中央環境審議会 水環境部会 排水規制等専門委員会(第17回) 議事録

日時

平成26年5月22日(木)15:00~17:00

場所

中央合同庁舎5号館 22階 第1会議室

議事次第

1.開会

2.議事

  1. (1) 第16回専門委員会における指摘事項への対応
  2. (2) カドミウムに係る排水基準等のあり方について
  3. (3) 水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて(報告案)
  4. (4) 今後の予定
  5. (5) その他

3.閉会

配付資料

  1. 資料1    中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会委員名簿
  2. 資料2    中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会(第16回)議事録案
  3. 資料3-1  第16回専門委員会における指摘事項への対応
  4. 資料3-2 カドミウムの検出状況と地球化学図(銅、亜鉛との重ね合わせ)
  5. 資料4    カドミウムの暫定排水基準(案)
  6. 資料5    水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の
           許容限度等の見直しについて(報告案)
  7. 資料6    検討スケジュール(案)
  8. 参考資料1 カドミウムの土壌中での吸着と溶出について(暫定的検証)
  9. 参考資料2 関係団体からの聞き取り概要

午後3時00分 開会

【宮崎課長】 定刻となりましたので、ただいまから第17回中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会を開会します。

 本日は、委員総数11名中11名のご出席が予定されておりまして、既にご着席いただいております。専門委員会の定足数を満たしておりますので、始めさせていただきます。

 議事に先立ちまして、平岡大臣官房審議官よりご挨拶を申し上げます。

【平岡審議官】 水環境を担当させていただいております審議官の平岡でございます。

 本日は、大変お忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

 第17回目の排水規制等専門委員会ということで、委員の皆様方におかれましては熱心にご審議いただいていることにつきましてお礼を申し上げます。また、水環境行政もいろいろな課題を抱えておりますので、さまざまなところでご指導いただいておりますことにつきまして、重ねてお礼を申し上げたいと思います。

 現在、この専門委員会ではカドミウムの排水基準の見直しということで5回ほど、昨年11月からご審議いただいておりまして、関係団体からもヒアリングをしていただき、また、前回の委員会では報告書の素案という形でご議論もいただいたような状況でございます。本日は報告書の案を事務局でつくらせていただいておりますので、これについてご議論いただいた上で、まとまりましたら今後、パブリックコメント等の手続きにも入っていきたいと事務局としては考えておるところでございます。

 ぜひ忌憚のないご意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

【宮崎課長】続きまして、お手元の配付資料についてご確認いただきたいと思います。

 議事次第にございますように、本日は資料1から6及び参考資料1と2をお配りしております。過不足等ございましたら随時、事務局までお申しつけいただければと思います。

 それでは、以下の進行は細見委員長にお願いいたします。

【細見委員長】 本日はご多忙の中、委員の皆様全員ご出席いただきまして、どうもありがとうございます。

 本日の議題に入ります前に、前回の議事録の確認ですけれども、お手元の資料2をごらんください。これは議事録案ですが、既にこの案につきましては各委員の先生方にご確認をいただいて、事務局で修正したものでございます。このままでご異論がなければ前回の議事録としたいと思いますが、よろしゅうございますか。

(異議なし)

【細見委員長】 それでは、この議事録を前回の議事録とさせていただきますので、事務局におかれましては公開の手続をとっていただきますようお願いいたします。

 それでは、本日の議題に入ります。

 1番目が、前回の専門委員会における指摘事項への対応ということで、前回、報告書の素案に基づきましていろいろご審議いただきました。それを踏まえた形で、本日は、修正した結果をパブリックコメントにかける報告案という形で審議してまいりたいと思いますが、その審議の前に、前回ご指摘いただいた事項についてどのように対応していくか、まず事務局からご説明していただきたいと思います。

 それでは、事務局から資料3-1についてお願いいたします。

【吉村課長補佐】 水環境課の吉村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 カメラ撮りは、ここまでとさせていただきます。

 それでは、資料3-1からご説明申し上げます。

 第16回専門委員会における指摘事項への対応ということで、5点ほどまとめております。2点目と3点目につきましては議題2で資料4を使って説明することになっておりますので、ここでは1番目と4番目と5番目についてご説明いたします。

 1点目。公共用水域、地下水におけるカドミウムの環境基準超過地点につきまして、周辺に事業場がなく超過理由が不明な地点については、産総研の「地球化学図」で示している銅・亜鉛が高い地点を示したものと比較して確認してはどうかというご意見をいただきました。

 資料3-2の方をごらんいただきまして、ページ番号がなく大変申しわけございませんが、1枚めくっていただきますと全国図がございまして、少し細かく見るために3枚目から、関東地方から順に西のほうへ移動して最後九州まで、それぞれお示ししております。

 原因不明の地点ということで、資料の一番後ろに公共用水域における環境基準超過地点の一覧、最後のページに地下水における環境基準超過地点一覧ということでお示ししておりますけれども、一番右端の列に地点番号AからQ、アからクと示しておりまして、それを地図に落とし込んでございます。超過地点ということで、公共用水域につきましては群馬県、下から6つ目の桐生川ダムのL、大阪府田尻川のM、それから大分県の3地点O、P、Qが図の中に落とし込んでございます。

 その図をご覧ください。3枚目の関東地方、図の上、左端のほうにLがございますが、真ん中の銅の地球化学図につきましては高濃度地域と重なり合っている、亜鉛につきましても大体黄色ということで、中濃度地域の中に入っているような結果が見られております。

 1枚めくっていただきまして、近畿地方です。Mの地点、大阪府田尻川につきましては、真ん中の銅につきましては高濃度地域、亜鉛につきましては中濃度地域に入っております。

