中央環境審議会水環境部会 水生生物保全環境基準類型指定専門委員会(第15回) 議事録

日時

平成21年3月11日開催

場所

環境省 水・大気環境局 水環境課

議事

午前10時00分 開会

○辻原課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境部会第15回水生生物保全環境基準類型指定専門委員会を開会いたします。
 本日は、委員9名中5名のご出席が予定されております。ただいまのところ5名全員のご出席をいただいております。
 続きまして、お手元の配布資料についてご確認いただきたいと思います。議事次第にございます資料1から6までをお配りしております。不足等ございましたら、随時事務局までお申しつけください。
 それでは、これ以後の進行は須藤委員長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○須藤委員長 かしこまりました。それでは、皆さん、どうもおはようございます。本日は大変ご多用の中を、委員の先生方、関係者の皆様、それから多くの傍聴の皆様、お集まりをいただきまして、どうもありがとうございます。大変入りにくいゲートを通っていただいて、皆さん脅されてて早めに早めにということだったので先生方のほうがずっと早くいらしていただいたとこんな状況でございましたので、大変ありがたく思っております。
 本日の議題でございますが、前々からお話ししておりますように、琵琶湖における産卵場・生育場の状況について議論していただいた後に、これまでご議論いただいた現在検討している水域におけるA類型及びB類型の整理を踏まえまして、水生生物保全環境基準類型指定専門委員会の第3次の報告案についてご議論をいただき、これを案として決めていきたいというふうに思っております。
 この報告案につきましては、皆さんのご了解をいただいた上で、中間とりまとめ案として最終的には本日決めさせていただければ大変ありがたく思います。
 それでは、早速具体的な議事に入りたいと思いますが。その前に、資料2に前回議事録(案)が準備されております。本資料は委員の先生方にあらかじめご確認いただいておりますので、事務局で修正して、再度先生方にごらんいただいた資料でございます。
 この場で前回議事録としてよろしゅうございましょうか。ちょっとごらんになっていただいて、ご異議がなければお認めをいただきたいと思います。
 それでは、本議事録を前回議事録といたしますので、事務局においては公開の手続を進めてください。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入りますが。議題1、前回指摘事項についてでございます。最初に、事務局のほうで指摘事項について準備をしていただいておりますので、説明を受けたいと思います。まず、資料の内容について事務局からご説明願います。辻原補佐、どうぞお願いします。

○辻原課長補佐 それでは、資料3をごらんいただきたいと思います。前回専門委員会での各委員からのご意見に対する補足説明でございます。2つご質問ご意見がございました。
 1つが、資料の書きぶりの話でございますけれども、前回の参考資料1-2と第13回委員会資料4の亜鉛の縦断分布図というものがございましたけれども、この亜鉛データの取扱い内容についてのご意見をいただいております。
 もう1つが、琵琶湖のアユ産卵のための人工河川、この取扱いについて整理をしておくことというご意見ご指示をいただいております。
 まず、1つ目のご意見についてでございますけれども、1ページめくっていただきまして、資料3-1と番号をふっているものがございます。こちらは前回の参考資料1、補足資料から抜粋をしたものでございます。ご意見につきましては0.01とか0.03といったところにちょうどプロットがされているわけでございますけれども、この辺の意味づけがよくわからないということで。実はこれは定量下限未満のものは実際の値がわかりませんので、定量下限値のところでプロットをしているということでございます。その注釈がございませんでしたので、注釈をつけたという訂正をしております。赤字の部分でございますけれども、すべてのページにつきまして同じように注釈をつけてございます。
 以上でございます。
 何ページか飛んでいただきまして、次のご意見でございますけれども、資料3-2と番号をつけているものがございます。琵琶湖の人工河川についてというものでございます。この琵琶湖の人工河川でございますけれども、調べてみますと2カ所ございまして、それぞれ滋賀県の水産課のほうで管理をされているものでございます。
 こちらのほうの扱いでございますけれども、きょうの本題とも関係があるわけでございますが、一応人工産卵場ということになっておるわけでございますけれども、法的な位置づけは河川法の適用を受けたものではなくて、河川区域には指定をされていないということですので、言ってみればまさに人工構造物ということで、河川の中には入ってこないという扱いになってございます。
 資料3につきましては以上でございます。

○須藤委員長 どうもご説明ありがとうございました。前回の指摘事項についてご報告をいただきました。
 何かご質問、さらにございますでしょうか。このままでよろしゅうございますか。
 それでは、たくさんきょうもありますので、議題2に移らせていただきます。琵琶湖における産卵場・生育場の状況についてということでございまして。前回、河川における産卵場の状況についてご議論をいただいたわけでございますが、今回は琵琶湖における産卵場の状況について、事務局のほうで資料をまとめていただいておりますので、これについて説明を受けたいと思います。まず、資料の内容について事務局からご報告を願います。安達主査、どうぞお願いいたします。

