中央環境審議会水環境部会 排水規制等専門委員会(第8回) 議事録

  1. 1.開会
  2. 2.議事
    1. (1)1,4-ジオキサンに係る特定施設の検討
    2. (2)1,4-ジオキサンに係る暫定排水基準の検討
    3. (3)今後の予定
    4. (4)その他
  3. 3.閉会

配布資料

資料1 中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会委員名簿
資料2 中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会(第7回)議事録案(委員限り)
資料3 1,4-ジオキサンを排出する施設状況(特定施設の追加について)
資料4 1,4-ジオキサンに係る暫定排水基準の検討について
資料5 今後の予定
参考資料1 検討対象物質に関する情報(1,4-ジオキサン)
参考資料2 特定施設一覧(水質汚濁防止法施行令(抜粋))
参考資料3 製造工程フロー図(委員限り)

午後3時00分 開会

【水原課長補佐】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第8回中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会を開会いたします。
 なお、本日は、委員総数11名中全員、ご出席いただいております。専門委員会の定足数を満たしているところです。
 続きまして、お手元の配付資料についてご確認いただきたいと思います。議事次第にございます資料及び参考資料をお配りしております。なお、資料2と参考資料3については委員限りとしております。資料1が委員名簿、資料2が前回の議事録になります。資料3が1,4-ジオキサンを排出する施設状況ということでまとめております。資料4が1,4-ジオキサンに係る暫定排水基準の検討について、資料5が今後の予定となっております。参考資料1が検討対象物質に関する情報、参考資料2が特定施設一覧、参考資料3が製造工程フロー図(委員限り)とさせていただいております。
 不足等がございましたら、随時、事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。
 それでは、以下の進行は細見委員長にお願いいたします。

【細見委員長】 ご多忙の中、委員の皆様におかれましてはご出席いただきましてありがとうございます。
 前回、この委員会でご議論をいただきました報告を2つ、2月18日の水環境部会に説明をしまして、修整なく同日付で環境大臣へ答申しております。その結果がお手元の資料の2つの答申でございます。
 本日からは、宿題案件であります1,4-ジオキサンについて審議を進めてまいりたいと思います。委員の皆様におかれましては引き続き活発なご議論をお願いいたします。
 本日の議題に入ります前に前回議事録の確認ですが、お手元に資料2がございますが、議事録案を各委員の方へお配りしております。この資料は既に各先生方にご確認いただいた後、事務局で修正したものでございます。特に修正等がございませんようでしたら、この場にて前回議事録の確認とさせていただきたいと思います。いかがでしょうか、よろしゅうございますでしょうか。

(異議なし)

【細見委員長】 それでは、この議事録を確定させていただきます。
 それでは、本日、お手元の次第にありますように議事の1番目、1,4-ジオキサンに係る特定施設の検討ということで、まず、事務局のほうからご説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

【水原課長補佐】 それでは、資料3、参考資料3に基づきましてご説明いたします。
 まず、資料3をご覧いただければと思います。1,4-ジオキサンを排出する施設状況(特定施設の追加について)ということでまとめておる資料でございます。
 まず、水質汚濁防止法における排水規制等は、特定事業場、特定施設を設置した工場または事業場からの排水等に対して排水基準等の遵守を義務づけておりまして、1,4-ジオキサンに係る水質汚濁防止を図るためには、必要に応じて特定施設を設定することが必要となるところであります。
 1,4-ジオキサンを排出する事業場の業種及び用途については、参考資料、これまでもおつけしてりました資料になりますが、そこに記載しているとおり、化学工業とか医薬品製造業、繊維工業、一般機械器具製造業における有機合成反応溶剤等であると。また、工業用途以外での1,4-ジオキサン排出源とまして、化学反応(エチレンオキシド重合反応)や界面活性剤生成の際の副生成、1,1,1-トリクロロエタンヘの添加、廃棄物からの浸出、家庭排水などが挙げられております。
 特定施設の検討に当たっては、上記文献等による知見のほか,これまでの排水規制等専門委員会におきまして、「特定施設の追加検討にあたっては、PRTRのデータを活用し、1,4-ジオキサンが排出されている事業場を絞り込んだ上で、各事業場のどの過程で1,4-ジオキサンが使用・生成されているかを確認することで、どういった施設から1,4-ジオキサンが排水系統に混入するかを押さえていく」とされてきたことを踏まえまして、次にまとめているとおり、PRTRの届け出事業場へ調査を行いましたので、その結果を含めて検討することとしたいと考えております。
 1ポツで調査方法とありますが、まず、平成20年度にPRTRの届け出を行っている事業所は3万9,472事業所がありましたが、これらのうち、1,4-ジオキサンに係る届け出を行っている事業所というのが92事業所ありました。これが表1にまとめてあるものです。
 特定施設の追加の検討に必要なデータを収集するために、このうち、水域への排出、下水道及び廃棄物への移動がある71事業場、表2のほうにまとめておりますが、これらを対象にアンケート調査を実施しております。調査の内容としましては、事業所の概要、製造工程・汚水・廃棄物等の排出状況、排出状況図や排出量とかを聞いております。[3]として1,4-ジオキサン取り扱い施設の概要、こういったものを聞いているところでございます。
 めくっていただいて2ページ目になりますが、調査結果ということになりますが、まず、71事業所ヘアンケート調査を実施した結果、64事業所から回答が得られております。また回答は得られたものの、秘匿情報等の理由により回答情報が不足しているとか、取りまとめから除いた事業所が12あります。このため、調査結果としては52事業所からの回答をもとに取りまとめております。その取りまとめたものを業種については表3にまとめております。一部回答が得られなかった事業所が存在するものの、得られた回答については表2の9業種を網羅しているため、1,4-ジオキサンを排出する業種については網羅的に調査できたのかと考えております。
 調査結果の概要として委員限りになりますが、参考資料3のほうに製造工程のフロー図を載せております。こちらもあわせてご覧いただければと思いますが、まず、調査結果として、まず、1,4-ジオキサンを排出している業種には大きく分けて3種類あるかと考えております。まず、[1]番として1,4-ジオキサンそのものを製造している場合と、[2]番として1,4-ジオキサンが原料に含まれて使用している場合、例えば合成樹脂製造とか合成ゴム製造、塗料・接着剤の製造・使用、感光剤製造、医薬品・医薬品原薬を製造しているもの、こういったものがありました。[3]番として製品の製造過程で1,4-ジオキサンが生成するもの、副生成で出てくるもの、これがポリエステル樹脂製造とか合成洗剤(界面活性剤)製造のときに出てくると、大きく分けてこのような分類ができるのかなと考えております。
 こういった調査あるいは参考資料3にまとめたようなフローを見た上で、新たに特定施設の追加が必要なのかどうかというのを検討しているのが3ポツ以降になります。
 まず、特定施設のこれまでの考え方を整理させていただきますと、水濁法2条2項において特定施設が規定されておりまして、基本的には汚水または廃液を排出する施設でありますので、例えば洗浄施設とか水洗施設などのように汚水または廃液を排出する施設というものが規定されておりますが、そのほか、直接は汚水・排水が出るもの、直接的に出しているところではないんですが、その大もとというか、縮合反応施設とか混合施設などのように、その稼働によって汚水または廃液を排出するものではないものの、これらの施設によって汚水または廃液を生じ、製造過程において系外に排出するものについても、特定施設として規定しているところでございます。
 これで、1,4-ジオキサンを排出していると考えられる業種のうち、次のページになって見にくくて恐縮ですが、表5に掲げる施設については既に特定施設となっております。ご覧いただきますと、例えば[1]番であれば第2条各号に掲げる物質を含有する試薬の製造業とか、あるいは第2条各号というのが有害物質を定めているところですが、1,4-ジオキサンが有害物質として指定されれば、当然、1,4-ジオキサンを製造する試薬製造施設については、特定施設に該当するというような形になっております。そのほか、例えば[2]の1)番、合成樹脂製造業の用に供する縮合反応施設、水洗施設、遠心分離施設などなどといったものは、既に特定施設になっているということになっております。
 ただ、表5が既に特定施設になっているものですが、アンケートの結果、例えば一部の界面活性剤を製造している工場などでは、製造過程で1,4-ジオキサンが副生成されるものの、特定施設はないというアンケートの結果になっております。そのため、1,4-ジオキサンを排出する工程、あるいは発生させる工程というのを特定施設として追加していく必要があると考えております。
 また、一部の医薬品製造業の工場または事業場については、1,4-ジオキサンを溶剤として使用し、また、1,4-ジオキサンを排出しているものの、アンケートの結果、特定施設とは規定されておらず、規制の対象外となる場合があると。そのため、規制の対象にする必要があります。しかしながら、1,4-ジオキサンについては幅広く溶剤として使用されているということは知られているところでして、1,4-ジオキサンを溶剤として使用し、排出する施設を例えば何々業の用に供する混合施設とか、そういった形で特定施設として網羅的に規定した場合、その業種について1,4-ジオキサンを使用していない工場、事業場であっても規制対象となってしまうということが懸念されます。そのため、過不足なく1,4-ジオキサンを排出する工場または事業場を規制対象とするため、例えば1,4-ジオキサンの混合施設といったように物質を特定しまして、業種横断的に使用する段階を特定施設として規定することが効果的と考えられます。
 このように業種を指定せずに特定の物質で規定している特定施設の例としましては、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンまたはジクロロメタンの蒸留施設といったもの、そういったものが既に特定施設になっているということになっておりまして、これと同じような形で特定施設を追加することが効果的ではないかと考えております。
 なお、通常の製品製造工程で1,4-ジオキサンが使用され、排出されることが想定されない機械器具製造業などでは、1,4-ジオキサンを溶剤として含む塗料を用いる場合に、塗装施設の洗浄廃液などとして排出される場合もあります。しかし、これらの施設は通常汚水または廃液を排出する施設ではなく、これまでの調査で排水の濃度が低濃度であること、1,4-ジオキサンを含む製品、塗料とか、こういったものはごくわずかであり、また、製品に1,4-ジオキサンが含まれているかどうかというのが、使っている側からは認知できない場合もあるということを考えますと、通常、1,4-ジオキサンを使用していない工場または事業場であっても、塗料等を使用する施設では1,4-ジオキサンを排出する可能性があるとして注視した上で、公共用水域の水質測定結果の評価の際などに留意していくことは重要であると考えますが、現時点では、そういった洗浄施設等の施設を特定施設に追加するというのは合理的ではないと考えております。
 また、1,4-ジオキサンの排出源については、これまでの文献やPRTRの届け出情報から上に述べてきたとおり考えているところですが、新たな情報としてエチレンオキシサイド、エチレングリコールの製造の過程においても、非意図的に副生成するという情報もありました。これらの製造については、既に以下の施設が特定施設となっており、新たな特定施設の追加は必要ないと考えております。第37号に、前6号に掲げる事業以外の石油化学工業の用に供する施設であって、次に掲げるものとして、エチレンオキサイドまたはエチレングリコールの製造施設のうち、蒸留施設及び濃縮施設、こういったものが既に特定施設として規定されているところでございます。
 資料3については以上になります。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。
 資料3に基づいて1,4-ジオキサンを排出する施設について、新たな特定施設として従来からも施設として含まれている場合以外に、2つ追加してはどうかという案を事務局からご説明いただきました。一つは界面活性剤を製造する過程で1,4-ジオキサンを副生成する物質であるということで、界面活性剤製造業に係る施設を追加してはどうかというものが一つと、それから、もう一つ、1,4-ジオキサンはこれまでいろんなところで言われていますように、さまざまな溶剤として広く用途として使われています。業種を特定せずに物質を特定して、1,4-ジオキサンの混合施設というふうにすると、これについてはトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の蒸留施設というふうに事例がございますので、そういう横断的な施設として提案されていますけれども、どの委員の方からでも結構ですので、今、事務局からご提案のありました2つの案についてご意見等がございましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 原田委員、どうぞ。