 もう一枚めくっていただきまして、九州地方のO、P、Qです。こちらは、右端の亜鉛につきましては黄緑色ということで、中濃度地域の中に入っていますけれども、それ以外についてはあまりはっきりした重なりは見られませんでした。

 今、申し上げました内容につきまして、資料3-2の1ページ目に簡単にまとめてございます。

 2の(4)ですけれども、精度の制約から明確なことは申し上げられませんけれども、基準超過と自然的な要因の関連が否定されるものではないと考えております。

 河川については以上でございます。

【上田室長補佐】 続きまして、地下水・地盤環境室の上田から説明させていただきます。

 今の「地球化学図」でございますが、地下水についても状況は基本的に同じでございまして、高濃度域なり中濃度域なりとの重なりで説明できるところもあればそうでもないところもあるということで、結論は同じでございます。

 資料3-1に戻りまして、4段目と5段目についてご説明させていただきます。

 まず、4段目でございます。

 カドミウムの土壌中での挙動に関する資料について、前回お示ししたところでございますが、かなり極端な安全側ケースを想定した検証であり、そうした前提であることを明記して、誤解を招かないような表現に修正すべきである。また、例えば「土壌中での濃縮」等、やや正確でない表現もあるので、そこについては適切に修正すべきである。そのような修正をした上で、資料自体は採用するというコメントをいただいたところでございます。

 今回、参考資料1として、修正したものをおつけしております。

 主な修正点について、ざっくりとだけご説明させていただきます。参考資料1「カドミウムの土壌中での吸着と溶出について(暫定的検証)」をごらんください。

 このタイトル自体、もともと「濃縮について」という言葉を使っておりましたが、「濃縮」という言葉につきましてはすべて「吸着と溶出」という書き方にしております。

 主な変更点をご説明いたしますと、まず1.目的の最後から2行目でございますが、「ここでは、こうしたカドミウムの土壌への吸着・溶出の挙動について、暫定的な検証を行った」ということでございます。

 それから、1ページの下から2パラ目、「Chirstensen及びLeeら」というパラの3行目からですが、ここは大幅に修正しておりますので読み上げさせていただきます。「これを踏まえると、0.001mg/Lのカドミウム水溶液が地下浸透し土壌との吸脱着平衡に達し、その後pHが低下して土壌から溶出平衡に達するという相当極端なシナリオを仮定した場合であっても、土壌のpH変動がおおむね1程度以下に保たれるようであれば、0.003mg/Lを超えて地下水に溶出する可能性は低いと考えられる」ここは事実関係に基づいた書き方に修正させていただいたところでございます。

 少し飛びまして、6ページの7.まとめでございます。

 ①の2行目からでございますが、「極端なシナリオを仮定しても、0.001mg/Lのカドミウムが浸透し土壌吸着を経て0.003mg/Lを超えて地下水に溶出する可能性は低い」という、先ほどの記述に沿った書き方をしております。

 ②の2段落目、下から言いますと3つ目のパラグラフでございますが、「これらのことから、地下に0.001mg/Lのカドミウムが浸透したとしても、土壌への吸脱着を経て0.003mg/Lを超える濃度で溶出する可能性は極めて低いと推定される」という書きぶりにしております。

 資料3-1に戻っていただきまして、5段目でございます。

 ご指摘は、カドミウムの土壌中での挙動については、カドミウム地下浸透基準を暫定的に据え置くための論拠として、現時点では十分議論を尽くせていない。これが今後の議論の土台になってしまうことについては懸念がある。そうした誤解を与えないような記述が工夫できるのであればよいが、そうでなければ、今回の報告案の中で論拠として触れる必要はないのではないかというご指摘をいただいたところでございます。

 これにつきましては、資料5で該当部分だけご説明させていただきます。

 資料5、報告案の2ページから3ページでございますが、2.の(3)特定事業場に係る地下浸透規制及び地下水の水質の浄化措置について、下から2パラ目「なお、ここにおいて、カドミウムの地下水に係る環境基準が0.01mg/Lから0.003mg/Lに強化されているが、地下浸透基準については、以下の理由から当面の間現行の水準のまま据え置くこととした。」ということで、もともとはその下に①②と理由が2つあったところでございます。今回はマル数字でなくなりましたが、検定方法のところが残っておりまして、こちらの文章は変えておりません。もともとあった②につきましては、土壌中での挙動について考慮したものということで書いておりましたが、そこは削除するという案でございまして、そういう意味で、「以下の理由から」という「以下の理由」は検定方法だけという案にしております。

 もとの②を改変して、うまいこと前例にならないような書き方ができるかどうか、細見委員長ともご相談させていただきましたが、やはり前例にならないような書き方はなかなか難しいのではないかということで、今は削除するという案にさせていただいております。

 もう一点、非常に軽微でございますが、今、事務局で間違いに気づきましたので、この場をかりまして訂正させていただきます。

 今の資料5の2ページの「なお、」というパラグラフで、3行目に「現行の水準のまま据え置くこととした」と書いてありますが、ここだけ断定口調になっております。他の部分はすべて「~~が適当である」「適切である」という書きぶりになっておりますので、ここはすみません、事務局の筆が滑りましたが、この「据え置くこととした」は「据え置くことが適当である」と修正させていただきます。

【細見委員長】 前回の専門委員会でご指摘を受けた点に対して、資料3-1の2番目、3番目についてはこれから議論しますが、カドミウムの環境基準超過地点に関する「地球化学図」との関連性、それからカドミウムの土壌中での挙動に関する記述等について対応方針を説明していただきました。

