次水質総量削減に基づく施策を適切に推進していくということで、このかけがえのない水環境を将来に残すための取組を進めていきたいと考えております。

 また、先ほども岡田委員長からもございましたように、この報告書に盛り込めなかった重要な点についても、御指摘をしっかりと受け止めて、今後のさまざまな検討・分析に生かしていきたいと思っております。

 また、審議の中でも御紹介しましたけれども、先般の通常国会におきまして、瀬戸内海環境保全特別措置法の改正法案が、国会の最終日でございましたけれども、可決成立をいたしまして、本年10月2日に公布・施行されてございます。この改正法の考え方につきましては、既にこの2月に閣議決定をいたしました新しい瀬戸内海環境保全基本計画に相当程度盛り込んでいるというふうに考えておりますけれども、改めてこの法の成立を踏まえまして、きれいで豊かな瀬戸内海というものを目指して、引き続き水産庁はじめ関係省庁、あるいは関係都府県と連携をして、取組を進めていきたいと考えております。改めてこれまでの皆様、先生方の御指導・御協力に感謝申し上げるとともに、引き続きこの閉鎖性水域をはじめとする環境行政の推進に特段の御理解・御協力を賜りますよう、改めてお願いをして御挨拶といたします。

 ありがとうございました。

【山田係長】 それでは、委員長に進行をお返しいたします。

【岡田委員長】 それでは、以上をもちまして第9回の総量削減専門委員会を閉会とさせていただきます。

 私のほうからも、今までの審議に御協力・御指導賜ったことを深く感謝したいと思います。どうもありがとうございました。

午前10時59分 閉会

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