【原田委員】 今、委員長にまとめていただいた最初のほうの界面活性剤のほうの件です。今、説明いただいた資料3の3ページの下のほうなんですけれども、界面活性剤の問題点として下から3行目です、「一部の界面活性剤を製造している工場では」と書かれていますけれども、表4を見ると、今回のアンケート結果では1社しかないんですよね。1社しかないのに一部のというのは一体どういうことなのかなという、そういう疑問です。それをもとにちょっとまた議論できればと思うんですが。

【水原課長補佐】 こちらは基本的にPRTRのデータをもとにつくっておりまして、界面活性剤の製造業として、その会社は業種としてはこういった業種ですよという回答をいただいていたんですが、ほかにも界面活性剤をつくっているところはあるかもしれないんですが、別の業種として答えてきている可能性はありますし、界面活性剤をつくっているところがすべてこういったつくり方をしているということにはならないと思うので、ちょっとまだ確定的なことは言えないので、一部のという形で書かせていただきました。

【細見委員長】 お手元の例えば参考資料1の5ページを見ていただきますと、参考資料1ですが、1,4-ジオキサンの情報についてまとめていただいているやつで、これは今までも議論しておりますけれども、5ページである種の界面活性剤、特にAESと、あと、アニオン系のやつも含めてですけれども、全体の界面活性剤の特にAESとか、幾つかのものについては副生成する可能性があるというのが一つと、それから、今の界面活性剤製造業というかは、恐らく界面活性剤そのものをつくって、それをどこかに洗剤をつくるメーカーさんとか、そういうところに出される施設が1社ということですかね。今の界面活性剤を製造している工場というのは、多くは合成洗剤に関わっているところというのと、界面活性剤だけを製造している事業場というのが、ちょっとそこの説明をもう一度していただけますか。

【水原課長補佐】 参考資料2の特定施設一覧というものがあるんですが、6ページ目に36号ということで、合成洗剤製造業という業種についてはまた別途あって、産業分類上、合成洗剤製造業と界面活性剤製造業というのは別の業種になっているというところなんですが、実際に工場が界面活性剤だけをつくっているのか、あるいはほかの例えば合成洗剤なり、ほかのものをつくっているのか、そこらで全体像というのはこのアンケートからはくっきり明確にすることはちょっとできないかと思うんですが、ちょっとそこら辺の界面活性剤をつくっているところが合成洗剤製造業として登録している場合もあったりとか、その辺はすみません、アンケートからは明確にできていないという状況です。

【細見委員長】 いかがでしょうか。

【原田委員】 何となく趣旨はわかったような気もします。要は資料3はある種の提案といいますか、こういうのを入れたらどうかという事務局としての一つの案なのかなと思います。ですから、そうすると、それが出てきた根拠はどこなのかということをはっきりさせたほうがいいだろう。アンケート調査をして、それからこうだったよということのほかに、今までの1,4-ジオキサンがどこから出てくるかと、そういう科学的なバックグラウンドがある。そこには合成洗剤、それから、界面活性剤の製造過程からは副生成物として出てくるという事実がある、片方の合成洗剤のほうは特定施設のほうの今までのところに入っているけれども、界面活性剤で合成洗剤の業種にされていない部分は、かからないから、今、入れましょうという、そういう話なわけですね。

【細見委員長】 そうだと私は思いますが。

【水原課長補佐】 そのような形で考えております。

【細見委員長】 どうぞ。

【中杉委員】 参考資料3でいろいろ示していただいているんですが、点線や赤で示してある部分は今の規制の中でひっかかってくるものですよね。

【水原課長補佐】 そうです。

【中杉委員】 書いていないものを今回どうするか。ひっかかっていないものを全部、今回、対象にしようという話じゃないですよね。そこら辺のところがもう少しわかりにくい。今回はこれは対象にしますよというのであれば、例えば別な形で今回の対象、番号、特定施設の何番というのはつけられないでしょうけれども、そういうもので示していただくとわかりやすいんだろうと思うんですが、それともう一つは今の原田委員のご質問に対してすると、界面活性剤の製造のところで出てくるよと。合成洗剤の例はかかっているけれども、合成洗剤の製造業というのと界面活性剤の製造業というのがぴったり重なるわけじゃない、すき間の部分があるよという図をつくっていただくと、この部分にかけなければいけないんだよというのがはっきりわかるんだろうと思うんです。
 多分、一部のと言われたときには1,4-ジオキサンが副生するものと副生しないものがある。でも、これは非意図的な生成なので、この工程ならできる、この工程ならできないということを明確に言うことができないから、多分、もう一つの話では1,4-ジオキサンの何とかというのをつくるということも、この場合、1,4-ジオキサンが副生する界面活性剤製造業の施設というふうな言い方が多分できないので、界面活性剤製造施設を一律にかけざるを得ないんだと。そこら辺まで説明していただかないと、何かもう少しすっきりしないというか、わかりにくいというふうに思うんですけれども、ちょっとそういう図をつくっていただいて、もう少しわかりやすくしていただくとよろしいのかなというふうに思いますけれども。

【細見委員長】 趣旨は理解できると。

【中杉委員】 私が言っていることが正しいのかどうかわかりません。私はそういうふうに解釈したということなんですけれども、ちょっと資料3の文書だけで説明していただくと、何でこうなっているのかというのがもう一つ明確にはわかりにくいと。