 委員の皆様から、何かご意見がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。

(意見なし)

 それでは、前回ご指摘いただいた事項について、カドミウムの問題とか、基準超過地点についての考察という意味では、事務局から説明していただきました資料3-2のような形にしたいと思います。

 土壌中での挙動に関する資料等については、先ほど上田さんが説明されましたように、資料5の形の中で対応したということにさせていただきたいと思います。

 それでは、議題の2番目、カドミウムに係る排水基準等のあり方についてに移ります。

 これも、まず資料に基づいて説明していただいた後、議論に入りたいと思います。

【吉村課長補佐】 

 資料4をごらんください。

 「カドミウムに係る暫定排水基準(案)」ということで、前回お示しした資料を修正してございます。

 カドミウムを比較的高濃度で排出する可能性がある業種につきまして、計3団体─日本鉱業協会様、一般社団法人日本溶融亜鉛鍍金協会様、北海道庁様から聞き取り調査を実施いたしました。その後、各委員のご意見等でやりとりしまして、その概要を排出要因、排出抑制のための取組状況、排水基準への対応が困難な理由、暫定排水基準、今後の対応方針として取りまとめました。これにつきましては、参考資料2として資料をおつけしております。前回お示ししたものから変更はございません。

 この聞き取り結果を踏まえまして、各団体から提示された業種、表1の左にある4つの業種につきましては、直ちに排水基準に対応することが困難と考えられることから、暫定排水基準を設定することといたしました。4つの業種とは、金属鉱業、非鉄金属第1次製錬・精製業、非鉄金属第2次製錬・精製業(亜鉛に係るものに限る)、溶融めっき業(溶融亜鉛めっきを行うものに限る)でございます。

 暫定排水基準につきましては表1の真ん中にございますが、金属鉱業につきましては0.08mg/L、非鉄金属第1次・第2次製錬・精製業につきましては0.09mg/L、溶融めっき業につきましては0.1mg/Lということで、こちらも前回と同じでございます。

 右端の適用期間ですけれども、前回は9月1日施行の場合を仮定して記載しておりましたけれども、仮定の内容につきましては削除させていただきまして、改正省令の施行の日からそれぞれ2年間、3年間、2年間ということで、前回提示させていただいた期間と変更ございません。

 今回の一律排水基準の施行に際して、水濁法第12条第2項の趣旨にかんがみて、経過措置として排水基準の適用猶予期間を設けることとし、その期間については表2のとおりとすることが適当であると考えられます。

 前回は、表1の4段目に適用猶予期間を設ける施設について書いておりましたが、暫定排水基準は業種ごと、適用猶予は基本的に施設ごととなっておりますので、分けたほうがいいというご指摘が委員からありましたので、今回、2ページの表2に分けて記載させていただいております。

 適用猶予には2種類、6カ月の適用猶予を受けるものと1年の適用猶予を受けるものとございまして、6か月のほうは、省令の施行の際現に特定施設を設置している者の当該施設を設置している工場又は事業場、1年の適用猶予を受けるものは、同じく省令の施行の際現に特定施設を設置している者の工場、事業場ですが、その施設が水濁法施行令別表第3に掲げる施設の場合には、特に6カ月ではなくて1年間の適用猶予になるということでございます。

 「適用猶予期間」の右肩に※2とつけておりますが、適用猶予期間中は改正後の排水基準─今回は0.03mg/L、それから暫定排水基準の既定は適用されず、従前の排水基準0.1mg/Lが適用されることになります。

 前回の委員からのご指摘で、表1と表2を分けるようにということで、こういう形で整理させていただきました。

 それから、ヒアリングをさせていただいた中で、水産食料品製造業の一部の事業場の排水で新しい排水基準案がクリアできていない状況がありました。その対応については、表2で整理しましたように、適用猶予期間中に対応することとしております。

 資料3-1の3段目です。その適用猶予期間中に対応できなかった場合にはどうなるのかというご指摘も委員からございました。それにつきましては、右側の対応案をつくってございます。基本的には、事業者指導を徹底することによって速やかに排水基準への適合を図ることとしております。どういった指導かが1行目から書いてございまして、1点目が、排出水の汚染状態の自主測定でございます。これは水濁法第14条、水濁法施行規則第9条の中で定められております排出水の汚染状態の測定をきっちり実施していただく。2点目、カドミウムが多く蓄積されるホタテガイの中腸腺の除去を丁寧に実施する等の特定施設の使用方法に関する改善、それから汚水等の処理方法等の改善、これらについて事業者指導を徹底する、あるいは事業者の方に自ら進んで取り組んでいただくということで、適用猶予期間中に基準の適合に取り組んでいただきたいと考えてございます。

 すみません、先ほど少し説明が漏れてございましたけれども、水産食料品製造業が1年間の適用猶予になるというのは、別表第三の中に、水産食料品製造業の用に供する施設が記載されているということでございます。それについては2ページの下に「別表第三(第五条関係)(抜粋)」と書いてありますけれども、一、四、三十三とある四の中に「別表第一第一号の二から第四号までに掲げる施設」と書かれておりまして、これもやはり水濁法の施行令の別表第一になりますが、それをまた3ページに抜粋で書いておりまして、その第三が水産食料品製造業になりますので、別表第3の中に掲げる施設に水産食料品製造業の施設は入っているということで、適用猶予は1年間になるということでございます。