○安達主査 それでは、議題の琵琶湖における産卵場・生育場の状況についてご説明申し上げます。資料につきましては、資料4と、あと資料4別紙をつけておりますので、こちらの資料のほうをご確認いただきたいと思います。まず、資料4のほうから順番にご説明申し上げます。
 1ページめくっていただきますと、特別域検討にかかる基本的な情報ということで、今回琵琶湖の特別域の検討をするに当たりまして、産卵場とか生育場の基礎情報についてとりまとめておりますので、こちらのほうをごらんいただきたいと思います。
 まず、資料の構成として、日本の湖沼性有用魚介類の繁殖生態についてまとめております。基本的にこのまとめ方につきましては、前回東京湾で特別域を検討しましたときと同様な形で資料のほうを構成しております。ですから、東京湾のときも、まず、日本の海域の一般的な重要な場であるとか、そういうような考え方を示しまして、東京湾がどうなっているのかと、そういったような順番で整理をしておりますので、琵琶湖につきましても、まず日本全国の湖沼の一般的な特徴、それから琵琶湖の環境条件等特徴についてまとめたような形になっております。
 まず、日本の湖沼の特徴でございますけれども、まず代表的魚類の主な産卵場・育成場としてどういったところが重要であるかということでまとめております。資料4の別紙のほうもあわせてごらんいただきたいと思いますけれども。日本の湖沼の場合、代表魚種の産卵場・生育場としましては抽水植物、沈水植物、流れ藻、浮き草等の水生植物帯、そして砂・礫・石帯に依存する種が、この円グラフを見ていただくとわかりますけれども、ブルーのところが水生生物植帯、若干グレーのところが砂・石・礫といったところになっておりますので、基本的に湖沼のほとんどにつきましては、こういったような水生植物帯であるとか、砂・礫・石の場に依存をしていると、依存をしている種が多いといったような統計の結果になっております。また、そのほかでは浅場の情報がこの円グラフの下のほうにありますけれども、産卵場の水深・生育場の水深ということで、大体10m以浅の水深帯を利用している状況になっております。
 続きまして、産卵場・生育場として重要な場ですけれども、卵の形態にも着目しておく必要があるかと思います。魚卵の産卵生態を概観した場合に、卵の形態については浮遊卵と沈性卵と、この2種類の卵の種類に大別されると思いますが、湖沼の場合は沈性卵の形態を持つ魚種が日本の場合ではほとんどを占めているというような状況でございまして。
 具体的に申しますと、付着性の強いものとしては河床等砂礫に産着する魚種(ウグイ・アユ)等でございます。水草等に産着する魚種ということで、コイ・フナ類が挙げられております。付着性が弱いものとしては、河床の産卵床、産卵巣、二枚貝内に産着する魚種としてハゼ類・サケ類等が挙げられております。こういったことからも、湖沼においては水生植物帯であるとか、砂・礫に産卵する卵が多いといったような特徴がございます。
 以上を踏まえまして、それぞれ水生植物帯、砂・礫・石帯でございますけれども、その機能と役割につきましては2ページのほうの表1.2.1をごらんいただきたいと思います。これを見ますと、動物の生息場、水質浄化、湖岸の保護、資源の供給、景観・親水性とありますけれども、それぞれこういったような水生植物帯のところで重要な役割が挙げられているといったような状況でございます。そういったことからも、湖沼における産卵場・生育場の重要な場としては一般的には抽水植物、沈水植物である水生植物帯と砂・礫・石帯、浅場が挙げられるというような特徴があると思います。
 続きまして、3ページのほうをごらんいただきたいと思います。
 3ページからは、産卵場・生育場の形成に重要な環境条件ということで、まず地理条件についてまとめております。先ほども申し上げましたけれども、おおむね水深10m以浅に産卵場・生育場が形成されているものと考えられておりまして。あと、底質についても、砂・礫・石等の底質を産卵場とする種が多くなっています。その種の状況につきましては、湖沼に生息する種ごとにどういったところの水深のところに生息しているか、または抽水植物、沈水植物に該当する種はどこなのかといったものをこの表1.3.1でまとめております。
 続いて、水質条件でございますけれども、やはり生物の生存に欠かせないのは酸素でございますので、溶存酸素濃度DOでございます。ですので、水生生物の生息条件としてはDOの水質濃度は極めて重要な要素となっております。
 淡水性魚介類のDO条件をまとめたものが表1.3.2ということで、こちらのほうに種ごとに大体どれぐらいのDOの数値がどれぐらいになれば生息に障害を及ぼすかといったような情報をまとめておりまして。この情報を見ますと大体おおむね3.0mg/L以上あれば魚介類は生息できるのではないかと考えられておりまして。これについては前回東京湾で検討したときにもおおむね大体これぐらい、3.0mg/LのDOが必要だということでまとめておりますので、大体一致してくるというような内容になっております。
 続いて、5ページの方でございます。続きまして、これまでは日本の湖沼の特徴でしたけれども、そういったような環境条件を踏まえまして、琵琶湖の環境条件はどういうふうになっているかということを5ページ以降のほうでまとめております。
 まず、琵琶湖につきましては、ご承知のとおりでございますが、琵琶湖大橋より北側が北湖、南側が南湖というふうに定義をされております。琵琶湖における環境状況ということで、重要となる場についてまとめております。
 まず、沈水植物群落でございますけれども、これにつきましてはあわせて8ページのほうの図と一緒に見ていただくとわかりますが、琵琶湖の湖岸一帯に沈水植物が、これは沿岸部から広く分布している状況がわかると思います。南湖につきましては、ほとんどがこの沈水植物で覆われているといったような状況でございまして、大体2007年現在で分布面積は北湖全体で2,903ha、南湖全体で3,155haとなっておりまして、1997年の1.3倍まで増加しているといったような状況でございます。
 具体的な場所につきまして申し上げますと、北湖では北端内湾部としては西浅井町塩津湾・大浦湾のあたり。北東部から南部湖岸、右側の方ですけれども、高月町・湖北町・長浜市・米原市・彦根市等でございます。あと、西部湖岸につきましても高島市マキノ町から高島までの間と分布しております。南湖では、先ほど申し上げましたけれども、全体的に分布しているといったような状況が見てとれると思います。
 続いて、抽水植物群落でございますけれども、琵琶湖につきましては抽水植物としてはヨシの分布が重要なポイントとなってきておりまして、2000年現在分布面積としては琵琶湖北湖全体で117ha、南湖全体で70haとなっております。また、前回の専門委員会の方でも資料のほうお示ししましたけれども、滋賀県の場合琵琶湖ヨシ群落の保全に関する条例ということで、ヨシ保全条例が定められておりまして、このヨシ保全条例に定められたヨシ群落面積としては琵琶湖北湖全体で84ha、南湖全体で54haとなっております。
 ヨシの分布状態につきましては10ページの図面のほうもあわせてごらんいただきたいと思います。具体的には、北湖では北端内湾部では西浅井町・大浦湾あたり。北東部から南部湖岸に渡りましては湖北町・長浜市・米原市と続いております。西部湖岸については高島市マキノ町から高島まで。南湖では守山市・草津市・大津市等に分布をしております。というような状況になっております。
 続いて、また5ページのほうに戻っていただきまして、砂・礫・岩礁帯ということでさせていただいております。先ほど、日本の一般的な特徴としては砂・礫・石というふうにしておりましたけれども、琵琶湖については非常に岩・岩礁帯が重要な場所となるということで、これは事前に高橋委員のほうからもご指導いただいたところでございますけれども、琵琶湖につきましては砂・礫・岩礁帯が重要であるといったことをまとめておりまして。
 具体的な場所としましては、11ページのほうをごらんいただきたいと思います。こちらのほうで琵琶湖の水深図ということで底質の状態について示した図面を示しております。これを見ますと、北湖では、北端内湾部では西浅井町海津大崎・あとこれは、葛籠尾崎等を含んでおります。北東部から南部湖岸では長浜市・前原市・彦根市・近江八幡市・大津市。西部湖岸では高島市新旭町からなっております。こういったところが琵琶湖では砂・礫・岩礁帯として分布をしているということになっております。
 あと、浅場につきましては、琵琶湖の北湖では湖岸一帯、南湖では全域が大体10m以浅となっているといったことになっております。
 続いて、6ページの方ですけれども、水産資源等の保護水域ということで、前回ご議論いただいたところでございますけれども、琵琶湖につきましては湖北町地先と近江八幡市の地先で保護水面が2水域設定をされているといったような状況でございます。あと、滋賀県の漁業規則に基づく禁止区域として14水域。浮産卵床等の設定もされていると。ここら辺の状況につきましては、12~15ページのほうに図面を載せておりますので、後ほど確認いただきたいと思います。
 続きまして、16ページの方に移っていきまして、琵琶湖における地形・底質の状況でございます。
 まず地形ですけれども、琵琶湖の南湖は平均水深4mの浅場となっております。一方で北湖については、東側湖岸から西側方向にかけて緩やかな勾配を呈しており、西側沿岸では急激な地形となっております。北西部の今津町沖では水深104m、大津市南比良沖では水深70m付近まで達しているというような状況でございます。
 底質ですけれども、北湖の水深10m以浅の湖岸には砂・礫・岩礁帯が分布し、10~30mの範囲では砂・泥が主体で、水深30m以深では泥が主体となっています。南湖ではほとんど泥となっておりますけれども、最近は、先ほどの沈水植物の分布図でも見てわかるとおりでございますけれども、砂・礫の上の広く沈水植物が覆っているという状況でございます。
 続いて、琵琶湖における水質の状況でございます。DOの最低値の平均値の水平分布図を見ますと、琵琶湖北湖では7.7~8.3mg/L、琵琶湖南湖では5.7~8.0mg/Lとなっております。あと、鉛直方向のDOの月別平均値を見ますと、北湖・今津沖中央地点では表層から60mまでが9~10mg/L、水深10m以深では5~8mg/Lとなっております。
 なお、底層部分では11月から12月までに4mg/Lまで低下しております。同地点を含むこの最深部では2007年10月にDOが0.04まで低下しておりますけれども、2008年2月には表層レベルまで改善しているといった状況でございます。
 南比良沖中央地点では表層が40mまで9~10、水深60mでは8mg/L。底層部では11月から12月に6mg/Lまで低下しています。
 あと、南湖の帰帆島沖地点ですけれども、表層部で10mg/L程度でございます。深くなるにつれましてDOは低くなって、水深10mで6mg/L、底層部では6月から9月に1mg/Lというふうになっております。
 ただ、この南湖の帰帆島については、実を言うと砂利等や埋立地造成地で浚渫されておりまして、深堀りされているというような状況でございます。ただ、窪地内のDOにつきましては、窪地内水深6m以深でDOについては2mg/Lであることが確認されておりまして、窪地内の水温は表層で高く下層で低く、上下層水温差が1.1~2.7度であることから、上下水は混合しにくい状態だったということが、これにつきましては滋賀県の研究センターのほうで指摘がされているといったような状況でございます。ただ、こういったような調査結果を踏まえますと、窪地内での貧酸素水塊の鉛直混合は確認されていず、かつ窪地の外部では好気的環境を好む生物が確認されている状況です。
 以上のことから、窪地内の貧酸素水塊についても、南部底層部における水生生物の生息環境には大きな影響は与えていないものと考えられます。
 続いて、17ページから18ページまでは、このDOの濃度の状況をお示ししております。