【細見委員長】 今のわかりにくいとおっしゃったのは、今、一つ界面活性剤の製造施設というのと、もう一つ、横断的に1,4-ジオキサンを溶剤として使っているという2つのくくりを、今、提案してあるんですが、両方ともですか。

【中杉委員】 全体としてわからない。界面活性剤製造施設はそれでいいのかもしれないなと思います、それですぱっと切れるから。1,4-ジオキサンを製造する施設、使用する施設、塗料のというのは、例えば参考資料3でいうとどの部分がそれに当たるんですか。塗料の製造・塗工工程というのが書いてあって、これは全部、今回の対象なんですか。

【水原課長補佐】 例えば5ページ目に合成ゴムの製造工程というところがありまして、ここは今のところ特定施設を持っていないというところになるんですが。

【中杉委員】 特定施設を持っていないというのはいいんですけれども。

【水原課長補佐】 ですので、原料と一番上のところで、ジオキサンをまぜる段階で特定施設にしてはどうかというふうに考えております。そのほかにも例えば7ページ目であれば、塗料の製造のところで、1,4-ジオキサンをまぜる上半分でいうと攪拌混合施設とか、そういったところがありますので、これは対象になると考えております。このように……。

【中杉委員】 攪拌混合はね。その下の塗装施設というのもなるんですか。

【水原課長補佐】 下半分のところについては、何か混合しているというわけではなくて、ここは例えば塗料を買ってきて、それを塗っているとか、そういったところですので、そこはなかなか資料の説明にも書かせていただきましたが、ここを規制の対象にするのは難しいのかなと、合理的ではないのかなと考えております。

【中杉委員】 多分、そういうことだろうと思います。そこら辺がこの図だとはっきりしないんですよ。全部書かれると、どこの部分を特定施設にして、資料3の文章と参考資料3の図がどういうふうな対応がとれているかという説明が全くないし、ここまでわからない。そうすると、どこまでを特定施設にするのかというのがもう少しわかりにくいということと、それから、ここを対象にしましたというときに、水濁法の排水規制の場合は大気汚染防止法の規制みたいに、施設ごとにこの物質ということじゃなくて一律にかけるので、という特殊なというか、やり方をしていますので、そのやり方でやったときにということの説明がもう一つ必要だろう。こういう部分が残るから、ここへかけますよというふうなものをつくっていただくと、もう少し理解をしやすいんだろうと。基本的な考え方で何となく資料3の言われていることは理解をします。

【細見委員長】 では、ちょっと補足説明をお願いします。

【吉田課長】 恐れ入ります。資料3について本日もいろいろご意見をちょうだいしたいと思いますが、今の中杉委員のご意見を踏まえて、参考資料3についてはこういう形で考えているというものをもう少し分かりやすい形で、次回、ご提示をさせていただきたいと存じます。

【細見委員長】 特に今回、2つ、界面活性剤の製造施設とそれから1,4-ジオキサンの混合施設というような一応提案なので、例えばこの委員限りの参考資料3というのに関して、少なくとも例えば今でいうと先ほど説明した特に7ページが一番典型的だと思いますけれども、事務局の今のお考えをもう一度、ちょっと赤とか点線を入れていただきますけれども、今日の段階では7ページでいいますと、塗料の製造工程、製造塗工工程というんでしょうか、そのうちの塗料の製造工程で1,4-ジオキサンを原料として攪拌混合する施設、これは横断的に今回の施設に入れていきましょうと。しかしながら、まぜた1,4-ジオキサンを含む塗料をある工程で吹きつける場合ですかね、塗工だから、そういうときには濃度も薄いし、使用量も少ないので、塗工工程に関しては今回は対象の外ですよと、そういう意味ですので、中杉先生がおっしゃるようにやっぱり囲うとか、塗工工程はこういう理由で省きますよと、確かに文章でちょっと資料3で書いてあったかもしれませんけれども、参考資料3の中で書いておくと、よりわかりやすくなります。そこはちょっと次回までにはよろしくお願いしたいと。

【吉田課長】 そうしましたら、整理をいたしまして各委員の皆様方にお送りをさせていただくということで。

【細見委員長】 そうですね。今日、終わってすぐできると思いますので。

【吉田課長】 そうさせてください。

【中杉委員】 そのときについでですけれども、4ページの合成洗剤製造工程というのは、合成洗剤製造工程の中には既に今の中で対象になっているものが一部あるわけですよね。全部、ないんですか。4ページのところは、原料で酸化エチレンを使って生成して反応施設というのは、今の水濁法の枠から全部外れているんですか。

【水原課長補佐】 合成洗剤の製造業については規制の対象になっています。

【中杉委員】 だから、一部は入っているんですね、この工程では。だから、一部が入っているのなら、例えば点線で一部が入っているというような表現をしておいてもらったほうがいいんだろう。4ページのところは全部、全くないから新たにかけるよというふうに読めてしまうので、ごめんなさい、参考資料3の4ページです。

【水原課長補佐】 すみません、参考資料2を見ると、合成洗剤製造業の中で例えば廃酸分離施設とか廃ガス洗浄施設とか、そういったものが対象になっているので。

【中杉委員】 この辺は入っていないんですか。

【水原課長補佐】 入っていないということで。

【中杉委員】 わかりました。

【細見委員長】 今のをもう一度言うと、参考資料2の6ページの36号の合成洗剤製造業の用に供する施設であって云々と、3つ廃酸分離施設と排ガス洗浄施設と湿式集じん施設、これについては既に特定施設になっているけれども、ちょっとややこしいんですが、参考資料3、委員限りの資料の4ページの工程のところは入っていないと。それでいいですね。何か。

【古米委員】 参考資料3の4ページのところにおける既に特定施設になっているのは、右側の反応槽、洗浄排水だとか、そういったところが既になっているというように理解すればよろしいんですか。

【水原課長補佐】 これはなっていないです。

【中杉委員】 ちょっといいですか。参考資料2を見せていただくと、2の中のほかの業種を見ても反応施設だとかいうのはなくて、みんな、出るところの施設に対してかかっているように思うんですけれども、だから、合成洗剤の場合のところで反応施設が合成施設というのを、例えば36のイ、ロ、ハとあって、ニというもので合成施設とか、ホで反応施設というのをつくるという形になりますよね、今のご説明だと。そうすると、ほかのものについて、そういうのがあるのかなというのがちょっとよくわからないんですけれどもね。

【水原課長補佐】 参考資料2のほう、こちらの5ページ目のほうに例えば33号のところで縮合反応施設とか、こういったところで、そのほかは基本的に最終的に水が出るところなんですが、それだけではなく、こういった入り口というか、生成するところでも特定施設になっているものがあると。

【細見委員長】 今のはわかりましたでしょうか。5ページの33号の例えば合成樹脂製造業の施設は縮合反応施設というのが入っていると。

【中杉委員】 でも、そういうふうな見方をすると、ほかのところも何かあれが、どうしてここが入っていて、ここは入っていないんだろうというのが幾つもあるように思いますけれども、例えば発酵のところは原料処理、蒸留、遠心分離、ろ過以外のところは必要ないんだろうかとか、工程としてはそういうので構わないんですか。ほかのところを見ていても、こういうふうに物をつくっていく流れがありますよね、いろんな施設が同じように。反応施設というのはほかのものでもいろいろあると思うんだけれども、反応施設という言葉は合成樹脂のところだけしか、今のご説明だと出てこないんですよ。どうしてほかの化学工業の反応施設というのは対象にならないんだろうかという。

【吉田課長】 今の中杉委員の反応施設がそもそも特定施設にならないのはなぜかというご質問ですが、それに対してストレートにこうですという答えを持ち合わせてはいないんですが、これまでの合成洗剤製造業においてはいろんな物質が出たり、あるいは生活環境項目が出たりするわけですけれども、その過程が36のイ、ロ、ハの3つ、この3つを押さえていればいいということになっていたのが、今回、各会社にPRTRで対象になったものにアンケートをとりますと、その工場では36のイ、ロ、ハが含まれていない工程を示されたと。したがって、この施設は特定施設には今なっていないわけです。
 しかしながら、1,4-ジオキサンが排水に含まれる可能性があるということですので、これを新たに対象に加える必要があり、対象に加えるに当たっては、どういう表現ぶりで加えるのがいいのか、あるいはどういう業種で加えるのがいいのかということについて、まだきちっと整理ができておりませんけれども、少なくともこれについては入れるという方向で考えていきたいと、こういう、流れになっているところです。