 説明が前後しまして、申しわけございません。

【細見委員長】 カドミウムに係る暫定排水基準案という形で、表1と表2が今回の事務局の提案でございます。

 前回、ご指摘があった水産食料品製造業に関しては、事務局で注意深く精査していただいて、資料3-1のような対応方針でできるだろうということと、表2にありますように、1年間の適用猶予を受ける。この1年間の間は0.1mg/Lが適用されるということで、表1の暫定排水基準案の中には水産食料品製造業が入っていないということでございます。

 これについてご質問、コメントございますか。

 浅見委員、何かありますか。

【浅見委員】 先般ヒアリングをさせていただきましたときに、自主測定とか測定自体がなかなか難しいといった状況だったように記憶しておりますので、ぜひ積極的に進めていただいて、実現していただけるといいなと思います。1年で大丈夫かと若干思っておりますが、ぜひ進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。

【細見委員長】 水濁法で排出水の測定義務が課されていますので、それに基づいて、それプラスαやっていただけると思いますが、まず、自らの排水の特性をよく調べていただいてやっていけば、資料3-1のような対応がとれるだろうと考えています。

 その辺の指導等については、北海道庁がされるのでしょうか。

【吉村課長補佐】 北海道庁になります。

【細見委員長】 北海道庁が指導されるということだと思います。

 何かございますか。

【中杉委員】 中腸腺の話ですけれども、排水のほうはこのような形で整理しておられますが、今度、廃棄物のほうで議論を始めるようになりましたので、廃棄物サイドと十分連携をとって対応していただく必要があるかなと思います。中腸腺をしっかりとるようになると、今度は水のほうには来ないけれども廃棄物のほうに来ることになりますので、そこら辺のところは十分連絡をとって対応していただければと思います。

【細見委員長】 水濁法としてはこの対応でいいと思いますけれども、環境全体として考えると、多分中腸腺のカドミウムが廃棄物に移行すると思われますので、そちらの管理も環境省としてはチェックしていただきたいというか、注意深く見守っていただきたいと思います。

 他にございますか。

(その他意見なし)

 この原案どおりでよろしいでしょうか。暫定排水基準案をお認めいただいたということにさせていただきたいと思います。

 それでは、次の議事に移ります。

 水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて(報告案)ということで、まず、カドミウムの排水基準等の見直しについては昨年11月からこの委員会で議論してまいりましたけれども、前回の委員会においていただいたご指摘に基づいて素案を修正したのが本日の資料でございます。まずこれを説明していただいて、議論したいと思います。

 まず、事務局から説明をお願いいたします。

【吉村課長補佐】 資料5に基づいてご説明させていただきます。

 基本的に、素案から大きく変わったところはごく一部でございます。変更箇所を中心に、要点をご説明したいと思います。

 目次ですけれども、「はじめに」から「おわりに」まで4章の構成になってございます。

 それから、これまで委員会にカドミウムの物性等について提出させていただきました資料をまとめまして、別紙として1から4まで、物性、用途、検出状況、検定方法ということで後ろにつけさせていただいております。

 「はじめに」からご説明いたします。

 有害物質に係る排水基準は、昭和46年に8項目について設定されたのが始まりでございまして、最近では平成24年に1,4-ジオキサンが追加されております。地下水に関しましても平成24年に排水基準の28項目に加えまして、塩化ビニルモノマー、1,2-ジクロロエチレンが追加されております。

 このように、汚染実態等を踏まえまして順次項目の追加が行われてきております。公共用水域、地下水の環境基準、カドミウムにつきましては、平成23年10月に基準値の変更が行われたところでございまして、その状況を踏まえて平成25年8月30日に環境大臣が中央環境審議会会長に対しまして、水濁法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて諮問いたしました。

 本専門委員会におきましては、内外の科学的知見や公共用水域、地下水における検出状況等の実態の把握、分析に努めまして、関係業界等からヒアリングを行い、慎重に検討を進めてきました。「その結果、以下のとおり結論を得たのでここに報告する。」とさせていただいております。

 この部分については変更ございません。

 2ページ、2.公共用水域への排水規制及び地下浸透規制等のあり方についてでございます。

 (2)排水基準の設定ですけれども、こちら従来の考え方を踏襲しまして、「新しい環境基準(0.003mg/L)の10倍値(0.03mg/L)を排水基準とすることが適当である」とさせていただいております。

 (3)特定事業場に係る地下浸透規制及び地下水の水質の浄化措置についてでございますけれども、こちら特定施設の設置等に係る届出に関する計画変更命令(法第8条)、特定地下浸透水の浸透の制限(法第12条の3)及び改善命令等(法第13条の2)に関する特定地下浸透水が有害物質を含むものとしての要件、「地下浸透基準」といいますけれども、これは従来の考え方を踏襲しまして、「別紙に示す「検定方法」により特定地下浸透水の汚染状態を検定した場合において有害物質が検出されることとすることが適当である。この場合、「有害物質が検出されること」とは、当面の間、カドミウムについて0.001mg/L以上が検出されることとすること(すなわち、現行の要件のままとすること)が適当である。」とさせていただいております。

 それから、先ほどもご議論いただきましたけれども、下から2段落目の途中から「ただし、本検討結果は暫定的なものであり、今後、地下浸透基準の設定方法のあり方を見直す機会において、合わせて再度検討すべきである」という記述にさせていただいております。ここの部分についても前回からの変更はございません。

 ここの理由について、2つ目の理由を削除したことは先ほどご説明したとおりでございます。

 3ページに移っていただきまして、地下水の水質の浄化措置命令(法第14条の3)に関する浄化基準につきましては、従来の考え方を踏襲し、地下水環境基準と同じ値(0.003mg/L)とすることが適当であるとさせていただいております。