 続いて、19ページでございます。19ページでは琵琶湖の環境特性についてまとめをさせていただいておりまして、琵琶湖の有用魚介類の産卵場や生育場としては沈水植物、抽水植物の水生植物帯、それと砂・礫・岩礁の底質環境や浅場が重要な場であるといったことが言えると思います。
 あと、DOにつきましても、南湖においては若干低いところも観測されていますけれども、表層及び湖岸域ではおおむね周年にかけて好適な水環境が形成されているといったような状況でございます。
 そういったような、まずは重要な場であるといったことと。水質の状況を踏まえますと、琵琶湖ではこの19ページの方の[1]から[2]のほうに掲載しておりますけれども、抽水植物、沈水植物、砂・礫・岩礁帯ごとにここに挙げている場所が琵琶湖につきましては産卵場・生育場としては重要な場として挙げられるのではないかというふうに考えられると思います。
 より具体的に示したものについては20ページの図面のほうをごらんいただきたいと思います。20ページのほうで、水生植物帯として、ゴシックの黒の線のほうで囲んでありますけれども、ここにつきましては抽水植物、沈水植物が広く分布をしておりまして、琵琶湖において重要な産卵場として形成される可能性がある場所というふうに考えられます。
 また、砂・礫・岩礁帯については青の点線でお示しをしておりまして、さらに岩・岩礁帯についてはブルーで塗りつぶしたところがそこに該当する部分でございまして、砂・礫・岩礁帯ともに琵琶湖においては重要な産卵元の場所として考えられるということになっております。
 続いて、21ページの方をごらんいただきたいと思います。21ページでは琵琶湖におけます主要魚介類について整理をさせていただいております。琵琶湖につきましては、まず生活型ということで、琵琶湖に繁殖を強く依存する種、主に琵琶湖内に産卵した稚仔が生育する種を選定基準としております。以上のことから、ビワマスといったような琵琶湖固有の種はございますけれども、ビワマスについては流入河川で産卵をして大人になってから琵琶湖のほうに入ってきますので、ビワマスについては外れているといったことになっています。
 [2]としては漁獲上位種ということで、全魚種のうち漁獲量の上位が50%以上の魚種を選定しています。
 あと、保護水面に選定されている種となっています。
 4番目は、産卵場や生育場の形成に特定の場に依存する種ということで、これについては生態特性から見て産卵場や生育場が水生植物帯、砂・礫・岩礁帯の特定の場に依存する種を選定することになります。
 この[1]から[4]の要件を当てはめてスクーリングをした結果、琵琶湖につきましては、コイ、ニゴロブナ、ゲンゴロウブナ、ホンモロコ、スゴモロコ、ヨシノボリ類、イサザ、セタシジミのこれら8種が主要な魚種として挙げられるということで整理をさせていただいております。
 そのまとめたものについては22ページのほうで、そのスクーリングの内容についてお示しをしております。
 あと23ページのほうでは、漁獲量の上位種についてその内訳についてお示しをしているといったような状況でございます。
 続きまして、24ページにいきまして、主要魚介類の好適な産卵場・生育場ということでまとめております。
 今回主要魚種として8種の産卵場・生育場について生態特性等から好適な場所というのを整理しておりまして、実際25ページのほうで主要魚種の生態特性ということで、水深または産卵場・生育場それぞれ種の生態特性をまとめております。この生態特性を踏まえますと、24ページのところにそれをまとめてありますけれども、コイからセタシジミの好適な場所が琵琶湖の中ではどこらあたりにあるかということで、それぞれ種ごとにその場所を特定させていただいているといったことになります。
 この個別、具体的なものについては26ページ以降、26ページから33ページにわたりまして、それぞれの種ごとに琵琶湖の中での好適な産卵場・生育場として考えられるところのハッチングまたは線を引いてお示しをしています。
 例えば26ページのコイですと、産卵場については2m以浅の抽水、沈水植物帯。生育場については抽水、沈水植物帯0.5m以浅が対象となります。産卵場についてはブルーの囲み、生育場については赤色の囲みで囲んでおります。この場所につきましてがコイの産卵場・生育場として考える場所といったことでお示しをしており、ニゴロブナ、ゲンゴロウブナ、ホンモロコは基本的にはコイと大体同じような場所となっています。なぜなら産卵場所につきましては抽水植物、沈水植物で基本的には2~3m以浅のところに分布します水生植物帯のところに産卵しますので、同じような場所となっております。
 続いて、スゴモロコ、ヨシノボリ類、イサザ、セタシジミでございますけれども、スゴモロコからは砂礫等ということで、その砂礫の分布するところが示してあります。31ページのヨシノボリ類ですけれども、生態特性をまとめたときには砂・礫でしたけれども、高橋先生の方からヨシノボリ類は、岩・岩礁帯も重要ですよといったような情報をいただきましたので、ヨシノボリ類にはあわせて砂・礫あわせて岩・岩礁帯のところについてもお示しをしています。あと、イサザについては岩・岩礁域といったところが該当します。セタシジミにつきましては砂礫・砂泥底ということで、その該当する場所についてお示しをしているといったような状況でございます。
 続いて、34ページでございます。34ページにつきましては、魚介類の魚場から好適な水域について整理をしております。
 まずコイ・フナ類についてですけれども、これについきましてはエリ漁ということで。このエリ漁というのは、琵琶湖の冬の風物詩と言われているぐらい有名な漁でございます。基本的に魚は障害物にぶつかるとその障害物に沿って進むという習性を利用したもので、こういったような習性を利用したのがエリ漁となっております。琵琶湖の場合、これまでお示ししたように、沿岸部にびっちりそういったような水生植物帯であるとか砂・礫等がございますので、そういったところでかなり広い範囲にわたってエリ漁が行われているといったことがうかがい知れると思います。
 続いて、セタシジミでございますけれども、セタシジミについては琵琶湖固有種ということで、これは貝曳網漁業ということでやっておりまして、主に水深10m程度の砂地、砂泥域で漁獲されているといったような状況がございます。
 続いて、イサザでございます。イサザにつきましては特徴のある魚種でございまして、普段はふ化をして稚仔魚になっていきますと深場のほうに移動していきます。日中は深場のほうで生息しておりますけれども、日没とともに浮上をして動物プランクトンをえさとして食べています。そういったこともございまして、若干深いところに生息している種ということで、基本的に漁法についてはトロール法ということで、25m程度引いていく漁法ですけれども、イサザについてはそういったところで魚場が形成されていると考えられます。魚場については沖島の南西、彦根市沖、湖北町沖、高島市マキノ町等がイサザの漁場として考えられるというふうになっております。
 そういったような情報整理をした図面につきましては、35ページのほうに載せております。こちらのほうを見ていただくとわかりますけれども、エリ漁については沿岸びっしりつながっているような状態。あと、セタシジミについては若干薄いベージュ色のような色ですけれども、この辺がセタシジミの魚場として考えられると。あと、ピンクでお示ししている場所についてはイサザの魚場となっているといったことでございます。
 続いて、36ページのほうにいきまして、魚卵・稚仔魚の分布からみた水生植物帯等の好適な水域の利用状況についてまとめております。これについてはこれまで特別域を決めるときの1つルールとしてなっていると思いますけれども、いろいろな文献情報等から産卵場・生育場として重要な場所が挙げられますけれども、その中できちんとそういったような調査、保全活動がされている場所。具体的に申し上げますと、そういう魚卵調査等が実施されておりまして、そういったような条件がそろっているところについては特別域と指定しましょうといったことをこれまでご議論いただいたところでございまして。琵琶湖について現地調査が行われている地点について36ページ、37ページのほうにまとめてあります。
 まず、滋賀県の水産試験場の調査でございますけれども、ホンモロコの産卵状況調査ということで、湖北町の海老江、西浅井町の岩熊地先、こちらのほうでホンモロコの産卵状況調査がされております。
 [2]の国土交通省による産卵調査でございますけれども、国土交通省の調査につきましてはコイ・フナ類の魚卵・稚仔調査ということで、調査地点につきましては湖北町延勝寺、高島市針江、草津市の新浜町で産卵調査が継続的に行われているといったような状況でございます。
 38ページのほうに移りまして、これまでのそういったような重要な場、主要魚種の生態特性から見る好適な産卵場または魚場の情報、産卵調査の情報、これらの情報を踏まえまして、琵琶湖における特別域(案)として38ページのほうでお示しをしております。
 まず、琵琶湖の特別域の指定ということでは、水産資源保護法に基づいて保護水面に指定される水域で、なおかつ現地調査がされている場所として、条件を満たしている場所として、延勝寺、海老江の区域を含む湖北町地先が該当するということでございます。ここについては、ヨシ帯及びその周辺の同等の環境を有する水域とあと、ヨシの最大分布水深と、ヨシの最大分布水深が2~3mということで若干浅いということで、技術的な話になりますけれども、常時監視をきちんと行って、その状況を見て管理をしていくといったことになっていきますので、その常時監視の実際できる水深のところということで、大体3m以浅といったところを範囲として指定させていただいております。
 続いて、保護水面には指定されていませんけれども、主要魚介類の生態特性・地理条件・水質条件から見て重要な場所として、沈水植物群落・抽水植物群落、砂・礫・岩礁帯、浅場、あと魚場分布と産卵調査がされている場所として、ヨシ群落保全区域と指定されています西浅井町岩熊地先、高島市針江、草津市新浜、この3カ所が今回特別域(案)としてご提案させていただきたいと思います。
 先ほどの湖北町地先も含めまして、それぞれ今回特別域の指定する図面、拡大図につきましてを40ページから43ページのほうに載せております。
 40ページのほうでは、西浅井町岩熊地先ということで、大体3mの点線で囲んであるところが今回特別域(案)の範囲として提案させていただいております。
 続いて41ページについては、湖北町延勝寺、海老江ということで、この植物群落は連続してつながっているところで、水深については3m以浅ということで範囲を示させていただいております。
 42ページの高島市針江につきましても、この植物群落、ヨシですけれども、これが連続して続いているところとして、ごらんいただいている範囲でお示しをしていると。
 続いて43ページですけれども、草津市新浜につきましては、上のほうの帰帆北橋から下の近江大橋、この端を結んだ3m以浅のところで範囲をお示しさせていただいているといったような状況でございます。
 以上について今回琵琶湖におけます特別域(案)として指定される場所について整理をしたところでございます。
 続いて、44ページでございます。44ページにつきましては、琵琶湖における特別域指定の留意点というところで挙げておりまして、特別域(案)としては4カ所ですけれども、ただ琵琶湖についてはその生態特性であるとか地理条件、または水生植物群落の砂・礫・岩礁帯、そういったような産卵場に適した重要な場所について整理をしてきております。そういった場所につきましては今後産卵調査等を実施して魚卵等が見つかってきますと特別域(案)として検討していくといったような候補地についても44ページのほうでまとめておりまして。水域別については北端内湾部、北湖北東部から南部湖岸、北湖西部湖岸、南部湖岸、この4つの水域ごとにそれぞれ植物帯、砂・礫と、それぞれそこに生息する種を挙げさせていただいております。
 今後はこういったような場所を特別域(案)として検討するために調査をしていく必要があるといったこともあわせてご提案させていただきたいと思います。
 以上につきまして、琵琶湖について説明を終わらさせていただきたいと思います。