【細見委員長】 ほかの委員の方はどうでしょうか。

【中杉委員】 ご説明は理解しましたけれども、そうなると、ほかのところでそういうのはないんだろうか。ほかの業種、化学工業の業種で。

【細見委員長】 それは1,4-ジオキサンに関してですか、それとも別の……。

【中杉委員】 1,4-ジオキサンだけじゃなくて、ほかのところでいろんな業種があるわけですよね。

【関審議官】 水質汚濁防止法もすべての施設を網羅的に規制しているわけではございませんで、歴史的に水質汚濁に影響がありそうな施設、物質を対象として必要な範囲内で追加しておりますので、そういう意味ではありとあらゆる排出されるような可能性があるものすべてを網羅しているということではなくて、つぎはぎ的になっておりますので、やや定義の仕方がそのときの必要性に応じて随分変わってきておりますのでわかりにくくなっておりまして、中杉委員のご指摘のように可能性があるからといって、すべてを対象としてきたわけではございませんので、それで、いろんなことで現実的に水質汚濁の程度から考えて、不足であるというときには追加されてきたということでありますので、改めてそういう必要性が生じれば、1,4-ジオキサン以外の物質についても、当然、ご検討いただいて追加するということは今後ともあると考えております。

【細見委員長】 1,4-ジオキサン以外の項目について、そういうものがあり得るかどうかは、ここの委員会で、今すぐ対応するわけではないので、少なくとも今の審議官のお言葉をかりるとやっぱり問題になって、そのときに対象とすべきものは追加を順次していくというのが方針のようですので、今回、1,4-ジオキサンに限っていうと原料として使っているもの以外に、こういう副生成する反応工程が2つほど見つかっているので、その分を含む工程、反応施設を追加すべきではないかという今の意見です。
 この名称に関しては、今日、決めるわけではなくて。

【吉田課長】 今日、お決めいただくということではございません。

【細見委員長】 事故時の問題を2回か3回でしたか、集中的に議論しましたので、その前から宿題になっていたのが特定施設の追加をどうすべきかという宿題があって、それに対して、今日、事務局のほうからまず説明があって、一応、案として出されていますので、今までの議論のうちでもう一度まとめますと、ちょっと資料の再整理をしていただきたいということが一つと、それから、ほかの物質に関してはすぐにはわからないけれども、一応、なぜ合成樹脂施設では縮合反応施設が入っている、ちょっと経緯みたいなものがもしわかったら調べておいていただいて、今後、1,4-ジオキサンの反応施設というのと関連性がありますので、そこを調べていただくと。それから、今回、2つの新しい追加の特定施設として案が出ていますけれども、本日は一応、提案があったということで、次回を含めてまた議論をさせていただくということにします。
 どうぞ。

【平沢委員】 ちょっと追加で大したことではないかもしれないんですけれども、参考資料3の工程の中で医薬品の……。

【細見委員長】 何ページを見ればいいんでしょうか。

【平沢委員】 11ページに製造工程があるんですが、私はよくわからないのでちょっとお聞きしたいんですけれども、医薬品って多分、1,4-ジオキサンをほとんど溶剤で使っていると思うんですけれども、だから、反応原料というよりは反応溶剤でジオキサンを入れて、反応させてジオキサンが出てくるだけというかという感じなんですが、こういう溶剤も原料という範疇にするんでしょうか。それが私はよくわからなかった。原料というのだからAとBが反応してCができる、そのA、Bが原料なので、これは水だとか溶剤という意味ですよね。多分、1,4-ジオキサンと反応させているわけじゃないですよね、医薬をつくるのに、と私は思うんですけれども、ほとんど溶剤で使っているのが普通なので医薬の場合は、そういうのは原料と呼ぶんでしょうかと、そういう質問なんですが。

【細見委員長】 今、ちょっと質問の趣旨はわかりましたでしょうか。

【平沢委員】 僕も医学をやっているのでちょっとわかるんですけれども。

【細見委員長】 では、先生、反応溶剤というのは原料ではなくてそのままなんでしょうかね。

【平沢委員】 反応しないで出ちゃうだけですからね。

【細見委員長】 原料じゃない。

【中杉委員】 抽出剤とか、そんな……。

【細見委員長】 抽出剤みたいなもの。

【平沢委員】 抽出剤というか、水のかわりみたいなものですね。医薬品は疎水性の有機物なので溶けないので、AとBを反応させる溶かすためにジオキサンを入れているだけですので、それ自身は原料なのかなというか、ちょっと悩んだんですが、細かい話で……。

【細見委員長】 要するに医薬品の成分の中にはジオキサンは入ってこないと。

【吉田課長】 ですので、原料というこの表現があまりよろしくないのではないかと思いますので、原料として使っていなくて、平沢委員がおっしゃるように溶剤として使っているのであれば、ここを溶剤というように書きかえさせていただきたいと思います。

【細見委員長】 わかりました。ありがとうございます。少なくとも原料ではないということなので、ちょっとこれも例えば反応溶剤という形で、この図に加えさせていただければと思います。
 どうぞ。

【中杉委員】 先ほどの一応了解はしましたけれども、エチレンオキサイドとエチレングリコールについてですけれども、今、対象になっているのは蒸留施設ともう一つ何でしたっけ、製造工程の蒸留施設と濃縮施設ですよね。参考資料3の6ページの37のチで、エチレンオキサイドまたはエチレングリコールの製造施設のうち、蒸留施設及び濃縮施設で、この場合に参考資料3の……。

【細見委員長】 これは参考資料2ですね。

【中杉委員】 ごめんなさい。2でした。2の6ページ、37のチのうち、2つに書いてありますけれども、これも恐らく形としては非意図的に生成、構造から考えて。そうすると、反応施設というものを規制しなければいけないんじゃないか、先ほどと同じような議論をすると、その必要はないかどうかという確認をしていただく必要があるかな。だから、エチレンオキサイドとエチレングリコールの製造過程において非意図的に生成するというのはどういうところから、そのうちの外に出るのは蒸留施設と濃縮施設、そこだけでいいか。界面活性剤の場合も、反応施設が入っていなかったから反応施設を入れるよという議論を今しているわけで。

【細見委員長】 今の中杉先生のご指摘は、もう一度、参考資料2の6ページの37号のチで、この製造施設のうち、蒸留と濃縮施設、これは排出のところだから、もちろん、今までどおりでいいと。ただ、この製造施設のうち、製造する過程で要するにエチレンオキサイドと二量化反応をしたときに、その反応施設で、もしもジオキサンができているのであれば、界面活性剤と同じように……。

【中杉委員】 合成洗剤も同じような形なので、反応施設から直接、これに関わらないで出てくる可能性がないのかというのを確認していただく必要があるだろうということです。これは、ここで対象にしているから、今回は対象にしないよという整理をされているけれども、それで十分なのかどうかというのを、合成洗剤製造施設と同じような目で見ていただく必要があるだろうということです。

【水原課長補佐】 ありがとうございます。ちょっと確認したいと思います。

【細見委員長】 この部分、反応施設という縮合反応も含めてですけれども、そこを入れるかどうかという、どういうふうにメカニズムももちろんもう一回確認した後、界面活性剤における反応施設と、ここのチの製造施設のうちに反応施設を含めるべきかどうかということをあわせて、ちょっと宿題にさせていただきたいと思います。この件ではこれで一応宿題とさせていただきたいと。
 今の件で、それでは先に柿沼委員。

【柿沼委員】 ちょっと気になったんですけれども、参考資料の例えば4ページのところに書いてあります反応施設から出ている青い線は洗浄排水が問題になるという、そういう趣旨ですよね。ですから、反応容器があったとしても、そこから例えば洗浄しないで連続的にずっと使うようなものであれば対象にならないという、そういう考え方なんですよね。ですから、そういう断り書きがあれば、要するに何とか施設からの排水があるものというふうに指定すれば反応容器であるか、あるいはそれがどんな容器であるかというのは、あまりこだわらなくていいんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

【水原課長補佐】 基本的に仮に反応施設、反応容器があって、そこも含めて排水が全く出ないということであれば特定施設にはなるんですが、特定施設の設置の届け出とかは不要と、工場、事業場からですね、いずれにしても、まず生成される、出る可能性があるところについては指定していく必要があると思いますので、水が出るかどうかというところで指定するというのは、ちょっとほかとの並びと考えても難しいのかなと思っています。

【細見委員長】 柿沼さん、どうですか。

【柿沼委員】 多分、具体的に施設をこういう施設と例示されることになると思うんですね、実際に規制になるときには。その中では多分、排水があるものとかという、そういう指定の仕方にすればいいんじゃないかと思うんですが、そうすると反応施設かどうかということは……。