 ここについて、変更はございません。

 第3、暫定排水基準について、でございます。

 暫定排水基準の適用につきましては、現時点において現実的に対応が可能な排水濃度のレベルとして業種ごとに定め、将来的な排水対策及び技術開発の動向等を踏まえ、必要に応じその見直しを行うこと等として定めることが適当であるとさせていただいております。その適用期間は、金属鉱業および溶融めっき業(溶融亜鉛めっきを行うものに限る)については2年間、その他の業種については3年間とするということで、この適用期間の部分、今、申し上げた部分については前回、委員の先生方から適用期間を書くべきではないかというご意見がございましたので、過去の例を見ますと適用期間について明記している報告がございますので、今回も2年ないし3年ということを追記させていただいております。この部分については、前回の素案から変更してございます。

 箇条書きにしている部分については変更ございませんけれども、金属鉱業については0.08mg/L、非鉄金属第1次製錬・精製業、非鉄金属第2次製錬・精製業(亜鉛に係るものに限る)は0.09mg/L、溶融めっき業(溶融亜鉛めっきを行うものに限る)は0.1mg/Lとさせていただいております。

 4.おわりに、ですけれども、2段落目「カドミウムに係る排水規制の施行に当たっては、暫定排水基準を設定することとした業種について、速やかに一律排水基準に対応することができるようにする必要があり、」という記述をさせていただいております。前回と変わってございません。

 3段落目、地下浸透基準については、地下水の飲料水等としての重要性、いったん汚染された場合の影響の長期にわたる継続性、地下水中における有害物質の挙動の複雑性等の観点から、検出されないことを基本とすること、実質的には多くの有害物質について、地下水環境基準の10分の1に設定されているということ、それから、平成23年に水濁法が改正され、地下水汚染の未然防止のための構造基準等の新たな規制が導入され、地下浸透基準を取り巻く大きな情勢変化があったことも踏まえまして、次のページになりますが、今後、従来の地下浸透基準の設定方法の妥当性について検証が必要である。さらにその際には、今般、暫定的に据え置くこととしたカドミウムの地下浸透基準についても、合わせて精査すべきであるといった記述にさせていただいております。

 この4につきましては、前回の素案から変わっておりません。

 5ページは、委員の先生方のお名前を記載させていただいております。

 6ページ、審議経過ですけれども、ここで1点記載漏れがございます。申しわけございません。本日、平成26年5月22日の第17回委員会について記載が漏れてございます。主な議題については第16回と一緒ですけれども、「報告素案」ではなくて「報告案」について審議したということで、修正させていただきたいと思います。

 7ページ以降は、先ほど申し上げました、これまで資料として提出させていただいたものをまとめたものでございます。

 7ページは、カドミウムの物質の特性について整理しております。それから(2)で、健康影響について簡単に記述しております。

 8ページは、カドミウムの用途、排出量ということで、(1)主な用途、生産量、(2)製造・輸入量、9ページの(3)用途等、(4)で、PRTRのデータによる公共用水域等への排出量等について整理しております。

 11ページでは、マテリアルフローも以前にお示ししておりましたので、今回も参考の中でおつけしております。

 12ページは、公共用水域及び地下水における検出状況ということで、これも以前にお示ししたものでございますけれども、平成19年度から23年度までの5年間の検出状況を地下水と公共用水域で分けてお示ししております。

 13ページ、検定方法です。こちらは以前にお示ししたものとちょっと変わっている点がございます。(1)水濁法環境基準、(2)地下水環境基準、こちらは変更ございませんが、(3)排水基準、(4)地下浸透水における有害物質の検出、(5)浄化基準のところが、測定方法について特に記載してございませんでしたので、今回それぞれ記載してございます。

 下の整理表にJISの規格、55.1から55.4まで記載してございますけれども、今、申し上げた(3)から(5)の測定方法あるいは検定方法に関しましては、55.1のフレーム原子吸光法も公定法になってございますので、(※)ということで欄外に注釈をつけさせていただいております。

 最後、14ページには出典ということで、今回残した資料に関する出典だけを記載させていただきました。

【細見委員長】 前回の議論に基づいて報告素案を修正していただいたのが、資料5の報告案ということで、幾つか修正させていただいています。先ほど地下水の上田さんからもあったように、2ページの「なお、ここにおいて、」以下の段落の「現行の水準のまま据え置くこととした。」というのは、「据え置くことが適当である」という文章に修文させていただきたいと思います。

 そのほか、今、吉村さんから説明があったように、本日の審議の経過も一応加えたものを本日の報告案としてお諮りしたいと思います。

 全体を通じまして、委員の皆様から何かご意見等ございましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

【浅見委員】 申しわけありません、1点は確認になりますが、3ページの3、暫定排水基準のところで2年間のものと3年間のものと書いてありますが、「その他の業種については」というのは次の3つの「・」の真ん中の業種のことを指すという理解でよろしいでしょうか。

 それから、その中には廃鉱山の関連施設が入っているのかを最後にお伺いできればと思っております。

 もう一つは、先ほどの水産業の件は全くこの中には出てこないように見受けられますが、例えば1年後とか何かの機会に、うまくいっているかどうかを何らかの形で見ていただいたほうがよいかと思いました。

【細見委員長】 3点目は、排水基準の遵守がなされているかどうかをチェックする……、この暫定のものについてでしょうか。

【浅見委員】 そうです。水産業については暫定基準を設定しないということですので、このままだとうまくいっているかどうか、何らかチェックする機会があるのかどうかを伺いたいと思います。