○須藤委員長 大変難しい問題を適切におまとめいただきまして、ありがとうございました。前回もいろいろ先生方のご議論を踏まえて、とりあえずは特別域としては4地点、それからそれに順ずるというか今後考えなくちゃいけない点をさらに留意点として取り上げていただきました。
 どうぞ、ご質問なりご意見なり伺いたいと思います。
 では、高橋先生からどうぞ。

○高橋委員 大変精力的にまとめていただいてありがとうございました。2つほどあります。
 最後に、今後の留意点、調査すべきということ提案していただいたこと、大変ありがたいんですけれども。この特別域設定の根拠とするに足るデータの要件というのは何なのかということをもうちょっと明確に……

○須藤委員長 留意点のほうの部分じゃなくて全部ですか。

○高橋委員 いえ。

○須藤委員長 留意点のところですね、最後の。

○高橋委員 特にこれからのことを考えますと、調査やデータの収集ということが重要になってきますが、どういうふうなデータがあればいいのかとかそういうことがはっきりしていますと、仕事も進むというふうな気がします。

○須藤委員長 わかりました、それが1点目ですね。

○高橋委員 例えば、この今選ばれた場所以外にもデータが全くないかといえばそういうことないわけで、データがあるからこういうところが重要だということが言えているわけなんですよね。ただ、少し古いデータであるとか、継続的に行われていないとか、特別に保護されているわけではないとかということがありますが。ほかの水域ですと平成15年以前のデータは古いというふうに評価されている。どれぐらいのインターバルで調査していればいいのかとか、定量的なデータでないといけないのかとか、その辺のところがもうちょっと。

○須藤委員長 わかりました、考え方をですね。

○高橋委員 はい、考え方を明確にできたら、調査する側でも助かるのではないかという気がします。

○須藤委員長 わかりました。

○高橋委員 それともう1つ、これは簡単なことなのですけれども、ヨシノボリをヨシノボリ類と変えていただいたんですが、その中で具体的な種名を、例えばこういうものがいるというのを括弧の中に入れていただいています。ちょっと3ページの表でいきますと、3ページ、ちょっと字が小さいですけれども。ヨシノボリ類として、括弧して、トウヨシノボリ、特に湖沼・河川下流域等止水域にトウヨシノボリと書いてありますが、ここにもう1つ種名を加えていただいて、特に琵琶湖の場合、ビワヨシノボリという湖沼性のヨシノボリが固有種でおりますので、これはやはり書いてもらわないといけなかったなと後から思いました。
 そのようなちょっとさまつなことはまた後から個別に申し上げたいと思っています。

○須藤委員長 どうもご指摘ありがとうございます。
 それでは、今の条件ですよね、データがどういうふうにあればあれになるのか、特別域になるのかということと。それから、ビワヨシノボリはよろしいんでしょうね。

○安達主査 後のほうで追加しますので。

○須藤委員長 後で追加してください。そこはいいですよね、2点目はいいですね。

○安達主査 はい。

○須藤委員長 では、1点目の今のインターバルとか、どういうデータがどういうインターバルであったら特別域として指定できるかというのを。

○辻原課長補佐 年数につきましてはなかなか難しいところはあるんですけれども、1つの考え方としては、数年前に調査が行われていて、その後現地の状況が変わっているようなことがあれば、それは多分使えないでしょうということだと思うんですけれども。数年前であっても状況に変わりがないと、今後もその状況が維持される見込みがあるということであれば、それは使ってもいいんじゃないかというふうには考えています。この辺はまた個別にご審議いただくことになるかと思います。ただし、20年も30年も前ということになりますと、さすがにちょっとそれはどうかなというのはあるのではないかというふうには思っております。
 それから、具体的にどういうふうに調査されていればよいのかということでございますけれども、この辺も現場の状況とも関係してくるとは思いますけれども、継続的にその場が維持されるということであれば、例えば1回の調査結果であってもそれは使えるであろうというふうには思いますけれども、その辺が非常にあやふやであるということであれば、多少年数をかけたものが必要なのかもしれないと思います。その辺は前回霞ヶ浦でワカサギの検討をしていただいたときにも、水温の状況であるとか、底質の状況であるとか、変わりつつあるということがありましたので。それから、産卵のデータを見ても年によって大きく変動するということもございましたので、その辺はまた現地の状況を見ながら考えていくということかと思いますが。
 ただ、今回の場合には既に漁場として湖岸全体が非常に利用されているということでございますので、植物群落も工事等ない場合には大きく変わるということもございませんので、こういった場合には単年度のデータでも十分状況が証明されたのではないかというふうに思っております。

○須藤委員長 それからあと、定量化の問題もある程度現存量なりそういう定量化のデータは必要ですよね。

○辻原課長補佐 はい。当然卵の数であるとか稚仔魚の数、そういったものが把握されているということが必要かと思います。

○須藤委員長 高橋委員、それでよろしいですか、今の説明。もうちょっとこうあってほしいとかご希望がありますか。

○高橋委員 琵琶湖についてはぜひ調査をこれからやっていただきたいと思っているので。これが大変いい刺激になると思って、そういうつもりで今発言しました。

○須藤委員長 もっとやってほしいということですね。

○高橋委員 はい。そうするとまた特別域の指定とかも、ほかのいろいろな問題にもいろいろ波及していきますし、大変ありがたい指摘をしていただいたと思っております。

○須藤委員長 ありがとうございます。
 それでは、ほかの先生方、いかがでございましょうか。
 藤田先生。

○藤田委員 別紙4の深さと色の関係、ちょっと見にくいので、もし公表されるのでしたらわかりやすくお願いいたします。

○須藤委員長 この絵ね。これ公表しますよね。ですから、もっと見やすくね。

○藤田委員 見やすく。

○須藤委員長 わかりました。ご注意ありがとうございます。

○藤田委員 また、全く関係ないのですけれども、私は去年琵琶湖に行きましたら、ブラックバスなどが、いっぱいつられていますけれども、漁場に対して何か影響は。

○須藤委員長 もちろん悪影響ありますよね、捕食者ですから。

○藤田委員 そういうものはどうなのでしょう。

○須藤委員長 そういうことの指摘ですか、今の先生は。

○藤田委員 そうですね。

○須藤委員長 外来種の問題は、駆除してという方向に今なってますよね。
 どうぞ。

○高橋委員 滋賀県では条例もありまして、駆除する活動をずっと続けていまして、今また条例の見直しを今しているところです。

○須藤委員長 先生ご承知のとおり、外来生物被害防止法に基づいて、ブラックバスはどこの地域においても、それぞれたくさんやっているところとそんなにやっていないところとあるでしょうが、駆除に乗り出して、そういう事業を、特に琵琶湖でも霞ヶ浦でも、イズヌマでのそういうところはやっておりますので。扱いとしてはなるべくそういうものが入っちゃってるので排除していくという、そういう姿勢であろうかと思います。
 ほかの先生、谷田先生、これご意見ありますか、今の。