【細見委員長】 あまり重要ではない。

【柿沼委員】 そんなような気がしますし、特にジオキサンという個別の有害物質を対象に規制をしていこうというときには、実態に合った形で100%できれば、それはそれでいいと思うんですけれども、もし不明なところがあるのであれば、合成施設あるいは反応施設からの洗浄排水があるものというのが施設という扱いになるんじゃないでしょうか。具体的に特定施設と指定する立場から見ると、かなり判断が難しいなというところが出てくるんじゃないかと思うんですけれども。

【水原課長補佐】 おっしゃるとおり、基本的にはまずこれまで基本的な考え方としては汚水が出るところ、出る施設について特定施設というふうに追加するのが多いのかなと思っておりますが、今回、ちょっと1,4-ジオキサンについてはいろんな形で溶剤とか、いろんな形でいろんな業種で溶剤として使用される可能性がありますので、それぞれの業種について大体反応施設があって、その後、どういう工程があって、どこの場所で排水するのかというのはすべてとらえられないというか、幅広く溶剤として使用されているので全部をとらえるのは難しいので、本来であれば直接的に廃液が出るところを指定したほうがいいのかもしれませんが、入り口の部分で押さえておくほうが効果的なのかなと思っております。そうしないと、例えばそれこそ何々業の何とか施設とか、そういった非常に幅広い指定になってしまう可能性があるので、今の時点では反応施設の1,4-ジオキサンの混合施設とか、そのような形の入り口のところで押さえられれば効果的なのかなと思っております。

【柿沼委員】 そんなに食い下がるつもりはないんですけれども、入り口で押さえるという話を私はしていたつもりはなかったんですけれども、ただ、反応施設あるいは混合施設、それから合成施設といった場合に、それぞれ工場の製品をつくるときの反応のやり方とか、それから工程とか、必ずしもそれぞれ区別を明確にできないものもあるんじゃないかと思うんですけれども、例えば混合と反応が一緒に進むものもあるし、反応と合成は同じようなものですし、そうなると、そういう反応施設という言葉、例えばそれだけではなかなか定義が難しくなってしまうんじゃないかという気がするんですよ。ですから、反応施設であって、当たり前のことなのかもしれませんけれども、排水を生ずるものといったようなのが現実的には対象になるはずなので、そこをどう表現したらいいかなというところの疑問をちょっと感じたということでございますので、その辺は工夫してやっていただければいいかと思います。

【細見委員長】 もしご提案があれば事務局にこういう表現をすれば、今の趣旨は多分、皆さん、理解していただけると思うので、柿沼委員、どうぞ事務局に後でまた提案をお願いします。一応、趣旨としては混合というふうに、これは恐らくイメージは対象としては塗料をつくるときにまぜているということしか考えていないと思うんですけれども、反応を含めると、今、言われたように非常に幅広くなってしまうので、もう一度、ちょっとここの点は、今、いただいた意見を反映して再整理をしましょうか。趣旨はわかるんだけれどもね。
 どうぞ。

【吉田課長】 わかりました。考えてみたいと思います。ただ、事務局サイドの趣旨としては、やはり1,4-ジオキサンが排出される可能性があるところについてはできるだけ取り込みたいと。しかしながら、そうでないところも含めて網羅的にではなく、やはり、1,4-ジオキサンを使っているところにできるだけ限定したいという、ある意味、ちょっと矛盾するようなことですが、そういう特定施設を設定しようという考えでございますので、うまく表せられるような表現ぶりといいますか、そこも含めて考えてみたいと思います。また、いろいろ個別に場合によってご相談させていただくことがあろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。

【細見委員長】 この特定施設に関して、ほかに何かご意見はございますでしょうか。どうぞ。

【大塚委員】 今、最後にお答えいただいたこととも関係するんですが、資料3の4ページで1,4-ジオキサンの混合施設というのは、施行令の別表第1にもこういう言葉を入れるというご趣旨でしょうか、あるいは先ほど中杉先生がおっしゃったように各号の中に何かを入れていくというご趣旨でしょうか。ちょっとそこをまずお伺いしておきたいんですけれども。

【水原課長補佐】 1,4-ジオキサンの混合施設とか、そういったものは基本的に例えば参考資料2の10ページのところで71の5、71の6とか、こういったものがありますので、それとの並びというか、横に書くのかというイメージを持っております。

【大塚委員】 それで、ちょっと柿沼さんにもお伺いしたいところもあるんですけれども、実際に規制をしていくときに1,4-ジオキサンの混合施設というのは、3ページの[1]から[3]が全部入るということなんですか。確認で恐縮ですが。

【水原課長補佐】 1,4-ジオキサンを原料というか、溶剤として混合している施設であれば業に関わらずということで……。

【大塚委員】 [3]のような生成するものも入るんですか。

【水原課長補佐】 生成するものは入らないと思います。1,4-ジオキサンを混合するものではなくて副生成で出てくる。

【大塚委員】 資料3の3ページのほうの[3]の1)、2)、これは溶剤として入れるとかという話ではないと思うんですけれども、製造過程でジオキサンが出てきちゃうものも入るんですかね。

【水原課長補佐】 界面活性剤のほうは、今、規制としては対象となっていないので、そこの部分は別途、界面活性剤製造業の何とか施設といった形で入れる必要があると。

【大塚委員】 そっちのほうは36号のようなところに、さっき中杉先生がおっしゃったように入れていくという、2を入れるとかという、そういう整理ですか。

【水原課長補佐】 はい。

【大塚委員】 わかりました。実際に規制をするときに混合施設とかと言うと、何が入るか、わかりにくくなるということがないかなというのが多少心配がありますけれども、私の杞憂であればよろしいかと思いますが、規制をするときには、こういうものを溶剤として使っているというところが特定できると考えてよろしいんですね。何かそういう施設を見てすぐにわかるということではないかもしれないので、特定しにくいのかなという気も若干しないでもないですけれども、そこは大丈夫ですよね。それはちょっと確認をさせていただくだけで結構ですので。

【吉田課長】 1,4-ジオキサンの場合は、かなり多岐に利用されているということがありますので、何々業の何々施設といっても、なかなか特定できないのではないかと考えています。ですので、1,4-ジオキサンの混合施設というような形で特定施設として位置づけてはどうかという提案をさせていただいております。

【大塚委員】 ある意味で、それはまたもちろんよくわかるんですけれども、都道府県が規制をしていくときに、どの施設がそれに当たるかというのがなかなかわからなかったりすると、これはこれでまた別な意味でお困りになるかなと思うものですから、ちょっとお伺いしているだけなんですけれども、ご趣旨はよくわかるんですけれども。

【細見委員長】 どうぞ。

【関審議官】 昔の施設というのは大体、外形的に1対1の対応でわかるような、そういうことでできておりましたが、だんだん難しくなりまして、例えばトリクロロエチレンとか、テトラクロロエチレンの蒸留施設というのはクリーニング業の方が使っていても、別の溶剤に変えても同じ装置を使う場合もありますので、外形的には必ずしも特定できないというのが既にそういうのがございまして、それはいろいろ事業者の方から何を使っているんだということを丁寧にお伺いしながら、こういう場合だったら水濁法の対象になる、ならないということを見ていくことになります。ご指摘のことはだんだん時を経るにつれて、外形的に一義的に誰でもわかるというものではないのが既に入っておりまして、今回のものも恐らく混合施設ということで定義しますと、溶剤として1,4-ジオキサン以外のものをひょっとしたら混合するかもしれないということは十分考えられますけれども、なかなか外形的にすぐわかるような定義ができないような範疇でありますのでやむを得ないのかなと、このように考えております。

【細見委員長】 恐らくわかるようにしようと思うと、全部の業種にひっかかってしまって、それを特定施設にしてしまうと、ちょっと今回の1,4-ジオキサンだけではなくて、もっといろんなものを含んでしまうので、できるだけ1,4-ジオキサンに絞ろうという、ちょっと矛盾したところもありますが、今回、事例としてはトリクロロエチレンとか、そういうものについては既に横断的に今のような仕組みになっているので、その案を今、提案されております。
 別件で。

【中杉委員】 また、蒸し返しになってしまいますけれども、合成洗剤の製造工程で反応施設に排水が出てくる経路は、参考資料3を見せていただくと反応槽の洗浄水なんですよね。参考資料3の4ページのところで反応装置から出てくる、反応槽の洗浄水というのは1,4-ジオキサンだけではなくて、ほかのものでも一般に使われるんだろうと思うんですよね。この系統を考え始めると、先ほど私が申し上げたような話になりかねないだろうと思うんですよね。ほかのいろんなものをつくるところでも、反応装置の洗浄というのはあるいは水がだめだというのでやらないところもあるかもしれませんけれども、多くのところでは洗浄すると思うんですね。
 そうすると、すべてそこからは同じような排水が出てくる可能性がある。それでなぜ1,4-ジオキサンのところだけやるんだという話になりかねない。そこはどうしてそうなんだということを言わないといけないんだろうと。また、1,4-ジオキサンだけに特有な反応装置から出てくるという、反応工程から出てくるというのがあるのであればあれですけれども、これを見てみると、一般的にほかでも起こりそうな感じのところで、なぜ、ここだけやるんだという話にならないかというのがちょっと心配になります。