【吉村課長補佐】 まず1点目の、その他の業種というのは、おっしゃるとおり、金属鉱業と溶融めっき業以外のものになります。ちょっと表現が不正確かと思いますので、きちっと業種について記載したいと思います。「その他の業種」という書き方を改めて、「非鉄金属第1次・第2次」というところをきちっと書いた形に修正したいと思います。

 2点目、鉱山の排水については排水基準が適用されるということでございますけれども、水濁法の適用除外の特定施設というのがございますので、水濁法上の届け出ではなくて、鉱山保安法による届け出という形にはなりますけれども、そういったところで規制することになります。

 3点目、水産食料品製造業の取り組みについてですが、確かに2年間あるいは適用猶予の1年間で対応できるのかというご意見をいただいております。もちろん道庁さんのほうできちっと水濁法の施行ができているかということで、指導していただくことにはなっていますけれども、そのことについて、この報告案の中で何らかの確認をするといった記載をするのが適当かどうか。水産食料品製造業の全体を調べたわけではございませんが、持っているデータの中ではごくごく一部の事業者がクリアできていない状況でしたので、あえて水産食料品製造業の排水について、今後また対応状況を確認するといった表現を入れるのがいいかどうかはよく考えないといけないのかなと思います。

 ただ、委員のおっしゃるような心配もございますので、その書きぶりについて、書くかどうかも含めてご相談させていただきたいと思っています。

【浅見委員】 申しわけありません、書いていただかないといけないということではなくて、何らかの機会に聞いていただいて、場合によっては適用が難しいといった状況になっていることもあるかもしれないなという気がいたしますので、そのときには、また何らかの対策を講じるとか、暫定のものを議論するとか、そういう余地が何らか残っていたほうがいいのかなと思った次第です。

【細見委員長】 資料5の報告に載せるというよりも、実質的に、少なくとも参考資料2にありますように、当初は0.1を要望されていましたので、その後、北海道庁と水産食料品製造業でいろいろ議論されて、1年間の猶予の中で対応できるだろうということでありますので、1年後どのように排水基準が守られてきたのかといったことを何か、道庁に依頼するというのか、そういうことがこの委員会としても気がかりなので、ぜひ環境省のほうから道庁に伝えていただくことが1つのやり方かなと思います。

 その程度でよろしいでしょうか。

【中杉委員】 基本的には水濁法の施行状況調査を当然やられるはずで、毎年「基準を超えている業種がこれで、このぐらい超えました」という話が出てきますよね。それを当然、水課のほうで見ておられて、水産業のほうでたくさんそういうものが出てくれば当然そこでまた議論しなければいけないということが出てくると思うので、そこら辺で十分押さえていただけるだろうと思います。

 ただ、「道庁のほうでしっかり指導してください」と要望を申し上げることは賛成でございます。

【細見委員長】 排水規制等専門委員会からも道庁に対して、1年をめどに水産食料品製造業、特にホタテ業に関して注意深くご指導をお願いしたいということを要望するという形にさせていただきたいと思います。

【吉村課長補佐】 ありがとうございます。環境省としましても、もちろん施行状況調査で毎年水濁法の施行状況は確認しておりますけれども、特に注意して、カドミウムの排水の遵守状況はフォローしていきたいと考えております。

 北海道庁さんにも協力をお願いしたいと思います。

【細見委員長】 繰り返しますけれども、この報告案には直接その文言は載っていませんけれども、我々、議論の過程でいろいろしてまいりましたので、今のような環境省の対応でよしとしたいと思います。

 他に。

【大塚委員】 メインの話ではなくて恐縮ですけれども、確認だけさせていただきたいということで、何か訂正をお願いするということでは全くありません。

 3ページの一番上ですけれども、今回、地下水環境基準値と浄化基準値をあわせたということで、これはトリクロロエチレンもそうしたのでそれで異存はございませんが、理由づけについて一応整理しておく必要があると思うので確認させていただきたいと思います。

 地下水の浄化基準をどのように見るかというのは、普通の水質の排水基準と、土壌の汚染状況等の関連する基準と一応両方見ながら考えていく必要があると思います。つまりストックの汚染かフローの汚染かというと、地下水は真ん中にあるものですから一応フローということになるわけですけれども、若干ストックに近いところがあるので、その点は一応考えていく必要があると思いますが、今回のこれはフローのほうの、水質の環境基準等に揃えたという整理になると思いますけれども、そこを1つ確認しておきたいということ。

 それから、地下水の浄化に関しては浄化命令を出したものが今まで一件もないので、今回、基準が厳しくなった場合、もし自主的に浄化された方がいた場合に、もう一度浄化し直すのかという問題が出てきますが、それは措置命令が出されているわけではないので法的には余り問題にしなくていいという整理になると思いますが、その辺について確認させていただきたいのでよろしくお願いします。

【上田室長補佐】 ストックかフローかというところにつきましては、どちらかというと、これは土壌、つまりストックのほうに近いのではないかと思いますが、土壌のほうも、基本的には土壌の環境基準にあわせて浄化基準といいますか、措置基準が決まっているのではないかと理解しております。

 そういう意味で、地下水につきましてはおっしゃっていただいたとおり、フローとストックの中間に当たるものではございますけれども、どちらかというと動きが少ないですし、希釈も期待されないということで、従来から排水基準のように環境基準の10倍にするということはやっていないので、地下水浄化基準については揃えて、つまり地下水環境基準と同じ値にするという考え方でよろしいのかなと考えております。