○谷田委員 特定外来種法に、滋賀県たしか上乗せをしているんですよね。上乗せをするとどういうことかというと、普通、私も余り詳しくないんですけれども、釣ったブラックバスは、ほかのところは離してもいいんですよね。現状そのままでもいいはずですよね、たしか。琵琶湖は離してはだめなんですね。

○須藤委員長 だめですよね。

○谷田委員 ほかの水域では、入れたらだめだけれども、釣ったやつをもとへ戻すのは問題ないんですよね。ということで、どういうことが起こっているのかというのをこの前ちらっと聞きましたら、釣り人たちが琵琶湖で釣るのが、処理しなきゃいけないので、釣り人が減ってるそうですね、実際に。それが今後ブラックバスにどう効いてくるかというのはまだ問題が出ておりません。

○高橋委員 キャッチアンドリリースというのがバス釣りの文化なんですけれども、琵琶湖ではリリース禁止になっています。そのことによって釣り人が大幅に減っていますけれども、むしろ私の考えでは、適正な釣り人口に近づいたということだと思います。釣ることによる排除は微々たるものですから、あれはむしろそのことによって減らそうというよりはもっとメンタルな面とか、外来魚はいけないんだということをアピールする効果が大変全国的にものすごい影響があったわけですね。ですから、そういう効果のほうがむしろ重要であって、また次の別の第2、第3のブラックバスを放流しても琵琶湖ではだめなんだということの宣伝にもなりましたし。単に釣ることによって減らそうというのは余り効果はそれほど期待されていなかったと思うんです。

○須藤委員長 わかりました。
 でも、琵琶湖ではそれは罰則になるんですよね。罰則にはならない。

○高橋委員 罰則はないんです。で、今罰則をつけなければいけないかどうかということも今検討されているので、多分罰則はつかないと思います。今の議論の方向では。

○須藤委員長 そうですか。わかりました。
 どうぞ、続けて。

○谷田委員 東京湾の特別域って設定しましたっけ。

○須藤委員長 しましたよ。

○谷田委員 どれぐらいの面積でしたっけ。

○須藤委員長 これのどこかに載ってますね、今の。

○辻原課長補佐 前回ですけれども、主に干潟、藻場というものを中心に設定いたしまして、あと浅場ですね、周辺の浅場ですけれども。委員の方から、有馬先生などからはもう全体が特別域じゃないかというお話ありましたけれども、貧酸素水塊というものの影響がございますので、東京湾の奥のほうにつきましてはそこを除いた部分ということで、浅場、その周辺を中心に設定させていただいたわけですけれども。いわゆる富津岬より南側のところにつきましては岩礁性の藻場とか浅場が広く分布しておりますので、そういったところについては産卵等が確認されているところはすべて広い範囲を設定していると、そういう状況でございます。

○谷田委員 それと比べて、琵琶湖は資料不足ということでやむを得ないのかもしれませんが、ちょっと少ないなと、現状ではね、特別域は。

○須藤委員長 だから、この最後のこのページが大事なんじゃないですか。これが全部でもいいんですけれども。

○谷田委員 現状ではやむを得ないと思います。
 それからもう1つは、やはり琵琶湖は周辺の川あるいはナイコウとのつながりで琵琶湖の水生生物が生育している面が非常に大きいんですよね。その扱いも、これもやはり今後の勉強次第だと思うんですけれども、ビワマスもそうですし、ニゴロもそうですし、そういう周辺水域の関連も含めて琵琶湖一帯として琵琶湖の水生生物を見ないとだめだと思うんですよね。
 だから、今回とは言いませんけれども、特別域の検討にはその琵琶湖及び周辺水域という見方も検討していただきたいと思います。

○須藤委員長 それで、川と琵琶湖と一緒にした、一体とした水域での特別域ということですね。

○谷田委員 はい、そうです。

○須藤委員長 今までは分けてやってますから。

○谷田委員 アユとかビワマスなんてまさにそういう対象に。

○須藤委員長 そうですよね。これは、川のほうは滋賀県がやるんですよね。これを踏まえてやることになりますよね。ですよね。

○谷田委員 そうですね。

○須藤委員長 ですから、そこはぜひ当方のこの今の資料に基づいて、滋賀県が多分やってくださる、言わなくたってやってくださると思うけれども、そういう方向でやって、今先生のお考えのような形で一体感が出てくると、一応役所の仕分けで分担を国と県でしていますので、その辺は多分そうしていただきたいということを環境省のほうからもお願いしてください。

○谷田委員 よろしくお願いします。

○須藤委員長 特によろしゅうございましょうか。先生もよろしいですか。

○藤田委員 南湖において深くなるほどかなりDOがゼロに近づいているのですけれども、かなり最近汚れが増しているのでしょうか、どうなのですか。

○須藤委員長 それは補佐のほうから。

○辻原課長補佐 必ずしも汚れが増しているということではなくて、琵琶湖のこの部分につきましては深堀りをしているところがございまして、昔埋立てをしたときに土砂を取ったところがございまして、そういったところが特異的に悪くなっているということでございます。こういった現象は海でもまま見られるところでございまして、浚渫土砂を埋立てに使うようなところで昔掘ったところで非常に状況が悪くなるというのはよく見られる現象でございます。

○須藤委員長 特に今の閉鎖性海域もそうだし、それから今の湖沼もね、特に窪地と呼ぶんですか、ああいうところのそういう掘った後がDO不足になって、そこが水質が悪くなる。それから、赤潮なりアオコなりの発生原因になっていると、こういう方向はあると思います。
 ほかはよろしゅうございましょうか。
 大体先生方からは今後、最後のページに書いてあるような部分が重要であるということで、これからの調査研究に期待をするというところですが。とりあえずは今の段階ではこれでよろしかろうと、こういうことであろうかと思いますので、この問題については産卵場・生育場の状況についてはこのように今の段階ではまとめておきたいと思います。
 ですから、あとは最後のページのほうに書いてある部分は今後どうぞやっていただきたいことと。それから、滋賀県とのそれぞれの今度川のほうの類型のところにこの考え方が、特に先ほどの谷田先生おっしゃっていただいたところの部分が生かせるようにお願いをしておきたいというのがこの議題のまとめにさせていただきます。
 それでは、議題3、きょうの本論といいましょうか、一番これはどうしてもやらなくちゃいけない部分でございますが、水生生物環境基準類型指定専門委員会第3次報告案、これにつきましては今まで2次までやって、ここの部分までが第3次になるわけですが、事務局のほうでこの案について準備をしていただいております。資料5を使って、これは安達主査ですか、のほうでご報告をください。お願いいたします。