【細見委員長】 ちょっとほかの物質のことも関連して、今、言われたので、少なくとも、今回、1,4-ジオキサンにターゲットを絞って、今、こういう仕組みを考えていて、ただ、ちょっと老婆心ながら、ほかの物質の指摘を受けたときに、逆に1,4-ジオキサンだけがこの反応施設を入れたという理由が説明できないのではないかということなので、中杉先生が言われる意味もわかるんですが、1,4-ジオキサンの規制をしようと思うと、反応するところから少なくとも排出されるという、反応過程でできるというのが明確なので、それを含めた形で、今、規制をしようと。だから、新しくわかった時点で追加的にやっていくのが今までのことなので、ほかの物質でこういう反応経路、副反応で生成しているような事例がもしあったとしたら。

【中杉委員】 副反応じゃなくて例えば化学物質そのもの、水濁法の健康項目の物質をつくっている反応容器。

【細見委員長】 例えばトリクレン。

【中杉委員】 トリクレンをつくっている反応容器を洗浄したときに、反応容器洗浄水は当然、トリクロロエチレンを高濃度で含んで出てくるはずだろうと。それは今のところ、特に入れていないんですよね。一部、非意図的に生成するもののところだけ、なぜ、これをやるんだという議論をされてしまうと、そこは説明できなくなるのではないかというのをちょっと心配しているということでございます。

【細見委員長】 今のはちょっと宿題にさせていただきますけれども、合成樹脂製造業では縮合反応施設というふうに明らかに書かれているので、ここの経緯も調べて、今の中杉委員の宿題に対して事務局のほうでまた次回にしましょう、今日はこれで。

【吉田課長】 ご意見をありがとうございます。ですので、これまでの特定施設のある意味の決め方みたいなものも含めて、今回の考え方について整理をさせていただきたいと思います。

【細見委員長】 わかりました。では、この特定施設に関しては今の課長のご発言のとおり、今までの経緯と今回の場合とどう違って、どのように考えているかという整理をしていただいて、次回、議論をさせていただきたいと思います。
 もう一個の議事を進めておきたいと思いますので、2番目の1,4-ジオキサンに係る暫定排水基準の検討というところで、これもまた事務局のほうから先に説明をしていただいて議論したいと思います。

【水原課長補佐】 資料4に基づきましてご説明いたします。
 1,4-ジオキサンの暫定排水基準の設定については、第4回の専門委員会で四角に囲ったとおり、論点整理をしているところです。
 排水基準については、一律基準で規制することが原則。
 一方で、文献調査から、オゾン処理、逆浸透膜に一定の効果があると確認されているものの、通常の排水処理では処理が困難な物質とされていると。
 各業界・事業者において、原材料を1,4-ジオキサンから別の原材料に代替することや、1,4-ジオキサンの副生成を抑制する等の対応をしているところである。一方で、これらの対応は検討に時間がかかることや合理的な処理技術の開発が課題として挙げられると。
 以上のことから、必要に応じて、暫定排水基準が本当に必要かどうか、そういったものを精査した上で、対応を検討するということでまとめていたところでございます。
 そのため、次回専門委員会におきまして、関係団体または関係企業から1,4-ジオキサンの使用実態等について聞き取りを行うとともに、暫定排水基準の必要性についてご審議いただければと思っております。
 その中で暫定排水基準が必要かどうかというところで、ある程度、前提が必要かと思いますので、前提としては一律排水基準を環境基準の10倍値、0.5mg/lとしまして、平成24年4月1日に1,4-ジオキサンを有害物質に追加する政令改正をして、1,4-ジオキサンの排水基準を同じく4月1日に追加するといった前提で、それに対応できるかどうかという観点で、排水基準が必要かどうかというのを検討することとしたいと思っております。
 なお、平成24年4月1目の時点で既に特定施設を設置している事業者に対して6カ月の経過措置を設けると、そういった仮定をしておきたいと思っております。これは、これまでも政令改正をして有害物質を追加したときに、このような経過措置を設けているということから、このような仮定を置きたいと思っております。
 それで、1ポツで聞き取り対象なんですが、1,4-ジオキサンを使用する関係団体。
 内容としましては、暫定排水基準の設定を要望する業種、その業種に属する事業所数と暫定排水基準が必要な事業所数について聞き取りをしたいと思います。次に[2]で業種の概要として、どのような製品をつくっているのか、あるいは各工程でどのような工程になっているのかというのと、製品の生産量、経営規模、[3]番として、公共用水域への排出実態、地下浸透の実態または可能性ということで、1つ目で排水濃度低減状況、排水処理や使用量の削減、分離回収とか、どのようなことをやっているのか、それぞれの工程水、排水中の濃度、排水量、こういったものを聞きたいと思っております。[4]番として、一律排水基準が達成できない理由及び暫定排水基準の要望値、必要に応じて要望根拠を明確にしていただければと思っております。[5]番として、今後計画される対応方針、目標ということで、新たな排水処理技術の導入の可能性、使用量の削減、代替品への切りかえ、分離回収・処理等をどのような形でやっていく予定なのかというのをスケジュールを示していただきたいと考えております。
 こういった内容で次回、ヒアリングを実施したいと思っておりますが、さらにこういったものも聞くべきではないかとか、そういったご意見があればいただきたいと思っております。
 以上です。

【細見委員長】 どうもありがとうございます。
 次回以降、暫定排水基準の検討についてというのも基準を審議する際に、一つの議論の対象だということで、暫定排水基準を要望する団体からのヒアリングをすることではどうかと、それから、ヒアリングをする上で、こうした関係団体に準備していただく内容、資料4の聞き取り内容というところで、今、説明いただきましたけれども、こういった内容でいかがかということでございますが、何か暫定排水基準の検討というところで、ご意見あるいは質疑がございましたらよろしくお願いしたいと思います。
 一応、前提条件を設けた上で、これらの従来、多分、一律排水基準を設定したときに、こういう経過措置だとか、そういうのを設けられていますので、あるいは1年以内でしょうか、6カ月以内ですか、その範囲の中でもし暫定がどうしても必要な場合なら、その必要性の理由だとか、それから、その後の努力だとか、そういうものをヒアリングしてはどうかという内容でございますけれども、いかがでしょうか。どうぞ。

【古米委員】 今の説明で、今現在、オゾン処理と逆浸透膜に一定の効果がある、処理側として利用できるような技術がどうあるのかということを踏まえながら、排水基準を考えるということになろうかと思いますが、今日、お配りの参考資料1の最後の18ページ以降が1,4-ジオキサンに関しての処理記述を取りまとめたバックデータだと思いますが、そこに書いている内容自身はオゾン処理と活性炭吸着法と書いてあって、逆浸透膜の記述はない状態で、こういうまとめが出てくるのはどうしたのかなと、今、疑問に思ったんですが、逆浸透膜の事例をぜひこの中に参考資料としては入れておく必要があるのかなと思います。それはどこかにあるんですかね。

【細見委員長】 何回か前の……。

【磯部係長】 申し訳ございません。処理技術については回数を忘れてしまったんですけれども、専門委員会のほうでNEDOの方に来ていただいてお話を伺ったのと、あと、そのときに事務局で調べましたものを資料として提示させていただいておりまして、その中に逆浸透膜のものについてもありましたので、参考資料に新しいそういう技術についても入れるような形で資料構成を改めたいと思います。

【細見委員長】 恐らく記憶だと3回目ぐらいのときに、逆浸透膜を使ったパイロットプラントの試験で、9割ぐらい除去できるというような結果がある論文にたしかまとめられていたと思います。

【古米委員】 そういう技術があることはよくわかって、そうすると、参考資料1の20ページを見ると、今までは規制がない、基準ではなかったので、実際、ジオキサンを排出している事業所は別の処理技術を使っていて、この中には特段、オゾン処理もないし、逆浸透膜処理もないし、活性炭は1事業所がありますけれども、基本的に体制が整っていない状態で、新たに基準をかけて新しい処理施設を導入しないと達成できないような高濃度の排水を出すような事業所にとって、その暫定というものは非常に重要なことで、ヒアリングなり、聞き取りをしていただければいいと思うんですが、ある意味、6カ月の経過措置という期間に関しても、どの程度かかるのかというのは濃度だけではなくて、実際、設備を入れるというのはそれなりの時間がかかると思うので、そういったところもヒアリングしていただいて実態を見た上で、より具体的な暫定基準のあり方というものを議論したほうがいいかなと思いましたので、ぜひ、聞き取りのときにお願いしたいと思います。