 それから、浄化措置命令を実際にかけた経歴がないけれども、自主的に浄化措置をした人に対しての問題でございますが、法的には、自主的に浄化措置をした人であろうが、浄化措置命令をかけること自体はできると思います。大塚先生に前からご指摘いただいているのは、私の理解では、行政の信義則といいますか、一回行政が浄化措置命令をかけたものについて、再度厳しい命令をかけ直すのは信義則上の問題があるのではないかというところだと考えておりますが、そこにつきましては先ほどおっしゃっていただいたとおり、今までは浄化措置命令をかけられたことがないということで、それはたまたまだと言われればそのとおりになりますが、問題はないのかなと考えております。

 そういう意味で、結論から申しますと、法的にはできるのではないかと思っております。

【細見委員長】 法的にというのは、もし自主的に0.01でやられていたところを0.003と、法的には言えるということですか。

【上田室長補佐】 命令をかけることは、法的にはできるのではないかと思っております。

【中杉委員】 今の上田さんの2つの答えのうち前のほうは、フローに対するものだろう。基本的には地下水の場合、飲料水として飲みますから、飲むものは安全な状態に直すべきである。そういう意味では、フローで地下水の浄化基準が決まっている。ストックではないだろう。

 後段の話は、多分これは2つの話があって、0.01までの浄化措置命令をかけてその対策をした後に0.003にしなさいという命令をかけるという状態と、自主的にやられて全く一回もかけていないときに「0.003にしなさい」と言うのと、これは全く意味が違ってくる。扱いが違ってくる。そこら辺は分けて考えないといけないだろうと思います。

【細見委員長】 後段の話は、多分それでいいと思います。

 前段のフローとかストックの話は、大塚先生、それで大丈夫ですか。

【大塚委員】 それは多分、中間のところにあるので、私はどちらと整理していただいてもよいですが、フローのほうかなとは思っていました。

 要するに、後から基準を厳しくしたときに、命令がかかっているときの対応の仕方に影響があるのではと私は思っているものですから、さっきの上田さんの説明だと、フローでもストックでも別に環境基準に揃えればいいではないかということだったので、それはそれで一つの考え方ですけれども、やはりフローよりはストックのほうが、一たん命令が出て何か対応した場合に、後からもう一度やらせるというのはなかなか大変な度合いが高いかなというのが私の感触ではあります。

 ですから、フローとしておいていただいたほうがいいかと思っておりまして、中杉先生と私は同じ考え方をさせていただいております。

【細見委員長】 これは別途、土壌の汚染に関してはストックの汚染だということで、一たん0.01で指定基準に対して浄化したところに仮にまた0.003でやるということは、そこはできない。

【大塚委員】 行政の信義則上の問題があるということですけれども、土壌汚染の場合はまさに問題があるので、そこはストックのほうが、動かないということを考えると、やはりもう一度厳しいことをやらせるというのはなかなか、行政の信義則という意味では同じかもしれませんが、より問題があるのかなと考えてはいるところですけれども、それは土壌の問題ですので、ここで扱う問題ではないです。

【中杉委員】 基本的に、何を目的に浄化措置命令をかけるのかというと、地下水を飲める状態にするということで、仮にストックが残ったままでも地下水がきれいになるという状態をつくれれば、それで構わないわけですよね。実際にはあり得ないと思いますけれども。考え方としてはそういう考え方なので、やはりフローを見て水をきれいにしましょうという命令をかけるのだと私は思います。

 例えば、極端な話をすれば、ストックとして土壌の中にあっても、それを囲って流れださないようにしてすれば、それはフローの対策としては十分対応できる。フローのほうを飲める水にしましょうということを命令するのだろうと思います。

 何割というようなことを決めるわけですよね。「あなたの責任であるから、これを何割きれいにしてください」ということを決める。それも含めて考えると、やはりフローのほうではないかと思います。

【細見委員長】 今の整理でよろしいですか。

【上田室長補佐】 すみません、私が混乱させるようなお答えをしたのがそもそもの元凶かなと思っておりまして、そこは反省しておりますが、おっしゃるとおり、地下水については「飲める水にする」というのがまさに目的でございますので、そういう意味でのフローとしての整理ということでよろしいのかなと思います。

 ありがとうございます。

【柿沼委員】 内容にかかわることではありませんが、別紙の9ページ、カドミウムの用途等のところで、2つ目の文章の表現がおかしいのではないか。主語と述語が合っていないので、例えば「ニッケル-カドミウム電池は、現在ニッケル-水素電池やリチウムイオン電池に置きかえが進んでおり」とか、そんな表現でないとおかしいかなという気がしますが、いかがでしょうか。

【吉村課長補佐】 「置きかえが進んでおり」といった形で修正させていただきます。申し分けございません。

【細見委員長】 柿沼委員のご指摘のとおりだと思いますので、今、言われたように、趣旨に沿った形で修正することにさせていただきます。

 早く言えば、ニッカド電池の需要が今はもう少なくなっているということが言いたいので、その他の用途も使用量は減少しているという、そこの趣旨がわかればいいと思いますので、ここは修正をお願いします。

 他にございますか。

【古米委員】 私のコメントもメインのところではなくて、別紙の12ページ、公共用水域及び地下水における検出状況ということで、きっとこれは昨年11月ぐらいに整理していただいたときのデータが残っているのだと思いますけれども、今回、出る段階では既に平成24年度のデータが昨年12月だったか、公表されているので、こういったものを出すときにはできるだけ最新のデータを載せた形で整理するのか、議論したときのデータのままで最終的に整理しないと混乱が起きるのか、そこら辺は過去どうだったのか気になったので、質問させていただきます。