○安達主査 そうしますと、今回一応これまでの議論を踏まえたところで、第3次報告案としてまとめさせていただきたいと思います。資料につきましては、資料5と、あと資料5の附属資料をつけております。
 この附属資料5のほうですけれども、これにつきましてはこれまで議論いただきました水生生物の適用性を判断するときのメルクマールとなる基礎情報、例えば水温情報であったりとか、河床材料だったりとか、あと生物の生息状況だったりとか、そういったところの基礎情報について、この資料5のほうで掲載をしております。かなり分厚くなっておりますが、後でごらんいただきたいと思います。
 では早速ですけれども、資料5のこちらの本編の資料に従いまして説明をさせていただきたいと思います。
 実を言うと、前回各河川、あと琵琶湖ですけれども、A類型、B類型の区分についてはご説明しましてご議論いただきまして、おおむねご了解をいただいたところではないかというふうに考えておりますので、今回については前回検討しました河川の産卵場・生育場の整理と、先ほどご議論いただきました琵琶湖ですね、この特別域の整理のところを踏まえまして、基本的には特別域のところを前回の資料に追加をした形になっております。その特別域のところを中心にご説明をして、最後にこの河川についてはA類型、B類型はここと、特別域についてはここといったようなところを説明させていただきたいというふうに考えております。
 では、早速、2ページの相模川のほうの説明をさせていただきたいと思います。
 あわせてこの附属資料の1ページの図面のほうはあわせてごらんいただくとわかりやすいと思いますので、附属資料の資料5ですけれども、こちらの1ページのほうもご確認いただきたいと思います。
 2ページの真ん中ほどにございますけれども、特別域についてということで、相模川の特別域の検討結果についてまとめてあります。相模川につきましては、まず保護水面には設定されておりません。保護水面に設定されている場所はございません。このほか、現時点では特別域に当てはまる検討に足る情報は得られていないといったことになります。
 ただし以降のところにつきましては、相模川に依存する、相模川における主要魚種が産卵場として依存する場として挙げられる種についてまとめてあります。相模川については生態特性等から、ヤマメ、アユ、ウグイ、コイ、この主要魚種が相模川の中ではそういったような産卵場として利用しているといったことになりまして。
 こういったような魚介類については、ちょっと後ろのほうの別表1というのが22ページ、この資料5の22ページのほうに記載しておりますけれども。ここに魚種が書いてありまして、水域名が書いてあります。おおよそどういったような場所が産卵場・生育場として形成されるかといったような情報をまとめております。
 相模川につきましては、先ほど申し上げましたヤマメ、アユ、ウグイ、コイについてはここで挙げられる場所について今後検討していく必要があると。あわせて、漁協であるとか水産試験場であるとかそういったところにヒアリングをして、さらにその情報を精査していく必要があるというふうに考えております。
 2ページのなお書き以降、[2]特別域について、なお書き以降でございますけれども、ア、イ、ウというふうにございます。まず、アについては、これは前回利根川・荒川水系のところでも検討していきましたけれども、ある情報、いわゆる水温情報と産卵期に適した水温情報と、その産卵場として適している河床材料の情報があるところについては、その重ね合わせでその魚種について今後こういったような場所を見ていきましょうといったことを整理しておりまして、相模川についてはヤマメについておおよそ大月橋から松留砂防堰堤、アユについてはおおよそ小倉橋から河口近くまでとなっております。
 これはこの附属資料のほうの1ページのほうの図面の下のほうに、アユ、ヤマメと整理してあります。これはその水温と河床材料を重ね合わせた部分をこちらのほうで示してあるんですけれども、この範囲について今後より詳細な情報がございますので、こういったところを今後調べていく必要がありますよといったことをお示ししております。
 また、本編資料のイとウですけれども、イとウについてはヒアリング情報、また河川整備基本方針で正常流量を検討されているときに参考にしている産卵場情報であるといったものをイとウのところでまとめてあります。
 以上の結果を踏まえまして、相模川の水域類型の指定でございます。[3]でございます。相模川については、小沢頭首工を区分点に、上流側を河川の生物A、下流側を生物Bといたします。
 達成期間でございますけれども、ここについては17年度1地点でその環境基準値を超過している地点もございますけれども、ただ同じ地点で継続して環境基準値を超えることはございません。平成18年、19年度は測定した地点すべて環境基準値以下となっておりますので、これらの状況を踏まえて達成期間は直ちに達成するとすることが適当であると。ただし、今後そういった水質状況に十分に留意して水質の監視を行っていく必要があるといったことをご提案させていただきたいと思います。
 続いて、富士川でございます。[2]の特別域についてということで、富士川につきましても保護水面に設定されている箇所はございません。また、このほか、現時点では特別域の当てはめの検討に足る情報は得られてございません。ただし、先ほどの相模川と同様、アマゴ、アユ、オイカワについては生態特性等から別表1に整理した場所について、今後検討していく必要があるというふうに考えております。
 (ア)で具体的により情報が得られている種につきまして、アマゴとオイカワとございますけれども、アマゴについてはおおよそ最上流から笛吹川合流点までの範囲、アユについてはおおよそ上三吹から河口近くまでの範囲が産卵の好適な場所として考えられますので、そういった場所を中心に今後検討していくと。オイカワについても、笛吹川合流点から河口部までというふうになっております。
 そういったような状況を踏まえまして、富士川の水域類型の指定でございます。富士川につきましては、笛吹川合流点を区分点に、上流側を河川の生物A、下流側を生物Bとしております。
 達成期間については直ちに達成とさせていただいております。
 図面のほうも、附属資料の2ページのほうにございますけれども、こちらのほうで一応生物AとBの部分と、各魚種の今後の特別域の検討に必要な場としてこういったところが該当するといったところもまとめておりますので、あわせてごらんいただきたいと思います。
 続きまして、天竜川でございます。5ページのほうをごらんいただきたいと思います。
 天竜川の特別域[2]でございますけれども、ここにつきましては保護水面がアユを対象としまして、天竜川河口から上流16.4kmの区域に設定されております。ここについてはアユの仔魚分布状況について調査がされておるようでございます。ただし、ちょっとアユについてはこれまで水温の適応範囲が広いということから、類型指定に当たってはその取扱いについて今後の検討の課題となっており、現在いろいろと情報収集しているところでございますので、今後の整理を踏まえて検討することが適当であると考えられます。
 続いて、天竜川の産卵場として考えられる魚類ですけれども、アマゴ、アユ、コイ、ウグイが挙げられますので、これについても別表1で掲げられている情報をもとに今後検討していきたいと思っております。
 アについては、アマゴ、アユについては、水温と河床材料から、ほぼ場所のほうが想定されますので、アマゴについてはおおよそ横川合流点から飯田水神橋の範囲、アユについてはおおよそ横川合流点から飯田水神橋及び船明ダムから天竜川河口近くまでの範囲と、こういったところの範囲を今後検討していくといったことをご提案させていただいております。
 イとウについてはヒアリング情報について載せております。
 6ページのほうにいきまして、天竜川の水域類型の指定でございます。天竜川につきましては、天竜川鹿島橋を区分点に、上流側を河川生物A、下流側を生物B、あとここには人工湖がございますので、佐久間ダム貯水池については湖沼の生物Aとすることが適当であるとご提案させていただきたいと思います。
 達成期間については直ちに達成といったことでご提案させていただきたいと思います。
 続いて、7ページでございます。木曽川の特別域でございますけれども。ここについては、保護水面に設定されている場所はございません。このほか、現時点で特別域の当てはめの検討に足りる情報は得られておりません。ただし、木曽川に依存する主要魚介類としては、アユ、オイカワ、コイ、ウグイ、ヤマトシジミが挙げられまして、これにつきましても別表1に整理した情報を踏まえて今後検討していきたいと考えております。
 (ア)で、アユについては、おおよそ犬山頭首工から濃尾大橋までの範囲、オイカワについてはおおよそ犬山頭首工から木曽船頭平までの範囲が産卵場として好適な水域と想定されますので、こういったような場所を中心に検討していきたいと考えております。
 8ページのほうで、木曽川の水域類型の指定ということで案を示させていただいております。木曽川については、中濃大橋を区分点に、上流側を河川の生物A、下流側を生物B、味噌川ダム貯水池を湖沼生物Aとさせていただいております。
 達成期間については直ちに達成することが適当であるということでお示しさせていただきました。
 続いて、揖斐川でございます。9ページ、[2]特別域について、揖斐川については保護水面に指定されているところがございまして、アユを対象として、岐阜県瑞穂市等の水域で設定をされております。ここについては、平成16年度以降、産卵調査がされていないような状況でございますので、今後産卵状況の調査結果を踏まえて検討することが適当であるというふうに考えて、今回については保留とさせていただきました。
 ただし、揖斐川における主要魚介類としては、アマゴ、アユ、オイカワ、コイ、ヤマトシジミが挙げられておりますので、こういったような種については別表1に掲げる情報をもとに検討していきたいと考えております。
 続いて、アですけれども、アマゴについてはおおよそ西平ダムから岡島頭首工までの範囲、アユについては西平ダムから牧田川合流点までの範囲、オイカアについてはおおよそ岡島橋から前川樋門までの範囲が産卵場の適した場所として想定されますので、こういったような場所を中心に今後検討をしていくということで示させていただきました。
 10ページでございます。揖斐川の水域類型の指定でございます。揖斐川については、岡島橋を区分点に、上流側を河川の生物A、下流側を生物B、横山ダム貯水池を湖沼の生物Aとしてお示しさせていただきました。
 達成期間については直ちに達成ということになっております。
 続いて、11ページ、長良川でございます。[2]の特別域です。長良川についてはアユを対象としまして、岐阜県岐阜市にかかる水域で設定されております。ただし、ここについても調査のほうが平成16年度以降現地調査されていない状況でございますので、今後の調査結果を踏まえて検討することが適当であるということでお示しさせていただきました。ただし、主要魚介類として、アマゴ、アユ、オイカワ、コイ、ウグイが挙げられておりますので、今後こういったような生態特性を踏まえて検討していくと。
 さらに、アマゴについては、おおよそ向山橋から板取川合流点までの範囲、アユについてはおおよそ吉田川合流点から南濃大橋までの範囲、オイカワについてはおおよそ藍川橋から揖斐長良川上流までの範囲が産卵場として好適な水域として想定されますので、こういったような場所を中心に検討していきたいというふうにお示しさせていただきます。
 12ページのほうの水域類型の指定でございます。長良川については、藍川橋を区分点に、上流側を河川の生物A、下流側を生物Bとすることが適当であるということでお示しさせていただきます。
 達成期間については直ちに達成ということでお示しさせていただきます。
 続いて、淀川でございます。13ページ、[2]の特別域についてでございます。淀川につきましては、保護水面に設定されている箇所はなく、このほか現時点で特別域の当てはめの検討に足りる情報は得られておりません。ただし、主要魚介類として、アユ、オイカワ、ギンブナ、コイは、生態特性またはヒアリング情報等踏まえて、今後調査等を検討していきたいと考えます。
 さらに、アユについては、おおよそ天ケ瀬ダム堰堤から三川合流点までの範囲、オイカワについてはおおよそ洗堰下流から淀川大堰の範囲、ギンブナについてはおおよそ鵜飼大橋から赤川鉄橋下流の範囲、こういったような場所を中心に今後検討していきたいというふうに考えております。
 [3]水域類型の指定についての案でございます。淀川については全区域を生物Bと。
 達成期間については、直ちに達成ということでお示しさせていただきたいと思います。
 続いて、神崎川でございます。神崎川につきましても、保護水面に設定されている場所はなく、このほか現時点で特別域に当てはめる検討に足る情報は得られておりません。ただし、ギンブナについては今後生態特性、ヒアリング等を踏まえて、産卵場等の情報を収集していこうというふうに考えております。
 続いて、ギンブナについてはおおよそ江口橋から安威川合流点までの範囲、こういったような場所を中心に検討していきたいというふうに考えております。
 神崎川の水域類型の指定でございます。全区域を生物B、達成期間については、17年度で補助点で超過している地点もございますけれども、継続して環境基準値を超えることはございませんことから、達成期間は直ちに達成ということでお示しさせていただいております。
 ただし、今後当該水域の水質状況に十分留意して、水質の監視を行っていく必要があるということでさせていただいております。
 続いて、猪名川でございます。15ページ、[2]の特別域についてでございますけれども、保護水面に設定されている場所はございません。ただし、アマゴ、アユ、オイカワ、トウヨシノボリ、カワヨシノボリ、こういったような主要魚介類については今後生態特性、ヒアリング等で情報を収集精査していきたいというふうに考えております。
 さらに、アマゴについてはおおよそ北谷橋からゴルフ橋/虫生の範囲、アユについてはおおよそ北谷橋から利倉橋の範囲、オイカワについてはおおよそゴルフ橋から利倉橋の範囲についてを今後中心に検討していきたいというふうにお示しさせていただきました。
 猪名川の水域類型の指定ですけれども、ゴルフ橋/虫生地点を区分点に、上流側を河川の生物A、下流側を生物Bとご提案させていただきます。
 達成期間ですけれども、平成18年度に補助点で環境基準値を超過している地点もございますけれども、継続して超えているような状況ではございませんので、達成期間は直ちに達成することが適当であります。ただし、十分水質に留意して今後水質監視を行っていくといったことが必要であるということで整理させていただいております。
 続いて、木津川でございます。特別域について、ここについても保護水面等については特別設定されておりませんで、そのほかでは情報は得られていないといったような状況でございます。ただし、アマゴ、アユ、コイの主要魚介類については今後情報収集が必要であると。
 さらに、アマゴについてはおおよそ中山橋から大野木橋までの範囲、アユについてはおおよそ中山橋から淀川合流点までの範囲を中心に産卵場調査をしていきたいというふうに考えております。
 水域類型の指定案でございます。木津川については、久米川合流点を区分点に、上流側を河川の生物A、下流側を生物Bとさせていただいております。
 達成期間については、直ちに達成とさせていただきたいと思います。
 最後に、琵琶湖でございます。琵琶湖は本日ご検討いただいたとおりでございますけれども、まず[2]特別域ということで、ここについては保護水面として2カ所設定されております。フナ・モロコを対象として湖北町、琵琶湖地先、近江八幡市牧町地先と。あと、漁業禁止区域としても14カ所。さらに浮産卵床として設定されている場所もございます。
 19ページのほうにいきまして、あと、産卵に適した条件の場でございますけれども、先ほどもご説明しましたけれども、ここについては抽水植物、沈水植物、また砂・礫・岩礁帯、こういったような重要な場所がございます。琵琶湖においてはこれらの場が産卵場の生育場として重要な場として整理をさせていただいております。
 沈水植物群落、抽水植物群落、砂・礫・岩礁帯、その水域についてはここに挙げているとおりでございます。
 続いて、水質の状況ということで、おおむねDOの環境も好適な条件が形成されているといったような状況でございます。
 続いて、産卵状況でございますけれども、琵琶湖については8種主要魚種がございまして、その主要魚種について魚場の情報、あと産卵調査の情報について20ページの上段のほうから掲載しております。
 こういったような情報を踏まえて、主要な産卵場・生育場としては、まず、産卵調査のデータがあるところとして、湖北町地先、西浅井岩熊地先、高島市針江地先、草津市新浜町地先、ここについては産卵情報が整理された場所ということでお示しさせていただきました。
 またのところにつきましては先ほど一番最後のほうのページにもございましたけれども、今後琵琶湖において産卵場として重要な場として考えられますので、ここについては産卵調査等を集中的に行って、今後検討していく場所ということでお示しさせていただいております。
 こういったような情報を踏まえまして、琵琶湖の水域類型の指定でございます。琵琶湖については、北湖を生物A、南湖を生物Bとさせていただいております。
 続いて、特別域でございます。特別域につきましては湖北町地先、ヨシ帯及びその周辺の同等の環境を有する水域、ヨシの最大分布水深と常時監視の可能性を考慮した、おおむね3m以浅の水域をまず1カ所。
 次は、西浅井岩熊地先、続いて高島市針江地先、草津市新浜町地先、ここについてを生物特Bとご提案させていただきたいと思います。
 最後に、琵琶湖の達成期間ですけれども、ここについては全亜鉛の水質が年間を通じて安定な状況でございますので、直ちに達成ということでお示しさせていただきます。
 以上につきまして、第3次報告案の事務局からのご提案でございます。以上でございます。