【細見委員長】 今、古米先生が言われた最後の部分は、多分、ヒアリングで[5]というところに、恐らくそれぞれ暫定を要望されるところは、今後、こういうふうな方針でいこうとしているとかというのは多分、説明していただくような資料ですので、そこで我々も拝聴した上で議論していきたいと思います。

【中杉委員】 多分、事業者の方にご説明いただくときに、排水の処理技術を適用しているところと、排水の流れというのがあるんですよね。一般に総合排水のところに排水処理技術を入れていて、かなり薄まったところでやるから、例えば50%ぐらい薄まったところでやるということになって、効率が悪いことがよくある。そういう意味でいくと、どこら辺で排水の流れに合わせて、どういう処理をしておられるかというところを少しご説明いただくようにお願いしてもらえませんか。例えばもとのほうでやればごそっと半分に落ちても、全体としてかなり落ちてくるわけで、流れと合わせて処理をどういうふうにしておられるかという形の説明をしていただくように、排水処理の実態ですね、お願いをできないでしょうか。

【磯部係長】 わかりました。恐らく[3]番の公共用水域への排水実態とかのところで、分離回収等と書いておりますけれども、こういうところで聞いていきたいと考えておりまして、高濃度のところで分離回収が可能かどうかということ、それとあと、[5]番のところにも分離回収と書いてありますけれども、すぐ生産工程を変えて分離回収が可能なものなのか、また、一定の時間がかかるのであれば、生産工程を変えるまでのスケジュールなども示していただきながら、ご説明いただきたいと考えております。

【細見委員長】 ほかにいかがでしょうか。どうぞ、浅見委員。

【浅見委員】 今のお話とも若干関係するんですけれども、排水としての値を見るよりも、使っているところのポイント・オブ・ユースといいますか、使っているなるべく濃い状態のところで回収してしまって処理をするなり、外に出ないようにするほうがずっと効率的であるケースが、この物質に関しては非常に多いのではないかというご指摘が今までもありまして、そういう方法で取れることができれば、特定施設としての指定をしなくても済むかもしれない可能性とか、ちょっとそこまでいけるかどうかわからないんですけれども、あと、モニタリングというのが結構大変な物質の一つではないかと思うので、それとどちらがメリットがあるかというようなことも、ちょっと考えたほうがいいのではないかなという気がしているんですが、何かうまく入れられる方法があれば入れていただけたらと思います。

【細見委員長】 今のご趣旨はよくわかりました。

【関審議官】 日本の環境規制法というのは出口濃度基準で始まっておりますので、結果的に大気でも水でも濃度基準を達成するために物質を変えただとか、上流側でやったほうが企業として低コストでできるということで、濃度基準のメリット、デメリットがありますけれども、よく言われますのが自由度が極めて高いと、結果がよければやり方は自由でございますということですので、これまでも創意工夫をされてきたと。
 片や、今、委員がご指摘のようなことをきちっとやろうと思うとアメリカ型でありまして、構造基準だとか使い方とか、事細かく全部、法律に基づいて決めてしまうということで、例えばここでこのくらいで回収しろと、上流側でこうしなさいと、アメリカではよくこういう規制をやっておりますけれども、そうすると、一旦、決めてしまうと国の制度というのはなかなか変わりませんので、もっといいやり方ができても、簡単に転換しないというふうなことがありますので善し悪しでありますが、我が国のやり方というのは出口だけ決めて、それぞれの事業所さんが最も自分にとって低コストで、パフォーマンスが高いようなやり方を選ぶということでありますので、なかなかそういう構造基準的な使う仕様のやり方の基準を決めるというのは、これとは別に地下水の未然防止は構造基準と維持管理基準をフェールセーフで導入しようということでありますので、水濁法にそういう思想が入ったというのはそのとおりですが、排水基準についてはそういうふうな仕組みになっておりませんので、なかなか難しいと思います、ルールを根本のところを変えない限りは。

【浅見委員】 そこまですぐにというのはなかなか難しいかなと思っているんですけれども、例えば今回のものに関してはモニタリングを何回かやって、出なくてちゃんと回収されているということが確認ができれば、例えばモニタリングというか、排水基準の測定を何回か省略することができるとか、何かうまくいったときには何かいいこととセットになっていくと、もうちょっとモチベーションも上がるかなという気もしておりまして、難しいなというのも存じておるんですけれども、感想というか、お願いでございます。

【細見委員長】 どうぞ。

【吉田課長】 この4月からそれぞれ特定施設については有害物質の測定義務というのを課せさせていただいて、国としては年に1度、場合によっては都道府県のほうで上乗せがあり得るということで、整理をさせていただいたところですが、今のご意見は年に1度のものについても、例えば5年測って、5年間とも出なかったら、その後はもっと頻度を落としてもいいのではないかというような浅見委員のご意見かと思います。まさにいわゆる排水管理、あるいはもっと進んで、水環境管理というものをどう考えていくのかというところに関わってくる話になろうかと思いますので、もちろん、皆さん方のご意見をいただきながら、その辺、どうしていくべきかというのを考えていくことは大変大事なことかと思いますが、今回のこの件では、そこまでの議論というよりは、今後に、そういった問題提起等、いろいろあれば考えていくことにしたいと思いますし、場合によっては都道府県にもある意味、無理な規制なり、あるいは無理な上乗せなりという意味でのそこを緩和するような措置等々も、今後、考え得る話だと思いますので、ぜひ、その辺は問題提起をいただいた上で、いろいろ俎上にのせてご議論いただければというふうに思います。

【細見委員長】 恐らく今、浅見委員がおっしゃられた点は、もうちょっと広い意味の水行政というか、それを見直すというか、再検討する一つの方向でもある。多分、今後の水環境のあり方について議論したときもそういう意見もありました。今回、この専門委員会では最初の委員会で中杉委員が言われたように、従来のやり方でとりあえずまず基準について設定することをやっていきましょうということで確認しておりますので、まず、1,4-ジオキサンについては従来どおりのやり方で排水基準等を議論させていただきたいと思います。ただ、今後、水環境とか水の基準を考える上では、参考にさせていただきたいということで、よろしくお願いしたいと思います。
 どうぞ。

【平沢委員】 一応、処理技術が専門なので、その立場からちょっとコメントだけさせていただきます。浅見先生の言われたように、分離回収をしてというのは非常にいいやり方だと思うんですけれども、事、1,4-ジオキサンに関しては物理化学的な性質を見ると、すごくなじみがいいんですよね、水と。要するにすごく分離しにくいです。蒸留もやりにくいし、私の専門の硝石もやりにくい。非常に分けにくいというのが1点。
 ということは、処理技術も非常に難しいということが予想されます。0.5というのが機械的に決まってくる数値なんですが、多分、暫定の業種さんからアンケートをやっていますけれども、0.5というのはかなり希釈しない限り、クリアするのがかなり難しくて、処理技術も確かに逆浸透でそれは取れると思います。でも、先ほど審議官が言われたように合理的な水処理技術という言い方をすれば、かなり苦しいのではないかなということが予想されますので、それをぜひ暫定の業種に聞きたいと思っております。
 以上でございます。

【細見委員長】 今の暫定の業種、排水処理技術は非常に難しいというのは多分、各委員の方も認めていただいておりますので、平沢先生の専門的な立場からより難しそうな意見もございますが、それを踏まえた上で、次回になるんですかね、ヒアリングは。次回の専門委員会で、本日、今、いろんなコメントをいただきましたけれども、それぞれ最終的には排水基準を守っていただくためには、いろんな工程も見直し等も含めて、いろんな工夫をしていただくという、そういう努力も今回、困難さとともに努力の方向も紹介していただければ、我々はそれを判断して暫定等についての議論をさせていただきたいと思います。
 そのほかに何かご意見がなければ、次の今後の予定に入りたいと思いますが、いかがでしょうか、よろしいでしょうか。
 では、事務局のほうで今後の予定をお願いします。