【細見委員長】 直近のデータを全部使わないといけないのか、我々が議論したときに使ったのは平成23年度までなのでということか。何かルールはありましたか。

【中杉委員】 それは新しくしてもらう必要があると思いますね。報告書の時点で一番新しいものを入れるのが普通だろうと思います。

 前にもそのようなことで私もコメントした覚えがありますが、まだこれからパブリックコメントをやって、その後がありますから、その時点で一番新しいものをということで修正していただければいいのではないでしょうか。

【吉村課長補佐】 申しわけございません、平成24年度を追加して平成19年度を落とす、最新5年のものを載せるということで整理したいと思います。よろしくお願いします。

【細見委員長】 特段すごく変化していることはないと思いますが、大丈夫でしょうか。これは検出状況なので……。

 基本は、議論しているときに最新のデータを使うというのが、我々委員会としてもそれが課せられた役目だと思いますので、平成24年度のデータが12月に公表されたのだとすると、そのデータを使ってはどうかということで、ここの表は平成20年度から平成24年度という形にさせていただきたいと思います。

 他にございますでしょうか。

【吉村課長補佐】 

 先ほど浅見委員から、鉱山の排水に排水基準がかかるかどうかというお話がありました。適用除外規定が水濁法第23条にあるのですが、こちらは主に届出の適用除外ですので、排水基準は、特定施設があればそのまま水濁法のものがかかることになります。申しわけございません、訂正させていただきます。

【細見委員長】 その結果、今、暫定では何割といいましたか、幾つかありますよね。金属鉱山に関しては。

 要は、金属鉱山に関しては、水質汚濁防止法に基づいて排水基準が適用されている。届出については適用除外。

【吉村課長補佐】 届出については、水濁法に基づく届出ではなく、鉱山保安法に基づく届出をしていただくことになります。

【細見委員長】 よろしいでしょうか。排水基準は水濁法で規定されている。ご質問はそういう趣旨でしたか。

【浅見委員】 そうしますと、1年以内に一律の排水基準が全部かかることになりますでしょうか。この猶予の中には、暫定の中には入っていないという理解で、廃鉱山に関しても一律のものが。管理者がいるかどうか、ちょっと失念しておりますが、廃鉱山で対策されるところがあると伺って、少し期間がかかるということが議題になっていたかと思いますが、それは1年で他と合わせないといけないことになるでしょうか。

【吉村課長補佐】 金属鉱業につきましては、暫定排水基準が2年間となっておりますので、もちろんその2年の中で最大限努力をしていただくということですけれども、2年たった段階で技術的な状況を見て判断して、さらに必要なのかどうかというところは検討していくことになります。

 ご審議いただいていた、恐らくパッシブトリートメントを行っている事業場ということだったかと思いますけれども、そちらの事業場様についてはなかなか対応が難しいけれども、一応努力するといったお話も聞いておりますので、まずはその2年間で努力していただくということで、整理させていただいております。

【細見委員長】 参考資料2にありますように、金属鉱業の排水についての「困難な理由」というところで、廃止されているようなところではパッシブトリートメントを適用しようとしている、それを2年間かけてデータをとって見ていただいた後、またその状況等を踏まえてこの委員会等で判断することになると思います。

 他にございますか。

 もし他にないようでしたら、資料5の報告案をパブリックコメントにかける案とさせていただきたいと思います。先ほどご指摘があった幾つかのこと、本当に文言というか、てにをはプラスαの修正があるかと思いますが、これについては軽微な修正だと思いますので、事務局と委員長の私に任せていただくということでよろしゅうございますか。あえてeメール等でもう一度議論はしなくてもいいかと思いますが、それでよろしゅうございますか。

(異議なし)

【細見委員長】 それでは、本日いただきました資料5、報告案に対するご指摘は、事務局と委員長である私とで最終的にチェックして、パブリックコメントにかけたいと思います。

 ありがとうございました。

 次に、今後の予定について、事務局からご説明をお願いいたします。

【吉村課長補佐】 資料6をごらんください。検討スケジュール(案)をお示ししております。

 本日、平成26年5月22日、第17回委員会、報告(案)についてということでご審議いただきまして、この後、早ければ5月から6月にかけて約1カ月程度、パブリックコメントを予定してございます。パブリックコメントの期間が終わりましたら、出てきたご意見を取りまとめまして、委員会報告案に必要なものは反映させていただきまして、6月から7月にかけて第18回の専門委員会でまたご審議いただきたいと考えてございます。そこで報告の取りまとめができましたら、その後、今年度の前半には水環境部会で答申をいただきまして、省令改正も年度前半にしたいと考えてございます。

【細見委員長】 次回は、本日ご審議いただきましたカドミウムの排水基準等の見直しに係る報告案、これはパブリックコメント案ですけれども、5月下旬あたりからパブリックコメントでご意見をいただいて、それを踏まえてこの専門委員会としての報告をまとめていきたいと思います。

 委員の皆様におかれましては引き続きご協力のほどをお願いいたします。

 それでは、他に事務局から。

【吉村課長補佐】 最後に、本日の議事録につきましてはまた委員の先生方に送らせていただきますので、ご確認をよろしくお願いいたします。

 それから、今、スケジュールの中でもご説明しましたように、第18回の委員会につきましてはまた日程調整のご連絡を差し上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 事務局からは、以上でございます。

【細見委員長】 本日はパブリックコメント案をご了承いただきまして、ありがとうございます。

 次回は、パブリックコメントでいただいたご意見を踏まえて委員会の報告を取りまとめたいと思います。

 日程等については、また事務局からご連絡があるかと思います。本日はご議論いただきまして本当にありがとうございました。

 これで議事を終了したいと思います。どうもありがとうございました。

午後4時13分 閉会