○須藤委員長 どうも簡潔にご説明いただきまして、ありがとうございました。
 それでは、これ全部を先ほどの琵琶湖のことも含んでおりますが、全体を通して、これは報告案でございますので、どこからでも結構でございます。何かご意見はございますでしょうか。AとBの分け方につきましては、前回までそれぞれ議論して先生方の大体合意を得ているわけでございますので、特に特別域について少し前回よりも踏み込んでご議論をいただいた部分があろうかと思いますし、それを記載しているわけでございますので、この専門委員会報告、いかがでございましょうか。どうぞ、ご意見があったらお出しください。
 どうぞ、谷田先生、どうぞ。

○谷田委員 単純な誤植だと思うんですけれども、特別域に、にが入るんですよね、についてですよね。全部抜けてますね、ほとんど。一番最初だけ入ってましたけれども。琵琶湖も。

○安達主査 すみません。修正します。

○須藤委員長 いや、大事なことですよ。やはり。

○谷田委員 もう1つ、もっとつまんないかもしれないけれども、西浅井ではなくて、ニシアザイなんですよね。そうですよね。

○高橋委員 はい。

○須藤委員長 読み方ですね。

○谷田委員 はい。それで、琵琶湖のところで気になりましたのは、20ページですけれども、西浅井町岩熊地先ですね、だから、町が抜けてる。
 それから、これ私よくわからない、難しいなと思うんですけれども、ちょっとこれは議論したほうがいいかもしれませんね、北湖を生物Aですよね、それから南湖を生物Bですね。それで、北湖を含んだ特別地域を生物特Bにするんですよね、Aじゃなくて。これは対象生物がBだからということ。

○須藤委員長 そうです。よろしいですね。

○谷田委員 そういう理解でしたら結構です。それは矛盾しないんですね、水域の問題とあれとは。特別域と水域区分が乖離していてもいいわけですね。

○辻原課長補佐 その部分ですけれども、ちょっとご説明が足りないところがございましたけれども。今の告示ですと、生物特Aにつきましては書き方は、生物Aの水域のうち生物Aの欄に掲げる水生生物の産卵場云々として必要な水域と。生物特Bも生物Bの水域のうちというふうに書いておりますので。今までの考え方ですと基本的に特Aも特Bも、Aのところに特Aと、Bのところに特Bという考え方だったと思うんですけれども、これまでの検討の中でもそこが重なり合うというところは逆転するといいますか、特BがAのところにあるとかそういうものがなかったわけですけれども、今回の検討の中で初めてそういうものが出てきたということで、告示がこうなっているからそうはしないというわけにはいかないということだと思いますので、その辺は科学的な知見に基づいて、そういう場所があるということで、まず告示のほうを少し見直していくことをあわせて考えたいというふうに思っております。