【磯部係長】 資料5のほうで今後の予定を記載させていただいております。第9回、今、ご議論いただきましたとおり、暫定排水基準の検討ということでヒアリングを行いたいと思っております。また、本日、ご指摘をいただきました特定施設の関係につきましても、再度、ご議論いただきたいというふうに思います。次々回以降、第10回、第11回で報告書のほうをまとめていただきまして、その後、パブリックコメントということで、12回で最終的な報告をまとめていただければと考えております。
 また、廃棄物の関係の今の検討状況について、あわせてご報告させていただきます。現在まで廃棄物の特管についてと、あと、処分場排水の基準についてでございますけれども、22年6月に第1回が開催されておりまして、第2回が12月に開催されているところで、今のところ、2回、開催されているところでございます。前回までに実態の調査とその中間報告というところまでをやっているところで、次回、最終的な実態調査の報告と、あと、論点の整理を進めていくという段階という状況でございます。
 以上です。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。
 今後、次回を含めて大体12回とおっしゃいましたか。12回で目処をつけたいということでございます。一方で廃棄物の関係の専門委員会も開かれていて、それとの歩調も合わせながら、最終的な排水規制について、あるいは地下水浸透規制も含めて基準を決めていきたいということでございます。
 今後の予定で何かございますでしょうか。何かありましたら。大丈夫ですか。
 では、次回は特定施設の宿題の部分とヒアリングをさせていただきますので、2時間で大丈夫ですかね。多少、ちょっと……。

【吉田課長】 ちょっと厳しいかもしれません。もう一度、時間設定は詰めさせてください。ヒアリングを希望される業種さんがどれだけあるかにも関わってまいりますので、その辺も含めて時間の設定について、セッティングはまたご相談させていただきたいと思います。

【細見委員長】 ひょっとすると2時間半にいくかもしれないということで、また、開催等については事務局からご連絡があるかと思いますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
 本日の議事で、あと、残されているのはその他でございますけれども、事務局のほうからは何かございますでしょうか。

【磯部係長】 本日の議事録につきましては、また、お送りさせていただきますので、ご確認のほうをよろしくお願いいたします。

【細見委員長】 本日の議事録については、また、事務局からございます。
 実は、今日、専門委員会が始まる前に西村先生のほうからその他で少し、今回の大震災のこともあって、直接、大学としてもいろいろ被災されておりますので、その辺の事情も含めて、ご発言をお願いしたいと思います。

【西村委員】 どうもすみません、少し時間をいただいて意見を述べさせていただきます。
 3月11日に、地震、津波が発生いたしまして、それから、1カ月半がたちました。東日本、関東もそうだと思うんですが、大変な被災状況でございまして、1カ月半がたって、大分、回復してまいった、復旧してまいったところもございますし、まだまだ、ある意味、人的被害も全容が明らかになっておらないというような大変な災害でございました。
 ちょうど、こちらで議論していただいております事故時の措置という中でも、例えば天災を含む不可抗力による事故、この範疇に入っておるわけでございますが、実際問題は例えば工場、事業場でどのくらい被災して、どのくらいの物質が出ているのかということも、なかなか把握できておらない状況かと思います。あるいは仙台市等々もそうですし、沿岸域の下水道、浄化センターは壊滅的な影響を受けまして、非常に簡易的な処理で、環境基準を超える排水が出ているというようなデータも出始めております。復旧に2年程度はかかるというような見積もりも出ておりますが、今後、今までは人的な被害なり、財産の被害なりの把握というのがそれなりに進んでまいりましたが、それ以降、これからどういうふうに立て直していくかというときに、環境の部分で非常に大きな問題が発生する懸念があるというふうに私は心配しております。
 既に広く事故という意味でとらえていいのかと思いますが、環境基準の項目ではないかもしれませんけれども、原発の問題に関連して、人の健康を脅かすというような意味での事故も発生しております。あるいはこの状況が続いた段階では、続くというか、今現在もまだいわゆるこの事故によって人の健康なり、水道水質なり、水生生物なり、生活環境にどのような事故が発生しているか、していないかもなかなかわからないという状況から、一刻も早く脱却いたしまして、安全安心に関わる情報を出していくというのは、事故時の措置においても考え方として非常に大切なところではないかというふうに思っております。
 という意味で、ある意味、事故時の措置を策定した段階では、このような大震災は想定外ではあったのかもしれませんけれども、ちょうど、発生したということもこれからはポジティブに考えていかざるを得ないので、ぜひ、一つの教訓として生かしていただくためにも、モニタリングの強化を徹底して、一体、何が起こっているのかと、それがどのように迅速に対応が可能であるのかというような後世に教訓といいますとおこがましいんですが、情報としてきちっと提供できて、もし、次のときにこういう震災が発生しても、リスクを極力低減できるというような方向に持っていっていただく。
 そのためにモニタリングの強化であるなり、あるいは環境基準をある意味、場合によってはそれ以外の項目に関しても健康なり、水道水質なり、水生生物、生活環境を守っていくというのが環境基本法の趣旨でもございますので、こういうときだからこそ、情報をきちっと国民の皆様にお伝えして、安全安心、あるいは例えば危険な物質があるいは環境基準を超える排水が出ていても、それがわかっていればリスクを下げることはできるわけでございますし、一人一人がそういう対応をするということも可能になりますので、ぜひ、そこのところに関しましては、いろいろな意味で環境を守っていく仕組みを工夫していただいて、積極的に対応していただくということがいいのではないかというふうに思っております。
 お願いということでよろしくお願いいたします。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。
 もし何か審議官、一言でも。

【関審議官】 西村先生のご指摘のとおりでございまして、連休に審議されます第一次補正予算の中で、私どもも今回の震災に伴って、大気も含めまして環境にどういうふうな影響があるのかというモニタリングを、従来でありますと地方公共団体が実施するわけでありますけれども、こういう状態ですので地方公共団体にかわって国のほうで責任を持って状況を、まず、第一弾として全体的な状況といわゆるホットスポットのような、私も昨日、行ってまいりましたけれども、壊滅的でいろんなドラム缶なり、貯留タンクのようなのがごろごろ転がっていたり、一体、どこから来たのかと、中に入っていたのがどうなったのか、海に行ったのか、その辺にしみ込んだのか、にわかに現場に立っても自治体の方もわからないと。
 ただ、蓋然性が高いようなところをなるべく環境の状況を把握することによって、深刻な事態であるのか、あるいは懸念されるほどではないのかと、いずれにしても調査しませんとわかりませんので、そういうことを緊急に5月に入ってやっていきたいというふうに予定しておりまして、さらに必要があれば、第二弾、第三弾ということで、懸念されることがあれば丁寧に調査も行いまして、情報はすべて公開して、いろんな方に評価をいただくと、こういうことを考えております。
 また、堀江委員もいらっしゃいますけれども、下水道が相当ひどいことになっておりまして、水道が復旧しますと生活排水が増えますけれども、残念ながら、処理場がということで、ぜひ、堀江委員から一言、コメントをいただければと思いますけれども、なかなかつらい状況になっておると。それも懸念はされておりますけれども、早く復旧するのを待つしか方法がないということであります。いかがでしょうか。

【細見委員長】 もし何かございましたら、一言、お願いします。

【堀江委員】 西村先生からも少しお話がありましたけれども、事柄の性質上、水は低いところに流れますので、基本的に海岸部に処理場が立地しているケースが非常に多くございます。それで、何十万人規模の処理場が大きいのが3つあったんですけれども、それが大きいところは10メーターぐらいの津波をかぶって、設備がほぼ全滅しているという状況もございまして、合わせて100万人を超えるくらいの処理施設が失われている状況、それから、一部、管路の液状化とかもある状況になっています。
 それで、県とか市関係者はみんな本当にずっと必死になって、ごく一時的には市内のマンホールからそのまま溢水もあるというような状況も一時的にあったんですけれども、とにかく仮設のポンプをまずかき集めているところから始めて、何とかそういう状況は何日かで解消を終わらされていますけれども、通常の処理はもちろんできないので、緊急処理をした状態にございます。
 それで、国交省でも緊急に委員会をつくって、学者の先生のご意見も伺って、12日に第1回を開催しましたけれども、14日ですか、緊急提言ということで当座の衛生面の確保のことですとか、それから、復旧に向けての中間的な処理をどうするかですとか、そういうことを今、提言して、現地でまたそれに基づいていろんな検討を始めている状況でございます。幸い、上流のほうの処理場は、一時的に停電とかでちょっととまったケースもあったんですけれども、機能を何とかしておりますので、上水源等へは今、大きな深刻な影響は出ていないというふうに、今、状況はなっております。
 以上です。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。
 被災地の状況というのは、すべてなかなか把握できないんですけれども、できるだけ、西村先生が言われたように、いろんな基準のデータだとか、モニタリングのデータだとか、今の実情だとかというのはもう少し全体、情報の開示をしていただければ、そういう努力をしていただければというふうに思います。それで、我々が被災地の状況を理解して、次に我々がとる行動を考えていくというふうにしていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日も非常に活発なご議論をいただきました。次回以降、少し宿題が残っておりますけれども、よろしくご協力のほどをお願いいたします。
 本日はこれで終了したいと思います。
 どうもありがとうございました。

午後4時44分 閉会