○須藤委員長 先生、よろしいですか。

○谷田委員 はい。

○須藤委員長 どうぞ、高橋先生。

○高橋委員 対象物質によって特Bの基準値と、琵琶湖の場合ですね、特Bの基準値とAの基準値とが、Aのほうが低かった場合はどういうことになりますか。

○須藤委員長 Aのほうが低くて、特Bのほうが高かった、そういう意味ですか。

○高橋委員 はい。

○辻原課長補佐 ご指摘のとおり、そういうケースも想定されるんですけれども、亜鉛の場合には陸域は全部同じ数字ですけれども、一般的な傾向を言いますと、Aよりも特Aのほうが厳しくて、Bよりも特Bのほうが厳しく、大体AとBを比べるとBのほうが少し値は大きくなるのかなという関係にはあるんですけれども。
 では、Aと特Bを比べたときにどうなるかというときに、場合によってはAのほうが厳しくなるケースもありますので。Aの中で特Bを設定して、そこはAではないんですということになってしまうと、場合によってはそこだけ緩くなるというケースもありますので、この辺はちょっと書き方をどうするかというのは法制的な技術もありますので、その辺はちょっとまた検討してきたいというふうに思っておりますけれども。
 基本的には保全を図るということが第一目的ですので、緩くなるような方向にならないようにしていきたいというふうには思っております。

○須藤委員長 高橋先生、何か今の件で、またさらにこうして欲しいということございますか。

○高橋委員 2つの基準値が重なるところは厳しいほうを選ぶというふうにしていきたいということですか。

○辻原課長補佐 はい。

○高橋委員 わかりました。

○須藤委員長 そのほうがよろしいですよね。

○高橋委員 はい、そうですね。

○須藤委員長 逆にAのところに特Bをつけたら、そのほうが数値が高い方の数値、高いというか緩い数字になっちゃったというのはよろしくないですよね。

○高橋委員 そうですね。

○須藤委員長 それは私も全く同感ですので、今のような感じで整理をしていただきたいと思います。

○高橋委員 もう1つよろしいですか。

○須藤委員長 どうぞ。

○高橋委員 これも誤植のうちだと思うんですが、ちょっと範囲が広いので、20ページの上から5行目のイサザの産卵、これ文脈ですと産卵場が書いてないといけないのですけれども、イサザは沖島の南西、彦根市沖、これは主な漁場が書いて……

○安達主査 これは魚場を整理したところです。

○高橋委員 そうですか。

○高橋委員 でも、その後に続く文章が、当該水域が産卵場等になっている可能性が高いとありますけれども、ちょっと流れが読みづらかったんですけれども。

○安達主査 わかりました。ここは基本的には魚場として整理した場所を書いてありまして、そういったところが産卵場として形成される可能性が高いと整理しております。

○須藤委員長 当該水域がというのはその水域がですよね。

○高橋委員 イサザの場合はこの沖合いでは産卵しませんですけれども。ちょっと読み取りづらいですけれども。

○安達主査 そうですね。イサザの場合は魚場と産卵場とちょっと乖離しており、相違している部分がありますので、その表現を工夫したいと思います。基本的には魚場と産卵場というのはイコールというふうに考えておりましたけれども、イサザの場合はちょっと特徴がありまして、若干深いところにいますので、魚場と産卵場が離れている部分がありますので、これまでの整理だと魚場と産卵場はイコールとなっていますけれども、イサザの場合はちょっと書き方に工夫がいるというふうに考えておりますので、ここについては修正いたします。

○高橋委員 私の感じでは、生活シーンによっていろいろな場所を点々と利用するということのほうが普通のような気がするので。ちょっと苦しい気がするんですけれども。

○須藤委員長 余りきちっと分けすぎるとね、そういう意味ですね。

○高橋委員 はい、やはりここでは産卵等の状況という箇所ですし。産卵期に子持ちの魚を漁獲するような種ですと割と産卵場と漁場は一致するでしょうけれども、それは本当にいろいろ種によって違うので、ちょっと書き方に工夫がいるような気がしました。

○須藤委員長 それでは、そこら辺の部分は漁場と産卵場のところは大体一致はしているとは思うけれども、今のようなお話いただいてるから、表現ぶりを少し変えましょうか。
 ほかはよろしゅうございましょうか。
 特になければ、ちょっと誤植というか……

○高橋委員 ちょっと気がついたことは後からまた申し上げてよろしいですか。細かいことで。

○須藤委員長 もちろん。ほかの先生も同じです。誤植も結構でございますし、先ほどの図が見にくいなんていうのも結構でございます。ぜひそういうのをご指摘いただいて。
 でも、内容的にはこのようなことでよろしゅうございましょうか。今のような産卵場と漁場のところの誤解のないような表現にするとか、それから先ほどのような字が抜けているとか、読み方は漢字ですからあれでしょうけれども、いろいろそういう部分、あるいはさらに追加していただくようなご指摘、そういうものすべて修正をするという条件で、この原案をどうぞお認めをいただきたいと思います。
 よろしゅうございましょうか。
 最終的でございますが、事務局で直していただいて、私が最終的には見させていただくとこういうことにして、この案をとりあえずは第3次報告案とさせていただきたいと、こういうふうに思っております。ですので、まだ修正ございますので、なるべく可及的速やかに、今高橋先生のご意見ある場合はお出しをいただきたいと、こういうふうに思います。それを整理して、最終案の部分として完成させるのはお任せをいただいて。これを報告案としていきたいというふうにさせていただきたいと思います。
 それでは、そういうことでお認めいただきましたので、事務局のほうで今後の取扱いについてご説明をください。今のは案ですが、これからのことについて。

○辻原課長補佐 先ほどご意見もいただきましたので、修正をしましてご確認をいただいた後に、パブリックコメントの手続に入っていきたいというふうに考えております。
 大まかなスケジュールでございますけれども、3月下旬ぐらいから4月下旬にかけて1カ月間パブリックコメントを実施していきたいというふうに考えております。この結果をとりまとめまして、5月上旬ぐらいに次回、第16回の専門委員会を開催させていただきまして、パブリックコメントのご意見も踏まえて、最終の報告案を確定していきたいというふうに考えております。
 第16回で3次報告案が固まりましたら、その次でございますけれども、水環境部会のほうに上げていくような手続をとっていきたいというふうに考えております。順調にいきますれば、水環境部会については6月から7月ぐらいになるのではないかというふうに考えております。
 以上でございます、

○須藤委員長 どうもご説明ありがとうございました。
 パブリックコメントを拝見させていただいた上で、もう一度審議をするんですね。

○辻原課長補佐 はい。

○須藤委員長 ですから、それは専門委員会としてこれをやるわけですね。

○辻原課長補佐 はい。

○須藤委員長 わかりました。ということで、この問題についてもう一回ご議論して、そこでまた改めて修正ということはちょっといかがなものかと思うけれども、パブリックコメントで結構意見が出た場合はそのことについて先生方に見ていただくと、こういうことにしていきたいと思っております。
 それで、一応これまでのこの今の専門委員会の報告案についての議題は終了させていただきますが、まだそのほか何かございますでしょうか。

○辻原課長補佐 特別にはございませんが、いつものことでございますが、次回の日程ということでございます。先ほどご説明したとおりでございますので、パブリックコメントの結果を見まして、また次回の日程調整をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○須藤委員長 ありがとうございました。
 そうすると、これで一応本日の議事はすべて終了するわけですが。課長から何かお言葉をいただくのはよろしいですか。よろしいですか。わかりました。
 それでは、一応これで本専門委員会の議事は終了させていただきたいと思いますが。今事務局でお話がございましたように、次回の日程につきましては今後調整していただけるということでございますので、委員の先生方にはどうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 なお、当委員会の運営方針により、議事録を作成し、公表することとなっております。後日事務局から議事録案を作成し、各先生方にお送りいたしますので、ご発言内容につきましてはどうぞご確認をいただきたいと思います。
 それでは、ここで本日の議事を終了させていただきます。
 どうもお疲れさまでございました。

午前11時33分 閉会